説明

細胞の投与のためのカテーテル

組織、体腔または関節に局所的に細胞を投与するための細胞投与システム及び方法は、記載されている。細胞投与システムは、幹細胞を圧力制御された状態で投与するように構成されたカテーテルを備える。カテーテルは、内側空気袋及び穿孔された外側空気袋を備える。内側空気袋は、ステントを配置するために圧力導管を用いて膨張される。脂肪組織由来の内皮細胞のような細胞は、内側及び外側空気袋間に導入される。内側空気袋は、穿孔された外側空気袋に圧力をかけて幹細胞を外側空気袋の開口部を通して進めるためにさらに膨張される。内側空気袋は、加圧が維持され、外側空気袋を血管壁に当接させて維持し、これにより、幹細胞を特定の標的部位に方向付ける。システムは、他の治療薬と共にまたは他の治療薬なく幹細胞を投与するために使用されてもよい。システムは、ステントと共にまたはステントなく使用されてもよい。システムは、カテーテル内の圧力の測定及び調節を可能とする圧力ゲージをさらに備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連特許出願または優先権を主張した特許請求の範囲の相互参照
本出願の特許請求の範囲は、2006年8月29日に出願された米国仮特許出願60/841009の優先権を主張し、その内容は、参考として本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般にバルーンカテーテルに関し、より具体的には、シリンダ状または管状の組織、体腔または関節への細胞の投与に適した二重空気袋カテーテルに関する。より具体的には、本発明は、低圧ソディング技術(low pressure sodding technique)を用いた細胞の局所投与に関する。
【背景技術】
【0003】
近年の多くの革新的な治療の開発にかかわらず、心疾患は、世界中の65歳を越える男性及び女性における衰弱及び死の主な原因であり続けている。多くの国において、心疾患は、死の主な原因としての伝染病に代わって「第2の伝染病」として考えられている。
【0004】
動脈内膜切除、アテローム切除術及び血管形成術は、一般的な外科手術であり、損傷した血管を治療し、プラーク(plaque)(コレステロール及び他の脂質を含む脂肪質の物質の混合物)を除去するために使用される。頚動脈の動脈内膜切除は、一般的には、頚動脈にあるプラークの堆積物を除去するために使用される。手術中において、内科医は、疾患した動脈に切開を形成し、動脈の内面に包含されたプラークを除去する。また、動脈内膜切除は、末梢動脈疾患、腎動脈疾患、大動脈弓病、大動脈腸骨動脈閉塞性疾患、内臓(腸、脾臓及び肝臓)動脈疾患を治療するために使用される。
【0005】
アテローム切除術は、レーザカテーテルまたは回転剃刀(カテーテルの端部にある「バー(burr)」デバイス)を用いて血管からプラークを除去する処置である。カテーテルは、身体内に挿入され、動脈を通って狭窄領域へ進む。使用されうる他の装置は、カテーテル切除、プラークを削ぎ落とすカテーテルまたはプラークを蒸発させるレーザカテーテルである。アテローム切除術は、プラークが冠状動脈バイパス移植において堆積する石灰化によりまたは他の困難な閉塞により非常に硬い場合に実用的である。
【0006】
血管形成術は、閉塞セグメントの拡張に付随される病変内へのバルーンカテーテルの経路を必要とする。血管形成術は、頚動脈の病変、末梢動脈疾患を治療するために広く使用される。
【0007】
アテローム切除術及び血管形成術は、ステントの配置に付随し、ステントは、血管の再閉鎖を防止するための足場(scaffold)として機能する。ステントは、血管内における血液及び酸素の正常な流動を可能とする。従来の地金の被覆されていないステントを用いると、血管形成術を受けた患者の約20%は、血管を再び狭窄するまたは閉塞する再狭窄(瘢痕化(scarring))を経験する。薬剤が被覆されたステントの使用は、再狭窄による他の処置を必要とする患者の危険性を著しく低下させる。しかしながら、薬剤が被覆されたステントは、薬剤がステントの周囲における回復を阻害するため、血栓症(死に至るステントの内側における血栓の形成)を引き起こす傾向がある。抗血栓症薬は、この影響を弱めるために使用されている。しかしながら、抗血栓症薬は、発疹及び出血を引き起こし、コンプライアンスの問題を導きながら、患者に対して無制限に使用されなければならず、コンプライアンスの問題を招く。
【0008】
これら処置の短期的な利点が著しい一方、処置は、再狭窄の主な原因である内皮を崩壊させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
細胞投与システムは、圧力制御された状態で細胞を組織または体腔に投与するように構成されたカテーテルを備えて記載されている。一形態において、細胞投与システムは、狭窄または外傷のための初期治療として使用される。一形態において、細胞投与システムは、バルーン血管形成術、動脈切除術(artherectomy)、動脈内膜切除術を含む事前の診療行為によってもたらされた損傷を治療するために使用される。一形態において、細胞投与システムは、心臓または関節のような体腔内へ細胞を投与するために使用される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
カテーテルは、内側空気袋と、幹細胞の局所的な投与を可能とする穿孔された外側空気袋と、を備える。内側空気袋は、ステントを配置するために圧力導管を用いることによって膨張される。脂肪組織を由来とする内皮細胞のような細胞は、内側及び外側空気袋間に導入される。内側空気袋は、穿孔された外側空気袋に圧力を与えるためにさらに膨張され、外側空気袋の開口部を通して細胞を進める。内側空気袋は、加圧されたまであり、外側空気袋を血管壁に当接支持し、これにより、細胞を特定の標的部位に向ける。システムは、他の治療薬と共にまたは他の治療薬なく細胞を投与するために使用されてもよい。細胞は、幹細胞から構成されてもよい。開口部は、好ましくは、約50から100μmの細胞及び小細胞の集合体の通過を可能としてもよい。また、カテーテルは、その追加されたルーメン内にガイドワイヤを運び、臨床治療のカテーテル技術において慣習的な方法でカテーテルの挿入を容易にしてもよい。ステントは、細胞粘着を促進するために被覆されてもよい。空気袋は、ステントの配置による磨耗に耐えるように設計されてもよい。システムは、空気袋内の圧力の測定及び調節を可能とする圧力ゲージをさらに備えてもよい。
【0011】
この明細書に組み込まれかつこの明細書の一部を構成する添付の図面は、1以上の形態を示しており、詳細な説明と共に、本発明の原理及び実施を説明する機能を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】血管の内腔に埋め込まれた二重の空気袋のカテーテルの先端部を示す側面断面図である。
【図2】血管に埋め込まれた細胞投与システムを示す側面図である。
【図3A】圧力ゲージを有する取外し可能なリザーバを有する細胞投与システムを示す側面図である。
【図3B】細胞投与システムを示す側面図であって、リザーバがカテーテルから取り外されている側面図である。
【図4】二重のルーメンのカテーテルを有する細胞投与システムを示す側面図である。
【図5】同軸上に取り付けられた管部を有する二重のルーメンのカテーテルを示す側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
当業者は、以下の詳細な説明が一例に過ぎず、限定を目的としていないことを理解するだろう。他の実施形態は、この開示の利益を受けるこのような当業者に容易に示唆するだろう。
【0014】
図1は、血管20にある二重空気袋カテーテル10の先端を示す断面図である。カテーテル10は、内側空気袋30と、複数の開口部50を有する外側空気袋40と、を備える。内側空気袋30は、ポリウレタン、シリコーン、ポリエチレン、ポリカーボネートまたはこれらの組み合わせからなってもよい。
【0015】
外側空気袋40は、発泡ポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ナイロン、エラスチン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、シリコーンまたはこれらの組み合わせからなってもよい。外側空気袋40は、細胞付着性を低減する処理が施された面である。外側空気袋40は、内面41、外面42及び垂直面43により規定される約0.002インチ(約0.0508mm)から約0.100インチ(約0.0254mm)の厚さを有する。一実施形態において、内面41、外面42及び垂直面43は、処理が施された面である。外側空気袋40は、親水性材料よりなり、細胞及び流体の通過を容易にする。外側空気袋40の開口部50の直径は、約2から約1000μmの間であり、外側空気袋40を通した細胞及び小細胞の集合の通過を容易にする。開口部50は、外側空気袋40がステント60に当接して支持されて細胞及び他の治療薬をステント60に投与することを可能とするために開口部50があるにもかかわらず、外側空気袋40が圧力膨張されるように十分に小さい。ステント60は、細胞粘着を促進するように被覆されている。
【0016】
ステント60は、まず血管20内に配置される。ステント60は、内側空気袋30に圧力を供給することによって配置される。そして、外側空気袋40は、細胞及び他の治療薬と共に配置される。次に、内側空気袋30は、さらに加圧され、外側空気袋40の開口部50を通して細胞及び治療薬を進め、細胞をステント60または他の装置に導入する。
【0017】
図2は、血管205内へ配置された細胞投与装置200を示す側面図である。細胞投与装置200は、基端部220及び先端部230を備え、基端部及び先端部の間にルーメン240を規定するカテーテル210を備える。基端部220は、流体リザーバ250を備え、流体リザーバ250は、流体の担体(carrier)、細胞及び他の治療薬で充填されている。先端部230は、複数の開口部265を有する空気袋260を備える。
【0018】
圧力導管270は、流体リザーバ250に接続し、流体リザーバ250内の圧力を増大する。増大した圧力は、カテーテル210のルーメン240への及び空気袋260内へ液体リザーバ250の内容物を進める。さらなる圧力の供給は、空気袋260を膨張させ、空気袋260は、血管205の内腔の表面と接触し、細胞、流体及び他の治療薬を空気袋260の開口部を通して標的部位に進める。圧力導管270は、血管の内腔の表面に対する圧力勾配を維持し、かつ細胞及び他の治療薬がカテーテル210のルーメン240を通って血管205の内腔の表面に投与することを可能としながら、空気袋260の圧力を維持する。ルーメン240からの圧力の除去は、空気袋260の収縮をもたらす。
【0019】
図3aは、圧力ゲージ320を有するリザーバ310を有する細胞投与装置300を示す側面図である。リザーバ310は、カテーテル350のルーメン340に取外し可能に取り付けられている。カテーテル350は、バルブ360をさらに備える。圧力ゲージ320は、リザーバ310の圧力を測定するために使用される。圧力ゲージ320は、自動的にあるいは人の介入により、圧力導管370に連通し、特定パラメータ内でリザーバの圧力を維持する。圧力は、用途に応じて0.001PSI(6.9Pa)及び25PSI(172kPa)の間で維持される。
【0020】
図3bは、細胞投与システム300を示す側面図であり、リザーバ310(図示略)は、カテーテル350のルーメン340から取り外されている。一実施形態において、バルブ360は、リザーバ310の取り外しの前にルーメン340の後端部を閉塞するために使用され、圧力は、カテーテル350のルーメン340内で維持される。
【0021】
図4は、細胞投与システム400を示す側面図である。細胞投与システム400は、基端部420及び先端部430を備え、基端部及び先端部の間にルーメン440を規定するカテーテル410を備える。基端部420は、流体リザーバ450及び圧力リザーバ460を備える。先端部430は、多孔性の外側空気袋すなわちシース470であって複数の開口部475を有するシース470と、多孔性でない内側空気袋480と、を備える。
【0022】
ルーメン440は、双対のルーメンであり、液体リザーバ450及び外側空気袋430の間の第1管部440aと、圧力リザーバ460及び内側空気袋480の間の第2管部440bと、を備える。
【0023】
第1圧力導管490は、圧力リザーバ460に接続され、圧力リザーバ460内の圧力を増大させる。増大した圧力は、圧力リザーバ460の内容物をカテーテル410のルーメン440の第2管部440b内へ及び内側空気袋480内へ進める。そして、細胞及び他の治療薬は、液体リザーバ450内へ取り込まれる。あるいは、細胞及び他の治療薬は、液体リザーバ450内へあらかじめ取り込まれていてもよい。
【0024】
第2圧力導管495は、圧力を液体リザーバ450に供給し、液体の担体、細胞及び他の治療薬をカテーテル410のルーメン440の第1管部440a内へ進めそして外側空気袋470内へ進めするために使用される。一実施形態において、第1圧力導管490は、第2圧力導管495と同様である。この実施形態において、液体リザーバの圧力を増大させるために使用される場合における圧力導管の内容物は、圧力リザーバに圧力を供給するために使用される場合における圧力導管の内容物と同様または異なってもよい。
【0025】
第1圧力導管490は、内側空気袋480をさらに加圧し、内側空気袋480は、外側空気袋に圧力を与え、外側空気袋470から開口部475を通して細胞及び他の治療薬を進める。
【0026】
図5は、カテーテル500を示す断面側面図であり、カテーテル500は、細胞を管状組織の内腔の表面に投与するように構成されており、カテーテル500は、二層バルーン530に取り付けられた同軸上に取り付けられた二重ルーメン管部510及び520を備える。二層バルーン530は、外側チャンバ550内で同心円状に位置付けられた内側チャンバ540であって内側チャンバ及び外側チャンバの間に環状ルーメン560を規定する関係で離間している内側チャンバ540を有している。外側チャンバ550は、複数の開口部570を備える。細胞は、環状ルーメン560内に配置されており、外側チャンバ550の開口部570を通して管状組織の内腔の表面に投与される。
【0027】
使用されうる細胞の具体例は、内皮細胞及び成長因子産生細胞(growth factor producing cell)のような脂肪組織由来の細胞、間葉細胞のような骨髄由来の細胞、内皮前駆細胞のような血液由来の細胞、胎生組織由来の細胞、骨格筋由来の細胞、臍帯由来の細胞、第VIII因子(抗血友病因子)、一部の血友病患者に欠如した血液凝固作用にかかわる蛋白質、インシュリン、血液のグルコースレベルを調節する蛋白質ホルモンを作り出すように遺伝子操作された細胞、を含む。脂肪由来の内皮細胞は、オリバーコッハー(Oliver Kocher)及びジョセフA.マドリ(Joseph A. Madri)による1989年5月の「体外細胞及び発生生物学(In Vitro Cellular & Developmental Biology)」第5巻の「基質成分及びTGF−βによって培養された血管細胞のアクチンmRNAの変調(Modulation of Actin mRNAs in Cultured Vascular Cells By Matrix Components and TGF-β)」に記載されているように、多能性幹細胞であり、平滑筋または他のタイプの細胞に分化する能力を有しており、上記文献は、その全体が参考として本明細書に組み込まれる。
【0028】
免疫システムによって認識されることなく細胞がホルモンを分泌できるまたは特定の代謝機能をもたらすようにカプセル化されている細胞は、使用されうる。このようにして、これらは、拒絶なく移植される。また、自然に分泌される蛋白質であって免疫システム細胞に結合して免疫システム細胞を無効にする蛋白質を投与するように遺伝子操作された細胞は、使用されうる。
【0029】
治療薬は、トランスフォーミング成長因子β(TGFβ)及び幹細胞の再生及び分化の調節のためのTGF−β関連蛋白質を含む。
【0030】
使用されうる治療薬は、血管内皮増殖因子(VEGF)及び肝細胞成長因子(HGF)のような血管形成関連サイトカイン、狭窄を抑えるまたは再狭窄を遅らせるための抗血管形成薬または他の薬剤であって、ヘパリン、ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼ、組織プラスミノゲン活性化因子、抗トロンボキサンB薬、抗βトロンボグロブリン、プロスタグランジンE、アスピリン、ジピリジモル(dipyridimol)、抗トロンボキサンA薬、マウス・モノクローナル抗体7E3、トリアゾロピリミジン(triazolopyrimidine)、シプロスチン(ciprostene)、ヒルジン、チクロピジン、ニコランジル、及び同様のもののような他の薬剤を含む。抗血小板由来の成長因子(Anti-platelet derived growth factor)は、動脈狭窄部位における内膜下の線維筋過形成を抑制するための治療薬として使用されてもよく、または、他の細胞増殖抑制剤は、使用されてもよい。
【0031】
幹細胞と関連して使用されうる他の治療薬は、例えばパパベリンのような鎮痙薬などの血管痙攣を無効にする血管拡張薬を含んでもよい。治療薬は、一般にカルシウム拮抗薬やα及びβアドレナリン作用薬または拮抗薬のような血管作用薬であってもよい。また、治療薬は、例えば冠動脈内にある組織の閉鎖フラップ部を壁部に接着するためまたは同様の目的のために医療グレードのシアノアクリレート接着剤またはフィブリン接着剤のような生物接着剤(biological adhesive)を含んでもよい。さらに、治療薬は、5−フルオロウラシルまたは既知の抗腫瘍薬のような抗腫瘍薬であってもよく、腫瘍部位への持続性の制御された放出抗腫瘍薬の供給のため、好ましくは薬剤のための制御された放出担体と混合されている。
【0032】
治療薬は、抗生物質であってもよく、抗生物質は、身体内の感染したステントまたは局所的な感染源に供給されうる。同様に、治療薬は、炎症を抑制する目的または局所的な組織部位にある他の理由のためのステロイドを含んでもよい。
【0033】
また、グルココルチコステロイド(glucocorticosteroid)またはオメガ−3脂肪酸は、好ましくは狭窄部位に供給されてもよい。任意の治療薬は、制御された放出薬を含んで持続性を長くしてもよい。
【0034】
治療薬は、活性物質の組み合わせの供給のための個別の医薬品の所望の混合物または同様のものからなってもよい。医薬品には、細胞の生存を支援してもよい(例えば炭水化物、サイトカイン、ビタミンなど)。
【0035】
細胞は、医薬として許容される担体(pharmaceutically acceptable carrier)と共に投与されてもよい。医薬として許容される担体の例は、賦形剤、潤滑剤、結合剤、錠剤分解物質、粉末化抑制剤(disintegration inhibitor)、吸収促進剤、吸収剤、保湿剤、溶媒、可溶化剤、懸濁化剤、等浸透圧剤、緩衝剤、無痛化剤及び同様のものを含む。防腐剤、酸化防止剤、着色料及び同様のもののような製剤の添加物は、選択的に使用されうる。
【0036】
組み合わせは、付随して(例えば混合剤として)あるいは別々だが一斉にすなわち同時に、または連続して投与されてもよい。これは、複合薬が治療混合として共に投与される症状及び同様に複合薬が別々だが同時に投与される処置を含む。「組み合わせ」は、まず1つの化合物または薬剤を最初に与え、2番目が続く別々の投与を含む。
【0037】
酸化防止剤、保存料、着色料及び賦形剤を含む製剤材料または医薬として許容される薬は、乳化剤、懸濁化剤、溶媒、フィラー、充填剤、緩衝剤、投与賦形剤(delivery vehicle)希釈剤、賦形剤及び/または補助薬に限定されない。典型的には、薬剤は、有効成分(例えば細胞)少なくとも1つの医薬的受容可能担体、賦形剤または希釈剤をさらに含む配合形式で投与されてもよい。例えば、適切な賦形剤は、注入のための水、生理食塩水または人工脳脊髄液であってもよい。
【0038】
本明細書で使用される許容される担体、賦形剤または安定剤は、服用者に毒性がなくかつ採用される投薬量及び濃度において活性であってもよく、リン酸塩、クエン酸塩または他の有機酸のような緩衝剤を含んでもよく、緩衝剤は、アスコルビン酸、osトコフェロール、低分子量のポリペプチド、蛋白質(例えば血清アルブミン、ゼラチンまたは免疫グロブリン)、親水性ポリマー(例えばポリビニルピロリドン)、アミノ酸(例えばグリシン、グルタミン、アスパラギン、サルギニンまたはリジン)、単糖類、二糖類及び他の炭水化物(グルコース、マンノースまたはデキストリンを含む)、キレート剤(例えばEDTA)、糖アルコール(例えばマンニトールまたはソルビトール)、塩形成対イオン(salt- forming counterion)(例えばナトリウム)、及び/または、非イオン性界面活性剤(例えばツイーン(Tween)、プルロニック(pluronic)またはポリエチレングリコール(PEG))である。
【0039】
中性緩衝生理食塩水または血清アルブミンと混合された生理食塩水は、典型的に好ましい担体である。製品は、適切な賦形剤(例えばサッカロース)を用いた凍結乾燥のように製剤されうる。他の標準的な医療的に許容される担体、希釈剤及び賦形剤は、必要に応じて含まれてもよい。他の典型的な配合は、pH約7.0〜8.5のトリス緩衝液またはpH約4.0〜5.5のアセテート緩衝液であり、さらにソルビトールまたはその適切な代替物をさらに含んでもよい。
【0040】
賦形剤の例は、グルコース、ラクトース、スクロース、D−マンニトール、結晶化セルロース、澱粉、炭酸カルシウム、軽質無水ケイ酸、塩化ナトリウム、カオリン、尿素及び同様のものを含む。
【0041】
吸収促進剤の例は、第四アンモニウム塩、ラウリル硫酸ナトリウム及び同様のものを含むが、これに限定されない。
【0042】
安定剤の例は、ヒト血清アルブミン、ラクトース及び同様のものを含むが、これに限定されない。
【0043】
液剤における懸濁化剤の例は、界面活性剤(例えばステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レクチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、グリセリンモノステアレートなど)、親水性高分子(例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど)及び同様のものを含む。
【0044】
液剤における溶媒の例は、注射液、アルコール、プロピレングリコール、マクロゴール、胡麻油、コーン油及び同様のものを含む。
【0045】
液剤における安定剤の例は、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリアミノメタン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム及び同様のものを含むが、これに限定されない。
【0046】
液剤における等浸透圧剤の例は、塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニトール及び同様のものを含むが、これに限定されない。
【0047】
液剤における緩衝剤の例は、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩及び同様のものを含むが、これに限定されない。
【0048】
液剤における潤滑剤の例は、ベンジルアルコール、塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカイン及び同様のものを含むが、これに限定されない。
【0049】
液剤における防腐剤の例は、パラ安息香酸ヒドロキシラーゼ安息香酸エステル(parahydroxybenzoate ester)、クロロブタノール、ベンジルアルコール、イソフェニルエチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸及び同様のものがあるが、これに限定されない。
【0050】
液剤における酸化防止剤は、亜硫酸塩剤、アスコルビン酸、α−トコフェロール、システイン及び同様のものがあるが、これに限定されない。
【0051】
液剤は、血液または標的部位の媒質と等浸透圧であってもよい。主として、これら薬剤は、バクテリア保持フィルタまたは同様のものを用いて殺菌剤と混合した濾過、照射殺菌または同様のものによって防腐剤となる。この処理に続いて、これら薬剤は、凍結乾燥または同様のものによって固体となる。使用直前に、滅菌水または滅菌注射希釈液(リドカイン塩酸塩水溶液、生理食塩水、グルコース水溶液、エタノールまたはこれらの混合液など)は、添加されうる。
【0052】
使用される液体の担体は、発熱物質なしの医薬的に許容される水溶液の形式であってもよい。当然払うべき注意を払いながら、pH、等浸透圧性、安定性及び同様のもののような医薬的に許容される組成の調合は、従来の技術範囲である。
【0053】
本明細書で使用されているように、「圧力導管」の用語は、リザーバと連通する手段として称され、細胞投与システムに供給される圧力を調節するために使用される手段を称する。圧力導管は、シリンジであってもよい。細胞投与システムは、細胞を収容する液体の担体が0.001PSI及び25PSIの間である所定の圧力範囲内で加圧されるように構成されている。
【0054】
圧力は、手動でまたは自動的に調節される。自動制御では、手動制御で発生しうる圧力の突然の変化を抑制できる。
【0055】
医療装置は、好ましくは、天然及び合成の双方における腐食切除、血管形成術、ステントの配置、バイパスグラフトの移植の後の病変組織の治療に使用されうる。
【0056】
本発明のさまざまな態様におけるさらなる改良及び代替の実施形態は、この記載を考慮して当業者に明確となるだろう。したがって、この記載は、単なる一例として構成されており、本発明を実施する一般的な方法を当業者に教示する目的のためである。本明細書で示されかつ記載された発明の形態が現在好ましい実施形態として採用されていることは、理解されるだろう。構成部材及び材料は、本明細書で図示され記載された構成部材及び材料と置換されてもよく、部品及び工程は、逆でもよく、本発明の特定の機能は、独立して使用されてもよく、すべては、本発明のこの記載の利益を受けた後の当業者に明らかである。変更は、以下の特許請求の範囲に記載されているような本発明の精神及び範囲から逸脱することなく本明細書に記載されている構成部材で行われてもよい。
【符号の説明】
【0057】
10,210,410,500,350 二重空気袋カテーテル,カテーテル、20,205 血管(管状組織)、30,480 内側空気袋、40 外側空気袋、41 内面、42 外面、43 垂直面、50,265,475,570 開口部、200,300,400 細胞投与システム,細胞投与装置、230 先端部(先端部分)、240,340,440 ルーメン、250,450 液体リザーバ,流体リザーバ、260 空気袋、270,370 圧力導管、310 リザーバ、320 圧力ゲージ、420 基端部、430 外側空気袋,先端部、440a 第1管部、440b 第2管部、460 圧力リザーバ、470 外側空気袋,シース、490 第1圧力導管、495 第2圧力導管、510 二重ルーメン管部、530 二層バルーン、540 内側チャンバ、550 外側チャンバ、560 環状ルーメン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
細胞の局所投与のための細胞投与システムであって、
当該細胞投与システムは、圧力制御された状態で組織に細胞を投与するように構成された先端部分を備え、
前記先端部分は、複数の開口部を備えるシースを有することを特徴とする細胞投与システム。
【請求項2】
前記開口部は、約2μmから約1000μmの直径を有することを特徴とする請求項1に記載の細胞投与システム。
【請求項3】
前記シースは、ポリテトラフルオロエチレン、発泡ポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ナイロン、エラスチン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、シリコーン及びこれらの組み合わせの群から選択された材料から構成されることを特徴とする請求項1に記載の細胞投与システム。
【請求項4】
前記シースは、細胞粘着を低減する表面処理が施された外面、内面及び垂直面を備えることを特徴とする請求項1に記載の細胞投与システム。
【請求項5】
前記シースは、親水性であることを特徴とする請求項1に記載の細胞投与システム。
【請求項6】
前記細胞は、哺乳類由来であることを特徴とする請求項1に記載の細胞投与システム。
【請求項7】
前記細胞は、脂肪組織に由来することを特徴とする請求項1に記載の細胞投与システム。
【請求項8】
前記細胞は、間葉幹細胞であることを特徴とする請求項1に記載の細胞投与システム。
【請求項9】
前記細胞は、骨髄に由来することを特徴とする請求項1に記載の細胞投与システム。
【請求項10】
前記細胞は、血液に由来することを特徴とする請求項1に記載の細胞投与システム。
【請求項11】
前記細胞は、脂肪組織に由来する内皮細胞であることを特徴とする請求項1に記載の細胞投与システム。
【請求項12】
前記細胞は、幹細胞であることを特徴とする請求項1に記載の細胞投与システム。
【請求項13】
前記先端部分内の圧力を増大させて幹細胞を前記シースの前記開口部を通して進めるように構成された圧力導管をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の細胞投与システム。
【請求項14】
前記圧力導管は、約0.001PSIから約25PSIの間の圧力を供給するように構成されていることを特徴とする請求項13に記載の細胞投与システム。
【請求項15】
カテーテルは、基端部及び先端部であって当該基端部及び先端部の間にルーメンを規定する基端部及び先端部を有し、
前記カテーテルの前記基端部は、流体リザーバを備え、
前記カテーテルの前記先端部は、複数の開口部を有するシースを備えることを特徴とする請求項1に記載の細胞投与システム。
【請求項16】
前記流体リザーバ内の圧力を増大させて前記流体リザーバの内容物を前記カテーテルの前記ルーメン内へ進めるように構成された圧力導管をさらに備えることを特徴とする請求項15に記載の細胞投与システム。
【請求項17】
前記シースは、前記圧力導管から圧力が供給されると膨張するように構成されていることを特徴とする請求項16に記載の細胞投与システム。
【請求項18】
前記シースは、前記圧力導管から圧力が除去されると収縮するように構成されていることを特徴とする請求項16に記載の細胞投与システム。
【請求項19】
前記圧力導管は、前記シースの圧力を維持し、圧力勾配が前記カテーテルの前記ルーメンと管状の前記組織の内腔面との間で維持されるようにさらに構成されており、
前記カテーテルからの前記細胞は、前記シースの前記開口部を通って管状の前記組織の前記内腔面に投与されることを特徴とする請求項16に記載の細胞投与システム。
【請求項20】
前記圧力導管は、シリンジであることを特徴とする請求項16に記載の細胞投与システム。
【請求項21】
前記カテーテルの前記基端部は、圧力リザーバをさらに備えることを特徴とする請求項15に記載の細胞投与システム。
【請求項22】
前記圧力リザーバに圧力を供給するように構成された圧力導管をさらに備え、
前記圧力リザーバの内容物は、前記カテーテルの前記ルーメン内へ進められることを特徴とする請求項21に記載の細胞投与システム。
【請求項23】
前記流体リザーバは、圧力ゲージを備えることを特徴とする請求項15に記載の細胞投与システム。
【請求項24】
前記圧力リザーバは、圧力ゲージを備えることを特徴とする請求項21に記載の細胞投与システム。
【請求項25】
前記カテーテルは、二重ルーメンカテーテルであり、第1管部及び第2管部を備えることを特徴とする請求項15に記載の細胞投与システム。
【請求項26】
前記カテーテルの前記基端部は、圧力リザーバをさらに備え、
前記カテーテルの前記先端部は、内側空気袋をさらに備え、
前記内側空気袋は、前記カテーテルの前記ルーメンの前記第1管部を介して前記圧力リザーバに接続されていることを特徴とする請求項25に記載の細胞投与システム。
【請求項27】
前記流体リザーバは、前記ルーメンの前記第2管部を介して前記シースに接続されていることを特徴とする請求項25に記載の細胞投与システム。
【請求項28】
前記流体リザーバは、前記カテーテルに取り外し可能に取り付けられていることを特徴とする請求項15に記載の細胞投与システム。
【請求項29】
前記圧力リザーバは、前記カテーテルに取外し可能に取り付けられていることを特徴とする請求項21に記載の細胞投与システム。
【請求項30】
前記カテーテルは、前記流体リザーバを取り外すと、前記シースの圧力を維持するように構成されていることを特徴とする請求項28に記載の細胞投与システム。
【請求項31】
前記カテーテルは、前記圧力リザーバを取り外すと、前記内側空気袋の圧力を維持するように構成されていることを特徴とする請求項29に記載の細胞投与システム。
【請求項32】
前記シースは、圧力を開放すると収縮するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の細胞投与システム。
【請求項33】
管状組織に局所的に細胞を投与する方法であって、
当該方法は、前記管状組織内へ生体適合性を有するカテーテルを配置する工程であって、前記カテーテルは、前記管状組織に適合しかつ前記管状組織を膨張させるように寸法付けられかつ形作られている工程と、
制御された状態で前記カテーテルに圧力を供給する工程と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項34】
前記カテーテルは、内側空気袋及び穿孔された外側空気袋を有する先端部を備え、
当該方法は、前記内側空気袋に圧力を供給して前記内側空気袋を膨張させる工程と、
前記内側空気袋を膨張させ、これにより前記外側空気袋の穿孔を通って幹細胞を進める工程と、
をさらに備えることを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記カテーテルは、基端部及び先端部であって当該基端部及び先端部の間にルーメンを規定する基端部及び先端部を備え、
前記基端部は、幹細胞が充填された流体リザーバを備え、
前記先端部は、複数の開口部を有する外側シースを備え、
前記流体リザーバに圧力を供給し、これにより前記幹細胞を前記カテーテルの前記ルーメン内に進める工程と、
穿孔された前記外側空気袋を膨張させ、前記管状組織と連通させる工程と、
前記外側空気袋の前記開口部を通して前記管状組織の標的部位に前記幹細胞を進める工程と、
をさらに備えることを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項36】
アテローム切除術を行う工程をさらに備えることを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項37】
血管形成術を行う工程をさらに備えることを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項38】
ステントを配置する工程をさらに備えることを特徴とする請求項34に記載の方法。
【請求項39】
幹細胞を管状組織の内腔面に投与する方法であって、
基端部及び先端部を有するカテーテルであって、前記基端部及び先端部の間にルーメンを規定し、当該カテーテルの前記基端部が流体リザーバを備え、当該カテーテルの前記先端部が複数の開口部を有する膨張可能なバルーンを備えるカテーテルを準備する工程と、
前記流体リザーバに細胞及び流体を充填する工程と、
前記カテーテルの前記基端部に圧力を供給する工程と、
前記流体リザーバから前記カテーテルの前記ルーメンに前記細胞を進める工程と、
前記管状組織の前記内腔面に近接した前記バルーンを膨張させる工程と、
前記バルーンの前記開口部を通して前記管状組織の前記内腔面に前記細胞及び前記流体を投与する工程と、
前記バルーンの圧力を維持し、これにより前記カテーテルの前記ルーメンと前記管状組織の前記内腔面との間の圧力勾配を維持し、前記カテーテルの前記ルーメンから前記管状組織の前記内腔面に前記細胞を進める工程と、
前記カテーテルの前記内腔の圧力を開放する工程と、
前記バルーンを収縮させる工程と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項40】
前記流体リザーバに治療薬を充填する工程をさらに備えることを特徴とする請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記流体リザーバ内の圧力を増大させる圧力導管を準備し、これにより前記流体リザーバの内容物を前記カテーテルの前記ルーメン内へ進める工程をさらに備えることを特徴とする請求項39に記載の方法。
【請求項42】
前記流体リザーバ内の圧力を自動的に調節する工程をさらに備えることを特徴とする請求項39に記載の方法。
【請求項43】
前記カテーテルから前記流体リザーバを取り外す工程をさらに備えることを特徴とする請求項39に記載の方法。
【請求項44】
前記カテーテルから前記流体リザーバを取り外している間に、前記バルーンの圧力を維持する工程をさらに備えることを特徴とする請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記細胞は、哺乳類由来であることを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項46】
哺乳類由来の前記細胞は、ヒト由来であることを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項47】
前記細胞は、脂肪組織由来であることを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項48】
前記細胞は、間葉性由来であることを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項49】
前記細胞は、骨髄由来であることを特徴等する請求項33に記載の方法。
【請求項50】
前記細胞は、血液由来であることを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項51】
前記細胞は、蛋白質を作り出すように遺伝子操作されていることを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項52】
前記カテーテルの表面は、親水性であることを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項53】
前記カテーテルは、細胞接着を防止するように構成されていることを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項54】
前記圧力導管は、シリンジであることを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項55】
圧力を約0.001PSI及び約25PSIの間で維持する工程をさらに備えることを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項56】
前記バルーンは、発泡ポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ナイロン、エラスチン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、シリコーン及びこれらの組み合わせの群から選択された材料から構成されていることを特徴とする請求項39に記載の方法。
【請求項57】
前記バルーンの前記開口部は、直径において約2μm及び1000μmの間であることを特徴とする請求項39に記載の方法。
【請求項58】
前記バルーンには、前記細胞接着を低減する表面処理が施されていることを特徴とする請求項39に記載の方法。
【請求項59】
前記バルーンは、親水性であることを特徴とする請求項39に記載の方法。
【請求項60】
当該方法は、狭窄のための初期治療に使用されることを特徴とする請求項39に記載の方法。
【請求項61】
当該方法は、事前の診療行為に起因する損傷を治療するために使用されることを特徴とする請求項39に記載の方法。
【請求項62】
前記事前の診療行為は、バルーン血管形成であることを特徴とする請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記事前の診療行為は、アテローム切除術であることを特徴とする請求項61に記載の方法。
【請求項64】
前記事前の診療行為は、ステント・グラフト留置術であることを特徴とする請求項61に記載の方法。
【請求項65】
管状組織の内腔面に細胞を投与するように構成されたカテーテルであって、
二重に同軸上に取り付けられた管部と、
前記管部と接触する二層バルーンであって当該二層バルーンが外側チャンバに同心円状に位置付けられた内側チャンバであって当該内側チャンバと前記外側チャンバとの間に管状のルーメンを規定する関係で離間された内側チャンバを有する二層バルーンと、
を備え、
前記二層バルーンの前記外側チャンバは、複数の開口部を備え、
前記細胞は、前記二層バルーンの前記ルーメン内に配置され、
前記二層バルーンは、前記外側チャンバの前記開口部を通して前記管状組織の前記内腔面に前記細胞を投与するように校正されていることを特徴とするカテーテル。
【請求項66】
前記内側チャンバは、ポリウレタン、シリコーン、ポリエチレン、ポリカーボネート及びこれらの組み合わせの群から選択された材料から構成されていることを特徴とする請求項65に記載のカテーテル。
【請求項67】
二重ルーメンの前記管部における第1ルーメンは、前記外側チャンバと接触していることを特徴とする請求項65に記載のカテーテル。
【請求項68】
二重ルーメンの前記管部における第2ルーメンは、前記内側チャンバと接触していることを特徴とする請求項65に記載のカテーテル。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−502284(P2010−502284A)
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−526689(P2009−526689)
【出願日】平成19年8月29日(2007.8.29)
【国際出願番号】PCT/US2007/018968
【国際公開番号】WO2008/027416
【国際公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(508011658)ティシュー・ジェネシス・インコーポレーテッド (5)
【Fターム(参考)】