説明

組成物およびデバイス

本発明は、漂白剤および塩基性(baste)アミノ酸を含む歯を白くする組成物を、その適用のためのデバイス、およびそのための使用の方法と一緒に提供する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[0001] この出願は2008年2月8日に出願された米国特許出願一連番号61/027,429の利益を主張し、その内容を本明細書に援用する。
【技術分野】
【0002】
[0002] 歯を白くする製品は当技術で既知であり、処方箋無しで売られている、または職業的に行われている製品および方法を含む。ある漂白デバイスは、漂白組成物を保持し、次いで歯に適用されるトレーを用いる。米国特許第5,746,598号および第5,376,006号を参照、その内容を本明細書に援用する。別の漂白デバイスは、歯の表面に適用される細片の形である。例えば米国特許第5,891,453号、第6,436,297号、第5,879,691号、第6,277,458号、第5,894,071号を参照、その内容を本明細書に援用する。他の漂白デバイスは、米国特許第6,669,930号、米国公開2005/0038181およびWO 2002/032961において記述されているような液体の歯を白くするゲルであり、その内容を本明細書に援用する。そのデバイスの使用は歯の白化を引き起こす可能性がある一方で、それらは一般には他の適応のための口腔の処置には取り組まない。実際には、そのデバイスは一部の口の状態を悪化させる可能性もある。例えば、そのデバイスを身につけている人々は彼らの口を開けたままにする傾向があり、それにより結果として口内乾燥をもたらす唾液の蒸発の増大を引き起こす可能性がある。
【0003】
[0003] その製品の使用は歯を白くすることができるが、同時に歯を白くし、かつ口腔を処置する、例えば同時に齲食の形成を低減または抑制し、歯の脱灰を低減または抑制し、再石灰化を促進し、および/または口内乾燥を処置することができる組成物を開発する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第5,746,598号
【特許文献2】米国特許第5,376,006号
【特許文献3】米国特許第5,891,453号
【特許文献4】米国特許第6,436,297号
【特許文献5】米国特許第5,879,691号
【特許文献6】米国特許第6,277,458号
【特許文献7】米国特許第5,894,071号
【特許文献8】米国特許第6,669,930号
【特許文献9】米国公開2005/0038181
【特許文献10】WO 2002/032961
【発明の概要】
【0005】
[0004] 本発明の組成物は、例えば口の組織を経る全身感染の可能性を低減することにより、口の健康および/または心血管の健康を含む全身の健康を促進または向上することができる。
【0006】
[0005] 本発明は、塩基性アミノ酸、例えばアルギニンを口腔に、白化剤と一緒に、歯を白くするために、および例えば次のことのために送達する組成物およびデバイスに向けられている:(i)齲食の形成を低減または抑制する、(ii)例えば定量的光誘導蛍光法(QLF)または電気的齲食測定(ECM)により検出されるエナメル質の前齲食病変を低減、修復または抑制する、(iii)歯の脱灰を低減または抑制し、再石灰化を促進する、(iv)歯の過敏性を低減する、(v)歯肉炎を低減または抑制する、(vi)口の中の潰瘍または切り傷の治癒を促進する、(vii)酸を産生する細菌のレベルを低減する、(viii)アルギノ分解性細菌の相対的なレベルを増大させる、(ix)口腔中での微生物のバイオフィルムの形成を抑制する、(x)糖負荷の後にプラークのpHを少なくともpH5.5のレベルに上げる、および/または維持する、(xi)プラークの蓄積を低減する、(xii)歯および口腔を清潔にする、(xiii)歯に齲食原性細菌に対する免疫性を与える、(xiv)例えば口の組織を経る全身感染の可能性を低減することにより、心血管の健康を含む全身の健康を促進する、(xv)酸食を低減する、および/または(xv)口内乾燥を処置、緩和または低減する。その組成物およびデバイスは、単独で、または塩基性アミノ酸を口腔に送達するための他の塩基性アミノ酸を含む組成物、例えば歯磨組成物と共に用いられてよい。
【0007】
[0006] アルギニンおよび他の塩基性アミノ酸は口腔ケアにおける使用に関して提案されており、虫歯の形成および歯の過敏との戦いにおいて重要な利益を有すると信じられている。口腔中の塩基性アミノ酸は、齲食原性ではなく歯の上の、および口腔中での位置に関してS.ミュータンス(S. mutans)のような齲食原性細菌と競合する特定のタイプの細菌、例えばS.サングイス(S. sanguis)により代謝されると信じられている。アルギノ分解性(arginolytic)細菌はアルギニンおよび他の塩基性アミノ酸を用いてアンモニアを生成することができ、それによりそれらの環境のpHを上昇させ、一方齲食原性細菌は糖を代謝して乳酸を生成し、それはプラークのpHを低下させ歯を脱灰させる傾向があり、最終的には虫歯につながる。塩基性アミノ酸、例えばアルギニンは、さらに歯の再石灰化を促進し、酸食の修復を助け、象牙質過敏に関係していることが示されている微細管に栓をする。多くの患者が漂白処置の後に過敏症の歯について不満を言っており、これは白化化学物質が微細管中の神経終末を刺激するためであるかも知れない。
【0008】
[0007] 従って、本発明は次のものを含む歯科用漂白組成物である組成物1.0を含む:
a. 歯科用白化剤と接触する歯の表面を漂白することができる有効量の歯科用白化剤、および
b.遊離または塩の形の塩基性アミノ酸。
【0009】
[0008] 本発明は、下記の組成物も含む:
1.1 塩基性アミノ酸がアルギニン、リシン、シトルリン(citrullene)、オルニチン、クレアチン、ヒスチジン、ジアミノブタン酸、ジアミノプロピオン酸、それらの塩類および/またはそれらの組み合わせである、組成物1.0。
【0010】
1.2 塩基性アミノ酸がL−立体配置を有する、組成物1.0または1.1。
1.3 塩基性アミノ酸がアルギニンである、前記の組成物のいずれか。
1.4 塩基性アミノ酸がL−アルギニンである、前記の組成物のいずれか。
【0011】
1.5 塩の形である塩基性アミノ酸を含む、前記の組成物のいずれか。
1.6 アルギニンリン酸を含む、前記の組成物のいずれか。
1.7 アルギニン塩酸塩を含む、前記の組成物のいずれか。
【0012】
1.8 過炭酸アルギニンを含む、前記の組成物のいずれか。
1.9 重炭酸アルギニンを含む、前記の組成物のいずれか。
1.10 約0.1重量%から約50重量%の塩基性アミノ酸を含む、前記の組成物のいずれか。
【0013】
1.11 さらに母材物質を含む、前記の組成物のいずれか。
1.12 歯科用白化剤および塩基性アミノ酸が母材物質内で分散している、前記の組成物のいずれか。
【0014】
1.13 さらにカルボキシポリメチレンを含む、前記の組成物のいずれか。
1.14 さらにカルボキシポリメチレンの反応生成物を含む母材物質を含む、前記の組成物のいずれか。
【0015】
1.15 ポリビニルピロリドンを含む、前記の組成物のいずれか。
1.16 歯科用組成物が歯科用トレー内に置かれ、その歯科用トレーが歯の上に配置された際に、歯科用組成物が歯科用トレーを歯の上の位置に、例えば少なくとも約1、2、3、4、または5時間の間、歯科用トレーにより大きな圧力をかけなくても保持するような粘着性および/または唾液による希釈に対する耐性を有する母材物質をさらに含む、前記の組成物のいずれか。
【0016】
1.17 さらに水を含む、前記の組成物のいずれか。
1.18 さらにグリセリンを含む、前記の組成物のいずれか。
1.19 さらにポリエチレングリコールを含む、前記の組成物のいずれか。
【0017】
1.20 約5〜約12のpHを有する、前記の組成物のいずれか。
1.21 約6.1のpHを有する、前記の組成物のいずれか。
1.22 歯科用白化剤がペルオキシド類、金属亜塩素酸塩、ペルボレート類、ペルカーボネート類、過酸類、ヒポクロリット類、およびそれらの組み合わせからなるグループから選択される、前記の組成物のいずれか。
【0018】
1.23 白化剤が過酸化水素または過酸化水素の源、例えば過酸化尿素もしくはペルオキシド塩もしくは錯体(例えば、ペルオキシリン酸、ペルオキシ炭酸、過ホウ酸、ペルオキシケイ酸、または過硫酸塩類;例えばペルオキシリン酸カルシウム、過ホウ酸ナトリウム、ナトリウム カーボネート ペルオキシド、ペルオキシリン酸ナトリウム、および過硫酸カリウム)、もしくは過酸化水素ポリマー錯体、例えば過酸化水素−ポリビニルピロリドンポリマー錯体である、前記の組成物のいずれか。
【0019】
1.24 過酸化カルバミド、過ホウ酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、および/または過酸化水素を含む、前記の組成物のいずれか。
1.25 トリエタノールアミン、水酸化ナトリウム、または塩基性アミノ酸から選択される塩基を用いてpHが調節される、前記の組成物のいずれか。
【0020】
1.26 塩基性アミノ酸がアルギニン、リシン、シトルリン、オルニチン、クレアチン、ヒスチジン、ジアミノブタン酸、ジアミノプロピオン酸、それらの塩類および/またはそれらの組み合わせである、組成物1.25。
【0021】
1.27 塩基性アミノ酸が遊離または水酸化物、塩酸塩、重炭酸塩、リン酸塩、および/またはそれらの組み合わせから選択される塩の形である、組成物1.25または1.26。
【0022】
1.28 塩基性アミノ酸が重炭酸アルギニンおよび水酸化アルギニンから選択される、組成物1.27。
1.29 さらにフッ化スズ、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フルオロケイ酸ナトリウム、フルオロケイ酸アンモニウム、フッ化アミン、フッ化アンモニウム、およびそれらの組み合わせから選択されるフッ化物塩を含む、前記の組成物のいずれか。
【0023】
1.30 次のものから選択される抗細菌剤を含む、前記の組成物のいずれか:ハロゲン化ジフェニルエーテル(例えばトリクロサン)、草の抽出物および精油(例えば、ローズマリーの抽出物、茶の抽出物、マグノリアの抽出物、チモール、メントール、ユーカリプトール(eucalyptol)、ゲラニオール、カルバクロール、シトラール、ヒノキトール(hinokitol)、カテコール、サリチル酸メチル、没食子酸エピガロカテキン、エピガロカテキン、没食子酸、ミスワク(miswak)の抽出物、シーバックソーン(sea−buckthorn)の抽出物)、ビスグアニド系防腐剤(bisguanide antiseptics)(例えば、クロルヘキシジン、アレキシジンまたはオクテニジン)、第四級アンモニウム化合物(例えば、塩化セチルピリジニウム(CPC)、塩化ベンザルコニウム、塩化テトラデシルピリジニウム(TPC)、塩化N−テトラデシル−4−エチルピリジニウム(TDEPC))、フェノール系防腐剤、ヘキセチジン、オクテニジン、サンギナリン、ポビドンヨード、デルモピノール(delmopinol)、サリフルオル(salifluor)、金属イオン(例えば、亜鉛塩類、例えばクエン酸亜鉛、スズ塩類、銅塩類、鉄塩類)、サンギナリン(sanguinarine)、プロポリスおよび酸素化剤(例えば過酸化水素、緩衝したペルオキシホウ酸ナトリウムまたはペルオキシ炭酸ナトリウム)、フタル酸およびその塩類、モノパーサル酸(monoperthalic acid)ならびにその塩類およびエステル類、アスコルビルステアレート、オレオイルサルコシン(oleoyl sarcosine)、アルキル硫酸塩、スルホコハク酸ジオクチル、サリチルアニリド、臭化ドミフェン、デルモピノール、オクタピノール(octapinol)および他のピペリジノ誘導体、ナイシン製剤(nicin preparations)、亜塩素酸塩類;ならびに前記のもののいずれかの混合物。
【0024】
1.31 ゲルである、前記の組成物のいずれか。
[0009] 本発明の別の態様は、組成物1.0〜1.31のいずれか1種類を歯に、例えばフィルムとして適用することを含む、患者の歯を漂白するための方法である。組成物は乾燥させてよく、乾燥した組成物を歯に、例えば1〜30分間付着させた後、歯の表面から落ちる、または侵食されて外れる。
【0025】
[0010] 本発明の別の態様は、組成物1.0〜1.31のいずれか1種類でコートされた、漂白される歯の表面を覆うような大きさに作られた送達用の足場(delivery scaffold)、組成物1.0〜1.31の少なくとも一部が漂白される歯の表面と接触するように歯の上にその足場を配置すること、そのトレーを少なくとも1時間歯の上の位置に留めること、およびトレーを歯から取り外すことを含む、患者の歯を漂白するための方法を含む。送達用の足場はトレーの形であってよく、ここでトレーはある量の組成物1.0〜1.31のいずれか1種類を保持するように形作られている。送達用の足場は細片、例えば曲がりやすい細片の形であってもよく、ここで組成物1.0〜1.31は歯に張りつけられる細片の片側でフィルムを形成する。別の態様において、送達用の足場は1本より多くの歯を覆うような大きさに作られていてよい。
【0026】
[0011] 本発明の他の態様は、当業者には明らかであろう。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[0012] ”有効量”は、過度の有害な副作用、例えば刺激またはアレルギー反応無しに口腔中で望まれる療法的または予防的作用を有するのに十分な量である。
[0013] 別途記載しない限り、本明細書で用いられる塩基性アミノ酸は遊離塩基または塩の形の塩基性アミノ酸を含む。
【0028】
[0014] 歯科用白化剤は当技術において既知であり、口腔中での使用に関して安全であり漂白または染みの除去を提供するあらゆる物質を含む。適切な薬剤は、ペルオキシド類、金属亜塩素酸塩、ペルボレート類、ペルカーボネート類、過酸類、およびそれらの組み合わせである。適切なペルオキシド化合物には、過酸化水素、過酸化カルシウム、過酸化カルバミド、およびそれらの混合物が含まれる。適切な金属亜塩素酸塩には、亜塩素酸カルシウム、亜塩素酸バリウム、亜塩素酸マグネシウム、亜塩素酸ナトリウム、および亜塩素酸カリウムが含まれる。適切な過酸化水素の源には、例えば過酸化尿素またはペルオキシド塩もしくは錯体(例えば、ペルオキシリン酸、ペルオキシ炭酸、過ホウ酸、ペルオキシケイ酸、または過硫酸塩類;例えばペルオキシリン酸カルシウム、過ホウ酸ナトリウム、ナトリウム カーボネート ペルオキシド、ペルオキシリン酸ナトリウム、および過硫酸カリウム)、または過酸化水素ポリマー錯体、例えば過酸化水素−ポリビニルピロリドンポリマー錯体が含まれる。歯科用白化剤の有効濃度も当技術において既知であり、有効な処置時間も同様である。
【0029】
[0015] 本発明の組成物において用いることのできる塩基性アミノ酸には、天然に生じる塩基性アミノ酸、例えばアルギニン、リシン、およびヒスチジンだけでなく、分子中にカルボキシル基およびアミノ基を有するあらゆる塩基性アミノ酸も含まれる。従って、塩基性アミノ酸には、アルギニン、リシン、シトルリン、オルニチン、クレアチン、ヒスチジン、ジアミノブタン酸、ジアミノプロピオン酸、それらの塩類またはそれらの組み合わせが含まれるが、それらに限定されない。特定の態様において、塩基性アミノ酸はアルギニン、シトルリン、およびオルニチンから選択され、好ましくはアルギニン、例えばl−アルギニンである。
【0030】
[0016] 本明細書において用いられるように、塩基性アミノ酸への言及はその塩類も含む。本発明の組成物およびデバイスは口の中における使用を意図しているため、本発明における使用のための塩類は、提供される量および濃度においてその使用に関して安全であるべきである。適切な塩類には、当技術において医薬的に許容できる塩類であると知られている塩類が含まれ、それは一般に与えられる量および濃度において生理的に許容できると考えられる。生理的に許容できる塩類には、医薬的に許容できる無機もしくは有機酸または塩基に由来する塩類、例えば生理的に許容できる陰イオンを形成する酸により形成される酸付加塩類、例えば塩酸塩または臭化物塩、ならびに生理的に許容できる陽イオンを形成する塩基により形成される塩基付加塩類、例えばカリウムおよびナトリウムのようなアルカリ金属またはカルシウムおよびマグネシウムのようなアルカリ土類金属に由来する塩基付加塩類が含まれる。生理的に許容できる塩類は、当技術において既知の標準的な手順を用いて、例えばアミンのような十分に塩基性の化合物と生理的に許容できる陰イオンを与える適切な酸を反応させることにより得ることができる。
【0031】
[0017] 本発明の組成物は、有効量の塩基性アミノ酸を含む。従って、組成物は約1重量%から約50重量%までの塩基性アミノ酸、例えば、約1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40または45%を含んでいてよい。
【0032】
[0018] 本発明の組成物は、場合により母材(matrix)中で懸濁されていてよい。適切な母材物質は、口腔中での使用に関して安全であり、口腔中ですぐに溶けず、歯科用白化剤または塩基性アミノ酸と反応しない。
【0033】
[0019] 母材物質は当技術において既知であり、一般に水で膨張可能なポリマー類、例えばカルボキシポリメチレン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシプロピルセルロース、ポロキサマー、カラギーナン(carrageenan)、Veegum、カルボキシビニルポリマー類、ポリビニルピロリドン、および天然ゴム類、例えばカラヤガム(gum karaya)、キサンタンガム(xanthan gum)、グアーガム(Guar gum)、アラビアガム、トラガカントガム(gum tragacanth)、およびそれらの混合物である。
【0034】
[0020] 1つの好ましい母材物質はカルボキシポリメチレンである。以前に、約3.5%から約12%までのカルボキシポリメチレン濃度を有する過飽和カルボキシポリメチレン水組成物は高い粘性を有することが決定されており、それから持続放出性歯科用組成物を製造することができる。本発明の組成物は非水性の、または水に溶けない構成要素を有していてよいため、カルボキシポリメチレンの濃度は高め、例えば約15%から約35%までであってよい。
【0035】
[0021] カルボキシポリメチレンは、B.F. Goodrich Companyから商品名CARBOPOLの下で、例えばCARBOPOL 934PおよびCARBOPOL 940を含めて、様々な入手元から入手できる可能性がある。
【0036】
[0022] カルボキシポリメチレンをグリセリンと混合して、大量のカルボキシポリメチレンを水中で分散させることを可能にすることができることが分かっている。その組成物中のグリセリンの量は当技術において既知であり、例えば約20重量%から約70重量%までである。グリセリンは場合によりポリプロピレン、ソルビトール、ポリエチレングリコール類、または他のグリコール類で代用してよい。
【0037】
[0023] カルボキシポリメチレンの存在は、本発明の組成物のpHを下げる可能性がある。歯のエナメル質を酸食する可能性のある低いpHを防ぐために、および塩基性アミノ酸の利益を利用するために、本発明の組成物は約5から12まで、例えば約5.5から約6.5までの範囲、例えば約6.1のpHを有していてよい。組成物のpHは、意図される終濃度において生理的に許容できることが当技術において既知であるあらゆる塩基、例えば水酸化ナトリウムもしくはトリエタノールアミンを用いて、または塩基性アミノ酸もしくはその塩を用いて調節されてよい。
【0038】
[0024] 別の好ましい母材はポリビニルピロリドンであり、米国特許第6,730,316号を参照、その内容を本明細書に援用する。
[0025] 好ましくは、塩基性アミノ酸およびあらゆる他の成分は、例えその物質が母材中で不溶性であっても、母材中で均一に分布している。
【0039】
[0026] 本発明の組成物は、1本以上の歯に、例えば薄いフィルムとして、直接適用するのに適している。フィルムを歯に付着させて、歯の表面上で1〜30分間維持した後、落ちる、または侵食されて外れる。
【0040】
[0027] 本発明の組成物は、1本以上の歯に、送達用の足場、例えばトレーまたは細片により適用されてよく、その両方が当技術において既知である。
[0028] 送達用の足場が歯科用トレーである場合、トレーはある量の本発明の組成物のいずれか1種類、例えば約.5から約5mlまでを保持するように形作られている。歯科用トレーは当技術において既知であり、それらの製造方法も同様である。一般に、歯科用トレーは使用者の口の中にぴったり収まることができるような形に作られており、1つのチャンネルが1本以上の歯の上にぴったり収まるように適合している。本発明の組成物をチャンネルの中に分配し、次いで歯科用トレーを歯に付着させるのが一般的である。
【0041】
[0029] 送達用の足場が細片である場合、本発明の歯を白くする組成物は細片の上に適用して、またはコートしてよい。その歯科用細片は当技術において既知であり、それらの製造方法も同様である。細片は一般に、それらが1本の歯または複数の隣接する歯の周りで曲がった形状を形成するように曲がる、および適合することを可能にする曲がりやすさおよび堅さを有している。細片は、漂白組成物の貯蔵場所を提供するための浅いポケットを有していてもよい。一般に、漂白組成物の粘着性のある(viscous and adhesive)性質が、細片が1本の、または隣接する歯に可逆的に付着することを可能にする。しかし、粘着性は、使用者が物質の細片を引っ張って外すことにより細片を容易に取り外すことを可能にするのに十分に低い。
【0042】
[0030] 本発明の1態様において、組成物は場合により有効量のフッ化物、またはフッ化物イオンの源、例えば可溶性フッ化物塩を含んでいてよい。多種多様なフッ化物イオンを生じる物質を、本組成物における可溶性フッ化物の源として用いることができる。適切なフッ化物イオンを生じる物質の例は、本明細書に援用するBrinerらへの米国特許第3,535,421号;Parran,Jr.らへの米国特許第4,885,155号、およびWidderらへの米国特許第3,678,154号において見つけられる。
【0043】
[0031] 代表的なフッ化物イオンの源には、フッ化スズ、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フルオロケイ酸ナトリウム、フルオロケイ酸アンモニウム、フッ化アミン、フッ化アンモニウム、およびそれらの組み合わせが含まれるがそれらに限定されない。特定の態様において、フッ化物イオンの源はフッ化スズ、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウムおよびそれらの混合物を含む。
【0044】
[0032] 特定の態様において、本発明の口腔ケア組成物は、フッ化物イオンの源またはフッ素を提供する成分を、約25ppm〜25,000ppmのフッ化物イオン、一般には少なくとも約500ppm、例えば約500〜約2000ppm、例えば約1000〜約1600ppm、例えば約1450ppmを供給するのに十分な量で含んでいてもよい。フッ化物の適切なレベルは、個々の適用に依存するであろう。例えばマウスウォッシュは通常は約100〜約250ppmのフッ化物を有するであろう。一般的な消費者使用のための練り歯磨きは、通常は約1000〜約1500ppmを有し、小児用練り歯磨きはいくらか少なく有するであろう。職業的適用のための歯磨剤またはコーティングは、5,000またはさらには25,000ppmものフッ化物を有することが可能であろう。
【0045】
[0033] フッ化物イオンの源は、本発明の組成物に1態様において約0.01重量%〜約10重量%、または約0.03重量%〜約5重量%、および別の態様において組成物の重量により別の態様において約0.1重量%〜約1重量%のレベルで添加されてよい。フッ化物イオンの適切なレベルを提供するためのフッ化物塩類の重量は、明らかに塩の中のカウンターイオンの重量に基づいて異なるであろう。
【0046】
[0034] 本発明の別の態様において、組成物は場合により、塩基性アミノ酸の有益な作用をさらに促進するために防腐剤、抗微生物剤または抗細菌剤を含んでいてよく、その薬剤はハロゲン化ジフェニルエーテル(例えばトリクロサン)、草の抽出物および精油(例えば、ローズマリーの抽出物、茶の抽出物、マグノリアの抽出物、チモール、メントール、ユーカリプトール、ゲラニオール、カルバクロール、シトラール、ヒノキトール、カテコール、サリチル酸メチル、没食子酸エピガロカテキン、エピガロカテキン、没食子酸、ミスワクの抽出物、シーバックソーンの抽出物)、ビスグアニド系防腐剤(例えば、クロルヘキシジン、アレキシジンまたはオクテニジン)、第四級アンモニウム化合物(例えば、塩化セチルピリジニウム(CPC)、塩化ベンザルコニウム、塩化テトラデシルピリジニウム(TPC)、塩化N−テトラデシル−4−エチルピリジニウム(TDEPC))、フェノール系防腐剤、ヘキセチジン、オクテニジン、サンギナリン、ポビドンヨード、デルモピノール、サリフルオル、金属イオン(例えば、亜鉛塩類、例えばクエン酸亜鉛、スズ塩類、銅塩類、鉄塩類)、サンギナリン、プロポリスおよび酸素化剤(例えば過酸化水素、緩衝したペルオキシホウ酸ナトリウムまたはペルオキシ炭酸ナトリウム)、フタル酸およびその塩類、モノパーサル酸ならびにその塩類およびエステル類、アスコルビルステアレート、オレオイルサルコシン、アルキル硫酸塩、スルホコハク酸ジオクチル、サリチルアニリド、臭化ドミフェン、デルモピノール、オクタピノールおよび他のピペリジノ誘導体、ナイシン製剤、亜塩素酸塩類;ならびに前記のもののいずれかの混合物から選択される。
【0047】
[0035] 組成物はさらに、細菌の付着を妨げる、または防ぐ薬剤、例えばソルブロール(solbrol)またはキトサンを含んでいてよい。
[0036] 本発明の別の態様において、組成物は場合により抗炎症剤、例えば非ステロイド系抗炎症薬を含んでいてよい。
【0048】
[0037] 本発明の組成物は香味を含んでいてもよい。本発明の実施において用いられる香味料には、精油および様々な香味アルデヒド類、エステル類、アルコール類、および類似の物質が含まれるが、それらに限定されない。精油の例には、スペアミント、ペパーミント、ウィンターグリーン、サッサフラス、チョウジ、セージ、ユーカリ、マヨラマ、桂皮、レモン、ライム、グレープフルーツ、およびオレンジの油が含まれる。メントール、カルボン(carvone)、およびアネトール(anethole)のような化学物質も有用である。有用な香味料は、甘味剤、例えばスクラロース、アスパルテイン(aspartaine)、サッカリンを含んでいてもよい。本発明の組成物は、色を含んでいてもよい。
【0049】
[0038] 口の組織は全身感染の入り口であり得るため、口の健康を増進することは全身の健康においても利益を提供する。良好な口の健康は心血管の健康を含む全身の健康と関係している。塩基性アミノ酸、特にアルギニンは窒素の源であり、それはNO合成経路を満たし、そうして口の組織における微小循環を増進するため、本発明の組成物および方法は特別の利益を提供する。より酸性でない口の環境を提供することは、胃部不快感(gastric distress)を低減する助けにもなり、胃潰瘍と関係するヘリオバクター(Heliobacter)にとってより不都合な環境を作り出す。特にアルギニンは特定の免疫細胞の受容体、例えばT細胞受容体の高発現に必要であり、そのためアルギニンは効果的な免疫反応を増進することができる。従って、本発明の組成物および方法は、心血管の健康を含む全身の健康を増進するのに有用である。
【0050】
[0039] 全体において用いられるように、範囲はその範囲内にあるそれぞれおよび全ての値を記述するための略記として用いられる。範囲内のあらゆる値は、範囲の末端として選択することができる。加えて、本明細書において引用される全ての参考文献をそのまま本明細書に援用する。本開示における定義および引用された参考文献の定義において不一致がある場合には、本開示が統制する。配合が記述された場合、実際の配合においてそれが作られ、保管され、使用された際にこれらの成分が互いと反応する可能性があるにも関わらず、当技術で一般的であるようにそれらはそれらの成分に基づいて記述されてよく、その生成物は記述された配合に含まれることを意図していることが理解される。
【0051】
[0040] 下記の実施例は、本発明の範囲内の説明的な態様をさらに記述し、実証する。本発明の精神および範囲から逸脱すること無く多くの変形が可能であるため、実施例は説明のためにのみ与えられ、この発明を限定するものとして解釈されるべきでない。本明細書において示し、記述したそれらに加えて、本発明の様々な修正は当業者には明らかであるはずであり、それは添付した特許請求の範囲内に収まることを意図する。
【実施例】
【0052】
実施例1
[0041] 次の成分を組み合わせることにより歯科用漂白組成物を製造する:
【0053】
【表1】

【0054】

実施例2
[0042] 25グラムのL−アルギニンを50グラムの水に添加してスラリーを形成する。5グラムの10%過酸化カルバミド溶液をスラリーに添加し、スラリーを抜き取った歯にインビトロで適用する。2時間の処置の後、組成物を洗い流し、シェードガイドと比較すると歯の色がより白いように見える。
【0055】
実施例3
[0043] 25グラムの重炭酸L−アルギニンを50グラムの水に添加して溶液を形成する。5グラムの10%過酸化カルバミド溶液を溶液に添加し、喫煙者(1日あたりおおよそタバコ25本、歯科衛生士を5ヶ月間訪問していない)から抜き取った染みの付いた歯
を、インビトロでその中に浸す。2時間の処置の後、組成物を洗い流し、シェードガイドと比較すると歯の色がより白いように見える。
【0056】
実施例4
[0044] 次の成分を組み合わせることにより歯科用漂白組成物を製造する:
【0057】
【表2】

【0058】

実施例5
[0045] 実施例4の組成物を、濃水酸化ナトリウム溶液を用いてpH10に調節する。
【0059】
実施例6
[0046] 実施例4の組成物を、水酸化アルギニンの40%溶液を用いてpH9に調節する。
【0060】
実施例7
[0047] 実施例4の組成物を、重炭酸アルギニンの60%溶液を用いてpH8に調節する。
【0061】
実施例8
[0048] 1グラムのトリクロサンを、99gの実施例4または7の組成物に添加する。
実施例9
[0049] 実施例4、5、6、7および8の組成物を、歯を覆うのに十分な量で歯科用トレーに入れる。トレーを患者の上の歯に3時間添え付け、次いで取り外す。組成物で処置した歯は、シェードガイドと比較すると、処置の後により白いと判定される。
【0062】
実施例10
[0050] 次の成分を組み合わせることにより液体白化ゲル組成物を製造する:
【0063】
【表3】

【0064】

実施例11
[0051] 次の成分を組み合わせることにより圧力感受性白化粘着性ゲル組成物を製造する:
【0065】
【表4】

【0066】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効量の歯科用白化剤および遊離または塩の形の塩基性アミノ酸を含む組成物。
【請求項2】
塩基性アミノ酸がアルギニン、リシン、シトルリン、オルニチン、クレアチン、ヒスチジン、ジアミノブタン酸、ジアミノプロピオン酸、それらの塩類および/またはそれらの組み合わせである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
塩基性アミノ酸がL−立体配置を有する、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
塩基性アミノ酸がアルギニンである、前記の請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
塩基性アミノ酸がL−アルギニンである、前記の請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
塩基性アミノ酸が塩の形である、前記の請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
アルギニンリン酸を含む、前記の請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
アルギニン塩酸塩を含む、前記の請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
過炭酸アルギニンを含む、前記の請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
重炭酸アルギニンを含む、前記の請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
組成物が約0.1重量%から約50重量%の塩基性アミノ酸を含む、前記の請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
さらに母材物質を含む、前記の請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
歯科用白化剤および塩基性アミノ酸が母材物質内で分散している、前記の請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
さらにカルボキシポリメチレンを含む、前記の請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項15】
さらにカルボキシポリメチレンの反応生成物を含む母材物質を含む、前記の請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項16】
ポリビニルピロリドンを含む、前記の請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項17】
歯科用組成物が歯科用トレー内に置かれ、その歯科用トレーが歯の上に配置された際に、歯科用組成物が歯科用トレーを歯の上の位置に、歯科用トレーにより大きな圧力をかけなくても保持するような粘着性および/または唾液による希釈に対する耐性を有する母材物質をさらに含む、前記の請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項18】
さらに水を含む、前記の請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項19】
さらにグリセリンを含む、前記の請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項20】
さらにポリエチレングリコールを含む、前記の請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項21】
約5〜約12のpHを有する、前記の請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項22】
約6.1のpHを有する、前記の請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項23】
歯科用白化剤がペルオキシド類、金属亜塩素酸塩、ペルボレート類、ペルカーボネート類、過酸類、およびそれらの組み合わせから選択される、前記の請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項24】
過酸化カルバミド、過ホウ酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、過酸化水素、またはそれらの組み合わせを含む、前記の請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項25】
pHが、トリエタノールアミン、水酸化ナトリウム、または塩基性アミノ酸から選択される塩基を用いて約7〜約9のpHに調節される、前記の請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項26】
塩基性アミノ酸がアルギニン、リシン、シトルリン、オルニチン、クレアチン、ヒスチジン、ジアミノブタン酸、ジアミノプロピオン酸、それらの塩類および/またはそれらの組み合わせである、請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
塩基性アミノ酸が水酸化物、過酸化物、重炭酸塩、および/またはそれらの組み合わせから選択される塩の形である、請求項25または26に記載の組成物。
【請求項28】
塩基性アミノ酸が重炭酸アルギニンおよび水酸化アルギニンから選択される、請求項27に記載の組成物。
【請求項29】
さらにフッ化スズ、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フルオロケイ酸ナトリウム、フルオロケイ酸アンモニウム、フッ化アミン、フッ化アンモニウム、およびそれらの組み合わせから選択されるフッ化物塩を含む、前記の請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項30】
さらに次のものから選択される抗細菌剤を含む、前記の請求項のいずれか1項に記載の組成物:ハロゲン化ジフェニルエーテル(例えばトリクロサン)、草の抽出物および精油(例えば、ローズマリーの抽出物、茶の抽出物、マグノリアの抽出物、チモール、メントール、ユーカリプトール、ゲラニオール、カルバクロール、シトラール、ヒノキトール、カテコール、サリチル酸メチル、没食子酸エピガロカテキン、エピガロカテキン、没食子酸、ミスワクの抽出物、シーバックソーンの抽出物)、ビスグアニド系防腐剤(例えば、クロルヘキシジン、アレキシジンまたはオクテニジン)、第四級アンモニウム化合物(例えば、塩化セチルピリジニウム(CPC)、塩化ベンザルコニウム、塩化テトラデシルピリジニウム(TPC)、塩化N−テトラデシル−4−エチルピリジニウム(TDEPC))、フェノール系防腐剤、ヘキセチジン、オクテニジン、サンギナリン、ポビドンヨード、デルモピノール、サリフルオル、金属イオン(例えば、亜鉛塩類、例えばクエン酸亜鉛、スズ塩類、銅塩類、鉄塩類)、サンギナリン、プロポリスおよび酸素化剤(例えば過酸化水素、緩衝したペルオキシホウ酸ナトリウムまたはペルオキシ炭酸ナトリウム)、フタル酸およびその塩類、モノパーサル酸ならびにその塩類およびエステル類、アスコルビルステアレート、オレオイルサルコシン、アルキル硫酸塩、スルホコハク酸ジオクチル、サリチルアニリド、臭化ドミフェン、デルモピノール、オクタピノールおよび他のピペリジノ誘導体、ナイシン製剤、亜塩素酸塩類;ならびに前記のもののいずれかの混合物。
【請求項31】
ゲルである、前記の請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項32】
漂白される歯の表面を覆うような大きさに作られた送達用の足場を含み、その足場が請求項1〜31のいずれか1項に記載の組成物でコートされている、患者の歯を漂白するためのデバイス。
【請求項33】
足場が歯科用トレーである、請求項32に記載のデバイス。
【請求項34】
足場が細片である、請求項32に記載のデバイス。
【請求項35】
漂白される歯の表面を覆うような大きさに作られた送達用の足場を得ること、その足場を請求項1〜31のいずれか1項に記載の組成物でコートすること、組成物の少なくとも一部が漂白される歯の表面と接触するように歯の上にその足場を配置すること、そのトレーを少なくとも1時間歯の上の位置に留めること、およびトレーを歯から取り外すことを含む、歯を漂白するための方法。
【請求項36】
請求項1〜31のいずれか1項に記載の組成物を白くする歯に適用することを含む、歯を白くするため、および場合により(i)齲食の形成を低減または抑制する、(ii)エナメル質の前齲食病変を低減、修復または抑制する、(iii)歯の脱灰を低減または抑制し、再石灰化を促進する、(iv)歯の過敏性を低減する、(v)歯肉炎を低減または抑制する、(vi)口の中の潰瘍または切り傷の治癒を促進する、(vii)酸を産生する細菌のレベルを低減する、(viii)アルギノ分解性細菌の相対的なレベルを増大させる、(ix)口腔中での微生物のバイオフィルムの形成を抑制する、(x)糖負荷の後にプラークのpHを少なくともpH5.5のレベルに上げる、および/または維持する、(xi)プラークの蓄積を低減する、(xii)歯および口腔を清潔にする、(xiii)歯に齲食原性細菌に対する免疫性を与える、(xiv)心血管の健康を含む全身の健康を促進する、(xv)酸食を低減する、および/または(xv)口内乾燥を処置、緩和または低減するための方法。

【公表番号】特表2011−510094(P2011−510094A)
【公表日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−544487(P2010−544487)
【出願日】平成21年2月6日(2009.2.6)
【国際出願番号】PCT/US2009/033306
【国際公開番号】WO2009/100277
【国際公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【出願人】(590002611)コルゲート・パーモリブ・カンパニー (147)
【氏名又は名称原語表記】COLGATE−PALMOLIVE COMPANY
【Fターム(参考)】