説明

組織切断デバイスおよび方法

軟組織の一定の容積を切断する(例えば、癌の生検または治療的切除)ための最小限に侵襲性のデバイスおよび方法が開示される。そのデバイスは、一般に、プローブ、十分な弾性、形状記憶または超弾性特性を有する切断ループ(その結果、そのループは、格納配置する切断ループから解放される場合に切断配置に戻る)、ならびにループホルダー(これは、切断ループが、プローブ軸と切断ループとの間のループ角を調節するように、切断配置にある場合に、ループホルダー軸の周りに切断ループを保持しかつ回転させる)を備える。この方法は、一般に、組織切断デバイスを組織の一定の容積に隣接させる工程、その切断ループを、格納配置から切断配置へと解放する工程、その切断ループを回転させて、ループ角を調節する工程、およびその組織切断デバイスを動かして、その組織の一定容積を切断する工程を包含する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の背景)
(発明の分野)
本発明は、一般に、軟組織の一定の容積を切断するためのデバイスおよび方法に関する。より具体的には、癌の生検または治療的切除のような、軟組織の一定の容積を切断するための、最小限に侵襲性のデバイスおよび方法が開示される。
【背景技術】
【0002】
(関連技術の説明)
最小限に侵襲性の手順が必要であることが、制限された空間内、特に、軟組織(例えば、胸部組織)において機能し得る外科用デバイスにおける改善を後押しした。開放手術手順の間に代表的に使用されるデバイス(すなわち、外科用メス、ハサミ、電気外科用「ペンシル」電極)は、しばしば、最小限に侵襲性の手順における使用には適合しない。さらに、最小限に侵襲性の手順は、皮膚の切開が、代表的には、外科用デバイスを導入するために十分なちょうどの大きさであり、よってしばしば、腹腔鏡検査法の間のような医療画像化によりまたはビデオカメラによりガイドされるので、直接視覚化され得ない。胸部においては、マンモグラフィー、超音波および磁気共鳴画像法(MRI)が、最小限に侵襲性の手順をガイドするために使用される。組織を切断するために、振幅する鋭利な縁部もしくは無線周波数エネルギーを使用する現在の外科用デバイスは、一般に固定した容積の標本を回収し、種々の容積または非対称容積の病変部を切除するために適合しない。乳癌は、塊として半径方向において外側に向かって成長することに加えて、乳腺内で、またはクーパー靱帯における皮膚に向かって成長する。現在最小限に侵襲性のデバイスは、その塊を切除する用に設計されており、関連した病的な管またはクーパー靱帯の切除に適合されていない。その管および/またはクーパー靱帯に癌が残ってしまうと、術後に照射または他の補助療法が施されているにも拘わらず、局所的な再発の危険性が高まる。
【0003】
開放手術による生検は、変動する容積または不規則な容積の病変部を取り出すが、過剰量の正常な胸部組織もまた、しばしば、取り出されてしまい、審美的な結果に乏しい。さらに、開放手術による生検は、代表的には、重大な皮膚切開を要し、結果として、より長い、恒久的な瘢痕を生じる。より重大なことには、癌細胞を含む病的な管は、直接的な視覚によっても、開放手術手順の間の触診によっても検出できない。主要な癌の塊は切除され得るが、病的な管は、その手順の間には識別できず、故意ではないものの、標本中に完全に含まれない可能性がある。
【0004】
軸方向の管の超音波は、胸部の内部の解剖学的構造を示す、胸部の超音波スキャン法である。特に、胸部の乳腺および小葉が同定され、結果として、病変部のみならず、病的な管およびクーパー靱帯への癌の拡大の可視化も得られる。多病巣性の癌または病的な管と関連したさらなる癌も、可視化され得る。従って、疾患プロセス全体(すなわち、胸部内のその病変部およびその病変部の拡大)が可視化され、直接的なリアルタイム超音波ガイダンスの下で取り出され得る。
【0005】
胸部における軟組織の一定の容積を切除するためのデバイスは、代表的には、組織の固定した容積を切除するように設計されており、組織の長いセグメント(例えば、病的な乳管)を除去するようには設計されていない。そのデバイスの反復性の挿入および除去は、その疾患プロセス全体を完全に切除するために必要とされる。
【0006】
Quickに対する特許文献1は、ある角度でプローブに回転可能に取り付けられたシャフトおよびそのシャフトに固定されたアーチ状切断表面を記載する。そのシャフトの長さは、寸法がプローブ幅より長く、そのアーチ状切断表面の直径を規定する。そのシャフトは、回転可能であり、よってそのアーチ状切断表面を回転させる。このデバイスは、組織に入るには、そのシャフトの長さと少なくとも同じ程度の皮膚切開を要し、小さな皮膚切開を通して使用することには合わない。
【0007】
必要とされるのは、胸部または他の軟組織から組織の単一の容積範囲内で、変動する寸法の病変部を切除することができる、最小限に侵襲性の手順のためのデバイスおよび方法である。より具体的には、疾患の主要な病巣(すなわち、病変部または塊)のみならず、罹患した乳管およびその疾患の任意の他への成長(例えば、クーパー靱帯への成長)も含む、胸部内の疾患プロセスを切除しまたは生検するためのデバイスおよび方法が必要である。好ましくは、その手順は、医療画像化を用いてガイドされ得る。
【特許文献1】米国特許第6,575,970号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の要旨)
軟組織のある容積を切断(例えば、癌の生検もしくは治療的切除)するための、最小限に侵襲性のデバイスおよび方法が開示される。本発明は、多くの様式で実行され得ることが認識されるべきであり、これらの様式としては、プロセスとして、装置として、システムとして、デバイスとして、または方法としてが挙げられる。本発明のいくつかの創意工夫された(inventive)実施形態は、以下に記載される。
【0009】
軟組織の一定の容積を切除するための組織切断デバイスは、ハンドル、プローブ、ループホルダーおよび切断ループを備える。このループホルダーは、そのプローブ内に収容され、拡張可能であり、そのプローブに対して引っ込めることができる。その切断ループは、そのループホルダーに装着され、ループ形状の幅およびループ形状の高さを規定するループ形状を有する。その切断ループは、可撓性であり、その結果、そのループ形状は、切断ループに配された1つ以上の外部応力の存在に依存して変動させることができる。そのループホルダーは、そのループ形状の幅より概して短い長さを有する。
【0010】
その切断ループは、好ましくは、金属または金属合金から作製され、その金属または金属合金は、そのプローブおよび切断ループを小さな切開を介して組織に挿入することを容易にするために、十分な高弾性、超弾性特性および/または形状記憶能を有する。その切断ループは、好ましくは、単一のループを備える。代替として、その切断ループは、1つより多いループから構成される。このループは、単純化目的で、切断ループとして本明細書に記載される。1つより多いループは、同じ材料または異なる材料から形作られる。
【0011】
そのプローブは、プローブ軸および遠位端部を規定する長さを有する。そのループ形状の高さは、ループ軸を規定する。プローブ軸に対するループ軸の角度は、変動する。そのプローブは、位置づけの間に軟組織に穿通し、その切断ループは、穿通配置にあり、その穿通配置において、そのループ軸は、そのプローブ軸に対してほぼ0°である角度で整列して、穿通の容易さを促進するように形作られている。挿入の間、その切断ループは、好ましくは、そのプローブの領域範囲内に収容されている。そのプローブが組織において望ましい位置に位置づけられた後、その切断ループは、遠位端部から外に進められ、その結果、その切断ループは、予め形成された、その切断ループを形作るために使用される材料の高弾性、または超弾性特性に起因して、ほぼ円形の一次ループ形状配置に戻り得る。さらに、その材料の高弾性または超弾性特性により、プローブ内に少なくとも部分的に収容されている場合に、切断ループの恒久的な変形が防がれる。その切断ループは、そのループ軸とプローブ軸との間で、角度をほぼ0°〜180°に変動させるために、そのプローブ軸に対して回転可能である。軟組織の切断を容易にするために、その切断ループは、1つ以上の鋭利な縁部を有し得る。さらに、その切断ループは、例えば、無線周波数エネルギーによりエネルギーが付与され得、そして/またはそのループは、所定の距離または変化する距離、方向、および/または周波数に沿って振幅(oscillate)するように、構成され得る。そのループ形状は、そのループの幅および/または高さを調節することによって固定または変動され得る。
【0012】
軟組織の一定の容積を切断するための方法は、一般に、標的化デバイスで組織中の病変部を同定する工程および診断用のサンプリングのためにその病変部の少なくとも一部分を含む、切除されるべき組織の推定容積を決定する工程を包含する。治療的切除に関しては、切除されるべき組織の推定容積は、好ましくは、病変部全体および正常組織の周囲の縁を含む。より具体的には、胸部において、軟組織のその容積は、病変部、管、クーパー靱帯、および小葉または小葉の一部のうちの少なくとも1つを含む。好ましくは、そのプローブは、その組織の標的とされた容積に隣接する組織中に、その穿通配置にある切断ループとともに配置される。無線周波エネルギーおよび/または振幅のようなエネルギーは、組織穿通を容易にするために使用され得る。一旦プローブが望ましい位置に位置づけられると、その切断ループは、そのプローブの遠位端部を通って進められる。その切断ループには、エネルギーが付与され、穿通配置から切断配置へ回転される。切断ループが切断配置にされた後、そのプローブは、進められるか引っ込められ、切断ループを切断の長さに沿って動かして、組織の一定の容積の周りを囲むような切断を作製または完了させる。一実施形態において、その切断ループの一次ループ形状は、そのループ形状の幅とループ形状の高さを決定する。切断される組織の容積の幅は、予め決定されているが、組織のその容積の高さは、切断配置にある切断ループの回転の量を変動させることによって変化する。代替として、その切断ループは、切除される組織の望ましい容積の変化に適応するように、ループ形状の幅および/またはループ形状の高さにおいて、拡張可能でありかつ/または回転可能である。そのプローブおよび/または切断ループを位置づける間に、その切断ループは、外部エネルギー源(例えば、無線周波数エネルギー)からエネルギーが付与され得、そして/または振幅し得る。その切断ループの振幅は、好ましくは、プローブの進行または引っ込めとは無関係であり、いくつかの方向のうちの1つにあり得る。一旦、切断が開始した場所から組織のその一定の容積の反対側に行くと、その切断ループは、そのプローブ軸に対して0°または180°の位置に回転されて、切断を完了させる。さらなる実施形態において、その切断ループが、180°の位置に回転された後、その切断ループは、回転制御機構から解放されるが、組織切断デバイスからは取り外されず、そのプローブが組織から外れたときに抵抗が最も少ない位置に受動的に動く。
【0013】
この手順は、好ましくは、標的化デバイスを用いてガイドされる。好ましくは、この標的化デバイスは、画像化デバイスである。この画像化デバイスは、患者に対して外部にあるか、患者の内部にあるか、いずれか一方である。組織に挿入される場合、その画像化デバイスは、そのプローブに組み込まれているかもしくは装着されるか、そのプローブとは別個であるかの一方である。一実施形態において、そのプローブは、好ましくは、その組織内のプローブの遠位端部を同定するさらなる手段を提供する1つ以上の探知機を備える。
【0014】
本発明のこれらおよび他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および添付の図面において詳細に示される。これら詳細な図面および添付の図面は、本発明の原理を例示によって示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(具体的実施形態の説明)
軟組織の一定の容積を切断する(例えば、癌の生検または治療的切除)ための最小限に侵襲性のデバイスおよび方法が開示される。以下の説明は、全ての当業者が本発明を作り、使用することができるように示されている。具体的実施形態および適用の説明は、単に例示として提供されるにすぎず、種々の改変は、当業者にとって容易に明らかである。本明細書で規定される一般原理は、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく他の実施形態および適用に適用され得る。従って、本発明は、本明細書に開示される原理および特徴と矛盾しない、多くの交換、改変および等価物を包含する最も広い範囲が与えられるべきである。明瞭にすることを目的として、本発明に関連した技術分野で公知の技術的事項に関する詳細は、本発明を不必要に不明確にしないように、詳細には記載されない。
【0016】
図1A〜1Dは、組織切断デバイス100の一実施形態を図示し、このデバイスは、一般に、ハンドル190から延びているプローブ150とループホルダー130に固定された切断ループ110とを備える。このプローブ150は、遠位端部152、プローブ幅156およびプローブ軸154を規定する長さを有する。そのループホルダー130は、そのプローブ軸154に対してほぼ直交するループホルダー軸134を規定するループホルダー長132を有する。このループホルダー長132は、好ましくは、ループホルダー130を進めて、プローブ軸154に沿ってプローブ150内に引っ込めることを可能にするために、プローブ幅156より小さな寸法である。示されていないが、そのプローブ150は、必要に応じて、1つ以上の付属チャネルまたは管腔を備え得、このチャネルまたは管腔は、ハンドル190、またはプローブ150の近位領域に位置する1つ以上のポートと連絡する。このチャネルは、流体(例えば、麻酔液または洗浄液)が切断ループ110付近の組織に通過することを可能にし得、そして/または切断ループ110付近の組織から流体を取り除くために、外部真空源により作り出された真空を提供し得る。
【0017】
この切断ループ110は、例えば、金属、金属合金、セラミック、ガラス、プラスチックおよび/またはポリマーから形成され得る。好ましくは、この切断ループ110は、形状記憶特性および/もしくは超弾性特性を有する材料(例えば、ニッケルチタン合金(すなわち、NiTiまたはニチノール))、ならびに/または十分な高弾性を有する材料から作られる。一実施形態において、この切断ループ110は、導電性材料(例えば、金属、金属合金、金属積層体、および/もしくは金属複合材)から形成され得る。例えば、その金属材料は、チタン、チタン合金、ニッケル−チタン合金、ニッケル−クロム合金、クロム−ニッケル合金、コバルトクロム−ニッケル合金および/または鉄−クロム合金であり得る。好ましくは、その切断ループ110は、図1Bおよび1Dに示されるように、一次ループ形状(すなわち、切断配置)126に予備形成され、その方法は、当業者に周知である。この一次ループ形状126は、一次ループ形状の幅114および一次ループ形状の高さ115を規定し、円、楕円、三角形、正方形、矩形、多角形または一般に軟組織の切断を最適化するかもしくはその組織切断デバイス100の適用に応じた特定の手順のための任意の他の適切な形状のうちの少なくとも一部を規定する。
【0018】
1つ以上の外部応力を提供すると、その切断ループ110の高弾性または超弾性特性によって、その得られたひずみが、恒久的な変形を発生させることなく、切断ループ110の材料の回復可能なひずみ限界を超えない限りにおいて、切断ループ110が、二次ループ形状(すなわち、非切断配置または格納配置)128に再度形作られる。外部応力が除去されると、その切断ループ110は、好ましくは、大体、一次ループ形状126に戻る。
【0019】
図1A、および図1Cの平面図に示されるように、その切断ループ110は、プローブ150内に収容され得る。プローブ150の内壁は、切断ループ110を、二次ループ形状128(これは、二次ループ形状の幅114aおよび二次ループ形状の高さ115aを規定する)に再度形作らせるために十分な外部応力を適用する。この二次ループ形状の幅114aは、一次ループ形状の幅114よりも寸法が概して小さく、二次ループ形状の高さ115aは、一次ループ形状の高さ115よりも寸法が概して高い。その組織切断デバイス100が組織切開を通って組織へと通過される場合、必要とされる皮膚切開の大きさは、その切断ループ110が二次ループ形状128にある場合の方が、その切断ループ110が一次ループ形状126にあった場合よりも小さい。プローブ150および切断ループ110組み合わせについてより小さなプロフィールを提供する、二次ループ形状128にあるその切断ループ110はまた、その組織内のプローブ150の位置づけを容易にする。
【0020】
図1B、および図1Dにおける平面図において示されるように、その切断ループ110およびループホルダー130がそのプローブ150の遠位端部152を貫通して進められる場合、その切断ループ110は、一次ループ形状126に戻る。プローブ軸154に沿ったループホルダー130の動きは、ハンドル190に位置するループコントローラー192によって制御される。代替的な実施形態において、図1Eおよび1Fにおける平面図に図示されるように、プローブカバー158は、プローブ150の少なくとも一部分を取り囲み、プローブ150の長さの少なくとも一部分に沿ってスライド可能である。好ましくは、そのプローブカバー158が、そのプローブ150から完全に外れないように、キャッチ機構(示さず)が存在する。そのプローブカバー158が、そのプローブ150の遠位端部152の少なくとも一部分にあるかまたはその付近にある場合、そのプローブカバー158は、ループホルダー130の少なくとも一部分を収容し、その切断ループ110は、図1Eに示されるように、切断ループ110の少なくとも一部分を二次ループ形状128へと再度形作る。図1Fに示されるように、そのプローブカバー158が、ハンドル190に向かって少なくとも部分的に引っ込められる場合、そのループホルダー130および切断ループ110が露出し、その切断ループ110は、一次ループ形状126に戻る。示されてはいないものの、シースが組織内に配置され得、その結果、二次ループ形状128にある切断ループ110を収容するプローブカバー158は、そのシースの外側の近位端部を捕捉するかまたはそこに付着している。その組織切断デバイス100が、プローブ軸154に沿って進められると、そのプローブカバー158は、シースに向かって押され、そのシースに対してほぼ一定のままである一方で、その切断ループ110、ループホルダー130およびプローブ150の遠位部分は、プローブカバー158およびシースを通って進められる。一旦その切断ループ110およびループホルダー130が、シースの遠位端部を過ぎて進められると、その切断ループ110は、その一次ループ形状126に戻る。そのループホルダー長132は、好ましくは、そのプローブカバー158およびシースの幅より短い。
【0021】
切断ループ110の断面積は、円形、楕円形、ダイアモンド形、三角形、矩形、正方形、任意の他の多角形および/または種々の形状の任意の組み合わせのうちの少なくとも一部を規定し得る。繰り返して図1Bを参照すると、その切断ループ110は、先導縁部118および後続縁部117を有する。その先導縁部118および/または後続縁部117は、尖っていてもよいし、平らであってもよいし、丸くなっていてもよいし、鈍であってもよいし、鋭利にされていてもよいし、鋸歯状にされていてもよい。その鋸歯状の刻み目は、連続していてもよいし、断続的であってもよいし、規則的であってもよいし、そして/または不規則であってもよい。その先導縁部118および後続縁部117は、種々の方法(例えば、化学エッチング、機械加工および/またはレーザー加工)を用いて構成され得る。その先導縁部118および/または後続縁部117は、組織の分離および/または切断を容易にする。その先導縁部118と後続縁部117との間の距離は、ループ幅121を規定し、このループ幅は、その切断ループ110の長さにそって一定であってもよいし変動性であってもよい。
【0022】
その切断ループ110は、無線周波、レーザー、超音波、熱、冷気(cool)、振幅、振動(vibration)、回転、ならびに/または液圧および/もしくはガス圧を用いてエネルギーが付与され得る。その切断ループ110は、コネクタ198を用いて、外部エネルギー源(示さず)に作動可能に結合され得る。代替として、そのエネルギー源(示さず)は、ハンドル190内に収容され得る。その切断ループ110が、無線周波数エネルギーによってエネルギーが付与される場合、その切断ループ110は、単極性電極および双極性電極として構成される。
【0023】
その切断ループ110は、1種以上のさらなる材料を少なくとも部分的に含み得る。そのさらなる材料は、表面上でまたは切断ループ110内で、連続しているかもしく不連続であるか、対称であるかもしくは非対称である1つ以上の層、部分またはセグメントとして構成され得る。そのさらなる材料は、絶縁および/または断熱、増大した導電性および/または増大した熱伝導性、強度、潤滑性、およびセンサのような特性を提供し得る。そのさらなる材料は、セラミック、ポリマー、プラスチック、金属、金属合金、ガラス、ダイアモンド、ダイアモンド様炭素、ダイアモンド非複合コーティング(金属がドープされているかまたは非金属がドープされている)ならびに/または種々の他の物質を備え得る。好ましくは、無線周波数エネルギーが外部エネルギー源として使用される場合、その切断ループ110は、先導縁部118および/または後続縁部117に切断電流を集中させるために、絶縁材料で少なくとも部分的に覆われる。その絶縁材料は、好ましくは、組織に切断電流が散逸しないように、かつ先導縁部118および/もしくは後続縁部117に切断電流を集中させるために十分な絶縁耐力がある。
【0024】
その切断ループ110は、1つまたは複数のループを備え得る。その切断ループ110の複数のループは、類似の特性、配置および/または機能を有していてもよいし、異なる特性、配置および/または機能を有していてもよい。一実施形態において(示さず)、その切断ループ110は、外側ループおよび内側ループから構成される。その内側ループは、外側ループ内に入れ子状になっている。好ましくは、その内側ループおよび外側ループのその先導縁部118および/または後続縁部117は、刻み目が付けられている。その内側ループは、振幅しかつ/または回転して、組織を切断する。その外側ループは、 内側ループと反対方向に振幅しかつ/または回転し、このことによって、組織が内側ループの振幅または回転で動かないようにすることによって、切断が容易になる。代替として、1つ以上の外側ループおよび内側ループは、振幅も回転もせず、組織の安定性を容易にする。
【0025】
図1A〜1Dに示されるように、その一次ループ形状の高さ115および二次ループ形状の高さ115aは、ループ軸112を規定する。そのループ軸112とプローブ軸154との間の関係は、ループ角θを規定する。その切断ループ110が、図1Aに示されるように、二次ループ形状128にありかつそのループ角θが約0°である場合、その切断ループ110は、穿通配置にある。その切断ループ110およびループホルダー130が、プローブ150内にもプローブカバー158内にも収容されていない場合、そのループホルダー130は、図2A〜2Cに図示される実施形態の種々の図面に示されるように、ループホルダー軸134の周りに回転可能であり得る。ループホルダー130の回転は、その切断ループ110の回転を制御する。その切断ループ110が回転し、その結果、ループ角θが0°より大きく180°より小さい場合、その切断ループ110は、切断配置にある。図2Aにおいて、その切断ループ110は、約90°のループ角θに回転されている。ループ角θが約90°である場合、切断高さ200は、図7に図示されるように切断ループ110によって切断される組織標本620の垂直方向の寸法として規定され、この高さは、ループ形状の高さ115とほぼ同じである。図2Bおよび2Cにおいて、その切断ループ110が回転されると、その結果、そのループ角θは、それぞれ、0°〜90°の間および90°〜180°の間であり、よってその切断高さ200は、そのループ高さ115より低く、その切断高さ200は、ループ角θおよびループ高さ115によって(例えば、ループ高さ115×sinθ)決定される。
【0026】
図2Dは、切断ループ110およびループホルダー130(示さず)がプローブ150内に最初に収容される場合の、ループコントローラー192の例示的実施形態を図示するハンドル190の平面図である。このループコントローラー192は、スロット194内にスライド可能である。そのループコントローラー192は、スロット194に沿って位置した位置Aに手動で動かされる場合、そのループホルダー130および切断ループ110は、プローブ150(示さず)の遠位端部152の外側に進み、そのループ角θは、ほぼ0°のままである。そのループコントローラー192が、位置45へと先の方に動かされる場合、そのループホルダー130および切断ループ110は、そのループ角θがほぼ45°であるように回転する。そのループコントローラー192が、位置90へと動く場合、そのループ角θは、ほぼ90°である。位置135にあるそのループコントローラー192は、ほぼ135°のループ角θに対応し、位置180にあるそのループコントローラー192は、ほぼ180°のループ角θに対応する。好ましくは、このループホルダー130および切断ループ110は、プローブ150が、図7に示されるように標本長630に沿って切断するように進められるかまたは引っ込められる場合、そのループ角θが0°より大きく、180°より小さいように回転される。ループホルダー130を回転させる機構は、ケーブル、ロッド、カム、ピストン、ローラーおよび/またはギアの使用を採用し得る。
【0027】
ループホルダー130の回転のための機構を例示する代替的実施形態は、プローブカバー158がループホルダー130を最初に収容する場合、その切断ループ110は、図2Eにおける平面図、および図2Eの線A−A’に沿って切り取った、図2Fにおける断面側面図において示される。そのループホルダー130および切断ループ110は、プローブカバー158がハンドル190に向かって十分に引っ込められた後にのみ、回転可能である。その結果、その切断ループ110は、一次ループ形状126にもどり、そのループホルダー130は、回転を可能にするために十分に露出される。そのループコントローラー192は、スロット194内で手動でスライド可能である。スロットカバー196は、ループコントローラー192に固定され、ループコントローラー192とともにスライド可能であり、このスロットカバーは、そのスロット194を覆い、外部の物質(例えば、液体)が、スロット194に入らないようにする。このループコントローラー192は、ループコントローラー192の動きが、レバーアーム812をヒンジ818の周りで回転させるように、レバーアーム812を制御する。駆動点(driving point)816は、レバーアーム812を、ケーブルドライバー814に機械的に固定する。ヒンジ818の周りでのこのレバーアーム812の動きによって、ループコントローラー192の動く方向と同様の方向に、ケーブルドライバー814がプローブ軸154に沿って動くようにする。ケーブル810は、少なくとも部分的にループホルダー130を取り囲み、そしてハンドル190に位置したケーブルホイール822を少なくとも部分的に取り囲むように、プローブ150内に延びる。そのケーブル810の端部は、ケーブルドライバー814の上に位置したケーブルファスナー820および821に固定される。そのケーブルドライバー814の方向160への動きは、ケーブルファスナー821へ取り付けられたケーブル810のセグメントを、方向160に引っ張り、ケーブル810全体を図2Fに示される配向において時計回りに動かして、回転の量に依存して、ループホルダー130および切断ループ110を、ループ角θを0°より大きく、180°以下で回転させる。同様に、方向160とは反対方向へのケーブルドライバー814の動きは、ケーブル810を、図2Fに示される配向において反時計回りの方向に動かし、ループ角θを小さくする。本明細書に記載される構成要素(例えば、ケーブルドライバー814)は、単一のユニットとして記載されているが、複数のユニットであってもよい。1つの機構が記載されているものの、切断ループ110の回転を実施し得る種々の他の適切な機構が、採用され得る。さらなる実施形態(示さず)において、その切断ループ110は、好ましくは、標本の切断が完了した後に、ループコントローラー192から作動可能に分離され得、組織切断デバイス100から分離されない。その切断ループ110をループコントローラー192から分離すると、切断ループ110が、プローブ150および切断ループ110を組織から外すことを容易にするために、最小の抵抗の1以上の位置に動かすことが可能になる。
【0028】
図3A、および図3B〜3Fにおける側面図は、切断ループ110の種々の実施形態を図示する。その切断ループ110は、ループピーク116を有する。ループピーク116におけるその先導縁部118と後続縁部117との関係は、ピーク軸120を規定する。このピーク軸120およびループ軸112は、縁部角αを規定する。図3Aおよび図3Bに示されるように、先導縁部118の長さが後続縁部117の長さにほぼ等しいように、その切断ループ110が形作られる場合、その縁部角αは、ほぼ90°である。その先導縁部118の長さが後続縁部117の長さより長い場合、その縁部角αは、図3Cに示されるように90°より大きい。その先導縁部118の長さが後続縁部117の長さより短い場合、その縁部角αは、図3Dに示されるように90°より小さい。
【0029】
好ましくは、その切断ループ110は、そのループ角θが縁部角αにほぼ等しいように、標本の長さ630に沿って切断する間の位置に回転される(図7に示される)。このループ角θおよび縁部角αがほぼ等しい場合、そのピーク軸120は、そのループピーク116における先導縁部118が、プローブ軸154にほぼ平行な方向に組織を切断するように、プローブ軸154に対してほぼ平行である。図3Eにおいて、その切断ループ110は、その先導縁部118の長さが後続縁部117の長さより長いように形作られ、図3Cに図示される切断ループ110の実施形態に対応する。図3Fにおいて、その切断ループ110は、その先導縁部118の長さが、後続縁部117の長さより短いように形作られ、図3Dにおいて図示される切断ループ110の実施形態に対応する。図3Eおよび図3Fにおいて図示される実施形態において、その切断ループ110は、ループ角θが縁部角αとほぼ等しいように回転される。このことによって、ループピーク116における先導縁部118は、組織をプローブ軸154に対してほぼ平行に切断する。
【0030】
さらなる実施形態において、その切断ループ110は、好ましくは、組織の切断の間の切断の方向と直交する方向に、振幅および/または回転する。振幅および/または回転の周波数は、遅い(例えば、約1Hz〜25Hz)、中間(例えば、約25Hz〜50Hzの間)、および速い(例えば、約50Hzより高い)であり得る。振幅のピーク間距離は、予め決められていてもよいし、変動してもよい。好ましくは、そのピーク間距離は、約1〜10mmであるが、そのピーク間距離は、1mmより短くてもよいし、10mmより長くてもよい。振幅および/または回転は、例えば、無線周波数エネルギーが使用される場合に、切断ループ110の上に燒痂が増えることを防止することによって、ならびに切断ループ110が1つ以上の鋭利なおよび/または鋸歯状の縁部を有する場合に、切断機構を改善することによって、軟組織の切断を容易にする。振幅および/または回転は、任意の他のエネルギー形態の組み込みに加えて、組織切断デバイス100に組み込まれ得る。振幅および/または回転は、好ましくは、ハンドル190に位置した振幅/回転コントローラー(示さず)によって、作動および作動停止される。その振幅/回転コントローラーは、手動で制御されてもよいし、自動で制御されてもよい。一実施形態において(示さず)、その振幅/回転コントローラーは、切断ループが、第2のエネルギー形態(すなわち、無線周波数エネルギー)によりエネルギーが与えられる場合に自動的に作動される。
【0031】
その切断ループ110は、1つまたは複数のループであり得る。その切断ループ110の複数のループは、類似のまたは異なる特性、配置および/または機能を有し得る。一実施形態において(示さず)、その切断ループ110は、外側ループおよび内側ループから構成される。その内側ループは、その外側ループ内に入れ子にされる。好ましくは、その内側ループおよび外側ループの先導縁部118および/または後続縁部117は、鋸歯状にされる。その内側ループは、組織を切断するために、振幅および/または回転する。その外側ループは、内側ループとは反対方向に振幅および/または回転する。このことは、組織が内側ループの振幅または回転とともに動かないようにすることによって、切断を容易にする。代替として、その外側ループは、振幅も回転もしないが、その鋸歯状にされた先導縁部188または後続縁部177は、切断の方向に依存して、組織の安定化をなお容易にする。
【0032】
切断ループ110を振幅させる機構を図示する例示的な実施形態は、図2Eにおいて面A−A’を通って切り取った、図4Aの側面断面図で、および図4Aにおいて面B−B’を通って切り取った、図4Bの正面断面図で示される。ハンドル190の中に位置したモーター836は、ギアボックス834と作動可能に結合される。このギアボックス834の配置は、切断ループ110の振幅のピーク間距離を決定する。このギアボックス834は、ドライブバー832を回転させる。このドライブバーは、シャフト830の周りに回転可能なロッキング基部838に作動可能に結合され、ループホルダー130と作動可能に結合される。モーター836によるドライブバー832の回転は、シャフト830の周りで振幅するロッキング基部838を振幅させる。ロッキング基部838の振幅は、プローブ軸154に対してほぼ直交した平面でループホルダー130および切断ループ110を振幅させる。
【0033】
図5A〜5Cにおける平面図に例示されるさらなる実施形態において、その切断ループ110の一次ループ形状の幅114は、変動性であるかまたは調節可能である。その切断ループ110は、1つ以上の幅調節器140に固定され得る。この幅調節器は、ループホルダー130内に少なくとも部分的に収容され得る。この幅調節器140は、ピボット中心142の周りを同時にまたは無関係に旋回し得る。このピボット中心は、好ましくは、幅調節器140内に位置づけられる。その幅調節器140内のピボット中心142の位置は、好ましくは、その幅調節器140の旋回を最適にする。幅調節器140のうちの少なくとも1つの旋回は、ハンドル190上に位置した幅コントローラー(示さず)によって制御され得る。代替(示さず)として、一次幅調節器は、旋回可能であり、二次幅調節器は、固定され旋回可能でない。さらなる代替(示さず)において、切断ループ110の一方の端部は、幅調節器140に対して固定され、切断ループ110の他方の端部は、ループホルダー130に固定される。図5Aおよび図5Bにおいて示されるように、幅調節器140の長さは、幅調節器軸144を規定する。幅調節器軸144とプローブ軸154との関係は、幅角ρを規定する。図5Aにおいて、その幅調節器140は、幅角度ρがほぼ90°であるように回転され、より大きな一次ループ形状幅114およびより小さな一次ループ形状高さ115を提供し、次いで、図5Bにおいては、幅角ρが90°未満であるように、幅調節器140が回転される。
【0034】
露出されたループ長さ129(すなわち、ループホルダー130内に収容されていない切断ループ110の長さ)は、図5Aおよび図5Bに示されるように固定され得る。あるいは、図5Cに示されるように、その露出されたループ長さ129は、変動性であり得るかまたは調節可能であり得る。特に、切断ループ110の一方の端部の長さは、ループホルダー130および/またはプローブ150に位置した回転可能なコイラーまたは巻き取り器148の周りに巻かれ得る。コイラー148が回転されるにつれて、その露出されたループ長さ129(すなわち、そのコイラー148の周りに巻き付けられていない切断ループ110の長さ)は、そのコイラー148の回転の方向に依存して、長くなるかまたは短くなる。露出されるループ長さ129を長くするまたは短くすると、一次ループ形状幅114および/またはその高さ115が、大きくなるかまたは小さくなる。1つの回転可能なコイラー148が示されているが、2つの回転可能なコイラーが、その切断ループ110の両方の端部を巻き付けるように提供されてもよく、その回転可能なコイラーは、互いに共同してまたは互いに独立して機能してもよい。回転可能なコイラーが互いに共同して機能する場合、その回転可能なコイラーは、両方の回転可能なコイラーが、露出されたループ長さ129を長くするまたは短くする方向に働くように、反対方向に(すなわち、時計回りに、反時計回りに)回転してもよい。この回転可能なコイラーは、代わりにまたはさらに、切断する方向にほぼ直交する平面で切断ループ110を回転および/または振幅させるように、同じ速度または異なる速度で同じ方向に回転するように形作られてもよい。さらに、そのプローブ150は、代わりに、1つ以上の回転可能なコイラー148を備えて、かつ幅調節器140を備えなくてもよい。その切断ループ110の一次ループ形状は、固定した幅114および固定した高さ115を有していてもよいし、固定した幅144および変動性の高さ115を有していてもよいし、変動性の幅114および固定した高さ115を有していてもよいし、変動性の幅114および変動性の高さ115を有していてもよい。
【0035】
図6Aおよび6Bは、切断ループ110およびループホルダー130をより詳細に図示する。示されるように、その切断ループ110は、閉じた形状として規定され得、ループホルダー130において規定されるループホルダーチャネル136を貫通している。この切断ループ110は、任意の閉じた幾何学的形状または不規則な形状として形作られている。このループホルダー130は、ループ角θ(示さず)を変動得るように回転可能である。図6Bに図示される実施形態において、ループホルダー130内に収容される1つ以上のギア138および/またはプローブ150は、好ましくは、その切断方向にほぼ直交する平面で、その切断ループ110を回転および/または振幅させ得る。互いに対する1つ以上のギア138の配向は、固定されていてもよいし、変動性であってもよい。その1つ以上のギア138の特定の配向は、例えば、望ましい一次ループ形状126に依存して決定され得る。
【0036】
図8A〜8Dは、胸部500の一部の透視断面図である。胸部500の皮膚表面502の奥には、胸部500の乳頭/乳輪複合体504から表面(periphery)510に向かって延びる小葉506がある。1つ以上の主要管(本明細書では、主要管512として示される)は、ほぼ小葉506の長さに沿って延びる。病変部600は、小葉506の少なくとも一部の中に示される。その病変部600は、その主要管512における、管の分枝(示さず)および/もしくはクーパー靱帯ならびに/または任意の多病巣性の癌における癌の拡大である侵襲性の癌であり得る。病変部600および病変部600を取り囲む正常組織の縁を含む、切除されるべき組織610の推定容積は、図8Aに示される。組織610の推定容積は、小葉506の一部および周辺組織520の一部を含むが、その組織610の推定容積は、病変部600の大きさおよび程度ならびに手順の目的(例えば、生検または治療的切除)に依存して、小葉506のほぼ全て、小葉506全体、または胸部500の1つより多い小葉506を含み得る。その病変部600は、医療用標的化デバイス(示さず)を用いて標的にされる。好ましくは、その医療用標的化デバイスは、画像化デバイス(例えば、超音波画像化、磁気共鳴画像法、コンピューター連動断層撮影、陽電子断層撮影法、およびX線画像化のためのデバイス)である。この画像化デバイスは、アナログおよび/またはデジタル画像化技術を用い得る。その画像化デバイスは、二次元、三次元、および/または四次元画像を生成し得る。好ましくは、その画像化デバイスは、病変部600の一部分の少なくとも全て、その組織610の推定容積および組織切断デバイス100を画像化する。その医療用標的化デバイスは、皮膚502から離れて、そして/または胸部500内に、皮膚502に隣接して位置づけられる。胸部500内に位置する場合、その医療用標的化デバイスは、組織切断デバイス100に装着されるか組み込まれてもよく、組織切断デバイス100と別個であってもよい。好ましくは、その医療用標的化デバイスは、組織切断デバイス100を用いてその手順をガイドするために使用される。示されていないが、1つ以上の探知機がまた、そのプローブの遠位端部にまたはその付近に位置づけられてもよい。その探知機は、組織内のプローブ150の少なくとも一部を、例えば、任意の適切な型の発光を用いて同定する、異なる方法または高められた方法を提供する。探知機センサは、好ましくは、皮膚外部に位置し、その探知機の位置を検出および同定するために利用され得る。
【0037】
その組織610の推定容積が決定された後、その胸部500は準備が整えられ、標準的な外科技術を用いて局所麻酔が投与され得る。好ましくは、外科用メスを用いて、および好ましくは、乳頭/乳輪複合体504の境界において、皮膚切開650が作製される。そのプローブ150は、皮膚切開650を通して挿入され、好ましくは、その組織610の推定容積の下に位置づけられる。一実施形態において(示さず)、プローブ150の正確な位置づけを容易にするために、導入器が、プローブ150を挿入する前に胸部500に挿入され得る。その導入器は、例えば、針ガイド、拡張器およびシースを備え得る。その針ガイドは、その組織610の推定容積の下に位置づけられ得る。適切な位置づけが決定された後、拡張器およびシースは、針ガイドの上をスライドする。その拡張器は、針ガイドの周りの進路を拡大し、次いで、その拡張器および針ガイドが取り出され、シースがその場所に残される。そのプローブ150、または好ましくは、そのプローブカバー158は、胸部500の外側のシースの端部に位置づけられ得る。次いで、そのプローブ150は、その遠位端部152、切断ループ110、および/またはループホルダー130が、胸部500中にあるシースの端部から遠位に存在するようになるまで、シース内で胸部500へとスライドし得る。
【0038】
図8Bに示されるように、そのプローブ150は、その組織610の推定容積の下に配置され、その切断ループ110およびループホルダー130は、遠位端部152から外側に進められている。そのループ角θは、ほぼ0°である。その切断ループ110は、エネルギーが付与され得、図8Cに示されるようにループ角θがほぼ90°になるまで回転される。切断ループ110の最初の回転の間の組織の切断は、組織の標本620の標本開始622を作り出す。あるいは、その切断ループ110は、ループ高さ115より小さい切断の高さ200を提供するために、ループ角θが90°より小さくなるかまたは90°より大きくなるまで、回転され得る。その切断ループ110が、望ましいループ角θに回転された後、そのプローブ150は、皮膚切開650に向かって切断ループ110を動かすように引っ込められる。これは、図8Dに示されるように、胸部500から標本長さ630に沿って、標本620の周囲からの分離を完了する。そのプローブ150は、切断ループ110が皮膚切開650に対してその組織610の推定容積に近くなるまで引っ込められる。その結果、その切断ループ110が0°のループ角θにある場合、その切断ループ110は、その組織610の推定容積の近くにある。その組織610の推定容積の近くにあるその切断ループ110は、次いで、標本終点624を分離し、胸部500からの標本620の分離を完了するために、0°のループ角θに回転される。
【0039】
さらなる実施形態において、組織収集器(示さず)は、プローブ150、ループホルダー130および/または切断ループ110に装着され得る。その組織収集器は、標本620の切断の間または切断後に、標本620を集め得る。
【0040】
図7に例示されるように、その標本開始622は、形状がほぼ凸型であり、その標本終点624は、形状がほぼ凹型である。その結果、この標本620は、形状が非対称(例えば、プローブ軸に沿って非対称)である。さらに、その標本620は、深部表面626および浅部表面628を有する。深部表面626の少なくとも一部分は、胸部500に挿入する間に導入器(示さず)またはプローブ150によって作られる、ほぼ平坦な表面である。その浅部表面628は、切断ループ110によって作られ、大体湾曲している。標本620の非対称性は、組織染色を使用しなくても、エネルギー(例えば、無線周波数エネルギー)を用いて標本620上に焼灼マーカーを作らなくても、標本620が胸部500から取り出された後に胸部500に対して標本620を配向する一助となる。標本620の非対称形状の一例が示され、記載されているが、種々の他の形状、非対称または対称形状が、切断ループ110の異なる配置を用いて作られ得る。
【0041】
図9は、上記の組織切断デバイスを用いて胸部における病変部を除去するための方法900を例示するフローチャートである。この方法は、ブロック910において始まり、このブロックでは、その病変部が同定され、切除されるべき組織の推定容積(これは、生検のために病変部の少なくとも一部、または治療目的で病変部全体および正常組織の周囲の縁を含む)が決定される。ブロック915において、二次ループ形状にある切断ループを備える組織切断デバイスが、皮膚切開を通して胸部組織に挿入され、その組織の推定容積に隣接して位置づけられる。その結果、その切断ループの先導縁部全体が、組織に露出される場合、そのループピークは、皮膚切開に関して、組織の推定容積に対して遠位にある。
【0042】
その切断ループは、ブロック920において組織に露出され、エネルギーが付与され、好ましくは、ループピークが、ブロック925において皮膚表面に関して、組織の推定容積に対して浅部にあるようになるまで回転される。ブロック930において、その組織切断デバイスは、組織の推定容積の長さに沿って周囲からの切断が完了するようにに、引っ込められる。その切断ループが、皮膚切開に関して、組織のその一定の容積に対して近位にある場合、その切断ループは、ブロック935において、組織のその一定の容積の切断を完了するために、0°または180°に回転される。ブロック940において、その組織切断デバイスおよび組織のその一定の容積は、胸部から除去される。代替法(示さず)において、その切断ループは、組織の推定容積に対して近位に位置づけられ得、次いで、0°より大きく180°より小さいループ角に回転される。次いで、そのプローブは、その組織内に切断ループを進めるために進められる。その切断ループが、組織の推定容積に対して遠位ある場合、その切断ループは、標本の切断を完了するために、0°の位置または180°の位置に回転される。
【0043】
本発明の例示的実施形態が本明細書で記載され、例示されているが、これらは、例示に過ぎず、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなくこれらの実施形態に対して改変がなされ得ることが認識される。従って、本発明の範囲は、補正され得るような、添付の特許請求の範囲に関してのみ規定され、各請求項が、本発明の一実施形態としてこの具体的な実施形態の説明に明示的に組み込まれると解釈される。
【図面の簡単な説明】
【0044】
本発明は、添付の図面と共に詳細な説明によって容易に理解される。この添付の図面において、類似の参照番号は、類似の構造要素を示す。
【図1】図1Aおよび1Bは、斜視図であり、図1C〜1Fは、穿通配置および進んだ配置にある切断ループを有する組織切断デバイスの例示的実施形態の平面図である。
【図2】図2A〜2Cは、切断配置にある切断ループを図示する斜視図である。図2Dは、ハンドルの平面図である。図2Eおよび2Fは、それぞれ、組織切断デバイスの例示的実施形態の平面図および断面図である。
【図3】図3Aは、切断配置にある切断ループの一部を図示する斜視図である。図3B〜3Fは、切断配置にある切断ループのさらなる実施形態の部分側面図である。
【図4】図4Aおよび図4Bは、それぞれ、切断ループの振幅の機構を図示する、組織切断デバイスの一実施形態の側面方向の断面図および正面方向の断面図である。
【図5】図5A〜5Cは、切断ループの実施形態の平面図である。
【図6】図6Aおよび6Bは、その切断ループのさらなる実施形態の平面図である。
【図7】図7は、組織の例示的標本の斜視図である。
【図8】図8A〜8Dは、その組織切断デバイスを用いて組織の一定の容積を切除する方法を図示する、斜視図である。
【図9】図9は、組織の一定の容積を切除する方法を例示するフローチャートである。
【図1A】

【図1B】

【図1C】

【図1D】

【図1E】

【図1F】

【図2A】

【図2B】

【図2C】

【図2D】

【図2E】

【図2F】

【図3A】

【図3B】

【図3C】

【図3D】

【図3E】

【図3F】

【図4A】

【図4B】

【図5A】

【図5B】

【図5C】

【図6A】

【図6B】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織切断デバイスであって、以下:
プローブ軸を規定するプローブ;
格納配置および切断配置のうちの一方に存在するように構成された切断ループ;ならびに
該プローブ軸にほぼ直交するループホルダー軸を規定するループホルダーであって、該ループホルダーは、該切断ループが、該プローブ軸と該切断ループとの間に規定されたループ角を調節するように、該切断配置に存在する場合、該切断ループを保持しかつ該切断ループを該ループホルダー軸の周りに回転するように構成された、ループホルダー、
を備える、組織切断デバイス。
【請求項2】
前記プローブは、前記プローブ軸の周りにスライド可能で、遠位位置と近位位置とを有するプローブカバーを備え、該遠位位置において、該プローブカバーは、前記ループホルダーと前記格納配置に存在する切断ループとの少なくとも一部分を収容し、該近位位置において、該ループホルダーと該切断ループとの少なくとも一部分は、該プローブカバーに対して外側に存在し、かつ該切断ループは、該切断配置に存在する、請求項1に記載の組織切断デバイス。
【請求項3】
前記切断ループは、前記プローブの中に引っ込められる場合に前記格納配置にあるように構成され、そして該プローブの遠位領域から延ばされる場合に、該切断ループは、該格納配置から切断配置へとほぼ戻る、請求項1に記載の組織切断デバイス。
【請求項4】
前記プローブの近位領域に結合されたハンドルをさらに備え、該ハンドルは、前記切断ループを該プローブの外側の前記切断配置へと選択的に延ばして、該切断ループを該プローブ内の前記格納配置へと引っ込めるためか、該切断ループが該切断配置に存在する場合に該ループホルダーおよび該切断ループを選択的に回転させるための少なくとも一方のためのループコントローラーを収容する、請求項1に記載の組織切断デバイス。
【請求項5】
前記切断ループは、高弾性、形状記憶特性および超弾性特性のうちの少なくとも1つを有する、請求項1に記載の組織切断デバイス。
【請求項6】
前記切断ループは、第1の縁部および第2の縁部を有し、該第1の縁部は、該第2の縁部より長いか、該第2の縁部と長さが同じか、該第2の縁部より短いかのうちの1つである、請求項1に記載の組織切断デバイス。
【請求項7】
前記切断ループは、第1の縁部および第2の縁部を有し、該縁部のうちの少なくとも一方は、尖っているか、平らであるか、丸くなっているか、鈍であるか、鋭利にされているか、連続して鋸歯状にされているか、断続的に鋸歯状にされているか、規則的に鋸歯状にされているか、不規則に鋸歯状にされているかのうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の組織切断デバイス。
【請求項8】
前記ループホルダーおよび前記プローブのうちの少なくとも一方に配置されたループ幅アジャスターをさらに備え、該ループ幅アジャスターは、前記切断ループの幅を調節するように構成されている、請求項1に記載の組織切断デバイス。
【請求項9】
前記ループ幅アジャスターは、ピボットの周りを旋回可能であり、その結果、該ループ幅アジャスターを該ピボットの周りに回転させると、前記切断ループの幅を調節する、請求項8に記載の組織切断デバイス。
【請求項10】
前記ループホルダーおよび前記プローブのうちの少なくとも一方に配置されたループ長アジャスターをさらに備え、該ループ長アジャスターは、前記切断ループの長さを調節するように適合されている、請求項1に記載の組織切断デバイス。
【請求項11】
前記ループ長アジャスターは、切断ループ巻き取り機を備え、該切断ループ巻き取り機は、一本の前記切断ループを巻き取って、前記ループホルダーに対して外側にある前記切断ループの長さを短くするか、一本の該切断ループを巻き戻して、該ループホルダーに対して外側にある該切断ループの長さを長くするかの少なくとも一方を行うように構成されている、請求項10に記載の組織切断デバイス。
【請求項12】
前記切断ループは、前記ループホルダーに固定して装着されている、請求項1に記載の組織切断デバイス。
【請求項13】
前記プローブ、前記ループホルダーおよび前記切断ループのうちの少なくとも1つに結合された組織収集器をさらに備える、請求項1に記載の組織切断デバイス。
【請求項14】
前記組織収集器は、前記組織が前記切断ループによって切断され、そして該組織が該切断ループによって切断された後に、組織を収集するように適合されている、請求項13に記載の組織切断デバイス。
【請求項15】
前記切断ループに作動可能に結合されたエネルギー源をさらに備える、請求項1に記載の組織切断デバイス。
【請求項16】
前記エネルギー源によって提供されるエネルギーは、無線周波、レーザー、超音波、熱、冷気、振幅、振動、回転、液圧およびガス圧からなる群より選択される、請求項15に記載の組織切断デバイス。
【請求項17】
前記無線周波エネルギー源は、前記切断ループに電流を印加するように構成され、該切断ループは、該電流を該切断ループの一部分に集中させるように少なくとも部分的に絶縁されている、請求項16に記載の組織切断デバイス。
【請求項18】
前記回転または振幅は、前記プローブ軸にほぼ直交する方向である、請求項16に記載の組織切断デバイス。
【請求項19】
前記ループホルダーおよび前記プローブのうちの少なくとも一方の配置された少なくとも1つのギアをさらに備え、該少なくとも1つのギアは、前記切断ループを回転させるか、振動させるか少なくとも一方を行うように構成されている、請求項18に記載の組織切断デバイス。
【請求項20】
前記切断ループは、金属、金属合金、金属積層体、および金属複合材からなる群より選択される金属材料を含む、請求項1に記載の組織切断デバイス。
【請求項21】
前記金属材料は、チタン、チタン合金、ニッケル−チタン合金、ニッケル−クロム合金、クロム−ニッケル合金、コバルトクロム−ニッケル合金および鉄−クロム合金のうちの1つである、請求項20に記載の組織切断デバイス。
【請求項22】
前記切断ループは、絶縁、断熱、導電性、熱伝導性、強度、潤滑性、および検出器のうちの少なくとも1つを提供するように、少なくとも1つのさらなる材料を含む、請求項20に記載の組織切断デバイス。
【請求項23】
前記少なくとも1つのさらなる材料は、セラミック、ポリマー、プラスチック、金属、金属合金、ガラス、ダイアモンド、ダイアモンド様炭素、および金属ドープダイアモンド非複合式(noncomposite)コーティング、および非金属ドープダイアモンド非複合式コーティングからなる群より選択される、請求項22に記載の組織切断デバイス。
【請求項24】
前記プローブは、少なくとも1つの付属チャネルを備える、請求項1に記載の組織切断デバイス。
【請求項25】
前記少なくとも1つの付属管腔は、前記プローブの遠位端部に材料を輸送するように構成された輸送管腔、および減圧源に作動可能に接続された減圧管腔のうちの少なくとも一方を備える、請求項24に記載の組織切断デバイス。
【請求項26】
前記切断ループは複数のループを備える、請求項1に記載の組織切断デバイス。
【請求項27】
前記切断ループの複数のループは、回転および振幅の内の少なくとも一方によって互いに対して動く、請求項26に記載の組織切断デバイス。
【請求項28】
組織の非対称容積を切断するように構成された組織切断デバイスを備える、デバイス。
【請求項29】
前記組織切断デバイスは、プローブ軸を規定するプローブと、格納配置および切断配置のうちの一方に存在するように構成された切断ループと、該切断ループが該切断配置に存在する場合に該切断ループを保持しかつ該切断ループを該プローブ軸に直交するループホルダーの周りに回転するように構成された、ループホルダーとを備え、
前記組織の非対称容積は、
該ループホルダーが、該格納配置から該切断配置へと該切断ループを戻す際にループ角を調節するために、該切断ループを回転することによって、
該プローブ軸にほぼ沿って該組織切断デバイスを動かすことによって、そして
該ループホルダーが、該切断ループを再度回転させ、該ループ角が、該組織の非対称容積の切断を完了するように約0°であるようにすることによって、
切断される、
請求項28に記載のデバイス。
【請求項30】
組織切断法であって、該方法は、以下:
切除されるべき組織の一定の容積に隣接して、組織切断デバイスのプローブの遠位領域を配置する工程であって、該プローブは、プローブ軸を規定する、工程;
切断ループを切断配置へと格納配置から戻す工程;
ループホルダーを回転させて、該ループホルダーに装着された該切断ループを、該ループホルダーによって規定されたループホルダー軸の周りに回転させる工程であって、該ループホルダー軸は、該プローブ軸にほぼ直交しており、該回転は、該プローブ軸と該切断ループとの間に規定されるループ角を調節する、工程;ならびに
該組織切断デバイスを、該切断ループが、該組織の一定の容積を切断するように動かす工程、
を包含する、方法。
【請求項31】
前記切断ループを、前記切断配置へと前記格納配置から戻す工程は、前記切断ループを、前記プローブの遠位領域から延ばす工程を包含する、請求項30に記載の組織切断法。
【請求項32】
さらに以下:
病変部を同定する工程;および
該同定された病変部に基づいて、切除されるべき組織へと一定の容積を見積もる工程、
を包含する、請求項30に記載の組織切断法。
【請求項33】
前記回転する工程は、前記組織の一定の容積を少なくとも部分的に取り囲むように、前記切断ループを配置する、請求項30に記載の組織切断法。
【請求項34】
前記動かす工程は、前記プローブ軸に沿っている、請求項30に記載の組織切断法。
【請求項35】
前記動かす工程の後に、前記ループホルダーを前記ループホルダー軸の周りに回転させて、前記組織の一定の容積の切断を完了するように、前記切断ループを回転させる工程をさらに包含する、請求項30に記載の組織切断法。
【請求項36】
前記延ばす工程および回転させる工程のうちの少なくとも一方は、前記プローブの近位領域に結合されたハンドル上のループコントローラーを介して行われる、請求項30に記載の組織切断法。
【請求項37】
前記切断ループは、形状記憶特性、超弾性特性、および高弾性のうちの少なくとも1つを有する、請求項30に記載の組織切断法。
【請求項38】
前記切断ループは、第1の縁部と第2の縁部とを有し、該第1の縁部は、該第2の縁部より長いか、該第2の縁部と長さが等しいか、該第2の縁部より短いかのうちの1つである、請求項30に記載の組織切断法。
【請求項39】
前記切断ループは、第1の縁部および第2の縁部を有し、該縁部のうちの少なくとも一方は、尖っているか、平らであるか、丸くなっているか、鈍であるか、鋭利にされているか、連続して鋸歯状にされているか、断続的に鋸歯状にされているか、規則的に鋸歯状にされているか、不規則に鋸歯状にされているかのうちの少なくとも1つである、請求項30に記載の組織切断法。
【請求項40】
前記延ばす工程の後に、前記切断ループの幅を調節する工程をさらに包含する、請求項30に記載の組織切断法。
【請求項41】
前記切断ループ幅の調節は、ループ幅アジャスターをピボットの周りに旋回する工程を包含する、請求項40に記載の組織切断法。
【請求項42】
前記延ばす工程の後に、前記ループホルダーの外側にある一本の前記切断ループの長さを調節する工程をさらに包含する、請求項30に記載の組織切断法。
【請求項43】
前記切断ループの長さの調節は、切断ループ巻き取り機に前記切断ループを巻き取る工程か、該切断ループ巻き取り器から該切断ループを巻き戻す工程の少なくとも一方を包含する、請求項42に記載の組織切断法。
【請求項44】
前記切断ループは、前記ループホルダーに固定して装着されている、請求項30に記載の組織切断法。
【請求項45】
前記プローブ、前記ループホルダーおよび前記切断ループのうちの少なくとも1つに結合された組織収集器に、組織の一定の容積を収集する工程をさらに包含する、請求項30に記載の組織切断法。
【請求項46】
前記収集する工程は、前記組織切断デバイスを動かす間か、該組織切断デバイスを動かした後かの少なくとも一方で行われる、請求項45に記載の組織切断法。
【請求項47】
前記切断ループにエネルギーを印加する工程をさらに包含する、請求項30に記載の組織切断法。
【請求項48】
前記エネルギーは、無線周波、レーザー、超音波、熱、冷気、振幅、振動、回転、液圧およびガス圧からなる群より選択される、請求項47に記載の組織切断法。
【請求項49】
無線周波数電流を前記切断ループに印加する工程をさらに包含し、ここで該切断ループは、該無線周波数電流を該切断ループの一部分に集中させるように、少なくとも部分的に絶縁されている、請求項48に記載の組織切断法。
【請求項50】
前記切断ループに結合されるギアを作動することによって、該切断ループを回転させる工程および振幅させる工程のうちの少なくとも一方をさらに包含する、請求項48に記載の組織切断法。
【請求項51】
前記切断ループは、導電性材料を含む、請求項30に記載の組織切断法。
【請求項52】
前記導電性材料は、金属、金属合金、金属積層体、および金属複合材からなる群より選択される金属材料である、請求項51に記載の組織切断法。
【請求項53】
前記金属材料は、チタン、チタン合金、ニッケル−チタン合金、ニッケル−クロム合金、および鉄−クロム合金のうちの1つである、請求項52に記載の組織切断法。
【請求項54】
前記プローブの付属管腔を介して、該プローブの遠位領域に物質を送達する工程をさらに包含する、請求項30に記載の組織切断法。
【請求項55】
前記プローブの遠位領域に、減圧源に作動可能に接続された該プローブの減圧管腔を介して、減圧を付与する工程をさらに包含する、請求項30に記載の組織切断法。
【請求項56】
前記組織の一定の容積は、組織の非対称容積である、請求項30に記載の組織切断法。
【請求項57】
さらに以下:
前記切断ループを動かして、前記ループホルダー軸の周りに該切断ループを回転させて、前記ループ角が、前記組織の非対称容積の切断を完了するように、約0°または180°であるようにした後に、該ループホルダーを回転させる工程、
を包含する、請求項30に記載の組織切断法。
【請求項58】
前記組織切断デバイスを動かす間に、前記切断ループの複数のループを、互いに対して動かす工程をさらに包含し、該複数のループを動かす工程は、回転および振幅のうちの少なくとも一方である、請求項30に記載の組織切断法。
【請求項59】
前記切断ループを、前記切断配置へと前記格納配置から戻す工程は、前記プローブのプローブカバーを、遠位位置から近位位置へと近位方向にスライドさせる工程を包含し、ここで該遠位位置において、該プローブカバーは、前記ループホルダーと該格納配置にある前記切断ループとの少なくとも一部分を収容し、該近位位置において、該切断ループは、該プローブカバーの遠位端部から延びて、該切断配置に戻る、請求項30に記載の組織切断法。
【請求項60】
さらに以下:
前記組織の中にシースを配置する工程;
該シースの近位端部を、前記プローブカバーの遠位端部に係合する工程;ならびに
該プローブカバーの遠位領域を通って、該シースの中へと、少なくとも前記切断ループが、該シースの遠位端部より遠位にありかつ該切断ループが、前記切断配置に戻るまで、前記プローブの少なくとも一部分を押す工程、
を包含する、請求項59に記載の組織切断法。
【請求項61】
さらに以下:
前記組織の一定の容積に隣接して、ガイドの遠位端部を配置する工程;
拡張器および前記シースを該ガイドの上をスライドさせることによって、該ガイドの周りの組織における痕跡を拡げる工程;ならびに
少なくとも該拡張器を取り出して、少なくとも該シースを、所定の位置に残しておく工程、
を包含する、請求項60に記載の組織切断法。

【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図9】
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【公表番号】特表2008−500069(P2008−500069A)
【公表日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−506499(P2007−506499)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【国際出願番号】PCT/US2005/010633
【国際公開番号】WO2005/096967
【国際公開日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(504096642)マノア メディカル, インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】