説明

組込み可能な防止剤を使用する反応性オレフィン系化合物とジイソシアナートとの低モノマー1:1モノ付加物

本発明は、反応性オレフィン系化合物とジイソシアナートとの低モノマー1:1モノ付加物、その製造及びその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反応性オレフィン系化合物とジイソシアナートとの低モノマー1:1モノ付加物、その製造及びその使用に関する。
【0002】
反応性オレフィン系化合物とジイソシアナートとのモノ付加物は、それらの内在するヘテロ官能性に基づいて有益で多方面にわたり使用可能な合成構成要素である。応用分野は、例えば、イソシアナート基と単官能性試薬との反応によるウレタン基含有アクリル官能化誘導体の製造、又はイソシアナート基と多官能性の反応相手との反応による相応するアクリル官能化されたUV硬化可能な樹脂の製造の範囲内である。(メタ)アクリル基の例えばラジカルにより開始される単独重合又は共重合によるポリイソシアナートの製造も可能である。そのようなポリマーのNCO基の反応親和性は、無比の性質の概要を有するテーラーメイドのポリマーへの到達を容易に、かつ温和な条件下で可能にする。
【0003】
オレフィン二重結合を有するイソシアナートの使用は、特許文献に、例えば架橋剤(独国特許(DE)第35 01 493号明細書)及び自己架橋系(米国特許(US)第4,861,853号明細書)の製造のため、また水ベース(欧州特許(EP)第0 519 513号明細書)で、既にしばしば記載されている。
【0004】
ジイソシアナートと反応性オレフィン系化合物との付加物は、古典的には1:1のモル比(NCO/OH=2:1)での出発物質の反応により得られる。この方法の場合に、生成物として、約1:1:1の比のヘテロ官能性のモノ付加物、ビス付加物(1:2−付加物)及び残存モノマーの混合物が必然的に生じる。ジイソシアナート過剰量の使用により、前記混合物のビス付加物含量が抑制されることができる。それに対し残存モノマーの割合は上昇する。過剰のヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートの使用の場合には逆の作用が生じる。ビス付加物はジアクリラートとして、相応するモノ付加物とは異なり、もはやヘテロ官能性の所望の基準を満たさない。これらは、モノ付加物の品質を低下させ、かつ目的とする最終生成物の品質及び特性像への作用を及ぼすことなく残留する。同じ考察は、付加物中に残留する過剰の出発ジイソシアナートにも当てはまる。さらにまた、ジイソシアナートは、極めて反応しやすい化合物である。この種類の物質の代表例は、この理由から有毒として分類されうるものであり、かつ化学物質法上相応して表示されうる。生成物中のモノマージイソシアナートの高い残存含量は、故に原則的に回避されるべきである。
【0005】
残存モノマー含分の蒸留による分離は一般的に難しいとみなされる、それというのも、混合物の温度負荷により、反応性のオレフィン二重結合の望ましくない重合(ゲル化)となるからである。
【0006】
欧州特許(EP)第1 179 555号明細書には、短行程蒸留(Kurzwegdestillation)を用いて特殊な触媒混合物及び条件を使用しながらモノマージイソシアナートを分離することによる、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートとジイソシアナートとのそのような低モノマー付加物の製造が記載されている。これは確かに工業的に可能であるが、しかし試験条件を極めて厳密に遵守する場合にのみ機能する。蒸留温度、圧力、防止剤ガス流、NCO/OH比又は壁材料が少し異なる場合に既に、生成物が短行程蒸留塔の内部で重合し、ひいては役に立たなくなり、かつ付加的に顕著な精製費用が必要になるという危険がある。
【0007】
故に、技術水準においてこれまで知られた欠点、例えば蒸留塔上で並びに残留物自体中でのゲル化(Vergelung)への感受性を含まず、かつ特に欠陥が明らかにより起こりにくい反応性オレフィン系化合物とジイソシアナートとの低モノマー付加物を入手可能にする、新規な1:1モノ付加物及びそれらの製造方法を見出すことが課題であった。
【0008】
意外なことに、反応性オレフィン系化合物とジイソシアナートとの新規な低モノマー1:1モノ付加物が蒸留により、その際に組込み可能な重合防止剤が存在している場合に特に単純にかつ安全に製造可能であることが見出された。
【0009】
本発明の対象は、
A)1〜20モルの量の少なくとも1つの脂肪族、環式脂肪族及び/又は芳香脂肪族のジイソシアナート、
及び
B)OH基を有する少なくとも1つの反応性オレフィン系化合物1モル
の出発化合物から得られ、その際に未反応ジイソシアナートが短行程蒸留により反応生成物から分離される、5質量%未満、好ましくは1.0質量%未満の遊離ジイソシアナート含量を有する低モノマー1:1モノ付加物であって、
前記短行程蒸留が、
C)NCO基に対して反応性の少なくとも1つの官能基を有する少なくとも1つの防止剤
の存在で行われ、その際に前記防止剤の量が、ジイソシアナートA)1モル及び反応性オレフィン系化合物B)1モル(2:1のNCO/OHに相当する)の合計の質量を基準として、0.1〜3質量%であり、
かつ前記防止剤が、A)とB)との反応前又は反応後に添加されることができ、かつ前記防止剤が、
1.遊離した形で存在し、
及び/又は
2.成分A)に結合して存在し、
及び/又は
3.A)とB)との反応生成物に結合して存在し、
かつ蒸留プロセス中又は全てのプロセス中に、少なくとも1つの防止剤ガスがその装置に導通される
ことにより特徴付けられる。
【0010】
本発明の対象は、
A)1〜20モルの量の少なくとも1つの脂肪族、環式脂肪族及び/又は芳香脂肪族のジイソシアナート、
及び
B)少なくとも1つのOH基を有する少なくとも1つの反応性オレフィン系化合物1モル
の出発化合物から、40〜120℃の温度範囲内での反応により得られ、かつその際に引き続き未反応ジイソシアナートが、80〜220℃/0.1〜10mbarでの短行程蒸留により反応生成物から分離される、5質量%未満、好ましくは1.0質量%未満の遊離ジイソシアナート含量を有する低モノマー1:1モノ付加物の製造方法でもあって、
前記短行程蒸留が、
C)NCO基に対して反応性の少なくとも1つの官能基を有する少なくとも1つの防止剤
の存在で行われ、その際に前記防止剤の量が、2:1の比NCO/OHに相当するジイソシアナートA)1モル及び反応性オレフィン系化合物B)1モルの合計の質量を基準として、0.1〜3質量%であり、その際に前記防止剤が、A)とB)との反応前又は反応中又は反応後に添加され、
かつその際に蒸留プロセス中又は全プロセス中に、少なくとも1つの防止剤ガスが、その装置に導通されることにより特徴付けられる。
【0011】
5質量%未満、好ましくは1.0質量%未満の遊離ジイソシアナート含量を有するジイソシアナートA)と反応性オレフィン系化合物B)との低モノマー1:1モノ付加物は原則的に、40〜120℃、好ましくは40〜80℃の温度範囲内でのジイソシアナートA)1〜20モル、好ましくは1〜4.9モル、特に好ましくは1.5〜4モルと、反応性オレフィン系化合物B)1モルとの反応により得られ、その際に前記反応は、反応性オレフィン系化合物B)の完全転化まで実施され、かつ引き続き、未反応ジイソシアナートは、80〜220℃及び0.1〜10mbarの圧力での短行程蒸留により反応生成物から分離される。反応前、反応中又は反応後のいずれかに添加される特別な防止剤C)は、これらがNCO基に対して化学的に反応性であり、かつそのために組み込まれることができることにより特徴付けられる。蒸留プロセス中又は全てのプロセス中に、防止剤ガスとしてその装置に導通される、単独で又は混合物での空気、一酸化窒素、酸素あるいは空気、酸素又は一酸化窒素に加えて二酸化炭素、窒素又は希ガス又はこれらのガスの混合物の1〜90体積%の付加的な割合を含有する混合物から選択される防止剤ガスの使用が、その際に有利であることが判明している。その際に、その防止剤ガス流を、生成物と接触しうる全ての蒸留装置部材に導通することは特に有利である。
【0012】
前記反応が溶剤中で実施される場合には、この溶剤は、残存モノマー含分の分離前に除去される。過剰のジイソシアナートの除去は、蒸留により、短行程蒸発缶(Kurzwegverdampfer)中で、好ましくは薄膜型蒸発缶、又は流下薄膜型蒸発缶の使用下に行われる。前記蒸留は、80〜220℃、好ましくは130〜200℃で及び0.1〜10mbar、好ましくは0.5〜5mbarの圧力で、防止剤ガスの存在で実施される。温度及び減圧はそれぞれの生成物の粘度挙動に依存し、かつさらに最適なガス流入量と相関関係にある。短行程蒸発缶は、例えば、ガラス装置又はまた金属装置であることができる。こうして得られる低モノマー1:1モノ付加物は、<1質量%、好ましくは<0.7%、特に好ましくは<0.5%のモノマージイソシアナート含量を有する。もちろん、ここでも、ジイソシアナートとオレフィン系化合物とのジ付加物のごくわずかな形成となる。これらのジ付加物は、より多く存在していればいるほど、過剰のジイソシアナートがますます少なくなり、かつ選択性、すなわちイソシアナート基の場合の反応性差が、ますます少なくなる(Farbe und Lack, 2000, Vol 11, p.126-130参照)。これらのジ付加物の含量は、最終生成物中で0.1〜15質量%、好ましくは0.1〜5%、特に好ましくは0.1〜1%にわたる。
【0013】
本発明による低モノマー1:1モノ付加物の特徴付けは、製造方法、プロダクト・バイ・プロセスを通じて行われる。
【0014】
発明に本質的であるのは、防止剤C)が、ジイソシアナートA)のNCO基と反応することができる官能基を有し、かつ防止剤C)の官能基が、例えば欧州特許(EP)第1 179 555号明細書に記載されているような防止剤の場合のように芳香族炭化水素基にのみならず、脂肪族又は環式脂肪族の炭化水素基に結合していることである。
【0015】
さらに、発明に本質的であるのは、防止剤C)が短行程蒸留中に存在していることである。防止剤C)は、前記のように、その際に遊離形で存在することができる。さらに、前記防止剤は − A)とB)との反応の前に − ジイソシアナートA)と反応されることができる。同様に、前記防止剤を、A)とB)との反応前、反応中又は反応後に添加することが可能である。このことから、防止剤C)が原則的に、短行程蒸留前又は短行程蒸留中に添加されることができることになる。本発明による低モノマー1:1モノ付加物については、このことは、防止剤C)がこれらの中に
1.部分的に遊離形で存在する、
及び/又は
2.成分A)に結合して存在する
及び/又は
3.A)とB)との反応生成物に結合して存在する
ことを意味する。
【0016】
部分的は、その際に、前記防止剤の0.1〜99質量%が遊離形で存在することを意味する。
【0017】
イソシアナートとして、脂肪族、環式脂肪族及び芳香脂肪族の、すなわちアリール置換脂肪族のジイソシアナート、例えば、Houben-Weyl, Methoden der organischen Chemie, 第14/2巻, p.61 - 70及びW. Siefken, Justus Liebigs Annalen der Chemie 562, 75 - 136の論文に記載されたようなもの、例えば1,2−エチレンジイソシアナート、1,4−テトラメチレンジイソシアナート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアナート(HDI)、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアナート(TMDI)、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアナート(TMDI)、1,9−ジイソシアナト−5−メチルノナン、1,8−ジイソシアナト−2,4−ジメチルオクタン、1,12−ドデカンジイソシアナート、ω,ω′−ジイソシアナトジプロピルエーテル、シクロブテン−1,3−ジイソシアナート、シクロヘキサン−1,3−ジイソシアナート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアナート、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチル−シクロヘキシルイソシアナート(イソホロンジイソシアナート、IPDI)、1,4−ジイソシアナトメチル−2,3,5,6−テトラメチルシクロヘキサン、デカヒドロ−8−メチル−(1,4−メタノール−ナフタレン−2,5−イレンジメチレンジイソシアナート、、デカヒドロ−8−メチル−(1,4−メタノール−ナフタレン−3,5−イレンジメチレンジイソシアナート、ヘキサヒドロ−4,7−メタノ−インダン−1,5−イレンジメチレンジイソシアナート、ヘキサヒドロ−4,7−メタノ−インダン−2,5−イレンジメチレンジイソシアナート、ヘキサヒドロ−4,7−メタノ−インダン−1,6−イレンジメチレンジイソシアナート、ヘキサヒドロ−4,7−メタノ−インダン−2,5−イレンジメチレンジイソシアナート、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダン−1,5−イレンジイソシアナート、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダン−2,5−イレンジイソシアナート、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダン−1,6−イレンジイソシアナート、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダン−2,6−イレンジイソシアナート、2,4−ヘキサヒドロトルイレンジイソシアナート、2,6−ヘキサヒドロトルイレンジイソシアナート、4,4′−メチレンジシクロヘキシルジイソシアナート(4,4′−H12MDI)、2,2′−メチレンジシクロヘキシルジイソシアナート(2,2′−H12MDI)、2,4−メチレンジシクロヘキシルジイソシアナート(2,4−H12MDI)又はまた混合物、4,4′−ジイソシアナト−3,3′,5,5′−テトラメチルジシクロヘキシルメタン、4,4′−ジイソシアナト−2,2′,3,3′,5,5′,6,6′−オクタメチルジシクロヘキシルメタン、ω,ω′−ジイソシアナト−1,4−ジエチルベンゼン、1,4−ジイソシアナトメチル−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2−メチル−1,5−ジイソシアナトペンタン(MPDI)、2−エチル−1,4−ジイソシアナトブタン、1,10−ジイソシアナトデカン、1,5−ジイソシアナトヘキサン、1,3−ジイソシアナトメチルシクロヘキサン、1,4−ジイソシアナトメチルシクロヘキサン並びにこれらの化合物の任意の混合物が適している。適したさらなるイソシアナートは、前記の論文でAnnalenのp.122以降に記載されている。また、2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(NBDI)及び/又は(2,6)−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(NBDI)は、純物質で又は混合成分として適している。これらのジイソシアナートの製造は、今日では通例、ホスゲン経路を通じて又は尿素法を通じてのいずれかで実施される。双方の方法の生成物は、同様に、本発明による方法における使用に適している。特に好ましくは、通例、工業的に容易に入手可能な脂肪族及び環式脂肪族のジイソシアナート、例えばIPDI、HDI及びH12MDI、並びにそれらの異性体混合物が使用される。
【0018】
適した反応性オレフィン系化合物は、少なくとも1つのメタクリラート官能基又はアクリラート官能基又はビニルエーテル基並びにまさに1つのヒドロキシル基を有する全ての化合物である。さらなる成分は、脂肪族、環式脂肪族、芳香族又はヘテロ環式のアルキル基であることができる。また、オリゴマー又はポリマーも考えられる。
好ましくは、容易に入手可能な製品は、例えばヒドロキシエチルアクリラート、ヒドロキシプロピルアクリラート、ヒドロキシブチルアクリラート及びヒドロキシエチルメタクリラート、ヒドロキシプロピルメタクリラート、ヒドロキシブチルメタクリラート、グリセリンジアクリラート、ペンタエリトリトールトリアクリラート、トリメチロールプロパンジアクリラート、グリセリンジメタクリラート、ペンタエリトリトールトリメタクリラート及びトリメチロールプロパンジメタクリラート並びにヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ヒドロキシペンチルビニルエーテル及びヒドロキシヘキシルビニルエーテルである。ヒドロキシエチルアクリラートが特に好ましい。混合物も、もちろん使用されることができる。
【0019】
ポリイソシアナートと反応性オレフィン系化合物との反応は、遊離NCO基とヒドロキシル基との反応を含み、かつ既にしばしば記載されている(欧州特許(EP)第0 669 353号明細書、欧州特許(EP)第0 669 354号明細書、独国特許(DE)第30 30 572号明細書、欧州特許(EP)第0 639 598号明細書又は欧州特許(EP)第0 803 524号明細書)。この反応は、溶剤を用いて、しかしまた溶剤なしでも、行われることができる。この反応は通例、40〜80℃の温度範囲内で実施され、かつ有利に、ウレタン化学において公知の通常の触媒、例えば有機金属化合物、例えばジブチルスズジラウラート(DBTL)、ジブチルスズジネオデカノアート、亜鉛オクトアート、又はビスマスネオデカノアート;しかしまた第三級アミン、例えばトリエチルアミン又はジアザビシクロオクタン等により、触媒されることができる。反応装置として、常用の全ての装置、釜、スタティックミキサー、押出機等、好ましくは混合機能又は撹拌機能を有する装置が適している。NCO/OH比は、2:1〜40:1、好ましくは2:1〜9.8:1及び特に好ましくは3:1〜8:1である。これは、ジイソシアナートA)1〜20モル、好ましくは1〜4.9モル、特に好ましくは1.5〜4モルと、反応性オレフィン系化合物B)1モルとの反応に相当する。
【0020】
組込み可能な防止剤C)は、NCOに対して反応性の非芳香族官能基、好ましくはヒドロキシ基、チオール基又はアミン基を有し、これらの基はイソシアナートと共有結合をすることができる。芳香族基に結合しているこの種類の反応性官能基は確かにNCO基とも反応するが、しかし蒸留条件で通例再び開裂され、かつ故に組込みに適していない。すなわち、商業的に重合防止剤として使用されるが(次の章参照)、しかしさらにまたイソシアナートに対して反応性の非芳香族基、好ましくはヒドロキシ基、チオール基又はアミン基をなお有する全ての化合物が考慮に値する。好ましくは、反応性官能基は、脂肪族又は環式脂肪族の炭化水素基に結合されている。そのような化合物は、例えば、米国特許(US)第4,260,832号明細書及び英国特許(GB)第226 47 08号明細書に記載されている。例えば3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルアルコール、3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパノール、4−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタノール、5−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタノール、6−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサノール、3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシベンジルアルコール、3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパノール、4−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタノール、5−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタノール、6−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサノール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルアルコール、3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパノール、4−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタノール、5−(3,5−ジ−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタノール、6−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサノールが単独で又は混合物で考慮に値する。好ましくは、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルアルコールが使用される。組込み可能な防止剤の量は、ジイソシアナート1モル及び反応性基を有する反応性オレフィン系化合物1モル(NCO/反応性基=2:1)の合計の質量を基準として、0.1〜3質量%、好ましくは0.1〜2質量% 特に好ましくは0.1〜1質量%である。
【0021】
市販のさらなる重合防止剤(酸化防止剤)の存在は有利である。酸化防止剤として、例えばブレンツカテキン、4−メトキシフェノール、4−t−ブチルオキシフェノール、4−ベンジルオキシフェノール、α−ナフトール、β−ナフトール、フェノチアジン、10−10−ジメチル−9,10−ジヒドロアクリジン、ビス−[2−ヒドロキシ−5−メチル−3−シクロヘキシルフェニル]−メタン、ビス−[2−ヒドロキシ−5−メチル−3−t−ブチルフェニル]−メタン、ヒドロキノン、ピロガロール、3,4−ジヒドロキシ−1−t−ブチルベンゼン、4−メトキシ−2(もしくは3)−t−ブチルフェノール(BHA)、またビス−[2−カルボキシエチル]−スルフィド(TDPA)との組合せでのBHA、4−メチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール(BHT)、ビス−[4−ヒドロキシ−2−メチル−5−t−ブチルフェニル]−スルフィド、4−ブチルメルカプトメチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール、4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニルメタンスルホン酸−ジオクタデシルエステル、2,5−ジヒドロキシ−1−t−ブチルベンゼン、2,5−ジヒドロキシ−1,4−ジ−t−ブチルベンゼン、3,4−ジヒドロキシ−1−t−ブチルベンゼン及び2,3−ジメチル−1,4−ビス−[3,4−ジヒドロキシフェニル]−ブタン並びにこれらの防止剤の混合物が適している。好ましくは、フェノチアジンが使用され、かつBHTが使用される。
【0022】
フェノール系酸化防止剤は、以下の式による亜リン酸エステルとも組み合わされることができ、ここでXは、酸素又は硫黄であり、かつR1、R2及びR3は、それぞれ炭素原子1〜20個を有する、同じか又は異なるアルキル基、アルキレン−(1)−イル基、アリール基又はアラルキル基を表す。
【0023】
【化1】

【0024】
フェノール系酸化防止剤は、チオエーテル又はアミン、例えば2−アニリノナフタレン(PBN)、1−アニリノナフタレン(PAN)又は1,4−ジアニリノベンゼンとも組み合わされることができる。もちろん、それらの化学的な構造に基づいて重合を防止する複数の原理を併せ持つ市場で通常の物質、例えば2,2′−チオビス−(4−t−オクチルフェノール)が使用されることもできる。好ましくは、フェノチアジン、2,6−ジ−t−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノフェノール及び4−メチル−2,6−ジ−t−ブチル−フェノール及び4,4′−メチレン−ビス−2,6−ジ−t−ブチルフェノールが考慮に値する。
【0025】
本発明の対象は、金属基材、プラスチック基材、ガラス基材、木材基材、MDF基材又は皮革基材又はその他の下地の塗装、接着又は密封のための、塗料組成物、シーラント組成物又は接着剤組成物としての配合物中での、反応性オレフィン系化合物とジイソシアナートとの低モノマー1:1モノ付加物の使用でもある。
【0026】
ここで本発明は、以下において例により説明されるが、しかしそれにより限定されるものではない。
【実施例】
【0027】
【表1】

【0028】
1)IPDIの一般的な反応条件及び蒸留条件
IPDI 555g(2.5モル)及びDBTL 0.05gの強力撹拌された混合物を、それぞれの防止剤2.2g(0.5質量%)(第1表参照)及び一滴ずつヒドロキシエチルアクリラート116g(1モル)と混合し、その際に乾燥空気を前記溶液に導通する。添加が終了した後に、80℃で、アルコール成分であるヒドロキシエチルアクリラートの完全転化が行われるまでさらに撹拌する(通例2〜4h)。この反応時間中にも、乾燥空気を通過させる。引き続いて、バッチを乾燥空気で飽和し、未反応ジイソシアナートを短行程蒸留(KDL 4、UIC GmbH、Alzenau-Hoerstein)を用いて200g/hで150℃及び2mbarで分離し、その際に向流で乾燥空気を絶えず流入して前記装置に導通する。
【0029】
残留物(反応生成物)から調べた化学的及び物理的な特性データは、第1表から読み取ることができる。
【0030】
【表2】

【0031】
組込み可能な防止剤を用いない全ての試験は、短行程蒸留中にゲル化していた(重合していた)。これらのゲル化された生成物はもはや完全に溶解されることはできず、故にNCO含量も測定されなかった。試験12のみがゲル化しておらず、0.3%のモノマーIPDI含量、0.8%のジ付加物含量及び17Pas(RT)の粘度を示す。
【0032】
2)H12MDIの一般的な反応条件及び蒸留条件、本発明による
12MDI 655g(2.5モル)、フェノチアジン0.45g及びDBTL 0.05gの強力撹拌された混合物を、DBHBA 2.2g及び一滴ずつヒドロキシエチルアクリラート116g(1モル)と混合し、その際に乾燥空気を前記溶液に導通する。添加が終了した後に、80℃で4h、さらに撹拌するので、アルコール成分の完全転化が行われている。この反応時間中にも、乾燥空気を通過させる。引き続いて、バッチを乾燥空気で飽和し、未反応ジイソシアナートを、短行程蒸留(KDL 4、UIC GmbH、Alzenau-Hoerstein)を用いて200g/hで200℃及び2mbarで分離し、その際に向流で乾燥空気を絶えず流入して前記装置に導通する。
【0033】
残留物として、9.5%のNCO価、0.9質量%のモノマー含量及び31Pas(RT)の粘度を有する、ゲル化しないほぼ無色の生成物が残る。
【0034】
3a)DBHBAを用いず、低下されたIPDI過剰量を有する、EP 1179555に従う例、本発明によらない
イソホロンジイソシアナート2.5モル、フェノチアジン0.1%、2,6−ジ−t−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノフェノール(IRGANOX 565)0.1%及び4,4′−メチレン−ビス−2,6−ジ−t−ブチルフェノール(BHT)0.1%の強力撹拌された混合物を、75℃で一滴ずつヒドロキシエチルアクリラート1モルと混合する。添加が終了した後に、90℃で、アルコール成分の完全転化が行われるまでさらに撹拌する。引き続いて、バッチを乾燥空気で飽和し、未反応ジイソシアナートを短行程蒸留を用いて200g/hで150℃及び2mbarで分離し、その際に空気を絶えず流入して前記装置に導通する。残留物は、明らかなゲル化現象を示し、かつ短行程蒸発缶中での堆積となった。
【0035】
3b)DBHBAを用い、低下されたIPDI過剰量を有する、EP 1179555に従う例、本発明による
イソホロンジイソシアナート2.5モル、フェノチアジン0.1%及びDBHBA 0.2%の強力撹拌された混合物を、75℃で一滴ずつヒドロキシエチルアクリラート1モルと混合する。添加が終了した後に、90℃で、アルコール成分の完全転化が行われるまでさらに撹拌する。引き続いて、バッチを乾燥空気で飽和し、未反応ジイソシアナートを短行程蒸留を用いて200g/hで150℃及び2mbarで分離し、その際に空気を絶えず流入して前記装置に導通する。残留物は、いかなるゲル化現象を示さず、短行程蒸発缶も堆積を示さなかった。NCO価は10.8%であり、モノマー含量は0.4%であり、ジ付加物含量は0.5%であり、かつ粘度は16Pasであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
A)1〜20モルの量の少なくとも1つの脂肪族、環式脂肪族及び/又は芳香脂肪族のジイソシアナート、
及び
B)OH基を有する少なくとも1つの反応性オレフィン系化合物1モル
の出発化合物から得られ、その際に未反応ジイソシアナートが短行程蒸留により反応生成物から分離される、5質量%未満の遊離ジイソシアナート含量を有する低モノマー1:1モノ付加物であって、
前記短行程蒸留が、
C)NCO基に対して反応性の少なくとも1つの官能基を有する少なくとも1つの防止剤の存在で行われ、その際に前記防止剤の量が、2:1のNCO/OHに相当するジイソシアナートA)1モル及び反応性オレフィン系化合物B)1モルの合計の質量を基準として、0.1〜3質量%であり、
かつ前記防止剤が、A)とB)との反応前又は反応中又は反応後に添加されることができ、かつ前記防止剤が、
1.遊離形で存在し、
及び/又は
2.成分A)に結合して存在し、
及び/又は
3.A)とB)との反応生成物に結合して存在し、
かつ蒸留プロセス中又は全てのプロセス中に、少なくとも1つの防止剤ガスがその装置に導通されることを特徴とする、5質量%未満の遊離ジイソシアナート含量を有する低モノマー1:1モノ付加物。
【請求項2】
ジイソシアナートA)1〜4.9モル、好ましくは1.5〜4モルが使用される、請求項1記載の低モノマー1:1モノ付加物。
【請求項3】
成分A)及びC)及び引き続きB)、又はA)及びB)の反応が、40〜120℃、好ましくは40〜80℃の温度で行われる、請求項1から2までのいずれか1項記載の低モノマー1:1モノ付加物。
【請求項4】
前記短行程蒸留が、80〜220℃、好ましくは130〜200℃で、及び0.1〜10mbar、好ましくは0.5〜5mbarの圧力で、好ましくは薄膜型蒸発缶又は流下薄膜型蒸発缶中で、行われる、請求項1から3までのいずれか1項記載の低モノマー1:1モノ付加物。
【請求項5】
最終生成物中で0.1〜15質量%、好ましくは0.1〜5%、特に好ましくは0.1〜1%のジ付加物含量を有する、請求項1から4までのいずれか1項記載の低モノマー1:1モノ付加物。
【請求項6】
単独で又は混合物での空気、一酸化窒素、酸素あるいは空気、酸素又は一酸化窒素に加えて二酸化炭素、窒素又は希ガス又はこれらのガスの混合物の1〜90体積%の付加的な割合を有する混合物から選択される防止剤ガスが使用される、請求項1から5までのいずれか1項記載の低モノマー1:1モノ付加物。
【請求項7】
ジイソシアナートA)として、1,2−エチレンジイソシアナート、1,4−テトラメチレンジイソシアナート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアナート(HDI)、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアナート(TMDI)、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアナート(TMDI)、1,9−ジイソシアナト−5−メチルノナン、1,8−ジイソシアナト−2,4−ジメチルオクタン、1,12−ドデカンジイソシアナート、ω,ω′−ジイソシアナトジプロピルエーテル、シクロブテン−1,3−ジイソシアナート、シクロヘキサン−1,3−ジイソシアナート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアナート、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチル−シクロヘキシルイソシアナート(イソホロンジイソシアナート、IPDI)、1,4−ジイソシアナトメチル−2,3,5,6−テトラメチル−シクロヘキサン、デカヒドロ−8−メチル−(1,4−メタノール−ナフタレン−2,5−イレンジメチレンジイソシアナート、デカヒドロ−8−メチル−(1,4−メタノール−ナフタレン−3,5−イレンジメチレンジイソシアナート、ヘキサヒドロ−4,7−メタノ−インダン−1,5−イレンジメチレンジイソシアナート、ヘキサヒドロ−4,7−メタノ−インダン−2,5−イレンジメチレンジイソシアナート、ヘキサヒドロ−4,7−メタノ−インダン−1,6−イレンジメチレンジイソシアナート、ヘキサヒドロ−4,7−メタノ−インダン−2,5−イレンジメチレンジイソシアナート、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダン−1,5−イレンジイソシアナート、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダン−2,5−イレンジイソシアナート、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダン−1,6−イレンジイソシアナート、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダン−2,6−イレンジイソシアナート、2,4−ヘキサヒドロトルイレンジイソシアナート、2,6−ヘキサヒドロトルイレンジイソシアナート、4,4′−メチレンジシクロヘキシルジイソシアナート(4,4′−H12MDI)、2,2′−メチレンジシクロヘキシルジイソシアナート(2,2′−H12MDI)、2,4−メチレンジシクロヘキシルジイソシアナート(2,4−H12MDI)又はまた混合物、4,4′−ジイソシアナト−3,3′,5,5′−テトラメチルジシクロヘキシルメタン、4,4′−ジイソシアナト−2,2′,3,3′,5,5′,6,6′−オクタメチルジシクロヘキシルメタン、ω,ω′−ジイソシアナト−1,4−ジエチルベンゼン、1,4−ジイソシアナトメチル−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2−メチル−1,5−ジイソシアナトペンタン(MPDI)、2−エチル−1,4−ジイソシアナトブタン、1,10−ジイソシアナトデカン、1,5−ジイソシアナトヘキサン、1,3−ジイソシアナトメチルシクロヘキサン、1,4−ジイソシアナトメチルシクロヘキサン並びにこれらの化合物の任意の混合物、好ましくはIPDI、HDI及び/又はH12MDIが使用される、請求項1から6までのいずれか1項記載の低モノマー1:1モノ付加物。
【請求項8】
成分B)として、ヒドロキシエチルアクリラート、ヒドロキシプロピルアクリラート、ヒドロキシブチルアクリラート及びヒドロキシエチルメタクリラート、ヒドロキシプロピルメタクリラート、ヒドロキシブチルメタクリラート、グリセリンジアクリラート、ペンタエリトリトールトリアクリラート、トリメチロールプロパンジアクリラート、グリセリンジメタクリラート、ペンタエリトリトールトリメタクリラート及びトリメチロールプロパンジメタクリラート並びにヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ヒドロキシペンチルビニルエーテル及びヒドロキシヘキシルビニルエーテルが単独で又は混合物で、好ましくはヒドロキシエチルアクリラートが使用される、請求項1から7までのいずれか1項記載の低モノマー1:1モノ付加物。
【請求項9】
成分C)として、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルアルコール、3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパノール、4−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタノール、5−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタノール、6−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサノール、3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシベンジルアルコール、3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパノール、4−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタノール、5−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタノール、6−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサノール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルアルコール、3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパノール、4−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタノール、5−(3,5−ジ−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタノール、6−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサノールが単独で又は混合物で、好ましくは3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルアルコールが使用される、請求項1から8までのいずれか1項記載の低モノマー1:1モノ付加物。
【請求項10】
さらなる重合防止剤(酸化防止剤)、好ましくはフェノチアジン及び/又は4−メチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール(BHT)が存在している、請求項1から9までのいずれか1項記載の低モノマー1:1モノ付加物。
【請求項11】
1.0質量%未満の遊離ジイソシアナート含量を有する、請求項1から10までのいずれか1項記載の低モノマー1:1モノ付加物。
【請求項12】
A)1〜20モルの量の少なくとも1つの脂肪族、環式脂肪族及び/又は芳香脂肪族のジイソシアナート、
及び
B)少なくとも1つのOH基を有する少なくとも1つの反応性オレフィン系化合物1モル
の出発化合物から、40〜120℃の温度範囲内での反応により得られ、かつその際に引き続き未反応ジイソシアナートが、80〜220℃/0.1〜10mbarでの短行程蒸留により反応生成物から分離される、5質量%未満の遊離ジイソシアナート含量を有する低モノマー1:1モノ付加物の製造方法であって、
前記短行程蒸留が、
C)NCO基に対して反応性の少なくとも1つの官能基を有する少なくとも1つの防止剤の存在で行われ、その際に前記防止剤の量が、2:1のNCO/OH比に相当するジイソシアナートA)1モル及び反応性オレフィン系化合物B)1モルの合計の質量を基準として、0.1〜3質量%であり、前記防止剤を、A)とB)との反応前又は反応中又は反応後に添加し、かつ蒸留プロセス中又は全てのプロセス中に、少なくとも1つの防止剤ガスをその装置に導通することを特徴とする、5質量%未満の遊離ジイソシアナート含量を有する低モノマー1:1モノ付加物の製造方法。
【請求項13】
金属基材、プラスチック基材、ガラス基材、木材基材、MDF基材又は皮革基材又はその他の下地の塗装、接着又は密封のための、塗料組成物、シーラント組成物又は接着剤組成物としての配合物中での、請求項1から12までのいずれか1項記載の低モノマー1:1モノ付加物の使用。

【公表番号】特表2012−513431(P2012−513431A)
【公表日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−542733(P2011−542733)
【出願日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際出願番号】PCT/EP2009/063851
【国際公開番号】WO2010/072439
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(501073862)エボニック デグサ ゲーエムベーハー (837)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Degussa GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1−11, D−45128 Essen, Germany
【Fターム(参考)】