説明

組電池およびこれを備えた二次電池装置

【課題】単位体積あたりのセル搭載量が多く、高密度で実装が可能な組電池およびこれを備えた二次電池装置を提供する。
【解決手段】二次電池装置の組電池は、それぞれ略直方体形状の本体とこの本体の一端から引き出された両極32a、32bとを有する複数の二次電池の単セル12を、各々の単セルの両極を通る仮想線を引く時、隣合う単セルの仮想線が平行となるように、かつ、両極が引き出されている一端を同じ向きとして配列されたセルユニットCを複数ユニット並べて配置し、所定のセルユニットの所定極の各々と、この所定のセルユニットに並置された他のセルニットの所定極とは逆の極の各々とを、バスバー78で一列に連結している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の二次電池を有する組電池、および組電池を備えた二次電池装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、電動自転車の電源、あるいは、電気機器の電源として、二次電池が広く用いられている。例えば、非水系二次電池であるリチウムイオン二次電池は、高出力、高エネルギー密度を有することから、電気自動車等の電源として注目されている。
【0003】
一般に、二次電池は、アルミニウム等で偏平な矩形箱状に形成された外装容器と、この外装容器内に電解液とともに収納された電極群と、外装容器に設けられているとともに電極群に接続された電極端子と、を備えたセルとして構成されている。
【0004】
高容量化、高出力化を図るため、複数のセルをケース内に並べて配置し、これらのセルを並列あるいは直列に接続した組電池、あるいは、この組電池に電気回路が取り付けられた二次電池装置が用いられている。このような二次電池装置の外装は、セルを束ねて挟持もしくは支持する複数の強固なフレーム、あるいは複数のセル群全体を覆った強固な外装ケースを備えて構成されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−237457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のような二次電池装置において、スチール等の強固な金属で形成されたフレームや外装ケースを用いた場合、電池装置全体が重くなりがちであるとともに、結束力を集中させることこが多いため、連結部分が大型化して組立てが複雑になる。例えば、電気自動車等においては、連続走行距離の向上、道路等の損傷低減を図る上で、二次電池装置の小型化や高密度実装は大きな課題となっている。
【0007】
この発明は以上の点に鑑みなされたものであり、その目的は、組立て性の向上および小型化を図ることができる二次電池装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の態様に係る組電池は、それぞれ略直方体形状の本体とこの本体の一端から引き出された両極とを有する複数の二次電池の単セルを、各々の前記単セルの前記両極を通る仮想線を引く時、隣合う単セルの前記仮想線が平行となるように、かつ、前記両極が引き出されている前記一端を同じ向きとして配列されたセルユニットについて、前記セルユニットを複数並べて配置し、所定のセルユニットの所定極の各々と、この所定のセルユニットに並置された他のセルニットの前記所定極とは逆の極の各々とを、バスバーで一列に連結することを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
上記構成によれば、単位体積あたりのセル搭載量が多く、高密度で実装が可能な組電池およびこれを備えた二次電池装置を提供することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、この発明の実施形態に係る二次電池装置を示す斜視図。
【図2】図2は、ケース、トップカバーおよびターミナルベースを分解して示す前記二次電池装置の分解斜視図。
【図3】図3は、トップカバーを取外して示す前記二次電池装置の分解斜視図。
【図4】図4は、ケースおよび単セルを分解して示す前記二次電池装置の分解斜視図。
【図5】図5は、単セルを示す斜視図。
【図6】図6は、前記電池セルの一方の電極端子部分を拡大して示す斜視図。
【図7】図7は、前記電池セルの一方の電極端子部分を拡大して示す断面図。
【図8】図8は、前記ケースを構成するアッパーケースの内面側を示す斜視図。
【図9】図9は、図3の線A−Aに沿った二次電池装置の断面図。
【図10】図10は、図9の一部を拡大して示す二次電池装置の断面図。
【図11】図11は、図3の線B−Bに沿った二次電池装置の断面図。
【図12】図12は、単セルの負極端子部分を拡大して示す二次電池装置の断面図。
【図13】図13は、前記二次電池装置における単セルおよびバスバーの配列、接続状態を概略的に示す平面図。
【図14】図14は、セルユニット、アッパーケース、および共通バスバーを示す分解斜視図。
【図15】図15は、バスバーユニットおよびアッパーケースのバスバー装着部を示す分解斜視図。
【図16】図16は、正極バスバー、負極バスバー、共通バスバーを示す平面図。
【図17】図17は、前記バスバーとFPCとの接続状態を示すアッパーケース上部の斜視図。
【図18】図18は、アッパーケースの上部およびサーミスタを示す斜視図。
【図19】図19は、図18の線D−Dに沿った二次電池装置の断面図。
【図20】図20は、図19の線E−Eに沿った二次電池装置の断面図。
【図21】図21は、ケースの前端部およびベースターミナルを示す分解斜視図。
【図22】図22は、ベースターミナルおよび出力端子を示す分解斜視図。
【図23】図23は、前記ケースの底面を示す平面図。
【図24】図24は、複数個の前記二次電池装置を所望の位置に設置した一例を示す側面図。
【図25】図25は、変形例に係る二次電池装置を示す斜視図。
【図26】図26は、前記二次電池装置の組立て工程を示す分解斜視図。
【図27】図27は、前記二次電池装置の組立て工程において、ケースに単セルを装着した状態を示す斜視図。
【図28】図28は、前記二次電池装置の組立て工程において、ロワーケースの取付け工程を示す分解斜視図。
【図29】図29は、前記二次電池装置の組立て工程において、トップカバーを取外した状態を示す分解斜視図。
【図30】図30は、前記二次電池装置の組立て工程において、アッパーケースの取付け工程を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施形態に係る二次電池装置について詳細に説明する。
図1は、実施形態に係る二次電池装置の外観を示す斜視図、図2は、二次電池装置のトップカバーを取外して二次電池装置のバスバー取付け構造を示す斜視図、図3は、トップカバーおよびFPCを取外して示す二次電池装置の分解斜視図、図4は、ケース、単セルを分解して示す二次電池装置の分解斜視図である。
図1、図2、図3、図4に示すように、二次電池装置は、ほぼ矩形箱状のケース10と、ケース内に収容された複数、例えば、30個の単セル(二次電池)12と、を備え、組電池として構成されている。ケース10は、上下が開放した矩形枠状のセンターケース14、矩形板状に形成され底壁を構成するロワーケース16、および、矩形板状に形成され天井壁を構成するアッパーケース18の3つの分割部材を有している。そして、ロワーケース16、センターケース14、アッパーケース18をこの順で互いに接合することにより、矩形箱状のケース10が構成されている。アッパーケース18の上面側は、矩形板状のトップカバー20によって覆われている。ケース10の各構成要素およびトップカバー20は、それぞれ絶縁性を有する合成樹脂、例えば、PPEにより形成されている。
【0012】
ケース10の長手方向の一端側に位置する側壁、例えば、前端壁10aには、合成樹脂で形成された矩形板状のターミナルベース22がねじ止め固定されている。ターミナルベース22には、二次電池装置の正極出力端子24、負極出力端子26、および単セル12の電圧、温度等を監視する電池監視基板28が取り付けられている。
【0013】
図5、図6、図7に示すように、各単セル12は、リチウムイオン電池等の非水電解質二次電池であり、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金で形成された扁平な略直方体形状の外装容器30と、外装容器30内に非水電解液と共に収納された電極体31と、を備えている。外装容器30は、上端が開口した容器本体30aと、容器本体に溶接され容器本体の開口を閉塞した矩形板状の蓋体30bとを有し、液密に形成されている。電極体31は、例えば、正極板および負極板をその間にセパレータを介在させて渦巻き状に捲回し、更に、径方向に圧縮することにより、偏平な矩形状に形成されている。
【0014】
正極端子32aおよび負極端子32bが蓋体30bの長手方向両端部にそれぞれ設けられ、蓋体30bから突出している。正極端子32aおよび負極端子32bは、電極体31の正極および負極にそれぞれ接続されている。一方の端子、例えば、正極端子32aは、蓋体30bに電気的に接続され、外装容器30と同電位となっている。負極端子32bは、蓋体30bを貫通して延びている。負極端子32bと蓋体30bとの間には、合成樹脂、ガラス等の絶縁体からなるシール材、例えば、ガスケット34が設けられている。ガスケット34は、負極端子32bと外装容器30との間を液密にシールしているとともに、電気的に絶縁し、負極端子32bと外装容器30との間の短絡を防止する。また、ガスケット34は、蓋体30bの上面側において、負極端子32bの全周から外側に延出している。
【0015】
図5に示すように、蓋体30bの中央部には、例えば、矩形状の安全弁36が形成されている。安全弁36は、蓋体30bの一部を約半分程度の厚さに薄くした薄肉部により形成され、この薄肉部の上面中央部に、複数の刻印が形成されている。単セル12の異常モード等により外装容器30内にガスが発生し、外装容器内の内圧が所定の値以上に上昇した際、安全弁36が開放し、内圧を下げて外装容器30の破裂等の不具合を防止する。
【0016】
容器本体30aの周囲には、容器の上端部および下端部を除いて、絶縁性のフィルム37が巻装されている。このフィルム37は、外装容器30の膨張を規制するとともに、外装容器30と他の単セル12との短絡、あるいは、外装容器30と他の部材との短絡を防止する。
【0017】
図4に示すように、単セル12は、複数の単セル、例えば、3つの単セル12を並列に接続して1セルユニットCとし、このセルユニットCを10ユニットだけ直列に接続して設けられている。単セル12の配列と電気的な接続構造については、後で詳細に説明する。
【0018】
図4に示すように、ロワーケース16の内面には、単セル12の数に対応した数、ここでは、30個の係合溝38が形成されている。各係合溝38は、単セル12の外装容器30の断面形状に対応した細長い矩形状に形成され、ロワーケース16の幅方向に沿って延びている。複数の係合溝38は、ロワーケース16の長手方向に所定の間隔を置いて、2列に並んで設けられている。2列の間にはセンターリブ39が形成され、ロワーケース16の長手方向全長に亘って延びている。
【0019】
センターケース14内には、4つの仕切り壁50が一体に形成されている。これらの仕切り壁50は、それぞれセンターケース14の幅方向の全長に亘って延び、また、センターケース14の長手方向に等間隔をおいて設けられている。センターケース14内は、これらの仕切り壁50により5つの空間に仕切られている。更に、各仕切り壁50の中央部およびセンターケース14の長手方向両端壁の中央部には、センターケース14の高さ方向に延びる支持ポスト52が形成されている。センターケース14内の各空間は、支持ポスト52により、左右2つの収容室53に分けられている。これにより、センターケース14内には、それぞれ1セルユニットCを収容可能な10個の収容室53が2列に並んで形成されている。
【0020】
図3および図4に示すように、センターケース14の長手方向に延びる2つの側壁14a、14bには、それぞれ複数の通気孔51が形成されている。例えば、1つの収容室53に対応して4つの通気孔51が形成され、それぞれ収容室53に連通している。これらの通気孔51を通して、ケース10内に冷却用空気を通風可能となっている。
【0021】
側壁14a、14bの外面側には、それぞれセンターケース14の高さ方向に延びる複数の支持リブ55が一体に形成されている。これらの支持リブ55は、側壁14a、14bの長手方向両端部、および、各仕切り壁50と対向する位置に形成されている。支持リブ55には、センターケース14の高さ方向に延びる位置決め凹部58が形成されている。二次電池装置を所望の設置場所に配置する際、設置側に設けられた位置決め凸部を、ケース10の位置決め凹部58と係合させることにより、ケース10を位置決めすることができる。
【0022】
図8に示すように、アッパーケース18の内面側には、単セル12の数に対応した数、ここでは、30個の係合溝54が形成されている。各係合溝54は、単セル12の外装容器30の断面形状に対応した細長い矩形状に形成され、アッパーケース18の幅方向に沿って延びている。複数の係合溝54は、アッパーケース18の長手方向に所定の間隔を置いて、2列に並んで設けられている。2列の間にはセンターリブ59が形成され、アッパーケース18の長手方向全長に亘って延びている。
【0023】
アッパーケース18において、各係合溝54の底には、単セル12の正極端子32aおよび負極端子32bに対応する矩形状の透孔56a、56bが形成され、更に、単セル12の安全弁に対向する排気孔57が形成されている。透孔56a、56bは、係合溝54の両端部に位置し、排気孔57は、これら透孔56a、56b間の真ん中に位置している。本実施形態において、単セル12の正極端子32aは、負極端子32bよりも大きく形成されている。これに対応して、正極端子32aを挿通するための透孔56aは、負極端子32bを挿通する透孔56bよりも大きく形成されている。
【0024】
上記のように構成されたロワーケース16は、センターケース14の下面側にねじ止めされてセンターケースに固定され、ケース10の底壁を構成している。アッパーケース18は、センターケース14の上面側にねじ止めされてセンターケースに固定され、ケース10の天井壁を構成している。センターケース14は、隙間を置いて対向するロワーケース16とアッパーケース18との間に接合されている。
【0025】
図4、図9、図11に示すように、単セル12は、セルユニットC毎にケース10の収容室53内に収容されている。各単セル12の下端部は、ロワーケース16の係合溝38に嵌合され、接着剤等によりロワーケース16に固定されている。各単セル12の上端部、つまり、電極端子が設けられている端部は、アッパーケース18の係合溝54に嵌合され、接着剤等によりアッパーケース18に固定されている。列方向に隣合う2つのセルユニットC間には、センターケース14の仕切り壁50が挟まれ、セルユニット間の短絡を防止している。また、1列のセルユニットCと他の列のセルユニットCとの間には、ロワーケース14のセンターリブ39、アッパーケース18のセンターリブ59、センターケース14の支持ポスト52が挟まれ、セルユニットC間の短絡を防止している。
【0026】
このように係合溝38、54に嵌合させて単セル間の位置が決まると、隣合う単セルは、その外装容器30の主面同士、すなわち、外装容器の幅の広い表面同士が所定の隙間を置いて平行に対向した状態で配置される。隣合うセルユニットCも所定の隙間を置いて、平行に対向して配置される。そして、このような隙間を置いて平行に並んだ複数の単セルCの列が、2列平行に配置される。
【0027】
各単セル列において、隣合う単セルC間の隙間は、センターケース14の側壁14a、14bに形成されている通気孔51にそれぞれ対向している。これにより、側壁14aに形成された通気孔51、単セルC間の隙間、および側壁14bに形成された通気孔51が整列して並んでいる。一方の通気孔51からセンターケース14内に流入した外気あるいは冷却空気は、単セルC間の隙間を通り、単セルを冷却した後、他方の通気孔51から排気される。
【0028】
単セル12の正極端子32aおよび負極端子32bは、それぞれ透孔56a、56bに挿通され、アッパーケース18の上面側に突出している。単セル12の安全弁36は、アッパーケース18の排気孔57と対向して位置している。図12に示すように、各単セル12の負極端子32bの周囲に露出するガスケット34は、アッパーケース18の内面に押付けられて密着し、アッパーケース18の内面と単セル12の蓋体との間に圧縮した状態で挟まれている。このガスケット34により、透孔56bを通して水滴やゴミがケース10内に侵入することを防止でき、同時に、水滴やゴミによる負極端子32bと外装容器30との間の短絡を確実に防止することができる。
【0029】
図4、図9、図10、および図13に示すように、1つのセルユニットCにおいて、3つの単セル12は、主面同士が所定の隙間を置いて向かい合い、かつ、電極端子が同一方向を向いた状態で、並んでいる。また、1セルユニットCにおいて、3つの単セル12は、正極端子32aが一列に並び、また、負極端子32bが一列に並ぶように配置されている。そして、10個のセルユニットCは、5セルユニットずつ2列に配列され、各列において、隣合うセルユニットの正極端子32aと負極端子32bとが交互に並ぶように配置されている。そして、各列のセルユニットは後述するバスバーによって連結され、組電池を構成している。
【0030】
アッパーケース18の上面側に複数のバスバーが設けられ、これらのバスバーにより、各セルユニットC内の複数の単セル12が並列に接続され、更に、複数のセルユニットC同士が直列に接続されている。詳細には、図3、図9、図10、図11、図13、および、図14に示すように、アッパーケース18の上面は、一段低く形成され、上面の周縁に沿って周壁18aが立設されている。アッパーケース18の上面には、その幅方向の中央にセンターリブ61が形成され、アッパーケース18の長手方向一端から他端近傍まで長手方向に沿って延びている。アッパーケース18の上面において、センターリブ61の両側には、それぞれ一対の仕切り壁60a、60bが立設されている。一対の仕切り壁60aは、アッパーケース18に形成された各排気孔57の両側に位置し、アッパーケース18の長手方向一端から他端まで長手方向に沿って互いに平行に延びている。同様に、一対の仕切り壁60bは、アッパーケース18に形成された各排気孔57の両側に位置し、アッパーケース18の長手方向一端から他端まで長手方向に沿って互いに平行に延びている。センターリブ59、仕切り壁60a、60b、周壁18aはほぼ同一の高さに形成されている。
【0031】
アッパーケース18の上面には、それぞれ周壁18aと仕切り壁60aとの間を延びる2つの仕切り壁62が立設されている。仕切り壁62は、周壁18aおよび仕切り壁60aとほぼ同一の高さに形成されている。これらの周壁18a、仕切り壁60a、仕切り壁62により、アッパーケース18の長手方向に並んだ3つのバスバー装着室64a、64b、64cが区画されている。ケース10において、出力端子24、26が設けられている側の側壁を前端壁10a、反対側の側壁を後端壁10bとした場合、前端壁10a側から順に、バスバー装着室64a、64b、64cが並んでいる。
【0032】
前端壁10a側に位置したバスバー装着室64aには、正極端子32a用の3つの透孔56aが開口し、アッパーケース18の長手方向に沿って一定の間隔を置いて並んでいる。バスバー装着室64aにおいて、アッパーケース18の上面に複数の保持リブ66が突設されている。各保持リブ66は、隣合う透孔56aの間に形成され、アッパーケース18の幅方向に延びている。各保持リブ66は、仕切り壁62よりも低い高さに形成されている。
【0033】
真ん中のバスバー装着室64bおよび後端壁10b側のバスバー装着室64cのそれぞれには、前端壁10a側から順番に、負極端子32b用の3つの透孔56bおよび正極端子32a用の3つの透孔56aが開口し、アッパーケース18の長手方向に沿って一定の間隔を置いて並んでいる。各バスバー装着室64b、64cにおいて、アッパーケース18の上面に複数の保持リブ66が突設されている。保持リブ66は、隣合う透孔56a、56bの間にそれぞれ形成され、アッパーケース18の幅方向に延びている。各保持リブ66は、仕切り壁62よりも低い高さに形成されている。
【0034】
アッパーケース18の上面には、それぞれ仕切り壁60aとセンターリブ61との間を延びる2つの仕切り壁62が立設されている。仕切り壁62は、センターリブ61および仕切り壁60aとほぼ同一の高さに形成されている。これらの仕切り壁60a、センターリブ61、仕切り壁62により、アッパーケース18の長手方向に並んだ2つのバスバー装着室68a、68bが区画され、更に、仕切り壁60a、周壁18a、仕切り壁62により、アッパーケース18の幅方向に延びるバスバー装着室70が区画されている。前端壁10a側から順に、バスバー装着室68a、68b、70が並んでいる。
【0035】
前端壁10a側に位置したバスバー装着室68aおよび真ん中のバスバー装着室68bのそれぞれには、前端壁10a側から順番に、負極端子32b用の3つの透孔56bおよび正極端子32a用の3つの透孔56aが開口し、アッパーケース18の長手方向に沿って一定の間隔を置いて並んでいる。各バスバー装着室68a、68bにおいて、アッパーケース18の上面に複数の保持リブ66が突設されている。保持リブ66は、隣合う透孔56a、56bの間にそれぞれ形成され、アッパーケース18の幅方向に延びている。各保持リブ66は、仕切り壁62よりも低い高さに形成されている。
【0036】
アッパーケース18の上面には、それぞれ仕切り壁60bとセンターリブ61との間を延びる2つの仕切り壁62が立設されている。仕切り壁62は、周壁18aおよび仕切り壁60aとほぼ同一の高さに形成されている。これらの仕切り壁60b、センターリブ61、仕切り壁62により、アッパーケース18の長手方向に並んだ2つのバスバー装着室72a、72bが区画され、更に、仕切り壁60b、周壁18a、仕切り壁62により、アッパーケース18の幅方向に延びる前述のバスバー装着室70が区画されている。前端壁10a側から順に、バスバー装着室68a、68b、70が並んでいる。
【0037】
前端壁10a側に位置したバスバー装着室72aおよび真ん中のバスバー装着室72bのそれぞれには、前端壁10a側から順番に、正極端子32a用の3つの透孔56aおよび負極端子32b用の3つの透孔56bが開口し、アッパーケース18の長手方向に沿って一定の間隔を置いて並んでいる。各バスバー装着室72a、72bにおいて、アッパーケース18の上面に複数の保持リブ66が突設されている。保持リブ66は、隣合う透孔56a、56bの間にそれぞれ形成され、アッパーケース18の幅方向に延びている。各保持リブ66は、仕切り壁62よりも低い高さに形成されている。
【0038】
図3および図15に示すように、バスバー装着室70には、正極端子32a用の3つの透孔56aおよび負極端子32b用の3つの透孔56bが開口している。正極端子32a用の3つの透孔56aは、アッパーケース18の長手方向に沿って一定の間隔を置いて並んで、かつ、バスバー装着室72bの透孔56bと一列に並んで配置されている。バスバー装着室70において、負極端子32b用の3つの透孔56bは、正極端子32a用の3つの透孔56aに対してアッパーケース18の幅方向に並んで位置している。負極端子32b用の3つの透孔56bは、アッパーケース18の長手方向に沿って一定の間隔を置いて並んで、かつ、バスバー装着室68bの透孔56aと一列に並んで配置されている。
【0039】
バスバー装着室70において、アッパーケース18の上面に保持リブ67が突設されている。保持リブ67は、隣合う透孔56a、56bの間に形成され、アッパーケース18の長手方向に延びている。保持リブ67は、周壁18aおよび仕切り壁62よりも低い高さに形成されている。
【0040】
図3、図9、図10、図11、図13に示すように、アッパーケース18の上面には、それぞれ周壁18aと仕切り壁60bとの間を延びる2つの仕切り壁62が立設されている。仕切り壁62は、周壁18aおよび仕切り壁60bとほぼ同一の高さに形成されている。これらの周壁18a、仕切り壁60b、仕切り壁62により、アッパーケース18の長手方向に並んだ3つのバスバー装着室74a、74b、74cが区画されている。前端壁10a側から順に、バスバー装着室74a、74b、74cが並んでいる。
【0041】
前端壁10a側に位置したバスバー装着室74aには、負極端子32b用の3つの透孔56bが開口し、アッパーケース18の長手方向に沿って一定の間隔を置いて並んでいる。バスバー装着室74aにおいて、アッパーケース18の上面に複数の保持リブ66が突設されている。各保持リブ66は、隣合う透孔56bの間に形成され、アッパーケース18の幅方向に延びている。各保持リブ66は、仕切り壁62よりも低く形成されている。
【0042】
真ん中のバスバー装着室74bおよび後端壁10b側のバスバー装着室74cのそれぞれには、前端壁10a側から順番に、正極端子32a用の3つの透孔56aおよび負極端子32b用の3つの透孔56bが開口し、アッパーケース18の長手方向に沿って一定の間隔を置いて並んでいる。各バスバー装着室74b、74cにおいて、アッパーケース18の上面に複数の保持リブ66が突設されている。保持リブ66は、隣合う透孔56a、56bの間にそれぞれ形成され、アッパーケース18の幅方向に延びている。各保持リブ66は、仕切り壁62よりも低い高さに形成されている。
【0043】
上記のようにアッパーケース18に形成された複数のバスバー装着室には、図2、図3、図13に示すように、それぞれバスバーが装着され、単セル12の電極端子に接続されている。本実施形態において、接続金具としてのバスバーは、4種類のものを用いている。すなわち、図2、図3、図13、図14、図16に示すように、3つの単セル12の正極端子32aを接続するとともに一端に正極側出力端部を有する正極バスバー76、3つの単セル12の負極端子32bを接続するとともに一端に負極側出力端部を有する負極バスバー77、それぞれ6つの単セル12の電極端子同士を接続する8つの共通バスバー78、および、3つバスバーを連結したバスバーユニット80を備えている。これらのバスバー76、77、78、およびバスバーユニット80は、導電材料、例えば、アルミニウム等からなる金属板を折曲げ成形して形成されている。
【0044】
正極バスバー76は、細長いほぼ矩形板状に形成され、それぞれ単セル12の正極端子32aが係合する矩形状の3つの正極開口82aを有している。3つの正極開口82aは、所定の間隔を置いて、正極バスバー76の長手方向に並んで設けられている。正極バスバー76において、隣合う正極開口82a間に位置する部分は、それぞれほぼU字状に折曲げられ、正極バスバーの長手方向に弾性変形可能な折曲げ部84を形成している。各折曲げ部84には、正極バスバー76の長手方向に延びるスリットが形成されている。これら折曲げ部84の弾性変形により、正極バスバー76はその長手方向に沿って変位可能であり、この方向における製造誤差、組合せ誤差等をある程度、吸収することができる。
【0045】
正極バスバー76の長手方向一端縁76aは、正極端子側であることを示す形状、例えば、円弧状に形成されている。長手方向の他端部は、クランク状に折曲げられ、正極側出力端部76bを形成している。正極バスバー76は、その一側縁から突出する接続片76cを一体に有している。
【0046】
負極バスバー77は、細長いほぼ矩形板状に形成され、それぞれ単セル12の負極端子32bが係合する矩形状の3つの負極開口82bを有している。3つの負極開口82bは、所定の間隔を置いて、負極バスバー77の長手方向に並んで設けられている。負極バスバー77において、隣合う負極開口82b間に位置する部分は、それぞれほぼU字状に折曲げられ、正極バスバーの長手方向に弾性変形可能な折曲げ部84を形成している。各折曲げ部84には、負極バスバー77の長手方向に延びるスリットが形成されている。これら折曲げ部84の弾性変形により、負極バスバー77はその長手方向に沿って変位可能であり、この方向における製造誤差、組合せ誤差等をある程度、吸収することができる。
【0047】
負極バスバー77の長手方向一端縁77aは、負極端子側であることを示す形状、例えば、台形状に形成されている。長手方向の他端部は、クランク状に折曲げられ、負極側出力端部77bを形成している。負極バスバー77は、その一側縁から突出する接続片77cを一体に有している。
【0048】
各共通バスバー78は、細長いほぼ矩形板状に形成され、それぞれ単セル12の正極端子32aが係合する矩形状の3つの正極開口82aと、それぞれ単セル12の負極端子32bが係合する矩形状の3つの負極開口82bと、を有している。なお、正極端子32aおよび負極端子32bに対応して、正極開口82aは、負極開口82bよりも僅かに大きな矩形状に形成されている。3つの正極開口82aおよび3つの負極開口82bは、共通バスバー78の長手方向に所定の間隔を置いて並んで設けられている。この際、正極開口82aは3つ連続して並んで形成され、負極開口82bは3つ連続して配列されている。
【0049】
図16(c)に示すように、複数の正極開口82a、負極開口82bを所定のピッチPで形成する際、公差分、例えば、±0.1mmだけピッチがずれる場合が考えられる。本実施形態においては、複数の正極開口82a、負極開口82bを形成する際、これらの開口を共通バスバー78の長手方向に沿って、公差分だけ交互に反対方向にずらして形成している。すなわち、6つの正極及び負極開口82a、82bは、不等ピッチで形成されている。例えば、端縁78a側から、開口82a間のピッチをP+0.1、次の開口のピッチをP−0.1、次の開口のピッチをP+0.1と、交互に公差分だけ逆方向にずらして開口を形成している。
【0050】
なお、正極バスバー76および負極バスバー77においても、正極開口および負極開口の配列ピッチは、上記と同様に、公差分だけ交互に反対方向にずらして形成されている。正極開口82aおよび負極開口82bをこのように形成することにより、公差が一方向に偏ることがなく、正極開口および負極開口の大きな位置ずれを防止することが可能となる。
【0051】
図2、図3、図13、図14、図16に示すように、共通バスバー78において、隣合う開口間に位置する部分は、それぞれほぼU字状に折曲げられ、共通バスバーの長手方向に弾性変形可能な折曲げ部84を形成している。各折曲げ部84には、共通バスバー78の長手方向に延びるスリットが形成されている。これら折曲げ部84の弾性変形により、共通バスバー78はその長手方向に沿って変位可能であり、この方向における製造誤差、組合せ誤差等をある程度、吸収することができる。
【0052】
共通バスバー78において、正極開口82aが形成されている側の一端縁78aと、負極開口82bが形成されている側の他端縁78bとは、互いに異なる形状に形成されている。例えば、正極開口82a側の一端縁78aは、正極側であることを示す円弧状に形成され、負極開口82b側の他端縁78bは、負極側であることを示す台形状に形成されている。このように両端縁の形状を相違させることにより、共通バスバー78の正極側の端と負極側の端とを容易に見分けることができ、共通バスバー78をアッパーケース18に装着する際、共通バスバーを容易に正しい向きに装着することが可能となる。
共通バスバー78は、一側縁から突出する接続片78cを一体に有している。
【0053】
上記のように構成された正極バスバー76、負極バスバー77、共通バスバー78は、それぞれ対応するバスバー装着室に装着され、単セル12の電極端子に接続されている。図2、図9、図13に示すように、正極バスバー76は、正極出力端子24に隣接するバスバー装着室64aに装着されている。正極バスバー76は、各折曲げ部84の開口側をバスバー装着室64aに突設された保持リブ66と係合させることにより、バスバー装着室64aに対して所定位置に位置決めされた状態で保持されている。これにより、正極バスバー76の正極開口82aは、アッパーケース18側のそれぞれ対応する透孔56aと整列して位置している。
【0054】
正極バスバー76の3つの正極開口82aに単セル12の正極端子32aがそれぞれ係合し、レーザ溶接等により正極バスバー76に溶接されている。溶接は、レーザ溶接に代えて電子ビーム溶接や抵抗溶接を用いてもよい。これにより、1セルユニットCにおける3つの単セル12の正極端子32aは、正極バスバー76により互いに電気的に接続されている。正極バスバー76の正極側出力端部76bは、アッパーケース18の周壁18a上部に係合しているとともに、ケース10の前端壁10a側に露出している。
【0055】
負極バスバー77は、負極出力端子26に隣接するバスバー装着室74aに装着されている。負極バスバー77は、各折曲げ部84の開口側をバスバー装着室74aに突設された保持リブ66と係合させることにより、バスバー装着室74aに対して所定位置に位置決めされた状態で保持されている。これにより、負極バスバー77の負極開口82bは、アッパーケース18側のそれぞれ対応する透孔56bと整列して位置している。負極バスバー77の3つの負極開口82bに単セル12の負極端子32bがそれぞれ係合し、レーザ溶接等により負極バスバー77に溶接されている。これにより、1セルユニットCにおける3つの単セル12の負極端子32bは、負極バスバー77により互いに電気的に接続されている。負極バスバー77の負極側出力端部77bは、アッパーケース18の周壁18a上部に係合しているとともに、ケース10の前端壁10a側に露出している。
【0056】
図2、図3、図、9、図10、図13、図14に示すように、8つの共通バスバー78は、正極バスバー76と一列に並んだバスバー装着室64b、64c、隣の列のバスバー装着室68a、68b、更に、隣の列のバスバー装着室72a、72b、負極バスバー77と一列に並んだバスバー装着室74b、74cにそれぞれ装着されている。
【0057】
バスバー装着室64b、64c、隣の列のバスバー装着室68a、68bに装着された共通バスバー78は、それぞれ負極側の端縁78bがケース10の前端壁10a側を向いた状態で配置されている。これらの共通バスバー78は、各折曲げ部84の開口側をバスバー装着室に突設された保持リブ66と係合させることにより、各バスバー装着室に対して所定位置に位置決めされた状態で保持されている。これにより、共通バスバー78の負極開口82bおよび正極開口82aは、アッパーケース18側のそれぞれ対応する透孔56b、透孔56aと整列して位置している。
【0058】
共通バスバー78の3つの負極開口82bに単セル12の負極端子32bがそれぞれ係合した状態で、負極端子が共通バスバー78に溶接されている。これにより、1セルユニットCにおける3つの単セル12の負極端子32bは、共通バスバー78により互いに電気的に接続されている。また、共通バスバー78の3つの正極開口82aに、隣接するセルユニットCの単セル12の正極端子32aがそれぞれ係合した状態で、各正極端子が共通バスバー78に溶接されている。これにより、1セルユニットCにおける3つの単セル12の正極端子32aは、共通バスバー78により互いに電気的に接続され、更に、隣のセルユニットCの単セル12の負極端子32bと電気的に接続されている。
【0059】
バスバー装着室72a、72b、隣の列のバスバー装着室74b、74cに装着された共通バスバー78は、それぞれ正極側の端縁78aがケース10の前端壁10a側を向いた状態で配置されている。これらの共通バスバー78は、各折曲げ部84の開口側をバスバー装着室に突設された保持リブ66と係合させることにより、各バスバー装着室に対して所定位置に位置決めされた状態で保持されている。これにより、共通バスバー78の負極開口82bおよび正極開口82aは、アッパーケース18側のそれぞれ対応する透孔56b、透孔56aと整列して位置している。
【0060】
共通バスバー78の3つの正極開口82aに単セル12の正極端子32aがそれぞれ係合した状態で、各正極端子が共通バスバー78に溶接されている。これにより、1セルユニットCにおける3つの単セル12の正極端子32aは、共通バスバー78により互いに電気的に接続されている。また、共通バスバー78の3つの負極開口82bに、隣のセルユニットCの単セル12の負極端子32bがそれぞれ係合した状態で、各負極端子が共通バスバー78に溶接されている。これにより、1セルユニットCにおける3つの単セル12の負極端子32bは、共通バスバー78により互いに電気的に接続され、更に、隣のセルユニットCの単セル12の正極端子32aと電気的に接続されている。
【0061】
これにより、それぞれ複数のセルユニットCを一列に近接して並べ、セルユニット同士がバスバーによって電気的に接続された2つの組電池が構成され、これらの組電池は、平行に並んで配置されている。そして、二つの組電池は、連結バスバーとして機能するバスバーユニット80によって互いに電気的に接続されている。
【0062】
図2、図3、図13、図15に示すように、バスバーユニット80は、それぞれ矩形板状の3つのバスバー86を互いに連結して構成されている。各バスバー86は、長手方向の一端部に形成された正極開口82aおよび長手方向他端部に形成された負極開口82bを有している。これら正極開口82aと負極開口82bとの間の部分は、U字形状に折曲げられ、折曲げ部84を形成している。折曲げ部84には、バスバー86の長手方向に延びるスリットが形成されている。これら折曲げ部84の弾性変形により、バスバー86はその長手方向に沿って変位可能であり、この方向における製造誤差、組合せ誤差等をある程度、吸収することができる。
【0063】
3つのバスバー86は、幅方向に隙間を置いて並んで設けられ、折曲げ部84同士が整列して、かつ、正極開口82aおよび負極開口82bが2列に平行に並んでいる。そして、隣合う折曲げ部84がブリッジ部88により互いに連結されている。これにより、3つのバスバー86が互いに連結され、1つのユニットとして取り扱うことができる。また、各ブリッジ部88の弾性変形により、バスバー86はその幅方向に沿って変位可能であり、この方向における製造誤差、組合せ誤差等をある程度、吸収することができる。1つのバスバー、例えば、真ん中のバスバー86は、その正極側の端縁から突出する接続片86bを一体に有している。
【0064】
バスバーユニット80は、アッパーケース18のバスバー装着室70に装着されている。バスバーユニット80は、各折曲げ部84の開口側をバスバー装着室70に突設された保持リブ67と係合させることにより、バスバー装着室70に対して所定位置に位置決めされた状態で保持されている。これにより、各バスバー86の正極開口82aは、アッパーケース18側のそれぞれ対応する透孔56aと整列し、負極開口82bは、アッパーケース18側のそれぞれ対応する透孔56bと整列して位置している。
【0065】
3つのバスバー86の3つの正極開口82aに単セル12の正極端子32aがそれぞれ係合し、レーザ溶接等によりバスバー86に溶接されている。これにより、1セルユニットCにおける3つの単セル12の正極端子32aは、バスバーユニット80により互いに電気的に接続されている。また、3つのバスバー86の3つの負極開口82bに、隣のセルユニットCの単セル12の負極端子32bがそれぞれ係合し、各負極端子がバスバー86に溶接されている。これにより、1セルユニットCにおける3つの単セル12の負極端子32bは、バスバーユニット80により互いに電気的に接続され、更に、隣のセルユニットCの単セル12の正極端子32aと電気的に接続されている。
【0066】
図13に概略的に示すように、前述した複数のバスバーおよびバスバーユニットにより、各セルユニットCの3つの単セル12は並列に接続され、かつ、10個のセルユニットCは互いに直列に接続されている。また、正極出力端子24および負極出力端子26は、ケース10の同一壁面、つまり、前端壁10a側に設けられ、10個のセルユニットCは、正極出力端子24から負極出力端子26まで、U字状に並んで接続されている。
【0067】
図3および図11に示すように、アッパーケース18の上面に立設された一対の仕切り壁60a上に、細長い矩形状の閉塞板90aが固定され、アッパーケース18の長手方向全長に亘って延びている。閉塞板90aにより、仕切り壁60a間の空間が閉じられ、この空間により、アッパーケース18の長手方向全長に亘って延びる排気流路92aが形成されている。アッパーケース18に形成され一列に並んだ排気孔57は、排気流路92aに連通している。アッパーケース18の長手方向の一端、例えば、後端壁には、排気流路92aの一端に連通する複数の排気孔94が形成されている。これらの排気孔94は、アッパーケース18の後端壁に取り付けられた逆止弁96により閉じられている。
【0068】
同様に、アッパーケース18の上面に立設された一対の仕切り壁60b上に、細長い矩形状の閉塞板90bが固定され、アッパーケース18の長手方向全長に亘って延びている。閉塞板90bにより、仕切り壁60b間の空間が閉じられ、この空間により、アッパーケース18の長手方向全長に亘って延びる排気流路92bが形成されている。アッパーケース18に形成され一列に並んだ排気孔57は、排気流路92bに連通している。アッパーケース18の長手方向の一端、例えば、後端壁には、排気流路92bの一端に連通する複数の排出孔が形成されている。これらの排出孔は、アッパーケース18の後端壁に取り付けられた逆止弁により閉じられている。
【0069】
単セル12の異常モード等により外装容器30内にガスが発生し、外装容器内の内圧が所定の値以上に上昇した際、安全弁36が開放し、この安全弁36を通してガスが外部に放出される。この場合、放出されたガスは、排気孔57を通って対応する排気流路92a、92bのいずれかに排出される。そして、ガスの排出により排気流路92a、92b内の圧力が上昇すると、逆止弁96が開放され、排気流路内のガスが排気孔94を通して外部に排出される。
【0070】
図3、図11、図17に示すように、閉塞板90a、90bの上面には、単セル12の電圧を測定するためのフレキシブル配線板(FPC)98がそれぞれ貼付されている。各FPC98は、閉塞板90a、90bとほぼ等しい幅の帯状に形成され、アッパーケース18の長手方向ほぼ全長に亘って延び、また、一端部98aは、ケース10の前端から前方へ突出している。FPC98は、一端部98aから長手方向に延びる複数の配線を有している。これら配線の他端部は、それぞれFPC98の側縁から外側に延出している。例えば、FPC98の一側縁から3本の配線99aがそれぞれ外側に引き出され、FPCの他側縁から2本の配線99bがそれぞれ外側に引き出されている。他方のFPC98は、一側縁から3本の配線99aがそれぞれ外側に引き出され、他側縁から3本の配線99bがそれぞれ外側に引き出されている。
【0071】
FPC98から引き出された配線99a、99bの延出端は、それぞれ対応する1つのバスバーに電気的、機械的に接続されている。図17に示すように、各配線99a、99bの端出端、例えば、配線99bの延出端は、共通バスバー78の接続片78cとアッパーケース18上面との間に挿入された状態で、接続片78cにハンダ付けされている。他のバスバーおよびバスバーユニット80についても、配線99a、99bの延出端は、それぞれ接続片76c、77c、78cとアッパーケース18上面との間に挿入された状態で、接続片にハンダ付けされている。各配線99a、99bの延出部は、接続片に接続された接続端とFPC98の側縁との間で、僅かに弛んだ状態で延びるように形成されている。これにより、配線99a、99bの延出部に張力負荷が作用した場合でも、配線の断線を防止することができる。
【0072】
図3に示すように、各FPC98の一端部98aには、それぞれ配線に導通する接続端子が形成されている。この接続端子は、後述する電池監視基板28に接続される。電池監視基板28は、FPC98を介して各セルユニットCの電圧を測定し、監視する。図3および図17に示すように、FPC98の各配線99a、99bの中途部には、抵抗100が実装されている。各抵抗100は、例えば、数Ωないし数百Ωに形成され、単セル12からの過放電を規制し、電池監視基板28を保護する。
【0073】
上記のようなFPC98を用いて各バスバーと電池監視基板28とを接続することにより、複数のハーネス等を用いる場合に比較して、配線の引回しが容易であり、電池装置の組立性を向上できるとともに、配線の設置スペースを小さくすることができる。
【0074】
図2および図18に示すように、アッパーケース18上には、単セル12の温度を検出する2つのサーミスタ102a、102bが設けられている。サーミスタ102a、102bの各々は、2本のワイヤにより形成されている。図2、図8、図18ないし図20に示すように、アッパーケース18の周壁18aの内面およびセンターケース14の内面には、バスバー装着室を貫通してセンターケースの高さ方向中間部まで延びるガイド溝104a、104bが形成されている。本実施形態において、これらのガイド溝104a、10bは、右列の真ん中のバスバー装着室64bを貫通する位置、および、左列の後端のバスバー装着室74cを貫通する位置にそれぞれ形成されている。
【0075】
サーミスタ102aの検出部、つまり、先端部は、アッパーケース18の上面側からガイド溝104aに挿入され、ガイド溝104aの下端まで圧入されている。これにより、サーミスタ102aの検出部は、センターケース14の側壁14bと単セル12の側面との間に挟まれ、単セル12の外装容器側面に圧接している。サーミスタ102bは、FPC98上を引回され、FPC98の一端部上に設けられたコネクタ106に接続されている。コネクタ106は、後述する電池監視基板28に電気的に接続される。また、サーミスタ102aは、その複数個所が、アッパーケース18およびFPC98に接着されている。そして、サーミスタ102aは、電池装置内において、比較的温度が高い位置に設けられている単セル12の温度を検出し、電池監視基板28に出力する。
【0076】
もう一方のサーミスタ102bの検出部は、アッパーケース18の上面側からガイド溝104bに挿入され、ガイド溝104bの下端まで圧入されている。これにより、サーミスタ102bの検出部は、センターケース14の側壁14aと単セル12の側面との間に挟まれ、単セル12の外装容器側面に圧接している。サーミスタ102bは、他方のFPC98上を引回され、FPC98の一端部上に設けられたコネクタ106に接続されている。このコネクタ106は、後述する電池監視基板28に電気的に接続される。また、サーミスタ102bは、その複数個所が、アッパーケース18およびFPC98に接着されている。そして、サーミスタ102bは、電池装置内において、比較的温度が低い位置に設けられている単セル12の温度を検出し、電池監視基板28に出力する。
【0077】
このように、サーミスタ102a、102bは、それぞれケースに形成されたガイド溝104a、104に差し込むだけで、所望の単セル12に圧接させることができ、特別な固定用部品を用いることなく容易にサーミスタを設置することができる。また、サーミスタ102a、102bは、単セル12の外装容器側面に接触するように設けられているため、サーミスタを外装容器の主面に接触させる場合に比較して、単セル12間の隙間を狭く設定することができる。これにより、電池装置全体の長さを短くし、小型化を図ることが可能となる。
【0078】
図1、図2、図21、図22に示すように、ケース10の前端壁10aの外面側に、矩形板状のターミナルベース22が取り付けられている。ターミナルベース22の外面上には、電池監視基板28がねじ止めにより固定されている。前述した各FPC98の一端部98aおよびサーミスタ102a、102bは、図示しないコネクタ等を介して、電池監視基板28に電気的に接続されている。電池監視基板28は、FPC98を介してセルユニットC間の電圧を検出し、監視するとともに、サーミスタ102a、102bによって検出されたセル温度を監視する。また、電池監視基板28は、バランス調整回路を有し、単セル間の電圧のバランスを調整する。
【0079】
ターミナルベース22には、正極出力端子24および負極出力端子26が取付けられている。負極出力端子26は、ステンレス等により板状に形成された端子ベース26aと、銅等の高い導電性を有する金属により形成され、端子ベース26aに重ねて配置された板状の導電端子26bと、を有している。
【0080】
端子ベース26aの中央下部には、接続部として機能するスタッドボルト26cが立設されている。端子ベース26aの周縁部には、例えば、3つのねじ孔が形成され、また、端子ベース26aの上端部に2つのねじ孔107が並んで形成されている。導電端子26bは、スタッドボルト26cが挿通される透孔108、下端部に形成された透孔109、および上端部にそれぞれ形成された2つの透孔110を有している。
【0081】
導電端子26bは、透孔108にスタッドボルト26cが挿通された状態で、端子ベース26aに重ねて配置され、また、透孔109に挿通されたねじにより端子ベース26aにねじ止め固定されている。導電端子26bの透孔110は、端子ベース26aのねじ孔107とそれぞれ整列している。
【0082】
導電端子26bが固定された端子ベース26aは、ターミナルベース22の内面側に配置され、ターミナルベース22の外面側から挿通された2本のねじにより、ターミナルベース22にねじ止め固定されている。これにより、導電端子26bは、端子ベース26aとターミナルベース22との間に挟まれている。スタッドボルト26cは、ターミナルベース22に形成された開口112を通して外方に突出している。導電端子26bにおいて、スタッドボルト26cの周囲に位置する部分は、開口112を通して、外側に露出している。透孔110を含む導電端子26bの上端部は、ターミナルベース22の上端部に形成された開口114を通して外方に露出している。
【0083】
正極出力端子24も負極出力端子26と同様に構成されている。すなわち、正極出力端子24は、端子ベース24aおよびこれに重ねて固定された導電端子24bを有し、端子ベース24aがターミナルベース22の内面側にねじ止め固定されている。接続部として機能する端子ベース24aのスタッドボルト24cは、ターミナルベース22に形成された開口116を通して外方に突出し、また、導電端子26bにおいて、スタッドボルト26cの周囲に位置する部分は、開口112を通して、外側に露出している。透孔118を含む導電端子24bの上端部は、ターミナルベース22の上端部に形成された開口120を通して外方に露出している。
【0084】
正極出力端子24および負極出力端子26が取付けられたターミナルベース22は、複数のねじにより、ケース10の前端壁10aにねじ止め固定され、ケース10の前面に密着している。正極出力端子24は、ターミナルベース22とケース10の前面との間に挟持され、また、正極出力端子24の上端部は、正極バスバー76の正極側出力端部76bとケース10前面との間に差し込まれ、正極側出力端部76bと重なって位置している。そして、この正極出力端子24の上端部は、正極バスバー76の正極側出力端部76bに形成された一対の透孔および導電端子24bの透孔118を通して端子ベース24aにねじ込まれた一対のねじにより、正極側出力端部76bにねじ止め固定されている。これにより、正極出力端子24は、正極バスバー76に電気的および機械的に接続されている。
【0085】
負極出力端子26の上端部は、負極バスバー77の負極側出力端部77bとケース10前面との間に差し込まれ、負極側出力端部77bと重なって位置している。そして、この負極出力端子26の上端部は、負極バスバー77の負極側出力端部77bに形成された一対の透孔および導電端子26bの透孔110を通して端子ベース26aにねじ込まれた一対のねじにより、負極側出力端部77bにねじ止め固定されている。これにより、負極出力端子26は、負極バスバー77に電気的および機械的に接続されている。
【0086】
上記のように、正極出力端子24および負極出力端子26は、共通のターミナルベース22に取付ける構成とすることにより、組立性の向上を図ることができる。また、正極出力端子24および負極出力端子26のそれぞれは、バスバーと導電端子との間に、ターミナルベース22に固定された端子ベースを介在させ、この端子ベースに接続用のスタットボルトを設けた構成とすることにより、出力用のハーネス等をスタットボルトに脱着する際、導電端子およびバスバーに作用する負荷を低減することができる。これにより、導電端子およびバスバーの変形、損傷等を防止することが可能となる。
【0087】
図1および図2に示すように、トップカバー20は、ケース10の平面形状とほぼ等しい大きさの矩形板状に形成され、アッパーケース18の複数のバスバー装着室を覆って設けられている。トップカバー20は、その周縁部および中央部が、アッパーケース18の周壁およびセンターリブにねじ止めされ、アッパーケース18に液密に接合されている。
【0088】
図23は、ケース10の一側面、ここでは、ロワーケース16の底面16aを示している。底面16aの両側縁部および幅方向中央部には、ねじ止め用のねじを挿通するための複数の透孔128が形成されている。また、底面16aの全面に亘って多数のリブ130が格子状に形成されている。これらのリブ130は、同一の高さに形成されている。リブ130は、ロワーケース16の軽量化、強度向上、および冷却性の向上を図るように形成されている。
【0089】
複数のリブ130の内、底面16aの長手方向全長に亘って横切る領域Rに設けられたリブ130は、他の領域に設けられたリブ130に比較して、目が細かく、すなわち、小さい間隔で形成されている。また、本実施形態においては、底面16aの幅方向の全長に亘って横切る領域Qに設けられたリブ130も、他の領域に設けられたリブ130に比較して、目が細かく、すなわち、小さい間隔で形成されている。これにより、領域Rおよび領域Qにおいて、各リブ130の先端面によって形成される設置面積を広くすることができる。この構成によれば、底面16aの領域Rおよび領域Qに、例えば、シート状のクッション材を貼り付ける際、クッション材と底面16aの接触面積を大きくし、クッション材を確実に貼り付けることができる。
【0090】
図24は、上記構成の二次電池装置を複数台設置した一例を示している。この場合、複数台の二次電池装置は、ケース10の側面同士が向かい合って配列され、底面16aは、シート状のクッション材134を挟んで、設置面133上に載置さている。このクッション材134は、底面16aの領域R全体に貼付されている。一番端に位置する二次電池装置は、設置場所の起立壁136に対向して配置されている。この際、起立壁136に突設された凸部138を、ケース10の位置決め凹部58(図1参照)に係合させることにより、二次電池装置を設置場所に対して位置決めすることができる。また、起立壁136には通風窓141が形成されている。通風窓141を通して設置場所に供給される冷却風は、ケース10の通気孔51を通って単セル12の周囲に供給される。これにより、二次電池装置内の単セル12を冷却することができる。また、ケース10の底面16aと設置面133との間の空間は、クッション材134によって仕切られている。そのため、冷却風は、ケース10の底面16aと設置面133との間に流れ込むことがなく、ケース10内に効率よく供給される。
【0091】
図25は、機器取付け用の複数のボスを備えた二次電池装置を示している。複数の二次電池装置を並べて設置する場合、1つの二次電池装置には、これら複数の二次電池装置を制御する制御基板140が取付けられる。そのため、図25に示すように、1つの二次電池装置において、トップカバー20の上面には、ねじ止め用の複数のボス142が突設されている。制御基板140は、複数のねじによってボス142にねじ止めされ、トップカバー20上に支持される。また、シャント144がボス142にねじ止めされ、トップカバー20上に支持される。
【0092】
制御基板140は、複数の二次電池装置に接続され、各二次電池装置の電力残量検出、電池状態の検出、異常動作の検出等を行う。また、制御基板140は、電流遮断器としても機能する。
【0093】
また、ケース10の側面にも、他の機器を取付け可能な複数のボス146が形成されている。なお、二次電池装置の他の構成は、前述した二次電池装置と同一である。
【0094】
次に、上記のように構成された二次電池装置の組み立て方法について説明する。
【0095】
まず、ケース10を構成する3つの構成部材、つまり、センターケース14、アッパーケース18、ロワーケース16を用意する。この際、3つのケース部材を独立して成形することにより、容易にケース部材を形成することができる。センターケース14は上下が開放した枠形状のため、成形時、金型を上下両方向に抜くことができる。そのため、各金型のチャンバ深さを浅くし、かつ、チャンバ内面の抜き角を小さくすることができる。これにより、形成されたセンターケース14外面の傾斜角を小さくし、ケース全体の幅を小さくすることが可能となる。その結果、装置全体の小型化を図ることができる。
【0096】
次に、アッパーケース18の各バスバー装着室に対応するバスバーおよびバスバーユニットを予め装着する。この際、バスバーは、折曲げ部84をバスバー装着室の保持リブ66、67に係合させることにより、バスバーを所定位置に容易に保持することができ、バスバーの装着を容易に行うことができる。また、各バスバーは、正極開口側と負極開口側とで端縁の形状が相違しているため、装着する際、正しい向きを容易に判断し、誤装着を防止することができる。
【0097】
アッパーケース18の各閉塞板90a、90b上に、FPC98を貼付し、各FPCの配線99a、99bを対応するバスバーにハンダ付け等により接続する。また、各FPC98上に、サーミスタ102a、102bを仮止めしておく。各バスバー上に、スポンジ等の押さえ部材を載置した後、上からトップカバー20をアッパーケース18に被せ、アッパーケースに仮止めする。更に、アッパーケース18の内面側に形成されている各係合溝54の周縁部に、単セル12を固定するための接着剤を塗布しておく。これにより、アッパーケースアッセンブリが構成される。
一方、ロワーケース16の内面側に形成されている各係合溝38の周縁部に単セル12を固定するための接着剤を塗布しておく。
【0098】
続いて、図26に示すように、アッパーケースアッセンブリ150をその内面側を上に向けて配置し、このアッパーケース18上にセンターケース14を載置し仮止めする。
【0099】
次いで、図27に示すように、センターケース14の上方から、10個のセルユニットCをセンターケース14の収容室53に上方から装填し、各単セル12の外装容器30の上端部、つまり、電極端子が設けられている側の端部をアッパーケース18の係合溝54に嵌合し、予め塗布しておいた接着剤によりアッパーケース18に固定する。正極および負極の向きが分かるように、各単セル12の外装容器30の底面には、正極側を示すマークMが付されている。各セルユニットCにおいては、3つの単セル12のマークMが整列するように単セルを配置し、また、複数のセルユニットCは、正極側と負極側とが交互に並ぶように配置する。
【0100】
各セルユニットCを装填することにより、各単セル12の正極端子32aおよび負極端子32bは、アッパーケース18の透孔56a、透孔56bを通して、対応するバスバーの正極開口82a、負極開口82bにそれぞれ係合する。この際、上述したように、各単セル12をその電極端子を下向きにしてセンターケース14およびアッパーケース18に上から装着することにより、複数の単セル12の高さ方向の寸法にばらつきがある場合でも、電極端子側を整列してアッパーケース18の係合溝54に装着することができ、各電極端子を確実にバスバーに係合させることできる。
【0101】
続いて、図28に示すように、ロワーケース16を上からセンターケース14に被せ、複数のねじにより、センターケース14にねじ止め固定する。これにより、複数の単セル12の底側の端部は、ロワーケース16の内面側に形成された係合溝38に嵌合され、予め塗布しておいた接着剤によりロワーケース16に固定される。
【0102】
次に、図29に示すように、ケース10全体を反転した後、仮止めしていたトップカバー20を取り外す。続いて、バスバーを押さえていた押さえ部材152を取り除く。
【0103】
その後、図30に示すように、複数のねじによりアッパーケース18をセンターケース14にねじ止め固定する。次いで、各バスバーに単セル12の正極端子32aおよび負極端子32bを溶接する。また、仮止めしておいたサーミスタ102a、102bの検出部をそれぞれ対応するアッパーケース18およびセンターケース14のガイド溝104a、104bに圧入し、対応する単セル12に圧接させる。
【0104】
一方、図2および図21に示すように、予めターミナルベース22に正極出力端子24および負極出力端子26を固定し、また、電池監視基板28をターミナルベース22にねじ止め固定する。次いで、このターミナルベース22をケース10の前面にねじ止め固定した後、正極出力端子24および負極出力端子26を正極バスバー76の正極側出力端部76bおよび負極バスバー77の負極側出力端部77bにねじ止め固定する。また、FPC98およびサーミスタ102a、120bを電池監視基板28に接続する。最後に、トップカバー20をアッパーケース18に被せ、アッパーケースにねじ止め固定する。これにより、二次電池装置が完成する。
【0105】
以上のように構成された組電池およびこれを備えた二次電池装置によれば、頑堅な締結構造を必要とせず、各構成部材およびケースを容易に組み立てることができるため、装置全体のコンパクト化を図ることができる。これにより、単セルの実装密度を向上し、単位体積あたりのセル搭載量を多くすることができる。
【0106】
なお、この発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよいし、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0107】
例えば、セルユニットを構成する単セルは3つに限らず、2つあるいは4つ以上としてもよい。また、セルユニットは、10個に限らず、必要に応じて増減可能である。各単セルの正極端子および負極端子は、角柱形状に限らず、円柱形状等の他の形状としてもよい。バスバーの形状および材質、また、ケースの形状、材質は、前述した実施形態に限らず、適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0108】
10…ケース、12…単セル、14…センターケース、16…ロワーケース、
18…アッパーケース、20…トップカバー、22…ターミナルベース、
24…正極出力端子、26…負極出力端子、24a、26a…端子ベース、
24b、26b…導電端子、24c、26c…スタッドボルト、28…電池監視基板、
30…外装容器、32a…正極端子、32b…負極端子、35…シール材、
50…仕切り壁、51…通気孔、53…収容室、54…係合溝、
56a、56b…透孔、57…排気孔、58…位置決め凹部、
60a、60b…仕切り壁、62…仕切り壁、66…支持リブ、
64a、64b、64c、68a、68b、70、72a、72b、74a、74b、74c…バスバー装着室、76…正極バスバー、77…負極バスバー、
78…共通バスバー、80…バスバーユニット、82a…正極開口、
82b…負極開口、84…折曲げ部、92a、92b…排気流路、96…逆止弁、
98…FPC、102a、102b…サーミスタ、104a、104b…ガイド溝、
130…リブ、142…ボス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ略直方体形状の本体とこの本体の一端から引き出された両極とを有する複数の二次電池の単セルを、各々の前記単セルの前記両極を通る仮想線を引く時、隣合う単セルの前記仮想線が平行となるように、かつ、前記両極が引き出されている前記一端を同じ向きとして配列されたセルユニットについて、前記セルユニットを複数並べて配置し、所定のセルユニットの所定極の各々と、この所定のセルユニットに並置された他のセルニットの前記所定極とは逆の極の各々とを、バスバーで一列に連結することを特徴とする組電池。
【請求項2】
複数の請求項1に記載の組電池が、前記単セルの両極が引き出されている一端を同じ向きとし、かつ、前記バスバーが連結する極の列の方向が互いに平行となるように並べて配列され、
所定の組電池と、この組電池と隣合う他の組電池とが、連結バスバーによって互いに電気的に連結され、前記連結バスバーは、前記所定の組電池の所定のセルユニットの同じ極を一列に連結しているとともに、前記他の組電池の他のセルユニットの前記同じ極と逆の極を一列に連結していることを特徴とする組電池。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の組電池と、この組電池を収容するケースと、を備えたことを特徴とする二次電池装置。
【請求項4】
前記複数の単セルは、隙間を置いて互いに対向して配置され、
前記ケースは、前記セルユニットの両側に対向する一対の側壁と、各側壁に形成され、前記単セル間の隙間に対向する通気孔と、を有していることを特徴とする請求項3に記載の二次電池装置。
【請求項5】
前記ケースは、底壁を構成するロワーケースと、前記ロワーケースに対向して設けられ天井壁を構成するアッパーケースと、前記ロワーケースとアッパーケースとの間に接合された枠状のセンターケースと、を備え、
前記複数の単セルは、それぞれ正極端子および負極端子を有し、前記ケース内に並んで収容され、
それぞれ前記アッパーケース上に装着され、隣り合う単セルの電極端子同士を電気的に接続する複数のバスバーと、前記ケースの1つの側壁側に設けられた正極出力端子および負極出力端子と、を備え、
前記複数のセルユニットは、複数個ずつ2列に並べ直列に接続して配列され、一方の列の一端に配置されたセルユニットは前記正極出力端子に接続され、他方の列の一端に配置されたセルユニットは前記負極出力端子に接続されていることを特徴とする請求項3に記載の二次電池装置。
【請求項6】
前記アッパーケースは、アッパーケースの外面側に形成され、互いに区画された複数のバスバー装着室と、それぞれ前記バスバー装着室に開口し、前記単セルの正極端子あるいは負極端子が挿通された複数の透孔とを有し、
前記複数のバスバーは、前記バスバー装着室に装着され、前記正極出力端子に接続されるセルユニットにおける複数の単セルの正極端子同士を接続する正極バスバーと、前記バスバー装着室に装着され、前記負極出力端子に接続されるセルユニットにおける複数の単セルの負極端子同士を接続する負極バスバーと、それぞれバスバー装着室に装着され、前記各列のセルユニットの正極端子と隣合う他のセルユニットの負極端子とを直列に接続する共通バスバーと、を有していることを特徴とする請求項5に記載の二次電池装置。
【請求項7】
前記バスバーは、前記一方の列の他端に位置するセルユニットと他方の列の他端に位置するセルユニットとを接続するバスバーユニットを有し、このバスバーユニットは、それぞれ一方のセルユニットの正極端子と他方のセルユニットの負極端子とを接続する複数のバスバーと、これら複数のバスバーを互いに連結したブリッジ部とを有していることを特徴とする請求項6に記載の二次電池装置。
【請求項8】
前記各共通バスバーは、連続して並んで設けられているとともにそれぞれ正極端子が係合する複数の正極開口と、互いに連続して並んで、かつ、前記正極開口と並んで設けられそれぞれ前記負極端子が係合する複数の負極開口と、前記正極開口側に位置する一端縁と、前記負極開口側に位置する他端縁と、を有し、前記一端縁と他端縁とは、互いに異なる形状に形成されていることを特徴とする請求項6に記載の二次電池装置。
【請求項9】
前記各バスバーは、前記単セルの正極端子あるいは負極端子が係合する複数の開口と、前記開口間に形成され弾性変形可能な折曲げ部とを有し、
前記アッパーケースは、前記各バスバー装着室内に突設された支持リブを有し、
前記各バスバーは、前記折曲げ部が前記支持リブに係合してバスバー装着室内に位置きめ保持されていることを特徴とする請求項6に記載の二次電池装置。
【請求項10】
前記アッパーケースに固定され、前記セルユニットの各列に沿って延びたフレキシブル配線板を有し、各フレキシブル配線板は、それぞれ前記バスバーに電気的に接続された複数の配線を有していることを特徴とする請求項5に記載の二次電池装置。
【請求項11】
前記正極出力端子および負極出力端子が固定された板状のターミナルベースを備え、前記ターミナルベースは、前記ケースの前記1側壁に対向して前記ケースに固定され、前記正極出力端子は前記正極バスバーに接続され、前記負極出力端子は前記負極バスバーに接続されていることを特徴とする請求項10に記載の二次電池装置。
【請求項12】
前記前記正極出力端子および負極出力端子の各々は、前記ターミナルベースに固定されているとともに接続部を有する端子ベースと、前記端子ベースに重ねて固定された導電端子と、を有していることを特徴とする請求項11に記載の二次電池装置。
【請求項13】
前記ターミナルベースに取付けられ、前記セルユニットの電圧を監視する電池監視基板を備え、前記フレキシブル配線基板は、前記電池監視基板に電気的に接続されていることを特徴とする請求項10に記載の二次電池装置。
【請求項14】
前記アッパーケースに取付けられ前記単セルの温度を検出するサーミスタを備え、前記サーミスタの検出部は、前記アッパーケースおよび前記センターケースの内面に形成されたガイド溝に圧入され、前記単セルの側面に圧接され、前記サーミスタは、前記電池監視基板に電気的に接続されていることを特徴とする請求項10に記載の二次電池装置。
【請求項15】
前記アッパーケースは、前記セルユニットの各列に沿ってアッパーケースの一端から他端まで延びる排気流路を有し、
前記各単セルは、前記負極端子と正極端子との間に形成された安全弁を有し、
前記アッパーケースは、それぞれ安全弁に対向しているとともに前記排気流路に開口する複数の排気孔を有していることを特徴とする請求項5に記載の二次電池装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2011−76936(P2011−76936A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−228636(P2009−228636)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】