説明

経路計画装置、自律移動ロボット、及び移動経路の計画方法

【課題】安全性と移動性を効果的に両立しながら、未知の障害物が存在する環境内での移動ロボットの移動経路を決定することを可能にする。
【解決手段】ロボット1は、環境地図120に規定されている既知の障害物の位置及びその周囲を含む第1の領域と、環境地図120に規定されていない未知の障害物の位置及びその周囲を含み前記第1の領域に比べて広範囲に設定される第2の領域とを移動制限領域として、移動制限領域内の移動ロボットの通過が抑制されるように環境地図120に基づいて移動経路を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、障害物を回避して移動を行う自律移動ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
自律移動ロボット(以下、単に移動ロボットと呼ぶ)の自律移動のために、移動ロボットの移動環境を記述した環境地図が使用される場合がある。環境地図は、移動環境内における移動ロボットの自己位置推定、移動経路の計画などに利用される。環境地図は、例えば、移動ロボットが移動を行う2次元の移動環境を格子状に分割し、格子に囲まれた各々のグリッドセルが移動可能であるか否かを表したグリッド地図データとして作成される。
【0003】
環境地図の作成は、例えば、レーザレンジファインダ、超音波センサ、ステレオカメラ等の外界の距離情報を取得可能な距離センサを用いて移動環境を計測することにより行なわれる。環境地図は、予め作成されたものを移動ロボットに供給する場合のほか、距離センサを搭載した移動ロボット自身が移動空間を移動しながら作成する場合もある。後者の移動ロボットの自己位置推定と環境地図の構築を同時に行なう技術は、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)と呼ばれる。また、既知の環境地図と距離センサによる外界の計測結果の両方を用いて障害物を回避した移動経路を決定することで自律移動を行う移動ロボットも知られている。
【0004】
例えば、特許文献1〜3は、距離センサによって得られた外界の距離情報に基づいて検出した障害物位置及びその周囲を移動制限領域とし、移動制限領域を回避して移動ロボット又はロボットマニピュレータの移動経路を決定する技術を開示している。
【0005】
また、特許文献4は、既知の環境地図を用いて自己位置を推定し、環境地図に規定されている既知の障害物と、距離センサによる計測結果を用いて得られた未知の障害物とを認識し、既知及び未知の障害物を回避した移動経路を決定する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平09−034524号公報
【特許文献2】特開平11−194822号公報
【特許文献3】特開2003−266345号公報
【特許文献4】特開平07−248820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本願の発明者は、障害物位置およびその周囲を移動制限領域に決定するとともに、移動制限領域を除外して移動ロボットの移動経路を決定する場合、以下に述べる問題があることを見出した。すなわち、安全性を優先して移動制限領域を大きく設定すると、ロボットが移動可能な領域が制約され、場合によっては目的地点に到達するための移動経路が生成できない場合がある。例えば、移動ロボットが狭い通路を通過する場合を考えると、移動経路を生成できないことが想定される。またこれとは逆に、ロボットの移動性を優先して移動制限領域を小さく設定すると、障害物とロボットが干渉するおそれが大きくなる。上述した特許文献1〜4は、これらの相反する2つの要求、つまり「安全性」と「移動性」を両立させることについて有効な開示を含んでいない。
【0008】
本発明は、本願発明者による上述の知見に基づいてなされたものであって、障害物を回避して移動する際の「安全性」及び「移動性」の両立に有効な経路計画装置、移動ロボット、及び移動経路の計画方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様に係る経路計画装置は、経路計画部を有する。前記経路計画部は、既知の環境地図データに規定されている既知の障害物の位置及びその周囲を含む第1の領域と、前記環境地図データに規定されていない未知の障害物の位置及びその周囲を含み前記第1の領域に比べて広範囲に設定される第2の領域とを移動制限領域として、前記移動制限領域内の移動ロボットの通過が抑制されるように前記環境地図データに基づいて前記移動ロボットの移動経路を決定する。
【0010】
本発明の第2の態様に係る移動ロボットは、距離センサ、経路計画部、及び移動機構を有する。前記距離センサは、周囲環境の距離情報を取得する。前記経路計画部は、前記距離センサによって取得される距離情報を既知の環境地図データと照合することによって、前記環境地図データに規定されている既知の障害物と、前記環境地図データに規定されていない未知の障害物とを識別する。さらに、前記経路計画部は、前記既知の障害物の位置及びその周囲を含む第1の領域と、前記未知の障害物の位置及びその周囲を含み前記第1の領域に比べて広範囲に設定される第2の領域とを移動制限領域として、前記移動制限領域内の前記移動ロボットの通過が抑制されるように前記環境地図データに基づいて前記移動ロボットの移動経路を決定する。
【0011】
本発明の第3の態様に係る移動経路の計画方法は、既知の環境地図データに規定されている既知の障害物の位置及びその周囲を含む第1の領域と、前記環境地図データに規定されていない未知の障害物の位置及びその周囲を含み前記第1の領域に比べて広範囲に設定される第2の領域とを移動制限領域として、前記移動制限領域内の移動ロボットの通過が抑制されるように前記環境地図データに基づいて前記移動ロボットの移動経路を決定すること、を含む。
【発明の効果】
【0012】
上述した本発明の各態様によれば、静止している可能性の高い既知の障害物の周りの移動制限領域(第1の移動制限領域)を相対的に小さくし、移動する可能性が相対的に高い未知の障害物の周りの移動制限領域(第2の移動制限領域)を相対的に大きくする。したがって、上述した本発明の各態様によれば、安全性と移動性を効果的に両立しながら、移動ロボットの移動経路を決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態1に係る移動ロボットの制御系を示すブロック図である。
【図2】壁地図としての環境地図の一例を示す図である。
【図3】図1に示した移動機構15の構成例を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る移動ロボットの動作の一例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態1に係る移動ロボットによる移動制限領域の決定手順の具体例を示すフローチャートである。
【図6】壁からの距離と移動制限領域のサイズ(半径)の関係の一例を示すグラフである。
【図7】本発明の実施の形態1における移動制限領域の決定手順を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0015】
<発明の実施の形態1>
本実施の形態にかかる移動ロボット1(以下、単にロボット1と呼ぶ)の自律移動に関する制御系の構成を図1に示す。図1において、距離センサ11は、ロボット1の移動環境(外界)に存在する対象物までの距離を計測する。具体的には、レーザレンジファインダ、超音波センサ等のアクティブ距離センサによって距離データを取得すればよい。また、距離センサ11は、ステレオカメラによって視差画像を取得し、視差画像を解析して距離計測を行うセンサでもよい。
【0016】
環境地図記憶部12は、ロボット1の移動環境に関する環境地図120を格納する。本実施の形態では、環境地図120は、移動環境を2次元格子状に分割した2次元グリッド地図データであるとして説明する。例えば、環境地図120は、移動環境に存在する静的な障害物(壁と呼ぶ)の2次元位置を示すデータを含んでいればよい。具体的には、環境地図を構成する各グリッドセルは、少なくともロボット1が移動可能であるか否かを示す情報を保持すればよい。以下では、ロボット1が移動可能なセルを「移動可能セル」と呼び、移動不可能なセルを「壁セル」と呼ぶ。本明細書では、移動環境内の各位置(各セル)がロボット1にとって移動可能であるかを示す上記のような地図を「壁地図」と呼ぶ。
【0017】
図2は、壁地図としての環境地図120の一例を示す図である。図2の環境地図120は、縦12ピクセル×横16ピクセルのグリッド地図である。図2において、セル1121を含む白抜きのセルは「移動可能セル」を示し、セル122を含む斜線でハッチングされたセルは「壁セル」を示している。環境地図120の各セルが、「移動可能セル」であるか「壁セル」であるかは、例えば、1ビットの値により識別すればよい。例えば、セルの値が0のとき「移動可能セル」を示し、1のとき「壁セル」を示すこととすればよい。
【0018】
自己位置推定部13は、移動環境内におけるロボット1の絶対位置を推定する。自己位置推定には公知の手法を利用すればよい。例えば、自己位置推定部13は、オドメトリ情報を用いて自己位置を推定してもよい。また、自己位置推定部13は、距離センサ11により取得された距離データ、オドメトリ情報、及び環境地図120を利用して、パーティクルフィルタ法などの公知手法により自己位置を推定してもよい。
【0019】
経路計画部14は、環境地図及び自己位置推定部13により推定された自己位置情報を参照し、目標地点に到達するための移動経路を決定する。ここで、経路計画部14は、環境地図120に規定されている既知の障害物の位置及びその周囲を含む領域を「移動制限領域」に選択する。図2のようなグリッド地図を使用する場合、「壁セル」の位置およびその周辺セルを「移動制限セル」に選択すればよい。「移動制限セル」は、ロボット1の移動が禁止される領域としてもよいし、移動経路の決定の際に「移動可能セル」に比べて優先順位が低い領域としてもよい。さらに、経路計画部14は、環境地図120に規定されていない未知の障害物の位置及びその周囲を含む領域も「移動制限領域」に選択する。このとき、経路計画部14は、未知の障害物の周囲に設定する移動制限領域を、既知の障害物の周囲に設定する移動宣言領域に比べて広範囲とする。そして、経路計画部14は、移動制限領域を除外し、環境地図120に基づいてロボット1の移動経路を決定する。
【0020】
なお、経路計画部14による移動経路決定には、公知のポテンシャル法を用いてもよい。ポテンシャル法では、目標地点において引力が生じ、障害物地点において斥力が生じるようにポテンシャル関数を決定する。この場合、ロボット1の通過を制限するためにポテンシャルを変更する領域の大きさを可変することで、障害物の周囲に設定する移動制限領域の大きさを変更すればよい。この場合、障害物の位置はロボット1の通過が禁止される程度に高いポテンシャルとし、障害物の周辺はロボット1の通過が不利であるが必ずしも禁止されない程度に高いポテンシャルとしてもよい。
【0021】
移動機構15は、経路計画部14により決定された移動経路情報に基づいて、自律移動制御を実行する。図3は、ロボット1を車輪走行型とした場合の移動機構15の構成例を示すブロック図である。なお、ロボット1が脚歩行型などの車輪走行型以外の移動ロボットであってもよいことは勿論である。
【0022】
図3において、動作制御部151は、移動経路情報、自己位置情報などに基づいて、ロボット1の動作内容を決定する。より具体的に述べると、動作制御部151は、ロボット1の目標移動速度、目標加速度、及びロボット1が備える関節(不図示)の目標角度軌道等を生成する。また、動作制御部151は、目標移動速度又は目標加速度などの制御目標値と、エンコーダ154によって計測される車輪153の回転量とを入力してフィードバック制御を実行し、車輪153を回転駆動するためのトルク制御値を算出する。動作制御部151によって算出されたトルク制御値に従って駆動部152が車輪153を駆動することにより、ロボット1の移動が行なわれる。
【0023】
続いて以下では、ロボット1が移動環境内を移動する際の動作手順の具体例について図4及び5のフローチャートを用いて説明する。図4は、ロボット1の全体動作を示すフローチャートである。ステップS11では、距離センサ11は、ロボット1の周囲の距離データを取得する。ステップS12では、自己位置推定部13は、距離データ、オドメトリ情報、環境地図120を用いてロボット1の自己位置を推定する。ステップS13では、経路計画部14は、既知の障害物および未知の障害物の周囲に移動制限領域を決定する。移動制限領域の決定手順の具体例は後述する。ステップS14では、経路計画部14は、決定した移動制限領域を除外して移動経路を決定する。最後にステップS15では、移動機構15は、決定された移動経路に従ってロボット1を移動させる。
【0024】
図4は、移動制限領域の決定手順の具体例を示すフローチャートである。ステップS21では、障害物の位置情報を環境地図120にマッピングする。ここで、障害物の位置情報とは、距離センサ11によって観測される障害物の位置(障害物の観測点)を意味する。言い換えると、障害物の位置情報は、距離センサ11によって得られるロボット座標系で表わされた距離データに対応する。障害物観測点をの座標を環境地図120の絶対座標(グローバル座標)に座標変換することで、観測された障害物の位置を環境地図120にマッピングすることができる
【0025】
ステップS22では、観測された障害物の位置(障害物観測点)から最寄りの既知の障害物(つまり壁セル)までの距離に基づいて、観測された障害物が既知の障害物(壁セル)であるか、未知の障害物であるかを識別する。具体的には、観測された障害物の位置と最寄りの壁セルとの距離が所定の基準値を超える場合に、当該障害物を未知の障害物と判定すればよい。ここで、所定の基準値は、自己位置推定の精度、誤差を考慮して決定すればよい。
【0026】
ステップS23では、経路計画部14は、既知の障害物の周りに相対的に小さい移動制限領域を設定する。また、経路計画部14は、未知の障害物の周りに、既知の障害物の周りに比べて相対的に大きい移動制限領域を設定する。
【0027】
続いて以下では、障害物観測点から最寄りの既知の障害物(最寄りの壁セル)までの距離Xを利用して、移動制限領域の範囲を決定する手順の具体例を説明する。ここでは、障害物観測点の周囲に円形の移動制限領域を設定する場合を例に説明する。図6は、距離Xと移動制限領域の半径rとの関係の具体例を示すグラフである。図6の例では、距離Xが第1の基準値Xe未満である場合は、移動制限領域の半径rはL1に決定される。また、距離Xが第2の基準値X0以上(なおX0>Xe)である場合は、移動制限領域の半径rはL2(なお、L2>L1)に決定される。また、距離Xが第1の基準値Xe以上かつ第2の基準値X0未満である場合、移動制限領域の半径rは、L1とL2の間で距離Xの大きさに比例して増加するよう決定される。
【0028】
第1の基準値Xeは、ロボット1の自己位置推定の誤差に基づいて決定すればよい。また、第2の基準値X0は、既知の障害物とは異なる未知の障害物とみなしてよい妥当な距離に決定すればよい。例えば、ロボット1の自己位置推定の誤差が50mmである場合、基準値Xeは50mmとすればよい。また、この場合、基準値X0は、自己位置推定誤差より大きい値、例えば150mmとすればよい。
【0029】
既知の障害物に対する移動制限領域の半径L1は、ロボット1のサイズ(最大幅の1/2、半径)と安全性確保のための余裕を考慮して決定すればよい。また、未知の障害物に対する移動制限領域の半径L2は、半径L1と、未知の障害物の想定される移動速度と、ロボット1の停止性能とを考慮して決定すればよい。例えば、未知の障害物のロボット1に対する相対移動速度の想定値を1000mm/sとし、ロボット1の停止に要する時間を0.5sとした場合、L2は、(L1+1000×0.5)mm、すなわち(L1+500)mmとすればよい。
【0030】
上述した移動制限領域の決定手順によって得られる移動制限領域の具体例を図7(a)〜(c)を用いて説明する。図7(a)は、環境地図120の一例を示す図である。上述のように、移動可能セル121は、ロボット1の通過が可能と定められたセルである。一方、壁セル122は、ロボット1の通過が不可能と定められたセルである。図7(b)は、自己位置推定によって得られたロボット1の位置、及び検出された未知障害物60の位置の例を図7(a)の環境地図120に重ねて示している。図7(c)は、図7(b)のロボット1の位置および障害物60の位置を条件として決定された移動制限領域61を示している。図7(c)の黒塗りのセルが移動制限領域61を表わしている。図7(c)の例では、既知の障害物(壁セル)の周囲には1セル分の移動制限領域が設定され、未知の障害物60の周囲には2セル分の移動制限領域が設定されている。
【0031】
上述したように、本実施の形態に係るロボット1、具体的には経路計画部14は、静止している可能性の高い既知の障害物の周りの移動制限領域を相対的に小さくし、移動する可能性が相対的に高い未知の障害物の周りの移動制限領域を相対的に大きくする。したがって、本実施の形態に係るロボット1は、安全性と移動性を効果的に両立しながら、移動経路を決定することができる。
【0032】
<その他の実施の形態>
発明の実施の形態1では、ロボット1は、外部から供給される環境地図120を環境地図記憶部12に格納しておき、これを用いて自己位置推定を行うものとして説明した。しかしながら、ロボット1は、自ら環境地図120の生成を行ってもよい。
【0033】
また、発明の実施の形態1では、環境地図120として壁地図を使用する例を示した。しかしながら、ロボット1は、壁地図を使用せずに、距離地図を用いて自己位置推定を行ってもよい。距離地図とは、各グリッドセルの値として最寄りの壁セルからの距離情報が保持されたグリッド地図である。また、ロボット1が使用する環境地図120は、上述した壁地図及び距離地図のほか、移動環境内の各地点の床面からの高さが記憶された地図等の他の地図でもよい。また、発明の実施の形態1では、環境地図120が2次元のグリッド地図であるとして説明を行なった。しかしながら、環境地図120は、例えば、3次元のグリッド地図でもよい。
【0034】
なお、上述した経路計画部14による移動制限領域の判定および移動経路の決定に関する処理は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、MPU(Micro Processing Unit)若しくはCPU(Central Processing Unit)又はこれらの組み合わせを含むコンピュータ・システムを用いて実現してもよい。具体的には、これらの経路計画部14による情報処理をコンピュータに行わせるための命令群を含む1又は複数のプログラムをコンピュータ・システムに実行させればよい。このプログラムは、様々な種類の記憶媒体に格納することが可能であり、また、通信媒体を介して伝達されることが可能である。ここで、記憶媒体には、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD、ROMカートリッジ、バッテリバックアップ付きRAMメモリカートリッジ、フラッシュメモリカートリッジ、不揮発性RAMカートリッジ等が含まれる。また、通信媒体には、電話回線等の有線通信媒体、マイクロ波回線等の無線通信媒体等が含まれ、インターネットも含まれる。
【0035】
さらに、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、既に述べた本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0036】
1 移動ロボット
11 距離センサ
12 環境地図記憶部
13 自己位置推定部
14 経路計画部
15 移動機構
60 未知の障害物
61 移動制限セル
120 環境地図
121 移動可能セル
122 壁セル(既知の障害物セル)
151 動作制御部
152 駆動部
153 車輪
154 エンコーダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
既知の環境地図データに規定されている既知の障害物の位置及びその周囲を含む第1の領域と、前記環境地図データに規定されていない未知の障害物の位置及びその周囲を含み前記第1の領域に比べて広範囲に設定される第2の領域とを移動制限領域として、前記移動制限領域内の移動ロボットの通過が抑制されるように前記環境地図データに基づいて前記移動ロボットの移動経路を決定する経路計画部を備える経路計画装置。
【請求項2】
前記経路計画部は、距離センサによって取得される距離情報を前記環境地図データと照合することによって、前記既知の障害物と前記未知の障害物とを識別する、請求項1に記載の経路計画装置。
【請求項3】
前記経路計画部は、前記距離情報に基づいて得られた第1の障害物の位置から最寄りの前記既知の障害物の位置までの距離が予め定められた値より大きい場合に、前記第1の障害物を前記未知の障害物であると判定する、請求項2に記載の経路計画装置。
【請求項4】
移動ロボットであって、
周囲環境の距離情報を取得する距離センサと、
前記距離センサによって取得される距離情報を既知の環境地図データと照合することによって、前記環境地図データに規定されている既知の障害物と前記環境地図データに規定されていない未知の障害物とを識別するとともに、前記既知の障害物の位置及びその周囲を含む第1の領域と、前記未知の障害物の位置及びその周囲を含み前記第1の領域に比べて広範囲に設定される第2の領域とを移動制限領域として、前記移動制限領域内の前記移動ロボットの通過が抑制されるように前記環境地図データに基づいて前記移動ロボットの移動経路を決定する経路計画部と、
前記移動経路に基づいて前記移動ロボットを移動させる移動機構と、
を備える移動ロボット。
【請求項5】
既知の環境地図データに規定されている既知の障害物の位置及びその周囲を含む第1の領域と、前記環境地図データに規定されていない未知の障害物の位置及びその周囲を含み前記第1の領域に比べて広範囲に設定される第2の領域とを移動制限領域として、前記移動制限領域内の移動ロボットの通過が抑制されるように前記環境地図データに基づいて前記移動ロボットの移動経路を決定すること、
を備える移動ロボットの経路計画方法。
【請求項6】
距離センサによって取得される距離情報を前記環境地図データと照合することによって、前記既知の障害物と前記未知の障害物とを識別することをさらに備える請求項5に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−175393(P2011−175393A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−38091(P2010−38091)
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】