説明

結合剤及び該結合剤を含む包装用ラミネート

不飽和アルコキシシランでグラフト化されたポリオレフィンを含む包装用ラミネート用の結合剤。本発明によれば、該グラフト化ポリオレフィンは前記結合剤中で非グラフト化ポリオレフィンと混合されており、それにより該結合剤の可撓性が改良され、それが今度は該結合剤を包装用ラミネート中の結合剤層に使用する際接着点の数を増加させる。又本発明は、該結合剤を含む包装用ラミネート(10,30,40,50)及び該包装用ラミネートから形成された包装容器(60)にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装用ラミネート、特に酸化珪素層を含む包装用ラミネートに使用される結合剤に関する。又本発明は、該結合剤を含む包装用ラミネート及び該包装用ラミネートから製造される包装容器にも関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許5,731,092は酸化珪素で被覆されたフィルム及びポリオレフィン・フィルムを含む包装用材料を開示しているが、該包装用材料において該酸化珪素と該ポリオレフィン・フィルムとの間に配置されている結合剤は不飽和アルコキシシランでグラフト化されたポリオレフィン、不飽和エポキシドでグラフト化されたポリオレフィン、及びエチレンと少なくとも1種の不飽和エポキシドとのコポリマーから成る群から選択される。該グラフト化ポリオレフィン結合剤は該酸化珪素と接触して同物質を該ポリオレフィン・フィルムに結合する結合剤層として配置されている。
【0003】
米国特許5,731,092によれば該グラフト化ポリオレフィンはそのままで酸化珪素に良好な接着性を与えることが示されているけれども、包装用ラミネートにおける酸化珪素層と前述のポリオレフィン・フィルムのような隣接層との間の内部接着は、それらの間の結合剤層に該グラフト化ポリオレフィンを使用する場合、予想される程良くはならないことが現在分っている。従って、該結合剤層の破壊により望ましくない層間剥離が起こり得るのである。
【0004】
紙又は板紙バルク層、第一ポリマー・キャリヤー層上に塗布されたSiOxの第一気体障壁層、ヒートシール性ポリオレフィンの第一最外層、及びラミネートの反対側にあるヒートシール性ポリオレフィンの第二最外層を含む包装用ラミネートは、例えばWO94/29103から知られている。
【0005】
Tetra Brik(登録商標)タイプの板紙包装品用に周知の高速連続包装方法においては、包装用ラミネートのウェブを連続的にチューブに形成し、中身を充填してからヒートシールと切断の同時操作により枕形状の包装容器に密封する。次に該枕形状包装容器を普通は平行六面体包装容器に折り曲げ形成する。この連続的なチューブ形成、充填及びシールの包装方法概念の主要な利点は、該ウェブをチューブ形成直前に連続的に殺菌することが出来、従って無菌包装方法、即ち、充填される液体中身も包装用材料自体も細菌が減少し、充填製品中における微生物の成長の危険なしに充填包装品を室温でも長時間貯蔵出来るようなきれいな環境下で充填包装容器が製造される方法の可能性を提供するということである。長期間貯蔵の重要な因子は勿論充填されシールされた包装容器の気体遮断性でもあり、それが今度は包装用ラミネート自体の気体遮断性に大きく依存する。Tetra Brik(登録商標)タイプの包装方法の他の重要な利点は、上述したように、連続高速包装の可能性であり、それは費用効果にかなりの影響を有する。
【0006】
他の気体遮断材と比較したSiOx気体障壁層の利点は、第一に、それが好ましい環境上の特徴を有するということであり、第二に、それが周囲の湿分又は液体と接触しても影響されず、又それが非常に薄い層で塗布されているので可撓性でもあり曲げたり或いは折り曲げたりされても亀裂抵抗性であるということである。更に、それは、該包装用ラミネートから形成された包装品の中身が該包装品の中に存在している間にマイクイロ波加熱を受けることを可能にする。
【0007】
しかしながら、室温でも長時間貯蔵する場合、該包装品の気体遮断性は該包装用ラミネートの気体遮断性に依存するのみならず最終包装品のシールの質にも大きく依存する。もしも該シールの質が悪いならば、該ラミネートの気体遮断性が非常に良好であるにもかかわらず、酸素は該包装品の中身に浸透するであろう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、包装用ラミネートにおいて酸化珪素層と隣接層との間に配置されたグラフト化ポリオレフィンを含む結合剤層の接着性に関する上述の問題を克服又は軽減することが本発明の目的である。
【0009】
又、SiOx気体障壁層を有する包装品のシールにおける気体遮断性に関する上記の不利点及び問題を軽減する包装用ラミネートを提供することも本発明の目的である。
【0010】
それ故に、包装用ラミネート自体の点でもそれから製造した包装品のシールの点でも無菌包装及び長期貯蔵に適した気体遮断性、並びに更に連続チューブ形成方法による液体食品の連続高速包装に適した充分な曲げ剛性を有する包装用ラミネートを提供することが本発明の目的である。
【0011】
又、本発明は固体、半固体又は液体食品又は飲料で充填され、本発明の包装用ラミネートから製造された包装容器をも対象にしている。
【0012】
本発明の一つの目的は、包装用ラミネート用の結合剤であって、本質的に米国特許5,731,092による不飽和アルコキシシランでグラフト化されたポリオレフィンを含むが、包装用ラミネートにおける酸化珪素層と隣接層との間の接着性を改良する前記結合剤を提供することである。
【0013】
他の目的は、包装用ラミネートにおいて酸化珪素層と隣接層との間に配置されたこのような結合剤の結合剤層を含む包装用ラミネートであって、主に湿潤条件で層間剥離性の点で改良されている前記包装用ラミネート、即ち、湿潤条件で該結合剤層において層間剥離が起こり得ない前記包装用ラミネートを提供することである。本発明による包装用ラミネートは、食品製品、好ましくは液体食品製品用の密封包装品に転換することが出来る。
【課題を解決するための手段】
【0014】
これらの及び他の目的は、別紙特許請求の範囲による結合剤、包装用ラミネート、及び包装容器によって達成される。
【発明の効果】
【0015】
より具体的には、米国特許5,731,092のグラフト化ポリオレフィン結合剤はもし非グラフト化ポリオレフィンと混合されるならその接着性の点で改良出来ることが今や判明した。
【0016】
驚いたことに、もしグラフト化ポリオレフィンを非グラフト化ポリオレフィンと混合するなら結合剤中のグラフト化部位と酸化珪素との間の接着点の数を大いに増加させることが出来る、即ち、接着点の数は結合剤ポリマー中のより少ないグラフト化部位にもかかわらず増加することが判明したのである。
【0017】
本発明は、接着度に影響するのはグラフト化部位の数のみならずそれらが酸化珪素と物理的に接触する能力でもあるという洞察力に基いている。米国特許5,731,092によるポリオレフィンのグラフト化は該ポリオレフィンの架橋という結果を招き、それにより該ポリオレフィンは非グラフト化ポリオレフィンよりも可撓性でなくなることが判明した。グラフト化ポリオレフィンの損なわれた可撓性の故に、グラフト化ポリオレフィンから成る結合剤層と酸化珪素との間の接触点の数は、同じタイプの非グラフト化ポリオレフィンだけから成る結合剤層に対するよりも少ないであろう。しかしながら、非グラフト化ポリオレフィンだけから成る結合剤層において、複数接着点の個々の接着点における接着はグラフト化ポリオレフィンだけから成る結合剤層の個々の接着点における程良くはないであろう。
【0018】
本発明は、グラフト化及び非グラフト化ポリオレフィンのこれらの矛盾する局面に関する問題を、グラフト化ポリオレフィンと非グラフト化ポリオレフィンの混合物である結合剤を提供することによって解決するものである。ここで、非グラフト化ポリオレフィンの存在により達成される改良された可撓性が接着点の数を増加させ、一方グラフト化ポリオレフィンがそれらの点における接着を改良し、全体でグラフト化ポリオレフィン結合剤自体及び非グラフト化ポリオレフィン結合剤自体の接着性よりも良好な接着性という結果が得られるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の一局面によれば、アルコキシシランでグラフト化されるポリオレフィンは、エチレン又はプロピレンのホモポリマー、エチレンと酢酸ビニルとのコポリマー、エチレンと少なくとも1種のアルキル(メタ)アクリレートとのコポリマーから成る群から選択される。アルキル(メタ)アクリレートのアルキル基は10個までの炭素原子を有し、線状、分岐状又は環状であることが出来る。アルキル(メタ)アクリレートを例示する目的で、特にn−ブチルアクリレート、メチルアクリレート、イソブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、メチルメタアクリレート、又はエチルメタアクリレートを挙げることが出来る。これらの(メタ)アクリレートの中では、エチルアクリレート、メチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、及びメチルメタアクリレート、エチレンとブテン又はヘキセンのようなアルファ−オレフィンとのコポリマー、無定形ポリ(アルファ−オレフィン)(APAO)が優先的に取扱われる。好ましくはエチレン、プロピレン、ブテン又はヘキセンから誘導されたAPAOが使用される。有利には、ブテン含量の高いエチレン・プロピレン・ブテン・コポリマー、又はプロピレン含量の高いエチレン・プロピレン・ブテン・コポリマー、又はブテンのホモポリマー又はコポリマーが使用される。
【0020】
有利には、エチレン・アルキル(メタ)アクリレート・コポリマーが使用される。
【0021】
最も好ましくは、前記グラフト化ポリオレフィン及び前記非グラフト化ポリオレフィンは同じタイプのポリオレフィンであり、上記によれば好ましくはポリエチレンタイプのポリオレフィンである。
【0022】
不飽和であるアルコキシシランの中では、以下のものを挙げることが出来る。
CH=CH−Si(OR)、ビニルトリアルコキシシラン
CH=CH−CH−Si(OR)、アリルトリアルコキシシラン
CH=CR−CO−O−Y−Si(OR)、(メタ)アクリルオキシアルキルトリアルコキシシラン(又は(メタ)アクリルシラン)
式中、Rは1〜5個の炭素原子を有するアルキル又はアルコキシ−ROR(式中、R及びRは組合せユニットR及びRに対して多くとも5個の炭素原子を有するアルキルである)であり、Rは水素又はメチルであり、Yは1〜5個の炭素原子を有するアルキレンである。
【0023】
例えば、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、トリプロポキシビニルシラン、トリブトキシビニルシラン、トリペントキシビニルシラン、又はトリ(β−メトキシエトキシ)ビニルシランの様なビニルシラン類、トリメトキシアリルシラン、トリエトキシアリルシラン、トリプロポキシアリルシラン、トリブトキシアリルシラン、又はトリペントキシアリルシランの様なアリルシラン類、又はアクリルオキシメチルトリメトキシシラン、メタアクリルオキシメチルトリメトキシシラン、アクリルオキシエチルトリメトキシシラン、メタアクリルオキシエチルトリメトキシシラン、アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、メタアクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、アクリルオキシブチルトリメトキシシラン、メタアクリルオキシブチルメトキシシラン、アクリルオキシエチルトリエトキシシラン、メタアクリルオキシエチルトリエトキシシラン、メタアクリルオキシエチルトリプロポキシシラン、アクリルオキシプロピルトリブトキシシラン、メタアクリルオキシプロピルトリペントキシシランの様なアクリルシラン類が使用される。
【0024】
これらの製品の混合物を使用することも可能である。
【0025】
好ましくは、以下のものが使用される。
CH=CH−Si−(OCH、ビニルトリメトキシシラン(VTMO)
CH=CH−Si−(OCHCH、ビニルトリエトキシシラン(VTEO)
CH=CH−Si−(OCHOCHCH、ビニルトリメトキシエトキシシラン(VTMOEO)
及び、(3−(メタアクリルオキシ)プロピル)トリメトキシシラン、
CH=C(CH)−CO−O−(CH−Si(OCH
【0026】
該ポリオレフィンはラジカル開始剤の存在下溶融状態でグラフト化することが出来る。
【0027】
該グラフト化反応は一軸又は二軸押出機中でポリオレフィンを例えば顆粒状で供給ホッパから供給して行われるが、該押出機の第一領域中で該ポリオレフィンが加熱により溶融され、第二領域中で該反応体が該ポリオレフィンの溶融塊中に導入される。
【0028】
ラジカル開始剤は過酸化物、過酸、過酸エステル又は過アセタールから選択することが出来る。それらは一般的にグラフト化されるポリオレフィンに関して重量で0.01%〜0.5%の割合で使用される。
【0029】
例の目的で、ジクミルペルオキシド(DICUP)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン(DHBP)、α,α’−(ジ−tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン(Y1490)を挙げることが出来る。
【0030】
例えば計量型ポンプにより溶融状態のポリオレフィン中に導入する前にラジカル開始剤を液体ビニルアルコキシシランに溶解することが好ましい。
【0031】
反応体の導入用領域は、反応体の良好な分散及びラジカル開始剤の起こり得る最小の熱分解を確実にするために、充分長く且つ充分低い温度であることが好ましい。
【0032】
厳密な意味でのグラフト化反応はラジカル開始剤の完全な分解をさせることが出来る温度において該押出機の第三領域で起こるが、押出機ヘッドにおける溶融塊の出口の前に、該開始剤からの分解生成物及び未反応ビニルシランが例えば真空で脱ガスされるガス抜き領域が提供されている。
【0033】
グラフト化ポリオレフィンは冷気で冷却後、例えば粒状化ロッドの形状で該押出機の出口から回収される。
【0034】
グラフト化ポリマーに対するグラフトの重量割合は一般的に0.1〜5%、好ましくは0.15〜2.5%である。
【0035】
本発明の一局面によれば、結合剤は重量で30〜70%、好ましくは40〜60%、更に好ましくは45〜55%のグラフト化ポリオレフィンを含む。
【0036】
本発明の他の局面によれば、結合剤はグラフト化ポリオレフィン及び非グラフト化ポリオレフィンの乾燥混合物で構成することが出来る。これは、結合剤を例えば押出により包装用ラミネートにおける結合剤層として適用する際の溶融に関してそれらが一緒に溶融するように、例えばグラフト化ポリオレフィン粒子を非グラフト化ポリオレフィン粒子と乾燥混合することによって実現することが出来る。
【0037】
他方、結合剤は、グラフト化ポリオレフィン及び非グラフト化ポリオレフィンのコンパウンド混合物、即ち、結合剤を包装用ラミネートにおける結合剤層として適用する際に溶融する前既に分子レベルで互いに密接に混合されたグラフト化及び非グラフト化ポリオレフィンで構成することも出来る。これは、例えばグラフト化ポリオレフィン及び非グラフト化ポリオレフィンの混合物から構成される個々の顆粒を形成することによって実現することが出来る。
【0038】
本発明は又、酸化珪素で被覆されたフィルムを含む包装用ラミネートであって、上記による結合剤を含み、該結合剤が該ラミネート中で該酸化珪素を隣接層に結合する結合剤層として配置されている前記包装用ラミネートにも関する。
【0039】
酸化珪素で被覆されたフィルム(キャリヤー層)は、好ましくはポリエステル又はポリアミドのフィルム、好ましくは、一軸又は二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)、一軸又は二軸延伸ポリエチレンナフテネート(PEN)、一軸又は二軸延伸ポリアミド(PA)、又は一軸又は二軸延伸ポリブチレンテレフタレート(PBT)から選択されるポリマーのフィルムである。
【0040】
酸化珪素が結合剤により結合される隣接層は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、又は例えばエチレン・プロピレン、エチレン・ブテン、エチレン・ヘキセン、エチレン・アルキル(メタ)アクリレート又はエチレン・酢酸ビニル・コポリマーのようなエチレンのコポリマーから作製したポリオレフィンフィルムであることが出来る。この層に対する材料の選択により、例えば食品用の透明な小袋に使用される透明な包装用ラミネートを提供することが出来る。しかしながら、包装用ラミネートの他の態様によれば、該隣接層はその代りに本質的に紙又は板紙から構成することも出来る。
【0041】
本発明の一局面によれば、本発明の結合剤により構成される包装用ラミネート中の結合剤層は乾燥質量に基き計算して総計で2〜35g/m、好ましくは5〜30g/m、更に好ましくは10〜25g/mに達する。
【0042】
本包装用ラミネートの一態様によれば、本発明の結合剤により構成される結合剤層は酸化珪素と隣接層との間の単独結合剤層を構成するように押出することが出来るが、その場合、該結合剤層は乾燥質量に基き計算して総計で少なくとも10g/m、好ましくは10〜35g/m、より好ましくは10〜30g/m、更により好ましくは10〜25g/mに達する。
【0043】
本包装用ラミネートの他の態様によれば、本発明の結合剤により構成される結合剤層は前記グラフト化ポリオレフィンが存在しないポリオレフィン層と一緒に同時押出することが出来、該結合剤層は酸化珪素と接触して配置される。この場合、それは、乾燥質量に基き計算して総計で2〜20g/m、好ましくは2〜15g/m、更に好ましくは2〜10g/mに達する本発明の結合剤により構成される結合剤層を有するのに充分であろう。本発明の結合剤により構成される結合剤層と一緒に同時押出されるポリオレフィンは、好ましくは該結合剤のグラフト化および非グラフト化ポリオレフィンと同じタイプのポリオレフィン、最も好ましくはポリエチレンポリオレフィンである。
【0044】
更に、包装用ラミネートから形成される包装容器の内部に面するように意図された該ラミネートの側にメタロセン・ポリエチレン材料を含むヒートシール性ポリオレフィンの第二最外層を設けた包装用ラミネートを提供することにより、包装容器のシールの気体遮断性をSiOx気体障壁層の非常に良好な気体遮断性と釣り合うように改良出来ることが判明した。
【0045】
前記メタロセン・ポリエチレン材料はメタロセン・低密度ポリエチレン材料が適切であり、メタロセン・鎖状低密度ポリエチレン材料が好ましい。
【0046】
本発明の一局面によれば、メタロセン・ポリエチレン層の坪量は、乾燥計算で5〜30g/m、好ましくは8〜25g/m、より好ましくは10〜20g/mである。
【0047】
本発明の他の局面によれば、ヒートシール性ポリオレフィン、好ましくはポリエチレン材料の第三層は、メタロセン・ポリエチレン層と直接接触して配置され好ましくはそれと一緒に同時押出される。この第三層はメタロセン・ポリエチレン層よりも高い温度で押出されるのが適切である。押出温度が相違すると、第三の(高温押出)ヒートシール性ポリオレフィン層により接着性が改良され、第二の(低温押出)メタロセン・ポリエチレン層により異味問題が回避される。典型的に、第三層は300℃より充分上、好ましくは310℃より上、更に好ましくは320℃以上の温度で押出され、一方第二層は300℃より充分下、好ましくは290℃より下、更に好ましくは280℃以下の温度で押出される。
【0048】
本発明によるラミネートは、超音波振動ヒートシールとの関連において使用されるように特に良く構成されている。超音波振動ヒートシール技術の特色は、超音波ホーンと金床あごとの間の加圧下にある全物質が同時に該振動により加熱されるということである。強いシールが生ずるためには、最外層(即ち、容器の内部に面しているラミネートの側にある最外層)が融点に達すれば充分である。故に、超音波振動ヒートシール法の鋭敏度を減少させ強い気密シールおよび液漏れしないシールを達成するためには、内側層におけるメタロセン・ポリエチレン材料の薄いシール層を提供するだけで充分である。
【0049】
SiOx層(x=1.7−2.0)は、約50〜約500Å、好ましくは約80〜約300Åの厚さでPECVD(プラズマ促進化学蒸着)技術によりキャリヤー層上に沈着させるのが好ましい。ポリマーフィルム上にSiOxのような無機層を沈着させる代りの方法も存在するが、一般的により厚く可撓性の低いSiOx層という結果になる。これが今度は、SiOx層における亀裂の形成により、一般的に酸素遮断性に関して品質のより低いラミネートという結果になる。かくして本発明によれば、SiOx気体障壁層はヘキサジメチルシロキサン(HDMSO)のような有機珪素化合物のプラズマからSiOxをプラズマ促進化学蒸着(PECVD)させる連続方法によって塗布するのが好ましい。
【0050】
好ましくは、延伸ポリマーのキャリヤー層はポリエステル又はポリアミドの予め製造されたフィルム、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフテネート(PEN)、ポリアミド(PA)、又はポリブチレンテレフタレート(PBT)の流延フィルム又は好ましくは一軸又は二軸延伸フィルムである。キャリヤー層として予め製造された延伸ポリマーフィルムを使用することにより、押出又は同時押出ラミネートされるラミネート中の他の層に関連して、それらがかなりの固有の曲げ剛性を有することが確実にされるのである。
【0051】
好ましくは、キャリヤーポリマー層の厚さは約7〜約30μm、より好ましくは約8〜約20μm、最も好ましくは約8〜約15μmである。PECVD(プラズマ促進化学蒸着)法は、経済的見地からも好ましい上記厚さのキャリヤー層で最適に使えることが知られている。
【0052】
紙又は板紙バルク層は該ラミネートの曲げ剛性に最大の貢献を提供するように配置されている。
【0053】
本発明によれば、包装用ラミネートはSiOx気体障壁層と直接接触した本発明の結合剤層を含み、該結合剤層は不飽和アルコキシシランでグラフト化されたポリオレフィンを含む。
【0054】
本発明の更なる利点及び好ましい特徴的特色は、添付図面を参照して、以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【実施例1】
【0055】
かくして図1は、好ましくは延伸された、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)のようなポリエステルのフィルム、又は好ましくは延伸されたポリアミド(PA)のフィルムである第一のポリマーキャリヤー層11aを含み、その上にSiOxの薄い気体障壁層13aがプラズマ促進化学蒸着(PECVD)により塗布されている包装用ラミネート10を示す。
【0056】
該ラミネートにおける最も厚い層は紙又は板紙バルク層15である。それは結合剤層18aにより該SiOx層13aに直接結合されている。該SiOx層13a及び該紙又は板紙層15と接触している結合剤層18aには、不飽和アルコキシシラン化合物でグラフト変性されたポリエチレンベースポリマー及び対応する非グラフト化ポリエチレンポリマーの混合物が使用されており、それにより該SiOx層13aと該紙又は板紙層15との間には格別に良好な接着が与えられている。本発明のこの態様において、結合剤層18aは典型的に5〜30g/mの坪量を有する。
【0057】
該包装用ラミネートから作製される包装容器の外側壁を構成する紙又は板紙層15の外側には、ヒートシール性ポリオレフィン、好ましくは低密度ポリエチレン(LDPE)又は所謂メタロセン接触LLDPE(m−LLDPE)、即ち単座触媒により触媒作用を及ばされたLLDPEポリマーをも含む鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)の第一最外層16が貼り付けられる。外側包装壁層用の代りのポリマーの他の例は、中高密度ポリエチレン(MDPE)又はポリプロピレン(PP)であってもよい。
【0058】
該包装用ラミネートから作製される包装容器の内側壁を構成するポリマーキャリヤー層11aの外側には、好ましくはメタロセン・ポリエチレン材料を含むヒートシール性ポリオレフィンの第二層17aが貼り付けられる。好ましくは、ヒートシール性ポリオレフィンの第三層17bがヒートシール性ポリオレフィンの該第二層17aと直接接触して配置され好ましくはそれと一緒ではあるが有利にはより高い温度で同時押出される。故に、ヒートシール性ポリオレフィンの該第三層17bは、ポリマーキャリヤー層11aとヒートシール性メタロセン・ポリオレフィンの該第二層17aとの間に配置される。好ましくは、ヒートシール性ポリオレフィンの該第三層はLDPE、所望によりLLDPEの層である。
【0059】
該包装用ラミネートの種々な層の間の最適接着のためには、好ましくは当該技術で知られた接着剤ポリマー、連結層及び下塗剤の結合剤層が使用される。かかる結合剤層及び下塗剤は、該種々な層におけるポリマーの具体的選択に適合させ、ポリオレフィン及び変性ポリオレフィン、好ましくは例えばLDPE及び変性LDPEのようなポリエチレン系ポリマーから選択することが出来る。
【0060】
結合剤層の他の例は、LDPEホモポリマー又はコポリマー、又はアクリルモノマー又は無水マレイン酸(MAH)モノマーのようなカルボキシル又はグリシジル官能基を含むモノマーでグラフト化されたポリエチレンのグラフトコポリマー、例えば、エチレン・(メタ)アクリル酸コポリマー(E(M)AA)、エチレン・グリシジル(メタ)アクリレート・コポリマー(EG(M)A)、又はMAHグラフト化ポリエチレン(MAH−g−PE)である。
【0061】
上述のポリマーのいずれを、外側のヒートシール性ポリオレフィン層17a、17bとポリマーキャリヤー層11aとの間の随意的な結合剤層20aに使用することも出来る。
【実施例2】
【0062】
図2は、本発明の他の態様による包装用ラミネート30を示す。図1の包装用ラミネート10の関係で唯一の相違は、グラフト化及び非グラフト化ポリマーから成る結合剤層18aがより薄く(典型的に2〜15g/m)その代りに非グラフト化ポリオレフィンポリマーの補完的結合剤層22により補完されていることである。好ましくは、該二つの結合剤層18a及び22は同時押出されている。このようにして、グラフト化及び非グラフト化混合物の結合剤層18aはそれが直接面するSiOx層13aに格別良好な接着を提供し、一方補完的結合剤層22はコスト削減を維持しなお充分な全結合剤層が存在することを確実にしている。
【実施例3】
【0063】
図3は、上記に従って第一及び第二キャリヤー層11a、11bを含み、それらの上にSiOxの薄い気体障壁層13a、13bが塗布されている透明な包装用ラミネート50を示す。該二つのSiOx層は好ましくは該ラミネートの内部の方に向けられ、従ってお互いに向き合っている。気体障壁層で塗布された該二つのキャリヤー層の間には、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)又はポリプロピレン(PP)のような相対的に堅いオレフィンポリマーの中間層23がラミネートされている。該中間層は該包装用ラミネートにおける周りの層のいずれよりも厚く、該二つの延伸ポリマーキャリヤー層フィルムの間にそれ自体で間隔をあける要素を提供している。該好ましい延伸ポリマーフィルムは、それらが延伸されているので非延伸ポリマーフィルムよりも相対的に高い程度の結晶性を有することが出来るという点で、或る程度の固有の剛性を有している。該中間層のオレフィンポリマーも或る程度の剛性を以ってそれだけで該包装用ラミネートに全体として貢献している。二つの相対的に堅いキャリヤー層がより厚く相対的に堅い中間ポリマー層の両側にラミネートされている所謂I形配置により、厚さの関係で驚くほど良好な曲げ剛性を有するラミネートが提供される。更に、二つのPECVD(プラズマ促進化学蒸着)で沈着したSiOx層の配置は、唯一つのSiOx層を含有するラミネート又はフィルムと比較して、2倍よりもずっと多く増加した気体障壁という結果を招くことが分った。かくして、気体、特に酸素ガスの浸透に対する「緩衝層」としても作用する中間層の配置により、驚くほど改良された気体遮断性が提供され、それはこの特定の配置から生ずる相乗効果を示すものである。
【0064】
層16、17a、17b、20a及び20bは、図1及び図2における同じ参照番号を有する層に相当する(層20bは層20aと同じタイプである)。結合剤層18a及び18bは図1における結合剤層18aに相当する。示されていないけれども、これらの結合剤層18a及び18bの一方又は両方が図2に示されているような非グラフト化ポリオレフィンポリマーの補完的結合剤層と一緒に同時押出されることも考えられる。
【実施例4】
【0065】
図4は本発明の更に他の態様による包装用ラミネート40を示す。図1の包装用ラミネート10との関係における相違は、SiOxの塗膜13aを有するポリマーキャリヤー層11aが該ラミネートにおいて他の方向に向いているということである。故に、SiOx層13aは、グラフト化及び非グラフト化ポリマー混合物の結合剤層18aによって、メタロセン・ポリエチレン材料を含むヒートシール性ポリオレフィンの第二層17aに直接結合している。下塗り剤20aは依然としてポリマーキャリヤー層11aと接触して配置されており、該下塗り剤20aと紙又は板紙層15との間には所望により例えばポリエチレンの結合剤層23が存在する。
【実施例5】
【0066】
図5は本発明の更に他の態様による包装用ラミネート50を示す。ここでは、図1に示された層18a、13a、11a、及び20aが紙又は板紙バルク層15に「映し出されて」、該ラミネートから作製される包装容器の外側に面するように意図された該紙又は板紙バルク層15の側に、対応する層18b、13b、11b、及び20bを形成している。勿論、図4に示された層23,20a,11a,13a、及び18aが対応するように層15に映し出されて本発明の更に他の態様を提供することも出来る。又、SiOx層の一つだけが該ラミネート構造中で外側に向いている態様も考えられる。
【0067】
図4及び5による態様は、結合剤層18a、18bが丁度図2に示されているような非グラフト化ポリオレフィンポリマーの補完的結合剤層22と一緒に同時押出されるより薄い結合剤層18a、18bにより置換えられ、その場合該混合結合剤層18a、18bがSiOx層13a、13bに直接面することを包含することも出来ることが理解されるべきである。
【0068】
図5の中間相15は該包装用ラミネートにおける周りの層のいずれよりも厚く、該二つの延伸ポリマーキャリヤー層フィルム11a、11bの間にそれ自体で間隔をあける要素を提供している。該好ましい延伸ポリマーフィルムは、それらが延伸されているので非延伸ポリマーフィルムよりも相対的に高い程度の結晶性を有することが出来るという点で、或る程度の固有の剛性を有している。該中間層15の紙又は板紙も該包装用ラミネートの剛性に全体として貢献している。二つの相対的に堅いキャリヤー層がより厚く相対的に堅い中間の紙又は板紙層の両側にラミネートされている所謂I形配置により、厚さの関係で驚くほど良好な曲げ剛性を有するラミネートが提供される。更に、二つのPECVD(プラズマ促進化学蒸着)で沈着したSiOx層の配置は、唯一つのSiOx層を含有するラミネート又はフィルムと比較して、2倍よりもずっと多く増加した気体障壁という結果を招くことが分った。かくして、気体、特に酸素ガスの浸透に対する「緩衝層」としても作用する中間層の配置により、驚くほど改良された気体遮断性が提供され、それはこの特定の配置から生ずる相乗効果を示すものである。
【0069】
もし二つのSiOx層を使用する場合、対応する二つのキャリヤー・ポリマーフィルムは大体同じ又は正確に同じ厚さを有するのが好ましい。
【0070】
本発明による包装用ラミネート10、30、40、50は、当業者に知られた任意の適当な従来技術方式によって製造することが出来る。例えば、図1に示されたラミネート10に関しては、紙又は板紙バルク層15とSiOx塗布ポリマーキャリヤー層13a,11aの予め製造されたフィルムとの間で、結合剤層18aを貼り合せ機のロール間隙中に押出することが出来る。該SiOx層は紙又は板紙バルク層にラミネートされる前に火炎、プラズマ又はコロナ処理によって処理される。
【0071】
次に、下塗り剤20aを押出又は塗布により貼り付け、最後に、ヒートシール性ポリオレフィンの第一最外層16を紙又は板紙バルク層15の上に押出し、該ラミネートの反対側にメタロセン・ポリエチレン材料を含むヒートシール性ポリオレフィンの第二最外層17aをヒートシール性ポリオレフィンの第三層17bと一緒に同時押出する。
【実施例6】
【0072】
図6は本発明による包装用ラミネート10、30、40、50から製造した包装容器60の好ましい態様を示す。該包装容器は飲料、ソース、スープ等に特に適している。該包装容器は、もしソース又はスープ等を含有していれば孔をあけた後で、電子レンジにかけることが出来ることは特に有利である。典型的に、かかる容器は約330ml以下、好ましくは約100〜約250ml、例えば約125ml、200ml又は約250mlの容積を有する。それは如何なる形であっても良いが、食品店の棚やテーブル等の上に置く場合に取扱い易く寸法的に安定である様に、好ましくはくさび形状物61の形である。このような「くさび形状」を得るために、底の横断線ヒートシール64が三角形のコーナーフラップ63の下に隠れるように容器の底部62が折り曲げ形成され、これらのフラップは容器の底に対して折り返されシールされる。
【0073】
結論の目的で、添付図面を特定的に参照しながら上記に説明してきた本発明は、専ら例により説明し示したこれらの態様に限定されず、別紙特許請求の範囲に開示した本発明の概念から離れることなく当業者に自明な変形及び変化が可能であることに注意すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明による好ましい包装用ラミネート材料の断面図である。(実施例1)
【図2】本発明による包装用ラミネート材料の他の態様による断面図である。(実施例2)
【図3】本発明による透明な包装用ラミネート材料の断面図である。(実施例3)
【図4】本発明による包装用ラミネート材料の他の態様による断面図である。(実施例4)
【図5】本発明による包装用ラミネート材料の他の態様による断面図である。(実施例5)
【図6】本発明による包装用ラミネートから製造した包装容器の好ましい例を示す。(実施例6)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不飽和アルコキシシランでグラフト化されたポリオレフィンを含む包装用ラミネート用の結合剤において、前記グラフト化ポリオレフィンが前記結合剤中で非グラフト化ポリオレフィンと混合されていることを特徴とする前記結合剤。
【請求項2】
前記グラフト化ポリオレフィン及び前記非グラフト化ポリオレフィンが同じタイプのポリオレフィン、好ましくはポリエチレン・タイプのポリオレフィンであることを特徴とする請求項1による結合剤。
【請求項3】
該グラフト化ポリオレフィンを重量で30〜70%、好ましくは40〜60%、更に好ましくは45〜55%含むことを特徴とする請求項1又は2による結合剤。
【請求項4】
前記結合剤が前記グラフト化ポリオレフィン及び前記非グラフト化ポリオレフィンの乾燥混合物により構成されていることを特徴とする請求項1〜3の任意の1項による結合剤。
【請求項5】
前記結合剤が前記グラフト化ポリオレフィン及び前記非グラフト化ポリオレフィンのコンパウンド混合物により構成されていることを特徴とする請求項1〜4の任意の1項による結合剤。
【請求項6】
酸化珪素(13a)で被覆されたフィルム(11a)を含む包装用ラミネート(10,30,40,50)において、請求項1〜5の任意の1項による結合剤の結合剤層(18a)を含み、該結合剤が該ラミネート中で該酸化珪素を隣接層に結合するように配置されていることを特徴とする前記ラミネート。
【請求項7】
前記結合剤が該結合剤層(18a)に乾燥質量に基き計算して2〜35g/m、好ましくは5〜30g/m、更に好ましくは10〜25g/mで存在することを特徴とする請求項6による包装用ラミネート。
【請求項8】
該酸化珪素(13a)と接触して配置されている前記結合剤層(18a)が前記グラフト化ポリオレフィンを含まないポリオレフィン層(22)と一緒に同時押出されていることを特徴とする請求項6及び7の任意の1項による包装用ラミネート。
【請求項9】
請求項6〜8の任意の1項による包装用ラミネートであって、紙又は板紙バルク層(15)、ヒートシール性ポリオレフィンの第一最外層(16)、及びメタロセン・ポリエチレン材料を含む該ラミネートの反対側にあるヒートシール性ポリオレフィンの第二最外層(17a)を含むことを特徴とする前記包装用ラミネート。
【請求項10】
前記メタロセン・ポリエチレン材料がメタロセン・低密度ポリエチレン材料、好ましくはメタロセン・鎖状低密度ポリエチレン材料であることを特徴とする請求項9による包装用ラミネート。
【請求項11】
該第二最外層(17a)の坪量が乾燥計算で5〜30g/m、好ましくは8〜25g/m、更に好ましくは10〜20g/mであることを特徴とする請求項9〜10の任意の1項による包装用ラミネート。
【請求項12】
ヒートシール性ポリオレフィンの該第二層(17a)と直接接触して配置され、好ましくはそれと一緒に同時押出されたヒートシール性ポリオレフィンの第三層(17b)を特徴とする請求項9〜11の任意の1項による包装用ラミネート。
【請求項13】
該SiOx(x=1.7〜2.0)気体障壁層(13a)がプラズマ促進化学蒸着されており、50〜500Å、好ましくは80〜300Åの厚さを有することを特徴とする請求項6〜12の任意の1項による包装用ラミネート。
【請求項14】
該フィルム(11a)上の該SiOx気体障壁層(13a)が該紙又は板紙バルク層(15)の方を向き、該紙又は板紙バルク層とヒートシール性ポリオレフィンの該第二最外層(17a)との間に位置していることを特徴とする請求項9〜13の任意の1項による包装用ラミネート。
【請求項15】
該SiOx気体障壁層(13a)が前記結合剤層(18a)により該紙又は板紙バルク層(15)に直接結合していることを特徴とする請求項14による包装用ラミネート。
【請求項16】
該フィルム(11a)上の該SiOx気体障壁層(13a)が該紙又は板紙バルク層(15)から面をそらし、該紙又は板紙バルク層とヒートシール性ポリオレフィンの該第二最外層(17a)との間に位置していることを特徴とする請求項9〜13の任意の1項による包装用ラミネート。
【請求項17】
該SiOx気体障壁層(13a)が前記結合剤層(18a)によりヒートシール性ポリオレフィンの該第二最外層(17a)に直接結合していることを特徴とする請求項16による包装用ラミネート。
【請求項18】
ポリマー・キャリヤー層(11b)上に塗布されたSiOxの第二気体障壁層(13b)を含み、SiOxの該第一及び第二気体障壁層が該紙又は板紙バルク層(15)の反対側に配置されていることを特徴とする請求項9〜17の任意の1項による包装用ラミネート。
【請求項19】
請求項18及び請求項9〜15の任意の1項による包装用ラミネートであって、該ラミネートにおいて該SiOx気体障壁層(13a、13b)が互いに向き合うように配置されていることを特徴とする前記包装用ラミネート。
【請求項20】
請求項6〜19の任意の1項による包装用ラミネート(10,30,40,50)から製造された包装容器(60)。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2006−520830(P2006−520830A)
【公表日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−502796(P2006−502796)
【出願日】平成16年2月11日(2004.2.11)
【国際出願番号】PCT/SE2004/000173
【国際公開番号】WO2004/076580
【国際公開日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【出願人】(591007424)テトラ ラバル ホールデイングス エ フイナンス ソシエテ アノニム (190)
【Fターム(参考)】