説明

結晶性(6R,7R)−7−{2−(5−アミノ−[1,2,4]チアジアゾール−3−イル)−2−[(Z)−トリチルオキシイミノ]−アセチルアミノ}−3−[(R)−1’−tert−ブトキシカルボニル−2−オキソ−[1,3’]ビピロリジニル−(3E)−イリデンメチル]−8−オキソ−5−チア−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクタ−2−エン−2−カルボン酸ベンズヒドリルエステル;その製造法及び使用

広域抗生物質のCeftobiprole及びCeftobiprole Medocarilを製造するために有用な中間体である、式(I)の化合物の固体DMSO溶媒和物が説明される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体の、特に実質的に結晶性の式(I)の化合物のDMSO溶媒和物、及び該溶媒和物を介する、式(I):
【0002】
【化1】


で示される化合物の改良製造方法に関する。式(I)の化合物は、ある種のセファロスポリン類、特に広域抗生物質のCeftobiprole(BAL9141-000)及びCeftobiprole Medocaril(BAL5788)の製造の中間体である。本発明は更に、該DMSO溶媒和物を用いるCeftobiprole又はCeftobiprole Medocarilの製造方法、及び式(I)の化合物の実質的結晶形に関する。
【0003】
式(I)の化合物、並びに抗生物質のCeftobiprole(BAL9141-000)及びCeftobiprole Medocaril(BAL5788)の製造におけるその使用は知られている。
【0004】
WO 01/90111に更に詳細に記載されるように、化合物(I)は、例えば、臭化(1’−tert−ブトキシカルボニル−2−オキソ−[1,3’]−(R)−ビピロリジニル−3−(R,S)−イル)−トリフェニルホスホニウムを、7−[2−(5−アミノ−[1,2,4]チアジアゾール−3−イル)−2−トリチルオキシイミノ−アセチルアミノ]−3−ホルミル−8−オキソ−5−チア−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクタ−2−エン−2−カルボン酸ベンズヒドリルエステルと、塩化メチレン/トルエン/THFの混合物中で、t−COKの存在下で反応させることにより調製できる。
【0005】
WO 01/90111により得られる式(I)の湿った原化合物は、例えば、これを塩化メチレン及び酢酸エチルで周囲温度又は僅かに高温でスラリーにすることにより従来どおりに精製し、次に濾別及び乾燥する。この手順により、生成物は、比較的小さな粒子のみの凝集物として沈降するため、濾過性能の悪さを決定づけており、したがって不純物の排除が不十分である。結果として、WO 01/90111により得られる中間体からは、許容しうる純度及び収率ではCeftobiprole及びCeftobiprole Medocarilは生成しない。本製造法は更に、大規模な工業生産にはあまり適していない。
【0006】
幾つかのセファロスポリン誘導体の製造には、それぞれのセファロスポリン誘導体又はその中間体若しくは前駆体を、特定の結晶性溶媒和物に変換することが知られているが、この溶媒和物は、場合により更に精製し、そして更に処理することにより所望のセファロスポリン化合物とする。
【0007】
米国特許第4,734,408号は、例えば、結晶性syn−7−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−メトキシイミノアセトアミド]−3−(3−メチル−3H−イミダゾロ[4,5−c]ピリジニウム−5−イルメチル)−3−セフェム−4−カルボキシラートスルファート二水和物の製造方法を記載しているが、ここで、該セファロスポリン誘導体は、例えば、水に溶解することにより、その水溶液を得て、ここにジメチルアセトアミド又はジメチルホルムアミドを加えることにより、該セファロスポリン誘導体のそれぞれの結晶性溶媒和物、特にジメチルアセトアミド溶媒和物水和物又はジメチルホルムアミド溶媒和物水和物が生成するが、次にこれを硫酸水溶液に再溶解する。次いでこの溶液を冷却するか、かつ/又は該セファロスポリン誘導体の水溶性アンチ溶媒(アセトン、THF又はアセトニトリルなど)と混合することにより、精製結晶性固体として目的のセファロスポリンの沈降を達成してもよい。
【0008】
米国特許第4,237,279号は、4’−ニトロベンジル−7−フェノキシアセトアミド−3−ヒドロキシ−3−セフェム−4−カルボキシラート又はその1−オキシドの精製及び簡便な単離の方法を記載しているが、これは、ある種のセファロスポリン類、特に7−[D−(2−アミノ−2−フェニルアセトアミド)]−3−クロロ−3−セフェム−4−カルボン酸の製造における重要な中間体である。この方法において、該中間体は、酢酸溶媒和物、プロピオン酸溶媒和物又は塩化メチレン溶媒和物から選択される、その結晶性溶媒和物に変換し、そして次にこれを単離して、メタノールでスラリーにすることにより、該中間体のメタノール溶媒和物が生成するが、次にこの溶媒和物を真空乾燥することにより、ここからメタノールを除去して、無水で非溶媒和で精製された4’−ニトロベンジル−7−フェノキシアセトアミド−3−ヒドロキシ−3−セフェム−4−カルボキシラート又はその1−オキシドが得られる。
【0009】
米国特許第6,903,211号は、更に別の特定のセファロスポリン溶媒和物、即ち、Cefprozilの製造において有用な、CefprozilのDMF溶媒和物の製造法を記載している。本方法は、どの段階においても吸着クロマトグラフィー又は再結晶法の使用を回避するために、ひいては工業的規模で容易に操作できるように、かつ溶媒和物の目的の(Z)異性体が濃縮されるように述べられる。
【0010】
前述の全ての方法ではある種の結晶性溶媒和物の使用にもかかわらず、該製造方法は、各参考文献のそれぞれが具体的に言及しているセファロスポリン類の製造だけに具体的に合わせられていることがはっきり分かる。該参考文献にも一般の先行技術にも、該参考文献に開示された方法及び/又は溶媒和物のタイプを、類似のやり方で、他のセファロスポリン類の製造において利用して成功できるという指摘は存在しない。また先行技術には、これらの参考文献に開示された共通の方策、即ち、最終生成物の純度を改善するための手段としてある種の溶媒和物の中間体製造を利用することが、他のセファロスポリン誘導体に応用できるという指摘は全く存在しない。最後であるが重要なこととして、他のセファロスポリン誘導体について、そして特にCeftobiprole又はCeftobiprole Medocarilの製造において、どの溶媒和物を使用して成功できるかは、該参考文献には、いかなる指針も全く存在していない。
【0011】
よって中間体として式(I)の化合物を介する、前述のセファロスポリン誘導体の製造に関する先行技術の上述の不都合を克服することは、今なお未解決の問題である。したがって、特に工業的規模での、Ceftobiprole又はCeftobiprole Medocarilの製造のパフォーマンスに関して改善をもたらすこと、そして同時に該セファロスポリン類の純度を改善することは本発明の1つの目的である。
【0012】
本発明は、式(I)の化合物の精製もまた、該化合物の特定の溶媒和物、即ち、該化合物のDMSO(ジメチルスルホキシド)溶媒和物をこの製造法における中間体として使用するならば、顕著に改善できるという新しい知見に基づくが、この中間体を単離して、そして単離された溶媒和物を次に、場合により湿潤条件で、一般にはこうして実質的に結晶として得られる、式(I)の化合物に再変換する。更には、最終のセファロスポリン誘導体のCeftobiprole又はCeftobiprole Medocarilは、式(I)の化合物の該DMSO溶媒和物を介して本発明により製造されるならば、先行技術の製造法に比較して純度も顕著に改善されることが見い出された。
【0013】
したがって、本発明は、式(I)の化合物の固体DMSO溶媒和物、該DMSO溶媒和物の実質的に結晶性の実施態様、該溶媒和物の製造方法、該溶媒和物を介する式(I)の化合物の改良製造方法、実質的に結晶形の式(I)の化合物(該製造法で得られ、かつ特に高純度Ceftobiprole及びCeftobiprole Medocarilの製造に有用な中間体である)、並びに本発明の新しい中間体を介するCeftobiprole及びCeftobiprole Medocarilの改良製造方法に関する。
【0014】
したがって、本発明の第1の主題は、式(I):
【0015】
【化2】


で示される化合物の固体DMSO溶媒和物である。
【0016】
該固体DMSO溶媒和物における式(I)の化合物とDMSOとのモル比は、一般に約1:1〜1:3、特に約1:1.75〜約1:2.75である。最も好ましいのは、約1:2〜約1:2.5の式(I)の化合物とDMSOとのモル比であり、そして本出願中の「本発明のDMSO溶媒和物」という用語は、特に断りない限り、好ましくは約1:2〜約1:2.5のモル比を有するDMSO溶媒和物のことを意味するものである。式(I)の化合物とDMSOとのモル比に関して、「約」という用語は、一般に最大±10パーセントの軽微な変動を包含するように使用されるが、これによって少量の遊離DMSOが材料に接着するか又は取り込まれてもよく、そして測定の他の通常の変動を許す。
【0017】
本出願の目的には、「固体」という用語は、通常のとおりに、即ち、「固体」であると示される物質は、通常の周囲温度より高い、特に約25〜30℃よりも高い融点(又はその物質が融解する前に分解するならば、分解温度)を有することが理解される。
【0018】
本出願の目的には、「実質的に結晶性」という用語は、対応する物質の粉末X線回折(X-Ray Powder Diffraction)(XRPD)図が、その半値幅の少なくとも5倍、好ましくは7倍に相当する最大高さを有する、1つ以上の独特なピークを示すことを意味する。一般に、ある物質の結晶化度は、あるピークの高さ対その半値幅の比の平均値の増加に伴い増加する。低角度側2θでの、かつ/又は相対強度の大きいX線反射が、ある化合物の結晶化度を評価するのに普通はより重要な意味を持つ(なぜなら高角度2θでは、特に該反射の強度がやや低ければ、しばしば幾つかの反射の重複が存在するために、1つの広いピークとして出現するからである)。複数の鋭いピークを示すことに加えて、XRPD図は更に、走査した全2θ範囲にわたって実質的に一定の基線(基線=XRPD図曲線の最小値をつなぐ線)を示すが、これは記録した試料中に無定形材料が実質的に存在しないことを示している。「実質的に一定の基線」とは、本出願の目的には、この基線が、好ましくは該図の最も低いピークの高さよりも上昇しないことを意味する。
【0019】
本発明の実質的に結晶性又は結晶性DMSO溶媒和物は、前段落中と同義の粉末X線回折ピークを示すが、これらはCu Kα放射線で記録され、約7.0;13.7;18.0;19.0;19.9;20.1;20.2;22.1;22.8;23.0;23.3で[°2θ]として与えられる(これらは全て約55%を超える相対強度を有する)。
【0020】
上述の式(I)の化合物のDMSO溶媒和物の平均試料は、当業者であれば理解するように、様々な電荷の溶媒和物の間に、そしてXRPD試料の調製法に応じて、2θ及び特に相対強度(Rel. Int.)の厳密な値には僅かな偏差があろうが、本質的には以下の表1にリストされる粉末X線回折パターンを示す。2θ角は一般に、約±0.2°の誤差を有する。しかし、ピークの相対強度の値は、線の位置よりも測定試料のある種の性質、例えば、結晶の大きさ及び試料中のその配向に依存性が高いことが知られている。よって示されるピーク強度の±20%は変動する可能性が高い。
【0021】
また表1は、結晶を特性決定するのに通常充分な存在である、最小約30%の相対強度のピークのみがリストされていることに注意すべきであり、よって、該溶媒和物のXRPDパターン中には、更に別のピークをなお見い出しうることが明らかである。
【0022】
【表1】


* 表1中、vstは、100%〜90%の相対強度を表し;
stは、90%未満〜75%の相対強度を表し;
mは、75%未満〜55%の相対強度を表し;そして
wは、55%未満〜30%の相対強度を表す。
【0023】
表2は、本発明のDMSO溶媒和物の典型的試料の20個の主要な高強度のXRPDピークの相対強度の数値を示し、そして相対強度の測定値の典型的な変動の指標を与える。
【0024】
【表2】

【0025】
本発明の更に別の主題は、上述の式(I)の化合物の実質的に結晶性又は結晶性DMSO溶媒和物の好ましい製造方法であって、式(I)の原化合物を酢酸エチルに懸濁し、DMSOを該懸濁液に、式(I)の化合物の全て又は少なくとも実質的に全てを溶解するのに充分な量で加え、そしてこの溶液から結晶化する式(I)の化合物のDMSO溶媒和物を液相から分離する方法である。
【0026】
本発明の別の態様は、精製された形の式(I)の化合物の、未処理の形の該化合物からの好ましい製造方法であって、式(I)の原化合物を上述の固体DMSO溶媒和物に、好ましくは対応する実質的に結晶性又は結晶性DMSO溶媒和物に、特に本出願に記載されたやり方で、そして更に詳しくは式(I)の化合物とDMSOとのモル比が約1:1.75〜1:2.75である、実質的に結晶性又は結晶性DMSO溶媒和物に変換し、そしてこのDMSO溶媒和物を、好ましくは湿った形で単離し、そして塩化メチレンに再溶解すると、ここで式(I)の化合物が沈降するので、該式(I)の沈降精製された化合物を単離するという方法に関する。
【0027】
本発明はまた、前段落に記載される方法により得ることができる式(I)の化合物に関する。
【0028】
本発明は更に、本質的に下記のCu Kα放射線で記録された粉末X線回折パターン(これによって容易に特性決定できる)を示す、式(I)の化合物に関する:
【0029】
【表3】

【0030】
2θ値の測定誤差は、一般に±0.2°であり、相対強度について示される値の典型的な変動が表に与えられる。
【0031】
本発明の更に別の主題は、下記の結晶パラメーターを有する結晶を含む上述の式(I)の化合物である:
結晶系 単斜晶
空間群 C2
単位格子寸法 a=39.292(6)Ang α=90°。
b=9.955(2)Ang β=103.191(10)°。
c=16.813(2)Ang γ=90°。
体積 6402.8(18)(Ang)
Z 4式単位/単位格子
密度(計算値) 1.167Mg/m
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】図1は、本発明の式(I)の化合物のDMSO溶媒和物の典型的なXRPD図を示す。
【図2】図2は、式(I)の化合物(本発明によるそのDMSO溶媒和物を介して得ることができる)の典型的なXRPD図を示す。
【図3】図3は、X線解析から算出される標識スキームによる三次元での式(I)の化合物の分子を描写している。
【0033】
更に別の態様において、本発明は、Ceftobiprole、即ち、式(II):
【0034】
【化3】


で示される化合物の製造方法であって、式(I)の化合物を、固体DMSO溶媒和物に、特に本明細書に記載されたやり方で、そして更に詳しくは式(I)の化合物とDMSOとのモル比が約1:1.75〜1:2.75、好ましくは約1:2〜約1:2.5である、実質的に結晶性又は結晶性DMSO溶媒和物に変換し、そしてこの固体DMSO溶媒和物を、好ましくは湿った形で単離し、そして塩化メチレンに再溶解すると、ここで式(I)の化合物が沈降するので、この精製された式(I)の沈降化合物を単離して、Ceftobiproleに変換するという方法に関する。Ceftobiproleへの変換は、例えば、EP 0,849,269若しくはWO 99/65920に記載されるように、又は類似のやり方で、例えば、トリフルオロ酢酸及びトリエチルシランでの処理により保護基を脱離し、続いて炭酸水素ナトリウムにより中和することによって実行できる。
【0035】
本発明は更に、Ceftobiprole Medocaril、即ち、式(III):
【0036】
【化4】


で示される化合物、又はそのナトリウム塩の形のCeftobiprole Medocaril、即ち、下記式:
【0037】
【化5】


で示される化合物の製造方法であって、式(I)の化合物を、固体DMSO溶媒和物に、特に本明細書に記載されたやり方で、そして更に詳しくは式(I)の化合物とDMSOとのモル比が約1:1.75〜1:2.75、好ましくは約1:2〜約1:2.5である、実質的に結晶性又は結晶性DMSO溶媒和物に変換し、そしてこの固体DMSO溶媒和物を、好ましくは湿った形で単離し、そして塩化メチレンに再溶解すると、ここで式(I)の化合物が沈降するので、この精製された式(I)の沈降化合物を単離して、Ceftobiprole Medocaril(式(III))及びそのナトリウム塩に変換するという方法に関する。後者の変換は、例えば、WO 01/90111に記載されるように、例えば、DMSO中の炭酸5−メチル−2−オキソ−[1,3]ジオキソール−4−イルメチルエステル4−ニトロフェニルエステルでの処理と、場合によりこれに続くエチルヘキサン酸ナトリウムでの処理によるそのナトリウム塩の沈降とによって実行することができる。
【0038】
更に詳しくは、本発明のDMSO溶媒和物は、酢酸エチル及びDMSOの混合物から周囲温度、一般に約15℃〜30℃、例えば、約25℃のような、例えば、20〜27℃で沈降するが、一方、式(I)の純粋な化合物は、該温度ではそのような混合物に易溶性であることが見い出された。よって式(I)の原化合物は、酢酸エチル及びDMSOの混合物に溶解することができる。本発明の難溶性DMSO溶媒和物は、該溶媒混合物から沈降する。このDMSO溶媒和物は、一般に式(I)の原化合物よりも不純物の含量が低い。更に、DMSO溶媒和物は、該条件下で相対的にサイズの大きな結晶を生成するため、例えば、遠心分離及び/又は濾過により、溶媒から容易にかつ非常に迅速に分離することができる。
【0039】
その一方、塩化メチレン中では、本発明のDMSO溶媒和物は、前段落に示される範囲の温度で易溶性である(約25℃で約70g/lの溶解度)。式(I)の化合物は、該条件下で塩化メチレンに有意に難溶性である(約25℃で約8g/lの溶解度)。したがってDMSO溶媒和物を塩化メチレンに溶解すると、式(I)の化合物はこの溶液から沈降する。この式(I)の化合物の沈降物は、一般にまた、溶解したDMSO溶媒和物よりも純度が高く、溶媒から非常に迅速に濾過又は遠心分離することができる粒径を持つ。更に、式(I)の化合物の沈降物は、塩化メチレンから沈降するとき一般には実質的に結晶形である。更に詳しくは、この沈降物は、少なくとも部分的には単結晶の形で式(I)の化合物を含む。
【0040】
前述の結晶化工程は両方とも、式(I)の原化合物の純度を大きく上昇させる。物質中の式(I)の化合物の百分率は、一般に原物質中約84〜87パーセントから、本発明のDMSO溶媒和物から回収された精製物質中約97パーセント以上まで上昇する。下記の表は、式(I)の化合物の3種の工業用バッチに関する本発明の方法の精製効果を示す。
【0041】
【表4】

【0042】
更に、式(I)の化合物の純度は、本発明により中間体として固体DMSO溶媒和物を介して精製するとき、対応する従来法により精製した物質の純度よりもはるかに良好である。これは表4から明白である。その結果、式(I)の化合物の純度は、従来法により製造したバッチでは約90パーセントであり、本発明により製造したバッチでは約97パーセントである。
【0043】
【表5】

【0044】
既に上述のとおり、本発明の式(I)の化合物の製造方法ではまた、有利には少なくとも部分的には単結晶の形で式(I)の化合物を含む物質が得られることが見い出された。このような単結晶は、上述の単結晶パラメーターを持ち、そして本発明者らの知る限りでは、未だ一般に公開されていない。
【0045】
本発明の式(I)の化合物の好ましい精製方法を実施するとき、式(I)の原化合物は、酢酸エチルに懸濁することによりスラリーを生成させる。
【0046】
式(I)の原化合物の製造方法は、本発明には決定的に重要ではない。詳しくは、該化合物の、本発明のそのDMSO溶媒和物を介しての精製によって、式(I)の物質の以前の製造中間体の純度とは独立に、結晶化度、及び特に純度のような安定な品質の物質が得られることが見い出された。
【0047】
式(I)の原化合物は、場合により精製前に乾燥する。
【0048】
好ましくは、式(I)の原化合物と酢酸エチルとの比は、該スラリー中で1:10から1:40(重量/容量)である。1:10の比に相当するように酢酸エチルの量が低いと、スラリーの撹拌が困難になるが、1:40以上の比に相当する酢酸エチルの量では、DMSO溶媒和物の濾過が遅くなる。よって更に好ましくは、式(I)の原固体化合物と酢酸エチルとの比は、1:15〜1:20(重量/容量)、特に約1:17(重量/容量)である。
【0049】
酢酸エチル中の式(I)の化合物のスラリー生成後、DMSOを該懸濁液に式(I)の化合物の全て又は少なくとも実質的に全てを溶解するための量で加える。式(I)対DMSOの好ましい比は、1:20〜1:26の範囲である。最も好ましいのは、約1:23の比である。
【0050】
溶媒和物の生成中、反応混合物の温度は、約15〜50℃で保持してもよい。しかし驚くべきことに、生成物の品質に有害な影響を何ら及ぼすことなく、溶媒和物生成中に周囲温度を利用できることが分かった。よって溶媒和物の生成中、約20〜30℃、特に約23〜27℃に温度を保持するのが好ましい。
【0051】
式(I)の化合物の溶媒和物の生成は、通常約15分〜数時間の時間内に、例えば、1〜10、好ましくは2〜6時間内に終わる。
【0052】
溶媒和物形成及び/又はその結晶成長の期間後、沈降したかかつ/又は沈降しているDMSO溶媒和物の懸濁液は、約−5〜10℃、好ましくは0〜4℃の温度に有利には冷却し、更にある時間(例えば、約0.25〜5時間、好ましくは1〜3時間)場合により撹拌しながら、この温度で保持し、次に母液からDMSO溶媒和物を分離する。
【0053】
本発明のDMSO溶媒和物の優れた結晶化度により、濾過時間が非常に短いため、沈降したDMSO溶媒和物の分離は、有利には遠心分離及び/又は濾過により達成することができる。
【0054】
式(I)の化合物の単離されたDMSO溶媒和物は、式(I)の化合物を回収するために、そのまま更に処理するか、又は場合により予め乾燥することもできる。
【0055】
本発明の該溶媒和物から回収できる式(I)の化合物は、一般に溶媒和物の純度と比較すると、特に式(I)の原化合物と比較すると、有意に改善された純度を有する。
【0056】
式(I)の化合物を回収するために、式(I)の化合物の単離された固体DMSO溶媒和物、特に上述のように製造されるDMSO溶媒和物、更に詳しくは式(I)の化合物とDMSOとのモル比が約1:2であるDMSO溶媒和物は、そのような量の塩化メチレンに再溶解する。精製された式(I)の化合物は該溶媒中で沈降するため、これを単離する。
【0057】
単離されたDMSO溶媒和物は、好ましくは周囲温度又は僅かに高温、例えば20〜30℃、更に好ましくは23〜27℃の範囲で、溶媒に加える。得られた混合物は次に、しばらく、例えば、約15分〜数時間、好ましくは約1〜2時間、かつ好ましくは撹拌しながら有利には放置することにより、式(I)の化合物の適正な結晶化が可能になる。
【0058】
次に反応混合物は、約0〜4℃の温度まで有利には冷却し、この温度でしばらく、例えば、30分〜5時間、好ましくは1〜3時間更に放置し、次に該処理工程で生成した式(I)の化合物の沈降物を分離する。
【0059】
次に沈降物は、遠心分離又は濾過し、場合により洗浄して、真空下で乾燥することにより、精製された式(I)の化合物が得られる。
【0060】
精製された式(I)の化合物は、好ましくは更に処理して、トリチル、ベンズヒドリル、及びtert−ブトキシカルボニル保護基を開裂することにより、Ceftobiproleが生成する。そのための方法は当業者には周知であり、例えば、WO 01/90111又はEP-A 0,849,269に更に詳細に説明されている。
【0061】
また好ましい代替態様において、精製された式(I)の化合物は、更に処理することにより、Ceftobiprole Medocarilが生成する。これは例えば、WO 01/90111に従って、精製された式(I)の化合物を上述のようにCeftobiproleに変換し、これを炭酸5−メチル−2−オキソ−[1,3]ジオキソール−4−イルメチルエステル4−ニトロ−フェニルエステルと反応させることにより行われる。
【0062】
Ceftobiprole又はCeftobiprole Medocarilの製造のために、本発明で得られる精製された式(I)の化合物を使用すると、該最終セファロスポリン生成物であるCeftobiprole又はCeftobiprole Medocarilの品質が顕著に改善され、その純度(製造された最終生成物中の所望の化合物の量)は、一般に約2〜3パーセント(絶対値)上昇する。更には、本発明により取り組むと、該化合物の従来の先行技術の処理に必要な追加の精製工程を回避することができるため、最終生成物の収率も顕著に改善される。
【0063】
実施例1
本実施例は、以下の合成スキームにより製造される式(I)の化合物(「化合物(I)」)の工業用バッチの精製を示す。
【0064】
【化6】

【0065】
方法の説明
反応槽に、約1molの湿った原化合物(I)及び10.4lの酢酸エチルを仕込んだ。この混合物を23〜27℃まで加温して撹拌した。15分後、更に10.4lの酢酸エチルを加え、真空蒸留により溶媒の容量を減少させ、次に1.84kgのDMSOを15分以内に滴下により加えた。ほとんど全ての材料が溶解するまで、混合物を撹拌した。
【0066】
化合物(I)が、反応混合物からDMSO溶媒和物として結晶化した。次に更に6.9lの酢酸エチルを加え、生じる懸濁液を0〜5℃で0.25時間撹拌した。遠心分離により化合物(I)の固体DMSO溶媒和物を単離して、更に1.85lの酢酸エチルにより遠心器中で洗浄した。
【0067】
次に化合物(I)の湿ったDMSO溶媒和物(約3kg)を23〜27℃で13.8lの塩化メチレン(DCM)で溶解した。この溶液から、精製された化合物(I)が結晶化した。更に13.8lの酢酸エチルを加えた。生じた懸濁液を0〜5℃で0.5時間撹拌して、遠心分離した。精製された生成物を塩化メチレン/酢酸エチル 1/1(v/v)で洗浄して、真空下で乾燥した。
【0068】
実施例2
単結晶X線構造解析による(6R,7R)−7−{2−(5−アミノ−[1,2,4]チアジアゾール−3−イル)−2−[(Z)−トリチルオキシイミノ]−アセチルアミノ}−3−[(R)−1’−tert−ブトキシカルボニル−2−オキソ−[1,3’]ビピロリジニル−(3E)−イリデンメチル]−8−オキソ−5−チア−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクタ−2−エン−2−カルボン酸ベンズヒドリルエステル(式(I)の化合物)の絶対配置の決定
測定した結晶:無色の平板0.050×0.040×0.006mm
キラリティー:R(C24);R(C29);R(C49);
【0069】
実験
X線単結晶解析に適した単結晶を得るために、式(I)の化合物の上記DMSO溶媒和物約20mgを、充分量のアセトニトリルに溶解して清澄な溶液を得た。この溶液を室温で非常にゆっくり蒸発させた。次に、顕微鏡下で、結晶性沈降物から適切な単結晶を選択した。結晶構造の測定は、Proteum-CCD面検出器を取り付けたBruker-Nonius回折装置、Cu K放射線のFR591回転アノード、モノクロメーターとしてのMontelミラー、及びKryoflex低温装置(T=90K)を使用して実施した。全範囲データ収集ω及びφスキャン。使用したプログラム:データ収集Proteum V.1.37(Bruker-Nonius 2002)、データ整理Saint + Version 6.22(Bruker-Nonius 2001)及び吸光度補正SADABS V.2.03(2002)。結晶構造解は、SHELXTL Version 6.10(Sheldrick, Universitat Gottingen(ドイツ)、2000)に実装されるような直接法を使用して達成し、XPプログラムを使用して視覚化した。次に欠落原子を差フーリエ合成により位置決定して、原子リストに加えた。全ての測定強度を使用するFについての最小二乗法による微調整は、プログラムSHELXTL Version 6.10(Sheldrick, Universitat Gottingen(ドイツ)、2000)を使用して実施した。全ての非水素原子は、異方性変位パラメーターを含めて微調整した。
【0070】
キラリティー
【0071】
【表6】

【0072】

【0073】
【表7】

【0074】
【表8】










等価原子を生成させるために使用した対称変換:
#1 −x+1,y,−z+1
#2 −x+1,y−1,−z+1
#3 −x+1,y+1,−z+1
【0075】
【表9】




























等価原子を生成させるために使用した対称変換:
#1 −x+1,y,−z+1
#2 −x+1,y−1,−z+1
#3 −x+1,y+1,−z+1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化7】


で示される化合物の固体DMSO溶媒和物。
【請求項2】
式(I)の化合物とDMSOとのモル比が、1:1〜1:3である、請求項1に記載の固体DMSO溶媒和物。
【請求項3】
式(I)の化合物とDMSOとのモル比が、約1:1.75〜約1:2.75である、請求項2に記載の固体DMSO溶媒和物。
【請求項4】
式(I)の化合物とDMSOとのモル比が、約1:2〜約1:2.5である、請求項3に記載の固体DMSO溶媒和物。
【請求項5】
実質的に結晶性である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の固体DMSO溶媒和物。
【請求項6】
55%を超える相対強度を有する、Cu Kα放射線で記録され、そして約7.0;13.7;18.0;19.0;19.9;20.1;20.2;22.1;22.8;23.0;23.3に[°2θ]として与えられるピークを粉末X線回折図(XRPD)に示す、請求項5に記載の固体DMSO溶媒和物。
【請求項7】
本質的に、Cu Kα放射線で記録された以下の粉末X線回折パターン:
【表10】


[表中、vstは、100%〜90%の相対強度を表し;
stは、90%未満〜75%の相対強度を表し;
mは、75%未満〜55%の相対強度を表し;そして
wは、55%未満の相対強度を表す]を示す、請求項5又は6に記載のDMSO溶媒和物。
【請求項8】
本質的に、Cu Kα放射線で記録された以下の粉末X線回折パターン:
【表11】


[** 相対強度について示される値の典型的な変動を伴う]を示す、請求項5〜7のいずれか1項に記載のDMSO溶媒和物。
【請求項9】
請求項1に記載の式(I)の化合物の固体DMSO溶媒和物の製造方法であって、式(I)の原化合物を酢酸エチルに懸濁し、DMSOを該懸濁液に、式(I)の化合物の全て又は少なくとも実質的に全てを溶解するのに充分な量で加え、そしてこの溶液から沈降する式(I)の化合物のDMSO溶媒和物を液相から分離する方法。
【請求項10】
該DMSO溶媒和物における式(I)の化合物とDMSOとのモル比が、約1:1.75〜約1:2.75、最も好ましくは約1:2〜約1:2.5である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
式(I)の原固体化合物と酢酸エチルとの比が、1:10〜1:40(重量/容量)である、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
式(I)の原固体化合物と酢酸エチルとの比が、1:15〜1:20、特に約1:17(重量/容量)である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
式(I)の化合物とDMSOとのモル比が、1:12〜1:45である、請求項9〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
式(I)の化合物とDMSOとのモル比が、1:20〜1:30、更に好ましくは1:20〜1:26、特に約1:23である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
溶媒和物の形成中、温度が約15〜50℃で保持される、請求項9〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
溶媒和物の形成中、温度が約20〜30℃、特に約23〜27℃で保持される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
沈降したかかつ/又は沈降しているDMSO溶媒和物の懸濁液を、約−5〜10℃、好ましくは0〜4℃の温度に冷却し、約0.25〜5時間、好ましくは1〜3時間、場合により撹拌しながら、この温度で保持して、次に母液からDMSO溶媒和物を分離する、請求項9〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
精製された形の式(I)の化合物の、未処理の形の該化合物からの製造方法であって、式(I)の原化合物を、特に請求項9〜17のいずれか1項に記載のやり方で、固体DMSO溶媒和物に、好ましくは結晶性又は実質的に結晶性のDMSO溶媒和物に、そして更に詳しくは式(I)の化合物とDMSOとのモル比が約1:1.75〜1:2.75、特に約1:2〜約1:2.5である、結晶性DMSO溶媒和物に変換し、そしてこのDMSO溶媒和物を、好ましくは湿った形で単離し、そして塩化メチレンに再溶解すると、ここで式(I)の化合物が沈降するので、該式(I)の沈降精製された化合物を単離する方法。
【請求項19】
DMSO溶媒和物の再溶解中及び/又は再溶解後、溶液を約0〜4℃に冷却する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
単離されたDMSO溶媒和物を、前もって乾燥することなく更に処理する、請求項9〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
式(I)の原化合物が、臭化(1’−tert−ブトキシカルボニル−2−オキソ−[1,3’]−(R)−ビピロリジニル−3−(R,S)−イル)−トリフェニル−ホスホニウムを、7−[2−(5−アミノ−[1,2,4]チアジアゾール−3−イル)−2−トリチルオキシイミノ−アセチルアミノ]−3−ホルミル−8−オキソ−5−チア−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクタ−2−エン−2−カルボン酸ベンズヒドリルエステルと、塩化メチレン/トルエン/THFの混合物中で、t−COKの存在下で反応させることにより製造される、請求項9〜20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
式(I)の原化合物を、前もって乾燥することなく更に処理する、請求項21に記載の方法であって、酢酸エチル中の式(I)の原化合物の懸濁液から残留塩化メチレンを除去して、次に該懸濁液にDMSOを加える工程を含む方法。
【請求項23】
残留塩化メチレンを懸濁液から留去する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
請求項18に記載の方法で得られる、式(I):
【化8】


で示される化合物。
【請求項25】
本質的に、Cu Kα放射線で記録された以下の粉末X線回折パターン:
【表12】


[** 相対強度について示される値の典型的な変動を伴う]を示す、請求項24に記載の化合物。
【請求項26】
少なくとも部分的には単結晶の形である、請求項25に記載の式(I)の化合物。
【請求項27】
下記の結晶パラメーター:
結晶系 単斜晶
空間群 C2
単位格子寸法 a=39.292(6)Ang α=90°。
b=9.955(2)Ang β=103.191(10)°。
c=16.813(2)Ang γ=90°。
体積 6402.8(18)(Ang)
Z 4式単位/単位格子
密度(計算値) 1.167Mg/m
を有する結晶を含む、請求項24〜26のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項28】
Ceftobiprole、即ち、下記式:
【化9】


で示される化合物の製造における、請求項9〜23のいずれか1項に記載の方法の使用。
【請求項29】
Ceftobiprole Medocaril、即ち、下記式:
【化10】


で示される化合物、又はそのナトリウム塩の形のCeftobiprole Medocaril、即ち、下記式:
【化11】


で示される化合物の製造における、請求項9〜23のいずれか1項に記載の方法の使用。
【請求項30】
Ceftobiprole、即ち、下記式:
【化12】


で示される化合物の製造のための請求項9〜23のいずれか1項に記載の方法であって、式(I)の化合物を固体DMSO溶媒和物に、詳しくは式(I)の化合物とDMSOとのモル比が約1:1.75〜1:2.75、特に約1:2〜約1:2.5であるDMSO溶媒和物に変換し、そしてこのDMSO溶媒和物を単離し、そして塩化メチレンに再溶解すると、ここで式(I)の化合物が沈降するので、該式(I)の沈降精製された化合物を単離して、トリフルオロ酢酸及びトリエチルシランでの処理と、これに続く炭酸水素ナトリウムでの中和によって保護基を脱離することにより、Ceftobiproleに変換する方法。
【請求項31】
Ceftobiprole Medocaril、即ち、下記式:
【化13】


で示される化合物、又はそのナトリウム塩の形のCeftobiprole Medocaril、即ち、下記式:
【化14】


で示される化合物の製造のための請求項30に記載の方法であって、DMSO中の炭酸5−メチル−2−オキソ−[1,3]ジオキソール−4−イルメチルエステル4−ニトロ−フェニルエステルでの処理と、場合によりこれに続くエチルヘキサン酸ナトリウムでの処理によるそのナトリウム塩の沈降によって、Ceftobiproleを該化合物に変換する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2011−516595(P2011−516595A)
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−504436(P2011−504436)
【出願日】平成21年4月14日(2009.4.14)
【国際出願番号】PCT/EP2009/054405
【国際公開番号】WO2009/127623
【国際公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【出願人】(501241380)バジリア ファルマスーチカ アーゲー (24)
【氏名又は名称原語表記】Basilea Pharmaceutica AG
【Fターム(参考)】