説明

絞り装置

【課題】全体として細長い形状をした2枚の絞り羽根を、迅速且つ円滑に作動させることを可能にした低コストな絞り装置を提供すること。
【解決手段】絞り羽根3は、幅方向の一端近傍に形成した長孔3cを地板1のガイド軸1gに嵌合させ、絞り羽根4は、幅方向の一端近傍に形成した長孔4cを補助地板2のガイド軸2dに嵌合させている。そして、絞り羽根3は、長孔3cを形成した方の一端が、地板1の台部1dの平面と補助地板2のガイド軸2gの先端面との間で作動させられ、他端が、地板1の台部1cの平面と補助地板2の柱状部2dの先端面との間で作動させられる。他方、絞り羽根4は、長孔4cを形成した方の一端が、補助地板2の台部2bの平面と地板1の柱状部1fの先端面との間で作動させられ、他端が、補助地板2の台部2cの平面と地板1のガイド軸1gの先端面との間で作動させられるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラやプロジェクタなどに用いることの可能な絞り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラやプロジェクタなどに用いる絞り装置の中には、両者の間に羽根室を構成している二つの地板が、全体として細長い形状をしており、羽根室内に配置されている2枚の絞り羽根が、駆動手段によって相反する方向へ直線的に作動させられることにより、それらに形成された絞り開口形成縁によって、複数の絞り開口を連続的又は段階的に制御するようにした絞り装置が知られている。そして、下記の特許文献1には、そのような絞り装置であって、主にビデオカメラに採用されるものとして構成したものが記載されているが、このような絞り装置は、スチルカメラ用の絞り装置やプロジェクタ用の絞り装置としても採用することが可能である。また、この種の絞り装置は、一つの絞り開口だけを選択できるようにすることも可能である。
【0003】
【特許文献1】実公平6−37402号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
絞り装置の場合には、絞り羽根が迅速且つ円滑に作動することが要求されているが、被写体光の変化に対応して絞り開口の大きさを自動的に変化させるようにしたカメラ用の絞り装置や、画像条件の変化などに対応して絞り開口の大きさを自動的に変化させるようにしたプロジェクタ用の絞り装置の場合には、光量の変化に対応したスムーズな応答性が要求されるので、特に、そのような要求が大きい。しかしながら、絞り装置に対する要求はそれだけではなく、ビデオカメラ用の絞り装置やプロジェクタ用の絞り装置の場合には、絞り羽根の作動音の大きさも抑制されることが要求されている。
【0005】
そのような観点から特許文献1に記載されている絞り装置を見てみると、2枚の絞り羽根は、いずれも、幅方向の両端近傍部に長孔を有していて、それらの長孔を、特殊な形状をしたガイド軸(特許文献1においては「ガイドピン」)に嵌合させている。そのため、2枚の絞り羽根は、相互に面接触をすることがないし、羽根室を構成している二つの地板とも面接触をしないようになっている。しかしながら、そのような構成は、ガイド軸を特殊な形状にしなければならないことや、1枚の絞り羽根に対して複数にガイド軸が必要であることから、製造コストの点で極めて不利である。また、各絞り羽根は、幅方向の両端近傍に形成されている複数の長孔を各々のガイド軸に嵌合させているため、複数のガイド軸の立設位置と複数の長孔の形成位置に精度を要求されるという問題点もある。
【0006】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、全体として細長い形状をした2枚の絞り羽根を、それらの略長手方向に沿って相反する方向へ作動させ、それらに形成された絞り開口形成縁の両方によって絞り開口を制御するようにした絞り装置において、ガイド軸を複雑な形状にする必要がなく、且つ1枚の絞り羽根に対して一つのガイド軸を設けるだけでよく、しかも、特別な部品も必要とせずに、2枚の絞り羽根を迅速且つ円滑に作動させることを可能にした低コストの絞り装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明は、各々が光路用の開口部を有していて全体として細長い形状をしており両者の間に羽根室を構成している第1地板及び第2地板と、各々が絞り開口形成縁を有していて前記羽根室内に配置されており全体として細長い形状をしている第1絞り羽根及び第2絞り羽根と、前記二つの絞り羽根を前記二つの地板の略長手方向に沿って相反する方向へ往復作動させ前記二つの開口形成縁によって前記開口部よりも小さな絞り開口を形成させる駆動手段と、を備えた絞り装置において、前記第1地板は、羽根室内において、幅方向の一端近傍部の所定領域に、所定の高さの第1規制面と、該第1規制面よりも高い第2規制面とを有し、幅方向の他端近傍部の所定領域に、該第1規制面と略同じ高さの第3規制面と、該第2規制面と略同じ高さの第1ガイド軸とを有しており、また、前記第2地板は、前記一端近傍部の所定領域と対向する領域に、所定の高さの第4規制面と、該第4規制面よりも高くてその先端面が前記第1規制面と第2規制面との間に存在する第2ガイド軸とを有し、前記他端近傍部の所定領域と対向する領域に、該第4規制面と略同じ高さの第5規制面と、該第2ガイド軸と略同じ高さであって前記第3規制面と第1ガイド軸の先端面との間に存在する第6規制面とを有しており、また、前記第1絞り羽根は、幅方向の片側にだけ形成した長孔を前記第1ガイド軸に嵌合させ、幅方向の一端側が前記第1規制面と前記第2ガイド軸の先端面との間で作動し、幅方向の他端側が前記第3規制面と前記第6規制面との間で作動するように配置されており、また、前記第2絞り羽根は、幅方向の片側にだけ形成した長孔を前記第2ガイド軸に嵌合させ、幅方向の一端側が前記第1ガイド軸の先端面と前記第5規制面との間で作動し、幅方向の他端側が前記第2規制面と前記第4規制面との間で作動するように配置する。
【0008】
その場合、前記第1規制面に立設された第1位置決めピンが、前記第2ガイド軸の先端面に穿たれた孔に挿入され、第1ガイド軸の先端面に立設された第2位置決めピンが、前記第5規制面に穿たれた孔に挿入されているようにすることが好ましく、更に、前記駆動手段が、コイルを有する固定子と永久磁石を有する回転子とからなっていて前記二つの地板の一方に取り付けられた電磁アクチュエータであり、該回転子には、相反する径方向へ延伸した第1腕部と第2腕部とが設けられていて、それらの腕部の先端に形成された出力ピンを、前記羽根室内で、前記各絞り羽根に形成された孔に対し、回転可能に嵌合させていることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の絞り装置によれば、各絞り羽根の長孔に嵌合させるガイド軸は一つずつでよく、且つそのガイド軸の形状も極めて単純であって、他に特別な部品を必要としないので、極めて低コストな構成となり、しかも、それによって、ガイド軸との摩擦箇所も少なくなるので、2枚の絞り羽根を従来よりも迅速且つ円滑に作動させることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の実施の形態を、図示した実施例によって説明する。本発明は、スチルカメラやビデオカメラなどのカメラ用絞り装置にも適用されるものであるが、実施例は、プロジェクタ用の絞り装置として構成したものである。そして、図1は、地板に形成された開口部が光路を規制している状態を示した実施例の平面図であり、図2は、構成部材の重なり状態を理解し易く示した実施例の断面図であって、図3は、図1のA―A線断面図である。また、図4は、図1における地板と補助地板とを見開き状態にして、それらの羽根室側の要部形状を示した平面図であって、図4(a)は地板を、図4(b)は補助地板を示したものである。更に、図5は、2枚の絞り羽根の絞り開口形成縁によって最小絞り開口を形成している状態を示した実施例の平面図である。
【実施例】
【0011】
本実施例の絞り装置は、絞り開口を一つだけ制御するようにすることも可能であるが、絞り開口を連続的又は段階的に制御することも可能であるように構成されたものである。そこで先ず、本実施例の構成を説明する。地板1は、耐熱性を有する合成樹脂製であって平面形状は細長い長方形をしており、円形をした光路用の開口部1aのほか、左端近傍部に、大きな異形の開口部1bを有している。補助地板2も耐熱性を有する合成樹脂製であって、地板1と略同じ外形をしており、適宜な手段によって地板1に取り付けられ、地板1との間に羽根室を構成しているが、図1においては、その右方向の一部だけが示されている。そして、この補助地板2にも、上記の開口部1aと対向するところに、同じ形状の開口部2aが形成されている。
【0012】
地板1の羽根室側の面には、図3と図4(a)から分かるように、その幅方向の両端近傍部に、略円形の平面を有する台部1c,1dが同じ高さに形成されている。そして、台部1cには、その中心よりも僅かに上方の偏心位置に位置決めピン1eが立設され、上端位置には先端面がD状をしている柱状部1fが形成されている。また、台部1dには、同心上にガイド軸1gが形成されていて、その先端面には、中心よりも僅かに下方の偏心位置に位置決めピン1hが立設されている。そして、ガイド軸1gの高さは、柱状部1fの高さと略同じである。
【0013】
他方、補助地板2の羽根室側の面には、図3と図4(b)から分かるように、その幅方向の両端近傍部に、略円形の平面を有する台部2b,2cが同じ高さに形成されている。そして、台部2bには、同心上にガイド軸2dが形成されていて、その先端面には、中心よりも僅かに上方の偏心位置に位置決め孔2eが貫通孔として形成されている。また、台部2cには、その中心よりも僅かに下方の偏心位置に位置決め孔2fが貫通孔として形成され、下端位置には先端面がD状をした柱状部2gが形成されている。そして、ガイド軸2dの高さは、柱状部2gの高さと略同じである。
【0014】
地板1と補助地板2の羽根室側の面は、このように形成されていて、両者の組み付け状態においては、図3に示されているように、地板1の位置決めピン1e,1hが、補助地板2の位置決め孔2e,2fに嵌合しているが、このとき、ガイド軸1gの先端面は、補助地板2の柱状部2gの先端面より補助地板2側に存在し、ガイド軸2dの先端面は、地板1の柱状部1fの先端面より地板1側に存在している。
【0015】
尚、本実施例では、地板1の位置決めピン1e,1hを、台部1c,1dの偏心位置に設け、補助地板2の位置決め孔2e,2fも台部2b,2cの偏心位置に設けているが、後述する絞り羽根3,4が作動中に干渉しないような寸法設計がなされている場合には、それらの位置決めピン1e,1hと位置決め孔2e,2fを、台部1c,1dと台部2b,2cの中心位置に設けるようにしても構わない。また、本実施例の場合には、位置決めピン1e,1hを地板1側に設け、位置決め孔2e,2fを補助地板2側に設けているが、位置決めピン1e,1hに相当する位置決めピンを補助地板2側に設け、位置決め孔2e,2fに相当する位置決め孔を地板1側に設けてもよい。更に、これらの位置決めピン1e,1hと位置決め孔2e,2fは、組立時において、地板1と補助地板2との位置合わせには有利であるが、本発明の目的を達成するためには、必ずしも必要なものではない。また、本実施例では、柱状部1f,2gが、台部1c,2cに立設されているが、各地板1,2の羽根室側の面に直接立設されているようにしてもよい。
【0016】
羽根室内には、2枚の絞り羽根3,4が配置されている。図1に示されているように、それらのうち、地板1側に配置されている絞り羽根3は、地板1の開口部1aよりも若干大きい開口部3aを有しているほか、左端近傍部には鍵穴状をした孔3bを有しており、また、幅方向の一端側(下側)近傍部にだけ長孔3cを有している。それらのうち、開口部3aは、左半分の縁は半円形をしているだけであるが、右約半分の縁は右側に膨らんだ形状の絞り開口形成縁として形成されている。また、長孔3cは、地板1に形成されている上記のガイド軸1gに嵌合している。そして、図3から分かるように、この絞り羽根3は、長孔3cを形成している方の一端は、地板1の台部1dの平面と補助地板2の柱状部2gの先端面との間で作動し、幅方向の他端は、地板1の台部1cの平面と補助地板2のガイド軸2dの先端面との間で作動するようになっている。
【0017】
他方、絞り羽根3よりも補助地板2側に配置されている絞り羽根4は、地板1の開口部1aよりも若干大きい開口部4aを有しているほか、左端近傍部には鍵穴状をした孔4bを有しており、また、幅方向の一端側(上側)近傍部にだけ長孔4cを有している。それらのうち、開口部4aは、右半分の縁は半円形をしているだけであるが、左約半分の縁は左側に膨らんだ形状の絞り開口形成縁として形成されている。また、長孔4cは、補助地板2に形成されている上記のガイド軸2dに嵌合している。そして、図3から分かるように、この絞り羽根4は、長孔4cを形成している方の一端は、地板1の柱状部1fの先端面と補助地板2の台部2bの平面との間で作動し、幅方向の他端は、地板1のガイド軸1gの先端面と補助地板2の台部2cの平面との間で作動するようになっている。
【0018】
地板1の羽根室外の面には、2枚の絞り羽根3,4を駆動する手段として一つの電磁アクチュエータが取り付けられているが、本実施例の電磁アクチュエータは、特開2005−24638号公報の第2実施例に記載されている周知の電流制御式のモータに類する構成をしたものである。
【0019】
図2に示されているように、第1固定子枠5と第2固定子枠6の間には、回転子7の収容室が構成されており、永久磁石を有する回転子7は、それらの固定子枠5,6に軸受けされている。固定子枠5,6の外側には、回転子7の軸受部を囲むようにして一連の溝が形成されており、その溝には二つのコイル8,9が巻回されている。第1固定子枠5の外周面には図示していない凹部が形成されていて、その凹部には、回転子7の回転位置を検出するためにホール素子(磁気感応素子)が収容されている。
【0020】
また、コイル8,9やホール素子を包み込むようにして、円筒状のヨーク10が第1固定子枠5に嵌装されている。更に、回転子7は、回転子軸が合成樹脂製であり、それと一体であって収容室から相反する径方向へ延伸した二つの腕部の先端に、出力ピン7a,7bを有している。そして、この出力ピン7a,7bの先端は、その断面形状が絞り羽根3,4の孔3b,4bに相似した鍵の先端形状となるように形成されている。
【0021】
このような構成をしている本実施例の電磁アクチュエータは、その一部を地板1の開口部1bから羽根室側に挿入した状態にしておき、第2固定子枠6を二つのビス11,12で螺着することにより、地板1に取り付けられている。また、出力ピン7a,7bと絞り羽根3,4との連結は、出力ピン7a,7bの先端を、鍵を鍵穴に挿入するようにして孔3b,4bに挿入しているが、図1に示されている組立完了状態においては、両者の相対位置が挿入時とは異なる位置関係になっていて、出力ピン7a,7bと絞り羽根3,4との連結が外れないようになっている。そして、その組立状態においては、図2に示されているように、出力ピン7bの先端が、補助地板2に形成された長孔2hに挿入されているが、この長孔2hは、回転子7の回転軸を中心にして円弧状に形成されている。
【0022】
次に、図1及び図5を用いて本実施例の作動を説明する。尚、図5においては、補助地板2の図示を省略してある。そのため、補助地板2に設けられているガイド軸2dは二点鎖線で示されている。また、上記したように、固定子枠5,6の両方には、二つのコイル8,9が重ねて巻回されているが、本実施例の場合には、コイル8に順方向の電流を供給すると、回転子7を時計方向へ回転させる力が発生し、また、コイル9に順方向の電流を供給すると、回転子7を反時計方向へ回転させる力が発生するようになっている。そして、それらの回転力は、大きな電流を供給するほど大きくなる。従って、コイル8,9に供給される電流値が同じであると、回転子7は、いずれの方向へも回転せず、停止状態を維持することになる。
【0023】
図1に示されている状態は、プロジェクタの不使用状態を示したものである。そのため、いずれのコイル8,9に対しても電流が供給されていない。プロジェクタの使用に際して電源をオンにすると、コイル8,9の両方に順方向の電流が供給されるが、照射光を一番強くする場合には、回転子7が図1の回転位置にあることを図示していないホール素子が検出し、コイル8,9には同じ大きさの電流が供給される。そのため、回転子7は図1の位置に停止したままであり、照明光の光路は、地板1の開口部1aによって規制されるようになる。
【0024】
照明光を弱くするために、光路の開口を小さく絞る場合は、コイル9に供給する電流よりも、コイル8に供給する電流の方を大きくする。それによって回転子7は、図1において時計方向へ回転することになるが、その回転速度は、コイル8,9に供給される電流値の差によって左右される。そのようにして、回転子7が時計方向へ回転すると、絞り羽根3は、出力ピン7aによって略左方向へ移動させられ、絞り羽根4は、出力ピン7bによって略右方向へ移動させられる。そのため、光路は、2枚の絞り羽根3,4の絞り開口形成縁の協働によって得られた絞り開口によって規制されるようになり、回転子7が時計方向へ回転すればするほど、その絞り開口は小さくなっていく。
【0025】
このようにして、回転子7が時計方向へ回転してゆき、絞り開口が所定の大きさになると、ホール素子による検出結果に対応して、コイル8,9に供給される電流値が同じになり、回転子7の回転が停止され、その停止状態が維持される。そして、その後、照明光を強くしたい場合には、コイル8に供給する電流よりもコイル9に供給する電流の方を大きくするし、弱くしたい場合には、コイル9に供給する電流よりもコイル8に供給する電流の方を大きくして、絞り開口を随時変化させることになる。図5は、そのようにして、絞り開口を一番小さくしたときの状態を示したものである。そして、プロジェクタによる投影が終了したときには、電源をオフにする。そのとき、本実施例の場合には遅延回路が働くようになっていて、その遅延時間中に回転子7は反時計方向へ回転され、図1の位置に復帰して停止させられる。
【0026】
尚、上記の実施例においては、回転子7と一体の出力ピン7a,7bを絞り羽根3,4に直接連結させているが、本発明は、そのような構成に限定されず、他の部材を介して連結するようにしても構わない。例えば、一方の地板に駆動部材を回転可能に取り付けるようにし、その回転中心から異なる径方向位置においてその駆動部材に設けられている二つのピンを、上記の出力ピン7a,7bのようにして各絞り羽根3,4の孔3b,4bに嵌合させると共に、その駆動部材を、回転子の出力ピンによって往復回転させるようにすることが考えられる。そしてさらに、そのようにする場合には、実施例の回転子7のように、二つの出力ピン7a,7bを設ける必要はなく、一つの出力ピンだけでもよいことは言うまでもない。
【0027】
また、上記の実施例は、各種プロジェクタ用の絞り装置であることを前提にして説明したが、本発明の絞り装置は、カメラ用の絞り装置としても、舞台照明などを行う照明機器用の絞り装置としても実施可能なものである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】地板に形成された開口部が光路を規制している状態を示した実施例の平面図である。
【図2】構成部材の重なり状態を理解し易く示した実施例の断面図である。
【図3】図1のA―A線断面図である。
【図4】図1における地板と補助地板とを見開き状態にして、それらの羽根室側の要部形状を示した平面図であり、図4(a)は地板を、図4(b)は補助地板を示したものである。
【図5】2枚の絞り羽根の絞り開口形成縁によって最小絞り開口を形成している状態を示した実施例の平面図である。
【符号の説明】
【0029】
1 地板
1a,1b,2a,3a,4a 開口部
1c,1d,2b,2c 台部
1e,1h 位置決めピン
1f,2g 柱状部
1g,2d ガイド軸
2 補助地板
2e,2f 位置決め孔
2h,3c,4c 長孔
3,4 絞り羽根
3b,4b 孔
5 第1固定子枠
6 第2固定子枠
7 回転子
7a,7b 出力ピン
8,9 コイル
10 ヨーク
11,12 ビス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が光路用の開口部を有していて全体として細長い形状をしており両者の間に羽根室を構成している第1地板及び第2地板と、各々が絞り開口形成縁を有していて前記羽根室内に配置されており全体として細長い形状をしている第1絞り羽根及び第2絞り羽根と、前記二つの絞り羽根を前記二つの地板の略長手方向に沿って相反する方向へ往復作動させ前記二つの開口形成縁によって前記開口部よりも小さな絞り開口を形成させる駆動手段と、を備えた絞り装置において、
前記第1地板は、羽根室内において、幅方向の一端近傍部の所定領域に、所定の高さの第1規制面と、該第1規制面よりも高い第2規制面とを有し、幅方向の他端近傍部の所定領域に、該第1規制面と略同じ高さの第3規制面と、該第2規制面と略同じ高さの第1ガイド軸とを有しており、
前記第2地板は、前記一端近傍部の所定領域と対向する領域に、所定の高さの第4規制面と、該第4規制面よりも高くてその先端面が前記第1規制面と第2規制面との間に存在する第2ガイド軸とを有し、前記他端近傍部の所定領域と対向する領域に、該第4規制面と略同じ高さの第5規制面と、該第2ガイド軸と略同じ高さであって前記第3規制面と第1ガイド軸の先端面との間に存在する第6規制面とを有しており、
前記第1絞り羽根は、幅方向の片側にだけ形成した長孔を前記第1ガイド軸に嵌合させ、幅方向の一端側が前記第1規制面と前記第2ガイド軸の先端面との間で作動し、幅方向の他端側が前記第3規制面と前記第6規制面との間で作動するように配置されており、
前記第2絞り羽根は、幅方向の片側にだけ形成した長孔を前記第2ガイド軸に嵌合させ、幅方向の一端側が前記第1ガイド軸の先端面と前記第5規制面との間で作動し、幅方向の他端側が前記第2規制面と前記第4規制面との間で作動するように配置されていることを特徴とする絞り装置。
【請求項2】
前記第1規制面に立設された第1位置決めピンが、前記第2ガイド軸の先端面に穿たれた孔に挿入され、第1ガイド軸の先端面に立設された第2位置決めピンが、前記第5規制面に穿たれた孔に挿入されていることを特徴とする請求項1に記載の絞り装置。
【請求項3】
前記駆動手段が、コイルを有する固定子と永久磁石を有する回転子とからなっていて前記二つの地板の一方に取り付けられた電磁アクチュエータであり、該回転子には、相反する径方向へ延伸した第1腕部と第2腕部とが設けられていて、それらの腕部の先端に形成された出力ピンを、前記羽根室内で、前記各絞り羽根に形成された孔に対し、回転可能に嵌合させていることを特徴とする請求項1又は2に記載の絞り装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−222959(P2009−222959A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−67011(P2008−67011)
【出願日】平成20年3月17日(2008.3.17)
【出願人】(000001225)日本電産コパル株式会社 (755)
【Fターム(参考)】