説明

給油所の集中監視システム

【課題】給油所機器等の運転の継続を妨げる状態が発生した場合に迅速に対応し、国内の給油所の一括管理などを容易に行うことのできる監視システムを提供する。
【解決手段】給油所機器10、30、40、50と、給油所機器に接続される給油所用販売装置60とに接続され、給油所機器及び給油所用販売装置から、給油所機器及び給油所用販売装置の保守に関するデータを受信して記憶する集中監視装置70と、集中監視装置とデータ送受信可能に接続され、集中監視装置から、保守に関するデータを受信して記憶し、保守に関するデータに含まれ、給油所機器又は/及び給油所用販売装置の運転の継続を妨げる状態を示すデータを携帯端末100に転送する集中監視サーバ80とを備える給油所の集中監視システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔地で給油所に設置された各種機器の監視や保守を行う給油所の集中監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガソリンスタンド等の給油所に設置される給油装置には、ポンプモータの動作を制御し、流量パルス発振器から出力されるパルスにより流量を積算し、表示器に給油量を表示するための制御装置が設けられている。この制御装置は、給油装置の各機器を制御すると同時に、例えば、各部の接続異常、エラーパルスの発生、バルブの動作不良、各種データの異常検知等が発生した場合に、そのエラー内容に対応したエラーコードを累積的に記録し、記録したエラーコードを操作パネルのボタン操作等により発生順に表示器に順次表示したり、給油所に設置されているPOS端末等の端末装置のプリンタで印字し、点検や修理時の保守情報として利用できるようにしていた。
【0003】
しかし、給油装置の点検や修理時にその場でエラーコードを表示器に表示したり、給油所の端末装置のプリンタで印字する方法では、遠隔地の保守センターにおいて点検や修理に必要な保守作業や交換部品を予め用意することができず、また、エラーコードを累積した情報だけでは十分な情報ではないことが多く、余分な作業や手間がかかる虞があった。
【0004】
そこで、特許文献1及び2には、点検や修理に必要な保守作業や交換部品を事前に予測することができる給油装置の遠隔保守システムが提案されている。
【0005】
特許文献1に記載の給油装置の遠隔保守システムは、給油所に設置された給油装置で発生したエラーを検出して得られたエラーデータと、給油装置の内部に配置されたCCDカメラのビデオデータを記憶する制御装置と、制御装置からのデータを収集するデータ収集部と、制御装置からのデータを機種データとともに保守データとして記憶する保守データ記憶部と、保守データを電気回線を介して送信する通信制御部とを有する給油所端末装置と、給油所端末装置から送信される保守データを記憶し、保守データと基準データとを比較して報知信号を生成し、保守データを回線を通して保守センターの端末装置に送信する通信制御部を有する保守データ統括装置とで構成される。
【0006】
また、特許文献2に記載の給油所システムは、給油所に設置される給油所機器と、給油所機器に接続される給油所用販売装置と、給油所機器と給油所用販売装置との間に接続され、給油所機器又は給油所用販売装置から読み出した機器状況データを記憶する一時記憶手段及びアクセス許可のためのIDコードを認証するための認証手段を有する機器状況サーバと、機器状況サーバに接続され、ネットワークを介してデータ送受信する送受信装置と、前記ネットワークに接続される監視端末とを備え、各給油機器は、所定の保守条件に達したときに、機器状況サーバを介して監視端末へ報知する点検報知手段を有する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記従来の給油装置の遠隔保守システム等においては、遠隔地において、給油所装置の点検や修理に必要な保守作業や交換部品を事前に予測することができるものの、給油所と保守センター及び監視センターとが別組織であるため、保守センター等から異常発生を伝える旨の連絡を受けてから対応するため、給油所機器等の運転の継続を妨げる状態が発生した場合に迅速に対応することが困難であるという問題があった。また、これに伴い国内の給油所を一括管理することも困難であった。
【0008】
そこで、本発明は、上記従来の技術における問題点に鑑みてなされたものであって、給油所機器等の運転の継続を妨げる状態が発生した場合に迅速に対応することができるとともに、国内の給油所の一括管理などを容易に行うことのできる監視システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は、給油所の集中監視システムであって、給油所機器と、該給油所機器に接続される給油所用販売装置とに接続され、前記給油所機器及び給油所用販売装置から、該給油所機器及び給油所用販売装置の保守に関するデータを受信して記憶する集中監視装置と、該集中監視装置とデータ送受信可能に接続され、前記集中監視装置から、前記保守に関するデータを受信して記憶し、該保守に関するデータに含まれ、前記給油所機器又は/及び給油所用販売装置の運転の継続を妨げる状態を示すデータを携帯端末に転送する集中監視サーバとを備えることを特徴とする。ここで、給油所機器又は/及び給油所用販売装置の運転の継続を妨げる状態とは、給油所機器等の故障、各種データの異常検知、地下タンクの漏洩、交換部品の不足等によって、給油所機器等が、即座に、又は近い将来運転を継続することができなくなる状態をいう。
【0010】
そして、本発明によれば、給油所機器又は/及び給油所用販売装置の運転の継続を妨げる状態となった場合に、該給油所機器等を設置した給油所を担当する作業員等の携帯端末に該状態を示すデータを送信するため、迅速な対応が可能で、給油所の安定運転を継続することができる。
【0011】
前記給油所の集中監視システムにおいて、前記集中監視サーバは、前記データ転送後に、前記携帯端末から、前記転送データの内容を確認したことを示す確認完了データを受信することができる。これにより、集中監視サーバから作業員等の携帯端末に転送データが届いたことを確認することができる。
【0012】
前記給油所の集中監視システムにおいて、前記集中監視サーバは、前記確認完了データを受信した後、前記携帯端末から、転送データの内容に基づいて対応したことを示す対応完了データを受信することができる。これにより、作業員等が転送データの内容に基づいて対応したことを確認することができる。
【0013】
前記給油所の集中監視システムにおいて、前記集中監視サーバは、前記データ転送後に、所定期間経過しても前記携帯端末から前記確認完了データを受信しない場合には、再度前記データ転送を行うことができる。これにより、給油所機器等の運転の継続を妨げる状態となったことを示すデータを確実に作業員等に送信することができる。
【0014】
前記給油所の集中監視システムにおいて、前記集中監視サーバとデータ送受信可能に接続され、前記携帯端末への転送データと同一のデータを受信するとともに、該集中監視サーバに記憶される前記保守に関するデータを確認可能なサポートセンターを備えることができる。これにより、より迅速に故障等に対応することができるとともに、国内の給油所の一括管理を容易に行うことができる。
【0015】
前記給油所の集中監視システムにおいて、監視すべき複数の給油所に各々設置される前記集中監視装置からの保守に関するデータを記憶する前記集中監視サーバとデータ送受信可能に接続され、該集中監視サーバに記憶される保守に関するデータを確認可能な監視装置を備えることができる。これにより、給油所を担当する作業員等や、サポートセンター以外の、複数の給油所を有する燃料油の元売側や特約店でも各給油所の情報を得ることが可能になる。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明によれば、給油所機器等の故障、各種データの異常検知、地下タンクの漏洩、交換部品の不足等、給油所機器等の運転の継続を妨げる状態が発生した場合に迅速に対応することができるとともに、国内の給油所の一括管理などを容易に行うことのできる監視システムを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明にかかる給油所の集中監視システムの一実施の形態を示すフローチャートである。
【図2】図1に示す給油所の集中監視システムの詳細を示すフローチャートである。
【図3】本発明にかかる集中監視サーバが生成するエラー内容を記載した電子メールの一例を示す概略図である。
【図4】本発明にかかる給油所の集中監視システムのエラー対応動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明にかかる給油所の集中監視システムの保守管理動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明にかかる給油所の集中監視システム1の一実施の形態を示し、このシステム1は、大別して、給油所に設置される計量機10(10A〜10C)と、洗車機30と、液量監視装置40と、液化回収装置50とからなる各給油所機器と、POS等から構成される給油所用販売装置(POS端末)60と、地下タンク20(20A〜20C)とを集中監視するために備えられ、各給油所機器と給油所用販売装置60との間に配置され、両者とデータ送受信可能に接続される集中監視装置70と、集中監視装置70とインターネット等のネットワークを介して接続される集中監視サーバ(以下、「サーバ」と略称する)80と、サーバ80とネットワークを介して接続されるサポートセンター90、携帯端末100及び監視装置110とで構成される。
【0020】
図1及び図2に示すように、計量機10は、燃料油を供給するための給油所機器の一つであり、給油ノズルの掛け外しを検出するノズルスイッチ12と、給油量を計数するための流量計に設けられパルス発振器13と、油漏れを検出するピットリークセンサ14等からの信号に基づいて、給油ポンプ15や表示器16等を制御するとともに、給油情報を記憶したり点検報知等の制御を行う計量機制御装置11とで構成される。
【0021】
上記計量機制御装置11は、パルス発振器13からの流量パルスを計数することで得られる給油量、ノズルスイッチ12のオン・オフを計数することで得られる給油回数等の機器稼働に関する情報を記憶する給油情報記憶手段と、交換又は保守時期を報知するためにノズルスイッチ12のオンからオフまでの時間又は給油ポンプ15の駆動時間を計測する計時手段と、規定の給油量、給油回数又はポンプの駆動時間に達した時、あるいはピットリークセンサ14からの出力を報知するための点検報知手段と、給油機構等を制御するための給油制御プログラムとで構成される。
【0022】
洗車機30は、洗車工程の選択等を行う設定キー32と、洗車機構を構成するブラシや洗浄液等を噴射させる洗車ポンプ33と、設定データを表示する表示器34と、これらを制御するとともに、洗車状況に関する情報を記憶したり点検報知等の制御を行う洗車機制御装置31とを備えている。
【0023】
上記洗車機制御装置31は、ブラシ摩耗検知のための洗車回数、又は洗浄液であるケミカル残量検知のための洗車工程別利用回数を記憶する洗車情報記憶手段と、規定の洗車回数又は洗車工程別利用回数に達するとブラシ交換、洗浄液補充を報知する点検報知手段と、洗車機構等を制御するための洗車制御プログラムとで構成される。尚、点検報知手段による洗浄液補充の報知は、洗浄液の在庫管理に使用され、必要に応じて給油所へ洗浄液が配達される。
【0024】
液量管理装置40は、燃料油を貯留する地下タンク20の液面を検知する液位センサ42と、燃料油の温度を検知する温度センサ43と、検知データ等を表示するための表示器44と、これらを制御するとともに、地下タンク20の仕様、液量、変化量を記憶したり、漏れ状況を検知する制御を行う液量管理制御装置41とで構成される。
【0025】
上記液量管理制御装置41は、地下タンク20の油種及び量、閉店時の単位時間毎の変化量を記憶するタンク情報記憶手段と、閉店時の単位時間毎に液位センサ42と温度センサ43とからの出力を取り込むタイミング信号を生成する計時手段と、地下タンク20における漏れの発生を報知する点検報知手段と、地下タンク20毎の容量、直径、胴長、鏡形状等のタンク仕様を記憶するタンクテーブルと、液位センサ42からの液位信号をタンクテーブルに基づいて液量に変換する液位−液量変換手段と、液量制御のための液量制御プログラムとで構成される。尚、所定のタンク残量に関する情報は、在庫管理のために使用され、必要に応じて給油所へ燃料油が配達される。
【0026】
液化回収装置50は、タンクローリから燃料油を地下タンク20内に受け入れる際の燃料油のベーパ(揮発分)を回収するために設けられ、タンクローリからの燃料油の荷卸時に発生したべーパを吸引して地下タンク20に戻すために備えられ、油面計21(21A〜21C)の液位上昇検知手段(不図示)からの受入開始信号を受信した際に、液化回収装置50を駆動するための機器駆動手段52と、ベーパの回収量を計測する回収量計測手段53とを備える。
【0027】
給油所用販売装置60は、クレジットカード等を読み取るカードリーダ62と、データ入力のためのキーボード63と、伝票を印字するプリンタ64と、入力データや各給油所機器から送信されるデータ等を表示するための表示器65と、これらを制御するとともに、各給油所機器の異常や、保守に必要な機器状況に関する情報を記憶したり、各種の報知を行うPOS制御装置61とで構成される。
【0028】
上記POS制御装置61は、売上げデータ、タンク残量、カードリーダ62のヘッド摩耗、プリンタ64の使用回数に基づくロール紙残量やカッター摩耗等の機器状況に関する情報を記憶するPOS情報記憶手段と、カードリーダ62のヘッドやプリンタ64のカッターが規定の使用回数に達したり、ロール紙交換の時期に達したら報知する点検報知手段と、各部を制御するためのPOS制御プログラムとを有する。
【0029】
集中監視装置70は、各給油所機器及び給油所用販売装置60の保守に関するデータを記憶するデータ記憶部と、各給油所機器、給油所用販売装置60及びサーバ80とデータ通信可能に接続される通信制御部とで構成される。
【0030】
データ記憶部は、集中監視装置70が設置されている給油所の給油所番号と、計量機10からのノズル・ホース等の消耗品の交換及び検定時期データを有する計量機消耗品情報と、液化回収装置からの回収量及び回収率からなる液化回収情報と、地下タンク20の油面計21からの在庫量、荷卸量、及び販売量を有する地下タンク情報と、油面計21経由でのタンク漏洩センサ、サンプセンサ及び土壌センサの状態を把握可能な漏洩センサ情報と、各種給油所機器の各点検報知手段からのエラー情報とを記憶する。
【0031】
通信制御部は、各種給油所機器のエラーデータを受信次第サーバ80に送信するように制御される。一方、エラーデータを受信しない場合においても、データ記憶部に記憶される各種給油所機器の情報を定期的にサーバ80に送信するように構成される。
【0032】
サーバ80は、集中監視装置70、サポートセンター90、各携帯端末100及び監視装置110とデータ送受信可能に接続される通信制御部と、集中監視装置70から受信する給油所番号に対応する給油所の名称、住所、元売及び特約店並びに、集中監視装置設置区域の担当作業員の携帯端末のメールアドレスからなる給油所基本情報を記憶するデータ記憶部と、集中監視装置70からのエラーデータに基づいて電子メールを生成する電子メール生成部と、日付及び日時管理を行うためのカレンダー部と、在庫管理情報等の報告書を作成する帳票作成部と、計量機10の販売量を油種毎に集計して各情報をサポートセンター90から閲覧可能に表示する集計・表示部とで構成される。
【0033】
電子メール作成部は、例えば、図3に示すように、エラーデータに基づいて電子メールを作成する。この電子メールには、エラーが発生した給油所の名称、住所等の給油所基本情報と、エラーが発生した給油所機器の情報とが各々記載される。
【0034】
サポートセンター90は、サーバ80だけでは対応しきれない場合、例えば、エラーデータを受信した担当作業員がエラーを解消できない場合等に他の作業員を派遣するなど、サーバ80の補助をするために設けられる。
【0035】
監視装置110は、例えば、特約店や元売等が利用する端末であって、サポートセンター90等からデータを受信しなくとも、サーバ80のデータ記憶部に記憶されるデータが集計された集計・表示部を閲覧することにより、現在の給油所の状況を自由に監視するために設けられる。
【0036】
次に、上記構成を有する給油所の集中監視システム1の保守動作について、図1乃至図4を参照しながら説明する。尚、以下の説明においては、計量機10にエラーが発生した場合を例示する。
【0037】
図2に示すように、計量機10の計量機制御装置11に設けられるピットリークセンサ14により油漏れを検出すると、計量機10の点検報知手段により、集中監視装置70に対してエラーデータを送信する。エラーデータを受信した集中監視装置70は、データ記憶部にエラー情報を記憶するとともに、サーバ80に対してエラーデータを送信する。
【0038】
エラーデータを受信したサーバ80は、データ記憶部にエラー情報を記憶するとともに、図3に示すように、エラーデータに基づいてエラー情報を記載した電子メールを作成する。
【0039】
次に、図4に示すように、作成した電子メールを、エラーデータを送信した集中監視装置70の設置区域の担当作業員の携帯端末100に送信する(ステップS1)。これにより、エラーが発生した際に、担当作業員に対してエラー内容を迅速に伝えることができる。
【0040】
エラー内容を確認した担当作業員は、例えば、送信された電子メールに対して空の電子メールを返信することにより、サーバ80に対して確認メールを返信する。サーバ80がこの確認メールを受信することにより(ステップS2:Yes)、担当作業員がエラー内容を確認したことが判る。
【0041】
一方、サーバ80側で、電子メールを送信してから1時間以内に確認メールを受信できない場合には(ステップS2:No)、担当作業員がエラー内容を確認できていないと判断し、エラー内容を記載した電子メールを再送する(ステップS3)。尚、電子メールを所定回数再送しても確認メールを受信できない場合には、サポートセンター90において、他の作業員を派遣するなどして対応する。
【0042】
確認メールを送信した担当作業員により、油漏れ等のエラーを解消し終えると、担当作業員は、携帯端末100によってサーバ80に対し、対応内容を記載した対応完了メールを送信し、対応完了メールを受信したサーバ80は(ステップS4:Yes)、対応完了メールに記載されている情報をデータ記憶部に記憶して動作を終了する。これにより、各給油所機器のエラーを迅速に担当作業員に伝えることができるとともに、エラーへの対応も速やかに行うことができる。
【0043】
一方、サーバ80側で所定時間経過しても対応完了メールを受信できない場合には(ステップS4:No)、サポートセンター90に対してエラーデータを送信し、サポートセンター90により作業員を派遣することができる(ステップS5)。これにより、担当作業員が対応できないエラーについても迅速に対応することができる。
【0044】
次に、上記構成を有する給油所の集中監視システム1の保守動作について、図2及び図5を参照しながら説明する。尚、以下の説明では、計量機10のノズル・ホースの交換・検定時期管理を行う場合を例示する。
【0045】
図2に示すように、計量機10の計量機制御装置11に設けられる給油情報記憶手段及び計時手段により、ノズル・ホースの交換及び検定時期データを検出し、検出された交換及び検定時期データを集中監視装置70のデータ記憶部に記憶する。この情報は、サーバ80に定期的に送信され、データ記憶部にて管理される。
【0046】
図5に示すように、サーバ80のデータ記憶部に記憶される交換時期データとカレンダー部により、ノズル・ホースの交換が必要であると判断された場合には(ステップS11:Yes)、サーバ80の電子メール作成部において、交換箇所や交換時期等の交換情報を記載した電子メールを作成して給油所に送信する(ステップS12)。
【0047】
電子メールを受信した給油所の作業員は、電子メールに記載された交換情報に基づいてノズル・ホースの交換を行い、交換完了後に交換完了メールをサーバ80に送信する。サーバ80側において、交換完了メールを受信した場合には(ステップS13:Yes)、データ記憶部に記憶する交換時期データをクリアし(ステップS14)、また、集中監視装置70に記憶される交換時期データもクリアするように制御する。そして、計量機10の計量機制御装置11に設けられる給油情報記憶手段及び計時手段により、交換時期データを再生成する(ステップS15)。
【0048】
一方、サーバ80側で交換完了メールを受信できない場合には(ステップS13:No)、交換完了メールを受信するまで、給油所に対して定期的に電子メールを再送する(ステップS16)。さらに、交換時期の1日前になってもサーバ80側で交換完了メールが受信できない場合には、サポートセンター90において他の作業員を派遣するなどして対応する。
【0049】
一方、ノズル・ホースの交換時期ではない場合には(ステップS11:No)、サ−バ80は、ノズル・ホースの検定時期であるか否かを判定する(ステップS17)。ノズル・ホースの検定時期である場合には(ステップS17:Yes)、サーバ80の電子メール作成部において、検定箇所や検定時期等の検定情報を記載した電子メールを作成して給油所に送信する(ステップS18)。
【0050】
電子メールを受信した給油所の作業員は、電子メールに記載された検定情報に基づいて検定を行い、検定完了後に検定完了メールをサーバ80に送信する。サーバ80側で検定完了メールを受信した場合には(ステップS19:Yes)、データ記憶部に記憶する検定時期データをクリアし(ステップS20)、また、集中監視装置70に記憶される検定時期データもクリアするように制御する。そして、計量機10の計量機制御装置11に設けられる給油情報記憶手段及び計時手段により、検定時期データを再生成する(ステップS21)。
【0051】
一方、サーバ80側で検定完了メールを受信できない場合には(ステップS19:No)、検定完了メールを受信するまで、給油所に対して定期的に電子メールを再送する(ステップS22)。さらに、検定時期の1日前になっても、サーバ80側で交換完了メールが受信できない場合には、サポートセンター90において他の作業員を派遣するなどして対応する。
【0052】
一方、ノズル・ホースの検定時期でもない場合には(ステップS17:No)、計量機10のノズルに設けられる加速度センサ(不図示)において、ノズルの加速度を検出し、ノズルの加速度が閾値以上である場合には(ステップS23:Yes)、ノズルが落下したと判断し、サーバ80を介して担当作業員の携帯端末100に対し、ノズルの落下を伝える旨記載された電子メールを送信する(ステップS24)。
【0053】
加速度センサにおいて検出されたノズルの加速度が閾値未満である場合には(ステップS23:No)、ノズルが落下していないと判断し、計量機10のホースに設けられるひずみセンサ(不図示)において、ホースのひずみを検出する。
【0054】
ひずみセンサによって検出されたホースのひずみが閾値以上である場合には(ステップS25:Yes)、ホースを無理に引っ張った可能性があるため、サーバ80を介して担当作業員の携帯端末100に対し、ホースの故障確認を要請する旨が記載された電子メールを送信する(ステップS26)。一方、ひずみが閾値未満である場合には(ステップS25:No)、保守動作を終了する。尚、加速度センサ及びひずみセンサの検出値は、サポートセンター90からも監視することができる。
【符号の説明】
【0055】
1 集中監視システム
10(10A〜10C) 計量機
11 計量機制御装置
12 ノズルスイッチ
13 パルス発振器
14 ピットリークセンサ
15 給油ポンプ
16 表示器
20(20A〜20C) 地下タンク
21(21A〜21C) 油面計
30 洗車機
31 洗車機制御装置
32 設定キー
33 洗車ポンプ
34 表示器
40 液量管理装置
41 液量管理制御装置
42 液位センサ
43 温度センサ
44 表示器
50 液化回収装置
51 通気管
52 機器駆動手段
53 回収量計測手段
60 給油所用販売装置
61 POS制御装置
62 カードリーダ
63 キーボード
64 プリンタ
65 表示器
70 集中監視装置
80 サーバ
90 サポートセンター
100 携帯端末
110 監視装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給油所機器と、該給油所機器に接続される給油所用販売装置とに接続され、前記給油所機器及び給油所用販売装置から、該給油所機器及び給油所用販売装置の保守に関するデータを受信して記憶する集中監視装置と、
該集中監視装置とデータ送受信可能に接続され、前記集中監視装置から、前記保守に関するデータを受信して記憶し、該保守に関するデータに含まれ、前記給油所機器又は/及び給油所用販売装置の運転の継続を妨げる状態を示すデータを携帯端末に転送する集中監視サーバとを備えることを特徴とする給油所の集中監視システム。
【請求項2】
前記集中監視サーバは、前記データ転送後に、前記携帯端末から、前記転送データの内容を確認したことを示す確認完了データを受信することを特徴とする請求項1に記載の給油所の集中監視システム。
【請求項3】
前記集中監視サーバは、前記確認完了データを受信した後、前記携帯端末から、転送データの内容に基づいて対応したことを示す対応完了データを受信することを特徴とする請求項2に記載の給油所の集中監視システム。
【請求項4】
前記集中監視サーバは、前記データ転送後に、所定期間経過しても前記携帯端末から前記確認完了データを受信しない場合には、再度前記データ転送を行うことを特徴とする請求項2に記載の給油所の集中監視システム。
【請求項5】
前記集中監視サーバとデータ送受信可能に接続され、前記携帯端末への転送データと同一のデータを受信するとともに、該集中監視サーバに記憶される前記保守に関するデータを確認可能なサポートセンターを備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の給油所の集中監視システム。
【請求項6】
監視すべき複数の給油所に各々設置される前記集中監視装置からの保守に関するデータを記憶する前記集中監視サーバとデータ送受信可能に接続され、該集中監視サーバに記憶される保守に関するデータを確認可能な監視装置を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の給油所の集中監視システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2011−148526(P2011−148526A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−11539(P2010−11539)
【出願日】平成22年1月22日(2010.1.22)
【出願人】(000151346)株式会社タツノ・メカトロニクス (167)
【Fターム(参考)】