給紙ユニットおよび画像形成システム
【課題】画像形成装置への用紙の給紙経路が長い場合でも用紙曲がりや片寄りの発生を防止する。
【解決手段】制御部は、プレフィードモードが設定され、印刷ジョブが開始されると、画像形成装置までの用紙搬送経路が最も短い給紙装置の用紙設定条件に適合する用紙が収容された給紙トレイを選択し、選択した給紙トレイから画像形成装置に給紙を行う。また、制御部は、給紙により給紙トレイ内の用紙が無くなると(S200)、隣接する給紙装置の用紙設定条件に適合した用紙がセットされた給紙トレイを選択し、空となった給紙トレイ230に用紙Pの補給を開始する(S210)。このとき、給紙装置300,400の給紙トレイ320,410から給紙装置200の給紙トレイ230への用紙Pの搬送速度V2が、給紙装置200から画像形成装置100に用紙Pを搬送する際の給紙線速V1よりも低速となるようモータ等の駆動部の動作を制御する。
【解決手段】制御部は、プレフィードモードが設定され、印刷ジョブが開始されると、画像形成装置までの用紙搬送経路が最も短い給紙装置の用紙設定条件に適合する用紙が収容された給紙トレイを選択し、選択した給紙トレイから画像形成装置に給紙を行う。また、制御部は、給紙により給紙トレイ内の用紙が無くなると(S200)、隣接する給紙装置の用紙設定条件に適合した用紙がセットされた給紙トレイを選択し、空となった給紙トレイ230に用紙Pの補給を開始する(S210)。このとき、給紙装置300,400の給紙トレイ320,410から給紙装置200の給紙トレイ230への用紙Pの搬送速度V2が、給紙装置200から画像形成装置100に用紙Pを搬送する際の給紙線速V1よりも低速となるようモータ等の駆動部の動作を制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
画像形成装置に用紙を給紙する複数の給紙装置を備えた給紙ユニットおよび画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プリンタやスキャナ、コピー機、ファックス等の機能を兼ねた多機能な画像形成装置が広く使用されている。この画像形成装置においては、印刷動作の高速化を目的として、画像を形成するためのイメージデータの作成が終了する前に、そのイメージデータの画像を転写する用紙サイズの用紙を画像形成ユニットの直前まで搬送するプレフィード機能を備えたものが利用されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、イメージデータの作成中に、後に開始された他のイメージデータの作成が完了した場合に、先に画像形成ユニットにプレフィードした用紙を退避トレイに一時的に搬送保持し、作成が完了した他のイメージデータの画像形成処理を優先的に処理し、その画像形成終了後に、退避トレイ上に保持した用紙の再給紙を行う画像形成装置が提案されている。この画像形成装置によれば、イメージデータの作成時間の短い機能の印刷待ち時間を最小限に抑え、複合機全体としての印刷効率の向上を図ることができるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平09−151040号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1等に開示される画像形成装置のプレフィード機能では以下のような問題がある。すなわち、上記画像形成装置では、作成時間の短いイメージデータを優先して処理する場合、先に画像形成ユニットにプレフィードした用紙を画像形成ユニットに最も近い位置のトレイ(退避トレイ)に退避させ、作成時間の短いイメージデータを転写するための用紙を他のトレイから画像形成ユニットに給紙している。そのため、例えば、最も下段の給紙トレイから画像形成ユニットに用紙を給紙する場合には、用紙の紙搬送経路が長くなってしまい、画像形成ユニットに用紙が搬送されるまでに用紙の片寄りや曲がり等が発生してしまう場合がある。
【0006】
特に近年の印刷市場においては、大量印刷の需要に応じて、大容量の給紙装置を複数台連結させたものや大型の給紙装置が使用されるようになってきている。これに伴い、給紙装置から画像形成装置までの紙搬送距離も、連結する給紙装置の台数や装置の大きさに応じて長くなっている。そのため、上述したような従来のプレフィード機能では、例えば画像形成装置から離れた位置に設置された給紙装置から用紙を給紙する場合には、給搬送距離が長くなってしまい、画像形成装置に搬送されるまでの間に用紙片寄りや曲がり等が発生し易いという問題があった。その結果、搬送位置精度の確保やジャム等の給送信頼の低下を招いてしまうという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、用紙の給紙経路が長い場合でも用紙曲がりや片寄りの発生を防止することが可能なプレフィード機能を備えた給紙ユニットおよび画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る給紙ユニットは上記課題を解決するものであり、2以上の給紙装置が接続され、当該給紙装置から画像を形成する画像形成装置に用紙を給紙する給紙ユニットであって、用紙の条件を示す用紙設定条件に適合する用紙が収容された複数の給紙部と、複数の給紙部に収容された用紙を搬送するための搬送部と、画像形成装置までの用紙搬送経路が短い給紙装置に設けられ、他の給紙装置の給紙部から補給される用紙設定条件に適合した用紙を収容して画像形成装置に給紙する用紙補給部と、画像形成装置までの用紙搬送経路が短く、かつ、用紙設定条件に適合する用紙が収容された給紙部を選択して画像形成装置に給紙を行うと共に、用紙設定条件に適合する用紙が収容された他の給紙装置から用紙補給部に用紙を補給するプレフィード動作を行う制御部とを備え、制御部は、プレフィード動作において、用紙補給部に用紙を搬送するときの用紙の搬送速度を、給紙部から画像形成装置へ用紙を搬送する給紙線速よりも低速となるよう搬送部を制御するものである。
【0009】
本発明において、給紙ユニットの制御部は、プレフィード動作が選択されると、画像形成装置までの用紙搬送経路が短く、かつ、用紙設定条件に適合する用紙が収容された給紙部を選択し、選択した給紙部から画像形成装置に給紙を行う。例えば、画像形成装置に隣接して配置された給紙装置の給紙部を用紙搬送経路の短い給紙部として選択する。用紙設定条件とは、用紙サイズ、坪量、紙種等の条件であり、例えば画像形成装置に設けられた操作表示部の入力操作によりユーザが設定可能である。
【0010】
また、制御部は、用紙設定条件に適合する用紙の画像形成装置への給紙が開始されると、画像形成装置までの用紙搬送経路が短い給紙装置に設けられた用紙補給部に、他の給紙装置の給紙部から用紙設定条件に適合した用紙を補給する。用紙補給部としては、例えば、画像形成装置への給紙により用紙が無くなった給紙部や、給紙装置内に設けられた画像形成装置に用紙を搬送するための搬送経路等が挙げられる。用紙の補給時において制御部は、隣接する給紙装置の給紙部から用紙補給部としての給紙部への用紙の搬送速度が、給紙部から画像形成装置に用紙を搬送する給紙線速よりも低速となるようモータ等の駆動部や搬送ローラ等の搬送部の動作を制御する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、プレフィード動作において、用紙補給部としての給紙部への用紙の搬送速度が、給紙部から画像形成装置に用紙を搬送する給紙線速よりも低速となるよう搬送部を制御するので、補給用の用紙を搬送する際の用紙の片寄りや斜行を防止することができる。その結果、搬送位置精度を確保できると共に、ジャム等の発生による給送信頼の低下を回避することができる。
【0012】
また、本発明によれば、プレフィード動作では、用紙設定条件に適合する用紙を、画像形成装置への用紙搬送経路が短い用紙補給部に補給するので、画像形成装置に近い給紙部から用紙を画像形成装置に常時給紙することができる。これにより、用紙補給時の用紙搬送距離を短くできるので、画像形成装置に用紙を給紙する際の用紙の片寄りや斜行を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成システムの構成例を示す図である。
【図2】(A)および(B)は、給紙トレイの構成例を示す図である。
【図3】画像形成システムの構成例を示すブロック図である。
【図4】給紙ユニットの動作の一例を示すフローチャートである(その1)。
【図5】給紙ユニットの動作の一例を示すフローチャートである(その2)。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る画像形成システムの構成例を示す図である。
【図7】画像形成システムの構成例を示すブロック図である。
【図8】給紙ユニットの動作の一例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係る給紙ユニットの動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、発明を実施するための最良の形態(以下実施の形態とする)について説明する。
<1.第1の実施の形態>
[画像形成システムの構成例]
本発明の第1の実施の形態に係る画像形成システムGS1は、図1に示すように、画像形成装置100と給紙ユニット500と中間搬送装置600と後処理装置700とを備えている。この画像形成システムGS1は、給紙ユニット500から画像形成装置100に用紙Pを給紙する給紙モードとして、例えば通常給紙モードとプレフィードモードとを有している。
【0015】
通常給紙モードとは、従来から行われている給紙方法であり、用紙サイズ、坪量、紙種等の用紙設定条件に適合する給紙装置200〜400の各給紙トレイから順番に画像形成装置100に対して用紙Pの給紙を直接行うモードである。プレフィードモードとは、画像形成装置100に近い給紙装置200の用紙設定条件に適合する給紙トレイから画像形成装置100に用紙Pの給紙を開始し、給紙により給紙トレイ内が空になったとき、給紙装置200の用紙設定条件に適合する他の給紙トレイから画像形成装置100への給紙を開始すると共に、隣接する給紙装置300,400の用紙設定条件に適合する給紙トレイから給紙装置200の空となった給紙トレイに用紙Pを補給するモードである。
【0016】
(給紙ユニット)
給紙ユニット500は、図1に示すように、用紙Pの搬送方向D1に沿って直列に連結された複数の給紙装置200,300,400を備えている。本例のプレフィードモードにおいては、給紙装置200は、画像形成装置100までの紙搬送経路の距離が他の給紙装置300,400よりも短いことから、画像形成装置100に用紙Pを給紙する給紙装置として用いられる。これに対し、給紙装置300,400は、画像形成装置100までの紙搬送経路の距離が給紙装置200に比べて長くなることから、給紙装置200に用紙Pを補給する補給装置として用いられる。このような給紙制御により、短い紙搬送経路で用紙Pを画像形成装置100に搬送できるので、搬送時における用紙曲がりや片寄りの発生を効果的に防止できるようになる。
【0017】
給紙装置200は、図1に示すように、画像形成装置100と給紙装置300との間に配置され、画像形成装置100までの搬送経路の距離が最も短い給紙装置となっている。この給紙装置200は、給紙トレイ210,220,230と、補給用搬送経路212,222,232と、経由搬送経路240と、給紙用搬送経路214,224,234と、経路切換部242,244と、補給用搬送部290と給紙用搬送部292とを有している。
【0018】
給紙トレイ210,220,230は、各種サイズの用紙Pを収容するものであり、本例では、給紙トレイ210に例えばA3の用紙Pがセットされ、給紙トレイ220に例えばA4の用紙Pがセットされ、給紙トレイ230に例えばA3の用紙Pがセットされている。なお、図1では、A3の用紙Pがセットされている給紙トレイを灰色(色塗り)で示している。また、給紙トレイ210,220,230のうち用紙設定条件に適合する用紙Pがセットされると共に給紙により空となる給紙トレイは、用紙補給部の一例を構成している。
【0019】
図2は給紙トレイ210の構成の一例を示し、図2(A)は給紙トレイ210内に少量の用紙Pが収容された状態を示し、図2(B)は給紙トレイ210内が用紙Pで満タンに満たされている状態を示している。給紙トレイ210は、用紙Pが積載される毎に用紙Pの自重によりリフトダウンする構成とされている。給紙トレイ210の搬送方向上流側(補給側)の上端部には上限検知センサ216が設置され、給紙トレイ210の補給側の下端部には残量検知センサ218が設置されている。上限検知センサ216は、例えば反射型センサにより構成され、給紙トレイ210内が満タンであるか否かを検知する。残量検知センサ218は、例えば反射型センサにより構成され、給紙トレイ210内に用紙Pが残っているか否かを検知する。なお、上限検知センサ216は第1の検知部の一例であり、残量検知センサ218は第2の検知部の一例を構成している。
【0020】
図1に戻り、経由搬送経路240は、給紙トレイ220と給紙トレイ230との間であって、給紙装置200の搬入口から搬出口の間に延設され、通常給紙モード時において給紙装置300,400から搬送される用紙Pを画像形成装置100に直接搬送するための経路として用いられる。
【0021】
補給用搬送経路212は、プレフィードモードの実行時に、隣接した給紙装置300,400から補給される用紙Pを上段に設置された給紙トレイ210に搬送するための補給経路であり、経由搬送経路240に設けられた分岐部241から分岐して給紙トレイ210の上方の搬入口まで延在している。この補給用搬送経路212は、例えば一対のガイド板等により構成される。
【0022】
補給用搬送経路222は、プレフィードモードの実行時に、隣接した給紙装置300,400から補給される用紙Pを中段に設置された給紙トレイ220に搬送するための補給経路であり、補給用搬送経路212に設けられた分岐部243から分岐して給紙トレイ220の上方の搬入口まで延在している。この補給用搬送経路222は、例えば一対のガイド板等により構成される。
【0023】
補給用搬送経路232は、プレフィードモードの実行時に、隣接した給紙装置300,400から補給される用紙Pを下段に設置された給紙トレイ230に搬送するための補給経路であり、経由搬送経路240に設けられた分岐部241から分岐して給紙トレイ230の上方の搬入口まで延在している。この補給用搬送経路232は、例えば一対のガイド板等により構成される。
【0024】
経路切換部242は、経由搬送経路240の上流側(搬入口側)の分岐部241に設けられ、後述する制御部250の切り換え制御に基づいて補給用搬送経路212,232または経由搬送経路240の何れかの経路に切り換えて用紙Pを搬送する。経路切換部244は、給紙トレイ220の搬入口よりも上流側の補給用搬送経路212上の分岐部243に設けられ、制御部250の切り換え制御に基づいて補給用搬送経路212または補給用搬送経路222の何れかの経路に切り換えて用紙Pを搬送する。
【0025】
補給用搬送部290は、例えば複数の搬送ローラにより構成され、補給用搬送経路212,222,232のそれぞれの経路上に設けられている。補給用搬送部290は、後述する補給用駆動部260の駆動により回転し、隣接する給紙装置300,400から搬送される補給用の用紙Pを給紙トレイ210,220,230のそれぞれに搬送する。
【0026】
給紙用搬送経路214は、給紙トレイ210にセットされている用紙Pを画像形成装置100に給紙するための経路であり、給紙トレイ210の上方の搬出口から経由搬送経路240に設けられた合流部246まで延在している。この給紙用搬送経路214は、例えば一対のガイド板等により構成される。
【0027】
給紙用搬送経路224は、給紙トレイ220にセットされている用紙Pを画像形成装置100に給紙するための経路であり、給紙トレイ220の上方の搬出口から経由搬送経路240に設けられた合流部246まで延在している。この給紙用搬送経路224は、例えば一対のガイド板等により構成される。
【0028】
給紙用搬送経路234は、給紙トレイ230にセットされている用紙Pを画像形成装置100に給紙するための経路であり、給紙トレイ230の上方の搬出口から経由搬送経路240に設けられた合流部246まで延在している。この給紙用搬送経路234は、例えば一対のガイド板等により構成される。
【0029】
給紙用搬送部292は、例えば複数の搬送ローラにより構成され、給紙用搬送経路214,224,234および経由搬送経路240のそれぞれの経路上に設けられている。給紙用搬送部292は、後述する給紙用駆動部262の駆動により回転し、隣接する給紙装置300,400から搬送される用紙Pや、給紙トレイ210,220,230に収容されている用紙Pを画像形成装置100に搬送する。
【0030】
給紙装置300は、図1に示すように、給紙装置200と給紙装置400との間に配置され、給紙トレイ310,320,330と、経由搬送経路340と、給紙用搬送経路314,324,334と、給紙用搬送部392とを有している。給紙トレイ320(色塗り)には、例えばA3の用紙Pがセットされている。この給紙装置300は、給紙装置200とは補給用搬送経路212,222,232、経路切換部242,244および補給用搬送部290が設けられていない点が相違するのみで、その他の構成は共通しているため詳細な説明は詳細する。
【0031】
給紙装置400は、図1に示すように、給紙装置300の給紙装置200とは反対側の側面部に配置され、給紙トレイ410,420,430と、経由搬送経路440と、給紙用搬送経路414,424,434と、給紙用搬送部492とを有している。給紙トレイ410(色塗り)には、例えばA3の用紙Pがセットされている。この給紙装置400は、給紙装置200とは補給用搬送経路212,222,232、経路切換部242,244および補給用搬送部290が設けられていない点が相違するのみで、その他の構成は共通しているため詳細な説明は詳細する。
【0032】
(画像形成装置)
画像形成装置100は、給紙装置200と中間搬送装置600との間に配置され、操作表示部160と画像形成部110と複数の給紙トレイ120とを有している。操作表示部160は、画像形成装置100の筐体上面部に取り付けられ、所定の画像形成条件等を入力することができるようになっている。給紙トレイ120は、A4やA3等の用紙Pを収容するものであり、画像形成の開始時に給紙ローラや搬送ローラによって給紙トレイ120から用紙Pを取り出して画像形成部110に搬送する。
【0033】
画像形成部110は、例えば感光体ドラムにより所定のトナー像が転写される中間転写ベルト等を有し、給紙トレイ120や他の給紙装置200〜400等から給紙される用紙Pに所定の画像を転写して後段の中間搬送装置600に搬送する。なお、図1において、露光、現像等を行う画像形成ユニットや用紙Pの定着処理を行う定着装置等の詳細な構成については便宜上省略している。
【0034】
(中間搬送装置)
中間搬送装置600は、画像形成装置100と後処理装置700との間に配置され、画像形成装置100から排紙される用紙Pを複数重ね合わせて一時集積し、集積した用紙Pの表裏を反転機構により反転させた後に後段の後処理装置700に搬送する。もちろん、一枚毎の用紙Pの表裏を反転させて後処理装置700に搬送することもできるし、バイパス経路により用紙Pの表裏を反転させずに後処理装置700に搬送することもできる。
【0035】
(後処理装置)
後処理装置700は、中間搬送装置600の画像形成装置100とは反対側の側面部に配置され、中間搬送装置600から搬送される用紙Pに対して、ステープル処理や、パンチ処理、折り処理、平綴じ処理、中折り中綴じ処理、糊付け製本処理、断裁処理機等を行い、これらの処理を行った用紙Pを排出トレイ上に排出して積載する。
【0036】
[画像形成システムのブロック構成例]
図3は、画像形成システムGS1のブロック構成の一例を示している。図3に示すように、画像形成システムGS1は、給紙装置200,300,400と画像形成装置100とを備えている。なお、図3において、中間搬送装置600および後処理装置700の構成については便宜上省略している。
【0037】
(給紙装置)
給紙装置200は、装置全体の動作を制御する制御部250を備えている。制御部250は、CPU(Central Processing Unit)252とROM(Read Only Memory)254とRAM(Random Access Memory)256とを有している。CPU252は、ROM254から読み出したプログラムやデータをRAM256上に展開してプログラムを起動することで、給紙装置300,400から給紙装置200に用紙Pを補給するプレフィードモードや、各給紙装置200,300,400から画像形成装置100に用紙Pを直接給紙する通常給紙モード等を実行する。
【0038】
ROM254等のメモリ部には、プレフィードモード時に用いられる、給紙装置200の各給紙トレイ210〜230から画像形成装置100までの紙搬送経路の距離を示す距離データが給紙トレイ210〜230毎に記憶される。また、給紙装置200の各給紙トレイ210,220,230、給紙装置300の各給紙トレイ310,320,330、給紙装置400の各給紙トレイ410,420,430にセットされた用紙Pの用紙サイズ、坪量、紙種等の用紙情報が給紙トレイ毎に対応付けられて記憶される。
【0039】
制御部250には、給紙トレイ210と経路切換部242,244と補給用駆動部260と給紙用駆動部262と通信部270とがそれぞれ接続されている。なお、給紙トレイ220,230については、給紙トレイ210と同様の構成および機能を有するため、便宜上説明を省略している。
【0040】
給紙トレイ210は、上限検知センサ216と残量検知センサ218とを備えている。上限検知センサ216は、給紙トレイ210に収容される用紙Pが上限位置(枚数)に達したときに最上面に積載された用紙Pを検知し、この検知により得られた検知信号を制御部250に供給する。残量検知センサ218は、給紙トレイ210内に用紙Pが満タンに充填されて用紙Pが最下端までリフトダウンしたときに給紙トレイ210の最下端の用紙Pを検知し、この検知により得られた検知信号を制御部250に供給する。例えば、上限検知センサ216および残量検知センサ218の双方がオンのとき給紙トレイ210内は満タンであり、上限検知センサ216および残量検知センサ218の双方がオフのとき給紙トレイ210内は空であり、残量検知センサ218のみがオンのとき給紙トレイ210内に用紙Pが残った状態となる。
【0041】
補給用駆動部260は、例えばステッピングモータ等により構成され、制御部250から供給される駆動信号に基づいて各補給用搬送経路212,222,232に設けられた補給用搬送部290を回転させて、隣接する給紙装置300,400から搬送される用紙Pを各給紙トレイ210,220,230のそれぞれに補給する。なお、本例では、一つの補給用駆動部260を用いているが、補給用搬送経路212,222,232のそれぞれに補給用駆動部260を設けても良い。
【0042】
給紙用駆動部262は、例えばステッピングモータ等により構成され、制御部250から供給される駆動信号に基づいて各給紙用搬送経路214,224,234に設けられた給紙用搬送部292を回転駆動させて、各給紙トレイ210,220,230のそれぞれから用紙Pを画像形成装置100に給紙する。なお、本例では、給紙用駆動部262を単一で構成しているが、給紙用搬送経路214,224,234のそれぞれに給紙用駆動部262を設け、各経路毎に搬送部を独立に回転駆動させるように構成しても良い。
【0043】
経路切換部242は、制御部250から供給される切換信号に基づいて、補給用搬送経路212,222,232または経由搬送経路240の何れかの経路に切り換える。この経路切換部242は、例えば、図示しないソレノイドやステッピングモータ等によって駆動される。経路切換部244は、制御部250から供給される切換信号に基づいて、補給用搬送経路212,222の何れかの経路に切り換える。この経路切換部244は、例えば、図示しないソレノイドやステッピングモータ等によって駆動される。
【0044】
通信部270は、例えばシリアル通信インタフェース等により構成され、隣接する画像形成装置100の制御部150に接続されると共に、隣接する給紙装置200の通信部270に接続され、画像形成装置100や給紙装置300との間でデータの双方向通信を行う。
【0045】
給紙装置300は、制御部350と給紙トレイ310と給紙用駆動部362と通信部370とを備えている。なお、給紙装置200の構成と共通する部分については簡略化して説明する。給紙トレイ310は、上限検知センサ316と残量検知センサ318とを有し、給紙トレイ310内の用紙Pの満タン状態や空状態を検知する。なお、給紙トレイ320,330についても、給紙トレイ310と同様の構成および機能を有している。
【0046】
制御部350は、プレフィードモードにおいて、給紙装置200の制御部250から用紙設定条件に適合する用紙Pの補給命令が通信部370等を介して供給されると、用紙設定条件に適合する用紙Pがセットされた給紙トレイ310,320,330を選択し、給紙用駆動部362を駆動させることにより選択した給紙トレイ310,320,330から補給用の用紙Pを取り出して給紙装置200に搬送する。
【0047】
給紙装置400は、制御部450と給紙トレイ410と給紙用駆動部462と通信部470とを備えている。なお、給紙装置200の構成と共通する部分については簡略化して説明する。給紙トレイ410は、上限検知センサ416と残量検知センサ418とを有し、給紙トレイ410内の用紙Pの満タン状態や空状態を検知する。なお、給紙トレイ420,430についても、給紙トレイ410と同様の構成および機能を有している。
【0048】
制御部450は、プレフィードモードにおいて、給紙装置200の制御部250から用紙設定条件に適合する用紙Pの補給命令が通信部470等を介して供給されると、用紙設定条件に適合する用紙Pがセットされた給紙トレイ410,420,430を選択し、給紙用駆動部462を駆動させることにより選択した給紙トレイ410,420,430から補給用の用紙Pを取り出して給紙装置200に搬送する。
【0049】
(画像形成装置)
画像形成装置100は、装置全体の動作を制御する制御部150を備えている。制御部150は、CPU152とROM154とRAM156とを有している。CPU152は、ROM154から読み出したプログラムやデータをRAM156上に展開してプログラムを起動することで、画像形成装置100の各部の動作を制御して画像形成処理を実行する。
【0050】
制御部150には、操作表示部160と画像形成部110とメモリ部164と駆動部166と給紙部168と通信部170とがそれぞれ接続されている。操作表示部160は、液晶パネル等からなる表示装置と静電容量方式や抵抗膜方式等からなる位置入力装置とが組み合わされて構成されたタッチパネルであって、例えば画像形成の際の所定の条件の設定を受け付けたり、プレフィードモードの有無の設定等を受け付けて、これらの入力に応じた操作信号を制御部150に供給する。
【0051】
画像形成部110は、感光体ドラム、帯電装置、レーザユニット、現像装置および定着装置等を有し、制御部150から供給される制御信号に基づいて感光体ドラム等の動作を制御して例えば電子写真方式等により用紙P上に所定の画像を形成する。メモリ部164は、例えば不揮発性の半導体素子やHDD(Hard disk drive)等から構成され、制御部150から供給される制御信号に基づいて画像読取部により生成された画像データ等を一時的に記憶する。
【0052】
駆動部166は、例えばステッピングモータ等により構成され、制御部150から供給される駆動信号に基づいて回転駆動する。これにより、駆動部166に接続された搬送ローラが回転して用紙Pが搬送経路に沿って搬送される。給紙部168は、複数の給紙トレイ120に設けられた給紙ローラ等を有し、制御部150から供給される制御信号に基づいて各給紙トレイ120から用紙Pを取り出して画像形成部162に搬送する。
【0053】
通信部170は、例えばシリアル通信インタフェース等により構成され、隣接する給紙装置200の通信部270に接続されると共に図示しない中間搬送装置600の通信部に接続され、給紙装置200や中間搬送装置600との間でデータの双方向通信を行う。
【0054】
[給紙ユニットの動作例]
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る給紙ユニット500の動作の一例を示すフローチャートである。なお、以下の説明では、図1に示した給紙状態を前提として給紙ユニット500の動作について説明する。また、以下では、給紙装置200の制御部250がメインとなり、他の制御部と連動して給紙制御を行う例を説明する。
【0055】
図4に示すように、ステップS100で給紙装置200の制御部250は、印刷ジョブが開始されたか否かを判断する。例えば、制御部250は、画像形成装置100の制御部50から印刷ジョブの開始を示すジョブ情報が送信されたか否かにより判断する。このジョブ情報には、用紙サイズ、坪量、紙種等を含む用紙設定条件情報や、画像形成の開始を示すジョブ開始、プレフィードモードの設定の有無を示す給紙情報等が含まれている。給紙装置200の制御部250は、印刷ジョブが開始されたと判断した場合にはステップS110に進み、印刷ジョブが開始されていないと判断した場合には印刷ジョブが開始されるまで待機状態となる。
【0056】
ステップS110で給紙装置200の制御部250は、印刷ジョブが開始されると、画像形成装置100から送信される用紙設定条件情報に基づいて給紙装置200の給紙トレイ210〜230がプレフィード可能条件を満たしているか否かを判断する。つまり、用紙設定条件に適合する用紙Pがセットされた給紙トレイが給紙装置200に存在するか否かを判断する。制御部250は、給紙装置200がプレフィード可能条件を満たしていると判断した場合にはステップS120に進み、プレフィード可能条件を満たしていないと判断した場合にはステップS140に進む。
【0057】
プレフィード可能条件を満たしている場合、ステップS120で給紙装置200の制御部250は、プレフィードモードの実施が設定されているか否かを判断する。本例では、給紙モードのデフォルトが通常給紙モードに設定されており、給紙の信頼性を向上させたい等の場合に、ユーザが画像形成装置100の操作表示部160の選択操作を行うことでプレフィードモードを設定できるように構成されている。制御部250は、例えばジョブ情報に含まれる給紙情報に基づいて給紙モードがプレフィードモードに設定されているか否かを判断する。制御部250は、プレフィードモードの実施が設定されていると判断した場合にはステップS130に進み、プレフィードモードの実施が設定されていないと判断した場合にはステップS140に進む。なお、上記ステップS110とステップS120の処理動作は、逆であっても良い。すなわち、プレフィード機能実施が設定されているか否かを判断した後に、各給紙装置200がプレフィード可能条件を満たしているか否かを判断しても良い。
【0058】
ステップS130で給紙装置200の制御部250は、プレフィードモードを実行する。プレフィードモードでは、後述する図5に示すフローチャートに移行して各ステップの動作を実行する。詳細については後述する。
【0059】
一方、ステップS110でプレフィード可能条件を満たしていない場合や、ステップS120でプレフィードモードの実施が設定されていない場合には、ステップS140で通常給紙モードを実行する。具体的には、画像形成装置100に最も近い位置に配置された給紙装置200の用紙設定条件に適合する用紙Pがセットされた給紙トレイ210,230から給紙を開始する。そして、これらの給紙トレイ210,230内の用紙Pが無くなったら、隣接する給紙装置300,400の用紙設定条件に適合する用紙Pがセットされた給紙トレイ320,410から給紙装置200を経由して画像形成装置100に用紙Pを直接給紙する。用紙Pの給紙順番は、何れの給紙装置200〜400が先であっても良い。また、各給紙装置200〜400間で交互に行っても良い。
【0060】
(プレフィードモードの動作例)
図5は、本発明の第1の実施の形態に係るプレフィードモード時における給紙装置200の制御部250の動作の一例を示すフローチャートである。以下では、画像形成装置100への紙搬送距離が最も短い給紙装置200の給紙トレイ230から画像形成装置100への給紙を開始しているものとする。このとき、給紙トレイ230から画像形成装置100に用紙Pを搬送する給紙線速をV1とする。
【0061】
図5に示すように、ステップS200で給紙装置200の制御部250は、給紙中の給紙トレイ230内が用紙Pの給紙により空になったか否かを判断する。つまり、給紙トレイ230が未使用か否かを判断する。制御部250は、給紙トレイ230に設置された上限検知センサ216および残量検知センサ218から用紙無しを示す検知信号が供給された場合に、給紙トレイ230内が空になり、未使用であると判断する。制御部250は、給紙トレイ230内が空になったと判断した場合には、ROM254を参照して画像形成装置100との紙搬送距離が次に短い給紙トレイ210を選択し、この給紙トレイ210から画像形成装置100への用紙Pの給紙を開始してステップS210に進む。一方、給紙トレイ230内が空になっていないと判断した場合にはステップS240に進む。
【0062】
ステップS210で給紙装置200の制御部250は、空になった給紙トレイ210に対してプレフィードによる用紙Pの補給を開始する。例えば、制御部250は、給紙装置300の用紙設定条件に適合する給紙トレイ320を選択すると共に、経路切換部242を補給用搬送経路232側に切り換える。そして、補給用駆動部260および給紙用駆動部362を駆動して補給用搬送部290および給紙用搬送部392のそれぞれを回転させることで給紙トレイ320にセットされている用紙Pを給紙用搬送経路324および補給用搬送経路232を経由させて給紙トレイ230に補給する。このとき、制御部250は、補給する用紙Pの搬送速度V2が通常の画像形成装置100への用紙Pの給紙線速V1よりも低速となるよう補給用駆動部260、給紙用駆動部362、補給用搬送部290および給紙用搬送部392等の動作を制御する。
【0063】
また、用紙設定条件に適合する給紙トレイが給紙装置400にもある場合には(例えば給紙トレイ410)、給紙トレイ320と給紙トレイ410とから交互に用紙Pを取り出して給紙装置200の給紙トレイ230に搬送することもできる。このとき、給紙トレイ320から給紙トレイ230への用紙Pの搬送速度V2aをV1/2とし、給紙トレイ410から給紙トレイ230への用紙Pの搬送速度V2bをV1/2に設定する。つまり、通常の給紙線速V1の50%の速度で補給を行う。用紙Pの補給を開始したらステップS230に進む。
【0064】
ステップS230で給紙装置200の制御部250は、補給が行われている給紙トレイ230が用紙Pで満タンになったか否かを判断する。例えば、制御部250は、上限検知センサ216および残量検知センサ218からの検知信号により、給紙トレイ230が用紙Pで満タンになったか否かを判断する。制御部250は、給紙トレイ230が用紙Pで満タンになったと判断した場合にはステップS240に進み、給紙トレイ230が用紙Pで満タンになっていないと判断した場合にはステップS250に進む。
【0065】
ステップS240で給紙装置200の制御部250は、プレフィード動作を停止する。具体的には、給紙装置200の補給用駆動部260および給紙装置300の給紙用駆動部362の駆動を停止して給紙トレイ320からの用紙Pの搬送を停止させる。続けて、現在、画像形成装置100への給紙を行っている給紙トレイ210が空になったら、給紙トレイ210へのプレフィードによる用紙Pの補給作業を行い、満タンとなった給紙トレイ230から画像形成装置100への給紙を開始する。
【0066】
これに対し、給紙トレイ210が満タンでない場合、ステップS250で給紙装置200の制御部250は、用紙Pを補給している給紙装置300の給紙トレイ320内の用紙Pが空になったか否かを判断する。例えば、制御部250は、用紙上限センサ326および残量検知センサ328から制御部350等を介して送信される検知信号により、給紙トレイ320内が空になったか否かを判断する。用紙Pを補給している給紙トレイ320内の用紙Pが空になったと判断した場合にはステップS260に進む。一方、用紙Pを補給している給紙トレイ320内の用紙Pが空になっていないと判断した場合にはステップS210に戻り、給紙装置200の給紙トレイ210内が用紙Pで満タンになるまで補給作業を継続して実行する。
【0067】
ステップS260で給紙装置200の制御部250は、補給用の給紙トレイの切り換えを行う。例えば、制御部250は、補給を行っている給紙トレイ320が空になると、給紙装置400の用紙条件設定に適合する給紙トレイ410を選択し、この選択した給紙トレイ410から用紙Pを給紙装置200の給紙トレイ210に補給する。プレフィードモードでは、このような一連の動作を繰り返し実行する。
【0068】
以上説明したように、第1の実施の形態によれば、プレフィードモードにおいて、給紙装置300,400から給紙装置200に用紙Pの補給を行う場合に、給紙装置300,400から給紙装置200への用紙Pの搬送速度V2が、給紙装置200から画像形成装置100への用紙Pの給紙線速V1よりも遅くなるように各駆動部や搬送部の動作を制御する。これにより、用紙Pを補給する際における用紙Pの片寄りや斜行を防止することができ、その結果、搬送位置精度を確保できると共に、ジャム等の発生による給送信頼の低下を回避することができる。また、給紙装置300,400からの用紙Pを給紙装置200の給紙トレイに一時的に補給することで、各給紙トレイ内に設けられた規制板によっても用紙Pの片寄りや斜行を補正することができる。
【0069】
また、プレフィードモードでは、用紙設定条件に適合する用紙Pを、給紙装置200の用紙設定条件に適合する空となっている給紙トレイに常に補給するので、画像形成装置100に近い給紙装置200から用紙Pを画像形成装置100に常時給紙できるようになる。これにより、用紙補給時の紙搬送距離を短くできるので、画像形成装置100に用紙Pを給紙する際に発生する用紙Pの片寄りや斜行を防止することができる。
【0070】
さらに、プレフィードモードにおいて、給紙トレイ320からの補給と給紙トレイ410からの補給とを交互に行う場合には、各搬送速度V2a,V2bを給紙線速V1の50%に設定することで、見掛け上は100%の搬送速度で用紙Pを給紙トレイ210に補給することができる。3つの給紙トレイから交互に補給を行う場合には、各搬送速度をV1/3にすることができ、4以上の場合も同様にして搬送速度を設定できる。これにより、給紙ユニット500を多段とした場合でも生産性を落とさずに、低速でのプレフィードが可能となる。
【0071】
<2.第2の実施の形態>
第2の実施の形態では、プレフィードモードにおいて補給用の給紙トレイを空状態の給紙トレイに給紙するのではなく、給紙用搬送経路との合流経路に用紙Pを補給する点において上記第1の実施の形態と相違している。なお、その他の画像形成システムGS2の構成は、上記第1の実施の形態と同様であるため、共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0072】
[画像形成システムの構成例]
図6は、本発明の第2の実施の形態に係る画像形成システムGS2の構成の一例を示している。以下では、給紙装置200についてのみ説明する。給紙装置200は、図6に示すように、給紙トレイ210,220,230と、補給用紙滞留経路240aとして機能する経由搬送経路240と、給紙用搬送経路214,224,234と、給紙用搬送部292と、補給用搬送部924と、用紙検知センサ268とを有している。
【0073】
補給用紙滞留経路240aは、プレフィードモードにおいて隣接する給紙装置300,400から搬送される補給用の用紙Pを給紙経路との合流箇所にて一時的に保持するための経路であり、本例では経由搬送経路240と兼用した経路となっている。補給用紙滞留経路240aは、一対のガイド板等により構成され、例えば用紙Pの搬送方向D1に沿って少なくとも1枚以上の用紙Pを滞留させることができるようになっている。なお、補給用紙滞留経路240aは、用紙補給部の一例を構成している。
【0074】
用紙検知センサ268は、補給用紙滞留経路240a上に設置され、プレフィードモードの実行時に、隣接する給紙装置300,400から補給される用紙Pや、補給用紙滞留経路240aから画像形成装置100に給紙される用紙Pを検知する。なお、本例では、補給用紙滞留経路240a上に1個の用紙検知センサ268を設けた例を示しているが、補給用紙滞留経路240aに複数枚の用紙Pをプレフィードする場合には、各用紙Pを検知するためにプレフィード枚数に応じた複数の用紙検知センサ268を設けることが好ましい。
【0075】
補給用搬送部294は、例えば複数の搬送ローラにより構成され、補給用紙滞留経路240aの経路に沿って設けられている。補給用搬送部294は、後述する補給用駆動部264の駆動により回転し、隣接する給紙装置300,400から搬送される補給用の用紙Pを補給用紙滞留経路240aに搬送して滞留させ、所定の給紙タイミングで滞留させた用紙Pを画像形成装置100に搬送する。
【0076】
なお、給紙装置400から補給を行う場合には、給紙装置300に補給用紙滞留経路340aを設けることもできる。このような構成によれば、補給用紙滞留経路240a,340aの双方に補給用の用紙Pを滞留させることができるので、プレフィード枚数を増やすことができる。
【0077】
[画像形成システムのブロック構成例]
図7は、画像形成システムGS2のブロック構成の一例を示している。図7に示すように、画像形成システムGS2は、給紙装置200,300,400と画像形成装置100とを備えている。なお、図7において、中間搬送装置600および後処理装置700の構成については便宜上省略すると共に、以下の説明では第1の実施の形態で説明した画像形成システムGS2と異なる構成の給紙装置200についてのみ説明する。
【0078】
給紙装置200は、給紙トレイ210と給紙用駆動部262と補給用駆動部264と用紙検知センサ268と通信部270とを備えている。なお、給紙トレイ220,230については、給紙トレイ210と同様の構成および機能を有するため、便宜上説明を省略している。
【0079】
補給用駆動部264は、例えばステッピングモータ等により構成され、制御部250から供給される駆動信号に基づいて補給用搬送部294を回転駆動させて隣接する給紙装置300,400から搬送される用紙Pを補給用紙滞留経路240aに補給する。また、画像形成装置100への給紙時に回転駆動して補給用紙滞留経路240aに滞留させた補給用の用紙Pを画像形成装置100に給紙する。
【0080】
用紙検知センサ268は、例えば透過型センサや反射型センサ等により構成され、プレフィードモードの実行時に補給用紙滞留経路240aに搬送されてくる用紙Pを検知し、検知により得られた検知信号を制御部250に供給する。
【0081】
[給紙ユニットの動作例]
図8は、本発明の第2の実施の形態に係る給紙ユニット500の動作の一例を示すフローチャートである。本例では、図8において、給紙装置200の給紙トレイ210,230、給紙装置300の給紙トレイ320に用紙設定条件に適合されており、給紙トレイ320から補給用紙滞留経路240aに用紙Pを補給する場合について説明する。
【0082】
図4に示したように、プレフィードモードが開始されると、図8に示す動作フローに移行する。ステップS300で給紙装置200の制御部250は、給紙装置200の補給用紙滞留経路240aにプレフィードによる用紙Pの補給を開始する。例えば、制御部250は、画像形成装置100からプレフィードモードを示すジョブ情報が送信されると、給紙装置300の制御部350に用紙補給要求を送信する。給紙装置300の制御部350は、用紙補給要求に基づいて給紙用駆動部362および補給用駆動部264を駆動させることにより、用紙設定条件に適合する用紙Pがセットされている給紙トレイ320から給紙装置200の補給用紙滞留経路240aに用紙Pをプリフィードする。このとき、制御部250,350は、補給する用紙Pの搬送速度V2が通常の画像形成装置100への用紙Pの給紙線速V1よりも低速となるように給紙用駆動部362および補給用駆動部264等の動作を制御する。
【0083】
ステップS310で給紙装置200の制御部250は、補給用紙滞留経路240aにおいて収容可能なプレフィード枚数を超えたか否かを判断する。制御部250は、用紙検知センサ268からの検知信号に基づいて補給用紙滞留経路240aに収容可能なプレフィード枚数を超えたか否かを判断する。本例では、補給用紙滞留経路240aに一枚の用紙Pを滞留させるので(図6参照)、用紙検知センサ268から検知信号が供給された場合に、プレフィード枚数に達したと判断できる。また、制御部250,350は、補給用の用紙Pが用紙検知センサ268により検知されると、給紙用駆動部362および補給用駆動部264を停止して補給用の用紙Pを補給用紙滞留経路240aに滞留させる。制御部250は、補給用紙滞留経路240aにおける収容可能なプレフィード枚数を超えたと判断した場合にはステップS320に進む。一方、補給用紙滞留経路40aにおける収容可能なプレフィード枚数を超えていないと判断した場合には、ステップS300に戻り、プレフィードによる用紙Pの補給を継続して行う。
【0084】
ステップS320で給紙装置200の制御部250は、給紙装置200の給紙トレイ230からの給紙と補給用紙滞留経路240aからの給紙とを交互に切り換えて行う。例えば、制御部250は、給紙用駆動部262を駆動させることで用紙設定条件に適合する給紙トレイ230から用紙Pを画像形成装置100に給紙し、続けて、補給用駆動部264を駆動させることで補給用紙滞留経路240aから用紙Pを画像形成装置100に給紙する。そして、補給用紙滞留経路240aから用紙Pが搬出されたことが用紙検知センサ268により検知されたら、給紙装置300の給紙トレイ320から補給用の用紙Pを補給用紙滞留経路240aに搬送する。なお、次の補給用の用紙Pを給紙経路上等に待機(滞留)させておき、補給用紙滞留経路240aに用紙Pが無くなったら、順次補給するようにしても良い。このような一連のプリフィード動作を繰り返し実行する。
【0085】
以上説明したように、第2の実施の形態によれば、用紙Pを給紙装置200に補給する場合に、補給用紙滞留経路240aに通常の給紙線速V1よりも低速の搬送速度V2にて用紙Pをプレフィードするので、給送信頼性を確保しつつ、多段の大容量給紙トレイの構成の利点も生かすことが可能となる。また、補給用紙滞留経路240a,340aは、従来からある経由搬送経路240,340と兼用した構成なので、用紙Pを滞留しておく搬送経路を新たに設ける必要がなく、より低コストでプレフィード処理を実現することができる。
【0086】
<3.第3の実施の形態>
第3の実施の形態では、第1の実施の形態の補給動作(以下、第1のプレフィードモードという)と第2の実施の形態の補給動作(以下、第2のプレフィードモードという)との何れかの給紙モードを選択して実行する点において第1および第2の実施の形態と相違している。なお、その他の画像形成システムGS3の構成等は、上記第1の実施の形態の図1で説明した画像形成システムGS1と同様であるため、共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0087】
図9は、本発明の第3の実施の形態に係る給紙ユニット500の動作の一例を示すフローチャートである。図9に示すように、ステップS200で給紙装置200の制御部250は、第1のプレフィードモードまたは第2のプレフィードモードの何れの給紙モードが設定されているか否かを判断する。第1のプレフィードモードまたは第2のプレフィードモードの設定は、例えば操作表示部160の操作画面でユーザが自由に設定できるようになっている。制御部250は、第1のプレフィードモードが設定されていると判断した場合にはステップS310に進み、第2のプレフィードモードが設定されていると判断した場合にはステップS340に進む。
【0088】
第1のプレフィードモードが設定されている場合には、ステップS310〜S330,S370,S380で制御部250は、第1の実施の形態で説明したプレフィードモードを実行する。
【0089】
これに対し、第2のプレフィードモードが設定されている場合には、ステップS340〜S360で制御部250は、第2の実施の形態で説明したプレフィードモードを実行する。
【0090】
なお、上記実施の形態では、ユーザの設定に基づいて第1のプレフィードモードまたは第2のプレフィードモードを実行したが、これに限定されることはない。例えば、給紙装置200において補給用駆動部260や、経路切換部242,244等が故障した場合、これらの故障をセンサ等により検知し、制御部250がこの検知結果に基づいて自動的に第2のプレフィードモードを選択するようにしても良い。逆に、補給用紙滞留経路240a上の補給用駆動部264等が故障した場合には自動的に第1のプレフィードモードを選択するようにしても良い。
【0091】
また、使用する給紙装置200に補給用搬送経路212,222,232が設置されているか否かにより、第1のプレフィードモードまたは第2のプレフィードモードを選択して実行するようにしても良い。具体的には、給紙装置200に補給用搬送経路212,222,232がある場合には第1のプレフィードモードを実行し、給紙装置200に補給用搬送経路212,222,232がない場合には第2のプレフィードモードを実行する。
【0092】
以上説明したように、第3の実施の形態によれば、給紙装置200の構成や状態等に応じたプレフィードモードを実行できるので、プレフィード処理を確実に実行することができる。これにより、第1の実施の形態と同様に、用紙Pを補給する際における用紙Pの片寄りや斜行を確実に防止できる。
【0093】
なお、本発明の技術範囲は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。例えば、上記第1〜第3の実施の形態では、給紙装置200の制御部250がメインとなり、他の制御部と連動して給紙制御を行う例を説明したが、これに限定されることはなく、給紙装置300の制御部350、給紙装置400の制御部450または画像形成装置100の制御部150がメインで給紙制御を行うこともできる。
【符号の説明】
【0094】
100 画像形成装置
150,250,350,450 制御部
160 操作表示部
200,300,400 給紙装置
210,220,230,310,320,330,410,420,430 給紙トレイ(給紙部,用紙補給部)
216,316,416 上限検知センサ(第1の検知部)
218,318,418 残量検知センサ(第2の検知部)
240a,340a 補給用紙滞留経路(用紙補給部)
290,390,490 補給用搬送部
292,392,492 給紙用搬送部
500 給紙ユニット
GS1,GS2,GS3 画像形成システム
【技術分野】
【0001】
画像形成装置に用紙を給紙する複数の給紙装置を備えた給紙ユニットおよび画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プリンタやスキャナ、コピー機、ファックス等の機能を兼ねた多機能な画像形成装置が広く使用されている。この画像形成装置においては、印刷動作の高速化を目的として、画像を形成するためのイメージデータの作成が終了する前に、そのイメージデータの画像を転写する用紙サイズの用紙を画像形成ユニットの直前まで搬送するプレフィード機能を備えたものが利用されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、イメージデータの作成中に、後に開始された他のイメージデータの作成が完了した場合に、先に画像形成ユニットにプレフィードした用紙を退避トレイに一時的に搬送保持し、作成が完了した他のイメージデータの画像形成処理を優先的に処理し、その画像形成終了後に、退避トレイ上に保持した用紙の再給紙を行う画像形成装置が提案されている。この画像形成装置によれば、イメージデータの作成時間の短い機能の印刷待ち時間を最小限に抑え、複合機全体としての印刷効率の向上を図ることができるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平09−151040号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1等に開示される画像形成装置のプレフィード機能では以下のような問題がある。すなわち、上記画像形成装置では、作成時間の短いイメージデータを優先して処理する場合、先に画像形成ユニットにプレフィードした用紙を画像形成ユニットに最も近い位置のトレイ(退避トレイ)に退避させ、作成時間の短いイメージデータを転写するための用紙を他のトレイから画像形成ユニットに給紙している。そのため、例えば、最も下段の給紙トレイから画像形成ユニットに用紙を給紙する場合には、用紙の紙搬送経路が長くなってしまい、画像形成ユニットに用紙が搬送されるまでに用紙の片寄りや曲がり等が発生してしまう場合がある。
【0006】
特に近年の印刷市場においては、大量印刷の需要に応じて、大容量の給紙装置を複数台連結させたものや大型の給紙装置が使用されるようになってきている。これに伴い、給紙装置から画像形成装置までの紙搬送距離も、連結する給紙装置の台数や装置の大きさに応じて長くなっている。そのため、上述したような従来のプレフィード機能では、例えば画像形成装置から離れた位置に設置された給紙装置から用紙を給紙する場合には、給搬送距離が長くなってしまい、画像形成装置に搬送されるまでの間に用紙片寄りや曲がり等が発生し易いという問題があった。その結果、搬送位置精度の確保やジャム等の給送信頼の低下を招いてしまうという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、用紙の給紙経路が長い場合でも用紙曲がりや片寄りの発生を防止することが可能なプレフィード機能を備えた給紙ユニットおよび画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る給紙ユニットは上記課題を解決するものであり、2以上の給紙装置が接続され、当該給紙装置から画像を形成する画像形成装置に用紙を給紙する給紙ユニットであって、用紙の条件を示す用紙設定条件に適合する用紙が収容された複数の給紙部と、複数の給紙部に収容された用紙を搬送するための搬送部と、画像形成装置までの用紙搬送経路が短い給紙装置に設けられ、他の給紙装置の給紙部から補給される用紙設定条件に適合した用紙を収容して画像形成装置に給紙する用紙補給部と、画像形成装置までの用紙搬送経路が短く、かつ、用紙設定条件に適合する用紙が収容された給紙部を選択して画像形成装置に給紙を行うと共に、用紙設定条件に適合する用紙が収容された他の給紙装置から用紙補給部に用紙を補給するプレフィード動作を行う制御部とを備え、制御部は、プレフィード動作において、用紙補給部に用紙を搬送するときの用紙の搬送速度を、給紙部から画像形成装置へ用紙を搬送する給紙線速よりも低速となるよう搬送部を制御するものである。
【0009】
本発明において、給紙ユニットの制御部は、プレフィード動作が選択されると、画像形成装置までの用紙搬送経路が短く、かつ、用紙設定条件に適合する用紙が収容された給紙部を選択し、選択した給紙部から画像形成装置に給紙を行う。例えば、画像形成装置に隣接して配置された給紙装置の給紙部を用紙搬送経路の短い給紙部として選択する。用紙設定条件とは、用紙サイズ、坪量、紙種等の条件であり、例えば画像形成装置に設けられた操作表示部の入力操作によりユーザが設定可能である。
【0010】
また、制御部は、用紙設定条件に適合する用紙の画像形成装置への給紙が開始されると、画像形成装置までの用紙搬送経路が短い給紙装置に設けられた用紙補給部に、他の給紙装置の給紙部から用紙設定条件に適合した用紙を補給する。用紙補給部としては、例えば、画像形成装置への給紙により用紙が無くなった給紙部や、給紙装置内に設けられた画像形成装置に用紙を搬送するための搬送経路等が挙げられる。用紙の補給時において制御部は、隣接する給紙装置の給紙部から用紙補給部としての給紙部への用紙の搬送速度が、給紙部から画像形成装置に用紙を搬送する給紙線速よりも低速となるようモータ等の駆動部や搬送ローラ等の搬送部の動作を制御する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、プレフィード動作において、用紙補給部としての給紙部への用紙の搬送速度が、給紙部から画像形成装置に用紙を搬送する給紙線速よりも低速となるよう搬送部を制御するので、補給用の用紙を搬送する際の用紙の片寄りや斜行を防止することができる。その結果、搬送位置精度を確保できると共に、ジャム等の発生による給送信頼の低下を回避することができる。
【0012】
また、本発明によれば、プレフィード動作では、用紙設定条件に適合する用紙を、画像形成装置への用紙搬送経路が短い用紙補給部に補給するので、画像形成装置に近い給紙部から用紙を画像形成装置に常時給紙することができる。これにより、用紙補給時の用紙搬送距離を短くできるので、画像形成装置に用紙を給紙する際の用紙の片寄りや斜行を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成システムの構成例を示す図である。
【図2】(A)および(B)は、給紙トレイの構成例を示す図である。
【図3】画像形成システムの構成例を示すブロック図である。
【図4】給紙ユニットの動作の一例を示すフローチャートである(その1)。
【図5】給紙ユニットの動作の一例を示すフローチャートである(その2)。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る画像形成システムの構成例を示す図である。
【図7】画像形成システムの構成例を示すブロック図である。
【図8】給紙ユニットの動作の一例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係る給紙ユニットの動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、発明を実施するための最良の形態(以下実施の形態とする)について説明する。
<1.第1の実施の形態>
[画像形成システムの構成例]
本発明の第1の実施の形態に係る画像形成システムGS1は、図1に示すように、画像形成装置100と給紙ユニット500と中間搬送装置600と後処理装置700とを備えている。この画像形成システムGS1は、給紙ユニット500から画像形成装置100に用紙Pを給紙する給紙モードとして、例えば通常給紙モードとプレフィードモードとを有している。
【0015】
通常給紙モードとは、従来から行われている給紙方法であり、用紙サイズ、坪量、紙種等の用紙設定条件に適合する給紙装置200〜400の各給紙トレイから順番に画像形成装置100に対して用紙Pの給紙を直接行うモードである。プレフィードモードとは、画像形成装置100に近い給紙装置200の用紙設定条件に適合する給紙トレイから画像形成装置100に用紙Pの給紙を開始し、給紙により給紙トレイ内が空になったとき、給紙装置200の用紙設定条件に適合する他の給紙トレイから画像形成装置100への給紙を開始すると共に、隣接する給紙装置300,400の用紙設定条件に適合する給紙トレイから給紙装置200の空となった給紙トレイに用紙Pを補給するモードである。
【0016】
(給紙ユニット)
給紙ユニット500は、図1に示すように、用紙Pの搬送方向D1に沿って直列に連結された複数の給紙装置200,300,400を備えている。本例のプレフィードモードにおいては、給紙装置200は、画像形成装置100までの紙搬送経路の距離が他の給紙装置300,400よりも短いことから、画像形成装置100に用紙Pを給紙する給紙装置として用いられる。これに対し、給紙装置300,400は、画像形成装置100までの紙搬送経路の距離が給紙装置200に比べて長くなることから、給紙装置200に用紙Pを補給する補給装置として用いられる。このような給紙制御により、短い紙搬送経路で用紙Pを画像形成装置100に搬送できるので、搬送時における用紙曲がりや片寄りの発生を効果的に防止できるようになる。
【0017】
給紙装置200は、図1に示すように、画像形成装置100と給紙装置300との間に配置され、画像形成装置100までの搬送経路の距離が最も短い給紙装置となっている。この給紙装置200は、給紙トレイ210,220,230と、補給用搬送経路212,222,232と、経由搬送経路240と、給紙用搬送経路214,224,234と、経路切換部242,244と、補給用搬送部290と給紙用搬送部292とを有している。
【0018】
給紙トレイ210,220,230は、各種サイズの用紙Pを収容するものであり、本例では、給紙トレイ210に例えばA3の用紙Pがセットされ、給紙トレイ220に例えばA4の用紙Pがセットされ、給紙トレイ230に例えばA3の用紙Pがセットされている。なお、図1では、A3の用紙Pがセットされている給紙トレイを灰色(色塗り)で示している。また、給紙トレイ210,220,230のうち用紙設定条件に適合する用紙Pがセットされると共に給紙により空となる給紙トレイは、用紙補給部の一例を構成している。
【0019】
図2は給紙トレイ210の構成の一例を示し、図2(A)は給紙トレイ210内に少量の用紙Pが収容された状態を示し、図2(B)は給紙トレイ210内が用紙Pで満タンに満たされている状態を示している。給紙トレイ210は、用紙Pが積載される毎に用紙Pの自重によりリフトダウンする構成とされている。給紙トレイ210の搬送方向上流側(補給側)の上端部には上限検知センサ216が設置され、給紙トレイ210の補給側の下端部には残量検知センサ218が設置されている。上限検知センサ216は、例えば反射型センサにより構成され、給紙トレイ210内が満タンであるか否かを検知する。残量検知センサ218は、例えば反射型センサにより構成され、給紙トレイ210内に用紙Pが残っているか否かを検知する。なお、上限検知センサ216は第1の検知部の一例であり、残量検知センサ218は第2の検知部の一例を構成している。
【0020】
図1に戻り、経由搬送経路240は、給紙トレイ220と給紙トレイ230との間であって、給紙装置200の搬入口から搬出口の間に延設され、通常給紙モード時において給紙装置300,400から搬送される用紙Pを画像形成装置100に直接搬送するための経路として用いられる。
【0021】
補給用搬送経路212は、プレフィードモードの実行時に、隣接した給紙装置300,400から補給される用紙Pを上段に設置された給紙トレイ210に搬送するための補給経路であり、経由搬送経路240に設けられた分岐部241から分岐して給紙トレイ210の上方の搬入口まで延在している。この補給用搬送経路212は、例えば一対のガイド板等により構成される。
【0022】
補給用搬送経路222は、プレフィードモードの実行時に、隣接した給紙装置300,400から補給される用紙Pを中段に設置された給紙トレイ220に搬送するための補給経路であり、補給用搬送経路212に設けられた分岐部243から分岐して給紙トレイ220の上方の搬入口まで延在している。この補給用搬送経路222は、例えば一対のガイド板等により構成される。
【0023】
補給用搬送経路232は、プレフィードモードの実行時に、隣接した給紙装置300,400から補給される用紙Pを下段に設置された給紙トレイ230に搬送するための補給経路であり、経由搬送経路240に設けられた分岐部241から分岐して給紙トレイ230の上方の搬入口まで延在している。この補給用搬送経路232は、例えば一対のガイド板等により構成される。
【0024】
経路切換部242は、経由搬送経路240の上流側(搬入口側)の分岐部241に設けられ、後述する制御部250の切り換え制御に基づいて補給用搬送経路212,232または経由搬送経路240の何れかの経路に切り換えて用紙Pを搬送する。経路切換部244は、給紙トレイ220の搬入口よりも上流側の補給用搬送経路212上の分岐部243に設けられ、制御部250の切り換え制御に基づいて補給用搬送経路212または補給用搬送経路222の何れかの経路に切り換えて用紙Pを搬送する。
【0025】
補給用搬送部290は、例えば複数の搬送ローラにより構成され、補給用搬送経路212,222,232のそれぞれの経路上に設けられている。補給用搬送部290は、後述する補給用駆動部260の駆動により回転し、隣接する給紙装置300,400から搬送される補給用の用紙Pを給紙トレイ210,220,230のそれぞれに搬送する。
【0026】
給紙用搬送経路214は、給紙トレイ210にセットされている用紙Pを画像形成装置100に給紙するための経路であり、給紙トレイ210の上方の搬出口から経由搬送経路240に設けられた合流部246まで延在している。この給紙用搬送経路214は、例えば一対のガイド板等により構成される。
【0027】
給紙用搬送経路224は、給紙トレイ220にセットされている用紙Pを画像形成装置100に給紙するための経路であり、給紙トレイ220の上方の搬出口から経由搬送経路240に設けられた合流部246まで延在している。この給紙用搬送経路224は、例えば一対のガイド板等により構成される。
【0028】
給紙用搬送経路234は、給紙トレイ230にセットされている用紙Pを画像形成装置100に給紙するための経路であり、給紙トレイ230の上方の搬出口から経由搬送経路240に設けられた合流部246まで延在している。この給紙用搬送経路234は、例えば一対のガイド板等により構成される。
【0029】
給紙用搬送部292は、例えば複数の搬送ローラにより構成され、給紙用搬送経路214,224,234および経由搬送経路240のそれぞれの経路上に設けられている。給紙用搬送部292は、後述する給紙用駆動部262の駆動により回転し、隣接する給紙装置300,400から搬送される用紙Pや、給紙トレイ210,220,230に収容されている用紙Pを画像形成装置100に搬送する。
【0030】
給紙装置300は、図1に示すように、給紙装置200と給紙装置400との間に配置され、給紙トレイ310,320,330と、経由搬送経路340と、給紙用搬送経路314,324,334と、給紙用搬送部392とを有している。給紙トレイ320(色塗り)には、例えばA3の用紙Pがセットされている。この給紙装置300は、給紙装置200とは補給用搬送経路212,222,232、経路切換部242,244および補給用搬送部290が設けられていない点が相違するのみで、その他の構成は共通しているため詳細な説明は詳細する。
【0031】
給紙装置400は、図1に示すように、給紙装置300の給紙装置200とは反対側の側面部に配置され、給紙トレイ410,420,430と、経由搬送経路440と、給紙用搬送経路414,424,434と、給紙用搬送部492とを有している。給紙トレイ410(色塗り)には、例えばA3の用紙Pがセットされている。この給紙装置400は、給紙装置200とは補給用搬送経路212,222,232、経路切換部242,244および補給用搬送部290が設けられていない点が相違するのみで、その他の構成は共通しているため詳細な説明は詳細する。
【0032】
(画像形成装置)
画像形成装置100は、給紙装置200と中間搬送装置600との間に配置され、操作表示部160と画像形成部110と複数の給紙トレイ120とを有している。操作表示部160は、画像形成装置100の筐体上面部に取り付けられ、所定の画像形成条件等を入力することができるようになっている。給紙トレイ120は、A4やA3等の用紙Pを収容するものであり、画像形成の開始時に給紙ローラや搬送ローラによって給紙トレイ120から用紙Pを取り出して画像形成部110に搬送する。
【0033】
画像形成部110は、例えば感光体ドラムにより所定のトナー像が転写される中間転写ベルト等を有し、給紙トレイ120や他の給紙装置200〜400等から給紙される用紙Pに所定の画像を転写して後段の中間搬送装置600に搬送する。なお、図1において、露光、現像等を行う画像形成ユニットや用紙Pの定着処理を行う定着装置等の詳細な構成については便宜上省略している。
【0034】
(中間搬送装置)
中間搬送装置600は、画像形成装置100と後処理装置700との間に配置され、画像形成装置100から排紙される用紙Pを複数重ね合わせて一時集積し、集積した用紙Pの表裏を反転機構により反転させた後に後段の後処理装置700に搬送する。もちろん、一枚毎の用紙Pの表裏を反転させて後処理装置700に搬送することもできるし、バイパス経路により用紙Pの表裏を反転させずに後処理装置700に搬送することもできる。
【0035】
(後処理装置)
後処理装置700は、中間搬送装置600の画像形成装置100とは反対側の側面部に配置され、中間搬送装置600から搬送される用紙Pに対して、ステープル処理や、パンチ処理、折り処理、平綴じ処理、中折り中綴じ処理、糊付け製本処理、断裁処理機等を行い、これらの処理を行った用紙Pを排出トレイ上に排出して積載する。
【0036】
[画像形成システムのブロック構成例]
図3は、画像形成システムGS1のブロック構成の一例を示している。図3に示すように、画像形成システムGS1は、給紙装置200,300,400と画像形成装置100とを備えている。なお、図3において、中間搬送装置600および後処理装置700の構成については便宜上省略している。
【0037】
(給紙装置)
給紙装置200は、装置全体の動作を制御する制御部250を備えている。制御部250は、CPU(Central Processing Unit)252とROM(Read Only Memory)254とRAM(Random Access Memory)256とを有している。CPU252は、ROM254から読み出したプログラムやデータをRAM256上に展開してプログラムを起動することで、給紙装置300,400から給紙装置200に用紙Pを補給するプレフィードモードや、各給紙装置200,300,400から画像形成装置100に用紙Pを直接給紙する通常給紙モード等を実行する。
【0038】
ROM254等のメモリ部には、プレフィードモード時に用いられる、給紙装置200の各給紙トレイ210〜230から画像形成装置100までの紙搬送経路の距離を示す距離データが給紙トレイ210〜230毎に記憶される。また、給紙装置200の各給紙トレイ210,220,230、給紙装置300の各給紙トレイ310,320,330、給紙装置400の各給紙トレイ410,420,430にセットされた用紙Pの用紙サイズ、坪量、紙種等の用紙情報が給紙トレイ毎に対応付けられて記憶される。
【0039】
制御部250には、給紙トレイ210と経路切換部242,244と補給用駆動部260と給紙用駆動部262と通信部270とがそれぞれ接続されている。なお、給紙トレイ220,230については、給紙トレイ210と同様の構成および機能を有するため、便宜上説明を省略している。
【0040】
給紙トレイ210は、上限検知センサ216と残量検知センサ218とを備えている。上限検知センサ216は、給紙トレイ210に収容される用紙Pが上限位置(枚数)に達したときに最上面に積載された用紙Pを検知し、この検知により得られた検知信号を制御部250に供給する。残量検知センサ218は、給紙トレイ210内に用紙Pが満タンに充填されて用紙Pが最下端までリフトダウンしたときに給紙トレイ210の最下端の用紙Pを検知し、この検知により得られた検知信号を制御部250に供給する。例えば、上限検知センサ216および残量検知センサ218の双方がオンのとき給紙トレイ210内は満タンであり、上限検知センサ216および残量検知センサ218の双方がオフのとき給紙トレイ210内は空であり、残量検知センサ218のみがオンのとき給紙トレイ210内に用紙Pが残った状態となる。
【0041】
補給用駆動部260は、例えばステッピングモータ等により構成され、制御部250から供給される駆動信号に基づいて各補給用搬送経路212,222,232に設けられた補給用搬送部290を回転させて、隣接する給紙装置300,400から搬送される用紙Pを各給紙トレイ210,220,230のそれぞれに補給する。なお、本例では、一つの補給用駆動部260を用いているが、補給用搬送経路212,222,232のそれぞれに補給用駆動部260を設けても良い。
【0042】
給紙用駆動部262は、例えばステッピングモータ等により構成され、制御部250から供給される駆動信号に基づいて各給紙用搬送経路214,224,234に設けられた給紙用搬送部292を回転駆動させて、各給紙トレイ210,220,230のそれぞれから用紙Pを画像形成装置100に給紙する。なお、本例では、給紙用駆動部262を単一で構成しているが、給紙用搬送経路214,224,234のそれぞれに給紙用駆動部262を設け、各経路毎に搬送部を独立に回転駆動させるように構成しても良い。
【0043】
経路切換部242は、制御部250から供給される切換信号に基づいて、補給用搬送経路212,222,232または経由搬送経路240の何れかの経路に切り換える。この経路切換部242は、例えば、図示しないソレノイドやステッピングモータ等によって駆動される。経路切換部244は、制御部250から供給される切換信号に基づいて、補給用搬送経路212,222の何れかの経路に切り換える。この経路切換部244は、例えば、図示しないソレノイドやステッピングモータ等によって駆動される。
【0044】
通信部270は、例えばシリアル通信インタフェース等により構成され、隣接する画像形成装置100の制御部150に接続されると共に、隣接する給紙装置200の通信部270に接続され、画像形成装置100や給紙装置300との間でデータの双方向通信を行う。
【0045】
給紙装置300は、制御部350と給紙トレイ310と給紙用駆動部362と通信部370とを備えている。なお、給紙装置200の構成と共通する部分については簡略化して説明する。給紙トレイ310は、上限検知センサ316と残量検知センサ318とを有し、給紙トレイ310内の用紙Pの満タン状態や空状態を検知する。なお、給紙トレイ320,330についても、給紙トレイ310と同様の構成および機能を有している。
【0046】
制御部350は、プレフィードモードにおいて、給紙装置200の制御部250から用紙設定条件に適合する用紙Pの補給命令が通信部370等を介して供給されると、用紙設定条件に適合する用紙Pがセットされた給紙トレイ310,320,330を選択し、給紙用駆動部362を駆動させることにより選択した給紙トレイ310,320,330から補給用の用紙Pを取り出して給紙装置200に搬送する。
【0047】
給紙装置400は、制御部450と給紙トレイ410と給紙用駆動部462と通信部470とを備えている。なお、給紙装置200の構成と共通する部分については簡略化して説明する。給紙トレイ410は、上限検知センサ416と残量検知センサ418とを有し、給紙トレイ410内の用紙Pの満タン状態や空状態を検知する。なお、給紙トレイ420,430についても、給紙トレイ410と同様の構成および機能を有している。
【0048】
制御部450は、プレフィードモードにおいて、給紙装置200の制御部250から用紙設定条件に適合する用紙Pの補給命令が通信部470等を介して供給されると、用紙設定条件に適合する用紙Pがセットされた給紙トレイ410,420,430を選択し、給紙用駆動部462を駆動させることにより選択した給紙トレイ410,420,430から補給用の用紙Pを取り出して給紙装置200に搬送する。
【0049】
(画像形成装置)
画像形成装置100は、装置全体の動作を制御する制御部150を備えている。制御部150は、CPU152とROM154とRAM156とを有している。CPU152は、ROM154から読み出したプログラムやデータをRAM156上に展開してプログラムを起動することで、画像形成装置100の各部の動作を制御して画像形成処理を実行する。
【0050】
制御部150には、操作表示部160と画像形成部110とメモリ部164と駆動部166と給紙部168と通信部170とがそれぞれ接続されている。操作表示部160は、液晶パネル等からなる表示装置と静電容量方式や抵抗膜方式等からなる位置入力装置とが組み合わされて構成されたタッチパネルであって、例えば画像形成の際の所定の条件の設定を受け付けたり、プレフィードモードの有無の設定等を受け付けて、これらの入力に応じた操作信号を制御部150に供給する。
【0051】
画像形成部110は、感光体ドラム、帯電装置、レーザユニット、現像装置および定着装置等を有し、制御部150から供給される制御信号に基づいて感光体ドラム等の動作を制御して例えば電子写真方式等により用紙P上に所定の画像を形成する。メモリ部164は、例えば不揮発性の半導体素子やHDD(Hard disk drive)等から構成され、制御部150から供給される制御信号に基づいて画像読取部により生成された画像データ等を一時的に記憶する。
【0052】
駆動部166は、例えばステッピングモータ等により構成され、制御部150から供給される駆動信号に基づいて回転駆動する。これにより、駆動部166に接続された搬送ローラが回転して用紙Pが搬送経路に沿って搬送される。給紙部168は、複数の給紙トレイ120に設けられた給紙ローラ等を有し、制御部150から供給される制御信号に基づいて各給紙トレイ120から用紙Pを取り出して画像形成部162に搬送する。
【0053】
通信部170は、例えばシリアル通信インタフェース等により構成され、隣接する給紙装置200の通信部270に接続されると共に図示しない中間搬送装置600の通信部に接続され、給紙装置200や中間搬送装置600との間でデータの双方向通信を行う。
【0054】
[給紙ユニットの動作例]
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る給紙ユニット500の動作の一例を示すフローチャートである。なお、以下の説明では、図1に示した給紙状態を前提として給紙ユニット500の動作について説明する。また、以下では、給紙装置200の制御部250がメインとなり、他の制御部と連動して給紙制御を行う例を説明する。
【0055】
図4に示すように、ステップS100で給紙装置200の制御部250は、印刷ジョブが開始されたか否かを判断する。例えば、制御部250は、画像形成装置100の制御部50から印刷ジョブの開始を示すジョブ情報が送信されたか否かにより判断する。このジョブ情報には、用紙サイズ、坪量、紙種等を含む用紙設定条件情報や、画像形成の開始を示すジョブ開始、プレフィードモードの設定の有無を示す給紙情報等が含まれている。給紙装置200の制御部250は、印刷ジョブが開始されたと判断した場合にはステップS110に進み、印刷ジョブが開始されていないと判断した場合には印刷ジョブが開始されるまで待機状態となる。
【0056】
ステップS110で給紙装置200の制御部250は、印刷ジョブが開始されると、画像形成装置100から送信される用紙設定条件情報に基づいて給紙装置200の給紙トレイ210〜230がプレフィード可能条件を満たしているか否かを判断する。つまり、用紙設定条件に適合する用紙Pがセットされた給紙トレイが給紙装置200に存在するか否かを判断する。制御部250は、給紙装置200がプレフィード可能条件を満たしていると判断した場合にはステップS120に進み、プレフィード可能条件を満たしていないと判断した場合にはステップS140に進む。
【0057】
プレフィード可能条件を満たしている場合、ステップS120で給紙装置200の制御部250は、プレフィードモードの実施が設定されているか否かを判断する。本例では、給紙モードのデフォルトが通常給紙モードに設定されており、給紙の信頼性を向上させたい等の場合に、ユーザが画像形成装置100の操作表示部160の選択操作を行うことでプレフィードモードを設定できるように構成されている。制御部250は、例えばジョブ情報に含まれる給紙情報に基づいて給紙モードがプレフィードモードに設定されているか否かを判断する。制御部250は、プレフィードモードの実施が設定されていると判断した場合にはステップS130に進み、プレフィードモードの実施が設定されていないと判断した場合にはステップS140に進む。なお、上記ステップS110とステップS120の処理動作は、逆であっても良い。すなわち、プレフィード機能実施が設定されているか否かを判断した後に、各給紙装置200がプレフィード可能条件を満たしているか否かを判断しても良い。
【0058】
ステップS130で給紙装置200の制御部250は、プレフィードモードを実行する。プレフィードモードでは、後述する図5に示すフローチャートに移行して各ステップの動作を実行する。詳細については後述する。
【0059】
一方、ステップS110でプレフィード可能条件を満たしていない場合や、ステップS120でプレフィードモードの実施が設定されていない場合には、ステップS140で通常給紙モードを実行する。具体的には、画像形成装置100に最も近い位置に配置された給紙装置200の用紙設定条件に適合する用紙Pがセットされた給紙トレイ210,230から給紙を開始する。そして、これらの給紙トレイ210,230内の用紙Pが無くなったら、隣接する給紙装置300,400の用紙設定条件に適合する用紙Pがセットされた給紙トレイ320,410から給紙装置200を経由して画像形成装置100に用紙Pを直接給紙する。用紙Pの給紙順番は、何れの給紙装置200〜400が先であっても良い。また、各給紙装置200〜400間で交互に行っても良い。
【0060】
(プレフィードモードの動作例)
図5は、本発明の第1の実施の形態に係るプレフィードモード時における給紙装置200の制御部250の動作の一例を示すフローチャートである。以下では、画像形成装置100への紙搬送距離が最も短い給紙装置200の給紙トレイ230から画像形成装置100への給紙を開始しているものとする。このとき、給紙トレイ230から画像形成装置100に用紙Pを搬送する給紙線速をV1とする。
【0061】
図5に示すように、ステップS200で給紙装置200の制御部250は、給紙中の給紙トレイ230内が用紙Pの給紙により空になったか否かを判断する。つまり、給紙トレイ230が未使用か否かを判断する。制御部250は、給紙トレイ230に設置された上限検知センサ216および残量検知センサ218から用紙無しを示す検知信号が供給された場合に、給紙トレイ230内が空になり、未使用であると判断する。制御部250は、給紙トレイ230内が空になったと判断した場合には、ROM254を参照して画像形成装置100との紙搬送距離が次に短い給紙トレイ210を選択し、この給紙トレイ210から画像形成装置100への用紙Pの給紙を開始してステップS210に進む。一方、給紙トレイ230内が空になっていないと判断した場合にはステップS240に進む。
【0062】
ステップS210で給紙装置200の制御部250は、空になった給紙トレイ210に対してプレフィードによる用紙Pの補給を開始する。例えば、制御部250は、給紙装置300の用紙設定条件に適合する給紙トレイ320を選択すると共に、経路切換部242を補給用搬送経路232側に切り換える。そして、補給用駆動部260および給紙用駆動部362を駆動して補給用搬送部290および給紙用搬送部392のそれぞれを回転させることで給紙トレイ320にセットされている用紙Pを給紙用搬送経路324および補給用搬送経路232を経由させて給紙トレイ230に補給する。このとき、制御部250は、補給する用紙Pの搬送速度V2が通常の画像形成装置100への用紙Pの給紙線速V1よりも低速となるよう補給用駆動部260、給紙用駆動部362、補給用搬送部290および給紙用搬送部392等の動作を制御する。
【0063】
また、用紙設定条件に適合する給紙トレイが給紙装置400にもある場合には(例えば給紙トレイ410)、給紙トレイ320と給紙トレイ410とから交互に用紙Pを取り出して給紙装置200の給紙トレイ230に搬送することもできる。このとき、給紙トレイ320から給紙トレイ230への用紙Pの搬送速度V2aをV1/2とし、給紙トレイ410から給紙トレイ230への用紙Pの搬送速度V2bをV1/2に設定する。つまり、通常の給紙線速V1の50%の速度で補給を行う。用紙Pの補給を開始したらステップS230に進む。
【0064】
ステップS230で給紙装置200の制御部250は、補給が行われている給紙トレイ230が用紙Pで満タンになったか否かを判断する。例えば、制御部250は、上限検知センサ216および残量検知センサ218からの検知信号により、給紙トレイ230が用紙Pで満タンになったか否かを判断する。制御部250は、給紙トレイ230が用紙Pで満タンになったと判断した場合にはステップS240に進み、給紙トレイ230が用紙Pで満タンになっていないと判断した場合にはステップS250に進む。
【0065】
ステップS240で給紙装置200の制御部250は、プレフィード動作を停止する。具体的には、給紙装置200の補給用駆動部260および給紙装置300の給紙用駆動部362の駆動を停止して給紙トレイ320からの用紙Pの搬送を停止させる。続けて、現在、画像形成装置100への給紙を行っている給紙トレイ210が空になったら、給紙トレイ210へのプレフィードによる用紙Pの補給作業を行い、満タンとなった給紙トレイ230から画像形成装置100への給紙を開始する。
【0066】
これに対し、給紙トレイ210が満タンでない場合、ステップS250で給紙装置200の制御部250は、用紙Pを補給している給紙装置300の給紙トレイ320内の用紙Pが空になったか否かを判断する。例えば、制御部250は、用紙上限センサ326および残量検知センサ328から制御部350等を介して送信される検知信号により、給紙トレイ320内が空になったか否かを判断する。用紙Pを補給している給紙トレイ320内の用紙Pが空になったと判断した場合にはステップS260に進む。一方、用紙Pを補給している給紙トレイ320内の用紙Pが空になっていないと判断した場合にはステップS210に戻り、給紙装置200の給紙トレイ210内が用紙Pで満タンになるまで補給作業を継続して実行する。
【0067】
ステップS260で給紙装置200の制御部250は、補給用の給紙トレイの切り換えを行う。例えば、制御部250は、補給を行っている給紙トレイ320が空になると、給紙装置400の用紙条件設定に適合する給紙トレイ410を選択し、この選択した給紙トレイ410から用紙Pを給紙装置200の給紙トレイ210に補給する。プレフィードモードでは、このような一連の動作を繰り返し実行する。
【0068】
以上説明したように、第1の実施の形態によれば、プレフィードモードにおいて、給紙装置300,400から給紙装置200に用紙Pの補給を行う場合に、給紙装置300,400から給紙装置200への用紙Pの搬送速度V2が、給紙装置200から画像形成装置100への用紙Pの給紙線速V1よりも遅くなるように各駆動部や搬送部の動作を制御する。これにより、用紙Pを補給する際における用紙Pの片寄りや斜行を防止することができ、その結果、搬送位置精度を確保できると共に、ジャム等の発生による給送信頼の低下を回避することができる。また、給紙装置300,400からの用紙Pを給紙装置200の給紙トレイに一時的に補給することで、各給紙トレイ内に設けられた規制板によっても用紙Pの片寄りや斜行を補正することができる。
【0069】
また、プレフィードモードでは、用紙設定条件に適合する用紙Pを、給紙装置200の用紙設定条件に適合する空となっている給紙トレイに常に補給するので、画像形成装置100に近い給紙装置200から用紙Pを画像形成装置100に常時給紙できるようになる。これにより、用紙補給時の紙搬送距離を短くできるので、画像形成装置100に用紙Pを給紙する際に発生する用紙Pの片寄りや斜行を防止することができる。
【0070】
さらに、プレフィードモードにおいて、給紙トレイ320からの補給と給紙トレイ410からの補給とを交互に行う場合には、各搬送速度V2a,V2bを給紙線速V1の50%に設定することで、見掛け上は100%の搬送速度で用紙Pを給紙トレイ210に補給することができる。3つの給紙トレイから交互に補給を行う場合には、各搬送速度をV1/3にすることができ、4以上の場合も同様にして搬送速度を設定できる。これにより、給紙ユニット500を多段とした場合でも生産性を落とさずに、低速でのプレフィードが可能となる。
【0071】
<2.第2の実施の形態>
第2の実施の形態では、プレフィードモードにおいて補給用の給紙トレイを空状態の給紙トレイに給紙するのではなく、給紙用搬送経路との合流経路に用紙Pを補給する点において上記第1の実施の形態と相違している。なお、その他の画像形成システムGS2の構成は、上記第1の実施の形態と同様であるため、共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0072】
[画像形成システムの構成例]
図6は、本発明の第2の実施の形態に係る画像形成システムGS2の構成の一例を示している。以下では、給紙装置200についてのみ説明する。給紙装置200は、図6に示すように、給紙トレイ210,220,230と、補給用紙滞留経路240aとして機能する経由搬送経路240と、給紙用搬送経路214,224,234と、給紙用搬送部292と、補給用搬送部924と、用紙検知センサ268とを有している。
【0073】
補給用紙滞留経路240aは、プレフィードモードにおいて隣接する給紙装置300,400から搬送される補給用の用紙Pを給紙経路との合流箇所にて一時的に保持するための経路であり、本例では経由搬送経路240と兼用した経路となっている。補給用紙滞留経路240aは、一対のガイド板等により構成され、例えば用紙Pの搬送方向D1に沿って少なくとも1枚以上の用紙Pを滞留させることができるようになっている。なお、補給用紙滞留経路240aは、用紙補給部の一例を構成している。
【0074】
用紙検知センサ268は、補給用紙滞留経路240a上に設置され、プレフィードモードの実行時に、隣接する給紙装置300,400から補給される用紙Pや、補給用紙滞留経路240aから画像形成装置100に給紙される用紙Pを検知する。なお、本例では、補給用紙滞留経路240a上に1個の用紙検知センサ268を設けた例を示しているが、補給用紙滞留経路240aに複数枚の用紙Pをプレフィードする場合には、各用紙Pを検知するためにプレフィード枚数に応じた複数の用紙検知センサ268を設けることが好ましい。
【0075】
補給用搬送部294は、例えば複数の搬送ローラにより構成され、補給用紙滞留経路240aの経路に沿って設けられている。補給用搬送部294は、後述する補給用駆動部264の駆動により回転し、隣接する給紙装置300,400から搬送される補給用の用紙Pを補給用紙滞留経路240aに搬送して滞留させ、所定の給紙タイミングで滞留させた用紙Pを画像形成装置100に搬送する。
【0076】
なお、給紙装置400から補給を行う場合には、給紙装置300に補給用紙滞留経路340aを設けることもできる。このような構成によれば、補給用紙滞留経路240a,340aの双方に補給用の用紙Pを滞留させることができるので、プレフィード枚数を増やすことができる。
【0077】
[画像形成システムのブロック構成例]
図7は、画像形成システムGS2のブロック構成の一例を示している。図7に示すように、画像形成システムGS2は、給紙装置200,300,400と画像形成装置100とを備えている。なお、図7において、中間搬送装置600および後処理装置700の構成については便宜上省略すると共に、以下の説明では第1の実施の形態で説明した画像形成システムGS2と異なる構成の給紙装置200についてのみ説明する。
【0078】
給紙装置200は、給紙トレイ210と給紙用駆動部262と補給用駆動部264と用紙検知センサ268と通信部270とを備えている。なお、給紙トレイ220,230については、給紙トレイ210と同様の構成および機能を有するため、便宜上説明を省略している。
【0079】
補給用駆動部264は、例えばステッピングモータ等により構成され、制御部250から供給される駆動信号に基づいて補給用搬送部294を回転駆動させて隣接する給紙装置300,400から搬送される用紙Pを補給用紙滞留経路240aに補給する。また、画像形成装置100への給紙時に回転駆動して補給用紙滞留経路240aに滞留させた補給用の用紙Pを画像形成装置100に給紙する。
【0080】
用紙検知センサ268は、例えば透過型センサや反射型センサ等により構成され、プレフィードモードの実行時に補給用紙滞留経路240aに搬送されてくる用紙Pを検知し、検知により得られた検知信号を制御部250に供給する。
【0081】
[給紙ユニットの動作例]
図8は、本発明の第2の実施の形態に係る給紙ユニット500の動作の一例を示すフローチャートである。本例では、図8において、給紙装置200の給紙トレイ210,230、給紙装置300の給紙トレイ320に用紙設定条件に適合されており、給紙トレイ320から補給用紙滞留経路240aに用紙Pを補給する場合について説明する。
【0082】
図4に示したように、プレフィードモードが開始されると、図8に示す動作フローに移行する。ステップS300で給紙装置200の制御部250は、給紙装置200の補給用紙滞留経路240aにプレフィードによる用紙Pの補給を開始する。例えば、制御部250は、画像形成装置100からプレフィードモードを示すジョブ情報が送信されると、給紙装置300の制御部350に用紙補給要求を送信する。給紙装置300の制御部350は、用紙補給要求に基づいて給紙用駆動部362および補給用駆動部264を駆動させることにより、用紙設定条件に適合する用紙Pがセットされている給紙トレイ320から給紙装置200の補給用紙滞留経路240aに用紙Pをプリフィードする。このとき、制御部250,350は、補給する用紙Pの搬送速度V2が通常の画像形成装置100への用紙Pの給紙線速V1よりも低速となるように給紙用駆動部362および補給用駆動部264等の動作を制御する。
【0083】
ステップS310で給紙装置200の制御部250は、補給用紙滞留経路240aにおいて収容可能なプレフィード枚数を超えたか否かを判断する。制御部250は、用紙検知センサ268からの検知信号に基づいて補給用紙滞留経路240aに収容可能なプレフィード枚数を超えたか否かを判断する。本例では、補給用紙滞留経路240aに一枚の用紙Pを滞留させるので(図6参照)、用紙検知センサ268から検知信号が供給された場合に、プレフィード枚数に達したと判断できる。また、制御部250,350は、補給用の用紙Pが用紙検知センサ268により検知されると、給紙用駆動部362および補給用駆動部264を停止して補給用の用紙Pを補給用紙滞留経路240aに滞留させる。制御部250は、補給用紙滞留経路240aにおける収容可能なプレフィード枚数を超えたと判断した場合にはステップS320に進む。一方、補給用紙滞留経路40aにおける収容可能なプレフィード枚数を超えていないと判断した場合には、ステップS300に戻り、プレフィードによる用紙Pの補給を継続して行う。
【0084】
ステップS320で給紙装置200の制御部250は、給紙装置200の給紙トレイ230からの給紙と補給用紙滞留経路240aからの給紙とを交互に切り換えて行う。例えば、制御部250は、給紙用駆動部262を駆動させることで用紙設定条件に適合する給紙トレイ230から用紙Pを画像形成装置100に給紙し、続けて、補給用駆動部264を駆動させることで補給用紙滞留経路240aから用紙Pを画像形成装置100に給紙する。そして、補給用紙滞留経路240aから用紙Pが搬出されたことが用紙検知センサ268により検知されたら、給紙装置300の給紙トレイ320から補給用の用紙Pを補給用紙滞留経路240aに搬送する。なお、次の補給用の用紙Pを給紙経路上等に待機(滞留)させておき、補給用紙滞留経路240aに用紙Pが無くなったら、順次補給するようにしても良い。このような一連のプリフィード動作を繰り返し実行する。
【0085】
以上説明したように、第2の実施の形態によれば、用紙Pを給紙装置200に補給する場合に、補給用紙滞留経路240aに通常の給紙線速V1よりも低速の搬送速度V2にて用紙Pをプレフィードするので、給送信頼性を確保しつつ、多段の大容量給紙トレイの構成の利点も生かすことが可能となる。また、補給用紙滞留経路240a,340aは、従来からある経由搬送経路240,340と兼用した構成なので、用紙Pを滞留しておく搬送経路を新たに設ける必要がなく、より低コストでプレフィード処理を実現することができる。
【0086】
<3.第3の実施の形態>
第3の実施の形態では、第1の実施の形態の補給動作(以下、第1のプレフィードモードという)と第2の実施の形態の補給動作(以下、第2のプレフィードモードという)との何れかの給紙モードを選択して実行する点において第1および第2の実施の形態と相違している。なお、その他の画像形成システムGS3の構成等は、上記第1の実施の形態の図1で説明した画像形成システムGS1と同様であるため、共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0087】
図9は、本発明の第3の実施の形態に係る給紙ユニット500の動作の一例を示すフローチャートである。図9に示すように、ステップS200で給紙装置200の制御部250は、第1のプレフィードモードまたは第2のプレフィードモードの何れの給紙モードが設定されているか否かを判断する。第1のプレフィードモードまたは第2のプレフィードモードの設定は、例えば操作表示部160の操作画面でユーザが自由に設定できるようになっている。制御部250は、第1のプレフィードモードが設定されていると判断した場合にはステップS310に進み、第2のプレフィードモードが設定されていると判断した場合にはステップS340に進む。
【0088】
第1のプレフィードモードが設定されている場合には、ステップS310〜S330,S370,S380で制御部250は、第1の実施の形態で説明したプレフィードモードを実行する。
【0089】
これに対し、第2のプレフィードモードが設定されている場合には、ステップS340〜S360で制御部250は、第2の実施の形態で説明したプレフィードモードを実行する。
【0090】
なお、上記実施の形態では、ユーザの設定に基づいて第1のプレフィードモードまたは第2のプレフィードモードを実行したが、これに限定されることはない。例えば、給紙装置200において補給用駆動部260や、経路切換部242,244等が故障した場合、これらの故障をセンサ等により検知し、制御部250がこの検知結果に基づいて自動的に第2のプレフィードモードを選択するようにしても良い。逆に、補給用紙滞留経路240a上の補給用駆動部264等が故障した場合には自動的に第1のプレフィードモードを選択するようにしても良い。
【0091】
また、使用する給紙装置200に補給用搬送経路212,222,232が設置されているか否かにより、第1のプレフィードモードまたは第2のプレフィードモードを選択して実行するようにしても良い。具体的には、給紙装置200に補給用搬送経路212,222,232がある場合には第1のプレフィードモードを実行し、給紙装置200に補給用搬送経路212,222,232がない場合には第2のプレフィードモードを実行する。
【0092】
以上説明したように、第3の実施の形態によれば、給紙装置200の構成や状態等に応じたプレフィードモードを実行できるので、プレフィード処理を確実に実行することができる。これにより、第1の実施の形態と同様に、用紙Pを補給する際における用紙Pの片寄りや斜行を確実に防止できる。
【0093】
なお、本発明の技術範囲は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。例えば、上記第1〜第3の実施の形態では、給紙装置200の制御部250がメインとなり、他の制御部と連動して給紙制御を行う例を説明したが、これに限定されることはなく、給紙装置300の制御部350、給紙装置400の制御部450または画像形成装置100の制御部150がメインで給紙制御を行うこともできる。
【符号の説明】
【0094】
100 画像形成装置
150,250,350,450 制御部
160 操作表示部
200,300,400 給紙装置
210,220,230,310,320,330,410,420,430 給紙トレイ(給紙部,用紙補給部)
216,316,416 上限検知センサ(第1の検知部)
218,318,418 残量検知センサ(第2の検知部)
240a,340a 補給用紙滞留経路(用紙補給部)
290,390,490 補給用搬送部
292,392,492 給紙用搬送部
500 給紙ユニット
GS1,GS2,GS3 画像形成システム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2以上の給紙装置が接続され、当該給紙装置から画像を形成する画像形成装置に用紙を給紙する給紙ユニットであって、
前記用紙の条件を示す用紙設定条件に適合する前記用紙が収容された複数の給紙部と、
前記複数の給紙部に収容された前記用紙を搬送するための搬送部と、
前記画像形成装置までの用紙搬送経路が短い前記給紙装置に設けられ、他の前記給紙装置の給紙部から補給される前記用紙設定条件に適合した前記用紙を収容して前記画像形成装置に給紙する用紙補給部と、
前記画像形成装置までの前記用紙搬送経路が短く、かつ、前記用紙設定条件に適合する前記用紙が収容された給紙部を選択して前記画像形成装置に給紙を行うと共に、前記用紙設定条件に適合する前記用紙が収容された前記他の給紙装置から前記用紙補給部に前記用紙を補給するプレフィード動作を行う制御部とを備え、
前記制御部は、前記プレフィード動作において、前記用紙補給部に前記用紙を搬送するときの前記用紙の搬送速度を、前記給紙部から前記画像形成装置へ前記用紙を搬送する給紙線速よりも低速となるよう前記搬送部を制御する
ことを特徴とする給紙ユニット。
【請求項2】
前記用紙補給部は、前記画像形成装置への前記用紙設定条件に適合する前記用紙の給紙により未使用となった前記給紙部であり、
前記制御部は、前記プレフィード動作において、前記用紙補給部としての前記給紙部に、前記他の給紙装置の給紙部のうち前記用紙設定条件に適合する前記用紙が収容された前記給紙部から前記用紙を搬送するよう前記搬送部を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の給紙ユニット。
【請求項3】
前記給紙装置は、
各給紙部から前記画像形成装置に前記用紙を搬送するための給紙用搬送経路と、
前記他の給紙装置から搬送される前記用紙を前記用紙補給部に搬送するための補給用搬送経路と
を備えることを特徴とする請求項2に記載の給紙ユニット。
【請求項4】
前記給紙部は、
前記給紙部に収容される前記用紙の上限を検知するための第1の検知部と、
前記給紙部に収容される前記用紙の残量を検知するための第2の検知部とを有し、
前記制御部は、
前記第1および第2の検知部の検知結果に基づいて前記給紙部が未使用か否かを判断する
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の給紙ユニット。
【請求項5】
前記給紙装置は、
前記他の給紙装置から搬送される前記用紙を前記画像形成装置に搬送するための経由搬送経路を備え、
前記用紙補給部は、前記経由搬送経路であり、
前記制御部は、前記プレフィード動作において、前記他の給紙装置の前記用紙設定条件に適合する前記用紙が収容された前記給紙部から前記経由搬送経路に前記用紙を搬送するよう前記搬送部を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の給紙ユニット。
【請求項6】
請求項1から請求項5の何れか一項に記載の給紙ユニットを備えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項1】
2以上の給紙装置が接続され、当該給紙装置から画像を形成する画像形成装置に用紙を給紙する給紙ユニットであって、
前記用紙の条件を示す用紙設定条件に適合する前記用紙が収容された複数の給紙部と、
前記複数の給紙部に収容された前記用紙を搬送するための搬送部と、
前記画像形成装置までの用紙搬送経路が短い前記給紙装置に設けられ、他の前記給紙装置の給紙部から補給される前記用紙設定条件に適合した前記用紙を収容して前記画像形成装置に給紙する用紙補給部と、
前記画像形成装置までの前記用紙搬送経路が短く、かつ、前記用紙設定条件に適合する前記用紙が収容された給紙部を選択して前記画像形成装置に給紙を行うと共に、前記用紙設定条件に適合する前記用紙が収容された前記他の給紙装置から前記用紙補給部に前記用紙を補給するプレフィード動作を行う制御部とを備え、
前記制御部は、前記プレフィード動作において、前記用紙補給部に前記用紙を搬送するときの前記用紙の搬送速度を、前記給紙部から前記画像形成装置へ前記用紙を搬送する給紙線速よりも低速となるよう前記搬送部を制御する
ことを特徴とする給紙ユニット。
【請求項2】
前記用紙補給部は、前記画像形成装置への前記用紙設定条件に適合する前記用紙の給紙により未使用となった前記給紙部であり、
前記制御部は、前記プレフィード動作において、前記用紙補給部としての前記給紙部に、前記他の給紙装置の給紙部のうち前記用紙設定条件に適合する前記用紙が収容された前記給紙部から前記用紙を搬送するよう前記搬送部を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の給紙ユニット。
【請求項3】
前記給紙装置は、
各給紙部から前記画像形成装置に前記用紙を搬送するための給紙用搬送経路と、
前記他の給紙装置から搬送される前記用紙を前記用紙補給部に搬送するための補給用搬送経路と
を備えることを特徴とする請求項2に記載の給紙ユニット。
【請求項4】
前記給紙部は、
前記給紙部に収容される前記用紙の上限を検知するための第1の検知部と、
前記給紙部に収容される前記用紙の残量を検知するための第2の検知部とを有し、
前記制御部は、
前記第1および第2の検知部の検知結果に基づいて前記給紙部が未使用か否かを判断する
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の給紙ユニット。
【請求項5】
前記給紙装置は、
前記他の給紙装置から搬送される前記用紙を前記画像形成装置に搬送するための経由搬送経路を備え、
前記用紙補給部は、前記経由搬送経路であり、
前記制御部は、前記プレフィード動作において、前記他の給紙装置の前記用紙設定条件に適合する前記用紙が収容された前記給紙部から前記経由搬送経路に前記用紙を搬送するよう前記搬送部を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の給紙ユニット。
【請求項6】
請求項1から請求項5の何れか一項に記載の給紙ユニットを備えることを特徴とする画像形成システム。
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図7】
【図8】
【図9】
【図1】
【図6】
【図3】
【図4】
【図5】
【図7】
【図8】
【図9】
【図1】
【図6】
【公開番号】特開2013−20005(P2013−20005A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−151946(P2011−151946)
【出願日】平成23年7月8日(2011.7.8)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月8日(2011.7.8)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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