説明

給紙装置及びこれを備えた画像形成装置

【課題】
センサーの数を抑えてコストダウンを図ると共に設計の自由度を確保する。
【解決手段】
給紙装置は、第1用紙収容部と、第1用紙収容部内に設けられ、上下方向に移動可能に支持された底板と、底板を上下動させる第1駆動部と、前記第1用紙収容部に隣接した用紙を積載収容する第2用紙収容部と、第2用紙収容部内に設けられ、水平方向に移動可能に支持された移動部材と、第2用紙収容部内に積載された用紙を第2用紙収容部から第1用紙収容部へ移動させるべく移動部材を水平移動させる第2駆動部と、底板及び移動部材が移動する両方向に直交する軸を中心に回動可能に設けられ、移動する底板又は移動部材に接触することによって角度を変更される検出部材と、検出部材の回転角度を検出するセンサと、検出部材の回転角度を示す前記センサーの出力に基づき、底板及び移動部材の位置を検出し、第1及び第2駆動部を制御する制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、複写機、プリンタやファクシミリ等に用いられる給紙装置、及びこの給紙装置を有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置において、大容量収容可能な給紙装置として、可動式の底板上に用紙を積載し、用紙量に合わせて底板を昇降させ、一番上の用紙から一枚ずつ作像部へ給紙する給紙装置が知られている。また、用紙搬送方向に対して下流側の第1用紙収容部及び上流側の第2用紙収容部を有し、第1用紙収容部から用紙を一枚ずつ作像部へ給紙し、第1用紙収容部の用紙を消費すれば第2用紙収容部の用紙を一括して第1用紙収容部へ移送する手段を有する給紙装置も提供されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、第1用紙収容部の用紙が消費されると、第1用紙収容部の底板を下降させ、底板が所定の位置まで下降すると、第2用紙収容部のガイドを第1用紙収容部方向へ移動させることにより、第2用紙収容部から第1用紙収容部へ用紙の束を一括して移送させる給紙装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−262606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の給紙装置には、第1用紙収容部の用紙が消費されたことを検知するペーパーエンドセンサー27、第1用紙収容部の底板が所定の位置まで下降したことを検知する下降検知センサー20、第2用紙収容部から第1用紙収容部へ用紙束を移動させるガイドの位置を検知するための、第2用紙収容部のホームセンサー39及び押し込みセンサー40など、多くのセンサーが搭載されている。このように給紙装置内に多くのセンサーが必要とされると、部品点数が多くなりコストアップにつながるだけでなく、センサー設置のためのスペースが必要となることから、設計の自由度が限られることにもなる。
【0006】
そこで、本発明は、センサーの数を最小限に抑えることでコストダウンを図ると共に、設計の自由度を確保することのできる大容量収容可能な給紙装置及びこれを用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る給紙装置は、積載された用紙を上昇させつつ上面から1枚ずつ給紙し、用紙を積載収容する第1用紙収容部と、第1用紙収容部内に設けられ、上下方向に移動可能に支持された底板と、底板を上下動させる第1駆動部と、前記第1用紙収容部に隣接して設けられ、用紙を積載収容する第2用紙収容部と、第2用紙収容部内に設けられ、水平方向に移動可能に支持された移動部材と、第2用紙収容部内に積載された用紙を第2用紙収容部から第1用紙収容部へ移動させるべく移動部材を水平移動させる第2駆動部と、底板が移動する上下方向及び移動部材が移動する水平方向の両方向に直交する軸を中心に回動可能に設けられ、移動する底板又は移動部材に接触することによって角度を変更される検出部材と、検出部材の回転角度を検出するセンサと、検出部材の回転角度を示す前記センサーの出力に基づき、底板及び移動部材の位置を検出し、第1及び第2駆動部を制御する制御部とを備える。
【0008】
また、検出部材は、底板に接触することにより回転角度を変更され、制御部は、変更された検出部材の回転角度を示すセンサーの出力に基づき、底板が下限位置にあることを検出するようにしてもよい。
【0009】
また、検出部材は、移動部材に接触することにより回転角度を変更され、制御部は、変更された検出部材の回転角度を示すセンサーの出力に基づき、移動部材が第2用紙収容部から第1収容部への用紙の移送を完了する移送完了位置にあることを検出するようにしよもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、大容量収容可能な給紙装置において、従来に比べてセンサーの数を少なくすることができるので、コストダウンを達成し、設計の自由度を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】画像形成装置の全体構成を示す図
【図2】給紙装置の平面図
【図3】給紙装置の切断面図
【図4】底板の下限位置と用紙の移送完了位置の検出に関する動作を示す説明図
【図5】給紙装置の用紙移送動作を示す説明図
【図6】給紙装置の制御フローチャート
【発明を実施するための形態】
【0012】
<全体構成>
以下、本発明に係る給紙装置の実施形態につき、添付図面を参照して説明する。
【0013】
図1は本発明に係る給紙装置を備えた電子写真方式の複写機の内部構造を示す。この画像形成装置は、本体1に、全体を制御する制御部90を備え、画像形成部10、読み取り部20、本発明に係る給紙装置である給紙ユニット50を備えている。
【0014】
制御部90は、CPU(Central Processing Unit)を備え、給紙装置としての給紙ユニット50、及び画像形成装置全体の制御を行う。
【0015】
画像形成部10は、矢印a方向に回転する感光体ドラム11の周囲に帯電チャージャー12、レーザー露光部21、現像装置13、転写ローラー14、残留トナーのクリーナー15等を配置したものである。この画像形成部10における画像形成工程は周知であり、その詳細は省略する。
【0016】
用紙は以下に詳述する給紙ユニット50から給紙ローラー51の回転に基づいて1枚ずつ給紙される。給紙された用紙は直ちに捌きローラー32で1枚に分離され、縦搬送路33を通じてタイミングローラー35へ搬送され、ここで感光体ドラム11と同期合わせを行って転写部へ送り込まれる。転写後用紙は定着器37へ送り込まれ、トナー画像の定着を施され、排出ローラー38からトレイ16上へ排出される。
【0017】
<給紙装置>
次に、図2及び図3を参照して、給紙ユニット50について説明する。図2は、給紙ユニット50を上から見た平面図、図3は、図2の給紙ユニット50をX‐Xの鎖線で切断した断面から見た断面図である。
【0018】
図3に示すように、給紙ユニット50のハウジング55の両外側には、レール4、4が備えつけられ、このレール4、4によって本体1の正面側、すなわち用紙搬送方向Pと直交する方向に引出し可能とされている。ハウジング55内への用紙の補充は給紙ユニット50を本体1から引き出した状態で行われる。
【0019】
給紙ユニット50は、概略、ハウジング55内に用紙搬送方向Pに並置された第1用紙収容部の底板であるリフト52、第2用紙収容部としての用紙載置台53と、用紙載置台53上の用紙束をリフト52上へスライド移動させる移送部材としてのシフター60とで構成されている。リフト52が下がった状態で、用紙載置台53の上面とリフト52の上面が面一になるようになっている。
【0020】
リフト52には用紙束S1が積載されており(図1参照)、用紙の減少に伴ってリフト52が上昇し、用紙束S1の最上面を給紙ローラー51へ圧接させる。用紙載置台53には用紙束S2が積載されている。リフト52上の用紙が全て給紙されると、リフト52は下限位置まで下降する。リフト52が下限位置まで下降し、用紙積載台53と同一面となると、シフター60が用紙搬送方向Pに移動し、用紙積載台53上の用紙束S2をリフト52上へスライド移動させるようになっている。
【0021】
まず、リフト52について説明する。リフト52は、図示しないプーリーとワイヤーとからなる昇降機構により昇降可能な板状の台であり、用紙搬送方向Pの最下流位置に開口部56を有している。リフト52は、第1駆動部であるモーターM1の正転により上昇し、逆転により下降する。ハウジングの上端部のリフト52の上方には光センサーからなるリフト上限センサー71が設置されている。図示しない揺動自在な遮光板がリフト52上の用紙束S1によって押し上げられることにより、リフト上限センサー71の光軸を遮光し、リフト上限センサー71からオン信号が出力されてリフトの上限を検知する。リフトの上限が検知されれば、モーターM1の正転がオフされ、リフトの上昇が停止される。これにより、給紙ローラー51に用紙束の最上部が圧接され、給紙可能な状態となる。また、リフト上限センサー71の近傍には光センサーからなるエンプティセンサー72が設けられている。エンプティセンサー72は、リフト上限位置において、用紙がリフト上にあるか否かを検知する。用紙がなくなると、エンプティセンサー72の図示しないフィラーがリフト52の開口部56に落ち込むことにより、エンプティセンサーの光軸を遮光し、オン信号が出力される。用紙がリフト52上にある間は、用紙によってフィラーが持ち上げられているので、エンプティセンサー72はオフになっている。一方、リフト52の下方、ハウジングの底面上には、反射型の光センサーであるリフトエンプティセンサー73が設けられている。リフトエンプティセンサー73は、リフト上限位置以外で、用紙がリフト上に有るか否かを検知する。リフトエンプティセンサー73は、光をリフト52の開口部56に向けて投光し、反射する光を受けて用紙の有無を検知する。用紙がリフト52上に積載されている場合には、用紙に反射した光がリフトエンプティセンサー73に入光してオフとなり、用紙が積載されていない場合には、反射光の入光がなくオン信号が出力される。更に、リフト52の下方であって、用紙載置台53の近傍には、リフト下限・移載完了センサー76が設けられており、リフト52が下限位置にあることを検知する。なお、リフト下限・移載完了センサー76は、シフター60の移載完了位置も検知する。リフト下限・移載完了センサー76については、後に詳述する。
【0022】
用紙載置台53は、ハウジング55の底面の一部で形成され、シフター60が移動できるように用紙載置台53の内部は空洞で、用紙搬送方向Pに沿って2本のスリット57、57が形成されている。用紙載置台53の上面には、用紙エンプティセンサー75が設けられている。用紙エンプティセンサー75は、上部に用紙束が載置されることによりアクチュエーターが押し込まれ、オンされる。これにより、用紙載置台53上に用紙が載置されているか否かが検知される。
【0023】
次に、シフター60について説明する。シフター60は、概略、用紙を移動させるための2本のロッド63、63と、ロッド63、63が固定された台板61とからなり、シフター60の位置は、ホームセンサー74及びリフト下限・移載完了センサー76により検知される。
【0024】
シフター60は、用紙搬送方向Pに直交する方向に延在する台板61上に2本のロッド63、63が突設されており、2本のロッド63、63は、台板61と平行に延在するロッドコネクター64によって、用紙載置台53の内部において連結されている。台板61は、図示しないプーリーとワイヤーからなる移動機構により用紙搬送方向P及びその逆方向に移動可能となっている。移動機構は、第2駆動部であるモーターM2を正/逆回転駆動することによって台板61を移動させる。2本のロッド63、63は、用紙搬送方向P最上流側の位置をホームポジション、すなわち初期位置とし、初期位置にあるか否かを検知するホームセンサー74がハウジング55の内面に設けられている。ホームセンサー74は、一方のロッド63の背面でハウジング55から突出したアクチュエーターが押し込まれることによりオンされ、シフター60がホームポジションにあることが検知される。用紙載置台53の2本のスリット57、57は各ロッド63に対応する位置に形成されており、モーターM2の正転によってロッド63、63はスリット57、57に沿って台板61と共に用紙搬送方向P上流側から下流側に移動する。リフト下限・移載完了センサー76の近傍であって、用紙載置台53の下には、用紙搬送方向Pにスライド可能に取り付けられた連動部材67が備えられている。連動部材67は、後述するリフト下限・移載センター76をオン、オフする役割を果たす。
【0025】
<リフト下限・移載完了センサーとアクチュエーター>
次に、図4を参照して、リフト52の下限位置とシフター60による用紙の移載完了位置とを検出するために共用される、リフト下限・移載完了センサー76及びそれを作動させるアクチュエーター80について説明する。
【0026】
アクチュエーター80は、ハウジング55に設けられた支軸82を中心に回動可能な遮光板81を有し、遮光板81は、支軸82を中心に時計回り方向(図中矢印A方向)に付勢されている。遮光板81は、突出部81aを有しており、リフト52が上昇しているときは、遮光板81の突出部81aが上方に突出した状態で係止されるようになっている。リフト下限・移載完了センサー76は発光ダイオードの透光が遮られることによりオンとなるように構成されており、リフト52が上昇しているときは、透光状態でオフになっている(図4(1))。
【0027】
リフト52が下降すると、その底裏面52aが遮光板81の付勢力に抗して、遮光板81の突出部81aを押下げる。遮光板81は反時計回り(図中矢印B)に回動し、リフト下限・移載完了センサー76の発光ダイオードの透光を遮る。これにより、リフト下限・移載完了センサー76がオンされ、リフト52が下限位置であることが検知され、リフト52が停止する(図4(2))。リフト52が下限位置まで下がると、リフト52の上面52bと、用紙載置台53の上面とが略同一の高さに揃うため、用紙載置台53からリフト52の上面52bへ、用紙束S2を一括してスライド移送させることが可能となる。
【0028】
リフト下限・移載センター76の近傍であって、用紙載置台53の下部には、連動部材67が備えられている。連動部材67は、用紙搬送方向Pにスライド可能に取り付けられており、シフター60が用紙搬送方向Pの下流側に向かって移動し、リフト52へ用紙束S2を搬送すると、シフター60の2本のロッド63を結合するロッドコネクター64によりリフト52の下底面に潜り込むように押し込まれる。連動部材67が用紙搬送方向Pの下流側に向かって押し込まれると、連動部材67の先端部がアクチュエーター80の遮光板81に突き当たり、遮光板81を反時計回り(図中矢印B)に更に回動させる。すると、リフト下限・移載完了センサー76の発光ダイオードが再び透光状態となってオフになり、シフターが移載完了位置にあることが検出される。そして、シフター60が停止する(図5(3))。
【0029】
このように、本実施の形態においては、リフト52の下限位置と、シフター60による用紙束の移載動作の完了位置とを、一つのセンサーで共用している。
【0030】
<移送動作>
給紙ユニット50における、用紙積載台53からリフト52への移載動作について図5を参照して説明する。
【0031】
給紙ユニット50には、リフト52上に用紙束S1が載置され、用紙載置台53上に用紙束S2が載置されている。用紙束S1の最上の用紙が給紙ローラー51によりピックアップされ、捌きローラー32により1枚ずつ搬送される。リフト52は、用紙束S1の減少に伴ってリフト上限センサー71がオフとなるとモーターM1が正転して上昇し、オンとなると停止することにより、用紙束S1の最上面を給紙ローラー51へ圧接させる。(図5(1))。
【0032】
リフト52上の用紙束S1が全てなくなったことがエンプティセンサー72により検知されると、モーターM1が逆転してリフト52が下降する。リフト52の底裏面により、前述のアクチュエーター80の突出部81aが押し込まれて回動し、リフト下限・移載完了センサー76がオンされると、下限位置と判断されて、リフト52が停止する。(図5(2))。
【0033】
次に、リフト下限・移載完了センサー76がオンされると、モーターM2が正転してシフター60が用紙搬送方向Pに移動する。これにより、用紙束S2は、2本のロッド63、63に押し出される形で、リフト52上に一括して移送される。(図5(3))。
【0034】
シフター60のロッド63、63を結合するロッドコネクター64(図2)が連動部材67を用紙搬送方向Pに押し込み、これにより、リフト下限・移載完了センサー76のアクチュエーター80が回動してオフされると、移載が完了したと判断されて、モーターM2が停止しシフター60が停止する(図5(4))。
【0035】
そして、リフト下限・移載完了センサー76がオフされると、モーターM1が正転してリフト52が上昇を開始し(図5(5))、リフト上限センサー71のオンにより上限が検知されるとモーターM1が停止してリフト52が停止する。併せて、モーターM2が逆転することによりシフター60が用紙搬送方向Pの上流側から下流側、すなわち初期位置に向かって移動して(図5(6))、ホームセンサー74がオンされることにより停止する(図5(7))。
【0036】
<移載制御>
ところで、本体1の電源をオンした時や給紙ユニット50が給紙等のために本体1から一旦引き出され、再度本体1にセットされた時には、リフト52及びシフター60の位置を特定できない場合がある。例えば、ホームセンサー74がオフでリフト下限・移載完了センサー76がオフの場合、以下のいずれの場合かが不明である。
リフト52が下限位置であって、シフター60が移載完了位置にある場合、(図5(4)参照)
リフト52が下限位置になく、シフター60が移載完了位置にある(図5(5)参照)
リフト52が下限位置になく、シフター60が移載完了位置でない(図5(6)参照)
そこで、いずれの場合であるかを検知するために、本実施の形態では、本体1の電源をオンした時、及び給紙ユニット50が給紙等のために本体1から一旦引き出され、再度本体1にセットされた時、シフター60を用紙搬送方向P下流側から上流側に所定量移動させるべく、所定時間だけモーターM2を駆動させる制御を行っている。所定量とは、仮にシフター60が移載完了位置にあったとしたならば、シフター60が用紙搬送方向P下流側から上流側に移動することにより、連動部材67が初期位置に戻ることができる量である。連動部材67が初期位置に戻れば、リフト52が下限位置にない場合は、遮光板81が図4(1)に示す位置まで回動してリフト下限・移載完了センサー76がオフになり、リフト52が下限位置にある場合は、遮光板81が図4(2)に示す位置まで回動して、リフト下限・移載完了センサー76がオンになる。これにより、リフト52が下限位置にあるか否かが判断できる。
【0037】
以下、電源がオンされた時、又は給紙ユニット50が給紙等のために本体1から引き出され、再度本体1に設定された時に、制御部により実行される処理について図6を参照して説明する。図6は、制御部90により実行される処理のフローチャートである。
【0038】
電源がオンされ、又は給紙ユニット50が本体1にセットされると、ステップS1において、ホームセンサー74がオンされているか否か、すなわち、シフター60が初期位置にあるか否かが判断される。
【0039】
ホームセンサー74がオンされていなければ(ステップS1でNo)、ステップS2へ進み、モーターM2を所定のカウントだけ逆回転させ、シフター60を初期位置に近づくように用紙搬送方向P下流側から上流側へ所定量移動させる。そして、ステップS3へ進む。
【0040】
ホームセンサー74がオンされている場合(ステップS1でYes)は、そのままステップS3へ進む。
【0041】
ステップS3では、リフト下限・移載完了センサーがオンされているか否かを判断する。オンされていれば(ステップS3でYes)、リフト52が下限位置にあると判断し、ステップS4へ進む。
【0042】
ステップS4で、リフトエンプティセンサー73がオンされているか否かを判断する。
オンなら(ステップS4でYes)、リフト52に用紙がなく空であると判断できる。次にステップS5へ進む。
【0043】
ステップS5で、モーターM2を駆動してシフター60を用紙搬送方向P下流側に向けて移動させ、ステップS6へ進む。
【0044】
ステップS6では、リフト下限・移載完了センサー76がオンされているか否かを判断する。オンされていれば(ステップS6でYes)、センサー76が遮光状態であり、シフター60がまだ移載完了位置に達していないということなので、ステップS5へ戻る。オンされていなければ(ステップS6でNo)、センサー76が透光状態、すなわちシフター60が移載完了位置に達したことが分かるので、ステップS7へ進み、モーターM2を停止させ、シフター60を停止させる。次に、ステップ8へ進む。
【0045】
ステップS8では、リフト上限センサー71がオンされているか否かを判断する。リフト上限センサーがオンされていなければ(ステップS8でNO)、ステップS9へ進み、モーターM1を正回転させてリフト53を上昇させ、ステップS8へ戻る。
【0046】
ステップS8でリフト上限センサー71がオンされていれば(ステップS8でYes)、ステップS10へ進み、モーターM1を停止させてリフト52を停止させる。次に、ステップ11へ進む。
【0047】
ステップS11では、ホームセンサー74がオンされているか否かを判断する。オンされていなければ(ステップS11でNo)、シフター60が初期位置にないので、モーターM2を駆動して用紙搬送方向P上流側に向けて移動させる。ステップS11でホームセンサー74がオンされていれば(ステップS11でYes)、シフター60が初期位置にあることが分かるので、モーターM2を停止させてシフター60を停止させ、処理を終了する。
【0048】
さて、ステップS3にて、リフト下限・移載完了センサーがオンでないと判断された場合(ステップS3でNo)、ステップS15へ進む。この場合、リフト52は下限位置にはおらず、浮いた状態である。
【0049】
ステップS15では、リフトエンプティセンサー73がオンされているか否かを判断する。オフなら、リフト52に用紙が存在することが分かる。次にステップS8〜S13と前述の通り進み、処理を終了する。
【0050】
ステップS15にて、リフトエンプティセンサー73がオンされている場合には(ステップS15でYes)、リフト53に用紙がないことが分かるので、ステップS16へ進み、モーターM1を逆転させてリフト53を下降させ、ステップS17へ進む。
【0051】
ステップS17では、リフト下限・移載完了センサー76がオンされているか否かを判断する。オンされていなければ(ステップS17でNo)、まだリフト53は下限位置にないので、ステップS16へ戻る。オンされていれば(ステップS17でYes)、リフト53が下限位置にあると判断され、モーターM1を停止してリフト53を停止させる。そして、ステップS5へ戻る。
【0052】
以上説明した通り、本発明では、一つのセンサーでシフター60の移載完了位置とリフト53の下限位置を検知することができるため、センサーの数を少なくすることができ、コストダウンを達成すると共に、設計の自由度を高めることができる。
【0053】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこの構成に限定されないことは言うまでもない。
【0054】
画像形成装置は、複写機、ファクシミリ、スキャナ、これらの機能を総合的に有する複合機であってもよい。連動部材67によりアクチュエーター80を押し込むのではなく、ロッド63の一方で直接アクチュエーター80を押し込むようにしてもよい。また、センサーのオン・オフによる判断は逆であっても構わない。
【符号の説明】
【0055】
52:リフト
53:用紙載置台
60:シフター
63:ロッド
64:ロッドコネクター
67:連動部材
74:ホームセンサー
76:リフト下限・移載完了センサー
80:アクチュエーター
90:制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
積載された用紙を上昇させつつ上面から1枚ずつ給紙する給紙装置であって、
用紙を積載収容する第1用紙収容部と、
前記第1用紙収容部内に設けられ、上下方向に移動可能に支持された底板と、
前記底板を上下動させる第1駆動部と、
前記第1用紙収容部に隣接して設けられ、用紙を積載収容する第2用紙収容部と、
前記第2用紙収容部内に設けられ、水平方向に移動可能に支持された移動部材と、
前記第2用紙収容部内に積載された用紙を第2用紙収容部から第1用紙収容部へ移動させるべく前記移動部材を水平移動させる第2駆動部と、
前記底板が移動する上下方向及び前記移動部材が移動する水平方向の両方向に直交する軸を中心に回動可能に設けられ、移動する前記底板又は前記移動部材に接触することによって角度を変更される検出部材と、
前記検出部材の回転角度を検出するセンサと、
前記検出部材の回転角度を示す前記センサーの出力に基づき、前記底板及び前記移動部材の位置を検出し、前記第1及び第2駆動部を制御する制御部と
を備えたことを特徴とする給紙装置。
【請求項2】
前記検出部材は、前記底板に接触することにより回転角度を変更され、
前記制御部は、前記変更された検出部材の回転角度を示す前記センサーの出力に基づき、前記底板が下限位置にあることを検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の給紙装置。
【請求項3】
前記検出部材は、前記移動部材に接触することにより回転角度を変更され、
前記制御部は、前記変更された検出部材の回転角度を示す前記センサーの出力に基づき、前記移動部材が前記第2用紙収容部から前記第1収容部への用紙の移送を完了する移送完了位置にあることを検出する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の給紙装置。
【請求項4】
前記移送部材が、前記第2用紙収容部から前記第1用紙収容部への用紙移送を開始する前の初期位置にあるか否かを検出する初期位置検出部を更に備え、
前記制御手段は、前記初期位置検出部により前記移送部材が初期位置にないことが検出された場合、前記第2駆動部を駆動して前記移送部材を初期位置に近づく方向に所定量移動させ、前記センサーからの出力が変化するか否かに基づいて、前記底板が下限位置にあるか否かを判断する、
ことを特徴とする請求項3に記載の給紙装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記底板が下限位置にあることを検出した場合、前記第2駆動部を駆動して前記移送部材を移送完了位置に向けて移動させ、その後、前記移送部材が前記移送完了位置にあることを検出した場合、前記第2駆動部を停止して移送部材を停止する
ことを特徴とする請求項4に記載の給紙装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の給紙装置を備えた画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−63845(P2013−63845A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−204746(P2011−204746)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】