給電プラグロック装置
【課題】手動操作にてロック状態に切り換わる構造をとるものであっても、装置構造を簡素化することができる給電プラグロック装置を提供する。
【解決手段】給電プラグロック装置33に回動式のロックバー41を設け、このロックバー41にノブ部43及びアーム当接部44を一体に設ける。ノブ部43が回動操作されてロックバー41が回動すると、アーム当接部44がロックアームの上方に位置して、給電プラグがインレットにロックされる。このとき、ロックバー41とともにレバー47も同一方向に回動し、レバー47の係止溝54が規制部52に到達すると、ロックリンク49が付勢部材51の付勢力によってロック方向に回動し、規制部52が係止溝54に係止する。これにより、ロックバー41のロック位置が保持される。
【解決手段】給電プラグロック装置33に回動式のロックバー41を設け、このロックバー41にノブ部43及びアーム当接部44を一体に設ける。ノブ部43が回動操作されてロックバー41が回動すると、アーム当接部44がロックアームの上方に位置して、給電プラグがインレットにロックされる。このとき、ロックバー41とともにレバー47も同一方向に回動し、レバー47の係止溝54が規制部52に到達すると、ロックリンク49が付勢部材51の付勢力によってロック方向に回動し、規制部52が係止溝54に係止する。これにより、ロックバー41のロック位置が保持される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば車両等の物品に接続された給電プラグを物品にロックして、給電プラグの不正取り外しを防止する給電プラグロック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境問題への意識の高まりから、二酸化炭素の排出量の少ない車両として、例えばハイブリッド車や電気自動車等の普及が進んでいる。これら車両は、バッテリの電力でモータを回転させ、モータの駆動力により走行するものである。よって、長距離走行してバッテリの残量が減ると、その度にバッテリを充電しなくてはならない(特許文献1等参照)。
【0003】
ところで、バッテリ充電は、バッテリの構成要素である電池セルで化合物やイオンの電解反応を伴うため、充電時間が相対的に長くかかる現状がある。よって、バッテリ充電中、仮に車両から立ち去ってしまうと、その隙に第三者によって給電プラグを付け替えられるなどして、電力を盗電される可能性も否めない。このため、バッテリ充電可能な車両では、給電プラグを車両に挿し込んだ際、給電プラグが不正に車両から引き抜かれないようにロック装置を搭載することが検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−161898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、この種の給電プラグロック装置では、例えば手動操作にてロック状態に切り換える構造のものも想定される。こうすれば、ユーザの意志に応じてロック装置をロック状態に切り換えることが可能となるので、真に必要なときのみ給電プラグロック装置をロック状態に切り換えることができ、部品の早期劣化を防ぐことができる。しかし、この場合は、給電プラグロック装置をロック状態に切り換える際に操作する操作部が別途必要となるので、装置構造が複雑化する懸念があった。
【0006】
本発明の目的は、手動操作にてロック状態に切り換わる構造をとるものであっても、装置構造を簡素化することができる給電プラグロック装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記問題点を解決するために、本発明では、インレットに給電プラグが接続されたとき、前記インレット側のロック部材が前記給電プラグに係止することにより、前記給電プラグの不正取り外しを防止する給電プラグロック装置において、前記ロック部材を動作させる際に操作するノブ部が該ロック部材に一体形成され、当該ノブ部の手動操作によって前記ロック部材がロック状態をとり、該ロック状態の前記ロック部材が位置保持手段によって位置保持されることにより、当該ロック部材のロック状態を保持するロック機構を備えたことを要旨とする。
【0008】
本発明の構成によれば、ロック部材に一体形成されたノブ部を手動操作することによって、給電プラグロック装置をロック状態に切り換える構造をとるので、ユーザが給電プラグをインレットにロックしたいと思うときのみ給電プラグロック装置にロック動作をとらせることが可能となる。よって、給電プラグロック装置に無駄なロック動作をとらせずに済むので、給電プラグロック装置の部品の早期劣化を抑制することが可能となる。また、ノブ部をロック部材に一体形成したので、ノブ部とロック部材とを別々に用意する必要がない。このため、部品点数が減るので、給電プラグロック装置の構造を簡素化することが可能となる。
【0009】
本発明では、前記ロック部材は、回動する部材であって、前記ノブ部は、回動操作式であることを要旨とする。この構成によれば、給電プラグロック装置の構造を、ノブ部の操作にてロック部材を回すという簡素な構成にすることが可能となる。
【0010】
本発明では、前記ロック機構のケース内への流体の浸入を抑制する防水手段を備えたことを要旨とする。この構成によれば、防水手段によってケースの防水性が確保されるので、仮にケース内に電装品が収納されていた場合、電装品に水等が付着し難くなる。このため、水付着等を要因とする電装品の故障を生じ難くすることが可能となる。
【0011】
本発明では、前記ロック機構は、ロック状態の前記ロック機構を手動操作によってアンロック状態に切り換え可能な手動解除手段を備えたことを要旨とする。この構成によれば、給電プラグロック装置のロック状態が何らかの要因でアンロック状態に解除できない状況となっても、手動解除手段によって給電プラグロック装置をアンロック状態に切り換えることが可能となる。よって、給電プラグをインレットから取り外せず、車両を走行させることができない状況にならずに済む。
【0012】
本発明では、前記ロック部材は、前記ロック機構のケースのうち前記インレット側に固定されたボディ部に取り付けられていることを要旨とする。この構成によれば、給電プラグロック装置がロック状態のとき、仮に第三者がロック状態を不正に解除しようとしてロック部材にアンロック方向の外力を加えたとしても、この力をボディ部で受けることが可能となる。ところで、ボディ部はインレット側に固定されているため、例えば広い接触面積で強く車体に固定された状態となっている。このため、ロック部材にアンロック方向の不正な外力が加わっても、外力に耐え得る箇所でこの力を受けることが可能となるので、ロックバーに加わった外力でロック機構が破壊されてしまう状況が生じ難くなる。従って、不正アンロックを生じ難くすることが可能となる。
【0013】
本発明では、前記ロック機構は、アンロック動作するときの駆動源となる駆動手段を備え、当該ロック機構は、車両ドアがアンロック動作をとるとき、前記駆動手段を駆動させることにより、前記車両ドアのアンロック動作に連動して、自身のアンロック動作を実行することを要旨とする。この構成によれば、給電プラグロック装置のアンロック動作を、車両ドアのアンロック動作に連動する構成とした。このため、給電プラグロック装置をアンロック状態に切り換えるとき、別途特別な操作が不要となるので、利便性をよくすることが可能となる。
【0014】
本発明では、前記位置保持手段は、前記ロック部材と一体動作するレバーと、前記レバーがアンロック位置にあるとき、当該レバーの壁に支持されてアンロック状態をとり、前記レバーが前記ロック部材とともにロック方向に動いたとき、前記壁による支持が外れてロック方向に動き、前記レバーの動作を規制することにより、該レバーをロック状態に保持するロックリンクと、前記ロックリンクをロック方向に付勢する付勢部材と、ロック位置にある前記ロックリンクを前記付勢部材の付勢力に抗してアンロック方向に動作させることにより、前記ロック部材をアンロック状態に切り換える駆動手段とを備えたことを要旨とする。この構成によれば、位置保持手段の構造が簡素な構成で済む。
【0015】
本発明では、前記ロック機構は、ロック状態をとる前記ロックリンクをケース側の支持面に当接させることにより、外部から当該ロック部材に加えられたアンロック方向の外力を当該支持面で受けることにより、前記ロック部材のアンロック方向への回動を抑制して、前記ロック状態の不正解除を抑制する不正解除防止機構を備えたことを要旨とする。この構成によれば、給電プラグロック装置がロック状態のとき、仮に第三者がロック状態を不正に解除しようとしてロック部材にアンロック方向の外力を加えたとしても、この力を不正解除防止機構で受けることが可能となる。このため、ロック部材にアンロック方向の不正な外力が加わっても、この力を不正解除防止機構で受けることが可能となるので、不正アンロックを生じ難くすることが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、手動操作にてロック状態に切り換わる構造をとるものであっても、装置構造を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】一実施形態の車両の構成図。
【図2】給電プラグ及びインレットの外観を示す斜視図。
【図3】給電プラグの構造及び取り付け態様を示す一部破断側面図。
【図4】給電プラグロック装置の分解斜視図。
【図5】給電プラグロック装置がアンロック状態のときの平面図。
【図6】給電プラグロック装置がロック状態のときの平面図。
【図7】給電プラグロック装置の電気構成を示す回路図。
【図8】給電プラグロック装置がアンロック状態のときの斜視図。
【図9】給電プラグロック装置がロック動作をし始めたときの斜視図。
【図10】給電プラグロック装置がロック状態のときの斜視図。
【図11】給電プラグロック装置がアンロック動作をとるときの回路図。
【図12】給電プラグロック装置がアンロック動作を開始し始めたときの斜視図。
【図13】(a)〜(d)は、給電プラグロック装置のロック状態を手動解除するときの動きの過程を示す斜視図及び側面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を具体化した給電プラグロック装置の一実施形態を図1〜図13に従って説明する。
図1に示すように、ハイブリッド車(以下、単に車両1と記す)には、車輪を回す動力をエンジン2又はモータ3にて発生させるハイブリッドシステム4が設けられている。ハイブリッドシステム4には、モータ3の電源としてバッテリ5が設けられている。車両1は、エンジン2の動力で発電してモータ3により走行するモード、エンジン2及びモータ3の両方を動力として走行するモード、モータ3のみで走行するモード等の各種モードにより走行する。
【0019】
車両1には、電子キー6との間で無線によりID照合を行って車両1を動作させる電子キーシステム7が搭載されている。本例の電子キーシステム7は、電子キー6からの通信を契機にID照合を行うワイヤレスキーシステムである。
【0020】
この場合、車両1には、電子キー6とのID照合を実行するキー照合装置8と、車両ドアのドアロック施解錠を実行するドアロック装置9とが設けられ、これらが車内バス10によって接続されている。キー照合装置8には、キー照合装置8の動作を統括制御する照合ECU(Electronic Control Unit)11が設けられている。照合ECU11のメモリには、電子キー6のIDコードが登録されている。照合ECU11には、UHF(Ultra High Frequency)帯の電波を受信可能な車両受信機12が接続されている。ドアロック装置9には、ドアロックの施解錠動作を統括制御するドアロックECU13が設けられている。ドアロックECU13には、ドアロックの施解錠を切り換える際の駆動源としてドアロックモータ14が接続されている。
【0021】
電子キー6には、キー側の通信動作を管理するキー制御部15が設けられている。キー制御部15のメモリには、電子キー6のIDコードが登録されている。また、電子キー6には、車両1を遠隔操作する際に操作する複数の操作ボタン16が設けられている。操作ボタン16には、ドアロックを施錠する際に操作する施錠ボタンや、ドアロックを解錠する際に操作する解錠ボタン等がある。
【0022】
操作ボタン16が操作されると、電子キー6からUHF帯の電波によりワイヤレス信号Sidが送信される。ワイヤレス信号Sidには、IDコードと、操作された操作ボタン16に応じた機能コードとが含まれている。照合ECU11は、ワイヤレス信号Sidを車両受信機12で受信すると、ワイヤレス信号Sid内のIDコードにてID照合を実行する。照合ECU11は、ID照合の成立を確認すると、ワイヤレス信号Sid内の機能コードに応じた動作を車両1に実行させる。
【0023】
例えば、ドアロックが解錠状態のとき、電子キー6からワイヤレス信号Sidとしてドアロック要求信号を受信すると、ID照合成立を条件にドアロックモータ14が例えば正転され、ドア側の係止部材(図示略)が車体に係止される。よって、ドアロックが施錠状態となる。一方、ドアロックが解錠状態のとき、電子キー6からワイヤレス信号Sidとしてドアアンロック要求信号を受信すると、ID照合成立を条件にドアロックモータ14が例えば逆転され、係止部材が車体から外される。よって、ドアロックが解錠状態となる。
【0024】
車両1には、外部電源にてバッテリ5を充電する充電システム17が設けられている。充電システム17は、例えば街の一角に設置された充電スタンドや住宅の商用電源などを充電設備18として、充電設備18の充電ケーブル18aの先端に設けられた給電プラグ19を車両1に接続して、バッテリ5を充電する。
【0025】
図1及び図2に示すように、車体20の左前側壁には、給電プラグ19の接続箇所として受電コネクタ21が設けられている。受電コネクタ21は、横開き式のリッド22によって収納室23が開閉される。受電コネクタ21には、電気接続端子(パワー端子、制御端子)を有するインレット24が設けられている。インレット24には、給電プラグ19が完挿されたことを検出するプラグ接続検出センサ25が設けられている。また、インレット24には、インレット24の電気接続端子を開閉するゴム製の蓋26が横開き可能に取り付けられている。
【0026】
図2及び図3に示すように、給電プラグ19は、充電システム17の電源側であって、インレット24に接続される電気接続端子が設けられている。給電プラグ19のプラグ本体19aには、接続時の抜け止めとしてロックアーム27が揺動可能に取り付けられている。ロックアーム27は、長手方向中央を回動軸28として上下方向に揺動する。ロックアーム27は、先端の爪部29と根元の操作部30とがプラグ本体19aの外部に露出されている。ロックアーム27において操作部30寄りの位置には、ロックアーム27を閉じ側に常時付勢する付勢部材31が設けられている。
【0027】
給電プラグ19を受電コネクタ21に接続する際には、給電プラグ19を受電コネクタ21へ挿入方向(図3の−Y軸方向)に真っ直ぐ挿し込む。このとき、爪部29がインレット24の突部32に当接すると、ロックアーム27は斜面32aに案内されて突部32を上る。そして、給電プラグ19がインレット24に完挿されると、付勢部材31の付勢力によってロックアーム27が閉じ側に揺動する。このため、爪部29が突部32に引っ掛かって、給電プラグ19がインレット24に抜け止めされる。
【0028】
ハイブリッドシステム4は、インレット24に給電プラグ19が完挿されたことをプラグ接続検出センサ25により検出すると、給電プラグ19に充電開始要求を出力する。給電プラグ19は、ハイブリッドシステム4から充電開始要求を入力すると、受電コネクタ21に電流を流して、バッテリ5を充電する。ハイブリッドシステム4は、バッテリ5が満充電されたことを確認すると、充電終了要求を給電プラグ19に出力する。給電プラグ19は、ハイブリッドシステム4から充電終了要求を入力すると、受電コネクタ21への電流供給を停止し、充電を終了する。
【0029】
給電プラグ19をインレット24から取り外す際には、操作部30を押してロックアーム27を開き側に揺動させ、突部32から離間させる。そして、この状態で給電プラグ19をインレット24から真っ直ぐ引き抜くことで、車両1から取り外す。
【0030】
図4〜図6に示すように、受電コネクタ21には、インレット24に接続された給電プラグ19の不正な取り外しを防止する給電プラグロック装置33が設けられている。本例の給電プラグロック装置33は、手動操作によってアンロック状態からロック状態に切り換わり、そのロック状態が機械的な構造により保持される。また、ロック状態となった給電プラグロック装置33は、例えばドアロックのアンロック動作に連動してアンロック状態に切り換わる。
【0031】
給電プラグロック装置33には、平たい箱形状を呈するケース34が設けられている。ケース34は、給電プラグロック装置33の部品群を収納する有底状箱状のロックボディ35と、ロックボディ35の開口を閉じる略板状のリッド36とからなる。ロックボディ35及びリッド36は、例えば複数のネジ等より一体に組み付けられる。ケース34は、ロックボディ35が複数の係止部材(図示略)によってインレット24に固定された取り付け状態をとる。なお、ロックボディ35がボディ部に相当する。
【0032】
ロックボディ35とリッド36との間には、ケース34の内部の気密性を確保する環状のシール部材37が設けられている。シール部材37は、例えばOリングが使用されている。なお、シール部材37が防水手段を構成する。
【0033】
ケース34の内部には、給電プラグロック装置33の機構部分としてロック機構40が設けられている。この場合、ケース34の裏面には、略プロペラ状を呈するロックバー41が、ケース34の平面方向(図4のX−Y平面方向)に回動可能に取り付けられている。ロックバー41は、装置高さ方向(図4のZ軸方向)に延びる軸部42を有し、この軸部42の軸La回りに回動可能となっている。なお、ロックバー41がロック部材に相当する。
【0034】
ロックバー41には、ロックバー41を回転させる際に手で把持するノブ部43と、ロックアーム27の揺動を規制可能なアーム当接部44とが設けられている。つまり、本例のロックバー41は、1つの部材でノブ部43及びアーム当接部44の両方を有する部材となっている。ノブ部43及びアーム当接部44は、軸部42を中心に互いに反対の位置に設けられている。ロックバー41は、アーム当接部44がロックバー41の上にくる回転位置をとるとき、ロックアーム27をインレット24に固定し、アーム当接部44がロックアーム27から離間する回転位置をとるとき、ロックアーム27の揺動を許容する。
【0035】
リッド36の底壁には、ロックバー41の軸部42を挿し込む通し孔45が形成されている。ロックバー41と通し孔45との間には、ケース34の内部の気密性を確保する環状のシール部材46が介装されている。シール部材46は、例えばリップシールが使用されている。なお、シール部材46が防水手段を構成する。
【0036】
リッド36(ケース34)の手前側縁部には、給電プラグロック装置33のロック不正解除を防止する補強部36aが設けられている。補強部36aは、板状の部材からなり、ロックアーム27をロックするロックバー41のアーム当接部44を上から支持することにより、不正ロック解除を防止する。
【0037】
ロックバー41の軸部42には、ロックバー41と同一軸心上を一体回動する略円柱状のレバー47が取り付け固定されている。レバー47の裏面には、D字状の溝(図示略)が形成され、この溝に軸部42の係合部42aを係止することにより、ロックバー41及びレバー47が一体組み付けされている。ロックバー41が奥側に回動操作されたとき、レバー47はロックバー41とともにロック方向(図4の矢印K1方向)に回転し、ロックバー41が手前側に回動するとき、レバー47はロックバー41とともにアンロック方向(図4の矢印S1方向)に回転する。なお、レバー47が位置保持手段を構成する。
【0038】
ケース34とレバー47との間には、レバー47をアンロック方向に常時付勢する付勢部材48が介装されている。付勢部材48は、例えばトーションスプリングが使用されている。レバー47の上部には、付勢部材48の取り付け先として柱状の止め部47aが設けられ、止め部47aの側方には、装置高さ方向Zに延びる略円弧状の立設片47bが突設されている。付勢部材48は、一端がケース34に係止され、他端が立設片47bに係止されている。
【0039】
ケース34の内部には、レバー47と協同してロックバー41をロック位置に保持するロックリンク49が、装置奥行き方向(図4のY軸方向)に延びるピン部材50によって回動可能に取り付けられている。ロックリンク49は、ピン部材50の軸Lb回りに回動可能であり、レバー47の回動方向に交差する方向に回動する。ロックリンク49には、ロックリンク49をロック方向に常時付勢する付勢部材51が設けられている。このため、ロックリンク49は、付勢部材51の付勢力によってロック方向(図4の矢印K2方向)に回転し、付勢部材51の付勢力に抗してアンロック方向(図4の矢印S2方向)に回動する。付勢部材51は、例えばトーションばねが使用されている。なお、ロックリンク49及び付勢部材51が位置保持手段を構成する。
【0040】
ロックリンク49には、ロックリンク49の平面方向(図4のX−Z平面方向)において軸Lbからずれた位置に規制部52が突設されている。一方、レバー47の側部には、レバー47がアンロック位置にあるときに、ロックリンク49の規制部52を載置可能な座部53が設けられている。また、座部53には、レバー47がロック位置に到達したときに規制部52が係止する係止溝54が形成されている。規制部52が係止溝54に引っ掛かったとき、給電プラグロック装置33のロック状態が保持される。なお、座部53が壁に相当する。
【0041】
ロックリンク49の外周の一部には、ロックリンク49の回転方向に沿って歯が並ぶギヤ部55が設けられている。ギヤ部55には、ロック状態のロックバー41をアンロック状態に戻す際の駆動源として給電プラグロックモータ56が接続されている。給電プラグロックモータ56は、モータ軸の先端にギヤ部57を有し、これがロックリンク49のギヤ部55と噛合する。給電プラグロックモータ56は、モータ軸が装置奥行き方向Yに沿う向きにて配置されている。給電プラグロックモータ56は、例えばDCモータが使用され、ハーネス(図示略)を介して車両1の電源+Bに接続されている。給電プラグロックモータ56が回転したとき、ロックリンク49は給電プラグロックモータ56と逆方向に回転する。なお、給電プラグロックモータ56が位置保持手段を構成する。
【0042】
給電プラグロック装置33には、ロック状態となった給電プラグロック装置33を手動操作(引き操作)によって強制解除する際に使用するロックリリース部58が設けられている。ロックリリース部58は、略板状の形状を呈するとともに、装置奥行き方向Yに直線往復動可能にケース34に取り付けられている。ロックリリース部58の根元には、例えばトランク内に露出するノブ部59が設けられている。ロックリリース部58は、トランクを開けてトランク内からのみ操作することが可能である。なお、ロックリリース部58が手動解除手段を構成する。
【0043】
また、ロックリリース部58には、ノブ部59が引き操作された際に、ロックリンク49を付勢部材51の付勢力に抗してアンロック方向(図4の矢印S2方向)に強制回動させる斜面状のリンク押上部60と、レバー47をアンロック方向に強制回動させるレバー押込部61とが設けられている。リンク押上部60は、ロックリリース部58が引き操作されたとき、ロックリンク49の被押込部62を上から押すことにより、ロックリンク49をアンロック方向に回動させる。被押込部62は、ロックリンク49においてピン部材50を中心に規制部52の反対側に位置する突部分である。レバー押込部61は、ロックリリース部58が引き操作されたとき、レバー47の側壁の係止突63を押すことにより、レバー47をアンロック方向に回動させる。なお、被押込部62及び係止突63が手動解除手段を構成する。
【0044】
ケース34の内面とロックリリース部58との間には、引き込み操作されたロックリリース部58を元の初期位置に復帰させる付勢部材64が介装されている。付勢部材64は、例えばコイルばねが使用されている。
【0045】
図5及び図6に示すように、ケース34とロックリンク49との間には、給電プラグロック装置33が外力によって不正にロック解除されてしまうことを防止する不正解除防止機構65が設けられている。これは、給電プラグロック装置33がロック状態のとき、例えば第三者等がドライバー等でロックバー41を無理にアンロック側に押し込み、ロックバー41を強制的にアンロック方向に回転させてしまうことも想定されるからである。こうなると、給電プラグロック装置33が不正にアンロックされてしまうため、本例の不正解除防止機構65を設けて対処する。
【0046】
本例の不正解除防止機構65は、板状を呈するロックリンク49の外表面66を、ロックボディ35の内壁の支持面67に広い範囲にて当接させる構造をとっている。本例の場合、ロックバー41を外部からアンロック方向に不正回転させたときにロックリンク49に発生する力の向きFと、外表面66及び支持面67の接触面の面方向(図5のX−Z面方向)とは、互いに直交する向きをとっている。これにより、給電プラグロック装置33の不正アンロックに対する耐性が確保されている。
【0047】
図7に示すように、ドアロックECU13には、ドアアンロック動作時にオンされるアンロック側リレー68と、ドアロック時にオンされるロック側リレー69とが接続され、これらリレー68,69の間にドアロックモータ14が接続されている。ドアロックECU13は、車両1が電子キー6からドアロック要求信号を受信したとき、アンロック側リレー68をオフ、ロック側リレー69をオンして、ドアロックモータ14を正転させる。一方、ドアロックECU13は、車両1が電子キー6からドアアンロック要求信号を受信したとき、アンロック側リレー68をオン、ロック側リレー69をオフして、ドアロックモータ14を逆転させる。
【0048】
給電プラグロックモータ56は、ドアロックモータ14のモータ回路からハーネスを引き延ばすことにより、ドアロックモータ14に並列接続されている。給電プラグロックモータ56のハーネス上には、給電プラグロック装置33がロック状態にあることを検出するプラグロック検出部70が接続されている。プラグロック検出部70は、例えばマイクロスイッチからなり、ロックバー41の回動操作にてロック機構40がロック状態となると機械的にオンする。給電プラグロックモータ56とプラグロック検出部70との間には、逆電流防止用のダイオード71が接続されている。
【0049】
ドアロックがロック動作をとる際、ドアロックモータ14には、ロック側リレー69からアンロック側リレー68に電流(図7の電流Ia)が流れる。このため、ドアロックモータ14のアンロック側端子14aの電圧が低電位となるので、プラグロック検出部70がオン/オフのどちらをとっていても、給電プラグロックモータ56には電流が流れず、給電プラグロックモータ56は動作しない。なお、アンロック側端子14aは、ドアロックモータ14の+端子及び−端子のうち、ドアロックモータ14がアンロック動作をとるときに高電位となる側の端子のことを言う。
【0050】
一方、ドアロックがアンロック動作をとる際、ドアロックモータ14には、アンロック側リレー68からロック側リレー69に電流(図7の電流Ib)が流れる。このため、アンロック側端子14aの電圧が高電位となるので、プラグロック検出部70がオンとなっていれば、給電プラグロックモータ56に電流が流れ、給電プラグロック装置33がアンロック動作をとる。
【0051】
次に、本例の給電プラグロック装置33の動作を、図8〜図13を用いて説明する。
まず、図8に、アンロック状態の給電プラグロック装置33を示す。このとき、同図に示すように、ロックバー41のノブ部43は、同図の矢印S1方向に最大回転した初期位置をとる。また、ロックバー41のアーム当接部44は、ロックアーム27から離間したアンロック位置にある。つまり、給電プラグロック装置33がアンロック状態をとる。よって、ロックアーム27が揺動操作可能であり、給電プラグ19をインレット24に自由に接続/取り外し可能である。
【0052】
また、ロックバー41がアンロック位置をとるとき、レバー47は、付勢部材48の付勢力によって、同図の矢印S1方向に最大回転したアンロック位置をとっている。このとき、ロックリンク49の規制部52は、レバー47の座部53に乗り、ロック方向に回転することが規制されている。これにより、給電プラグロック装置33のアンロック状態が保持されている。
【0053】
図9に示すように、アンロック状態の給電プラグロック装置33をロック状態にするには、初期位置にあるロックバー41を、ノブ部43を把持してロック方向(図9の矢印K1方向)に回動操作する。このとき、ロックバー41は、付勢部材48の付勢力に抗して、立設片47bが図6に示すケース34の内壁面34aに当接するまで回動操作される。ロックバー41の回動操作時、ロックバー41及びレバー47は、ロックバー41の回動操作とともに、同図の矢印K1方向に一体回動する。
【0054】
図10に示すように、ロックバー41が奥まで回動操作されると、レバー47は軸La回りにロック方向へ約30度回転した状態となる。このとき、ロックバー41のアーム当接部44は、ロックアーム27の上方に位置する。よって、突部32に係止したロックアーム27は、アーム当接部44(ロックバー41)によって上から押さえ付けられた状態となり、揺動が不可となる。つまり、給電プラグロック装置33は、給電プラグ19をインレット24に固定したロック状態となる。
【0055】
また、レバー47がロック位置まで目一杯回転すると、レバー47の係止溝54は、ロックリンク49の規制部52と向き合う位置をとる。このため、規制部52は、レバー47の座部53にて位置規制された状態から開放される。よって、ロックリンク49は、付勢部材51の付勢力により、ロック方向(同図の矢印K2方向)に回転する。よって、ロックリンク49の規制部52が係止溝54に落ち込み、規制部52と係止溝54とが係止する状態となる。これにより、レバー47の回転が不可となるため、給電プラグロック装置33のロック状態が維持される。なお、ロックバー41がロック位置をとったとき、プラグロック検出部70が機械的にオンする。
【0056】
続いて、給電プラグロック装置33がロック状態のとき、ドアロックのアンロック動作が実行されると、ドアのアンロック動作に連動して給電プラグロック装置33もアンロック動作をとる。このときは、図11に示すように、ドアロックモータ14に電流Ib(アンロック電流)が流れることにより、アンロック側端子14aの電圧が高電位をとり、かつプラグロック検出部70がオンをとるので、電流Ibの一部が給電プラグロックモータ56にも流れ、給電プラグロックモータ56が回転する。
【0057】
図12に示すように、給電プラグロックモータ56が回転すると、モータ回転力がギヤ部55,57によりロックリンク49に伝達されて、ロックリンク49が付勢部材51の付勢力に抗して、アンロック方向(同図の矢印S2方向)に回転をし始める。このとき、ロックリンク49は、ケース34の内壁面(内部底面)34bに当接するまで回転する。
【0058】
そして、ロックリンク49がアンロック方向に目一杯回転すると、レバー47は、ロックリンク49の規制部52により回転規制された状態から開放される。このため、レバー47は、付勢部材48の付勢力によってアンロック方向(図12の矢印S1方向)に回転をし始め、立設片47bが図5に示すケース34の内壁面34cの内面に当接するまで回転する。そして、レバー47のアンロック方向への回転に伴って、ロックバー41もアンロック方向に回転し、アーム当接部44がロックアーム27から離間するとともに、ノブ部43が初期位置に復帰する。これにより、給電プラグロック装置33がアンロック状態に復帰する。
【0059】
ここで、給電プラグロック装置33のロック状態が何らかの要因で解除できないときには、ロックリリース部58を操作することにより、給電プラグロック装置33のロック状態を手動解除する。なお、ロックリリース部58のノブ部59は、車両1のトランク内に配置されているので、給電プラグロック装置33のロック手動解除は、電子キー6を所持してドアロックを解錠できる正規ユーザのみが実行可能である。
【0060】
図13(a)に示すように、給電プラグロック装置33のロック状態を手動解除するときは、ロックリリース部58のノブ部59を引き操作する。図13(b)に示すように、ロックリリース部58を引き操作する過程では、ロックリリース部58のリンク押上部60が、ロックリンク49の被押込部62を下に押す動きをとる。被押込部62がリンク押上部60によって押し込まれると、ロックリンク49にアンロック方向の力が加わり、ロックリンク49が付勢部材51の付勢力に抗して、アンロック方向に回転をし始める。
【0061】
図13(c)に示すように、ロックリリース部58を更に引き込むと、今度はロックリリース部58のレバー押込部61がレバー47の係止突63を後から押す。そして、更にロックリリース部58を手間に引き込むと、ロックリリース部58はレバー47を後から押しながら直線移動する。
【0062】
このとき、図13(d)に示すように、レバー47は、ロックリリース部58に押されながら、アンロック方向に回動する。レバー47がアンロック方向に回転する際、ロックバー41もアンロック方向に回動し、アーム当接部44がロックアーム27から離間するとともに、ノブ部43も初期位置に復帰する。よって、給電プラグロック装置33を手動によりロック状態からアンロック状態に切り換えることが可能となる。
【0063】
以上により、本例においては、給電プラグロック装置33のロック動作を、ノブ部43を回して行う手動操作式としたので、ユーザが真に必要なときのみ給電プラグロック装置33にロック動作をとらせることが可能となる。ところで、仮に給電プラグロック装置33のロック動作を車両ドアのドアロック連動とした場合、給電プラグ19がインレット24に接続されていないときでも、ドアロック動作が実行されると、その度に給電プラグロック装置33がロック動作を実行してしまい、部品の早期劣化に繋がる。しかし、本例は、ノブ部43が操作されたときのみ給電プラグロック装置33がロック動作をとるので、給電プラグロック装置33に無断なロック動作を実行させずに済み、部品の早期劣化を抑制することが可能となる。
【0064】
また、本例の給電プラグロック装置33は、ロックバー41にノブ部43を一体に形成したので、ロックバー41(アーム当接部44)とノブ部43とを別々に設けずに済む。よって、給電プラグロック装置33を手動操作によりロックする形式にしても、部品点数が増えずに済むので、給電プラグロック装置33の構造を簡素化することが可能となる。
【0065】
本実施形態の構成によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)給電プラグロック装置33のロック動作を、回転式のロックバー41のノブ部43を回す手動操作式とし、このノブ部43をロックバー41に一体形成した。このため、給電プラグロック装置33の部品の早期劣化を抑制でき、給電プラグロック装置33の構成を簡素化することができる。
【0066】
(2)ノブ部43を回動操作式としたので、給電プラグロック装置33の構造を、ノブ部43を回す操作にてロック状態に切り換えるという簡素な構成で済ますことができる。
(3)給電プラグロック装置33に、ケース34の防水性を確保するシール部材37,46を設けた。よって、ケース34の内部に水(流体)などが浸入し難くなるので、ケース34内の給電プラグロックモータ56やその電気配線等に、水等の付着を要因とする故障を生じ難くすることができる。
【0067】
(4)給電プラグロック装置33に、ロック状態を手動操作により解除可能なロックリリース部58を設けた。よって、給電プラグロック装置33がロック状態のとき、何らかの要因で給電プラグロックモータ56が動かずロックが解除できない状況になっても、ロックリリース部58を操作することによって、ロック状態を解除することができる。また、ロックリリース部58のノブ部59はトランク内に配置されているので、電子キー6を所持した正規ユーザのみがドアロック解除にてランクを開けることでロックリリース部58を操作できる。よって、不正な手動解除操作も防止することができる。
【0068】
(5)インレット24に取り付け固定されたロックボディ35に、ロックバー41を取り付けた。このため、仮に第三者が給電プラグロック装置33のロック状態を不正に解除しようとしてノブ部43にアンロック方向の外力を加えたとしても、この力(不正解除の外力)を、インレット24に強固に固定されたロックボディ35で受けることができる。よって、ノブ部43に不正解除の外力が加わっても、この外力によってケース34がロックバー41から破壊されずに済むので、不正アンロックを生じ難くすることができる。
【0069】
(6)給電プラグロック装置33のアンロック動作を、車両ドアのアンロック動作に連動するようにした。このため、給電プラグロック装置33をアンロック状態に切り換えるとき、別途特別な操作が不要となるので、利便性をよくすることができる。
【0070】
(7)ロックリンク49の外表面66をケース34の支持面67に広範囲で当接させることにより、給電プラグロック装置33に不正解除防止機構65を設けた。このため、仮に第三者が給電プラグロック装置33のロック状態を不正に解除しようとしてノブ部43にアンロック方向の外力を加えたとしても、この力(不正解除の外力)を支持面67で受けることが可能となるので、不正アンロックを生じ難くすることができる。
【0071】
(8)ロックバー41(ノブ部43)、レバー47、ロックリンク49が動作したとき、これらはケース34の内壁に当接して動きが止まる(位置決めされる)構造となっている。よって、各部材の位置を監視するセンサ等が必要ないので、装置構造を簡素にすることができる。
【0072】
なお、実施形態はこれまでに述べた構成に限らず、以下の態様に変更してもよい。
・バッテリ5の充電開始条件は、適宜変更可能である。例えば、プラグ接続検出センサ25がインレット24への給電プラグ19の挿し込みを検出し、かつ電子キー6とID照合が成立することを充電開始条件としてもよい。
【0073】
・給電プラグロック装置33のロック手動解除は、引き操作に限定されず、例えば押し操作としてもよい。また、手動解除手段は、ロックリリース部58を操作することでロック状態を解除する構造に限定されない。例えば、ワイヤー等で直にレバー47やロックリンク49を直にアンロック方向に回動させるものでもよい。
【0074】
・プラグロック検出部70は、スイッチ類(マイクロスイッチ)に限定されず、例えばセンサを使用してもよい。
・給電プラグロックモータ56の電気回路は、例えばアンロック側端子14aにプラグロック検出部70を介してスイッチ手段(トランジスタ、リレー等)接続し、このスイッチ手段のオン/オフを、アンロック側端子14aの電圧(電流)により切り換えることで、給電プラグロックモータ56の動作を制御するものでもよい。
【0075】
・給電プラグロック装置33にICを設け、このICが、給電プラグロック装置33がロック状態をとることと、車両ドアがアンロック動作をとることとを確認したとき、給電プラグロックモータ56にアンロック動作の電流を流すようにしてもよい。
【0076】
・バッテリ5の充電停止は、車両内のスイッチを切ることで行ってもよい。
・不正解除防止機構65は、外部から不正解除操作力をケース34の広い面で受けることができる構造であれば、どのような構造を採用してもよい。
【0077】
・給電プラグロック装置33のアンロック動作は、ドアロック連動とすることに限定されず、例えば手動操作式としてもよい。
・電子キーシステム7は、ワイヤレスキーシステムに限定されない。例えば、車両1からの通信を契機にID照合を行うキー操作フリーシステムや、通信にNFC(Near Field Communication)等の近距離通信を用いる近距離無線認証システムとしてもよい。
【0078】
・ワイヤレスキーシステムは、パワースライドドア開閉システムでもよい。
・1つの操作ボタン16が操作される度に、ドアロックの施錠と解除とが交互に実行されるシステムでもよい。
【0079】
・操作手段は、押し操作式に限定されず、例えば回転式としてもよい。
・交差は、直交のみに限らず、直交から所定量ずれた交わりも広く含む。
・ロック機構40は、手動操作によってロック状態に切り換えられ、かつロック状態が保持されれば、どのような構造を採用してもよい。
【0080】
・ロックバー41は、回動式に限定されず、例えばロック位置とアンロック位置との間を直線移動する直線移動式(スライド式)としてもよい。また、同様にノブ部43も回動操作式に限らず、直線操作式としてもよい。
【0081】
・ロック部材は、自身のみがロックアーム27の上方に位置してロック状態をとるロックバー41に限定されず、例えば複数部品から構成されていてもよい。例えば、ロックバー41は、例えば所定部材を介してロックアーム27の揺動操作を規制するものでもよい。
【0082】
・給電プラグロック装置33に照明部を設け、例えば夜間のとき、インレット24の周囲に照明部によって明かりを照らしてもよい。
・駆動手段は、モータに限定されず、例えばソレノイドを使用してもよい。
【0083】
・位置保持手段及び防水手段は、実施形態に述べた構造に限らず、給電プラグロック装置33の構造や形状の変更に応じて、他のものに適宜変更可能である。
・車両1は、ハイブリッド車に限定されず、例えばモータのみで走行する電気自動車でもよい。
【0084】
・給電プラグロック装置33は、車両1に適用されることに限らず、他の装置や機器に応用してもよい。
【符号の説明】
【0085】
19…給電プラグ、24…インレット、33…給電プラグロック装置、34…ケース、35…ボディ部としてのロックボディ、40…ロック機構、41…ロック部材としてのロックバー、43…ノブ部、37,46…防水手段を構成するシール部材、47…位置保持手段を構成するレバー、49…位置保持手段を構成するロックリンク、51…位置保持手段を構成する付勢部材、53…壁としての座部、56…位置保持手段及び駆動手段を構成する給電プラグロックモータ、58…手動解除手段を構成するロックリリース部、62…手動解除手段を構成する被押込部、63…手動解除手段を構成する係止突、65…不正解除防止機構、67…支持面。
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば車両等の物品に接続された給電プラグを物品にロックして、給電プラグの不正取り外しを防止する給電プラグロック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境問題への意識の高まりから、二酸化炭素の排出量の少ない車両として、例えばハイブリッド車や電気自動車等の普及が進んでいる。これら車両は、バッテリの電力でモータを回転させ、モータの駆動力により走行するものである。よって、長距離走行してバッテリの残量が減ると、その度にバッテリを充電しなくてはならない(特許文献1等参照)。
【0003】
ところで、バッテリ充電は、バッテリの構成要素である電池セルで化合物やイオンの電解反応を伴うため、充電時間が相対的に長くかかる現状がある。よって、バッテリ充電中、仮に車両から立ち去ってしまうと、その隙に第三者によって給電プラグを付け替えられるなどして、電力を盗電される可能性も否めない。このため、バッテリ充電可能な車両では、給電プラグを車両に挿し込んだ際、給電プラグが不正に車両から引き抜かれないようにロック装置を搭載することが検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−161898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、この種の給電プラグロック装置では、例えば手動操作にてロック状態に切り換える構造のものも想定される。こうすれば、ユーザの意志に応じてロック装置をロック状態に切り換えることが可能となるので、真に必要なときのみ給電プラグロック装置をロック状態に切り換えることができ、部品の早期劣化を防ぐことができる。しかし、この場合は、給電プラグロック装置をロック状態に切り換える際に操作する操作部が別途必要となるので、装置構造が複雑化する懸念があった。
【0006】
本発明の目的は、手動操作にてロック状態に切り換わる構造をとるものであっても、装置構造を簡素化することができる給電プラグロック装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記問題点を解決するために、本発明では、インレットに給電プラグが接続されたとき、前記インレット側のロック部材が前記給電プラグに係止することにより、前記給電プラグの不正取り外しを防止する給電プラグロック装置において、前記ロック部材を動作させる際に操作するノブ部が該ロック部材に一体形成され、当該ノブ部の手動操作によって前記ロック部材がロック状態をとり、該ロック状態の前記ロック部材が位置保持手段によって位置保持されることにより、当該ロック部材のロック状態を保持するロック機構を備えたことを要旨とする。
【0008】
本発明の構成によれば、ロック部材に一体形成されたノブ部を手動操作することによって、給電プラグロック装置をロック状態に切り換える構造をとるので、ユーザが給電プラグをインレットにロックしたいと思うときのみ給電プラグロック装置にロック動作をとらせることが可能となる。よって、給電プラグロック装置に無駄なロック動作をとらせずに済むので、給電プラグロック装置の部品の早期劣化を抑制することが可能となる。また、ノブ部をロック部材に一体形成したので、ノブ部とロック部材とを別々に用意する必要がない。このため、部品点数が減るので、給電プラグロック装置の構造を簡素化することが可能となる。
【0009】
本発明では、前記ロック部材は、回動する部材であって、前記ノブ部は、回動操作式であることを要旨とする。この構成によれば、給電プラグロック装置の構造を、ノブ部の操作にてロック部材を回すという簡素な構成にすることが可能となる。
【0010】
本発明では、前記ロック機構のケース内への流体の浸入を抑制する防水手段を備えたことを要旨とする。この構成によれば、防水手段によってケースの防水性が確保されるので、仮にケース内に電装品が収納されていた場合、電装品に水等が付着し難くなる。このため、水付着等を要因とする電装品の故障を生じ難くすることが可能となる。
【0011】
本発明では、前記ロック機構は、ロック状態の前記ロック機構を手動操作によってアンロック状態に切り換え可能な手動解除手段を備えたことを要旨とする。この構成によれば、給電プラグロック装置のロック状態が何らかの要因でアンロック状態に解除できない状況となっても、手動解除手段によって給電プラグロック装置をアンロック状態に切り換えることが可能となる。よって、給電プラグをインレットから取り外せず、車両を走行させることができない状況にならずに済む。
【0012】
本発明では、前記ロック部材は、前記ロック機構のケースのうち前記インレット側に固定されたボディ部に取り付けられていることを要旨とする。この構成によれば、給電プラグロック装置がロック状態のとき、仮に第三者がロック状態を不正に解除しようとしてロック部材にアンロック方向の外力を加えたとしても、この力をボディ部で受けることが可能となる。ところで、ボディ部はインレット側に固定されているため、例えば広い接触面積で強く車体に固定された状態となっている。このため、ロック部材にアンロック方向の不正な外力が加わっても、外力に耐え得る箇所でこの力を受けることが可能となるので、ロックバーに加わった外力でロック機構が破壊されてしまう状況が生じ難くなる。従って、不正アンロックを生じ難くすることが可能となる。
【0013】
本発明では、前記ロック機構は、アンロック動作するときの駆動源となる駆動手段を備え、当該ロック機構は、車両ドアがアンロック動作をとるとき、前記駆動手段を駆動させることにより、前記車両ドアのアンロック動作に連動して、自身のアンロック動作を実行することを要旨とする。この構成によれば、給電プラグロック装置のアンロック動作を、車両ドアのアンロック動作に連動する構成とした。このため、給電プラグロック装置をアンロック状態に切り換えるとき、別途特別な操作が不要となるので、利便性をよくすることが可能となる。
【0014】
本発明では、前記位置保持手段は、前記ロック部材と一体動作するレバーと、前記レバーがアンロック位置にあるとき、当該レバーの壁に支持されてアンロック状態をとり、前記レバーが前記ロック部材とともにロック方向に動いたとき、前記壁による支持が外れてロック方向に動き、前記レバーの動作を規制することにより、該レバーをロック状態に保持するロックリンクと、前記ロックリンクをロック方向に付勢する付勢部材と、ロック位置にある前記ロックリンクを前記付勢部材の付勢力に抗してアンロック方向に動作させることにより、前記ロック部材をアンロック状態に切り換える駆動手段とを備えたことを要旨とする。この構成によれば、位置保持手段の構造が簡素な構成で済む。
【0015】
本発明では、前記ロック機構は、ロック状態をとる前記ロックリンクをケース側の支持面に当接させることにより、外部から当該ロック部材に加えられたアンロック方向の外力を当該支持面で受けることにより、前記ロック部材のアンロック方向への回動を抑制して、前記ロック状態の不正解除を抑制する不正解除防止機構を備えたことを要旨とする。この構成によれば、給電プラグロック装置がロック状態のとき、仮に第三者がロック状態を不正に解除しようとしてロック部材にアンロック方向の外力を加えたとしても、この力を不正解除防止機構で受けることが可能となる。このため、ロック部材にアンロック方向の不正な外力が加わっても、この力を不正解除防止機構で受けることが可能となるので、不正アンロックを生じ難くすることが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、手動操作にてロック状態に切り換わる構造をとるものであっても、装置構造を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】一実施形態の車両の構成図。
【図2】給電プラグ及びインレットの外観を示す斜視図。
【図3】給電プラグの構造及び取り付け態様を示す一部破断側面図。
【図4】給電プラグロック装置の分解斜視図。
【図5】給電プラグロック装置がアンロック状態のときの平面図。
【図6】給電プラグロック装置がロック状態のときの平面図。
【図7】給電プラグロック装置の電気構成を示す回路図。
【図8】給電プラグロック装置がアンロック状態のときの斜視図。
【図9】給電プラグロック装置がロック動作をし始めたときの斜視図。
【図10】給電プラグロック装置がロック状態のときの斜視図。
【図11】給電プラグロック装置がアンロック動作をとるときの回路図。
【図12】給電プラグロック装置がアンロック動作を開始し始めたときの斜視図。
【図13】(a)〜(d)は、給電プラグロック装置のロック状態を手動解除するときの動きの過程を示す斜視図及び側面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を具体化した給電プラグロック装置の一実施形態を図1〜図13に従って説明する。
図1に示すように、ハイブリッド車(以下、単に車両1と記す)には、車輪を回す動力をエンジン2又はモータ3にて発生させるハイブリッドシステム4が設けられている。ハイブリッドシステム4には、モータ3の電源としてバッテリ5が設けられている。車両1は、エンジン2の動力で発電してモータ3により走行するモード、エンジン2及びモータ3の両方を動力として走行するモード、モータ3のみで走行するモード等の各種モードにより走行する。
【0019】
車両1には、電子キー6との間で無線によりID照合を行って車両1を動作させる電子キーシステム7が搭載されている。本例の電子キーシステム7は、電子キー6からの通信を契機にID照合を行うワイヤレスキーシステムである。
【0020】
この場合、車両1には、電子キー6とのID照合を実行するキー照合装置8と、車両ドアのドアロック施解錠を実行するドアロック装置9とが設けられ、これらが車内バス10によって接続されている。キー照合装置8には、キー照合装置8の動作を統括制御する照合ECU(Electronic Control Unit)11が設けられている。照合ECU11のメモリには、電子キー6のIDコードが登録されている。照合ECU11には、UHF(Ultra High Frequency)帯の電波を受信可能な車両受信機12が接続されている。ドアロック装置9には、ドアロックの施解錠動作を統括制御するドアロックECU13が設けられている。ドアロックECU13には、ドアロックの施解錠を切り換える際の駆動源としてドアロックモータ14が接続されている。
【0021】
電子キー6には、キー側の通信動作を管理するキー制御部15が設けられている。キー制御部15のメモリには、電子キー6のIDコードが登録されている。また、電子キー6には、車両1を遠隔操作する際に操作する複数の操作ボタン16が設けられている。操作ボタン16には、ドアロックを施錠する際に操作する施錠ボタンや、ドアロックを解錠する際に操作する解錠ボタン等がある。
【0022】
操作ボタン16が操作されると、電子キー6からUHF帯の電波によりワイヤレス信号Sidが送信される。ワイヤレス信号Sidには、IDコードと、操作された操作ボタン16に応じた機能コードとが含まれている。照合ECU11は、ワイヤレス信号Sidを車両受信機12で受信すると、ワイヤレス信号Sid内のIDコードにてID照合を実行する。照合ECU11は、ID照合の成立を確認すると、ワイヤレス信号Sid内の機能コードに応じた動作を車両1に実行させる。
【0023】
例えば、ドアロックが解錠状態のとき、電子キー6からワイヤレス信号Sidとしてドアロック要求信号を受信すると、ID照合成立を条件にドアロックモータ14が例えば正転され、ドア側の係止部材(図示略)が車体に係止される。よって、ドアロックが施錠状態となる。一方、ドアロックが解錠状態のとき、電子キー6からワイヤレス信号Sidとしてドアアンロック要求信号を受信すると、ID照合成立を条件にドアロックモータ14が例えば逆転され、係止部材が車体から外される。よって、ドアロックが解錠状態となる。
【0024】
車両1には、外部電源にてバッテリ5を充電する充電システム17が設けられている。充電システム17は、例えば街の一角に設置された充電スタンドや住宅の商用電源などを充電設備18として、充電設備18の充電ケーブル18aの先端に設けられた給電プラグ19を車両1に接続して、バッテリ5を充電する。
【0025】
図1及び図2に示すように、車体20の左前側壁には、給電プラグ19の接続箇所として受電コネクタ21が設けられている。受電コネクタ21は、横開き式のリッド22によって収納室23が開閉される。受電コネクタ21には、電気接続端子(パワー端子、制御端子)を有するインレット24が設けられている。インレット24には、給電プラグ19が完挿されたことを検出するプラグ接続検出センサ25が設けられている。また、インレット24には、インレット24の電気接続端子を開閉するゴム製の蓋26が横開き可能に取り付けられている。
【0026】
図2及び図3に示すように、給電プラグ19は、充電システム17の電源側であって、インレット24に接続される電気接続端子が設けられている。給電プラグ19のプラグ本体19aには、接続時の抜け止めとしてロックアーム27が揺動可能に取り付けられている。ロックアーム27は、長手方向中央を回動軸28として上下方向に揺動する。ロックアーム27は、先端の爪部29と根元の操作部30とがプラグ本体19aの外部に露出されている。ロックアーム27において操作部30寄りの位置には、ロックアーム27を閉じ側に常時付勢する付勢部材31が設けられている。
【0027】
給電プラグ19を受電コネクタ21に接続する際には、給電プラグ19を受電コネクタ21へ挿入方向(図3の−Y軸方向)に真っ直ぐ挿し込む。このとき、爪部29がインレット24の突部32に当接すると、ロックアーム27は斜面32aに案内されて突部32を上る。そして、給電プラグ19がインレット24に完挿されると、付勢部材31の付勢力によってロックアーム27が閉じ側に揺動する。このため、爪部29が突部32に引っ掛かって、給電プラグ19がインレット24に抜け止めされる。
【0028】
ハイブリッドシステム4は、インレット24に給電プラグ19が完挿されたことをプラグ接続検出センサ25により検出すると、給電プラグ19に充電開始要求を出力する。給電プラグ19は、ハイブリッドシステム4から充電開始要求を入力すると、受電コネクタ21に電流を流して、バッテリ5を充電する。ハイブリッドシステム4は、バッテリ5が満充電されたことを確認すると、充電終了要求を給電プラグ19に出力する。給電プラグ19は、ハイブリッドシステム4から充電終了要求を入力すると、受電コネクタ21への電流供給を停止し、充電を終了する。
【0029】
給電プラグ19をインレット24から取り外す際には、操作部30を押してロックアーム27を開き側に揺動させ、突部32から離間させる。そして、この状態で給電プラグ19をインレット24から真っ直ぐ引き抜くことで、車両1から取り外す。
【0030】
図4〜図6に示すように、受電コネクタ21には、インレット24に接続された給電プラグ19の不正な取り外しを防止する給電プラグロック装置33が設けられている。本例の給電プラグロック装置33は、手動操作によってアンロック状態からロック状態に切り換わり、そのロック状態が機械的な構造により保持される。また、ロック状態となった給電プラグロック装置33は、例えばドアロックのアンロック動作に連動してアンロック状態に切り換わる。
【0031】
給電プラグロック装置33には、平たい箱形状を呈するケース34が設けられている。ケース34は、給電プラグロック装置33の部品群を収納する有底状箱状のロックボディ35と、ロックボディ35の開口を閉じる略板状のリッド36とからなる。ロックボディ35及びリッド36は、例えば複数のネジ等より一体に組み付けられる。ケース34は、ロックボディ35が複数の係止部材(図示略)によってインレット24に固定された取り付け状態をとる。なお、ロックボディ35がボディ部に相当する。
【0032】
ロックボディ35とリッド36との間には、ケース34の内部の気密性を確保する環状のシール部材37が設けられている。シール部材37は、例えばOリングが使用されている。なお、シール部材37が防水手段を構成する。
【0033】
ケース34の内部には、給電プラグロック装置33の機構部分としてロック機構40が設けられている。この場合、ケース34の裏面には、略プロペラ状を呈するロックバー41が、ケース34の平面方向(図4のX−Y平面方向)に回動可能に取り付けられている。ロックバー41は、装置高さ方向(図4のZ軸方向)に延びる軸部42を有し、この軸部42の軸La回りに回動可能となっている。なお、ロックバー41がロック部材に相当する。
【0034】
ロックバー41には、ロックバー41を回転させる際に手で把持するノブ部43と、ロックアーム27の揺動を規制可能なアーム当接部44とが設けられている。つまり、本例のロックバー41は、1つの部材でノブ部43及びアーム当接部44の両方を有する部材となっている。ノブ部43及びアーム当接部44は、軸部42を中心に互いに反対の位置に設けられている。ロックバー41は、アーム当接部44がロックバー41の上にくる回転位置をとるとき、ロックアーム27をインレット24に固定し、アーム当接部44がロックアーム27から離間する回転位置をとるとき、ロックアーム27の揺動を許容する。
【0035】
リッド36の底壁には、ロックバー41の軸部42を挿し込む通し孔45が形成されている。ロックバー41と通し孔45との間には、ケース34の内部の気密性を確保する環状のシール部材46が介装されている。シール部材46は、例えばリップシールが使用されている。なお、シール部材46が防水手段を構成する。
【0036】
リッド36(ケース34)の手前側縁部には、給電プラグロック装置33のロック不正解除を防止する補強部36aが設けられている。補強部36aは、板状の部材からなり、ロックアーム27をロックするロックバー41のアーム当接部44を上から支持することにより、不正ロック解除を防止する。
【0037】
ロックバー41の軸部42には、ロックバー41と同一軸心上を一体回動する略円柱状のレバー47が取り付け固定されている。レバー47の裏面には、D字状の溝(図示略)が形成され、この溝に軸部42の係合部42aを係止することにより、ロックバー41及びレバー47が一体組み付けされている。ロックバー41が奥側に回動操作されたとき、レバー47はロックバー41とともにロック方向(図4の矢印K1方向)に回転し、ロックバー41が手前側に回動するとき、レバー47はロックバー41とともにアンロック方向(図4の矢印S1方向)に回転する。なお、レバー47が位置保持手段を構成する。
【0038】
ケース34とレバー47との間には、レバー47をアンロック方向に常時付勢する付勢部材48が介装されている。付勢部材48は、例えばトーションスプリングが使用されている。レバー47の上部には、付勢部材48の取り付け先として柱状の止め部47aが設けられ、止め部47aの側方には、装置高さ方向Zに延びる略円弧状の立設片47bが突設されている。付勢部材48は、一端がケース34に係止され、他端が立設片47bに係止されている。
【0039】
ケース34の内部には、レバー47と協同してロックバー41をロック位置に保持するロックリンク49が、装置奥行き方向(図4のY軸方向)に延びるピン部材50によって回動可能に取り付けられている。ロックリンク49は、ピン部材50の軸Lb回りに回動可能であり、レバー47の回動方向に交差する方向に回動する。ロックリンク49には、ロックリンク49をロック方向に常時付勢する付勢部材51が設けられている。このため、ロックリンク49は、付勢部材51の付勢力によってロック方向(図4の矢印K2方向)に回転し、付勢部材51の付勢力に抗してアンロック方向(図4の矢印S2方向)に回動する。付勢部材51は、例えばトーションばねが使用されている。なお、ロックリンク49及び付勢部材51が位置保持手段を構成する。
【0040】
ロックリンク49には、ロックリンク49の平面方向(図4のX−Z平面方向)において軸Lbからずれた位置に規制部52が突設されている。一方、レバー47の側部には、レバー47がアンロック位置にあるときに、ロックリンク49の規制部52を載置可能な座部53が設けられている。また、座部53には、レバー47がロック位置に到達したときに規制部52が係止する係止溝54が形成されている。規制部52が係止溝54に引っ掛かったとき、給電プラグロック装置33のロック状態が保持される。なお、座部53が壁に相当する。
【0041】
ロックリンク49の外周の一部には、ロックリンク49の回転方向に沿って歯が並ぶギヤ部55が設けられている。ギヤ部55には、ロック状態のロックバー41をアンロック状態に戻す際の駆動源として給電プラグロックモータ56が接続されている。給電プラグロックモータ56は、モータ軸の先端にギヤ部57を有し、これがロックリンク49のギヤ部55と噛合する。給電プラグロックモータ56は、モータ軸が装置奥行き方向Yに沿う向きにて配置されている。給電プラグロックモータ56は、例えばDCモータが使用され、ハーネス(図示略)を介して車両1の電源+Bに接続されている。給電プラグロックモータ56が回転したとき、ロックリンク49は給電プラグロックモータ56と逆方向に回転する。なお、給電プラグロックモータ56が位置保持手段を構成する。
【0042】
給電プラグロック装置33には、ロック状態となった給電プラグロック装置33を手動操作(引き操作)によって強制解除する際に使用するロックリリース部58が設けられている。ロックリリース部58は、略板状の形状を呈するとともに、装置奥行き方向Yに直線往復動可能にケース34に取り付けられている。ロックリリース部58の根元には、例えばトランク内に露出するノブ部59が設けられている。ロックリリース部58は、トランクを開けてトランク内からのみ操作することが可能である。なお、ロックリリース部58が手動解除手段を構成する。
【0043】
また、ロックリリース部58には、ノブ部59が引き操作された際に、ロックリンク49を付勢部材51の付勢力に抗してアンロック方向(図4の矢印S2方向)に強制回動させる斜面状のリンク押上部60と、レバー47をアンロック方向に強制回動させるレバー押込部61とが設けられている。リンク押上部60は、ロックリリース部58が引き操作されたとき、ロックリンク49の被押込部62を上から押すことにより、ロックリンク49をアンロック方向に回動させる。被押込部62は、ロックリンク49においてピン部材50を中心に規制部52の反対側に位置する突部分である。レバー押込部61は、ロックリリース部58が引き操作されたとき、レバー47の側壁の係止突63を押すことにより、レバー47をアンロック方向に回動させる。なお、被押込部62及び係止突63が手動解除手段を構成する。
【0044】
ケース34の内面とロックリリース部58との間には、引き込み操作されたロックリリース部58を元の初期位置に復帰させる付勢部材64が介装されている。付勢部材64は、例えばコイルばねが使用されている。
【0045】
図5及び図6に示すように、ケース34とロックリンク49との間には、給電プラグロック装置33が外力によって不正にロック解除されてしまうことを防止する不正解除防止機構65が設けられている。これは、給電プラグロック装置33がロック状態のとき、例えば第三者等がドライバー等でロックバー41を無理にアンロック側に押し込み、ロックバー41を強制的にアンロック方向に回転させてしまうことも想定されるからである。こうなると、給電プラグロック装置33が不正にアンロックされてしまうため、本例の不正解除防止機構65を設けて対処する。
【0046】
本例の不正解除防止機構65は、板状を呈するロックリンク49の外表面66を、ロックボディ35の内壁の支持面67に広い範囲にて当接させる構造をとっている。本例の場合、ロックバー41を外部からアンロック方向に不正回転させたときにロックリンク49に発生する力の向きFと、外表面66及び支持面67の接触面の面方向(図5のX−Z面方向)とは、互いに直交する向きをとっている。これにより、給電プラグロック装置33の不正アンロックに対する耐性が確保されている。
【0047】
図7に示すように、ドアロックECU13には、ドアアンロック動作時にオンされるアンロック側リレー68と、ドアロック時にオンされるロック側リレー69とが接続され、これらリレー68,69の間にドアロックモータ14が接続されている。ドアロックECU13は、車両1が電子キー6からドアロック要求信号を受信したとき、アンロック側リレー68をオフ、ロック側リレー69をオンして、ドアロックモータ14を正転させる。一方、ドアロックECU13は、車両1が電子キー6からドアアンロック要求信号を受信したとき、アンロック側リレー68をオン、ロック側リレー69をオフして、ドアロックモータ14を逆転させる。
【0048】
給電プラグロックモータ56は、ドアロックモータ14のモータ回路からハーネスを引き延ばすことにより、ドアロックモータ14に並列接続されている。給電プラグロックモータ56のハーネス上には、給電プラグロック装置33がロック状態にあることを検出するプラグロック検出部70が接続されている。プラグロック検出部70は、例えばマイクロスイッチからなり、ロックバー41の回動操作にてロック機構40がロック状態となると機械的にオンする。給電プラグロックモータ56とプラグロック検出部70との間には、逆電流防止用のダイオード71が接続されている。
【0049】
ドアロックがロック動作をとる際、ドアロックモータ14には、ロック側リレー69からアンロック側リレー68に電流(図7の電流Ia)が流れる。このため、ドアロックモータ14のアンロック側端子14aの電圧が低電位となるので、プラグロック検出部70がオン/オフのどちらをとっていても、給電プラグロックモータ56には電流が流れず、給電プラグロックモータ56は動作しない。なお、アンロック側端子14aは、ドアロックモータ14の+端子及び−端子のうち、ドアロックモータ14がアンロック動作をとるときに高電位となる側の端子のことを言う。
【0050】
一方、ドアロックがアンロック動作をとる際、ドアロックモータ14には、アンロック側リレー68からロック側リレー69に電流(図7の電流Ib)が流れる。このため、アンロック側端子14aの電圧が高電位となるので、プラグロック検出部70がオンとなっていれば、給電プラグロックモータ56に電流が流れ、給電プラグロック装置33がアンロック動作をとる。
【0051】
次に、本例の給電プラグロック装置33の動作を、図8〜図13を用いて説明する。
まず、図8に、アンロック状態の給電プラグロック装置33を示す。このとき、同図に示すように、ロックバー41のノブ部43は、同図の矢印S1方向に最大回転した初期位置をとる。また、ロックバー41のアーム当接部44は、ロックアーム27から離間したアンロック位置にある。つまり、給電プラグロック装置33がアンロック状態をとる。よって、ロックアーム27が揺動操作可能であり、給電プラグ19をインレット24に自由に接続/取り外し可能である。
【0052】
また、ロックバー41がアンロック位置をとるとき、レバー47は、付勢部材48の付勢力によって、同図の矢印S1方向に最大回転したアンロック位置をとっている。このとき、ロックリンク49の規制部52は、レバー47の座部53に乗り、ロック方向に回転することが規制されている。これにより、給電プラグロック装置33のアンロック状態が保持されている。
【0053】
図9に示すように、アンロック状態の給電プラグロック装置33をロック状態にするには、初期位置にあるロックバー41を、ノブ部43を把持してロック方向(図9の矢印K1方向)に回動操作する。このとき、ロックバー41は、付勢部材48の付勢力に抗して、立設片47bが図6に示すケース34の内壁面34aに当接するまで回動操作される。ロックバー41の回動操作時、ロックバー41及びレバー47は、ロックバー41の回動操作とともに、同図の矢印K1方向に一体回動する。
【0054】
図10に示すように、ロックバー41が奥まで回動操作されると、レバー47は軸La回りにロック方向へ約30度回転した状態となる。このとき、ロックバー41のアーム当接部44は、ロックアーム27の上方に位置する。よって、突部32に係止したロックアーム27は、アーム当接部44(ロックバー41)によって上から押さえ付けられた状態となり、揺動が不可となる。つまり、給電プラグロック装置33は、給電プラグ19をインレット24に固定したロック状態となる。
【0055】
また、レバー47がロック位置まで目一杯回転すると、レバー47の係止溝54は、ロックリンク49の規制部52と向き合う位置をとる。このため、規制部52は、レバー47の座部53にて位置規制された状態から開放される。よって、ロックリンク49は、付勢部材51の付勢力により、ロック方向(同図の矢印K2方向)に回転する。よって、ロックリンク49の規制部52が係止溝54に落ち込み、規制部52と係止溝54とが係止する状態となる。これにより、レバー47の回転が不可となるため、給電プラグロック装置33のロック状態が維持される。なお、ロックバー41がロック位置をとったとき、プラグロック検出部70が機械的にオンする。
【0056】
続いて、給電プラグロック装置33がロック状態のとき、ドアロックのアンロック動作が実行されると、ドアのアンロック動作に連動して給電プラグロック装置33もアンロック動作をとる。このときは、図11に示すように、ドアロックモータ14に電流Ib(アンロック電流)が流れることにより、アンロック側端子14aの電圧が高電位をとり、かつプラグロック検出部70がオンをとるので、電流Ibの一部が給電プラグロックモータ56にも流れ、給電プラグロックモータ56が回転する。
【0057】
図12に示すように、給電プラグロックモータ56が回転すると、モータ回転力がギヤ部55,57によりロックリンク49に伝達されて、ロックリンク49が付勢部材51の付勢力に抗して、アンロック方向(同図の矢印S2方向)に回転をし始める。このとき、ロックリンク49は、ケース34の内壁面(内部底面)34bに当接するまで回転する。
【0058】
そして、ロックリンク49がアンロック方向に目一杯回転すると、レバー47は、ロックリンク49の規制部52により回転規制された状態から開放される。このため、レバー47は、付勢部材48の付勢力によってアンロック方向(図12の矢印S1方向)に回転をし始め、立設片47bが図5に示すケース34の内壁面34cの内面に当接するまで回転する。そして、レバー47のアンロック方向への回転に伴って、ロックバー41もアンロック方向に回転し、アーム当接部44がロックアーム27から離間するとともに、ノブ部43が初期位置に復帰する。これにより、給電プラグロック装置33がアンロック状態に復帰する。
【0059】
ここで、給電プラグロック装置33のロック状態が何らかの要因で解除できないときには、ロックリリース部58を操作することにより、給電プラグロック装置33のロック状態を手動解除する。なお、ロックリリース部58のノブ部59は、車両1のトランク内に配置されているので、給電プラグロック装置33のロック手動解除は、電子キー6を所持してドアロックを解錠できる正規ユーザのみが実行可能である。
【0060】
図13(a)に示すように、給電プラグロック装置33のロック状態を手動解除するときは、ロックリリース部58のノブ部59を引き操作する。図13(b)に示すように、ロックリリース部58を引き操作する過程では、ロックリリース部58のリンク押上部60が、ロックリンク49の被押込部62を下に押す動きをとる。被押込部62がリンク押上部60によって押し込まれると、ロックリンク49にアンロック方向の力が加わり、ロックリンク49が付勢部材51の付勢力に抗して、アンロック方向に回転をし始める。
【0061】
図13(c)に示すように、ロックリリース部58を更に引き込むと、今度はロックリリース部58のレバー押込部61がレバー47の係止突63を後から押す。そして、更にロックリリース部58を手間に引き込むと、ロックリリース部58はレバー47を後から押しながら直線移動する。
【0062】
このとき、図13(d)に示すように、レバー47は、ロックリリース部58に押されながら、アンロック方向に回動する。レバー47がアンロック方向に回転する際、ロックバー41もアンロック方向に回動し、アーム当接部44がロックアーム27から離間するとともに、ノブ部43も初期位置に復帰する。よって、給電プラグロック装置33を手動によりロック状態からアンロック状態に切り換えることが可能となる。
【0063】
以上により、本例においては、給電プラグロック装置33のロック動作を、ノブ部43を回して行う手動操作式としたので、ユーザが真に必要なときのみ給電プラグロック装置33にロック動作をとらせることが可能となる。ところで、仮に給電プラグロック装置33のロック動作を車両ドアのドアロック連動とした場合、給電プラグ19がインレット24に接続されていないときでも、ドアロック動作が実行されると、その度に給電プラグロック装置33がロック動作を実行してしまい、部品の早期劣化に繋がる。しかし、本例は、ノブ部43が操作されたときのみ給電プラグロック装置33がロック動作をとるので、給電プラグロック装置33に無断なロック動作を実行させずに済み、部品の早期劣化を抑制することが可能となる。
【0064】
また、本例の給電プラグロック装置33は、ロックバー41にノブ部43を一体に形成したので、ロックバー41(アーム当接部44)とノブ部43とを別々に設けずに済む。よって、給電プラグロック装置33を手動操作によりロックする形式にしても、部品点数が増えずに済むので、給電プラグロック装置33の構造を簡素化することが可能となる。
【0065】
本実施形態の構成によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)給電プラグロック装置33のロック動作を、回転式のロックバー41のノブ部43を回す手動操作式とし、このノブ部43をロックバー41に一体形成した。このため、給電プラグロック装置33の部品の早期劣化を抑制でき、給電プラグロック装置33の構成を簡素化することができる。
【0066】
(2)ノブ部43を回動操作式としたので、給電プラグロック装置33の構造を、ノブ部43を回す操作にてロック状態に切り換えるという簡素な構成で済ますことができる。
(3)給電プラグロック装置33に、ケース34の防水性を確保するシール部材37,46を設けた。よって、ケース34の内部に水(流体)などが浸入し難くなるので、ケース34内の給電プラグロックモータ56やその電気配線等に、水等の付着を要因とする故障を生じ難くすることができる。
【0067】
(4)給電プラグロック装置33に、ロック状態を手動操作により解除可能なロックリリース部58を設けた。よって、給電プラグロック装置33がロック状態のとき、何らかの要因で給電プラグロックモータ56が動かずロックが解除できない状況になっても、ロックリリース部58を操作することによって、ロック状態を解除することができる。また、ロックリリース部58のノブ部59はトランク内に配置されているので、電子キー6を所持した正規ユーザのみがドアロック解除にてランクを開けることでロックリリース部58を操作できる。よって、不正な手動解除操作も防止することができる。
【0068】
(5)インレット24に取り付け固定されたロックボディ35に、ロックバー41を取り付けた。このため、仮に第三者が給電プラグロック装置33のロック状態を不正に解除しようとしてノブ部43にアンロック方向の外力を加えたとしても、この力(不正解除の外力)を、インレット24に強固に固定されたロックボディ35で受けることができる。よって、ノブ部43に不正解除の外力が加わっても、この外力によってケース34がロックバー41から破壊されずに済むので、不正アンロックを生じ難くすることができる。
【0069】
(6)給電プラグロック装置33のアンロック動作を、車両ドアのアンロック動作に連動するようにした。このため、給電プラグロック装置33をアンロック状態に切り換えるとき、別途特別な操作が不要となるので、利便性をよくすることができる。
【0070】
(7)ロックリンク49の外表面66をケース34の支持面67に広範囲で当接させることにより、給電プラグロック装置33に不正解除防止機構65を設けた。このため、仮に第三者が給電プラグロック装置33のロック状態を不正に解除しようとしてノブ部43にアンロック方向の外力を加えたとしても、この力(不正解除の外力)を支持面67で受けることが可能となるので、不正アンロックを生じ難くすることができる。
【0071】
(8)ロックバー41(ノブ部43)、レバー47、ロックリンク49が動作したとき、これらはケース34の内壁に当接して動きが止まる(位置決めされる)構造となっている。よって、各部材の位置を監視するセンサ等が必要ないので、装置構造を簡素にすることができる。
【0072】
なお、実施形態はこれまでに述べた構成に限らず、以下の態様に変更してもよい。
・バッテリ5の充電開始条件は、適宜変更可能である。例えば、プラグ接続検出センサ25がインレット24への給電プラグ19の挿し込みを検出し、かつ電子キー6とID照合が成立することを充電開始条件としてもよい。
【0073】
・給電プラグロック装置33のロック手動解除は、引き操作に限定されず、例えば押し操作としてもよい。また、手動解除手段は、ロックリリース部58を操作することでロック状態を解除する構造に限定されない。例えば、ワイヤー等で直にレバー47やロックリンク49を直にアンロック方向に回動させるものでもよい。
【0074】
・プラグロック検出部70は、スイッチ類(マイクロスイッチ)に限定されず、例えばセンサを使用してもよい。
・給電プラグロックモータ56の電気回路は、例えばアンロック側端子14aにプラグロック検出部70を介してスイッチ手段(トランジスタ、リレー等)接続し、このスイッチ手段のオン/オフを、アンロック側端子14aの電圧(電流)により切り換えることで、給電プラグロックモータ56の動作を制御するものでもよい。
【0075】
・給電プラグロック装置33にICを設け、このICが、給電プラグロック装置33がロック状態をとることと、車両ドアがアンロック動作をとることとを確認したとき、給電プラグロックモータ56にアンロック動作の電流を流すようにしてもよい。
【0076】
・バッテリ5の充電停止は、車両内のスイッチを切ることで行ってもよい。
・不正解除防止機構65は、外部から不正解除操作力をケース34の広い面で受けることができる構造であれば、どのような構造を採用してもよい。
【0077】
・給電プラグロック装置33のアンロック動作は、ドアロック連動とすることに限定されず、例えば手動操作式としてもよい。
・電子キーシステム7は、ワイヤレスキーシステムに限定されない。例えば、車両1からの通信を契機にID照合を行うキー操作フリーシステムや、通信にNFC(Near Field Communication)等の近距離通信を用いる近距離無線認証システムとしてもよい。
【0078】
・ワイヤレスキーシステムは、パワースライドドア開閉システムでもよい。
・1つの操作ボタン16が操作される度に、ドアロックの施錠と解除とが交互に実行されるシステムでもよい。
【0079】
・操作手段は、押し操作式に限定されず、例えば回転式としてもよい。
・交差は、直交のみに限らず、直交から所定量ずれた交わりも広く含む。
・ロック機構40は、手動操作によってロック状態に切り換えられ、かつロック状態が保持されれば、どのような構造を採用してもよい。
【0080】
・ロックバー41は、回動式に限定されず、例えばロック位置とアンロック位置との間を直線移動する直線移動式(スライド式)としてもよい。また、同様にノブ部43も回動操作式に限らず、直線操作式としてもよい。
【0081】
・ロック部材は、自身のみがロックアーム27の上方に位置してロック状態をとるロックバー41に限定されず、例えば複数部品から構成されていてもよい。例えば、ロックバー41は、例えば所定部材を介してロックアーム27の揺動操作を規制するものでもよい。
【0082】
・給電プラグロック装置33に照明部を設け、例えば夜間のとき、インレット24の周囲に照明部によって明かりを照らしてもよい。
・駆動手段は、モータに限定されず、例えばソレノイドを使用してもよい。
【0083】
・位置保持手段及び防水手段は、実施形態に述べた構造に限らず、給電プラグロック装置33の構造や形状の変更に応じて、他のものに適宜変更可能である。
・車両1は、ハイブリッド車に限定されず、例えばモータのみで走行する電気自動車でもよい。
【0084】
・給電プラグロック装置33は、車両1に適用されることに限らず、他の装置や機器に応用してもよい。
【符号の説明】
【0085】
19…給電プラグ、24…インレット、33…給電プラグロック装置、34…ケース、35…ボディ部としてのロックボディ、40…ロック機構、41…ロック部材としてのロックバー、43…ノブ部、37,46…防水手段を構成するシール部材、47…位置保持手段を構成するレバー、49…位置保持手段を構成するロックリンク、51…位置保持手段を構成する付勢部材、53…壁としての座部、56…位置保持手段及び駆動手段を構成する給電プラグロックモータ、58…手動解除手段を構成するロックリリース部、62…手動解除手段を構成する被押込部、63…手動解除手段を構成する係止突、65…不正解除防止機構、67…支持面。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インレットに給電プラグが接続されたとき、前記インレット側のロック部材が前記給電プラグに係止することにより、前記給電プラグの不正取り外しを防止する給電プラグロック装置において、
前記ロック部材を動作させる際に操作するノブ部が該ロック部材に一体形成され、当該ノブ部の手動操作によって前記ロック部材がロック状態をとり、該ロック状態の前記ロック部材が位置保持手段によって位置保持されることにより、当該ロック部材のロック状態を保持するロック機構を備えた
ことを特徴とする給電プラグロック装置。
【請求項2】
前記ロック部材は、回動する部材であって、前記ノブ部は、回動操作式である
ことを特徴とする請求項1に記載の給電プラグロック装置。
【請求項3】
前記ロック機構のケース内への流体の浸入を抑制する防水手段を備えた
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の給電プラグロック装置。
【請求項4】
前記ロック機構は、ロック状態の前記ロック機構を手動操作によってアンロック状態に切り換え可能な手動解除手段を備えた
ことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の給電プラグロック装置。
【請求項5】
前記ロック部材は、前記ロック機構のケースのうち前記インレット側に固定されたボディ部に取り付けられている
ことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の給電プラグロック装置。
【請求項6】
前記ロック機構は、アンロック動作するときの駆動源となる駆動手段を備え、
当該ロック機構は、車両ドアがアンロック動作をとるとき、前記駆動手段を駆動させることにより、前記車両ドアのアンロック動作に連動して、自身のアンロック動作を実行する
ことを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか一項に記載の給電プラグロック装置。
【請求項7】
前記位置保持手段は、
前記ロック部材と一体動作するレバーと、
前記レバーがアンロック位置にあるとき、当該レバーの壁に支持されてアンロック状態をとり、前記レバーが前記ロック部材とともにロック方向に動いたとき、前記壁による支持が外れてロック方向に動き、前記レバーの動作を規制することにより、該レバーをロック状態に保持するロックリンクと、
前記ロックリンクをロック方向に付勢する付勢部材と、
ロック位置にある前記ロックリンクを前記付勢部材の付勢力に抗してアンロック方向に動作させることにより、前記ロック部材をアンロック状態に切り換える駆動手段と
を備えたことを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか一項に記載の給電プラグロック装置。
【請求項8】
前記ロック機構は、
ロック状態をとる前記ロックリンクをケース側の支持面に当接させることにより、外部から当該ロック部材に加えられたアンロック方向の外力を当該支持面で受けることにより、前記ロック部材のアンロック方向への回動を抑制して、前記ロック状態の不正解除を抑制する不正解除防止機構を備えた
ことを特徴とする請求項7に記載の給電プラグロック装置。
【請求項1】
インレットに給電プラグが接続されたとき、前記インレット側のロック部材が前記給電プラグに係止することにより、前記給電プラグの不正取り外しを防止する給電プラグロック装置において、
前記ロック部材を動作させる際に操作するノブ部が該ロック部材に一体形成され、当該ノブ部の手動操作によって前記ロック部材がロック状態をとり、該ロック状態の前記ロック部材が位置保持手段によって位置保持されることにより、当該ロック部材のロック状態を保持するロック機構を備えた
ことを特徴とする給電プラグロック装置。
【請求項2】
前記ロック部材は、回動する部材であって、前記ノブ部は、回動操作式である
ことを特徴とする請求項1に記載の給電プラグロック装置。
【請求項3】
前記ロック機構のケース内への流体の浸入を抑制する防水手段を備えた
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の給電プラグロック装置。
【請求項4】
前記ロック機構は、ロック状態の前記ロック機構を手動操作によってアンロック状態に切り換え可能な手動解除手段を備えた
ことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の給電プラグロック装置。
【請求項5】
前記ロック部材は、前記ロック機構のケースのうち前記インレット側に固定されたボディ部に取り付けられている
ことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の給電プラグロック装置。
【請求項6】
前記ロック機構は、アンロック動作するときの駆動源となる駆動手段を備え、
当該ロック機構は、車両ドアがアンロック動作をとるとき、前記駆動手段を駆動させることにより、前記車両ドアのアンロック動作に連動して、自身のアンロック動作を実行する
ことを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか一項に記載の給電プラグロック装置。
【請求項7】
前記位置保持手段は、
前記ロック部材と一体動作するレバーと、
前記レバーがアンロック位置にあるとき、当該レバーの壁に支持されてアンロック状態をとり、前記レバーが前記ロック部材とともにロック方向に動いたとき、前記壁による支持が外れてロック方向に動き、前記レバーの動作を規制することにより、該レバーをロック状態に保持するロックリンクと、
前記ロックリンクをロック方向に付勢する付勢部材と、
ロック位置にある前記ロックリンクを前記付勢部材の付勢力に抗してアンロック方向に動作させることにより、前記ロック部材をアンロック状態に切り換える駆動手段と
を備えたことを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか一項に記載の給電プラグロック装置。
【請求項8】
前記ロック機構は、
ロック状態をとる前記ロックリンクをケース側の支持面に当接させることにより、外部から当該ロック部材に加えられたアンロック方向の外力を当該支持面で受けることにより、前記ロック部材のアンロック方向への回動を抑制して、前記ロック状態の不正解除を抑制する不正解除防止機構を備えた
ことを特徴とする請求項7に記載の給電プラグロック装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−199013(P2012−199013A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−61094(P2011−61094)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]