説明

絶対角検出回転センサおよびこれを用いたセンサ付軸受

【課題】 小型でコスト的にも安価で、精度よく絶対角の検出が可能な絶対角検出回転センサおよびこれを用いたセンサ付軸受を提供する。
【解決手段】 外輪3と、内輪4と、外輪3および内輪4の間に配置された転動体5とでラジアル転がり軸受が構成され、外輪3の内径部には渦電流センサ9が設けられている。内輪4の外径部6は、センサターゲットになるものであって、外輪3と内輪4との間に形成される対向する間隔が周方向で異なるようにするために、外径部6が回転中心に対して偏芯して連続して形成されている。渦電流センサ9は内輪4の外径部6に形成されたセンサターゲットに対向しており、内輪3の回転に応じた絶対角を示すsin波のセンサ信号を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は絶対角検出回転センサおよびこれを用いたセンサ付軸受に関し、例えば、渦電流センサを用いて回転体が回転したときの絶対角を検出する絶対角検出回転センサおよびこれを用いたセンサ付軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
回転体が回転したときその回転角を検出する回転角検出センサとして、実開平7−20504号公報(特許文献1)に記載されているものがある。この回転角検出センサは、鋳物製のハウジング内に設けた一方の回転角検出面に対面するように、駆動軸に他方の回転角検出面を設けてポテンショメータを構成し、その外周をハウジング内に別途備えた軸受で支持するとともに駆動軸の一端部をハウジングに別に設けた軸孔を経てハウジング外ヘ突出させたものである。
【特許文献1】実開平7−20504号公報(段落番号0010〜0012、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1に記載された回転角検出センサは、鋳物製ハウジング内に軸受支持部材とポテンショメータが構成されているので、建築機材などのアームの回転角を検出できても、軸受の回転角を検出することなどの汎用性に欠けている。また、軸に固定する場合、カップリングなどを介して連結しなければならないので、回転角精度が劣化する。
【0004】
絶対角を検出する回転角センサとしてレゾルバ形式の絶対角検出センサがある。レゾルバ形式のセンサは、固定子と回転子とにそれぞれコイルを巻回し、一方のコイルを励磁電圧で駆動することで、他方のコイルに生じる出力電圧の位相差が回転角度に比例することを応用したものである。しかし、レゾルバ形式のセンサは、固定子と回転子とにコイルを巻回する必要があるので、小型化できず、コスト的にも高くなってしまう。
【0005】
そこで、この発明の目的は、小型でコスト的にも安価で、精度よく絶対角の検出が可能な絶対角検出回転センサおよびこれを用いたセンサ付軸受を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、回転体に対して対向して配置された対向部材を含み、回転体が回転したときの対向部材に対する回転体の絶対角を検出する絶対角回転検出センサであって、回転体と対向部材との間の対向する間隔が周方向で異なるように選ばれており、回転体と対向物体のいずれか一方に設けられ、周方向で異なる間隔を検出するセンサを備える。
【0007】
この発明によれば、回転体と対向部材の間隔が周方向で異なるので、回転体が回転したときの間隔に応じた絶対角をセンサで検出することができ、小型で部品点数を少なくできてコスト的にも安価で、精度よく絶対角の検出が可能になる。
【0008】
この発明の他の局面は、内輪と、外輪と、内輪と外輪との間に配置された転動体とを含む軸受を有し、内輪と外輪との間の対向する間隔が周方向で異なるように選ばれており、内輪と外輪のいずれか一方に設けられ、周方向で異なる間隔を検出するセンサを備える。
【0009】
この発明では、内輪と外輪との間の対向する間隔が周方向で異なるので、内輪と外輪のいずれかが回転したときの間隔に応じて絶対角をセンサで検出することが可能になり、小型で部品点数を少なくできてコスト的にも安価で、精度よく絶対角の検出が可能なセンサを軸受に取付けることが可能になる。
【0010】
好ましくは、内輪の外径面および外輪の内径面のいずれか一方は、回転中心に対して偏芯して形成されていて、センサは、外輪および内論のいずれか他方に、回転中心に対して偏芯した内輪の外径面および外輪の内径面に対向して配置される。このようにセンサに対向する間隔が異なることで絶対角の検出が可能になるので、センサから間隔に応じた波形のセンサ信号が得られる。
【0011】
好ましくは、内輪の外径面および外輪の内径面のいずれか一方に設けられ、外周面および内周面のいずれか一方が回転中心に対して偏芯するように、回転中心に対して直交する断面の厚みが周方向に連続的に異なる円筒状に形成されたセンサターゲットを含み、センサは外輪および内論のいずれか他方に、センサターゲットに対向するように配置される。センサターゲットは断面の厚みが周方向に連続的に異なるので、センサから例えば連続したsin波形のセンサ信号が得られる。
【0012】
好ましくは、センサターゲットは、回転中心に対して直交する断面が螺旋状に形成されている。断面が螺旋状に形成されているので、センサから例えば鋸波のセンサ信号が得られる。
【0013】
1つの実施形態として、センサは、渦電流センサ,静電容量型センサおよび電磁誘導型センサのいずれかが用いられ、渦電流センサを用いる場合には、シート状絶縁体上にコイルが形成され、コイルはシート状絶縁体上に複数形成されている。渦電流センサを用いることで厚みを薄くできるので、半径方向の大きさを小さくできる。
【0014】
好ましくは、センサターゲットは、導電性部材で形成される。導電部材を用いることで、表面に渦電流を発生し易くなる。
【0015】
好ましくは、複数のコイルは相互に極性の反転したセンサ信号を出力するように配置されていて、極性の反転した複数のセンサ信号の差動をとることでオフセットを削除する処理回路を含む。センサ信号からオフセットを削除することで、絶対角の検出精度を高めることができる。
【0016】
1つの実施形態では、センサターゲットとセンサは、軸受のラジアル方向に対向して配置してもよく、あるいはアキシャル方向に対向して配置してもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1はこの発明の一実施形態における絶対角検出回転センサ付軸受を示す図であり、特に、(a)は概略断面図であり、(b)は(a)に示す線AーAに沿う断面図である。
【0018】
図1(a)において、外輪3と、内輪4と、外輪3および内輪4の間に配置された転動体5とでラジアル転がり軸受が構成されている。この例では外輪3が固定側であって、内輪4は回転側となっているが、外輪3を回転側とし、内輪4を固定側としてもよい。内輪4の外径部6は、センサターゲットになるものであって、外輪3と内輪4との間に形成される対向する間隔が周方向で異なるようにするために、回転中心に対して偏芯して連続して形成されている。すなわち、図1(b)に示す回転中心Oとa点との間の距離は、回転中心Oとc点との間の距離よりも長く形成されている。
【0019】
なお、外輪3の内径部をセンサターゲットとするために、内径部を回転中心に対して偏芯させてもよい。
【0020】
また、内輪4はセンサターゲットにするために磁性材料で形成されている。
【0021】
外輪3の内径部には、外環7が嵌め込まれており、この外環7によってセンサハウジング8が保持されている。センサハウジング8には、シート状に形成された渦電流センサ9が設けられている。渦電流センサ9は内輪4の外径部6に形成されたセンサターゲットに対向しており、図1(b)に示すように、90度位置をずらせて配置した2個のセンサコイル91,92を含む。これらのセンサコイル91,92は図示しない外部回路に含まれる駆動回路で駆動されるとともに、センサ出力が処理回路で演算処理される。これらの外部回路は、外部に設けられて、渦電流センサ9とはケーブルなどによって接続される。
【0022】
センサコイル91,92が駆動されると磁束が発生して内輪4の外径部6の外周面に渦電流が流れる。内輪4が回転することにより、内輪4が渦電流センサ9から発生される磁束を横切るがセンサコイル91,92と内輪4の外径部6との間隔が変化するので、コイル91,92のインピーダンスが変化して出力電圧が変化する。この出力電圧の変化を処理回路で演算処理する。
【0023】
図2は図1に示した絶対角検出回転センサ付軸受の渦電流センサから出力される出力電圧の波形図であり、(a)はセンサコイル91の出力波形を示し、(b)はセンサコイル92の出力波形を示している。
【0024】
内輪4の外径部6は回転中心に対して偏芯して形成されているため、図1(b)のa点では渦電流センサ9と外径部6との間隔は最小値d1になっているのに対して、c点では渦電流センサ9が位置したとき、渦電流センサ9と外径部6との間隔は最大値d2になる。b点,d点では最小値d1と最大値d2との中間値となる。内輪4が時計方向(CW)に回転すると、渦電流センサ9と内輪4の外径部6との間隔が変化するため、センサコイル91,92が例えばc点を基準にして時計方向に回転を開始して、d点,a点,b点を通過して1回転すると、それぞれの出力電圧が変化して図2(a),(b)に示すようにsin波状の波形となる。このsin波形では、a点が最大値を示しており、c点が最小値を示している。
【0025】
このように、a点〜d点におけるセンサコイル91,92の出力電圧は、内輪4が1回転する間は図2(a),(b)に示すように、必ず限定された電圧値の関係になる。このため、例えばsin波の最大値がa点であり、最小値がc点というように、各センサコイル91,92の出力電圧値と、回転方向における絶対角度との関係を予め定義しておけば、内輪4が回転したときの絶対角度を検出できる。
【0026】
なお、センサコイル91,92は、平板状の耐熱樹脂からなるシートに巻回して形成される。このように渦電流センサ9をシート状に形成できるので、半径方向の厚みを薄くできる。
【0027】
また、渦電流センサ9は、例えばフレキシブル基板にパターンを渦巻き状に形成してもよい。さらに、渦電流センサ9は絶縁シートによってコイル91,92を挟み込み、電気的に絶縁して形成してもよく、コイル91,92を熱硬化性樹脂によってモールド固定してもよい。このように形成することで、耐熱度を高めることができる。さらに、2個のコイル91,92は、それぞれの一端をシート上で共通に接続し、それぞれの他端を対応する駆動回路と処理回路に接続すれば配線工数を減らすことができる。
【0028】
図3はこの発明の他の実施形態における絶対角検出回転センサ付軸受を示す図であり、(a)は概略断面図であり、(b)は(a)に示す線BーBに沿う断面図である。
【0029】
図1に示した実施形態は、内輪4の外径部6の外周面を回転中心に対して偏芯させたのに対して、この実施形態は外輪3と内輪4との間隔を周方向に異ならせるために、外周面が回転中心に対して偏芯させ、回転中心Oに対して直交する断面の厚みが連続して変化する円筒状のセンサターゲット10を内輪4の外径部に嵌め込んだものである。なお、図1の実施形態と異なり、内輪4の外径部は真円となるように形成されている。
【0030】
渦電流センサ9は図1と同じものが用いられる。センサターゲット10の外周面を回転中心に対して偏芯させることにより、図3(b)に示すように、a点は渦電流センサ9とセンサターゲット10との間隔が最小値d1になっており、c点は最大値d2になっており、b点,d点は中間値になっている。
【0031】
したがって、この実施形態においても、内輪4の回転に伴って、センサコイル91,92から前述の図2に示したsin波形の出力電圧が取出される。なお、外輪3を回転させ、内輪4を固定側にするときは、センサターゲット10の内周面を回転中心に対して偏芯させて外輪3の内径部に嵌め込み、渦電流センサ9を内輪4の外径部に配置してセンサターゲット10の内周面に対向させればよい。
【0032】
図4はこの発明のさらに他の実施形態における絶対角検出回転センサ付軸受を示す図であり、(a)は概略断面図であり、(b)は(a)に示す線CーCに沿う断面図である。
【0033】
前述の図3に示した実施形態は、センサターゲット10として、その外周面が回転中心に対して偏芯させていた。これに対して、この実施形態では、その外周面が回転中心に対して偏芯させかつ回転中心に対して直交する断面が螺旋状に形成したセンサターゲット11を内輪4の外径部に嵌め込んだものである。
【0034】
センサターゲット11の外周面を螺旋状に形成することで、図4(b)に示すように渦電流センサ9とセンサターゲット11の対向部分の間隔は、a点で最小値となり、e点で最大値になっている。そして、時計方向に沿って間隔が大きくなり、それぞれの間隔は、b点<c点<d点<e点となっている。a点とe点は隣接した位置である。このように渦電流センサ9とセンサターゲット11の対向する間隔を形成することで、センサコイル91,92からa点で最大値となり、e点で最小値になる鋸波形の出力電圧が得られる。
【0035】
図5は図4に示した絶対角検出回転センサ付軸受の渦電流センサから出力される出力電圧の波形図であり、(a)はセンサコイル91の出力波形を示し、(b)はセンサコイル92の出力波形を示している。図4(b)に示したセンサターゲット11が例えばe点を基準にして時計方向に回転を開始して、d点,c点,b点,a点の順にセンサコイル91,92を通過するように1回転すると、図5(a),(b)に示すように、それぞれの出力電圧が直線的に上昇し、最大電圧であるa点から最小電圧であるe点に変化する鋸波形となる。
【0036】
センサコイル91と92は相対的に90度位置をずらしているので、図5(a),(b)に示す波形は相互にずれている。この2個センサコイル91,92のセンサ出力信号を処理回路で演算処理することで、回転方向における絶対角度を検出することができる。例えば、センサコイル91の波形のa点,d点,c点,b点と、センサコイル92の波形のb点,a点,d点,c点のそれぞれの各出力電圧値の関係は,1回転中で必ず限定された電圧値の関係になる。
【0037】
ただし、この実施形態では、2個のセンサコイル91,92を設けなくとも1つのコイルのみを設けるだけでも1回転中の出力電圧と回転角度とを限定することができる。
【0038】
図6は2個のセンサコイルから出力されるセンサ出力の温度によって生じるオフセットをキャンセルする回路を示す図である。図6において、センサコイル91からのセンサ出力信号は、抵抗R1を介してオフセットキャンセル用のオペアンプA1の一方入力端(ー入力端)に与えられ、センサコイル92からのセンサ出力信号は、抵抗R3を介してオペアンプA1の他方入力端(+入力端)に与えられる。オペアンプA1の一方入力端と出力端との間には抵抗R2が接続されており、オペアンプA1の他方入力端は抵抗R4を介して接地されている。オペアンプA1の出力端は、矩形波処理用のオペアンプA2の一方入力端に与えられており、他方入力端には基準電圧が与えられている。オペアンプA2からオフセット成分が除去された絶対角度を示す矩形波信号が出力される。
【0039】
図7はセンサコイルのセンサ出力に含まれるオフセットを示し、図8は図6に示したオペアンプから出力される矩形波処理後の出力波形を示す図である。
【0040】
図1および図3に示した絶対角検出回転センサ付軸受のセンサコイル91,92から出力されるsin波のセンサ出力は、図7(a),(b)に示すように、温度によって直流電位が変化する結果オフセットを生じている。なお、センサコイル91,92はそれぞれのセンサ出力の波形が180度反転するように配置されている。センサコイル91,92のセンサ出力をそれぞれ抵抗R1,R3を介してオペアンプA1に入力すると、オフセット電圧の極性が180度ずれているため、オペアンプA1によって差動増幅されることでオフセットをキャンセルすることができる。また、オペアンプA1によってオフセットをキャンセルできるばかりでなく出力電圧の増幅も可能になる。
【0041】
オフセットのキャンセルされたセンサ出力を矩形波処理用のオペアンプA2の一方入力端に入力し、他方入力端に与えられている基準電圧と比較することで、図8(a)に示すような矩形波を出力することができる。
【0042】
なお、図6に示したオペアンプA1の一方入力端と他方入力端に与えるセンサコイル91,92の出力を逆にすれば、オペアンプA2から図8(b)に示す矩形波を出力することができる。
【0043】
図9はこの発明のさらに他の実施形態を示す絶対各検出回転センサ付軸受を示す図であり、(a)は概略断面図であり、(b)はセンサターゲットの平面図である。
【0044】
この実施形態は、センサターゲット19と渦電流センサ21とをアキシャル方向に対向させて絶対角を検出するものである。すなわち、図9(a)に示すように回転側である内輪4の一方側端面にセンサターゲット19が取付けられている。このセンサターゲット19は図9(b)に示すように円板状に形成されており、その厚みが周方向で異なるように形成されている。
【0045】
このセンサターゲット19に対向して渦電流センサ21が外環22の端面に取付けられており、外環22は固定側である外輪3の内径部に嵌め込まれている。センサターゲット19が内輪4とともに回転すると、渦電流センサ21はセンサターゲット19との間隔を検出することでsin波のセンサ信号を出力する。このsin波により絶対角の検出が可能になる。
【0046】
図10はこの発明のさらに他の実施形態を示す絶対角検出回転センサ付軸受の概略断面図である。この実施形態は、荷重をスラスト方向に受けるスラスト転がり軸受にセンサを取付けたものである。固定側の外輪23と、回転側の内輪24との間に転動体5が配置されており、外輪23の内径部には外環25が嵌め込まれており、この外環25によって渦電流センサ26が保持されている。内輪24の内径部には円板状であって、その厚みが周方向で異なるように形成されたセンサターゲット27が設けられている。このセンサターゲット27は図9(b)に示したセンサターゲット19とほぼ同じである。センサターゲット27は厚みが周方向で異なるように形成されているので、渦電流センサ26とセンサターゲット27が対向する間隔は、内輪24の回転に応じて変化する。その結果、渦電流センサ26から図2に示したsin波のセンサ信号が出力され、絶対角の検出が可能になる。
【0047】
なお、上述の実施形態においては、この発明を転がり軸受に適用したが、これに限ることなく、コロ軸受や滑り軸受などのその他の回転体の絶対角を検出するものに適用してもよい。
【0048】
また、上述の実施形態では、渦電流センサを用いたが、これに限ることなく、その他の静電誘導型センサや電磁誘導型センサなどを用いてもよい。
【0049】
さらに、上述の説明では、絶対角を検出するようにしたが、回転数や軸受の回転精度であるラジアル振れを偏芯として検出してもよい。
【0050】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示された実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0051】
この発明の絶対角検出回転センサ付軸受は、外輪と内輪との間に転動体を配置したラジアル軸受において、外輪または内輪の回転による絶対角を検出できるので、小型でコスト的にも安価で、精度よく絶対角の検出が可能になり、各種機器に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】この発明の一実施形態における絶対角検出回転センサ付軸受を示す図である。
【図2】図1に示した絶対角検出回転センサ付軸受の渦電流センサから出力される出力電圧の波形図である。
【図3】この発明の他の実施形態における絶対角検出回転センサ付軸受を示す図である。
【図4】この発明のさらに他の実施形態における絶対角検出回転センサ付軸受を示す図である。
【図5】図4に示した絶対角検出回転センサ付軸受の渦電流センサから出力される出力電圧の波形図である。
【図6】2個のセンサコイルから出力されるセンサ出力の温度によって生じるオフセットをキャンセルする回路を示す図である。
【図7】センサコイルのセンサ出力に含まれるオフセットを示す図である。
【図8】図6に示したオペアンプから出力される矩形波処理後の出力波形を示す図である。
【図9】この発明のさらに他の実施形態を示す絶対角検出回転センサ付軸受の概略断面図である。
【図10】この発明のさらに他の実施形態を示す絶対角検出回転センサ付軸受の概略断面図である。
【符号の説明】
【0053】
3,23 外輪、4,24 内輪、5 転動体、6 外径部、7,22,25 外環、8 センサハウジング、9,21,26 渦電流センサ、10,11,19,27 センサターゲット、91,92 センサコイル、A1,A2 オペアンプ、R1〜R4 抵抗。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転体に対して対向して配置された対向部材を含み、前記回転体が回転したときの前記対向部材に対する前記回転体の絶対角を検出する絶対角回転検出センサであって、
前記回転体と前記対向部材との間の対向する間隔が周方向で異なるように選ばれており、
前記回転体と前記対向物体のいずれか一方に設けられ、前記周方向で異なる間隔を検出するセンサを備える、絶対角検出回転センサ。
【請求項2】
内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に配置された転動体とを含む軸受と、
前記内輪と前記外輪との間の対向する間隔が周方向で異なるように選ばれており、
前記内輪と前記外輪のいずれか一方に設けられ、前記周方向で異なる間隔を検出するセンサを備える、絶対角回転検出センサ付軸受。
【請求項3】
前記内輪の外径面および前記外輪の内径面のいずれか一方は、回転中心に対して偏芯して形成されていて、
前記センサは、前記外輪および前記内論のいずれか他方に、前記回転中心に対して偏芯した前記内輪の外径面および前記外輪の内径面に対向して配置される、請求項2に記載の絶対角検出回転センサ付軸受。
【請求項4】
さらに、前記内輪の外径面および前記外輪の内径面のいずれか一方に設けられ、外周面および内周面のいずれか一方が回転中心に対して偏芯するように、前記回転中心に対して直交する断面の厚みが周方向に異なる円筒状に形成されたセンサターゲットを含み、
前記センサは、前記外輪および前記内論のいずれか他方に、前記センサターゲットに対向するように配置される、請求項2に記載の絶対角検出回転センサ付軸受。
【請求項5】
前記センサターゲットは、前記回転中心に対して直交する断面が螺旋状に形成されている、請求項4に記載の絶対角検出回転センサ付軸受。
【請求項6】
前記センサターゲットの前記回転中心に対して直交する断面の厚みが連続して変化している、請求項4に記載の絶対角検出回転センサ付軸受。
【請求項7】
前記センサは、渦電流センサ,静電容量型センサおよび電磁誘導型センサのいずれかである、請求項1から6のいずれかに記載の絶対角検出回転センサ付軸受。
【請求項8】
前記渦電流式センサは、シート状絶縁体上にコイルが形成されている、請求項7に記載の絶対角検出回転センサ付軸受。
【請求項9】
前記コイルは前記シート状絶縁体上に複数形成されている、請求項8に記載の絶対角検出回転センサ付軸受。
【請求項10】
前記センサターゲットは、導電性部材で形成される、請求項4から9のいずれかに記載の絶対角検出回転センサ付軸受。
【請求項11】
前記複数のコイルは相互に極性の反転したセンサ信号を出力するように配置されていて、さらに
前記極性の反転した複数のセンサ信号の差動をとることでオフセットを削除する処理回路を含む、請求項9に記載の絶対角検出回転センサ付軸受。
【請求項12】
前記センサターゲットと前記センサは、前記軸受のラジアル方向に対向して配置される、請求項2から11のいずれかに記載の絶対角検出回転センサ付軸受。
【請求項13】
前記センサターゲットと前記センサは、前記軸受のアキシャル方向に対向して配置される、請求項2から11のいずれかに記載の絶対角検出回転センサ付軸受。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−23172(P2006−23172A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−200899(P2004−200899)
【出願日】平成16年7月7日(2004.7.7)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】