説明

絶縁フランジ、絶縁フランジ機構及び真空成膜装置

【課題】導電性部材間の短絡を抑制することができる絶縁フランジを提供することを目的とする。
【解決手段】その両端面が一対の導電性部材とそれぞれ接触するように、一対の導電性部材の間に介在し、締結部材45により導電性部材に締結される絶縁性の環状の第1部材43aと、その両端面が導電性部材に接触しないように、第1部材43aの内孔に嵌挿された絶縁性の環状の第2部材43bと、を備える、絶縁フランジ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁フランジ、絶縁フランジ機構及び真空成膜装置、特に絶縁フランジの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
シートプラズマ成膜装置は、プラズマガンで発生される円柱状のプラズマビームを挟んで同極同士を対向させて配置した永久磁石の反発磁場により、円柱状のプラズマをシート状に変形し、この変形されたシート状のプラズマ(以下、シートプラズマという)をイオン源として成膜材料をスパッタリングして基板を成膜する装置である。このようなシートプラズマ成膜装置において、円柱状のプラズマをシートプラズマにするシートプラズマ成形室と、この成形室からのシートプラズマによってスパッタリングを行うスパッタリング室とを互いに電気的に絶縁した構成を有するシートプラズマ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、シートプラズマ成形室とスパッタリング室とを互いに絶縁する構造が詳細に開示されている。図8は、特許文献1に開示されているシートプラズマ装置の一部を拡大した断面図である。ここで、図8を参照しながら、特許文献1に開示されている絶縁構造について説明する。
【0004】
図8に示すように、特許文献1に開示されているシートプラズマ装置は、シートプラズマ成形室201(正確には、その壁)と、中間電極202と、スパッタリング室203(正確には、その壁)と、を有している。 シートプラズマ成形室201と中間電極202との間には、ゴム等で形成された甲丸リング204が介在しており、また、中間電極202とスパッタリング室203との間にも、甲丸リング204が介在している。また、シートプラズマ成形室201、中間電極202、及びスパッタリング室203には、それぞれ捩子穴205が設けられており、シートプラズマ成形室201の捩子穴205には、絶縁を保つためのプラスチックスリーブ206が嵌挿されている。さらに、シートプラズマ成形室201と中間電極202との間、及び中間電極202とスパッタリング室203との間には、絶縁性を保つためのFRPスペーサ207が挟み込まれている。そして、シートプラズマ成形室201、中間電極202、及びスパッタリング室203のそれぞれに設けられた捩子穴205を通して捩子208が取り付けられており、この捩子208によって、シートプラズマ成形室201、中間電極202、及びスパッタリング室203は、互いに絶縁性を維持した状態で固定される。このような構成により、特許文献1に開示されているシートプラズマ装置では、絶縁性とシール性を維持することができる。
【特許文献1】特開平7−296988号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されているシートプラズマ装置の絶縁構造では、装置の組み立て時に捩子208を締め付けすぎると、スペーサ207が破損し、絶縁性を保つことができないおそれがある。また、甲丸リング204によって、シートプラズマ変形室201又はスパッタリング室203と中間電極202とを絶縁しているが、この甲丸リング204の表面に導電性を有する成膜材料が付着すると、シートプラズマ変形室201又はスパッタリング室203と中間電極202との間で短絡が生じるおそれがある。このように、従来のシートプラズマ装置の絶縁構造では、未だ改善の余地があった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、真空成膜装置の使用時に、万一、絶縁フランジにおける導電性部材との締結部分が破損しても、導電性部材間の短絡を抑制することができる絶縁フランジ、絶縁フランジ機構、及び真空成膜装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明に係る絶縁フランジは、その両端面が一対の導電性部材とそれぞれ接触するように、前記一対の導電性部材の間に介在し、締結部材により前記導電性部材に締結される絶縁性の環状の第1部材と、その両端面が前記導電性部材と接触しないように、前記第1部材の内孔に嵌挿された絶縁性の環状の第2部材と、を備える。
【0008】
これにより、第2部材の表面に導電性を有する成膜材料が付着しても、第2部材と導電性部材との間には、空間が確保されるため、一対の導電性部材間の短絡を抑制することができる。
【0009】
また、本発明に係る絶縁フランジでは、前記第2部材は、前記第1部材より耐熱性が高い方が好ましい。
【0010】
また、本発明に係る絶縁フランジでは、前記第1部材は、前記第2部材より靭性が高い方が好ましい。
【0011】
また、本発明に係る絶縁フランジでは、前記第2部材は、前記第1部材よりガス放出量が小さい方が好ましい。
【0012】
また、本発明に係る絶縁フランジでは、前記第2部材は、セラミックで構成されていてもよい。
【0013】
また、本発明に係る絶縁フランジでは、前記第1部材は、合成樹脂で構成されていてもよい。
【0014】
また、本発明に係る絶縁フランジ機構は、その両端面が一対の導電性部材とそれぞれ接触するように、前記一対の導電性部材の間に介在し、締結部材により前記導電性部材に締結される絶縁性の環状の第1部材と、その両端面が前記導電性部材と接触しないように、前記第1部材の内孔に嵌挿された絶縁性の環状の第2部材と、前記第2部材の端面と前記導電性部材との間に介在するように設けられたシール部材と、前記第1部材を前記一対の前記導電性部材に締結するための締結部材と、を備える。
【0015】
これにより、真空成膜装置の使用時に、万一、第1部材がひび割れ等の破損が生じても、第2部材及びシール部材によって、真空成膜装置内のシール性及び絶縁性を保つことができる。さらに、第2部材の内周面とシール部材の表面に導電性を有する成膜材料が付着しても、第2部材の端面には成膜材料が付着しにくいため、一対の導電性部材間の短絡を抑制することができる。
【0016】
また、本発明に係る絶縁フランジ機構では、前記シール部材が絶縁性を有していてもよい。
【0017】
また、本発明に係る真空成膜装置は、前記絶縁フランジ機構を備える。
【0018】
これにより、第2部材の内周面やシール部材の表面に導電性を有する成膜材料が付着しても、一対の導電性部材間の短絡を抑制することができる。
【0019】
また、本発明に係る真空成膜装置では、プラズマを利用して成膜してもよい。
【0020】
また、本発明に係る真空成膜装置では、内部を減圧可能な減圧容器と、その内部にプラズマを発生させるプラズマガンと、前記減圧容器の一部を成し、前記プラズマが流動する成膜室と、前記減圧容器の内部において前記プラズマを受けるアノードと、を備え、前記プラズマガンは、前記絶縁フランジ機構を介して前記減圧容器に接続されていてもよい。
【0021】
また、本発明に係る真空成膜装置では、内部を減圧可能な減圧容器と、その内部にプラズマを発生させるプラズマガンと、前記減圧容器の一部を成し、前記プラズマが流動する成膜室と、前記減圧容器の内部において前記プラズマを受けるアノードと、を備え、前記アノードは、前記絶縁フランジ機構とともに前記減圧容器の一部を成し、かつ、前記絶縁フランジ機構を介して前記成膜室に接続されていてもよい。
【0022】
さらに、本発明に係る真空成膜装置では、内部を減圧可能な減圧容器と、その内部にプラズマを発生させるプラズマガンと、前記プラズマガンの一部を成し、カソードで発生したプラズマを流動させるための中間電極と、前記減圧容器の一部を成し、前記プラズマが流動する成膜室と、前記減圧容器の内部において前記プラズマを受けるアノードと、を備え、前記絶縁フランジ機構は、前記プラズマガンの一部を成し、前記プラズマガンは、筒部材を有し、前記中間電極は、前記絶縁フランジを介して前記筒部材に接続されていてもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明の絶縁フランジ、絶縁フランジ機構、及び真空成膜装置によれば真空成膜装置の使用時に、万一、絶縁フランジにおける導電性部材との締結部分が破損しても、一対の導電性部材間の短絡を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、全ての図面において、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
(実施の形態1)
[真空成膜装置の構成]
図1は、本発明の実施の形態1に係る真空成膜装置の概略構成を示す模式図である。なお、本実施の形態では、真空成膜装置の構造における方向を、便宜上、図1に示す、三次元直交座標系のX軸、Y軸及びZ軸の方向で表わす。
【0025】
図1に示すように、本実施の形態1に係る真空成膜装置100は、プラズマガン1と、シートプラズマ変形室2と、成膜室3と、アノード室4と、を有しており、これらは互いに気密的に連通されている。なお、シートプラズマ変形室2、成膜室3、及びアノード室4から減圧容器が構成される。
【0026】
プラズマガン1は、ここでは、公知の圧力勾配型のプラズマガンと複合陰極型プラズマガンの両者を組み合わせたデュアルタイプのプラズマガンで構成されており、Z軸方向の軸を中心とした円筒状の第1及び第2筒部材12、12を有している。第1部材11の一方の端部には、該第1筒部材11の内部空間を塞ぐようにして、蓋部材13が設けられており、蓋部材13には、カソード14が設けられている。カソード14は、直流電源からなる主電源15の負極と抵抗体R1を介して電気的に接続されている。
【0027】
また、第1筒部材11の他方の端部と第2筒部材12の一方の端部の間には、絶縁フランジ機構50Aを介して環状の中間電極16、17が接続されている。第1及び第2筒部材11、12と、絶縁フランジ機構50Aと、中間電極16、17の内部空間により、放電空間18が形成される。なお、絶縁フランジ機構50Aを介した中間電極16、17の接続については、後述する。
【0028】
また、中間電極16、17は、それぞれ主電源15と適宜の抵抗体R2、R3を介して電気的に接続されており、中間電極16、17には、主電源15によって所定のプラス電圧が印加される。これにより、カソード14で発生したアーク放電が維持され、プラズマガン1の放電空間18には、荷電粒子(ここではAr+と電子)の集合体としてのプラズマが形成される。
【0029】
プラズマガン1の周囲には、環状の第1電磁コイル19が、第2筒部材12の周壁を取り囲むように設けられている。第1電磁コイル19に電流を流し、中間電極16、17に所定のプラス電圧を印加することにより、コイル磁界及び電界が形成される。このコイル磁界と電界により、プラズマガン1で発生したプラズマは、円柱状のプラズマ(以下、円柱プラズマという)CPとして、シートプラズマ変形室2側へ引き出される。
【0030】
第2筒部材12の他方の端部には、絶縁フランジ機構50Bを介してシートプラズマ変形室2が、プラズマガン1と電気的に絶縁し、かつ、気密的に接続されている。シートプラズマ変形室2は、Z軸方向の軸を中心とした筒状(ここでは、円筒状)に形成されており、シートプラズマ変形室2の内部空間により、輸送空間20が形成されている。なお、絶縁フランジ機構50Bを介したプラズマガン1とシートプラズマ変形室2との接続については後述する。
【0031】
また、シートプラズマ変形室2の適所には、第1調整弁21により開閉可能な第1排気口22が設けられている。第1排気口22には、適宜な配管を介して真空ポンプが接続されている(図示せず)。この真空ポンプにより、排気され、プラズマガン1の放電空間18及びシートプラズマ変形室2の輸送空間20は、円柱プラズマCPを形成し、輸送可能なレベルの真空度にまで速やかに減圧される。なお、第1調整弁21は、図示されない制御装置により弁の開度を調整されるように構成されている。
【0032】
シートプラズマ変形室2の周囲には、輸送空間20を挟んで、互いに同極(ここではN極)が対向するようにして、一対の角形の永久磁石23a、23bが、X軸方向に延びるように設けられている。永久磁石23a、23bのカソード14に近い側には、環状の成形電磁コイル(空心コイル)24が、シートプラズマ変形室2の周面を囲むように配設されている。なお、成形電磁コイル24には、カソード14側をS極、アノード37側をN極とする向きの電流が通電されている。
【0033】
そして、シートプラズマ変形室2の輸送空間20には、成形電磁コイル24に電流を流すことによってコイル磁界が形成され、このコイル磁界と永久磁石23a、23bによって形成される磁石磁界との相互作用により、円柱プラズマCPがシートプラズマ変形室2の輸送空間20をZ軸方向に移動する。この間に、円柱プラズマCPは、XZ平面に沿って拡がる、均一なシート状のプラズマ(以下、シートプラズマという)SPに変形される。このようにして変形されたシートプラズマSPは、成膜室3へ流入する。
【0034】
成膜室3は、Y軸方向の軸を中心とした筒状(ここでは、円筒状)に形成されており、成膜室3の内部空間により、成膜空間25が形成される。また、成膜室3の一方の端部(カソード14側端部)は、適宜な手段により、シートプラズマ変形室2の輸送空間20と成膜室3の成膜空間25とが連通し、かつ、気密的にシートプラズマ変形室2と接続されている。
【0035】
成膜室3の内部には、シートプラズマSPを挟んで対抗するように、基板27と成膜材料としてターゲット26が配設されている。基板27は、基板ホルダ28に保持されており、該基板ホルダ28は、Y軸方向に移動可能に構成されている。さらに、基板ホルダ28は、バイアス電源29の負極と適宜な配線により電気的に接続されており、バイアス電源29は、基板ホルダ28にシートプラズマSPに対して負のバイアス電圧を印加する。なお、基板ホルダ28と成膜室3とは、本発明の絶縁フランジ機構によって絶縁されている(図示せず)。一方、ターゲット26は、ターゲットホルダ30に保持されており、該ターゲットホルダ30は、Y軸方向に移動可能に構成されている。また、ターゲットホルダ30は、バイアス電源31の負極と適宜な配線により電気的に接続されており、バイアス電源31は、ターゲットホルダ30にシートプラズマSPに対して負のバイアス電圧を印加する。なお、ターゲットホルダ30と成膜室3とは、本発明の絶縁フランジ機構により絶縁されている(図示せず)。
【0036】
また、成膜室3の適所には、第2調整弁32により開閉可能な第2排気口33が設けられている。第2排気口33には、適宜な配管を介して真空ポンプが接続されている(図示せず)。この真空ポンプにより真空引きされ、成膜室3の成膜空間25は、スパッタリングプロセス可能なレベルの真空度にまで速やかに減圧される。なお、第2調整弁32は、制御装置によりその開度を調整されるように構成されている。
【0037】
成膜室3の外部には、磁力の強さをコントロールできる第2電磁コイル34及び第3電磁コイル35が、互いに対を成して成膜室3の周面を囲むように配設されている。第2電磁コイル34と第3電磁コイル35は、互いに異なる極(ここでは、第2電磁コイル34はN極、第3電磁コイル35はS極)を向かい合わせて設けられている。
【0038】
この第2電磁コイル34及び第3電磁コイル35に電流を流すことにより作られるコイル磁界(例えば10G〜300G程度)は、ミラー磁界として、成膜室3の成膜空間25をZ軸方向に移動するシートプラズマSPの幅方向の拡散を適切に抑えるように、シートプラズマSPの形状を整形し、シートプラズマSPをアノード室4に流入させる。
【0039】
アノード室4は、Z軸方向の軸を中心とした筒状(ここでは、円筒状)に形成されており、アノード室4の一方の端部(カソード14側端部)は、適宜な手段により、アノード室4の内部空間と成膜室3の成膜空間25とが連通し、かつ、気密的に成膜室3と接続されている。また、アノード室4の他方の端部には、アノード室4の内部空間を塞ぐように円板状の蓋部材36が設けられ、アノード室4の他方の端部と蓋部材36との間には、円板状のアノード37が、絶縁フランジ機構50Cを介して気密的に設けられている。また、アノード37は、主電源15の正極と適宜な配線により電気的に接続されている。これにより、主電源15によってアノード37には、カソード14との間で適宜の正の電圧(例えば100V)が印加される。なお、絶縁フランジ機構50Cを介した成膜室3(正確には、成膜室3に接続されたアノード室4)とアノード37との接続については後述する。
【0040】
また、蓋部材36のアノード37に遠い側の面(大気にさらされている面)には、アノード37側をS極、大気側をN極とした永久磁石38が配置されている。これにより、永久磁石38のN極から出てS極に入るXZ平面に沿った磁力線により、アノード37に向かうシートプラズマSPの幅方向(X軸方向)の拡散を抑えるようにシートプラズマSPが幅方向に収束され、シートプラズマSPの荷電粒子が、アノード37に適切に回収される。
【0041】
なお、本実施の形態では、プラズマガン1の第1及び第2筒部材12、12とシートプラズマ変形室2のXY平面の断面を、円形であると説明したが、これに限定されるものではなく、多角形等であってもよい。また、成膜室3のXZ平面の断面を、円形であると説明したが、これに限定されるものではなく、多角形等であってもよい。
【0042】
[中間電極及び絶縁フランジ機構の構成]
次に、中間電極16、17及び絶縁フランジ機構50Aの構成について、図2を参照しながら詳細に説明する。
【0043】
図2は、図1に示す真空成膜装置100における絶縁フランジ機構50Aと中間電極16、17の概略構成を模式的に示す断面図である。
【0044】
図2に示すように、第1筒部材(導電性部材)11の他方(アノード37側)の端部には、第1フランジ41が設けられており、第2筒部材(導電性部材)12の一方(カソード14側)の端部には、第2フランジ42が設けられている。第1フランジ41と第2フランジ42の間には、中間電極(導電性部材)16及び中間電極(導電性部材)17並びに絶縁フランジ機構50Aが、第1筒部材11と同軸状に配置されている。具体的には、第1フランジ41から第2フランジ42に向かって、絶縁フランジ機構50Aを構成する絶縁フランジ43、中間電極16、絶縁フランジ43、中間電極17、絶縁フランジ43の順で配置されている。
【0045】
絶縁フランジ機構50は、短円筒状の絶縁フランジ43と、Oリング(シール部材)44と、ボルト(締結部材)45と、絶縁カラー46と、を備えている。絶縁フランジ43は、絶縁材料からなる短円筒状の第1部材43aと第2部材43bを有しており、第1筒部材43aと第2筒部材43bは、中心軸を共有している。第2部材43bは、第2部材43bの外周面が、第1部材43aの内周面と嵌合し、第2部材43bの両端面が、第1部材43aの両端面よりも内方に位置するように、第1筒部材43aの内孔(中央の孔部)に挿入されている。そして、絶縁フランジ43の第2部材43bの端面と接触するように、Oリング44が配設されている。具体的には、第1及び第2フランジ41、42及び中間電極16、17のそれぞれの端面における第2部材43bの端面と対向する部分に、環状の溝48が形成されており、該溝48にOリング44が溝48の底面と第2部材43bの端面とに接触するように配置されている。
【0046】
また、絶縁フランジ43の第1部材43aと、中間電極16、17と、第2フランジ42の端面の適所には、厚み方向に貫通し、かつ、互いに連通するように、複数の貫通孔47が設けられている。これらの貫通孔47には、第1及び第2フランジ41、42と中間電極16、17とが短絡しないように、絶縁カラー46が嵌挿されている。絶縁カラー46には、ボルト45が挿通されており、ボルト45の先端部は、第1フランジ41に形成されたねじ孔に螺入されている。これにより、絶縁フランジ機構50と、中間電極16、17が、ボルト45により、第1及び第2フランジ41、42に締結される。
【0047】
このような構成とすることにより、真空成膜装置100の組み立て時において、ボルト45を締め過ぎても、絶縁フランジ43の第1部材43aにのみ、その締結圧がかかり、第2部材43bには、Oリング44の反力のみが作用するので、第2部材43bが破損することがない。また、真空成膜装置100の使用時に、万一、第1部材43aにひび割れ等の破損が生じても、第2部材43bとOリング44により、真空成膜装置100のシール性及び絶縁性を保つことができる。また、第1部材43aが、導電性部材(第1及び第2フランジ41、42及び中間電極16、17)間の距離を規制することにより、第2部材43bが導電性部材との間の間隔を確保することができるため、第2部材43bの内周面やOリング44の表面に導電性の成膜材料が付着しても、第1フランジ41と中間電極16等の導電性部材間の短絡を抑制することができる。
【0048】
なお、第1部材43aの破損を防止する観点から、第1部材43aは、第2部材43bよりも靭性が高いことが好ましい。また、第2部材43bは、真空度を維持する観点から、第1部材43aよりもガス放出量が小さい(ガス放出特性がよい)ことが好ましい。さらに、第2部材43bは、プラズマや図示されないガス出し用ベーキングヒータ等により加熱されるため、第1部材43aよりも耐熱性が高い方が好ましい。これらの観点から、第1部材43aは、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアセタール(POM)等の合成樹脂を用いることが好ましく、第2部材43bは、アルミナ、窒化珪素等のセラミックを用いることが好ましい。
【0049】
また、第2部材43bと導電性部材との間の間隔は、その最も近い部分で、第2部材43bと導電性部材との間に成膜材料等の小片(粉体)ゴミが挟まることによる第2部材43bと導電性部材との間の短絡を防止する観点から、0.1mm以上であることが好ましく、第2部材43bの端面及び導電性部材における第1部材43bの端面と対向する部分への成膜材料の付着抑制の観点から0.5mm以下であることが好ましい。
【0050】
さらに、ここでは、第1フランジ41、中間電極16、絶縁フランジ43、中間電極17、絶縁フランジ43、及び第2フランジ42をまとめて1の締結部材(ボルト45)で締結する構成としたが、これに限定されず、第1フランジ41、中間電極16、及び絶縁フランジ43を1の締結部材で締結し、中間電極16、絶縁フランジ43、及び中間電極17を1の締結部材で締結し、中間電極17、絶縁フランジ43、及び第2フランジ42を1の締結部材で締結する等してもよい。
【0051】
[プラズマガン、絶縁フランジ機構、及びシートプラズマ変形室の構成]
次に、プラズマガン1、絶縁フランジ機構50B、及びシートプラズマ変形室3の構成について、図3を参照しながら詳細に説明する。
【0052】
図3は、図1に示す真空成膜装置100のプラズマガン1、絶縁フランジ機構50B、及びシートプラズマ変形室2の概略構成を模式的に示す断面図である。
【0053】
図3に示すように、プラズマガン1(正確には、第2筒部材12の他方の端部)には、第3フランジ51が設けられている。そして、第3フランジ51とシートプラズマ変形室2(正確には、その壁)に挟まれるようにして絶縁フランジ機構50Bが配設されている。絶縁フランジ機構50Bは、上述の絶縁フランジ機構50Aと同様に構成されている。具体的には、絶縁フランジ機構50Bにおける絶縁フランジ43の短円筒状の第1部材43aの両端面が、それぞれ第3フランジ51の端面及びシートプラズマ変形室3の外表面と接触し、かつ、第2筒部材12と同軸状に配設されている。そして、第3フランジ51の端面及びシートプラズマ変形室2の外表面における第2部材43bの端面と対向する部分に、環状の溝48が形成されており、該溝48にOリング44が溝48の底面と絶縁フランジ機構50Bの第2部材43bの端面とに接触するように配置されている。
【0054】
また、絶縁フランジ43の第1部材43aと第3フランジ51の端面の適所には、厚み方向に貫通し、かつ、互いに連通するように、複数の貫通孔47が設けられている。これらの貫通孔47には、第3フランジ51とシートプラズマ変形室2が短絡しないように、絶縁カラー46が嵌挿されている。絶縁カラー46には、ボルト45が挿通されており、ボルト45の先端部は、シートプラズマ変形室2に形成されたねじ孔に螺入されている。これにより、絶縁フランジ機構50Bが、ボルト45により、第3フランジ51とシートプラズマ変形室2に締結されている。
【0055】
このような構成とすることにより、真空成膜装置100の組み立て時において、ボルト45を締め過ぎても、絶縁フランジ43の第1部材43aにのみ、その締結圧がかかり、第2部材43bには、Oリング44の反力のみが作用するので、第2部材43bが破損することがない。また、真空成膜装置100の使用時に、万一、第1部材43aにひび割れ等の破損が生じても、第2部材43bとOリング44により、真空成膜装置100のシール性及び絶縁性を保つことができる。また、第1部材43aが、導電性部材(第3フランジ51とシートプラズマ変形室2)間の距離を規制することにより、第2部材43bが導電性部材との間の間隔を確保することができるため、第2部材43bの内周面やOリング44の表面に導電性の成膜材料が付着しても、第3フランジ51とシートプラズマ変形室2との間の短絡を抑制することができる。
【0056】
[絶縁フランジ機構及びアノードの構成]
次に、絶縁フランジ機構50C及びアノード37の構成について、図4を参照しながら詳細に説明する。
【0057】
図4は、図1に示す真空成膜装置100のアノード室4、絶縁フランジ機構50C、及びアノード37の概略構成を模式的に示す断面図である。
【0058】
図4に示すように、アノード室4の他方の端部には、第4フランジ52が設けられている。第4フランジ52の端面には、絶縁フランジ機構50Cが配設されている。絶縁フランジ機構50Cは、上述の絶縁フランジ機構50Aと同様に構成されている。具体的には、絶縁フランジ機構50Cにおける短円筒状の絶縁フランジ43の第1部材43aの一方の端面が、第4フランジ52の端面と接触するように配設されている。そして、第4フランジ52の端面及びアノード37の一方の端面における、第2部材43bの端面と対向する部分に、環状の溝48が形成されており、該溝48にOリング44が溝48の底面と第2部材43bの端面とに接触するように配置されている。
【0059】
また、アノード37の他方の端面には、蓋部材36がアノード37の他方の端面と接触するように配置されている。蓋部材36の大気側にさらされている主面には、永久磁石38が、アノード37側をS極、大気側をN極となるように配置されている。
【0060】
さらに、アノード37、蓋部材36、及び絶縁フランジ43の第1部材43aの端面の適所には、厚み方向に貫通し、かつ、互いに連通するように、複数の貫通孔47が設けられている。これらの貫通孔47には、第4フランジ52とアノード37が短絡しないように、絶縁カラー46が嵌挿されている。絶縁カラー46には、ボルト45が挿通されており、ボルト45の先端部は、第4フランジ52に形成されたねじ孔に螺入されている。これにより、絶縁フランジ機構50C及びアノード37が、ボルト45により、第4フランジ52と蓋部材36に締結されている。
【0061】
このような構成とすることにより、真空成膜装置100の組み立て時において、ボルト45を締め過ぎても、第1部材43aにのみ、その締結圧がかかり、第2部材43bには、Oリング44の反力のみが作用するので、第2部材43bが破損することがない。また、真空成膜装置100の使用時に、万一、第1部材43aにひび割れ等の破損が生じても、第2部材43bとOリング44により、真空成膜装置100のシール性及び絶縁性を保つことができる。また、第1部材43aが、導電性部材(第4フランジ52とアノード37)間の距離を規制することにより、第2部材43bが導電性部材との間の間隔を確保することができるため、第2部材43bの内周面やOリング43cの表面に導電性の成膜材料が付着しても、第4フランジ52とアノード37との間の短絡を抑制することができる。
【0062】
[プラズマ成膜装置の動作]
次に、真空成膜装置100の動作について、図1を参照しながら説明する。なお、以下の諸動作は、図示されない制御装置によって制御される。
【0063】
まず、真空成膜装置100の成膜室3内に、基板27とターゲット26が搬入される。そして、図示されない真空ポンプの真空引きにより、真空成膜装置100の内部が真空状態になる。
【0064】
次に、プラズマガン1の放電空間14内にアルゴンガスが供給される。ついで、主電源15によってアノード37には、カソード14との間で適宜の正の電圧(例えば100V)が印加され、カソード14でプラズマが発生する。発生したプラズマは、中間電極16、17による電界と第1電磁コイル19による磁界により、カソード14からアノード37側に引き出され、円柱状に成形される。そして、このようにして形成された円柱プラズマCPは、第1電磁コイル19によって形成される磁場の磁力線に沿ってシートプラズマ変形室2に導かれる。
【0065】
シートプラズマ変形室2に導かれた円柱プラズマCPは、一対の永久磁石23a、23bと成形電磁コイル24から発生する磁場によってシート状に(X軸方向に対称に広がるようにしてXZ平面に延びるように)広がって、シートプラズマSPに変形される。このシートプラズマSPは、成膜室3に導かれる。
【0066】
成膜室3に導入されたシートプラズマSPは、第2電磁コイル34、第3電磁コイル35による磁場によって、幅方向の形状が整えられ、ターゲット26と基板27の間の空間にまで導かれる。ターゲット26及び基板27には、それぞれ、バイアス電源31、29から、シートプラズマSPに対して負のバイアス電圧が印加される。これにより、シートプラズマSPを構成するアルゴンイオンがターゲット26を効率よくスパッタする。スパッタされたターゲット26を構成する原子は、垂直方向にシートプラズマSP中を通過し、このとき陽イオンにイオン化される。この陽イオンは、負にバイアスされた基板27上に堆積し、電子を受け取り、基板27を成膜する。ついで、シートプラズマSPは、永久磁石38の磁力線により幅方向に収束され、アノード37が、シートプラズマSPを受ける。
【0067】
そして、真空成膜装置100の使用時に、万一、第1部材43aにひび割れ等の破損が生じても、第2部材43bとOリング44により、真空成膜装置100のシール性及び絶縁性を保つことができる。また、第2部材43bの内周面やOリング44の表面に導電性の成膜材料が付着しても、一対の導電性部材間で短絡を抑制することができる。
【0068】
このように、本実施の形態1に係るプラズマ成膜装置では、真空成膜装置100の組み立て時において、ボルト45を締め過ぎても、第1部材43aにのみ、その締結圧がかかり、第2部材43bには、Oリング44の反力のみが作用するので、第2部材43bが破損することがない。また、真空成膜装置100の使用時に、万一、第1部材43aにひび割れ等の破損が生じても、第2部材43bとOリング44により、真空成膜装置100のシール性及び絶縁性を保つことができる。また、第1部材43aが、導電性部材(例えば、第1及び第2フランジ41、42及び中間電極16、17)間の距離を規制することにより、第2部材43bが導電性部材との間の間隔を確保することができるため、第2部材43bの内周面やOリング44の表面に導電性の成膜材料が付着しても、一対の導電性部材(例えば、第1及び第2フランジ41、42及び中間電極16、17)間で短絡を抑制することができる。なお、本実施の形態では、真空成膜装置として、プラズマを利用して成膜するプラズマ成膜装置(シートプラズマ成膜装置)を例示したが、これに限定されず、マグネトロンスパッタ成膜装置やプラズマCVD成膜装置等の成膜装置であってもよい。
【0069】
次に、本実施の形態1に係る真空成膜装置100の絶縁フランジ機構50A〜50Cの変形例について説明する。
[変形例1]
図5は、本変形例1の絶縁フランジ機構の概略構成を模式的に示す断面図である。なお、図5においては、締結部材を省略している。
【0070】
図5に示すように、本変形例1の絶縁フランジ機構50A〜50Cは、基本的構成は、実施の形態1に係る真空成膜装置100の絶縁フランジ機構50A〜50Cと同じであるが、第1部材43aが、ボルト61により第2部材43bに固定されている点が異なる。
【0071】
具体的には、第1部材43aの外周面の適所に、内周面に向かって段部67を有する貫通孔62が設けられている。そして、この貫通孔62には、ボルト61が挿通されており、ボルト61の先端は、第2部材43bの外周面の適所に設けられたねじ孔に螺入されている。
【0072】
これにより、絶縁フランジ43の第1部材43aと第2部材43bの位置決めと固定、及び絶縁フランジ43の導電性部材への取り付けを容易に行うことができる。
[変形例2]
図6は、本変形例2の絶縁フランジ機構の概略構成を模式的に示す断面図である。なお、図6においては、締結部材を省略している。
図6に示すように、本変形例2の絶縁フランジ機構50A〜50Cは、基本的構成は、実施の形態1に係る真空成膜装置100の絶縁フランジ機構50A〜50Cと同じであるが、第1部材43aが、止めねじ63により第2部材43bに固定されている点が異なる。
【0073】
具体的には、第1部材43aの外周面の適所に、内周面に向かって貫通孔62が設けられている。そして、この貫通孔62には、止めねじ63が挿通されており、止めねじ63の先端は、第2部材43bの外周面の適所に設けられたねじ孔に螺入されている。
これにより、絶縁フランジ43の第1部材43aと第2部材43bの位置決めと固定、及び絶縁フランジ43の導電性部材への取り付けを容易に行うことができる。
[変形例3]
図7は、本変形例3の絶縁フランジ機構の概略構成を模式的に示す断面図である。なお、図7においては、締結部材を省略している。
【0074】
図7に示すように、本変形例3の絶縁フランジ機構50A〜50Cは、基本的構成は、実施の形態1に係る真空成膜装置100の絶縁フランジ機構50A〜50Cと同じであるが、第1部材43aが、Oリング65により第2部材43bに固定されている点が異なる。
【0075】
具体的には、第1部材43aの内周面には、断面がV字状の溝66が形成されており、また、第2部材43bの外周面には、断面がU字状の溝64が形成されている。そして、第1部材43aの溝66の内斜面と第2部材43bの溝66の底面とに接触するようにOリング65が配置されている。
【0076】
これにより、絶縁フランジ43の第1部材43aと第2部材43bの位置決めと固定、及び絶縁フランジ43の導電性部材への取り付けを容易に行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明の絶縁フランジ、絶縁フランジ機構、及び真空成膜装置は、導電性部材間の短絡を抑制することができるため、安全に使用することができる絶縁フランジ、絶縁フランジ機構、及び真空成膜装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の実施の形態1に係る真空成膜装置の概略構成を示す模式図で ある。
【図2】図1に示す真空成膜装置における絶縁フランジ機構と中間電極の概略 構成を模式的に示す断面図である。
【図3】図1に示す真空成膜装置のプラズマガン、絶縁フランジ機構、及びシートプラズマ変形室の概略構成を模式的に示す断面図である。
【図4】図1に示す真空成膜装置のアノード室、絶縁フランジ機構、及びアノードの概略構成を模式的に示す断面図である。
【図5】本変形例1の絶縁フランジ機構の概略構成を模式的に示す断面図である。
【図6】本変形例2の絶縁フランジ機構の概略構成を模式的に示す断面図である。
【図7】本変形例3の絶縁フランジ機構の概略構成を模式的に示す断面図である。
【図8】特許文献1に開示されているシートプラズマ装置の一部を拡大した断面図である。
【符号の説明】
【0079】
1 プラズマガン
2 シートプラズマ変形室
3 成膜室
4 アノード室
11 第1筒部材
12 第2筒部材
13 蓋部材
14 カソード
15 主電源
16 中間電極
17 中間電極
18 放電空間
19 第1電磁コイル
20 輸送空間
21 第1調整弁
22 第1排気口
23a 永久磁石
23b 永久磁石
24 成形電磁コイル
25 成膜空間
26 ターゲット
27 基板
28 基板ホルダ
29 バイアス電源
30 ターゲットホルダ
31 バイアス電源
32 第2調整弁
33 第2排気口
34 第2電磁コイル
35 第3電磁コイル
36 蓋部材
37 アノード
38 永久磁石
41 第1フランジ
42 第2フランジ
43 絶縁フランジ
43a 第1部材
43b 第2部材
44 Oリング(シール部材)
45 ボルト(締結部材)
46 絶縁カラー
47 貫通孔
48 溝
50A 絶縁フランジ機構
50B 絶縁フランジ機構
50C 絶縁フランジ機構
51 第3フランジ
52 第4フランジ
61 ボルト
62 貫通孔
63 止めねじ
64 溝
65 Oリング
66 溝
67 段差
100 真空成膜装置
201 シートプラズマ成形室
202 中間電極
203 スパッタリング室
204 甲丸リング
205 捩子穴
206 スリーブ
207 スペーサ
208 捩子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
その両端面が一対の導電性部材とそれぞれ接触するように、前記一対の導電性部材の間に介在し、締結部材により前記導電性部材に締結される絶縁性の環状の第1部材と、
その両端面が前記導電性部材と接触しないように、前記第1部材の内孔に嵌挿された絶縁性の環状の第2部材と、を備える、絶縁フランジ。
【請求項2】
前記第2部材は、前記第1部材より耐熱性が高い、請求項1に記載の絶縁フランジ。
【請求項3】
前記第1部材は、前記第2部材より靭性が高い、請求項1に記載の絶縁フランジ。
【請求項4】
前記第2部材は、前記第1部材よりガス放出量が小さい、請求項1に記載の絶縁フランジ。
【請求項5】
前記第2部材は、セラミックで構成されている、請求項3に記載の絶縁フランジ。
【請求項6】
前記第1部材は、合成樹脂で構成されている、請求項3又は5に記載の絶縁フランジ。
【請求項7】
その両端面が一対の導電性部材とそれぞれ接触するように、前記一対の導電性部材の間に介在し、締結部材により前記導電性部材に締結される絶縁性の環状の第1部材と、
その両端面が前記導電性部材と接触しないように、前記第1部材の内孔に嵌挿された絶縁性の環状の第2部材と、
前記第2部材の端面と前記導電性部材との間に介在するように設けられたシール部材と、
前記第1部材を前記一対の前記導電性部材に締結するための締結部材と、を備える、絶縁フランジ機構。
【請求項8】
前記シール部材が絶縁性を有する、請求項7に記載の絶縁フランジ機構。
【請求項9】
請求項7に記載の絶縁フランジ機構を備える、真空成膜装置。
【請求項10】
プラズマを利用して成膜する、請求項9に記載の真空成膜装置。
【請求項11】
内部を減圧可能な減圧容器と、
その内部にプラズマを発生させるプラズマガンと、
前記減圧容器の一部を成し、前記プラズマが流動する成膜室と、
前記減圧容器の内部において前記プラズマを受けるアノードと、を備え、
前記プラズマガンは、前記絶縁フランジ機構を介して前記減圧容器に接続されている、請求項10に記載の真空成膜装置。
【請求項12】
内部を減圧可能な減圧容器と、
その内部にプラズマを発生させるプラズマガンと、
前記減圧容器の一部を成し、前記プラズマが流動する成膜室と、
前記減圧容器の内部において前記プラズマを受けるアノードと、を備え、
前記アノードは、前記絶縁フランジ機構とともに前記減圧容器の一部を成し、かつ、前記絶縁フランジ機構を介して前記成膜室に接続されている、請求項10に記載の真空成膜装置。
【請求項13】
内部を減圧可能な減圧容器と、
その内部にプラズマを発生させるプラズマガンと、
前記プラズマガンの一部を成し、カソードで発生したプラズマを流動させるための中間電極と、
前記減圧容器の一部を成し、前記プラズマが流動する成膜室と、
前記減圧容器の内部において前記プラズマを受けるアノードと、を備え、
前記絶縁フランジ機構は、前記プラズマガンの一部を成し、
前記プラズマガンは、筒部材を有し、
前記中間電極は、前記絶縁フランジを介して前記筒部材に接続されている、請求項10に記載の真空成膜装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−79274(P2009−79274A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−250676(P2007−250676)
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(000002358)新明和工業株式会社 (919)
【Fターム(参考)】