説明

絶縁被覆埋設配管及び絶縁被覆埋設配管被覆検査方法

【課題】地中に埋設される配管のうち地上への立ち上がり部分以外の箇所での給電を容易にする絶縁被覆埋設配管を提供すること。
【解決手段】絶縁被覆埋設配管は、金属管12の外周面に少なくとも1本接続されて該外周面から突出する給電体13と、金属管12の外周面と給電体13の外周面を覆う絶縁性被覆14とを有し、地上に露出される給電体13の上端部から損傷箇所検出用信号が印加されて電位、磁界等の変化により損傷箇所が検出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁被覆埋設配管及び絶縁被覆埋設配管被覆検査方法に関し、より詳しくは、地中に埋設される絶縁被覆埋設配管、及び地中に埋設された絶縁被覆埋設配管の被覆状態を検査する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属製の配管を地中に埋設する際には、配管の腐食を防止するためにその表面に絶縁性被覆である塗覆装が施される。この塗覆装は、埋設後の長い期間には施工不良、地盤沈下等により一部が損傷して配管から剥離し、配管を保護する機能が局所的に低下することがある。
【0003】
配管のうち塗覆装が損傷した箇所では、土壌等の電解質に接触して腐食しやすくなるし、塗覆装の損傷箇所の周囲の環境によっては、その腐食が急速に進んで配管に穴が開き、配管を流れる水などが漏れるおそれがある。
【0004】
このため、塗覆装の損傷箇所を補修するために予め塗覆装の損傷箇所を特定する必要があり、その損傷箇所の検出方法として、例えば下記の特許文献1に示すような磁界法と、特許文献2に示すような電位法がある。
【0005】
磁界法は、埋設配管に電流を流して塗覆装損傷部から発生する漏れ電流を磁界の変化で計測することにより塗覆装損傷部の有無と位置を判定する方法である。また、電位法は、その漏れ電流を電位の変化で計測することによって、塗覆装の損傷の有無と位置を判定する方法である。
【0006】
それらの検出方法において、電流を供給する埋設配管の部位は、図9に示すように、塗覆装が施された埋設配管101のうち地盤102から露出する部分であり、例えば、貯水槽100の近くの送水ポンプ103に接続するために地上に立ち上げた部分101aや、埋設配管101の下流における地上への立ち上がり部分101bである。なお、埋設配管101の他の立ち上がり部分としては、特許文献3に記載されているように埋設配管101から分岐された金属管も含まれる。
【0007】
その他に、埋設配管に電流を供給する方法として、地盤を掘削して埋設配管を露出させてそこから電流を給電する方法もあるし、或いは、特許文献1、特許文献4に記載されているように、埋設配管をマンホールの下に通してそのマンホールの蓋を開けて埋設配管に給電することも考えられる。
【特許文献1】特開平10−206390号公報
【特許文献2】特開昭61−209349号公報
【特許文献3】特開昭60−228688号公報
【特許文献4】特開2000−221002号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、埋設配管のうち地上の露出部分から電流を流す方法を採用すれば、埋設配管が長い場合に、塗覆装の損傷箇所に至る経路の途中で電流が減衰したり、或いは他の配管との近接箇所で漏洩電流が生じやすくなり、これにより塗覆装の損傷箇所で十分な大きさの電位又は磁界が確保できなくなって塗覆装の損傷箇所の検出精度が低下するおそれがある。
【0009】
また、地盤の掘削により配管を露出させる方法を採用すれば、検出の度に地面の掘削と埋め戻しの作業が必要になり作業効率が悪く、費用も嵩むことになる。さらに、マンホールを通して配管に給電する方法はマンホールが必ずしも給電に必要な場所に配置されているとは限らないので採用され難い。
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、地中に埋設される配管のうち地上への立ち上がり部分以外の箇所での給電が容易な絶縁被覆埋設配管、及び、地中に埋設される配管のうち地中からの立ち上がり部分以外で作業の手間を軽減して配管に給電して被覆の損傷箇所を検出できる絶縁被覆埋設配管被覆検査方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の態様は、金属管と、前記金属管の外周面に少なくとも1つ接続されて該外周面から突出する給電体と、前記金属管の前記外周面と前記給電体の外周面を覆う絶縁性被覆とを有することを特徴とする絶縁被覆埋設配管である。
【0012】
本発明の第2の態様は、地中に埋め込まれる絶縁被覆埋設配管を構成する金属管に接続され且つ絶縁性被覆により外周が覆われた給電体の先端部を地面から露出させて配置し、前記地面から露出した前記給電体の前記先端部に信号を印加し、前記金属管から発生する磁界、前記地面の電位のいずれかを前記地面を介して検出して前記絶縁性被覆の損傷箇所の有無を検出することを特徴とする絶縁被覆埋設配管被覆検査方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、絶縁性被覆された埋設配管を構成する金属管の外周に給電体を突出させて接続し、その給電体の外周に絶縁性被覆を施している。
【0014】
従って、給電体の先端を地面から露出させた状態で埋設配管を地中に埋設すると、絶縁性被覆の損傷の有無を磁界法又は電位法により検出する場合に、地上への立ち上がり部分以外の領域の地面を掘削することなく、給電体を通して容易に埋設配管に検出用信号を印加することが可能になる。また、給電体の外周も絶縁性被覆が施されているので、信号が給電体から地中に漏洩することが防止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る絶縁被覆埋設配管の埋設状態を示す側面図、図2は、本発明の実施形態に係る絶縁被覆埋設配管を示す部分断面図である。
【0016】
図1において、貯水槽1内から引き出された配管10は、地上で送水ポンプ2に接続され、所定の場所から地盤3に埋設され、さらに地中を通して給水場所4の手前まで埋設され、給水場所4の近傍で地上に立ち上げられている。配管10として、少なくとも地中では絶縁性被覆に覆われた埋設配管11が用いられる。埋設配管11は、地表から例えば約1.5m〜約3mの深さに埋められる。
【0017】
埋設配管11は、図2に示すように、例えば炭素鋼、ステンレス鋼などの合金鋼からなる鋼管、その他の金属管12から構成されている。金属管12の内面や外面は、例えばステンレス、チタン、アルミニウム、ニッケル、銅などの金属、或いは、ニッケルクロムモリブデン合金、その他の合金が施された構造であってもよい。また、金属管12として炭素鋼からなる鋼管を使用する場合は、その内面や外面に、亜鉛アルミニウム合金、亜鉛ニッケルクロム合金などのメッキを施した構造もある。その金属管12の径は、例えば700mm〜1350mm程度である。但し、これに限定されるものではない。
【0018】
金属管12の外周面のうち少なくとも地中に埋め込まれる領域には、管路に沿って所定の間隔、例えば200mの間隔をおいて複数の給電棒13が溶接などにより接続され、その給電棒13の上端は地上に引き出されて露出されている。給電棒13は、埋設配管11を地中に埋めた状態で接続されることもあるし、埋める前に接続される場合もある。また、給電棒13は、鉄、又は金属管12と同じ構成金属材、その他の導電材から構成される。
【0019】
その埋設配管11において、金属管12の外面は、アスファルト等の瀝青質或いはポリエチレン等の熱可塑性樹脂からなる絶性被覆である塗覆装14により覆われている。塗覆装14の具体例として、金属管12及び給電棒13の外面にタールエポキシ層を二回以上塗布した構造や、アスファルトビニロンクロスを二層以上形成した構造のものなどがある。
【0020】
これと同様に、給電棒13及び溶接部13aの外周面も地上の露出部の一部を除いて塗覆装14により覆われており、給電棒13上端から供給される電流が地盤3に漏洩しないようになっている。また、給電棒13のうち塗覆装14から露出する上端部には、防錆のために耐蝕性材料、例えば樹脂からなる着脱可能なキャップ15が被せられている。
【0021】
次に、磁界法により塗覆装14の損傷の有無とその場所を検出することについて図3〜図5を参照して説明する。
【0022】
図3、図4は、磁界法による塗覆装の損傷を検出するための構成を示している。
図3は、地中に埋め込まれた埋設配管と塗覆装検査装置の接続関係を示す構成図であり、図4は、塗覆装検査装置のセンサ部と埋設配管を上から見た位置関係を示す平面図である。
【0023】
図3、図4において、塗覆装検査装置は、基準信号を送信する信号源20と、信号源20の送信信号を増幅する基準信号アンプ21と、基準信号アンプ21の信号出力端を給電棒13の露出部に接続する第1の導線22と、基準信号アンプ21の接地端を地盤3に接続するための第2の導線23とを有している。
【0024】
また、塗覆装検査装置は、例えば4つの磁気センサ25a,25b,25c,25dと差動アンプ26を搭載した搬送車24を有している。
【0025】
それぞれの磁気センサ25a,25b,25c,25dは、例えば導線性コイルから構成されて、搬送車24の前後左右の車輪24a,24b,24c,24dの近くに配置されている。これらの磁気センサ25a,25b,25c,25dは、例えばコイル軸が埋設配管11の長手方向とほぼ同じ方向となるように配置され、これにより、埋設配管11の長手方向と交差する方向の電流成分により発生する磁界Hによって誘導起電力が生じるように構成されている。
【0026】
また、差動アンプ26は、搬送車24の進行方向に対して左側で磁界Hを検出する前と後の2つの磁気センサ25a,25bに生じる誘導起電力の差分を増幅し、検出信号アンプ27を介して検波器28に出力する一方、右側で磁界Hを検出する前と後の2つの磁気センサ25c,25dにより生じる誘導起電力の差分を増幅し、検出信号アンプ27を介して検波器28に出力するように構成されている。
【0027】
検波器28は、差動アンプ26から出力された検出信号S1を検出信号アンプ27を介して入力するとともに、信号源20から基準信号Sを入力することにより、同期検波を行うように構成され、これにより、基準信号Sに対する検出信号S1の位相変動をも抽出できるように構成されている。外乱ノイズは位相がランダムであるのに対して差動アンプ26からの位相は連続的に変化するため、外乱磁界があっても差動アンプ26からの検出信号S1を明瞭に判別することが可能である。
【0028】
検波器28の出力端に接続されるコンピュータ29は、検波器28からの出力信号S1を演算処理し、これにより磁気センサ25a,25b,25c,25dの出力信号に基づく値を縦軸とし、検出開始からの距離又は時間を横軸として画像表示を行う。
【0029】
次に、磁界法により埋設配管11の塗覆装14の損傷箇所15を検出する手順について説明する。
【0030】
まず、工場、道路などの埋設配管の配置図面を用いて埋設配管の位置を確認する。
続いて、図3に示すように、第2の導線23を地盤3に突き刺して基準信号アンプ21の接地端を接地電位GNDに設定する。また、信号源20に接続された基準信号アンプ21の信号出力端を、第1の導線22を介して埋設配管11の給電棒13の露出部に接続する。そして、基準信号アンプ21を介して信号源20から給電棒13に交流の基準信号Sを印加すると、埋設配管11の金属管12と地盤3の間には基準信号Sと接地電位GNDに基づいた電位差が発生し、金属管12には電流が流れる。
【0031】
ついで、埋設配管11の管路に沿って地盤3上で搬送車24を前方に移動させる。この場合、埋設配管11が搬送車24のほぼ中心に位置するように搬送車24を移動させる。
【0032】
そして、磁気センサ25a,25b,25c,25dに入力する磁界の変化に基づく誘導起電力により生じた電流又は電圧の変化を検出信号アンプ27を介して検波器28に入力させる。これにより、誘導起電力のデータは、検波器28によってノイズが除去されてコンピュータ29により解析され、さらに、図5に示すような波形として表示される。それらの磁気センサ25a,25b,25c,25dによる誘導起電力は次のように変化する。
【0033】
まず、埋設配管11の塗覆装14に損傷が無い場所の上を搬送車24が通る場合には、搬送車24の左側の前後2つの磁気センサ25a,25bの各々に入力する磁界には差が殆ど無く、図5の第1領域Aに示すような波形となる。右側の前後2つの磁気センサ25c、25dについても同様である。
【0034】
そして、搬送車24が塗覆装14の損傷箇所15に近づくと、前側左右の磁気センサ25a,25cを通る磁界Hが大きくなる。これは、塗覆装14が剥離した場所では、埋設配管11の金属管12内を流れる電流Iが漏れ出して周囲の地盤3に広がり、埋設配管11の長手方向に対して直角の電流成分が大きくなり、その電流成分により生じる磁界Hが大きくなるからである。
【0035】
搬送車24が塗覆装14の剥離場所を通過する際には、前側の磁気センサ25a,25cに生じる誘導起電力が徐々に大きくなり、最大値から徐々に小さくなる。後側の磁気センサ25b,25dについても同様な誘導起電力が生じるが、前側の磁気センサ25a,25cと後側の磁気センサ25b,25dとでは塗覆装12の損傷箇所15の通過時間に差がある。
【0036】
従って、差動アンプ26による左側の前と後の磁気センサ25a,25bの出力差は図5の第2の領域Bでは、破線で示すように略正弦波の出力が得られる。即ち、差動アンプ26は、左側の前と後の磁気センサ25a,25bの誘導起電力の差を出力するので、塗覆装14の損傷箇所15が前側の磁気センサ25aと後側の磁気センサ25bのほぼ中間の位置に到達すると、前側の磁気センサ25aと後側の磁気センサ25bの出力差は極めて小さくなって零となり、さらに、搬送車24がそれよりも前又は後の位置にあれば前側の磁気センサ25aと後側の磁気センサ25bのいずれか一方の出力が大きくなる。
【0037】
同様に、差動アンプ26による右側の前と後の磁気センサ25c,25dの出力差は図5の第2の領域Bでは実線に示すように略正弦波の出力が得られる。
【0038】
図5において、破線で示す左側の前と後の磁気センサ25a、25bの出力差と、実線で示す右側の前と後の磁気センサ25c、25dによる出力差とが互いに逆の波形になるのは、塗覆装14の損傷箇所15で漏れる電流が埋設配管11の左右では逆方向となるからである。
【0039】
さらに、搬送車24が塗覆装14の損傷箇所15から遠ざかると、磁気センサ25a、25b、25c、25dに入力する漏れ電流による磁界が低減し、図5の第3の領域Cに示すように差動アンプ26からの出力が小さくなる。
【0040】
図5に示す波形において、左側の前後の磁気センサ25a,256bの差分出力がプラスからマイナスへと反転する位置、又は、右側の前後の磁気センサ25c,25dの差分出力がマイナスからプラスへと反転する位置が塗覆装14が損傷した位置に該当する。
【0041】
一方、左側の磁気センサ25a,25bと右側の磁気センサ25c、25dの出力に基づく波形は、図5のように破線と実線が塗覆装14の剥離位置で交差するので、出力値の変化が小さい場合でも剥離箇所を見つけやすい。また、塗覆装14の損傷による欠陥の程度は図5に示す波形の出力値のレベルによって判断できる。なお、塗覆装14に損傷箇所が無い場合には、出力の変化が原則的に零になる。
【0042】
以上のような所定領域の範囲で塗覆装12の損傷の有無、損傷の程度を検出した後に、さらに別の給電棒13に第1の導線22を接続して別の領域で測定を行うことができるので、地盤3の掘削をすることなく所望の領域近くの給電棒13を通して金属管12に電流を流して高い精度で塗覆装14の損傷箇所15を見つけ出すことができる。
【0043】
ところで、図2に示した埋設配管11の給電棒13は、その上端をキャップにより覆う構造となっているが、図6に示すように、耐蝕性材料からなる小さな凹型の箱31を地盤3に埋め込んで、その箱31の底に設けた筒孔32に給電棒13の一部を貫通させてその上端を箱31の中で露出させ、さらに箱31の上を蓋体33により密閉する構造を採用してもよい。これによれば、蓋体33の上面が地盤3の表面と平坦になるようにすることで、地面に凹凸を生じさせず、しかも、給電棒31の腐食を防止することができる。
【0044】
また、上記した実施形態では、埋設配管11の金属管12に給電棒13を接続しているが、金属管12に接続する給電体は給電棒13に限られるものではなく、図7に示すように給電管34としてもよい。この給電管34は、例えば小径の鋼管を金属管12に溶接等により接続し、その周囲と溶接部34aを塗覆装14で覆った構造となっている。
【0045】
次に、電位法による塗覆装の剥離箇所の検出について簡単に説明する。
図8は、電位法による塗覆装検査装置を示している。
その塗覆装検査装置は、測定信号を発信する測定信号発信器41と、測定信号発信器41の信号出力端を給電棒13の露出部に接続する第1の導線42と、測定信号発信器41の接地端を地盤3に接続する第2の導線43とを有している。
【0046】
また、塗覆装検査装置は、導電性スポンジゴム等の導電材よりなる2つの車輪44,45が間隔をおいて底面の前後に取り付けられた搬送車46を有し、それらの車輪44,45は搬送車46上に搭載されたロックインアンプ47の入力端に電気的に接続されている。ロックインアンプ47は、2つの車輪44,45の電位差を検出信号として入力してその検出信号の変化を演算、集計し、搬送車46上の表示装置48に時間的又は距離的な変化で表示させる構造を有している。さらに、搬送車46上には、測定信号発信器41の出力信号と同期した周波数の信号をロックインアンプ47に送信する参照信号発信器49が取り付けられている。
【0047】
そのような構成の塗覆装検査装置において、第2の導線43を地盤3に接続して測定信号発信器41の接地端を接地電位GNDに設定するとともに、第1の導線42を介して測定信号発信器41から給電棒13に測定信号を印加する。これにより、埋設配管11の金属管12には測定信号に基づく電流が流れる。
【0048】
そして、埋設配管11の管路に沿って搬送車46を移動させ、搬送車46が埋設配管11の塗覆装14の損傷箇所15に近づくと、その損傷箇所15からの漏洩電流により前の車輪44の電位が変化し、ついで、後の車輪45の電位も同様に変化する。即ち、2つの車輪44,45は離れているために、漏洩電流による電位の変化が相違するので、それらの電位の差はロックインアンプ47において検出信号として処理される。ロックインアンプ47は検出信号を増幅するとともに、時間的、距離的な変化を演算する。この場合、ロックインアンプ47に接続された参照信号発信器49と給電棒13に接続された測定信号発信器41の各々から出力される信号の位相差は実質的に零であり、ロックインアンプ47では参照信号発信器49からの出力信号に同期した信号を検出信号として処理する。これによりノイズは除かれ、検出精度が高くなる。
【0049】
塗覆装14の損傷箇所15での検出信号の変化は、例えば図5に示した破線又は実線のように正弦波となったり、或いは谷がある波形となって表示装置48に表示される。正弦波の場合には位相反転の部分が塗覆装14の損傷位置を示し、また、谷がある波形の場合には谷の底の部分が塗覆装14の損傷位置を示すことになる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係る絶縁被覆埋設配管の地盤への埋め込み状態を示す側面図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態に係る絶縁被覆埋設配管の断面図である。
【図3】図3は、本発明の実施形態に係る絶縁被覆埋設配管の被覆状態を磁界法により検出する検査装置と検査方法を示す構成図である。
【図4】図4は、本発明の実施形態に係る絶縁被覆埋設配管の被覆状態を磁界法により検出する方法を示す平面図である。
【図5】図5は、本発明の実施形態に係る絶縁被覆埋設配管の被覆状態を磁界法により検出したデータに基づく波形図である。
【図6】図6は、本発明の実施形態に係る絶縁被覆埋設配管の別の構造を示す断面図である。
【図7】図7は、本発明の実施形態に係る絶縁被覆埋設配管のさらに別の構造を示す断面図である。
【図8】図8は、本発明の実施形態に係る絶縁被覆埋設配管の被覆状態を電位法により検出する検査装置と検査方法を示す構成図である。
【図9】図9は、従来技術に係る絶縁被覆埋設配管の地盤への埋め込み状態を示す側面図である。
【符号の説明】
【0051】
1:貯水槽
2:送水ポンプ
3:地盤
4:給水場所
11:埋設配管
12:金属管
13:給電棒
14:塗覆装
15:キャップ
20:信号源
21:基準信号用アンプ
22、23:導線
24:搬送車
25a,25b,25c,25d:磁気センサ
26:差動アンプ
27:検出信号アンプ
28:検波器
29:コンピュータ
31:箱
34:給電管
41:測定信号発信器
44,45:車輪
46:搬送車
47:ロックインアンプ
48:表示装置
49:参照信号発信器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属管と、
前記金属管の外周面に少なくとも1つ接続されて該外周面から突出する給電体と、
前記金属管の前記外周面と前記給電体の外周面を覆う絶縁性被覆と
を有することを特徴とする絶縁被覆埋設配管。
【請求項2】
前記給電体は、導電性の棒、導電性の管のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の絶縁被覆埋設配管。
【請求項3】
前記給電体の先端は、着脱可能な被覆体に覆われることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の絶縁被覆埋設配管。
【請求項4】
地中に埋め込まれる絶縁被覆埋設配管を構成する金属管に接続され且つ絶縁性被覆により外周が覆われた給電体の先端部を地面から露出させて配置し、
前記地面から露出した前記給電体の前記先端部に信号を印加し、
前記金属管から発生する磁界、前記地面の電位のいずれかを前記地面を介して検出して前記絶縁性被覆の損傷箇所の有無を検出する
ことを特徴とする絶縁被覆埋設配管被覆検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−97755(P2006−97755A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−283272(P2004−283272)
【出願日】平成16年9月29日(2004.9.29)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【復代理人】
【識別番号】100092989
【弁理士】
【氏名又は名称】片伯部 敏
【Fターム(参考)】