緊急用品搬送方法及びシステム
【課題】本発明は、急病人からなるべく近い場所で確実にAED装置を持ち運べることができるようにしたことを目的としている。
【解決手段】通報者端末の位置情報、メールアドレスを取得する手段と、通報者から最も近い場所にあるAED装置であり、且つAED管理者テーブルを参照して現在利用可能なAED装置を検索する手段と、選択されたAED装置の管理者端末にAED準備依頼メールを送信する手段と、通報者端末にAED設置場所を記したリンクアドレス通知メールを送信する手段と、前記通報者端末からAED地図閲覧依頼を受信すると、前記通報者端末の位置情報と通報者の位置からAED装置までの行き方をAED設置場所地図データに重ね合わせるAED設置場所案内地図データ作成手段と、前記AED設置場所地図データとともに緊急時AED装置受け渡し場所地図データを前記通報者端末に送信する手段と、を有して構成される。
【解決手段】通報者端末の位置情報、メールアドレスを取得する手段と、通報者から最も近い場所にあるAED装置であり、且つAED管理者テーブルを参照して現在利用可能なAED装置を検索する手段と、選択されたAED装置の管理者端末にAED準備依頼メールを送信する手段と、通報者端末にAED設置場所を記したリンクアドレス通知メールを送信する手段と、前記通報者端末からAED地図閲覧依頼を受信すると、前記通報者端末の位置情報と通報者の位置からAED装置までの行き方をAED設置場所地図データに重ね合わせるAED設置場所案内地図データ作成手段と、前記AED設置場所地図データとともに緊急時AED装置受け渡し場所地図データを前記通報者端末に送信する手段と、を有して構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は緊急用品搬送方法及びシステムに関し、更に詳しくは急病人が発生したときに、速やかにAED装置(自動体外式除細動器)を速やかに急病人の場所まで持って来られるようにした緊急用品搬送方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば路上で急病人が発生した場合、一緒にいた人若しくは近くにいる人が携帯電話等で救急センターに連絡し、救急車を呼ぶのが一般的である。救急車を依頼してから、現場まで到着し救急隊が応急処置を行なうまでの時間については速くても10分前後はかかると考えられる。
【0003】
そこで救急車が来るまでの間に街中に設置されているAED装置(自動体外式細動器)を利用することが行われている。しかしながら、ここで問題となるのはAED装置がどこに設置されているか、現場付近を熟知している者でないと分からないことである。そのため、AED装置が必要だとということが分かったとしても、AED装置を探しあてるまでに時間を要し、大切な時間を無駄にしてしまう可能性が考えられる。
【0004】
従来のシステムでは、AED装置の所在地が登録されたデータベースが備えられ、通報者から連絡があった場合に通報者端末の位置情報を取得し、通報者端末から最も近いAED装置の所在情報を通報者端末に送信し、AED装置が備える報知手段により周囲への通知を行なうようにしたシステムが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−224967号公報(段落0016〜0026、図1、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
街中に設置されているAED装置は24時間365日誰もがいつでも勝手に使用できるとは限らない。例えば、鉄道の改札内に設置されているAED装置を使いたいと考えても、鉄道時間外の深夜の場合はすぐに使用できないと考えられる。デパートのビル内、会社のビル内に設置されているAED装置についても営業時間外等で入口が閉まっている場合はすぐに利用できないと考えられる。
【0007】
通報者から最も近い位置に設置されているAED装置であっても必ずしもすぐに使用できない可能性がある。そのため、通報者端末からの距離が近いか否かのみでAED装置を抽出するだけでは問題がある。
【0008】
前記特許文献1では、AED装置を取りに行ったら扉の鍵が閉まっていて中に入ることができないビル内に設置されているAED装置だったという場合もあり得る。若しくは最初から使用時間に制限のあるAED装置は検索対象から外しておく必要がある。しかしながら、こうすると時間帯によっては(例えば9時から20時まで)使用できるAED装置が検索対象から外れてしまうため、問題がある。
【0009】
また、抽出されたAED装置を鳴動させる等して周囲の者にAED装置を急病人のところまで届けてもらう方法が記載されているが、必ずしも周囲にAED装置を運んでくれる人がいるとは限らない。ビル内に設置されているAED装置については、ビルの管理人(警備人)はすぐに気がつく可能性があるが、ビルを管理する(警備する)という職務があるため、勝手にビル外の急病人のところまでAED装置を届けてくれることができるとは限らない。
【0010】
また、ビルの建ち並ぶ街中で急病人が発生した場合などにおいては、距離的に近くてもAED装置を見つけづらい場合も考えられる。例えばビルの2階に設置されていたり、1階フロアに設置されていても目立たない場所に設置されている場合には、AED装置の所在位置だけを教えられてもすぐには見つけられない可能性があり、AED装置を光らせたり鳴動させたりしても気づきにくい場合もある。
【0011】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、急病人からなるべく近い場所で確実にAED装置を持ち運べることができるようにした緊急用品搬送方法及びシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、使用可能なAED装置の中で最も通報者に近い場所にあるAED装置を抽出して、そのAED装置の管理人に連絡して、AED装置が例えばビル内にある場合であっても部外者でも立ち入ることができる分かりやすい場所まで管理人に運んで貰うようにし、AED装置を取りに来た者がすぐに持ち運びできるようにしたものである。
【0013】
上記の課題を解決するために、本発明は以下に示すような構成をとっている。
【0014】
(1)請求項1記載の発明は、急病人が出た時に、その急病人が出た場所に居合わせた人が持っている通報者携帯端末と、前記通報者携帯端末からの緊急通知を受け取ると、データベースに記憶されている情報を読み出してAED装置が存在する場所と急病人間の距離を算出すると共に、そのAED装置が使用可能であるかどうかを判定するAED管理システムの全体の動作を制御する救急センターサーバと、AED装置を管理している管理人が保持するAED管理人端末と、AED装置とが有線又は無線の通信線を介して相互に接続されたシステムにおいて、前記救急センターサーバが通報者端末の位置情報、メールアドレスを取得するステップと、前記救急センターサーバが、AED装置が必要と判断された場合に通報者から最も近い場所にあるAED装置であり、且つAED管理者テーブルを参照して現在利用可能なAED装置を検索するステップと、前記救急センターサーバが選択されたAED装置の管理者端末にAED装置準備依頼メールを送信するステップと、通報者端末にAED設置場所を記したリンクアドレス通知メールを送信するステップと、前記救急センターサーバが前記通報者端末からAED地図閲覧依頼を受信すると、前記通報者端末の位置情報と通報者の位置からAED装置までの行き方をAED設置場所地図データに重ね合わせるAED設置場所案内地図データ作成ステップと、前記救急センターサーバが前記AED設置場所地図データとともに緊急時AED受け渡し場所地図データを前記通報者端末に送信するステップと、を有することを特徴とする。
【0015】
(2)請求項2記載の発明は、急病人が出た時に、その急病人が出た場所に居合わせた人が持っている通報者携帯端末と、前記通報者携帯端末からの緊急通知を受け取ると、データベースに記憶されている情報を読み出してAED装置が存在する場所と急病人間の距離を算出すると共に、そのAED装置が使用可能であるかどうかを判定するAED管理システムの全体の動作を制御する救急センターサーバと、AED装置を管理している管理人が保持するAED管理人端末と、AED装置とが有線又は無線の通信線を介して相互に接続されたシステムにおいて、通報者端末の位置情報、メールアドレスを取得する手段と、AED装置が必要と判断された場合に通報者から最も近い場所にあるAED装置であり、且つAED管理者テーブルを参照して現在利用可能なAED装置を検索する手段と、選択されたAED装置の管理者端末にAED準備依頼メールを送信する手段と、通報者端末にAED装置設置場所を記したリンクアドレス通知メールを送信する手段と、前記通報者端末からAED装置地図閲覧依頼を受信すると、前記通報者端末の位置情報と通報者の位置からAED装置までの行き方をAED設置場所地図データに重ね合わせるAED設置場所案内地図データ作成手段と、前記AED設置場所地図データとともに緊急時AED装置受け渡し場所地図データを前記通報者端末に送信する手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、以下のような効果を奏する。
【0017】
(1)請求項1記載の発明によれば、急病人に近い場所から使用可能なAED装置を検索していくようにしているので、急病人からなるべく近い場所で確実にAED装置を持ち運べることができるようにした緊急用品搬送方法を提供することができる。
【0018】
(2)請求項2記載の発明によれば、急病人に近い場所から使用可能なAED装置を検索していくようにしているので、急病人からなるべく近い場所で確実にAED装置を持ち運べることができるようにした緊急用品搬送システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施例を示す構成図である。
【図2】救急受付テーブルの構成例を示す図である。
【図3】AED案内ページテーブルの構成例を示す図である。
【図4】AED管理者テーブルの構成例を示す図である。
【図5】AED設置場所テーブルの構成例を示す図である。
【図6】AED設置場所基本地図データを示す図である。
【図7】AED設置場所案内地図データを示す図である。
【図8】緊急時AED受渡し場所地図データを示す図である。
【図9】AED準備依頼メール画面を示す図である。
【図10】AED設置場所情報通知メール画面を示す図である。
【図11】本発明システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。図1は本発明の一実施例を示す構成図である。 図において、10は急病人が出た時に、その急病人が出た場所に居合わせた人が持っている通報者携帯端末、13は前記通報者携帯端末10からの緊急通知を受け取ると、データベース12に記憶されている情報を読み出してAED装置が存在する場所と急病人間の距離を算出すると共に、そのAED装置が使用可能であるかどうかを判定するAED管理システムの全体の動作を制御する救急センターサーバ13、14はAED装置15aを管理している管理人が保持するAED管理人端末である。図ではAED装置15aとが有線又は無線の通信線16を介して相互に接続されたシステムを構成している。15はAED装置15aを収納しているAED装置収納箱である。16は各装置間を接続するネットワークである。該ネットワークとしては、有線の或いは無線のネットワークを使用することができる。
【0021】
通報者携帯端末10は、通報手段と、通話手段と、発信者情報通知手段と、AED装置受け渡し場所案内受信手段と、表示手段から構成されている。救急センターサーバ13は、通報受付手段と、AED抽出手段と、AED管理者連絡手段と、AED装置受け渡し場所案内手段とから構成されている。
【0022】
救急センターサーバ13は、通報受付手段と、AED装置抽出手段と、AED装置管理者連絡手段と、AED装置受け渡し場所案内手段とから構成されている。データベース12は、救急受付テーブルと、AED設置場所テーブルと、AED管理者テーブルと、AED案内ページテーブルとから構成されている。AED管理人端末14は、AED準備依頼受信手段から構成されており、AED装置収納箱15はAED装置15aを収納し、該AED装置15aは、お知らせ命令受信手段と、鳴動手段と、点灯手段とから構成されている。
【0023】
次に、データベース12の各テーブルについて説明する。図2は緊急受付テーブルの構成例を示す図である。通報受付NO毎に受付日付、受付時刻、通報者情報とから構成されている。通報者情報は、通報者の携帯端末番号と、通報者位置情報と、通報者メールアドレスから構成されている。その他に、患者の病状と、AED装置15aの要否と、選択されたAED識別番号から構成されている。
【0024】
図3はAED装置の案内ページテーブルの構成例を示す図であり、通報受付NO毎にAED設置場所案内地図データが記憶されている。図4はAED管理者テーブルの構成例を示す図である。図に示すように、AED識別番号と、使用可能時間と、使用可能曜日と、管理人メールアドレスから構成されている。AED識別番号毎に管理人のメールアドレスが異なっている。管理人が変わることを想定しているものである。
【0025】
図5はAED設置場所テーブルの構成例を示す図である。図に示すように、AED識別番号毎に、AED装置アドレスと、設置場所と、緊急時AED装置受け渡し場所と、AED設置場時基本地図データと緊急AED装置受け渡し地図データが記憶されている。
【0026】
図6はAED設置場所基本地図データを示す図であり、データベース12のAED設置場所テーブルにAED装置毎に予め記憶されているものである。図の場合は十字路に鈴木デパートビルと伊藤デパートが表示されており、この中の鈴木デパートにAED装置15aが設置されていることを示している。図7はAED設置場所案内地図データを示す図であり、データベース12のAED設置場所テーブルに記憶されているものである。
【0027】
この図は、図6に示すAED設置場所基本地図データに通報者の現在位置と、現在位置からAED装置までのルート矢印を加えたものである。通報者が現在位置からAED設置場所まで容易に辿りつけるようにしたものである。AED設置場所案内地図データは、通報者端末10から閲覧依頼があるとAED設置場所基本地図データを元に、携帯端末事業者システム11が作成するものである。
【0028】
図8は緊急時AED装置受け渡し場所地図データを示す図である。図7に示すAED設置場所地図データのみでは、AED装置15aがビル内にある場合などAED装置15aをすぐに見つけることができないことがあるので、ビル内や店の敷地内の具体的にどこにあるのかを示す地図データである。また、この場所に記載されているAED装置の場所は元々設置されている場所ではなく、緊急時に設置場所から管理人によって移動された先の受け渡し場所が記載されている。緊急時受け渡し場所地図データについては、前記AED設置場所基本地図データと同様に予め装置毎に用意されデータベース12に登録しておく。
【0029】
救急センターサーバ13が通報者携帯端末10から緊急通報を受け付けると通報受け付けNOを採番し、通報者位置情報などの通報者情報がデータベース12の救急受付テーブルに救急センターサーバ13から登録される。図2にその登録される内容を示す。通報者情報が登録されていることが分かる。通報者情報は、図2に示すように、通報者携帯端末番号と、通報者位置情報と、通報者のメールアドレスから構成されている。
【0030】
救急センターの救急隊員が通報者との会話により、病状を救急センターサーバ13から病状をデータベースの救急受付テーブルに登録する。救急受付テーブルは、図2に示すように、患者の病状が登録されている。救急隊員がAED装置15aの使用が必要であると判断すると、図示しない救急センターサーバ13のAED装置検索ボタンを押す。救急受付テーブルのAED装置の要否の所には「必要」という情報が登録される。
【0031】
AED装置検索ボタンが押されると、救急センターサーバ13は、データベース12のAED設置場所テーブルを参照して通報者携帯端末10から最も近くにあるAED装置15aを検索する。AED設置場所テーブルは、図5に示すような構成をとっており、AED装置の識別番号毎に設置場所が登録されているので、救急センターサーバ13は、通報者携帯端末10から最も近い場所にあるAED装置15aを検索することができる。
【0032】
そして、選択されたAED装置15aが現在使用可能か否かをデータベース12内のAED管理者テーブルを参照して自動的に判断し、使用可能であると判断されると、前記AED装置の管理人のAED管理人端末14へAED装置の準備依頼メールを送信する。AED管理者テーブルは、図4に示すような構成をとっており、救急センターサーバ13は、選択したAED装置15aの使用可能時間と、使用可能曜日とから当該AED装置15aが使用可能であるか否かを判断することができる。
【0033】
準備依頼メールは図9に示すような内容である。即ち、「該当するAED装置15aをビルの入口まで持ってきてください。」というメールを送信することになる。準備依頼を行なう理由は、例えばビル内にあるAED装置15aであって、部外者がAED装置15aを取りにビル内に入ることができないような場合であっても、そのビルの管理人にAED装置15aをビルの入口まで持ってきてもらうことができれば、AED装置15aを取りに来たビルの部外者であってもすぐにAED装置15aを運ぶことができるからである。
【0034】
救急センターサーバ13は、選択されたAED装置15aのアドレスを指定してAED装置のお知らせ命令受信手段を実行させる。この結果、AED装置15aが鳴動するか又は発光するとかするので、AED装置15aをすぐに見つけることができ、管理人が持って行きやすくなる。
【0035】
救急センターサーバ13は、通報者携帯端末10に、AED設置場所案内地図データと緊急AED受け渡し場所地図データを閲覧するためのホームページアドレスをAED設置場所リンクアドレスと共にメール送信する。先ず通報者携帯端末10に図10に示すようなAED装置15aの設置場所の知らせが届く。その後、図6に示すAED設置場所基本地図データが表示され、次に図7に示すようにAED設置場所案内地図データが示される。図では、鈴木デパートにAED装置15aが設置されていることが分かる。次に図に示すように、通報者からAED装置が設置されている場所までのルートが示される。次に、図8に示すように鈴木デパートの南口正面玄関入り口に置かれた様子が示され、「このAED装置15aを急病人のところまで届けて下さい。」というメッセージも併せて表示される。
【0036】
この場合において、AED装置15aまでのホームページ閲覧依頼について、通報者がホームページのアドレスを指定して当該ページをダウンロードさせようとすると、通報者の現在位置からAED装置15aの設置場所までの歩行経路を図7に示すように地図に重ね合わせてAED装置15aの設置場所基本地図データからAED装置設置場所案内地図データを作成する。そして、AED設置場所案内地図データと緊急時AED装置受け渡し場所地図データとを一緒に通報者携帯端末10に送信するものである。
【0037】
図11は本発明システムの動作の一例を示すフローチャートである。動作の主体は救急センターサーバ13である。先ず、通報者携帯端末10からの緊急通報(119番)を受信すると、通報受付NOを採番し、通報者情報が救急センターサーバ13で受け付けられ、データベース12に登録される(S1)。次に通報者携帯端末10と救急センターサーバ13との間で患者の状態が通話され、救急センターサーバ13は患者の状態をデータベース12の緊急受付テーブルに登録する(S2)。
【0038】
次に、救急センターサーバ13はAED装置が必要と判断され、AED検索ボタンが押されたかどうかチェックする(S3)。AED装置が必要とされない場合は、処理は終了する。AED装置が必要と判断された場合は、救急センターサーバ13はデータベース12のAED設置場所テーブルを検索して、通報者の位置から最も近い場所に設置のAED装置を探す(S4)。
【0039】
次に、救急センターサーバ13は、データベース12のAED管理者テーブルを参照して選択されたAED装置が使用可能かどうかチェックする(S5)。使用可能でなかった場合には、通報者の位置から次に近いAED装置を選択し(S6)、ステップS5に戻って選択されたAED装置が使用可能かどうかチェックする。チェックの結果、選択されたAED装置が使用可能であった場合には、選択されたAED管理人端末14へAED準備依頼メールを送信する(S7)。AED準備依頼メールは、図9に示した通りである。
【0040】
AED管理人は、自己の管理するAED装置が必要とされていることを認識することができる。次に、救急センターサーバ13は、選択されたAED装置アドレスを指定して、AED装置のお知らせ手段を実行する(S8)。
【0041】
次に救急センターサーバ13は、通報者携帯端末10にAED設置場所地図情報と緊急時AED移動先地図データを閲覧するためのホームページのアドレスをメール送信する(S9)。この時のAED設置場所地図情報は、図6に示すようなものである。次に、救急センターサーバ13は、通報者からAED装置までのホームページ閲覧依頼があると、通報者の現在位置からAED装置場所までの歩行経路を地図に重ね合わせてAED設置場所基本地図データからAED設置場所案内地図データを作成する(S10)。
【0042】
AED設置場所基本地図データからAED設置場所案内地図データと緊急時AED装置移動先地図データと一緒に通報者携帯端末10に送信する(S11)。緊急時AED装置移動先地図データは、図7に示すようなものである。通報者携帯端末10に表示される内容は、図10に示すようなものである。通報者携帯端末10の表示を切り替えると、図8に示すような案内地図が表示され、通報者は鈴木デパートビルの南口正面入口にAED装置が置かれていることを認識することができ、そのAED装置を引き取って、急病人のところまで持って行くことができる。このように、本発明によれば、急病人に近い場所から使用可能なAED装置を検索していくようにしているので、急病人からなるべく近い場所で確実にAED装置を持ち運べることができるようにした緊急用品搬送方法を提供することができる。
【0043】
上述の実施例では、緊急用品としてAED装置を例に取ったが、本発明はこれに限るものではなく、緊急を有する用品であれば、どのような種類のものであってもよい。
【0044】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば以下の効果が得られる。
【0045】
AED装置の設置場所が分かりにくい場所、部外者が入ることができない場所であっても、緊急時には分かりやすい場所、部外者が入ることのできない場所に移動された後の受け渡し場所地図データを通報者に送信するので、AED装置を取りにきた通報者若しくはその代理人はすぐにAED装置を見つけることができ、急病人の対応について時間短縮を図ることができる。通報者から最も近いAED装置を見つけ出すに際し、利用できるAEDか否かを考慮して検索できるので、効率よくAED装置の検索ができ、急病人の対応について時間短縮を図ることができる。
【符号の説明】
【0046】
10 通報者携帯端末
12 データベース
13 救急センターサーバ
14 AED管理人端末
15 AED装置収納箱
15a AED装置
【技術分野】
【0001】
本発明は緊急用品搬送方法及びシステムに関し、更に詳しくは急病人が発生したときに、速やかにAED装置(自動体外式除細動器)を速やかに急病人の場所まで持って来られるようにした緊急用品搬送方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば路上で急病人が発生した場合、一緒にいた人若しくは近くにいる人が携帯電話等で救急センターに連絡し、救急車を呼ぶのが一般的である。救急車を依頼してから、現場まで到着し救急隊が応急処置を行なうまでの時間については速くても10分前後はかかると考えられる。
【0003】
そこで救急車が来るまでの間に街中に設置されているAED装置(自動体外式細動器)を利用することが行われている。しかしながら、ここで問題となるのはAED装置がどこに設置されているか、現場付近を熟知している者でないと分からないことである。そのため、AED装置が必要だとということが分かったとしても、AED装置を探しあてるまでに時間を要し、大切な時間を無駄にしてしまう可能性が考えられる。
【0004】
従来のシステムでは、AED装置の所在地が登録されたデータベースが備えられ、通報者から連絡があった場合に通報者端末の位置情報を取得し、通報者端末から最も近いAED装置の所在情報を通報者端末に送信し、AED装置が備える報知手段により周囲への通知を行なうようにしたシステムが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−224967号公報(段落0016〜0026、図1、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
街中に設置されているAED装置は24時間365日誰もがいつでも勝手に使用できるとは限らない。例えば、鉄道の改札内に設置されているAED装置を使いたいと考えても、鉄道時間外の深夜の場合はすぐに使用できないと考えられる。デパートのビル内、会社のビル内に設置されているAED装置についても営業時間外等で入口が閉まっている場合はすぐに利用できないと考えられる。
【0007】
通報者から最も近い位置に設置されているAED装置であっても必ずしもすぐに使用できない可能性がある。そのため、通報者端末からの距離が近いか否かのみでAED装置を抽出するだけでは問題がある。
【0008】
前記特許文献1では、AED装置を取りに行ったら扉の鍵が閉まっていて中に入ることができないビル内に設置されているAED装置だったという場合もあり得る。若しくは最初から使用時間に制限のあるAED装置は検索対象から外しておく必要がある。しかしながら、こうすると時間帯によっては(例えば9時から20時まで)使用できるAED装置が検索対象から外れてしまうため、問題がある。
【0009】
また、抽出されたAED装置を鳴動させる等して周囲の者にAED装置を急病人のところまで届けてもらう方法が記載されているが、必ずしも周囲にAED装置を運んでくれる人がいるとは限らない。ビル内に設置されているAED装置については、ビルの管理人(警備人)はすぐに気がつく可能性があるが、ビルを管理する(警備する)という職務があるため、勝手にビル外の急病人のところまでAED装置を届けてくれることができるとは限らない。
【0010】
また、ビルの建ち並ぶ街中で急病人が発生した場合などにおいては、距離的に近くてもAED装置を見つけづらい場合も考えられる。例えばビルの2階に設置されていたり、1階フロアに設置されていても目立たない場所に設置されている場合には、AED装置の所在位置だけを教えられてもすぐには見つけられない可能性があり、AED装置を光らせたり鳴動させたりしても気づきにくい場合もある。
【0011】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、急病人からなるべく近い場所で確実にAED装置を持ち運べることができるようにした緊急用品搬送方法及びシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、使用可能なAED装置の中で最も通報者に近い場所にあるAED装置を抽出して、そのAED装置の管理人に連絡して、AED装置が例えばビル内にある場合であっても部外者でも立ち入ることができる分かりやすい場所まで管理人に運んで貰うようにし、AED装置を取りに来た者がすぐに持ち運びできるようにしたものである。
【0013】
上記の課題を解決するために、本発明は以下に示すような構成をとっている。
【0014】
(1)請求項1記載の発明は、急病人が出た時に、その急病人が出た場所に居合わせた人が持っている通報者携帯端末と、前記通報者携帯端末からの緊急通知を受け取ると、データベースに記憶されている情報を読み出してAED装置が存在する場所と急病人間の距離を算出すると共に、そのAED装置が使用可能であるかどうかを判定するAED管理システムの全体の動作を制御する救急センターサーバと、AED装置を管理している管理人が保持するAED管理人端末と、AED装置とが有線又は無線の通信線を介して相互に接続されたシステムにおいて、前記救急センターサーバが通報者端末の位置情報、メールアドレスを取得するステップと、前記救急センターサーバが、AED装置が必要と判断された場合に通報者から最も近い場所にあるAED装置であり、且つAED管理者テーブルを参照して現在利用可能なAED装置を検索するステップと、前記救急センターサーバが選択されたAED装置の管理者端末にAED装置準備依頼メールを送信するステップと、通報者端末にAED設置場所を記したリンクアドレス通知メールを送信するステップと、前記救急センターサーバが前記通報者端末からAED地図閲覧依頼を受信すると、前記通報者端末の位置情報と通報者の位置からAED装置までの行き方をAED設置場所地図データに重ね合わせるAED設置場所案内地図データ作成ステップと、前記救急センターサーバが前記AED設置場所地図データとともに緊急時AED受け渡し場所地図データを前記通報者端末に送信するステップと、を有することを特徴とする。
【0015】
(2)請求項2記載の発明は、急病人が出た時に、その急病人が出た場所に居合わせた人が持っている通報者携帯端末と、前記通報者携帯端末からの緊急通知を受け取ると、データベースに記憶されている情報を読み出してAED装置が存在する場所と急病人間の距離を算出すると共に、そのAED装置が使用可能であるかどうかを判定するAED管理システムの全体の動作を制御する救急センターサーバと、AED装置を管理している管理人が保持するAED管理人端末と、AED装置とが有線又は無線の通信線を介して相互に接続されたシステムにおいて、通報者端末の位置情報、メールアドレスを取得する手段と、AED装置が必要と判断された場合に通報者から最も近い場所にあるAED装置であり、且つAED管理者テーブルを参照して現在利用可能なAED装置を検索する手段と、選択されたAED装置の管理者端末にAED準備依頼メールを送信する手段と、通報者端末にAED装置設置場所を記したリンクアドレス通知メールを送信する手段と、前記通報者端末からAED装置地図閲覧依頼を受信すると、前記通報者端末の位置情報と通報者の位置からAED装置までの行き方をAED設置場所地図データに重ね合わせるAED設置場所案内地図データ作成手段と、前記AED設置場所地図データとともに緊急時AED装置受け渡し場所地図データを前記通報者端末に送信する手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、以下のような効果を奏する。
【0017】
(1)請求項1記載の発明によれば、急病人に近い場所から使用可能なAED装置を検索していくようにしているので、急病人からなるべく近い場所で確実にAED装置を持ち運べることができるようにした緊急用品搬送方法を提供することができる。
【0018】
(2)請求項2記載の発明によれば、急病人に近い場所から使用可能なAED装置を検索していくようにしているので、急病人からなるべく近い場所で確実にAED装置を持ち運べることができるようにした緊急用品搬送システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施例を示す構成図である。
【図2】救急受付テーブルの構成例を示す図である。
【図3】AED案内ページテーブルの構成例を示す図である。
【図4】AED管理者テーブルの構成例を示す図である。
【図5】AED設置場所テーブルの構成例を示す図である。
【図6】AED設置場所基本地図データを示す図である。
【図7】AED設置場所案内地図データを示す図である。
【図8】緊急時AED受渡し場所地図データを示す図である。
【図9】AED準備依頼メール画面を示す図である。
【図10】AED設置場所情報通知メール画面を示す図である。
【図11】本発明システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。図1は本発明の一実施例を示す構成図である。 図において、10は急病人が出た時に、その急病人が出た場所に居合わせた人が持っている通報者携帯端末、13は前記通報者携帯端末10からの緊急通知を受け取ると、データベース12に記憶されている情報を読み出してAED装置が存在する場所と急病人間の距離を算出すると共に、そのAED装置が使用可能であるかどうかを判定するAED管理システムの全体の動作を制御する救急センターサーバ13、14はAED装置15aを管理している管理人が保持するAED管理人端末である。図ではAED装置15aとが有線又は無線の通信線16を介して相互に接続されたシステムを構成している。15はAED装置15aを収納しているAED装置収納箱である。16は各装置間を接続するネットワークである。該ネットワークとしては、有線の或いは無線のネットワークを使用することができる。
【0021】
通報者携帯端末10は、通報手段と、通話手段と、発信者情報通知手段と、AED装置受け渡し場所案内受信手段と、表示手段から構成されている。救急センターサーバ13は、通報受付手段と、AED抽出手段と、AED管理者連絡手段と、AED装置受け渡し場所案内手段とから構成されている。
【0022】
救急センターサーバ13は、通報受付手段と、AED装置抽出手段と、AED装置管理者連絡手段と、AED装置受け渡し場所案内手段とから構成されている。データベース12は、救急受付テーブルと、AED設置場所テーブルと、AED管理者テーブルと、AED案内ページテーブルとから構成されている。AED管理人端末14は、AED準備依頼受信手段から構成されており、AED装置収納箱15はAED装置15aを収納し、該AED装置15aは、お知らせ命令受信手段と、鳴動手段と、点灯手段とから構成されている。
【0023】
次に、データベース12の各テーブルについて説明する。図2は緊急受付テーブルの構成例を示す図である。通報受付NO毎に受付日付、受付時刻、通報者情報とから構成されている。通報者情報は、通報者の携帯端末番号と、通報者位置情報と、通報者メールアドレスから構成されている。その他に、患者の病状と、AED装置15aの要否と、選択されたAED識別番号から構成されている。
【0024】
図3はAED装置の案内ページテーブルの構成例を示す図であり、通報受付NO毎にAED設置場所案内地図データが記憶されている。図4はAED管理者テーブルの構成例を示す図である。図に示すように、AED識別番号と、使用可能時間と、使用可能曜日と、管理人メールアドレスから構成されている。AED識別番号毎に管理人のメールアドレスが異なっている。管理人が変わることを想定しているものである。
【0025】
図5はAED設置場所テーブルの構成例を示す図である。図に示すように、AED識別番号毎に、AED装置アドレスと、設置場所と、緊急時AED装置受け渡し場所と、AED設置場時基本地図データと緊急AED装置受け渡し地図データが記憶されている。
【0026】
図6はAED設置場所基本地図データを示す図であり、データベース12のAED設置場所テーブルにAED装置毎に予め記憶されているものである。図の場合は十字路に鈴木デパートビルと伊藤デパートが表示されており、この中の鈴木デパートにAED装置15aが設置されていることを示している。図7はAED設置場所案内地図データを示す図であり、データベース12のAED設置場所テーブルに記憶されているものである。
【0027】
この図は、図6に示すAED設置場所基本地図データに通報者の現在位置と、現在位置からAED装置までのルート矢印を加えたものである。通報者が現在位置からAED設置場所まで容易に辿りつけるようにしたものである。AED設置場所案内地図データは、通報者端末10から閲覧依頼があるとAED設置場所基本地図データを元に、携帯端末事業者システム11が作成するものである。
【0028】
図8は緊急時AED装置受け渡し場所地図データを示す図である。図7に示すAED設置場所地図データのみでは、AED装置15aがビル内にある場合などAED装置15aをすぐに見つけることができないことがあるので、ビル内や店の敷地内の具体的にどこにあるのかを示す地図データである。また、この場所に記載されているAED装置の場所は元々設置されている場所ではなく、緊急時に設置場所から管理人によって移動された先の受け渡し場所が記載されている。緊急時受け渡し場所地図データについては、前記AED設置場所基本地図データと同様に予め装置毎に用意されデータベース12に登録しておく。
【0029】
救急センターサーバ13が通報者携帯端末10から緊急通報を受け付けると通報受け付けNOを採番し、通報者位置情報などの通報者情報がデータベース12の救急受付テーブルに救急センターサーバ13から登録される。図2にその登録される内容を示す。通報者情報が登録されていることが分かる。通報者情報は、図2に示すように、通報者携帯端末番号と、通報者位置情報と、通報者のメールアドレスから構成されている。
【0030】
救急センターの救急隊員が通報者との会話により、病状を救急センターサーバ13から病状をデータベースの救急受付テーブルに登録する。救急受付テーブルは、図2に示すように、患者の病状が登録されている。救急隊員がAED装置15aの使用が必要であると判断すると、図示しない救急センターサーバ13のAED装置検索ボタンを押す。救急受付テーブルのAED装置の要否の所には「必要」という情報が登録される。
【0031】
AED装置検索ボタンが押されると、救急センターサーバ13は、データベース12のAED設置場所テーブルを参照して通報者携帯端末10から最も近くにあるAED装置15aを検索する。AED設置場所テーブルは、図5に示すような構成をとっており、AED装置の識別番号毎に設置場所が登録されているので、救急センターサーバ13は、通報者携帯端末10から最も近い場所にあるAED装置15aを検索することができる。
【0032】
そして、選択されたAED装置15aが現在使用可能か否かをデータベース12内のAED管理者テーブルを参照して自動的に判断し、使用可能であると判断されると、前記AED装置の管理人のAED管理人端末14へAED装置の準備依頼メールを送信する。AED管理者テーブルは、図4に示すような構成をとっており、救急センターサーバ13は、選択したAED装置15aの使用可能時間と、使用可能曜日とから当該AED装置15aが使用可能であるか否かを判断することができる。
【0033】
準備依頼メールは図9に示すような内容である。即ち、「該当するAED装置15aをビルの入口まで持ってきてください。」というメールを送信することになる。準備依頼を行なう理由は、例えばビル内にあるAED装置15aであって、部外者がAED装置15aを取りにビル内に入ることができないような場合であっても、そのビルの管理人にAED装置15aをビルの入口まで持ってきてもらうことができれば、AED装置15aを取りに来たビルの部外者であってもすぐにAED装置15aを運ぶことができるからである。
【0034】
救急センターサーバ13は、選択されたAED装置15aのアドレスを指定してAED装置のお知らせ命令受信手段を実行させる。この結果、AED装置15aが鳴動するか又は発光するとかするので、AED装置15aをすぐに見つけることができ、管理人が持って行きやすくなる。
【0035】
救急センターサーバ13は、通報者携帯端末10に、AED設置場所案内地図データと緊急AED受け渡し場所地図データを閲覧するためのホームページアドレスをAED設置場所リンクアドレスと共にメール送信する。先ず通報者携帯端末10に図10に示すようなAED装置15aの設置場所の知らせが届く。その後、図6に示すAED設置場所基本地図データが表示され、次に図7に示すようにAED設置場所案内地図データが示される。図では、鈴木デパートにAED装置15aが設置されていることが分かる。次に図に示すように、通報者からAED装置が設置されている場所までのルートが示される。次に、図8に示すように鈴木デパートの南口正面玄関入り口に置かれた様子が示され、「このAED装置15aを急病人のところまで届けて下さい。」というメッセージも併せて表示される。
【0036】
この場合において、AED装置15aまでのホームページ閲覧依頼について、通報者がホームページのアドレスを指定して当該ページをダウンロードさせようとすると、通報者の現在位置からAED装置15aの設置場所までの歩行経路を図7に示すように地図に重ね合わせてAED装置15aの設置場所基本地図データからAED装置設置場所案内地図データを作成する。そして、AED設置場所案内地図データと緊急時AED装置受け渡し場所地図データとを一緒に通報者携帯端末10に送信するものである。
【0037】
図11は本発明システムの動作の一例を示すフローチャートである。動作の主体は救急センターサーバ13である。先ず、通報者携帯端末10からの緊急通報(119番)を受信すると、通報受付NOを採番し、通報者情報が救急センターサーバ13で受け付けられ、データベース12に登録される(S1)。次に通報者携帯端末10と救急センターサーバ13との間で患者の状態が通話され、救急センターサーバ13は患者の状態をデータベース12の緊急受付テーブルに登録する(S2)。
【0038】
次に、救急センターサーバ13はAED装置が必要と判断され、AED検索ボタンが押されたかどうかチェックする(S3)。AED装置が必要とされない場合は、処理は終了する。AED装置が必要と判断された場合は、救急センターサーバ13はデータベース12のAED設置場所テーブルを検索して、通報者の位置から最も近い場所に設置のAED装置を探す(S4)。
【0039】
次に、救急センターサーバ13は、データベース12のAED管理者テーブルを参照して選択されたAED装置が使用可能かどうかチェックする(S5)。使用可能でなかった場合には、通報者の位置から次に近いAED装置を選択し(S6)、ステップS5に戻って選択されたAED装置が使用可能かどうかチェックする。チェックの結果、選択されたAED装置が使用可能であった場合には、選択されたAED管理人端末14へAED準備依頼メールを送信する(S7)。AED準備依頼メールは、図9に示した通りである。
【0040】
AED管理人は、自己の管理するAED装置が必要とされていることを認識することができる。次に、救急センターサーバ13は、選択されたAED装置アドレスを指定して、AED装置のお知らせ手段を実行する(S8)。
【0041】
次に救急センターサーバ13は、通報者携帯端末10にAED設置場所地図情報と緊急時AED移動先地図データを閲覧するためのホームページのアドレスをメール送信する(S9)。この時のAED設置場所地図情報は、図6に示すようなものである。次に、救急センターサーバ13は、通報者からAED装置までのホームページ閲覧依頼があると、通報者の現在位置からAED装置場所までの歩行経路を地図に重ね合わせてAED設置場所基本地図データからAED設置場所案内地図データを作成する(S10)。
【0042】
AED設置場所基本地図データからAED設置場所案内地図データと緊急時AED装置移動先地図データと一緒に通報者携帯端末10に送信する(S11)。緊急時AED装置移動先地図データは、図7に示すようなものである。通報者携帯端末10に表示される内容は、図10に示すようなものである。通報者携帯端末10の表示を切り替えると、図8に示すような案内地図が表示され、通報者は鈴木デパートビルの南口正面入口にAED装置が置かれていることを認識することができ、そのAED装置を引き取って、急病人のところまで持って行くことができる。このように、本発明によれば、急病人に近い場所から使用可能なAED装置を検索していくようにしているので、急病人からなるべく近い場所で確実にAED装置を持ち運べることができるようにした緊急用品搬送方法を提供することができる。
【0043】
上述の実施例では、緊急用品としてAED装置を例に取ったが、本発明はこれに限るものではなく、緊急を有する用品であれば、どのような種類のものであってもよい。
【0044】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば以下の効果が得られる。
【0045】
AED装置の設置場所が分かりにくい場所、部外者が入ることができない場所であっても、緊急時には分かりやすい場所、部外者が入ることのできない場所に移動された後の受け渡し場所地図データを通報者に送信するので、AED装置を取りにきた通報者若しくはその代理人はすぐにAED装置を見つけることができ、急病人の対応について時間短縮を図ることができる。通報者から最も近いAED装置を見つけ出すに際し、利用できるAEDか否かを考慮して検索できるので、効率よくAED装置の検索ができ、急病人の対応について時間短縮を図ることができる。
【符号の説明】
【0046】
10 通報者携帯端末
12 データベース
13 救急センターサーバ
14 AED管理人端末
15 AED装置収納箱
15a AED装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
急病人が出た時に、その急病人が出た場所に居合わせた人が持っている通報者携帯端末と、AED管理システムの全体の動作を制御する携帯端末事業者システムと、前記通報者携帯端末からの緊急通知を受け取ると、データベースに記憶されている情報を読み出してAED装置が存在する場所と急病人間の距離を算出すると共に、そのAED装置が使用可能であるかどうかを判定する救急センターサーバと、AED装置を管理している管理人が保持するAED管理人端末と、これら構成要素とAED装置とが有線又は無線の通信線を介して相互に接続されたシステムにおいて、
前記携帯端末事業者システムが通報者端末の位置情報、メールアドレスを取得するステップと、
前記救急センターサーバが、AED装置が必要と判断された場合に通報者から最も近い場所にあるAED装置であり、且つAED管理者テーブルを参照して現在利用可能なAED装置を検索するステップと、
前記携帯端末事業者システムが選択されたAED装置の管理者端末にAED装置準備依頼メールを送信するステップと、
通報者端末にAED設置場所を記したリンクアドレス通知メールを送信するステップと、
前記携帯端末事業者端末が前記通報者端末からAED地図閲覧依頼を受信すると、前記通報者端末の位置情報と通報者の位置からAED装置までの行き方をAED設置場所地図データに重ね合わせるAED設置場所案内地図データ作成ステップと、
前記携帯端末事業者システムが前記AED設置場所地図データとともに緊急時AED受け渡し場所地図データを前記通報者端末に送信するステップと、
を有することを特徴とする緊急用品搬送方法。
【請求項2】
急病人が出た時に、その急病人が出た場所に居合わせた人が持っている通報者携帯端末と、AED管理システムの全体の動作を制御する携帯端末事業者システムと、前記通報者携帯端末からの緊急通知を受け取ると、データベースに記憶されている情報を読み出してAED装置が存在する場所と急病人間の距離を算出すると共に、そのAED装置が使用可能であるかどうかを判定する救急センターサーバと、AED装置を管理している管理人が保持するAED管理人端末と、AED装置とが有線又は無線の通信線を介して相互に接続されたシステムにおいて、
通報者端末の位置情報、メールアドレスを取得する手段と、
AED装置が必要と判断された場合に通報者から最も近い場所にあるAED装置であり、且つAED管理者テーブルを参照して現在利用可能なAED装置を検索する手段と、
選択されたAED装置の管理者端末にAED準備依頼メールを送信する手段と、
通報者端末にAED設置場所を記したリンクアドレス通知メールを送信する手段と、
前記通報者端末からAED地図閲覧依頼を受信すると、前記通報者端末の位置情報と通報者の位置からAED装置までの行き方をAED設置場所地図データに重ね合わせるAED設置場所案内地図データ作成手段と、
前記AED設置場所地図データとともに緊急時AED装置受け渡し場所地図データを前記通報者端末に送信する手段と、
を有することを特徴とする緊急用品搬送システム。
【請求項1】
急病人が出た時に、その急病人が出た場所に居合わせた人が持っている通報者携帯端末と、AED管理システムの全体の動作を制御する携帯端末事業者システムと、前記通報者携帯端末からの緊急通知を受け取ると、データベースに記憶されている情報を読み出してAED装置が存在する場所と急病人間の距離を算出すると共に、そのAED装置が使用可能であるかどうかを判定する救急センターサーバと、AED装置を管理している管理人が保持するAED管理人端末と、これら構成要素とAED装置とが有線又は無線の通信線を介して相互に接続されたシステムにおいて、
前記携帯端末事業者システムが通報者端末の位置情報、メールアドレスを取得するステップと、
前記救急センターサーバが、AED装置が必要と判断された場合に通報者から最も近い場所にあるAED装置であり、且つAED管理者テーブルを参照して現在利用可能なAED装置を検索するステップと、
前記携帯端末事業者システムが選択されたAED装置の管理者端末にAED装置準備依頼メールを送信するステップと、
通報者端末にAED設置場所を記したリンクアドレス通知メールを送信するステップと、
前記携帯端末事業者端末が前記通報者端末からAED地図閲覧依頼を受信すると、前記通報者端末の位置情報と通報者の位置からAED装置までの行き方をAED設置場所地図データに重ね合わせるAED設置場所案内地図データ作成ステップと、
前記携帯端末事業者システムが前記AED設置場所地図データとともに緊急時AED受け渡し場所地図データを前記通報者端末に送信するステップと、
を有することを特徴とする緊急用品搬送方法。
【請求項2】
急病人が出た時に、その急病人が出た場所に居合わせた人が持っている通報者携帯端末と、AED管理システムの全体の動作を制御する携帯端末事業者システムと、前記通報者携帯端末からの緊急通知を受け取ると、データベースに記憶されている情報を読み出してAED装置が存在する場所と急病人間の距離を算出すると共に、そのAED装置が使用可能であるかどうかを判定する救急センターサーバと、AED装置を管理している管理人が保持するAED管理人端末と、AED装置とが有線又は無線の通信線を介して相互に接続されたシステムにおいて、
通報者端末の位置情報、メールアドレスを取得する手段と、
AED装置が必要と判断された場合に通報者から最も近い場所にあるAED装置であり、且つAED管理者テーブルを参照して現在利用可能なAED装置を検索する手段と、
選択されたAED装置の管理者端末にAED準備依頼メールを送信する手段と、
通報者端末にAED設置場所を記したリンクアドレス通知メールを送信する手段と、
前記通報者端末からAED地図閲覧依頼を受信すると、前記通報者端末の位置情報と通報者の位置からAED装置までの行き方をAED設置場所地図データに重ね合わせるAED設置場所案内地図データ作成手段と、
前記AED設置場所地図データとともに緊急時AED装置受け渡し場所地図データを前記通報者端末に送信する手段と、
を有することを特徴とする緊急用品搬送システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−70311(P2012−70311A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−214952(P2010−214952)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(598057291)株式会社富士通エフサス (147)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(598057291)株式会社富士通エフサス (147)
【Fターム(参考)】
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