説明

緊急通報のための方法と装置

本発明に従う実施例は、通信ネットワークの通信装置における方法を開示する。通信装置は、その通信装置に関連するセルを示す同報ユニットから、ユーザ機器に通報されるべき緊急通報を受信する。その通信装置はセル内で、緊急事態を示す通報をページングし同報するために用いられるページングチャネルを決定し、その緊急事態を示す通報がページングチャネルで送信されるよう命令する。その通信装置はセル内で緊急確認メッセージを同報するために用いられる共通制御チャネルを決定し、その緊急確認メッセージが共通制御チャネルで送信されるよう命令する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明における実施例は、通信ネットワークにおける方法と装置に関する。特に、通信ネットワークのユーザ機器に緊急通報を送信する方法と装置に関する。
【背景技術】
【0002】
今日では、例えば、地震津波警報システム(ETWS)に対するサポートを導入するために、異なるタイプの公衆警報システムを提供する研究が続けられている。この地震津波警報システム(ETWS)によって、来るべき地震と津波との内の少なくともいずれかに関する警報を、移動局を通して伝送することが可能になる。ETWS警報は、プライマリ通報とセカンダリ通報の2つのタイプに分類される。
【0003】
プライマリ通報は、ユーザに対して、地震などの発生が切迫しているなどのような最も緊急な出来事を、分単位ではなく秒単位で通報するために送信される。ETWSプライマリ通報メッセージは、ユーザ/移動局に4秒以内に届けるという要求条件がある。ねつ造されたメッセージが受信されて、それが混乱を引き起こすのを回避する目的で、プライマリ通報の中には、認証情報が含められることがおそらくは必要である。情報を認証する代替としては、デジタル署名の形の認証情報を有することである。これは、例えば、デジタル署名アルゴリズム(DSA)署名などを使用するとすれば、41バイトの情報である。
【0004】
セカンダリ通報は、何をするべきか、助けが得られる場所、避難設備の地図、食料分配の時間割を指示するものなどの緊急性がそれほど高くない補足的な情報をユーザに対して与えるために送信される。
【0005】
ETWS警報の送信に対して、セル同報サービス(CBS)に基づく解決策が考えられた。この解決策によれば、ETWSメッセージはセル内部の全ての移動局に対して制御チャネルで同報される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ETWSに関しては、「4秒以内」の要求条件を満足させるために、PAGINGメッセージを利用可能とするよう決定された。
【0007】
現在の仮定は、プライマリ通報に対してはPAGING TYPE1メッセージを使用することであり、PAGING TYPE1メッセージはアイドルモードにあるユーザ機器(UE)とページングチャネルを聴取しているコネクトモード(接続モード)にあるユーザ機器(UE)とに届けられる。ページングチャネルを使用することは、4秒以内にUEに到着するという要求条件を満足するための主要な選択肢であると考えられる。しかしながら、その制限時間以内に極力多くのUEに対して、信頼性が高い緊急通報が届けられて欲しいという要望がある。
【0008】
本発明に従う実施例での目的は、効率がよく信頼性が高い方法で緊急メッセージをユーザ機器に届けることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
いくつかの実施例では、通信ネットワークの通信装置における方法が備えられる。その通信装置は、同報ユニットから、その通信装置に関連するセルを指示し、そのセル内のユーザ機器に通報される緊急通報を受信する。その通信装置はそのセル内で、緊急事態を示す通報をページングし、同報するために用いられるページングチャネルを更に決定し、緊急事態を示す通報がページングチャネルで送信されるよう命令する。その通信装置はまたセル内で、緊急確認メッセージを同報するために用いられる共通制御チャネルを決定し、緊急確認メッセージがその共通制御チャネルで送信されるよう命令する。
【0010】
この方法を実行するために、通信装置が提供される。
【0011】
その通信装置は、ネットワークを通して同報ユニットから緊急通報を受信するように構成された第1のネットワークインタフェースと、そのネットワークインタフェースで緊急事態を示す通報が受信された時に、緊急通報をページングして同報するために用いられるページングチャネルを決定するように構成される制御ユニットを備える。その制御ユニットはさらに、緊急事態を示す通報がページングチャネルで送信されるよう命令し、緊急確認メッセージを同報するために用いられる共通制御チャネルを決定するように更に構成される。その制御ユニットは加えて、緊急確認メッセージが共通制御チャネルで送信されるように命令するよう構成される。
【0012】
この明細書での実施例はまた、緊急確認メッセージを受信するために、通信ネットワーク内でページングチャネルを聴取するように構成されるユーザ機器における方法を開示する。そのユーザ機器は、ページングチャネルで同報された緊急事態を示す通報を受信し、そして、その通報を受信した結果として、共通制御チャネルを聴取する。それから、そのユーザ機器は、共通制御チャネルで緊急確認メッセージを受信する。
【0013】
この方法を実行するために、ユーザ機器が備えられる。
【0014】
このユーザ機器は、ページングチャネルで同報された緊急事態を示す通報を受信するよう適合された受信部構成と、その通報を読出し、その通報が緊急事態を示していることを判断するように構成された制御ユニットとを備える。その制御ユニットは更に、その通報が緊急事態を示すときには、受信部構成の動作を切り替えて、共通制御チャネルで緊急確認メッセージを聴取して受信するように受信部構成をイネーブルにするよう構成される。
【0015】
さらに、通信ネットワークにおけるシステムが備えられる。このシステムは、ページング制御チャネルで、地震津波警報システムのプライマリ通報を含むPAGING TYPE1メッセージを用いて、ユーザ機器の動作にトリガをかけるよう適合された構成を備える。この動作は、ユーザ機器がPAGING TYPE1メッセージで地震津波警報システムのプライマリ通報を受信した場合には、ユーザ機器は、共通制御チャネルで所定の時間の間、メッセージを受信することを開始するように構成されていることを示唆する。
【0016】
この明細書での実施例は、高速かつ信頼性が高い方法で認証情報をUEに届ける方法を提供する。ページングチャネルを使用して通報を行い、また通報が届いたUEに対しては通報と認証情報を搬送する共通制御チャネルに変更するようトリガをかけることにより、通報が届けられるUEの数は増加するとともに、その通報は高速に認証される。
【0017】
以下、実施例について、添付図面に関連させてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】通信ネットワークの中で緊急通報を送信するための実施例を示す図である。
【図2】ユニバーサル移動通信システム(UMTS)における、合成した方法とシグナリング方式とを示す図である。
【図3】UMTSネットワークにおける、合成した方法とシグナリング方式とを示す図である。
【図4】UMTSネットワークにおける、合成した方法とシグナリング方式とを示す図である。
【図5】通信装置における方法の概要を示す図である。
【図6】通信装置の概要を示す図である。
【図7】ユーザ機器における方法の概要を示す図である。
【図8】ユーザ機器の概要を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下では添付図面を参照して、本発明の実施例をより十分に説明する。ここでは本発明のいくつかの実施例を示す。しかしながら、本発明は多くの異なる形で実施することができ、ここに記述した実施例に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施例は、この開示が十分でかつ完全であるように提供するものである。この明細書を通して、同様の番号は同様の構成要素に言及するものである。
【0020】
ここで使用する用語は、具体的な実施例を説明する目的のみで使用しており、本発明を限定することを意図するものではない。ここで使用している単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および、「その(the)」は、文面が単数形であることを明確に述べている場合を除いて、複数形をも含んでいる。さらに以下のことが理解されるであろう。即ち、用語「有する」と「有している」との内、少なくともいずれかは、ここで、それらの用語を使用するときには、言及する特徴と、数値と、ステップと、動作と、構成要素と、構成素子との内の少なくともいずれかの存在を規定するものであるが、1つ以上の他の特徴と、数値と、ステップと、動作と、構成要素と、構成素子と、それらのグループとの内の少なくともいずれかの存在や追加を排除するものではない。
【0021】
ここで使用する全ての用語(技術用語と科学用語とを含む)は、特に定義をしていない限り、本発明が属する分野の当業者によって共通に理解される意味と同じ意味を有する。また、以下の点がさらに理解されるであろう。即ち、ここで使用する用語は、この明細書の文脈と関連する技術における意味に矛盾しない意味を持つと解釈されるべきであり、また、ここで明確に定義しない限り、理想化した、または極度に形式的な意味を持つと解釈されてはならないことを理解されたい。
【0022】
図1は、通信ネットワーク内の緊急通報を送信するための実施例を開示している。検出器2は地震などの緊急状況を登録する。検出器への登録は、影響を受けるエリア内のUEに対して緊急通報が送信されるべきかを判定する、例えば、中央政府機関でなされる。影響を受けるエリア内のUEに対して緊急通報を送信するよう命令が、同報ユニット(BU)30に対して送信される。その命令は、BU30などに対して手動で入力/送信しても良い。
【0023】
BU30は、影響を受けるエリア内のセルを制御する第1の通信装置(ネットワークユニット)NU20に緊急通報を送信する。NU20は、拡張型ノードB(eNB)、無線ネットワーク制御装置(RNC)、基地局制御装置(BSC)などであるかもしれない。NU20は、緊急通報を送信するためのページングチャネルを決定し、そのページングチャネルで緊急通報を送信するよう命令する。その後、NU20は緊急確認を搬送する共通制御チャネルを決定し、共通制御チャネルで緊急確認を送信するよう命令する。NU20はまた、専用チャネルでネットワークに接続されたUEに対して、その専用チャネルで緊急確認を送信しても良い。
【0024】
図示された実施例では、第1のUE10は、影響を受けるエリアのセル内のページングチャネルをUE10が聴取しているモードにある。緊急通報はUE10において受信される。受信された緊急通報は、共通制御チャネルでの聴取を開始するようUE10にトリガをかける。即ち、UEは一時的に不連続受信(DRX)動作を停止して、共通制御チャネルでメッセージを受信する。UE10は、共通制御チャネルを聴取することにより、その共通制御チャネルで緊急確認を受信する。UE10は、緊急確認内のセキュリティ情報を読取ることにより、緊急確認の真正さを確認する。セキュリティ情報は、例えば、DSAなどであってよい。
【0025】
ページングチャネルを聴取してはいない共通制御チャネルで接続されている第2のモードにある第2のUE10’もまた、NU20のセル内に位置している。UE10’はページングチャネルで緊急通報は受信しないが、共通制御チャネルで同報された緊急確認を受信する。
【0026】
なお、送信の命令は、セルにサービスを提供している基地局に対して送られる。ここでNU20は、例えば、RNC、BSC等の制御装置ノードを含む。あるいは、NU20が基地局(例えば、eNB)を有する場合には、送信の命令は、セル内でサービスを行い同報するよう構成された構成要素に対して、NU20内で送信される。
【0027】
図2は、ユニバーサル移動通信システム(UMTS)における合成した方法とシグナリング方式とを開示している。
【0028】
ステップS1において、セル同報センタ(CBC)30である同報ユニットは、緊急状況の影響を受けるエリア内のUEに対して緊急通報が同報されるべきであることを判断する。CBC30は、地震津波警報システム(ETWS)メッセージとして例示された緊急通報を、影響を受けるエリア内のセルを制御している無線ネットワーク制御装置(RNC)20に送信する。
【0029】
ステップS2において、RNC20はETWSメッセージを受信し、緊急通報を送信するページングチャネルと、緊急確認メッセージ(ETWS CONFIRM)を送信する共通制御チャネル(CCCH)とを決定する。ETWS CONFIRMメッセージは、ETWSメッセージとETWSメッセージを認証するために用いられるセキュリティ情報とを含む。
【0030】
図示された実施例では、ページングチャネルはページング制御チャネル(PCCH)を有する。
【0031】
RNC20はその後に、セルにサービスを提供している基地局NB22に命令/コマンドを送信し、PCCHでETWSメッセージを同報するようNB22に命令する。そして、NB22はPCCHでETWSメッセージを同報する。
【0032】
RNC20はまた、セルにサービスを提供しているNB22に命令/コマンドを送信し、CCCHでETWS CONFIRMメッセージを同報するようNB22に命令する。そして、NB22はCCCHでETWS CONFIRMメッセージを同報する。
【0033】
ETWSメッセージとETWS CONFIRMメッセージは、同時に、または、図2に示されているように遅延時間Δtを与えて送信される。
【0034】
UMTSのUMTS地上無線アクセスネットワーク(UTRAN)においては、ユーザ機器(UE)は、ユーザのアクティビティに依存して、いくつかの無線資源制御(RRC)状態の1つにあるかもしれない。これらの状態は、アイドルモード、URA_PCH状態、CELL_PCH状態、CELL_FACH状態、及び、CELL_DCH状態を含む。これらは、ユーザアクティビティが増加する順序に並べられている。
【0035】
URA_PCH状態−RNCがUEは複数のセルを含むエリア内のセルに留まっていることを知るUTRAN登録エリアページングチャネル状態である。
【0036】
CELL_PCH状態−RNCがUEがどのセルに留まっているかを知るセルページングチャネル状態である。
【0037】
CELL_PCH状態とURA PCH状態では、通信は可能ではなく、最小の無線資源と電池資源とが消費される。UEが送信するデータを有する場合には、UEはセル更新メッセージをUTRANに送信し、アップリンクデータが利用可能であることを示す必要がある。UTRANが、CELL PCHまたはURA PCHにあるUEに送信するデータを有する場合には、UTRANは、ページングメッセージをUEに送信する必要があり、UEはセル更新メッセージで応答し、自分がどのセルの中に位置しているかを示す。
【0038】
CELL_FACH状態−UEはCCCHを通して引き続き接続され、他のUEと無線資源を共有するセルフォワードリンクアクセスチャネル状態である。
【0039】
CELL_FACH状態では、通信は可能であるが、共有チャネルの特性によって、通信は低いデータレートであり、往復時間は長い。この状態にあるUEは、CELL_PCH/URA_PCHと比較して、より多くの無線資源を消費する。しかし、CELL_DCHと比較すればより少ない資源消費である。
【0040】
CELL_DCH状態−UEは利用可能な専用チャネルを有しており、これは、高いデータレートで、そして、往復時間の低い通信が可能であることを示すセル専用チャネル状態である。
【0041】
アイドルモードとCELL/URA_PCH状態にある全てのUEに届く十分な確率を得るために、全てのUEに対するページングを行う折には、不連続受信(DRX)方式とは独立に、ページングメッセージが送信される。典型的なセル構成では、ページングチャネル(PCH)とフォワードリンクアクセスチャネル(FACH)との2つの転送チャネルは、同じセカンダリ共通制御物理チャネル(S−CCPCH)を共有する。これは、連続して行うページング(PCHを介して)はFACH転送チャネルの枯渇を引き起こす危険を伴うということを意味する。
【0042】
完全性保護のためのセキュリティ情報を全てのUEに送信して、プライマリ通報を検証することができる。このことはできるだけ速くなされることが必須であり、理想的には、プライマリ通報(PAGING TYPE1)に許容される4秒以内の遅延で行われなければならない。そうでない場合には、エンドユーザに対する警報は遅延することになるであろう。または、情報の検証が実行される以前に警報が発行されなければならず、結果として、誤った(不正な)警報が発せられる危険を伴う。
【0043】
アイドルモード、そして、URA/CELL_FACH状態において、PCCHで全てのUEに届けるために、(少なくとも1つの)PAGING TYPE1が、何らかの可能なUEのDRXパターンで与えられるページング機会に送信される。
【0044】
ステップS31において、アイドルモードとURA_PCH状態とCELL_PCH状態との内の少なくともいずれかにあり、PCCHを聴取しているUE10は、メッセージを受信して、そのメッセージがETWSメッセージを含んでいるか否かを判定する。UE10がETWSメッセージを受信したという判定がトリガとなりUE10にCCCHを聴取させる。
【0045】
ステップS32において、UE10は、CCCHでETWS CONFIRMメッセージを聴取して、それを受信する。そして、UE10は、ETWS CONFIRMメッセージのセキュリティ情報を検証することによりETWSメッセージを検証し、UE10のユーザに対して緊急情報を表示する。
【0046】
なお、UE10は、ページングチャネルPCHをDRXサイクル毎に1回監視する。DRXサイクル内のオフセットは、UE10の国際移動加入者識別番号(IMSI)に基づいている。従って、4秒という制限時間の要求条件を満足するために、ネットワークで使用されている最大DRXサイクル内の各送信時間間隔(TTI)に対して、少なくとも1つのPAGING TYPE1メッセージが送信されなければならない。これは、4秒という要求される最大遅延時間以内に実行されなければならない。
【0047】
DRXサイクルの長さは無線アクセスネットワーク(RAN)によって制御され、典型的な値は1.28秒および2.56秒である。DRXサイクルは、スリープモードと覚醒(アウェイク)モードとの間の関係を示している。
【0048】
ETWS通報が送信される時に正常の動作が制限を受けない実施例が開示される。これは、緊急事態の間には救急隊員と公衆との双方がネットワークからのサービスを要求する可能性が高いからである。従って、それらのサービスは妨害されてはならない。この理由によって、ページング制御チャネル(PCCH)で、それぞれのTTI毎にページングメッセージを送信することは不可能である。なぜなら、PCCHは通常、同じセカンダリ共通制御物理チャネル(S−CCPCH)を共有し、FACHはCELL_FACH状態におけるシグナリングに対してこれを使用するからである。各々の送信時間間隔(TTI)がPCCHのために使用されるとすれば、FACHでの枯渇が引き起こされるであろう。これは、少なくとも一時的に、ネットワークの中での他のサービスを妨害することになるであろう。TTIは、転送ブロックセットの到着時刻の間の時間として定義され、転送ブロックセットが無線インタフェースの物理層によって転送される周期に等しい。これは、常に最小インターリーブ時間間隔の倍数、例えば、1つの無線フレームの長さである10msである。
【0049】
しかしながら、DRXサイクルがそれほど長くない場合には、例えば、PCCHで3番目毎のTTIを使用することも可能であるだろう。これは、S−CCPCHの容量の1/3を消費するであろう。従って、FACHに対して利用可能な容量は低減するであろうが、完全に阻止されることはない。S−CCPCHをいくらかのマージンを持つ大きさにするならば、他のサービスがひどく制限されるということはないであろう。最大DRXサイクルが1.28秒であるとすれば、アイドルモードとURA/CELL_FACH状態にある全てのUEに対して、4秒という規定された最大遅延時間以内に、少なくとも1つのPAGING TYPE1メッセージは許されるであろう。
【0050】
例えば、各IMSIに対してページング間隔を与えるDRXサイクルが1.28秒であるとすれば、そのサイクルは要求条件である4秒の中で3回繰り返されるであろう。従って、ETWSメッセージは、3番目のTTI毎に1回の割合で送信することができる。DRXサイクルが0.64秒であるとすれば、サイクルは6回繰り返され、そして、ETWSメッセージは6番目のTTI毎に1回の割合で送信することができる。しかしながら、2.56秒のDRXサイクルが使用されるとすれば、DRXサイクルは、要求条件の4秒の中で完全には繰り返されない。この場合には、ETWSメッセージは、3つのTTI毎に2回の割合で送信することができる。
【0051】
明らかに、他の精密な方式を使用してこれらのメッセージのスケジューリングを行うこともできる。ETWSプライマリ通報に対して、そして、FACHでのシグナリングに対してTTIを提供することと、全てのUEにより規定された最大遅延時間以内にプライマリ通報メッセージを受信されるようにプライマリ通報メッセージをスケジューリングするための要求条件との間には、明らかにトレードオフが存在する。
【0052】
もしS−CCPCH容量の約1/3がETWSプライマリ通報のために使用されるとすれば、また、ページングのためのDRXサイクルの最大値が1.28秒未満であるとすれば、アイドルモードとURA/CELL_PCH状態にある全てのUEに対して、プライマリ通報のために使用するPAGING TYPE1メッセージを、要求される最大遅延時間4秒以内に届けることが可能である。
【0053】
UEに送信される、プライマリ通報に関連するセキュリティ情報は、約50オクテットであってよい。量の多いこの情報を、通常のセル構成を使用して、1つのS−CCPCH転送ブロックで送信することは可能ではなく、PCCHにはセグメンテーションは存在しない。
【0054】
しかしながら、CCCHでセグメンテーションを有することは可能である。従って、PCCHでPAGING TYPE1メッセージを使用してUEの動作にトリガをかける方法を開示する。ここで、UEは、PAGING TYPE1メッセージでETWSプライマリ通報を受信した時に、CCCHで所定の時間の間にメッセージの受信を開始する。ここではFFSと呼ばれるか、ETWS CONFIRMメッセージとしてCCCHで送信される新しいRRCメッセージが備えられ、その新しいRRCメッセージは、ETWS PRIMARY NOTIFICATION WITH SECURITYを含む。
【0055】
アイドルモードとURA/CELL_PCHにあるUEにより予見される動作とは、ETWSプライマリ通報を含むPAGING TYPE1メッセージを受信すると、UEは一時的にDRX動作を停止して、CCCHでメッセージを受信することを開始し、ETWS CONFIRMメッセージを受信するまで、または、UEがCCCHを受信する所定の時間が終了するまで、UEはCCCHでメッセージを受信する動作である。ETWS CONFIRMメッセージを受信する前にその時間が終了した場合には、UEはこれを誤った警報と見なしてそれは無視するべきである。しかしながら、ETWSプライマリ通報を含む別のPAGING TYPE1メッセージが受信された場合には、UEはその手順を再開始することができる。
【0056】
ネットワークは、UEがCCCHメッセージを受信する時間の間にUEがそれを受信することができることを保証するために、CCCHでETWS CONFIRMメッセージを、要求される頻度、例えば、1秒毎に4回などでスケジューリングを行うべきである。そのメッセージは、無線リンク制御未確認モード(RLC−UM)を使用して送信することができる。数秒の程度の値を持つUEタイマを使用して、この時間の長さを決定することができるであろう。例えば、構成設定が不可能な所定の値を使用することが提案されている。もし2秒という値が使用されるとすれば、ETWS CONFIRMメッセージは、CCCHで、2秒毎に少なくとも1回の割合でスケジューリングされる。
【0057】
ETWS CONFIRMメッセージは、ETWSプライマリ通報の完全性保護のために使用されるセキュリティ情報を含まなければならない。事実、ETWS CONFIRMメッセージは自己完結型であり、プライマリ通報に対して要求される全ての情報を含むことが提案されている。このようにして、PAGING TYPE1メッセージは単に、プライマリ通報に対するトリガとしての役割を果たすだけである。このトリガは、PAGING TYPE1メッセージにおけるバイナリの指示に過ぎないかもしれない。それは、ETWS情報を含むETWS警報の原因などを示す値を含んでも良い。
【0058】
自己完結型のETWS CONFIRMメッセージは、ETWSプライマリ通報の完全性が、単一の無線資源制御パケットデータユニット(RRC PDU)に基づいて検証されることを示唆する。もし、検証の際にPAGING TYPE1メッセージからの内容を考慮するとすれば、手順はより複雑になり、誤りを生じやすくなる。
【0059】
メッセージが自己完結型である場合には、このメッセージは、CELL_FACH状態とCELL_DCH状態におけるUEのプライマリ通報に対して容易に再使用することができる。これらのUEは、PAGING TYPE1メッセージを受信せず、従って、ETWSプライマリ通報の受信に対しては、PAGING TYPE1メッセージに依存してはならない。
【0060】
いくつかの実施例においては、CELL_FACH状態とCELL_DCH状態にあるUEに対しても、プライマリ通報が届かなければならない。これらのUEは、PCCHではPAGING TYPE1メッセージを受信しない。
【0061】
図3は、ユニバーサル移動通信システム(UMTS)における合成した方法とシグナリング方式とを開示している。
【0062】
ステップS1において、セル同報センタ(CBC)30は、緊急状況の影響を受けるエリア内のUEに対して、緊急通報、ETWSメッセージが同報されるべきであると判断する。CBC30は、影響を受けるエリア内のセルにサービスを提供している無線ネットワーク制御装置(RNC)20にETWSメッセージを送信する。
【0063】
ステップS2において、RNC20は、ETWSメッセージを受信し、緊急通報ETWSを送信するページングチャネルと、緊急確認メッセージ(ETWS CONFIRM)を送信するために、ページングのために使用されていない共通制御チャネルCCCHとを決定する。
【0064】
ETWS CONFIRMメッセージは、ETWSメッセージとETWSセキュリティ情報を有しているかもしれない。
【0065】
図示されている実施例では、ページングチャネルは、ページング制御チャネル(PCCH)を有する。
【0066】
RNC20はその後、セルにサービスを提供している基地局NB22に命令/コマンドを送信し、PCCHでETWSメッセージを同報するようNB22に命令する。そして、NB22はPCCHでETWSメッセージを同報する。
【0067】
RNC20はまた、セルにサービスを提供しているNB22に命令/コマンドを送信し、CCCHでETWS CONFIRMメッセージを同報するようNB22に命令する。そして、NB22はCCCHでETWS CONFIRMメッセージを同報する。
【0068】
ETWSメッセージとETWS CONFIRMメッセージは、同時に、または図3に示すように遅延時間Δtを与えて送信されても良い。
【0069】
図3に示された実施例においては、UE10’は、CELL_FACH状態などのような、ページングチャネルPCCHを聴取していない接続状態にある。従って、UE10’はPPCHのETWSメッセージを検出しない。
【0070】
ステップS41において、UE10’は、CCCHで同報されたETWS CONFIRMメッセージを受信して、それを読取る。ここで、UE10’はCCCHで接続されている。ETWS CONFIRMメッセージに含まれるETWS情報は、ETWSセキュリティ情報を解析することにより検証される。ETWS情報が真正なものであると検証/確認された場合には、緊急メッセージがUE10’に表示される。
【0071】
図4は、ユニバーサル移動通信システム(UMTS)における合成した方法とシグナリング方式とを開示している。
【0072】
ステップS1において、CBC30は、緊急通報メッセージは、緊急状況の影響を受けるエリア内のUEに対して同報されるべきであると判断する。CBC30は、影響を受けるエリア内のセルにサービスを提供しているRNC20に対してETWSメッセージを送信する。
【0073】
ステップS2において、RNC20は、ETWSメッセージを受信する。そして、緊急通報を送信するページングチャネルと、緊急確認メッセージ(ETWS CONFIRM)を送信するため、ページングのために使用されていない共通制御チャネルCCCHとを決定する。ETWS CONFIRMメッセージは、ETWS情報とETWSセキュリティ情報とを有していても良い。
【0074】
図示されている実施例では、ページングチャネルは、ページング制御チャネル(PCCH)を有する。
【0075】
そして、RNC20は、セルにサービスを提供している基地局NB22に命令/コマンドを送信し、PCCHでETWSメッセージを同報するようNB22に命令する。そして、NB22は、PCCHでETWSメッセージを同報する。
【0076】
RNC20はまた、セルにサービスを提供しているNB22に命令/コマンドを送信し、CCCHでETWS CONFIRMメッセージを同報するようNB22に命令する。そして、NB22はCCCHでETWS CONFIRMメッセージを同報する。
【0077】
ETWSメッセージとETWS CONFIRMメッセージは、同時に、または図4に示すように遅延時間Δtを与えて送信されても良い。
【0078】
セル内部のUE10”は、専用チャネル(DCH)で接続状態にある。従って、UE10”は、PCCHでETWSメッセージを検出しないし、CCCHでETWS CONFIRMメッセージを検出することもしない。図示された実施例においては、DCHは、専用制御チャネル(DCCH)を有する。
【0079】
DCCHで接続されているUEに届けるために、RNC20は、セルにサービスを提供しているNB22に命令/コマンドを送信し、ETWS CONFIRMメッセージをUE10”のDCCHで送信するようNB22に命令する。そして、NB22はDCCHでETWS CONFIRMメッセージをUE10”に送信する。RNC20は、DCHで接続されたUEの情報を有している。
【0080】
ステップS51において、UE10”は、DCCHでETWS CONFIRMメッセージを受信し、ETWS CONFIRMメッセージを復号化/読出して、ETWS情報とETWS警報セキュリティ情報とを取り出す。そして、UE10”は、ETWS警報セキュリティ情報を解析することによりETWS情報を検証する。そして、ETWS情報が検証された場合には、UE10”は、UE10”に緊急メッセージを表示することができる。
【0081】
ETWSセキュリティ情報は、コアネットワーク情報要素を諭旨、コアネットワーク情報要素は、ETWS警報の時間スタンプとデジタル署名との両方を含むことができる。これはコアネットワーク情報であるので、この情報は、ETWSセキュリティが要求される時にはいつでも、UEに伝達される。
【0082】
表示される緊急メッセージは、ETWS情報とUEで生成/予め定義された別個のメッセージとの内の少なくともいずれかであってよい。
【0083】
ページングメッセージに戻ると、ページングメッセージはETWSプライマリ通報に対するトリガを含む。このトリガは、ETWSプライマリ通報の原因を示す値を含むと良い。このトリガがアイドルモードまたはURA/CELL_PCH状態にあるUEによって受信され、この原因値がUEが応答するように設定された1つの値である場合には、UEは一時的にDRX動作を停止して、所定の時間の間にCCCHでメッセージを受信する。2秒という時間が提案されている。そのトリガはETWS情報を備えるPAGING TYPE1であるとよい。
【0084】
いくつかの実施例では、新しい無線資源制御(RRC)メッセージ(暫定的に、ETWS CONFIRMメッセージ)が、ETWSプライマリ通報の完全性保護に対するセキュリティ情報を伝達するために定義される。そのメッセージは自己完結型であり、プライマリ通報に対して要求される全ての情報、即ち、プライマリ通報の原因と要求されるセキュリティ情報とそれ以外のものとの内の少なくともいずれかを含む。アイドルモードまたはURA/CELL_PCH状態にあるUEがCCCHでメッセージを受信する時間の間に、そのメッセージはCCCHで送信される。そのメッセージは、例えば、最初のページングメッセージが送信されてから6秒の間に送信される。
【0085】
PCCHでのPAGING TYPE1メッセージとCCCHでのETWS CONFIRMメッセージの精度よいスケジューリングは、ネットワークの実施形に依存する。プライマリ通報の最大遅延要求条件の値が満足されるように、これらのメッセージのスケジューリングを行うことは、ネットワークの責任である。例えば、PAGING TYPE1を第3のTTI毎に送信し、それと対応させてETWS CONFIRMを送信することができる。PAGING TYPE1メッセージとETWS確認メッセージは、同時に、またはそれらの間に僅かな遅延などを与えて送信することができる。
【0086】
ETWS CONFIRMメッセージを自己完結型にする利点は、ETWS CONFIRMメッセージがCELL_FACH状態およびCELL_DCH状態にあるUEのプライマリ通報のために使用することができるという点にある。
【0087】
CELL_FACH状態にあるUEが、PCCHを介してメッセージを受信してそれを解析するという要件はない。従って、これらのUEはPAGING TYPE1メッセージでトリガをかけない。しかしながら、これらのUEはCCCHでメッセージを受信するであろう。CELL_FACH状態にあるUEは、メッセージを受信すると、ETWS CONFIRMメッセージをETWSプライマリ通報であると考える。
【0088】
ETWS CONFIRMメッセージは、プライマリ通報の間に、CCCHで数回も繰り返されると仮定している。ネットワークは、例えば、測定ギャップの必要性を考慮に入れて、(CCCHに対する転送チャネルとして割り当てられたFACHを使用して)CELL_FACH状態にある全てのUEがそのメッセージを受信することができるということを保証するべきである。
【0089】
CELL_DCH状態にあるUEに関しては、それらのUEは、PCCHでもCCCHでもメッセージを受信しない。これらのUEに対して、DCCHでETWS CONFIRMメッセージは送信される。このことは、これらのUE各々に対して、別個のメッセージを送信される必要があることを示唆している。しかしながら、ある特定のエリア内にあるこれらのUEの数は有限であり、従って、それらのUE各々に対してメッセージを送信することは可能である。
【0090】
いくつかの実施例においては、CELL_FACH状態にあるUEには、CCCHに対する転送チャネルとして、HS−DSCHを割り当てることができる。これは、これらのUEは、FACHを介してスケジューリングされたCCCHでメッセージを受信しないであろうということを示唆している。これらのUEに対しては同様の方法が開発されるかもしれない。
【0091】
あり得るかもしれない別の潜在的な問題は、プライマリ通報の間に状態を変更しているUEがあって、それらがPCCHとCCCHでネットワークから送信されたメッセージを喪失してしまうという点である。これは、UEがプライマリ通報を受信するまでにさらなる遅延を生ずる可能性のある障害である。しかしながら、ネットワークは、意図された最大遅延である初期の4秒以後もまだプライマリ通報メッセージを送信し続けると仮定されている。緊急状況においては、一時的にカバレッジ等の外に出てしまうかもしれないUEをも捕捉することが重要である。従って、ネットワークはプライマリ通報を送信し続けるかもしれず、これは、状態遷移やカバレッジの不足によってPCCHとCCCHの内の少なくともいずれかでメッセージを失う可能性があるUEを捕捉するのに十分である。
【0092】
結論的には、CELL_FACH状態にある(そして、CCCHに対して転送チャネルとしてFACHが割り当てられた)UEは、ETWS CONFIRMメッセージがCCCHで送信された時には、それを受信して、それをETWSプライマリ通報として使用するであろう。
【0093】
CELL_DCH状態にあるUEは、ETWS CONFIRMメッセージがDCCHで送信された時には、それを受信して、それをETWSプライマリ通報として使用する。
【0094】
アイドルモードとURA/CELL_PCH状態にある全てのUEに対して、プライマリ通報のために用いられるPAGING TYPE1メッセージを要求される最大遅延4秒以内に、この目的のためにS−CCPCH容量の約1/3が使用され、そして、ページングに対する最大DRXサイクルが1.28秒以下であるならば、届けることが可能である。ここで、DRXサイクルが、例えば、0.64秒より小さいなら、S−CCPCH容量の約1/6をこの目的のために使用できて、それでも、全てのUEに、要求される最大遅延4秒以内に届けることができることを理解すべきである。従って、DRXサイクルが短くなればなるほど、4秒の制限時間以内に全てのUEに届けるために必要な容量はより少なくなる。
【0095】
いくつかの実施例においては、CELL_FACHモードにあるUEは、CCCHに対する転送チャネルとして、高速ダウンリンク共有チャネル(HS−DSCH)が割り当てられ(拡張CELL_FACH)、ETWS通報はこのチャネルで送信される。
【0096】
第1の通信装置における方法の概要を図5に示す。
【0097】
ステップA1において、第1の通信装置は、同報ユニットから緊急通報を受信する。同報ユニットは、CBCなどでよい。緊急通報は、緊急通報は同報されなければならない第1の通信装置に関連するセルを示している。そのセルは、セルIDやロケーションエリアなどによって示される。
【0098】
ステップA2において、第1の通信装置は、第1の通信装置に関連するセル内で、緊急事態を示す通報をページングし、同報するために用いられるページングチャネルを決定する。この通報は、同報ユニットから受信した緊急通報と別個のメッセージとの内の少なくともいずれかであってよい。そのページングチャネルは、ページング制御チャネル(PCCH)などであってよい。
【0099】
ステップA3において、第1の通信装置は、緊急事態を示す通報がページングチャネルで送信される(ページング動作が実行される)よう命令する。
【0100】
ステップA4において、第1の通信装置は、第1の通信装置に関連するセル内で緊急確認メッセージを同報するために用いられる共通制御チャネルを決定する。緊急確認メッセージは自己完結型であり、ETWS情報とETWSセキュリティ情報とを有していると良い。
【0101】
ステップA5において、第1の通信装置は、共通制御チャネルで緊急確認メッセージが送信されるよう命令する。その緊急確認メッセージは、共通制御チャネル(CCCH)で繰り返し送信されるよう命令されるかもしれない。
【0102】
ここで、ステップA2〜A5は時間的に継続したブロックとして示されているが、それらは実際には、実質的に同時に実行しても良いし、或いは、これらのブロックは時には、逆の順序で実行しても良いことを理解されたい。
【0103】
オプションのステップA6において、第1の通信装置は、専用チャネルを通して接続されているユーザ機器が使用する専用チャネルを判断し、その専用チャネルで緊急確認メッセージが送信されるよう命令する。第1の通信装置は、専用チャネルで接続されたUEに関する知識を有し、この情報を解析して、どの専用チャネルで緊急確認メッセージを送信するのかを決定する。
【0104】
いくつかの実施例においては、緊急事態を示す通報のページングの動作とは、セカンダリ共通制御物理チャネル(S−CCPCH)の全容量の10%〜70%の範囲を用いて単に実行することを命令するだけであり、セルの不連続受信(DRX)サイクルは、0.5秒から2.56秒の範囲にある時間サイクルを含む。
【0105】
いくつかの実施例においては、緊急確認メッセージは、緊急事態を示す地震津波警報システム情報と、地震津波警報システムセキュリティ情報とを有する。いくつかの実施例においては、この通報は、地震及び津波警報システムのプライマリ通報情報等のように、通報が緊急事態に関係することを示す数値を含む。
【0106】
いくつかの実施例においては、第1の通信装置は、RNCのような制御装置ノードを含み、基地局に命令を送信する。ここで、基地局は、その命令に従って、緊急事態を示す通報をページングチャネルで送信し、緊急確認メッセージを共通制御チャネルで送信する。
【0107】
いくつかの実施例においては、第1の通信装置は、制御装置機能とeNB等の基地局とを含み、セル内のベアラを設定し、緊急事態を示す通報をページングチャネルで、緊急確認メッセージを共通制御チャネルで送信する。
【0108】
この方法を実行するために第1の通信装置が提供される。
【0109】
図6に第1の通信装置の概要を示す。第1の通信装置は、無線ネットワーク制御装置や基地局制御装置等の制御装置ノードを有すると良い。いくつかの実施例においては、第1の通信装置は、セル内で無線ベアラを制御し割り当てる機能を備えた基地局、例えば、拡張NodeBなどを有すると良い。
【0110】
第1の通信装置20は、同報ユニットから緊急通報を受信するように構成された第1のネットワークインタフェース203を有する。同報ユニットはCBCなどでよい。緊急通報は、その緊急通報が同報されるべき第1の通信装置に関連するセルを示す。
【0111】
さらに、第1の通信装置は、緊急事態を示す通報がネットワークインタフェース203で受信されたときに、緊急通報をページングして同報するために用いられるページングチャネルを決定するように構成される制御ユニット201を有する。制御ユニット201はさらに、緊急事態を示す通報がページングチャネルで送信されるよう命令するよう構成される。加えて、制御ユニット201は、緊急確認メッセージを同報するために用いられる共通制御チャネルを決定し、緊急確認メッセージが共通制御チャネル(CCCH)で送信されるよう命令するように構成される。
【0112】
制御ユニット201は更に、緊急確認メッセージが共通制御チャネルで繰り返し送信されるよう命令するように構成されると良い。その緊急確認メッセージは無線資源制御緊急メッセージを含む。
【0113】
いくつかの実施例においては、制御ユニット201はさらに、専用チャネルを通して接続されているユーザ機器が使用する専用チャネルを判断し、その専用チャネルで緊急確認メッセージが送信されるよう命令するように構成される。第1の通信装置は、専用チャネルで接続されたUEに関する知識を有し、第1の通信装置20のメモリ207から取り出されたこの情報を使用する。
【0114】
いくつかの実施例においては、緊急事態を示す通報のページングの動作は、セカンダリ共通制御物理チャネル(S−CCPCH)の全容量の10%〜70%の範囲を使用して単に送信するよう命令されて行うだけであり、セルの不連続受信(DRX)サイクルは、0.5秒から2.56秒の範囲にある時間サイクルを有する。
【0115】
いくつかの実施例においては、緊急確認メッセージは、緊急事態を示す地震津波警報システム情報と、地震津波警報システムセキュリティ情報とを含む。いくつかの実施例においては、この通報は、地震及び津波警報システムのプライマリ通報情報等のように、通報が緊急事態に関係することを示す数値を含む。
【0116】
いくつかの実施例においては、第1の通信装置20は、RNC等の制御装置ノードを有し、更に、命令を基地局に送信するために使用するように構成される第2のネットワークインタフェース205を有する。ここで、その基地局は、命令に従って、緊急事態を示す通報をページングチャネルで送信し、緊急確認メッセージを共通制御チャネルで送信する。
【0117】
いくつかの実施例においては、第1の通信装置20は、制御装置機能とeNB等の基地局とを有する。そして、制御ユニット201は、セル内でのベアラを設定し、アンテナ構成等の無線構成により緊急事態を示す通報をページングチャネルで、そして、緊急確認メッセージを共通制御チャネルで送信するように構成される。
【0118】
図7は、通信ネットワーク内のページングチャネルを聴取して緊急確認メッセージを受信するように構成されるユーザ機器における1つの方法が示されている。ユーザ機器はアイドルモード、CELL_PCH状態、URA_PCH状態などにあるかもしれない。
【0119】
ステップB1において、ユーザ機器は、ページングチャネルで同報された、緊急事態を示す通報を受信する。
【0120】
ステップB2において、ユーザ機器は、通報を受信した結果として共通制御チャネルを聴取する。即ち、ユーザ機器で不連続受信(DRX)が一時的に停止され、共通制御チャネルでのメッセージ受信がイネーブルもされる。これは、例えば、所定の時間の間、行われる。
【0121】
ステップB3において、ユーザ機器は、共通制御チャネルで緊急確認メッセージを受信する。
【0122】
いくつかの実施例においては、緊急確認メッセージはセキュリティ情報を含み、この方法は更に、緊急確認メッセージ内のセキュリティ情報を読出すことにより緊急確認メッセージを認証することを含む。
【0123】
オプションのステップB4において、ユーザ機器はそのユーザ機器に緊急情報を表示する。
【0124】
この方法を実行するためにユーザ機器が提供される。
【0125】
図8はユーザ機器の概要を示す。ユーザ機器は、例えば、PCCHなどのページングチャネルで同報された、緊急事態を示す通報を受信するように構成される受信部構成103を有する。ユーザ機器はさらに、通報を読出して、その通報が緊急事態を示すか否かを判定するように構成された制御ユニット101を有する。この場合では、制御ユニットがその通報は緊急事態を含むと判定した場合には、制御ユニット101は、受信部構成103の動作を切り替えて、共通制御チャネルで緊急確認メッセージを聴取して受信するよう受信構成103をイネーブルするように構成される。
【0126】
いくつかの実施例においては、制御ユニット101はさらに、緊急確認メッセージのセキュリティ情報を解析することにより緊急確認メッセージを解析し、その緊急情報を表示する前に、緊急確認メッセージが真正なものであることを確認するように構成される。制御ユニット101はまた、出力部構成109に緊急情報を表示するように構成されると良い。
【0127】
出力部構成109は、ディスプレイ、スピーカなどの構成でよい。
【0128】
いくつかの実施例では、ユーザ機器は、アイドルモード、セルPCH状態、URA PCH状態等のような、ページングチャネルにより情報を受信することが可能なアイドルモード、またはコネクトモードの状態にある。
【0129】
制御ユニット101、201は、CPU、単一の処理ユニット、複数の処理ユニットなどを有していると良い。
【0130】
メモリユニット107、207は、単一のメモリユニット、複数のメモリユニット、外部メモリユニットと内部メモリユニットとの内の少なくともいずれかを有することができる。
【0131】
従って、ここで示す実施例は、通信ネットワークにおけるシステムを開示しており、そのシステムは、ページング制御チャネルで地震津波警報システムのプライマリ通報を含むPAGING TYPE1メッセージを用いて、ユーザ機器の動作にトリガをかけるよう適合された構成を有する。そのユーザ機器は、ユーザ機器がPAGING TYPE1メッセージでETWSプライマリ通報を受信した時には、共通制御チャネルで所定の時間の間、メッセージを受信することを開始するように構成される。
【0132】
方法及び装置(システム)のブロック図とフローチャートとの内、少なくともいずれかを参照していくつかの実施例を説明した。そのブロック図とフローチャートとの内の少なくともいずれかにおけるいくつかのブロックと、そのブロック図とフローチャートとの内の少なくともいずれかにおける複数のブロックの組み合わせとは、コンピュータプログラム命令によって実現されるものであることを理解されたい。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータと専用コンピュータと他のプログラム可能なデータ処理装置との内の少なくともいずれかのプロセッサに供給され、そのコンピュータと他のプログラム可能なデータ処理装置との内の少なくともいずれかのプロセッサを介して実行する命令が、ブロック図において特定される機能/動作と1つ以上のフローチャートのブロックとの内の少なくともいずれかを実現するための手段を創成するようにマシーンを構築することができる。
【0133】
これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ可読メモリに記憶され、これらのメモリにより、そのコンピュータ可読メモリに記憶された命令が、ブロック図において特定される機能/動作と1つ以上のフローチャートのブロックとの内の少なくともいずれかを実現する命令を含む製品を作り出すように機能するよう、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置に命令することができる。
【0134】
コンピュータプログラム命令はまた、コンピュータや他のプログラム可能なデータ処理装置にロードし、そのコンピュータや他のプログラム可能な装置で一連の動作ステップが実行されるようにして、そのコンピュータや他のプログラム可能な装置で実行する命令が、ブロック図において特定される機能/動作と1つ以上のフローチャートのブロックとの内の少なくともいずれかを実現するステップを提供するように、コンピュータが実行する処理を作り出すことができる。
【0135】
いくつかの実施例では、ブロックに記された機能/動作は、その動作の例示で記された順序以外で実行しても良い。例えば、時間的に継続して示された2つのブロックは、実際は実質的に同時に実行しても良いし、または、ブロックが関与する機能/動作に依存して、時には逆の順序で実行されても良い。
【0136】
図面と明細書において、本発明の代表的な実施例について開示した。しかしながら、これらの実施例に対して本発明の原理から実質的に逸脱することなく、多くの変形例と態様とを作ることができる。従って、特定の用語が使用されているが、それらは一般的かつ記述的意味だけで使用されているのであって、本発明を限定を目的とするものではない。本発明の範囲は以下に続く請求の範囲によって規定されるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークの通信装置における方法であって、
ユーザ機器に通報されるべきであり、前記通信装置に関連するセルを示している緊急通報を同報ユニットから受信する工程(A1)と、
前記セル内において、緊急事態を示す通報をページングし、同報するために用いられるページングチャネルを決定する工程(A2)と、
前記緊急事態を示す通報が前記ページングチャネルで送信されるよう命令する工程(A3)と、
前記セル内において、緊急確認メッセージを同報するために用いられる共通制御チャネルを決定する工程(A4)と、
前記緊急確認メッセージが前記共通制御チャネルで送信されるよう命令する工程(A5)とを有することを特徴とする通信方法。
【請求項2】
ユーザ機器に接続され、前記ユーザ機器により用いられる専用チャネルを判断する工程(A6)と、
前記緊急確認メッセージが前記専用チャネルで送信されるよう命令する工程とをさらに有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記緊急事態を示す通報のページングとは、セカンダリ共通制御物理チャネル(S−CCPCH)全体の容量の10〜70%の範囲を用いて単に送信するように命令を受けることであり、
前記セルの不連続受信(DRX)サイクルは、0.5〜2.56秒の範囲の時間サイクルを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記緊急確認メッセージは、緊急事態と地震津波警報システムのセキュリティ情報を含む地震津波警報システム情報を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記通報は、前記通報が、地震津波警報システムのプライマリ通報情報のような緊急事態に関することを示す値を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記緊急確認メッセージは前記共通制御チャネルで繰り返し送信されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記命令する工程は、基地局に対して、前記基地局が追従すべき命令を送信することを含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記通信装置は前記命令に追従し、前記セル内のベアラをセットアップして、前記ページングチャネルで前記緊急事態を示す通報を、前記共通制御チャネルで前記緊急確認メッセージを送信することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
ネットワークにより同報ユニットからの緊急通報を受信するように構成された第1のネットワークインタフェース(203)と、
緊急通報が前記第1のネットワークインタフェース(203)で受信されたとき、緊急事態を示す通報をページングし同報するために用いられるページングチャネルを決定し、前記緊急事態を示す通報が前記ページングチャネルで送信されるように命令するように構成された制御ユニット(201)とを有し、
前記制御ユニット(201)はさらに、緊急確認メッセージを同報するために用いられる共通制御チャネルを決定し、前記緊急確認メッセージが前記共通制御チャネルで送信されるように命令するよう構成されることを特徴とする通信装置。
【請求項10】
前記制御ユニット(201)はさらに、チャネル決定の命令を夫々創成し、第2のネットワークインタフェース(205)により基地局に対して前記命令を送信するように構成されていることを特徴とする請求項9に記載の通信装置。
【請求項11】
前記制御ユニット(201)はさらに、前記緊急事態を示す通報がセカンダリ共通制御物理チャネル(S−CCPCH)全体の容量の10〜50%の範囲を用いて前記ページングチャネルで送信されるように命令し、不連続受信(DRX)サイクルが、0.5〜2.56秒の範囲の時間サイクルを含むように命令するよう構成されていることを特徴とする請求項9又は10に記載の通信装置。
【請求項12】
前記制御ユニット(201)はさらに、緊急確認メッセージを同報するために用いられる専用チャネルを判断し、前記緊急確認メッセージが前記専用チャネルで送信されるように命令するよう構成されていることを特徴とする請求項9乃至11のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項13】
前記緊急確認メッセージは、緊急事態と地震津波警報システムのセキュリティ情報を含む地震津波警報システム情報を有することを特徴とする請求項9乃至12のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項14】
前記通報は、前記通報が、地震津波警報システムのプライマリ通報情報のような緊急事態に関することを示す値を含むことを特徴とする請求項9乃至13のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項15】
前記制御ユニット(201)はさらに、最初の通報の間には前記緊急確認メッセージが前記共通制御チャネルで繰り返し複数回送信されるように命令するよう構成されていることを特徴とする請求項9乃至14のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項16】
前記緊急確認メッセージは、無線資源制御緊急メッセージを含むことを特徴とする請求項9乃至15のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項17】
前記通信装置はさらに、セル内のベアラをセットアップし、前記緊急事態を示す通報と前記緊急確認メッセージとを送信するよう構成され、
前記通信装置は拡張型ノードBを含むことを特徴とする請求項9乃至16のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項18】
RNCのような制御機能ノードをさらに有することを特徴とする請求項9乃至16のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項19】
緊急確認メッセージを受信する通信ネットワーク内でページングチャネルを聴取するよう構成されたユーザ機器における方法であって、
前記ページングチャネルで同報された緊急事態を示す通報を受信する工程(B1)と、
前記通報を受信した結果として、共通制御チャネルを聴取する工程(B2)と、
前記共通制御チャネルで前記緊急確認メッセージを受信する工程(B3)とを有することを特徴とする方法。
【請求項20】
前記ユーザ機器で緊急事態の情報を表示する工程(B4)をさらに有することを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記緊急確認メッセージは、セキュリティ情報を含み、
前記緊急確認メッセージを、前記緊急確認メッセージ内の前記セキュリティ情報を読出することにより認証する工程をさらに有することを特徴とする請求項19又は20に記載の方法。
【請求項22】
ページングチャネルで同報された緊急事態を示す通報を受信するよう構成された受信ユニット(103)と、
前記通報を読出し、前記通報が緊急事態を示していることを判断し、前記通報が緊急事態を示すときには、前記受信ユニット(103)の動作を切り替えて、前記受信ユニット(103)が共通制御チャネルで緊急確認メッセージを聴取・受信可能にするよう構成される制御ユニット(101)とを有することを特徴とするユーザ機器。
【請求項23】
前記制御ユニット(101)はさらに、表示ユニット(109)に緊急事態の情報を表示するように構成されることを特徴とする請求項22に記載のユーザ機器。
【請求項24】
前記制御ユニット(101)はさらに、緊急確認メッセージにおけるセキュリティ情報を解析することにより前記緊急確認メッセージを解析して、前記緊急確認メッセージが真正なものであることを前記緊急事態の情報を表示する前に確認するよう構成されていることを特徴とする請求項23に記載のユーザ機器。
【請求項25】
前記制御ユニットは、前記ページングチャネルにより情報を受信可能なアイドルモード或いはコネクトモードにあることを特徴とする請求項22乃至24のいずれか1項に記載のユーザ機器。
【請求項26】
ページング制御チャネルで、地震津波警報システムのプライマリ通報を含むPAGING TYPE1メッセージを用いて、ユーザ機器の動作にトリガをかけるよう適合された構成を有し、
前記ユーザ機器がPAGING TYPE1メッセージで前記地震津波警報システムのプライマリ通報を受信した場合には、前記ユーザ機器は、共通制御チャネルで所定の時間の間、メッセージを受信することを開始するように構成されていることを特徴とするシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2011−530951(P2011−530951A)
【公表日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−522930(P2011−522930)
【出願日】平成21年3月6日(2009.3.6)
【国際出願番号】PCT/SE2009/050233
【国際公開番号】WO2010/019090
【国際公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】