説明

緊急通報システム

【課題】緊急通報システムのパーソナルコンピューターが盗難によりネットワークから切断されたことをできるだけ正確に判断して報知を行うことができるようにする。
【解決手段】各住戸の緊急通報装置1を管理するパーソナルコンピューター10が複数存在し、それらのパーソナルコンピューター10をネットワークで接続してサーバーコンピューター20で管理している緊急通報システムで、緊急通報システムに関するアプリケーションが立ち上がっており、かつ、ネットワークが切断されているパーソナルコンピューター10が存在するか否かを判定部24にて判定し、アプリケーションが立ち上がっており、かつ、ネットワークが切断されているパーソナルコンピューター10が存在すると判定部24にて判断した場合には、制御部21は、それ以外のパーソナルコンピューター10にてパーソナルコンピューター10が盗難されたことを報知させるようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集合住宅などの各住戸における異常を管理室に居る管理人などに通報するための緊急通報システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高齢者などが住む複数の住戸を有する集合住宅には、例えば、入居者の体調が悪くなった場合に、集合住宅を管理する管理室に居る管理人などに対して助けを呼べるようにするための緊急通報システムが設置されることがある。このような緊急通報システムは、入居者が管理人を呼び出すために操作する呼出操作ボタンを各住戸内に設置している。また、管理室には、呼出操作ボタンが操作されたことを報知する報知装置が設置されている。また、住戸内には、呼出操作ボタンの近傍にインターホン子機が設置されており、管理室には、報知装置の近傍にインターホン親機が設置されている。そして、インターホン子機とインターホン親機との間で通話が可能である。
【0003】
入居者が操作ボタンを操作すると、管理室の報知装置が報知を行う。この報知を認識した管理人は、インターホン親機などを用いて呼び出しに応答する。すると、インターホン親機とインターホン子機との間で通話路が形成されるとともに、報知装置による報知が停止される。管理人はインターホン親機を用いて入居者に状況を確認し、入居者はインターホン子機を用いて状況を説明する。
【0004】
このような緊急通報システムでは、上述した一連の呼び出しおよび応答の動作を履歴として記録することが行われることがある。また、呼び出しの報知を行う際に、住戸の番号や入居者の名前を表示装置に表示させることで、呼び出しが行われた場所を通知することが行われることがある。一般的に、これらの機能を実現するために、パーソナルコンピューターを管理室に設置して、各住戸に設置されたインターホン子機をパーソナルコンピューターに接続している。また、住戸の数が多い場合には、これらのパーソナルコンピューターをネットワークによりサーバーコンピューターに接続し、サーバーコンピューターにより各パーソナルコンピューターを管理するようにしている。
【0005】
ここで、サーバーコンピューターは、サーバー室などのセキュリティが考慮された部屋に設置されている場合が多いため、盗難されるケースは稀であった。しかしながら、通常のパーソナルコンピューターは、管理室に設置されているため、盗難防止のためのワイヤーによって物理的に接続されることはあっても、管理室自体が開かれた環境である場合には、ワイヤーを切断するだけで容易に持ち出すことが可能になってしまう。
【0006】
ところで、ネットワークに接続されているパーソナルコンピューターの接続状況を監視サーバーにより監視し、少なくともパーソナルコンピューターの一つがネットワークから切断されたことを検出した場合に、それ以外のパーソナルコンピューターに盗難が発生したことを示す警告メッセージを送出する技術が知られている(例えば、特許文献1など)。
【0007】
この特許文献1に記載の技術を上述した緊急通報システムに適用することで、パーソナルコンピューターが盗難されてネットワークが切断されたことを検出して警告メッセージを送出することができる。しかしながら、この従来技術では、ネットワークが切断された場合に警告メッセージが送出されてしまうため、パーソナルコンピューターを交換する場合やパーソナルコンピューターを再起動する場合などでパーソナルコンピューターがネットワークから切断されたときでも、盗難によるネットワークの切断ではないにも関わらず、警告メッセージの送出が誤って行われてしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平7−334437号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、緊急通報システムを構成するパーソナルコンピューターが盗難によりネットワークから切断されたことをできるだけ正確に判断して報知を行うことができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するために、本発明では、各住戸の緊急通報装置を管理するパーソナルコンピューターが複数存在し、それらのパーソナルコンピューターをネットワークで接続してサーバーコンピューターで管理している緊急通報システムにおいて、各パーソナルコンピューターで緊急通報システムに関するアプリケーションが立ち上がっているか否かを判定するとともに、各パーソナルコンピューターとサーバーコンピューターとを接続しているネットワークが切断されているか否かを判定し、アプリケーションが立ち上がっており、かつ、ネットワークが切断されていると判断したパーソナルコンピューターが存在する場合には、それ以外のパーソナルコンピューターにてパーソナルコンピューターが盗難されたことを報知させるようにしている。
【発明の効果】
【0011】
上記のように構成した本発明によれば、パーソナルコンピューターを交換したり、パーソナルコンピューターを再起動したりする場合には、そのパーソナルコンピューターを緊急通報システムに使用していない状態とするために、緊急通報システムに関するアプリケーションを終了させる。そのため、緊急通報システムに関するアプリケーションが立ち上がっていないパーソナルコンピューターは、ネットワークから切断されたとしても、正式な手続きによりネットワークから切断されたものと判断される。一方、パーソナルコンピューターが盗難される場合には、犯行時間を短縮するために、緊急通報システムに関するアプリケーションを終了させることは殆ど無い。そのため、緊急通報システムに関するアプリケーションが立ち上がっているパーソナルコンピューターがネットワークから切断されると、盗難されたことが報知される。従って、緊急通報システムを構成するパーソナルコンピューターが盗難によりネットワークから切断されたことをできるだけ正確に判断して報知を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態による緊急通報システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】本実施形態の緊急通報システムによるパーソナルコンピューターの盗難を判定する動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態による緊急通報システムの構成例を示すブロック図である。図1において、1は緊急通報装置であり、各住戸に設置され、各住戸内の入居者が管理室の管理人などを呼び出す際に使用される。ここで、緊急通報装置1は、緊急通報装置制御部2、呼出操作部3、インターフェース4を備えて構成されている。10はパーソナルコンピューターであり、管理人が常駐する管理室などに設置され、複数の緊急通報装置1を接続し、管理人によって使用される。
【0014】
ここで、パーソナルコンピューター10は、パーソナルコンピューター制御部(以下、PC制御部と記載する)11、パーソナルコンピューターインターフェース(以下、PCインターフェースと記載する)12、パーソナルコンピューター記憶部(以下、PC記憶部と記載する)13、報知部14、パーソナルコンピューターネットワークインターフェース(以下、PCネットワークインターフェースと記載する)を備えて構成されている。また、パーソナルコンピューター10は、複数の緊急通報装置1毎に複数台設けられている。例えば、緊急通報システムが複数棟の集合住宅に設置されている場合、1棟目の集合住宅に設置されている複数の緊急通報装置1は、パーソナルコンピューター10aにより管理され、2棟目の集合住宅に設置されている緊急通報装置1は、パーソナルコンピューター10bにより管理される。
【0015】
20はサーバーコンピューターであり、複数のパーソナルコンピューター10a、10b、…をネットワークにより接続し、サーバー室などに設置される。ここで、サーバーコンピューター20は、制御部21、サーバーインターフェース22、記憶部23、判定部24を備えて構成されている。また、サーバーコンピューター20は、各パーソナルコンピューター10を管理しており、各パーソナルコンピューター10が緊急通報装置1による呼び出しを受けたことを示す呼び出し履歴情報をまとめて記憶する。
【0016】
緊急通報制御部2は、緊急通報装置1の各構成要素を後述するように制御するためのものであり、CPU(Central Processing Unit)などにより構成されている。呼出操作部3は、住戸内の壁面などに取り付けられており、住戸内の入居者が管理人を呼び出す際に、入居者によって操作される。なお、本実施形態では、入居者が呼出操作部3を操作した場合に、緊急通報による呼び出しを行うようにしているが、これに限定されない。例えば、住戸内に入居者の異常を検出するセンサーを設け、このセンサーが入居者の異常を検出した場合に、緊急通報による呼び出しを行うようにしても良い。
【0017】
インターフェース4は、緊急通報装置1とパーソナルコンピューター10とを接続して通信を行うためのものである。ここで、呼出操作部3が操作されると、緊急通報制御部2は呼出信号を生成し、インターフェース4は、緊急通報制御部2にて生成された呼出信号をパーソナルコンピューター10へ出力する。また、呼出信号には、呼出操作部3が操作された緊急通報装置1を他の緊急通報装置1と識別するための識別情報(例えば、住戸番号などの情報)が含まれる。
【0018】
PC制御部11は、パーソナルコンピューター10の各構成要素を後述するように制御するためのものであり、CPUなどにより構成されている。PCインターフェース12は、パーソナルコンピューター10と緊急通報装置1とを接続して通信を行う。
【0019】
PC記憶部13はメモリやハードディスクなどの記憶装置により構成されており、識別情報と入居者の氏名などを示す入居者情報とを関連付けて記憶している。また、PC記憶部13は、緊急通報システムに関するアプリケーションを記憶している。ここで、緊急通報に関するアプリケーションとは、後述する呼び出しの報知を行うアプリケーションや、後述する呼び出しの履歴を記録するアプリケーションなどである。また、これらのアプリケーションは、パーソナルコンピューター10を緊急通報システムにて使用している場合には、常に立ち上がっている。また、PC制御部11は、緊急通報システムに関するアプリケーションが立ち上がっているか否かを常に監視しており、その結果を立ち上がり監視信号として生成する。
【0020】
報知部14は、スピーカやランプ、表示ディスプレイなどにより構成されており、入居者からの呼び出しを報知するためのものである。また、報知部14は、他のパーソナルコンピューター10が盗難されたことを報知する。PCインターフェース12が呼出信号を入力すると、呼び出しの報知を行うアプリケーションにより、PC制御部11はPC記憶部13を参照して、呼出信号に含まれる識別情報に関連付けて記憶されている入居者情報を抽出する。そして、PC制御部11は、報知部14を動作させて、抽出した入居者情報によって特定される入居者が呼び出しを行っていることを、スピーカからの音声の出力やランプの点灯/点滅、表示ディスプレイの表示などにより報知するようにしている。
【0021】
また、パーソナルコンピューター10には、図示しない日時取得部が設けられている。PCインターフェース12が呼出信号を入力すると、呼び出しの履歴を記録するアプリケーションにより、PC制御部11はPC記憶部13を参照して、呼出信号に含まれる識別情報に関連付けて記憶されている入居者情報を抽出するとともに、日時取得部から現在の日時情報を取得する。そして、PC制御部11は、抽出した入居者情報と取得した日時情報とを含む呼び出し履歴情報を生成して、PC記憶部13に記憶させる。
【0022】
PCネットワークインターフェース15は、パーソナルコンピューター10とサーバーコンピューター20とをネットワークにて接続して通信を行う。ここで、PCネットワークインターフェース15は、PC制御部11にて生成された立ち上がり監視信号をサーバーコンピューター20へ出力する。また、PCネットワークインターフェース15は、PC記憶部13に記憶された呼び出し履歴情報をサーバーコンピューター20へ出力する。また、PCネットワークインターフェース15は、サーバーコンピューター20から出力された盗難通知信号を入力する。
【0023】
制御部21は、サーバーコンピューター20の各構成要素を後述するように制御するためのものであり、CPUなどにより構成されている。サーバーインターフェース22は、サーバーコンピューター20とパーソナルコンピューター10とを接続して通信を行う。ここで、サーバーインターフェース22は、パーソナルコンピューター10から出力された立ち上がり監視信号を入力する。また、サーバーインターフェース22は、パーソナルコンピューター10から出力された呼び出し履歴情報を入力する。また、サーバーインターフェース22は、後述する盗難通知信号を指定のパーソナルコンピューター10へ出力する。
【0024】
記憶部23はメモリやハードディスクなどの記憶装置により構成されており、制御部21は、サーバーインターフェース22が入力した呼び出し履歴情報を記憶部23に記憶させる。
【0025】
判定部24は、各パーソナルコンピューター10から出力された立ち上がり監視信号を解析して、緊急通報システムに関するアプリケーションが立ち上がっているか否かをパーソナルコンピューター10毎に判定することにより、緊急通報システムに関するアプリケーションが立ち上がっているパーソナルコンピューター10が存在するか否かを判定する。また、判定部24は、サーバーインターフェース22を監視し、ネットワークが切断されているか否かをパーソナルコンピューター10毎に判定することにより、ネットワークが切断されているパーソナルコンピューター10が存在するか否かを判定する。
【0026】
緊急通報システムに関するアプリケーションが立ち上がっており、かつ、ネットワークが切断されているパーソナルコンピューター10が存在すると判定部24にて判断した場合に、制御部21は、パーソナルコンピューター10が盗難されたことを示す盗難通知信号を生成する。また、制御部21は、サーバーインターフェース22により、上述した条件に該当するパーソナルコンピューター10以外のパーソナルコンピューター10に対して、生成した盗難通知信号を出力する。
【0027】
盗難通知信号を入力したパーソナルコンピューター10では、PC制御部11が報知部14を制御して、パーソナルコンピューター10が盗難されたことを報知するようにしている。ここで、報知部14は、緊急通報装置1による呼び出しを報知する場合と、パーソナルコンピューター10が盗難されたことを報知する場合とで、報知のパターンや表示を異ならせるようにしている。
【0028】
一方、緊急通報システムに関するアプリケーションが立ち上がっており、かつ、ネットワークが切断されているパーソナルコンピューター10が存在しないと判定部24にて判断した場合に、制御部21は盗難通知信号を生成しない。すなわち、緊急通報システムに関するアプリケーションが立ち上がっていないパーソナルコンピューター10のネットワークが切断されていても、制御部21は盗難通知信号を生成しない。
【0029】
次に、本実施形態の緊急通報システムによるパーソナルコンピューター10の盗難を判定する動作を説明する。図2は、本実施形態の緊急通報システムによるパーソナルコンピューター10の盗難を判定する動作を示すフローチャートである。まず、サーバーコンピューター20では、サーバーインターフェース22が各パーソナルコンピューター10から立ち上がり監視信号を入力するとともに、判定部24がサーバーインターフェース22にネットワークを介したパーソナルコンピューター10の接続状況を監視する(ステップS1)。
【0030】
そして、緊急通報システムに関するアプリケーションが立ち上がっており、かつ、ネットワークが切断されているパーソナルコンピューター10が存在するか否かを判定部24にて判定する(ステップS2)。緊急通報システムに関するアプリケーションが立ち上がっており、かつ、ネットワークが切断されているパーソナルコンピューター10が存在しないと判定部24にて判断した場合(ステップS2にてNO)、ステップS1の処理に戻る。
【0031】
一方、緊急通報システムに関するアプリケーションが立ち上がっており、かつ、ネットワークが切断されているパーソナルコンピューター10が存在すると
判定部24にて判断した場合(ステップS2にてYES)、制御部21は、パーソナルコンピューター10が盗難されたことを示す盗難通知信号を生成し、サーバーインターフェース22により、上述した条件に該当するパーソナルコンピューター10以外のその他のパーソナルコンピューター10に対して、生成した盗難通知信号を出力する(ステップS3)。この盗難通知信号を入力したパーソナルコンピューター10では、PC制御部11が報知部14を制御して、パーソナルコンピューター10が盗難されたことを報知する。
【0032】
以上詳しく説明したように、本実施形態によれば、各住戸の緊急通報装置1を管理するパーソナルコンピューター10が複数存在し、それらのパーソナルコンピューター10をネットワークで接続してサーバーコンピューター20で管理している緊急通報システムにおいて、各パーソナルコンピューター10で緊急通報システムに関するアプリケーションが立ち上がっているか否かを判定部24にて判定するとともに、各パーソナルコンピューター10とサーバーコンピューター20とを接続しているネットワークが切断されているか否かを判定部24にて判定し、アプリケーションが立ち上がっており、かつ、ネットワークが切断されているパーソナルコンピューター10が存在する場合には、制御部21は、それ以外のパーソナルコンピューター10にてパーソナルコンピューター10が盗難されたことを報知させるようにしている。
【0033】
このように構成した緊急通報システムでは、パーソナルコンピューター10を交換したり、パーソナルコンピューター10を再起動したりする場合には、そのパーソナルコンピューター10を緊急通報システムに使用していない状態とするために、緊急通報システムに関するアプリケーションを終了させる。そのため、緊急通報システムに関するアプリケーションが立ち上がっていないパーソナルコンピューター10は、ネットワークから切断されたとしても、正式な手続きによりネットワークから切断されたものと判断される。一方、パーソナルコンピューター10が盗難される場合には、犯行時間を短縮するために、緊急通報システムに関するアプリケーションを終了させることは殆ど無い。そのため、緊急通報システムに関するアプリケーションが立ち上がっているパーソナルコンピューター10がネットワークから切断されると、盗難されたことが他のパーソナルコンピューター10の報知部14により報知される。従って、緊急通報システムを構成するパーソナルコンピューター10が盗難によりネットワークから切断されたことをできるだけ正確に判断して報知を行うことができる。
【0034】
なお、前述した実施形態では、緊急通報システムに関するアプリケーションが立ち上がっており、かつ、ネットワークが切断されているパーソナルコンピューター10が存在しないと判定部24にて判断した場合には、サーバーコンピューター20や各パーソナルコンピューター10では何の動作も行われないが、これに限定されない。例えば、サーバーコンピューター20に図示しないサーバー用報知部を設け、アプリケーションが立ち上がっておらず、かつ、ネットワークが切断されていると判断したパーソナルコンピューター10が存在すると判定部24にて判断した場合に、サーバーコンピューター20のサーバー報知部にてパーソナルコンピューター10がネットワークから切断されたことを報知するようにしても良い。これにより、ネットワークの切断に関しては、サーバーコンピューター20にて一括して監視することができる。
【0035】
また、前述した実施形態では、緊急通報システムに関するアプリケーションが立ち上がっており、かつ、ネットワークが切断されているパーソナルコンピューター10が存在すると判定部24にて判断した場合には、その他のパーソナルコンピューター10のみで報知が行われているが、これに限定されない。例えば、サーバーコンピューター20に図示しないサーバー用報知部を設け、パーソナルコンピューター10が盗難されたことを報知する際に、同時にサーバー用報知部でも報知を行うようにしても良い。
【0036】
また、前述した実施形態では、判定部24がサーバーインターフェース22を監視し、ネットワークが切断されているか否かをパーソナルコンピューター10毎に判定するようにしているが、これに限定されない。例えば、判定部24は、立ち上がり監視信号を入力しているか否かを監視することで、ネットワークが切断されているか否かをパーソナルコンピューター10毎に判定するようにしても良い。
【0037】
また、前述した実施形態では、パーソナルコンピューター10にて緊急通報システムに関するアプリケーションを終了させる際に、何らセキュリティチェックがかけられていないが、これに限定されない。例えば、パーソナルコンピューター10にて緊急通報システムに関するアプリケーションを終了させる際に、パスワードを入力したり、指紋認証を行ったりするようにしても良い。これにより、パーソナルコンピューター10を盗難しようとする者が緊急通報システムに関するアプリケーションを正規に終了させ難くすることができる。
【0038】
その他、上記実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0039】
1 緊急通報装置
2 緊急通報装置制御部
3 呼出操作部
4 インターフェース
10、10a、10b パーソナルコンピューター
11 PC制御部
12 PCインターフェース
13 PC記憶部
14 報知部
15 PCネットワークインターフェース
20 サーバーコンピューター
21 制御部
22 サーバーインターフェース
23 記憶部
24 判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各住戸に設置され、前記住戸内からの呼び出しを検出して、呼び出しを行う緊急通報装置と、複数の住戸毎に設置され、前記緊急通報装置からの呼び出しを報知するパーソナルコンピューターと、これらのパーソナルコンピューターをネットワークにより接続して管理するサーバーコンピューターとを備えた緊急通報システムであって、
前記サーバーコンピューターは、前記パーソナルコンピューターが緊急通報システムに関するアプリケーションを立ち上げているか否かを前記パーソナルコンピューター毎に判定するとともに、前記パーソナルコンピューターを接続している前記ネットワークが切断されているか否かを前記パーソナルコンピューター毎に判定する判定部と、
前記緊急通報システムに関するアプリケーションが立ち上がっており、かつ、前記ネットワークが切断されているパーソナルコンピューターが存在すると前記判定部にて判断した場合に、このパーソナルコンピューター以外のパーソナルコンピューターにてパーソナルコンピューターが盗難されたことを報知させる制御部とを備えたことを特徴とする緊急通報システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−248635(P2011−248635A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−121269(P2010−121269)
【出願日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(591253593)株式会社ケアコム (493)
【Fターム(参考)】