説明

緑化植栽保護パネル

【課題】支持柱及び貯留槽を備えた緑化用植栽容器の場合、植栽面積を大にするため支持柱の断面積が小さくなっており、複雑な方向の荷重に十分対抗できない。また、培土の表面積が広くなるので水分の蒸発が活発となり、乾燥して植栽物が水分不足で枯死する危険性が高い。
【解決手段】本発明にかかる緑化植栽保護パネルの単位体は基盤部(1)と起立部(2)を備えている。該起立部(2)は側壁(3)及び天板(4)で囲まれた中空部(5)を有している。該側壁(3)にスリット(6)が穿たれ、該中空部(5)に保水性及び吸水性のある内部培土が収容される。そして、該単位体の複数個が該基盤部(1)の外端面で一体となって各起立部(2)間に植栽空間(S)を現出している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は緑化植栽保護パネルに関し、パネルの植栽空間に植えた植栽物を踏み圧や乾燥から保護して良好な育成を果たせるようにするためのものである。
【背景技術】
【0002】
植栽物が直接的な平面荷重を受けないようにすると共に、植栽空間に植栽するようにした保護材は種々開発されている。そして、乾燥対策としてパネルの底を塞いで水分を貯留するようにしたものが、例えば特開2003−47346号公報に記載されている。
【特許文献1】特開2003−47346号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特開2003−47346号公報に示されたものは、緑化用植栽容器を連結することで建物屋上や駐車場でも連続して敷設でき、保水性と断熱効果を有する緑化に最適で安価な緑化用植栽容器に関しており、連結部を穿設した底部周面に複数個の貯留壁を立設して貯留槽を凹設形成し、接続リブで横架支承した植物保護用支持柱とを一体的に形成した栽培容器の各貯留槽内に水質調整材、人工軽量骨材から成る栽培土及びマルチング材を積層し、芝生等を植栽した緑化用植栽容器である。
【0004】
この緑化用植栽容器の場合、輪荷重等の垂直荷重を設置面に伝えるのは支持柱4や中間支持柱10で、例示されている1800mm規格寸法とした場合、支持柱や突起部の数を増やすという説明がないので、支持柱4と突起部21の間隔は約300mmとなり、靴底の縦横寸法やタイヤ幅より大きくなってしまう。この間隔で人が歩行すると靴底が支持柱から外れて貯留槽内に入り込み、車が走行するとタイヤがこの貯留槽内に入り込んでしまう。何れの場合も、貯留槽内に入れた培土は押し固められることになり、芝生等の良好な植栽は期待できない。
【0005】
人や車両が植栽容器上を通行しても植栽空間に入れた培土を押し固めることがないようにするためには、支持柱が荷重に耐えて挫屈しないこと、支持柱相互間を靴底や車輪が入り込まない間隔にすることが必要である。また、植栽植物の良好な生育を保証するためには植栽空間に対する補水を継続させることが必要となる。
【0006】
本発明は、基盤部から起立する起立部を中空部のある筒状として種々な方向の荷重に耐え、パネルに構成した場合に各起立部間に容積が大きくかつ排水孔を備えた植栽空間を現出させることにより、多量の外部培土を収容し、乾燥防止の機能の増加、枯損の防止、生育促進、根腐れの防止をはかり、起立部相互間の間隔を靴底や車輪の入り込まない寸法として踏み圧による外部培土の固化を防ぐことのできる緑化植栽保護パネルを提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、側壁にスリットを設け、かつ中空部に内部培土を収容しておくことにより、外部培土に植栽された植物の生育根を側壁のスリットを通して中空部内に導き、根張りに支障なくして成長を促進させ、更に側壁のスリットを通って侵入して来た根を内部培土に侵入させてそれに含まれる養分や水分を吸収させ、もって植物の生育を促進させることのできる緑化植栽保護パネルを提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、以下の説明により明らかとなろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る緑化植栽保護パネルの単位体は基盤部と起立部を備えている。該起立部は側壁及び天板で囲まれ下面が開放面となった中空部を有している。そして、該単位体の複数個が該基盤部の外端面で一体となって各起立部間に外部培土を入れる植栽空間を現出している。
【0008】
このパネルは単位体の複数個が連接した状態に構成されている。予め形成した単位体相互を接着するというより、複数の単位体を一体に成形して構成するのが一般的である。基盤部と起立部の構成材料は自由で、プラスチックが成形性、防錆、価格等の点で好ましいが、金属とすれば強度の面で有利となる。
【0009】
パネルは各単位体を、それぞれの起立部が同一面に位置するようにして連設して、構成され、起立部相互間には植栽空間となる窪みが現出している。
【0010】
このパネルを駐車場、屋上、路面等に敷設する。駐車場に敷設する場合は、敷設面のアスファルト等を撤去し、床掘りとその転圧を行う。土壌改良材及び砕石の攪拌物を敷き均して転圧する。本発明の緑化植栽保護パネルを、敷設面積に応じ、順次連結して敷設する。
【0011】
敷設されたパネルの上から外部培土を敷設する。外部培土は隣り合った起立部同士間の植栽空間に充填される。この外部培土に緑化用の植物を植え付ける。芝の場合は芝付土となる。潅水して日が経てば、植物は着床し、生育できる状態となる。
【0012】
撒水や降雨があると植栽空間内の外部培土が水を吸収して保水する。吸収しきれなくなった余分な水は中空部下面の開放面から排出される。従って、植栽植物が乾燥により枯死したり、水沒により根腐れを起こすことはない。
【0013】
歩行者や車両がパネルに載ると、天板部に荷重が掛かる。荷重は起立部から基盤部を通って設置面に伝えられ、起立部は挫屈を起こすことなく、その形状を維持する。従って、植栽空間に充填された外部培土や、この外部培土に植栽された植物に直接荷重が掛かることはなく、植生に何ら支障を生じない。
【0014】
該基盤部に排水孔が穿たれていてもよい。
こうすると、植栽空間内に収容し切れなくなった余分な水はこの排水孔を通って直に地面に流出することができる。
【0015】
該側壁にスリットが穿たれ、該中空部に内部培土が収容されていてもよい。
こうすると、外部培土に植栽された植栽物が生育してその根が張り出したとき、その一部が側壁のスリットを通って中空部に侵入するので根張りに支障がなく、侵入した根は中空部に収まっている内部培土に侵入し、この内部培土から栄養分や水分を吸収して成長を促進する。
【0016】
該天板に通気孔が穿たれていてもよい。
こうすると、外部培土内部がスリットを通して中空部内と連通し、この中空部内が通気孔を通して大気と連通するので、外部培土内の換気が行われ、植生の活性化に役立つ。また、撒水や降雨等による水はこの通気孔を通って中空部に入り込み、内部培土に吸収されるので、折角供給された水を無駄に流下させずに補水目的に供することができる。
【0017】
該植栽空間に装填される該外部培土は保水性のある弾力マットで構成されていてもよい。
こうすると、起立部相互間に自転車やバイク等の車輪やハイヒールの踵等がめりこんだとき外部培土が一時的に縮むが、それらが移動後はもとの大きさに戻るので、一般の土のように凹んだまま戻らずに凹凸が出来て歩きづらくなったり、土が締め固められて芝生等の生育が悪くなる恐れがなく、素材の選択が容易で、加工もし易い。
なお、この保水性のある弾力マットとして、例えば発泡ウレタン又はスポンジが挙げられる。
【0018】
該内部培土は高分子保水材入りウレタンマット、ロックウールのブロック、粉体、粒体、パーライトの内の一つであってもよい。
こうすると、保水効果が大きいので、長期にわたる補水が可能となる。
【0019】
該内部培土はブロック体に成形されて該起立部の内壁面に添着されていてもよい。
こうすると、内部培土の取扱が容易となり、殊に粉体や粒体の場合の効果が顕著である。
【0020】
該内部培土は粉体又は粒体で、透水性の密閉容器に収容された状態で該起立部の内壁面に添着されていてもよい。ここでいう透水性の密閉容器には、薄い不織布やガーゼのような薄い布で出来た袋、紙袋が包含されるものとする。
こうすると、粉体や粒体をそのまま容器に収容して中空部に収納できるので、成型したりする手間を省け、水分は容器の内外へその壁面を通して浸透できる。
【0021】
該内部培土は該起立部の該内壁面から該中空部に突き出た爪により、該中空部内に抑止されていてもよい。
こうすると、内部培土を中空部内に押し込むだけでその外周面の一部が爪と係合し、その脱出が阻止される。
【0022】
該内部培土は該中空部の開放面を覆って該基盤部に張設した被覆材により、該中空部内に定置されてもよい。
こうすると、内部培土を中空部に安定して定置でき、運搬の際に脱落したりしない。
【0023】
該被覆材は透根、透水性の不織布や生分解性の布又は紙のうちの一つであってもよい。
こうすると、緑化パネルの設置時に、その都度被覆材を剥がす必要がなく、作業が効率よく行え、コスト低減にも役立つ。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、単位体は基盤部と起立部を備え、該起立部は側壁及び天板で囲まれ下面が開放面となった中空部を有し、該単位体の複数個が該基盤部の外端面で一体となって各起立部間に外部培土を入れる植栽空間を現出しているので、撒水や降雨があると植栽空間内の外部培土が水を吸収して保水し、吸収しきれなくなった余分な水は開放面から排出され、従って、植栽植物が乾燥により枯死したり、水没により根腐れを起こすことはない。
また、歩行者や車両がパネルに載ると、天板部に荷重が掛かる。荷重は起立部から基盤部を通って設置面に伝えられ、起立部は挫屈を起こすことなく、その形状を維持する。従って、植栽空間に充填された外部培土や、この外部培土に植栽された植物に直接荷重が掛かることはなく、植生に何ら支障を生じない。
【0025】
請求項2によれば、該基盤部に排水孔が穿たれているので、植栽空間内に収容し切れなくなった余分な水はこの排水孔を通って直に地面に流出することができる。
【0026】
請求項3によれば、側壁にスリットが穿たれ、起立部の中空部に保水性及び吸水性のある内部培土が収容されているので、この内部培土に貯水機能を持たせることができ、外部培土中で生長した根系がスリットを通ってこの内部培土に侵入し、そこに蓄えられた水分や養分を吸収でき、植物の成長促進を課せる。
【0027】
請求項4によれば、該天板に通気孔が穿たれているので、外部培土内部がスリットを通して中空部内と連通し、この中空部内が通気孔を通して大気と連通し、外部培土内の換気が行われ、植生の活性化に役立つ。また、撒水や降雨等による水はこの通気孔を通って中空部に入り込み、植物育成助材に吸収されるので、折角供給された水を無駄に流下させずに補水目的に供することができる。
【0028】
請求項5によれば、該植栽空間に装填される該外部培土は保水性のある弾力性マットで構成されているので、起立部相互間に自転車やバイク等の車輪、ハイヒールの踵等が嵌りこんだとき培土が一時的に縮むが、それらが移動した後にもとの大きさに戻り、一般の土のように凹んだまま戻らずに凹凸が出来て歩きずらくなったり、土が締め固められて芝生等の生育が悪くなる恐れがなく、素材の選択が容易で、加工もし易い。
【0029】
請求項6によれば、該内部培土は高分子保水材入りウレタンマット、ロックウールのブロック、粉体、粒体、パーライトの内の一つであるので、保水効果が大きく、長期にわたる補水が可能となる。
【0030】
請求項7によれば、該内部培土はブロック体に成型されて該起立部の内壁面に添着されているので、内部培土の取扱が容易となり、殊に粉体や粒体の場合の効果が顕著である。
【0031】
請求項8によれば、該内部培土は粉体又は粒体で、透水性の密閉容器に収容された状態で該起立部の内壁面に添着されているので、粉体や粒体をそのまま容器に収容して中空部に収納できるので、成形したりする手間を省け、水分は容器の内外へその壁面を通して浸透できる。
【0032】
請求項9によれば、該内部培土は該起立部の該内壁面から該中空部に突き出た爪により、該中空部内に抑止されているので、内部培土を中空部内に押し込むだけでその外周面の一部が爪と係合し、その脱出が阻止される。
【0033】
請求項10によれば、該内部培土は、該中空部の開放面を覆って該基盤部に張設した被覆材により該中空部内に定置されるので、内部培土を中空部に安定して定置でき、運搬の際に脱落したりしない。
【0034】
請求項11によれば、該被覆材は透根、透水性の不織布や生分解性の布又は紙のうちの一つであるので、緑化パネルの設置時に、その都度被覆材を剥がす必要がなく、作業が効率よく行え、コスト低減にも役立つ。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
図1は本発明に係る緑化植栽保護パネルの具体例を示す正面図で、植栽空間を右から左へ順に、通常の培土による植栽、伸縮性かつ保水性の培土による植栽、伸縮性かつ保水性の培土による植栽で自転車の車輪が植栽空間に入り込んで培土が圧縮されている各状態を示してある。図2は平面図、図3は単位体の断面図、図4はブロック状に成形した内部培土の一例の正面図、図5は容器に収容した内部培土の一例を、容器を切断して示す正面図である。
【0036】
21は単位体で、基盤部1と起立部2を備えている。この起立部2は側壁3及び天板4で囲まれた中空部5を有している。このような構成の単位体21の複数個が基盤部1の外端面で一体となって各起立部2間に植栽空間Sを現出している。
【0037】
内部培土7としては発泡体が好ましい。保水性が高まり、夏期の乾燥時でも無潅水で枯れないように維持できるからである。発泡体が高分子保水材入りウレタンマット、ロックウールのブロックや粒体、パーライトのようなものの場合、保水性が極めて高く、植栽植物は外気の長期の乾燥にも十分耐えられる。
【0038】
このパネルは単位体21の複数個が連接した状態に構成されている。基盤部1と起立部2の構成材料は自由で、プラスチックが成形性、防錆、価格等の点で好ましいが、金属とすれば強度の面で有利となる。
【0039】
各起立部2の中空部5には内部培土7が収まっており、各単位体21の起立部2相互間には植栽空間Sとなる窪みが現出している。
【0040】
1例として、このパネルを駐車場に敷設する場合、敷設面のアスファルト等を撤去し、床掘りとその転圧を行う。土壌改良材及び砕石の攪拌物を敷き均して転圧する。本発明の緑化植栽保護パネルを、敷設面積に応じ、順次連結して敷設する。
パネルの植栽空間Sに外部培土14を入れ込み、この外部培土に緑化用の植栽物Pを植え付ける。芝の場合は芝付土となる。潅水して日が経てば、植物は着床し、生育できる状態となる。
【0041】
撒水や降雨があって植栽空間S内の外部培土14が水を吸収しきれなくなると、余分な水は中空部5の下面の開放面5'から地面に流出する。
【0042】
歩行者や車両がパネルに載ると、天板4に荷重が掛かる。荷重は起立部2から基盤部1を通って設置面に伝えられ、起立部2は挫屈を起こすことなく、その形状を維持する。従って、植栽空間Sに充填された外部培土14や、この外部培土14に植栽された植栽物Pに直接荷重が掛かることはなく、植生に何ら支障を生じない。
【0043】
各単位体21の起立部2相互間の横方向や斜め方向の間隔は、例えば、各単位体21の縦横の等間隔配置の場合、対角112mm以下が好ましい。
【0044】
単位体21の数は、製造上や取扱上の問題も考慮して適当な数に決める。また、このパネルは側面に連結用の舌片31と舌片受け32を備え、舌片受け32の突起33を舌片31の係合孔34を係合させることにより、通常のパネルと同様に、平面上で連結展開できる。このようなパネルの外周縁に起立壁35を形成すると、パネル自体の補強にもなり、パネル相互の接続もし易くなる。
【0045】
基盤部1に排水孔35が穿たれている。
この場合、植栽空間S内で収容し切れなくなった余分な水はこの排水孔35を通って直に地面に流出することができる。
【0046】
側壁3にスリット6が穿たれ、中空部5に保水性及び吸水性のある内部培土7が収容されている。
この場合、外部培土14に植栽された植栽物Pが生育してその根が張り出したとき、その一部が側壁3のスリット6を通って中空部5に侵入するので根張りに支障がなく、侵入した根は中空部5に収まっている内部培土7に侵入し、この内部培土7から栄養分や水分を吸収して成長を促進する。
【0047】
天板4に通気孔8が穿たれている。
この場合、外部培土14の内部がスリット6を通して中空部5内と連通し、この中空部5内が通気孔8を通して大気と連通するので、単位体21内外の温度変化に追随してこの通気孔8を通し内外の空気の流通を生じさせ、内部温度の過度の上昇や下降を防ぎ、外部培土14内への空気の進入をし易くして植栽物Pの成長の促進に寄与できる。また、撒水や降雨等による水はこの通気孔8を通って中空部5に入り込み、植物育成助材7に吸収されるので、折角供給された水を無駄に流下させずに補水目的に供することができる。
【0048】
植栽空間Sに装填される外部培土14は保水性のある弾力性マットで構成されている。
この場合、起立部2相互間に自転車やバイク等の車輪Cやハイヒールの踵等がめりこんだとき外部培土が一時的に縮むが、それらが移動後はもとの大きさに戻るので、一般の土のように凹んだまま戻らずに凹凸が出来て歩きずらくなったり、土が締め固められて芝生等の生育が悪くなる恐れがなく、素材の選択が容易で、加工もし易い。
なお、この保水性のある弾力マットとして、例えば発泡ウレタン又はスポンジが挙げられる。
【0049】
内部培土7は高分子保水材入りウレタンマット、ロックウールのブロック、粉体、粒体、パーライトの内の一つとなっている。
この場合、保水効果が大きいので、長期にわたる補水が可能となる。
【0050】
内部培土7はブロック体9に成型されて起立部2の内壁面10に添着されている。
この場合、植物育成助材7の取扱が容易となり、殊に粉体や粒体の場合の効果が顕著である。
【0051】
内部培土7は粉体及び粒体11で、透水性の密閉容器12に収容された状態で起立部2の内壁面10に添着されている。
この場合、粉体や粒体をそのまま密閉容器12に収容して中空部5に収納できるので、成型したりする手間を省け、水分は密閉容器12の内外へその壁面を通して浸透できる。
【0052】
内部培土7は起立部2の内壁面10から中空部5に突き出た爪13により、中空部5内に抑止されている。
この場合、植物育成助材7を中空部5内に押し込むだけでその外周面の一部が爪13と係合し、その脱出が阻止される。
【0053】
内部培土7は、中空部5の開放面5'を覆って基盤部1に張設した被覆材15により、該中空部5内に定置される。
この場合、内部培土を中空部に安定して定置でき、運搬の際に脱落したりしない。
【0054】
被覆材15は透根、透水性の不織布や生分解性の布又は紙のうちの一つである。
この場合、緑化パネルの設置時に、その都度被覆材15を剥がす必要がなく、作業が効率よく行え、コスト低減にも役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明にかかる緑化保護パネルの具体例を、一部使用状態で示す正面図である。
【図2】平面図である。
【図3】単位体の断面図である。
【図4】ブロック状に成型した内部培土の一例の正面図である。
【図5】容器に収容した内部培土の一例を、容器を切断して示す正面図である。
【符号の説明】
【0056】
1 基盤部
2 起立部
3 側壁
4 天板
5 中空部
5' 開放面
6 スリット
7 内部培土
8 通気孔
9 ブロック
10 内壁面
11 粉体又は粒体
12 密閉容器
13 爪
14 外部培土
15 被覆材
S 植栽空間
P 植栽物
C 車輪
31 舌片
32 舌片受け
33 突起
34 係合孔
35 排水孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単位体(21)は基盤部(1)と起立部(2)を備え、
該起立部(2)は側壁(3)及び天板(4)で囲まれ下面が開放面(5')となった中空部(5)を有し、
該単位体(21)の複数個が該基盤部(1)の外端面で一体となって各起立部(2)間に外部培土(14)を入れる植栽空間(S)を現出している
ことを特徴とする緑化植栽保護パネル。
【請求項2】
該基盤部(1)に排水孔(35)が穿たれている請求項1に記載の緑化植栽保護パネル。
【請求項3】
該側壁(3)にスリット(6)が穿たれ、該中空部(5)に内部培土(7)が収容されている請求項1又は2に記載の緑化植栽保護パネル。
【請求項4】
該天板(4)に通気孔(8)が穿たれている請求項1、2又は3に記載の緑化植栽保護パネル。
【請求項5】
該植栽空間(S)に装填される該外部培土(14)は保水性のある弾力性マットで構成されている請求項1、2、3又は4に記載の緑化植栽保護パネル。
【請求項6】
該内部培土(7)は高分子保水材入りウレタンマット、ロックウールのブロック、粉体、粒体、パーライトの内の一つである請求項3に記載の緑化植栽保護パネル。
【請求項7】
該内部培土(7)はブロック体(9)に成形されて該起立部(2)の内壁面(10)に添着されている請求項3又は6に記載の緑化植栽保護パネル。
【請求項8】
該内部培土(7)は粉体又は粒体(11)で、透水性の密閉容器(12)に収容された状態で該起立部(2)の内壁面(10)に添着されている請求項3に記載の緑化植栽保護パネル。
【請求項9】
該内部培土(7)は該起立部(2)の該内壁面(10)から該中空部(5)に突き出た爪(13)により、該中空部(5)内に抑止されている請求項7又は8に記載の緑化植栽保護パネル。
【請求項10】
該内部培土(7)は、該中空部(5)の開放面(5')を覆って該基盤部(1)に張設した被覆材(15)により、該中空部(5)内に定置される請求項3、6、7、8又は9に記載の緑化植栽保護パネル。
【請求項11】
該被覆材(15)は透根、透水性の不織布や生分解性の布又は紙のうちの一つである請求項10に記載の緑化植栽保護パネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−112208(P2009−112208A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−285958(P2007−285958)
【出願日】平成19年11月2日(2007.11.2)
【出願人】(300013258)大島造園土木株式会社 (10)
【Fターム(参考)】