緑化面用材
【課題】ケースの大きさ及び配置が緑化ユニット設置枠により規制されるもの、緑化基盤の植生緑化面に所定間隔で根鉢を植生するための植付穴が設けるものは、植生配置の自由度がない。容器ユニットを保持体の縦フレーム及び横フレーム間に形成される桝目ごとに設置するものは容器ユニットの配置の自由度はあるが、容器ユニットの構成が複雑で、保持体も前面部と後面部に容器ユニットの凹状の掛止部を掛止する横フレームを架着する必要があり、保持体自身の構成も複雑となっている。
【解決手段】本発明にかかる緑化面用材は、保水性基盤材(1)の一面に支持部材(2)が配設される。そして、該支持部材(2)に植栽用のカゴ(3)が支持されるようになっている。
【解決手段】本発明にかかる緑化面用材は、保水性基盤材(1)の一面に支持部材(2)が配設される。そして、該支持部材(2)に植栽用のカゴ(3)が支持されるようになっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は緑化面用材に関し、保水性基盤材の一面に配設した支持部材に独立したカゴを支持させ、このカゴに植栽するようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
これまでの基盤造成型壁面緑化では、定められた場所に位置する同じ規格の植栽スペースに植物を植栽するものが多く、それ故に使用可能な植物も限定され、デザインが単調になりやすかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許文献1(特開2002−335765号公報)には、要約すると次の事項が開示されている。
(段落0005:4行以下)上面に開口する入水口21および下面に開口する排水口22を有するケース2と、このケース2内に収容した培養土を含む植栽材3と、この植栽材3に植栽され前記ケース2の外側面に露出する緑化植物4、4、…を備えている(壁面緑化ユニット1)。
(段落0038:3行以下)壁面緑化ユニット1、1…を、建造物外壁面Wに予め施工した緑化ユニット設置枠6に、それぞれの排水口22が入水口21と接続するように、順次差し込んで設置することにより壁面緑化を行う。
【0004】
特許文献2(特開2003−160938号公報)の「要約」には次の事項が開示されている。
(課題)傾斜面又は垂直面を緑化する場合に、根部の腐食による植物のはがれを防ぎ、雨、風、揺れ等による根鉢の土のこぼれを防止して安定した植生を維持する…。
(解決手段)傾斜又は垂直をなす緑化基盤1の植生緑化面2aに、所定間隔で根鉢8を植生するための植付穴5が設けられ、それぞれの植付穴5は、植生緑化面2aを傾斜状又は垂直状に設けた際に、根鉢8が上向きあるいは斜め上向きに植生される勾配部2bを有する緑化基盤1を形成して、傾斜状又は垂直状の取り付け面10に取付ける。
【0005】
特許文献3(特開2009−171953号公報)には次の事項が開示されている。
(段落0066)図13及び図14に示すように、保持体34の縦フレーム36及び横フレーム37間に形成される各枡目に容器ユニット20が配置されるように、多数の容器ユニット20を保持体34に設置する。この場合、図15に示すように、前面部38と後面部39の横フレーム37の部分に、容器ユニット本体1の凹状の掛止部28、29を掛止することで、容器ユニット20を保持体34に設置することができる。
【0006】
【特許文献1】特開2002−335765号公報
【特許文献2】特開2003−160938号公報
【特許文献3】特開2009−171953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の発明は、ケース2の大きさ及び配置は緑化ユニット設置枠6により規制され、それぞれ自由度がない。
【0008】
特許文献2に記載の発明は、緑化基盤1の植生緑化面2aに所定間隔で根鉢8を植生するための植付穴5を設けるもので、植付穴5の位置即ち植物の植付位置は予め特定されており、これも自由度がない。
【0009】
特許文献3に記載の発明は、容器ユニット20を保持体34の縦フレーム36及び横フレーム37間に形成される各枡目に設置するものである。容器ユニット20の配置の自由度はあるが、容器ユニット20の構成が複雑で、保持体34も容器ユニット20の凹状の掛止部28、29を掛止する横フレーム37を前面部38と後面部39に架着する必要があり、これも複雑となっている。構造が複雑で、しかも容器ユニット20の架着作業が厄介となっている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(請求項1) 本発明にかかる緑化面用材は、保水性基盤材の一面に支持部材が配設される。そして、該支持部材に植栽用のカゴが支持されるようになっている。
【0011】
緑化面は建物の壁、塀、法面等いろいろで、緑化を必要とされている面である。植栽は独立したカゴを使用するため、各種の寸法のカゴを用意することにより、植栽する植物の種類に適したカゴを採用でき、また、このカゴは保水性基盤材の一面に配設した支持部材に支持させるので、支持部材の位置に応じカゴを自由に、しかも該一面側で配置できる。従って、カゴの配置替えも容易で、植物の植え替え作業はカゴごと交換するか、又はカゴはそのままにして植物のみ交換すればよく、維持管理が容易である。市販のポット苗を現場で導入することもでき、この場合、圃場での養生期間を要しないため、設置に先立ってデザイン・植栽を行う必要がない。
【0012】
緑化面全体に保水性基盤ユニットを取りつけた後、購入した植物の大きさや表裏の向きなど、周囲の建物や上下左右の植物のバランスを見ながら配植することができるため、デザインの自由度が高い。これまでの基盤造成型壁面緑化では、定められた場所に位置する同じ規格の植栽スペースに植物を植栽するものが多く、それ故に使用可能な植物も限定され、デザインが単調になりやすかった課題が解決されている。
【0013】
(請求項2)該支持部材には該カゴの取付壁部の底部と対向する部分に、該保水性基盤材から該カゴへの通水と、該カゴ内に植栽した植物の根系を該保水性基盤材内へ伸長させるための通路が設けられていてもよい。
【0014】
(請求項3)該支持部材はプラスチック又は金属製のメッシュで、その目が該カゴの取付脚部の挿通に供されるようになっていてもよい。
【0015】
(請求項4)該支持部材は帯状物の複数本で該保水性基盤材の立設状態で水平方向に平行に位置し、該帯状物はその長手方向に間隔をおいて該保水性基盤材との一体化部を備え、該一体化部間が該カゴの該脚部の挿通に供用されるようになっていてもよい。
【0016】
(請求項5)該帯状物はシートベルトの転用物であってもよい。
【0017】
(請求項6)該通路には通水透根性資材が挿通されていてもよい。該通水透根性資材を該保水性基盤材から該カゴにかけて下り勾配の配置とすると、雨水や灌水を該保水性基盤材から該カゴに誘導し易くなって望ましい。
【0018】
(請求項7)該通水透根性資材は、樋状部材にウレタン、不織布等の多孔質材を充填して出来ていてもよい。
【0019】
(請求項8)該保水性基盤材は自立性を有しており、立設状態の上端部と下端部に、緑化面に上下方向に間隔を保って水平に並設された懸架部材のそれぞれと協働する被懸架部材を備えていてもよい。
【0020】
(請求項9)該保水性基盤材は非自立性で枠により自立性を与えられており、該枠は立設状態の上端部と下端部に、緑化面に上下方向に間隔を保って水平に並設された懸架部材のそれぞれと協働する被懸架部材を備えていてもよい。
【0021】
(請求項10)該懸架部材は溝型レールで、該被懸架部材はフックとなっており、該溝型レールは各一方の袖片を該緑化面に取り付けられ、各他方の袖片は上側のフックの掛合用であると共に保水性基盤材を上下に配列した場合に上位の保水性基盤材の下側のフックの係合にも供用されるようになっていてもよい。
【0022】
(請求項11)該フックは基材の相対する側縁の互いに反対側の端部から該基材の同じ面側へ張出していてもよい。
【0023】
(請求項12)該保水性基盤材の少なくとも該一面に不織布が配設され、該支持部材は該不織布を介して該保水性基盤材に配設されていてもよい。
【0024】
(請求項13)該カゴは骨枠と該骨枠を覆う不織布で構成され、該骨枠の一部は露出して該支持部材に対する取付脚部となっていてもよい。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る緑化面用材によれば、保水性基盤材の一面に支持部材が配設され、該支持部材に植栽用のカゴが支持されるようになっているので、植栽する植物の種類に適した各種の寸法のカゴを採用でき、カゴの配置替えも容易で、植物の植え替え作業はカゴごと交換するか又はカゴはそのままにして植物のみ交換すればよく維持管理が容易で、市販のポット苗を現場で導入すれば、圃場での養生期間を要しないため、設置に先立ってデザイン・植栽を行う必要がなく、緑化面全体に保水性基盤を取りつけた後でも、購入した植物の大きさや表裏の向き等を、周囲の建物や上下左右の植物のバランスを見ながら配植することができるため、デザインの自由度が高い。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明にかかる緑化面用材の具体例を使用状態で示す正面図である。
【図2】同右側面図である。
【図3】本発明にかかる緑化面用材の別の具体例を使用状態で示す正面図である。
【図4】同右側面図である。
【図5】本発明にかかる緑化面用材の更に別の具体例を示す正面図である。
【図6】カゴの具体例を示す側面図である。
【図7】カゴが取り付いている部分の右側面図である。
【図8】カゴ3が取り付いている部分での通水透根性資材27と通路26との関連を示す部分切断面図で、支持部材2に通路26、カゴ3に通路26a、保水性基盤材1に通路26bが設けられている場合である。
【図9】同平面図で、通水透根性資材27の設置状態を示すために保水性基盤材1、支持部材2及びカゴ3の各一部が切断されている。
【図10】通水透根性資材27が2個設けられた場合である。
【図11】メッシュ24に設けられた通路26の一例であるスリット28を示す正面図である。
【図12】メッシュ24に設けられた通路26の別の例である生分解性膜29を示す正面図である。
【図13】カゴを懸架する別のやり方で使用される支持枠36とカゴ3’を示す斜面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照して、説明する。
(請求項1)図1及び図2で、保水性基盤材1はその一面11に支持部材2が配設される。そして、この支持部材2に植栽用のカゴ3が支持されるようになっている。
【0028】
この保水性基盤材1は緑化面4に沿って設けられる。緑化面4は建物の壁、塀、法面等いろいろで、緑化を必要とされている面である。植栽は独立したカゴ3を使用するため、各種の寸法のカゴを用意すれば、植栽する植物Pの種類に適合させることができる。
【0029】
また、このカゴ3は保水性基盤材1の一面11に配設した支持部材2に支持させるので、支持部材2の位置に応じてカゴ3を自由に配置できる。従って、カゴ3の配置替えも容易で、植物Pの植え替え作業はカゴ3ごと交換するか、又はカゴ3はそのままにして植物Pのみを交換すればよく、維持管理が容易である。市販のポット苗を現場で導入すれば圃場での養生期間を要しないため、設置に先立ってデザイン・植栽を行う必要がない。
【0030】
緑化面4に保水性基盤材1を取り付けた後で購入した植物Pの大きさや表裏等、周囲の建物や上下左右の植物のバランスを見ながら配植することができるため、デザインの自由度が高い。従来の基盤造成型壁面緑化では、定められた場所に位置する同じ規格の植栽スペースに植物を植栽するものが多く、使用可能な植物も限定され、デザインが単調になりやすかった課題も解決されている。
【0031】
(請求項2)図6と図7で、少なくとも支持部材2にはカゴ3の取付壁部31の底部32と対向する部分に、保水性基盤材1からこのカゴ3への通水と、カゴ3内に植栽した植物Pの根系を保水性基盤材1内へ伸長させるための通路26が設けられている。
この場合、保水性基盤材1内を流下する雨水や灌水を、通路26を通してカゴ3内へ浸透させることができ、カゴ3内の植生基材Mに植え込んだ植物Pが成長してその根系が張り出しても、この通路26を通って保水性基盤材1内へ自由に伸長させられる。これらの図面では取付壁部31と保水性基盤材1との間に隙間が見られるが、実際はほとんど接触状態で、通水や根系の張出は可能となる。
【0032】
通路26は図11に示すようにスリット28としてもよく、又は、図12のように生分解性膜29で被覆して、植生初期の段階でカゴ3に入れた植生基材Mが漏出するのを防ぎ、時間の経過による生分解性膜29の分解に伴って徐々に通水や根系の伸張をなすようにしてもよい。
【0033】
(請求項3)図5で、支持部材2はプラスチック又は金属製のメッシュ24で、その目25がカゴ3の取付脚部33の挿通に供されるようになっている。
この場合、メッシュ24の目25の選択使用で、予め定まった場所ではない任意の場所にカゴ3を引っ掛けて設置することができ、植栽配置の自由度を上げられる。
【0034】
(請求項4)図1〜図4で、支持部材2は帯状物21の複数本で保水性基盤材1の立設状態で水平方向に平行に位置し、帯状物21はその長手方向に間隔をおいて保水性基盤材1との一体化部22を備え、これらの一体化部22間がカゴ3の取付脚部33の挿通に供用されるようになっている。
この場合、カゴ3の配置位置や数を自在にでき、サイズの異なるカゴ3の採用も自由なので導入可能な根鉢の適応範囲が広がり、大きなカゴ3の場合は複数の植物Pの向きを変えて植栽するなど、配植やデザインの自由度が高く、カゴ3の数を多くすることにより緻密な緑化面を提供できる。なお、帯状物21は上下方向に間隔を保って、又は間隔なしに位置させてもよい。
【0035】
(請求項5)帯状物21はシートベルト23の転用物となっている。
この場合、シートベルト23は強度が十分なのでカゴ3の重量が大きくなっても切断せず、耐久性に優れるので長期にわたって供用可能で、非伸張性なのでカゴ3の重量により垂れ下がることもなく、シートベルト23自体も生産余剰品や廃物の利用が可能となる。
【0036】
(請求項6)図8〜図10で、通路26には通水透根性資材27が挿通されている。
この場合、通水や根系の張出がこの通水透根性資材27を介して容易かつ確実に行われる。図示の例では、カゴ3の底部32に通路26aが設けられ、保水性基盤材1に通路26bが設けられているが、こうすると通水透根性資材27の挿通が一層し易くなる。
【0037】
(請求項7)通水透根性資材27は、樋状部材27aにウレタン、不織布等の多孔質材27bを充填して出来ている。
この場合、通水透根性資材27は樋状部材27aにより保形され、通路26、26a、26b等に挿通する作業が楽で、水や根系は多孔質材27bの内部を通って反対側へ容易に移動できる。
【0038】
(請求項8)図1及び図2で、保水性基盤材1は自立性を有しており、立設状態の上端部と下端部に、緑化面4に上下方向に間隔を保って水平に並設された懸架部材5のそれぞれと協働する被懸架部材6を備えている。
この場合、上端部の懸架部材6を上側の懸架部材5と協働させ、下端部の被懸架部材6を下側の懸架部材5と協働させるだけで、保水性基盤材1を緑化面4に配設でき、構造を簡単にできる。保水性基盤材1はプレス成型が一般的であるが、型による流し込み成形でもよい。
【0039】
(請求項9)図3及び図4で、保水性基盤材1は非自立性で枠7により自立性を与えられており、この枠7は立設状態の上端部と下端部に、緑化面4に上下方向に間隔を保って水平に並設された懸架部材5のそれぞれと協働する被懸架部材6を備えている。
この場合、保水性基盤材1に柔らかいものを採用しても枠7により保形され、保水量の確保も容易で、上端部と下端部の被懸架部材6を上下の懸架部材5と協働させるだけで枠7、従って保水性基盤材1を緑化面4に配設でき、保水性基盤材1の緑化面4に対する配設が一層安定する。
【0040】
保水性基盤材1は枠7内の空間に嵌め込むだけでもよいが、ずれ下がりの恐れのある場合は、保水性基盤材1と枠7を適当な箇所で結束し、また枠7の底面の開口が広い場合は、保水性基盤材1の脱落をアングルLや棒材で塞げばよい。
【0041】
なお、枠7が、前枠部71と後枠部72を連結部材73で一体化して構成されるものの場合は、保水性基盤材1の厚みT(図2参照)を前枠部71と後枠部72間の内寸t(図4参照)より少し大きくし、又はその外寸W(図1参照)を前枠部71又は後枠部72の内寸w(図3参照)より少し大きくして、前枠部71と後枠部72間に配し、前枠部71と後枠部72を連結部材73で一体化すれば、保水性基盤材1は前枠部71と後枠部72に圧止される。上側や下側の被懸架部材6は後枠部72に設けられる。
【0042】
(請求項10)図1〜図5で、懸架部材5は溝型レール51で、被懸架部材6はフック61となっており、この溝型レール51は各一方の袖片52を緑化面4に取り付けられ、各他方の袖片53は上側のフック61の掛合用であると共に保水性基盤材1を上下に配列した場合に上位の保水性基盤材1の下側のフック61の係合にも供用されるようになっている。
この場合、保水性基盤材1の緑化面4への配設を、上側の溝型レール51の他方の袖片53に上側のフック61を掛合し、下側の溝型レール51の他方の袖片53に下側のフック61を係合させるだけで行え、保水性基盤材1は上下の溝型レール51、51間に保定されるので、風圧や振動を受けても簡単には外れず、安定する。
【0043】
(請求項11)フック61は基材62の相対する側縁の互いに反対側の端部からこの基材62の同じ面側へ張出している。
この場合、フック61を保水性基盤材1や枠7に取付けるのが容易で、上側と下側のフック61は互いに位相がずれているので、保水性基盤材1を上下に連続して配置しても、フック61同士が干渉せず、整列配置が可能となる。
【0044】
(請求項12)図4で、保水性基盤材1の少なくとも一面11に不織布8が配設され、支持部材2はこの不織布8を介して保水性基盤材1に配設されている。
この場合、保水性基盤材1が支持部材2の取付けに安定性を欠く材質の場合でも、不織布8が補強の役目を果たし、支持部材2が保水性基盤材1から外れたり、脱落する恐れがなく、透水性、親水性に優れる不織布8を採用することにより、植生上の支障も除ける。
【0045】
(請求項13)図6及び図7で、カゴ3は骨枠34とこの骨枠34を覆う不織布35で構成され、この骨枠34一部は露出して支持部材2に対する取付脚部33となっている。
この場合、カゴ3の重量は軽く、しかも強度は十分で、その取付脚部33の支持部材2に対する着脱を自由にできる。
なお、図13は、カゴを支持部材2に懸架する別のやり方で使用される支持枠36を示してある。この場合、カゴ3’には取付脚部を設けず、支持枠36に取付脚部33’を設ける。この支持枠36にカゴ3’収容し、この支持枠36を取付脚部33’で支持部材2に懸架する。勿論、先に支持枠36を支持部材2に懸架し、この支持部材2にカゴ3’を入れ込んでもよい。このやり方は、通常の大きさのカゴにも適用できるが、重量が重くなる大きなカゴの場合に好適である。
【符号の説明】
【0046】
1 保水性基盤材
2 支持部材
21 帯状物
22 一体化部
23 シートベルト
24 メッシュ
25 目
26、26a、26b 通路
27 通水透根性資材
27a 樋状部材
27b 多孔質材
28 スリット
29 生分解性膜
3、3’ カゴ
31 取付壁部
32 底部
33、33’ 取付脚部
34 骨枠
35 不織布
36 支持枠
4 緑化面
5 懸架部材
51 溝型レール
52 一方の袖片
53 他方の袖片
6 被懸架部材
61 フック
62 基材
7 枠
71 前枠部
72 後枠部
73 連結部材
T 厚み
t 内寸
W 外寸
w 内寸
8 不織布
P 植物
L アングル
M 植生基材
【技術分野】
【0001】
本発明は緑化面用材に関し、保水性基盤材の一面に配設した支持部材に独立したカゴを支持させ、このカゴに植栽するようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
これまでの基盤造成型壁面緑化では、定められた場所に位置する同じ規格の植栽スペースに植物を植栽するものが多く、それ故に使用可能な植物も限定され、デザインが単調になりやすかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許文献1(特開2002−335765号公報)には、要約すると次の事項が開示されている。
(段落0005:4行以下)上面に開口する入水口21および下面に開口する排水口22を有するケース2と、このケース2内に収容した培養土を含む植栽材3と、この植栽材3に植栽され前記ケース2の外側面に露出する緑化植物4、4、…を備えている(壁面緑化ユニット1)。
(段落0038:3行以下)壁面緑化ユニット1、1…を、建造物外壁面Wに予め施工した緑化ユニット設置枠6に、それぞれの排水口22が入水口21と接続するように、順次差し込んで設置することにより壁面緑化を行う。
【0004】
特許文献2(特開2003−160938号公報)の「要約」には次の事項が開示されている。
(課題)傾斜面又は垂直面を緑化する場合に、根部の腐食による植物のはがれを防ぎ、雨、風、揺れ等による根鉢の土のこぼれを防止して安定した植生を維持する…。
(解決手段)傾斜又は垂直をなす緑化基盤1の植生緑化面2aに、所定間隔で根鉢8を植生するための植付穴5が設けられ、それぞれの植付穴5は、植生緑化面2aを傾斜状又は垂直状に設けた際に、根鉢8が上向きあるいは斜め上向きに植生される勾配部2bを有する緑化基盤1を形成して、傾斜状又は垂直状の取り付け面10に取付ける。
【0005】
特許文献3(特開2009−171953号公報)には次の事項が開示されている。
(段落0066)図13及び図14に示すように、保持体34の縦フレーム36及び横フレーム37間に形成される各枡目に容器ユニット20が配置されるように、多数の容器ユニット20を保持体34に設置する。この場合、図15に示すように、前面部38と後面部39の横フレーム37の部分に、容器ユニット本体1の凹状の掛止部28、29を掛止することで、容器ユニット20を保持体34に設置することができる。
【0006】
【特許文献1】特開2002−335765号公報
【特許文献2】特開2003−160938号公報
【特許文献3】特開2009−171953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の発明は、ケース2の大きさ及び配置は緑化ユニット設置枠6により規制され、それぞれ自由度がない。
【0008】
特許文献2に記載の発明は、緑化基盤1の植生緑化面2aに所定間隔で根鉢8を植生するための植付穴5を設けるもので、植付穴5の位置即ち植物の植付位置は予め特定されており、これも自由度がない。
【0009】
特許文献3に記載の発明は、容器ユニット20を保持体34の縦フレーム36及び横フレーム37間に形成される各枡目に設置するものである。容器ユニット20の配置の自由度はあるが、容器ユニット20の構成が複雑で、保持体34も容器ユニット20の凹状の掛止部28、29を掛止する横フレーム37を前面部38と後面部39に架着する必要があり、これも複雑となっている。構造が複雑で、しかも容器ユニット20の架着作業が厄介となっている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(請求項1) 本発明にかかる緑化面用材は、保水性基盤材の一面に支持部材が配設される。そして、該支持部材に植栽用のカゴが支持されるようになっている。
【0011】
緑化面は建物の壁、塀、法面等いろいろで、緑化を必要とされている面である。植栽は独立したカゴを使用するため、各種の寸法のカゴを用意することにより、植栽する植物の種類に適したカゴを採用でき、また、このカゴは保水性基盤材の一面に配設した支持部材に支持させるので、支持部材の位置に応じカゴを自由に、しかも該一面側で配置できる。従って、カゴの配置替えも容易で、植物の植え替え作業はカゴごと交換するか、又はカゴはそのままにして植物のみ交換すればよく、維持管理が容易である。市販のポット苗を現場で導入することもでき、この場合、圃場での養生期間を要しないため、設置に先立ってデザイン・植栽を行う必要がない。
【0012】
緑化面全体に保水性基盤ユニットを取りつけた後、購入した植物の大きさや表裏の向きなど、周囲の建物や上下左右の植物のバランスを見ながら配植することができるため、デザインの自由度が高い。これまでの基盤造成型壁面緑化では、定められた場所に位置する同じ規格の植栽スペースに植物を植栽するものが多く、それ故に使用可能な植物も限定され、デザインが単調になりやすかった課題が解決されている。
【0013】
(請求項2)該支持部材には該カゴの取付壁部の底部と対向する部分に、該保水性基盤材から該カゴへの通水と、該カゴ内に植栽した植物の根系を該保水性基盤材内へ伸長させるための通路が設けられていてもよい。
【0014】
(請求項3)該支持部材はプラスチック又は金属製のメッシュで、その目が該カゴの取付脚部の挿通に供されるようになっていてもよい。
【0015】
(請求項4)該支持部材は帯状物の複数本で該保水性基盤材の立設状態で水平方向に平行に位置し、該帯状物はその長手方向に間隔をおいて該保水性基盤材との一体化部を備え、該一体化部間が該カゴの該脚部の挿通に供用されるようになっていてもよい。
【0016】
(請求項5)該帯状物はシートベルトの転用物であってもよい。
【0017】
(請求項6)該通路には通水透根性資材が挿通されていてもよい。該通水透根性資材を該保水性基盤材から該カゴにかけて下り勾配の配置とすると、雨水や灌水を該保水性基盤材から該カゴに誘導し易くなって望ましい。
【0018】
(請求項7)該通水透根性資材は、樋状部材にウレタン、不織布等の多孔質材を充填して出来ていてもよい。
【0019】
(請求項8)該保水性基盤材は自立性を有しており、立設状態の上端部と下端部に、緑化面に上下方向に間隔を保って水平に並設された懸架部材のそれぞれと協働する被懸架部材を備えていてもよい。
【0020】
(請求項9)該保水性基盤材は非自立性で枠により自立性を与えられており、該枠は立設状態の上端部と下端部に、緑化面に上下方向に間隔を保って水平に並設された懸架部材のそれぞれと協働する被懸架部材を備えていてもよい。
【0021】
(請求項10)該懸架部材は溝型レールで、該被懸架部材はフックとなっており、該溝型レールは各一方の袖片を該緑化面に取り付けられ、各他方の袖片は上側のフックの掛合用であると共に保水性基盤材を上下に配列した場合に上位の保水性基盤材の下側のフックの係合にも供用されるようになっていてもよい。
【0022】
(請求項11)該フックは基材の相対する側縁の互いに反対側の端部から該基材の同じ面側へ張出していてもよい。
【0023】
(請求項12)該保水性基盤材の少なくとも該一面に不織布が配設され、該支持部材は該不織布を介して該保水性基盤材に配設されていてもよい。
【0024】
(請求項13)該カゴは骨枠と該骨枠を覆う不織布で構成され、該骨枠の一部は露出して該支持部材に対する取付脚部となっていてもよい。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る緑化面用材によれば、保水性基盤材の一面に支持部材が配設され、該支持部材に植栽用のカゴが支持されるようになっているので、植栽する植物の種類に適した各種の寸法のカゴを採用でき、カゴの配置替えも容易で、植物の植え替え作業はカゴごと交換するか又はカゴはそのままにして植物のみ交換すればよく維持管理が容易で、市販のポット苗を現場で導入すれば、圃場での養生期間を要しないため、設置に先立ってデザイン・植栽を行う必要がなく、緑化面全体に保水性基盤を取りつけた後でも、購入した植物の大きさや表裏の向き等を、周囲の建物や上下左右の植物のバランスを見ながら配植することができるため、デザインの自由度が高い。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明にかかる緑化面用材の具体例を使用状態で示す正面図である。
【図2】同右側面図である。
【図3】本発明にかかる緑化面用材の別の具体例を使用状態で示す正面図である。
【図4】同右側面図である。
【図5】本発明にかかる緑化面用材の更に別の具体例を示す正面図である。
【図6】カゴの具体例を示す側面図である。
【図7】カゴが取り付いている部分の右側面図である。
【図8】カゴ3が取り付いている部分での通水透根性資材27と通路26との関連を示す部分切断面図で、支持部材2に通路26、カゴ3に通路26a、保水性基盤材1に通路26bが設けられている場合である。
【図9】同平面図で、通水透根性資材27の設置状態を示すために保水性基盤材1、支持部材2及びカゴ3の各一部が切断されている。
【図10】通水透根性資材27が2個設けられた場合である。
【図11】メッシュ24に設けられた通路26の一例であるスリット28を示す正面図である。
【図12】メッシュ24に設けられた通路26の別の例である生分解性膜29を示す正面図である。
【図13】カゴを懸架する別のやり方で使用される支持枠36とカゴ3’を示す斜面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照して、説明する。
(請求項1)図1及び図2で、保水性基盤材1はその一面11に支持部材2が配設される。そして、この支持部材2に植栽用のカゴ3が支持されるようになっている。
【0028】
この保水性基盤材1は緑化面4に沿って設けられる。緑化面4は建物の壁、塀、法面等いろいろで、緑化を必要とされている面である。植栽は独立したカゴ3を使用するため、各種の寸法のカゴを用意すれば、植栽する植物Pの種類に適合させることができる。
【0029】
また、このカゴ3は保水性基盤材1の一面11に配設した支持部材2に支持させるので、支持部材2の位置に応じてカゴ3を自由に配置できる。従って、カゴ3の配置替えも容易で、植物Pの植え替え作業はカゴ3ごと交換するか、又はカゴ3はそのままにして植物Pのみを交換すればよく、維持管理が容易である。市販のポット苗を現場で導入すれば圃場での養生期間を要しないため、設置に先立ってデザイン・植栽を行う必要がない。
【0030】
緑化面4に保水性基盤材1を取り付けた後で購入した植物Pの大きさや表裏等、周囲の建物や上下左右の植物のバランスを見ながら配植することができるため、デザインの自由度が高い。従来の基盤造成型壁面緑化では、定められた場所に位置する同じ規格の植栽スペースに植物を植栽するものが多く、使用可能な植物も限定され、デザインが単調になりやすかった課題も解決されている。
【0031】
(請求項2)図6と図7で、少なくとも支持部材2にはカゴ3の取付壁部31の底部32と対向する部分に、保水性基盤材1からこのカゴ3への通水と、カゴ3内に植栽した植物Pの根系を保水性基盤材1内へ伸長させるための通路26が設けられている。
この場合、保水性基盤材1内を流下する雨水や灌水を、通路26を通してカゴ3内へ浸透させることができ、カゴ3内の植生基材Mに植え込んだ植物Pが成長してその根系が張り出しても、この通路26を通って保水性基盤材1内へ自由に伸長させられる。これらの図面では取付壁部31と保水性基盤材1との間に隙間が見られるが、実際はほとんど接触状態で、通水や根系の張出は可能となる。
【0032】
通路26は図11に示すようにスリット28としてもよく、又は、図12のように生分解性膜29で被覆して、植生初期の段階でカゴ3に入れた植生基材Mが漏出するのを防ぎ、時間の経過による生分解性膜29の分解に伴って徐々に通水や根系の伸張をなすようにしてもよい。
【0033】
(請求項3)図5で、支持部材2はプラスチック又は金属製のメッシュ24で、その目25がカゴ3の取付脚部33の挿通に供されるようになっている。
この場合、メッシュ24の目25の選択使用で、予め定まった場所ではない任意の場所にカゴ3を引っ掛けて設置することができ、植栽配置の自由度を上げられる。
【0034】
(請求項4)図1〜図4で、支持部材2は帯状物21の複数本で保水性基盤材1の立設状態で水平方向に平行に位置し、帯状物21はその長手方向に間隔をおいて保水性基盤材1との一体化部22を備え、これらの一体化部22間がカゴ3の取付脚部33の挿通に供用されるようになっている。
この場合、カゴ3の配置位置や数を自在にでき、サイズの異なるカゴ3の採用も自由なので導入可能な根鉢の適応範囲が広がり、大きなカゴ3の場合は複数の植物Pの向きを変えて植栽するなど、配植やデザインの自由度が高く、カゴ3の数を多くすることにより緻密な緑化面を提供できる。なお、帯状物21は上下方向に間隔を保って、又は間隔なしに位置させてもよい。
【0035】
(請求項5)帯状物21はシートベルト23の転用物となっている。
この場合、シートベルト23は強度が十分なのでカゴ3の重量が大きくなっても切断せず、耐久性に優れるので長期にわたって供用可能で、非伸張性なのでカゴ3の重量により垂れ下がることもなく、シートベルト23自体も生産余剰品や廃物の利用が可能となる。
【0036】
(請求項6)図8〜図10で、通路26には通水透根性資材27が挿通されている。
この場合、通水や根系の張出がこの通水透根性資材27を介して容易かつ確実に行われる。図示の例では、カゴ3の底部32に通路26aが設けられ、保水性基盤材1に通路26bが設けられているが、こうすると通水透根性資材27の挿通が一層し易くなる。
【0037】
(請求項7)通水透根性資材27は、樋状部材27aにウレタン、不織布等の多孔質材27bを充填して出来ている。
この場合、通水透根性資材27は樋状部材27aにより保形され、通路26、26a、26b等に挿通する作業が楽で、水や根系は多孔質材27bの内部を通って反対側へ容易に移動できる。
【0038】
(請求項8)図1及び図2で、保水性基盤材1は自立性を有しており、立設状態の上端部と下端部に、緑化面4に上下方向に間隔を保って水平に並設された懸架部材5のそれぞれと協働する被懸架部材6を備えている。
この場合、上端部の懸架部材6を上側の懸架部材5と協働させ、下端部の被懸架部材6を下側の懸架部材5と協働させるだけで、保水性基盤材1を緑化面4に配設でき、構造を簡単にできる。保水性基盤材1はプレス成型が一般的であるが、型による流し込み成形でもよい。
【0039】
(請求項9)図3及び図4で、保水性基盤材1は非自立性で枠7により自立性を与えられており、この枠7は立設状態の上端部と下端部に、緑化面4に上下方向に間隔を保って水平に並設された懸架部材5のそれぞれと協働する被懸架部材6を備えている。
この場合、保水性基盤材1に柔らかいものを採用しても枠7により保形され、保水量の確保も容易で、上端部と下端部の被懸架部材6を上下の懸架部材5と協働させるだけで枠7、従って保水性基盤材1を緑化面4に配設でき、保水性基盤材1の緑化面4に対する配設が一層安定する。
【0040】
保水性基盤材1は枠7内の空間に嵌め込むだけでもよいが、ずれ下がりの恐れのある場合は、保水性基盤材1と枠7を適当な箇所で結束し、また枠7の底面の開口が広い場合は、保水性基盤材1の脱落をアングルLや棒材で塞げばよい。
【0041】
なお、枠7が、前枠部71と後枠部72を連結部材73で一体化して構成されるものの場合は、保水性基盤材1の厚みT(図2参照)を前枠部71と後枠部72間の内寸t(図4参照)より少し大きくし、又はその外寸W(図1参照)を前枠部71又は後枠部72の内寸w(図3参照)より少し大きくして、前枠部71と後枠部72間に配し、前枠部71と後枠部72を連結部材73で一体化すれば、保水性基盤材1は前枠部71と後枠部72に圧止される。上側や下側の被懸架部材6は後枠部72に設けられる。
【0042】
(請求項10)図1〜図5で、懸架部材5は溝型レール51で、被懸架部材6はフック61となっており、この溝型レール51は各一方の袖片52を緑化面4に取り付けられ、各他方の袖片53は上側のフック61の掛合用であると共に保水性基盤材1を上下に配列した場合に上位の保水性基盤材1の下側のフック61の係合にも供用されるようになっている。
この場合、保水性基盤材1の緑化面4への配設を、上側の溝型レール51の他方の袖片53に上側のフック61を掛合し、下側の溝型レール51の他方の袖片53に下側のフック61を係合させるだけで行え、保水性基盤材1は上下の溝型レール51、51間に保定されるので、風圧や振動を受けても簡単には外れず、安定する。
【0043】
(請求項11)フック61は基材62の相対する側縁の互いに反対側の端部からこの基材62の同じ面側へ張出している。
この場合、フック61を保水性基盤材1や枠7に取付けるのが容易で、上側と下側のフック61は互いに位相がずれているので、保水性基盤材1を上下に連続して配置しても、フック61同士が干渉せず、整列配置が可能となる。
【0044】
(請求項12)図4で、保水性基盤材1の少なくとも一面11に不織布8が配設され、支持部材2はこの不織布8を介して保水性基盤材1に配設されている。
この場合、保水性基盤材1が支持部材2の取付けに安定性を欠く材質の場合でも、不織布8が補強の役目を果たし、支持部材2が保水性基盤材1から外れたり、脱落する恐れがなく、透水性、親水性に優れる不織布8を採用することにより、植生上の支障も除ける。
【0045】
(請求項13)図6及び図7で、カゴ3は骨枠34とこの骨枠34を覆う不織布35で構成され、この骨枠34一部は露出して支持部材2に対する取付脚部33となっている。
この場合、カゴ3の重量は軽く、しかも強度は十分で、その取付脚部33の支持部材2に対する着脱を自由にできる。
なお、図13は、カゴを支持部材2に懸架する別のやり方で使用される支持枠36を示してある。この場合、カゴ3’には取付脚部を設けず、支持枠36に取付脚部33’を設ける。この支持枠36にカゴ3’収容し、この支持枠36を取付脚部33’で支持部材2に懸架する。勿論、先に支持枠36を支持部材2に懸架し、この支持部材2にカゴ3’を入れ込んでもよい。このやり方は、通常の大きさのカゴにも適用できるが、重量が重くなる大きなカゴの場合に好適である。
【符号の説明】
【0046】
1 保水性基盤材
2 支持部材
21 帯状物
22 一体化部
23 シートベルト
24 メッシュ
25 目
26、26a、26b 通路
27 通水透根性資材
27a 樋状部材
27b 多孔質材
28 スリット
29 生分解性膜
3、3’ カゴ
31 取付壁部
32 底部
33、33’ 取付脚部
34 骨枠
35 不織布
36 支持枠
4 緑化面
5 懸架部材
51 溝型レール
52 一方の袖片
53 他方の袖片
6 被懸架部材
61 フック
62 基材
7 枠
71 前枠部
72 後枠部
73 連結部材
T 厚み
t 内寸
W 外寸
w 内寸
8 不織布
P 植物
L アングル
M 植生基材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保水性基盤材の一面に支持部材が配設され、該支持部材に植栽用のカゴが支持されるようになっていることを特徴とする緑化面用材。
【請求項2】
少なくとも該支持部材には、該カゴの取付壁部の底部と対向する部分に、該保水性基盤材から該カゴへの通水と、該カゴ内に植栽した植物の根系を該保水性基盤材内へ伸張させるための通路が設けられている請求項1に記載の緑化面用材。
【請求項3】
該支持部材はプラスチック又は金属製のメッシュでその目が該カゴの取付脚部の挿通に供用されるようになっている請求項1又は2に記載の緑化面用材。
【請求項4】
該支持部材は帯状物の複数本で該保水性基盤材の立設状態で水平方向に平行に位置し、該帯状物はその長手方向に間隔をおいて該保水性基盤材との一体化部を備え、該一体化部間が該カゴの取付脚部の挿通に供用されるようになっている請求項1又は2に記載の緑化面用材。
【請求項5】
該帯状物はシートベルトの転用物である請求項4に記載の緑化面用材。
【請求項6】
該通路には通水透根性資材が挿通されている請求項2、3、4又は5に記載の緑化面用材。
【請求項7】
該通水透根性資材は、樋状部材にウレタン、不織布等の多孔質材を充填して出来ている請求項6に記載の緑化面用材。
【請求項8】
該保水性基盤材は自立性を有しており、立設状態の上端部と下端部に、緑化面に上下方向に間隔を保って水平に並設された懸架部材のそれぞれと協働する被懸架部材を備えている請求項1から7の一つの項に記載の緑化面用材。
【請求項9】
該保水性基盤材は非自立性で枠により自立性を与えられており、該枠は立設状態の上端部と下端部に、緑化面に上下方向に間隔を保って水平に並設された懸架部材のそれぞれと協働する被懸架部材を備えている請求項1から7の一つの項に記載の緑化面用材。
【請求項10】
該懸架部材は溝型レールで、該被懸架部材はフックとなっており、該溝型レールは各一方の袖片を該緑化面に取り付けられ、各他方の袖片は上側のフックの掛合用であると共に保水性基盤材を上下に配列した場合に上位の保水性基盤材の下側のフックの係合にも供用されるようになっている請求項8又は9に記載の緑化面用材。
【請求項11】
該フックは基材の相対する側縁の互いに反対側の端部から該基材の同じ面側へ張出している請求項10に記載の緑化面用材。
【請求項12】
該保水性基盤材の少なくとも該一面に不織布が配設され、該支持部材は該不織布を介して該保水性基盤材に配設されている請求項1から11の一つの項に記載の緑化面用材。
【請求項13】
該カゴは骨枠と該骨枠を覆う不織布で構成され、該骨枠の一部は露出して該支持部材に対する取付脚部となっている請求項1又は2に記載の緑化面用材。
【請求項1】
保水性基盤材の一面に支持部材が配設され、該支持部材に植栽用のカゴが支持されるようになっていることを特徴とする緑化面用材。
【請求項2】
少なくとも該支持部材には、該カゴの取付壁部の底部と対向する部分に、該保水性基盤材から該カゴへの通水と、該カゴ内に植栽した植物の根系を該保水性基盤材内へ伸張させるための通路が設けられている請求項1に記載の緑化面用材。
【請求項3】
該支持部材はプラスチック又は金属製のメッシュでその目が該カゴの取付脚部の挿通に供用されるようになっている請求項1又は2に記載の緑化面用材。
【請求項4】
該支持部材は帯状物の複数本で該保水性基盤材の立設状態で水平方向に平行に位置し、該帯状物はその長手方向に間隔をおいて該保水性基盤材との一体化部を備え、該一体化部間が該カゴの取付脚部の挿通に供用されるようになっている請求項1又は2に記載の緑化面用材。
【請求項5】
該帯状物はシートベルトの転用物である請求項4に記載の緑化面用材。
【請求項6】
該通路には通水透根性資材が挿通されている請求項2、3、4又は5に記載の緑化面用材。
【請求項7】
該通水透根性資材は、樋状部材にウレタン、不織布等の多孔質材を充填して出来ている請求項6に記載の緑化面用材。
【請求項8】
該保水性基盤材は自立性を有しており、立設状態の上端部と下端部に、緑化面に上下方向に間隔を保って水平に並設された懸架部材のそれぞれと協働する被懸架部材を備えている請求項1から7の一つの項に記載の緑化面用材。
【請求項9】
該保水性基盤材は非自立性で枠により自立性を与えられており、該枠は立設状態の上端部と下端部に、緑化面に上下方向に間隔を保って水平に並設された懸架部材のそれぞれと協働する被懸架部材を備えている請求項1から7の一つの項に記載の緑化面用材。
【請求項10】
該懸架部材は溝型レールで、該被懸架部材はフックとなっており、該溝型レールは各一方の袖片を該緑化面に取り付けられ、各他方の袖片は上側のフックの掛合用であると共に保水性基盤材を上下に配列した場合に上位の保水性基盤材の下側のフックの係合にも供用されるようになっている請求項8又は9に記載の緑化面用材。
【請求項11】
該フックは基材の相対する側縁の互いに反対側の端部から該基材の同じ面側へ張出している請求項10に記載の緑化面用材。
【請求項12】
該保水性基盤材の少なくとも該一面に不織布が配設され、該支持部材は該不織布を介して該保水性基盤材に配設されている請求項1から11の一つの項に記載の緑化面用材。
【請求項13】
該カゴは骨枠と該骨枠を覆う不織布で構成され、該骨枠の一部は露出して該支持部材に対する取付脚部となっている請求項1又は2に記載の緑化面用材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−90552(P2012−90552A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−239695(P2010−239695)
【出願日】平成22年10月26日(2010.10.26)
【出願人】(500146484)ダイトウテクノグリーン株式会社 (12)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(300013258)大島造園土木株式会社 (10)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月26日(2010.10.26)
【出願人】(500146484)ダイトウテクノグリーン株式会社 (12)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(300013258)大島造園土木株式会社 (10)
【Fターム(参考)】
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