説明

線条材の洗浄乾燥装置及びその洗浄乾燥方法

【課題】線条材表面から液体を効果的に除去することにより、液体の蒸発に投入するエネルギーを低減すると共に、液体の蒸発に要する時間を短縮して線条材表面が変色する前に乾燥を完了させることを可能とする線条材の洗浄乾燥装置及びその洗浄乾燥方法を提供する。
【解決手段】機械加工装置2により加工された線条材4を洗浄液によって洗浄する洗浄ユニット10、20と、前記線条材に付着した前記洗浄液を除去する乾燥ユニット30とを備え、洗浄ユニットは、線条材表面に付着した液体又は固体を除去するための洗浄液を貯留した洗浄槽21と、洗浄槽の洗浄液面と線条材とが交差する位置に超音波を照射して洗浄液を霧化するための超音波霧化装置25とを有し、乾燥ユニットは、洗浄ユニットを通過した線条材に気体を吹き付けて洗浄液の除去を行うガスブロー機構を有する線条材の洗浄乾燥装置及びその洗浄乾燥方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属線、金属条、プレス装置により加工されたリードフレーム等の線条材の表面に付着した加工粉ならびに加工用潤滑液等を除去する新規な線条材の洗浄乾燥装置及びその洗浄乾燥方法に関する。
【背景技術】
【0002】
絶縁電線に用いられる導体金属心線(以下導体と呼ぶ)の表面は、伸線工程や圧延工程において発生したその金属特有の金属粉や、同工程で使用する加工用潤滑剤などが表面に付着している。電気的特性の要請から絶縁層の厚さは薄膜化の一途をたどっており、導体表面に付着している金属粉が除去されないまま絶縁塗料を塗布すると、絶縁性能の低下を招くことが指摘されている。
【0003】
又、金属条やリードフレームなどのフープ材は、圧延ののち必要に応じてプレス加工されるが、圧延工程並びにプレス工程において発生したその金属特有の金属粉や、同工程で使用する加工用潤滑剤などが表面に付着していると、後続の、例えばめっき工程などでめっき不良が発生するなどの問題点が指摘されている。
【0004】
図6は、従来の線条材の洗浄工程を示す洗浄乾燥装置の概念図である。図6に示すように、線条材4を加工する際に鉱物油や水溶性潤滑液等の加工用潤滑剤を線条材4に塗布して加工装置2で加工を行い、当該加工後に線条材4を洗浄液が貯留された洗浄槽7に浸漬して洗浄し、かかる洗浄工程に次いでエアブロー装置8によりエアを吹き付けて洗浄液を除去し、さらに乾燥装置9により線条材4を乾燥して巻取りドラム3に巻き取って次工程に送る作業が行われていた。このような線条材4の洗浄方法もしくは洗浄装置は例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3に開示されている(従来技術1)。
【0005】
又、特許文献4には乾燥装置として加熱機構を用いる方法(従来技術2)、特許文献5や、特許文献6には乾燥を還元性気体中で行う方法(従来技術3)、更に、特許文献7には水切りロールを用いて洗浄剤表面から洗浄液を除去する方法(従来技術4)が開示されている。
【0006】
更に、特許文献8、9には洗浄液を超音波振動子を用いて霧化させて被洗浄物に供給し洗浄する方法(従来技術5)、特許文献10には洗浄液中で被洗浄物に超音波振動しながら洗浄する方法(従来技術6)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4324767号公報
【特許文献2】特許第3232149号公報
【特許文献3】特開2001−198638号公報
【特許文献4】特開2005−121267号公報
【特許文献5】特開平11−131286号公報
【特許文献6】特開平8−46107号公報
【特許文献7】特開平6−104376号公報
【特許文献8】特開2007−35662号公報
【特許文献9】特開2007−324359号公報
【特許文献10】特開2009−6241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来技術1にかかる問題点は、導体表面から有機溶剤を除去する際に有機溶剤が飛散、揮発することである。揮発した有機溶剤は所謂VOC(Volatile organic compounds:揮発性有機化合物)として大気中に拡散するが、これは光化学オキシダントの原因となる可能性が有り、大気汚染を引き起こす恐れがある。大気中に拡散したVOCを回収するためには、VOCの何百倍、何千倍といった体積の大気を吸引してVOCを分離しなければならず、大規模な設備が必要となる。この問題を回避するために洗浄液として水を用いる場合には、金属は水との反応及び大気中の酸素が反応して、金属表面が変色するという新たな問題が発生する恐れがある。
【0009】
従来技術2にかかる問題点は、乾燥のためにエネルギーを投入しなければならないことである。この問題は、洗浄液として水を用いる場合に特に顕著となる。洗浄液を蒸発させるのに必要な熱量として、単位体積当りの蒸発潜熱を比較すると、代表的な洗浄溶剤であるデカンでは0.22kJ/cm3であるのに対し、水では2.26kJ/cm3と、約10倍のエネルギーを必要とする。また、熱によって金属材料の変色が加速される恐れもある。
【0010】
従来技術3にかかる問題点は、還元性気体の取り扱いという新たな管理項目が増えることである。又、還元性気体の多くは易燃性を有し、水素のように爆発性を持つものも少なくなく、そのような還元性気体を安全に取り扱うためには、洗浄乾燥装置全体を密閉構造にしたり、或いは乾燥部のみの雰囲気を制御するとしても常に雰囲気をモニターするための機構を設けたりする必要があり、装置コストが増大する。
【0011】
従来技術4にかかる問題点は、水切りロールから線条材への逆汚染の恐れがあることである。長期間にわたって水切りロールを使用すると、水切りロールの材料が磨耗するなどして異物が発生して線条材を汚染する可能性がある。また微量に洗浄液中に含まれていた汚染が長期間にわたって水切りロールに蓄積し、線条材と接触することにより線条材を汚染する恐れがある。
【0012】
従来技術5にかかる技術は超音波装置を用いて洗浄液を霧化してそれを被洗浄物に供給して洗浄するもの、又、従来技術6にかかる技術は洗浄液中で超音波振動させて被洗浄物を洗浄するもので、いずれも被洗浄物表面からの洗浄液の除去については示されていないものである。
【0013】
本発明の目的は、線条材表面から液体を効果的に除去することにより、液体の蒸発に投入するエネルギーを低減すると共に、液体の蒸発に要する時間を短縮して線条材表面が変色する前に乾燥を完了させることを可能とする線条材の洗浄乾燥装置及びその洗浄乾燥方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、線条材を1つ又は複数の液体に浸漬して、線条材表面の付着物を除去する工程と、液体を蒸発させて乾燥表面を得る工程からなり、液体を効果的に線条材表面から除去することにより、液体の蒸発に投入するエネルギーを低減すると共に、液体の蒸発に要する時間を短縮して線条材表面が変色する前に乾燥を完了させることを可能とする洗浄乾燥装置にある。
【0015】
具体的には、本発明は、機械加工された線条材を、1つ又は複数の液体に浸漬して洗浄する洗浄ユニット又は洗浄ユニット群と、この洗浄ユニットの後段に配置され前記線条材に付着した液体を蒸発乾燥させる乾燥ユニットとを備えた線条材の洗浄乾燥装置において、
前記洗浄ユニット(群)のうち最も下流側に位置する洗浄ユニット(以下、最終洗浄ユ
ニットと呼ぶ)において、前記洗浄槽の洗浄液面と前記線条材が交差する位置に超音波を照射して前記洗浄液を霧化するための超音波霧化装置を備え、
前記乾燥ユニットは、前記最終洗浄ユニットを通過した前記線条材に気体を吹き付けて液体を蒸発させるガスブロー機構を備えていることを特徴とする。
【0016】
本発明の前記超音波霧化装置が前記洗浄槽の洗浄液面と前記線条材が交差する気液界面の位置で線条材表面に超音波を照射することにより、線条材と接するその洗浄液液面で霧化することにより、洗浄液液面でのその振動とその霧化とに伴って線条材表面の付着物をより効果的に除去することができると共に、線条材表面の洗浄液をより効果的に除去できる。そして、その超音波照射された線条材が再び洗浄液に晒されることがなく、線条材表面の付着物及び洗浄液を効果的に除去できる。
【0017】
前記超音波霧化装置の後段で前記乾燥ユニットの前段に前記霧化によって生成された洗浄液のミストを吸引し排気する排気モジュールが配置され、前記線条材を挟んで対向し配置された排気ノズルを有する構造、又は、前記洗浄槽の洗浄液面と前記線条材とが交差する位置の真上に配置された排気ノズルを有する構造とすることが好ましい。
【0018】
前記洗浄ユニットは、水溶性洗浄剤を貯留する第1洗浄槽と、該第1洗浄槽の後段に設けられ純水を貯留する第2洗浄槽とを含み、該第2洗浄槽に前記超音波霧化装置が配置されることが好ましい。
【0019】
前記超音波霧化装置は、対向する2枚の板状の振動伝達体と、前記振動伝達体に超音波振動エネルギーを供給する超音波発振子とを有する構造とすることが好ましい。
【0020】
この超音波霧化装置における前記線条材は、最後に配置される前記洗浄槽より鉛直上向きに移動しながら前記乾燥ユニットに供給されると共に、前記鉛直上向きに移動しながら前記ガスブロー機構に供給されることが好ましい。
【0021】
本発明の前記超音波霧化・乾燥モジュールは、前記洗浄槽の洗浄液面上を覆い前記線条材が前記乾燥ユニットに供給される空間を有する覆い体と、前記洗浄液面と前記線条材とが交差する位置の真下に配置された略円筒状の振動伝達体と、該振動伝達体に超音波振動エネルギーを供給する超音波発振子とを有する構造とすることが好ましい。
【0022】
この超音波霧化装置における前記線条材は、最後に配置される前記洗浄槽より斜め上向きに移動しながら前記乾燥ユニットへと送られると共に、前記乾燥ユニット内において横方向に移動しながら前記ガスブロー機構に供給されることが好ましい。
【0023】
前記ガスブロー機構は、前記気体を加熱する加熱機構を備え、該加熱された前記気体を吹き付けること、又、前記乾燥ユニットは、前記気体を加熱する加熱機構を備えていること、又、前記気体に還元性気体を供給する気体供給手段線を備えていることが好ましい。
【0024】
本発明の洗浄乾燥装置を用いて前記線条材の洗浄乾燥を行うことにより、乾燥工程直前に前記洗浄液を微粒化、ミスト化して線条材表面から除去することにより、線条材表面に付着する液体を蒸発させるために投入するエネルギーが低減でき、また前記液体を蒸発させるために要する時間が短縮できる。その結果、線条材の変色の可能性も軽減される。
【0025】
本発明は、線条材の機械加工工程と、該機械加工工程の後段に設けられ前記線条材を洗浄する洗浄工程と、該洗浄工程の後段に設けられ前記線条材に付着した洗浄液を除去する乾燥工程とを含む線条材の洗浄乾燥方法において、
前記洗浄工程は、前記洗浄槽の洗浄液面と前記線条材とが交差する位置に超音波を照射して前記洗浄液を霧化する超音波霧化工程を含み、
前記乾燥工程は、前記線条材に気体を吹き付けて洗浄液の除去を行うガスブロー工程を含むことを特徴としている。
【0026】
前記超音波霧化工程の後段で前記乾燥工程の前段に前記霧化によって生成された洗浄液のミストを吸引し排気する排気工程を有し、前記線条材を挟んで対向し配置された排気ノズル、又は、前記洗浄槽の洗浄液面と前記線条材とが交差する位置の真上に配置された排気ノズルによって吸引し排気することが好ましい。
【0027】
前記洗浄工程は、水溶性洗浄剤を用いて洗浄する第1洗浄工程と、該第1洗浄槽の後段に設けられ純水を用いて洗浄する第2洗浄工程とを含み、該第2洗浄工程に前記超音波霧化工程を有することが好ましい。
【0028】
前記超音波霧化工程は、前記線条材を挟んで対向し前記洗浄液と大気とに跨って配置される2枚の板状の振動伝達体の各々に設けられた2つの超音波発振子によって超音波振動エネルギーを供給することが好ましい。この超音波霧化工程における前記線条材は、前記洗浄槽より鉛直上向きに移動しながら前記乾燥ユニットに供給すると共に、前記鉛直上向きに移動しながら前記ガスブロー工程に供給することことが好ましい。
【0029】
前記超音波霧化工程は、前記線条材が前記乾燥ユニットに供給される空間を有する覆体によって前記洗浄槽の洗浄液面上を覆い、前記洗浄液面と前記線条材とが交差する位置の真下に配置された略円筒状の振動伝達体の下部に設けられた超音波発振子によって超音波振動エネルギーを供給することことが好ましい。この超音波霧化工程における前記線条材は、前記洗浄槽より斜め上向きに移動しながら前記乾燥ユニットへと送ると共に、前記乾燥ユニット内において横方向に移動しながら前記ガスブロー機構に供給することが好ましい。
【0030】
前記線条材が、リードフレーム、絶縁電線用の導体心線条及び異形銅条のいずれかであることが好ましい。
【発明の効果】
【0031】
本発明の線条材の洗浄乾燥装置及びその方法によれば、洗浄ユニットから乾燥ユニットに持ち込まれる洗浄液の量が少なく抑えられるため、水切りロールのような接触部品を用いた洗浄液除去を行う必要がなく、洗浄乾燥装置の構造が簡単になるとともに、装置のメンテナンスの負荷が軽減され、更に、線条材の乾燥に必要な時間を短縮でき、その結果、線条材の変色、変質といった問題を解決できる。
【0032】
又、水のように蒸発潜熱の大きな液体を乾燥させる場合にも、投入するエネルギーを低減でき、エネルギーコストの低減や、エネルギー使用量低減を通じたCO2排出削減も実現できる。
【0033】
更に、本発明の洗浄乾燥装置及びその方法において、線条材を水系の洗浄液で洗浄したのち乾燥を実施することにより、有機溶剤を用いた洗浄を行う必要がない。その結果として、有機溶剤の大気への漏洩を低減することができ、VOCの発生抑制や、労働作業環境改善、大気環境への影響低減も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係る線条材の洗浄乾燥装置とその周辺の装置全体を示す側面図である。
【図2】本発明の第2洗浄ユニットの一部を示した側面図である。
【図3】本発明の乾燥ユニットの側面図である。
【図4】本発明の線条材の洗浄乾燥装置とその周辺の装置全体を示す側面図である。
【図5】本発明の洗浄ユニットの一部を示した側面図である。
【図6】従来の線条材の洗浄乾燥装置とその周辺の装置全体を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、図面を参照しながら、本発明にかかる線条材の洗浄乾燥装置の実施形態を説明する。尚、本発明は実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変更可能であることは言うまでもない。
[実施例1]
【0036】
図1は、本発明にかかる線条材の洗浄乾燥装置とその周辺の装置全体を示す断面図である。線条材4を洗浄するための洗浄乾燥装置1は、第1洗浄ユニット10、第2洗浄ユニット20、及びガスブロー機構を有する乾燥ユニット30とから概略構成されている。洗浄乾燥装置1の前段には加工装置2として、線条材4に鉱物油や水溶性潤滑液等の加工用潤滑剤を塗布してプレス加工を行うプレス装置が設置されている。洗浄乾燥装置1の後段には、洗浄乾燥装置1によって洗浄された線条材4を巻取り、次工程へ投入するための巻取りドラム3が設置されている。図1において矢印は、線条材4の走行方向を示しており、図中左から右に向かって、プレス加工、洗浄、巻取りの各工程を経るように移送される。
【0037】
ここではプレス装置2にてプレス加工を行ったリードフレームなどの条材を洗浄乾燥装置1で洗浄する例を示しているが、これに限定されるものではなく、例えば伸線装置によって伸線加工を行った線材の洗浄に適用してもよく、又、圧延加工装置によって圧延加工を行った異形銅条など金属条の洗浄に適用しても良い。
【0038】
本実施例では、2つの洗浄ユニットからなる洗浄乾燥装置を示したが、洗浄ユニットの数は1つでも、3つ以上でも良い。
【0039】
洗浄乾燥装置1における第1洗浄ユニット10は、線条材4の表面の付着物を除去するための洗浄液を貯留した洗浄槽11と、後段に設置した第2洗浄ユニット20側に線条材4を送り出す線条材送り機構13とを有する。第1洗浄ユニット10では、洗浄効果を高めるために超音波発生装置などを設置して、洗浄槽11内の洗浄液にエネルギーを付与するなどしても良い。
【0040】
洗浄槽11に貯留される洗浄液は、プレス加工時に使用する加工用潤滑剤の種類や、プレス加工時に発生する塵埃の量に応じて適宜選択されるが、本実施形態では、例えば、水溶性洗浄剤を使用している。
【0041】
洗浄乾燥装置1における第2洗浄ユニット20は、線条材4の表面の付着物を除去するための洗浄液を貯留した洗浄槽21と、超音波によって水を霧化することで乾燥を促進する超音波霧化・排気モジュール25と、後段に設置した乾燥ユニット30側に線条材4を送り出す線条材送り機構23とを有する。
【0042】
超音波霧化・排気モジュール25は、ここでは対向する1対の板状のものを用いており、前記線条材4と約1mmの空隙を介して線条材を両側から挟み込むように設置され、その対向する領域内に洗浄液面がくるように設置されている。
【0043】
洗浄槽21に貯留される洗浄液は、洗浄槽11に貯留される洗浄液や、最終的な目標清浄度などに応じて適宜選択されるが、本実施例では、例えば、純水を使用している。
【0044】
図2は、第2洗浄ユニット20における洗浄槽21、線条材送り機構23及び超音波霧化・排気モジュール25の配置を示す側面図である。超音波霧化・排気モジュール25には電気的エネルギーを振動エネルギーに変換する超音波振動子26と、該超音波振動子26によって発生した振動エネルギーを水に伝える振動伝達体27と、霧化した水を吸引する線条材4に対向して配置される2つの排気ノズル28とを有する。振動伝達体27は、線条材4が洗浄液面を通過する位置の近傍に配置されており、この近傍の洗浄液に効率的に振動が伝達されるよう、材質や寸法が適切に設計されている。
【0045】
図2において矢印は線条材の走行方向を示しており、プレス加工された線条材4は図中左側から投入されて洗浄槽21に移送される。この洗浄槽21では、洗浄槽11で除去し切れなかった加工用潤滑剤や異物などを洗い落とすほか、洗浄槽11で付着した洗浄液を洗い落としても良い。
【0046】
本実施例では、線条材4を洗浄液中に浸漬しながら洗浄する構成となっており、洗浄槽21の中間部には少なくとも一部が洗浄液中に位置する押さえローラ21aを配置し、線条材4を押さえローラ21aにより規制しながら移送させることによって、線条材4が洗浄液中を通過して洗浄される。かかるのち、線条材4は洗浄槽21内を鉛直方向上方に走行し、振動伝達体27の近傍を通過したのち、上方に設置された線条材送り機構23によって、洗浄液面から大気中に取り出される。洗浄液面付近では、振動伝達体27から洗浄液に伝達された超音波振動により、洗浄液の霧化がおこる。霧化によって発生した洗浄液のミストは、近傍に配置されている排気ノズル28を通して排気装置によってただちに吸引され、線条材4の近傍から排除される。
【0047】
なお、ここではリードフレームなど条材の洗浄、乾燥を行う場合に、超音波霧化・排気モジュール25として、対向する1対の板状のものを用いているが、銅線など線材の洗浄、乾燥を行う場合には、線材の通路として略円筒状の構造物を設け、その周囲に超音波振動子26、振動伝達体27を配置したものを用いても良い。
【0048】
第2洗浄ユニット20の後段には、洗浄槽21を通過した線条材4に気体を吹き付けて乾燥を行う乾燥ユニット30が設けられている。この乾燥ユニット30は、第2洗浄ユニット20を通過した線条材4に気体を吹き付けて液切りを行う第2のガスブロー機構31を備えており、必要に応じて吹き付ける気体を加熱させる加熱機構32を備えていてもよい。
【0049】
図3は乾燥ユニット30の側面図である。図3において、矢印は線条材4の走行方向を示しており、図中下から上、左から右に向かって移送される。本実施例において、図示しないガス供給手段により乾燥ユニットに供給されたガスを、線条材4の両面に配置されたガスブローノズル35を通じて線条材4の両面に走行方向に対して反対の方向で斜めの方向に向けて吹き付けるように構成されている。線条材4は、かかるガスブロー機構を通過することにより、前工程で付着した洗浄液がほとんど除去される。
【0050】
ガス流路上の、ガスブロー機構の前段には、その配管においてガスを加熱する加熱機構32を設けてあり、必要に応じてガスを加熱することができる構造となっている。この加熱機構32は、両面に配置されたガスブローノズル35に対して加熱温度の調節が可能なヒータ熱板(図示せず)を有し、ヒータ熱板によって加熱された配管内をガスが通過することにより、ガスが加熱される。このようにして加熱されたガスを線条材4に吹き付けることにより、洗浄液は完全に蒸発する。したがって、乾燥ユニット30を通過した線条材は洗浄液が除去された状態で、巻取りドラム3に移送される。
【0051】
ここで、洗浄槽21の洗浄液のうちある量が、線条材4の表面に付着した状態で、第2洗浄ユニット20から乾燥ユニット30に持ち込まれる。線条材4の乾燥不良や、洗浄液を蒸発させるために投入するエネルギーなどの問題に鑑み、線条材4の表面に付着して洗浄ユニット20から乾燥ユニット30に持ち込まれる洗浄液の量は可能な限り少なく抑えることが必要である。しかしながら、従来技術であるガスブローのみでは、プレス加工を施されたリードフレームのように複雑な形状をした材料の表面から効率よく洗浄液を除去することは困難であった。発明者らの鋭意検討の結果、線条材4が、洗浄液面から大気中に出る位置の近傍で、線条材4に対して超音波を照射して線条材表面の水を霧化し、かかる後に速やかに洗浄液から引き上げることにより、線条材4表面に付着する洗浄液の量を劇的に低減できることが明らかとなった。
【0052】
超音波霧化を用いることにより、線条材4の表面に付着する洗浄液の量が低減できるメカニズムについて説明する。図1及び図2において、洗浄槽21から引き上げられた線条材4の表面には洗浄液が液膜状に付着している。付着している洗浄液膜の厚さは、線条材の引き上げ速度に依存するが、親水性の材料を水中から鉛直上向きに引き上げる場合には、おおよそ10乃至70μmである。例として、幅4cm、線速度4m/分で走行するリードフレームに付着して持ち出される洗浄液量を考えると、プレス加工で打ち抜かれることにより表面積が減少していることを考慮して、3乃至20mL/分程度となる。
【0053】
線条材4が洗浄液面を交差する位置の近傍で、線条材4ならびに洗浄液面に向けて超音波を照射すると、洗浄液表面が振動し、乾燥ユニット30に持ち込まれる水の量が著しく減少する。尚、霧化した洗浄液は粘性ならびに表面張力でもとの形状に戻ろうとするが、照射する超音波の周波数とエネルギーを適切に制御することにより、振動した洗浄液の一部は周囲の液体や線条材4の表面から分離して液滴となる。
【0054】
ミストの生成速度は、照射する超音波のエネルギーに依存するが、超音波周波数1.6MHz、投入電力30Wの超音波霧化・排気モジュールを用いた実験では、超音波霧化・排気モジュール1台あたり11mL/分であった。即ち、洗浄槽21から引き上げられた線条材表面に付着している洗浄液膜は、超音波霧化・排気モジュールを1台乃至数台用いることで、霧化して線条材表面から剥離することが可能である。かかる作用の結果、線条材4の上に残る洗浄液の量を低減することが可能となる。
【0055】
なお、線条材4表面に付着して持ち出される洗浄液の量は、線条材が鉛直上向きに洗浄槽21から引き上げられるときに最小となる。即ち、本発明における洗浄槽からの線条材の取り出し方向は鉛直上向きであることが望ましい。ただし、後述するように、斜め上方に線条材を引き出す場合にも、超音波霧化・排気モジュール25を適切に配置することにより、効果を得ることができる。
【0056】
乾燥性能を評価した結果の1例を以下に示す。評価に供したリードフレームは、幅が40mm、厚さが約0.2mmのものであり、線速度4m/分で走行している。照射した超音波は周波数1.6MHzのものである。
【0057】
線条材送り機構23と乾燥ユニット30の間において、走行するリードフレームを吸水性のローラで挟み、一定時間にローラが吸収する水の量を測定することで、乾燥ユニットに持ち込まれる水の量を評価した。
【0058】
表1は、本発明の超音波方式を用いたものと、超音波を照射しないで乾燥した場合における乾燥ユニットに持ち込まれる水の量を示すものである。表1に示すように、本発明の超音波照射したものは、それを用いないものと比較して洗浄槽からの洗浄液持ち出し量が著しく低減されることが明らかである。
【0059】
【表1】

以上のように、本発明にかかる洗浄乾燥装置1を経た線条材4は、第1及び第2の洗浄ユニット10、20によって加工用潤滑剤などが除去され、更に、乾燥ユニット30によって洗浄液が除去され、清浄な加工部品として次工程で利用することができる。
【0060】
又、本実施例の線条材の洗浄乾燥装置及びその方法によれば、液体を効果的に線条材表面から除去することができ、それにより液体の蒸発のために投入するエネルギーを低減すると共に、液体の蒸発に要する時間を短縮して線条材表面が変色する前に乾燥を完了させることが可能である。
【0061】
又、本実施例においては、乾燥工程直前に前記洗浄液を微粒化、ミスト化して線条材表面から除去することにより、線条材表面に付着する液体を蒸発させるために投入するエネルギーが低減でき、更に、液体を蒸発させるために要する時間が短縮でき、その結果、線条材の変色の可能性も軽減される。
[実施例2]及び[実施例3]
図1の設備を用い、実施例1と同様の処理を行った。乾燥ユニットでは乾燥空気を1ノズルあたり300L/分の流量で吹き付け、加熱用ヒータを用いてガスを加熱する場合と、加熱用ヒータを用いずガスを加熱しない場合の比較を行い、効果は乾燥後のリードフレーム1mあたりの変色点数ならびに表面酸化皮膜の厚さにより評価した。
【0062】
表2は、その結果を示すもので、超音波照射しない比較例1に比べて、本発明にかかる実施例2及び実施例3は優れていることが明らかである。
【0063】
【表2】

本実施例においても、液体を効果的に線条材表面から除去することができ、それにより液体の蒸発に投入するエネルギーを低減すると共に、液体の蒸発に要する時間を短縮して線条材表面が変色する前に乾燥を完了させることができる。
【0064】
又、本実施例においては、乾燥工程直前に前記洗浄液を微粒化、ミスト化して線条材表面から除去することにより、線条材表面に付着する液体を蒸発させるために投入するエネルギーが低減でき、更に、液体を蒸発させるために要する時間が短縮でき、その結果、線条材の変色の可能性も軽減される。
[実施例4]及び[実施例5]
図4は、本発明の銅線の洗浄処理にかかる線条材の洗浄乾燥装置とその周辺の装置全体を示す断面図である。本実施例において、洗浄ユニット20は、図1において第2洗浄ユニット20に相当する洗浄ユニットが1つだけ設けられている。加工装置としては、図1のプレス装置に代えて伸線加工装置2が設けられている。
【0065】
銅線4は、伸線加工装置2において所定の断面形状に加工された後、洗浄乾燥装置1に移送され、洗浄ユニット20において洗浄され、乾燥ユニット30において乾燥されて、巻取りドラム3によって巻き取られる。乾燥ユニット30は図3と同様であり、銅線4の走行方向に対して反対の方向で斜めの方向に向けて吹き付けるように構成されるガスブローノズルと図示しない加熱機構が備えられており、ガスブローノズルに用いる気体を加熱することができるようになっている。
【0066】
図5は、洗浄ユニット20における洗浄槽21、線条材送り機構23及び超音波霧化・排気モジュール25の配置を示す側面図である。洗浄槽21において、銅線4が洗浄液から斜め上向きに移動しながら大気に出る位置の近傍は、銅線4が洗浄液面と交差する点Xを中心として半径10mmの円形領域で、洗浄液が大気と接触しており、その外側は洗浄液面をフッ素樹脂から成る覆い体29で覆ってある。超音波霧化・排気モジュール25は、超音波振動子26とその上に配置された略円筒状の振動伝達体27がXのほぼ真下に配置され、Xにおいて効率的に霧化が行われるとともに、排気ノズル28がXのほぼ真上に配置され、Xにおいて発生したミストを効率的に排気する。
【0067】
銅線4が洗浄液面と交差する位置の近傍で、銅線4ならびに洗浄液面に向けて超音波を照射すると、洗浄液表面が振動し、乾燥ユニット30に持ち込まれる水の量が著しく減少する。
【0068】
表3は、本実施例の装置を用いて、伸線加工を施した銅線4を洗浄乾燥処理した結果を示す。照射した超音波は、周波数が1.6MHzのものである。超音波を照射しない比較例1に比べて、超音波を照射することにより、効果的に乾燥されていることが明らかである。
【0069】
【表3】

本実施例においても、液体を効果的に線条材表面から除去することができ、それにより液体の蒸発に投入するエネルギーを低減すると共に、液体の蒸発に要する時間を短縮して線条材表面が変色する前に乾燥を完了させることができる。
【0070】
又、本実施例においては、乾燥工程直前に前記洗浄液を微粒化、ミスト化して線条材表面から除去することにより、線条材表面に付着する液体を蒸発させるために投入するエネルギーが低減でき、又、液体を蒸発させるために要する時間が短縮でき、その結果、条材の変色の可能性も軽減される。
【符号の説明】
【0071】
1・・・洗浄乾燥装置、2・・・加工装置、3・・・取りドラム、4・・・線条材、8・・・エアブロー装置、9・・・乾燥装置、10・・・第1洗浄ユニット、7、11、21・・・洗浄槽、13・・・線条材送り機構、20・・・第2洗浄ユニット、21・・・第2の洗浄槽、23・・・線条材送り機構、25・・・超音波霧化・排気モジュール、26・・・超音波振動子、27・・・振動伝達体、28・・・排気ノズル、29・・・覆い体、30・・・乾燥ユニット、32・・・加熱機構、35・・・ガスブローノズル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械加工装置により加工された線条材を洗浄液によって洗浄する洗浄ユニットと、該洗浄ユニットの後段に配置され前記線条材に付着した前記洗浄液を除去する乾燥ユニットとを備えた線条材の洗浄乾燥装置において、
前記洗浄ユニットは、前記線条材表面に付着した液体又は固体を除去するための前記洗浄液を貯留した洗浄槽と、前記洗浄槽の洗浄液面と前記線条材とが交差する位置に超音波を照射して前記洗浄液を霧化するための超音波霧化装置とを備え、
前記乾燥ユニットは、前記洗浄ユニットを通過した前記線条材に気体を吹き付けて前記洗浄液の除去を行うガスブロー機構を備えていることを特徴とする線条材の洗浄乾燥装置。
【請求項2】
請求項1において、前記超音波霧化装置の後段で前記乾燥ユニットの前段に前記霧化によって生成された洗浄液のミストを吸引し排気する排気モジュールが配置されることを特徴とする線条材の洗浄乾燥装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記洗浄ユニットは、水溶性洗浄剤を貯留する第1洗浄槽と、該第1洗浄槽の後段に設けられ純水を貯留する第2洗浄槽とを含み、
該第2洗浄槽に前記超音波霧化装置が配置されることを特徴とする線条材の洗浄乾燥装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかにおいて、前記超音波霧化装置は、前記線条材を挟んで対向し前記洗浄液と大気とに跨って配置される2枚の板状の振動伝達体と、該振動伝達体の各々に設けられた超音波振動エネルギーを供給する超音波発振子とを有することを特徴とする線条材の洗浄乾燥装置。
【請求項5】
請求項2において、前記排気モジュールは、前記線条材を挟んで対向し配置された排気ノズルを有することを特徴とする線条材の洗浄乾燥装置。
【請求項6】
請求項4又は5において、前記線条材は、最後に配置される前記洗浄槽より鉛直上向きに移動しながら前記乾燥ユニットに供給されると共に、前記鉛直上向きに移動しながら前記ガスブロー機構に供給されることを特徴とする線条材の洗浄乾燥装置。
【請求項7】
請求項1〜3のいずれかにおいて、前記超音波霧化装置は、前記洗浄槽の洗浄液面上を覆い前記線条材が前記乾燥ユニットに供給される穴を有する覆い体と、前記洗浄液面と前記線条材とが交差する位置の真下に配置された略円筒状の振動伝達体と、該振動伝達体に超音波振動エネルギーを供給する超音波発振子とを有することを特徴とする線条材の洗浄乾燥装置。
【請求項8】
請求項2において、前記排気モジュールは、前記洗浄槽の洗浄液面と前記線条材とが交差する位置の真上に配置された排気ノズルを有することを特徴とする線条材の洗浄乾燥装置。
【請求項9】
請求項7又は8において、前記線条材は、最後に配置される前記洗浄槽より斜め上向きに移動しながら前記乾燥ユニットへと送られると共に、前記乾燥ユニット内において横方向に移動しながら前記ガスブロー機構に供給されることを特徴とする線条材の洗浄乾燥装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかにおいて、前記ガスブロー機構は、前記気体を加熱する加熱機構を備え、該加熱された前記気体を吹き付けることを特徴とする線条材の洗浄乾燥装置。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかにおいて、前記乾燥ユニットは、前記気体に還元性気体を供給する気体供給手段を備えていることを特徴とする線条材の洗浄乾燥装置。
【請求項12】
請求項1〜6、10、11のいずれかにおいて、前記線条材が、リードフレーム及び異形銅条のいずれかであることを特徴とする線条材の洗浄乾燥装置。
【請求項13】
請求項1〜3、7〜11のいずれかにおいて、前記線条材が、絶縁電線用の導体心線条であることを特徴とする線条材の洗浄乾燥装置。
【請求項14】
線条材の機械加工工程と、該機械加工工程の後段に設けられ前記線条材を洗浄液によって洗浄する洗浄工程と、該洗浄工程の後段に設けられ前記線条材に付着した前記洗浄液を除去する乾燥工程とを含む線条材の洗浄乾燥方法において、
前記洗浄工程は、前記洗浄槽の洗浄液面と前記線条材とが交差する位置に超音波を照射して前記洗浄液を霧化する超音波霧化工程を含み、
前記乾燥工程は、前記線条材に気体を吹き付けて前記洗浄液の除去を行うガスブロー工程を含むことを特徴とする線条材の洗浄乾燥方法。
【請求項15】
請求項14において、前記超音波霧化工程の後段で前記乾燥工程の前段に前記霧化によって生成された洗浄液のミストを吸引し排気する排気工程を有することを特徴とする線条材の洗浄乾燥方法。
【請求項16】
請求項14又は15において、前記洗浄工程は、水溶性洗浄剤を用いて洗浄する第1洗浄工程と、該第1洗浄槽の後段に設けられ純水を用いて洗浄する第2洗浄工程とを含み、該第2洗浄工程に前記超音波霧化工程を有することを特徴とする線条材の洗浄乾燥方法。
【請求項17】
請求項14〜16のいずれかにおいて、前記超音波霧化工程は、前記線条材を挟んで対向し前記洗浄液と大気とに跨って配置される2枚の板状の振動伝達体の各々に設けられた2つの超音波発振子によって超音波振動エネルギーを供給することによって前記霧化することを特徴とする線条材の洗浄乾燥方法。
【請求項18】
請求項15において、前記排気工程は、前記線条材の両面に対向し配置した排気ノズルによって吸引し排気することを特徴とする線条材の洗浄乾燥方法。
【請求項19】
請求項17又は18において、前記線条材を、最後に配置される前記洗浄工程より鉛直上向きに移動しながら前記乾燥工程に供給すると共に、前記鉛直上向きに移動しながら前記ガスブロー工程に供給することを特徴とする線条材の洗浄乾燥方法。
【請求項20】
請求項14〜16のいずれかにおいて、前記超音波霧化工程は、前記線条材が前記乾燥ユニットに供給される穴を有する覆い体によって前記洗浄槽の洗浄液面上を覆い、前記洗浄液面と前記線条材とが交差する位置の真下に配置された略円筒状の振動伝達体の下部に設けられた超音波発振子によって超音波振動エネルギーを供給することによって前記霧化するものであることを特徴とする線条材の洗浄乾燥方法。
【請求項21】
請求項15において、前記排気工程は、前記洗浄槽の洗浄液面と前記線条材とが交差する位置の真上に配置された排気ノズルによって吸引することを特徴とする線条材の洗浄乾燥方法。
【請求項22】
請求項20又は21において、前記線条材を、最後に配置される前記洗浄工程より斜め上向きに移動しながら前記乾燥工程へと送ると共に、前記乾燥工程において横方向に移動しながら前記ガスブロー工程に供給することを特徴とする線条材の洗浄乾燥方法。
【請求項23】
請求項14〜22のいずれかにおいて、前記ガスブロー工程は、前記気体を加熱する加熱機構を備え、該加熱された前記気体を吹き付けることを特徴とする線条材の洗浄乾燥方法。
【請求項24】
請求項14〜23のいずれかにおいて、前記乾燥工程は、前記気体に還元性気体を用いることを特徴とする線条材の洗浄乾燥方法。
【請求項25】
請求項14〜19、23、24のいずれかにおいて、前記線条材が、リードフレーム及び異形銅条のいずれかであることを特徴とする線条材の洗浄乾燥方法。
【請求項26】
請求項14〜16、20〜24のいずれかにおいて、前記線条材が、絶縁電線用の導体心線であることを特徴とする線条材の洗浄乾燥方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−256450(P2011−256450A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−133461(P2010−133461)
【出願日】平成22年6月11日(2010.6.11)
【出願人】(000005120)日立電線株式会社 (3,358)
【Fターム(参考)】