縦型製袋充填装置のエンド・シールへの異物の噛み込み防止制御方法及び装置
【課題】縦型製袋充填包装機において、横シール時における被包装物の噛み込みを防止する方法及び装置を提供する。
【解決手段】本発明の縦型製袋充填包装機の被包装物の噛み込み防止制御方法は、横シール(エンド・シール)カット装置の上部及び下部に横シール時のシール位置への異物の進入を遮断するシャッターを備え、該下部シャッターが閉じた後に横シールの閉じ動作を開始すると共に、該下部シャッターが閉じた一定時間後に上部シャッターを閉じ、上記上部及び下部シャッターが閉じた後に横シールのシール動作を行う。また、上記横シールカット装置の上部のシャッターの左右の先端は上下に段差を有し、互い違いの状態に閉じる。
【解決手段】本発明の縦型製袋充填包装機の被包装物の噛み込み防止制御方法は、横シール(エンド・シール)カット装置の上部及び下部に横シール時のシール位置への異物の進入を遮断するシャッターを備え、該下部シャッターが閉じた後に横シールの閉じ動作を開始すると共に、該下部シャッターが閉じた一定時間後に上部シャッターを閉じ、上記上部及び下部シャッターが閉じた後に横シールのシール動作を行う。また、上記横シールカット装置の上部のシャッターの左右の先端は上下に段差を有し、互い違いの状態に閉じる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、縦型製袋充填包装機の横シールにおける異物混入防止シャッターの制御方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、従来縦型製袋充填包装機においては、図15に示されるように、包装フィルムをフォーマー9に導いて製品充填筒2を包むように折り曲げてフォーマーの前側で合わせてから縦シール装置3により縦シールして包装筒とするとともに、製品充填筒の側面に設けられたフィルム送り装置4により包装筒の引き下ろしを行って製品充填筒の下方へ垂下し、その後横シール(エンド・シール)カッター装置5で横シールすると共に包装筒をカットして完成品を排出する構成のものが知られている。
【0003】
このような縦型製袋充填包装機には、間欠動作型のものと連続動作型のものが知られているが、例えば特開平10−203502号公報に示される間欠動作型の縦型製袋充填包装機の製袋充填動作を以下に説明する。
なお、この間欠動作型のものは、横シール部分を固定位置でシールするものであり、横シール時にフィルムの下降を停止して横シールを行う。従って、フィルムは間欠的に送り出されるものである。
【0004】
図15において、縦型製袋充填包装機は、連続するウエブを製袋器の内側に通された円筒体2を包むように筒状に折上げかつ円筒体2の側方で両側のウエブ端縁を合掌状又は封筒貼り状に合わせて円筒体2の下方の横シール・カット位置よりも下方に垂下し、包装を開始する。まず、ウエブ送りの間欠停止時に前記の両側のウエブ端縁を縦シール装置3により縦シールして包装筒とするとともに横シール・カット装置5により包装筒に横二条シールしかつシール間をカットする。横二条シールは、包装筒の前記充填した被包装物の上側と下側を横シール・カットするものである。次に、包装筒内に被包装物を落下させて、該包装筒内に収容された被包装物を図示されない横シール・カット装置5に付設された上側シャッターで受け止めた後、縦シール装置3と横シール・カット装置5のシールバーをウエブから離間させ、続いて、ウエブ送り装置によりウエブを下方へ一袋の長さ分だけ移送させる。再び間欠停止し、縦シールするとともに横シール・カットすることにより、包装筒の該包装筒内に充填した被包装物の上側と下側を横シール・カットして袋包装品6を製造する。製袋充填動作はこれを繰り返す。
【0005】
上記上シャッターの例が特開平6−278782号公報や特開平10−297619号公報に示される。
なお、連続動作型の縦型製袋充填包装機は、例えば、特開平10−297619号公報に示されるような、横シール時にも包装筒の降下を停止せずに包装筒降下中に連続して横シールを行う連続動作のものである。
【0006】
上記連続動作型のものは、横シールと縦シールのための一時停止時間がないので、その分時間の無駄がなく、効率的な製袋動作ができる。しかし、包装筒降下動作中に横シールと縦シールを行うので精度が悪く、横シールと縦シールが間欠動作型に比較して信頼性が低い欠点がある。一方、上記間欠動作型のものは、逆に横シールと縦シールのために一時停止の時間が必要なのでシール時間が短くなるか1サイクルの時間が長くなる欠点があるが、横シールと縦シールが停止状態でしっかり行われるので、シールの信頼性が高く、高品質のものができる利点がある。
【0007】
縦型製袋充填包装機は、一対の横シール(エンド・シール)用ヒータが横シールする際に被包装物が高く嵩ばったり被包装物が落下してから跳ね上がったりすることにより、被包装物を噛み込んでしまう包装不良を起こす場合がある。このため、横シール・カット装置に一対のしごき板を備えた製品噛み込み防止装置を付設して、該一対のしごき板で一対の横シール用ヒータが開いている間に包装筒の被カット位置の上方から下方までの距離をしごいて被包装物を強制的に押し込むことが行われている。
従来の縦型製袋充填包装機における横シール・カット装置の製品噛み込み防止装置としては、特開平10−287301号公報、特開昭58−195101号、USP5203145号、USP4947618号、USP4663917号、及び特開平5−330504号、特開平9−12003号公報等がある。
【0008】
また、特開平9−12003号公報、特開平10−297619号公報のものは、しごき板が従来のシャッターと略同一の構成、同一箇所に装着されるものであり、横シール用ヒータと一体的にボックスモーションを行いつつ包装筒を扁平に挟持するものである。この構成により、しごきストロークを必要最小限度に短くすることができ、しごき時に袋内の空気圧が異常に上昇するのを抑えられて袋の破裂を回避できる。
【0009】
しかし、上記従来のシャッターやしごき装置を用いても、上部シャッターの隙間から被包装物が落下したり、既に落下した被包装物が横シールの閉じ動作により発生した上昇気流により舞い上げられて横シール部分に噛み込んだりして、製袋充填包装機の不良品の発生や故障の原因になっていた。
【0010】
このため、同じ出願人は、縦型製袋充填包装機において、横シール時における被包装物の噛み込みを防止する方法として、包装フィルムのフィルム両縁を縦シールして包装筒を形成するとともに、該包装筒をフィルム送り装置によりフィルムが下降して横シール(エンド・シール)カット装置により包装筒に充填された被包装物の上側の際と次に落下充填される被包装物の下側の際を横二条シールし中間をカットする縦型製袋充填包装機において、図11に示すように上記横シール(エンド・シール)カット装置13の上部に横シール時に、被包装物の落下を遮断する上シャッター12を備え、被包装物のかけら18等の落下を防止すると共に、該シャッターが閉じた一定時間後に上記横シールの閉じ動作を開始することを特徴とする縦型製袋充填包装機の被包装物の噛み込み防止制御方法を提案している(特願2007−10917号)。なお、図11の状態から横シーラーは図12のように下降して被包装物をしごく動作をし、最後は図13に示すようにシール・カットして一連の動作が完了する。
【0011】
上記提案のものは、さらに、前記シャッターが閉じた時、横シール(エンド・シール)カット装置の閉じ動作は停止し、上記被包装物のかけら等が落下する一定時間後に上記横シールの閉じ動作を開始するものであり、前記一定時間が被包装物が横シール空間を通過し終えるのに必要な時間であることや前記横シール(エンド・シール)カット装置の下部に横シール前に前記包装体をしごくシャッターを備え、該シャッターが閉じた一定時間後に上記横シールの閉じ動作を開始することを特徴としている。
【0012】
また、上記提案のものは、さらに、上記横シール(エンド・シール)カット装置の上部に設けられた横シール時に被包装物の落下を遮断するシャッターの左右の先端は上下に段差を有し、互い違いの状態に閉じることや、さらに、前記横シール(エンド・シール)カット装置の下部に横シール前に前記包装体をしごくシャッターを備え、該シャッターが隙間を有して閉じ、該閉じた状態の隙間及び前記互い違いに閉じた上部シャッターに折り曲げられて閉じられた前記包装体の折り曲げ部を介して横シール時に発生する上昇気流をシャッター上部に逃がすことを特徴としている。
【0013】
これにより上記提案のものは、横シーラー上部にシャッターを設けた場合、該シャッターが閉じた時、横シーラを一時停止してシャッターが閉じる寸前に通過した被包装物が横シール面を通過する時間を持つことにより、被包装物が横シール面に噛み込むのを防止することができる。
また、横シーラー下部にシャッターを設けた場合、該下シャッターが閉じた時横シーラーを一時停止して、落下した後横シールの閉じ動作によって発生した上昇気流によって舞い上がれられた被包装物が沈下するのを待つことにより、被包装物が横シール面に噛み込むのを防止することができる。
【0014】
また、この提案のものは、横シール(エンド・シール)カット装置の上部に設けられた横シール時に被包装物の充填を遮断するシャッターにおいて、該左右のシャッターは上下に段差を有し、互い違いに閉じることにより、次の被包装物の落下時にはフィルムが完全に閉じた状態になっているので上部シャッターの隙間から上記被包装物のかけら等が横シール部に落下することがない。従って、被包装物が横シール面に噛み込むのを有効に防止することができる。
【0015】
しかし、上記提案のものは、被包装物のかけらのような比較的重さのある異物は落下を待つことによりシールへの噛み込みを防止できるが、例えばポテトチップのような塩とか粉を表面に付着しているような製品投入時に発生する異物(塩や粉、及びチップ屑等)は細かいものであるため空中に浮遊する時間が長く、このため上記待ち時間では十分除去されずに、エンド・シール時に噛み込む可能性がある。
【特許文献1】特開平10−287301号公報
【特許文献2】特開平9−12003号公報
【特許文献3】特開平10−267619号公報
【特許文献4】特開2000−226006号公報
【特許文献5】特開2002−59905号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
この発明は、縦型製袋充填包装機において、横シール時における被包装物への塩とか粉等の軽い異物の噛み込みを確実に防止する方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の縦型製袋充填包装機の被包装物の噛み込み防止制御方法は、包装フィルムのフィルム両縁を縦シールして包装筒を形成するとともに、該包装筒をフィルム送り装置によりフィルムが下降して横シール(エンド・シール)カット装置により包装筒に充填された被包装物の上側の際と次に落下充填される被包装物の下側の際を横二条シールし中間をカットする縦型製袋充填包装機において、上記横シール(エンド・シール)カット装置の上部及び下部に横シール時のシール位置への異物の進入を遮断するシャッターを備え、該下部シャッターが閉じた後に横シールの閉じ動作を開始すると共に、該下部シャッターが閉じた一定時間後に上部シャッターを閉じ、上記上部及び下部シャッターが閉じた後に横シールのシール動作を行うことを特徴とする。
【0018】
さらに、前記下部シャッターが閉じた後に上部シャッターを閉じるまでの一定時間は、横シールの閉じ動作の開始に伴って生じる上昇気流により塩や粉等の異物がシール空間から上方に吹き上げられて除去されるまでの時間であることを特徴とする。
【0019】
あるいはまた、本発明の縦型製袋充填包装機は、包装フィルムのフィルム両縁を縦シールして包装筒を形成するとともに、該包装筒をフィルム送り装置によりフィルムが下降して横シール(エンド・シール)カット装置により包装筒に充填された被包装物の上側の際と次に落下充填される被包装物の下側の際を横二条シールし中間をカットする縦型製袋充填包装機において、上記横シール(エンド・シール)カット装置の上部及び下部に横シール時のシール位置への異物の進入を遮断するシャッターを備え、該下部シャッターが閉じた後に横シールの閉じ動作を開始すると共に、該下部シャッターが閉じた一定時間後に上部シャッターを閉じ、上記上部及び下部シャッターが閉じた後に横シールのシール動作を行うことを特徴とする。
【0020】
さらに、前記下部シャッターが閉じた後に上部シャッターを閉じる時までの一定時間は、横シールの閉じ動作の開始に伴って生じる上昇気流により塩や粉等の異物がシール空間から上方に吹き上げられて除去されるための時間であることを特徴とする。
またさらに、前記横シール(エンド・シール)カット装置の上部の横シール時の異物の落下を遮断するシャッターの左右の先端は上下に段差を有し、互い違いの状態に閉じると共に、該シャッターの左右の先端の上下の間隔が粉や塩が通過しない間隔であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
この発明は、横シール(エンド・シール)カット装置の上部及び下部に横シール時のシール位置への異物の進入を遮断するシャッターを備え、該下部シャッターが閉じた一定時間後に上部シャッターを閉じ、上記上部及び下部シャッターが閉じた後に横シールの閉じ動作を開始することとし、上記下部シャッターが先に閉じることにより横シールを閉じる時に発生する上昇気流が利用されてエンド・シール空間に残存する塩や粉等の異物が舞い上がって、上部シャッターの上にまで飛ばされるので、その後上部シャッターを閉じると、上記塩や粉等の異物がエンドジールに噛み込むのを有効に防止できる効果がある。
【0022】
上記舞い上がりのスピードはかなり早く、従来のようにエンド・シール空間の異物が完全に落下するのを待つ時間より早く異物を除去できる。特に、塩とか粉等の軽い異物に対しては、なかなか落下しないでシール空間にいつまでも残ってしまうので完全な除去は困難であり、この方法の方が有効である。
上記効果により、塩とか粉等の軽い異物を有効に除去できると共に、製袋サイクルにおける噛み込み防止のための制御時間が少なくて済み、結局製袋の1サイクルの時間をその分短くすることができる効果がある。
【0023】
また、本発明の横シール(エンド・シール)カット装置の上部に横シール時に、被包装物の充填を遮断するシャッターを備え、該左右のシャッターは上下に段差を有し、互い違いに閉じることにより、次の被包装物の落下時にはフィルムが完全に閉じた状態になっているので上部シャッターの隙シャッターの左右の先端の上下の間隔が粉や塩が通過しない間隔であるから上記被包装物のかけら等のみならず塩や粉等の細かい異物もが横シール部に噛み込むことがない。従って、被包装物が横シール面にあらゆる噛み込むを有効に防止することができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明は、前記従来公知の縦型製袋充填包装機において、前記横シールに先立ち、一定時間被包装物が通過して横シール空間から無くなるのを待つ時間を設けると共に、しごき動作や横シーラーの閉じ動作に伴って必然的に生じる吹き上がり現象(上昇気流)を異物除去に積極的に利用するものである。以下、詳述する。
【0025】
横シール前のしごき動作や場合によって既に被包装物の充填済みのエンドシーラー下部包装体はかなり中の空気が抜かれているが、横シール動作は、さらに包装体を圧迫し、また加熱することになるので、既に被包装物を充填済みの横シーラー下部包装体からは横シール時に吹き上がりが生じる。
なお、この場合、しごき装置が横シール装置と一体になっているので、上記上昇気流は、主に横シール装置の閉じ動作に伴って行われるしごき動作により、既に下側が閉じている袋を圧迫することにより生じる。
【0026】
そこで、本発明においては、横シールに先立ち横シールの下側のシャッターをまず閉じ、その後下部シャッターでしごき動作を入れると共に横シーラーの閉じ動作を開始すると、しごき動作及び横シーラーの熱により上昇気流が発生する。上記のように、この時下側シャッターが閉じているので、横シーラーの熱で膨張したシール空間の空気は、しごき動作で生じた空気の圧縮作用と相伴って上方に吹き上げられることになる。この上昇気流によれば、横シール開始前に横シール空間に残存していた塩とか粉等の軽い異物はすべて横シール空間の上部の方へ吹き上げられることができる。この発明では、上記のように異物が横シール空間から上に吹き上げられた状態のタイミングで上部シャッターを閉じる。こうして上下のシャッターで異物の混入を防止した横シールが行われるので、シール部への塩とか粉等の異物の噛み込みも防止され、品質の高い製品収納袋が連続して生産される。
【0027】
この動作が、図1〜図4に示される。図1において、11は図15に示される如き包装体(フィルム)であり、順次下降する。図1は、例えばポテトチップ17を投下後横シーラー13を閉じていく直前の図である。なお、前記のように、上シャッター12及び下シャッター14は横シーラー13と一体になっている。
この時、塩とか粉、あるいはポテトチップのかけらで軽いものは図1の16の如くシール空間に浮遊している。従来提案のものは、前記のように先に上シャッター12を閉じて上シャッターの上部からの異物の落下を遮断し、その後暫くシール空間の異物の落下を待って、下シャッター14を閉じ、その後横シーラー13を閉じて、前記フィルムの横2条シールを行っていた。
【0028】
しかし、前記のように、このシール空間に残留している異物が塩とか粉等の軽いものである場合、その落下には時間が掛かり、また製袋効率(生産能力)の要求から完全には落下しない状態でシールすることが頻発していた。
すなわち、従来提案の装置は、図5に示す如く横シーラが閉じる前に上シャッターをまず閉じ、被包装物の落下をせき止めるので異物の噛み込みが防止されるように工夫されているが、シャッターを閉じてもシャッターが閉じる寸前に通過した塩や粉といった浮遊し易い軽い異物が図5に示すように残存し、図6に示すように横シール時に噛み込んでしまう可能性が高かった。
【0029】
この場合、図14に示す如く、上記塩や粉等の異物43がシール部分に噛み込んでシールされるため、製品が不良品になってしまうことが多かった。特に、図14の44のように、噛み込みがシールエッジになった場合、該箇所はピンホールになってしまい、大きな問題であった。しかし、前記従来提案の方法では、この不良品発生を防ぐことができなかった。
【0030】
図2は、本発明の図1の次の動作状態を示す。図2では横シールの開始動作に先立ち、まず下シャッター14を閉じる。下シャッター14を閉じた後、横シールを閉じ始めると、袋内の残存空気が圧迫されたり、横シーラー13の熱気により、矢印18のごとき上昇気流が生じる。該上昇気流は図7に示す如く、上記シール空間に残存していた塩や粉といった浮遊し易い軽い異物は上シャッターの上部の方に吹き上げる。従って、その後上シャッター12を閉じると、その後にはシール空間にはもはや上記軽い異物は存在せず、異物を噛み込むことなく横シールを行うことができる。図3は、図2に続き、上部シャッター12も閉じた状態を示す。
【0031】
次いで、シャッター12,14が閉じた状態でそのまま横シーラー13は図4の如く下降し、被包装物17をしごいていく。このしごきの時、多少上昇気流が生じるがその量は少なく、また下の被包装物は既に落ち着いており、前記のような異物の入り込むことは殆どない。その後、横シーラー13が閉じ、横2条シールをすると共に、カッターが出てきて、横2条シールの中間をカットし、カットされた袋は、図13と同様にして下に落下し、製袋の1サイクルが完了する。
【0032】
また、前記基本動作においては、従来型のものは、次の被包装物が落下充填され上シャッターや該上シャッターに付設された受け板で受け止められるが、従来のシャッター間には後述する横シール時の吹き上がり空気を逃がすため若干の隙間があいており、被包装物として柿の種とか、ポテトチップのような割れやすい被包装物の場合、該隙間を介してわずかではあるが次の被包装物の屑等が落下することがあり、これが横シール間に噛み込み、不良品となってしまうことが多かった。
【0033】
このため、前記横シール時の被包装物の噛み込みを防止する方法として、前記提案のものはシャッター構造にも工夫がなされる。
図8は、上記従来提案のシャッター構造の例を示す。
図8において、シャッター31,32の先端は、横シール34,35の先端より約15mm中心方向に突出しており、また上下方向に段違いに取り付けられている。従って、横シーラー34,35が閉じて横シールをしているとき、シャッター31,32の先端は図8に示すごとく、その先端は段違いになって互いの先端同士が上下に重なる状態となる。
【0034】
この時、フィルム36,37は、左右が重なって、シャッター32の先端部、次いでシャッター31の先端部を介してくの字状に折り曲げられて、下部に引かれている状態となる。横シールが閉じた状態でも下部シャッター38,39は完全に閉じることはなく、多少の隙間が設けられている。これは、横シール時の吹き上がりの空気を上部に逃がすための通路となる。該通路を介して、上部に逃げた空気は、上記くの字状に折り曲げられたフィルムの間を押し広げながら上部に流出する。これは前記折り曲げ部の圧接力はさほど強くなく、上記横シール時の吹き上がり空気の圧力で、該折り曲げ部のフィルムは押し広げられるためである。この構造は、本発明においても採用されている。
【0035】
しかし、上記従来提案のものは、被包装物(ポテトチップや煎餅等)のかけら等比較的大きい異物を意識しているので、前記ように吹き上がり空気を上部に逃がすため上記上下のシャッター31,32間の間隔は比較的大きかった。しかし、本発明の対象とする塩とか粉といった細かい異物の場合、上記間隔が大きいと依然として上記折り曲げられたフィルム間の隙間から上記軽い異物がシール空間に入ってしまう恐れがある。
例えば、図9は、これを改善する提案として互い違いのローラーを用いた例であるが、図9の例の場合でも、異物の進入を有効に除去することはできなかった。
そこで、本発明では上記上シャッターの上下の間隔を図10に示す如く、該シャッターの左右の先端の上下の間隔が粉や塩が通過しない間隔であるように狭めている。
【0036】
このように、上記折り曲げられたフィルムは完全に閉じているので、その上部に次の被包装物が落下してきたとき、該落下してきた次の被包装物が従来のようにシャッターの隙間から横シール部に入り込むのを有効に防止している。また、前記横シール(エンド・シール)カット装置の上部の横シール時の異物の落下を遮断するシャッターの左右の先端は上下に段差を有し、互い違いの状態に閉じると共に、該シャッターの左右の先端の上下の間隔が粉や塩が通過しない間隔である。このことにより、塩や粉といった微細な異物もエンド・シール空間への進入が有効に阻止される。
【0037】
従って、上記段違いに閉じた本発明の上部シャッターを用いれば、従来のように横シール時に上部シャッターの隙間から上部の被包装物のかけら等のみならず、塩とか粉といった軽い、細かい異物もシール時に噛み込むことがないので、製袋の品質が向上し、同時に製袋の時間的効率も改善される。
なお、本発明の動作は、上部シャッターや下部シャッターが横シーラーと別体になって動くものでもよく、この場合、シャッターは横シーラ上部に独立したシリンダーによるものが取り付けられる。また、本発明は、前記間欠動作型の縦型充填包装機のみならず、例えば特開平9−12003号公報に示されるような、ボックスモーション型の連続動作型製袋充填包装機でも本発明は有効に適用される。
【産業上の利用可能性】
【0038】
この発明は、被包装物のかけらのみならず、塩や粉等の被包装物に付着しているような微細な異物もエードシール箇所に噛み込むことが有効に防止できるので、製品収納袋の品質が向上し、不良品の発生が大幅に少なくなり、また機械の故障も減少する。従って、機械の製品製造の信頼性が向上し、産業の利用性も高い。
【0039】
また、横シーラー上部の左右のシャッターが上下に段差を有し、互い違いに閉じるものであり、かつ該シャッターの左右の先端の上下の間隔が粉や塩が通過しない間隔である。このことにより、塩や粉といった微細な異物もエンド・シール空間への進入が有効に阻止されるので、上部シャッターの隙間から上記被包装物のかけら等のみならず、塩とか粉等の微細な異物が横シール部に進入することがなく、これらが横シール面に噛み込むのを有効に防止することができる。従って、不良品の発生が大幅に少なくなり、また機械の故障も減少するので、機械の製品製造の信頼性が向上し、産業の利用性が高い。さらには、異物除去の時間が短くなり、その分製袋サイクルが向上し生産性が上がるので、産業上の利用性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の横シーラー動作の説明であり、横シーラーが開いている状態を示す。
【図2】同じく本発明の横シーラー動作の説明図であり、図1に続き、下シャッターが閉じた状態を示す。
【図3】同じく本発明の横シーラー動作の説明図であり、図2に続き、上下シャッターが閉じた状態を示す。
【図4】同じく本発明の横シーラー動作の説明図であり、図3に続き、袋をしごいた状態を示す。
【図5】従来提案の横シーラー動作の説明図であり、先に上シャッターが閉じた状態を示す。
【図6】従来提案の横シーラー動作の説明図であり、図5に続き、横シーラーが閉じた状態を示す。
【図7】本発明の横シーラー動作の説明図であり、先に下シャッターが閉じた状態を示す。
【図8】従来提案の横シーラー動作の上シャッターの説明図である。
【図9】従来提案の横シーラー動作の上シャッターの説明図である。
【図10】本発明の横シーラー動作の上シャッターの説明図である。
【図11】従来の横シーラー動作の説明図であり、上下シャッターが閉じた状態を示す。
【図12】同じく従来の横シーラー動作の説明図であり、図11に続き、下へしごいた状態を示す。
【図13】同じく従来の横シーラー動作の説明図であり、図12に続き、横シールカットした状態を示す。
【図14】従来の横シーラー動作による不良品の例を示す。
【図15】従来公知の間欠動作型の縦型製袋充填包装機の全体図を示す。
【符号の説明】
【0041】
3 縦シール装置
4 フィルム送り装置
9 フォーマー
11 フィルム
12 上シャッター
13 横シーラー
14 下シャッター
16 異物
17 被包装物
18 上昇気流
36,37 フィルム
31,32 上シャッター
34,35 横シーラー
38,39 下シャッター
【技術分野】
【0001】
この発明は、縦型製袋充填包装機の横シールにおける異物混入防止シャッターの制御方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、従来縦型製袋充填包装機においては、図15に示されるように、包装フィルムをフォーマー9に導いて製品充填筒2を包むように折り曲げてフォーマーの前側で合わせてから縦シール装置3により縦シールして包装筒とするとともに、製品充填筒の側面に設けられたフィルム送り装置4により包装筒の引き下ろしを行って製品充填筒の下方へ垂下し、その後横シール(エンド・シール)カッター装置5で横シールすると共に包装筒をカットして完成品を排出する構成のものが知られている。
【0003】
このような縦型製袋充填包装機には、間欠動作型のものと連続動作型のものが知られているが、例えば特開平10−203502号公報に示される間欠動作型の縦型製袋充填包装機の製袋充填動作を以下に説明する。
なお、この間欠動作型のものは、横シール部分を固定位置でシールするものであり、横シール時にフィルムの下降を停止して横シールを行う。従って、フィルムは間欠的に送り出されるものである。
【0004】
図15において、縦型製袋充填包装機は、連続するウエブを製袋器の内側に通された円筒体2を包むように筒状に折上げかつ円筒体2の側方で両側のウエブ端縁を合掌状又は封筒貼り状に合わせて円筒体2の下方の横シール・カット位置よりも下方に垂下し、包装を開始する。まず、ウエブ送りの間欠停止時に前記の両側のウエブ端縁を縦シール装置3により縦シールして包装筒とするとともに横シール・カット装置5により包装筒に横二条シールしかつシール間をカットする。横二条シールは、包装筒の前記充填した被包装物の上側と下側を横シール・カットするものである。次に、包装筒内に被包装物を落下させて、該包装筒内に収容された被包装物を図示されない横シール・カット装置5に付設された上側シャッターで受け止めた後、縦シール装置3と横シール・カット装置5のシールバーをウエブから離間させ、続いて、ウエブ送り装置によりウエブを下方へ一袋の長さ分だけ移送させる。再び間欠停止し、縦シールするとともに横シール・カットすることにより、包装筒の該包装筒内に充填した被包装物の上側と下側を横シール・カットして袋包装品6を製造する。製袋充填動作はこれを繰り返す。
【0005】
上記上シャッターの例が特開平6−278782号公報や特開平10−297619号公報に示される。
なお、連続動作型の縦型製袋充填包装機は、例えば、特開平10−297619号公報に示されるような、横シール時にも包装筒の降下を停止せずに包装筒降下中に連続して横シールを行う連続動作のものである。
【0006】
上記連続動作型のものは、横シールと縦シールのための一時停止時間がないので、その分時間の無駄がなく、効率的な製袋動作ができる。しかし、包装筒降下動作中に横シールと縦シールを行うので精度が悪く、横シールと縦シールが間欠動作型に比較して信頼性が低い欠点がある。一方、上記間欠動作型のものは、逆に横シールと縦シールのために一時停止の時間が必要なのでシール時間が短くなるか1サイクルの時間が長くなる欠点があるが、横シールと縦シールが停止状態でしっかり行われるので、シールの信頼性が高く、高品質のものができる利点がある。
【0007】
縦型製袋充填包装機は、一対の横シール(エンド・シール)用ヒータが横シールする際に被包装物が高く嵩ばったり被包装物が落下してから跳ね上がったりすることにより、被包装物を噛み込んでしまう包装不良を起こす場合がある。このため、横シール・カット装置に一対のしごき板を備えた製品噛み込み防止装置を付設して、該一対のしごき板で一対の横シール用ヒータが開いている間に包装筒の被カット位置の上方から下方までの距離をしごいて被包装物を強制的に押し込むことが行われている。
従来の縦型製袋充填包装機における横シール・カット装置の製品噛み込み防止装置としては、特開平10−287301号公報、特開昭58−195101号、USP5203145号、USP4947618号、USP4663917号、及び特開平5−330504号、特開平9−12003号公報等がある。
【0008】
また、特開平9−12003号公報、特開平10−297619号公報のものは、しごき板が従来のシャッターと略同一の構成、同一箇所に装着されるものであり、横シール用ヒータと一体的にボックスモーションを行いつつ包装筒を扁平に挟持するものである。この構成により、しごきストロークを必要最小限度に短くすることができ、しごき時に袋内の空気圧が異常に上昇するのを抑えられて袋の破裂を回避できる。
【0009】
しかし、上記従来のシャッターやしごき装置を用いても、上部シャッターの隙間から被包装物が落下したり、既に落下した被包装物が横シールの閉じ動作により発生した上昇気流により舞い上げられて横シール部分に噛み込んだりして、製袋充填包装機の不良品の発生や故障の原因になっていた。
【0010】
このため、同じ出願人は、縦型製袋充填包装機において、横シール時における被包装物の噛み込みを防止する方法として、包装フィルムのフィルム両縁を縦シールして包装筒を形成するとともに、該包装筒をフィルム送り装置によりフィルムが下降して横シール(エンド・シール)カット装置により包装筒に充填された被包装物の上側の際と次に落下充填される被包装物の下側の際を横二条シールし中間をカットする縦型製袋充填包装機において、図11に示すように上記横シール(エンド・シール)カット装置13の上部に横シール時に、被包装物の落下を遮断する上シャッター12を備え、被包装物のかけら18等の落下を防止すると共に、該シャッターが閉じた一定時間後に上記横シールの閉じ動作を開始することを特徴とする縦型製袋充填包装機の被包装物の噛み込み防止制御方法を提案している(特願2007−10917号)。なお、図11の状態から横シーラーは図12のように下降して被包装物をしごく動作をし、最後は図13に示すようにシール・カットして一連の動作が完了する。
【0011】
上記提案のものは、さらに、前記シャッターが閉じた時、横シール(エンド・シール)カット装置の閉じ動作は停止し、上記被包装物のかけら等が落下する一定時間後に上記横シールの閉じ動作を開始するものであり、前記一定時間が被包装物が横シール空間を通過し終えるのに必要な時間であることや前記横シール(エンド・シール)カット装置の下部に横シール前に前記包装体をしごくシャッターを備え、該シャッターが閉じた一定時間後に上記横シールの閉じ動作を開始することを特徴としている。
【0012】
また、上記提案のものは、さらに、上記横シール(エンド・シール)カット装置の上部に設けられた横シール時に被包装物の落下を遮断するシャッターの左右の先端は上下に段差を有し、互い違いの状態に閉じることや、さらに、前記横シール(エンド・シール)カット装置の下部に横シール前に前記包装体をしごくシャッターを備え、該シャッターが隙間を有して閉じ、該閉じた状態の隙間及び前記互い違いに閉じた上部シャッターに折り曲げられて閉じられた前記包装体の折り曲げ部を介して横シール時に発生する上昇気流をシャッター上部に逃がすことを特徴としている。
【0013】
これにより上記提案のものは、横シーラー上部にシャッターを設けた場合、該シャッターが閉じた時、横シーラを一時停止してシャッターが閉じる寸前に通過した被包装物が横シール面を通過する時間を持つことにより、被包装物が横シール面に噛み込むのを防止することができる。
また、横シーラー下部にシャッターを設けた場合、該下シャッターが閉じた時横シーラーを一時停止して、落下した後横シールの閉じ動作によって発生した上昇気流によって舞い上がれられた被包装物が沈下するのを待つことにより、被包装物が横シール面に噛み込むのを防止することができる。
【0014】
また、この提案のものは、横シール(エンド・シール)カット装置の上部に設けられた横シール時に被包装物の充填を遮断するシャッターにおいて、該左右のシャッターは上下に段差を有し、互い違いに閉じることにより、次の被包装物の落下時にはフィルムが完全に閉じた状態になっているので上部シャッターの隙間から上記被包装物のかけら等が横シール部に落下することがない。従って、被包装物が横シール面に噛み込むのを有効に防止することができる。
【0015】
しかし、上記提案のものは、被包装物のかけらのような比較的重さのある異物は落下を待つことによりシールへの噛み込みを防止できるが、例えばポテトチップのような塩とか粉を表面に付着しているような製品投入時に発生する異物(塩や粉、及びチップ屑等)は細かいものであるため空中に浮遊する時間が長く、このため上記待ち時間では十分除去されずに、エンド・シール時に噛み込む可能性がある。
【特許文献1】特開平10−287301号公報
【特許文献2】特開平9−12003号公報
【特許文献3】特開平10−267619号公報
【特許文献4】特開2000−226006号公報
【特許文献5】特開2002−59905号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
この発明は、縦型製袋充填包装機において、横シール時における被包装物への塩とか粉等の軽い異物の噛み込みを確実に防止する方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の縦型製袋充填包装機の被包装物の噛み込み防止制御方法は、包装フィルムのフィルム両縁を縦シールして包装筒を形成するとともに、該包装筒をフィルム送り装置によりフィルムが下降して横シール(エンド・シール)カット装置により包装筒に充填された被包装物の上側の際と次に落下充填される被包装物の下側の際を横二条シールし中間をカットする縦型製袋充填包装機において、上記横シール(エンド・シール)カット装置の上部及び下部に横シール時のシール位置への異物の進入を遮断するシャッターを備え、該下部シャッターが閉じた後に横シールの閉じ動作を開始すると共に、該下部シャッターが閉じた一定時間後に上部シャッターを閉じ、上記上部及び下部シャッターが閉じた後に横シールのシール動作を行うことを特徴とする。
【0018】
さらに、前記下部シャッターが閉じた後に上部シャッターを閉じるまでの一定時間は、横シールの閉じ動作の開始に伴って生じる上昇気流により塩や粉等の異物がシール空間から上方に吹き上げられて除去されるまでの時間であることを特徴とする。
【0019】
あるいはまた、本発明の縦型製袋充填包装機は、包装フィルムのフィルム両縁を縦シールして包装筒を形成するとともに、該包装筒をフィルム送り装置によりフィルムが下降して横シール(エンド・シール)カット装置により包装筒に充填された被包装物の上側の際と次に落下充填される被包装物の下側の際を横二条シールし中間をカットする縦型製袋充填包装機において、上記横シール(エンド・シール)カット装置の上部及び下部に横シール時のシール位置への異物の進入を遮断するシャッターを備え、該下部シャッターが閉じた後に横シールの閉じ動作を開始すると共に、該下部シャッターが閉じた一定時間後に上部シャッターを閉じ、上記上部及び下部シャッターが閉じた後に横シールのシール動作を行うことを特徴とする。
【0020】
さらに、前記下部シャッターが閉じた後に上部シャッターを閉じる時までの一定時間は、横シールの閉じ動作の開始に伴って生じる上昇気流により塩や粉等の異物がシール空間から上方に吹き上げられて除去されるための時間であることを特徴とする。
またさらに、前記横シール(エンド・シール)カット装置の上部の横シール時の異物の落下を遮断するシャッターの左右の先端は上下に段差を有し、互い違いの状態に閉じると共に、該シャッターの左右の先端の上下の間隔が粉や塩が通過しない間隔であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
この発明は、横シール(エンド・シール)カット装置の上部及び下部に横シール時のシール位置への異物の進入を遮断するシャッターを備え、該下部シャッターが閉じた一定時間後に上部シャッターを閉じ、上記上部及び下部シャッターが閉じた後に横シールの閉じ動作を開始することとし、上記下部シャッターが先に閉じることにより横シールを閉じる時に発生する上昇気流が利用されてエンド・シール空間に残存する塩や粉等の異物が舞い上がって、上部シャッターの上にまで飛ばされるので、その後上部シャッターを閉じると、上記塩や粉等の異物がエンドジールに噛み込むのを有効に防止できる効果がある。
【0022】
上記舞い上がりのスピードはかなり早く、従来のようにエンド・シール空間の異物が完全に落下するのを待つ時間より早く異物を除去できる。特に、塩とか粉等の軽い異物に対しては、なかなか落下しないでシール空間にいつまでも残ってしまうので完全な除去は困難であり、この方法の方が有効である。
上記効果により、塩とか粉等の軽い異物を有効に除去できると共に、製袋サイクルにおける噛み込み防止のための制御時間が少なくて済み、結局製袋の1サイクルの時間をその分短くすることができる効果がある。
【0023】
また、本発明の横シール(エンド・シール)カット装置の上部に横シール時に、被包装物の充填を遮断するシャッターを備え、該左右のシャッターは上下に段差を有し、互い違いに閉じることにより、次の被包装物の落下時にはフィルムが完全に閉じた状態になっているので上部シャッターの隙シャッターの左右の先端の上下の間隔が粉や塩が通過しない間隔であるから上記被包装物のかけら等のみならず塩や粉等の細かい異物もが横シール部に噛み込むことがない。従って、被包装物が横シール面にあらゆる噛み込むを有効に防止することができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明は、前記従来公知の縦型製袋充填包装機において、前記横シールに先立ち、一定時間被包装物が通過して横シール空間から無くなるのを待つ時間を設けると共に、しごき動作や横シーラーの閉じ動作に伴って必然的に生じる吹き上がり現象(上昇気流)を異物除去に積極的に利用するものである。以下、詳述する。
【0025】
横シール前のしごき動作や場合によって既に被包装物の充填済みのエンドシーラー下部包装体はかなり中の空気が抜かれているが、横シール動作は、さらに包装体を圧迫し、また加熱することになるので、既に被包装物を充填済みの横シーラー下部包装体からは横シール時に吹き上がりが生じる。
なお、この場合、しごき装置が横シール装置と一体になっているので、上記上昇気流は、主に横シール装置の閉じ動作に伴って行われるしごき動作により、既に下側が閉じている袋を圧迫することにより生じる。
【0026】
そこで、本発明においては、横シールに先立ち横シールの下側のシャッターをまず閉じ、その後下部シャッターでしごき動作を入れると共に横シーラーの閉じ動作を開始すると、しごき動作及び横シーラーの熱により上昇気流が発生する。上記のように、この時下側シャッターが閉じているので、横シーラーの熱で膨張したシール空間の空気は、しごき動作で生じた空気の圧縮作用と相伴って上方に吹き上げられることになる。この上昇気流によれば、横シール開始前に横シール空間に残存していた塩とか粉等の軽い異物はすべて横シール空間の上部の方へ吹き上げられることができる。この発明では、上記のように異物が横シール空間から上に吹き上げられた状態のタイミングで上部シャッターを閉じる。こうして上下のシャッターで異物の混入を防止した横シールが行われるので、シール部への塩とか粉等の異物の噛み込みも防止され、品質の高い製品収納袋が連続して生産される。
【0027】
この動作が、図1〜図4に示される。図1において、11は図15に示される如き包装体(フィルム)であり、順次下降する。図1は、例えばポテトチップ17を投下後横シーラー13を閉じていく直前の図である。なお、前記のように、上シャッター12及び下シャッター14は横シーラー13と一体になっている。
この時、塩とか粉、あるいはポテトチップのかけらで軽いものは図1の16の如くシール空間に浮遊している。従来提案のものは、前記のように先に上シャッター12を閉じて上シャッターの上部からの異物の落下を遮断し、その後暫くシール空間の異物の落下を待って、下シャッター14を閉じ、その後横シーラー13を閉じて、前記フィルムの横2条シールを行っていた。
【0028】
しかし、前記のように、このシール空間に残留している異物が塩とか粉等の軽いものである場合、その落下には時間が掛かり、また製袋効率(生産能力)の要求から完全には落下しない状態でシールすることが頻発していた。
すなわち、従来提案の装置は、図5に示す如く横シーラが閉じる前に上シャッターをまず閉じ、被包装物の落下をせき止めるので異物の噛み込みが防止されるように工夫されているが、シャッターを閉じてもシャッターが閉じる寸前に通過した塩や粉といった浮遊し易い軽い異物が図5に示すように残存し、図6に示すように横シール時に噛み込んでしまう可能性が高かった。
【0029】
この場合、図14に示す如く、上記塩や粉等の異物43がシール部分に噛み込んでシールされるため、製品が不良品になってしまうことが多かった。特に、図14の44のように、噛み込みがシールエッジになった場合、該箇所はピンホールになってしまい、大きな問題であった。しかし、前記従来提案の方法では、この不良品発生を防ぐことができなかった。
【0030】
図2は、本発明の図1の次の動作状態を示す。図2では横シールの開始動作に先立ち、まず下シャッター14を閉じる。下シャッター14を閉じた後、横シールを閉じ始めると、袋内の残存空気が圧迫されたり、横シーラー13の熱気により、矢印18のごとき上昇気流が生じる。該上昇気流は図7に示す如く、上記シール空間に残存していた塩や粉といった浮遊し易い軽い異物は上シャッターの上部の方に吹き上げる。従って、その後上シャッター12を閉じると、その後にはシール空間にはもはや上記軽い異物は存在せず、異物を噛み込むことなく横シールを行うことができる。図3は、図2に続き、上部シャッター12も閉じた状態を示す。
【0031】
次いで、シャッター12,14が閉じた状態でそのまま横シーラー13は図4の如く下降し、被包装物17をしごいていく。このしごきの時、多少上昇気流が生じるがその量は少なく、また下の被包装物は既に落ち着いており、前記のような異物の入り込むことは殆どない。その後、横シーラー13が閉じ、横2条シールをすると共に、カッターが出てきて、横2条シールの中間をカットし、カットされた袋は、図13と同様にして下に落下し、製袋の1サイクルが完了する。
【0032】
また、前記基本動作においては、従来型のものは、次の被包装物が落下充填され上シャッターや該上シャッターに付設された受け板で受け止められるが、従来のシャッター間には後述する横シール時の吹き上がり空気を逃がすため若干の隙間があいており、被包装物として柿の種とか、ポテトチップのような割れやすい被包装物の場合、該隙間を介してわずかではあるが次の被包装物の屑等が落下することがあり、これが横シール間に噛み込み、不良品となってしまうことが多かった。
【0033】
このため、前記横シール時の被包装物の噛み込みを防止する方法として、前記提案のものはシャッター構造にも工夫がなされる。
図8は、上記従来提案のシャッター構造の例を示す。
図8において、シャッター31,32の先端は、横シール34,35の先端より約15mm中心方向に突出しており、また上下方向に段違いに取り付けられている。従って、横シーラー34,35が閉じて横シールをしているとき、シャッター31,32の先端は図8に示すごとく、その先端は段違いになって互いの先端同士が上下に重なる状態となる。
【0034】
この時、フィルム36,37は、左右が重なって、シャッター32の先端部、次いでシャッター31の先端部を介してくの字状に折り曲げられて、下部に引かれている状態となる。横シールが閉じた状態でも下部シャッター38,39は完全に閉じることはなく、多少の隙間が設けられている。これは、横シール時の吹き上がりの空気を上部に逃がすための通路となる。該通路を介して、上部に逃げた空気は、上記くの字状に折り曲げられたフィルムの間を押し広げながら上部に流出する。これは前記折り曲げ部の圧接力はさほど強くなく、上記横シール時の吹き上がり空気の圧力で、該折り曲げ部のフィルムは押し広げられるためである。この構造は、本発明においても採用されている。
【0035】
しかし、上記従来提案のものは、被包装物(ポテトチップや煎餅等)のかけら等比較的大きい異物を意識しているので、前記ように吹き上がり空気を上部に逃がすため上記上下のシャッター31,32間の間隔は比較的大きかった。しかし、本発明の対象とする塩とか粉といった細かい異物の場合、上記間隔が大きいと依然として上記折り曲げられたフィルム間の隙間から上記軽い異物がシール空間に入ってしまう恐れがある。
例えば、図9は、これを改善する提案として互い違いのローラーを用いた例であるが、図9の例の場合でも、異物の進入を有効に除去することはできなかった。
そこで、本発明では上記上シャッターの上下の間隔を図10に示す如く、該シャッターの左右の先端の上下の間隔が粉や塩が通過しない間隔であるように狭めている。
【0036】
このように、上記折り曲げられたフィルムは完全に閉じているので、その上部に次の被包装物が落下してきたとき、該落下してきた次の被包装物が従来のようにシャッターの隙間から横シール部に入り込むのを有効に防止している。また、前記横シール(エンド・シール)カット装置の上部の横シール時の異物の落下を遮断するシャッターの左右の先端は上下に段差を有し、互い違いの状態に閉じると共に、該シャッターの左右の先端の上下の間隔が粉や塩が通過しない間隔である。このことにより、塩や粉といった微細な異物もエンド・シール空間への進入が有効に阻止される。
【0037】
従って、上記段違いに閉じた本発明の上部シャッターを用いれば、従来のように横シール時に上部シャッターの隙間から上部の被包装物のかけら等のみならず、塩とか粉といった軽い、細かい異物もシール時に噛み込むことがないので、製袋の品質が向上し、同時に製袋の時間的効率も改善される。
なお、本発明の動作は、上部シャッターや下部シャッターが横シーラーと別体になって動くものでもよく、この場合、シャッターは横シーラ上部に独立したシリンダーによるものが取り付けられる。また、本発明は、前記間欠動作型の縦型充填包装機のみならず、例えば特開平9−12003号公報に示されるような、ボックスモーション型の連続動作型製袋充填包装機でも本発明は有効に適用される。
【産業上の利用可能性】
【0038】
この発明は、被包装物のかけらのみならず、塩や粉等の被包装物に付着しているような微細な異物もエードシール箇所に噛み込むことが有効に防止できるので、製品収納袋の品質が向上し、不良品の発生が大幅に少なくなり、また機械の故障も減少する。従って、機械の製品製造の信頼性が向上し、産業の利用性も高い。
【0039】
また、横シーラー上部の左右のシャッターが上下に段差を有し、互い違いに閉じるものであり、かつ該シャッターの左右の先端の上下の間隔が粉や塩が通過しない間隔である。このことにより、塩や粉といった微細な異物もエンド・シール空間への進入が有効に阻止されるので、上部シャッターの隙間から上記被包装物のかけら等のみならず、塩とか粉等の微細な異物が横シール部に進入することがなく、これらが横シール面に噛み込むのを有効に防止することができる。従って、不良品の発生が大幅に少なくなり、また機械の故障も減少するので、機械の製品製造の信頼性が向上し、産業の利用性が高い。さらには、異物除去の時間が短くなり、その分製袋サイクルが向上し生産性が上がるので、産業上の利用性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の横シーラー動作の説明であり、横シーラーが開いている状態を示す。
【図2】同じく本発明の横シーラー動作の説明図であり、図1に続き、下シャッターが閉じた状態を示す。
【図3】同じく本発明の横シーラー動作の説明図であり、図2に続き、上下シャッターが閉じた状態を示す。
【図4】同じく本発明の横シーラー動作の説明図であり、図3に続き、袋をしごいた状態を示す。
【図5】従来提案の横シーラー動作の説明図であり、先に上シャッターが閉じた状態を示す。
【図6】従来提案の横シーラー動作の説明図であり、図5に続き、横シーラーが閉じた状態を示す。
【図7】本発明の横シーラー動作の説明図であり、先に下シャッターが閉じた状態を示す。
【図8】従来提案の横シーラー動作の上シャッターの説明図である。
【図9】従来提案の横シーラー動作の上シャッターの説明図である。
【図10】本発明の横シーラー動作の上シャッターの説明図である。
【図11】従来の横シーラー動作の説明図であり、上下シャッターが閉じた状態を示す。
【図12】同じく従来の横シーラー動作の説明図であり、図11に続き、下へしごいた状態を示す。
【図13】同じく従来の横シーラー動作の説明図であり、図12に続き、横シールカットした状態を示す。
【図14】従来の横シーラー動作による不良品の例を示す。
【図15】従来公知の間欠動作型の縦型製袋充填包装機の全体図を示す。
【符号の説明】
【0041】
3 縦シール装置
4 フィルム送り装置
9 フォーマー
11 フィルム
12 上シャッター
13 横シーラー
14 下シャッター
16 異物
17 被包装物
18 上昇気流
36,37 フィルム
31,32 上シャッター
34,35 横シーラー
38,39 下シャッター
【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装フィルムのフィルム両縁を縦シールして包装筒を形成するとともに、該包装筒をフィルム送り装置によりフィルムが下降して横シール(エンド・シール)カット装置により包装筒に充填された被包装物の上側の際と次に落下充填される被包装物の下側の際を横二条シールし中間をカットする縦型製袋充填包装機において、
上記横シール(エンド・シール)カット装置の上部及び下部に横シール時のシール位置への異物の進入を遮断するシャッターを備え、該下部シャッターが閉じた後に横シールの閉じ動作を開始すると共に、該下部シャッターが閉じた一定時間後に上部シャッターを閉じ、上記上部及び下部シャッターが閉じた後に横シールのシール動作を行うことを特徴とする縦型製袋充填包装機の被包装物の噛み込み防止制御方法。
【請求項2】
前記下部シャッターが閉じた後に上部シャッターを閉じるまでの一定時間は、横シールの閉じ動作の開始に伴って生じる上昇気流により塩や粉等の異物がシール空間から上方に吹き上げられて除去されるまでの時間であることを特徴とする前記請求項1記載の縦型製袋充填包装機の被包装物の噛み込み防止制御方法。
【請求項3】
包装フィルムのフィルム両縁を縦シールして包装筒を形成するとともに、該包装筒をフィルム送り装置によりフィルムが下降して横シール(エンド・シール)カット装置により包装筒に充填された被包装物の上側の際と次に落下充填される被包装物の下側の際を横二条シールし中間をカットする縦型製袋充填包装機において、
上記横シール(エンド・シール)カット装置の上部及び下部に横シール時のシール位置への異物の進入を遮断するシャッターを備え、該下部シャッターが閉じた後に横シールの閉じ動作を開始すると共に、該下部シャッターが閉じた一定時間後に上部シャッターを閉じ、上記上部及び下部シャッターが閉じた後に横シールのシール動作を行うことを特徴とする縦型製袋充填包装機。
【請求項4】
前記下部シャッターが閉じた後に上部シャッターを閉じる時までの一定時間は、横シールの閉じ動作の開始に伴って生じる上昇気流により塩や粉等の異物がシール空間から上方に吹き上げられて除去されるための時間であることを特徴とする前記請求項3記載の縦型製袋充填包装機。
【請求項5】
前記横シール(エンド・シール)カット装置の上部の横シール時の異物の落下を遮断するシャッターの左右の先端は上下に段差を有し、互い違いの状態に閉じると共に、該シャッターの左右の先端の上下の間隔が粉や塩が通過しない間隔であることを特徴とする前記請求項3、または4記載の縦型製袋充填包装機。
【請求項1】
包装フィルムのフィルム両縁を縦シールして包装筒を形成するとともに、該包装筒をフィルム送り装置によりフィルムが下降して横シール(エンド・シール)カット装置により包装筒に充填された被包装物の上側の際と次に落下充填される被包装物の下側の際を横二条シールし中間をカットする縦型製袋充填包装機において、
上記横シール(エンド・シール)カット装置の上部及び下部に横シール時のシール位置への異物の進入を遮断するシャッターを備え、該下部シャッターが閉じた後に横シールの閉じ動作を開始すると共に、該下部シャッターが閉じた一定時間後に上部シャッターを閉じ、上記上部及び下部シャッターが閉じた後に横シールのシール動作を行うことを特徴とする縦型製袋充填包装機の被包装物の噛み込み防止制御方法。
【請求項2】
前記下部シャッターが閉じた後に上部シャッターを閉じるまでの一定時間は、横シールの閉じ動作の開始に伴って生じる上昇気流により塩や粉等の異物がシール空間から上方に吹き上げられて除去されるまでの時間であることを特徴とする前記請求項1記載の縦型製袋充填包装機の被包装物の噛み込み防止制御方法。
【請求項3】
包装フィルムのフィルム両縁を縦シールして包装筒を形成するとともに、該包装筒をフィルム送り装置によりフィルムが下降して横シール(エンド・シール)カット装置により包装筒に充填された被包装物の上側の際と次に落下充填される被包装物の下側の際を横二条シールし中間をカットする縦型製袋充填包装機において、
上記横シール(エンド・シール)カット装置の上部及び下部に横シール時のシール位置への異物の進入を遮断するシャッターを備え、該下部シャッターが閉じた後に横シールの閉じ動作を開始すると共に、該下部シャッターが閉じた一定時間後に上部シャッターを閉じ、上記上部及び下部シャッターが閉じた後に横シールのシール動作を行うことを特徴とする縦型製袋充填包装機。
【請求項4】
前記下部シャッターが閉じた後に上部シャッターを閉じる時までの一定時間は、横シールの閉じ動作の開始に伴って生じる上昇気流により塩や粉等の異物がシール空間から上方に吹き上げられて除去されるための時間であることを特徴とする前記請求項3記載の縦型製袋充填包装機。
【請求項5】
前記横シール(エンド・シール)カット装置の上部の横シール時の異物の落下を遮断するシャッターの左右の先端は上下に段差を有し、互い違いの状態に閉じると共に、該シャッターの左右の先端の上下の間隔が粉や塩が通過しない間隔であることを特徴とする前記請求項3、または4記載の縦型製袋充填包装機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2009−23693(P2009−23693A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−188898(P2007−188898)
【出願日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【出願人】(000148162)株式会社川島製作所 (90)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【出願人】(000148162)株式会社川島製作所 (90)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]