説明

縦型製袋包装システム及びそのタイミング制御方法

【課題】計量機からの製品落下のタイミングと縦型製袋包装装置の横シールのような包装動作のタイミングとの調整を、客観的に且つ最適に制御することができる縦型製袋包装システム及びそのタイミング制御方法を提供する。
【解決手段】縦型製袋包装装置おいては、包装すべき製品Aの落下を計量機11からの製品の排出直後で検出するのではなく、横シール部8の上部直近で検出し、当該検出に基づいて横シール部8の作動タイミングに対する製品Aの落下タイミングを調整している。製品Aが充填筒3内を落下するのに要する時間にバラツキが生じる場合であっても、当該時間のバラツキが横シール部8の作動タイミングに影響することを回避することができる。また、製品Aの落下のタイミングを知ることで、製品Aを排出する計量機11での排出タイミングを補正することができ、製品Aの排出と横シール部8の作動タイミングを最適な状態で定めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、筒状包装材を横シールする横シール部の作動タイミングに対する包装すべき製品の投入検出のタイミングを制御する縦型製袋包装システム及びそのタイミング制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
菓子類や加工食品等の製品の袋詰め包装は、一般に、物品を所定の重量(又は数量)に計量する計量機と、該計量機から排出落下される当該製品を筒状包装材で受けて包装する縦型製袋包装装置とを用いて行われる。縦型製袋包装装置は、製品を袋詰めする装置であり、主として、製品の袋詰めを行う製袋包装機構部と、この製袋包装機構部に対して包装袋となる包装材を供給する包装材供給部と、これら製袋包装機構部と包装材供給部とを制御する包装制御装置とを備えている。
【0003】
縦型製袋包装装置の製袋包装機構部は、通常、ウェブ状の包装材を略筒状に湾曲させるフォーマと、フォーマによって湾曲成形された包装材を外周面にて案内し且つ内部の空間に包装すべき製品が投入落下される充填筒と、充填筒の外方に配置されて湾曲成形された包装材の両側縁部分をヒートシールして筒状包装材に成形する縦シール部と、充填筒内を投入落下された製品を収容した筒状包装材を横方向にヒートシールして先行して製造された包装袋の頭部シールと次の包装袋の底部シールとを形成する横シール部とを備えている。横シール部には、包装袋を切り離すカッタを組み込むことができる。
【0004】
縦型製袋包装装置の包装材供給部は、通常、ウェブ状包装材を巻き取って成るロールから繰り出されたウエブ状包装材をフォーマに供給する包装材送り部と、充填筒の外方に配置されて充填筒との間に包装材を挟んで包装材を送るベルト状の包装材送り部とを備えている。また、横シール部が、ボックスモーションのように包装材を挟み込む動作と合わせて包装材の送り方向に進む動作をすることで、包装材送り部を兼ねることもある。
【0005】
包装制御装置は、製袋包装機構部の縦シール部と横シール部、及び包装材供給部の各包装材送り部を制御するとともに、製品供給装置としての計量機の作動を制御する計量機制御装置(製品供給制御装置)に製品の落下を求める落下要求信号を出力する。
【0006】
充填筒の上方、即ち、計量機からフォーマ内に延びる集合排出部と充填筒との間には、透明な接続筒部が設けられている。当該接続筒部に関連して、この接続筒部内を落下する製品を検出するための発光−受光型式の光電センサが配設されている。包装装置の運転中、光電センサからは、計量機の集合排出部から接続筒部を通って充填筒内へと落下する製品が光電センサを遮っているか否かに応じた信号が常時、包装制御装置に送信される。縦型製袋包装装置における各種のタイミング調整は、製袋包装機構部や包装制御装置から提供されるデータ、横シールによる製品の噛み込み状況、或いは横シールに落下する製品の目視、落下時の音などを頼りにして行われている。
【0007】
かかる縦型製袋包装装置においては、計量機からの製品の排出を検出してから一定時間の後に、横シール部によるシールが開始されるようにタイミング制御が行われている(特許文献1及び2)。ホッパからの製品の排出落下タイミングについては、縦型製袋包装装置における包装材の送り部や横シール部等の作動タイミングに対して、手動によって時期を前後させる等して、精度良いタイミングを調整している。
【0008】
しかしながら、縦型製袋充填包装装置で、落下する製品の検出を充填筒の上方において行う場合に、包装すべき製品が大きさや形状或いは個々の姿勢が必ずしも揃ってはいないバラ物品であるときがある。このような場合、物品が充填筒内を落下するのに要する時間にバラツキがあり、上記の手動調整では作業者の能力や感覚の違い等から調整タイミングにバラツキが避けられず、必ずしも最適に調整されているとは言えない。物品の性質によっては落下状況に変化が生じるものもあり、更に手動調整が必要になるケースもある。例えば、ポテトチップスの場合には、じゃがいもの大きさや形状が季節や仕入れ先毎に違いがあり落下状況に違いが発生する。また、製造時間や製造時の雰囲気温度によって物品の性状が変化することがあり、この性状の変化は落下時の空気抵抗や充填筒との接触抵抗に影響を及ぼす。
【0009】
このように、計量機からの製品の排出落下における検出タイミングと横シール部によるシール動作のような包装タイミングとを正確に調整させることが困難である。特に、包装速度を速くして、単位包装当たりに費やすことができる時間が短くなればなるほど、これらのタイミングの正確な調整が難しくなり、横シール部において製品の噛み込みが生じるおそれすらある。なお、製品供給装置としては、計量機に代えて、包装単位毎の一定量(重量、体積、又は個数)の製品が搬送されて、当該製品を搬送端部から充填筒内に投入するバケットコンベアのような装置もある。
【特許文献1】特開平10−77002号公報
【特許文献2】特開2003−11927号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、縦型製袋包装装置の包装動作のタイミングに対して、製品供給装置からの製品が充填筒内に投入される投入タイミングの精度良い調整が得られるようにする点で解決すべき課題がある。
【0011】
この発明の目的は、縦型製袋包装装置の横シール動作のような包装動作のタイミングに対する製品供給装置からの製品投入のタイミングの調整を、作業員の個人的な能力や感覚に依存することなく客観的に且つ最適に制御することができる縦型製袋包装装置及びそのタイミング制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するため、この発明による縦型製袋包装システムにおけるタイミング制御方法は、包装すべき製品を包装単位毎に供給する製品供給装置と、前記製品供給装置によって供給される前記製品が内部に投入される充填筒、及び前記充填筒の外周に案内走行される筒状包装材を横方向にヒートシールし、先行形成され且つ前記充填筒内を通じて供給された前記製品が収容された包装袋の上端部と後続形成される包装袋の底部とを形成する横シール部を有する縦型製袋包装装置と備えた縦型製袋包装システムにおいて、前記製品の落下を前記横シール部の上側直近で検出し、当該製品落下の検出に基づいて、前記横シール部の作動タイミングに対する前記製品供給機構からの前記充填筒への前記製品の投入タイミングを調整することから成る。
【0013】
また、この発明による計量機付き縦型製袋包装システムは、包装すべき製品を包装単位毎に供給する製品供給装置と、前記製品供給装置によって供給される前記製品が内部に投入される充填筒、前記充填筒の外周に案内走行される筒状包装材を横方向にヒートシールし、先行形成され且つ前記充填筒内を通じて供給された前記製品が収容された包装袋の上端部と後続形成される包装袋の底部とを形成する横シール部、及び前記横シール部のシール動作を制御する包装制御装置を有する縦型製袋包装装置とを備えた縦型製袋包装システムにおいて、前記製品供給装置は前記製品の前記投入タイミングを制御する製品供給制御装置を有しており、前記製品の落下を検出する製品落下センサが前記横シール部の上側直近に配設されており、前記包装制御装置は、前記製品落下センサが検出した前記製品の落下タイミングに基づいて、前記製品供給制御装置に対して、前記横シール部の作動タイミングに対して調整された前記製品の排出タイミングを指令することから成る。
【0014】
この縦型製袋包装システムにおけるタイミング制御によれば、横シール部の上側直近での製品検出タイミングが早めであればその後の製品供給装置における製品投入タイミングが遅めに調整され、製品検出タイミングが遅めであればその後の製品供給装置における製品投入タイミングが早めに調整される。このように、包装すべき製品の落下を、製品供給装置からの製品の投入直後で検出するのではなく、製品が実際に横シール部の上側直近まで落下したことを検出し、その製品落下の検出を受けて、製品供給装置におけるその後の製品の投入タイミングとして、横シール部の作動タイミングに対して調整されたタイミングを指令する。したがって、製品が充填筒内を落下するのに要する時間にバラツキが生じる場合であっても、製品落下のタイミングが横シール部の作動タイミングに対して影響を及ぼすことを回避することができる。縦型製袋包装システムとしては、包装制御装置が製品供給制御装置に対して、製品の落下検出タイミングに応じて横シール部の作動タイミングに対して調整された製品の排出タイミングを指令することで、上記製品落下のバラツキの横シール部の作動タイミングに対する影響を回避することができる。
【0015】
この縦型製袋包装システムにおけるタイミング制御において、製品落下センサが検出した製品の落下タイミングを横シール部の作動タイミングに対して設定された基準落下タイミングと比較してタイミング偏差を求め、製品の排出タイミングをタイミング偏差に基づいて調整することができる。即ち、横シール部の作動タイミングに対して設定された基準落下タイミングを定めておき、製品落下センサが検出した製品の落下タイミングをこの基準落下タイミングと比較してタイミング偏差を求める。製品の排出タイミングをタイミング偏差に基づいて調整することによって、その後の製品の落下タイミングを基準落下タイミングに合わせることができる。したがって、実際に製品が横シーラの上側直近まで落下する時期が基準落下タイミングに合うように制御されるので、横シール部が製品を噛み込むのを防止する制御をタイミング制御によって簡単に行うことができる。
【0016】
この縦型製袋包装システムにおけるタイミング制御において、横シール部の上側直近には落下する製品を受け止めるシャッタを開閉可能に配置し、当該シャッタにロードセル又はタッチセンサを配設して、当該ロードセル又はタッチセンサによって横シール部の上側直近における製品の落下を検出することができる。或いは、当該製品の落下を検出するため、前記シャッタの直上には光電センサ又はエリアセンサを配設することができる。縦型製袋包装システムにおいては、横シール部の上側直近には落下する製品を受け止めるシャッタが開閉可能に設けられるので、このシャッタを利用してロードセル又はタッチセンサを配設する、或いはシャッタの直上に光電センサ又はエリアセンサを配設することで、構造の複雑化を回避しつつ製品が横シール部の上側直近まで実際に落下したことの検出が可能となる。横シール部の上側直近に落下した製品は、光電センサ又はエリアセンサで検出される、或いはシャッタ、即ち、ロードセル又はタッチセンサと衝突する。ロードセル又はタッチセンサの場合には、所定以上の荷重が働いたことが判るので、製品の落下を検出することができる。
【0017】
この縦型製袋包装システムにおけるタイミング制御において、製品が正常に落下し終えた製品の頂端位置よりも上方の位置に設置されているセンサで製品の有無を検出し、当該センサで製品有りを検出することに応じて、横シール部の次回の作動と製品供給装置からの次回の製品の排出とを中止させることができる。製品が正常に落下し終えた状態で製品の頂端位置よりも上方の位置に設置された補助のセンサで製品の有無を検出する。したがって、製品落下センサが製品の存在を検出し終わって、補助のセンサで製品が存在していないことを検出した状態のとき、当該包装単位での製品の落下は完全に終了していることが判るが、補助のセンサで製品が存在していることを検出したときは、横シール部が次回のシール動作で製品を噛み込むおそれがあるので、横シール部の次回の作動と計量機からの次回の製品の排出とを中止させることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
この発明による縦型製袋充填包装システムにおける横シール制御は、上記のように、製品の落下タイミングを横シール部の上側直近で検出しているので、製品供給装置からの製品投入のタイミングと縦型製袋包装装置の横シールのような包装動作のタイミングとの調整を、作業員の個人的な能力や感覚に依存することなく客観的に且つ最適に制御することができる。また、縦型製袋包装装置としては、横シール部のみならず包装材を送る紙送り機構や縦シール部をも備えており、横シール部の動作を基準にして他の機構の動作を定めているのが一般的であるので、横シール部のタイミングを変更すると他の機構のタイミングも調整する必要がある。本発明においては、横シール部による横シールの作動タイミングに対して製品供給装置からの製品投入タイミングを調整しているので、他の機構の作動タイミングについては変更することなく、製品供給装置におけるタイミング調整だけをすることで済み、タイミング調整作業が簡単で済む。更に、落下の終わりの物品が横シール部によって噛み込まれるという事態が生じるおそれを無くすことができるとともに、製品の落下の検出から当該横シールの開始までの時間についても可及的に短く設定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、添付した図面に基づいて、この発明による縦型製袋包装システムとそれにおけるタイミング制御方法の実施形態を説明する。
【0020】
図1は、縦型製袋包装システムの一実施形態を示す概略図である。横シーラを含む包装機の各部を制御する包装制御装置はブロック図でその概略が示されている。縦型製袋包装装置(以下、「包装装置」と略す)1のそれ自体は公知のものであり、フィルムロールから繰り出されてフォーマ2と図示しない縦シーラとによって湾曲状に成形された包装材が、充填筒3の外周面に案内されながら充填筒3の外側を走行される。充填筒3上での包装材の送りは、充填筒3の側方に配置された包装材送り部4によって行われる。この例では、包装材送り部4は、図示しないサーボモータによって駆動される駆動プーリ5、従動プーリ6,6及びこれらプーリに巻き掛けられた紙送り用ベルト7によって構成されており、包装材は紙送り用ベルト7によって引き下ろし走行される。なお、ウェブ状包装材を筒状包装材に成形する場合には、充填筒3の外側を走行されるウェブ状包装材の両側端縁部をシールする縦シール部(図示せず)が設けられている。
【0021】
充填筒3の下方には横シール部8が配置されている。横シール部8は、横シールブロック8a,8bが所定のタイミングで筒状包装材Ftを横断方向に挟み込み、その挟み込んだ筒状包装材Ftに熱を加えることによって筒状包装材Ftの内面同士を溶着して、内部に製品Aが収容された袋包装体Pの横シールを形成している。横シール部8は、図示しないサーボモータによって駆動される。横シール部8にはカッタ9を組み込んで、製造された袋包装体Pを後続の筒状包装材から切断・分離することができる。包装制御装置10が、包装機1の包装材送り部4と横シール部8との作動タイミングを含む各種の作動を制御している。この実施例では、製品供給装置として計量機11が用いられており、製品供給制御装置として計量機制御装置12が設けられている。包装制御装置10は、包装装置の作動に応じて、計量機制御装置12への製品落下要求信号を出力する。
【0022】
充填筒3の上方には、1包装当たりの製品Aの重量を計量し、包装毎に製品Aを充填筒3内に排出する計量機11が配設されている。計量された製品Aがホッパ13内に準備されており、計量機制御装置12が包装制御装置10からの製品落下要求信号を受けて、ホッパ13の開閉板を開くことで製品Aが排出され、排出された製品Aは充填筒3内に投入される。充填筒3内に投入された製品Aは、横シール部8のシール動作で袋底が形成された筒状包装材の内部に収容される。計量機制御装置12から計量機11のホッパ13を開いて製品Aを排出させる信号が出力される際に、包装制御装置10に対しても製品排出信号が送信される。包装制御装置10は、製品排出信号を受信したことに応じて、その後の横シール部8の作動(作動タイミング)を含む包装機1の包装動作を開始する。計量機制御装置12からの製品排出信号に代えて、充填筒3の上部に配設される製品落下開始を探知する探知センサ14からの製品探知信号を、その後の包装機1の包装動作のための開始信号としてもよい。
【0023】
図2には製品落下センサの一例が図示されている。図2に示すように、横シール部8の上側直近には、製品落下センサ20が配設されている。包装装置1においては、通常、横シール部8の上側直近には落下する製品Aを受け止めるシャッタ21が開閉可能に設けられており、筒状包装材を挟み込んで閉じた状態では落下する製品Aを受け止める。シャッタ21が製品Aを受け止めることによって、製品Aが包装材に衝突して溶着されたばかりの横シールに衝撃力を作用させ横シールを損傷させるのを未然に防止している。製品落下センサ20はシャッタ21に組み込まれているので、包装装置1の構造を複雑化することなく製品Aの落下が検出可能である。製品落下センサ20は、落下してきた製品Aと衝突する際に所定以上の荷重や圧力を感知するときに、検出信号を発生させるロードセルやタッチセンサとすることができる。
【0024】
図3には、製品落下センサの別の例が示されている。図3に示すように、横シール部8の上側直近で且つシャッタ21の上側直近には、筒状包装材を挟む位置に光電センサやエリアセンサのような製品を検出する製品落下センサ30が配設されている。包装材は透明なフィルムであるのが好ましいが、色付きの包装材であっても、検出した光透過量を基準値と比較することで、製品Aが落下しているか否かを知ることができる。製品落下センサ30を配置する場合には、シャッタ21に製品落下センサ20を組み込む必要はないが、図2に示す場合と同様に、ロードセルを組み込んで両方のセンサの出力で製品落下を検出することも可能である。
【0025】
図4には、製品落下センサの更に別の例が示されている。図4に示す例では、製品Aが正常に落下し終えた時点で、製品Aの頂端位置(最上端位置)よりも上方の位置に光学式の製品落下センサ31が設置される。製品落下センサ31が製品Aの落下による通過を検出し終わって、製品Aが存在を検出しない状態のとき、当該包装単位での製品Aの落下は完全に終了していることが判る。製品落下センサ31が製品Aの存在を検出しているときは製品Aの頂端位置が異常に高いことを示しており、横シール部8が次の作動時に製品Aを噛み込むおそれがあるので、横シール部8は作動されない。製品Aの落下後、十分な時間経過後もなお製品落下センサ31が製品Aの存在を検出しているときは、製品Aの落下位置に不都合があるので、横シール部8の次回の作動と計量機11からの次回の製品Aの排出とを中止させることが好ましい。なお、図3に示す例と同様、製品落下センサ30を配置する場合にはシャッタ21に製品落下センサ20を組み込む必要は必ずしもない。
【0026】
この発明による縦型製袋包装システムにおけるタイミング制御の時間計測について説明する。図5は、図4に示した包装機における落下製品の時間計測を説明する概略図である。図6は、図5に示す包装機において、製品落下の検出とそれに基づく横シール部によるシール動作の時期的関係を示すタイムチャートである。
【0027】
図6を参照すると、包装装置1においては、上記したように、包装制御装置10は計量機制御装置12に製品落下要求信号を出力する(A)。計量機制御装置12は、当該製品落下要求信号を受けて、ホッパ13を開いて製品Aを排出した際に包装制御装置10に対して製品排出信号を送信する(B)。計量機制御装置12からの製品排出信号に代えて、充填筒3の上部に配設される探知センサ14からの製品探知信号を用いてもよい。製品排出信号(製品探知信号)の受信を受けて、包装制御装置10はその後の包装動作(例えば、横シール部8による作動タイミングを含む横シール動作)を開始する(C)。図4において示したように、充填筒3に関連して製品Aの頂端を検出する落下検出センサ31が設けられている場合、包装すべき製品Aがスナック菓子や小袋に包装された飴類などの多数のばら物品であるときには、製品落下検出センサ31による製品落下の検出は、その検出開始時期に一部の製品Aが先に落下してくるときもあれば、検出終了時期に遅れて落下する製品Aを検出することもある。大分部の製品Aは塊として落下するので、ある時間的期間において連続的に検出されるが、塊の前後において早目に落下又は遅目に落下する製品Aについては、検出の初期又は終期において不規則なパルスとして検出される(D)。
【0028】
(C)の横シール動作は、ロードセルのような製品落下センサ20又は製品落下センサ30による製品Aの落下の検出(E)に先立って、製品落下検出センサ31による製品落下の検出と略同時期に開始される(C,D)。横シール部8が閉じ動作が終了して筒状包装材が横シールブロック8a,8bで挟まれて熱溶着が開始される。センサ20又は30が横シールブロック8a,8bの挟み付け開始頃にタイミングを取って製品Aの落下を検出開始する(E)。このシールが完了(横シールブロック8a,8bが開き完了)したとされるタイミングで、次の包装のための製品Aの落下要求が出され、製品Aの落下が開始される(次回のA)。当該次の製品Aの落下要求よりも前に、横シール部8による横シールが終了し横シールブロック8a,8bが開き動作を開始し、当該次の製品Aの落下要求時点で横シール部8の開き動作が完了するように期間設定がなされている。そして、横シール部8の開き動作は連続的に行われるので、こうした落下製品の検出の開始及び終了と横シール部8の開閉のサイクルがタイミングを取って繰り返される。
【0029】
このように、製品Aの落下の状態を知ることができると、製品落下センサ31の位置における製品通過状態を知ることができるので、横シール部8の横シールブロック8a,8bの閉じ動作を行うタイミングを定めることができる。また、横シールブロック8a,8bが閉じているシール時間を定めると、最適な開閉動作速度を求めることができる。
【0030】
計量機11における製品排出タイミングの補正手順が次のように定められる。図7は本発明による製品排出タイミングの補正手順の一例を示すフローチャートである。
このフローチャートによれば、包装装置1が運転を開始すると、計量機11に対して製品の落下が要求される(ステップ1、「S1」と略す。以下同じ)。製品落下の要求は、包装装置1が正常に動作している限りは、以後、所定のインターバルで行われる。製品落下の要求を受けた計量機11がホッパ13を開くことで製品Aの排出を開始したことに応じて、製品排出信号が計量機制御装置12から包装制御装置10に対して送信される(或いは、落下された製品が充填筒3の上部やホッパ出口で落下するときに探知センサ14からの製品探知信号が包装制御装置10に対して送信される)(S2)。落下している製品がセンサの検出ラインを通過している間は、センサからの検出信号が発せられ、製品落下検出タイミングが取得される(S3)。この製品落下検出タイミングは、計量機11からの数回の落下における各探知タイミングを平均化したものとすることもできる。
【0031】
取得された製品落下検出タイミングが包装装置1の動作に連動した基準タイミングと比較される(S4)。基準タイミングは、包装装置1の動作に連動した任意のタイミングとすることができ、例えば、横シール部の閉じ動作開始タイミングとすることができる。製品落下検出タイミングが基準タイミングと比較して早い場合には、包装制御装置10からは、計量機11に対して出力される落下要求時期を、早いと判断した時間だけ、遅らせる制御を行う(S5)。また、製品落下検出タイミングが基準タイミングと比較して遅い場合には、包装制御装置10からは、計量機11に対して出力される落下要求時期を、遅いと判断した時間だけ、早める制御を行う(S6)。この調整された落下時期で以て、計量機11からの次の製品落下が要求される(S1に戻る)。
【0032】
図8には、この発明による縦型製袋包装システムの別の実施例が示されている。図8に示す縦型製袋包装システムにおいては、包装装置は、図1に示す実施例と同じであるので、再度の説明を省略する。製品供給装置は、バケットコンベア40が用いられている。バケットコンベア40においては、図示しない製品搬入機構(床上に配設される計量機であってもよい)から送り込まれた包装単位となる1回包装分の製品が定間隔に置かれた各バケット41に区分けして搬送され、コンベア経路42に沿って搬送される。バケットコンベア40は、包装装置1のホッパ・充填筒3の上方で反転するように配設されており、反転した各バケット41から包装単位の製品Aがホッパ・充填筒3内に投入される。包装装置1の包装タイミングに対してバケットコンベア40の各バケット41が反転するタイミングを制御することで、先の実施例の場合と同様なタイミング制御を行うことができる。ここでは、コンベアとしてバケットコンベア40を例に挙げて説明したが、処理単位毎に製品Aを収容或いは載置可能なコンベアであれば、型式は任意である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】この発明による縦型製袋包装システムの一実施例を示す概略図である。
【図2】この発明による縦型製袋包装システムに用いられる製品落下センサの一例を示す縦型製袋包装装置の側面概略図である。
【図3】この発明による縦型製袋包装システムに用いられる製品落下センサの別の例を示す縦型製袋包装装置の側面概略図である。
【図4】この発明による縦型製袋包装システムに用いられる製品落下センサの更に別の例を示す縦型製袋包装装置の側面概略図である。
【図5】図4に示した縦型製袋包装装置における落下製品の時間計測を説明する概略図である。
【図6】図5に示す包装装置において、製品落下の検出とそれに基づく横シール動作の時期的関係を示すタイムチャートである。
【図7】本発明による縦型製袋包装システムの製品排出タイミングの補正手順の一例を示すフローチャートである。
【図8】この発明による縦型製袋包装システムの別の実施例を示す概略図である。
【符号の説明】
【0034】
1 縦型製袋包装機 2 フォーマ
3 充填筒 4 包装材送り部
5 駆動プーリ 6 従動プーリ
7 タイミングベルト 8 横シール部
8a,8b 横シールブロック 9 カッタ
10 包装制御装置 11 計量機
12 計量機制御装置 13 ホッパ
14 探知センサ
20 製品落下センサ 21 シャッタ
30 製品落下センサ 31 製品落下センサ
40 バケットコンベア 41 バケット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装すべき製品を包装単位毎に供給する製品供給装置と、前記製品供給装置によって供給される前記製品が内部に投入される充填筒、及び前記充填筒の外周に案内走行される筒状包装材を横方向にヒートシールし、先行形成され且つ前記充填筒内を通じて供給された前記製品が収容された包装袋の上端部と後続形成される包装袋の底部とを形成する横シール部を有する縦型製袋包装装置と備えた縦型製袋包装システムにおいて、前記製品の落下を前記横シール部の上側直近で検出し、当該製品落下の検出に基づいて、前記横シール部の作動タイミングに対する前記製品供給機構からの前記充填筒への前記製品の投入タイミングを調整することから成る縦型製袋包装システムにおけるタイミング制御方法。
【請求項2】
前記横シール部の上側直近で検出された前記製品の落下タイミングを前記横シール部の前記作動タイミングに対して設定された基準落下タイミングと比較してタイミング偏差を求め、前記製品供給装置から前記充填筒への前記製品の投入タイミングを前記タイミング偏差に基づいて調整することから成る請求項1に記載の縦型製袋包装システムにおけるタイミング制御方法。
【請求項3】
前記横シール部の上側直近に落下する前記製品を受け止めるシャッタが開閉可能に配置されており、前記シャッタに配設されているロードセル又はタッチセンサ、若しくは前記シャッタの直上に配置された光電センサ又はエリアセンサによって、前記横シール部の上側直近における前記製品の落下を検出することから成る請求項1又は2に記載の縦型製袋包装システムにおけるタイミング制御方法。
【請求項4】
正常に落下し終えた前記製品の頂端位置よりも上方の位置において落下した前記製品の有無を検出しており、前記上方の位置において前記製品を検出することに応じて、前記横シール部の次回の作動と前記製品供給装置からの次回の前記製品の投入とを中止させることから成る請求項1〜3のいずれか1項に記載の縦型製袋包装システムにおけるタイミング制御方法。
【請求項5】
前記製品供給装置は、包装単位毎に前記製品を計量し、計量された前記製品を排出する計量機であることから成る請求項1〜4のいずれか1項に記載の縦型製袋包装システムにおけるタイミング制御方法。
【請求項6】
前記製品供給装置は、前記製品を包装単位毎に区分けして搬送するバケットコンベア等のコンベアであることから成る請求項1〜4のいずれか1項に記載の縦型製袋包装システムにおけるタイミング制御方法。
【請求項7】
包装すべき製品を包装単位毎に供給する製品供給装置と、前記製品供給装置によって供給される前記製品が内部に投入される充填筒、前記充填筒の外周に案内走行される筒状包装材を横方向にヒートシールし、先行形成され且つ前記充填筒内を通じて供給された前記製品が収容された包装袋の上端部と後続形成される包装袋の底部とを形成する横シール部、及び前記横シール部のシール動作を制御する包装制御装置を有する縦型製袋包装装置とを備えた縦型製袋包装システムにおいて、前記製品供給装置は前記製品の前記投入タイミングを制御する製品供給制御装置を有しており、前記製品の落下を検出する製品落下センサが前記横シール部の上側直近に配設されており、前記包装制御部は、前記製品落下センサが検出した前記製品の落下タイミングに基づいて、前記製品供給制御装置に対して、前記横シール部の作動タイミングに対して調整された前記製品の排出タイミングを指令することから成る縦型製袋包装システム。
【請求項8】
前記包装制御装置は、前記製品落下センサが検出した前記製品の落下タイミングを前記横シール部の前記作動タイミングに対して設定された基準落下タイミングと比較してタイミング偏差を求め、前記製品供給制御装置に対して指令する前記製品の排出タイミングを、前記タイミング偏差に基づいて調整することから成る請求項7に記載の縦型製袋包装システム。
【請求項9】
前記横シール部の上側直近には落下する前記製品を受け止めるシャッタが開閉可能に配置されており、前記横シール部の上側直近における前記製品の落下を検出するため、前記シャッタにはロードセル又はタッチセンサが、若しくは前記シャッタの直上には光電センサ又はエリアセンサが配設されていることから成る請求項7又は8に記載の縦型製袋包装システム。
【請求項10】
前記製品落下センサは、前記製品が正常に落下し終えた時点で前記製品の頂端位置よりも上方の位置に設置されている製品落下補助センサを含んでおり、前記包装制御装置は、前記製品落下補助センサが前記製品を検出することに応じて、前記横シール部の次回の作動と前記製品供給装置からの次回の前記製品の前記充填筒内への前記製品の投入とを中止させることから成る請求項7〜9のいずれか1項に記載の縦型製袋包装システム。
【請求項11】
前記製品供給装置は、包装単位毎に前記製品を計量し、計量された前記製品を前記充填筒内へ投入する計量機であることから成る請求項7〜10のいずれか1項に記載の縦型製袋包装システム。
【請求項12】
前記製品供給装置は、前記製品を包装単位毎に区分けして搬送するバケットコンベア等のコンベアであることから成る請求項7〜10のいずれか1項に記載の縦型製袋包装システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−227288(P2009−227288A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−72614(P2008−72614)
【出願日】平成20年3月19日(2008.3.19)
【出願人】(000148162)株式会社川島製作所 (90)
【Fターム(参考)】