説明

縦形製袋充填包装機

【課題】縦形製袋充填包装機において、ジッパ貼り付け時のシール圧を十分な強さにし、かつメンテナンスし易いジッパ付袋を製袋することができるようにする。
【解決手段】縦形製袋充填包装機が、横シーラ10A、10Bと、ジッパシーラ11A、11Bと、これらシーラをそれぞれ独立に駆動する横シーラ駆動部110、ジッパシーラ駆動部120を有し、横シーラ駆動部110、ジッパシーラ駆動部120のそれぞれが、横シーラ10A、10Bまたはジッパシーラ11A、11Bを、それぞれ押しつぶし方向に沿って可動保持する横シーラブラケット12A、12B、ジッパシーラブラケット30A、30Bと、これらとクランクアーム15A、15B、34A、34Bとで連結され、ベースフレーム50に固定された駆動モータ18、37とを備え、それらが包装材の搬送路の位置に対して、押しつぶし方向に沿う方向の同方向側に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジッパ付袋を製袋する縦形製袋充填包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シート状の包装材の端部を縦シールして筒状となし、これを一定方向に搬送して、筒状の包装材を横シールすることにより袋底部を形成し、さらに搬送しつつ内部に被充填物を充填し、所定距離だけ搬送して横シールすることで、袋状の包装物を連続的に製造する縦形製袋充填包装機が知られている。そして、この縦形製袋充填包装機の横シール部に隣接してジッパ貼り付け装置を配置することで、ジッパ付きの袋を製造するものが知られている。
このようなジッパ貼り付け装置として、例えば、特許文献1には、横シールブロックの下流側に、横シールを移動する移動部材の一方に固定された1つのジッパーシールブロックと、移動部材の他方に駆動シリンダを介して可動に設けられた他のジッパーシールブロックとを備えるものが記載されている。
ここで横シールブロックのシールブロック駆動機構は、摺動支持されたガイドバーの端部に設けられた移動部材と、ガイドバーに沿って移動する移動部材とを、クランクアームで連結された駆動モータで駆動する構成とされている。
また、特許文献2には、対向する2つのファスナーシール棒をそれぞれ空気圧シリンダで駆動して、袋状のウエブにファスナーを取り付けるシール装置が記載されている。
【特許文献1】特開2005−119209号公報(図1、7)
【特許文献2】特開2003−175556号公報(図5−8)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記のような従来のジッパ貼り付け装置およびそれを用いた縦形製袋充填包装機には、以下のような問題があった。
特許文献1、2に記載の技術では、ジッパーシールブロックやファスナーシール棒などを駆動シリンダや空気圧シリンダなどの気体圧駆動機構で直動駆動しているので、コンパクトな構成となっているものの、これらの気体圧駆動機構は、ジッパーシールブロックのシール圧をあまり高くすることができなかった。そのため、包装材の材質などによっては、シール圧が不足しジッパー貼り付け部に不良が生じやすくなるという問題がある。
横シールブロックとジッパーシールブロックとに共通する保持部材の剛性を高めることも考えられるが、装置が大型化したり、開放性が少なくなる結果、これらシールブロックの開閉動作のメンテナンス作業を行うために、メンテナンス部分に近づいて作業するための作業スペースを確保することが難しくなり作業効率が悪化するという問題がある。
【0004】
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、ジッパ貼り付け時のシール圧を十分な強さにし、かつメンテナンスし易いジッパ付袋を製袋する縦形製袋充填包装機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、包装材にジッパ部材を配置し、前記包装材を搬送しつつ端部を縦シールして前記包装材を筒状に整形して一定方向に搬送し、その内部に被充填物を充填し、横シールするとともに前記ジッパ部材を前記包装材に貼り付けてジッパ付袋を製袋する縦形製袋充填包装機であって、前記一定方向に搬送される筒状の包装材を互いに対向する側方から押しつぶして搬送方向に交差する方向に沿ってシールする1対の横シーラと、該横シーラの前記搬送方向下流側で前記各横シーラとそれぞれ同方向に移動して前記包装材に配置されたジッパ部材を前記包装材に貼り付ける1対のジッパシーラと、前記横シーラおよび前記ジッパシーラをそれぞれ独立に駆動する2つの駆動機構とを有し、前記2つの駆動機構のそれぞれが、前記1対の横シーラまたは前記1対のジッパシーラからなる1対のシーラを、それぞれ前記押しつぶし方向に沿って可動保持する第1および第2の保持部材と、装置基台に固定され、前記第1および第2の保持部材とそれぞれ第1および第2のクランクアームを介して連結された駆動モータとを備え、前記2つの駆動機構のそれぞれの駆動モータが、前記包装材の搬送路の位置に対して、前記押しつぶし方向に沿う方向の同方向側に配置された構成とする。
この発明によれば、ジッパシーラは、第1および第2の保持部材と、それらと第1および第2のクランクアームで連結され、装置基台に固定された駆動モータを備える駆動機構によって駆動されるので、十分な強さのシール圧を発生することができる。
また、2つの駆動機構のそれぞれの駆動モータが包装材の搬送路の位置に対して押しつぶし方向に沿う方向の同方向側に配置されるので、その反対側のスペースを開放した構成とすることができるため、例えば、各シーラ近傍部などで装置のメンテナンスを行うために、作業者がメンテナンス部分に近づいて作業するための作業スペースを確保することができる。
【0006】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の縦形製袋充填包装機において、前記2つの駆動機構のそれぞれで、前記第1の保持部材が、前記装置基台上の摺動支持部で前記押しつぶし方向に沿って可動支持されたスライドシャフトと、該スライドシャフトの一方の端部に設けられ、前記1対のシーラのうちの一方を取り付けるシーラ取付部と、前記スライドシャフトの他方の端部側に設けられ、前記第1のクランクアームを連結するクランクアーム連結部とから構成され、前記第2の保持部材が、前記第1の保持部材のシーラ取付部およびクランクアーム連結部との間で、前記スライドシャフトに可動支持され、前記第1の保持部材のシーラ取付部の対向側に前記1対のシーラのうち他方が保持され、その反対側に前記第2のクランクアームが連結された構成を備え、前記横シーラを駆動する駆動機構の前記スライドシャフトと前記ジッパシーラを駆動する駆動機構の前記スライドシャフトとが、前記搬送方向にずらして平行に配置され、前記2つの駆動機構のそれぞれの前記第1の保持部材の前記クランクアーム連結部の可動範囲が、前記押しつぶし方向にずらして設定され、前記それぞれのクランクアーム連結部の間に、前記2つの駆動モータの一方が配置された構成とする。
この発明によれば、2つの駆動機構のそれぞれで、駆動モータにより第1および第2のクランクアームを駆動して、それぞれ第1の保持部材のクランクアーム連結部と、第2の保持部材を逆方向に駆動することにより、第1の保持部材のシーラ取付部に設けられたシーラの一方と、第2の保持部材にシーラの一方の対向側に設けられたシーラの他方とを、スライドシャフトが延びる方向に沿って、互いの対向面を押圧または離間させるように駆動することができる。
そして、横シーラを駆動する駆動機構のスライドシャフトとジッパシーラを駆動する駆動機構のスライドシャフトとが、搬送方向にずらして平行に配置され、横シーラとジッパシーラとを搬送方向に近接して配置することができる。
また、2つの駆動機構のそれぞれの第1の保持部材のクランクアーム連結部の可動範囲が、押しつぶし方向にずらして設定され、それぞれのクランクアーム連結部の間に、2つの駆動モータの一方が配置されるので、搬送路の位置に対して、2つの駆動機構の内、駆動モータを含む側を押しつぶし方向に沿う方向の同方向側に配置することができる。
そのため、搬送路の位置に対して、押しつぶし方向に沿う方向の同方向側に駆動機構を効率的に配置することができるので、コンパクトかつ作業スペースが確保された構成とすることができる。
【0007】
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の縦形製袋充填包装機において、前記2つの駆動機構のそれぞれの前記摺動支持部が、前記押しつぶし方向において、前記2つの駆動機構の前記各第2の保持部材を間に挟む位置関係にある少なくとも2箇所に配置され、かつ、それぞれの前記少なくとも2箇所の摺動支持部が、前記搬送方向において隣接する位置に整列して配置された構成とする。
この発明によれば、押しつぶし方向において、各第2の保持部材を間に挟む位置関係にある少なくとも2箇所の摺動支持部が、2つの駆動機構でそれぞれ搬送方向において隣接する位置に整列して配置されるので、それぞれを異なる位置に配置する場合に比べて、摺動支持部の装置基台に対する配置場所を減らすことができコンパクトな構成とすることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の縦形製袋充填包装機によれば、それぞれ異なる第1、第2の保持部材により、横シーラとジッパシーラとの各対を保持して、ジッパ貼り付け時のシール圧を十分な強さにするとともに、それらを駆動する駆動機構を搬送路に対して押しつぶし方向に沿う方向の同方向側に配置できるので、メンテナンスし易いジッパ付袋を製袋することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下では、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
本発明の実施形態に係る縦形製袋充填包装機について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る縦形製袋充填包装機の概略構成を示す模式的な斜視図である。図2は、本発明の実施形態に係る縦形製袋充填包装機の横シール装置およびジッパシール装置の概略構成を示す平面図である。図3は、図2のA−A断面図である。図4は、本発明の実施形態に係る縦形製袋充填包装機の横シール装置およびジッパシール装置の下層側の概略構成を示す平面視の部分断面図である。図5は、本発明の実施形態に係る縦形製袋充填包装機の横シール装置およびジッパシール装置のスライドシャフトの配列を示す側面視の部分断面図である。
なお、各図に記載したXYZ直交座標系は、方向参照の便宜のために、各図共通の方向に配置している。XY平面は水平面を表し、Z軸正方向は鉛直上方に一致されている。以下では、図中の方向をこれらの座標軸を参照して表す場合がある。
【0010】
本実施形態の縦形製袋充填包装機100は、図1に示すように、フィルムなどの包装材Wの端部を縦シールして筒状包装材W(筒状の包装材)を形成して、鉛直上方から下方に(Z軸の正方向から負方向に向けて)搬送し、その下端側で横シールして底部を形成し、その内部に上方から、例えば粉体や粒状体などの被包装物(被充填物、図示せず)を充填し、一定長さだけ下方に繰り出して、上端側を横シールするとともに筒状包装材Wに予め仮止めしたジッパ部材5を貼り付ける工程を繰り返して、被包装物が充填されたジッパJの付いた包装袋Wを連続的に製造するものである。
包装材Wの材質は、適宜材質のプラスチックフィルム、ラミネートフィルムなどを採用することができる。
ジッパ部材5の形態、形状は、包装材Wに貼り付けることができるものであれば、特に限定されず、周知の種々のものを採用することができる。
【0011】
縦形製袋充填包装機100の概略構成は、包装材Wを供給するフィルムロール1と、包装材Wを搬送する複数の搬送ローラ2と、搬送ローラ2によって搬送された包装材Wを幅方向の端部が対向する状態で重ね合わせてZ軸を軸方向とする略円筒状の筒状包装材Wに整形するフォーマー部3aと、筒状包装材Wの形状を保持してZ軸負方向に向けて案内する製袋チューブ3と、製袋チューブ3上で筒状包装材WをZ軸負方向に間欠的に繰り出す繰り出しベルト6と、繰り出しベルト6によって間欠搬送される筒状包装材Wの兼ね合わされた端部を挟んで縦シールする縦シール部7と、製袋チューブ3の内側の充填空間に上方から被包装物を充填するためのホッパ8と、横シール装置10と、ジッパシール装置11とからなる。
また、特に図示しないが、これらの装置に接続され、それぞれを必要に応じて協調して動作させるためのシステム制御部を備える。
このように、本実施形態では、筒状包装材Wの搬送方向(以下、単に搬送方向ということにする)が鉛直下方向の場合で説明するが、これは一例であって、動作などに不都合がない限りでは、厳密な鉛直方向から傾斜していてもよい。
本実施形態では、包装材Wは、X軸正方向側から製袋チューブ3に供給されるようになっている。
【0012】
横シール装置10は、製袋チューブ3の下端部の下方側に配置され、筒状包装材Wを、繰り出しベルト6の繰り出し動作に連動するタイミングで、側方から押しつぶして搬送方向に交差する方向に沿ってシール(横シール)する。これにより形成された横シール部分の近傍の下方にジッパシール装置11でジッパ部材5を貼り付け、ジッパJを形成した後、横シール部分を切断して、包装袋Wを分離するものである。
【0013】
横シール装置10は、図1〜5に示すように、横シーラ10A、10B、および横シーラ駆動部110(駆動機構)からなる。
ジッパシール装置11は、ジッパシーラ11A、11B、ジッパシーラ駆動部120(駆動機構)、および制御部40からなる。
なお、本実施形態では、横シール装置10およびジッパシール装置11は、ZX平面に平行な装置の中心面に対して、略面対称な構成を有している。すなわち、Y軸方向に偶数個配置された部材は、特に断らない限り、略対称位置で対をなす部材となっている。これらの部材は、装置の中心面に対して面対称な形状を有する点を除いて同一の構成を有しているので、一方の形状のみを説明し、符号はそれぞれ同一としている。
【0014】
横シーラ10A、10Bは、それぞれ筒状包装材Wの搬送路中心線CのX軸の負方向側、正方向側に配置されたブロック状部材であり、筒状包装材Wに押圧して横シール部分を形成するためにY軸方向に長く延ばされた押圧面10a、10aがそれぞれ対向して、製袋チューブ3の下端の近傍に配置されている。すなわち、各押圧面10aは、搬送方向に交差する方向に延ばされている。以下、各押圧面10aが延ばされた方向を横シール方向という場合がある。
押圧面10aのY軸方向の長さは、筒状包装材Wを押しつぶした状態で幅方向(Y軸方向)に横断しうる長さとなっている。
ここで、筒状包装材Wを押しつぶす場合に、目的とする袋の形態により種々の押しつぶし方が可能である。例えば、円筒を単純に押しつぶすようにしてもよいし、マチ部を形成するように押しつぶしてもよい。
【0015】
そして、横シーラ10A、10Bは、横シーラ駆動部110によって、対向方向に沿って、それぞれの押圧面10aを対称的に移動して、搬送路中心線Cを通るYZ平面を中心としてX軸方向に開閉動作を行うことができるようになっている。
また、横シーラ10A、10BのZ軸方向の中間部には、各押圧面10aから突出可能に設けられ、カッター駆動部10bにより駆動されるカッター部材10c(図2参照)によって、横シール部分を横シール方向に切断する機構が設けられている。このため、横シーラ10A、10BのZX平面に平行な断面は、押圧面10a側に開口するコ字状あるいはU字状とされている。
【0016】
本実施形態では、各押圧面10aが、ヒータなどにより加熱され、筒状包装材Wを押しつぶしたときに、筒状包装材Wを押しつぶし方向に熱シールする構成を採用している。
ただし、横シールするための機構は、熱シールに限定されるものではなく、周知の種々の横シーラの構成を採用することができる。例えば、超音波融着、感圧接着などを採用することができ、横シーラ10A、10Bの構成もそれぞれに応じた構成を採用することができる。
【0017】
横シーラ駆動部110の概略構成は、横シーラブラケット12A、スライドシャフト14、14、連結ブラケット13、クランクアーム15A、15A、横シーラブラケット12B、クランクアーム15B、15B、および駆動モータ18からなる。
【0018】
横シーラブラケット12Aは、図2に示すように、Y軸方向に延ばされたブロック状部材であり、その長手方向(Y軸方向)の両端部にX軸正方向に平行に延びるスライドシャフト14、14が固定されている。
各スライドシャフト14は、それぞれベースフレーム50にX軸正方向に向かって順次設けられた支持ブラケット20、21、22に、それぞれ摺動支持部である軸受20a、21a、22aを介してX軸方向に移動可能に支持されている。
スライドシャフト14の長さは、横シーラ10Aが移動する全範囲内で、支持ブラケット22の支持が外れない長さとされる。
そして、横シーラブラケット12AのY軸方向の中間部には、X軸正方向側に取付部12a、12aが形成され、そのX軸正方向の先端側に横シーラ10Aが取り付けられている。
横シーラブラケット12AのZX断面の形状は、横シーラ10Aからの反力を受けるために必要な剛性、強度が得られる形状とされている。ただし、Z軸方向の厚さは、横シーラ10Aの厚さと同等またはわずかに厚い設定とされる。
【0019】
連結ブラケット13は、横シーラブラケット12Aと略同等の長さでY軸方向に延ばされたブロック状部材であり、そのY軸方向の両端部が、支持ブラケット21、22の間で、それぞれスライドシャフト14、14と固定されている。そして、Y軸方向の中間部のX軸負方向側に、後述する駆動モータ18からの駆動力を伝達するクランクアーム15A、15Aを回動自在に固定するジョイント部13a、13aが設けられている。
連結ブラケット13のZX断面の形状は、クランクアーム15Aからの駆動力を受けるために必要な剛性、強度が得られる形状とされている。ただし、Z軸方向の厚さは、横シーラブラケット12Aと略同等とされる。
【0020】
すなわち、横シーラブラケット12A、スライドシャフト14、14、連結ブラケット13は、平面視格子状に組み立てられ、横シーラを駆動する駆動機構の第1の保持部材を構成している。すなわち、横シーラ10A、横シーラブラケット12A、連結ブラケット13は、それぞれ、1対のシーラのうちの一方、シーラ取付部、クランクアーム連結部にそれぞれ対応する。
そして、第1のクランクアームであるクランクアーム15A、15Aによって、駆動力が伝達されることで、支持ブラケット21、22との間の距離の範囲で、X軸方向の移動可能とされている。
【0021】
横シーラブラケット12Bは、Y軸方向に延ばされたブロック状部材であり、その長手方向(Y軸方向)の両端部においてスライドシャフト14、14に摺動可能に連結するスライダ部12c、12cが設けられ、それぞれが支持ブラケット20、21の間で、スライドシャフト14に連結されている。
そして、横シーラブラケット12BのY軸方向の中間部には、X軸負方向側に、取付部12a、12aが形成され、そのX軸負方向の先端側に横シーラ10Bが取り付けられている。また、同じくX軸負方向側には、後述する駆動モータ18からの駆動力を伝達するクランクアーム15B、15Bを回動自在に固定するジョイント部12b、12bが設けられている。ジョイント部12bと連結ブラケット13のジョイント部13aとは、それぞれ略対向する位置に設けられている。
横シーラブラケット12BのZX断面の形状は、横シーラ10Bからの反力およびクランクアーム15Bからの駆動力を受けるために必要な剛性、強度が得られる形状とされている。ただし、Z軸方向の厚さは、横シーラ10Bの厚さと同等またはわずかに厚い設定とされ、横シーラブラケット12Aと略同等とされる。
【0022】
すなわち、横シーラブラケット12Bは、横シーラを駆動する駆動機構の第1の保持部材のシーラ取付部およびクランクアーム連結部との間で、スライドシャフトに可動支持され、第1の保持部材のシーラ取付部の対向側に1対のシーラのうち他方が保持され、その反対側に第2のクランクアームが連結された第2の保持部材を構成している。
横シーラ10B、クランクアーム15B、15Bは、それぞれ、1対のシーラのうちの他方、第2のクランクアームに対応する。
【0023】
駆動モータ18は、図2、3に示すように、各クランクアーム15A、15Bに駆動力を伝達するモータであり、回動方向の正逆の切り替え、および回動量、回動速度を制御部40により制御できるようになっているものである。本実施形態では、サーボモータを採用している。
そして、平面視では、横シーラブラケット12Bと連結ブラケット13との間の位置、かつY軸方向の略装置中央位置において、ベースフレーム50に固定されている。
出力軸であるモータシャフト17は、横シーラ10A、10BとZ軸方向にほぼ同一位置にあり、Y軸方向に沿ってその正方向、負方向に同軸な2軸が設けられ、それぞれの先端に回動アーム16、16が固定されている。
各回動アーム16には、回動の径方向の両端部にそれぞれクランクアーム15A、15Bが、例えばピン結合などの回転ジョイントにより結合されている。
【0024】
このような構成において、例えば、図3には、横シーラ10A、10Bが離間した状態が示されている。
このとき、モータシャフト17が図示時計回りに回動すると、連結ブラケット13、横シーラブラケット12Bと連結されたクランクアーム15A、15Bの端部がそれぞれ近接する方向に対称的に移動される。このため、横シーラブラケット12Bに取り付けられた横シーラ10Bと、連結ブラケット13に対向する位置の横シーラブラケット12Aに取り付けられた横シーラ10Aとは、互いに離間する方向に移動される。
そして、図示反時計回りに回動すると、この逆の動作を行うことができる。
すなわち、横シーラ10A、10BのX軸方向における開閉動作を行うことができるようになっている。
本実施形態では、一定の開放状態と閉止状態とに対応する回動角度位置は予め制御部40に記憶されており、それぞれの回動角度位置の間で、適宜回転速度を変えて回動できるようになっている。
【0025】
ジッパシーラ11A、11Bは、横シーラブラケット12A、12Bに対して、搬送方向の下流側に可動範囲が隣接するように配置されたもので、それぞれ筒状包装材Wの搬送路中心線CのX軸の負方向側、正方向側に配置されたブロック状部材からなる。そして、横シール部分の下方に配置されたジッパ部材5を筒状包装材Wに貼り付けるためにY軸方向に長く延ばされた押圧面11a、11aがそれぞれ対向されている。
押圧面11aのY軸方向の長さと形状は、ジッパ部材5の形態、形状に応じて、貼り付けに必要な長さ、形状とされる。
例えば、特許文献1に記載されているような、熱シール可能なジッパ片上に封止部が形成されたジッパ部材の場合には、仮止めされたジッパ部材5の封止部を、搬送方向上流側および横シール方向の両端の側を取り囲むような、下に開いたコ字状の押圧面11aとして、ジッパ片を包装材Wで挟んで熱シールするような構成を採用することができる。
ジッパ部材5を貼り付けるための機構は、熱シールに限定されるものではなく、周知の種々のジッパシーラの構成を採用することができる。例えば、超音波融着、感圧接着などを採用することができ、ジッパシーラ11A、11Bの構成もそれぞれに応じた構成とすることができる。
【0026】
そして、ジッパシーラ11A、11Bは、ジッパシーラ駆動部120によって、対向方向に沿って、それぞれの押圧面11aを対称的に移動して、搬送路中心線Cを通るYZ平面を中心としてX軸方向に開閉動作を行うことができるようになっている。
【0027】
ジッパシーラ駆動部120の概略構成は、図3、4に示すように、ジッパシーラブラケット30A、スライドシャフト33、33、連結ブラケット31、クランクアーム34A、34A、ジッパシーラブラケット30B、クランクアーム34B、34B、および駆動モータ37からなる。
【0028】
ジッパシーラブラケット30Aは、図4に示すように、Y軸方向に延ばされたブロック状部材であり、その長手方向(Y軸方向)の両端部にX軸正方向に平行に延びるスライドシャフト33、33が固定されている。
各スライドシャフト33は、図5に示すように、それぞれ支持ブラケット20、21において、それぞれ軸受20a、21aのZ軸負方向側に隣接して設けられた軸受20b、21bを介してX軸方向に移動可能に支持されている。
そして、それぞれ支持ブラケット22において軸受22aのZ軸負方向側に設けられた貫通孔22bに挿通され、各支持ブラケット22のX軸正方向側においてベースフレーム50上に固定して設けられた支持ブラケット23、23に、摺動支持部である軸受23b、23bを介してX軸方向に移動可能に支持されている。
したがって、スライドシャフト33、14は、Z軸方向に略重なり合う配置とされ、ZX平面に平行な平面で、互いに平行かつ隣接して配置されている。
このため、支持ブラケット20、21を、XY平面で、スライドシャフト33、14にそれぞれ共通な位置に設けることができ、支持ブラケットの設置個数を減らしてベースフレーム50の構成を簡素化することができるとともに、XY平面上での構成をコンパクトなものとすることができる。
【0029】
スライドシャフト33の長さは、ジッパシーラ11Aが移動する全範囲内で、支持ブラケット23の支持が外れない長さとされる。
そして、ジッパシーラブラケット30AのY軸方向の中間部には、X軸正方向側に取付部30a、30aが形成され、そのX軸正方向の先端側にジッパシーラ11Aが取り付けられている。
ジッパシーラブラケット30AのZX断面の形状は、ジッパシーラ11Aからの反力を受けるために必要な剛性、強度が得られる形状とされている。ただし、Z軸方向の厚さは、ジッパシーラ11Aの厚さと同等またはわずかに厚い設定とされる。
そして、ジッパシーラ11Aが移動する全範囲で、上側を移動する横シーラブラケット12Aと干渉しない寸法に設定される。
横シーラブラケット12A、ジッパシーラブラケット30Aが、それぞれ横シーラ10A、ジッパシーラ11Aと同厚さであれば、確実に干渉しないことになり、横シーラ駆動部110、ジッパシーラ駆動部120の水平方向の可動範囲を最小限に設定することができる。
【0030】
連結ブラケット31は、ジッパシーラブラケット30Aと略同等の長さでY軸方向に延ばされたブロック状部材であり、そのY軸方向の両端部が、支持ブラケット22、23の間で、それぞれスライドシャフト33、33と固定されている。そして、Y軸方向の中間部のX軸負方向側に、後述する駆動モータ37からの駆動力を伝達するクランクアーム34A、34Aを回動自在に固定するジョイント部31a、31aが設けられている。
連結ブラケット31のZX断面の形状は、クランクアーム34Aからの駆動力を受けるために必要な剛性、強度が得られる形状とされている。ただし、Z軸方向の厚さは、ジッパシーラブラケット30Aと略同等とされる。
そして、ジッパシーラ11Aが移動する全範囲で、上側を移動するスライドシャフト14と干渉しない寸法に設定される。
【0031】
すなわち、ジッパシーラブラケット30A、スライドシャフト33、33、連結ブラケット31は、平面視格子状に組み立てられ、ジッパシーラを駆動する駆動機構の第1の保持部材を構成している。すなわち、ジッパシーラ11A、ジッパシーラブラケット30A、連結ブラケット31は、それぞれ、1対のシーラのうちの一方、シーラ取付部、クランクアーム連結部にそれぞれ対応する。
そして、第1のクランクアームであるクランクアーム34A、34Aによって、駆動力が伝達されることで、支持ブラケット22、23の間の距離の範囲で、X軸方向の移動可能とされている。
【0032】
ジッパシーラブラケット30Bは、Y軸方向に延ばされたブロック状部材であり、その長手方向(Y軸方向)の両端部においてスライドシャフト33、33に摺動可能に連結するスライダ部30c、30cが設けられ、それぞれが支持ブラケット20、21の間で、スライドシャフト33に連結されている。
そして、ジッパシーラブラケット30BのY軸方向の中間部には、X軸負方向側に、取付部30a、30aが形成され、そのX軸負方向の先端側にジッパシーラ11Bが取り付けられている。また、同じくX軸負方向側には、後述する駆動モータ37からの駆動力を伝達するクランクアーム34B、34Bを回動自在に固定するジョイント部30b、30bが設けられている。ジョイント部30bと連結ブラケット31のジョイント部31aとは、それぞれ略対向する位置に設けられている。
【0033】
ジッパシーラブラケット30BのZX断面の形状は、ジッパシーラ11Bからの反力およびクランクアーム34Bからの駆動力を受けるために必要な剛性、強度が得られる形状とされている。ただし、Z軸方向の厚さは、ジッパシーラ11Bの厚さと同等またはわずかに厚い設定とされ、ジッパシーラブラケット30Aと略同等とされる。
そして、ジッパシーラ11Bが移動する全範囲で、上側を移動する横シーラブラケット12Bと干渉しない寸法に設定される。
【0034】
すなわち、ジッパシーラブラケット30Bは、ジッパシーラを駆動する駆動機構の第1の保持部材のシーラ取付部およびクランクアーム連結部との間で、スライドシャフトに可動支持され、第1の保持部材のシーラ取付部の対向側に1対のシーラのうち他方が保持され、その反対側に第2のクランクアームが連結された第2の保持部材を構成している。
ジッパシーラ11B、クランクアーム34B、34Bは、それぞれ、1対のシーラのうちの他方、第2のクランクアームに対応する。
【0035】
駆動モータ37は、図3、4に示すように、各クランクアーム34A、34Bに駆動力を伝達するモータであり、回動方向の正逆の切り替え、および回動量、回動速度を制御部40により制御できるようになっているものである。本実施形態では、駆動モータ18と同様のサーボモータを採用している。
そして、平面視では、図2に示すように、連結ブラケット13と連結ブラケット31との間の位置、かつY軸方向の略装置中央位置において、ベースフレーム50に固定されている。
出力軸であるモータシャフト36は、ジッパシーラ11A、11BとZ軸方向にほぼ同一位置にあり、Y軸方向に沿ってその正方向、負方向に同軸な2軸が設けられ、それぞれの先端に回動アーム35、35が固定されている。
各回動アーム35には、回動の径方向の両端部にそれぞれクランクアーム34A、34Bが、例えばピン結合などの回転ジョイントにより結合されている。
【0036】
このような構成において、例えば、図3には、ジッパシーラ11A、11Bの各押圧面11aが互いに対向方向に押圧された状態が示されている。
このとき、モータシャフト36が反時計回りに回動すると、連結ブラケット31、ジッパシーラブラケット30Bと連結されたクランクアーム34A、34Bの端部がそれぞれ近接する方向に対称的に移動される。このため、ジッパシーラブラケット30Bに取り付けられたジッパシーラ11Bと、連結ブラケット31に対向する位置のジッパシーラブラケット30Aに取り付けられたジッパシーラ11Aとは、互いに離間する方向に移動される。
そして、そのような離間する状態から、図示時計回りに回動すると、この逆の動作を行うことができる。すなわち、ジッパシーラ11A、11BのX軸方向における開閉動作を行うことができるようになっている。
本実施形態では、一定の開放状態と閉止状態とに対応する回動角度位置は予め制御部40に記憶されており、それぞれの回動角度位置の間で、適宜回転速度を変えて回動できるようになっている。
【0037】
本実施形態で、ジッパシーラ11A、11Bの開閉動作が、上述した横シーラ10A、10Bの開閉動作と、モータシャフト36、17の回動方向が異なっているが、駆動モータ18、37は、制御部40によって独立に駆動されるので、回動方向が異なっていても制御上は問題がない。各クランクアームのXY平面における可動範囲に対する装置レイアウトの都合などによって、適宜それぞれの回動方向を設定することができる。
【0038】
このように、本実施形態では、各クランクアーム34A、35BのY軸方向の配置位置は、各クランクアーム15A、15Bを間に挟むようにずらして配置されている。そのため、駆動モータ18、37によって各クランクアームが同時に駆動されても、各クランクアームの運動面がY軸方向にずらされているので、干渉することがない。
また、このような配置設定により、駆動モータ18は、クランクアーム34B、34Bに挟まれた位置に配置され、駆動モータ18、37が、X軸方向に隣接して固定されている。
すなわち、2つの駆動機構のそれぞれの駆動モータが、包装材の搬送路の位置に対して、押しつぶし方向(X軸方向)の同方向(X軸正方向)側に配置された構成となっている。
【0039】
次に、縦形製袋充填包装機100の動作について、横シール装置10とジッパシール装置11との動作を中心に説明する。
縦形製袋充填包装機100では、図1に示すように、搬送ローラ2を駆動して、フィルムロール1から包装材Wを一定長さだけ巻きだして間欠的に搬送する。包装材Wは、略水平方向に広げられた状態で、ジッパ仮止め部4の下方側に到達する。このとき、ジッパ仮止め部4によって、包装材W上にジッパ部材5を配置して包装材W上に仮止めする。ジッパ部材5の仮止め位置は、横シールが形成される予定位置からわずかに搬送方向下流側の位置とされる。
【0040】
ジッパ部材5が仮止めされた包装材Wは、フォーマー部3aに搬送される。
フォーマー部3aでは、包装材Wを幅方向の端部が対向する状態で重ね合わせて製袋チューブ3の外周に沿う略円筒状に整形し、筒状包装材Wを形成する。
筒状包装材Wは、製袋チューブ3上で、繰り出しベルト6によって、包装袋Wの長さ分だけ、間欠的にZ軸負方向に繰り出される。
この動作タイミングは、縦シール部7の縦シール動作、横シーラ駆動部110、ジッパシーラ駆動部120によるシーラの開閉動作と同期されている。
すなわち、繰り出しの停止時に、縦シール部7によって、筒状包装材Wの周方向で重ね合わされた端部が縦シールされ、筒状包装材Wの形状が固定される。
また、各シーラの閉止動作が行われ、それぞれが開放された際に、繰り出し動作が行われる。
そして、繰り出し動作の間に、ホッパ8から被包装物の充填工程が行われる。
【0041】
繰り出しの停止時に行われる各シーラの閉止動作は、制御部40が、駆動モータ18、37を回動し、回動アーム16、35を閉止状態の回動角度位置に移動させることで行う。
これにより、横シーラ駆動部110(ジッパシーラ駆動部120)では、クランクアーム15B(34B)に連結された横シーラブラケット12B(ジッパシーラブラケット30B)がX軸負方向に駆動力を受け、スライドシャフト14(33)に沿って、スライダ部12c(30c)が移動することで、横シーラブラケット12B(ジッパシーラブラケット30B)に取り付けられた横シーラ10B(ジッパシーラ11B)がX軸負方向に移動する。
また、クランクアーム15A(34A)に連結された連結ブラケット13(31)が、X軸正方向に駆動力を受け、支持ブラケット20、21、22(20、21、23)に案内されてスライドシャフト14(33)をX軸正方向に押し出す。そして、スライドシャフト14(33)の他方の端部に固定された横シーラブラケット12A(ジッパシーラブラケット30A)がX軸正方向に移動し、横シーラブラケット12A(ジッパシーラブラケット30A)に取り付けられた横シーラ10A(ジッパシーラ11A)がX軸正方向に移動する。
これらの動作により、横シーラ10A、10B(ジッパシーラ11A、11B)の押圧面10a(11a)が、搬送路中心線Cに関して対称的に近づき、筒状包装材Wを押しつぶして、挟んで互いに押圧されて、閉止状態を形成する。
本実施形態では、各押圧面10a、11aは加熱されており、それぞれ一定時間、一定の押圧力を保持することで、横シールが形成され、ジッパ部材5が貼り付けられる。
【0042】
横シーラ10A、10B(ジッパシーラ11A、11B)の移動速度は、駆動モータ18(37)の回動速度を制御することで適宜の速度変化を設定することができる。また、閉止タイミングを適宜変えることができる。例えば、横シーラ10A、10Bを、ジッパシーラ11A、11Bに先行して閉止する設定とすることができる。
【0043】
横シールとジッパシールが終了すると、横シーラ10A、10Bのカッター部材10cによって、横シール部分を横シール方向に沿って切断する。これにより先行する工程で形成された包装袋Wが切り離される。
【0044】
そして、各シーラの開放動作を行う。すなわち、制御部40が、駆動モータ18、37を上記と逆方向に回動させる動作を行い、各押圧面10a、11aが、内部に被包装物を充填された状態の筒状包装材Wを通過させる開放状態まで離間させる。
各シーラが開放されると、筒状包装材Wの繰り出し動作が開始され、被包装物がその内部に充填される。そして、上記工程が繰り返されることで、包装袋Wが連続的に製造されていく。
【0045】
このように、横シール装置10とジッパシール装置11とでは、各シーラが、それぞれ独立した第1、第2の保持部材に保持され、装置基台に固定された独立した駆動モータから、それぞれ異なるクランクアームによって駆動されて、筒状包装材Wのシール動作を行うので、それぞれ反力が互いのシール圧に影響することがないため、それぞれを必要に応じた押圧力に独立設定することができる。したがって、ジッパシーラ11A、11Bのシール圧を高圧としても、横シーラ10A、10Bのシール圧に影響を与えることがないという利点がある。
【0046】
また、いずれの駆動機構も、独立した駆動モータの回動運動によってシール動作を行うので、開閉時の速度制御、押圧タイミング、押圧力、閉止時の移動速度変化などを、必要に応じて異なる設定とすることができる。
【0047】
そして、例えば、気体圧駆動機構の場合とは異なり、その動作や押圧力を細かく設定することができる。すなわち、押しつぶし直前で移動速度を減速することで押しつぶし時の衝撃を低減することができる。この場合、被包装物が衝撃振動によって落下して横シール部やジッパ部材5に挟まれるといった不良を防止することができる。
また、それぞれ対向する気体駆動機構で弾性的に押圧される場合と異なり、いずれも十分な剛性を有するクランクアーム、第1、第2の保持部材を介して各シーラが押圧されるので、閉止時に必要に応じた押圧力で安定して押圧し、より高圧のシール圧を得ることができるという利点がある。
さらに、各駆動モータの出力軸が各シーラとZ軸方向にほぼ同一位置にあり、モーメント力が発生しないので、各シーラが閉止時に倒れることもない。
これらの作用が相俟って、ジッパ部材5の貼り付け不良を格段に低減することができる。
【0048】
また、本実施形態の縦形製袋充填包装機100の横シール装置10およびジッパシール装置11では、各シーラは、搬送路中心線Cに対して対称的に開放されるが、横シーラ駆動部110、ジッパシーラ駆動部120の各駆動モータは搬送路中心線Cに対してX軸正方向側に配置されているので、X軸負方向側に必要な配置スペースは、横シーラブラケット12A、ジッパシーラブラケット30Aの最大可動範囲までである。
そのため、例えば、作業者が、各シーラをメンテナンスするなどの作業スペースをX軸負方向に確保することができるという利点がある。
【0049】
また、上記の説明では、駆動モータの両側に2つのスライドシャフトを配置して、駆動機構を押しつぶし方向に対して対称な配置を有する構成を有する例で説明した。このような構成によれば、各シーラの駆動力のバランスを良好にすることができるので、シール圧分布の偏りなどを低減することができて好ましい。ただし、シール分布の偏りが許容範囲であれば、例えば、スライドシャフトを1本としたり、対称的でない配置構成を採用したりしてもよい。
【0050】
また、上記の説明では、摺動支持部を、各スライドシャフトにそれぞれ3つ設ける構成としたが、各シーラの開閉動作を円滑に行うためには、シーラが取り付けられる第1の保持部材のシーラ取付部と第2の保持部材とが、閉止状態で押しつけ方向に安定して支持されればよく、そのためには、少なくとも、これらの間の軸受20a、20bとともに第2の保持部材を挟む位置に配置される軸受21a、21bの2つの摺動支持部を備えればよい。
【0051】
また、上記の説明では、支持ブラケット20、21を各スライドシャフトに共通な支持ブラケットとした例で説明したが、装置のスペースに余裕があれば、それぞれを異なる位置に形成して、別個の支持ブラケットとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施形態に係る概略構成を示す模式的な斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る縦形製袋充填包装機の横シール装置およびジッパシール装置の概略構成を示す平面図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る縦形製袋充填包装機の横シール装置およびジッパシールの下層側の概略構成を示す平面視の部分断面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る縦形製袋充填包装機の横シール装置およびジッパシール装置のスライドシャフトの配列を示す側面視の部分断面図である。
【符号の説明】
【0053】
3 製袋チューブ
4 ジッパ仮止め部
5 ジッパ部材
10 横シール装置
10A、10B 横シーラ
11 ジッパシール装置
11A、11B ジッパシーラ
12A 横シーラブラケット(シーラ取付部)
12B 横シーラブラケット(第2の保持部材)
12c、30c スライダ部
13、31 連結ブラケット(クランクアーム連結部)
14、33 スライドシャフト
15A、34A クランクアーム(第1のクランクアーム)
15B、34B クランクアーム(第2のクランクアーム)
16、35 回動アーム
18、37 駆動モータ
20、21、22、23 支持ブラケット
20a、20b、21a、21b、22a、23b 軸受(摺動支持部)
30A ジッパシーラブラケット(シーラ取付部)
30B ジッパシーラブラケット(第2の保持部材)
40 制御部
50 ベースフレーム(装置基台)
100 縦形製袋充填包装機
110 横シーラ駆動部(駆動機構)
120 ジッパシーラ駆動部(駆動機構)
C 搬送路中心線
W 包装材
筒状包装材(筒状の包装材)
包装袋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装材にジッパ部材を配置し、前記包装材を搬送しつつ端部を縦シールして前記包装材を筒状に整形して一定方向に搬送し、その内部に被充填物を充填し、横シールするとともに前記ジッパ部材を前記包装材に貼り付けてジッパ付袋を製袋する縦形製袋充填包装機であって、
前記一定方向に搬送される筒状の包装材を互いに対向する側方から押しつぶして搬送方向に交差する方向に沿ってシールする1対の横シーラと、
該横シーラの前記搬送方向下流側で前記各横シーラとそれぞれ同方向に移動して前記包装材に配置されたジッパ部材を前記包装材に貼り付ける1対のジッパシーラと、
前記横シーラおよび前記ジッパシーラをそれぞれ独立に駆動する2つの駆動機構とを有し、
前記2つの駆動機構のそれぞれが、
前記1対の横シーラまたは前記1対のジッパシーラからなる1対のシーラを、それぞれ前記押しつぶし方向に沿って可動保持する第1および第2の保持部材と、
装置基台に固定され、前記第1および第2の保持部材とそれぞれ第1および第2のクランクアームを介して連結された駆動モータとを備え、
前記2つの駆動機構のそれぞれの駆動モータが、前記包装材の搬送路の位置に対して、前記押しつぶし方向に沿う方向の同方向側に配置されたことを特徴とする縦形製袋充填包装機。
【請求項2】
前記2つの駆動機構のそれぞれで、
前記第1の保持部材が、
前記装置基台上の摺動支持部で前記押しつぶし方向に沿って可動支持されたスライドシャフトと、
該スライドシャフトの一方の端部に設けられ、前記1対のシーラのうちの一方を取り付けるシーラ取付部と、
前記スライドシャフトの他方の端部側に設けられ、前記第1のクランクアームを連結するクランクアーム連結部とから構成され、
前記第2の保持部材が、
前記第1の保持部材のシーラ取付部およびクランクアーム連結部との間で、前記スライドシャフトに可動支持され、前記第1の保持部材のシーラ取付部の対向側に前記1対のシーラのうち他方が保持され、その反対側に前記第2のクランクアームが連結された構成を備え、
前記横シーラを駆動する駆動機構の前記スライドシャフトと前記ジッパシーラを駆動する駆動機構の前記スライドシャフトとが、前記搬送方向にずらして平行に配置され、
前記2つの駆動機構のそれぞれの前記第1の保持部材の前記クランクアーム連結部の可動範囲が、前記押しつぶし方向にずらして設定され、
前記それぞれのクランクアーム連結部の間に、前記2つの駆動モータの一方が配置されたことを特徴とする請求項1に記載の縦形製袋充填包装機。
【請求項3】
前記2つの駆動機構のそれぞれの前記摺動支持部が、
前記押しつぶし方向において、前記2つの駆動機構の前記各第2の保持部材を間に挟む位置関係にある少なくとも2箇所に配置され、かつ、それぞれの前記少なくとも2箇所の摺動支持部が、前記搬送方向において隣接する位置に整列して配置されたことを特徴とする請求項2に記載の縦形製袋充填包装機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2007−269321(P2007−269321A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−93576(P2006−93576)
【出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(000151461)株式会社東京自働機械製作所 (106)
【Fターム(参考)】