説明

置換イソキノリノン

本出願において、イソキノリノン化合物が提供される。これらのイソキノリノン化合物は、特に、血栓症および血栓症関連病態または障害の治療において、ADP血小板の凝集を阻止するのに有用である。本出願は、より有効な血小板ADPレセプターインヒビターを提供する。特に、本出願は、心血管疾患(特に、血栓症に関連する心血管疾患)の予防および/または処置において有用である抗血栓活性を有する血小板ADPレセプターインヒビターを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の援用)
本出願は、2003年10月3日に出願した米国特許仮出願番号60/508,402号(その開示は、本明細書中に参考として援用される)の恩恵を主張する。
【0002】
(米国連邦政府に支援された研究および開発のもとでなされた発明に対する権利に関する陳述)
適用されない。
【0003】
(コンパクトディスクにて提出された「配列表」、表、またはコンピュータプログラムリストなどの付表に関する言及)
適用されない。
【背景技術】
【0004】
血栓合併症は、先進国における主要死亡原因である。これらの合併症としては、急性心筋梗塞、不安定狭心症、慢性安定狭心症、一過性脳虚血発作、脳卒中、末梢性脈管疾患、子癇前症/子癇、深部静脈性血栓症、塞栓症、播種性血管内凝固症候群、および血小板減少性紫斑病が挙げられる。血栓合併症および再狭窄合併症はまた、侵襲性手順(例えば、血管形成術、頚動脈血管内膜切除、CABG(冠状動脈バイパス移植)手術後、脈管移植手術、ステント配置ならびに血管内デバイスおよびプロテーゼの挿入)の後に生じる。血小板凝集物がこれらの事象において重要な役割を果たすと、一般的に考えられている。血小板(これは、通常は、脈管構造において自由に循環する)は、活性化し凝集して、破裂したアテローム性動脈硬化性病変によってかまたは侵襲性処置(例えば、血管形成術)によって引き起こされる血流不全を伴う血栓を形成して、脈管閉塞を生じる。血小板活性化は、種々の因子(例えば、露出した内皮下マトリックス分子(例えば、コラーゲン)によって、または凝固カスケードにおいて形成される血栓によって、阻害され得る。
【0005】
血小板の活性化および凝集の重要な媒介因子は、ADP(アデノシン5’−二リン酸)である。これは、種々の因子(例えば、コラーゲンおよびトロンビン)による活性化の際に損傷した血球から放出され、そして損傷した血球、内皮または組織から放出される。ADPによる活性化は、より多量の血小板の動員および既存の血小板凝集物の安定化をもたらす。凝集を媒介する血小板ADPレセプターは、ADPおよびその誘導体のうちのいくつかによって活性化され、そしてATP(アデノシン5’‐三リン酸)およびその誘導体のうちのいくつかによってアンタゴナイズされる(非特許文献1)。したがって、血小板ADPレセプターは、プリンヌクレオチドおよび/またはピリミジンヌクレオチドによって活性化されるP2レセプターファミリーのメンバーである(非特許文献2)。
【0006】
選択的アンタゴニストを使用する最近の薬理学的データは、ADP依存性血小板凝集には、少なくとも2つのADPレセプターの活性化が必要であることを示唆する(非特許文献3:非特許文献4;非特許文献5)。1つのレセプターは、クローン化されたP2Yレセプターと同一であるようであり、ホスホリパーゼCの活性化および細胞内カルシウム移動を媒介し、そして血小板の形状変化のために必要である。凝集のために重要な第二の血小板ADPレセプターは、アデニリルシクラーゼの阻害を媒介する。このレセプター(P2Y12)の遺伝子またはcDNAの分子クローニングが、最近報告された(非特許文献6)。その薬理学特性およびシグナル伝達特性に基づいて、このレセプターは、以前は、P2YADP(非特許文献7)、P2TAC(非特許文献8)、またはP2Ycyc(非特許文献9)と呼ばれた。
【0007】
抗血栓活性を有する、ADP依存性血小板凝集の種々の直接作用性合成インヒビターまたは間接作用性合成インヒビターが、報告されている。経口活性抗血栓チエノピリジンであるチクロピジンおよびクロピドグレルは、ADP誘導性血小板凝集、血小板に対する放射標識ADPレセプターアゴニスト2−メチルチオアデノシン5’−二リン酸の結合、および他のADP依存性事象を、間接的に、おそらくは、不安定な不可逆的に作用する代謝物の形成を介して、阻害する(非特許文献10)。内因性アンタゴニストであるATPのいくつかのプリン誘導体(例えば、AR−C(前名FPLもしくはARL)67085MXおよびAR−C69931MX)は、選択的血小板ADPレセプターアンタゴニストである。これらは、ADP依存性血小板凝集を阻害し、動物血栓症モデルにおいて有効である(非特許文献11;非特許文献12)。新規なトリアゾロ[4,5−d]ピリミジン化合物が、P2T−アンタゴニストとして開示された(特許文献1)。血小板ADPレセプターインヒビターとしての三環系化合物もまた、特許文献2に開示されている。これらの抗血栓化合物の標的は、アデニリルシクラーゼの阻害を媒介する血小板ADPレセプターであるようである。
【特許文献1】国際公開第99/05144号パンフレット
【特許文献2】国際公開第99/36425号パンフレット
【非特許文献1】Mills,D.C.B.(1996)Thromb.Hemost.76:835〜856
【非特許文献2】King,B.F.,Townsend−Nicholson,A.およびBurnstock,G.(1998)Trends Pharmacol.Sci.19:506〜514
【非特許文献3】Kunapuli,S.P.(1998)Trends Pharmacol.Sci.19:391〜394
【非特許文献4】Kunapuli,S.P.およびDaniel,J.L.(1998)Biochem.J.336:513〜523
【非特許文献5】Jantzen,H.M.ら(1999)Thromb.Hemost.81:111〜117
【非特許文献6】Hollopeter,G.ら(2001)Nature 409:202〜207
【非特許文献7】Fredholm,B.B.ら(1997)TIPS 18:79〜82
【非特許文献8】Kunapuli,S.P.(1998)Trends Pharmacol.Sci.19:291〜394
【非特許文献9】Hechler,B.ら(1998)Blood 92,152〜159
【非特許文献10】Quinn,M.J.およびFitzgerald,D.J.(1999)Circulation 100:1667〜1667
【非特許文献11】Humphriesら(1995)Trends Pharmacol.Sci.16:179
【非特許文献12】Ingall,A.H.ら(1999)J.Med.Chem.42:213〜230
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
これらの化合物にも関わらず、より有効な血小板ADPレセプターインヒビターの必要性が、存在する。特に、心血管疾患(特に、血栓症に関連する心血管疾患)の予防および/または処置において有用である抗血栓活性を有する血小板ADPレセプターインヒビターの必要性が、存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の要旨)
上記を考慮して、本発明は、1局面では、特別の置換したイソキノリノンである化合物を提供する。これらの化合物は、次式で表わされる:
【0010】
【化18】

式Iに関して、該点線は、任意の二重結合を表わす;記号Rは、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C3〜5シクロアルキル、C3〜5シクロアルキル−アルキルまたはベンジルを表わす;そして記号Rは、H、C1〜6アルキルまたはC1〜6ハロアルキルを表わす。この記号は、H、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜5シクロアルキル、C3〜5シクロアルキル−アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、シアノまたは−C(O)R3aを表わし、ここで、R3aは、H、ヒドロキシ、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、アミノ、C1〜6アルキルアミノおよびジ−C1〜6アルキルアミノである;そしてRは、HまたはC1〜6アルキルを表わす。
【0011】
次に、該チオフェン環上の置換基に目を向けると、Rは、H、ハロゲン、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、シアノまたは−C(O)R5aを表わし、ここで、R5aは、C1〜6アルコキシ、アミノ、C1〜6アルキルアミノおよびジ−C1〜6アルキルアミノを表わす。
【0012】
記号Arは、芳香環を表わし、該芳香環は、ベンゼン、ピリジンおよびピリミジンからなる群より選択され、各々は、必要に応じて、1個〜2個のR置換基で置換されており、ここで、各Rは、別個に、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ハロアルコキシ、C3〜5シクロアルキル、C3〜5シクロアルキル−アルキル、C3〜5シクロアルキル−アルコキシ、アミノ、C1〜6アルキルアミノ、ジ−C1〜6アルキルアミノ、−C(O)R6a、−O(CHOR6b、−(CH)mOR6b、−O(CHN(R6bおよび−(CH)N(R6bからなる群より選択され、ここで、下付き文字mは、1〜3の整数であり、各R6aは、別個に、H、ヒドロキシ、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、アミノ、C1〜6アルキルアミノおよびジ−C1〜6アルキルアミノからなる群より選択されるメンバーであり、そして各R6bは、H、C1〜4アルキルおよびC1〜4アルカノイルからなる群から別個に選択されるメンバーであり、必要に応じて、窒素に結合した2個のR6b基は、窒素原子と結合して、アゼチジン環、ピロリジン環またはピペリジン環を形成する。
【0013】
本発明は、さらに、上記化合物の薬学的に受容可能な塩だけでなく、これらの化合物を含有する薬学的組成物を提供する。
【0014】
他の局面では、本発明は、血栓症および血栓症に関連した病態または障害を処置する方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(発明の詳細な説明)
(定義)
用語「アルキル」とは、単独で、または別の置換基の一部として、他のように記載されない限りは、指定された炭素原子数を有する(すなわち、C1〜8は、1〜8個の炭素を意味する)、直鎖または分枝鎖の炭化水素ラジカルを意味する。アルキル基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチルなどが挙げられる。用語「アルケニル」とは、1つ以上の二重結合を有する不飽和アルキル基を指す。同様に、用語「アルキニル」とは、1つ以上の三重結合を有する不飽和アルキル基を指す。そのような不飽和アルキル基の例としては、ビニル、2−プロペニル、クロチル、2−イソペンテニル、2−(ブタジエニル)、2,4−ペンタジエニル、3−(1,4−ペンタジエニル)、エチニル、1−プロピニルおよび3−プロピニル、3−ブチニル、ならびにより高級なホモログおよび異性体が挙げられる。用語「シクロアルキル」とは、指定された数の環原子(例えば、C3〜6シクロアルキル)を有し、かつ完全に飽和しているかまたは環の頂点間に1つ以下の二重結合を有する、炭化水素環を指す。「シクロアルキル」が、C3〜5シクロアルキル−アルキルにおけるように「アルキル」と組み合わせて使用される場合、そのシクロアルキル部分は、3〜5個の炭素原子を有することになっており、一方、そのアルキル部分は、1〜3個の炭素原子を有するアルキレン部分である(例えば、−CH−、−CHCH−または−CHCHCH−)。
【0016】
用語「アルコキシ」、「アルキルアミノ」および「アルキルチオ」(またはチオアルコキシ)は、その従来の意味で使用される。これらの用語は、それぞれ、酸素原子、アミノ基、またはイオウ原子を介してその分子の残りに結合しているアルキル基を指す。簡略には、用語C1〜6アルキルアミノとは、直鎖、分枝、もしくは環式のアルキル基またはその組み合わせ(例えば、メチル、エチル、2−メチルプロピル、シクロブチル、およびシクロプロピルメチル)を包含することになっている。
【0017】
用語「ハロ」または「ハロゲン」とは、単独で、または別の置換基の一部として、他のように示されない限り、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子を意味する。さらに、「ハロアルキル」などの用語は、モノハロアルキルおよびポリハロアルキルを包含することになっている。例えば、用語「C1〜4ハロアルキル」とは、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、4−クロロブチル、3−ブロモプロピルなどを包含することになっている。
【0018】
用語「アリール」とは、他のように示されない限り、1つの環であっても、または一緒に縮合もしくは共有結合している複数の環(3個までの環)であってもよい、多飽和(代表的には、芳香族)炭化水素基を意味する。例示的なアリール基は、フェニル、ナフチル、ビフェニルなどである。用語「ヘテロアリール」とは、N、O、およびSから選択される1〜5個のヘテロ原子を含むアリール基(またはアリール環)を指し、その窒素原子およびイオウ原子は、必要に応じて酸化されており、その窒素原子は、必要に応じて四級化されている。ヘテロアリール基は、ヘテロ原子を介してその分子の残りに結合され得る。ヘテロアリール基の非限定的例としては、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル、1−ピラゾリル、3−ピラゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、ピラジニル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、3−イソキサゾリル、4−イソキサゾリル、5−イソキサゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、2−フリル、3−フリル、2−チエニル、3−チエニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジル、4−ピリミジル、5−ベンゾチアゾリル、プリニル、2−ベンズイミダゾリル、ベンゾピラゾリル、5−インドリル、1−イソキノリル、5−イソキノリル、2−キノキサリニル、5−キノキサリニル、3−キノリル、および6−キノリルが挙げられる。上記のアリール環系およびヘテロアリール環系の各々についての置換基は、下記の受容可能な置換基の群から選択される。
【0019】
本明細書中で使用される場合、用語「ヘテロ原子」とは、酸素(O)、窒素(N)、イオウ(S)、およびケイ素(Si)を包含することになっている。
【0020】
用語「薬学的に受容可能な塩」とは、本明細書中に記載される化合物において見出される特定の置換基に依存して、比較的非毒性の酸または塩基を用いて調製される活性化合物の塩を包含することになっている。本発明の化合物が、比較的に酸性の官能基を含む場合、そのような化合物の中性形態を、充分な量の望ましい塩基と、ニートでかまたは適切な不活性溶媒中でかのいずれかで接触させることによって、塩基付加塩が取得され得る。薬学的に受容可能な塩基付加塩の例としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩、有機アミノ塩、もしくはマグネシウム塩、または類似する塩が挙げられる。本発明の化合物が、比較的塩基性の官能基を含む場合、そのような化合物の中性形態を、充分な量の望ましい酸と、ニートでかまたは適切な不活性溶媒中でかのいずれかで接触させることによって、酸付加塩が取得され得る。薬学的に受容可能な酸付加塩の例としては、無機酸(塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、重炭酸、リン酸、第二リン酸(monohydrogenphosphoric acid)、第一リン酸(dihydrogenphosphoric acid)、硫酸、重硫酸、ヨウ化水素酸、または亜リン酸など)から誘導される酸付加塩、ならびに比較的非毒性の有機酸(酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p‐トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸など)から誘導される酸付加塩が挙げられる。また、アミノ酸(例えば、アルギン酸など)の塩および有機酸(グルクロン酸、ガラクツロン酸など)の塩も包含される(例えば、Berge,S.M.ら「Pharmaceutical Salts」Journal of Pharmaceutical Science,1997,66,1〜19を参照のこと)。本発明の特定の具体的な化合物は、その化合物が塩基付加塩または酸付加塩へと変換されるのを可能にする、塩基性官能基および酸性官能基の両方を含む。
【0021】
上記化合物の中性形態は、従来の様式で、その塩を、塩基または酸と接触させ、そして親化合物を単離することによって、再生され得る。上記化合物の親形態は、特定の物理的特性(例えば、極性溶媒における溶解度)において種々の塩形態とは異なるが、その他の点では、本発明の目的のためには、その化合物の親形態と等価である。
【0022】
塩形態に加えて、本発明は、プロドラッグ形態である化合物を提供する。本明細書中に記載される化合物のプロドラッグは、生理的条件下で容易に化学変化して本発明の化合物を提供する、化合物である。さらに、プロドラッグは、エキソビボ環境において化学的方法または生化学的方法によって本発明の化合物へと変換され得る。例えば、プロドラッグは、適切な酵素または化学試薬とともに経皮パッチレザバ中に配置された場合に、本発明の化合物へとゆっくり変換され得る。
【0023】
本発明の特定の化合物は、非溶媒和物形態および溶媒和物形態(水和形態を含む)にて存在し得る。一般的に、その溶媒和物形態は、非溶媒和物形態と等価であり、そして本発明の範囲内に包含されることが意図される。本発明の特定の化合物は、複数の結晶形態または非晶質形態で存在し得る。一般的に、すべての物理的形態が、本発明によって企図される使用のために等価であり、そして本発明の範囲内に包含される。
【0024】
本発明の特定の化合物は、不斉炭素原子(光学中心)または二重結合を有する。ラセミ化合物、ジアステレオマー、幾何異性体、および個々の異性体(例えば、別個の鏡像異性体)は、すべてが、本発明の範囲内に包含されることが意図される。
【0025】
本発明の化合物はまた、そのような化合物を構成する原子のうちの1つ以上において非天然比率の原子同位体を含み得る。例えば、上記化合物は、放射性同位体(例えば、トリチウム(H)、ヨウ素125(125I)、または炭素14(14C))で放射標識され得る。本発明の化合物のすべての同位体変化形は、放射性であろうとなかろうと、本発明の範囲内に包含されることが意図される。
【0026】
(実施形態の一般的な記載)
(化合物)
上記を考慮して、本発明は、1局面では、特別の置換したイソキノリノンである化合物を提供する。これらの化合物は、次式で表わされる:
【0027】
【化19】

まず、記号R〜Rに目を向けると、記号Rは、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C3〜5シクロアルキル、C3〜5シクロアルキル−アルキルまたはベンジルを表わす。C3〜5シクロアルキル−アルキルおよび(以下で使用する)C3〜5シクロアルキル−アルコキシとの用語について、そのアルキルまたはアルコキシ部分は、それぞれ、そのシクロアルキル部分で使用される炭素原子を除いて、1個〜3個の炭素原子を有することを意味する。例えば、C3〜5シクロアルキル−アルキルは、シクロプロピルメチル、シクロペンチルメチル、3−シクロブチルプロピル、2−シクロプロピルエチルなどを含むことを意味する。同様に、C3〜5シクロアルキル−アルコキシは、シクロプロピルメトキシ、シクロペンチルメトキシ、3−シクロブチルプロピルオキシ、2−シクロプロピルエトキシなどを含むことを意味する。好ましくは、Rは、C1〜6アルキル、C3〜5シクロアルキルまたはC3〜5シクロアルキル−アルキルである。さらに好ましくは、Rは、C1〜4アルキル、C3〜5シクロアルキルまたはC3〜5シクロアルキル−アルキルである。さらにより好ましくは、Rは、C1〜4アルキル、特に、CHまたはCHCHであり、CHは、最も好ましい。
【0028】
記号Rは、H、C1〜6アルキルまたはC1〜6ハロアルキルを表わす。好ましくは、Rは、HまたはC1〜6アルキルである;さらに好ましくは、HまたはC1〜4アルキルである。さらにより好ましくは、Rは、HまたはCHであり、Hは、最も好ましい。
【0029】
記号Rは、H、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜5シクロアルキル、C3〜5シクロアルキル−アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、シアノまたは−C(O)R3aを表わし、ここで、R3aは、H、ヒドロキシ、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、アミノ、C1〜6アルキルアミノおよびジ−C1〜6アルキルアミノから選択される。好ましくは、Rは、H、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、C3〜5シクロアルキル、C3〜5シクロアルキル−アルキル、C1〜4ハロアルキル、シアノまたは−C(O)R3aである。さらに好ましくは、Rは、H、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、C3〜5シクロアルキルまたはC3〜5シクロアルキル−アルキルである。
【0030】
記号Rは、HまたはC1〜6アルキルを表わす。好ましくは、Rは、HまたはC1〜4アルキルを表わす。さらに好ましくは、Rは、HまたはCHである。
【0031】
次に、該チオフェン環上の置換基に目を向けると、Rは、H、ハロゲン、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、シアノまたは−C(O)R5aを表わし、ここで、R5aは、C1〜6アルコキシ、アミノ、C1〜6アルキルアミノおよびジ−C1〜6アルキルアミノを表わす。好ましくは、Rは、H、ハロゲン、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、C1〜4ハロアルキル、C1〜4アルコキシ、シアノまたは−C(O)R5aである。さらに好ましくは、Rは、ハロゲン、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C1〜4アルコキシ、シアノ、−C≡CHまたは−C(O)NHである。さらにより好ましくは、Rは、ハロゲンまたはC1〜4アルキルである。最も好ましくは、Rは、クロロであり、そして該チエニル環の5位に結合されている。
【0032】
記号Arは、芳香環を表わし、該芳香環は、ベンゼン、ピリジンおよびピリミジンからなる群より選択され、各々は、必要に応じて、1個〜2個のR置換基で置換されており、ここで、各Rは、別個に、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ハロアルコキシ、C3〜5シクロアルキル、C3〜5シクロアルキル−アルキル、C3〜5シクロアルキル−アルコキシ、アミノ、C1〜6アルキルアミノ、ジ−C1〜6アルキルアミノ、−C(O)R6a、−O(CHOR6b、−(CH)mOR6b、−O(CHN(R6bおよび−(CH)N(R6bからなる群より選択され、ここで、下付き文字mは、1〜3の整数であり、各R6aは、別個に、H、ヒドロキシ、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、アミノ、C1〜6アルキルアミノおよびジ−C1〜6アルキルアミノからなる群より選択されるメンバーであり、そして各R6bは、別個に、H、C1〜4アルキルおよびC1〜4アルカノイルからなる群より選択され、必要に応じて、窒素に結合した2個のR6b基は、窒素原子と結合して、アゼチジン環、ピロリジン環またはピペリジン環を形成する。該芳香環(これは、必要に応じて、置換されている)の各々は、本発明の別の好ましい実施形態である。
【0033】
式Iの点線は、任意の二重結合を表わす。殆どの実施形態では、この点線は、存在している。しかしながら、いくつかの実施形態では、この点線は、存在しておらず、残りの原子価は、水素原子で満たされている。結果として、この点線は、以下の両方を表わすことを意味する:
【0034】
【化20】

多数の特に好ましい実施形態は、式Ia、式Ibおよび式Icとして、提供される。
【0035】
第一群の好ましい実施形態では、本発明の化合物は、次式を有する:
【0036】
【化21】

ここで、R、R、R、R、RおよびRの各々は、上で提供した意味を有し、そして該下付き文字nは、0〜2の整数であり、これは、Rについて上で提供した群から別個に選択される置換基の非存在(nは、0である)または存在(nは、1または2である)を示す。Rは、存在する場合には、尿素−スルホニル(−NHC(O)NHS(O)−)成分を持つ炭素原子に隣接したベンゼン環上の位置を占める実施形態は、さらに好ましい。さらに、一般式Iに関して上で提供された好ましい成分はまた、式Iaの化合物についても好ましい。
【0037】
式Iaの好ましい実施形態の1群では、nは、0〜2の整数である;Rは、C1〜4アルキル、C3〜5シクロアルキルまたはC3〜5シクロアルキル−アルキルである;Rは、Hである;Rは、H、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、C3〜5シクロアルキル、C3〜5シクロアルキル−アルキル、C1〜4ハロアルキル、シアノまたは−C(O)R3aである;Rは、HまたはC1〜4アルキルである;Rは、ハロゲン、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4ハロアルキル、−CN、−C≡CHまたは−CONHである;そしてRは、存在する場合には、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C3〜5シクロアルキル−アルコキシ、−O(CHOR6bおよび−O(CHN(R6bからなる群より選択され、ここで、該下付き文字mは、1または2であり、そして各R6bは、別個に、H、C1〜4アルキルおよびC1〜4アルカノイルからなる群より選択される。Rが、C1〜4アルキルである;Rが、HまたはCHである;Rが、ハロゲンまたはC1〜4アルキルである;そしてRは、存在する場合には、C1〜4アルキル、−O(CHOR6bおよび−O(CHN(R6bからなる群より選択される実施形態は、さらに好ましい。Rが、メチルである;Rが、クロロであり、そして前記チエニル環の5位に結合されている;そしてRは、存在する場合には、CH、−OCHCHOH、−OCHCHOCH、−OCHOCH、−OCHCHOC(O)CHおよび−O(CHN(CHからなる群より選択される実施形態は、さらにより好ましい。
【0038】
第二群の好ましい実施形態では、本発明の化合物は、次式を有する:
【0039】
【化22】

ここで、R、R、R、R、RおよびRの各々は、上で提供した意味を有し、そして該下付き文字nは、0〜2の整数であり、これは、Rについて上で提供した群から別個に選択される置換基の非存在(nは、0である)または存在(nは、1または2である)を示す。Rは、存在する場合には、そのピペリジン環の3位(すなわち、尿素−スルホニル(−NHC(O)NHS(O)−)成分を持つ炭素原子に隣接したベンゼン環上の位置)を占める実施形態は、さらに好ましい。さらに、一般式Iに関して上で提供された好ましい成分はまた、式Ibの化合物についても好ましい。
【0040】
式Ibの好ましい実施形態の1群では、nは、0〜2の整数である;Rは、C1〜4アルキル、C3〜5シクロアルキルまたはC3〜5シクロアルキル−アルキルである;Rは、Hである;Rは、H、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、C3〜5シクロアルキル、C3〜5シクロアルキル−アルキル、C1〜4ハロアルキル、シアノまたは−C(O)R3aである;Rは、HまたはC1〜4アルキルである;Rは、ハロゲン、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4ハロアルキル、−CN、−C≡CHまたは−CONHである;そしてRは、存在する場合には、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C3〜5シクロアルキル−アルコキシ、−O(CHOR6bおよび−O(CHN(R6bからなる群より選択され、ここで、該下付き文字mは、1または2であり、そして各R6bは、別個に、H、C1〜4アルキルおよびC1〜4アルカノイルからなる群より選択される。Rが、C1〜4アルキルである;Rが、HまたはCHである;Rが、ハロゲンまたはC1〜4アルキルである;そしてRは、存在する場合には、C1〜4アルキル、−O(CHOR6bおよび−O(CHN(R6bからなる群より選択される実施形態は、さらに好ましい。Rが、メチルである;Rが、H、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、C3〜5シクロアルキルまたはC3〜5シクロアルキル−アルキルである;Rが、HまたはCHである;Rが、クロロであり、そして該チエニル環の5位に結合されている;そしてRは、存在する場合には、C1〜4アルキル、−O(CHOR6bおよび−O(CHN(R6bから選択され、ここで、該下付き文字mが、1または2であり、そして各R6bが、別個に、H、C1〜4アルキルおよびC1〜4アルカノイルから選択される実施形態は、さらにより好ましい。
【0041】
さらに他の実施形態では、本発明の化合物は、式Icを有する:
【0042】
【化23】

ここで、R、R、R、R、RおよびRの各々は、上で提供した意味を有し、そして該下付き文字nは、0〜2の整数であり、これは、Rについて提供した群から別個に選択される置換基の非存在(nは、0である)または存在(nは、1または2である)を示す。一般式Iに関して上で提供された好ましい成分はまた、式Icの化合物についても好ましい。
【0043】
式Icの好ましい実施形態の1群では、nは、0〜2の整数である;Rは、C1〜4アルキル、C3〜5シクロアルキルまたはC3〜5シクロアルキル−アルキルである;Rは、Hである;Rは、H、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、C3〜5シクロアルキル、C3〜5シクロアルキル−アルキル、C1〜4ハロアルキル、シアノまたは−C(O)R3aである;Rは、HまたはC1〜4アルキルである;Rは、ハロゲン、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4ハロアルキル、−CN、−C≡CHまたは−CONHである;そしてRは、存在する場合には、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C3〜5シクロアルキル−アルコキシ、−O(CHOR6bおよび−O(CHN(R6bからなる群より選択され、ここで、該下付き文字mは、1または2であり、そして各R6bは、別個に、H、C1〜4アルキルおよびC1〜4アルカノイルからなる群より選択される。Rが、C1〜4アルキルである;Rが、HまたはCHである;Rが、ハロゲンまたはC1〜4アルキルである;そしてRは、存在する場合には、C1〜4アルキル、−O(CHOR6bおよび−O(CHN(R6bからなる群より選択される実施形態は、さらに好ましい。Rが、メチルである;Rが、H、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、C3〜5シクロアルキルまたはC3〜5シクロアルキル−アルキルである;Rが、HまたはCHである;Rが、クロロであり、そして該チエニル環の5位に結合されている;そしてRは、存在する場合には、C1〜4アルキル、−O(CHOR6bおよび−O(CHN(R6bから選択され、ここで、該下付き文字mが、1または2であり、そして各R6bが、別個に、H、C1〜4アルキルおよびC1〜4アルカノイルから選択される実施形態は、さらにより好ましい。
【0044】
本発明の最も好ましい実施形態のうちには、以下で提供した化合物だけでなく、実施例の化合物がある。
【0045】
【化24】

【0046】
【化25】

(式Iの化合物を調製するスキーム)
【0047】
【化26】

スキームAは、式Iの化合物(ここで、R=Hであり、R、R、R、Rは、先に記述されており、Arは、置換アリールおよびヘテロアリールである)を調製する方法を描写している。
【0048】
(スキームA)
【0049】
【化27】

式Iの化合物は、ピリジン中にてマロン酸とベンズアルデヒド1とを反応させてケイ皮酸を得ることにより、調製でき、これは、触媒(例えば、ヨウ化物)の存在下にて、不活性溶媒(例えば、1,2−ジクロロベンゼン)中で、まず、クロロギ酸エチルで処理し、次いで、アジ化ナトリウムで処理することにより、アクリロイルアジドに変換でき、イソキノロン3が得られる。置換イソキノロン4は、塩基(例えば、炭酸カリウムまたは炭酸セシウム)の存在下にて、イソキノロン3のアミド官能基をハロゲン置換芳香族またはヘテロ芳香族化合物で処理することにより、調製でき、ここで、このハロゲンは、脱離基(好ましくは、クロロまたはフルオロ)である。この変換に好ましい溶媒は、不活性溶媒(例えば、DMF、DMSOおよび低級アルコール)である。次いで、そのメチル基は、ジクロロメタン中にてBBrで処理することにより、あるいは、不活性溶媒(例えば、DMSOまたはDMF)中にてヨウ化リチウムで処理することにより、除去できる。トリフリト酸アリール5と、カルバミン酸第三級ブチルエステル、もしくは第一級または第二級アミンとのC−Nカップリング反応は、Buchwaldら、Org.Lett.2000,2,1101−1104で記載された方法に従って、実行できる。化合物6のニトロ基は、当業者に公知の手順により還元でき、遊離アミノ基が得られる。例えば、1つの適当な還元方法は、適当な溶媒(典型的には、アルコール)中での適当な触媒(例えば、炭素上10%パラジウム)を使った水素化を伴う。スルホニル尿素連鎖の形成は、還元された生成物アニリン7を、5−クロロチオフェン−2−スルホンアミド、炭酸N,N’−ジスクシンイミジルおよびテトラメチルグルカミンの前混合溶液で処理することにより、続いて、ジクロロメタン中にて、室温で、TFAで処理してスルホニル尿素8を得ることにより、達成できる。
【0050】
(スキームB)
【0051】
【化28】

種々のAr基を有する式Iの化合物は、まず、6つの工程で共通の中間体11を合成することにより、調製できる(スキームBを参照のこと)。スキームAの化合物3は、ジクロロメタン中にて三臭化ホウ素で処理することにより、続いて、フェニルトリフルオロメチルスルホンアミドで選択的にトリフリト化してトリフレート9を得ることにより、脱メチル化できる。カルバミン酸第三級ブチルエステルを使用して、このラクタムの窒素をSEM−ClおよびC−Nカップリングで保護することは、Buchwaldら、Org Lett.2000,2,1101−1104に従って、実行でき、ビス保護中間体10が得られる。標準的なメチル化条件およびTBAFを使うSEM基の除去により、重要な中間体11が得られる。種々のハロ置換ニトロ芳香族化合物は、方法AまたはBを使用してカップリングでき、続いて、触媒水素化または二塩化スズ(II)二水和物を使用して還元すると、12が得られる(以下の実施例46および47を参照のこと)。また、種々のハロ置換アニリンは、以下で概説する方法Cの条件を使用して、10にカップリングでき、12が得られる(実施例48を参照のこと)。スルホニル尿素連鎖の形成は、還流しているトルエン中にて、生成物であるアニリン12を5−クロロ−チオフェン−2−スルホンアミドのカルバミン酸エチルで処理することにより、続いて、ジクロロメタン中にて、室温で、TFAで処理することにより、達成でき、スルホニル尿素13が得られる。
【0052】
(スキームC)
【0053】
【化29】

スキームCは、式Iの化合物(ここで、R=Hであり、R=Meであり、R=Hであり、R=Clであり、Rは、先に記述したとおりである)を調製する方法を描写している。Arは、置換または非置換アリールまたはヘテロアリール基である。
【0054】
スキームCで分かるように、式Iの化合物は、化合物14のt−Boc基(これは、スキームBで容易に得ることができる)の脱保護で出発することにより、続いて、水素化して化合物15を得ることにより、調製できる。15の化合物16への変換は、スティルまたはスズキカップリング条件を使用して達成でき、適当に置換したR基を有する化合物16が得られる。スルホニル尿素連鎖の形成は、還元された生成物アニリン7を、5−クロロチオフェン−2−スルホンアミド、炭酸N,N’−ジスクシンイミジルおよびテトラメチルグルカミンの前混合溶液で処理することにより、続いて、ジクロロメタン中にて、室温で、TFAで処理してスルホニル尿素17を得ることにより、達成できる。
【0055】
(組成物)
本発明の別の局面において、式I、式Ia、式Ib、または式Icの化合物が単独でかまたは組み合わせの状態で、薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせられている、薬学的組成物が、提供される。本発明の組成物において使用するための好ましい化合物は、具体的な実施形態または好ましい実施形態として上記にて同定される化合物である。
【0056】
本発明の薬学的組成物は、溶液または懸濁物の形態であり得る。血栓症障害の管理において、本発明の化合物または薬学的組成物はまた、例えば、経口用錠剤、経口用カプセル剤、もしくは経口用エリキシル剤、座剤、滅菌溶液もしくは滅菌懸濁物、または注射可能物質投与などの形態であり得るか、あるいは成形された物品中に組み込まれ得る。
【0057】
錠剤、カプセル剤などへと組み込まれ得る代表的なアジュバントとしては、結合剤(例えば、アラビアゴム、コーンスターチまたはゼラチン)、および賦形剤(例えば、微結晶性セルロース)、崩壊剤(例えば、コーンスターチまたはアルギン酸)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)、甘味剤(例えば、スクロースまたはラクトース)、あるいは矯味矯臭剤が挙げられるが、これらに限定されない。投与形態がカプセル剤である場合、上記の材料に加えて、そのカプセル剤はまた、液体キャリア(例えば、水、生理食塩水、または脂肪酸)を含み得る。種々の型の他の材料が、その投与単位のコーティングとしてかまたはその投与単位の物理的形態の改変剤として、使用され得る。注射用滅菌組成物が、従来の薬学的実施に従って処方され得る。例えば、ビヒクル(例えば、油または合成脂肪ビヒクル(例えば、オレイン酸エチル))中またはリポソーム中への活性化合物の溶解または懸濁が、望ましいものであり得る。緩衝剤、保存剤、抗酸化剤などが、一般に認められた薬学的実施に従って組み込まれ得る。
【0058】
さらに、治療投与のために使用されるべき、式I、式Ia、式Ib、もしくは式Icの化合物の投与処方物、または本発明の化合物を含む薬学的組成物は、滅菌されていなければならない。滅菌性は、滅菌膜(例えば、0.2ミクロン膜)を通す濾過によってか、または他の従来の方法によって、容易に達成され得る。処方物は、代表的には、固体形態(好ましくは、凍結乾燥形態)で保存される。好ましい投与経路が経口的である場合、式I、式Ia、式Ib、もしくは式Icの化合物の投与処方物、または本発明の化合物を含む薬学的組成物はまた、注射によって、静脈内(ボーラスおよび/もしくは注入)に、皮下に、筋肉内に、結腸に、直腸に、鼻内に、経皮的に、または腹腔内に、投与され得る。種々の投与形態もまた使用され得る。その投与形態としては、座剤、移植ペレットまたは小シリンダー、エアロゾル、経口投与処方物、および局所処方物(例えば、軟膏、ドロップ、経皮パッチ)が挙げられるが、これらに限定されない。式I、式Ia、式Ib、もしくは式Icの化合物の投与処方物、および本発明の化合物を含む薬学的組成物はまた、形状および物品(例えば、不活性材料(例えば、生分解性ポリマーまたは合成シリコーン(例えば、SILASTIC)、シリコーンラバー、または他の市販のポリマー)へと組み込まれ得る。本発明の化合物および薬学的組成物はまた、リポソーム送達系(例えば、小さい単膜リポソーム、大きい単膜リポソーム、および多重膜リポソーム)の形態で提供され得る。リポソームは、当業者にとって周知の方法で使用される種々の脂質(例えば、コレステロール、ステアリルアミン、またはホスファチジルコリン)から形成され得る。
【0059】
(処置方法/投与方法)
なお別の局面において、本発明は、哺乳動物において血栓症を予防または処置するための方法を提供する。この方法は、上記哺乳動物に、治療有効量の式I、式Ia、式Ib、もしくは式Icの化合物を、単独でかまたは上記の本発明の薬学的組成物の一部として投与する工程による。式I、式Ia、式Ib、もしくは式Icの化合物、および本発明の式I、式Ia、式Ib、もしくは式Icの化合物を含む本発明の薬学的組成物は、心血管疾患(特に、血栓症に関連する心血管疾患)の予防または処置のために、単独でかまたは多成分処置レジメンの一部として使用するために適切である。例えば、本発明の化合物または薬学的組成物は、任意の血栓症(特に、血小板依存性血栓症適応症(急性心筋梗塞、不安定狭心症、慢性安定狭心症、一過性脳虚血発作、脳卒中、末梢性脈管疾患、子癇前症/子癇、深部静脈性血栓症、塞栓症、播種性血管内凝固症候群、および血小板減少性紫斑病)、侵襲性手順(例えば、血管形成術、頚動脈血管内膜切除、CABG(冠状動脈バイパス移植)手術後、脈管移植手術、ステント配置ならびに血管内デバイスおよびプロテーゼの挿入)後の血栓合併症および再狭窄合併症が挙げられるが、これらに限定されない)のための薬物または治療剤として、使用され得る。
【0060】
本発明の化合物および薬学的組成物はまた、哺乳動物における血栓症の予防または処置において、他の治療剤もしくは診断剤と組み合わせて多成分処置レジメンの一部として使用され得る。特定の好ましい実施形態において、本発明の化合物または薬学的組成物は、一般的に認められている医療実施に従ってこれらの状態のために代表的に処方される他の化合物(例えば、抗凝固剤、血栓崩壊剤、または他の抗血栓剤(血小板凝集インヒビター、組織プラスミノーゲンアクチベーター、ウロキナーゼ、プロウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、ヘパリン、アスピリン、またはワルファリンが挙げられる))とともに、投与され得る。本発明の化合物とともに投与され得るさらに他の因子としては、抗血小板化合物、フィブリン溶解剤、抗炎症化合物、コレステロール降下剤、血圧降下剤、およびセロトニンブロッカーが挙げられる。適切な抗血小板化合物としては、GPIIB−IIIaアンタゴニスト、アスピリン、ホスホジエステラーゼIIIインヒビター、およびトロンボキサンA2レセプターアンタゴニストが挙げられる。適切な抗凝固剤としては、トロンビンインヒビター、クマジン(coumadin)(ワルファリン)、ヘパリン、およびLovenox(登録商標)が挙げられる。適切な抗炎症化合物としては、非ステロイド性抗炎症剤、シクロオキシゲナーゼ2インヒビター、および慢性関節リウマチ剤が挙げられる。これらの因子を本発明の化合物とともに投与することはまた、その血栓崩壊剤の用量減少適用を可能にし得、従って、生じ得る出血性副作用を最少にし得る。本発明の化合物および薬学的組成物はまた、血栓崩壊治療が成功した後の再閉塞を防止し、かつ/または再灌流までの時間を減少するために、相乗作用的様式で作用し得る。
【0061】
関連する方法において、本発明の化合物は、二次的虚血事象の予防のために有用である。これらの方法において、本発明の化合物またはその薬学的組成物は、起こり得る二次事象の発生を予防または減少するために充分な量で、一次虚血事象に罹患した患者に投与される。一般的に、一次虚血事象および/または二次虚血事象は、急性心筋梗塞、不安定狭心症もしくは慢性安定狭心症、経皮的経管的冠状動脈形成術後の急性再閉塞、再狭窄、血栓性脳卒中、一過性脳虚血発作、可逆的虚血性神経学的欠損および間欠性跛行から選択される。
【0062】
本発明の化合物および薬学的組成物は、インビボにおいて、通常は哺乳動物(例えば、霊長類(例えば、ヒト)、ヒツジ、ウマ、ウシ、ブタ、イヌ、ネコ、ラットおよびマウス)においてか、またはインビトロで、利用され得る。本発明の化合物または薬学的組成物の上記に規定された生物学的特性は、当該分野で周知である方法によって、例えば、抗血栓効力ならびに止血パラメーターおよび血液学的パラメーターに対する効果を評価するためのインビボ研究によって、容易に特徴付けられ得る。
【0063】
本発明の化合物または薬学的組成物を使用して処置する必要がある被験体(代表的には、哺乳動物)には、最適な効力を提供する投与量が投与され得る。その用量および投与方法は、被験体ごとに変化し、そして処置される哺乳動物の型、その性別、体重、食餌、併用投薬、全体的臨床状態、使用される式I、式Ia、式Ib、もしくは式Icの特定の化合物、その化合物もしくは組成物が使用される具体的用途、ならびに医学分野の当業者が認識する他の要因に依存する。
【0064】
治療有効投与量は、インビトロ方法またはインビボ方法のいずれかによって決定され得る。本発明の特定の化合物または薬学的組成物の各々について、個々の決定が、必要な最適投与量を決定するためになされ得る。治療有効投与量の範囲は、投与経路、治療目標、および患者の状態によって影響される。皮下注射針について、その投与量は、体液中に送達されると想定され得る。他の投与経路について、吸収効率が、薬理学において周知の方法によって各々の化合物について個別に決定されなければならない。従って、療法士は、最適な治療効果を得るために必要な投与量を測定して投与経路を改変する必要があり得る。
【0065】
有効投与レベル(すなわち、望ましい結果(すなわち、血小板ADPレセプター阻害)を達成するために必要な投与レベル)の決定は、当業者によって容易に決定される。代表的には、本発明の化合物または薬学的組成物の適用は、比較的低い投与レベルにて開始され、投与レベルは、望ましい効果が達成されるまで増加される。本発明の化合物および組成物は、1日量または数回に分割した1日量のレジメンにおいて、約0.01mg/kg〜約1000mg/kgの投与範囲内の有効量にて経口投与され得る。薬学的に受容可能なキャリアが本発明の薬学的組成物において使用される場合、代表的には、約5mg〜約500mgの式I、式Ia、式Ib、もしくは式Icの化合物が、一般的に認められた薬学的実施のために必要な薬学的に受容可能なキャリア(生理的に受容可能なビヒクル、キャリア、賦形剤、結合剤、保存剤、安定剤、色素、香料などが挙げられるが、これらに限定されない)とともに配合される。これらの組成物中の活性成分の量は、示される範囲中の適切な投与量が得られるような量である。
【0066】
以下の調製物および実施例は、当業者が本発明をより明確に理解して本発明を実施することが可能になるように提供される。これらの調製物および実施例は、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではなく、これらは、単に、本発明の例示および代表であると解釈されるべきである。
【実施例】
【0067】
これらの化合物を調製する際に使用した出発物質および試薬は、一般に、業者(例えば、Aldrich Chemical Co.)から入手できるか、または参考文献(例えば、Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis;Wiley & Sons:New York,1991,Volumes 1−15;Rodd’s Chemistry of Carbon Compounds,Elsevier Science Publishers,1989,Volumes 1−5 and Supplementals;およびOrganic Reactions,Wiley & Sons:New York,1991,Volumes 1−40)で述べられた手順に従って、当業者に公知の方法により調製されるか、いずれかである。以下の合成反応スキームは、本発明の化合物が合成できるいくつかの方法の例示であり、これらの合成反応スキームの種々の改良を行うことができ、それらは、本願に含まれる開示に関連した当業者により、示唆される。
【0068】
これらの反応スキームの出発物質および中間体は、もし望ましいなら、通常の技術(これには、濾過、蒸留、結晶化、クロマトグラフィーなどが挙げられるが、これらに限定されない)を使用して、単離され精製できる。このような物質は、通常の手段を使用して、性質決定できる(物理定数およびスペクトルデータを含めて)。
【0069】
特に明記しない限り、本明細書中で記述した反応は、好ましくは、不活性雰囲気下にて、大気圧で、約−78℃〜約150℃、さらに好ましくは、約0℃〜約125℃、最も好ましく好都合には、ほぼ室温(または外界温度)(例えば、約20℃)で、行われる。
【0070】
(実施例1)
(3−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−アクリル酸)
【0071】
【化30】

4−フルオロ−3−メトキシベンズアルデヒド(32g、0.2mol)のピリジン(100mL)溶液に、マロン酸(43g、0.4mol)およびピペリジン(3mL、0.03mol)を加えた。その反応溶液を、85℃で、13時間撹拌した。冷却すると、得られた懸濁液を冷水(500mL)に加え、そして濃HCl(80mL)で酸性化した。白色固形物を濾過により除き、水で洗浄し、そして乾燥して、36g(92%)の3−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−アクリル酸を得た。RP−HPLC:3.71分間;
【0072】
【化31】

(実施例2)
(3−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−アクリロイルアジド)
【0073】
【化32】

3−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−アクリル酸(37g、0.194mmol)の乾燥THF(280mL)およびトリエチルアミン(352mL)冷却溶液(氷/アセトン)に、20分間にわたって、THF(50mL)中のクロロギ酸エチル(22.5mL)を滴下した。得られた懸濁液を、1時間にわたって、23℃まで温め、再冷却し、そしてNaN(18.7g)の水(80mL)溶液を加えた。その反応物を、23℃で、1〜2時間撹拌した。ワークアップは、ジクロロメタン(250mL)の添加に続いて1N HClのゆっくりとした漸進的添加を伴っていた。水層を、さらに、ジクロロメタンで2回抽出指した。有機層を合わせ、1N HClおよびブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、そして真空中で濃縮して、39.8g(95%)のアシルアジドを得た。RP−HPLC:5.31分間。
【0074】
(実施例3)
(7−フルオロ−6−メトキシ−2H−イソキノリン−1−オン)
【0075】
【化33】

アシルアジド(39g、実施例2を参照のこと)の1,2−ジクロロベンゼン(300mL)溶液を、気体の形成が鎮静するまで、およそ1時間にわたって、140℃まで加熱した。触媒であるヨウ素を加え、この温度を、1.5時間にわたって、180℃まで上げた。その反応混合物を、撹拌しつつ、外界温度まで冷却した;形成された沈殿物を濾過により集め、ベンゼンで洗浄し、そして真空乾燥して、黄褐色固形物として、22.6g(67%)の7−フルオロ−6−メトキシ−2H−イソキノリン−1−オンを得た。RP−HPLC:2.58分間;
【0076】
【化34】

(実施例4)
(7−フルオロ−6−メトキシ−2−(4−ニトロフェニル)−2H−イソキノリン−1−オン)
【0077】
【化35】

7−フルオロ−6−メトキシ−2H−イソキノリン−1−オン11.0g(57mmol)のDMF(108mL)溶液に、炭酸カリウム(11.8g)を加え、続いて、1−フルオロ−4−ニトロベンゼン10.6g(75mmol)を加えた。その反応混合物を、120℃で、6時間撹拌し、次いで、氷水に注いだ。そのスラリーをエーテルで抽出して、過剰のpFPhNOを除去した。沈殿物を濾過により集め、エーテルで洗浄し、そして真空中で乾燥して、黄色固形物として、12.1g(68%)の生成物を得た。RP−HPLC:4.79分間;
【0078】
【化36】

(実施例5)
(7−フルオロ−6−ヒドロキシ−2−(4−ニトロ−フェニル)−2H−イソキノリン−1−オン)
【0079】
【化37】

7−フルオロ−6−メトキシ−2−(4−ニトロフェニル)−2H−イソキノリン−1−オン(3.14g、10mmol)のジクロロメタン(50mL)冷却懸濁液に、注射器を経由して、純粋な三臭化ホウ素(8mL、85mmol)を加えた。その褐色懸濁液を、室温で、24時間撹拌した。溶媒をデカントし、冷DCMで洗浄すると、黒色残渣が残り、これを、氷上にて、メタノール(80mL)で倍散した。濾過により固形物を集め、次いで、水で洗浄し、そして乾燥して、2.66g(89%)の7−フルオロ−6−ヒドロキシ−2−(4−ニトロ−フェニル)−2H−イソキノリン−1−オンを得た。RP−HPLC:3.93分間;
【0080】
【化38】

(実施例6)
(トリフルオロ−メタンスルホン酸7−フルオロ−2−(4−ニトロ−フェニル)−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イルエステル)
【0081】
【化39】

7−フルオロ−6−ヒドロキシ−2−(4−ニトロ−フェニル)−2H−イソキノリン−1−オン(1.15g、3.8mmol)の乾燥ピリジン(25mL)およびジクロロメタン(20mL)懸濁液に、5分間にわたって、純粋な無水トリフルオロメタンスルホン酸(0.8mL、4.76mmol)を滴下した。得られた溶液を、室温で、2時間撹拌した。その反応混合物を酢酸エチル(200mL)で希釈し、1N HCl(60mL)、水(50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮し、そして乾燥して、1.37g(83%)の純粋なトリフルオロメタンスルホン酸7−フルオロ−2−(4−ニトロ−フェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イルエステルを得た。RP−HPLC:6.20分間;
【0082】
【化40】

(実施例7)
([7−フルオロ−2−(4−ニトロ−フェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−カルバミン酸第三級ブチルエステル)
【0083】
【化41】

乾燥フラスコにて、トリフルオロメタンスルホン酸7−フルオロ−2−(4−ニトロ−フェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イルエステル(0.86g、2mmol)、カルバミン酸t−ブチル(0.33g、2.8mmol)、乾燥粉末化炭酸セシウム(1.1g、3.4mmol)、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン(Xantphos、0.14g、0.24mmol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(Pddba、38mg、0.08mmol)を混ぜ合わせた。Ar雰囲気下にて、このフラスコに乾燥THF(17mL)を加え、その混合物を、75℃で、25時間撹拌した。その反応物を濃縮し、そしてシリカゲル(これは、溶離液として、EtOAc/ヘキサンを使用する)で精製して、白色固形物として、0.64g(80%)の純粋な[7−フルオロ−2−(4−ニトロ−フェニル)−l−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−カルバミン酸第三級ブチルエステルを得た。RP−HPLC:5.98分間;
【0084】
【化42】

(実施例8)
([7−フルオロ−2−(4−ニトロ−フェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステル)
【0085】
【化43】

[7−フルオロ−2−(4−ニトロ−フェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−カルバミン酸第三級ブチルエステル(0.36g、0.9mmol)の乾燥DMF(9mL)溶液に、炭酸セシウム(1.04g、3.19mmol)を加え、続いて、純粋なヨウ化メチル(0.064mL、1.03mmol)を加えた。その混合物を、室温で、3.5時間撹拌し、酢酸エチル(150mL)に抽出し、水(2×50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮し、そして乾燥して、0.34g(93%)の純粋な[7−フルオロ−2−(4−ニトロ−フェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステルを得た。RP−HPLC:5.89分間;
【0086】
【化44】

(実施例9)
([2−(4−アミノ−フェニル)−7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステル)
【0087】
【化45】

[7−フルオロ−2−(4−ニトロ−フェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステル(0.33g、0.79mmol)の酢酸エチル(6mL)およびエタノール(2mL)懸濁液に、Ar下にて、10%Pd/C(0.13g、0.12mmol Pd)を加えた。その混合物を、1atmのHで、2時間水素化し、セライトで濾過し、そして濃縮して、0.28g(92%)の[2−(4−アミノ−フェニル)−7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステルを得た。RP−HPLC:3.83分間;
【0088】
【化46】

(実施例10)
(5−クロロ−N−[({4−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]フェニル}アミノ)カルボニル]チオフェン−2−スルホンアミド)
【0089】
【化47】

5−クロロチオフェン−2−スルホンアミド(0.17g、0.84mmol)および炭酸N,N’−ジスクシンイミジル(DSC、0.23g、0.91mmol)のジクロロメタン(5mL)懸濁液に、テトラメチルグアニジン(TMG、0.19mL)を加えた。得られた溶液を、室温で、15時間撹拌した。その反応物を濃縮し、そして[2−(4−アミノ−フェニル)−7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステル(0.27g、0.7mmol)のアセトニトリル(5mL)溶液を加えた。得られた溶液を、70℃で、9時間撹拌した。その反応物をジクロロメタンで希釈し、0.5N HClで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして濃縮して、0.48gの粗スルホニル尿素を得た。
【0090】
この粗生成物のジクロロメタン(6mL)およびトリエチルシラン(2mL)冷却溶液に、純粋なトリフルオロ酢酸(6mL)を加えた。室温で1時間撹拌した後、その反応物を濃縮し、ヘプタンと共沸し、そして高真空下にて乾燥して、0.65gの粗5−クロロ−N−[[[4−(7−クロロ−6−メチルアミノ−1−オキソ−2(1H)−イソキノリニル)フェニル]アミノ]カルボニル]−2−チオフェンスルホンアミドを得た。この粗製物質をアセトニトリル(5mL)で倍散し、冷却し、そして濾過して、白色固形物として、0.22g(63%)の純粋な5−クロロ−N−[({4−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]フェニル}アミノ)カルボニル]チオフェン−2−スルホンアミドを得た。RP−HPLC:5.18分間;
【0091】
【化48】

(実施例11)
(2−(4−アミノ−フェニル)−6−シクロプロピルアミノ−7−フルオロ−2H−イソキノリン−1−オン)
【0092】
【化49】

求核試薬としてシクロプロピルアミンを使用して、トリフルオロ−メタンスルホン酸7−フルオロ−2−(4−ニトロ−フェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イルエステル(実施例6)に対して、実施例7で記述した手順と類似のC−Nカップリング手順を実行した。そのニトロ基の還元は、実施例9で概説した手順を使用して、行った。ES−MS(M+H)=310。
【0093】
(実施例12)
((5−クロロ−チオフェン−2−スルホニル)−カルバミン酸エチルエステル)
【0094】
【化50】

5−クロロ−チオフェン−2−スルホン酸アミド(4.0g、20.2mmol)の乾燥THF(200mL)溶液に、炭酸セシウム(9.9g、30.3mmol)およびクロロギ酸エチル(2.9mL、30.3mmol)を加えた。その混合物を、室温で、48時間撹拌した。その生成物をHO(150mL)に吸収させ、そしてEtOAc(100mL)で洗浄した。水層を、1N HCl(90mL)で、pH=3まで酸性化し、その生成物をEtOAc(100mL)で抽出した。有機層をブライン(100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、そして濃縮して、濃厚な透明油状物を得、これは、放置すると固化して、4.41g(81%)の5−クロロ−チオフェン−2−スルホニル)−カルバミン酸エチルエステルを得た。RP−HPLC:4.45分間。
【0095】
【化51】

(実施例13)
【0096】
【化52】

乾燥トルエン(1.5mL)中の2−(4−アミノ−フェニル)−6−シクロプロピルアミノ−7−フルオロ−2H−イソキノリン−1−オン(実施例11)(23mg、0.073mmol)および(5−クロロ−チオフェン−2−スルホニル)−カルバミン酸エチルエステル(実施例12)(28mg、0.10mmol、1.35当量)の混合物を、110℃で、2時間加熱した。冷却すると、その反応物を真空中で濃縮し、その粗残渣をHPLC(C−18)で精製して、17mg(46%)の純粋な5−クロロ−N−[({4−[6−(シクロプロピルアミノ)−7−フルオロ−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]フェニル}アミノ)カルボニル]チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=533、535(Cl)。
【0097】
(実施例14)
【0098】
【化53】

求核試薬としてホルムアミドを使用して、トリフルオロ−メタンスルホン酸7−フルオロ−2−(4−ニトロ−フェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イルエステル(実施例6)に対して、実施例7で記述した手順と類似のC−Nカップリング手順を実行した。そのニトロ基の還元は、実施例9で概説した手順を使用して、行った。そのスルホニル尿素を形成するカップリングは、実施例13で記述した手順を使用して達成して、5−クロロ−N−[({4−[7−フルオロ−6−(ホルミルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]フェニル}アミノ)カルボニル]チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=521、523(Cl)。
【0099】
(実施例15)
【0100】
【化54】

求核試薬としてアセトアミドを使用して、トリフルオロ−メタンスルホン酸7−フルオロ−2−(4−ニトロ−フェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イルエステル(実施例6)に対して、実施例7で記述した手順と類似のC−Nカップリング手順を実行した。そのニトロ基の還元は、実施例9で概説した手順を使用して、行った。そのスルホニル尿素を形成するカップリングは、実施例13で記述した手順を使用して達成して、N−(2−{4−[({[(5−クロロチエン−2−イル)スルホニル]アミノ}カルボニル)アミノ]フェニル}−7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−6−イル)アセトアミドを得た。ES−MS(M+H)=535、537(Cl)。
【0101】
(実施例16)
【0102】
【化55】

求核試薬としてN−メチルホルムアミドを使用して、トリフルオロ−メタンスルホン酸7−フルオロ−2−(4−ニトロ−フェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イルエステル(実施例6)に対して、実施例7で記述した手順と類似のC−Nカップリング手順を実行し、続いて、実施例9で概説した手順を使用して、アルキル化し、そのニトロ基を還元した。そのスルホニル尿素を形成するカップリングは、実施例13で記述した手順を使用して達成して、5−クロロ−N−[({4−[7−フルオロ−6−[ホルミル(メチル)アミノ]−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]フェニル}アミノ)カルボニル]チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=535、537(Cl)。
【0103】
(実施例17)
【0104】
【化56】

求核試薬としてN−メチルアセトアミドを使用して、トリフルオロ−メタンスルホン酸7−フルオロ−2−(4−ニトロ−フェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イルエステル(実施例6)に対して、実施例7で記述した手順と類似のC−Nカップリング手順を実行し、続いて、実施例9で概説した手順を使用して、アルキル化し、そのニトロ基を還元した。そのスルホニル尿素を形成するカップリングは、実施例13で記述した手順を使用して達成して、N−(2−{4−[({[(5−クロロチエン−2−イル)スルホニル]アミノ}カルボニル)アミノ]フェニル}−7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−6−イル)−N−メチルアセトアミドを得た。ES−MS(M+H)=549、551(Cl)。
【0105】
(実施例18)
【0106】
【化57】

求核試薬としてモルホリンを使用して、トリフルオロ−メタンスルホン酸7−フルオロ−2−(4−ニトロ−フェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イルエステル(実施例6)に対して、実施例7で記述した手順と類似のC−Nカップリング手順を実行した。そのニトロ基の還元は、実施例9で概説した手順を使用して、行った。そのスルホニル尿素を形成するカップリングは、実施例13で記述した手順を使用して達成して、5−クロロ−N−({[4−(7−フルオロ−6−モルホリン−4−イル−1−オキソイソキノリン−2(IH)−イル)フェニル]アミノ}カルボニル)チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)+=563、565(Cl)。
【0107】
(実施例149)
【0108】
【化58】

アルキル化剤としてヨウ化エチルを使用して、[7−フルオロ−2−(4−ニトロ−フェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−カルバミン酸第三級ブチルエステル(実施例7)に対して、実施例8で記述した手順と類似のアルキル化手順を実行した。そのニトロ基の還元およびスルホニル尿素を形成するカップリングは、実施例9および10でそれぞれ概説した手順を使用して、行い、5−クロロ−N−[({4−[6−(エチルアミノ)−7−フルオロ−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]フェニル}アミノ)カルボニル]チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=521、523(Cl)。
【0109】
(実施例20)
【0110】
【化59】

アルキル化剤として1−ブロモ−2−フルオロエタンを使用して、[7−フルオロ−2−(4−ニトロ−フェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−カルバミン酸第三級ブチルエステル(実施例7)に対して、実施例8で記述した手順と類似のアルキル化手順を実行した。そのニトロ基の還元およびスルホニル尿素を形成するカップリングは、実施例9および10でそれぞれ概説した手順を使用して行い、5−クロロ−N−[({4−[7−フルオロ−6−[(2−フルオロエチル)アミノ]−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]フェニル}アミノ)カルボニル]チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=539、541(Cl)。
【0111】
(実施例21)
【0112】
【化60】

アルキル化剤としてp−トルエンスルホン酸2,2,2−トリフルオロエチルを使用して、95℃でさらに加熱しつつ、[7−フルオロ−2−(4−ニトロ−フェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−カルバミン酸第三級ブチルエステル(実施例7)に対して、実施例8で記述した手順と類似のアルキル化手順を実行した。そのニトロ基の還元およびスルホニル尿素を形成するカップリングは、実施例9および10でそれぞれ概説した手順を使用して行い、5−クロロ−N−[({4−[7−フルオロ−1−オキソ−6−[(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ]イソキノリン−2(1H)−イル]フェニル}アミノ)カルボニル]チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=575、577(Cl)。
【0113】
(実施例22)
【0114】
【化61】

アルキル化剤として臭化プロパリル(proparyl bromide)を使用して、[7−フルオロ−2−(4−ニトロ−フェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−カルバミン酸第三級ブチルエステル(実施例7)に対して、実施例8で記述した手順と類似のアルキル化手順を実行した。そのニトロ基の還元およびスルホニル尿素を形成するカップリングは、実施例9および10でそれぞれ概説した手順を使用して行い、5−クロロ−N−[({4−[7−フルオロ−1−オキソ−6−(プロパ−2−イニルアミノ)イソキノリン−2(1H)−イル]フェニル}アミノ)カルボニル]チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=531、533(Cl)。
【0115】
(実施例23)
【0116】
【化62】

アルキル化剤として臭化4−クロロベンジルを使用して、[7−フルオロ−2−(4−ニトロ−フェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−カルバミン酸第三級ブチルエステル(実施例7)に対して、実施例8で記述した手順と類似のアルキル化手順を実行した。そのニトロ基の還元およびスルホニル尿素を形成するカップリングは、実施例9および10でそれぞれ概説した手順を使用して行い、5−クロロ−N−[({4−[6−[(4−クロロベンジル)アミノ]−7−フルオロ−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]フェニル}アミノ)カルボニル]チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=617、619(2Cl)。
【0117】
(実施例24)
【0118】
【化63】

実施例23で合成したアルキル化中間体をTFAで処理し、そしてヨウ化メチルおよび炭酸セシウムでメチル化した。そのニトロ基の還元およびスルホニル尿素を形成するカップリングは、実施例9および10でそれぞれ概説した手順を使用して行い、5−クロロ−N−[({4−[6−[(4−クロロベンジル)(メチル)アミノ]−7−フルオロ−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]フェニル}アミノ)カルボニル]チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=631、633(2C1)。
【0119】
(実施例25)
【0120】
【化64】

実施例9で概説した手順を使用して、[7−フルオロ−2−(4−ニトロ−フェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−カルバミン酸第三級ブチルエステル(実施例7)の還元を行った。実施例10で記述した方法を使用して、スルホニル尿素を形成するカップリングを達成して、N−({[4−(6−アミノ−7−フルオロ−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル)フェニル]アミノ}カルボニル)−5−クロロチオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=493、495(Cl)。
【0121】
(実施例26)
【0122】
【化65】

実施例25から得たスルホニル尿素(11mg、0.023mmol)の氷酢酸(0.9mL)懸濁液に、ホルムアルデヒド(水中で37重量%)(12μL、0.16mmol)を加え、続いて、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(11mg、0.052mmol)を加えた。その反応混合物を、室温で、一晩撹拌し、そして真空中で濃縮した。その粗残渣をHPLCで精製して、5−クロロ−N−[({4−[6−(ジメチルアミノ)−7−フルオロ−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]フェニル}アミノ)カルボニル]チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=521、523(Cl)。
【0123】
(実施例27)
【0124】
【化66】

市販のチオフェン−2−スルホンアミドを使用して、[2−(4−アミノ−フェニル)−7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステル(実施例9)に対して、実施例10で記述した手順と類似のカップリング手順を実行して、N−[({4−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]フェニル}アミノ)カルボニル]チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=473。
【0125】
(実施例28)
【0126】
【化67】

[2−(4−アミノ−フェニル)−7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステル(実施例9)および市販の5−ブロモチオフェン−2−スルホンアミドに対して、実施例10で記述した手順と類似のカップリング手順を実行して、5−ブロモ−N−[({4−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]フェニル}アミノ)カルボニル]チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=551、553(Br)。
【0127】
(実施例29)
【0128】
【化68】

トリホスゲン(9mg、31μmol)のジクロロメタン(0.2mL)溶液に、[2−(4−アミノ−フェニル)−7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステル(30mg、78μmol)およびDIEA(27μL、156pmol)のジクロロメタン(1.0mL)溶液をゆっくりと加えた。その混合物を、室温で、15分間撹拌した。次いで、この溶液に、5−メチルチオフェン−2−スルホンアミド(28mg、156μmol)およびDIEA(27μL、156pmol)のジクロロメタン(1.0mL)溶液を素早く加えた。次いで、この混合物を、室温で、15分間撹拌した。次いで、その反応混合物をジクロロメタンで希釈し、0.5N HClで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして濃縮して、濁った油状物として、62mgの粗スルホニル尿素を得た。この粗混合物をTFAに溶解し、室温で、15分間反応させ、真空中で濃縮して、黄色油状物として、粗最終生成物を得、これを、HPLCで精製して、白色固形物として、17mg(45%)のN−({[4−(6−アミノ−7−フルオロ−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル)フェニル]アミノ}カルボニル)−5−メチルチオフェン−2−スルホンアミドを得た。
【0129】
【化69】

(実施例30)
【0130】
【化70】

[2−(4−アミノ−フェニル)−7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステル(実施例9)および5−エチルチオフェン−2−スルホンアミドに対して、実施例29で記述した手順と類似のスルホニル尿素カップリングおよび脱保護手順を実行して、N−({[4−(6−アミノ−7−フルオロ−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル)フェニル]アミノ}カルボニル)−5−エチルチオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=501.1。
【0131】
(実施例31)
【0132】
【化71】

[2−(4−アミノ−フェニル)−7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステル(実施例9)および5−プロピルチオフェン−2−スルホン酸アミドに対して、実施例29で記述した手順と類似のスルホニル尿素カップリングおよび脱保護手順を実行して、N−({[4−(6−アミノ−7−フルオロ−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル)フェニル]アミノ}カルボニル)−5−プロピルチオフェン−2−スルホンアミドを得た。
【0133】
【化72】

(実施例32)
【0134】
【化73】

[2−(4−アミノ−フェニル)−7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステル(実施例9)および5−ジフルオロメチル−チオフェン−2−スルホン酸アミドに対して、実施例29で記述した手順と類似のスルホニル尿素カップリングおよび脱保護手順を実行して、N−({[4−(6−アミノ−7−フルオロ−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル)フェニル]アミノ}カルボニル)−5−ジフルオロメチルチオフェン−2−スルホンアミドを得た。
【0135】
【化74】

(実施例33)
【0136】
【化75】

[2−(4−アミノ−フェニル)−7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステル(実施例9)および5−シアノチオフェン−2−スルホンアミドに対して、実施例29で記述した手順と類似のスルホニル尿素カップリングおよび脱保護手順を実行して、N−({[4−(6−アミノ−7−フルオロ−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル)フェニル]アミノ}カルボニル)−5−シアノチオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=498.1。
【0137】
(実施例34)
【0138】
【化76】

[2−(4−アミノ−フェニル)−7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステル(実施例9)および5−メトキシチオフェン−2−スルホンアミドに対して、実施例29で記述した手順と類似のスルホニル尿素カップリングおよび脱保護手順を実行して、N−({[4−(6−アミノ−7−フルオロ−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル)フェニル]アミノ}カルボニル)−5−エチルチオフェン−2−スルホンアミドを得た。
【0139】
【化77】

(実施例35)
【0140】
【化78】

[2−(4−アミノ−フェニル)−7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステル(実施例9)および5−エチニルチオフェン−2−スルホンアミドに対して、実施例29で記述した手順と類似のスルホニル尿素カップリングおよび脱保護手順を実行して、N−{[4−(6−アミノ−7−フルオロ−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル)フェニル]アミノ}カルボニル)−5−エチニルチオフェン−2−スルホンアミドを得た。
【0141】
【化79】

(実施例36)
【0142】
【化80】

[2−(4−アミノ−フェニル)−7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステル(実施例9)および5−カルボキサミドチオフェン−2−スルホンアミドに対して、実施例29で記述した手順と類似のスルホニル尿素カップリングおよび脱保護手順を実行して、N−({[4−(6−アミノ−7−フルオロ−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル)フェニル]アミノ}カルボニル)−5−カルボキサミドチオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=516.1。
【0143】
(実施例37)
【0144】
【化81】

[2−(4−アミノ−フェニル)−7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステル(実施例9)および4−クロロチオフェン−2−スルホンアミドに対して、実施例29で記述した手順と類似のスルホニル尿素カップリングおよび脱保護手順を実行して、N−({[4−(6−アミノ−7−フルオロ−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル)フェニル]アミノ}カルボニル)−4−クロロチオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=507.0、509.0(Cl)。
【0145】
(実施例38)
【0146】
【化82】

[2−(4−アミノ−フェニル)−7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステル(実施例9)および4−メチル−チオフェン−2−スルホンアミドに対して、実施例29で記述した手順と類似のスルホニル尿素カップリングおよび脱保護手順を実行して、N−({[4−(6−アミノ−7−フルオロ−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル)フェニル]アミノ}カルボニル)−4−メチルチオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=487.1。
【0147】
(実施例39)
【0148】
【化83】

[2−(4−アミノ−フェニル)−7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステル(実施例9)および4−ジフルオロメチルチオフェン−2−スルホンアミドに対して、実施例29で記述した手順と類似のスルホニル尿素カップリングおよび脱保護手順を実行して、N−({[4−(6−アミノ−7−フルオロ−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル)フェニル]アミノ}カルボニル)−4−ジフルオロメチルチオフェン−2−スルホンアミドを得た。
【0149】
【化84】

(実施例40)
【0150】
【化85】

カップリングパートナーとして3−クロロ−チオフェン−2−スルホン酸アミドを使用して、[2−(4−アミノ−フェニル)−7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステル(実施例9)に対して、実施例29で記述した手順と類似のスルホニル尿素カップリングおよび脱保護手順を実行して、N−{[4−(6−アミノ−7−フルオロ−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル)フェニル]アミノ}カルボニル)−3−クロロチオフェン−2−スルホンアミドを得た。
【0151】
【化86】

(実施例41)
【0152】
【化87】

[2−(4−アミノ−フェニル)−7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステル(実施例9)および3−メチル−チオフェン−2−スルホンアミドに対して、実施例29で記述した手順と類似のスルホニル尿素カップリングおよび脱保護手順を実行して、N−{[4−(6−アミノ−7−フルオロ−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル)フェニル]アミノ}カルボニル)−3−メチルチオフェン−2−スルホンアミドを得た。
【0153】
【化88】

【0154】
【化89】

(実施例42)
【0155】
【化90】

[2−(4−アミノ−フェニル)−7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステル(実施例9)およびベンゼンスルホンアミドに対して、実施例29で記述した手順と類似のスルホニル尿素カップリングおよび脱保護手順を実行して、N−({[4−(6−アミノ−7−フルオロ−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル)フェニル]アミノ}カルボニル)−ベンゼンスルホンアミドを得た。
【0156】
【化91】

(実施例43)
(トリフルオロメタンスルホン酸7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イルエステル)
【0157】
【化92】

7−フルオロ−6−メトキシ−2H−イソキノリン−1−オン(実施例3から得た)(9.65g、50mmol)のジクロロメタン(200mL)冷却溶液に、注射器を経由して、純粋な三臭化ホウ素(21mL、220mmol)を加えた。その黄色懸濁液を、室温で、17時間撹拌した。その反応物を、氷浴上のメタノール(300mL)にゆっくりと注いだ。得られた溶液を真空中で濃縮し、洗浄し、メタノールおよびジクロロメタンと共に数回濃縮し、そして乾燥して、13gの粗フェノールを得た。
【0158】
【化93】

粗フェノール10.7gのピリジン(160mL)懸濁液に、DMAP(7.6g、62.3mmol)を加え、続いて、およそ5分間にわたって、フェニルlトリフルオロメチルスルホンアミド(17.4g、48.6mmol)を少しずつ加えた。その反応混合物を、室温で、1.5時間撹拌し、酢酸エチル(600mL)に抽出し、水(3×250mL)およびブライン(250mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、そして乾燥して、24gの粗生成物を得、これを、ジクロロメタン/ヘキサン(2:1)で倍散して、11.6g(2段階で収率90%)のトリフルオロメタンスルホン酸7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イルエステルを得た。
【0159】
【化94】

(実施例44)
([7−フルオロ−1−オキソ−2−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−カルバミン酸第三級ブチルエステル)
【0160】
【化95】

トリフルオロメタンスルホン酸7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イルエステル(10.5g、33.8mmol)のTHF(155mL)溶液に、0℃で、5分間にわたって、純粋な塩化2−(トリメチルシリル)−エトキシメチル(SEM−Cl、15mL、85mmol)を滴下し、続いて、純粋なDBU(19mL、127mmol)を加えた。その反応スラリーを、室温で、2時間撹拌し、酢酸エチル(600mL)で希釈し、0.25N HCl(200mL)、水(200mL)およびブライン(250mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、そして乾燥して、粗生成物を得た。溶離液として5〜20%酢酸エチル/ヘキサンを使用するシリカゲルクロマトグラフィーにかけると、9.2g(62%)の純粋なSEM保護トリフレートが得られた。
【0161】
【化96】

乾燥フラスコにおいて、トリフレート(9.2g、21mmol)、カルバミン酸t−ブチル(3.42g、29.2mmol)、乾燥粉末化炭酸セシウム(11.3g、34.7mmol)、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン(Xantphos、1.45g、2.5mmol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(Pddba、0.38g、0.83mmol Pd)を混ぜ合わせた。Ar雰囲気下にて、このトリフレートに乾燥THF(140mL)を加え、その混合物を、70℃で、3時間撹拌した。冷却すると、その反応物をヘキサン(80mL)で希釈し、濾過し、そして濃縮して、9.0gの粗生成物を得、これを、カラムクロマトグラフィー(シリカ、10〜25%のEtOAc/ヘキサン)で精製して、6.1g(72%)の純粋な[7−フルオロ−1−オキソ−2−(2−トリメチル−シラニル−エトキシメチル)−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−カルバミン酸第三級ブチルエステルを得た。
【0162】
【化97】

(実施例45)
((7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル)−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステル)
【0163】
【化98】

[7−フルオロ−1−オキソ−2−(2−トリメチル−シラニル−エトキシメチル)−l、2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−カルバミン酸第三級ブチルエステル(5.95g、14.6mmol)の乾燥ジメチルホルムアミド(50mL)溶液に、粉末化炭酸セシウム(12g、36.8mmol)を加え、続いて、純粋なヨウ化メチル(0.95mL、15.2mmol)を加えた。室温で1時間後、その反応物を酢酸エチル(400mL)で希釈し、水(2×100mL)およびブライン(100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、そして乾燥して、粗メチル化生成物を得た。この粗製物質を1Mフッ化テトラブチルアンモニウム(THF中で85mL)に溶解し、そして65℃で、2時間撹拌した。その反応混合物を酢酸エチル(400mL)に抽出し、希HCl(100mL)、水(100mL)およびブライン(100mL)で洗浄し、そして乾燥して、粗生成物を得、これを、カラムクロマトグラフィー(シリカ、40〜70%EtOAc/ジクロロメタン)で精製して、3.34g(78%)の純粋な(7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル)−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステルを得た。
【0164】
【化99】

(実施例46)
【0165】
【化100】

(方法A:置換4−フルオロニトロベンゼンの使用)
(7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル)−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステル(実施例45)(70mg、0.24mmol)および3−クロロ−4−フルオロニトロベンゼン(55mg、0.31mmol、1.3当量)の乾燥ジメチルホルムアミド(2mL)溶液に、粉末化炭酸セシウム(0.2g、0.6mmol、2.5当量)を加えた。その混合物を、65〜70℃で、5時間激しく攪拌し、次いで、氷浴で冷却した。水を加えると、所望生成物が沈殿し、これを、濾過し高真空下にて乾燥すると、95mg(89%)の純粋なニトロ−アリール生成物が得られた。
【0166】
【化101】

このニトロ中間体(89mg、0.2mmol)を、エタノール(3mL)中にて、70℃で、2時間にわたって二塩化スズ(II)二水和物(134mg、0.6mmol、3当量)と反応させることにより、還元した。冷却すると、その反応物を酢酸エチル(20mL)で希釈し、セライトおよび5%炭酸水素ナトリウム(10mL)で処理して、酸価スズ(II)を沈殿させた。このセライト/SnOを濾過により除き、そして有機層を5%NaHCO(10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、真空中で濃縮して、83mg(100%)の所望のアニリン[2−(4−アミノ−2−クロロ−フェニル)−7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステルを得た。ES−MS(M+H)=418、420(Cl)。
【0167】
(実施例47)
【0168】
【化102】

(方法B:置換4−ハロ−ニトロベンゼンまたは2−ハロ−5−ニトロピリジンの使用)
乾燥フラスコにて、(7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル)−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステル(実施例45)(58mg、0.2mmol)、2−ブロモ−5−ニトロピリジン(61mg、0.3mmol、1.5当量)、乾燥粉末化炭酸セシウム(113mg、0.35mmol、1.73当量)、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−キサンテン(Xantphos、15mg、0.026mmol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(Pddba、4.5mg、0.01mmol Pd)を混ぜ合わせた。Ar雰囲気下にて、このフラスコに乾燥THF(2mL)を加え、その混合物を、80℃で、2時間撹拌した。冷却すると、この反応物を濃縮し、その粗残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカ 2〜15%EtOAc/ジクロロメタン)で精製して、68mg(83%)の純粋なニトロ−ピリジル生成物を得た。
【0169】
【化103】

このニトロ中間体(67mg、0.16mmol)を、触媒水素化条件(これは、1atmのH、エタノール(2mL)中の10%Pd/C(26mg、0.024mmol Pd)を使用する)にて、3時間還元して、60mg(97%)の[2−(5−アミノ−ピリジン−2−イル)−7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステルを得た。ES−MS(M+H)=385。
【0170】
(実施例48)
【0171】
【化104】

(方法C:置換4−ハロアニリンまたは5−ハロ−2−アミノピリジンとピリミジンとの使用)
乾燥フラスコにて、(7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル)−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステル(実施例45、化合物10、スキームB)(102mg、0.35mmol)、2−アミノ−5−ヨードピリジン(84mg、0.38mmol、1.1当量)、ヨウ化銅(I)(7mg、0.037mmol、0.11当量)、8−ヒドロキシキノリン(6mg、0.041mmol、0.12当量)および粉末化炭酸カリウム(58mg、0.42mmol、1.2当量)を混ぜ合わせた。Ar雰囲気下にて、乾燥ジメチルスルホキシド(DMSO、1.5mL)を加え、その混合物を、115℃で、50時間撹拌した。その反応物を冷却し、濃縮し、そしてクロマトグラフィー(シリカ、2〜15%イソプロピルアルコール/ジクロロメタン)で精製して、灰色固形物として、67mg(50%)の[2−(6−アミノ−ピリジン−3−イル)−7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステルを得た。
【0172】
【化105】

【0173】
【化106】

(実施例49)
【0174】
【化107】

3,4−ジフルオロニトロベンゼンを使用して、実施例46(方法A)で概説した手順と類似の手順を使用し、この中間体アニリンを調製した。実施例13で記述した方法を使用して、このスルホニル尿素の形成を達成し、続いて、TFAで脱保護して、5−クロロ−N−[({3−フルオロ−4−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]フェニル}アミノ)カルボニル]チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=525、527(CL)。
【0175】
(実施例50)
【0176】
【化108】

3−クロロ−4−フルオロニトロベンゼンを使用して、実施例46(方法A)で概説した手順と類似の手順を使用し、この中間体アニリンを調製した。実施例13で記述した方法を使用して、このスルホニル尿素の形成を達成し、続いて、TFAで脱保護して、5−クロロ−N−[({3−クロロ−4−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]フェニル}アミノ)カルボニル]チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=541、543(2C1)。
【0177】
(実施例51)
【0178】
【化109】

3−ブロモ−4−フルオロニトロベンゼンを使用して、実施例46(方法A)で概説した手順と類似の手順を使用し、この中間体アニリンを調製した。実施例13で記述した方法を使用して、このスルホニル尿素の形成を達成し、続いて、TFAで脱保護して、N−[({3−ブロモ−4−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]フェニル}アミノ)カルボニル]−5−クロロチオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=585、587、589(BrCl)。
【0179】
(実施例52)
【0180】
【化110】

4−フルオロ−3−メチルニトロベンゼンを使用して、実施例46(方法A)で概説した手順と類似の手順を使用し、この置換アニリンを得た。実施例13で記述した方法を使用して、このスルホニル尿素の形成を達成し、続いて、TFAで脱保護して、5−クロロ−N−[({4−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]−3−メチルフェニル}アミノ)カルボニル]チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=520、522(Cl)。
【0181】
(実施例53)
【0182】
【化111】

4−フルオロ−2−メチルニトロベンゼンを使用して、実施例46(方法A)で概説した手順と類似の手順を使用し、この置換アニリンを調製した。実施例13で記述した方法を使用して、このスルホニル尿素の形成を達成し、続いて、TFAで脱保護して、5−クロロ−N−[({4−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]−2−メチルフェニル}アミノ)カルボニル]チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=520、522(Cl)。
【0183】
(実施例54)
【0184】
【化112】

2−ブロモ−5−ニトロピリジンを使用して、実施例47(方法B)で概説した手順と類似の手順を使用し、この置換アミノピリジンを調製した。実施例13で記述した方法を使用して、このスルホニル尿素の形成を達成し、続いて、TFAで脱保護して、5−クロロ−N−[(16−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]ピリジン−3−イル}アミノ)カルボニル]チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=508、510(Cl)。
【0185】
(実施例55)
【0186】
【化113】

2−クロロ−5−ニトロ−6−メチルピリジンを使用して、実施例47(方法B)で概説した手順と類似の手順を使用し、この置換アミノピリジンを調製した。実施例13で記述した方法を使用して、このスルホニル尿素の形成を達成し、続いて、TFAで脱保護して、5−クロロ−N−[({6−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]−2−メチルピリジン−3−イル}アミノ)カルボニル]チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=522、524(Cl)。
【0187】
(実施例56)
【0188】
【化114】

2−クロロ−4−メチル−5−ニトロピリジンを使用して、実施例47(方法B)で概説した手順と類似の手順を使用し、この置換アミノピリジンを調製した。実施例13で記述した方法を使用して、このスルホニル尿素の形成を達成し、続いて、TFAで脱保護して、5−クロロ−N−[(6−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]−4−メチルピリジン−3−イル}アミノ)カルボニル]チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=522、524(Cl)。
【0189】
(実施例57)
【0190】
【化115】

2−クロロ−3−メチル−5−ニトロピリジンを使用して、実施例47(方法B)で概説した手順と類似の手順を使用し、この置換アミノピリジンを調製した。実施例13で記述した方法を使用して、このスルホニル尿素の形成を達成し、続いて、TFAで脱保護して、5−クロロ−N−[({6−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]−5−メチルピリジン−3−イル}アミノ)カルボニル]チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=522、524(Cl)。
【0191】
(実施例58)
【0192】
【化116】

2−フルオロ−4−ヨードアニリンを使用して、実施例48(方法C)で概説した手順と類似の手順を使用し、この置換アニリンを調製した。実施例13で記述した方法を使用して、このスルホニル尿素の形成を達成し、続いて、TFAで脱保護して、5−クロロ−N−[({2−フルオロ−4−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]フェニル}アミノ)カルボニル]チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=525、527(Cl)。
【0193】
(実施例59)
【0194】
【化117】

2−アミノ−5−ブロモピリジンを使用して、実施例48(方法C)で概説した手順と類似の手順を使用し、この置換アニリンを調製した。実施例13で記述した方法を使用して、このスルホニル尿素の形成を達成し、続いて、TFAで脱保護して、5−クロロ−N−[({5−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]ピリジン−2−イル}アミノ)カルボニル]チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=508、510(Cl)。
【0195】
(実施例60)
【0196】
【化118】

2−アミノ−3−メチル−5−ブロモピリジンを使用して、実施例48(方法C)で概説した手順と類似の手順を使用し、この置換アニリンを調製した。実施例13で記述した方法を使用して、このスルホニル尿素の形成を達成し、続いて、TFAで脱保護して、5−クロロ−N−[({5−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]−3−メチルピリジン−2−イル}アミノ)カルボニル]チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=521、523(Cl)。
【0197】
(実施例61)
【0198】
【化119】

2−アミノ−5−ヨードピリミジンを使用して、実施例48(方法C)で概説した手順と類似の手順を使用し、この中間体アミノピリミジンを調製した。実施例13で記述した方法を使用して、このスルホニル尿素の形成を達成し、続いて、TFAで脱保護して、5−クロロ−N−[({5−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)カルボニル]チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=509、511(Cl)。
【0199】
(実施例62)
【0200】
【化120】

2−フルオロ−5−ニトロベンジルアルコール(1g、5.84mmol)のジクロロメタン5mLおよびトリエチルアミン(0.81mL、5.84mmol)溶液に、塩化アセチル(0.415mL、1当量)を滴下した。その溶液を、室温で、12時間撹拌し、酢酸エチルで希釈し、そしてブラインで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮して、酢酸2−フルオロ−5−ニトロ−ベンジルエステルを得た。
【0201】
【化121】

方法A(実施例46)を使用して、酢酸2−フルオロ−5−ニトロ−ベンジルエステルを(7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル)−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステルにカップリングした。実施例10で記述した方法を使用して、このスルホニル尿素の形成を達成し、続いて、TFAで脱保護して、酢酸5−[({[(5−クロロチエン−2−イル)スルホニル]アミノ}カルボニル)アミノ]−2−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]ベンジルを得た。ES−MS(M+H)=579、581(Cl)。
【0202】
(実施例63)
【0203】
【化122】

中間体である実施例62のBoc保護化合物の加水分解から、この類似化合物を得、続いて、TFAで脱保護して、5−クロロ−N−({[4−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]アミノ}カルボニル)チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=537、539(Cl)。
【0204】
(実施例64)
【0205】
【化123】

2−フルオロ−5−ニトロベンジルアルコール(1g、5.84mmol)のエーテル25mL溶液に、テトラブロモメタン(3.87g、11.7mmol)を加え、続いて、トリフェニルホスフィン(3.39g、11.7mmol)を加えた。その混合物を、室温で、2時間撹拌した。この反応物を濃縮し、その粗残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカ、10%EtOAc/ヘキサン)で精製して、純粋な2−ブロモメチル−1−フルオロ−4−ニトロ−ベンゼンを得た。
【0206】
2−ブロモメチル−1−フルオロ−4−ニトロ−ベンゼン(0.2g、0.85mmol)の乾燥THF(5mL)溶液に、0℃で、ピペリジン(0.11ml、1mmol)およびDIEA(0.3mL、1.7mmol)を加えた。得られた反応物を、0℃〜室温で、1時間撹拌し、次いで、EtOAcで希釈し、そしてブラインで洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮し、その粗残渣をカラムクロマトグラフィー(10%EtOAc/ヘキサン)で精製して、純粋な1−(2−フルオロ−5−ニトロ−ベンジル)ピペリジンベンゼンを得た。
【0207】
【化124】

方法A(実施例46)を使用して、1−(2−フルオロ−5−ニトロ−ベンジル)ピペリジンベンゼンを(7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル)−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステルにカップリングした。実施例10で記述した方法を使用して、このスルホニル尿素の形成を達成し、続いて、TFAで脱保護して、5−クロロ−N−({[4−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]−3−(ピペリジン−1−イルメチル)フェニル]アミノ}カルボニル)チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=604、606(Cl)。
【0208】
(実施例65)
【0209】
【化125】

2−フルオロ−5−ニトロ−安息香酸(0.269g、1.45mmol)のエタノール3mL溶液に、濃硫酸(0.5mL)を加えた。その溶液を、アルゴン下にて、3時間還流した。この混合物を、室温で、2時間撹拌し、次いで、酢酸エチルで希釈し、そしてブラインで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮して、純粋な2−フルオロ−5−ニトロ−安息香酸エチルエステルを得た。
【0210】
【化126】

方法A(実施例46)を使用して、2−フルオロ−5−ニトロ−安息香酸エチルエステルを(7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル)−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステルにカップリングした。実施例10で記述した方法を使用して、このスルホニル尿素の形成を達成し、続いて、TFAで脱保護して、5−[({[(5−クロロチエン−2−イル)スルホニル]アミノ}カルボニル)アミノ]−2−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]安息香酸エチルを得た。ES−MS(M+H)=579、581(Cl)。
【0211】
(実施例66)
【0212】
【化127】

実施例63で記述した手順を使用して、実施例65の5−[({[(5−クロロチエン−2−イル)スルホニル]アミノ}カルボニル)アミノ]−2−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]安息香酸エチルの加水分解から、この類似化合物を得た。5−[({[(5−クロロチエン−2−イル)スルホニル]アミノ}カルボニル)アミノ−2−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]安息香酸。ES−MS(M+H)=551、553(Cl)。
【0213】
(実施例67)
【0214】
【化128】

2−フルオロ−5−ニトロ−ベンゾニトリルを使用して、方法A(実施例46)により、この置換アニリンを生成した。実施例10で記述した方法を使用して、このスルホニル尿素の形成を達成し、続いて、TFAで脱保護して、5−クロロ−N−[({3−シアノ−4−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]フェニル}アミノ)カルボニル]チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=532、534(Cl)。
【0215】
(実施例68)
【0216】
【化129】

実施例67のTFA脱保護工程中にて、この類似化合物を得た。5−[({[(5−クロロチエン−2−イル)スルホニル]アミノ}カルボニル)アミノ]−2−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]ベンズアミド。ES−MS(M+H)=550、552(Cl)。
【0217】
(実施例69)
【0218】
【化130】

2−ブロモメチル−1−フルオロ−4−ニトロ−ベンゼン(131mg、0.56mmol)(実施例64で生成した)およびジメチルアミン塩酸塩(44mg、0.54mmol)のジオキサン4mL溶液に、炭酸セシウム(546mg、1.68mmol)を加えた。その混合物を、アルゴン下にて、12時間にわたって、70℃まで加熱した。ワークアップおよびRP prep HPLCにより、(2−フルオロ−5−ニトロ−ベンジル)−ジメチル−アミンを得た。
【0219】
【化131】

方法A(実施例46)を使用して、(2−フルオロ−5−ニトロ−ベンジル)−ジメチル−アミンを(7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル)−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステルにカップリングした。実施例10で記述した方法を使用して、このスルホニル尿素の形成を達成し、続いて、TFAで脱保護して、5−クロロ−N−[({3−[(ジメチルアミノ)メチル]−4−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(IH)−イル]フェニル}アミノ)カルボニル]チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=564、566(Cl)。
【0220】
(実施例70)
【0221】
【化132】

3−ブロモ−4−フルオロニトロベンゼン(696mg、3.16mmol)およびトリブチル(1−エトキシビニル)スズ(1.07mL、3.5mmol)のトルエン10mL溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(183mg、016mmol)を加えた。その混合物を、3分間にわたって、アルゴンでパージし、次いで、アルゴン下にて、2日間にわたって、110℃まで加熱した。この反応混合物を室温まで冷却し、1N HCl(3mL)を加え、そして室温で、40分間撹拌した。ワークアップに続いて、カラムクロマトグラフィー精製(シリカ 10%〜30%EtOAc/ヘキサン)により、純粋な1−(2−フルオロ−5−ニトロ−フェニル)−エタノンを得た。
【0222】
【化133】

方法A(実施例46)を使用して、1−(2−フルオロ−5−ニトロ−フェニル)−エタノンを(7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル)−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステルにカップリングした。実施例10で記述した方法を使用して、このスルホニル尿素の形成を達成し、続いて、TFAで脱保護して、N−[({3−アセチル−4−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]フェニル}アミノ)カルボニル]−5−クロロチオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=549、551(Cl)。
【0223】
(実施例71)
【0224】
【化134】

乾燥THF(6mL)中のビス(ベンゾニトリル)ジクロロパラジウム(II)(53mg、0.14mmol)およびヨウ化銅(I)(26mg、0.14mmol)の混合物を、3分間にわたって、アルゴンでパージし、次いで、トリ(第三級ブチルホスフィン)(69μl、0.28mmol)、TMSアセチレン(0.77mL、5.5mmol)、3−ブロモ−4−フルオロニトロベンゼン(505mg、2.295mmol)およびジ−イソプロピルアミン(0.77mL、5.5mmol)を加えた。この混合物を、室温で、アルゴン下にて、5時間撹拌した。その反応混合物に1M TBAF/THF(7mL)を加え、この混合物を、室温で、10分間撹拌した。ワークアップおよびカラムクロマトグラフィー(シリカ、5%〜35%EtOAc/ヘキサン)で精製すると、2−エチニル−1−フルオロ−4−ニトロ−ベンゼンが得られた。
【0225】
【化135】

方法A(実施例46)を使用して、2−エチニル−1−フルオロ−4−ニトロ−ベンゼンを(7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル)−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステルにカップリングした。実施例10で記述した方法を使用して、このスルホニル尿素の形成を達成し、続いて、TFAで脱保護して、5−クロロ−N−[({3−エチニル−4−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]フェニル}アミノ)カルボニル]チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=531、533(Cl)。
【0226】
(実施例72)
【0227】
【化136】

2−エチニル−1−フルオロ−4−ニトロ−ベンゼン(70mg、0.42mmol、これは、実施例71で得た)のエタノール3mL溶液に、5%Pd/BaSO(48mg)を加えた。その混合物を、1atmで、1.5時間水素化した。セライトパッドで濾過することにより、触媒を除去した。その濾液を濃縮して、純粋な1−フルオロ−4−ニトロ−2−ビニル−ベンゼンを得た。
【0228】
【化137】

方法A(実施例46)を使用して、1−フルオロ−4−ニトロ−2−ビニル−ベンゼンを(7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル)−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステルにカップリングした。実施例10で記述した方法を使用して、このスルホニル尿素の形成を達成し、続いて、TFAで脱保護して、5−クロロ−N−[({4−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]−3−ビニルフェニル}アミノ)カルボニル]チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=533、535(Cl)。
【0229】
(実施例73)
【0230】
【化138】

[7−フルオロ−2−(4−ニトロ−2−ビニル−フェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステル(60mg、0.137mmol、実施例72で精製した中間体物質)のエタノール1.5mLおよび酢酸エチル2.5mL溶液に5%Pd/C(60mg)を加え、その混合物を、1atmで、10時間水素化した。セライトパッドで濾過することにより、触媒を除去した。その濾液を濃縮して、所望のアニリンを得た。
【0231】
【化139】

実施例10で記述した方法を使用して、このスルホニル尿素の形成を達成し、続いて、TFAで脱保護して、5−クロロ−N−[({3−エチル−4−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]フェニル}アミノ)カルボニル]チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=535、537(Cl)。
【0232】
(実施例74)
【0233】
【化140】

実施例70のN−[({3−アセチル−4−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]フェニル}アミノ)カルボニル]−5−クロロチオフェン−2−スルホンアミドの還元から、この類似化合物を得た。N−[({3−アセチル−4−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]フェニル}アミノ)カルボニル]−5−クロロチオフェン−2−スルホンアミド(18mg、0.033mmol)のエタノール2mL溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(20mg、0.53mmol)を加えた。その混合物を、室温で、30分間撹拌した。ワークアップし精製すると、回転異性体の混合物として、5−クロロ−N−({[4−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]−3−(l−ヒドロキシエチル)フェニル]アミノ}カルボニル)チオフェン−2−スルホンアミドが得られた。ES−MS(M+H)=551、553(Cl)。
【0234】
(実施例75)
【0235】
【化141】

5−フルオロ−2−ニトロ−フェノール(369mg、2.35mmol)のTHF(5mL)溶液に、室温で、水素化ナトリウム(96mg、2.46mmol)を加え、続いて、ヨウ化メチル(0.88mL、14mmol)を加えた。その混合物を、室温で、10時間撹拌し、次いで、炭酸セシウム(744mg、2.35mmol)を加えた。この混合物を、室温で、さらに4時間撹拌し、次いで、酢酸エチルで希釈し、そしてブラインで洗浄した。有機層を合わせ、そして真空中で濃縮して、粗残渣を得、これを、カラムクロマトグラフィー(シリカ 5〜25%EtOAc/ヘキサン)で精製して、純粋な4−フルオロ−2−メトキシ−1−ニトロ−ベンゼンを得た。
【0236】
【化142】

方法A(実施例46)を使用して、4−フルオロ−2−メトキシ−1−ニトロ−ベンゼンを(7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル)−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステルにカップリングした。実施例10で記述した方法を使用して、このスルホニル尿素の形成を達成し、続いて、TFAで脱保護して、5−クロロ−N−[({4−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]−2−メトキシフェニル}アミノ)カルボニル]チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=537、539(Cl)。
【0237】
(実施例76)
【0238】
【化143】

0℃で、5−フルオロ−2−ニトロ−フェノール(234mg、1.49mmol)のTHF(5mL)溶液に、水素化ナトリウム(122mg、2.9mmol)を加え、続いて、クロロメトキシメタン(113μl、1.49mmol)を加えた。その混合物を室温まで温め、そして10時間撹拌し、次いで、酢酸エチルで希釈し、そしてブラインで洗浄した。有機層を合わせ、そして真空中で濃縮して、粗残渣を得、これを、カラムクロマトグラフィー(シリカ 5〜25%EtOAc/ヘキサン)で精製して、4−フルオロ−2−メトキシメトキシ−1−ニトロ−ベンゼンを得た。
【0239】
【化144】

方法A(実施例46)を使用して、4−フルオロ−2−メトキシメトキシ−1−ニトロ−ベンゼンを(7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル)−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステルにカップリングした。実施例10で記述した方法を使用して、このスルホニル尿素の形成を達成し、続いて、TFAで脱保護して、5−クロロ−N−({[4−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]−2−(メトキシメトキシ)フェニル]アミノ}カルボニル)チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)+=567、569(Cl)。
【0240】
(実施例77)
【0241】
【化145】

実施例76のTFA脱保護工程から、この類似化合物を得た。5−クロロ−N−[({4−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]−2−ヒドロキシフェニル}アミノ)カルボニル]チオフェン−2−スルホンアミド。ES−MS(M+H)=523、525(Cl)。
【0242】
(実施例78)
【0243】
【化146】

実施例71で記述した手順を使用して、2−ブロモ−4−フルオロ−1−ニトロ−ベンゼンから、2−エチニル−4−フルオロ−1−ニトロ−ベンゼンを得た。
【0244】
実施例72で記述した手順を使用して、2−エチニル−4−フルオロ−1−ニトロ−ベンゼンから、4−フルオロ−1−ニトロ−2−ビニル−ベンゼンを得た。
【0245】
【化147】

方法A(実施例46)を使用して、4−フルオロ−1−ニトロ−2−ビニル−ベンゼンを(7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル)−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステルにカップリングした。実施例10で記述した方法を使用して、このスルホニル尿素の形成を達成し、続いて、TFAで脱保護して、5−クロロ−N−[({4−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]−2−ビニルフェニルl}アミノ)カルボニル]チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=533、535(Cl)。
【0246】
(実施例79)
【0247】
【化148】

MeCN(10mL)中の5−フルオロ−2−ニトロ−フェノール(464mg、2.95mmol)、臭化ベンジル(0.37mL、3.10mmol)および炭酸セシウム(1.055g、3.24mmol)の混合物を、室温で、アルゴン下にて、48時間撹拌した。その反応混合物を酢酸エチルで希釈し、そしてブラインで洗浄した。有機層を合わせ、そして真空中で濃縮して、粗残渣を得、これを、カラムクロマトグラフィー(シリカ 5〜25%EtOAc/ヘキサン)で精製して、2−ベンジルオキシ−4−フルオロ−1−ニトロ−ベンゼンを得た。
【0248】
【化149】

方法A(実施例46)を使用して、2−ベンジルオキシ−4−フルオロ−1−ニトロ−ベンゼンを(7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル)−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステルにカップリングした。
【0249】
実施例10で記述した方法を使用して、このスルホニル尿素の形成を達成し、続いて、TFAで脱保護して、N−[({2−(ベンジルオキシ)−4−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]フェニル}アミノ)カルボニル]−5−クロロチオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=613、615(Cl)。
【0250】
(実施例80)
【0251】
【化150】

2−ブロモ−4−フルオロ−1−ニトロ−ベンゼンを使用して、方法A(実施例46)により、[2−(3−ブロモ−4−ニトロ−フェニル)−7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステルを生成した。[2−(3−ブロモ−4−ニトロ−フェニル)−7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステル(21mg、0.0427mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(2.5mg、0.002mmol)、ヨウ化銅(I)(2mg、0.008mmol)、TMSアセチレン(10μl、0.07mmol)、n−ブチルアミン(1.5mL)およびDMF(1mL)の混合物を、2分間にわたって、アルゴンでパージした。次いで、この混合物を、5分間にわたって、マイクロ波照射(120℃)にかけ、次いで、酢酸エチルで希釈し、そしてブラインで洗浄した。有機層を合わせ、そして真空中で濃縮して、粗残渣を得、これを、カラムクロマトグラフィー(シリカ 5〜25%EtOAc/ヘキサン)で精製して、[2−(3−ブチルアミノ−4−ニトロ−フェニル)−7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステルを得た。
【0252】
【化151】

そのニトロ基を還元し、スルホニル尿素を形成し、続いて、TFAで脱保護して、N−[({2−(ブチルアミノ)−4−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]フェニル}アミノ)カルボニル]−5−クロロチオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=578、580(Cl)。
【0253】
(実施例81)
【0254】
【化152】

実施例73で記述した還元手順を使用して、[7−フルオロ−2−(4−ニトロ−3−ビニル−フェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステル(実施例78の中間体)から、この類似化合物を得た。
【0255】
【化153】

実施例10で記述した方法を使用して、このスルホニル尿素の形成を達成し、続いて、TFAで脱保護して、5−クロロ−N−[({2−エチル−4−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]フェニル}アミノ)カルボニル]チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=535、537(Cl)。
【0256】
(実施例82)
【0257】
【化154】

酢酸2−ブロモ−エチルエステルを使い、実施例79で記述した手順を使用して、酢酸2−(5−フルオロ−2−ニトロ−フェノキシ)−エチルエステルを得た。
【0258】
【化155】

方法A(実施例46)を使用して、酢酸2−(5−フルオロ−2−ニトロ−フェノキシ)−エチルエステルを(7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル)−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステルにカップリングした。実施例10で記述した方法を使用して、このスルホニル尿素の形成を達成し、続いて、TFAで脱保護して、2−{2−[({[(5−クロロチエン−2−イル)スルホニル]アミノ}カルボニル)アミノ]−5−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]フェノキシ}酢酸エチルを得た。ES−MS(M+H)=609、611(Cl)。
【0259】
(実施例83)
【0260】
【化156】

中間体である実施例82のBoc保護化合物の加水分解(実施例63で記述したようにして)から、この類似化合物を得、続いて、TFAで脱保護して、5−クロロ−N−({[4−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]−2−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]アミノ}カルボニル)チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=567、569(Cl)。
【0261】
(実施例84)
【0262】
【化157】

光延反応条件下にて、5−フルオロ−2−ニトロ−フェノールおよびイソプロパノールを使用して、4−フルオロ−2−イソプロポキシ−1−ニトロ−ベンゼンを得た。この一般手順は、以下のように記述される:4−フルオロ−2−イソプロポキシ−1−ニトロ−ベンゼン(313mg、1.99mmol)、トリフェニルホスフィン(783mg、2.98mmol)およびイソプロパノール(161mg、2.59mmol)のTHF(2mL)溶液に、0℃で、アゾジカルボン酸ジエチル(0.49mL、2.99mmol)を滴下した。その混合物を室温まで温め、そして30分間撹拌し、次いで、酢酸エチルで希釈し、そしてブラインで洗浄した。有機層を合わせ、そして真空中で濃縮して、粗残渣を得、これを、カラムクロマトグラフィー(シリカ 5〜25%EtOAc/ヘキサン)で精製して、4−フルオロ−2−イソプロポキシ−1−ニトロ−ベンゼンを得た。
【0263】
【化158】

方法A(実施例46)を使用して、4−フルオロ−2−イソプロポキシ−1−ニトロ−ベンゼンを(7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル)−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステルにカップリングした。実施例10で記述した方法を使用して、このスルホニル尿素の形成を達成し、続いて、TFAで脱保護して、5−クロロ−N−[({4−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]−2−イソプロポキシフェニルl}アミノ)カルボニル]チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=565、567(Cl)。
【0264】
(実施例85)
【0265】
【化159】

5−フルオロ−2−ニトロ−ベンズアルデヒド(573mg、3.39mmol)のDCM(4mL)溶液に、0℃で、3分間にわたって、(ジエチルアミノ)イオウトリフルリド(sulfurtrifluride)(0.448mL、3.39mmol)を滴下した。その反応混合物を、0℃で、1時間撹拌し、次いで、ジクロロメタンで希釈し、そしてブラインで洗浄した。有機層を合わせ、そして真空中で濃縮して、粗残渣を得、これを、カラムクロマトグラフィー(シリカ 15〜40%EtOAc/ヘキサン)で精製して、2−ジフルオロメチル−4−フルオロ−1−ニトロ−ベンゼンを得た。
【0266】
【化160】

方法A(実施例46)を使用して、2−ジフルオロメチル−4−フルオロ−1−ニトロ−ベンゼンを(7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル)−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステルにカップリングした。実施例10で記述した方法を使用して、このスルホニル尿素の形成を達成し、続いて、TFAで脱保護して、5−クロロ−N−[(12−(ジフルオロメチル)−4−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]フェニル}アミノ)カルボニル]チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=557、559(Cl)。
【0267】
(実施例86)
【0268】
【化161】

実施例84で記述した手順を使用して、シクロプロピルメタノールから、2−シクロプロピルメトキシ−4−フルオロ−1−ニトロ−ベンゼンを得た。
【0269】
【化162】

方法A(実施例46)を使用して、2−シクロプロピルメトキシ−4−フルオロ−1−ニトロ−ベンゼンを(7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル)−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステルにカップリングした。実施例10で記述した方法を使用して、このスルホニル尿素の形成を達成し、続いて、TFAで脱保護して、5−クロロ−N−[(2−(シクロプロピルメトキシ)−4−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]フェニル}アミノ)カルボニル]チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=577、579(Cl)。
【0270】
(実施例87)
【0271】
【化163】

4−ブロモ−2−トリフルオロメトキシ−フェニルアミンを使用して、方法C(実施例48)により、この置換アニリンを生成した。実施例10で記述した方法を使用して、このスルホニル尿素の形成を達成し、続いて、TFAで脱保護して、5−クロロ−N−({[4−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]−2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}カルボニル)チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=591、593(Cl)。
【0272】
(実施例88)
【0273】
【化164】

実施例70で記述した手順を使って、2−ブロモ−4−フルオロ−1−ニトロ−ベンゼンを使用して、1−(5−フルオロ−2−ニトロ−フェニル)−エタノンを得た。
【0274】
【化165】

方法A(実施例46)を使用して、1−(5−フルオロ−2−ニトロ−フェニル)−エタノンを(7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル)−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステルにカップリングした。実施例10で記述した方法を使用して、このスルホニル尿素の形成を達成し、続いて、TFAで脱保護して、N−[({2−アセチル−4−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−I−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]フェニル}アミノ)カルボニル]−5−クロロチオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=549、551(Cl)。
【0275】
(実施例89)
【0276】
【化166】

トリフルオロエタノールの乾燥THF(4mL)溶液に、0℃で、第三級ブトキシド(378mg、3.37mmol)を加えた。得られた混合物を、0℃で、2,4−ジフルオロ−1−ニトロ−ベンゼン(536mg、3.37mmol)の乾燥THF(5mL)溶液に滴下した。その混合物を、0℃で、30分間撹拌し、次いで、酢酸エチルで希釈し、そしてブラインで洗浄した。有機層を合わせ、そして真空中で濃縮して、4−フルオロ−1−ニトロ−2−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−ベンゼンを得た。
【0277】
【化167】

方法A(実施例46)を使用して、4−フルオロ−1−ニトロ−2−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−ベンゼンを(7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル)−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステルにカップリングした。実施例10で記述した方法を使用して、このスルホニル尿素の形成を達成し、続いて、TFAで脱保護して、5−クロロ−N−({[4−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル]アミノ}カルボニル)チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=605、607(Cl)。
【0278】
(実施例90)
【0279】
【化168】

実施例84で記述したようにして、2,2,2−トリフルオロ−エタノールを使用して実施例89を調製したときの副生成物として、2−エトキシ−4−フルオロ−1−ニトロ−ベンゼンを得た。
【0280】
【化169】

方法A(実施例46)を使用して、2−エトキシ−4−フルオロ−1−ニトロ−ベンゼンを(7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル)−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステルにカップリングした。
【0281】
実施例10で記述した方法を使用して、このスルホニル尿素の形成を達成し、続いて、TFAで脱保護して、5−クロロ−N−[({2−エトキシ−4−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]フェニル}アミノ)カルボニル]チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=551、553(Cl)。
【0282】
(実施例91)
【0283】
【化170】

実施例89で記述した手順を使用して、2−メトキシ−エタノールから、4−フルオロ−2−(2−メトキシ−エトキシ)−1−ニトロ−ベンゼンを得た。
【0284】
【化171】

方法A(実施例46)を使用して、4−フルオロ−2−(2−メトキシ−エトキシ)−1−ニトロ−ベンゼンを(7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル)−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステルにカップリングした。実施例10で記述した方法を使用して、このスルホニル尿素の形成を達成し、続いて、TFAで脱保護して、5−クロロ−N−({[4−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]−2−(2−メトキシエトキシ)フェニル]アミノ}カルボニル)チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=581、583(Cl)。
【0285】
(実施例92)
【0286】
【化172】

2−イソプロピル−フェニルアミン(262mg、1.94mmol)および酢酸ナトリウム(159mg、1.94mmol)の酢酸5mL溶液に、室温で、ヨウ化一塩化物(iodide monochloride)(409mg、2.58mmol)を加えた。その混合物を、室温で、20分間撹拌し、次いで、酢酸エチルで希釈し、そして飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄した。有機層を合わせ、そして真空中で濃縮して、粗残渣を得、これを、カラムクロマトグラフィー(シリカ 5〜25%EtOAc/ヘキサン)で精製して、4−ヨード−2−イソプロピル−フェニルアミンを得た。
【0287】
【化173】

方法C(実施例48)を使用して、4−ヨード−2−イソプロピル−フェニルアミンを(7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル)−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステルにカップリングした。実施例10で記述した方法を使用して、このスルホニル尿素の形成を達成し、続いて、TFAで脱保護して、5−クロロ−N−[({4−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]−2−イソプロピルフェニル}アミノ)カルボニル]チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=549、551(Cl)。
【0288】
(実施例93)
【0289】
【化174】

実施例89で記述した手順を使用して、2−ジメチルアミノ−エタノールから、[2−(5−フルオロ−2−ニトロ−フェノキシ)−エチル]−ジメチル−アミンを得た。
【0290】
【化175】

方法A(実施例46)を使用して、[2−(5−フルオロ−2−ニトロ−フェノキシ)−エチル]−ジメチル−アミンを(7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル)−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステルにカップリングした。実施例10で記述した方法を使用して、このスルホニル尿素の形成を達成し、続いて、TFAで脱保護して、5−クロロ−N−[({2−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]−4−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]フェニル}アミノ)カルボニル]チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=594、596(Cl)。
【0291】
(実施例94)
【0292】
【化176】

[7−フルオロ−2−(4−ニトロ−3−ビニル−フェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−メチル−カルバミン酸第三級ブチル(実施例78の中間体)から、[2−(3−シクロプロピル−4−ニトロ−フェニル)−7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステルを得た。
【0293】
[7−フルオロ−2−(4−ニトロ−3−ビニル−フェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−メチル−カルバミン酸第三級ブチル(12mg、0.027mmol)のエーテル1mLおよびTHF(1mL)溶液に、0℃で、ジアゾメタン溶液(これは、−78℃で、エーテル2mL中にて、40%水酸化カリウム水溶液を2−メチル−3−ニトロ−ニトロソグアニジン(40mg、0.27mmol)に加えることにより、生成した)を加え、続いて、酢酸パラジウム(II)10mg(10mg、0.4mmol)を加えた。その反応混合物を、0℃で、1時間撹拌し、次いで、酢酸エチルで希釈し、そしてブラインで洗浄した。有機層を合わせ、そして真空中で濃縮して、粗残渣を得、これを、カラムクロマトグラフィー(シリカ 25〜50%EtOAc/ヘキサン)で精製して、[2−(3−シクロプロピル−4−ニトロ−フェニル)−7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステルを得た。
【0294】
【化177】

[2−(3−シクロプロピル−4−ニトロ−フェニル)−7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステルを触媒水素化し、このスルホニル尿素を形成し、続いて、TFAで脱保護すると、5−クロロ−N−[(12−シクロプロピル−4−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]フェニル}アミノ)カルボニル]チオフェン−2−スルホンアミドが得られた。ES−MS(M+H)=547、549(Cl)。
【0295】
(実施例95)
【0296】
【化178】

1−フルオロ−4−ニトロ−2−トリフルオロメチル−ベンゼンを使用して、方法A(実施例46)により、この置換アニリンを生成した。実施例10で記述した方法を使用して、このスルホニル尿素の形成を達成し、続いて、TFAで脱保護して、5−クロロ−N−({[4−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]−3−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}カルボニル)チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=575、577(Cl)。
【0297】
(実施例96)
【0298】
【化179】

4−ブロモ−2,6−ジメチル−フェニルアミンを(7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル)−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステルにカップリングして、方法C(実施例48)により、この置換アニリンを生成した。実施例10で記述した方法を使用して、このスルホニル尿素の形成を達成し、続いて、TFAで脱保護して、5−クロロ−N−[({4−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]−2,6−ジメチルフェニル}アミノ)カルボニル]チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=535、537(Cl)。
【0299】
(実施例97)
【0300】
【化180】

方法A(実施例46)を使用して、4−フルオロ−1−ニトロ−2−トリフルオロメチル−ベンゼンを(7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル)−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステルにカップリングした。実施例10で記述した方法を使用して、このスルホニル尿素の形成を達成し、続いて、TFAで脱保護して、5−クロロ−N−({[4−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]−2−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}カルボニル)チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=575、577(Cl)。
【0301】
(実施例98)
【0302】
【化181】

5−フルオロ−2−ニトロ−安息香酸の溶液(1g、THF(5mL)中で5.4mmol)に、0℃で、(トリメチルシリル)ジアゾメタン(エーテル中で2M、11mL、22mmol)を加えた。その反応混合物を、アルゴン下にて、室温まで温め、そして30分間撹拌し、次いで、酢酸エチルで希釈し、そしてブラインで洗浄した。有機層を合わせ、そして真空中で濃縮して、粗残渣を得、これを、カラムクロマトグラフィー(シリカ 5〜30%EtOAc/ヘキサン)で精製して、5−フルオロ−2−ニトロ−安息香酸メチルエステルを得た。
【0303】
【化182】

方法A(実施例46)を使用して、5−フルオロ−2−ニトロ−安息香酸メチルエステルを(7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル)−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステルにカップリングした。
【0304】
実施例10で記述した方法を使用して、このスルホニル尿素の形成を達成し、続いて、TFAで脱保護して、2−[({[(5−クロロチエン−2−イル)スルホニル]アミノ}カルボニル)アミノ]−5−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]安息香酸メチルを得た。ES−MS(M+H)=565、567(Cl)。
【0305】
(実施例99)
【0306】
【化183】

実施例98で得た2−[({[(5−クロロチエン−2−イル)スルホニル]アミノ}カルボニル)アミノ]−5−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]安息香酸メチル(実施例63で記述したようにして)から、この類似化合物を得た。2−[({[(5−クロロチエン−2−イル)スルホニル]アミノ}カルボニル)アミノ]−5−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]安息香酸。ES−MS(M+H)=551、553(Cl)。
【0307】
(実施例100)
【0308】
【化184】

2−イソプロピル−6−メチル−フェニルアミン(1mL、6.4mmol)の酢酸6.5mL溶液に、室温で、10分間にわたって、臭素(0.33mL、6.4mmol)を滴下した。その混合物を、室温で、アルゴン下にて、20分間撹拌した。沈殿物が形成され、濾過により集め、そしてエーテルで洗浄して、純粋な4−ブロモ−2−イソプロピル−6−メチル−フェニルアミンを得た。
【0309】
【化185】

方法C(実施例48)を使用して、4−ブロモ−2−イソプロピル−6−メチル−フェニルアミンを(7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル)−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステルにカップリングした。実施例10で記述した方法を使用して、このスルホニル尿素の形成を達成し、続いて、TFAで脱保護して、5−クロロ−N−[({4−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]−2−イソプロピル−6−メチルフェニル}アミノ)カルボニル]チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=563、565(Cl)。
【0310】
(実施例101)
【0311】
【化186】

実施例98で記述した手順を使用して、3−メチル−2−ニトロ−安息香酸から3−メチル−2−ニトロ−安息香酸メチルエステルを得、次いで、方法A(実施例46)で記述したように水素化することにより、2−アミノ−3−メチル−安息香酸メチルエステルを得た。実施例100の手順を使用して、2−アミノ−5−ブロモ−3−メチル−安息香酸メチルエステルを得た。
【0312】
【化187】

方法C(実施例48)を使用して、2−アミノ−5−ブロモ−3−メチル−安息香酸メチルエステルを(7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル)−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステルにカップリングした。実施例10で記述した方法を使用して、このスルホニル尿素の形成を達成し、続いて、TFAで脱保護して、2−[({[(5−クロロチエン−2−イル)スルホニル]アミノ}カルボニル)アミノ]−5−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]−3−メチル安息香酸メチルを得た。ES−MS(M+H)=579、581(Cl)。
【0313】
(実施例102)
【0314】
【化188】

実施例78における[2−(3−ブロモ−4−ニトロ−フェニル)−7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステルから、[7−フルオロ−2−(3−メタンスルホニル−4−ニトロ−フェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステルを得た。
【0315】
[2−(3−ブロモ−4−ニトロ−フェニル)−7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステル(10mg、0.02mmol)のDMSO(0.5mL)溶液に、メタンスルフィン酸ナトリウム(62mg、0.06mmol)を加えた。その反応混合物を、45秒間にわたって、マイクロ波照射(温度12℃)にかけた。沈殿物が形成され、そして濾過により集めて、[7−フルオロ−2−(3−メタンスルホニル−4−ニトロ−フェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステルを得た。
【0316】
【化189】

[7−フルオロ−2−(3−メタンスルホニル−4−ニトロ−フェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステルを水素化して、アニリンを得た。実施例10で記述した方法を使用して、このスルホニル尿素の形成を達成し、続いて、TFAで脱保護して、5−クロロ−N−({[4−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]−2−(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}カルボニル)チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=585、587(Cl)。
【0317】
(実施例103)
【0318】
【化190】

2−クロロ−4−ヨード−フェニルアミンを使用して、方法C(実施例48)により、この置換アニリンを生成した。実施例10で記述した方法を使用して、このスルホニル尿素の形成を達成し、続いて、TFAで脱保護して、5−クロロ−N−[({2−クロロ−4−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]フェニル}アミノ)カルボニル)チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=541、543(Cl)。
【0319】
(実施例104)
【0320】
【化191】

[7−フルオロ−2−(4−ニトロ−フェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステル(l.Og、24mmol、実施例8から得た)をTFA(12.5mL)に溶解し、そして0.5時間撹拌した。真空中で溶媒を除去し、ジクロロメタン/ヘプタンに再溶解し、そして濃縮して、黄色がかった固形物として、1.0g(97%)のTFA塩を得た。ES−MS(M+H)=314.2。
【0321】
(実施例105)
【0322】
【化192】

DMF(3mL)中の7−フルオロ−6−メチルアミノ−2−(4−ニトロ−フェニル)−2H−イソキノリン−1−オン(100mg、0.27mmol)(実施例104)の混合物に、N−クロロスクシンイミド(76mg、0.57mmol)を加えた。18時間後、全ての出発物質が消費された。その反応混合物に二塩化スズ二水和物244mg(0.11mmol)を加え、この反応物を、2時間にわたって、80℃まで加熱した。冷却すると、この反応混合物を10%炭酸ナトリウム1mLで処理し、そしてEtOAcで3回抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥し、そして真空中で濃縮して、5−Clおよび4,5−ジクロロアニリンの混合物を得た。この混合物を、トルエン(0.54mL)中にて、(5−クロロ−チオフェン−2−スルホニル)−カルバミン酸エチルエステル(実施例12)76mg(0.28mmol)に直接カップリングし、そして4時間還流した。モノクロロおよびジクロロスルホニル尿素の得られた混合物を分取RP−HPLCで分離して、9.4mg(全収率6%)の5−クロロ−N−[({4−[5−クロロ−7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]フェニル}アミノ)カルボニル]チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=541.3(2Cl)。
【0323】
(実施例106)
【0324】
【化193】

このジクロロスルホニル尿素を実施例105の上記反応から精製して、15mg(全収率10%)の5−クロロ−N−[({4−[4,5−ジクロロ−7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]フェニル}アミノ)カルボニル]チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=576.2(3Cl)。
【0325】
(実施例107)
【0326】
【化194】

7−フルオロ−6−メチルアミノ−2−(4−ニトロ−フェニル)−2H−イソキノリン−1−オン(800mg、1.9mmol、実施例104から得たTFA塩)をDMF(18mL)(これは、KCO(517mg、2当量)を含有する)に部分的に溶解した。再結晶したN−ブロモスクシンイミド(433mg、2.4mmol)を加え、その反応物を70℃まで温め、そして18時間撹拌した。この反応混合物を水25mLでクエンチし、そして0℃まで冷却した。得られた沈殿物を濾過により集め、水で洗浄し、そして23℃で真空乾燥して、600mg(82%)の灰白色固形物を得た。ES−MS(M+H)=392.3(Br)。
【0327】
(実施例108)
【0328】
【化195】

5−ブロモ−7−フルオロ−6−メチルアミノ−2−(4−ニトロ−フェニル)−2H−イソキノリン−1−オン(400mg、1.0mmol、実施例107)を、DMF(5mL)中にて、二塩化スズ二水和物920mg(4.0mmol)と混ぜ合わせ、そして2時間にわたって、70℃まで加熱した。次いで、その反応物を40℃まで冷却し、そして10%炭酸ナトリウム1mLをセライト2gと共にゆっくりと加えた。次いで、この反応混合物をEtOAcで3回抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮して、338mg(94%)の黄色がかった固形物を得た。ES−MS(M+H)=361.2(Br)。
【0329】
(実施例109)
【0330】
【化196】

実施例13で記述した方法によって、このスルホニル尿素を調製する。N−[({4−[5−ブロモ−7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]フェニル}アミノ)カルボニル]−5−クロロチオフェン−2−スルホンアミド。ES−MS(M+H)=585.5(Cl、Br)。
【0331】
(実施例110)
【0332】
【化197】

実施例108から得た2−(4−アミノ−フェニル)−5−ブロモ−7−フルオロ−6−メチルアミノ−2H−イソキノリン−1−オン(26mg、0.07mmol)のDME(0.5mL)懸濁液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(4mg、5mol%)を加えた。この懸濁液を脱気し、そしてArでパージした。次いで、KCO(10mg、0.07mmol)と、水(0.2mL)と、2,4,6−トリビニルシクロとリボロキサンのピリジン錯体(9mg、0.04mmol)を加え、その混合物を100℃まで加熱した。30分後、この反応混合物を室温まで冷却した。次いで、その生成物をEtOAc(20mL)で抽出し、ブライン(10mL)で洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、そして真空中で濃縮して、26mgの粗生成物を得、これを、さらに精製することなく、使用した。ES−MS(M+H)=310.3。
【0333】
(実施例111)
【0334】
【化198】

実施例13で記述した方法を使用して、カップリングパートナーとして実施例110を使用して、このスルホニル尿素を形成するカップリングを達成し、5−クロロ−N−[(4−[7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソ−5−ビニルイソキノリン−2(1H)−イル]フェニル}アミノ)カルボニル]チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=533.0、535.0(Cl)。
【0335】
(実施例112)
【0336】
【化199】

実施例110から得た2−(4−アミノ−フェニル)−7−フルオロ−6−メチルアミノ−5−ビニル−2H−イソキノリン−1−オン(27mg、0.09mmol)の酢酸エチル(1mL)およびエタノール(1mL)溶液に、Ar下にて、10%Pd/C(19mg、0.18mmol Pd)を加えた。その混合物を、1atmのH下にて、2時間水素化し、セライトで濾過し、そして濃縮して、26mgの粗生成物を得、これを、さらに精製することなく、使用した。ES−MS(M+H)=312.3。
【0337】
(実施例113)
【0338】
【化200】

実施例13で記述した方法を使用して、カップリングパートナーとして先の実施例から得た2−(4−アミノ−フェニル)−5−エチル−7−フルオロ−6−メチルアミノ−2H−イソキノリン−1−オンを使用して、このスルホニル尿素を形成するカップリングを達成し、5−クロロ−N−[({4−[5−エチル−7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]フェニル}アミノ)カルボニル]チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=535.0、537.0(Cl)。
【0339】
(実施例114)
【0340】
【化201】

実施例108から得た2−(4−アミノ−フェニル)−5−ブロモ−7−フルオロ−6−メチルアミノ−2H−イソキノリン−1−オン(50mg、0.14mmol)のトルエン(0.6mL)懸濁液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(16mg)を加えた。この懸濁液を脱気し、そしてArでパージした。次いで、KPO(103mg、0.49mmol)、水(0.2mL)およびシクロプロピルボロン酸(15mg、0.18mmol)を加え、その混合物を100℃まで加熱した。一晩反応させた後、この混合物を室温まで冷却した。次いで、この反応混合物をEtOAc(20mL)で抽出し、ブライン(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして真空中で濃縮して、48mgの粗生成物を得た。この粗製物をシリカゲルで精製して、12mg(25%)の純粋な生成物を得た。ES−MS(M+H)=324.1。
【0341】
(実施例115)
【0342】
【化202】

実施例13で記述した方法を使用して、このスルホニル尿素を形成するカップリングを達成し、5−クロロ−N−[({4−[5−シクロプロピル−7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]フェニル}アミノ)カルボニル]チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=547.1、549.1(Cl)。
【0343】
(実施例116)
【0344】
【化203】

実施例108から得た2−(4−アミノ−フェニル)−5−ブロモ−7−フルオロ−6−メチルアミノ−2H−イソキノリン−1−オン(50mg、0.14mmol)およびトリブチルエトキシビニルスズ(102μL、28mmol)をトルエン(0.7mL)中にて混ぜ合わせ、次いで、その混合物を脱気し、そしてArでパージした。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(16mg、10mol%)を加え、その混合物を100℃まで加熱した。この混合物を、Ar下にて、3時間撹拌し、その後、この反応混合物を室温まで冷却した。この反応混合物に水(30mL)を加え、その生成物をEtOAc(30mL)で抽出し、5%アンモニア/水溶液(30mL)およびブライン(30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして真空中で濃縮して、146mgの粗エトキシビニル化合物を得た。次いで、この粗混合物をTHF(10mL)に溶解し、2N HCl(3mL)で処理し、そして室温で、1.5時間撹拌した。次いで、この混合物をNaHCOで中和し、そしてEtOAc(30mL)で抽出した。EtOAc層をブライン(25mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして真空中で濃縮して、粗ケトンを得、これを、シリカゲルで精製して、最終生成物を得た。ES−MS(M+H)=326.1。
【0345】
(実施例117)
【0346】
【化204】

実施例13で記述した方法を使用して、このスルホニル尿素を形成するカップリングを達成し、N−[(4−[5−アセチル−7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]フェニル}アミノ)カルボニル]−5−クロロチオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=549.0、551.0(Cl)。
【0347】
(実施例118)
【0348】
【化205】

NMP(1.4mL)中の5−ブロモ−7−フルオロ−6−メチルアミノ−2−(4−ニトロ−フェニル)−2H−イソキノリン−1−オン(実施例107)の110mg(0.28mmol)部分およびCuCN(55mg、2.2当量)を、2時間にわたって、200℃まで加熱した。50℃まで冷却した後、10%KCN水溶液10mLを加え、その混合物を撹拌し、濾過し、水で洗浄し、そして乾燥して、123mg(130%)の7−フルオロ−6−メチルアミノ−2−(4−ニトロ−フェニル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−5−カルボニトリルを得た。この5−シアノ物質の50mg(0.15mmol)部分を、1:1:2の水/AcOH/ピリジン(これは、次亜燐酸ナトリウム58mgを含有する)中のレーニー・ニッケル(Aldrich)36mgで還元した。次いで、その反応物を酢酸エチルで3回抽出し、NaSO(無水)で乾燥し、そして真空中で濃縮して、10mg(20%)の生成アニリンを得た。次いで、実施例13で記述した方法を使用して、この物質をカップリングして、7.8mg(46%)の5−クロロ−N−[({4−[5−シアノ−7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]フェニル}アミノ)カルボニル]チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=532.1(Cl)。
【0349】
(実施例119)
【0350】
【化206】

[7−フルオロ−1−オキソ−2−(2−トリメチル−シラニル−エトキシメチル)−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−カルバミン酸第三級ブチルエステル(200mg、0.5mmol、実施例44)を乾燥THF(1.5mL)に溶解し、3Aモレキュラーシーブの存在下にて1時間撹拌することにより、乾燥した。次いで、その反応混合物を−78℃まで冷却し、そしてt−BuLi(1.0mL、1.9M)を滴下した。1時間後、MeI(123μL、4当量)を加え、この反応混合物を23℃までゆっくりと温めた。飽和NHCl(2mL)を加えて酢酸エチルで3回抽出した後、合わせた有機層をNaSOで乾燥し、濃縮し、そしてシリカゲル(これは、5%〜20%酢酸エチル/ヘキサン勾配で溶出する)で精製して、44mg(20%)の[7−フルオロ−5−メチル−1−オキソ−2−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステルを得た。ES−MS(M+H)=437.4。
【0351】
(実施例120)
【0352】
【化207】

[7−フルオロ−5−メチル−1−オキソ−2−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−6−イル]−メチル−カルバミン酸第三級ブチルエステル(44mg、0.10mmol、実施例119)を、1時間にわたって、TFAで処理し、そして真空中で濃縮した。この粗製物質を、DMSO(200μL)中にて、120℃で、18時間にわたって、p−ヨードアニリン25mg(0.115mmol)、CuI(4mg)、8−ヒドロキシキノリン(3mg)およびKCO(17mg)で処理し、その後、この反応物を室温まで冷却し、酢酸エチルで希釈し、そしてブラインで洗浄した。合わせた有機層をNaSOで乾燥し、そして真空中で濃縮して、粗残渣を得、これを、実施例13で記述したようにして、(5−クロロ−チオフェン−2−スルホニル)−カルバミン酸エチルエステル57mgと共にカップリングにかけて、RP−HPLC精製後、10mgの5−クロロ−N−[({4−[7−フルオロ−5−メチル−6−(メチルアミノ)−1−オキソイソキノリン−2(1H)−イル]フェニル}アミノ)カルボニル]チオフェン−2−スルホンアミドを得た。ES−MS(M+H)=521.1(Cl)。
【0353】
(実施例121)
【0354】
【化208】

工程1:7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−3,4−ジヒドロイソキノリン−1(2H)−オンの調製
【0355】
【化209】

MeOH(30mL)(これは、濃HCl(8滴)を含有する)中の第三級ブチル7−フルオロ−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−6−イル(メチル)カーバメート(実施例45、700mg、2.40mmol)およびPtO(470mg)の混合物を、300psi下にて、高圧容器中で、一晩水素化した。次いで、この反応混合物を濾過し、その濾液を真空中で濃縮した。その残渣をTFA(10mL)で処理し、そして1時間撹拌し、その後、そのTFA溶液を真空中で濃縮した。その残渣をRP−HPLCで精製して、言及した中間体化合物(142mg)を得た。ES−MS(M+H)+=195。
【0356】
(工程2:2−(4−アミノフェニル)−7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−3,4−ジヒドロイソキノリン−1(2H)−オンの調製)
【0357】
【化210】

ジオキサン(1.5mL)中の7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−3,4−ジヒドロイソキノリン−1(2H)−オン(70mg、0.36mmol)、4−ヨードアニリン(119mg、0.543mmol)、CuI(27mg、0.14mmol)、1,2−ジアミノシクロヘキサン(44μL、0.36mmol)およびKPO(153mg、0.722mmol)の混合物を、110℃で、一晩加熱し、次いで、CHCN(5mL)およびHO(5mL)で希釈し、そして濾過した。その濾液をRP−HPLCで精製して、固形物(62mg)として、言及した中間体化合物を得た。ES−MS(M+H)=286。
【0358】
工程3:1−(5−クロロチオフェン−2−イルスルホニル)−3−(4−(7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソ−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−イル)フェニル)尿素の調製
【0359】
【化211】

2−(4−アミノフェニル)−7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−3,4−ジヒドロイソキノリン−1(2H)−オン(62mg、0.22mmol)のHOAc(4mL)溶液に、100℃で、5−クロロチオフェン−2−イルスルホニルカルバミン酸エチル(119mg、0.44mmol)を加えた。室温で1時間撹拌した後、その反応混合物を真空中で濃縮した。その残渣をRP−HPLCで精製して、粉末(25mg)として、表題化合物を得た。ES−MS(M+H)=509、511(Clパターン)。
【0360】
(実施例122)
(1−(5−クロロチオフェン−2−イルスルホニル)−3−(4−(5,7−ジフルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソ−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−イル)フェニル)尿素)
【0361】
【化212】

1−(5−クロロチオフェン−2−イルスルホニル)−3−(4−(7−フルオロ−6−(メチルアミノ)−1−オキソ−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−イル)フェニル)尿素(17mg、0.033mmol)のDMF(2mL)溶液に、室温で、セレクトFluor(1−(クロロメチル)−4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンビス(テトラフルオロボレート)(32mg、0.090mmol)を加えた。室温で1時間撹拌した後、その反応混合物を真空中で濃縮した。その残渣をRP−HPLCで精製して、粉末(1mg)として、表題化合物を得た。ES−MS(M+H)=527、529(Clパターン)。
【0362】
(実施例123)
(本実施例は、血小板が豊富な血漿(PRP)を使用するインビトロでのADP媒介性血小板凝集の阻害についてのアッセイを提供する)
血小板が豊富な血漿(PRP)を使用するADP誘導性ヒト血小板凝集に対する、本発明の化合物の効果を、好ましくは、96ウェルマイクロタイターアッセイにおいて評価する。ヒト静脈血を、薬物を使用していない健常なボランティアから0.38%クエン酸ナトリウム(最終濃度;例えば、60mLの血液につき6mLの3.8%)中に収集する。血小板が豊富な血漿(PRP)は、160×gにて室温で20分間遠心分離することによって調製する。PRPを収集し、その血小板濃度を、クールター計数器または血球計を使用して決定する(血小板濃度は、1mL当たり2×10〜4×10であるべきである)。
【0363】
ADP依存性凝集の阻害を、好ましくは、Frantantoniら(Am.J.Clin.Pathol.94:613(1990))によって記載される手順と同様に、マイクロタイタープレート振盪器およびプレートリーダーを使用して、96ウェル平底マイクロタイタープレートにおいて決定する。すべての工程は、室温にて実施する。総反応体積0.2mL/ウェルには、PRP(血漿の存在下において約6×10の全血漿)、0.6%DMSO中での試験化合物(コントロールウェルについては緩衝液)の連続希釈物を含む。室温にて約5分間のプレインキュベーションの後、ADPを、最終濃度2μMまで添加する。これは、最大下凝集を誘導する。緩衝液を、ADPの代わりに1組のコントロールウェル(ADPコントロール)に添加する。その後、サンプルのODを、マイクロタイタープレートリーダー(Softmax,Molecular Devices,Menlo Park,CA)を使用して650nmにて決定し、0分での読取り値を得る。その後、そのプレートをマイクロタイタープレート振盪器にて5分間振盪し、5分での読取り値をプレートリーダーにおいて得る。凝集を、t=0分と比較したt=5分での650nmでのODの減少から計算し、非凝集コントロールサンプルにおける変化について補正した後に、ADPコントロールサンプルにおける減少の%として表す。
【0364】
(血小板に対する[H]2−MeS−ADP結合の阻害)
本発明の化合物がADP依存性血小板凝集を阻害することを上記のアッセイを用いてまず決定した後に、第二アッセイを使用して、そのような阻害が、血小板ADPレセプターとの相互作用によって媒介されるのか否かを決定する。その第二アッセイを使用して、血小板全体に対する[H]2−MeS−ADP結合に関するそのような化合物の阻害の効力を、決定する。[H]2−MeS−ADP結合実験は、病院の血液バンクにおける標準的手順によって収集した期限切れのヒト血小板を用いて慣用的に実施する。アピラーゼで洗浄した期限切れ血小板を、以下のように調製する(すべての工程は、そうではないと示さない場合には、室温にて行う)。
【0365】
期限切れ血小板懸濁物を、1容量のCGSで希釈し、血小板を、1900×gにて45分間の遠心分離によってペレットにする。血小板ペレットを、1U/mlアピラーゼ(グレードV、Sigma,St.Louis,MO)を含むCGS中に3×10〜6×10血小板にて再懸濁し、37℃にて15分間インキュベートする。730×gにて20分間の遠心分離の後、ペレットを、0.1% BSA(Sigma,St.Louis.MO)を含むヘペス−タイロード緩衝液中に再懸濁する。結合実験を、その血小板を45分間より長く休止させた後に実施する。
【0366】
あるいは、結合実験を、I(インビトロでのADP媒介性血小板凝集の阻害)に記載されるように調製した新鮮なヒト血小板を用いて実施するが、但し、血小板は、0.1% BSA(Sigma,St.Louis.MO)を含むヘペス−タイロード緩衝液中に、6.66×10血小板/mlの濃度にて再懸濁する。非常に類似する結果が、新鮮な血小板と、期限切れ血小板とを用いて得られる。
【0367】
トリチウム化した強力なアゴニストリガンドである[H]2−MeS−ADPを使用する血小板ADPレセプター結合アッセイ(Jantzen,H.M.ら(1999)Thromb.Hemost.81:111〜117)が、96ウェルマイクロタイター形式に適合されている。0.1% BSAおよび0.6% DMSOを含む0.2mlのヘペス−タイロード緩衝液というアッセイ体積において、1×10のアピラーゼで洗浄した血小板を、96ウェル平底マイクロタイタープレート中にて、試験化合物の連続希釈物とともにプレインキュベートする。その後、1nMの[H]2−MeS−ADP([H]2−メチルチオアデノシン−5’−二リン酸,アンモニウム塩;比活性48〜49Ci/mmole;Amersham Life Science,Inc.(Arlington Heights,IL)またはNEN Life Science Products(Boston,MA)から注文合成により得る)を添加する。全結合を、試験化合物の非存在下で決定する。非特異的結合についてのサンプルは、10−5Mの非標識2−MeS−ADP(RBI,Natik,MA)を含み得る。室温にて15分間のインキュベーションの後、非結合放射リガンドを、迅速な濾過と、2回の洗浄とによって分離する。これは、96ウェル細胞収集器(Minidisc96、Skatron Instruments,Sterling,VA)および8×12 GF/Cグラスファイバーフィルターマット(Printed Filtermat A(1450 Microbeta用),Wallac Inc.,Gaithersburg,MD)を使用して、冷たい(4〜8℃)結合洗浄緩衝液(10mM Hepes,pH7.4,138mM NaCl)を用いる。このフィルターマットにおける血小板に結合した放射能を、シンチレーションカウンター(Microbeta 1450、Wallac Inc.,Gaithersburg,MD)において決定する。特異的結合を、全結合から非特異的結合を引くことによって決定する。試験化合物の存在下における特異的結合を、試験化合物希釈物の非存在下における特異的結合の%として表す。
【0368】
(実施例24)
本実施例は、上記のように評価した、本発明の選択された化合物についての活性を提供する。下記の表において、PRPアッセイにおける活性は、+++,IC50<10μM;++,10μM<IC50<30μM;および+,IC50>30μMのように提供される。
【0369】
【化213】

【0370】
【化214】

【0371】
【化215】

上記の考察、実施形態、および実施例は、単に、特定の好ましい実施形態の詳細な説明を提示するに過ぎないことが、理解されるべきである。種々の改変および等価物が、本発明の精神および範囲から逸脱することなくなされ得ることが、当業者にとって明らかである。上記にて考察または引用されたすべての特許、雑誌論文および他の文書は、本明細書中に参考として援用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次式
【化1】

を有する化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩であって、
ここで、該点線は、任意の二重結合を表わす;
は、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C3〜5シクロアルキル、C3〜5シクロアルキル−アルキルおよびベンジルからなる群より選択されるメンバーである;
は、H、C1〜6アルキルおよびC1〜6ハロアルキルからなる群より選択されるメンバーである;
は、H、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜5シクロアルキル、C3〜5シクロアルキル−アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、シアノおよび−C(O)R3aからなる群より選択されるメンバーであり、ここで、R3aは、H、ヒドロキシ、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、アミノ、C1〜6アルキルアミノおよびジ−C1〜6アルキルアミノからなる群より選択されるメンバーである;
は、HおよびC1〜6アルキルからなる群より選択されるメンバーである;
は、H、ハロゲン、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、シアノおよび−C(O)R5aからなる群より選択されるメンバーであり、ここで、R5aは、C1〜6アルコキシ、アミノ、C1〜6アルキルアミノおよびジ−C1〜6アルキルアミノからなる群より選択されるメンバーである;そして
Arは、芳香環であり、該芳香環は、ベンゼン、ピリジンおよびピリミジンからなる群より選択され、各々は、必要に応じて、1個〜2個のR置換基で置換されており、
ここで、各Rは、別個に、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ハロアルコキシ、C3〜5シクロアルキル、C3〜5シクロアルキル−アルキル、C3〜5シクロアルキル−アルコキシ、アミノ、C1〜6アルキルアミノ、ジ−C1〜6アルキルアミノ、−C(O)R6a、−O(CHOR6b、−(CHOR6b、−O(CHN(R6bおよび−(CHN(R6bからなる群より選択され、
ここで、該下付き文字mは、1〜3の整数であり、各R6aは、別個に、H、ヒドロキシ、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、アミノ、C1〜6アルキルアミノおよびジ−C1〜6アルキルアミノからなる群より選択されるメンバーであり、そして各R6bは、別個に、H、C1〜4アルキルおよびC1〜4アルカノイルからなる群より選択されるメンバーであり、必要に応じて、窒素に結合した2個のR6b基は、該窒素原子と結合して、アゼチジン環、ピロリジン環またはピペリジン環を形成する、
化合物。
【請求項2】
次式
【化2】

を有する、請求項1に記載の化合物であって、
ここで、該下付き文字nが、0〜2の整数である、
化合物。
【請求項3】
次式
【化3】

を有する、請求項1に記載の化合物であって、
ここで、該下付き文字nが、0〜2の整数である、
化合物。
【請求項4】
次式
【化4】

を有する、請求項1に記載の化合物であって、
ここで、該下付き文字nが、0〜2の整数である、
化合物。
【請求項5】
nが、0〜2の整数である;Rが、C1〜4アルキル、C3〜5シクロアルキルまたはC3〜5シクロアルキル−アルキルである;Rが、Hである;Rが、H、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、C3〜5シクロアルキル、C3〜5シクロアルキル−アルキル、C1〜4ハロアルキル、シアノまたは−C(O)R3aである;Rが、HまたはC1〜4アルキルである;Rが、ハロゲン、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4ハロアルキル、−CN、−C≡CHまたは−CONHである;そしてRは、存在する場合には、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C3〜5シクロアルキル−アルコキシ、−O(CHOR6bおよび−O(CHN(R6bからなる群より選択され、ここで、該下付き文字mが、1または2であり、そして各R6bが、別個に、H、C1〜4アルキルおよびC1〜4アルカノイルからなる群より選択される、請求項2に記載の化合物。
【請求項6】
が、C1〜4アルキルである;Rが、HまたはCHである;Rが、ハロゲンまたはC1〜4アルキルである;そしてRは、存在する場合には、C1〜4アルキル、−O(CHOR6bおよび−O(CHN(R6bから選択される、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
が、メチルである;Rが、クロロであり、そして前記チエニル環の5位に結合されている;そしてRは、存在する場合には、CH、−OCHCHOH、−OCHCHOCH、−OCHOCH、−OCHCHOC(O)CHおよび−O(CHN(CHからなる群より選択される、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
nが、0である、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
nが、1である、請求項7に記載の化合物。
【請求項10】
nが、2である、請求項7に記載の化合物。
【請求項11】
nが、0または1である;Rが、C1〜4アルキル、C3〜5シクロアルキルまたはC3〜5シクロアルキル−アルキルである;Rが、Hである;Rが、H、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、C3〜5シクロアルキル、C3〜5シクロアルキル−アルキル、C1〜4ハロアルキル、シアノまたは−C(O)R3aである;Rが、HまたはC1〜4アルキルである;Rが、ハロゲン、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4ハロアルキル、−CN、−C≡CHまたは−CONHである;そしてRは、存在する場合には、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C3〜5シクロアルキル−アルコキシ、−O(CHOR6bおよび−O(CHN(R6bからなる群より選択され、ここで、該下付き文字mが、1または2であり、そして各R6bが、別個に、H、C1〜4アルキルおよびC1〜4アルカノイルからなる群より選択される、請求項3に記載の化合物。
【請求項12】
が、C1〜4アルキルである;Rが、HまたはCHである;Rが、ハロゲンまたはC1〜4アルキルである;そしてRは、存在する場合には、C1〜4アルキル、−O(CHOR6bおよび−O(CHN(R6bから選択される、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
が、メチルである;Rが、H、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、C3〜5シクロアルキルまたはC3〜5シクロアルキル−アルキルである;Rが、HまたはCHである;Rが、クロロであり、そして前記チエニル環の5位に結合されている;そしてRは、存在する場合には、C1〜4アルキル、−O(CHOR6bおよび−O(CHN(R6bからなる群より選択され、ここで、該下付き文字mが、1または2であり、そして各R6bが、別個に、H、C1〜4アルキルおよびC1〜4アルカノイルからなる群より選択される、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
nが、0または1である;Rが、C1〜4アルキル、C3〜5シクロアルキルまたはC3〜5シクロアルキル−アルキルである;Rが、Hである;Rが、H、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、C3〜5シクロアルキル、C3〜5シクロアルキル−アルキル、C1〜4ハロアルキル、シアノまたは−C(O)R3aである;Rが、HまたはC1〜4アルキルである;Rが、ハロゲン、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4ハロアルキル、−CN、−C≡CHまたは−CONHである;そしてRは、存在する場合には、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C3〜5シクロアルキル−アルコキシ、−O(CHOR6bおよび−O(CHN(R6bからなる群より選択され、ここで、該下付き文字mが、1または2であり、そして各R6bが、別個に、H、C1〜4アルキルおよびC1〜4アルカノイルからなる群より選択される、請求項4に記載の化合物。
【請求項15】
が、C1〜4アルキルである;RがHまたはCHである;Rが、ハロゲンまたはC1〜4アルキルである;そしてRは、存在する場合には、C1〜4アルキル、−O(CHOR6bおよび−O(CHN(R6bから選択される、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
が、メチルである;Rが、H、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、C3〜5シクロアルキルまたはC3〜5シクロアルキル−アルキルである;Rが、HまたはCHである;Rが、クロロであり、そして前記チエニル環の5位に結合されている;そしてRは、存在する場合には、C1〜4アルキル、−O(CHOR6bおよび−O(CHN(R6bからなる群より選択され、ここで、該下付き文字mが、1または2であり、そして各R6bが、別個に、H、C1〜4アルキルおよびC1〜4アルカノイルからなる群より選択される、請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
【化5】

【化6】

からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項18】
薬学的に受容可能な賦形剤と、次式
【化7】

を有する化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩とを含有する、薬学的組成物であって、
ここで、該点線は、任意の二重結合を表わす;
は、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C3〜5シクロアルキル、C3〜5シクロアルキル−アルキルおよびベンジルからなる群より選択されるメンバーである;
は、H、C1〜6アルキルおよびC1〜6ハロアルキルからなる群より選択されるメンバーである;
は、H、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜5シクロアルキル、C3〜5シクロアルキル−アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、シアノおよび−C(O)R3aからなる群より選択されるメンバーであり、ここで、R3aは、H、ヒドロキシ、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、アミノ、C1〜6アルキルアミノおよびジ−C1〜6アルキルアミノからなる群より選択されるメンバーである;
は、HおよびC1〜6アルキルからなる群より選択されるメンバーである;
は、H、ハロゲン、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、シアノおよび−C(O)R5aからなる群より選択されるメンバーであり、ここで、R5aは、C1〜6アルコキシ、アミノ、C1〜6アルキルアミノおよびジ−C1〜6アルキルアミノからなる群より選択されるメンバーである;そして
Arは、芳香環であり、該芳香環は、ベンゼン、ピリジンおよびピリミジンからなる群より選択され、各々は、必要に応じて、1個〜2個のR置換基で置換されており、
ここで、各Rは、別個に、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ハロアルコキシ、C3〜5シクロアルキル、C3〜5シクロアルキル−アルキル、C3〜5シクロアルキル−アルコキシ、アミノ、C1〜6アルキルアミノ、ジ−C1〜6アルキルアミノ、−C(O)R6a、−O(CHOR6b、−(CHOR6b、−O(CHN(R6bおよび−(CH)N(R6bからなる群より選択され、
ここで、該下付き文字mは、1〜3の整数であり、各R6aは、別個に、H、ヒドロキシ、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、アミノ、C1〜6アルキルアミノおよびジ−C1〜6アルキルアミノからなる群より選択されるメンバーであり、そして各R6bは、別個に、H、C1〜4アルキルおよびC1〜4アルカノイルからなる群より選択されるメンバーであり、必要に応じて、窒素に結合した2個のR6b基は、該窒素原子と結合して、アゼチジン環、ピロリジン環またはピペリジン環を形成する、
組成物。
【請求項19】
前記化合物が、次式
【化8】

を有する、請求項18に記載の薬学的組成物であって、
ここで、nは、0または1である;Rは、C1〜4アルキル、C3〜5シクロアルキルまたはC3〜5シクロアルキル−アルキルである;Rは、Hである;Rは、H、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、C3〜5シクロアルキル、C3〜5シクロアルキル−アルキル、C1〜4ハロアルキル、シアノおよび−C(O)R3aである;Rは、HまたはC1〜4アルキルである;Rは、ハロゲン、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4ハロアルキル、−CN、−C≡CHまたは−CONHである;そしてRは、存在する場合には、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C3〜5シクロアルキル−アルコキシ、−O(CHOR6bおよび−O(CHN(R6bからなる群より選択され、ここで、該下付き文字mは、1または2であり、そして各R6bは、別個に、H、C1〜4アルキルおよびC1〜4アルカノイルからなる群より選択される、
組成物。
【請求項20】
が、メチルである;Rが、H、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、C3〜5シクロアルキルまたはC3〜5シクロアルキル−アルキルである;Rが、HまたはCHである;Rが、クロロであり、そして前記チエニル環の5位に結合されている;そしてRは、存在する場合には、C1〜4アルキル、−O(CHOR6bおよび−O(CHN(R6bからなる群より選択され、ここで、該下付き文字mが、1または2であり、そして各R6bが、別個に、H、C1〜4アルキルおよびC1〜4アルカノイルからなる群より選択される、請求項19に記載の薬学的組成物。
【請求項21】
前記化合物が、
【化9】

【化10】

からなる群より選択される、請求項18に記載の薬学的組成物。
【請求項22】
被験体における血栓症を処置する方法であって、該方法は、該処置を必要とする被験体に、次式
【化11】

を有する化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩の治療有効量を投与する工程
を包含し、
ここで、該点線は、任意の二重結合を示す;
は、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C3〜5シクロアルキル、C3〜5シクロアルキル−アルキルおよびベンジルからなる群より選択されるメンバーである;
は、H、C1〜6アルキルおよびC1〜6ハロアルキルからなる群より選択されるメンバーである;
は、H、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜5シクロアルキル、C3〜5シクロアルキル−アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、シアノおよび−C(O)R3aからなる群より選択されるメンバーであり、ここで、R3aは、H、ヒドロキシ、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、アミノ、C1〜6アルキルアミノおよびジ−C1〜6アルキルアミノからなる群より選択されるメンバーである;
は、HおよびC1〜6アルキルからなる群より選択されるメンバーである;
は、H、ハロゲン、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、シアノおよび−C(O)R5aからなる群より選択されるメンバーであり、ここで、R5aは、C1〜6アルコキシ、アミノ、C1〜6アルキルアミノおよびジ−C1〜6アルキルアミノからなる群より選択されるメンバーである;そして
Arは、芳香環であり、該芳香環は、ベンゼン、ピリジンおよびピリミジンからなる群より選択され、各々は、必要に応じて、1個〜2個のR置換基で置換されており、
ここで、各Rは、別個に、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ハロアルコキシ、C3〜5シクロアルキル、C3〜5シクロアルキル−アルキル、C3〜5シクロアルキル−アルコキシ、アミノ、C1〜6アルキルアミノ、ジ−C1〜6アルキルアミノ、−C(O)R6a、−O(CHOR6b、−(CHOR6b、−O(CHN(R6bおよび−(CH)N(R6bからなる群より選択され、
ここで、該下付き文字mは、1〜3の整数であり、各R6aは、別個に、H、ヒドロキシ、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、アミノ、C1〜6アルキルアミノおよびジ−C1〜6アルキルアミノからなる群より選択されるメンバーであり、そして各R6bは、別個に、H、C1〜4アルキルおよびC1〜4アルカノイルからなる群より選択されるメンバーであり、必要に応じて、窒素に結合した2個のR6b基は、該窒素原子と結合して、アゼチジン環、ピロリジン環またはピペリジン環を形成する、
方法。
【請求項23】
前記化合物が、第二治療剤と併用して投与され、該第二治療剤が、抗血小板化合物、抗凝固剤、フィブリン溶解剤、抗炎症性化合物、コレステロール降下剤、血圧降下剤およびセロトニンブロッカーからなる群より選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記第二治療剤が、抗血小板化合物であり、該抗血小板化合物が、GPIIB−IIIaアンタゴニスト、アスピリン、ホスホジエステラーゼIIIインヒビターおよびトロンボキサンA2レセプターアンタゴニストからなる群より選択される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第二治療剤が、抗凝固剤であり、該抗凝固剤が、トロンビンインヒビター、クマジン、ヘパリンおよびLovenox(登録商標)からなる群より選択される、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記第二治療剤が、抗炎症性化合物であり、該抗炎症性化合物が、非ステロイド性抗炎症剤、シクロオキシゲナーゼ−2インヒビターおよび慢性関節リウマチ剤からなる群より選択される、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記化合物が、経口投与される、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
二次虚血事象の発生を予防するための方法であって、該方法は、
一次虚血事象に罹った患者に、薬学的に受容可能なキャリアと共に、請求項1に記載の化合物の治療有効量を投与する工程
を包含する、方法。
【請求項29】
前記一次虚血事象および/または二次虚血事象が、心筋梗塞、安定狭心症または不安定狭心症、経皮的経管的冠状動脈形成術後の急性再閉塞、再狭窄、血栓性脳卒中、一過性脳虚血発作、可逆的虚血性神経学的欠損および間欠性跛行からなる群より選択される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記化合物が、次式
【化12】

を有する、請求項22に記載の方法であって、
ここで、nは、0または1である;Rは、C1〜4アルキル、C3〜5シクロアルキルまたはC3〜5シクロアルキル−アルキルである;Rは、Hである;Rは、H、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、C3〜5シクロアルキル、C3〜5シクロアルキル−アルキル、C1〜4ハロアルキル、シアノまたは−C(O)R3aである;Rは、HまたはC1〜4アルキルである;Rは、ハロゲン、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4ハロアルキル、−CN、−C≡CHまたは−CONHである;そしてRは、存在する場合には、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C3〜5シクロアルキル−アルコキシ、−O(CHOR6bおよび−O(CHN(R6bからなる群より選択され、ここで、該下付き文字mは、1または2であり、そして各R6bは、別個に、H、C1〜4アルキルおよびC1〜4アルカノイルからなる群より選択される、
方法。
【請求項31】
が、メチルである;Rが、H、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、C3〜5シクロアルキルまたはC3〜5シクロアルキル−アルキルである;Rが、HまたはCHである;Rが、クロロであり、そして前記チエニル環の5位に結合されている;そしてRは、存在する場合には、C1〜4アルキル、−O(CHOR6bおよび−O(CHN(R6bからなる群より選択され、ここで、該下付き文字mが、1または2であり、そして各R6bが、別個に、H、C1〜4アルキルおよびC1〜4アルカノイルからなる群より選択される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記化合物が、
【化13】

【化14】

らなる群より選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項33】
前記化合物が、次式
【化15】

を有する、請求項28に記載の方法であって、
ここで、nは、0または1である;Rは、C1〜4アルキル、C3〜5シクロアルキルまたはC3〜5シクロアルキル−アルキルである;Rは、Hである;Rは、H、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、C3〜5シクロアルキル、C3〜5シクロアルキル−アルキル、C1〜4ハロアルキル、シアノまたは−C(O)R3aである;Rは、HまたはC1〜4アルキルである;Rは、ハロゲン、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4ハロアルキル、−CN、−C≡CHまたは−CONHである;そしてRは、存在する場合には、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C3〜5シクロアルキル−アルコキシ、−O(CHOR6bおよび−O(CHN(R6bからなる群より選択され、ここで、該下付き文字mは、1または2であり、そして各R6bは、別個に、H、C1〜4アルキルおよびC1〜4アルカノイルからなる群より選択される、
方法。
【請求項34】
が、メチルである;Rが、H、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、C3〜5シクロアルキルまたはC3〜5シクロアルキル−アルキルである;Rが、HまたはCHである;Rが、クロロであり、そして前記チエニル環の5位に結合されている;そしてRは、存在する場合には、C1〜4アルキル、−O(CHOR6bおよび−O(CHN(R6bからなる群より選択され、ここで、該下付き文字mが、1または2であり、そして各R6bが、別個に、H、C1〜4アルキルおよびC1〜4アルカノイルからなる群より選択される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記化合物が、
【化16】

【化17】

からなる群より選択される、請求項28に記載の方法。

【公表番号】特表2007−507519(P2007−507519A)
【公表日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−534084(P2006−534084)
【出願日】平成16年9月29日(2004.9.29)
【国際出願番号】PCT/US2004/032104
【国際公開番号】WO2005/035520
【国際公開日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【出願人】(506109155)ポートラ ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド (19)
【Fターム(参考)】