説明

置換フェニルアミノピリミジン化合物

本発明は、置換フェニルアミノピリミジン化合物、それらの製造方法、並びに、ヒトおよび動物における疾患の処置および/または予防用、特に心血管疾患の処置用の医薬を製造するための、それらの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、置換フェニルアミノピリミジン化合物、それらの製造方法、並びにヒトおよび動物における疾患、特に心血管障害の処置および/または予防用の医薬を製造するための、それらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
細胞内カルシウム濃度の上昇は、血管の筋系の収縮の引き金となる主要因の1つである (Somlyo, A.P. and Himpens, B. FASEB J. 1989, 3, 2266-2276)。これは、主として、例えばフェニレフリンまたはトロンボキサンA2などのアゴニストによりもたらされ、それらは、ホスファチジルイノシトールカスケードの刺激の後に、小胞体からのカルシウムの放出を引き起こす。細胞内カルシウムの上昇は、ミオシン分子のMLCサブユニットをリン酸化するMLCキナーゼ(ミオシン軽鎖キナーゼ)を活性化する(Kamm, K.H. and Stull, J.T., Annu. Rev. Pharmacol. Toxicol. 1985, 25, 593-603)。MLCのリン酸化は平滑筋の収縮を誘導し、細胞内カルシウム濃度の減少後のMLCの脱リン酸化は、血管の弛緩をもたらす。
【0003】
カルシウム依存性MLCリン酸化に加えて、中心的であるがカルシウム非依存性である、血管の緊張の調節メカニズムがさらに存在する。これは、Rho/Rhoキナーゼシグナル経路である(Noda, M. et al., FEBS Lett. 1995, 367, 246-250; Uehata, M. et al., Nature 1997, 389, 990-994; Fukata, Y. et al., Trends in Pharmacological Sciences 2001, 22, 32-39)。例えばフェニレフリンまたはトロンボキサンA2などのアゴニストのそれらの受容体への結合は、低分子Gタンパク質Rhoの活性化をもたらし、次いで、それは、Rhoキナーゼと相互作用し活性化する。活性化Rhoキナーゼは、ミオシンホスファターゼのサブユニットのリン酸化の後にこの酵素を阻害する。同時に、Rhoキナーゼは、MLCキナーゼによってもリン酸化される位置で、MLCをリン酸化する。ミオシンホスファターゼの阻害およびMLCのリン酸化は、血管筋系の収縮を誘導する。対照的に、Rhoキナーゼの阻害は、血管の弛緩を導く。従って、Rhoキナーゼの阻害剤は、血圧を下げ、冠血管の灌流を増加させる。
【0004】
加えて、Rhoキナーゼの阻害剤は、腫瘍細胞の増殖および転移の阻害を引き起こし (Itoh et al. Nat. Med. 1999, 5, 221; Somlyo et al. Biochem. Biophys. Res. Commun. 2000, 269, 652) 、血管新生を阻害する (Uchida et al. Biochem. Biophys. Res. Commun. 2000, 269, 633; Gingras et al. Biochem. J. 2000, 348 Vol. 2, 273)。
【0005】
本発明による化合物と類似の構造は、癌および心血管障害の処置用のrho−キナーゼ阻害剤として、WO03/062225、WO03/062227、WO03/106450およびWO04/039796に開示されている。WO03/02542は、なかんずく、炎症および心血管障害の処置用のp38キナーゼ阻害剤として、置換ピリミジン化合物を開示している。
【0006】
本発明による化合物と類似の構造は、さらに、他の適用症から知られている。かくして、例えば、WO01/28561は、細菌感染の処置用のDNAポリメラーゼIII阻害剤として、置換ピリミジン化合物を開示している。
【0007】
本発明は、式(I)
【化1】

式中、
-----は、単結合または二重結合を表し、
Xは、−NR−、−CR−または−C(=O)−
{式中、Rは、水素または(C−C)−アルキルを表し、
およびRは、相互に独立して、水素またはメチルを表す}
を表し、
は、水素、ハロゲン、シアノ、(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−アルコキシカルボニルまたは(C−C)−アルキルアミノカルボニルを表し、ここで、アルキル、アルコキシカルボニルおよびアルキルアミノカルボニルは、ヒドロキシル、ハロゲン、ヒドロキシカルボニル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アルコキシカルボニル、アミノ、アミノカルボニル、(C−C)−アルキルアミノまたは(C−C)−アルキルアミノカルボニルにより置換されていてもよく、
は、フッ素または塩素を表し、
【0008】
は、以下のものからなる群から選択される基を表し:
・水素、ヒドロキシル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル
・(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−シクロアルキル、ここで、アルキル、アルコキシおよびシクロアルキルは、ヒドロキシル、ヒドロキシカルボニル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アルコキシカルボニル、(C−C10)−アリール、−NR10または−C(=O)NR10
{式中、RおよびR10は、相互に独立して、水素、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキル置換されていることもある(C−C)−シクロアルキル、ハロゲン置換されていることもある(C−C10)−アリールまたは5員ないし10員のヘテロアリールを表すか、または、
およびR10は、それらが結合している窒素原子と一体となって、5員または6員の複素環を形成しており、それは、環中にさらなるヘテロ原子OまたはNを含有していてもよく、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルカノイルまたは(C−C)−アルコキシカルボニルにより置換されていてもよい}
により置換されていてもよい
・(C−C10)−アリール、(C−C10)−アリールオキシ、5員ないし10員のヘテロアリール、5員ないし10員のヘテロアリールオキシ、炭素原子を介して結合している5員ないし10員の複素環、ここで、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシおよび複素環は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシカルボニル、アミノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシル置換されていることもある(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アルキルアミノ、(C−C)−アルカノイル、(C−C)−アルコキシカルボニル、(C−C)−アルカノイルアミノ、(C−C)−アルコキシカルボニルアミノまたは5員もしくは6員の複素環により置換されていてもよい
【0009】
・−NR1112
[式中、
11およびR12は、相互に独立して、水素、(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキル、(C−C10)−アリールまたは5員ないし10員のヘテロアリールを表し、
ここで、アルキルおよびシクロアルキルは、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシ、(C−C10)−アリール、5員ないし10員のヘテロアリールまたは−NR1314
{式中、R13およびR14は、相互に独立して、水素、(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキル、(C−C10)−アリールまたは5員もしくは6員のヘテロアリールを表すか、
または、R13およびR14は、それらが結合している窒素原子と一体となって、5員または6員の複素環を形成しており、それは、環中にさらなるヘテロ原子OまたはNを含有していてもよく、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルカノイルまたは(C−C)−アルコキシカルボニルにより置換されていてもよい}
により置換されていてもよく、
そして、ここで、アリールおよびヘテロアリールは、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、トリフルオロメチル、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アルキルアミノまたは(C−C)−アルカノイルアミノにより置換されていてもよい、
または、
11およびR12は、それらが結合している窒素原子と一体となって、4員ないし6員の複素環を形成しており、それは、環中にさらなるヘテロ原子OまたはNを含有していてもよく、フッ素、ヒドロキシル、ヒドロキシカルボニル、5員ないし7員の複素環{それは、環中に1個または2個のさらなるヘテロ原子Nおよび/またはOを含有していてもよく、(C−C)−アルキルまたは(C−C)−アルコキシカルボニルにより置換されていてもよい}、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルカノイル、(C−C)−アルコキシカルボニルまたは−NR1516
{ここで、アルキルは、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシまたは−NR1718
(式中、R17およびR18は、相互に独立して、水素、ヒドロキシル置換されていることもある(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキル、(C−C10)−アリールまたは5員ないし6員のヘテロアリールを表すか、
または、R17およびR18は、それらが結合している窒素原子と一体となって、5員または6員の複素環を形成しており、それは、環中にさらなるヘテロ原子OまたはNを含有していてもよく、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルカノイルまたは(C−C)−アルコキシカルボニルにより置換されていてもよい)
により置換されていてもよく、
式中、R15およびR16は、相互に独立して、水素、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシカルボニル、(C−C)−シクロアルキルまたは(C−C)−アルカノイルを表すか、または、
15およびR16は、それらが結合している窒素原子と一体となって、5員または6員の複素環を形成しており、それは、環中にさらなるヘテロ原子OまたはNを含有していてもよく、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルカノイルまたは(C−C)−アルコキシカルボニルにより置換されていてもよい}
により置換されていてもよい、
または、
11およびR12は、それらが結合している窒素原子と一体となって、7員ないし12員の二環式または三環式複素環を形成しており、それは、縮合またはスピロ環式であり、環中にNおよびOからなる群から1個または2個のさらなるヘテロ原子を有していてもよく、そして、フッ素、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシカルボニル、(C−C)−アルカノイルまたはベンジルにより置換されていてもよい]
【0010】
・および−C(=O)R19
{式中、R19は、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アルキルアミノまたは5員ないし10員の単環式または二環式複素環(それは、窒素原子を介して結合しており、縮合またはスピロ環式であり、そして、環中にNおよびOからなる群から1個または2個のさらなるヘテロ原子を有していてもよい)を表し、ここで、アルキルアミノは、5員または6員の複素環により置換されていてもよい}、
は、水素、フッ素または塩素を表し、
は、水素または(C−C)−アルキルを表す、
の化合物並びにそれらの塩、水和物、塩の水和物および溶媒和物を提供する。
【0011】
本発明による化合物は、式(I)の化合物およびそれらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物;下記で与えられ、式(I)に包含される化合物が、まだ塩、溶媒和物および塩の溶媒和物でないならば、式(I)に包含される下記式の化合物およびそれらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物、並びに、実施態様として与えられ、式(I)に包含される下記の化合物およびそれらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物である。
【0012】
それらの構造に依存して、本発明による化合物は、立体異性体(エナンチオマー、ジアステレオマー)で存在できる。従って、本発明は、エナンチオマーまたはジアステレオマーおよびそれらの各々の混合物に関する。立体異性的に均一な成分は、そのようなエナンチオマーおよび/またはジアステレオマーの混合物から、既知のやり方で単離できる。
本発明による化合物が互変異性体で存在できるならば、本発明は、全互変異性体を含む。
【0013】
本発明に関して、好ましいは、本発明による化合物の生理的に許容し得る塩である。しかしながら、それら自体は医薬適用に適さないが、例えば本発明による化合物の単離または精製に使用できる塩も含まれる。
【0014】
本発明による化合物の生理的に許容し得る塩には、鉱酸、カルボン酸およびスルホン酸の酸付加塩、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸またはベンゼンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸および安息香酸の塩が含まれる。
【0015】
本発明による化合物の生理的に許容し得る塩には、また、常套の塩基の塩、例えば、そして好ましくは、アルカリ金属塩(例えばナトリウム塩およびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えばカルシウム塩およびマグネシウム塩)、および、アンモニアもしくは1個ないし16個の炭素原子を有する有機アミン(例えば、そして好ましくは、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジメチルアミノエタノール、プロカイン、ジベンジルアミン、N−メチルモルホリン、アルギニン、リジン、エチレンジアミンおよびN−メチルピペリジン)から誘導されるアンモニウム塩も含まれる。
【0016】
本発明に関して、溶媒和物は、固体または液体状態で、溶媒分子との配位により錯体を形成する化合物の形態である。水和物は、配位が水とのものである、溶媒和物の特別な形態である。
【0017】
本発明に関し、置換基は、断りのない限り、下記に定義する通りである:
アルキル自体、並びにアルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアミノおよびアルカノイルアミノ中の「アルコ(アルカ)」および「アルキル」は、一般的に1個ないし6個、好ましくは1個ないし4個、特に好ましくは1個ないし3個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル基、例えば、そして好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、n−ペンチルおよびn−ヘキシルを表す。
【0018】
例えば、そして好ましくは、アルコキシは、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシおよびn−ヘキソキシを表す。
例えば、そして好ましくは、アルカノイルは、アセチルおよびプロパノイルを表す。
【0019】
アルキルアミノは、1個または2個のアルキル置換基(相互に独立して選択される)を有するアルキルアミノ基、例えば、そして好ましくは、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、tert−ブチルアミノ、n−ペンチルアミノ、n−ヘキシルアミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N,N−ジイソプロピルアミノ、N−エチル−N−メチルアミノ、N−メチル−N−n−プロピルアミノ、N−イソプロピル−N−n−プロピルアミノ、N−tert−ブチル−N−メチルアミノ、N−エチル−N−n−ペンチルアミノおよびN−n−ヘキシル−N−メチルアミノを表す。例えば、C−C−アルキルアミノは、1個ないし4個の炭素原子を有するモノアルキルアミノ基を表すか、または、アルキル置換基ごとに各々1個ないし4個の炭素原子を有するジアルキルアミノ基を表す。
【0020】
アルキルアミノカルボニルは、1個または2個のアルキル置換基(相互に独立して選択される)を有するアルキルアミノカルボニル基を表す。(C−C)−アルキルアミノカルボニルは、例えば、1個ないし3個の炭素原子を有するモノアルキルアミノカルボニル基を表すか、または、アルキル置換基ごとに各々1個ないし3個の炭素原子を有するジアルキルアミノカルボニル基を表す。例えば、そして好ましくは、以下のものに言及し得る:メチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル、n−プロピルアミノカルボニル、イソプロピルアミノカルボニル、n−ブチルアミノカルボニル、tert−ブチルアミノカルボニル、n−ペンチルアミノカルボニル、n−ヘキシルアミノカルボニル、N,N−ジメチルアミノカルボニル、N,N−ジエチルアミノカルボニル、N−エチル−N−メチルアミノカルボニル、N−メチル−N−n−プロピルアミノカルボニル、N−イソプロピル−N−n−プロピルアミノカルボニル、N−tert−ブチル−N−メチルアミノカルボニル、N−エチル−N−n−ペンチルアミノカルボニルおよびN−n−ヘキシル−N−メチルアミノカルボニル。
【0021】
例えば、そして好ましくは、アルコキシカルボニルは、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、n−ペントキシカルボニルおよびn−ヘキソキシカルボニルを表す。
【0022】
例えば、そして好ましくは、アルコキシカルボニルアミノは、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、n−プロポキシカルボニルアミノ、イソプロポキシカルボニルアミノ、tert−ブトキシカルボニルアミノ、n−ペントキシカルボニルアミノおよびn−ヘキソキシカルボニルアミノを表す。
【0023】
例えば、そして好ましくは、アルカノイルアミノは、アセチルアミノおよびエチルカルボニルアミノを表す。
【0024】
シクロアルキルは、一般的に3個ないし8個、好ましくは5個ないし7個の炭素原子を有するシクロアルキル基、例えば、そして好ましくは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルを表す。
【0025】
アリール自体およびアリールオキシ中のものは、一般的に6個ないし14個の炭素原子を有する単環式ないし三環式の芳香族性炭素環式基;例えば、そして好ましくは、フェニル、ナフチルおよびフェナントレニルを表す。
【0026】
例えば、そして好ましくは、アリールオキシは、フェニルオキシおよびナフチルオキシを表す。
【0027】
ヘテロアリール自体およびヘテロアリールオキシ中のものは、一般的に5個ないし10個、好ましくは5個ないし6個の環原子を有し、S、OおよびNからなる群から、5個まで、好ましくは4個までのヘテロ原子を有する、芳香族性の単環式または二環式基、例えば、そして好ましくは、チエニル、フリル、ピロリル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジニル、インドリル、インダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、キノリニル、イソキノリニルを表す。
【0028】
例えば、そして好ましくは、ヘテロアリールオキシは、ピリジルオキシ、ピリミジルオキシ、インドリルオキシ、インダゾリルオキシを表す。
【0029】
複素環およびヘテロ環は、4個ないし10個、一般的に5個ないし8個、好ましくは5個または6個の環原子を有し、N、O、S、SO、SOからなる群から、3個まで、好ましくは2個までのヘテロ原子および/またはヘテロ基を有する、単環式または多環式、好ましくは単環式または二環式の非芳香族性複素環式基を表す。複素環の基は、飽和または部分不飽和であり得る。好ましいのは、O、NおよびSからなる群から2個までのヘテロ原子を有する5員または6員の単環式飽和複素環の基、例えば、そして好ましくは、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロチエニル、ピロリジン−2−イル、ピロリジン−3−イル、ピロリニル、ピラニル、ピペリジン−1−イル、ピペリジン−2−イル、ピペリジン−3−イル、ピペリジン−4−イル、チオピラニル、モルホリン−1−イル、モルホリン−2−イル、モルホリン−3−イル、ペルヒドロアゼピニル、ピペラジン−1−イル、ピペラジン−2−イルである。
【0030】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を表す。
【0031】
本発明による化合物中の基が置換されているならば、断りの無い限り、その基は、同一または異なる置換基により一置換または多置換されていてよい。3個までの同一かまたは異なる置換基による置換が好ましい。1個の置換基による置換がことさら特に好ましい。
【0032】
好ましいのは、式中、
-----が、二重結合を表し、
Xが、−NR−、−CH−または−C(=O)−
(式中、Rは、水素またはメチルを表す)
を表し、
が、水素、フッ素、塩素、シアノ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、メチル、エチル、ヒドロキシエチル、メトキシエチル、シクロプロピル、(C−C)−アルコキシカルボニルまたは(C−C)−アルキルアミノカルボニルを表し、ここで、アルコキシカルボニルおよびアルキルアミノカルボニルは、ヒドロキシル、ヒドロキシカルボニル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アルコキシカルボニル、アミノ、アミノカルボニル、(C−C)−アルキルアミノまたは(C−C)−アルキルアミノカルボニルにより置換されていてもよく、
が、フッ素または塩素を表し、
が、以下のものからなる群から選択される基を表し:
・水素、ヒドロキシル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル
・(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−シクロアルキル、ここで、アルキル、アルコキシおよびシクロアルキルは、ヒドロキシル、ヒドロキシカルボニル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アルコキシカルボニル、(C−C10)−アリール、−NR10または−C(=O)NR10
{式中、RおよびR10は、相互に独立して、水素または(C−C)−アルキルを表すか、または、
およびR10は、それらが結合している窒素原子と一体となって、5員または6員の複素環を形成しており、それは、環中にさらなるヘテロ原子OまたはNを含有していてもよく、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルカノイルまたは(C−C)−アルコキシカルボニルにより置換されていてもよい}
により置換されていてもよい
・フェニル、5員または6員のヘテロアリール、炭素原子を介して結合している5員ないし10員の複素環、ここで、フェニル、ヘテロアリールおよび複素環は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシカルボニル、アミノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシル置換されていることもある(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アルキルアミノ、(C−C)−アルカノイル、(C−C)−アルコキシカルボニル、(C−C)−アルカノイルアミノまたは(C−C)−アルコキシカルボニルアミノにより置換されていてもよい
【0033】
・−NR1112
[式中、
11およびR12は、相互に独立して、水素、(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキル、(C−C10)−アリールまたは5員ないし10員のヘテロアリールを表し、
ここで、アルキルおよびシクロアルキルは、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシ、(C−C10)−アリールまたは5員ないし10員のヘテロアリールにより置換されていてもよく、
そして、ここで、アリールおよびヘテロアリールは、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、トリフルオロメチル、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アルキルアミノまたは(C−C)−アルカノイルアミノにより置換されていてもよい、
または、
11およびR12は、それらが結合している窒素原子と一体となって、4員ないし6員の複素環を形成しており、それは、環中にさらなるヘテロ原子OまたはNを含有していてもよく、そして、フッ素、ヒドロキシル、ヒドロキシカルボニル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルカノイルまたは(C−C)−アルコキシカルボニルにより置換されていてもよい]
・および−C(=O)R19
{式中、R19は、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アルキルアミノまたは5員ないし10員の単環式または二環式の複素環(それは、窒素原子を介して結合しており、縮合またはスピロ環式であり、そして、環中にNおよびOからなる群から1個または2個のさらなるヘテロ原子を有していてもよい)を表し、ここで、アルキルアミノは、5員または6員の複素環により置換されていてもよい}、
が、水素、フッ素または塩素を表し、
が、水素またはメチルを表す、
式(I)の化合物並びにそれらの塩、水和物、塩の水和物および溶媒和物である。
【0034】
特に好ましいのは、式中、
-----が、二重結合を表し、
Xが、−NR−、−CH−または−C(=O)−
(式中、Rは、水素またはメチルを表す)
を表し、
が、水素、フッ素、塩素、シアノ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、メチル、エチル、ヒドロキシエチル、メトキシエチルまたはシクロプロピルを表し、
が、フッ素または塩素を表し、
が、以下のものからなる群から選択される基を表し:
・水素、ヒドロキシル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル
・(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−シクロアルキル、ここで、アルキル、アルコキシおよびシクロアルキルは、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシまたは−NR10
{式中、RおよびR10は、相互に独立して、水素または(C−C)−アルキルを表すか、または、
およびR10は、それらが結合している窒素原子と一体となって、5員または6員の複素環を形成しており、それは、環中にさらなるヘテロ原子OまたはNを含有していてもよく、(C−C)−アルキルまたは(C−C)−アルカノイルにより置換されていてもよい}
により置換されていてもよい
・フェニルおよび5員または6員のヘテロアリール、ここで、フェニルおよびヘテロアリールは、ハロゲン、アミノまたはトリフルオロメチルにより置換されていてもよい、
が、水素、フッ素または塩素を表し、
が、水素またはメチルを表す、
式(I)の化合物並びにそれらの塩、水和物、塩の水和物および溶媒和物である。
【0035】
ことさら特に好ましいのは、式中、
-----が、二重結合を表し、
Xが、−NH−または−CH−を表し、
が、水素、塩素またはメチルを表し、
がフッ素を表し、
が、水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、ハロゲン置換されていることもあるフェニルおよびピリジンからなる群から選択される基を表し、
が、水素またはフッ素を表し、
が水素を表す、
式(I)の化合物並びにそれらの塩、水和物、塩の水和物および溶媒和物である。
【0036】
好ましいのは、また、式中、Rが、水素、フッ素、塩素、シアノ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチルまたはメチルを表す、式(I)の化合物である。
好ましいのは、また、式中、Rがフッ素を表す、式(I)の化合物である。
好ましいのは、また、式中、Rが、水素、塩素、トリフルオロメチル、パラ−フルオロフェニルおよびピリジンからなる群から選択される基を表す、式(I)の化合物である。
好ましいのは、また、式中、Rが水素またはフッ素を表す、式(I)の化合物である。
好ましいのは、また、式中、Rが水素を表す、式(I)の化合物である。
【0037】
本発明はさらに、式(I)の化合物の製造方法を提供し、それは、
式(II)
【化2】

(式中、-----、X、R、R、RおよびRは、上記定義の通りである)
の化合物を、式(III)
【化3】

(式中、Rは、上記定義の通りである)
の化合物と反応させ、XがCH基を表すならば、続いて、酸化させて対応するケト基−C(=O)−を得てもよく、または、メチル化して対応するモノ−またはジメチル化合物[−CH(CH)−または−C(CH−]を得てもよい、
を特徴とする。
【0038】
この反応は、一般的に、水性塩酸溶液中、好ましくは70℃ないし110℃の温度範囲で、大気圧で実施する。
XがCH基を表すならば、任意の酸化またはアルキル化は、当業者に知られている常套の方法に従って実施できる。
【0039】
式(II)の化合物を製造するために、例えば、式(IV)
【化4】

(式中、-----、X、R、RおよびRは、上記定義の通りであり、そして、Rは、上記定義の通りであるか、または、[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル保護基を表す)
の化合物を、還元剤と反応させる。
【0040】
この反応は、一般的に、不活性溶媒中、好ましくは室温ないし溶媒の還流の温度範囲で、大気圧ないし3バールで実施する。
【0041】
還元剤は、例えば、パラジウム/炭および水素、酸化白金および水素、二塩化スズ、または三塩化チタンである;好ましいのは、パラジウム/炭および水素または酸化白金および水素である。
【0042】
不活性溶媒は、例えば、ジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルもしくはジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノールもしくは2−エチルヘキサノールなどのアルコール類、ベンゼン、キシレン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンもしくは鉱油留分などの炭化水素類、またはジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ピリジンもしくは酢酸などの他の溶媒である;好ましい溶媒は、エタノール、n−ブタノールまたは2−エチルヘキサノールである。
【0043】
式(IV)の化合物中のピロロピリジンの6位は、塩素により置換されていることもある。この塩素置換基は、還元中に除去される。
標的化合物中のRが水素を表すならば、Rが結合している窒素原子は、この合成の間に[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル保護基で保護されることもある。
【0044】
保護基は、ニトロ基の還元後に、トリフルオロ酢酸を使用して、ジクロロメタン中、室温ないし40℃の温度範囲で、大気圧で除去する。必要に応じて、保護基の完全な除去のために、続いて例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは水酸化リチウムなどの塩基と、THF中、室温ないし40℃の温度範囲で、大気圧で反応させる。
【0045】
式(IV)の化合物を製造するために、例えば、
方法[A]に従い、式(V)
【化5】

(式中、----- およびRは、上記定義の通りであり、そして、Rは、上記定義の通りであるか、または、[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル保護基を表す)
の化合物を、式(VI)
【化6】

(式中、RおよびRは、上記定義の通りである)
の化合物と反応させ、式(IVa)
【化7】

(式中、-----、R、RおよびRは、上記定義の通りであり、そして、Rは、上記定義の通りであるか、または、[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル保護基を表す)
の化合物を得るか、または、
【0046】
方法[B]に従い、式(VII)
【化8】

(式中、----- およびRは、上記定義の通りであり、そして、Rは、上記定義の通りであるか、または、[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル保護基を表す)
の化合物を、式(VIII)
【化9】

(式中、RおよびRは、上記定義の通りであり、そして、Xは、ハロゲン、好ましくはヨウ素、塩素または臭素を表す)
の化合物と反応させ、式(IVa)の化合物を得るか、
または、
【0047】
方法[C]に従い、式(IX)
【化10】

(式中、----- およびRは、上記定義の通りであり、そして、Rは、上記定義の通りであるか、または、[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル保護基を表す)
の化合物を、式(X)
【化11】

(式中、RおよびRは、上記定義の通りである)
の化合物と反応させ、続いて、エステルの脱炭酸反応により、式(IVb)
【化12】

(式中、-----、R、RおよびRは、上記定義の通りであり、そして、Rは、上記定義の通りであるか、または、[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル保護基を表す)
の化合物を得る。
【0048】
変法[A]または[B]に従って得られる化合物(IVa)は、必要に応じて、当業者に知られる常套の方法に従い、架橋した窒素原子でアルキル化に付してもよい。これにより、X=N−アルキルの化合物を得る。
【0049】
変法[C]に従って得られる化合物(IVb)を、必要に応じて、各場合で当業者に知られる常套の方法に従い、架橋したメチレン基で酸化またはアルキル化に付し、各々対応するケト基および対応するモノまたはジメチル化合物を得てもよい。これにより、X=C(=O)−、−CH(CH)−または−C(CH−の化合物を得る。
式(IVa)および(IVb)の化合物は、式(IV)の化合物の一部に相当する。
【0050】
方法[A]および[B]による化合物は、好ましくは、ブッフバルト(Buchwald)法により、例えばトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムなどのパラジウム化合物、例えばジシクロヘキシル(2',4',6'−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィンまたは1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンなどのホスフィン、および、例えばナトリウムtert−ブトキシドまたはカリウムtert−ブトキシドまたは炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムなどの塩基を使用して、例えばtert−ブタノールまたはトルエンなどの不活性溶媒中、90℃ないし140℃の温度範囲で、大気圧または僅かな加圧下で実施する。
【0051】
方法[C]による反応は、好ましくは、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシドまたはニトロベンゼンなどの不活性溶媒中、例えば、炭酸カリウム、水酸化カリウム、カリウムtert−ブトキシドまたは水素化ナトリウムなどの塩基の存在下、120℃ないし280℃の温度で、大気圧で実施する。
【0052】
方法[C]の脱炭酸は、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムまたは水酸化リチウムなどの塩基と、例えばメタノールまたはエタノールなどの不活性溶媒中、室温ないし40℃の温度で、大気圧で反応させることにより実施する。
【0053】
式(III)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(IX)および(X)の化合物は、それ自体当業者に知られているか、または、文献からわかる常套の方法により製造できる。
【0054】
本発明による化合物の製造は、下記の合成スキームにより例示説明できる。
スキーム1:
【化13】

【0055】
スキーム2:
【化14】

【0056】
本発明による化合物は、予見できない有用な薬理スペクトルおよび薬物動態学的作用を有する。
従って、それらは、ヒトおよび動物における疾患の処置および/または予防用の医薬としての使用に適する。
本発明による化合物の医薬活性は、それらのRhoキナーゼ阻害剤としての作用により説明できる。
本発明はまた、障害、好ましくは心血管障害の処置および/または予防のための、本発明による化合物の使用も提供する。
【0057】
本発明による化合物は、例えば、高血圧および心不全、安定および不安定狭心症、末梢および冠血管の障害、不整脈、血栓性障害および虚血、例えば心筋梗塞、卒中、一過性虚血発作、末梢循環の閉塞症、くも膜下出血などの心血管障害の予防および/または処置、例えば血栓溶解治療、経皮経管的血管形成術(PTA)、経皮経管的冠動脈形成術(PTCA)、バイパス術後の再狭窄の予防、および、動脈硬化症、アルツハーマー病、腎不全、緑内障、喘息性障害、COPDおよび泌尿器系の疾患、例えば、前立腺肥大、勃起不全、女性の性機能不全、骨粗鬆症、胃不全麻痺および失調症の予防および/または処置に適する。
【0058】
本発明による化合物は、さらに、癌、特に腫瘍の予防および/または処置に使用できる。
本発明に関して、腫瘍の定義には、良性および悪性の腫瘍の両方が、従って、例えば、良性新形成、異形性、過形成および転移形成を伴う新形成も含まれる。さらなる腫瘍の例は、癌腫、肉腫、癌肉腫、造血器官起源の腫瘍、神経組織、例えば脳の腫瘍、または、皮膚細胞の腫瘍である。腫瘍形成では、制御されない、または不適切に制御された細胞分裂が起こる。腫瘍は、局所的に限定され得るが、周囲の組織に浸潤し、次いでリンパ系または血流により、新しい場所に移ることもできる。従って、原発腫瘍および二次腫瘍がある。原発腫瘍は、それらが発見される器官で元々形成されたものである。二次腫瘍は、転移形成により他の器官に移り、次いで、それらの新しい場所で広がったものである。
【0059】
本発明はまた、障害、特に上述の症候群の予防および/または処置のための、本発明による化合物の使用も提供する。
本発明はまた、障害、特に上述の症候群の予防および/または処置用の医薬を製造するための、本発明による化合物の使用も提供する。
【0060】
本発明は、心血管的に有効な量の本発明による化合物を使用する、障害、特に上述の障害の予防および/または処置の方法も提供する。
本発明はまた、特に上述の障害の予防および/または処置のための、1種またはそれ以上のさらなる活性化合物と組み合わせた本発明による化合物を含む医薬も提供する。
【0061】
本発明による化合物は、全身的かつ/または局所的に作用できる。この目的のために、例えば、経口で、非経腸で、肺に、鼻腔に、舌下に、舌に、頬側に、直腸に、経皮で、結膜に、耳に、ステントとして、またはインプラントとしてなど、適するやり方で投与できる。
これらの投与経路のために、本発明による化合物は、適する投与形で投与できる。
【0062】
経口投与に適するのは、本発明による化合物を迅速かつ/または修飾された形態で放出し、本発明による化合物を結晶形および/または無定形および/または溶解形で含有する、先行技術に準じて働く投与形、例えば、錠剤(非被覆または被覆錠剤、例えば、本発明による化合物の放出を制御する、腸溶性、遅延溶解性または不溶性の被覆で被覆されたもの)、口腔中で迅速に崩壊する錠剤、またはフィルム(film)/ウエハー(wafer)、カプセル剤、糖衣錠剤、顆粒剤、ペレット剤、散剤、乳剤、懸濁剤、エアゾル剤または液剤である。
【0063】
非経腸投与は、吸収段階を回避して(静脈内、動脈内、心臓内、脊椎内または腰椎内)、または、吸収を含めて(筋肉内、皮下、皮内、経皮または腹腔内)行うことができる。非経腸投与には、適する投与形は、なかんずく、液剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥剤および滅菌散剤の形態の、注射および点滴製剤である。
【0064】
他の投与経路に適するのは、例えば、吸入用医薬形(なかんずく、粉末吸入器、噴霧器)、点鼻薬/液、スプレー;舌に、舌下にまたは頬側に適用すべき錠剤またはカプセル剤、坐剤、耳および眼用製剤、膣カプセル剤、水性懸濁剤(ローション、振盪ローション)、親油性懸濁剤、軟膏、クリーム、ミルク、ペースト、散布剤、ステントまたはインプラントである。
【0065】
本発明による化合物は、それ自体知られているやり方で、上述の投与形に変換できる。これは、不活性、非毒性の、医薬的に許容し得る補助剤を使用して行う。これらには、なかんずく、担体(例えば微結晶セルロース)、溶媒(例えば液体ポリエチレングリコール)、乳化剤(例えばドデシル硫酸ナトリウム)、分散剤(例えばポリビニルピロリドン)、合成および天然バイオポリマー(例えばアルブミン)、安定化剤(例えばアスコルビン酸などの抗酸化剤)、着色剤(例えば酸化鉄などの無機色素)、または、味および/または臭気の矯正剤が含まれる。
【0066】
本発明はまた、少なくとも1種の本発明による化合物を、好ましくは1種またはそれ以上の不活性、非毒性、医薬的に許容し得る補助剤と共に含む医薬および上述の目的のためのそれらの使用も提供する。
【0067】
一般に、ヒトの医学および獣医学の両方において、24時間につき、全量で約0.01ないし約700、好ましくは0.01ないし100mg/体重kgの本発明による化合物を、必要に応じて複数の個別用量の形態で投与するのが、所望の結果を得るために有利であると判明した。個別用量は、本発明による化合物を、好ましくは約0.1ないし約80、特に0.1ないし30mg/体重kgの量で含有する。
【0068】
これにも関わらず、必要に応じて、即ち、体重、投与経路、活性化合物への個体の応答、製剤のタイプおよび投与を行う時間または間隔に応じて、上述の量から離れることが必要であり得る。従って、上述の最小量より少なく使用しても十分な場合があり得、一方上述の上限を超えなければならない場合もある。比較的大量に投与する場合、これらを1日かけて数回の個別投与に分割するのが望ましいことがある。
【0069】
下記の試験および実施例中のパーセントは、断りのない限り、重量パーセントである;部は、重量部である。液体/液体溶液の溶媒比、希釈比および濃度は、各場合で体積をベースとする。
【0070】
A.実施例
略号:
【表1】

【0071】
HPLC、LCMSおよびGCMSの方法:
方法1(LC/MS):MS装置タイプ:Micromass ZQ;HPLC装置タイプ:Waters Alliance 2795;カラム:Phenomenex Synergi 2μ Hydro-RP Mercury 20 mm x 4 mm;移動相A:水1l+50%強度蟻酸0.5ml、移動相B:アセトニトリル1l+50%強度蟻酸0.5ml;勾配:0.0分90%A→2.5分30%A→3.0分5%A→4.5分5%A;流速:0.0分1ml/分、2.5分/3.0分/4.5分2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:210nm
【0072】
方法2(LC/MS):装置:HPLC Agilent Series 1100 を有する Micromass Quattro LCZ;カラム:Phenomenex Synergi 2μ Hydro-RP Mercury 20 mm x 4 mm;移動相A:水1l+50%強度蟻酸0.5ml、移動相B:アセトニトリル1l+50%強度蟻酸0.5ml;勾配:0.0分90%A→2.5分30%A→3.0分5%A→4.5分5%A;流速:0.0分1ml/分、2.5分/3.0分/4.5分2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:208−400nm
【0073】
方法3(LC/MS):MS装置タイプ:Micromass ZQ;HPLC装置タイプ:HP 1100 Series; UV DAD;カラム:Phenomenex Synergi 2μ Hydro-RP Mercury 20 mm x 4 mm;移動相A:水1l+50%強度蟻酸0.5ml、移動相B:アセトニトリル1l+50%強度蟻酸0.5ml;勾配:0.0分90%A→2.5分30%A→3.0分5%A→4.5分5%A;流速:0.0分1ml/分、2.5分/3.0分/4.5分、2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:210nm
【0074】
方法4(HPLC):装置:DAD 検出を有するHP 1100;カラム:Kromasil 100 RP-18, 60 mm x 2.1 mm, 3.5 μm;移動相A:過塩素酸(70%強度)5ml/水1l、移動相B:アセトニトリル;勾配:0分2%B、0.5分2%B、4.5分90%B、6.5分90%B、6.7分2%B、7.5分2%B;流速:0.75ml/分;オーブン:30℃;UV検出:210nm
【0075】
方法5(LC−MS):装置:HPLC Agilent Series 1100 を有する Micromass Platform LCZ;カラム:Thermo HyPURITY Aquastar 3μ 50 mm x 2.1 mm;移動相A:水1l+50%強度蟻酸0.5ml、移動相B:アセトニトリル1l+50%強度蟻酸0.5ml;勾配:0.0分100%A→0.2分100%A→2.9分30%A→3.1分10%A→5.5分10%A;オーブン:50℃;流速:0.8ml/分;UV検出:210nm
【0076】
方法6(LC/MS):装置:HPLC Agilent Series 1100 を有する Micromass Platform LCZ;カラム:Phenomenex Synergi 2μ Hydro-RP Mercury 20 mm x 4 mm;移動相A:水1l+50%強度蟻酸0.5ml、移動相B:アセトニトリル1l+50%強度蟻酸0.5ml;勾配:0.0分90%A→2.5分30%A→3.0分5%A→4.5分5%A;流速:0.0分1ml/分、2.5分/3.0分/4.5分2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:210nm
【0077】
方法7(LC/MS):MS装置タイプ:Micromass ZQ;HPLC装置タイプ:Waters Alliance 2790;カラム:Grom-Sil 120 ODS-4 HE 50 mm x 2 mm, 3.0 μm;移動相B:アセトニトリル+0.05%蟻酸、移動相A:水+0.05%蟻酸;勾配:0.0分5%B→2.0分40%B→4.5分90%B→5.5分90%B;オーブン:45℃;流速:0.0分0.75ml/分→4.5分0.75ml/分→5.5分1.25ml/分;UV検出:210nm
【0078】
方法8(LCMS):装置: HPLC Agilent Series 1100 を有する Micromass Quattro LCZ;カラム:Grom-SIL120 ODS-4 HE, 50 mm x 2.0 mm, 3 μm;移動相A:水1l+50%強度蟻酸1ml、移動相B:アセトニトリル1l+50%強度蟻酸1ml;勾配:0.0分100%A→0.2分100%A→2.9分30%A→3.1分10%A→4.5分10%A;オーブン:55℃;流速:0.8ml/分;UV検出:208−400nm
【0079】
方法9(LCMS):MS装置タイプ:Micromass ZQ;HPLC装置タイプ:Waters Alliance 2795;カラム:Merck Chromolith SpeedROD RP-18e 50 mm x 4.6 mm;移動相A:水+50%強度蟻酸500μl/l;移動相B:アセトニトリル+50%強度蟻酸500μl/l;勾配:0.0分10%B→3.0分95%B→4.0分95%B;オーブン:35℃;流速:0.0分1.0ml/分→3.0分3.0ml/分→4.0分3.0ml/分;UV検出:210nm
【0080】
方法10(LCMS):装置:HPLC Agilent Series 1100 を有する Micromass Platform LCZ;カラム:Grom-SIL120 ODS-4 HE, 50 mm x 2.0 mm, 3 μm;移動相A:水1l+50%強度蟻酸1ml、移動相B:アセトニトリル1l+50%強度蟻酸1ml;勾配:0.0分100%A→0.2分100%A→2.9分30%A→3.1分10%A→4.5分10%A;オーブン:55℃;流速:0.8ml/分;UV検出:208−400nm
【0081】
分取HPLC:カラム:YMC Gel ODS-AQ S-5 / 15 μM, 250 mm x 30 mm, 移動相A:水;移動相B:アセトニトリル;勾配:0.00分30%B→3.00分30%B→34.0分95%B→38.0分30%B;温度:室温;流速:50ml/分;UV検出
【0082】
出発物質
実施例1A
1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン7−オキシド
【化15】

(Antonini, Ippolito; Claudi, Francesco; Cristalli, Gloria; Franchetti, Palmarisa; Grifantini, Mario; Martelli, Sante; J. Med. Chem. 1982, 25, 1258-1261)3−クロロ過安息香酸540g(2.35mol)を、ジクロロメタン6.11lに溶解し、分離する水を除去する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、0℃に冷却する。ジクロロメタン1.00l中の1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(Hands, D.; Bishop, B.; Cameron, M.; Edwards, T.S.; Cottrell, I.F.; Wright, S.H.B.; Synthesis 1996 (7), 877-882)163g(1.38mol)の溶液を、次いで添加し、温度を室温に上昇させる。2時間後、形成された沈殿が再溶解するような量のメタノールを添加する。混合物をシリカゲル(移動相:ジクロロメタン/メタノール95:5)を通して濾過する。濃縮後、生成物画分を高真空下で乾燥する。
収量:145g(理論値の75%)
HPLC(方法4):R=2.02分
MS(ESIpos.):m/z=135[M+H]、152[M+NH、269[2M+H]
1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ = 6.58 (d, 1H), 7.07 (dd, 1H), 7.48 (d, 1H), 7.65 (d, 1H), 8.17 (d, 1H), 12.42-12.64 (br. s, 1H).
【0083】
実施例2A
4−ニトロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン7−オキシド
【化16】

示差熱分析の結果に基づき、記載する量の5倍より大きいバッチで反応を実施することは推奨されない。
トリフルオロ酢酸160ml中の1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン7−オキシド20.0g(149mmol)の溶液を、室温に冷却する。次いで、65%強度の硝酸69.3mlを、ゆっくりと滴下して添加し、混合物を室温で2時間撹拌しておく。混合物を氷上に置き、45%強度水酸化ナトリウム溶液を使用してpHを8−9に合わせる。沈殿を吸引濾過し、水で洗浄する。記載したサイズの4つのバッチの冷却生成物および同様に実施した13gのバッチを合わせ、一緒に精製する。粗生成物を水に懸濁し、2N水酸化ナトリウム溶液を使用してpHを8−9に合わせる。10分間撹拌した後、沈殿を吸引濾過し、高真空下で乾燥する(Schneller, Stewart W.; Luo, Jiann-Kuan; J. Org. Chem. 1980, 45, 4045-4048.)。
収量:29.7g(理論値の24%)
HPLC(方法4):R=3.02分
MS(ESIpos.):m/z=180(M+H)、197(M+NH4)、359(2M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ = 7.03 (d, 1H), 7.80 (d, 1H), 8.03 (d, 1H), 8.31 (d, 1H), 13.22-13.41 (br. s, 1H).
【0084】
実施例3A
6−クロロ−4−ニトロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
【化17】

アルゴン雰囲気下、4−ニトロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン7−オキシド5.00g(27.9mmol)およびヘキサメチルジシラザン11.8ml(55.8mmol)を、最初にTHF290mlに加える。室温で、クロロ蟻酸メチル10.8ml(140mmol)を添加する。溶液を室温で終夜撹拌する。シリカゲルカートリッジを通して反応溶液を濾過し、カートリッジをジクロロメタン/メタノール10:1で洗浄する。
収量:2.8g(理論値の70%)
LC−MS(方法3):R=2.15分
MS(ESIpos.):m/z=198(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ = 7.00 (m, 1H), 7.97 (s, 1H), 8.00 (t, 1H), 12.79 (s, 1H).
【0085】
実施例4A
6−クロロ−4−ニトロ−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
【化18】

0℃、アルゴン雰囲気下、水素化ナトリウム(鉱油中60%)1.34g(28.3mmol)を、ジメチルホルムアミド(50ml)中の6−クロロ−4−ニトロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン5.6g(28.3mmol)の溶液に少しずつ添加し、懸濁液を室温で30分間撹拌する。混合物をもう1回0℃に冷却し、2−(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド5.3ml(29.8mmol)を滴下して添加し、混合物を室温で2時間撹拌しておく。懸濁液を氷水(250ml)に注ぎ、混合物が室温に達するまで撹拌する。次いで、混合物を酢酸エチルで抽出し(3回50ml)、有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄する。溶液を硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮する。残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル6:1)により精製する。
収量:6.88g(理論値の74%)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = -0.09 (s, 9H), 0.83 (t, 2H), 3.54 (t, 2H), 5.67 (s, 2H), 7.06 (d, 1H), 8.02 (s, 1H), 8.12 (d, 1H).
【0086】
実施例5A
4−ニトロ−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
【化19】

水素化ナトリウム240mg(6.01mmol)を、DMF(10ml)中の4−ニトロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(Antonini, Ippolito; Claudi, Francesco; Cristalli, Gloria; Franchetti, Palmarisa; Grifantini, Mario; Martelli, Sante; J. Med. Chem. 1982, 25, 1258-1261.)980mg(6.01mmol)の溶液に添加する。混合物を室温で30分間撹拌し、次いで(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド1.05g(6.31mmol)を添加し、反応混合物を室温で1時間撹拌する。減圧下で濃縮後、残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル10:1)により精製する。濃縮により、標的の生成物を得る。
収量:1.22g(理論値の69%)
LC−MS(方法7):R=4.15分
MS(ESIpos.):m/z=294(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = -0.09 (s, 9H), 0.93 (t, 2H), 3.63 (t, 2H), 5.84 (s, 2H), 7.18 (d, 1H), 8.08 (d, 1H), 8.22 (d, 1H), 8.68 (d, 1H).
【0087】
実施例6A
1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−アミン
【化20】

6−クロロ−4−ニトロ−1−{[トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン1.30g(3.97mmol)を、エタノール/THF(1:1)10mlに溶解する。酸化白金(IV)90mg(0.4mmol)を添加し、混合物を、水素雰囲気中、大気圧下で終夜水素化する。次いで、同量の触媒をもう1回添加し、混合物をさらに一夜水素化する。Celite を通して混合物を濾過し、Celite をエタノールで洗浄する。溶媒を除去し、残渣をエタノール(10ml)に取り、トリエチルアミン0.55ml(3.97mmol)を添加する。10%パラジウム/炭422mg(0.40mmol)を添加し、混合物を水素圧3.5バールで終夜還元する。Celite を通して混合物を濾過し、Celite をエタノールで洗浄し、減圧下で溶媒を除去する。生成物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(移動相:ジクロロメタン/アセトン20:1ないし10:1)により精製する。得られる生成物をペンタンでトリチュレートし、吸引濾過する。
収量:548mg(理論値の46%)
【0088】
代替的製造方法:
エタノール/THF(1:1)30ml中の4−ニトロ−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン900mg(3.07mmol)および酸化白金(IV)の混合物を、水素雰囲気中、大気圧で終夜撹拌する。次いで、Celite を通して懸濁液を濾過し、Celite をエタノールで洗浄する。濾液の濃縮により標的の生成物を得る。
収量:760mg(理論値の94%)
LC−MS(方法3):R=1.49分
MS(ESIpos.):m/z=264[M+H]
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = -0.10 (s, 9H), 0.80 (t, 2H), 3.47 (t, 2H), 5.47 (s, 2H), 6.15 (br. s, 2H), 6.18 (d, 1H), 6.55 (d, 1H), 7.17 (d, 1H), 7.75 (d, 1H).
【0089】
実施例7A
N−(2−フルオロ−4−ニトロフェニル)−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−アミン
【化21】

1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−アミン50mg(0.19mmol)、2−フルオロ−1−ヨード−4−ニトロベンゼン61mg(0.23mmol)およびナトリウムtert−ブトキシド26mg(0.27mmol)を、最初にトルエン1mlに加える。混合物を脱気する。次いで、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム8.7mg(0.01mmol)およびジシクロヘキシル(2',4',6'−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィン9.1mg(0.02mmol)を添加する。混合物を密閉容器中、120℃で終夜加熱する。次いで、Extrelut カートリッジ(移動相:ジクロロメタン/メタノール10:1)を通して混合物を濾過し、分取HPLCにより精製する。
収量:38mg(理論値の50%)
LC−MS(方法3):R=2.73分
MS(ESIpos.):m/z=403[M+H]
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = -0.09 (s, 9H), 0.82 (t, 2H), 3.52 (t, 2H), 5.60 (s, 2H), 6.50 (d, 1H), 6.84 (d, 1H), 7.37 (t, 1H), 7.50 (d, 1H), 8.04 (dd, 1H), 8.13 (d, 1H), 8.17 (dd, 1H), 9.33 (s, 1H).
【0090】
実施例8A
N−(2−フルオロ−4−ニトロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−アミン
【化22】

脱気tert−ブタノール5.00ml中の4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(Schneller, Stewart, W.; Luo, Jiann-Kuan; J. Org. Chem. 1980, 45, 4045-4048.)500mg(3.28mmol)、2−フルオロ−4−ニトロアニリン614mg(3.93mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム150mg(0.16mmol)およびジシクロヘキシル(2',4',6'−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィン156mg(0.33mmol)および炭酸カリウム996mg(7.21mmol)の溶液を、密閉容器中、100℃で3時間撹拌する。室温に冷却後、Celite を通して混合物を濾過し、Celite を酢酸エチルで洗浄し、濾液を減圧下で濃縮する。残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル1:1)により精製する。
収量:694mg(理論値の78%)
【0091】
代替的製造方法:
N−(2−フルオロ−4−ニトロフェニル)−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−アミン250mg(0.62mmol)を、ジクロロメタン2.5ml中に溶解する。トリフルオロ酢酸2.5mlを添加し、混合物を室温で3時間撹拌しておく。反応溶液を蒸発乾固する。フラスコ中の残渣をTHFに取り、1M水酸化リチウム溶液6.2ml(6.2mmol)を添加する。混合物を室温で終夜撹拌しておき、さらに3.1ml(3.1mmol)の1M水酸化リチウム溶液を添加し、混合物を4時間撹拌する。1Mクエン酸を反応溶液に添加し、混合物を酢酸エチルで2回抽出する。水酸化ナトリウム水溶液を使用して水相をアルカリ性にし、酢酸エチルで2回抽出する。次いで、合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥する。溶媒を減圧下で除去する。残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(移動相:ジクロロメタン/メタノール50:1ないし5:2)により精製する。
収量:165mg(理論値の98%)
LC−MS(方法1):R=1.11分
MS(ESIpos.):m/z=273(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 6.39 (d, 1 H), 6.81 (m, 1 H), 7.28-7.37 (m, 2 H), 8.04 (dd, 1 H), 8.10 (d, 1 H), 8.18 (dd, 1 H), 9.32 (s, 1 H), 11.68 (s, 1 H).
【0092】
実施例9A
2−フルオロ−N−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル−1,4−ジアミノベンゼン
【化23】

N−(2−フルオロ−4−ニトロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−アミン165mg(0.61mmol)を、エタノール10mlに溶解する。10%パラジウム/炭65mg(0.06mmol)を添加し、混合物を水素雰囲気中、大気圧下で終夜水素化する。Celite を通して混合物を濾過し、溶媒を減圧下で除去する。
収量:139mg(理論値の95%)
LC−MS(方法2):R=1.00分
MS(ESIpos.):m/z=243[M+H]
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 5.38 (s, 1H), 5.93 (d, 1H), 6.34-6.49 (m, 4H), 6.92-7.02 (m, 1H), 7.08 (d, 1H), 7.73 (d, 1 H), 8.0 (s, 1 H), 11.15 (s, 1H).
【0093】
実施例10A
3−クロロ−N−(2−フルオロ−4−ニトロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−アミン
【化24】

N−クロロスクシンイミド108mg(810μmol)を、THF5ml中のN−(2−フルオロ−4−ニトロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−アミン200mg(730μmol)の溶液に添加し、混合物を室温で終夜撹拌する。反応を完了させるために、さらに49mg(365μmol)のN−クロロスクシンイミドを添加し、混合物をさらに一夜撹拌する。次いで、飽和重炭酸ナトリウム溶液を反応混合物に添加し、混合物を酢酸エチルで抽出する。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、次いで、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下で除去する。シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(移動相:勾配シクロヘキサン/酢酸エチル1:1から酢酸エチル100%)および分取RP−HPLCにより精製し、表題化合物を得る。
収量:125mg(理論値の48%)
LC−MS(方法1):R=2.23分
MS(ESIpos.):m/z=307(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 6.95 (d, 1H), 7.12 (dd, 1H), 7.58 (s, 1H), 7.98 (d, 1H), 8.16 (d, 1H), 8.22 (d, 1H), 8.97 (s, 1H), 12.08 (s, 1H).
【0094】
実施例11A
−(3−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−2−フルオロベンゼン−1,4−ジアミン
【化25】

塩化スズ(II)二水和物147mg(650μmol)を、DMF2.50ml中の3−クロロ−N−(2−フルオロ−4−ニトロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−アミン40mg(130μmol)の溶液に添加し、この溶液を室温で終夜撹拌する。次いで、水5mlを添加し、飽和重炭酸ナトリウム溶液を使用してpHを10に合わせる。Celite を通して濾過した後、Celite を酢酸エチル40mlで洗浄する。濾液の水相を酢酸エチル10mlで2回抽出する。合わせた有機相を水5mlおよび飽和塩化ナトリウム溶液5mlで各々2回ずつ洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥する。減圧下で濃縮し、標的の化合物を得、それをこれ以上精製せずに反応させる。
収量:29mg(理論値の81%)
LC−MS(方法1):R=1.32分
MS(ESIpos.):m/z=276(M+H)
【0095】
実施例12A
2−フルオロ−N−(1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ベンゼン−1,4−ジアミン
【化26】

N−(2−フルオロ−4−ニトロフェニル)−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−アミン115mg(0.29mmol)を、エタノール/THF(1:1)の混合物10mlに溶解する。酸化白金(IV)13mg(0.06mmol)を添加し、混合物を水素雰囲気下、大気圧下で終夜撹拌する。次いで、Celite を通して懸濁液を濾過し、溶媒を減圧下で除去する。
収量:79mg(理論値の74%)
LC−MS(方法8):R=2.26分
MS(ESIpos.):m/z=373(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = -0.09 (s, 9H), 0.88 (t, 2H), 3.57 (t, 2H), 5.43 (s, 2H), 5.59 (s, 2H), 6.08 (d, 2H), 6.46-6.64 (m, 3H), 7.07 (dd, 1H), 7.31 (d, 1H), 7.88 (d, 1H), 8.12 (s, 1H).
【0096】
実施例13A
ジメチル(2−フルオロ−4−ニトロフェニル)マロネート
【化27】

ジメチルマロネート9.13g(69.1mmol)を、DMSO70ml中の洗浄した水素化ナトリウム1.66g(69.1mmol)の懸濁液に注意深く滴下して添加する。混合物を100℃で40分間加熱し、次いで室温に冷却し、3,4−ジフルオロニトロベンゼン5.00g(31.4mmol)を添加する。混合物を室温で30分間撹拌し、次いで100℃で1時間加熱する。冷却した反応混合物を、酢酸エチル(50ml)、シクロヘキサン(50ml)および飽和塩化アンモニウム溶液(250ml)の混合物に注ぐ。水相を各回100mlの酢酸エチル/シクロヘキサン(1:1)で2回抽出する。合わせた有機相を水および飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥する。溶媒を減圧下で除去し、油状物を得る。それは、シクロヘキサンの添加後に結晶化する。結晶を吸引濾過し、シクロヘキサンで徹底的に洗浄し、固体を得る。
収量:7.68g(理論値の90%)
LC−MS(方法2):R=2.16分
MS(ESIneg.):m/z=270[M−H]
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = 3.72 (s, 6H), 5.44 (s, 1H), 7.75 (dd, 1H), 8.13 (dd, 1H), 8.18 (dd, 1H).
【0097】
実施例14A
エチル(2−フルオロ−4−ニトロフェニル)アセテート
【化28】

ジメチル(2−フルオロ−4−ニトロフェニル)マロネート500mg(1.84mmol)を、DMSO10mlに溶解する。水33.2mg(1.84mmol)および塩化リチウム313mg(7.37mmol)を添加し、混合物を100℃で3時間加熱する。次いで、反応溶液を酢酸エチル30mlに注ぎ、飽和塩化ナトリウム溶液と、そして希塩酸と振盪する。混合物を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で除去する。得られる油状物を分取HPLCにより精製する。生成物の画分を酢酸エチルで抽出する。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で除去する。これにより油状物を得、それは、生成物の結晶を播いた後、迅速に結晶化する。
収量:254mg(理論値の63%)
LC−MS(方法1):R=1.92分
MS(ESIpos.):m/z=214[M+H]
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 3.65 (s, 3H), 3.92 (d, 2H), 7.69 (dd, 1H), 8.06-8.13 (m, 2H).
【0098】
実施例15A
メチル(6−クロロ−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)(2−フルオロ−4−ニトロフェニル)アセテート
【化29】

エチル(2−フルオロ−4−ニトロフェニル)アセテート908mg(4.26mmol)を、DMF10mlに溶解し、水素化ナトリウム(鉱油中60%)170mg(4.26mmol)を添加する。混合物を室温で30分間撹拌し、次いで、6−クロロ−4−ニトロ−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン698mg(2.13mmol)を添加する。混合物を70℃で2時間加熱し、次いで氷水中に撹拌し、酢酸エチルで抽出する。有機相を水および飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮する。生成物をシリカゲルのクロマトグラフィー(移動相:ジクロロメタン/ペンタン2:1)により精製する。
収量:1.00g(理論値の95%)
LC−MS(方法2):R=3.24分
MS(ESIpos.):m/z=494、496[M+H]
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = -0.12 (s, 9H), 0.80 (t, 2H), 3.52 (t, 2H), 3.74 (s, 3H), 5.57 (s, 2H), 6.02 (s, 1H), 6.60 (d, 1H), 7.15 (s, 1H), 7.57 (dd, 1H), 7.72 (d, 1H), 8.05 (dd, 1H), 8.17 (dd, 1H).
【0099】
実施例16A
6−クロロ−4−(2−フルオロ−4−ニトロベンジル)−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
【化30】

メチル(6−クロロ−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)(2−フルオロ−4−ニトロフェニル)アセテート358mg(0.72mmol)を、メタノール6mlに溶解する。水酸化リチウム21mg(0.87mmol)および水2滴を添加し、混合物を室温で20時間撹拌する。混合物を減圧下で濃縮し、ジクロロメタンおよび水を添加し、有機相を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥する。溶媒を減圧下で除去し、生成物をシリカゲルのクロマトグラフィー(移動相:ジクロロメタン)により精製する。これにより油状物を得る。
収量:260mg(理論値の82%)
LC−MS(方法1):R=3.14分
MS(ESIpos.):m/z=436、438[M+H]
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = -0.12 (s, 9H), 0.81 (t, 2H), 3.50 (t, 2H), 4.42 (s, 2H), 5.55 (s, 2H), 6.64 (d, 1H), 7.05 (s, 1H), 7.65-7.70 (m, 2H), 8.06 (dd, 1H), 8.12 (dd, 1H).
【0100】
実施例17A
3−フルオロ−4−[(1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)メチル]アニリン
【化31】

6−クロロ−4−(2−フルオロ−4−ニトロベンジル)−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン270mg(0.62mmol)を、エタノール2mlに溶解する。トリエチルアミン170μl(1.24mmol)および10%パラジウム/炭50mgを添加する。混合物を、室温、水素圧1.5バール下で20時間水素化する。混合物を濾過し、濃縮し、酢酸エチルを添加し、混合物を1N水酸化ナトリウム水溶液で洗浄する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮する。生成物をこれ以上精製せずに反応させる。
収量:199mg(理論値の87%)
LC−MS(方法2):R=2.81分
MS(ESIpos.):m/z=372[M+H]
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = -0.11 (s, 9H), 0.80 (t, 2H), 3.45 (t, 2H), 4.03 (s, 2H), 5.25 (s, 2H), 5.59 (s, 2H), 6.28-6.35 (m, 2H), 6.57 (d, 1H), 6.85 (d, 1H), 6.93 (t, 1H), 7.57 (d, 1H), 8.14 (d, 1H).
【0101】
実施例18A
3−フルオロ−4−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イルメチル)アニリン
【化32】

3−フルオロ−4−[(1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)メチル]アニリン477mg(1.00mmol)を、ジクロロメタン4mlに溶解する。トリフルオロ酢酸4.0mlを添加し、混合物を室温で2時間撹拌する。溶液を乾燥するまで濃縮する。残渣をTHF15mlに取り、1M水酸化リチウム水溶液15mlを添加する。溶液を室温で20時間撹拌し、次いで濃縮し、水を添加する。混合物を酢酸エチルで抽出する。抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で除去する。残渣を分取HPLCにより精製する。
収量:42mg(理論値の17%)
LC−MS(方法1):R=1.18分
MS(ESIpos.):m/z=242[M+H]
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = 4.01 (s, 2H), 5.24 (s, 2H), 6.28-6.33 (m, 2H), 6.47 (dd, 1H), 6.76 (d, 1H), 6.94 (t, 1H), 7.38 (dd, 1H), 8.07 (d, 1H), 11.55 (br. s, 1H).
【0102】
実施例19A
3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン7−オキシド
【化33】

少しずつ、3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(Hands, David; Bishop, Brian; Cameron, Mark; Edwards, John S.; Cottrell, Ian F.; Wright, Stanley H. B.; Synthesis 1996, 877-882.)3.00g(22.70mmol)を、ジクロロメタン250ml中のメタ−クロロペルオキシ安息香酸10.45g(45.40mmol)の溶液に添加し、混合物を10℃で2時間撹拌する。メタノールの添加により透明な溶液を得、それを直接シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(移動相:ジクロロメタン/メタノール100:4ないし3:1)に付す。分取HPLCでのさらなる精製段階により、標的の化合物を得る。
収量:1.4g(理論値の42%)
LC−MS(方法3):R=1.22分
MS(ESIpos.):m/z=149[M+H]
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = 2.25 (s, 3H), 7.05 (dd, 1H), 7.22 (s, 1H), 7.60 (d, 1H), 8.10 (d, 1H), 11.97 (br. s, 1H).
【0103】
実施例20A
4−クロロ−3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
【化34】

50℃で、メタンスルホニルクロリド1.77ml(22.81mmol)を、DMF7.5ml中の3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン7−オキシド1.30g(8.77mmol)の溶液に、温度が59℃に上昇するように滴下して添加する。次いで、混合物を70℃で4時間撹拌する。室温に冷却後、水30mlをゆっくりと5℃で添加し、20%強度水酸化ナトリウム溶液の添加によりpHを10に合わせる。混合物をもう1時間撹拌する。沈殿した固体を濾過し、水で洗浄し、次いで減圧下で乾燥する。
収量:395mg(理論値の27%)
LC−MS(方法2):R=1.99分
MS(ESIpos.):m/z=167(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 2.43 (s, 3H), 7.08 (d, 1H), 7.32 (s, 1H), 8.08 (d, 1H), 11.65 (s, 1H).
【0104】
実施例21A
N−(2−フルオロ−4−ニトロフェニル)−3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−アミン
【化35】

脱気tert−ブタノール1.00ml中の4−クロロ−3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン8mg(50μmol)、2−フルオロ−4−ニトロアニリン9mg(60μmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム4mg(5μmol)およびジシクロヘキシル(2',4',6'−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィン5mg(10μmol)および炭酸カリウム10mg(70μmol)の溶液を、100℃で、密閉圧力容器中、3時間撹拌する。室温に冷却後、Celite を通して混合物を濾過し、Celite をメタノールで洗浄し、濾液を減圧下で濃縮する。残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル1:1)により精製する。
収量:12mg(理論値の87%)
LC−MS(方法3):R=1.63分
MS(ESIpos.):m/z=287(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 2.13 (s, 3H), 6.82-6.96 (m, 2H), 7.18 (s, 1H), 7.94 (d, 1H), 8.08-8.18 (m, 2H).
【0105】
実施例22A
2−フルオロ−N−(3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ベンゼン−1,4−ジアミン
【化36】

N−(2−フルオロ−4−ニトロフェニル)−3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−アミン23mg(80μmol)をエタノール12mlに溶解する。10%パラジウム/炭19mg(19μmol)を添加し、混合物を水素雰囲気中、大気圧で終夜水素化する。Celite を通して混合物を濾過し、溶媒を減圧下で除去する。
収量:17mg(理論値の82%)
LC−MS(方法3):R=1.22分
MS(ESIpos.):m/z=257(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 2.45 (s, 3H), 5.36 (s, 2H), 5.82 (d, 1H), 6.37-6.50 (m, 2H), 6.86 (s, 1H), 6.93-7.09 (m, 2H), 7.68 (d, 1H), 10.87 (s, 1H).
【0106】
実施例23A
3−ブロモ−4−ニトロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
【化37】

0℃で、臭素316μl(6.13mmol)を、ジクロロメタン50ml中の4−ニトロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(Antonini, Ippolito; Claudi, Francesco; Cristalli, Gloria; Franchetti, Palmarisa; Grifantini, Mario; Martelli, Sante; J. Med. Chem. 1982, 25, 1258-1261.)1.00g(6.13mmol)の溶液に滴下して添加する。1時間0℃で撹拌し、そして1時間室温で撹拌した後、溶液を氷と飽和重炭酸ナトリウム溶液の混合物に注ぐ。次いで、混合物をジクロロメタンで2回抽出する。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で除去する。残渣をシクロヘキサン/酢酸エチルの混合物に取り、形成される沈殿を濾過する。
収量:534mg(理論値の31%)
LC−MS(方法7):R=2.40分
MS(ESIneg.):m/z=240(M−H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 7.73 (s, 1H), 8.12 (d, 1H), 8.54 (d, 1H), 12.99 (d, 1H).
【0107】
実施例24A
3−ブロモ−4−ニトロ−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
【化38】

0℃で、臭素18μl(6.13mmol)を、ジクロロメタン10ml中の4−ニトロ−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン100mg(340μmol)の溶液に滴下して添加する。1時間0℃で撹拌し、そして1時間室温で撹拌した後、Extrelut シリカゲルカートリッジを通して反応溶液を濾過し、カートリッジを少量のジクロロメタン/メタノールで洗浄し、濾液を減圧下で濃縮する。残渣を分取RP−HPLCにより精製する。
収量:79mg(理論値の62%)
LC−MS(方法9):R=2.87分
MS(ESIpos.):m/z=372(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = -0.03 (s, 9H), 0.92 (t, 2H), 3.63 (t, 2H), 5.81 (s, 2H), 7.92 (d, 1H), 8.42 (s, 1H), 8.71 (d, 1H).
【0108】
実施例25A
3−メチル−4−ニトロ−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
【化39】

脱気DMF2.00ml中の3−ブロモ−4−ニトロ−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン80mg(210μmol)、トリメチルボロキシン27mg(210μmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム25mg(20μmol)および炭酸カリウム103mg(640μmol)の溶液を、密閉圧力容器中、110℃で6時間、次いで、室温で終夜撹拌する。次いで、Extrelut シリカゲルカートリッジを通して懸濁液を濾過し、カートリッジをジクロロメタン/メタノール1:1の混合物で洗浄し、濾液を減圧下で濃縮する。残渣を分取RP−HPLCにより精製する。
収量:28mg(理論値の42%)
LC−MS(方法7):R=3.80分
MS(ESIpos.):m/z=309(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = -0.10 (s, 9H), 0.81 (t, 2H), 2.32 (s, 3H), 3.50 (t, 2H), 5.65 (s, 2H), 7.76 (d, 1H), 7.83 (s, 1H), 8.49 (d, 1H).
【0109】
実施例26A
3−メチル−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−アミン
【化40】

エタノール/THF(1:1)8ml中の3−メチル−4−ニトロ−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン27mg(90μmol)および酸化白金(IV)10mg(40μmol)の混合物を、水素雰囲気中、大気圧下で終夜撹拌する。次いで、Celite を通して懸濁液を濾過し、Celite をエタノールで洗浄する。濾液を濃縮し、標的の生成物を得る。
収量:21mg(理論値の83%)
LC−MS(方法9):R=1.70分
MS(ESIpos.):m/z=278(M+H)
【0110】
実施例27A
N−(2−フルオロ−4−ニトロフェニル)−3−メチル−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−アミン
【化41】

脱気トルエン3ml中の3−メチル−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−アミン29mg(100μmol)、2−フルオロ−1−ヨード−4−ニトロベンゼン33mg(130μmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム5mg(10μmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン6mg(10μmol)およびナトリウムtert−ブトキシド14mg(150μmol)の溶液を、100℃で終夜撹拌する。室温に冷却後、反応混合物を直接シリカゲルカラムに載せ、分離する(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル10:1から8:2)。
収量:20mg(理論値の46%)
LC−MS(方法9):R=2.78分
MS(ESIpos.):m/z=417(M+H)
【0111】
実施例28A
2−フルオロ−N−(3−メチル−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ベンゼン−1,4−ジアミン
【化42】

N−(2−フルオロ−4−ニトロフェニル)−3−メチル−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−アミン20mg(50μmol)を、エタノール/THF(1:1)の混合物8mlに溶解する。酸化白金(IV)11mg(50μmol)を添加し、混合物を水素雰囲気下、大気圧で終夜撹拌する。次いで、Celite を通して懸濁液を濾過し、Celite を少量のエタノールで洗浄し、溶媒を減圧下で除去する。
収量:17mg(理論値の95%)
LC−MS(方法8):R=2.39分
MS(ESIpos.):m/z=387(M+H)
【0112】
実施例29A
4−(ジベンジルアミノ)−2,6−ジフルオロ安息香酸
【化43】

−78℃で、N,N−ジベンジル−3,5−ジフルオロアニリン(Florvall, Lennart; Fagervall, Ingrid; Larsson, Lars-Gunnar; Ross, Svante B.; Eur. J. Med. Chem. Chim. Ther. 1999, 34, 137-152.)10.0g(32.3mmol)を、最初にTHF90mlに加える。2.5Mn−ブチルリチウムのヘキサン溶液12.9ml(32.3mmol)を滴下して添加し、混合物をこの温度で45分間撹拌する。次いで、過剰のドライアイスを添加する。混合物をこの温度でもう1時間撹拌し、次いで、ゆっくりと室温に温まらせる。水を反応溶液に添加し、次いでそれをtert−ブチルメチルエーテルで2回抽出する。水相を4N塩酸10mlで酸性化し、沈殿の形成をもたらす。混合物をジクロロメタンで2回抽出し、合わせた相を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で除去する。
収量:8.1g(理論値の71%)
LC−MS(方法2):R=2.59分
MS(ESIpos.):m/z=354(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = 4.78 (s, 4H), 6.33-6.42 (m, 2H), 7.22-7.39 (m, 10H), 12.80 (br. s, 1H).
【0113】
実施例30A
エチル[4−(ジベンジルアミノ)−2,6−ジフルオロフェニル]カルバメート
【化44】

4−(ジベンジルアミノ)−2,6−ジフルオロ安息香酸2.60g(7.36mmol)を、ジオキサン20mlに溶解する。ジフェニルホスフィルアジド2.42g(8.83mmol)、次いでトリエチルアミン1.08g(10.7mmol)を滴下して添加し、混合物を室温で1時間撹拌する。次いで、エタノール6.0mlを添加し、混合物を還流下で2時間加熱する。次いで、反応溶液を濃縮し、残渣をジクロロメタンに溶解する。溶液を半ば濃縮した(semiconcentrated)重炭酸ナトリウム溶液および水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で除去する。残渣をシリカゲルのクロマトグラフィー(移動相:ジクロロメタン)により精製する。得られる油状物を少量のジクロロメタンに溶解する。少量のペンタンを添加してスクラッチすることにより結晶を得、それを吸引濾過する。
収量:2.2g(理論値の75%)
LC−MS(方法2):R=2.86分
MS(ESIpos.):m/z=397(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = 1.18 (t, 3H), 4.03 (q, 2H), 4.73 (s, 4H), 6.30-6.37 (m, 2H), 7.22-7.28 (m, 6H), 7.32-7.37 (m, 4H), 8.55 (br. s, 1H).
【0114】
実施例31A
,N−ジベンジル−2,6−ジフルオロベンゼン−1,4−ジアミン
【化45】

エチル[4−(ジベンジルアミノ)−2,6−ジフルオロフェニル]カルバメート2.10g(5.30mmol)を、エタノール40mlに溶解する。粉末状水酸化カリウム3.0g(53mmol)を添加し、混合物を還流で20時間加熱する。次いで、溶媒を除去し、水およびジクロロメタンを残渣に添加する。有機相を分離し、水で3回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮する。残渣を酢酸エチルに取り、活性炭で澄ませる。ペンタンを使用して結晶を得、それを吸引濾過する。
収量:1.2g(理論値の70%)
LC−MS(方法3):R=2.91分
MS(ESIpos.):m/z=325(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 4.56 (s, 4H), 6.21-6.36 (m, 2H), 7.19-7.36 (m, 10H).
【0115】
実施例32A
,N−ジベンジル−2,6−ジフルオロ−N−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イルベンゼン−1,4−ジアミン
【化46】

脱気tert−ブタノール1.50ml中の4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン100mg(660μmol)、2−N,N−ジベンジル−2,6−ジフルオロベンゼン−1,4−ジアミン255mg(790μmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム30mg(30μmol)およびジシクロヘキシル(2',4',6'−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィン31mg(70μmol)および炭酸カリウム199mg(1.44mmol)の溶液を、密閉容器中、100℃で3時間撹拌する。室温に冷却後、Celite を通して混合物を濾過し、Celite を酢酸エチル/メタノール(1:1)で洗浄し、濾液を減圧下で濃縮する。残渣のシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル1:1、酢酸エチル/メタノール100:1から95:5)により、標的の生成物を得る。化合物をこれ以上精製せずに反応させる。
収量:122mg(理論値の42%)
LC−MS(方法3):R=2.20分
MS(ESIpos.):m/z=441(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = 4.76 (s, 4H), 5.82 (d, 1 H), 6.48-6.58 (m, 3H), 7.12 (s, 1H), 7.21-7.43 (m, 10H), 7.76 (d, 1H), 7.91 (s, 1H), 11.25 (s, 1H).
【0116】
実施例33A
2,6−ジフルオロ−N−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イルベンゼン−1,4−ジアミン
【化47】

1M塩酸水溶液706μl(706μmol)および10%パラジウム/炭25mg(24μmol)を、エタノール40ml中のN,N−ジベンジル−2,6−ジフルオロ−N−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イルベンゼン−1,4−ジアミン140mg(235μmol)の溶液に添加し、混合物を水素雰囲気中、大気圧で終夜水素化する。Celite を通して混合物を濾過し、溶媒を減圧下で除去し、残渣を分取RP−HPLCにより精製する。
収量:52mg(理論値の86%)
LC−MS(方法3):R=0.74分
MS(ESIpos.):m/z=261(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 6.02 (s, 2H), 6.16-6.35 (m, 1H), 6.39 (s, 1H), 6.40 (s, 1H), 7.29-7.43 (m, 1H), 7.98 (d, 1H), 9.66 (s, 1H), 12.38 (s, 1H).
【0117】
実施例34A
1−メチル−4−ニトロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
【化48】

水素化ナトリウム170mg(4.29mmol)を、無水DMA10ml中の4−ニトロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(Antonini, Ippolito; Claudi, Francesco; Cristalli, Gloria; Franchetti, Palmarisa; Grifantini, Mario; Martelli, Sante; J. Med. Chem. 1982, 25, 1258-1261.)500mg(3.06mmol)の溶液に添加し、懸濁液を30分間撹拌する。次いで、無水DMA2ml中のヨウ化メチル230μl(3.68mmol)の溶液を、ゆっくりと滴下して添加し、混合物を再度60分間撹拌する。減圧下で濃縮した後、残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル10:1)により精製する。
収量:318mg(理論値の59%)
LC−MS(方法8):R=3.10分
MS(ESIpos.):m/z=178(M+H).
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 3.93 (s, 3H), 6.69 (d, 1H), 7.94 (d, 1H), 7.99 (d, 1H), 8.56 (d, 1H).
【0118】
実施例35A
1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−アミン
【化49】

1−メチル−4−ニトロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン300mg(1.69mmol)を、エタノール/THF(1:1)20mlの混合物に溶解する。酸化白金(IV)38mg(0.17mmol)を添加し、混合物を水素雰囲気中、大気圧で終夜水素化する。Celite を通して混合物を濾過し、溶媒を減圧下で除去する。
収量:265mg(定量的)
LC−MS(方法10):R=1.70分
MS(ESIpos.):m/z=148(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = 3.68 (s, 3H), 6.02-6.21 (m, 3H), 6.47 (d, 1H), 7.07 (d, 1H), 7.74 (d, 1H).
【0119】
実施例36A
N−(2−フルオロ−4−ニトロフェニル)−1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−アミン
【化50】

脱気トルエン中の8ml中の1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−アミン260mg(1.77mmol)、2−フルオロ−1−ヨード−4−ニトロベンゼン566mg(2.12mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム81mg(0.09mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン98mg(0.18mmol)およびナトリウムtert−ブトキシド238mg(2.47mmol)の溶液を、100℃で終夜撹拌する。室温に冷却後、反応混合物を直接シリカゲルカラムに載せ、分離する(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル10:1から1:1)。
収量:210mg(理論値の42%)
LC−MS(方法8):R=1.89分
MS(ESIpos.):m/z=287(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 3.80 (s, 3H), 6.48 (d, 1H), 6.83 (d, 1H), 7.35 (dd, 1H), 7.40 (d, 1 H), 8.03 (d, 1H), 8.13 (d, 1H), 8.18 (d, 1H), 9.32 (s, 1H).
【0120】
実施例37A
2−フルオロ−N−(1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ベンゼン−1,4−ジアミン
【化51】

N−(2−フルオロ−4−ニトロフェニル)−1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−アミン195mg(0.68mmol)を、エタノール/THF(1:1)混合物10mlに溶解する。酸化白金(IV)15mg(0.07mmol)を添加し、混合物を水素雰囲気下、大気圧で終夜撹拌する。次いで、Celite を通して懸濁液を濾過し、Celite を少量のエタノールで洗浄し、溶媒を減圧下で除去する。
収量:204mg(定量)
LC−MS(方法10):R=2.10分
MS(ESIpos.):m/z=257(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 3.73 (s, 3H), 5.41 (s, 2H), 5.98 (d, 1H), 6.34-6.58 (m, 3H), 6.99 (dd, 1H), 7.17 (d, 1H), 7.81 (d, 1H), 8.13 (s, 1H).
【0121】
実施例38A
(4−ニトロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−アミン
【化52】

脱気tert−ブタノール3.00ml中の4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン300mg(1.97mmol)、4−ニトロアニリン326mg(2.36mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム90mg(0.10mmol)、ジシクロヘキシル(2',4',6'−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィン51mg(0.1mmol)および炭酸カリウム598mg(4.33mmol)の溶液を、密閉圧力容器中、100℃で3時間撹拌する。室温に冷却後、珪藻土を通して反応混合物を濾過し、珪藻土を酢酸エチル/メタノール100:5で洗浄し、濾液の溶媒を除去する。残渣をジクロロメタンに取る。結晶化した固体を濾過し、ジクロロメタンで洗浄し、乾燥する。母液および濾液を合わせ、減圧下で濃縮する。分取HPLCにより残渣を精製し、標的の生成物を得る。
収量:340mg(理論値の78%)
LC−MS(方法3):R=1.38分
MS(ESIpos.):m/z=255(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 6.48-6.58 (m, 1H), 6.97 (d, 1H), 7.28-7.42 (m, 3H), 8.08 (d, 1H), 8.19 (d, 2H), 9.55 (s, 1H), 11.62 (s, 1H).
【0122】
実施例39A
N−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イルベンゼン−1,4−ジアミン
【化53】

10%パラジウム/炭36mgを、エタノール6ml中のN−(4−ニトロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−アミン170mg(0.67mmol)の溶液に添加し、懸濁液を水素雰囲気中、大気圧で終夜撹拌する。Celite を通して懸濁液を濾過し、Celite をエタノールで洗浄する。減圧下で濃縮し、標的の生成物を得る。
収量:151mg(理論値の100%)
LC−MS(方法1):R=2.10分
MS(ESIpos.):m/z=225(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 4.98 (s, 2H), 6.24 (d, 1H), 6.51 (d, 1H), 6.59 (d, 2H), 6.95 (d, 2H), 7.08 (d, 1H), 7.50 (d, 1H), 8.12 (s, 1H), 11.15 (s, 1H).
【0123】
実施例40A
N−(2−フルオロ−4−ニトロフェニル)−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−アミン
【化54】

4−クロロ−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン300mg(1.06mmol)、2−クロロ−4−ニトロアニリン199mg(1.27mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム49mg(0.05mmol)およびジシクロヘキシル(2',4',6'−トリイソプロピル−ビフェニル−2−イル)ホスフィン51mg(0.11mmol)および炭酸カリウム322mg(2.33mmol)および脱気tert−ブタノール3.00mlの溶液を、密閉圧力容器中、100℃で3時間撹拌する。室温に冷却後、珪藻土を通して反応混合物を濾過し、珪藻土を酢酸エチルで洗浄し、濾液の溶媒を除去する。残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(移動相:勾配シクロヘキサン/酢酸エチル10:1から8:2)により精製する。
収量:403mg(理論値の78%)
LC−MS(方法1):R=2.71分
MS(ESIpos.):m/z=403(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = 0.00 (s, 9H), 0.91 (t, 2H), 3.61 (t, 2H), 5.69 (s, 2H), 6.59 (d, 1H), 6.94 (d, 1H), 7.47 (t, 1H), 7.60 (d, 1H), 8.14 (dd, 1H), 8.23 (d, 1H), 8.28 (dd, 1H), 9.47 (d, 1H).
【0124】
実施例41A
N−(2−フルオロ−4−ニトロフェニル)−N−メチル−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−アミン
【化55】

DMA0.75ml中のN−(2−フルオロ−4−ニトロフェニル)−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−アミン100mg(0.25mmol)の溶液を、DMA0.75ml中の水素化ナトリウム30mg(0.75mmol)の懸濁液に滴下して添加し、混合物を室温で30分間撹拌する。次いで、ヨウ化メチル77μl(1.24mmol)をゆっくりと滴下して添加し、混合物をさらに30分間撹拌する。次いで水を添加し、混合物をジクロロメタンで2回抽出する。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下で除去し、残渣を分取HPLCにより精製する。
収量:71mg(理論値の69%)
LC−MS(方法2):R=2.68分
MS(ESIpos.):m/z=417(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = -0.11 (s, 9H), 0.78 (t, 2H), 3.48 (t, 2H), 3.52 (s, 3H), 5.49 (d, 1H), 5.55 (s, 2H), 6.82 (d, 1H), 7.34 (d, 1H), 7.53 (dd, 1H), 8.07-8.18 (m, 3H).
【0125】
実施例42A
N−(2−フルオロ−4−ニトロフェニル)−N−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−アミン
【化56】

ジクロロメタン2ml中のN−(2−フルオロ−4−ニトロフェニル)−N−メチル−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−アミン71mg(0.17mmol)の溶液およびトリフルオロ酢酸1.0ml(13.0mmol)を、室温で3時間撹拌する。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣をTHF2mlに取り、1M水酸化リチウム水溶液1.02ml(1.02mmol)を添加し、混合物を室温で終夜撹拌する。反応を完了させるために、さらに0.5ml(0.5mmol)の水酸化リチウム溶液を添加し、混合物をさらに一夜撹拌する。飽和重炭酸ナトリウム溶液を混合物に添加し、混合物を酢酸エチルで2回抽出する。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下で除去する。残渣を分取HPLCにより精製する。
収量:26mg(理論値の54%)
LC−MS(方法2):R=1.46分
MS(ESIpos.):m/z=287(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = 3.53 (s, 3H), 5.42-5.50 (m, 1H), 6.75 (d, 1H), 7.13-7.23 (m, 1H), 7.43-7.53 (m, 1H), 8.11 (d, 1H), 8.07-8.20 (m, 2H), 11.59 (s, 1H).
【0126】
実施例43A
2−フルオロ−N−メチル−N−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イルベンゼン−1,4−ジアミン
【化57】

10%パラジウム/炭9mgを、エタノール10ml中のN−(2−フルオロ−4−ニトロフェニル)−N−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−アミン28mg(0.08mmol)の溶液に添加し、懸濁液を水素雰囲気中、大気圧で終夜撹拌する。珪藻土を通して懸濁液を濾過し、珪藻土をエタノールで洗浄する。減圧下で濃縮し、標的の生成物を得る。
収量:22mg(理論値の98%)
LC−MS(方法2):R=0.97分
MS(ESIpos.):m/z=257(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 3.26 (s, 3H), 5.03-5.12 (m, 1H), 5.52 (s, 2H), 6.28 (d, 1H), 6.34-6.46 (m, 2H), 6.83-6.92 (m, 1H), 6.93-7.04 (m, 1H), 7.90 (d, 1H), 11.16 (s, 1H).
【0127】
実施例44A
N−(2−クロロ−4−ニトロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−アミン
【化58】

変法A:脱気tert−ブタノール2.00ml中の4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン200mg(1.31mmol)、2−クロロ−4−ニトロアニリン271mg(1.57mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム60mg(0.07mmol)、ジシクロヘキシル(2',4',6'−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィン62mg(0.13mmol)および炭酸カリウム399mg(2.88mmol)の溶液を、密閉圧力容器中、100℃で3時間撹拌する。次いで、混合物を室温に冷却し、さらに136mg(0.79mmol)の2−クロロ−4−ニトロアニリン、31mg(0.07mmol)のジシクロヘキシル(2',4',6'−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィンおよび30mg(0.04mmol)のトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムを添加し、混合物を100℃でさらに3時間撹拌する。
【0128】
変法B:4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン200mg(1.31mmol)、2−クロロ−4−ニトロアニリン678mg(3.93mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム60mg(0.07mmol)、ジシクロヘキシル(2',4',6'−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィン62mg(0.13mmol)および炭酸カリウム399mg(2.88mmol)および脱気tert−ブタノール2.50mlの混合物を、密閉圧力容器中、100℃で3時間撹拌する。
【0129】
室温に冷却後、両方の合成変法の反応混合物を、Celite を通して濾過し、Celite を酢酸エチルで洗浄し、濾液を減圧下で濃縮する。残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(移動相シクロヘキサン/酢酸エチル10:1から100%酢酸エチル)に付す。
【0130】
これにより、部分的に精製された生成物(純度67%)145mgを得、その30mgを分取HPLCにより精製する。
LC−MS(方法1):R=1.28分
MS(ESIpos.):m/z=289(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 6.14-6.23 (m, 1H), 6.90 (d, 1H), 7.15 (d, 1H), 7.31-7.40 (m, 1H), 8.08 (dd, 1H), 8.12 (d, 1H), 8.34 (d, 1H), 9.01 (s, 1H), 11.68 (s, 1H).
【0131】
実施例45A
2−クロロ−N−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イルベンゼン−1,4−ジアミン
【化59】

変法A:DMF2.5ml中のN−(2−クロロ−4−ニトロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−アミン55mg(130μmol)および塩化スズ(II)二水和物144mg(640μmol)の溶液を、室温で4時間撹拌する。次いで、さらに144mgの塩化スズ(II)二水和物を添加し、混合物をさらに4時間撹拌する。次いで、溶液を酢酸エチルで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム溶液を使用してpHを9−10に合わせる。珪藻土を通して混合物を濾過する。濾液の2つの相を分離し、酢酸エチルを水相に添加し、この混合物を、先に使用したCelite を通して再度濾過する。この段階を繰り返した後、有機相を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下で除去する。残渣を分取HPLCにより精製する。
収量:5mg(理論値の15%)
LC−MS(方法1):R=0.92分
MS(ESIpos.):m/z=259(M+H)
【0132】
変法B:水2.40ml中の塩化鉄(III)10mg(60μmol)の溶液、次いで、粉末状の鉄38mg(170μmol)を、エタノール3.60ml中のN−(2−クロロ−4−ニトロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−アミン16mg(60μmol)の溶液に添加する。80℃で3時間撹拌した後、珪藻土を通して懸濁液を濾過し、珪藻土をエタノールで洗浄する。溶媒を減圧下で除去し、残渣をジクロロメタン/メタノール10:1の混合物に溶解し、シリカゲルのカラム濾過により粗く精製する。これにより、粗生成物22mgを得、これ以上精製せずに直接反応させる。
【0133】
実施例46A
,N−ジベンジル−2,6−ジフルオロ−N−{3−メチル−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル}ベンゼン−1,4−ジアミン
【化60】

脱気tert−ブタノール5.00ml中の4−クロロ−3−メチル−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン250mg(0.78mmol)、N,N−ジベンジル−2,6−ジフルオロベンゼン−1,4−ジアミン303mg(0.94mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム36mg(0.05mmol)、ジシクロヘキシル(2'4',6'−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィン156mg(0.33mmol)および炭酸カリウム237mg(1.71mmol)の溶液を、密閉圧力容器中、100℃で3時間撹拌する。室温に冷却後、Celite を通して混合物を濾過し、Celite を酢酸エチルで洗浄し、濾液を減圧下で濃縮する。残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル5:1)により精製する。
収量:395mg(理論値の78%)
LC−MS(方法1):R=3.08分
MS(ESIpos.):m/z=609(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 2.32 (s, 3H), 2.41 (s, 3H), 4.77 (s, 4H), 5.89 (d, 1H), 6.41-6.53 (m, 2H), 7.17-7.31 (m, 7H), 7.32-7.42 (m, 6H), 7.82 (d, 1H), 7.91 (d, 2H), 8.33 (s, 1H).
【0134】
実施例47A
,N−ジベンジル−2,6−ジフルオロ−N−(3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ベンゼン−1,4−ジアミン
【化61】

20%強度水酸化ナトリウム水溶液5mlを、エタノール15ml中のN,N−ジベンジル−2,6−ジフルオロ−N−{3−メチル−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル}ベンゼン−1,4−ジアミン390mg(0.66mmol)の溶液に添加し、混合物を終夜撹拌する。次いで、反応溶液を水と酢酸エチルの混合物に注ぎ、水相をもう2回酢酸エチルで抽出する。分取HPLCにより精製し、標的の化合物を得る。
収量:316mg(理論値の100%)
LC−MS(方法1):R=2.02分
MS(ESIpos.):m/z=455(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 2.42 (s, 3H), 4.77 (s, 4H), 5.67 (d, 1H), 6.41-6.52 (m, 2H), 6.88 (d, 2H), 7.23-7.33 (m, 6H), 7.34-7.42 (m, 4H), 7.69 (d, 1H), 10.90 (s, 1H).
【0135】
実施例48A
2,6−ジフルオロ−N−(3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ベンゼン−1,4−ジアミン
【化62】

10%パラジウム/炭66mgを、エタノール20mlおよび1M塩酸1.85ml(1.85mmol)中のN,N−ジベンジル−2,6−ジフルオロ−N−(3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ベンゼン−1,4−ジアミン280mg(0.62mmol)の溶液に添加し、懸濁液を水素雰囲気中、大気圧で終夜撹拌する。Celite を通して懸濁液を濾過し、Celite をメタノールで洗浄し、次いで濾液を減圧下で濃縮する。残渣を分取HPLCにより精製する。
収量:29mg(理論値の17%)
LC−MS(方法1):R=1.32分
MS(ESIpos.):m/z=475(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 2.47 (s, 3H), 5.17-5.82 (m, 3H), 6.26-6.38 (m, 2H), 6.90 (s, 1H), 6.98 (s, 1H), 7.71 (d, 1H), 10.97 (s, 1H).
【0136】
2,6−ジフルオロ−N−(3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ベンゼン−1,4−ジアミン塩酸塩を、さらなる画分として単離する。
【化63】

収量:23mg(理論値の12%)
LC−MS(方法1):R=1.33分
MS(ESIpos.):m/z=475(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 2.49 (s, 3H), 6.02 (s, 2H), 6.12 (d, 1H), 6.33-6.47 (m, 2H), 6.90 (s, 1H), 6.98 (s, 1H), 7.18 (s, 1H), 7.17 (d, 1H), 7.92 (d, 1H), 8.42 (s, 1H), 12.13 (s, 1H), 14.15 (s, 1H).
【0137】
実施例49A
2,2,2−トリフルオロ−N−{3−フルオロ−4−[(1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)メチル]フェニル}アセトアミド
【化64】

3−フルオロ−4−[(1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)メチル]アニリン3.30g(8.88mmol)を、最初にジクロロメタン90mlに加え、トリエチルアミン1.80g(17.8mmol)を添加し、混合物を0℃に冷却する。トリフルオロ酢酸無水物2.80g(13.3mmol)を添加し、混合物を0℃で1時間撹拌する。次いで、飽和重炭酸ナトリウム溶液を添加し、混合物を抽出する。有機相を除去し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮する。残渣をシリカゲルのクロマトグラフィー(移動相:ジクロロメタノール:メタノール=50:1)により精製する。これにより、ゆっくりと結晶化する油状物を得る。
収量:2.65g(理論値の64%)
HPLC(方法2):R=3.10分
MS(ESIpos.):m/z=468[M+H]
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = -0.12 (s, 9H), 0.79 (t, 2H), 3.50 (t, 2H), 4.24 (s, 2H), 5.60 (s, 2H), 6.59 (d, 1H), 6.90 (d, 1H), 7.35-7.44 (m, 2H), 7.57 (dd, 1H), 7.60 (d, 1H), 8.18 (d, 1H), 11.39 (s, 1H).
【0138】
実施例50A
N−{4−[(3−クロロ−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)メチル]−3−フルオロフェニル}−2,2,2−トリフルオロアセトアミド
【化65】

四塩化炭素23ml中の2,2,2−トリフルオロ−N−{3−フルオロ−4−[(1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)メチル]フェニル}アセトアミド550mg(1.07mmol)およびN−クロロスクシンイミド143mg(1.07mmol)を還流で20分間加熱する。冷却後、混合物をジクロロメタン中の水で希釈し、抽出する。有機相を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮する。残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(移動相:漸増する量のメタノールを含むジクロロメタン)により精製する。
収量:513mg(理論値の96%)
HPLC(方法2):R=3.23分
MS(ESIpos.):m/z=502[M+H]
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = -0.11 (s, 9H), 0.81 (t, 2H), 3.52 (t, 2H), 4.52 (s, 2H), 5.61 (s, 2H), 6.86 (d, 1H), 7.11 (t, 1H), 7.40 (dd, 1H), 7.61 (dd, 1H), 7.86 (s, 1H), 8.26 (d, 1H), 11.41 (s, 1H).
【0139】
実施例51A
4−[(3−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)メチル]−3−フルオロアニリン
【化66】

N−{4−[(3−クロロ−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)メチル]−3−フルオロフェニル}−2,2,2−トリフルオロアセトアミド567mg(1.13mmol)を、ジクロロメタン5mlに溶解する。トリフルオロ酢酸5ml(65mmol)を添加し、混合物を室温で3時間撹拌する。次いで、混合物を濃縮し、EAを添加し、混合物を飽和炭酸ナトリウム溶液で洗浄する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮する。残渣をTHF35mlに取り、水15mlおよび水酸化リチウム542mg(22.7mmol)を添加する。混合物を室温で20時間撹拌する。次いで、混合物を減圧下で濃縮し、残渣を水で希釈する。混合物を酢酸エチルで抽出し、抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮する。残渣をシリカゲルのクロマトグラフィー(移動相ジクロロメタン:メタノール25:1)により精製する。これにより結晶を得る。
収量:194mg(理論値の62%)
HPLC(方法1):R=1.86分
MS(ESIpos.):m/z=276[M+H]
【0140】
実施例52A
N−{4−[(3−ブロモ−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)メチル]−3−フルオロフェニル}−2,2,2−トリフルオロアセトアミド
【化67】

四塩化炭素8ml中の2,2,2−トリフルオロ−N−{3−フルオロ−4−[(1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)メチル]フェニル}アセトアミド200mg(0.38mmol)およびN−ブロモスクシンイミド68.5mg(0.38mmol)を、還流で20分間加熱する。冷却後、混合物を水およびジクロロメタンで希釈し、抽出する。有機相を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮する。
収量:204mg(理論値の97%)
HPLC(方法1):R=3.10分
MS(ESIpos.):m/z=546、548[M+H]
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = -0.11 (s, 9H), 0.81 (t, 2H), 3.52 (t, 2H), 4.56 (s, 2H), 5.62 (s, 2H), 6.85 (d, 1H), 7.07 (t, 1H), 7.39 (dd, 1H), 7.62 (dd, 1H), 7.90 (s, 1H), 8.26 (d, 1H), 11.45 (br. s, 1H).
【0141】
実施例53A
N−{4−[(3−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)メチル]−3−フルオロフェニル}−2,2,2−トリフルオロアセトアミド
【化68】

N−{4−[(3−ブロモ−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]−ピリジン−4−イル)メチル]−3−フルオロフェニル}−2,2,2−トリフルオロアセトアミド2.90g(5.31mmol)を、ジクロロメタン40mlに溶解する。トリフルオロ酢酸20mlを添加し、混合物を室温で3時間撹拌する。次いで、混合物を濃縮し、酢酸エチルを添加し、混合物を飽和炭酸ナトリウム溶液と振盪する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮する。得られる粗生成物をTHF100mlに溶解し、水10ml中の水酸化リチウム550mg(22.9mmol)の溶液を添加する。混合物を室温で30分間撹拌し、次いで水で希釈し、酢酸エチルで抽出する。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液と振盪し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮する。生成物をこれ以上精製せずに反応させる。
収量:1.80g(理論値の69%)
HPLC(方法2):R=2.55分
MS(ESIpos.):m/z=414、416[M+H]
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = 4.55 (s, 2H), 6.74 (d, 1H), 7.09 (t, 1H), 7.40 (dd, 1H), 7.62 (dd, 1H), 7.68 (d, 1H), 8.18 (d, 1H), 11.42 (br. s, 1H), 12.13 (br. s, 1H).
【0142】
実施例54A
N−[4−({3−ブロモ−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル}メチル)−3−フルオロフェニル]−2,2,2−トリフルオロアセトアミド
【化69】

N−{4−[(3−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)メチル]−3−フルオロフェニル}−2,2,2−トリフルオロアセトアミド1.70g(4.08mmol)を、THF50mlに溶解し、−78℃に冷却する。n−ブチルリチウム(2.81ml、ヘキサン中1.6M、4.49mmol)の溶液を滴下して添加する。15分後、THF5ml中のp−トルエンスルホニルクロリド860mg(4.49mmol)の溶液を滴下して添加する。混合物を室温に温まらせ、1時間撹拌する。次いで、水および飽和重炭酸ナトリウム溶液を添加し、混合物を酢酸エチルで抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥する。溶媒を減圧下で除去し、残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(移動相ジクロロメタン:エタノール=50:1)により精製する。
収量:1.10g(理論値の47%)
HPLC(方法2):R=3.08分
MS(ESIpos.):m/z=570、572[M+H]
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = 2.36 (s, 3H), 4.53 (s, 2H), 6.96 (d, 1H), 7.08 (t, 1H), 7.40 (dd, 1H), 7.44 (d, 2H), 7.61 (dd, 1H), 8.03 (d, 2H), 8.18 (s, 1H), 8.32 (d, 1H), 11.43 (s, 1H).
【0143】
実施例55A
4−(4−アミノ−2−フルオロベンジル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル
【化70】

N−[4−({3−ブロモ−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル}−メチル)−3−フルオロフェニル]−2,2,2−トリフルオロアセトアミド1.70g(2.98mmol)、酢酸亜鉛219mg(1.19mmol)、亜鉛粉末78mg(1.19mmol)、シアン化亜鉛189mg(1.61mmol)、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン50.0mg(0.09mmol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム27.3mg(0.03mmol)を最初に加える。アルゴン下、DMF17mlおよび水0.17mlの脱気混合物を添加し、混合物を100℃で20時間加熱する。水10ml、THF8mlおよび水酸化リチウム1.21g(50.3mmol)を粗製の混合物に添加し、次いでそれを室温で20時間撹拌する。混合物を少し濃縮し、酢酸エチルで抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮する。生成物をシリカゲルのクロマトグラフィー(移動相:ジクロロメタン:メタノール25:1)により精製する。
収量:477mg(理論値の35%)
LC−MS(方法3):R=1.84分
MS(ESIpos.):m/z=267[M+H]
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 4.25 (s, 2H), 5.31 (s, 2H), 6.30-6.37 (m, 2H), 6.83 (d, 1H), 6.89 (t, 1H), 8.25 (d, 1H), 8.42 (s, 1H), 12.2 (br. s, 1H).
【0144】
実施例56A
4−クロロ−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−3−(トリメチルスタンニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
【化71】

シュレンクフラスコ(高真空下で加熱し、アルゴンで換気することにより乾燥したもの)中、4−クロロ−3−ヨード−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(2.31mmol)1.0gを、最初に無水THF(30ml)に加え、−78℃に冷却する。次いで、tert−ブチルリチウム(ペンタン中1.7M)(4.85mmol)2.85mlを、ゆっくりと滴下して添加し、混合物を−78℃で30分間撹拌する。次いで、1Mトリメチル塩化スズのTHF溶液2.42mlを滴下して添加し、混合物を室温に終夜温まらせる。次いで、飽和フッ化カリウム溶液10mlを添加し、有機相を分離し、酢酸エチルで1回抽出する。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶液を濃縮する。生成物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製する(移動相:トルエン/酢酸エチル20:1)。
LC−MS(方法2):R=3.31分
MS(ESIpos.):m/z=471(M+H)+
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 0.40 (s, 9H), 2.35 (s, 3H), 7.40-7.45 (m, 3H), 7.67 (s, 1H), 8.05 (d, 2H), 8.30 (d, 1H).
【0145】
実施例57A
4−クロロ−3−フルオロ−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
【化72】

4−クロロ−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−3−(トリメチルスタンニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン488mg(1.03mmol)を、無水アセトニトリル20mlに最初に加える。次いで、Selectfluor(登録商標)368mg(1.03mmol)を一度に添加し、混合物を室温で終夜撹拌しておく。後処理に、形成する沈殿を吸引濾過し、濾液を濃縮する。残渣を分取HPLCにより精製する。生成物は固体である。
LC−MS(方法3):R=2.80分
MS(ESIpos.):m/z=325(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 2.34 (s, 3H), 7.43 (d, 2H), 7.52 (d, 1H), 7.97 (d, 2H), 8.15 (d, 1H), 8.40 (d, 1H).
【0146】
実施例58A
3−フルオロ−N−(2−フルオロ−4−ニトロフェニル)−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−アミン
【化73】

脱気tert−ブタノール1.00ml中の4−クロロ−3−フルオロ−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン20mg(0.06mmol)、2−フルオロ−4−ニトロアニリン11.5mg(0.074mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム5.6mg(0.006mmol)、ジシクロヘキシル(2',4',6'−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィン5.8mg(0.012mmol)および炭酸カリウム12.7mg(0.09mmol)の溶液を、密閉圧力容器中、100℃で3時間撹拌する。室温に冷却後、珪藻土を通して反応混合物を濾過し、珪藻土を酢酸エチルで洗浄し、溶媒を濾液から除去する。残渣を分取HPLCにより精製する。
収量:21.5mg(理論値の67%)
LC−MS(方法1):R=2.56分
MS(ESIpos.):m/z=445(M+H)
【0147】
実施例59A
3−フルオロ−N−(2−フルオロ−4−ニトロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−アミン
【化74】

20%強度水酸化ナトリウム水溶液0.4mlを、エタノール5ml中の3−フルオロ−N−(2−フルオロ−4−ニトロフェニル)−1−[(4−メチルフェニル)−スルホニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−アミン80mg(0.18mmol)の溶液に添加し、混合物を終夜撹拌する。次いで、反応溶液を水と酢酸エチルの混合物に注ぎ、水相をもう2回酢酸エチルで抽出する。分取HPLCにより精製し、標的の化合物を得る。
収量:47.5mg(理論値の91%)
LC−MS(方法1):R=1.89分
MS(ESIpos.):m/z=291(M+H)
【0148】
実施例60A
2−フルオロ−N−(3−フルオロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ベンゼン−1,4−ジアミン
【化75】

酸化白金(IV)4mgを、エタノール5ml中の3−フルオロ−N−(2−フルオロ−4−ニトロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−アミン47mg(0.17mmol)の溶液に添加し、懸濁液を水素雰囲気中、大気圧で終夜撹拌する。珪藻土を通して懸濁液を濾過し、珪藻土をエタノールで洗浄し、濾液を濃縮する。生成物を分取HPLCにより精製する。
収量:7.8mg(理論値の16%)
LC−MS(方法2):R=1.14分
MS(ESIpos.):m/z=261(M+H)
【0149】
実施例61A
4−クロロ−3−ヨード−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
【化76】

4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン250g(1.64mol)および粉末状水酸化カリウム328g(5.85mol)を、最初にDMF3000mlに加え、0℃に冷却する。冷却しながら、DMF3000ml中のヨウ素416g(1.64mol)の溶液を、この懸濁液に滴下して添加し、混合物を、添加の終了後に、0℃で4時間撹拌する。反応を完了させるために、混合物を撹拌しながら氷水に添加し、形成される固体を吸引濾過し、次いで高真空下で乾燥する。これにより、表題化合物403g(理論値の88%)を固体として得る。
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 7.21 (d, 1H, H-arom), 7.81 (d, 1H, H-arom), 8.19 (d, 1H, H-arom), 12.45 (br s, 1H, N-H).
【0150】
実施例62A
4−クロロ−1−(トルエン−4−スルホニル)−3−ヨード−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
【化77】

保護ガス(アルゴン)の雰囲気下、水素化ナトリウム63.5g(1.59mol)を無水THF1000mlに懸濁する。冷却しながら、0−5℃の温度で、無水THF3000ml中の4−クロロ−3−ヨード−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン402g(1.44mol)の溶液を滴下して添加し、反応混合物を、添加の終了後に、15分間撹拌しておく。p−トルエンスルホニルクロリド358g(1.88mol)を少しずつ反応混合物に添加し、温度が5ないし10℃に維持されるようにする。添加の終了後、混合物を20℃に温まらせ、この温度でさらに1時間撹拌する。完全な変換の後(変換はTLCによりモニターする)、飽和重炭酸ナトリウム溶液20lおよび酢酸エチル10lを反応混合物に添加し、混合物を抽出し、有機相を分離する。水相を各回10lの酢酸エチルでもう2回再抽出し、有機相を合わせ、乾燥し、水ポンプの真空下、揮発性成分を除く。結晶性粗生成物の精製のために、生成物をジクロロメタンに取り、シリカゲル(ジクロロメタン:石油エーテル=3:7)でクロマトグラフィーする。溶媒を減圧下で除去し、結晶のスラリーをジエチルエーテルでトリチュレートし、吸引濾過し、20℃、高真空下で乾燥する。表題化合物372g(理論値の60%)を固体として単離する。
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 2.35 (s, 3H, -CH3), 7.44 (d, 2H, H-arom), 7.46 (d, 1H, H-arom), 8.02 (d, 2H, H-arom), 8.23 (s, 1H, H-arom), 8.34 (d, 1H, H-arom).
【0151】
実施例63A
4−クロロ−1−(トルエン−4−スルホニル)−3−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
【化78】

保護ガス(アルゴン)雰囲気下、乾燥フッ化カリウム23.1g(0.398mol)およびヨウ化銅(I)75.7g(0.398mol)を、相互にすり合わせ、高真空下で振盪しながら、僅かに緑色がかった変色があるまで、220℃で10分間加熱する。フッ化カリウムとヨウ化銅(I)の焼結混合物を、無水N−メチルピロリジン170mlおよび無水DMF170mlと共に、最初に保護ガス(アルゴン)雰囲気下で反応フラスコに入れ、次いで、4−クロロ−1−(トルエン−4−スルホニル)3−ヨード−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン86g(0.199mol)を、20℃で撹拌しながら少しずつ添加する。その際、明灰色の懸濁液が形成される。20分間かけて、トリメチルトリフルオロメチルシラン62.1g(0.437mol)を反応混合物に滴下して添加し、混合物を20℃で18時間撹拌する。完全に変換した後(変換はGCによりモニターする)、反応混合物をメチルtert−ブチルエーテル2000mlに注ぎ、有機相をデカンタし、残渣をもう1回メチルtert−ブチルエーテルに分散させる。合わせた有機相を各回2000mlの水で3回洗浄し、次いで、硫酸マグネシウムで乾燥する。濾過し、水ポンプの真空下で揮発性成分を除去し、標的の化合物50.1g(理論値の67%)を固体として得る。
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 2.37 (s, 3H, -CH3), 7.48 (d, 2H, H-arom), 7.62 (d, 1H, H-arom), 8.12 (d, 2H, H-arom), 8.47 (d, 1H, H-arom), 8.67 (s, 1H, H-arom).
【0152】
実施例64A
4−クロロ−3−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
【化79】

テトラ−n−ブチルアンモニウムフロリド52.3g(200mmol)を、無水THF250ml中の4−クロロ−1−(トルエン−4−スルホニル)−3−トリフルオロメチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン30g(80.0mmol)の溶液に添加し、混合物を20℃で20分間撹拌する。完全な変換の後(TLCによりモニターする)、飽和重炭酸ナトリウム溶液300mlを添加し、次いで、混合物を各回500mlの酢酸エチルで3回抽出する。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、揮発性成分を水ポンプの真空下で除く。シリカゲルのクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=30:1)により結晶性粗生成物を精製し、表題化合物13.1g(理論値の74%)を固体として得る。
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 7.40 (d, 1H, H-arom), 8.28 (s, 1H, H-arom), 8.34 (d, 1H, H-arom), 12.88 (br s 1H, N-H).
【0153】
実施例65A
4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
【化80】

0℃で、水素化ナトリウム37mg(0.90mmol)を、DMF(10ml)中の4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン200mg(0.90mmol)およびトリメチルシリルエトキシメチルクロリド177μl(0.99mmol)の溶液に添加する。反応混合物を室温で1時間撹拌する。反応混合物を氷水に注ぎ、混合物が室温に達するまで撹拌する。次いで、混合物を酢酸エチルで3回抽出する。合わせた有機相を、重炭酸ナトリウムおよび塩化ナトリウムの飽和溶液で連続的に洗浄する。有機溶液を硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮する。残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル10:1)により精製する。
収量:286mg(理論値の90%)
LC−MS(方法2):R=3.26分
MS(ESIpos.):m/z=351(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = -0.09 (s, 9H), 0.93 (t, 2H), 3.63 (t, 2H), 5.84 (s, 2H), 7.48 (d, 1H), 8.40 (d, 1H), 8.52 (s, 1H).
【0154】
実施例66A
N−(2−フルオロ−4−ニトロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−アミン
【化81】

脱気tert−ブタノール3.00ml中の4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン170mg(0.485mmol)、2−フルオロ−4−ニトロアニリン91mg(0.58mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム31mg(0.035mmol)、ジシクロヘキシル(2',4',6'−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィン33mg(0.07mmol)および炭酸カリウム100mg(0.72mmol)の溶液を、密閉圧力容器中、100℃で3時間撹拌する。室温に冷却後、珪藻土を通して反応混合物を濾過し、珪藻土を酢酸エチルで洗浄し、濾液から溶媒を除く。残渣を分取HPLCにより精製する。
収量:187mg(理論値の82%)
LC−MS(方法3):R=3.32分
MS(ESIpos.):m/z=471(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = -0.08 (s, 9H), 0.84 (t, 2H), 3.58 (t, 2H), 5.70 (s, 2H), 7.04 (t, 1H), 7.24 (d, 1H), 7.96 (dd, 1H), 8.15 (dd, 1H), 8.40 (s, 1H), 8.43 (d, 1H), 8.47 (s, 1H).
【0155】
実施例67A
N−(2−フルオロ−4−ニトロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−アミン
【化82】

トリフルオロ酢酸3mlを、ジクロロメタン3.00ml中のN−(2−フルオロ−4−ニトロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−アミン182mg(0.387mmol)の溶液に添加し、混合物を室温で30分間撹拌する。溶媒を減圧下で除去する。残渣を酢酸エチルに溶解し、重炭酸ナトリウムおよび塩化ナトリウムの飽和溶液で連続的に洗浄し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶液を濃縮する。これ以上精製せずに生成物を使用する。
収量:129mg(理論値の98%)
LC−MS(方法3):R=2.71分
MS(ESIpos.):m/z=341(M+H)
【0156】
実施例68A
2−フルオロ−N−{3−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル}ベンゼン−1,4−ジアミン
【化83】

10%パラジウム/炭10mgを、エタノール5ml中のN−(2−フルオロ−4−ニトロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−アミン129mg(0.38mmol)の溶液に添加し、懸濁液を水素雰囲気中、大気圧で終夜撹拌する。珪藻土を通して懸濁液を濾過し、珪藻土をエタノールで洗浄する。濾液を濃縮する。生成物を分取HPLCにより精製する。
収量:18mg(理論値の15%)
LC−MS(方法3):R=1.59分
MS(ESIpos.):m/z=311(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 6.18 (dd, 1H), 6.28 (s, 1H), 6.40-6.50 (m, 2H), 7.16 (t, 1H), 7.93 (s, 1H), 7.95 (d, 1H), 12.24 (s, 1H).
【0157】
実施例
実施例1
−[3−フルオロ−4−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イルアミノ)フェニル]−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2,4−ジアミン
【化84】

2−フルオロ−N−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル−1,4−ジアミノベンゼン139mg(0.5mmol)および4−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−アミン147mg(0.75mmol)を、水10mlに懸濁する。1M塩酸0.75mlを添加する。混合物を100℃で終夜加熱する。次いで、1N水酸化ナトリウム水溶液を使用して懸濁液をpH10に合わせ、結晶の沈殿をもたらす。結晶を吸引濾過し、水で洗浄する。粗生成物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(移動相:ジクロロメタン/メタノール(7Mアンモニア)100:1から10:1)により精製する。
収量:62mg(理論値の26%)
LC−MS(方法2):R=1.52分
MS(ESIpos.):m/z=404[M+H]
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = 6.13 (d, 1H), 6.38 (s, 1H), 6.53 (m, 1H), 6.97 (s, 2H), 7.16 (s, 1H), 7.29-7.40 (m, 2H), 7.83 (d, 1H), 8.11 (d, 1H), 8.33 (s, 1H), 9.82 (s, 1H), 11.27 (s, 1H).
【0158】
実施例2
6−クロロ−N−[3−フルオロ−4−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イルアミノ)フェニル]ピリミジン−2,4−ジアミン
【化85】

2−フルオロ−N−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル−1,4−ジアミノベンゼン28mg(0.12mmol)および4,6−ジクロロピリミジン−2−アミン27mg(0.16mmol)を、水5mlに懸濁する。1M塩酸0.16mlを添加し、混合物を100℃で終夜加熱する。次いで、1N水酸化ナトリウム水溶液を使用して、懸濁液をpH10に合わせ、結晶の沈殿をもたらす。固体を濾過し、水で洗浄する。粗生成物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(移動相:ジクロロメタン/メタノール(7Mアンモニア)100:1から10:1)により精製する。
収量:33mg(理論値の73%)
LC−MS(方法3):R=1.47分
MS(ESIpos.):m/z=370(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 6.01 (s, 1H), 6.12 (d, 1H), 6.48-6.53 (m, 1H), 6.84 (s, 2H), 7.16 (d, 1H), 7.23-7.37 (m, 2H), 7.81 (d, 1H), 8.05 (d, 1H), 8.29 (s, 1H), 9.53 (s, 1H), 11.28 (s, 1H).
【0159】
実施例3
−[3−フルオロ−4−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イルアミノ)フェニル]ピリミジン−2,4−ジアミン
【化86】

2−フルオロ−N−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル−1,4−ジアミノベンゼン32mg(0.10mmol)および4−クロロピリミジン−2−アミン18mg(0.14mmol)を、水5mlに懸濁する。1M塩酸0.14mlを添加し、混合物を100℃で終夜加熱する。次いで、1N水酸化ナトリウム水溶液を使用して、懸濁液をpH10に合わせ、結晶の沈殿をもたらす。固体を濾過し、水で洗浄する。粗生成物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(移動相:ジクロロメタン/メタノール(7Mアンモニア)100:1から10:1)により精製する。
収量:19mg(理論値の55%)
LC−MS(方法5):R=2.30分
MS(ESIneg.):m/z=334(M−H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 6.02 (d, 1H), 6.10 (d, 1H), 6.30 (s, 2H), 6.48-6.53 (m, 1H), 7.16 (d, 1H), 7.20-7.29 (m, 1H), 7.31-7.87 (m, 1H), 7.72-7.89 (m, 2H), 8.11 (d, 1H), 8.27 (s, 1H), 9.38 (s, 1H), 11.26 (s, 1H).
【0160】
実施例4
6−クロロ−N−{4−[(3−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)アミノ]−3−フルオロフェニル}ピリミジン−2,4−ジアミン
【化87】

−(3−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−2−フルオロベンゼン−1,4−ジアミン57mg(210μmol)および4,6−ジクロロピリミジン−2−アミン47mg(290μmol)を水5mlに懸濁する。1M塩酸290μl(290μmol)を添加し、混合物を100℃で終夜撹拌する。次いで、1N水酸化ナトリウム水溶液を使用して、懸濁液をpH10に合わせ、結晶の沈殿をもたらす。固体を濾過し、水で洗浄する。シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(移動相:ジクロロメタン/メタノール(7Mアンモニア)100:1から10:1)およびその後の分取RP−HPLCにより、粗生成物を精製する。
収量:9mg(理論値の11%)
LC−MS(方法2):R=1.67分
MS(ESIpos.):m/z=404(M+H)
【0161】
実施例5
6−(4−フルオロフェニル)−N−[3−フルオロ−4−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イルアミノ)フェニル]ピリミジン−2,4−ジアミン
【化88】

2−フルオロ−N−(1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ベンゼン−1,4−ジアミン100mg(0.27mmol)および4−クロロ−6−(4−フルオロフェニル)ピリミジン−2−アミン63mg(0.28mmol)を、水3mlに懸濁する。次いで、37%強度塩酸溶液39μl(0.40mmol)を添加し、混合物を還流下で終夜加熱する。さらに39μl(0.40mmol)の37%強度塩酸溶液を添加した後、混合物を再度還流下で終夜反応させる。次いで、1N水酸化ナトリウム水溶液を使用して、懸濁液をpH10に合わせ、結晶の沈殿をもたらす。固体を濾過し、少量の水で洗浄し、次いでDMSOに溶解し、分取RP−HPLCにより精製する。
収量:32mg(理論値の26%)
LC−MS(方法9):R=1.33分
MS(ESIneg.):m/z=428(M−H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 6.12 (d, 1H), 6.38-6.59 (m, 4H), 7.11-7.18 (m, 1H), 7.22-7.47 (m, 4H), 7.83 (d, 1H), 7.93-8.07 (m, 2H), 8.12 (d, 1H), 8.25 (s, 1H), 9.45 (s, 1H), 11.22 (s, 1H).
【0162】
実施例6
−[3−フルオロ−4−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イルアミノ)フェニル]−6−ピリジン−4−イルピリミジン−2,4−ジアミン
【化89】

2−フルオロ−N−(1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ベンゼン−1,4−ジアミン70mg(0.19mmol)および4−クロロ−6−ピリジン−4−イルピリミジン−2−アミン41mg(0.20mmol)を、水2.5mlに懸濁する。次いで、37%強度塩酸溶液27μl(0.28mmol)を添加し、混合物を還流下で終夜加熱する。次いで、1N水酸化ナトリウム水溶液を使用して、懸濁液をpH10に合わせ、結晶の沈殿をもたらす。固体を濾過し、少量の水で洗浄し、次いでDMSOに溶解し、分取RP−HPLCにより精製する。
収量:14mg(理論値の18%)
LC−MS(方法7):R=1.64分
MS(ESIpos.):m/z=413(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 6.05-6.18 (m, 1H), 6.50-6.72 (m, 4H), 7.08-7.19 (m, 1H), 7.21-7.48 (m, 2H), 7.71-7.93 (m, 3H), 8.07-8.21 (m, 1H), 8.31 (s, 1H), 8.68 (s, 1H), 9.62 (s, 1H), 11.31 (s, 1H).
【0163】
実施例7
6−クロロ−N−[3−フルオロ−4−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イルメチル)フェニル]ピリミジン−2,4−ジアミン
【化90】

3−フルオロ−4−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イルメチル)アニリン40mg(0.15mmol)および4,6−ジクロロピリミジン−2−アミン29mg(0.18mmol)を水2mlおよび2N塩酸0.11mlに懸濁する。反応混合物を還流で15時間加熱する。冷却後、希水酸化ナトリウム水溶液を使用して混合物をアルカリ性にし、少量のDMFを添加し、混合物を酢酸エチルで抽出する。抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で除去する。残渣を分取HPLCにより精製する。
収量:27mg(理論値の50%)
LC−MS(方法2):R=1.89分
MS(ESIpos.):m/z=369[M+H]
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = 4.17 (s, 2H), 5.99 (s, 1H), 6.50-6.52 (m, 1H), 6.77-6.84 (m, 3H), 7.19-7.24 (m, 2H), 7.42 (dd, 1H), 7.83 (d, 1H), 8.11 (d, 1H), 9.47 (s, 1H), 11.62 (s, 1H).
【0164】
実施例8
−[3−フルオロ−4−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イルメチル)フェニル]−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2,4−ジアミン
【化91】

3−フルオロ−4−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イルメチル)アニリン32mg(0.11mmol)および4−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−アミン26mg(0.12mmol)を、水5mlおよび2N塩酸0.07mlに懸濁する。反応混合物を還流で20時間加熱する。冷却後、希水酸化ナトリウム水溶液を使用して混合物をアルカリ性にし、少量のメタノールを添加し、混合物を酢酸エチルで抽出する。抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で除去する。残渣を分取HPLCにより精製する。
収量:24mg(理論値の55%)
LC−MS(方法2):R=2.05分
MS(ESIpos.):m/z=403[M+H]
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = 4.18 (s, 2H), 6.33 (s, 1H), 6.51 (dd, 1H), 6.82 (d, 1H), 6.93 (br. s, 2H), 7.21-7.29 (m, 2H), 7.41 (dd, 1H), 7.89 (dd, 1H), 8.11 (d, 1H), 9.72 (s, 1H), 11.60 (br. s, 1H).
【0165】
実施例9
4−[(2−アミノ−6−クロロピリミジン−4−イル)アミノ]−2−フルオロフェニル1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イルケトン
【化92】

6−クロロ−N−[3−フルオロ−4−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イルメチル)フェニル]ピリミジン−2,4−ジアミンの製造の副生成物として、HPLCによる精製の後に生成物を得た。
LC−MS(方法1):R=1.82分
HRMS:C1812OFClの計算値:382.0745;実測値:382.0748
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = 6.11 (s, 1H), 6.47 (dd, 1H), 7.01 (br. s, 2H), 7.25 (d, 1H), 7.41 (dd, 1H), 7.58 (t, 1H), 7.66 (t, 1H), 8.15 (dd, 1H), 8.39 (d, 1H), 9.96 (s, 1H), 12.05 (br. s, 1H).
【0166】
実施例10
6−クロロ−N−{3−フルオロ−4−[(3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)アミノ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミン
【化93】

2−フルオロ−N−(3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ベンゼン−1,4−ジアミン19mg(70μmol)および4,6−ジクロロピリミジン−2−アミン17mg(10μmol)を、水3.5mlに懸濁する。1M塩酸100μlを添加し、混合物を100℃で終夜加熱する。次いで、1N水酸化ナトリウム水溶液を使用して、懸濁液をpH10に合わせ、結晶の沈殿をもたらす。固体を濾過し、水で洗浄する。粗生成物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(移動相:ジクロロメタン/メタノール(7Mアンモニア)100:1から10:1)により精製する。
収量:9mg(理論値の32%)
LC−MS(方法3):R=1.60分
MS(ESIpos.):m/z=384(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 2.45 (s, 3H), 5.98-6.08 (m, 2H), 6.83 (s, 2H), 6.95 (s, 1H), 7.23-7.36 (m, 2H), 7.40 (s, 1H), 7.78 (d, 1H), 8.00 (d, 1H), 9.51 (s, 1H), 10.99 (s, 1H).
【0167】
実施例11
−{3−フルオロ−4−[(3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)アミノ]フェニル}−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2,4−ジアミン
【化94】

2−フルオロ−N−(3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ベンゼン−1,4−ジアミン123mg(480μmol)および4−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−アミン123mg(620μmol)を、水3.5mlに懸濁する。1M塩酸620μlを添加し、混合物を100℃で終夜加熱する。次いで、1N水酸化ナトリウム水溶液を使用して、懸濁液をpH10に合わせ、結晶の沈殿をもたらす。固体を濾過し、水で洗浄する。粗生成物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(移動相:ジクロロメタン/メタノール(7Mアンモニア)100:1から10:1)により精製する。
収量:154mg(理論値の77%)
LC−MS(方法3):R=1.38分
MS(ESIpos.):m/z=418(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 2.45 (s, 3H), 6.02-6.10 (m, 1H), 6.38 (s, 1H), 6.88-7.03 (m, 3H), 7.24-7.39 (m, 2H), 7.43 (s, 1H), 7.79 (d, 1H), 8.08 (d, 1H), 9.78 (s, 1H), 11.0 (s, 1H).
【0168】
実施例12
N−{3−フルオロ−4−[(3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)アミノ]フェニル}−2−ピリジン−4−イルピリミジン−4,6−ジアミン
【化95】

2−フルオロ−N−(3−メチル−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ベンゼン−1,4−ジアミン17mg(40μmol)および4−クロロ−6−ピリジン−4−イルピリミジン−2−アミン10mg(50μmol)を、水1mlに懸濁する。次いで、37%強度塩酸溶液7μl(70μmol)を添加し、混合物を還流下で終夜加熱する。次いで、1N水酸化ナトリウム水溶液を使用して、懸濁液をpH10に合わせ、結晶の沈殿をもたらす。固体を濾過し、少量の水で洗浄し、シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(移動相:ジクロロメタン/メタノール(7Mアンモニア)100:1から10:1)により精製する。
収量:3mg(理論値の17%)
LC−MS(方法7):R=1.61分
MS(ESIneg.):m/z=425(M−H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 2.18 (s, 3H), 6.00-6.09 (m, 1H), 6.52-6.68 (m, 3H), 6.87 (s, 2H), 6.93-7.00 (m, 1H), 7.23-7.47 (m, 3H), 7.74-7.89 (m, 2H), 8.03-8.18 (m, 1H), 8.67-8.74 (m, 1H), 9.58 (s, 1H), 11.01 (s, 1H).
【0169】
実施例13
6−クロロ−N−[3,5−ジフルオロ−4−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イルアミノ)フェニル]ピリミジン−2,4−ジアミン
【化96】

2,6−ジフルオロ−N−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イルベンゼン−1,4−ジアミン51mg(200μmol)および4,6−ジクロロピリミジン−2−アミン45mg(270μmol)を、水5mlに懸濁する。次いで、1M塩酸270μlを添加し、混合物を100℃で終夜加熱する。1N水酸化ナトリウム水溶液を使用して、懸濁液をpH10に合わせ、結晶の沈殿をもたらす。固体を濾過し、水で洗浄する。粗生成物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(移動相:ジクロロメタン/メタノール(7Mアンモニア)100:1から10:1)により精製する。
収量:53mg(理論値の66%)
LC−MS(方法3):R=1.52分
MS(ESIpos.):m/z=388(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 5.94 (d, 1H), 6.03 (s, 1H), 6.45-6.53 (m, 1H), 6.98 (s, 2H), 7.13-7.21 (m, 1H), 7.20-7.29 (m, 1H), 7.63 (s, 1H), 7.68 (s, 1H), 7.82 (d, 1H), 8.20 (s, 1H), 9.73 (s, 1H), 11.29 (s, 1H).
【0170】
実施例14
−{3−フルオロ−4−[(1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)アミノ]フェニル}−6−ピリジン−4−イルピリミジン−2,4−ジアミン
【化97】

2−フルオロ−N−(1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ベンゼン−1,4−ジアミン200mg(0.78mmol)および4−クロロ−6−ピリジン−4−イルピリミジン−2−アミン169mg(0.82mmol)を、水5mlに懸濁する。次いで、37%強度塩酸溶液84μl(1.01mmol)を添加し、混合物を還流下で終夜加熱する。次いで、1N水酸化ナトリウム水溶液を使用して、懸濁液をpH10に合わせ、結晶の沈殿をもたらす。固体を濾過し、少量の水で洗浄し、次いでDMSOに溶解し、分取RP−HPLCにより精製する。
収量:50mg(理論値の15%)
LC−MS(方法10):R=2.24分
MS(ESIpos.):m/z=427(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ = 3.74 (s, 3H), 6.16 (d, 1H), 6.48-6.80 (m, 4H), 7.17-7.51 (m, 3H), 7.78-8.02 (m, 3H), 8.18 (d, 1H), 8.48 (s, 1H), 8.72 (d, 2H), 9.68 (d, 1H).
【0171】
実施例15
6−クロロ−N−[4−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イルアミノ)フェニル]ピリミジン−2,4−ジアミン
【化98】

N−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イルベンゼン−1,4−ジアミン125mg(0.56mmol)および4,6−ジクロロピリミジン−2−アミン118mg(0.72mmol)を、水5mlに懸濁する。1M塩酸0.72mlを添加し、混合物を100℃で終夜加熱する。次いで、1N水酸化ナトリウム水溶液を使用して、懸濁液をpH10に合わせ、結晶の沈殿をもたらす。固体を濾過し、水で洗浄する。粗生成物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(移動相:ジクロロメタン/メタノール(7Mアンモニア)100:1から10:1)により精製する。
収量:139mg(理論値の71%)
LC−MS(方法1):R=1.54分
MS(ESIpos.):m/z=352(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = 5.98 (s, 1H), 6.56 (d, 1 H), 6.53-6.62 (m, 1H), 6.69 (s, 2H), 7.12-7.18 (m, 1H), 7.22 (d, 2H), 7.66 (d, 2H), 7.86 (d, 1H), 8.50 (s, 1H), 9.28 (s, 1H), 11.29 (s, 1H).
【0172】
実施例16
6−クロロ−N−{3−フルオロ−4−[メチル(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)アミノ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミン
【化99】

N−メチル−N−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イルベンゼン−1,4−ジアミン19mg(0.08mmol)および4,6−ジクロロピリミジン−2−アミン17mg(0.11mmol)を、水4mlに懸濁する。1M塩酸0.11mlを添加し、混合物を100℃で終夜加熱する。次いで、1N水酸化ナトリウム水溶液を使用して、懸濁液をpH10に合わせ、結晶の沈殿をもたらす。固体を濾過し、水で洗浄する。粗生成物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(移動相:ジクロロメタン/メタノール(7Mアンモニア)100:1から10:1)により精製する。
収量:24mg(理論値の83%)
LC−MS(方法2):R=1.50分
MS(ESIpos.):m/z=384(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = 3.34 (s, 3H), 5.02-5.10 (m, 1H), 6.05 (s, 1H), 6.39 (d, 1H), 6.89 (s, 2H), 6.90-6.98 (m, 1H), 7.22-7.38 (m, 2H), 7.95 (d, 1H), 8.07 (dd, 1H), 9.63 (s, 1H), 11.24 (s, 1H).
【0173】
実施例17
6−クロロ−N−[3−クロロ−4−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イルアミノ)フェニル]ピリミジン−2,4−ジアミン
【化100】

2−クロロ−N−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イルベンゼン−1,4−ジアミン27mg(0.10mmol)および4,6−ジクロロピリミジン−2−アミン24mg(0.15mmol)を、水5mlに懸濁する。1M塩酸0.14mlを添加し、混合物を100℃で終夜加熱する。次いで、1N水酸化ナトリウム水溶液を使用して、懸濁液をpH10に合わせ、結晶の沈殿をもたらす。固体を濾過し、水で洗浄する。粗生成物を分取HPLCにより精製する。
収量:24mg(理論値の57%)
LC−MS(方法2):R=1.54分
MS(ESIpos.):m/z=386(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = 6.02 (s, 1H), 6.05 (d, 1 H), 6.41-6.49 (m, 1H), 6.83 (s, 2H), 7.09-7.18 (m, 1H), 7.31 (d, 1H), 7.64 (dd, 1H), 7.80 (d, 1H), 8.02 (d, 1H), 8.26 (s, 1H), 9.51 (s, 1H), 11.25 (s, 1H).
【0174】
実施例18
6−クロロ−N−{3,5−ジフルオロ−4−[(3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)アミノ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミン
【化101】

2,6−ジフルオロ−N−(3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ベンゼン−1,4−ジアミン27mg(0.10mmol)および4,6−ジクロロピリミジン−2−アミン23mg(0.14mmol)を、水5mlに懸濁する。1M塩酸0.14mlを添加し、混合物を100℃で終夜加熱する。次いで、1N水酸化ナトリウム水溶液を使用して、懸濁液をpH10に合わせ、結晶の沈殿をもたらす。固体を濾過し、水で洗浄する。粗生成物を分取HPLCにより精製する。
収量:24mg(理論値の61%)
LC−MS(方法3):R=1.29分
MS(ESIpos.):m/z=402(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = 2.48 (s, 3H), 5.78 (d, 1H), 6.04 (s, 1H), 6.94 (bs. 1H), 6.98 (bs., 2H), 7.19 (s, 1H), 7.59-7.68 (m, 2H), 7.74 (d, 1H), 9.73 (s, 1H), 11.01 (s, 1H).
【0175】
実施例19
−{4−[(3−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)メチル]−3−フルオロフェニル}−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2,4−ジアミン
【化102】

4−[(3−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)メチル]−3−フルオロアニリン185mg(0.60mmol)および4−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−アミン130mg(0.66mmol)を、水4mlおよび4N塩酸0.30mlに懸濁する。反応混合物を還流で2時間加熱する。冷却後、希水酸化ナトリウム水溶液を使用して混合物をアルカリ性にし、少量のメタノールを添加し、混合物を酢酸エチルで抽出する。抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で除去する。残渣を分取HPLCにより精製する。これにより結晶を得る。
収量:123mg(理論値の45%)
LC−MS(方法1):R=2.32分
MS(ESIpos.):m/z=437[M+H]
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = 4.47 (s, 2H), 6.35 (s, 1H), 6.76 (d, 1H), 6.94 (br. s, 2H), 7.03 (t, 1H), 7.29 (dd, 1H), 7.64 (s, 1H), 7.93 (dd, 1H), 8.18 (d, 1H), 9.75 (s, 1H), 12.00 (s, 1H).
【0176】
実施例20
4−{4−[(2−アミノピリミジン−4−イル)アミノ]−2−フルオロベンジル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル
【化103】

4−(4−アミノ−2−フルオロベンジル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル120mg(0.45mmol)および4−クロロピリミジン−2−アミン64mg(0.50mmol)を、水4ml、エタノール2mlおよび4N塩酸0.23mlに懸濁する。反応混合物を還流で2時間加熱する。冷却後、希水酸化ナトリウム水溶液を使用して混合物をアルカリ性にし、少量のメタノールを添加し、混合物を酢酸エチルで抽出し、溶媒を減圧下で除去する。残渣を分取HPLCにより精製する。これにより結晶を得る。
収量:111mg(理論値の65%)
LC−MS(方法3):R=1.53分
MS(ESIpos.):m/z=360[M+H]
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = 4.39 (s, 2H), 5.99 (d, 1H), 6.29 (br. s, 2H), 6.90 (d, 1H), 7.09 (t, 1H), 7.31 (dd, 1H), 7.82 (d, 1H), 7.91 (dd, 1H), 8.29 (d, 1H), 8.45 (s, 1H), 9.29 (s, 1H), 12.84 (br. s, 1H).
【0177】
実施例21
4−(4−{[2−アミノ−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イル]アミノ}−2−フルオロベンジル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル
【化104】

4−(4−アミノ−2−フルオロベンジル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル82mg(0.31mmol)および4−クロロ−6−トリフルオロメチルピリミジン−2−アミン67mg(0.34mmol)を、水3ml、エタノール1.5mlおよび4N塩酸0.15mlに懸濁する。反応混合物を還流で2時間加熱する。冷却後、希水酸化ナトリウム水溶液を使用して混合物をアルカリ性にし、少量のメタノールを添加し、混合物を酢酸エチルで抽出し、溶媒を減圧下で除去する。残渣を分取HPLCにより精製する。これにより結晶を得る。
収量:111mg(理論値の65%)
LC−MS(方法3):R=2.34分
MS(ESIpos.):m/z=428[M+H]
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ = 4.41 (s, 2H), 6.35 (s, 1H), 6.90 (d, 1H), 6.96 (br. s, 2H), 7.14 (t, 1H), 7.32 (dd, 1H), 7.93 (dd, 1H), 8.29 (d, 1H), 8.46 (s, 1H), 9.77 (s, 1H), 12.86 (br. s, 1H).
【0178】
実施例22
6−クロロ−N−{3−フルオロ−4−[(3−フルオロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)アミノ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミン
【化105】

2−フルオロ−N−(3−フルオロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ベンゼン−1,4−ジアミン17.9mg(0.07mmol)および4,6−ジクロロピリミジン−2−アミン12.4mg(0.076mmol)を、水2mlに懸濁する。1M塩酸83μlを添加し、混合物を100℃で3時間加熱する。次いで、1N水酸化ナトリウム水溶液を使用して、懸濁液をpH10に合わせる。沈殿が溶解するまでジメチルスルホキシドを添加し、溶液を分取HPLCにより精製する。
収量:10.4mg(理論値の39%)
LC−MS(方法2):R=1.55分
MS(ESIpos.):m/z=388(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = 6.03 (s, 1H), 6.41 (d, 1H), 6.82 (s, 2H), 7.30 (dd, 1H), 7.41 (t, 1H), 7.77 (d, 1H), 7.92 (d, 1H), 8.01 (dd, 1H), 9.51 (s, 1H), 9.89 (s, 1H), 12.30 (br.s, 1H).
【0179】
実施例23
6−クロロ−N−(3−フルオロ−4−{[3−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル]アミノ}フェニル)ピリミジン−2,4−ジアミン
【化106】

2−フルオロ−N−[3−(トリフルオロメチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル]ベンゼン−1,4−ジアミン18mg(0.058mmol)および4,6−ジクロロピリミジン−2−アミン10.4mg(0.064mmol)を、水2mlに懸濁する。1M塩酸70μlを添加し、混合物を100℃で3時間加熱する。次いで、1N水酸化ナトリウム水溶液を使用して、懸濁液をpH10に合わせる。沈殿が溶解するまでジメチルスルホキシドを添加し、溶液を分取HPLCにより精製する。
収量:14mg(理論値の55%)
LC−MS(方法3):R=2.01分
MS(ESIpos.):m/z=438(M+H)
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ = 6.02 (s, 1H), 6.45 (d, 1H), 6.82 (s, 2H), 7.30 (dd, 1H), 7.42 (t, 1H), 7.94 (d, 1H), 7.97 (s, 1H), 8.03 (dd, 1H), 9.56 (s, 1H), 9.93 (s, 1H), 12.33 (br.s, 1H).
【0180】
B.生理活性の評価
酵素の阻害を、組換えRhoキナーゼIIを用いてインビトロアッセイで調べる。血管弛緩作用は、単離したウサギの伏在動脈の輪のフェニレフリン誘導収縮を使用して測定する。本発明による化合物の心血管障害の処置への適合性は、麻酔したラットに対する降圧効果を調べることにより立証できる。
【0181】
組換えRhoキナーゼII(ROKα)の阻害
基質ペプチドへの33Pホスフェートの取込みにより、Rhoキナーゼの活性を測定する。このために、購入できるRhoキナーゼII(Upstate Biotechnology)を、37℃で、S6ホスフェート−アクセプターペプチドの存在下、試験物質または溶媒対照と共に、10分間予めインキュベートする。次いで、33P標識化ATPの添加によりキナーゼ反応を開始させる。37℃で20分後、HPOの添加により反応を停止させる。アリコートを濾紙にピペットで載せ、濾紙を洗浄し、次いでシンチレーターで覆う。濾紙に結合した33P標識化ペプチドの放射能を、Micro-Beta カウンターで測定する。IC50値は、Rhoキナーゼに触媒されるペプチドへの33Pの取込みが、溶媒対照と比較して50%まで阻害される試験物質の濃度に相当する。実験データを下記の表Aにまとめる。
【0182】
表A:
【表2】

【0183】
インビトロの血管弛緩作用
単離したウサギの伏在動脈の個々の3mm幅の環を、クレブス−ヘンゼライト(Krebs-Henseleit)溶液と共に5mlの器官浴に導入する(37℃、カルボゲン(carbogen)でガス供給)。血管の緊張を等尺的にモニターし、記録する。フェニレフリン3x10−8g/mlの添加により収縮を誘導し、4分後に再度洗浄する。数回の対照サイクルの後、環を調べようとする物質と予めインキュベートし、用量は各々のさらなるサイクルで増加するようにし、その後の収縮を最後の対照収縮の強度と比較する。対照値の強度を50%まで低下させるのに必要な濃度(IC50)を算出する。実験データを下記の表Bにまとめる。
【0184】
表B:
【表3】

【0185】
麻酔したラットにおける血圧の測定
体重300−350gの雄の Wistar ラットを、チオペンタール(100mg/kg i.p.)で麻酔する。気管切開に続き、カテーテルを大腿動脈に導入し、血圧を測定する。試験しようとする物質を、胃管を介して経口で、または大腿静脈を介して静脈内に、液剤として投与する。
【0186】
C.医薬組成物の実施例
本発明による化合物を、以下の通りに医薬製剤に変換できる:
錠剤:
組成:
実施例1の化合物100mg、ラクトース(一水和物)50mg、トウモロコシデンプン(天然)50mg、ポリビニルピロリドン (PVP 25) (BASF, Ludwigshafen, Germany より)10mgおよびステアリン酸マグネシウム2mg。
錠剤重量212mg、直径8mm、球面半径12mm。
製造:
本発明の化合物、ラクトースおよびスターチの混合物を、5%強度PVP水溶液(w/w)で造粒する。乾燥後、顆粒をステアリン酸マグネシウムと5分間混合する。この混合物を常套の打錠機で打錠する(錠剤の寸法:上記参照)。打錠に使用する標準値は、打錠力15kNである。
【0187】
経口投与用の懸濁液:
組成:
実施例1の化合物1000mg、エタノール(96%)1000mg、Rhodigel (FMC, Pennsylvania, USA のキサンタンゴム)400mgおよび水99g。
本発明による化合物100mgの単回用量は、経口懸濁液10mlに相当する。
製造:
Rhodigel をエタノールに懸濁し、本発明の化合物を懸濁液に添加する。撹拌しながら水を添加する。Rhodigel が完全に膨潤するまで、混合物を約6時間撹拌する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

式中、
-----は、単結合または二重結合を表し、
Xは、−NR−、−CR−または−C(=O)−
{式中、Rは、水素または(C−C)−アルキルを表し、
およびRは、相互に独立して、水素またはメチルを表す}
を表し、
は、水素、ハロゲン、シアノ、(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−アルコキシカルボニルまたは(C−C)−アルキルアミノカルボニルを表し、ここで、アルキル、アルコキシカルボニルおよびアルキルアミノカルボニルは、ヒドロキシル、ハロゲン、ヒドロキシカルボニル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アルコキシカルボニル、アミノ、アミノカルボニル、(C−C)−アルキルアミノまたは(C−C)−アルキルアミノカルボニルにより置換されていてもよく、
は、フッ素または塩素を表し、
は、以下のものからなる群から選択される基を表し:
・水素、ヒドロキシル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル
・(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−シクロアルキル、ここで、アルキル、アルコキシおよびシクロアルキルは、ヒドロキシル、ヒドロキシカルボニル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アルコキシカルボニル、(C−C10)−アリール、−NR10または−C(=O)NR10
{式中、RおよびR10は、相互に独立して、水素、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキル置換されていることもある(C−C)−シクロアルキル、ハロゲン置換されていることもある(C−C10)−アリールまたは5員ないし10員のヘテロアリールを表すか、または、
およびR10は、それらが結合している窒素原子と一体となって、5員または6員の複素環を形成しており、それは、環中にさらなるヘテロ原子OまたはNを含有していてもよく、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルカノイルまたは(C−C)−アルコキシカルボニルにより置換されていてもよい}
により置換されていてもよい
・(C−C10)−アリール、(C−C10)−アリールオキシ、5員ないし10員のヘテロアリール、5員ないし10員のヘテロアリールオキシ、炭素原子を介して結合している5員ないし10員の複素環、ここで、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシおよび複素環は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシカルボニル、アミノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシル置換されていることもある(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アルキルアミノ、(C−C)−アルカノイル、(C−C)−アルコキシカルボニル、(C−C)−アルカノイルアミノ、(C−C)−アルコキシカルボニルアミノまたは5員もしくは6員の複素環により置換されていてもよい
・−NR1112
[式中、
11およびR12は、相互に独立して、水素、(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキル、(C−C10)−アリールまたは5員ないし10員のヘテロアリールを表し、
ここで、アルキルおよびシクロアルキルは、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシ、(C−C10)−アリール、5員ないし10員のヘテロアリールまたは−NR1314
{式中、R13およびR14は、相互に独立して、水素、(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキル、(C−C10)−アリールまたは5員もしくは6員のヘテロアリールを表すか、
または、R13およびR14は、それらが結合している窒素原子と一体となって、5員または6員の複素環を形成しており、それは、環中にさらなるヘテロ原子OまたはNを含有していてもよく、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルカノイルまたは(C−C)−アルコキシカルボニルにより置換されていてもよい}
により置換されていてもよく、
そして、ここで、アリールおよびヘテロアリールは、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、トリフルオロメチル、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アルキルアミノまたは(C−C)−アルカノイルアミノにより置換されていてもよい、
または、
11およびR12は、それらが結合している窒素原子と一体となって、4員ないし6員の複素環を形成しており、それは、環中にさらなるヘテロ原子OまたはNを含有していてもよく、フッ素、ヒドロキシル、ヒドロキシカルボニル、5員ないし7員の複素環{それは、環中に1個または2個のさらなるヘテロ原子Nおよび/またはOを含有していてもよく、(C−C)−アルキルまたは(C−C)−アルコキシカルボニルにより置換されていてもよい}、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルカノイル、(C−C)−アルコキシカルボニルまたは−NR1516
{ここで、アルキルは、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシまたは−NR1718
(式中、R17およびR18は、相互に独立して、水素、ヒドロキシル置換されていることもある(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキル、(C−C10)−アリールまたは5員ないし6員のヘテロアリールを表すか、
または、R17およびR18は、それらが結合している窒素原子と一体となって、5員または6員の複素環を形成しており、それは、環中にさらなるヘテロ原子OまたはNを含有していてもよく、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルカノイルまたは(C−C)−アルコキシカルボニルにより置換されていてもよい)
により置換されていてもよく、
式中、R15およびR16は、相互に独立して、水素、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシカルボニル、(C−C)−シクロアルキルまたは(C−C)−アルカノイルを表すか、または、
15およびR16は、それらが結合している窒素原子と一体となって、5員または6員の複素環を形成しており、それは、環中にさらなるヘテロ原子OまたはNを含有していてもよく、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルカノイルまたは(C−C)−アルコキシカルボニルにより置換されていてもよい}
により置換されていてもよい、
または、
11およびR12は、それらが結合している窒素原子と一体となって、7員ないし12員の二環式または三環式複素環を形成しており、それは、縮合またはスピロ環式であり、環中にNおよびOからなる群から1個または2個のさらなるヘテロ原子を有していてもよく、そして、フッ素、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシカルボニル、(C−C)−アルカノイルまたはベンジルにより置換されていてもよい]
・および−C(=O)R19
{式中、R19は、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アルキルアミノまたは5員ないし10員の単環式または二環式複素環(それは、窒素原子を介して結合しており、縮合またはスピロ環式であり、そして、環中にNおよびOからなる群から1個または2個のさらなるヘテロ原子を有していてもよい)を表し、ここで、アルキルアミノは、5員または6員の複素環により置換されていてもよい}、
は、水素、フッ素または塩素を表し、
は、水素または(C−C)−アルキルを表す、
の化合物またはその塩、その溶媒和物もしくはその塩の溶媒和物の1つ。
【請求項2】
式中、
-----が、二重結合を表し、
Xが、−NR−、−CH−または−C(=O)−
(式中、Rは、水素またはメチルを表す)
を表し、
が、水素、フッ素、塩素、シアノ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、メチル、エチル、ヒドロキシエチル、メトキシエチル、シクロプロピル、(C−C)−アルコキシカルボニルまたは(C−C)−アルキルアミノカルボニルを表し、ここで、アルコキシカルボニルおよびアルキルアミノカルボニルは、ヒドロキシル、ヒドロキシカルボニル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アルコキシカルボニル、アミノ、アミノカルボニル、(C−C)−アルキルアミノまたは(C−C)−アルキルアミノカルボニルにより置換されていてもよく、
が、フッ素または塩素を表し、
が、以下のものからなる群から選択される基を表し:
・水素、ヒドロキシル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル
・(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−シクロアルキル、ここで、アルキル、アルコキシおよびシクロアルキルは、ヒドロキシル、ヒドロキシカルボニル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アルコキシカルボニル、(C−C10)−アリール、−NR10または−C(=O)NR10
{式中、RおよびR10は、相互に独立して、水素または(C−C)−アルキルを表すか、または、
およびR10は、それらが結合している窒素原子と一体となって、5員または6員の複素環を形成しており、それは、環中にさらなるヘテロ原子OまたはNを含有していてもよく、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルカノイルまたは(C−C)−アルコキシカルボニルにより置換されていてもよい}
により置換されていてもよい
・フェニル、5員または6員のヘテロアリール、炭素原子を介して結合している5員ないし10員の複素環、ここで、フェニル、ヘテロアリールおよび複素環は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシカルボニル、アミノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシル置換されていることもある(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アルキルアミノ、(C−C)−アルカノイル、(C−C)−アルコキシカルボニル、(C−C)−アルカノイルアミノまたは(C−C)−アルコキシカルボニルアミノにより置換されていてもよい
・−NR1112
[式中、
11およびR12は、相互に独立して、水素、(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキル、(C−C10)−アリールまたは5員ないし10員のヘテロアリールを表し、
ここで、アルキルおよびシクロアルキルは、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシ、(C−C10)−アリールまたは5員ないし10員のヘテロアリールにより置換されていてもよく、
そして、ここで、アリールおよびヘテロアリールは、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、トリフルオロメチル、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アルキルアミノまたは(C−C)−アルカノイルアミノにより置換されていてもよい、
または、
11およびR12は、それらが結合している窒素原子と一体となって、4員ないし6員の複素環を形成しており、それは、環中にさらなるヘテロ原子OまたはNを含有していてもよく、そして、フッ素、ヒドロキシル、ヒドロキシカルボニル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルカノイルまたは(C−C)−アルコキシカルボニルにより置換されていてもよい]
・および−C(=O)R19
{式中、R19は、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アルキルアミノまたは5員ないし10員の単環式または二環式の複素環(それは、窒素原子を介して結合しており、縮合またはスピロ環式であり、そして、環中にNおよびOからなる群から1個または2個のさらなるヘテロ原子を有していてもよい)を表し、ここで、アルキルアミノは、5員または6員の複素環により置換されていてもよい}、
が、水素、フッ素または塩素を表し、
が、水素またはメチルを表す、
請求項1に記載の式(I)の化合物またはその塩、その溶媒和物もしくはその塩の溶媒和物の1つ。
【請求項3】
式中、
-----が、二重結合を表し、
Xが、−NR−、−CH−または−C(=O)−
(式中、Rは、水素またはメチルを表す)
を表し、
が、水素、フッ素、塩素、シアノ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、メチル、エチル、ヒドロキシエチル、メトキシエチルまたはシクロプロピルを表し、
が、フッ素または塩素を表し、
が、以下のものからなる群から選択される基を表し:
・水素、ヒドロキシル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル
・(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−シクロアルキル、ここで、アルキル、アルコキシおよびシクロアルキルは、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシまたは−NR10
{式中、RおよびR10は、相互に独立して、水素または(C−C)−アルキルを表すか、または、
およびR10は、それらが結合している窒素原子と一体となって、5員または6員の複素環を形成しており、それは、環中にさらなるヘテロ原子OまたはNを含有していてもよく、(C−C)−アルキルまたは(C−C)−アルカノイルにより置換されていてもよい}
により置換されていてもよい
・フェニルおよび5員または6員のヘテロアリール、ここで、フェニルおよびヘテロアリールは、ハロゲン、アミノまたはトリフルオロメチルにより置換されていてもよい、
が、水素、フッ素または塩素を表し、
が、水素またはメチルを表す、
請求項1または請求項2に記載の式(I)の化合物またはその塩、その溶媒和物もしくはその塩の溶媒和物の1つ。
【請求項4】
式中、
-----が、二重結合を表し、
Xが、−NH−または−CH−を表し、
が、水素、塩素またはメチルを表し、
がフッ素を表し、
が、水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、ハロゲン置換されていることもあるフェニルおよびピリジンからなる群から選択される基を表し、
が、水素またはフッ素を表し、
が水素を表す、
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の式(I)の化合物またはその塩、その溶媒和物もしくはその塩の溶媒和物の1つ。
【請求項5】
請求項1に記載の式(I)の化合物の製造方法であって、
式(II)
【化2】

(式中、-----、X、R、R、RおよびRは、請求項1で定義の通りである)
の化合物を、式(III)
【化3】

(式中、Rは、請求項1で定義の通りである)
の化合物と反応させ、XがCH基を表すならば、続いて、酸化させて対応するケト基−C(=O)−を得てもよく、または、メチル化して対応するモノ−またはジメチル化合物[−CH(CH)−または−C(CH−]を得てもよい、
を特徴とする方法。
【請求項6】
障害の処置および/または予防のための、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の式(I)の化合物。
【請求項7】
心血管障害の処置および/または予防用の医薬を製造するための、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項8】
勃起不全の処置および/または予防用の医薬を製造するための、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項9】
心血管的に有効な量の請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の式(I)の化合物を使用する、心血管障害の処置および/または予防方法。
【請求項10】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の式(I)の化合物を、さらなる活性化合物と組み合わせて含む、医薬。
【請求項11】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の式(I)の化合物を、不活性、非毒性の医薬的に許容し得る補助剤と組み合わせて含む、医薬。
【請求項12】
心血管障害の処置および/または予防のための、請求項10または請求項11に記載の医薬。
【請求項13】
勃起不全の処置および/または予防のための、請求項10または請求項11に記載の医薬。

【公表番号】特表2007−534710(P2007−534710A)
【公表日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−509913(P2007−509913)
【出願日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【国際出願番号】PCT/EP2005/003925
【国際公開番号】WO2005/108397
【国際公開日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(503412148)バイエル・ヘルスケア・アクチェンゲゼルシャフト (206)
【氏名又は名称原語表記】Bayer HealthCare AG
【Fターム(参考)】