説明

置換環状尿素誘導体

ある種の新規フェニル置換環状尿素誘導体は、予期しない殺虫活性を有する。これらの化合物は、式Iで表される。


式中のA、B、a、D、b、E、G、c、d、J、X及びRからR10は、すべてを含んで、本明細書に十分に説明される。さらにまた、殺虫有効量の式Iの少なくとも1種の化合物と、場合によっては有効量の少なくとも1種の第二の化合物とを、少なくとも1種の殺虫剤適合性担体と共に含有する組成物もまた、前記組成物を昆虫が存在するか存在すると予期される場所に施用することからなる昆虫の防除方法と共に開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般に新規化合物、このような化合物の調製に有用な方法及び中間体、このような化合物を含有する組成物並びにこのような化合物の昆虫及びダニの防除における使用に関する。特に、本発明は、フェニルアルキル置換環状尿素誘導体及びこの農学的に許容し得る塩、これらの殺虫剤及び殺ダニ剤の組成物、並びにこれらの昆虫及びダニの防除における使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
農作物、温室作物、苗床作物、観賞植物、芝生、林業、貯蔵食品及び繊維製品、構筑物、家畜、家財、並びに公衆及び動物衛生において害虫を防除するための新規で、効果的で、安価で及び安全な手段に対して、長年の世界的な要求が存在する。害虫によって被る農作物支出は、作物収量の低下、作物品質の低下及び収穫費用の増加において毎年数十億ドルを越える。農作物としては、数例を挙げるとコムギ、トウモロコシ、ダイズ、ジャガイモ、及び綿花が挙げられる。土壌昆虫、例えばシロアリ及び地虫は、構築物、芝生及び観賞植物に対して数十億ドルの被害を生じる。家庭害虫、例えばハエ、アリ及びゴキブリは、病気を運び、人々の家庭では望ましくない。これらの害虫の他に、多数の吸血昆虫は、ヒト及び動物の健康を脅かすか、又は少なくとも迷惑である病原性微生物の媒介動物である。作物、芝生、観賞植物又は構築物に被害を与えることなくこれらの害虫を防除することができ及び哺乳動物及び他の生物に悪影響を及ぼさない殺虫剤及び殺ダニ剤が望まれる。
【0003】
多数の特許及び刊行物には、殺虫及び殺ダニ活性であると報告される種々様々なジハロプロペン化合物が開示されている。例えば、米国特許出願公開第2003/0073847号明細書には、殺虫剤及び殺ダニ剤として使用されるある種のジハロプロペン化合物であって、一般式:
【0004】
【化7】

[式中、Zは酸素、硫黄、又はNR(この場合のRは水素、又はC−Cアルキルである)であり、Yは酸素、硫黄、又はNHであり、Xは独立して塩素又は臭素であり、R、R及びR10は独立してハロゲン、C−Cアルキル、又はC−Cハロアルキルであり、tは0から2の整数であり、及びRはA−(CRCHR−(Q1)、A−B−(CRCHR−(Q2)、−A−(CR1112−B−(CR−CHR−(Q3)、A−C(R13)=C(R14)−(CR−CHR−(Q4)、A−B−(CR1112−C(R13)=C(R14)−(CR−CHR−(Q5)、A−B−(CR1112−C(=O)−O−(CR−CHR−(Q6)、又はA−C(R13)=C(R14)−C(=O)−O−(CR−CHR−(Q7)であり、式中のAは場合により置換されていてもよい複素環であり、さらに詳しくはAは2個、3個又は4個の窒素原子と1個又は2個の炭素原子を含有する、場合により置換されていてもよい5員複素環であり、Bは酸素、S(O)、NR、C(=G)G又はGC(=G)であり、qは0から2の整数であり、Rは水素、アセチル又はC−Cアルキルであり、G及びGは独立して酸素及び硫黄であり、R、R、R、R11及びR12は水素、C−Cアルキル又はトリフルオロメチルから独立して選択され、R13及びR14は水素、C−Cアルキル、ハロゲン又はトリフルオロメチルから独立して選択され、pは0から6の整数であり、及びsは1から6の整数である。]
で示されるジハロプロペン化合物が開示されている。
【0005】
PCT出願公開第WO2003074498号パンフレットには、殺虫剤として有用な次式:
【0006】
【化8】

[式中、
AはCYOCY、CYSOCY、CYNRCY、CY=NCY、又はCYN=CYであり、Rは水素、場合により酸化されていてもよいS、ニトロ、ニトロソ、CHO、CN、OH、アミノ、ヒドロカルビル、ヘテロシクリル、(C−C)アシル、(C−C)アルコキシカルボニル、(C−C11)アリールアルキルカルボニル、(C−C10)アリールオキシカルボニル、カルバモイル、チオカルバモイル、ヒドロキシオキサリル、アミノオキサリル又はヒドロキシアミノオキサリルであり(全部が場合により置換されていてもよい。)、
はフェニル又はヘテロアリールであり(両方共に置換されている。)、
は置換フェニル、(C−C)アルキル又は(C−C)ハロアルキルである、但し、AがCHOCHである場合には、Qはジクロロフェニルでないことを条件とする。]
で示される一群の環状ジアミン化合物が開示されている。
【0007】
米国特許第5,952,386号明細書には、殺虫剤として使用される尿素リンカーを有するある種のジハロプロペン化合物であって、一般式:
【0008】
【化9】

[式中、RはC−C10アルキル等であり、LはC(=O)NH、NHC(=O)NH等であり、R、R及びRは独立してハロゲン等であり、R、R及びRは独立して水素等であり、mは0から4の整数であり、nは0から2の整数であり、Xは塩素等であり、Yは酸素等であり、及びZは酸素等である。]
で示されるジハロプロペン化合物が開示されている。
【0009】
前記に挙げた特許又は刊行物のいずれにも本発明の化合物の構造及び殺虫活性は開示も示唆もされていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明によれば、ある種の新規な置換環状尿素誘導体が前記の化合物と比べて予想外に向上した有害生物防除活性を示すことが今般見出された。この向上した有害生物防除活性は、以下にGとして特定される置換基を含む置換環状尿素リンカーによる。前記化合物のこの尿素成分が環状でないか又は以下に記載のように具体的に置換されていない場合には、有害生物防除活性が低下する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
新規置換環状尿素誘導体は、次の一般式I:
【0012】
【化10】

[式中、
−R及びRは、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、ハロ(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオ、ハロ(C−C)アルキルチオ、(C−C)アルキルスルホニル、ハロ(C−C)アルキルスルホニル、シアノ、ニトロ、場合により置換されていてもよいアミノ[前記場合による置換基は(C−C)アルキル、(C−C)アルキルカルボニル及び(C−C)アルコキシカルボニルから選択される。]、場合により置換されていてもよいイミダゾリル、場合により置換されていてもよいイミダゾリニル、場合により置換されていてもよいオキサゾリニル、場合により置換されていてもよいオキサゾリル、場合により置換されていてもよいオキサジアゾリル、場合により置換されていてもよいチアゾリル、場合により置換されていてもよいピラゾリル、場合により置換されていてもよいトリアゾリル、場合により置換されていてもよいフラニル、場合により置換されていてもよいテトラヒドロフラニル、場合により置換されていてもよいジオキソラニル、場合により置換されていてもよいジオキサニル、−C(=K)−L及び−C(R16)−M−R17[前記場合による置換基は(C−C)アルキル、ハロゲン、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、シアノ、ニトロ及びアリールから選択される。]から独立して選択され、
この場合、
KはO、S、NR18、及びNOR18から選択され、式中のR18は水素、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、アリール及びアリール(C−C)アルキルであり、
Lは水素、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルアミノ及びジ(C−C)アルキルアミノから選択され、
MはO、S、及びNR18から選択され、式中のR18は前記の通りであり、
16及びR17は水素、(C−C)アルキル及びハロ(C−C)アルキルから独立して選択されるか、又はR16及びR17は−Q(CHR18−と一緒になっていてもよく、式中のeは2から4の整数であり、QはO、S、及びNR18から選択され、R18は前記の通りであり、
−R及びRは水素、ハロゲン及び(C−C)アルキルから独立して選択され、
−AはO、S、OCH及び(CHから選択され、式中のアスタリスクはBへ結合する位置を表し及びfは1、2及び3から選択される整数であり、
−BはCH、O、S及びNR19から選択され、式中のR19は水素、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、アリール(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルケニル(C−C)アルキル、ジ(C−C)アルキルホスホネート、(C−C)アルキルカルボニル、ハロ(C−C)アルキルカルボニル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルカルボニル、アリールカルボニル及び(C−C)アルキルスルホニルから選択され、但し、AとBが同時にO又はSではないことを条件とし、
−Rは水素であり、
−R及びRはハロゲンから独立して選択され、
−aは0又は1から選択される整数であり、
及びaが1である場合には、
−DはO、CH、OCH、CHO、OCH=CH、C(=O)、S(O)、−CH=CH−、−OC(=O)−、−OC(=O)NH−、−NHC(=O)−、−NHSO−、−N=CH−、NR19又はN(オキシド)R19であり、式中のR19は前記の通りであり及びgは0、1又は2から選択される整数であり、
−bは0、1、2、3、4、5又は6から選択される整数であり、
及びbが1又はそれ以上である場合には、
−R及びRは水素、ハロゲン、(C−C)アルキル、シクロ(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル及びアリールから独立して選択され、
−Eは−CR20=CR21−、−CR20=N−、−N=CR20、−N=N−、−C(=O)CR2021−、−CR2021C(=O)−、−(CR2021−、−N=CR20C(=O)−、−C(=O)CR20=N−、−C(=O)NR20−、−NR20C(=O)−、−CR20=CR21C(=O)−、−C(=O)CR21=CR20−、−CR2021OCR2223−、−C(=O)C(=O)−、−S(O)CR2021−S(O)NR20−−OCR2223−、−CR2223O−及び−C(=O)−から選択される架橋基であり、式中のアスタリスクは式Iで1として指定される位置での結合位置を表し、gは前記の通りであり、nは2、3及び4から選択される整数であり、及びR20からR23は、すべてを含んで、水素、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシカルボニル、ニトロ、シアノ、アミノ、(C−C)アルキルアミノ及びアリールから独立して選択され、ジェミナル位のR20からR23は一緒になって炭素、窒素及び酸素からなる5−、6−又は7−員スピロ環を形成していてもよいし、又は隣り合った位置のR20からR23は一緒になって炭素、窒素及び酸素からなる5−、6−又は7−員環又はベンゾ縮合環を形成していてもよく、
−GはO、S、N−Q又はC−Qから選択され、式中のQはシアノ又はニトロであり、
−cは0、1、2、3又は4から選択される整数であり、
及びcが1又はそれ以上である場合には、
−R及びR10は水素、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル又は(C−C)アルコキシ及びアリールから独立して選択され、
−dは0又は1から選択される整数であり、
及びdが1である場合には、
−JはO、CH=CH、S(O)、HC=N、C(=O)、OC(=O)、C(=O)O、C(=O)NH、NR19、N(オキシド)R19及びNR19C(=O)から選択され、式中のg及びR19は前記の通りであり、
−Xは置換アリール又は置換ヘテロアリールから選択され、ここにおいてこの置換基は水素、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、ハロ(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルコキシ、ヒドロキシ(C−C)アルキル、シクロ(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルケニル、ハロ(C−C)アルキニル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルケニルオキシ、(C−C)アルキニルオキシ、ハロ(C−C)アルコキシ、ハロ(C−C)アルケニルオキシ、ハロ(C−C)アルキニルオキシ、(C−C)アルキルチオ、ペンタハロチオ、(C−C)アルキルスルフィニル、(C−C)アルキルスルホニル、ハロ(C−C)アルキルチオ、ハロ(C−C)アルキルスルフィニル、ハロ(C−C)アルキルスルホニル、シアノ、ニトロ、NR[式中、R及びRは、水素、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルカルボニル及び(C−C)アルコキシカルボニルから独立して選択され、R及びRは、一緒になって炭素、O、N又はSを含有する5−又は6−員飽和又は不飽和環を形成していてもよい。]、(C−C)アルキルカルボニル、(C−C)アルキルカルボニルオキシ、(C−C)アルコキシカルボニル、(C−C)アルコキシカルボニルオキシ、(C−C)アルキルアミノカルボニル、(C−C)アルキルアミノカルボニルオキシ、トリ(C−C)アルキルシリル、ジ(C−C)アルキルホスフィノイル、アリール、アリールオキシ、及びアリール(C−C)アルコキシから独立して選択される、
但し、Xが次の構造、
【0013】
【化11】

を有する置換アリールである場合には、R11及びR12、又はR12及びR13、又はR13及びR14、又はR14及びR15は、−CR24=CR25CR26=CR27−、−OCR2425CH−、−CHCR2425O−、−OCR2425O−、−OCR2425CR2627O−、−OCR2425CH=CH−、−OCR2425CHCH−、−OCR24=N−、−N=CR24O−、−ON=CR24−、−ONR24C(=O)−、−CHNR24C(=O)−、−C−、−C(C=O)−、−SCR24=N−、−OCR2425C(=O)−、−CR24=CR25NR26−、−CR24=NNR25−、−N=NNR24−又は−N=CR24N=N−と一緒になって縮合環を形成し、式中のR24からR27は、すべてを含んで、水素、ハロゲン、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルコキシ及びアリールから独立して選択されることを条件とする。]
で示される化合物及びこの農学的に許容し得る塩である。
【0014】
本発明はまた、殺虫有効量の式Iで示される少なくとも1種の化合物と、および場合によって有効量の少なくとも1種の第二の化合物とを、少なくとも1種の殺虫剤に適合し得る担体と共に含有する組成物を包含する。
【0015】
本発明はまた、殺虫有効量の前記組成物を、作物の生育場所、又は昆虫が存在する又は存在すると予期される他の場所に施用することからなる防除が望まれる領域の昆虫の防除方法を包含する。
【0016】
本発明はまた、式Iで示される化合物の合成に有用性を見出す新規中間体を包含する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明は、ある種の新規で及び有用な殺虫及び殺ダニ性化合物、すなわち一般式I
【0018】
【化12】

[式中、
−R及びRは、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、ハロ(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオ、ハロ(C−C)アルキルチオ、(C−C)アルキルスルホニル、ハロ(C−C)アルキルスルホニル、シアノ、ニトロ、場合により置換されていてもよいアミノ[前記場合による置換基は(C−C)アルキル、(C−C)アルキルカルボニル及び(C−C)アルコキシカルボニルから独立して選択される。]、場合により置換されていてもよいイミダゾリル、場合により置換されていてもよいイミダゾリニル、場合により置換されていてもよいオキサゾリニル、場合により置換されていてもよいオキサゾリル、場合により置換されていてもよいオキサジアゾリル、場合により置換されていてもよいチアゾリル、場合により置換されていてもよいピラゾリル、場合により置換されていてもよいトリアゾリル、場合により置換されていてもよいフラニル、場合により置換されていてもよいテトラヒドロフラニル、場合により置換されていてもよいジオキソラニル、場合により置換されていてもよいジオキサニル、−C(=K)−L及び−C(R16)−M−R17[前記場合による置換基は(C−C)アルキル、ハロゲン、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、シアノ、ニトロ及びアリールから選択される。]から独立して選択され、
KはO、S、NR18、及びNOR18から選択され、式中のR18は水素、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、アリール及びアリール(C−C)アルキルであり、
Lは水素、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルアミノ及びジ(C−C)アルキルアミノから選択され、
MはO、S、及びNR18から選択され、式中のR18は前記の通りであり、
16及びR17は水素、(C−C)アルキル及びハロ(C−C)アルキルから独立して選択されるか、又はR16及びR17は、−Q(CHR18−と一緒になっていてもよく、式中のeは2から4の整数であり、QはO、S、及びNR18から選択され、R18は前記の通りであり、
−R及びRは水素、ハロゲン及び(C−C)アルキルから独立して選択され、
−AはO、S、OCH及び(CHから選択され、式中のアスタリスクはBへ結合する位置を表し及びfは1、2及び3から選択される整数であり、
−BはCH、O、S及びNR19から選択され、式中のR19は水素、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、アリール(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルケニル(C−C)アルキル、ジ(C−C)アルキルホスホネート、(C−C)アルキルカルボニル、ハロ(C−C)アルキルカルボニル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルカルボニル、アリールカルボニル及び(C−C)アルキルスルホニルから選択され、但し、AとBが同時にO又はSではないことを条件とし、
−Rは水素であり、
−R及びRはハロゲンから独立して選択され、
−aは0又は1から選択される整数であり、
及びaが1である場合には、
−DはO、CH、OCH、CHO、OCH=CH、C(=O)、S(O)、−CH=CH−、−OC(=O)−、−OC(=O)NH−、−NHC(=O)−、−NHSO−、−N=CH−、NR19又はN(オキシド)R19であり、式中のR19は前記の通りであり及びgは0、1又は2から選択される整数であり、
−bは0、1、2、3、4、5又は6から選択される整数であり、
及びbが1又はそれ以上である場合には、
−R及びRは水素、ハロゲン、(C−C)アルキル、シクロ(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル及びアリールから独立して選択され、
−Eは−CR20=CR21−、−CR20=N−、−N=CR20、−N=N−、−C(=O)CR2021−、−CR2021C(=O)−、−(CR2021−、−N=CR20C(=O)−、−C(=O)CR20=N−、−C(=O)NR20−、−NR20C(=O)−、−CR20=CR21C(=O)−、−C(=O)CR21=CR20−、−CR2021OCR2223−、−C(=O)C(=O)−、−S(O)CR2021−S(O)NR20−−OCR2223−、−CR2223O−及び−C(=O)−から選択される架橋基であり、式中のアスタリスクは式Iで1として指定される位置での結合位置を表し、gは前記の通りであり、nは2、3及び4から選択される整数であり、及びR20からR23は、すべてを含んで、水素、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシカルボニル、ニトロ、シアノ、アミノ、(C−C)アルキルアミノ及びアリールから独立して選択され、ジェミナル位のR20からR23は一緒になって炭素、窒素及び酸素からなる5−、6−又は7−員スピロ環を形成していてもよいし、又は隣り合った位置のR20からR23は一緒になって炭素、窒素及び酸素からなる5−、6−又は7−員環又はベンゾ縮合環を形成していてもよく、
−GはO、S、N−Q又はC−Qから選択され、式中のQはシアノ又はニトロであり、
−cは0、1、2、3又は4から選択される整数であり、
及びcが1又はそれ以上である場合には、
−R及びR10は水素、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル又は(C−C)アルコキシ及びアリールから独立して選択され、
−dは0又は1から選択される整数であり、
及びdが1である場合には、
−JはO、CH=CH、S(O)、HC=N、C(=O)、OC(=O)、C(=O)O、C(=O)NH、NR19、N(オキシド)R19及びNR19C(=O)から選択され、式中のg及びR19は前記の通りであり、
−Xは置換アリール又は置換ヘテロアリールから選択され、ここにおいてこの置換基は水素、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、ハロ(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルコキシ、ヒドロキシ(C−C)アルキル、シクロ(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルケニル、ハロ(C−C)アルキニル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルケニルオキシ、(C−C)アルキニルオキシ、ハロ(C−C)アルコキシ、ハロ(C−C)アルケニルオキシ、ハロ(C−C)アルキニルオキシ、(C−C)アルキルチオ、ペンタハロチオ、(C−C)アルキルスルフィニル、(C−C)アルキルスルホニル、ハロ(C−C)アルキルチオ、ハロ(C−C)アルキルスルフィニル、ハロ(C−C)アルキルスルホニル、シアノ、ニトロ、NR[式中、R及びRは水素、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルカルボニル及び(C−C)アルコキシカルボニルから独立して選択されるか、又はR及びRは、一緒になって炭素、O、N又はSを含有する5−又は6−員飽和又は不飽和環を形成していてもよい。]、(C−C)アルキルカルボニル、(C−C)アルキルカルボニルオキシ、(C−C)アルコキシカルボニル、(C−C)アルコキシカルボニルオキシ、(C−C)アルキルアミノカルボニル、(C−C)アルキルアミノカルボニルオキシ、トリ(C−C)アルキルシリル、ジ(C−C)アルキルホスフィノイル、アリール、アリールオキシ、及びアリール(C−C)アルコキシから独立して選択される、
[但し、Xが次の構造、
【0019】
【化13】

を有する置換アリールである場合には、R11及びR12、又はR12及びR13、又はR13及びR14、又はR14及びR15は、−CR24=CR25CR26=CR27−、−OCR2425CH−、−CHCR2425O−、−OCR2425O−、−OCR2425CR2627O−、−OCR2425CH=CH−、−OCR2425CHCH−、−OCR24=N−、−N=CR24O−、−ON=CR24−、−ONR24C(=O)−、−CHNR24C(=O)−、−C−、−C(C=O)−、−SCR24=N−、−OCR2425C(=O)−、−CR24=CR25NR26−、−CR24=NNR25−、−N=NNR24−又は−N=CR24N=N−と一緒になって縮合環を形成し、式中のR24からR27は、すべてを含んで、水素、ハロゲン、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルコキシ及びアリールから独立して選択されることを条件とする。]
で示されるような置換環状尿素誘導体(以下、「式Iの化合物」という)及びこの農学的に許容し得る塩に関する。
【0020】
前記に挙げた群から選択される好ましい置換環状尿素誘導体は、式Iの化合物であって、
R及びRがハロゲン及び(C−C)アルキルから独立して選択され、
Aが(CHであり、fは1であり、BがOであり、
及びRが塩素及び臭素から独立して選択され、
aが0又は1から選択される整数であり、及びaが1である場合、DはO、CH、OCHから選択され、
bが0、1、2、3、4、5又は6から選択される整数であり、及びbが1又はそれ以上である場合、R及びRはそれぞれ水素であり、
Eが−CR20=CR21−、−CR20=N−、−N=CR20及び−N=N−から選択される前記架橋基であり、R20及び21は水素及び(C−C)アルキルから独立して選択され、
GがO又はSであり、
cが0、1、2、3又は4から選択される整数であり、及びcが1又はそれ以上である場合、R及びR10はそれぞれ水素であり、
dが0又は1から選択される整数であり、及びdが1である場合、JはO、C(=O)及びS(O)であり、gは2であり、
Xが置換アリール又は置換ヘテロアリールであり、ここでこの置換基は水素、ハロゲン、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルコキシ及びハロ(C−C)アルキルスルホニルから独立して選択され、但し、Xが次の構造、
【0021】
【化14】

を有する置換アリールである場合、R11及びR12、又はR13及びR14は、−OCR2425CH−、−CHCR2425O−、−CR24=CR25CR26=CR27−、−OCR2425O−又は−OCR24=N−と一緒になって縮合環を形成していてもよく、R24、R25、R26及びR27はそれぞれ水素、塩素、弗素、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル又はハロ(C−C)アルコキシである化合物である。
【0022】
前記に挙げた群の最も好ましい置換環状尿素誘導体は、R及びRがそれぞれ塩素であり、R及びRがそれぞれ水素であり、aが1であり及びDがOであり、bが2、3又は4から選択される整数であり、Eが−CR20=N−、−N=CR20又は−N=N−から選択される前記架橋基であり、R20は水素又はメチルから選択され、GがOであり、cが0又は1から選択される整数であり、dが0であり、Xが次の構造、
【0023】
【化15】

を有する置換アリールであり、R11からR15は、すべてを含んで、水素、ハロゲン、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルコキシ及びハロ(C−C)アルキルスルホニルから独立して選択され、及びR11及びR12は−OCR2425CH−、−OCR2425O−又は−OCR24=N−と一緒になって縮合環を形成していてもよく、R24及びR25は(C−C)アルキル及びハロ(C−C)アルキルから選択される化合物である。
【0024】
さらにいっそう好ましいフェニルアルキル置換環状尿素誘導体は、R11からR15が、すべてを含んで、水素、塩素、弗素、1,1−ジメチルエチル、トリフルオロメチル及びジフルオロメチルスルホニルから独立して選択され、及びR11及びR12が−OCR2425CH−、−OCR2425O−又は−OCR24=N−と一緒になって縮合環を形成していてもよく、R24及びR25がメチル又はトリフルオロメチルである化合物である。
【0025】
さらにいっそう好ましいフェニルアルキル置換環状尿素誘導体は、R11からR15が、すべてを含んで、ハロゲン又はハロ(C−C)アルキルから独立して選択され、Eが−N=N−であり及びbが4である化合物である。
【0026】
本発明の別の実施態様は、式I−JJ
【0027】
【化16】

[式中、
R及びRはハロゲン及びヒドロキシから独立して選択され、
及びRは水素、ハロゲン及び(C−C)アルキルから独立して選択され、
及びRはハロゲンから独立して選択され、
bは2、3又は4から選択される整数であり、
及びRは水素、ハロゲン、(C−C)アルキル及びハロ(C−C)アルキルから独立して選択され、
Eは−CR20=N−、−N=CR20−及び−N=N−から選択される架橋基であり、式中のアスタリスクは式I−JJで1として指定される位置での結合位置を表し及びR20は水素、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル及びハロ(C−C)アルキルから選択され、
cは0、1、2、3又は4から選択される整数であり、
及びcが1又はそれ以上である場合、
及びR10は水素、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル及び(C−C)アルコキシから独立して選択され、
Xは置換アリール又は置換ヘテロアリールから選択され、ここにおいてこの置換基は水素、ハロゲン、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル及びハロ(C−C)アルコキシから独立して選択される。]
で示される化合物及びこの農学的に許容し得る塩である。
【0028】
本発明のさらに別の実施態様は、式I−KK
【0029】
【化17】

[式中、Eは−CH=N−、−N=CH−及び−N=N−から選択される架橋基であり、式中のアスタリスクは式I−KKで1として指定される位置での結合位置を表し、
Xは置換アリールから選択され、この場合の置換基は水素、ハロゲン、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル及びハロ(C−C)アルコキシから独立して選択される。]
で示される化合物及びこの農学的に許容し得る塩である。
【0030】
さらにまた、ある場合には、本発明の化合物は、光学的対掌体及びジアステレオマーを生じることができる不斉中心を有していてもよい。本発明の化合物は、物理的性質及び化学的性質において著しく異なる2個又はそれ以上の形、すなわち多形体で存在していてもよい。本発明の化合物はまた、分子内の水素原子の移動が2又はそれ以上の構造をもたらす互変異性体であって、平衡状態にある互変異性体として存在していてもよい。本発明の化合物はまた、農学的に許容し得る塩又は農学的に許容し得る金属錯体の形成を可能にさせ得る酸又は塩基部分を有していてもよい。
【0031】
本発明は、このような光学的対掌体、多形体、互変異性体、塩及び金属錯体の使用を包含する。農学的に許容し得る塩及び金属錯体としては、限定はされないが、例えば、アンモニウム塩、有機及び無機酸の塩、例えば塩酸、スルホン酸、エタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、メチルベンゼンスルホン酸、リン酸、グルコン酸、パモ酸、及び他の酸の塩、並びに例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、カルシウム及び他の金属とのアルカリ金属及びアルカリ土類金属錯体が挙げられる。
【0032】
本発明の方法は、昆虫を殺滅又は防除するために昆虫に投与すべき殺虫有効量の式Iの化合物を生じさせることからなる。好ましい殺虫有効量は、昆虫を殺滅するのに十分な量である。昆虫を式Iの化合物の誘導体と接触させて、該誘導体を昆虫内で式Iの化合物に転化させることによって式Iの化合物を昆虫内に存在させることは、本発明の範囲内にある。本発明は、殺虫剤前駆物質(pro−insecticide)と呼ばれるこのような化合物の使用を包含する。
【0033】
本発明の別の側面は、殺虫有効量の少なくとも1種の式Iの化合物を含有する組成物に関する。
【0034】
本発明の別の側面は、殺虫有効量の少なくとも1種の式Iの化合物と、有効量の少なくとも1種の第二の化合物とを含有する組成物に関する。
【0035】
本発明の別の側面は、作物、例えば限定はされないが、穀草、綿花、野菜、及び果物の生育場所、又は昆虫が存在する又は存在することが予期される場所に殺虫有効量の前記に挙げた組成物を施用することからなる昆虫の防除方法に関する。
【0036】
本発明の別の側面は、式Iの化合物の合成に有用性を見出す新規中間体に関する。
【0037】
本発明はまた、非農業昆虫種、例えば乾燥木材シロアリ及び地下シロアリを防除するため、並びに医薬品として使用するための本明細書に記載の化合物及び組成物の使用を包含する。獣医薬の分野において、本発明の化合物は、動物を捕食するある種の内部寄生虫及び外部寄生虫、例えば昆虫及び蠕虫に対して効果があると予期される。このような動物寄生虫の例としては、限定はされないが、ウマバエ(Gastrophilus)種、サシバエ(Stomoxys)種、ケモノハジラミ(Trichodectes)種、ロドニウス(Rhodnius)種、イヌノミ(Ctenocephalides canis)、及び他の種が挙げられる。
【0038】
本明細書で使用されるように及び特に示されない限りは、単独で又はさらに大きい部分の一部として使用される「アルキル」及び「アルコキシ」という置換基用語は、置換基に適切なように少なくとも1個又は2個の炭素原子、好ましくは最大で12個の炭素原子、さらに好ましくは最大で10個の炭素原子、最も好ましくは最大で7個の炭素原子の直鎖又は分岐鎖を包含する。単独で又はさらに大きい部分の一部として使用される「アルケニル」及び「アルキニル」という用語は、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合又は三重結合を含有する少なくとも2個の炭素原子、好ましくは最大で12個の炭素原子、さらに好ましくは最大で10個の炭素原子、最も好ましくは最大で7個の炭素原子の直鎖又は分岐鎖を包含する。「アリール」という用語は、最大で6個の炭素原子を有する芳香環構造、例えばフェニルをさす。「ヘテロアリール」という用語は、複数個の原子の少なくとも1個が炭素以外の原子、例えば、限定はされないが、硫黄、酸素又は窒素である縮合環を含めた芳香環構造をさす。「GC分析」という用語は、例えば反応混合物のガスクロマトグラフ分析をさし、一方、「TLC分析」という用語は、例えば反応混合物の薄層クロマトグラフ分析をさす。「HPLC」という用語は、例えば、諸成分を反応混合物から分離する方法に関するように、高圧液体クロマトグラフィーをさす。「DMF」という用語は、N,N−ジメチルホルムアミドをさす。「THF」という用語は、テトラヒドロフランをさす。「DBU」という用語は、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンをさす。「DEAD」という用語は、アゾジカルボン酸ジエチルをさす。「ハロゲン」又は「ハロ」という用語は、弗素、臭素、ヨウ素又は塩素をさす。例えば、化学反応混合物温度に関連して、「RT」としばしば略記される「周囲温度」又は「室温」という用語は、20℃から30℃の範囲内の温度をさす。「殺虫性」又は「殺ダニ性」、「殺虫剤」又は「殺ダニ剤」という用語は、単独で又は少なくとも1種の第二の化合物、又は少なくとも1種の適合性担体との混合物での本発明の化合物であって昆虫又はダニの作用の駆除又は阻害を生じる化合物をさす。前記で及び本明細書の特許請求の範囲に挙げたような「から独立して選択される」という用語は、部分、例えばR及びRが選択がなされる群の中で同じであってもよいし又は異なっていてもよいという可能性をさす。
【0039】
式Iのフェニルアルキル置換環状尿素誘導体は、当業者に個々に知られている方法で利用できる中間体化合物から合成することができる。
【0040】
以下のスキーム1は、式Iのフェニルアルキル置換環状尿素誘導体であって、特に、例えば、R、R、R、R、Rが水素であり、R、R、R及びRが塩素であり、Aが(CH(式中、fは1である)であり、B及びGがOであり、aが1であり及びDがOであり、bが4であり、Eが−CR20=N−であり、c及びdが0であり、Xが置換アリールであるフェニルアルキル置換環状尿素誘導体を合成するための一般的な手順を説明する:
【0041】
【化18】


【0042】
スキーム1に示すように、最初の系列の反応では、公知化合物2,6−ジクロロ−4−フェニルメトキシフェノールを、塩基性条件下で、例えばハロアルキルエステル、例えば酢酸4−ブロモブチルと反応させて、対応するエステル(A1)、例えば酢酸4−[2,6−ジクロロ−4−(フェニルメトキシ)フェノキシ]ブチルを得る。中間体(A1)を、接触水素添加条件下で水素ガスで処理することによって次々に脱保護して、中間体(A2)を得る。次いで、中間体(A2)を、例えば1,1,1,3−テトラクロロプロパンを用いて、塩基性条件下で処理して、対応する中間体(A3)を得、これを、強塩基を用いて次々に還元して、アルコール中間体(A4)、例えば4−[4−(3,3−ジクロロ−2−プロペニルオキシ)−2,6−ジクロロフェノキシ]ブタン−1−オールを得る。中間体(A4)を臭素化して対応する1−[4−(3,3−ジクロロプロップ−2−エニルオキシ)−2,6−ジクロロフェノキシ]−4−ブロモブタン(A5)を得る。
【0043】
第二の系列の反応では、公知化合物4−トリフルオロメチルフェニルヒドラジン(A6)を、例えばグリオキシル酸と酸性条件下で反応させて、対応するアミノプロペン酸(A7)を得、これを、ジフェニルホスホリルアジドを用いて塩基性条件下で次々に環化させて、対応する1−置換−1,2,4−トリアゾリン−5−オン(A8)を中間体として得る。次いで、中間体(A5)と(A8)とを塩基性条件下で反応させて、式Iの化合物、例えば4−{4−[4−(3,3−ジクロロプロップ−2−エニルオキシ)−2,6−ジクロロフェノキシ]ブチル}−1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2,4−トリアゾリン−5−オンを得る。
【0044】
以下のスキーム2は、式Iのフェニルアルキル置換環状尿素誘導体であって、特に、例えば、R、R、R、R、Rが水素であり、R、R、R及びRが塩素であり、Aが(CH(式中、fは1である)であり、B及びGがOであり、aが1であり及びDがOであり、bが4であり、Eが−N=N−であり、c及びdが0であり、Xが置換アリールであるフェニルアルキル置換環状尿素誘導体を合成するための一般的な手順を説明する:
【0045】
【化19】


【0046】
スキーム2に示すように、置換フェニルイソシアネート(B)、例えば公知化合物 3−クロロフェニルイソシアネートを、アジ化ナトリウムと、塩化アルミニウムの存在下で反応させて、1−(3−ハロフェニル)−テトラゾリン−5−オン(B1)、例えば1−(3−クロロフェニル)−テトラゾリン−5−オンを得る。次いで、中間体(B1)と、前記のスキーム1で調製した中間体(A5)とを、塩基性条件下で反応させて、式Iの化合物、例えば1−{4−[4−(3,3−ジクロロプロップ−2−エニルオキシ)−2,6−ジクロロフェノキシ]ブチル−4−(3−クロロフェニル)−1,2,3,4−テトラゾリン−5−オンを得る。
【0047】
当業者には、勿論、毒物の製剤及び施用様式が所定の施用において物質の活性に影響し得ることが認識されるであろう。従って、農業用途について、本発明の殺虫性化合物は、施用の所望の様式に応じて、比較的大きな粒度(例えば、8/16又は4/8USメッシュ)の粒剤として、水溶性又は水和性顆粒剤として、粉剤として、水和剤として、乳剤として、水性エマルジョンとして、液剤として、又は他の公知の種類の農学的に有用な製剤のいずれかとして製剤し得る。本明細書に明記された量は、単語「約」が明記された量の前に置かれているかのように、近似値であることを意図することが理解されるべきである。
【0048】
これらの殺虫剤組成物は、昆虫の抑制が望まれる場所に水希釈噴霧液、又は粉剤、又は粒剤としていずれかで施用し得る。これらの製剤は、有効成分の重量で0.1%、0.2%又は0.5%ほどの少量から95%又はそれ以上の多量までを含有し得る。
【0049】
粉剤は、有効成分と、微細固体、例えばタルク、天然クレー、ケイソウ土、粉末 例えばクルミ殻及び綿実粉、並びに毒物用の分散剤及び担体として作用する他の有機及び無機固体との自由流動性混合物である。これらの微細固体は、約50ミクロンよりも小さい平均粒度を有する。本発明に有用な典型的な粉剤は、1.0部又はそれ以下の殺虫性化合物と99.0部のタルクとを含有する粉剤である。
【0050】
水和剤(これもまた殺虫剤に有用な製剤である。)は、水又は他の分散剤に容易に分散する微細粒子の形態である。水和剤は、究極的には、昆虫防除が乾燥粉剤として又は水又は他の液体中のエマルジョンとしていずれかで必要とされる場所に施用される。水和剤用の典型的な担体としては、フラー土、カオリンクレー、シリカ、及び他の高吸収性の易湿潤性無機希釈剤が挙げられる。水和剤は、一般に、 担体の吸収性に応じて、約5から80%の有効成分を含有するために調製され、通常は分散を促進するために少量の湿潤剤、分散剤又は乳化剤も含有する。例えば、有用な水和剤製剤は、80.0部の殺虫性化合物、17.9部のパルメット(Palmetto)クレー、並びに湿潤剤として1.0部のリグノスルホン酸ナトリウム及び0.3部のスルホン化脂肪族ポリエステルを含有する。追加の湿潤剤及び/又は油が、しばしば、植物の葉への分散を促進するためにタンクミックスに加えられる。
【0051】
殺虫剤用途についての他の有用な製剤は、乳剤(EC)であり、これは水又は他の分散剤に分散し得る均質な液体組成物であり、もっぱら殺虫性化合物と液状又は固形乳化剤からなり得るか、又はまた液状担体、例えばキシレン、重質芳香族ナフサ、イソホロン、又は他の不揮発性有機溶媒も含有し得る。殺虫剤用途について、これらの乳剤は、水又は他の液状担体に分散され、標準的には処理すべき場所に噴霧液として施用される。必須有効成分の重量%は、組成物を施用すべき方法に従って変化し得るが、一般的に殺虫剤組成物の重量で0.5から95%の有効成分を含有する。
【0052】
フロアブル剤製剤は、有効成分が液状担体、一般的には水に懸濁されることを除いて、ECに類似している。フロアブル剤は、ECのように、少量の界面活性剤を含有し得、典型的には有効成分を組成物の重量で0.5から95%、頻繁には10から50%の範囲内で含有し得る。施用に関して、フロアブル剤は、水又は他の液状ビヒクルに希釈し得、標準的には処理すべき場所に噴霧液として施用される。
【0053】
農学的製剤に使用される典型的な湿潤剤、分散剤又は乳化剤としては、アルキル及びアルキルアリールスルホネート及びサルフェート並びにこれらのナトリウム塩;アルキルアリールポリエーテルアルコール;硫酸化高級アルコール;ポリエチレンオキシド;スルホン化動物及び植物油;スルホン化石油;多価アルコールの脂肪酸エステル及びこのようなエステルのエチレンオキシド付加物;並びに長鎖メルカプタン及びエチレンオキシドの付加物が挙げられるが、これらに限定されない。多数の他の種類の有用な界面活性剤が商業的に入手できる。界面活性剤は、使用される場合には、標準的に組成物の重量で1から15重量%を含有する。
【0054】
他の有用な製剤としては、有効成分を比較的不揮発性の溶媒、例えば水、コーン油、ケロシン、プロピレングリコール、又は他の適切な溶媒に懸濁させた懸濁物が挙げられる。
【0055】
殺虫剤用途についてさらに別の有用な製剤としては、有効成分が所望の濃度で完全に溶解する溶媒、例えばアセトン、アルキル化ナフタレン類、キシレン、又は他の有機溶媒に溶解された有効成分の単純溶液が挙げられる。毒物が比較的粗い粒子上に担持される粒状製剤は、空中散布又は被覆作物キャノピー(canopy)の浸透について具体的な利用がある。加圧噴霧液、典型的には低沸点分散剤溶媒担体の蒸発の結果として有効成分を微細状に分散させるエアゾールも使用し得る水溶性又は水和性顆粒剤は、自由流動性であり、非粉末状であり、及び易水溶性又は水混和性である。田畑での農業従事者による使用において、粒剤製剤、乳剤、フロアブル剤、水性エマルジョン、液剤などは、約0.1%又は0.2%から1.5%又は2%の範囲内の有効成分の濃度を得るために水で希釈してもよい。
【0056】
本発明の活性殺虫性化合物は、1種又はそれ以上の第二の化合物と共に製剤化し及び/又は施用し得る。このような組み合わせは、ある種の利点、例えば、限定はされないが、昆虫害虫のより優れた防除について相乗効果を示すこと、殺虫剤の施用量を低減し、これによって環境に及び作業者の安全性に対する影響を最小限にすること、昆虫害虫のより幅広いスペクトルを調節すること、薬害に対する作物植物の安全性、及び非害虫種、例えば哺乳動物及び魚による耐性の向上を提供し得る。
【0057】
第二の化合物としては、限定はされないが、別の殺虫剤、植物生長調節剤、肥料、土壌改良剤、又は他の農薬が挙げられる。本発明の活性化合物の施用においては、単独で製剤されるか又は他の農薬と共に製剤されるかにかかわらず、勿論、有効量及び有効濃度の活性化合物が使用される;この量は、例えば約0.001から約3 kg/ha、好ましくは約0.03から1 kg/haの範囲内で変化させ得る。野外使用については、殺虫剤の損失がある場合には、より多い施用量(例えば、前記の量の4倍量)を使用し得る。
【0058】
本発明の活性殺虫性化合物が1種又はそれ以上の第二の化合物と、例えば他の農薬、例えば除草剤と併用される場合には、除草剤としては、限定はされないが、例えば:N−(ホスホノメチル)グリシン(「グリホセート」);アリールオキシアルカン酸類、例えば(2,4−ジクロロフェノキシ)酢酸(「2,4−D」)、(4−クロロ−2−メチルフェノキシ)酢酸(「MCPA」)、(+/−)−2−(4クロロ−2−メチルフェノキシ)プロパン酸(「MCPP」);尿素類、例えばN,N−ジメチル−N’−[4−(1−メチルエチル)フェニル]尿素(「イソプロツロン」);イミダゾリノン類、例えば2−[4,5−ジヒドロ−4−メチル−4−(1−メチルエチル)−5−オキソ−1H−イミダゾール−2−イル]−3−ピリジンカルボン酸(「イマザピル」)、(+/−)−2−[4,5−ジヒドロ−4−メチル−4−(1−メチルエチル)−5−オキソ−1H−イミダゾール−2−イル]−4−メチル安息香酸と(+/−)2−[4,5−ジヒドロ−4−メチル−4−(1−メチルエチル)−5−オキソ−1H−イミダゾール−2−イル]−5−メチル安息香酸とを含有する反応生成物(「イマザメタベンズ」)、(+/−)−2−[4,5−ジヒドロ−4−メチル−4−(1−メチルエチル)−5−オキソ−1H−イミダゾール−2−イル]−5−エチル−3−ピリジンカルボン酸(「イマゼタピル」)、及び(+/−)−2−[4,5−ジヒドロ−4−メチル−4−(1−メチルエチル)−5−オキソ−1H−イミダゾール−2−イル]−3−キノリンカルボン酸(「イマザキン」);ジフェニルエーテル類、例えば5−[2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−2−ニトロ安息香酸(「アシフルオルフェン」)、5−(2,4−ジクロロフェノキシ)−2−ニトロ安息香酸メチル(「ビフェノックス」)及び5−[2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−N−(メチルスルホニル)−2−ニトロベンズアミド(「ホメサフェン」);ヒドロキシベンゾニトリル類、例えば4−ヒドロキシ−3,5−ジヨードベンゾニトリル(「アイオキシニル」)及び3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシベンゾニトリル(「ブロモキシニル」);スルホニルウレア類、例えば2−[[[[(4クロロ−6−メトキシ−2−ピリミジニル)アミノ]カルボニル]アミノ]スルホニル]安息香酸(「クロリムロン」)、2−クロロ−N−[[(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ]カルボニル]ベンゼンスルホンアミド(「アクロルスルフロン」)、2−[[[[[(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジニル)アミノ]カルボニル]アミノ]スルホニル]メチル]安息香酸(「ベンスルフロン」)、2−[[[[(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジニル)アミノ]カルボニル]アミノ]スルホニル]−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(「ピラゾスルフロン」)、3−[[[[(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ]カルボニル]アミノ]スルホニル]−2−チオフェンカルボン酸(「チフェンスルフロン」)、及び2−(2−クロロエトキシ)−N[[(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ]カルボニル]ベンゼンスルホンアミド(「トリアスルフロン」);2−(4−アリールオキシ−フェノキシ)アルカン酸類、例えば(+/−)−2[4−[(6−クロロ−2−ベンゾオキサゾリル)オキシ]フェノキシ]プロパン酸(「フェノキサプロップ」)、(+/−)−2−[4[[5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]オキシ]フェノキシ]プロパン酸(「フルアジホップ」)、(+/−)−2−[4−(6−クロロ−2−キノキサリニル)オキシ]フェノキシ]プロパン酸(「キザロホップ」)、及び(+/−)−2−[(2,4−ジクロロフェノキシ)フェノキシ]プロパン酸(「ジクロホップ」);ベンゾチアジアジノン類、例えば3−(1−メチルエチル)−1H−1,2,3−ベンゾチアジアジン−4(3H)−オン−2,2−ジオキシド(「ベンタゾン」);2−クロロアセトアニリド類、例えばN−(ブトキシメチル)−2−クロロ−N−(2,6−ジエチルフェニル)アセトアミド(「ブタクロール」)、2−クロロ−N−(2−エチル−6−メチルフェニル)−N−(2−メトキシ−1−メチルエチル)アセトアミド(「メトラクロール」)、2−クロロ−N−(エトキシメチル)−N−(2−エチル−6−メチルフェニル)アセトアミド(「アセトクロール」)、及び(RS)−2−クロロ−N−(2,4−ジメチル−3−チエニル)−N−(2−メトキシ−1−メチルエチル)アセトアミド(「ジメテナミド」);アレンカルボン酸類、例えば3,6−ジクロロ−2−メトキシ安息香酸(「ジカンバ」);ピリジルオキシ酢酸類、例えば[(4−アミノ−3,5−ジクロロ−6−フルオロ−2−ピリジニル)オキシ]酢酸(「フルロキシピル」)、並びに他の除草剤が挙げられる。
【0059】
本発明の活性殺虫性化合物が1種又はそれ以上の第二の化合物と、例えば他の農薬、例えば他の殺虫剤と併用される場合には、他の殺虫剤としては、限定はされないが、例えば:有機リン酸系殺虫剤、例えばクロルピリホス、ダイアジノン、ジメトエート、マラチオン、パラチオン−メチル、及びテルブホス;ピレスロイド系及び非ピレスロイド系殺虫剤、例えばフェンバレレート、デルタメトリン、フェンプロパトリン、シフルトリン、フルシトリネート、α−シペルメトリン、ビフェントリン、シペルメトリン、分解(resolved)シハロトリン、エトフェンプロックス、エスフェンバレレート、トラロメトリン、テフルトリン、シクロプロトリン、β−シハロトリン、アクリナトリン及びシラフルオフェン;カルバメート系殺虫剤、例えばアルジカルブ、カルバリル、カルボフラン、及びメソミル;有機塩素系殺虫剤、例えばエンドスルファン、エンドリン、ヘプタクロル、及びリンデン;ベンゾイル尿素系殺虫剤、例えばジフルベンズロン、トリフルムロン、テフルベンズロン、クロルフルアズロン、フルシクロクスロン、ヘキサフルムロン、ノビフルムロン、フルフェノクスロン、及びルフェヌロン;並びに他の殺虫剤、例えば、限定はされないが、アミトラズ、クロフェンテジン、フェンピロキシメート、ヘキシチアゾックス、シヘキサチン、スピノサド、イミダクロプリド、クロルフェナピル、ヒドラメチルノン、アセキノシル、酸化フェンブタスズ、メトキシフェノジド、テブフェノジド、ハロフェノジド、インドキサカルブ、フィプロニル、エチプロール、エトキサゾール、ビフェナゼート、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、メトプレン、ピリプロキシフェン、フェノキシカルブ、ピメトロジン、アバメクチン、エマメクチン安息香酸、ミルベメクチン、及び他の殺虫剤が挙げられる。
【0060】
本発明の活性殺虫性化合物が1種又はそれ以上の第二の化合物と、例えば他の農薬、例えば殺菌剤と併用される場合には、殺菌剤としては、限定はされないが、例えば:ベンゾイミダゾール系殺菌剤、例えばベノミル、カルベンダジム、チアベンダゾール、及びチオファネート−メチル;1,2,4−トリアゾール系殺菌剤、例えばエポキシコナゾール、シプロコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、プロピコナゾール、テブコナゾール、トリアジメホン、及びトリアジメノール;置換アニリド系殺菌剤、例えばメタラキシル、オキサジキシル、プロシミドン、及びビンクロゾリン;有機リン系殺菌剤、例えばホセチル、イプロベンホス、ピラゾホス、エジフェンホス、及びトルクロホス−メチル;モルホリン系殺菌剤、例えばフェンプロピモルフ、トリデモルフ、及びドデモルフ;他の浸透性殺菌剤、例えばフェナリモール、イマザリル、プロクロラズ、トリシクラゾール、及びトリホリン;ジチオカルバメート系殺菌剤、例えばマンコゼブ、マンネブ、プロピネブ、ジネブ、及びジラム;非浸透性殺菌剤、例えばクロロタロニル、ジクロフルアニド、ジチアノン、及びイプロジオン、キャプタン、ジノカップ、ドジン、フルアジナム、グアザチン、PCNB、ペンシクロン、キントゼン、トリシクラミド、及びバリダマイシン;無機殺菌剤、例えば銅及び硫黄製品、並びに他の殺菌剤が挙げられる。
【0061】
本発明の活性殺虫性化合物が1種又はそれ以上の第二の化合物と、例えば他の農薬、例えば殺線虫剤と併用される場合には、殺線虫剤としては、限定はされないが、例えば:カルボフラン、カルボスルファン、テルブホス、アルジカルブ、エトプロップ、フェナミホス、オキサミル、イサゾホス、カズサホス、及び他の殺線虫剤が挙げられる。
【0062】
本発明の活性殺虫性化合物が1種又はそれ以上の第二の化合物と、例えば他の物質、例えば植物生長調節剤と併用される場合には、植物生長調節剤としては、例えば:マレイン酸ヒドラジド、クロルメコート、エテホン、ジベレリン、メピコート、チジアズロン、イナベンフィド、トリアペンテノール、パクロブトラゾール、ウニコナゾール、DCPA、プロヘキサジオン、トリネキサパック−エチル、及び他の植物生長調節剤が挙げられる。
【0063】
土壌改良剤は、土壌に加えられた際に、植物の効果的な成長について種々の利点を促進する物質である。土壌改良剤は、土壌圧縮を軽減し、排水の有効性を促進し及び増大させ、土壌浸透性を高め、土壌中の最適植物栄養分を促進し、及び農薬及び肥料のよりよい取り込みを促進するのに使用される。本発明の活性殺虫性化合物を1種又はそれ以上の第二の化合物と、例えば他の物質、例えば土壌改良剤と併用する場合には、土壌改良剤としては、土壌中の陽イオン植物栄養物の保持を促進する有機物、例えば腐植土;陽イオン栄養分、例えばカルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、及び水素複合体の混合物;又は植物成長に都合のよい土壌中の状態を促進する微生物組成物が挙げられる。このような微生物組成物としては、例えば、バチルス菌、シュードモナス菌、アゾトバクター菌、アゾスピリウム菌、根粒菌、及び土壌ラン藻類が挙げられる。
【0064】
肥料は植物栄養補給剤であり、これは一般に窒素、リン及びカリウムを含有する。本発明の活性殺虫性化合物が1種又はそれ以上の第二の化合物と、例えば他の物質、例えば肥料と併用される場合には、肥料としては窒素肥料、例えば硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、及び骨粉;リン酸肥料、例えば過リン酸石灰、重過リン酸石灰、硫酸アンモニウム、及び硫酸二ジアンモニウム;並びにカリウム肥料、例えば塩化カリウム、硫酸カリウム及び硝酸カリウム、並びに他の肥料が挙げられる。
【0065】
以下の実施例は、本発明をさらに例示するが、勿論、決して本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。実施例は、本発明の式Iの化合物の合成のためのプロトコールを示し、このような合成された化合物種のリストを示し、このような化合物の有効性を示すある種の生物データを示すために計画される。
【実施例1】
【0066】
本実施例は、4−{4−[4−(3,3−ジクロロプロップ−2−エニルオキシ)−2,6−ジクロロフェノキシ]ブチル}−1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2,4−トリアゾリン−5−オン(下記の表の化合物107)を調製するための一つのプロトコールを例示する。
【0067】
工程A 中間体としての酢酸4−[2,6−ジクロロ−4−(フェニルメトキシ)フェノキシ]ブチルの合成
窒素雰囲気下で、400mLのDMF中の25g(0.093モル)の2,6−ジクロロ−4−フェニルメトキシフェノール(公知化合物)、19.5g(0.10モル)の酢酸4−ブロモブチル及び19.4g(0.14モル)の炭酸カリウムの溶液を、周囲温度で2時間攪拌し、次いでこの溶液を80℃に加熱し、80℃でこの溶液を20時間保持した。この時間の後に、反応混合物を周囲温度まで冷却し、周囲温度でこの反応混合物をさらに20時間攪拌した。次いで、反応混合物を400mLの水と共に攪拌し、塩化ナトリウムを飽和させ、それぞれ150mLのジエチルエーテルで4回抽出した。一緒にした抽出液をそれぞれ150mLの水で2回洗浄し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮して残留物を得た。粗製残留物を、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーで1:1の塩化メチレン:ヘキサンを溶出液として使用して精製した。適切な複数の画分を一緒にし、減圧下で濃縮して、33.1gの主題化合物を得た。このNMRスペクトルは提案された構造と一致した。
【0068】
工程B 中間体としての酢酸4−(2,6−ジクロロ−4−ヒドロキシフェノキシ)ブチルの合成
350mLのエタノール中で33.0g(0.086モル)の酢酸4−[2,6−ジクロロ−4−(フェニルメトキシ)フェノキシ]ブチルと0.05g(触媒)の10%パラジウム担持炭素との混合物を、Parr水素添加装置を使用して水素添加条件に供した。水素の理論吸収後に、反応混合物のガスクロマトグラフ(GC)分析は、反応が約50%完了したことを示した。追加の触媒を加え、反応混合物を再度、Parr水素添加装置を使用して水素添加条件に供した。反応混合物のGC分析は、反応が完結したことを示した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮して、25.4gの主題化合物を残留物として得た。このNMRスペクトルは提案された構造と一致した。
【0069】
工程C 中間体としての酢酸4−[4−(3,3−ジクロロプロップ−2−エニルオキシ)−2,6−ジクロロフェノキシ]ブチルの合成
25.3g(0.086モル)の酢酸4−(2,6−ジクロロ−4−ヒドロキシフェノキシ)ブチルを250mLのDMFに溶解した溶液を攪拌し、19.5g(0.1モル)の1,1,1,3−テトラクロロプロパンを加え、次いで18g(0.13モル)の炭酸カリウムを加えた。添加の完了と同時に、反応混合物を80℃で17時間加熱した。この時間の後に、反応混合物を周囲温度に冷却し、350mLの水と共に攪拌し、それぞれ150mLのジエチルエーテルで4回抽出した。一緒にした抽出液をそれぞれ100mLの水で2回洗浄し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物を、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーで1:1の塩化メチレン:ヘキサンを溶出液として使用して精製した。適切な複数の画分を一緒にし、減圧下で濃縮して、27.1gの主題化合物を得た。このNMRスペクトルは提案された構造と一致した。
【0070】
工程D 中間体としての4−[4−(3,3−ジクロロ−2−プロペニルオキシ)−2,6−ジクロロフェノキシ]ブタン−1−オールの合成
27g(0.067モル)の酢酸4−[4−(3,3−ジクロロプロップ−2−エニルオキシ)−2,6−ジクロロフェノキシ]ブチルを攪拌し、5.4g(0.134モル)の水酸化ナトリウムを300mLのメタノールに溶解した溶液を少しずつ加えた。添加の完了と同時に、反応混合物を周囲温度で2時間攪拌した。この時間の後に、反応混合物を400mLの水と共に攪拌し、濃塩酸を用いて中和した。得られた中性の混合物をそれぞれ150mLのジエチルエーテルで4回抽出し、一緒にした抽出液をそれぞれ150mLの飽和塩化ナトリウム水溶液で1回洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で残留物に濃縮して、22.5gの主題化合物を得た。そのNMRスペクトルは提案された構造と一致した。
【0071】
工程E 中間体としての1−[4−(3,3−ジクロロプロップ−2−エニルオキシ)−2,6−ジクロロフェノキシ]−4−ブロモブタンの合成
22.3g(0.062モル)の4−[4−(3,3−ジクロロ−2−プロペニルオキシ)−2,6−ジクロロフェノキシ]ブタン−1−オールと20.6g(0.062モル)の四臭化炭素とを250mLの塩化メチレン中で攪拌した溶液を10℃に冷却し、17.9g(0.068モル)のトリフェニルホスフィンを一度に加えた。添加の完了と同時に、反応混合物を周囲温度まで加温し、この温度で18時間攪拌した。この時間の後に、反応混合物を減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物を、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーでヘキサンに溶解した25%塩化メチレンを溶出液として使用して精製した。適切な複数の画分を一緒にし、減圧下で濃縮して、21.3gの主題化合物を得た。そのNMRスペクトルは提案された構造と一致した。
【0072】
工程F 中間体としての(2E)−3−アザ−3−{[4−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}プロップ−2−エン酸の合成
1.0g(0.006モル)の4−トリフルオロメチルフェニルヒドラゾン(公知化合物)を10mLの水に懸濁した懸濁液を攪拌し、0.4mL(0.007モルのグリオキシル酸を加え、次いで1mLの濃塩酸を2mLの水に溶解した溶液を加えた。添加の完了と同時に、反応混合物を周囲温度で1時間攪拌した。この時間の後に、反応混合物を濾過して回収し、乾燥して、0.6gの主題化合物を固体として得た。NMRスペクトルは提案された構造と一致した。
【0073】
工程G 中間体としての1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2,4−トリアゾリン−5−オンの合成
0.6g(0.0024モル)の(2E)−3−アザ−3−{[4−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}プロップ−2−エン酸を15mLのトルエンに懸濁した懸濁液を攪拌し、0.34mL(0.0024モル)のトリエチルアミンを加え、次いで0.53mL(0.0024モル)のジフェニルホスホリルアジドを加えた。これらはそれぞれ一度に加えた。添加の完了と同時に、反応混合物を徐々に還流温度まで加温し、この温度で1時間維持した。この時間の後に、反応混合物を100mLの10%水酸化カリウム水溶液に注加した。塩基性水性層を分離し、氷−水浴中で冷却し、濃塩酸を用いて酸性にした。生じた固体沈殿物を濾過することにより回収し、乾燥して、0.5gの主題化合物を得た。このNMRスペクトルは提案された構造と一致した。
【0074】
工程H 化合物107の合成
0.20g(0.0005モル)の1−[4−(3,3−ジクロロプロップ−2−エニルオキシ)−2,6−ジクロロフェノキシ]−4−ブロモブタン(本実施例の工程AからEで調製した)、0.11g(0.0005モル)の1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2,4−トリアゾリン−5−オン(本実施例の工程F及びGで調製した)、0.10g(0.0008モル)の炭酸カリウム及び0.10g(触媒)の18−クラウン−6を10mLのDMFで攪拌した溶液を、80℃に加熱し、この温度で溶液を18時間維持した。この時間の後に、反応混合物を周囲温度に冷却し、50mLの蒸留水で希釈し、200mLのジエチルエーテルで抽出した。次いで、抽出液を50mLの蒸留水で洗浄し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物を、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーで塩化メチレンを溶出液として使用して精製した。適切な複数の画分を一緒にし、減圧下で濃縮して、0.08gの主題化合物を得た。このNMRスペクトルは提案された構造と一致した。
【実施例2】
【0075】
本実施例は、1−{4−[4−(3,3−ジクロロプロップ−2−エニルオキシ)−2,6−ジクロロフェノキシ]ブチル}−4−(3−クロロフェニル)−1,2,3,4−テトラゾリン−5−オン(下記の表の化合物310)を調製するための一つのプロトコールを例示する。
【0076】
工程A 中間体としての1−(3−クロロフェニル)−テトラゾリン−5−オンの合成
DMF(5.0ml)を0℃に冷却し、0.48g(0.0074モル)のアジ化ナトリウムを加えながら攪拌した。この混合物に50mgの塩化アルミニウムを加えた。混合物を70℃に15分間加熱し、次いで公知化合物3−クロロフェニルイソシアネートをこのままで一度に加えた。混合物を75℃で3時間加熱し、次いで冷却し、0.5gの亜硝酸ナトリウムと50gの氷とを含有する100mlの水に注加した。これに、十分な10%塩化水素を徐々に加えてKI/デンプン試験紙の変化を生させた。得られた固体を濾過し、乾燥した。濾液を酢酸エチルに溶解し、水洗し、濃縮して残留物を得た。粗製残留物を、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーで95:5のジクロロメタン−メタノールを溶出液として使用して精製して、0.38gの1−(3−クロロフェニル)−テトラゾリン−5−オンを得た。
【0077】
工程B 化合物310の合成
0.54g(0.0013モル)の1−[4−(3,3−ジクロロプロップ−2−エニルオキシ)−2,6−ジクロロフェノキシ]−4−ブロモブタン(実施例1の工程AからEで調製した)、0.25g(0.0013モル)の1−(3−クロロフェニル)−テトラゾリン−5−オン(本実施例の工程Aで調製した)、0.18g(0.0013モル)の炭酸カリウム及び3mLのDMFの攪拌溶液を90℃に加熱し、90℃で攪拌溶液を1時間保持した。この時間の後に、反応混合物を周囲温度に冷却し、50mLの飽和水性塩化アンモニウムに注加した。反応混合物を50mLの酢酸エチルで2回抽出した。次いで、抽出液を、飽和水性塩化ナトリウムで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物を、分取TLC板で9:1のヘプタン−酢酸エチルを溶出液として用いて精製して、0.46gの主題化合物を得た。このNMRスペクトルは提案された構造と一致した。
【0078】
本発明の式Iの化合物のような化合物が光学活性体及びラセミ体を含有することができることは、当業者には周知である。本発明の式Iの化合物のような化合物が立体異性体、互変異性体を含有し得る及び/又は多形性を示し得ることも当業者には周知である。本発明がラセミ体、光学活性体、多形体、互変異性体又は立体異性体、又はこれらの混合物を包含することが理解されるべきである。光学活性体を、例えばラセミ混合物の分解によって、又は光学活性中間体からの合成によってどのようにして調製するかは、当分野では周知であることが認められるべきである。
【0079】
以下の表に式Iの化合物の幾つかを示す。
【0080】
【化20】

、R、R、R、Rが水素であり、R、R、R及びRが塩素であり、Aが(CHであり、fが1であり、B及びGがOであり、aが1であり及びDがOであり、Eが−CR20=CR21−であり、c及びdが0であり、XがR11からR15で置換されたアリールである、下記の化合物を提供する。
【0081】
【表1】

【0082】
、R、R、R、Rが水素であり、R、R、R及びRが塩素であり、Aが(CHであり、fが1であり、B及びGがOであり、aが1であり及びDがOであり、Eが−N=CR20−であり、c及びdが0であり、XがR11からR15で置換されたアリールである、下記の化合物を提供する。
【0083】
【表2】

【0084】
、R、R、R、Rが水素であり、R、R、R及びRが塩素であり、Aが(CHであり、fが1であり、B及びGがOであり、aが1であり及びDがOであり、Eが−CR20=N−であり、c及びdが0であり、XがR11からR15で置換されたアリールである、下記の化合物を提供する。
【0085】
【表3】


【0086】
、R、R、R、Rが水素であり、R、R、R及びRが塩素であり、Aが(CHであり、fが1であり、B及びGがOであり、aが1であり及びDがOであり、Eが−CR20=N−であり、c及びdが0であり、XがR11からR15で置換されたアリールであり、及びR14及びR15が−CR24=CR25CR26=CR27−と一緒になって縮合環を形成する、下記の化合物を提供する。
【0087】
【表4】

【0088】
、R、R、R、Rが水素であり、R、R、R及びRが塩素であり、Aが(CHであり、fが1であり、B及びGがOであり、aが1であり及びDがOであり、Eが−CR20=N−であり、c及びdが0であり、XがR11からR15で置換されたアリールであり、及びR12及びR13が−CR24=CR25CR26=CR27−と一緒になって縮合環を形成する、下記の化合物を提供する。
【0089】
【表5】

【0090】
、R、R、R、Rが水素であり、R、R、R及びRが塩素であり、Aが(CHであり、fが1であり、B及びGがOであり、aが1であり及びDがOであり、Eが−CR20=N−であり、c及びdが0であり、XがR11からR15で置換されたアリールであり、及びR11及びR12が−CHCR2425O−と一緒になってベンゾ縮合環を形成する、下記の化合物を提供する。
【0091】
【表6】


【0092】
、R、R、R、Rが水素であり、R、R、R及びRが塩素であり、Aが(CHであり、fが1であり、B及びGがOであり、aが1であり及びDがOであり、Eが−CR20=N−であり、c及びdが0であり、XがR11からR15で置換されたアリールであり、及びR11及びR12が−OCR2425O−と一緒になってベンゾ縮合環を形成する、下記の化合物を提供する。
【0093】
【表7】

【0094】
、R、R、R、Rが水素であり、R、R、R及びRが塩素であり、Aが(CHであり、fが1であり、B及びGがOであり、aが1であり及びDがOであり、Eが−CR20=N−であり、c及びdが0であり、XがR11からR15で置換されたアリールであり、及びR13及びR14が−OCR2425O−と一緒になってベンゾ縮合環を形成する、下記の化合物を提供する。
【0095】
【表8】

【0096】
、R、R、R、Rが水素であり、R、R、R及びRが塩素であり、Aが(CHであり、fが1であり、B及びGがOであり、aが1であり及びDがOであり、Eが−CR20=N−であり、c及びdが0であり、XがR11からR15で置換されたアリールであり、及びR11及びR12が−OCR2425CR2627O−と一緒になってベンゾ縮合環を形成する、下記の化合物を提供する。
【0097】
【表9】

【0098】
、R、R、R、Rが水素であり、R、R、R及びRが塩素であり、Aが(CHであり、fが1であり、B及びGがOであり、aが1であり及びDがOであり、Eが−CR20=N−であり、c及びdが0であり、XがR11からR15で置換されたアリールであり、及びR13及びR14が−OCR2425CR2627O−と一緒になってベンゾ縮合環を形成する、下記の化合物を提供する。
【0099】
【表10】

【0100】
、R、R、R、Rが水素であり、R、R、R及びRが塩素であり、Aが(CHであり、fが1であり、B及びGがOであり、aが1であり及びDがOであり、Eが−CR20=N−であり、c及びdが0であり、XがR11からR15で置換されたアリールであり、及びR11及びR12が−NCR24S−と一緒になって縮合環を形成する、下記の化合物を提供する。
【0101】
【表11】

【0102】
、R、R、R、Rが水素であり、R、R、R及びRが塩素であり、Aが(CHであり、fが1であり、B及びGがOであり、aが1であり及びDがOであり、Eが−CR20=N−であり、c及びdが0であり、XがR12からR15で置換されたヘテロアリールである、下記の化合物を提供する。
【0103】
【表12】

【0104】
、R、R、R、Rが水素であり、R、R、R及びRが塩素であり、Aが(CHであり、fが1であり、B及びGがOであり、aが1であり及びDがOであり、Eが−CR20=N−であり、c及びdが0であり、XがR11からR13及びR15で置換されたヘテロアリールである、下記の化合物を提供する。
【0105】
【表13】

【0106】
、R、R、R、Rが水素であり、R、R、R及びRが塩素であり、Aが(CHであり、fが1であり、B及びGがOであり、aが1であり及びDがOであり、Eが−CR20=N−であり、c及びdが0であり、XがR11、R12、R14及びR15で置換されたヘテロアリールである、下記の化合物を提供する。
【0107】
【表14】


【0108】
、R、R、R、Rが水素であり、R、R、R及びRが塩素であり、Aが(CHであり、fが1であり、B及びGがOであり、aが1であり及びDがOであり、Eが−N=N−であり、c及びdが0であり、XがR11からR15で置換されたアリールである、下記の化合物を提供する。
【0109】
【表15】

【0110】
、R、R、R、Rが水素であり、R、R、R及びRが塩素であり、Aが(CHであり、fが1であり、B及びGがOであり、aが1であり及びDがOであり、Eが−N=N−であり、c及びdが0であり、XがR11からR15で置換されたアリールであり、及びR14及びR15が−CR24=CR25CR26=CR27−と一緒になって縮合環を形成する、下記の化合物を提供する。
【0111】
【表16】

【0112】
、R、R、R、Rが水素であり、R、R、R及びRが塩素であり、Aが(CHであり、fが1であり、B及びGがOであり、aが1であり及びDがOであり、Eが−N=N−であり、c及びdが0であり、XがR11からR15で置換されたアリールであり、及びR12及びR13が−CR24=CR25CR26=CR27−と一緒になって縮合環を形成する、下記の化合物を提供する。
【0113】
【表17】


【0114】
、R、R、R、Rが水素であり、R、R、R及びRが塩素であり、Aが(CHであり、fが1であり、B及びGがOであり、aが1であり及びDがOであり、Eが−N=N−であり、c及びdが0であり、XがR11からR15で置換されたアリールであり、及びR11及びR12が−CHCR2425O−と一緒になってベンゾ縮合環を形成する、下記の化合物を提供する。
【0115】
【表18】

【0116】
、R、R、R、Rが水素であり、R、R、R及びRが塩素であり、Aが(CHであり、fが1であり、B及びGがOであり、aが1であり及びDがOであり、Eが−N=N−であり、c及びdが0であり、XがR11からR15で置換されたアリールであり、及びR11及びR12が−OCR2425O−と一緒になってベンゾ縮合環を形成する、下記の化合物を提供する。
【0117】
【表19】

【0118】
、R、R、R、Rが水素であり、R、R、R及びRが塩素であり、Aが(CHであり、fが1であり、B及びGがOであり、aが1であり及びDがOであり、Eが−N=N−であり、c及びdが0であり、XがR11からR15で置換されたアリールであり、及びR13及びR14が−OCR2425O−と一緒になってベンゾ縮合環を形成する、下記の化合物を提供する。
【0119】
【表20】

【0120】
、R、R、R、Rが水素であり、R、R、R及びRが塩素であり、Aが(CHであり、fが1であり、B及びGがOであり、aが1であり及びDがOであり、Eが−N=N−であり、c及びdが0であり、XがR11からR15で置換されたアリールであり、及びR11及びR12が−OCR2425CR2627O−と一緒になってベンゾ縮合環を形成する、下記の化合物を提供する。
【0121】
【表21】


【0122】
、R、R、R、Rが水素であり、R、R、R及びRが塩素であり、Aが(CHであり、fが1であり、B及びGがOであり、aが1であり及びDがOであり、Eが−N=N−であり、c及びdが0であり、XがR11からR15で置換されたアリールであり、及びR13及びR14が−OCR2425CR2627O−と一緒になってベンゾ縮合環を形成する、下記の化合物を提供する。
【0123】
【表22】

【0124】
、R、R、R、Rが水素であり、R、R、R及びRが塩素であり、Aが(CHであり、fが1であり、B及びGがOであり、aが1であり及びDがOであり、Eが−N=N−であり、c及びdが0であり、XがR11からR15で置換されたアリールであり、及びR11及びR12が−NCR24S−と一緒になって縮合環を形成する、下記の化合物を提供する。
【0125】
【表23】

【0126】
、R、R、R、Rが水素であり、R、R、R及びRが塩素であり、Aが(CHであり、fが1であり、B及びGがOであり、aが1であり及びDがOであり、Eが−N=N−であり、c及びdが0であり、XがR12からR15で置換されたヘテロアリールである、下記の化合物を提供する。
【0127】
【表24】

【0128】
、R、R、R、Rが水素であり、R、R、R及びRが塩素であり、Aが(CHであり、fが1であり、B及びGがOであり、aが1であり及びDがOであり、Eが−N=N−であり、c及びdが0であり、XがR11からR13及びR15で置換されたヘテロアリールである、下記の化合物を提供する。
【0129】
【表25】

【0130】
、R、R、R、Rが水素であり、R、R、R及びRが塩素であり、Aが(CHであり、fが1であり、B及びGがOであり、aが1であり及びDがOであり、Eが−N=N−であり、c及びdが0であり、XがR11、R12、R14及びR15で置換されたヘテロアリールである、下記の化合物を提供する。
【0131】
【表26】

【0132】
、R、R、R、R、R及びR10が水素であり、R、R、R及びRが塩素であり、Aが(CHであり、fが1であり、B及びGがOであり、aが1であり及びDがOであり、Eが−CR20=N−であり、cが1であり及びdが0であり、XがR11からR15で置換されたアリールである、下記の化合物を提供する。
【0133】
【表27】

【0134】
、R、R、R、R、R及びR10が水素であり、R、R、R及びRが塩素であり、Aが(CHであり、fが1であり、B及びGがOであり、aが1であり及びDがOであり、Eが−N=N−であり、cが1であり及びdが0であり、XがR11からR15で置換されたアリールである、下記の化合物を提供する。
【0135】
【表28】

【0136】
、R、R、R、R、R及びR10が水素であり、R、R、R及びRが塩素であり、Aが(CHであり、fが1であり、B及びGがOであり、aが1であり及びDがOであり、Eが−CR20=N−であり、cが1であり及びdが0であり、XがR11からR15で置換されたアリールである、下記の化合物を提供する。
【0137】
【表29】


【0138】
、R、R、R、R、R20、R21が水素であり、R、R、R及びRが塩素であり、Aが(CHであり、fが1であり、B及びGがOであり、aが1であり及びDがOであり、Eが−CR2021C(=O)−であり、c及びdが0であり、XがR11からR15で置換されたアリールである、下記の化合物を提供する。
【0139】
【表30】

【0140】
、R、R、R、Rが水素であり、R、R、R及びRが塩素であり、Aが(CHであり、fが1であり、B及びGがOであり、aが1であり及びDがOであり、Eが−C(=O)C(=O)−であり、c及びdが0であり、XがR11からR15で置換されたアリールである、下記の化合物を提供する。
【0141】
【表31】

【0142】
、R、R、R、Rが水素であり、R、R、R及びRが塩素であり、Aが(CHであり、fが1であり、B及びGがOであり、aが1であり及びDがOであり、Eが−N=CR20C(=O)−であり、c及びdが0であり、XがR11からR15で置換されたアリールである、下記の化合物を提供する。
【0143】
【表32】

【0144】
R、R、R、R、Rが水素であり、R、R、R及びRが塩素であり、Aが(CHであり、fが1であり、B及びGがOであり、aが1であり及びDがOであり、c及びdが0であり、XがR11からR15で置換されたアリールである、下記の化合物を提供する。
【0145】
【表33】

【0146】
次の表は、本発明の式Iのある化合物の物理的特性データを示す。式Iの試験化合物は、表1の番号に対応する番号によって特定されている。
【0147】
【表34】


【0148】
候補殺虫剤を、表面処理餌試験においてオオタバコガ(Heliothis virescens[Fabricius])に対する活性について評価した。
【0149】
この試験では、溶融した(65から70℃)小麦胚芽を基材とした人工餌1mLを、4×6(24ウエル)のマルチウエルプレート(ID#430345−直径15.5mm×深さ17.6mm;Corning Costar Corp.、One Alewife Center、Cambridge、MA 02140)の各ウエルにピペットで加えた。飼料を、候補殺虫剤で処理する前に、周囲温度に冷却した。
【0150】
殺虫活性の測定については、候補殺虫剤の溶液を、試験するためにパッカード204DTマルチプローブ(登録商標)ロボットシステム(Packard Instrument Company、800 Research Parkway、Meriden、CT 06450)を使用して調製し、このシステムにおいてロボットは最初に候補殺虫剤の標準50ミリモルDMSO溶液を、1:1の水/アセトン溶液(V/V)で、原液:水/アセトンが1:7の比率で希釈した。次いで、ロボットは、このようにして調製した溶液を40μLを、24マルチウエルプレートの3個のウエルのそれぞれの餌の表面にピペットで加えた。このプロセスを7個の他の候補殺虫剤の溶液を用いて反復した。一度処理されると、マルチウエルプレートの内容物を、乾燥させ、餌の表面に0.25ミリモルの候補殺虫剤を残すか、又は0.25ミリモルの濃度にした。餌の表面にDMSOのみを含有する適切な未処理対照もこの試験に含めた。
【0151】
候補殺虫剤の種々の施用量での殺虫活性の評価について、試験は候補殺虫剤の標準50ミリモルDMSO溶液のサブマルチプル(sub−multiples)を使用して前記のようにして確立された。例えば、標準50ミリモル溶液を、ロボットによりDMSOで希釈して、候補殺虫剤の5、0.5、0.05、0.005、0.0005ミリモル又はそれ以上の希釈溶液を得た。これらの評価において、全体で各プレートにおいて4種類の候補殺虫剤の施用量について各施用量について6個の複製を、24マルチウエルプレート中の餌の表面に置いた。
【0152】
試験プレートの各ウエルに、それぞれ約5mgの体重の二齢期オオタバコガ幼虫1匹を置いた。前記幼虫を各ウエルに置いた後に、プレートを透明ポリフィルム接着テープでシールした。各ウエル上のテープに穴を開けて適切な空気供給を確実にした。次いで、プレートを25℃及び相対湿度69%の生育室に5日間入れた(日照14時間/日)。
【0153】
5日の暴露期間後に、候補殺虫剤のそれぞれの施用量についての殺虫活性を、未処理対照の昆虫の重量に対する昆虫重量の%阻害として評価し、寄生させた昆虫の総数と比べた場合の%死虫率として評価した。
【0154】
この試験から選択された施用量での殺虫活性データを、表3に示す。式Iの試験化合物は、表1の番号に対応する番号によって特定される。
【0155】
【表35】

【0156】
表3に示すように、化合物25を除く試験した本発明の化合物は全て、オオタバコガについて100%の死虫率及び100%成長阻止を示した。
【0157】
本発明を好ましい実施態様について重点をおいて説明したが、好ましい実施態様の変化を使用し得ること及び本発明は本明細書に具体的に説明した以外にも実施し得ることが意図されることが、当業者には理解されるであろう。従って、本発明は、以下の特許請求の範囲で定義されるような発明の精神及び範囲に包まれる全ての変形を包含する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】

[式中、
−R及びRは、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、ハロ(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオ、ハロ(C−C)アルキルチオ、(C−C)アルキルスルホニル、ハロ(C−C)アルキルスルホニル、シアノ、ニトロ、場合により置換されていてもよいアミノ[前記場合による置換基は(C−C)アルキル、(C−C)アルキルカルボニル及び(C−C)アルコキシカルボニルから選択される。]、場合により置換されていてもよいイミダゾリル、場合により置換されていてもよいイミダゾリニル、場合により置換されていてもよいオキサゾリニル、場合により置換されていてもよいオキサゾリル、場合により置換されていてもよいオキサジアゾリル、場合により置換されていてもよいチアゾリル、場合により置換されていてもよいピラゾリル、場合により置換されていてもよいトリアゾリル、場合により置換されていてもよいフラニル、場合により置換されていてもよいテトラヒドロフラニル、場合により置換されていてもよいジオキソラニル、場合により置換されていてもよいジオキサニル、−C(=K)−L及び−C(R16)−M−R17[前記場合による置換基は(C−C)アルキル、ハロゲン、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、シアノ、ニトロ及びアリールから選択される。]から独立して選択され、
KはO、S、NR18、及びNOR18から選択され、式中のR18は水素、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、アリール及びアリール(C−C)アルキルであり、
Lは水素、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルアミノ及びジ(C−C)アルキルアミノから選択され、
MはO、S、及びNR18から選択され、式中のR18は前記の通りであり、
16及びR17は水素、(C−C)アルキル及びハロ(C−C)アルキルから独立して選択されるか、又はR16及びR17は、−Q(CHR18−と一緒になっていてもよく、式中のeは2から4の整数であり、QはO、S、及びNR18から選択され、R18は前記の通りであり、
−R及びRは水素、ハロゲン及び(C−C)アルキルから独立して選択され、
−AはO、S、OCH及び(CHから選択され、式中のアスタリスクはBへ結合する位置を表し及びfは1、2及び3から選択される整数であり、
−BはCH、O、S及びNR19から選択され、式中のR19は水素、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、アリール(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルケニル(C−C)アルキル、ジ(C−C)アルキルホスホネート、(C−C)アルキルカルボニル、ハロ(C−C)アルキルカルボニル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルカルボニル、アリールカルボニル及び(C−C)アルキルスルホニルから選択され、但し、AとBが同時にO又はSでないことを条件とし、
−Rは水素であり、
−R及びRはハロゲンから独立して選択され、
−aは0又は1から選択される整数であり、
及びaが1である場合には、
−DはO、CH、OCH、CHO、OCH=CH、C(=O)、S(O)、−CH=CH−、−OC(=O)−、−OC(=O)NH−、−NHC(=O)−、−NHSO−、−N=CH−、NR19又はN(オキシド)R19であり、式中のR19は前記の通りであり及びgは0、1又は2から選択される整数であり、
−bは0、1、2、3、4、5又は6から選択される整数であり、
及びbが1又はそれ以上である場合には、
−R及びRは水素、ハロゲン、(C−C)アルキル、シクロ(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル及びアリールから独立して選択され、
−Eは−CR20=CR21−、−CR20=N−、−N=CR20、−N=N−、−C(=O)CR2021−、−CR2021C(=O)−、−(CR2021−、−N=CR20C(=O)−、−C(=O)CR20=N−、−C(=O)NR20−、−NR20C(=O)−、−CR20=CR21C(=O)−、−C(=O)CR21=CR20−、−CR2021OCR2223−、−C(=O)C(=O)−、−S(O)CR2021−S(O)NR20−−OCR2223−、−CR2223O−及び−C(=O)−から選択される架橋基であり、式中のアスタリスクは式Iで1として指定される位置での結合位置を表し、gは前記の通りであり、nは2、3及び4から選択される整数であり、及びR20からR23は、すべてを含んで、水素、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシカルボニル、ニトロ、シアノ、アミノ、(C−C)アルキルアミノ及びアリールから独立して選択され、ジェミナル位のR20からR23は一緒になって炭素、窒素及び酸素からなる5−、6−又は7−員スピロ環を形成していてもよいし、又は隣り合った位置のR20からR23は一緒になって炭素、窒素及び酸素からなる5−、6−又は7−員環又はベンゾ縮合環を形成していてもよく、
−GはO、S、N−Q又はC−Qから選択され、式中のQはシアノ又はニトロであり、
−cは0、1、2、3又は4から選択される整数であり、
及びcが1又はそれ以上である場合には、
−R及びR10は水素、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル又は(C−C)アルコキシ及びアリールから独立して選択され、
−dは0又は1から選択される整数であり、
及びdが1である場合には、
−JはO、CH=CH、S(O)、HC=N、C(=O)、OC(=O)、C(=O)O、C(=O)NH、NR19、N(オキシド)R19及びNR19C(=O)から選択され、式中のg及びR19は前記の通りであり、
−Xは置換アリール又は置換ヘテロアリールから選択され、ここにおいてこの置換基は水素、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、ハロ(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルコキシ、ヒドロキシ(C−C)アルキル、シクロ(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルケニル、ハロ(C−C)アルキニル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルケニルオキシ、(C−C)アルキニルオキシ、ハロ(C−C)アルコキシ、ハロ(C−C)アルケニルオキシ、ハロ(C−C)アルキニルオキシ、(C−C)アルキルチオ、ペンタハロチオ、(C−C)アルキルスルフィニル、(C−C)アルキルスルホニル、ハロ(C−C)アルキルチオ、ハロ(C−C)アルキルスルフィニル、ハロ(C−C)アルキルスルホニル、シアノ、ニトロ、NR[式中、R及びRは、水素、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルカルボニル及び(C−C)アルコキシカルボニルから独立して選択されるか、又はR及びRは、一緒になって炭素、O、N又はSを含有する5−又は6−員飽和又は不飽和環を形成していてもよい。]、(C−C)アルキルカルボニル、(C−C)アルキルカルボニルオキシ、(C−C)アルコキシカルボニル、(C−C)アルコキシカルボニルオキシ、(C−C)アルキルアミノカルボニル、(C−C)アルキルアミノカルボニルオキシ、トリ(C−C)アルキルシリル、ジ(C−C)アルキルホスフィノイル、アリール、アリールオキシ、及びアリール(C−C)アルコキシから独立して選択される、
但し、Xが次の構造、
【化2】

を有する置換アリールである場合には、R11及びR12、又はR12及びR13、又はR13及びR14、又はR14及びR15は、−CR24=CR25CR26=CR27−、−OCR2425CH−、−CHCR2425O−、−OCR2425O−、−OCR2425CR2627O−、−OCR2425CH=CH−、−OCR2425CHCH−、−OCR24=N−、−N=CR24O−、−ON=CR24−、−ONR24C(=O)−、−CHNR24C(=O)−、−C−、−C(C=O)−、−SCR24=N−、−OCR2425C(=O)−、−CR24=CR25NR26−、−CR24=NNR25−、−N=NNR24−又は−N=CR24N=N−と一緒になって縮合環を形成し、式中のR24からR27はすべてを含んで、水素、ハロゲン、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルコキシ及びアリールから独立して選択されることを条件とする。]
で示される化合物及びこの農学的に許容し得る塩。
【請求項2】
R及びRが、ハロゲン及び(C−C)アルキルから独立して選択され、
Aが(CHであり、fは1であり、BがOであり、
及びRが塩素及び臭素から独立して選択され、
aが0又は1から選択される整数であり、及びaが1である場合、DはO、CH、OCHから選択され、
bが0、1、2、3、4、5又は6から選択される整数であり、及びbが1又はそれ以上である場合、R及びRはそれぞれ水素であり、
Eが−CR20=CR21−、−CR20=N−、−N=CR20及び−N=N−から選択される前記架橋基であり、R20及び21は水素及び(C−C)アルキルから独立して選択され、
GがO又はSであり、
cが0、1、2、3又は4から選択される整数であり、及びcが1又はそれ以上である場合、R及びR10はそれぞれ水素であり、
dが0又は1から選択される整数であり、及びdが1である場合、JはO、C(=O)及びS(O)であり、gは2であり、
Xが置換アリール又は置換ヘテロアリールであり、ここでこの置換基は水素、ハロゲン、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルコキシ及びハロ(C−C)アルキルスルホニルから独立して選択され、但し、Xが次の構造、
【化3】

を有する置換アリールである場合、R11及びR12、又はR13及びR14は、−OCR2425CH−、−CHCR2425O−、−CR24=CR25CR26=CR27−、−OCR2425O−又は−OCR24=N−と一緒になって縮合環を形成していてもよく、R24、R25、R26及びR27はそれぞれ水素、塩素、弗素、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル又はハロ(C−C)アルコキシである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R及びRがそれぞれ塩素であり、R及びRがそれぞれ水素であり、aが1であり及びDがOであり、bが2、3又は4から選択される整数であり、Eが−CR20=N−、−N=CR20又は−N=N−から選択される前記架橋基であり、R20は水素又はメチルから選択され、GがOであり、cが0又は1から選択される整数であり、dが0であり、及びXが次の構造、
【化4】

を有する置換アリールであり、R11からR15は、すべてを含んで、水素、ハロゲン、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルコキシ及びハロ(C−C)アルキルスルホニルから独立して選択され、及びR11及びR12は、−OCR2425CH−、−OCR2425O−又は−OCR24=N−と一緒になって縮合環を形成していてもよく、R24及びR25は(C−C)アルキル及びハロ(C−C)アルキルから選択される、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
11からR15が、すべてを含んで、水素、塩素、弗素、1,1−ジメチルエチル、トリフルオロメチル及びジフルオロメチルスルホニルから独立して選択され、及びR11及びR12が、−OCR2425CH−、−OCR2425O−又は−OCR24=N−と一緒になって縮合環を形成していてもよく、式中のR24及びR25がそれぞれメチル又はトリフルオロメチルである、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
11からR15が、すべてを含んで、ハロゲン又はハロ(C−C)アルキルから独立して選択され、Eが−N=N−であり及びbが4である、請求項3に記載の化合物。
【請求項6】
式I−JJ
【化5】

[式中、
R及びRはハロゲン及びヒドロキシから独立して選択され、
及びRは水素、ハロゲン及び(C−C)アルキルから独立して選択され、
及びRはハロゲンから独立して選択され、
bは2、3又は4から選択される整数であり、
及びRは水素、ハロゲン、(C−C)アルキル及びハロ(C−C)アルキルから独立して選択され、
Eは−CR20=N−、−N=CR20−及び−N=N−から選択される架橋基であり、式中のアスタリスクは式I−JJで1として指定される位置での結合位置を表し及びR20は水素、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル及びハロ(C−C)アルキルから選択され、
cは0、1、2、3又は4から選択される整数であり、
及びcが1又はそれ以上である場合、
及びR10は、水素、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル及び(C−C)アルコキシから独立して選択され、
Xは置換アリール又は置換ヘテロアリールから選択され、ここにおいてこの置換基は水素、ハロゲン(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル及びハロ(C−C)アルコキシから独立して選択される。]
で示される化合物及びこの農学的に許容し得る塩。
【請求項7】
式I−KK
【化6】

[式中、Eは−CH=N−、−N=CH−及び−N=N−から選択される架橋基であり、式中のアスタリスクは式I−KKで1として指定される位置での結合位置であり、
Xは置換アリールから選択され、この場合の置換基は水素、ハロゲン、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル及びハロ(C−C)アルコキシから独立して選択される。]
で示される化合物及びこの農学的に許容し得る塩。
【請求項8】
殺虫有効量の請求項1に記載の化合物と、少なくとも1種の農学的に許容し得る増量剤又は補助剤とを含有してなる組成物。
【請求項9】
殺虫有効量の請求項6に記載の化合物と、少なくとも1種の農学的に許容し得る増量剤又は補助剤とを含有してなる組成物。
【請求項10】
殺虫有効量の請求項7に記載の化合物と、少なくとも1種の農学的に許容し得る増量剤又は補助剤とを含有してなる組成物。
【請求項11】
農薬、植物生長調節剤、肥料及び土壌改良剤からなる群から選択される1種又はそれ以上の第二の化合物をさらに含有する、請求項8に記載の殺虫剤組成物。
【請求項12】
農薬、植物生長調節剤、肥料及び土壌改良剤からなる群から選択される1種又はそれ以上の第二の化合物をさらに含有する、請求項9に記載の殺虫剤組成物。
【請求項13】
農薬、植物生長調節剤、肥料及び土壌改良剤からなる群から選択される1種又はそれ以上の第二の化合物をさらに含有する、請求項10に記載の殺虫剤組成物。
【請求項14】
殺虫有効量の請求項8に記載の組成物を、昆虫が存在するか又は存在することが予期される場所に施用することからなる昆虫の防除方法。
【請求項15】
殺虫有効量の請求項9に記載の組成物を、昆虫が存在するか又は存在することが予期される場所に施用することからなる昆虫の防除方法。
【請求項16】
殺虫有効量の請求項10に記載の組成物を、昆虫が存在するか又は存在することが予期される場所に施用することからなる昆虫の防除方法。
【請求項17】
殺虫有効量の請求項11に記載の組成物を、昆虫が存在するか又は存在することが予期される場所に施用することからなる昆虫の防除方法。
【請求項18】
殺虫有効量の請求項12に記載の組成物を、昆虫が存在するか又は存在することが予期される場所に施用することからなる昆虫の防除方法。
【請求項19】
殺虫有効量の請求項13に記載の組成物を、昆虫が存在するか又は存在することが予期される場所に施用することからなる昆虫の防除方法。

【公表番号】特表2007−538107(P2007−538107A)
【公表日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−527536(P2007−527536)
【出願日】平成17年5月18日(2005.5.18)
【国際出願番号】PCT/US2005/017993
【国際公開番号】WO2005/112941
【国際公開日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(302063961)バイエル・クロツプサイエンス・アクチエンゲゼルシヤフト (524)
【Fターム(参考)】