説明

置換1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド類は強力なPARP阻害薬である

式(I)の化合物は、PARP酵素を阻害し、PARPに関連する疾患または障害の治療において有用である。式(I)の化合物を含む医薬組成物、式(I)の化合物を含む治療方法、ならびに式(I)の化合物を含むPARP酵素の阻害方法も開示される。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド類、それの製造ならびに医薬製造用の酵素ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼの阻害薬としてのそれの使用に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ(PARP)またはポリ(ADP−リボース)シンターゼ(PARS)は、DNA修復促進、RNA転写の制御、細胞死への介在および免疫応答調節において非常に重要な役割を有する。これらの作用により、PARP阻害薬は広範囲の障害に関する標的となっている。PARP阻害薬は、多くの疾患モデル、特には虚血再潅流傷害、炎症疾患、変性疾患、細胞傷害性化合物の有害効果からの保護および細胞傷害性癌療法のモデルにおいて効力を示している。PARPは、レトロウィルス感染においても示されていることから、前記阻害薬は抗レトロウィルス療法での用途を有することができる。PARP阻害薬は、心筋梗塞、卒中、他の神経外傷、臓器移植ならびに眼球、腎臓、腸および骨格筋の再潅流のモデルでの虚血再潅流傷害の予防において有効であった。阻害薬は、関節炎、痛風、炎症性腸疾患、MSおよびアレルギー脳炎などのCNS炎症、敗血症、敗血症ショック、出血ショック、肺線維症およびブドウ膜炎などの炎症疾患において有効であった。PARP阻害薬は、糖尿病(ならびに合併症)およびパーキンソン病などの変性疾患のいくつかのモデルにおいても効果を示している。PARP阻害薬は、アセトアミノフェン過量投与後の肝臓毒性、ドキソルビシンおよび白金系抗腫瘍薬からの心臓毒性および腎臓毒性、ならびにサルファ・マスタードに続発する皮膚損傷を改善することができる。各種の癌モデルにおいて、PARP阻害薬は、癌細胞の細胞死を増加させ、腫瘍増殖を制限し、転移を減少させ、腫瘍を有する動物の生存を延長させることで、放射線療法および化学療法の効果を高めることが明らかになっている。
【発明の開示】
【0003】
1実施形態において、本発明は、下記式(I)の化合物またはそれの治療上許容される塩、プロドラッグもしくはプロドラッグの塩を提供する。
【0004】
【化3】

式中、
、RおよびRは、水素、アルケニル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキニル、シアノ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、ニトロ、NRおよび(NR)カルボニルからなる群から選択され;
は、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、Xはアルキル、シアノ、ハロゲンおよびハロアルキルからなる群から選択される1、2、3もしくは4個の置換基で置換されていても良く;
Wは、X−Y−NRまたはY−NRであり;
は、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、Xはアルキル、シアノ、ハロゲンおよびハロアルキルからなる群から選択される1、2、3もしくは4個の置換基で置換されていても良く;
Yはアルキレニルであり;
は、水素、アルケニル、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、アルキル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、複素環、複素環アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシアルキル、(NR)アルキル、(NR)カルボニル、(NR)カルボニルアルキルおよび(NR)スルホニルからなる群から選択され;
は、シクロアルキルおよび(フェニルに縮合した)シクロアルキルからなる群から選択され、Rはアルケニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアルキル、アルキニル、カルボキシ、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シアノ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、NR、(NR)アルキル、(NR)カルボニル、(NR)カルボニルアルキル、(NR)スルホニルおよびオキソからなる群から選択される1、2もしくは3個の置換基で置換されていても良く;
、R、RおよびRは独立に、水素、アルキルおよびアルキルカルボニルからなる群から選択される。
【0005】
別の実施形態において本発明は、下記式(I)の化合物またはそれの治療上許容される塩、プロドラッグもしくはプロドラッグの塩を提供する。
【0006】
【化4】

式中、
、RおよびRは独立に、水素およびハロゲンからなる群から選択され;
は、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、Xはハロゲンで置換されていても良く;
Wは、X−Y−NRまたはY−NRであり;
は、アリールであり;
Yは、アルキレニルであり;
は、水素およびアルキルからなる群から選択され;
は、シクロアルキルおよび(フェニルに縮合した)シクロアルキルからなる群から選択される。
【0007】
別の実施形態において本発明は、R、RおよびRが水素である式(I)の化合物を含む医薬組成物を提供する。
【0008】
別の実施形態において本発明は、WがY−NRである式(I)の化合物を含む医薬組成物を提供する。
【0009】
別の実施形態において本発明は、Rがシクロアルキルである式(I)の化合物を含む医薬組成物を提供する。
【0010】
別の実施形態において本発明は、Rが水素であり;Rがシクロアルキルである式(I)の化合物を含む医薬組成物を提供する。
【0011】
別の実施形態において本発明は、Xがチオフェニルである式(I)の化合物を含む医薬組成物を提供する。
【0012】
別の実施形態において本発明は、Xがチアゾリルである式(I)の化合物を含む医薬組成物を提供する。
【0013】
別の実施形態において本発明は、Xがフェニルであり、Xがフェニルである式(I)の化合物を含む医薬組成物を提供する。
【0014】
別の実施形態において本発明は、Xがフェニルであり、WがY−NRである式(I)の化合物を含む医薬組成物を提供する。
【0015】
別の実施形態において本発明は、Rがハロゲンである式(I)の化合物を含む医薬組成物を提供する。
【0016】
別の実施形態において本発明は、治療上許容される担体と組み合わせて式(I)の化合物またはそれの治療上許容される塩を含む医薬組成物を提供する。
【0017】
別の実施形態において本発明は、哺乳動物に対して治療上許容される量の式(I)の化合物またはそれの治療上許容される塩を投与する段階を有する、PARPの阻害の処置が必要であることが認められる哺乳動物におけるPARPの阻害方法を提供する。
【0018】
別の実施形態において本発明は、哺乳動物に対して治療上許容される量の式(I)の化合物またはそれの治療上許容される塩を投与する段階を有する、癌の治療が必要であることが認められる哺乳動物における癌の治療方法を提供する。
【0019】
別の実施形態において本発明は、哺乳動物に対して治療上許容される量の式(I)の化合物またはそれの治療上許容される塩を投与する段階を有する、腫瘍容量の低減の処置が必要であることが認められる哺乳動物における腫瘍容量の低減方法を提供する。
【0020】
別の実施形態において本発明は、哺乳動物に対して治療上許容される量の式(I)の化合物またはそれの治療上許容される塩を投与する段階を有する、下記の治療が必要であることが認められる哺乳動物における白血病、結腸癌、膠芽細胞腫、リンパ腫、メラノーマ、乳癌または子宮頸癌の治療方法を提供する。
【0021】
別の実施形態において本発明は、哺乳動物に対して治療上許容される量の式(I)の化合物またはそれの治療上許容される塩を投与する段階を有する、細胞傷害性癌療法の強化の処置が必要であることが認められる哺乳動物における細胞傷害性癌療法の強化方法を提供する。
【0022】
別の実施形態において本発明は、哺乳動物に対して治療上許容される量の式(I)の化合物またはそれの治療上許容される塩を投与する段階を有する、放射線療法の強化の処置が必要であることが認められる哺乳動物における放射線療法の強化方法を提供する。
【0023】
別の実施形態において本発明は、哺乳動物に対して治療上許容される量の式(I)の化合物またはそれの治療上許容される塩を投与する段階を有する、下記の治療が必要であることが認められる哺乳動物における心筋梗塞、卒中、他の神経外傷および臓器移植(これらに限定されるものではない)に関連する虚血再潅流傷害の治療方法を提供する。
【0024】
別の実施形態において本発明は、哺乳動物に対して治療上許容される量の式(I)の化合物またはそれの治療上許容される塩を投与する段階を有する、下記の処置が必要であることが認められる哺乳動物における眼球、腎臓、腸および骨格筋の再潅流など(これらに限定されるものではない)の再潅流方法を提供する。
【0025】
別の実施形態において本発明は、哺乳動物に対して治療上許容される量の式(I)の化合物またはそれの治療上許容される塩を投与する段階を有する、下記の治療が必要であることが認められる哺乳動物における関節炎、痛風、炎症性腸疾患、CNS炎症、多発性硬化症、アレルギー脳炎、敗血症、敗血症ショック、出血ショック、肺線維症およびブドウ膜炎など(これらに限定されるものではない)の炎症疾患の治療方法を提供する。
【0026】
別の実施形態において本発明は、哺乳動物に対して治療上許容される量の式(I)の化合物またはそれの治療上許容される塩を投与する段階を有する、下記の治療が必要であることが認められる哺乳動物における関節リウマチおよび敗血症ショックなどの免疫の疾患または障害の治療方法を提供する。
【0027】
別の実施形態において本発明は、哺乳動物に対して治療上許容される量の式(I)の化合物またはそれの治療上許容される塩を投与する段階を有する、下記の治療が必要であることが認められる哺乳動物における糖尿病およびパーキンソン病など(これらに限定されるものではない)の変性疾患の治療方法を提供する。
【0028】
別の実施形態において本発明は、哺乳動物に対して治療上許容される量の式(I)の化合物またはそれの治療上許容される塩を投与する段階を有する、低血糖症の治療が必要であることが認められる哺乳動物における低血糖症の治療方法を提供する。
【0029】
別の実施形態において本発明は、哺乳動物に対して治療上許容される量の式(I)の化合物またはそれの治療上許容される塩を投与する段階を有する、レトロウィルス感染の治療が必要であることが認められる哺乳動物におけるレトロウィルス感染の治療方法を提供する。
【0030】
別の実施形態において本発明は、哺乳動物に対して治療上許容される量の式(I)の化合物またはそれの治療上許容される塩を投与する段階を有する、下記の治療が必要であることが認められる哺乳動物におけるアセトアミノフェン過量投与後の肝臓毒性の治療方法を提供する。
【0031】
別の実施形態において本発明は、哺乳動物に対して治療上許容される量の式(I)の化合物またはそれの治療上許容される塩を投与する段階を有する、下記の治療が必要であることが認められる哺乳動物におけるドキソルビシンおよび白金系抗腫瘍薬からの心臓および腎臓毒性の治療方法を提供する。
【0032】
別の実施形態において本発明は、哺乳動物に対して治療上許容される量の式(I)の化合物またはそれの治療上許容される塩を投与する段階を有する、下記の治療が必要であることが認められる哺乳動物におけるサルファ・マスタードに続発する皮膚損傷の治療方法を提供する。
【0033】
別の実施形態において本発明は、PARP酵素の阻害処置が必要であることが認められる哺乳動物においてPARP酵素を阻害するための医薬を製造する上での、式(I)の化合物またはそれの治療上許容される塩の使用を提供する。
【0034】
別の実施形態において本発明は、腫瘍増殖の阻害の処置が必要であることが認められる哺乳動物において腫瘍増殖を阻害するための医薬を製造する上での、式(I)の化合物またはそれの治療上許容される塩の使用を提供する。
【0035】
別の実施形態において本発明は、癌の治療が必要であることが認められる哺乳動物において癌を治療するための医薬を製造する上での、式(I)の化合物またはそれの治療上許容される塩の使用を提供する。
【0036】
別の実施形態において本発明は、下記の治療が必要であることが認められる哺乳動物において白血病、結腸癌、膠芽細胞腫、リンパ腫、メラノーマ、乳癌または子宮頸癌を治療するための医薬を製造する上での、式(I)の化合物またはそれの治療上許容される塩の使用を提供する。
【0037】
別の実施形態において本発明は、哺乳動物に対して治療上許容される量の式(I)の化合物またはそれの治療上許容される塩を投与する段階を有する、下記の強化の処置が必要であることが認められる哺乳動物における細胞傷害性癌療法の強化のための医薬を製造する上での、式(I)の化合物またはそれの治療上許容される塩の使用を提供する。
【0038】
別の実施形態において本発明は、哺乳動物に対して治療上許容される量の式(I)の化合物またはそれの治療上許容される塩を投与する段階を有する、下記の強化の処置が必要であることが認められる哺乳動物における放射線の強化のための医薬を製造する上での、式(I)の化合物またはそれの治療上許容される塩の使用を提供する。
【0039】
別の実施形態において本発明は、哺乳動物に対して治療上許容される量の式(I)の化合物またはそれの治療上許容される塩を投与する段階を有する、下記の治療が必要であることが認められる哺乳動物における心筋梗塞、卒中、他の神経外傷および臓器移植(これらに限定されるものではない。)に関連する虚血再潅流傷害の治療のための医薬を製造する上での、式(I)の化合物またはそれの治療上許容される塩の使用を提供する。
【0040】
別の実施形態において本発明は、哺乳動物に対して治療上許容される量の式(I)の化合物またはそれの治療上許容される塩を投与する段階を有する、下記の治療が必要であることが認められる哺乳動物における眼球、腎臓、腸および骨格筋の再潅流など(これらに限定されるものではない。)の再潅流の治療のための医薬を製造する上での、式(I)の化合物またはそれの治療上許容される塩の使用を提供する。
【0041】
別の実施形態において本発明は、哺乳動物に対して治療上許容される量の式(I)の化合物またはそれの治療上許容される塩を投与する段階を有する、下記の治療が必要であることが認められる哺乳動物における関節炎、痛風、炎症性腸疾患、CNS炎症、多発性硬化症、アレルギー脳炎、敗血症、敗血症ショック、出血ショック、肺線維症およびブドウ膜炎など(これらに限定されるものではない。)の炎症疾患の治療のための医薬を製造する上での、式(I)の化合物またはそれの治療上許容される塩の使用を提供する。
【0042】
別の実施形態において本発明は、哺乳動物に対して治療上許容される量の式(I)の化合物またはそれの治療上許容される塩を投与する段階を有する、下記の治療が必要であることが認められる哺乳動物における関節リウマチおよび敗血症ショックなどの免疫疾患または障害の治療のための医薬を製造する上での、式(I)の化合物またはそれの治療上許容される塩の使用を提供する。
【0043】
別の実施形態において本発明は、哺乳動物に対して治療上許容される量の式(I)の化合物またはそれの治療上許容される塩を投与する段階を有する、下記の治療が必要であることが認められる哺乳動物における糖尿病およびパーキンソン病など(これらに限定されるものではない。)の変性疾患の治療のための医薬を製造する上での、式(I)の化合物またはそれの治療上許容される塩の使用を提供する。
【0044】
別の実施形態において本発明は、哺乳動物に対して治療上許容される量の式(I)の化合物またはそれの治療上許容される塩を投与する段階を有する、低血糖症の治療が必要であることが認められる哺乳動物における低血糖症の治療のための医薬を製造する上での、式(I)の化合物またはそれの治療上許容される塩の使用を提供する。
【0045】
別の実施形態において本発明は、哺乳動物に対して治療上許容される量の式(I)の化合物またはそれの治療上許容される塩を投与する段階を有する、下記の治療が必要であることが認められる哺乳動物におけるレトロウィルス感染の治療のための医薬を製造する上での、式(I)の化合物またはそれの治療上許容される塩の使用を提供する。
【0046】
別の実施形態において本発明は、哺乳動物に対して治療上許容される量の式(I)の化合物またはそれの治療上許容される塩を投与する段階を有する、下記の治療が必要であることが認められる哺乳動物におけるアセトアミノフェン過量投与後の肝臓毒性の治療のための医薬を製造する上での、式(I)の化合物またはそれの治療上許容される塩の使用を提供する。
【0047】
別の実施形態において本発明は、哺乳動物に対して治療上許容される量の式(I)の化合物またはそれの治療上許容される塩を投与する段階を有する、下記の治療が必要であることが認められる哺乳動物におけるドキソルビシンおよび白金系抗腫瘍薬からの心臓および腎臓毒性の治療のための医薬を製造する上での、式(I)の化合物またはそれの治療上許容される塩の使用を提供する。
【0048】
別の実施形態において本発明は、哺乳動物に対して治療上許容される量の式(I)の化合物またはそれの治療上許容される塩を投与する段階を有する、下記の治療が必要であることが認められる哺乳動物でのサルファ・マスタードに続発する皮膚損傷の治療のための医薬を製造する上での、式(I)の化合物またはそれの治療上許容される塩の使用を提供する。
【0049】
定義
本明細書および添付の特許請求の範囲を通じて使用される場合に、下記の用語は下記の意味を有する。
【0050】
本明細書で用いられる「アルケニル」という用語は、2〜10個の炭素原子を有し、水素2個の脱離によって形成される炭素−炭素二重結合を少なくとも1つ有する直鎖または分枝の炭化水素を意味する。アルケニルの代表例には、エテニル、2−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、3−ブテニル、4−ペンテニル、5−ヘキセニル、2−ヘプテニル、2−メチル−1−ヘプテニルおよび3−デセニルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0051】
本明細書で用いられる「アルコキシ」という用語は、酸素原子を介して親分子部分に結合している本明細書で定義のアルキル基を意味する。アルコキシの代表例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、2−プロポキシ、ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシおよびヘキシルオキシなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0052】
本明細書中で用いられる「アルコキシアルキル」という用語は、本明細書で定義のアルキル基を介して親分子部分に結合した、本明細書で定義の少なくとも1個のアルコキシ基を意味する。アルコキシアルキルの代表例には、tert−ブトキシメチル、2−エトキシエチル、2−メトキシエチルおよびメトキシメチルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0053】
本明細書中で用いられる「アルコキシカルボニル」という用語は、本明細書で定義のカルボニル基を介して親分子部分に結合した、本明細書で定義のアルコキシ基を意味する。アルコキシカルボニルの代表例には、メトキシカルボニル、エトキシカルボニルおよびtert−ブトキシカルボニルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0054】
本明細書中で用いられる「アルコキシカルボニルアルキル」という用語は、本明細書で定義のアルキル基を介して親分子部分に結合した、本明細書で定義のアルコキシカルボニル基を意味する。
【0055】
本明細書で用いられる「アルキル」という用語は、1〜10個の炭素原子を有する直鎖または分枝の炭化水素を意味する。アルキルの代表例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、3−メチルヘキシル、2,2−ジメチルペンチル、2,3−ジメチルペンチル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニルおよびn−デシルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0056】
本明細書で用いられる「アルキルカルボニル」という用語は、本明細書で定義のカルボニル基を介して親分子部分に結合した、本明細書で定義のアルキル基を意味する。アルキルカルボニルの代表例には、アセチル、1−オキソプロピル、2,2−ジメチル−1−オキソプロピル、1−オキソブチルおよび1−オキソペンチルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0057】
本明細書で用いられる「アルキルカルボニルオキシ」という用語は、酸素原子を介して親分子部分に結合した、本明細書で定義のアルキルカルボニル基を意味する。アルキルカルボニルオキシの代表例には、アセチルオキシ、エチルカルボニルオキシおよびtert−ブチルカルボニルオキシなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0058】
本明細書で使用される場合の「アルキレニル」という用語は、炭素原子1〜6個の直鎖もしくは分岐の炭化水素から誘導される2価の基を意味する。代表例には、−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、−CHCH−、−CHCHCHCHCH−、−CHCHCH−、−CHCH(CH)CH−などがあるがこれらに限定されるものではない。
【0059】
本明細書で用いられる「アルキルチオ」という用語は、硫黄原子を介して親分子部分に結合した、本明細書で定義のアルキル基を意味する。アルキルチオの代表例には、メチルチオ、エチルチオ、tert−ブチルチオおよびヘキシルチオなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0060】
本明細書で用いられる「アルキルチオアルキル」という用語は、本明細書で定義のアルキル基を介して親分子部分に結合した、本明細書で定義のアルキルチオ基を意味する。アルキルチオアルキルの代表例には、メチルチオメチルおよび2−(エチルチオ)エチルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0061】
本明細書で用いられる「アルキニル」という用語は、炭素原子2〜10個および少なくとも1個の炭素−炭素三重結合とを含む直鎖または分岐の炭化水素基を意味する。アルキニルの代表例としては、アセチレニル、1−プロピニル、2−プロピニル、3−ブチニル、2−ペンチニルおよび1−ブチニルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0062】
本明細書で用いられる「アリール」という用語は、フェニル基またはナフチル基を意味する。
【0063】
本発明のアリール基は、独立にアルケニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルチオ、アルキルチオアルキル、アルキニル、カルボキシ、シアノ、ホルミル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、メルカプト、ニトロ、−NRおよび(NR)カルボニルからなる群から選択される1、2、3、4または5個の置換基で置換されていても良い。
【0064】
本明細書で使用される「アリールアルキル」という用語は、本明細書で定義のアルキル基を介して親分子部分に結合した本明細書で定義のアリール基を意味する。アリールアルキルの代表例には、ベンジル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、1−メチル−3−フェニルプロピルおよび2−ナフト−2−イルエチルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0065】
本明細書で使用される「カルボニル」という用語は、−C(O)−基を意味する。
【0066】
本明細書で使用される「カルボキシ」という用語は、−COH基を意味する。
【0067】
本明細書で用いられる「シアノ」という用語は、−CN基を意味する。
【0068】
本明細書で用いられる「シクロアルキル」という用語は、3〜8個の炭素を有する飽和環状炭化水素基を意味し、シクロアルキルの例にはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルなどがある。
【0069】
本発明のシクロアルキル基は、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルチオ、アルキルチオアルキル、アルキニル、カルボキシ、シアノ、ホルミル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、メルカプト、オキソ、−NRおよび(NR)カルボニルから選択される1、2、3または4個の置換基で置換されていても良い。
【0070】
本明細書で使用される「シクロアルキルアルキル」という用語は、本明細書で定義のアルキル基を介して親分子部分に結合した本明細書で定義のシクロアルキル基を意味する。シクロアルキルアルキルの代表例には、シクロプロピルメチル、2−シクロブチルエチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチルおよび4−シクロヘプチルブチルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0071】
本明細書で用いられる「ホルミル」という用語は、−C(O)H基を意味する。
【0072】
本明細書で用いられる「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、−Cl、−Br、−Iまたは−Fを意味する。
【0073】
本明細書で用いられる「ハロアルコキシ」という用語は、本明細書で定義のアルコキシ基を介して親分子部分に結合した、本明細書で定義の少なくとも1個のハロゲンを意味する。ハロアルコキシの代表例には、クロロメトキシ、2−フルオロエトキシ、トリフルオロメトキシおよびペンタフルオロエトキシなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0074】
本明細書で使用される「ハロアルキル」という用語は、本明細書で定義のアルキル基を介して親分子部分に結合した少なくとも1個の本明細書で定義のハロゲンを意味する。ハロアルキルの代表例には、クロロメチル、2−フルオロエチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルおよび2−クロロ−3−フルオロペンチルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0075】
本明細書で用いられる「ヘテロアリール」という用語は、単環式ヘテロアリール環または二環式ヘテロアリール環を意味する。単環式ヘテロアリール環は、5員もしくは6員環である。5員環は2個の二重結合を有し、独立にN、OおよびSからなる群から選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含む。6員環は3個の二重結合を有し、独立にN、OおよびSからなる群から選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含む。二環式ヘテロアリール環は、フェニル基に縮合した5もしくは6員のヘテロアリール環または別の5もしくは6員ヘテロアリール環に縮合した5もしくは6員ヘテロアリール環からなる。ヘテロアリール内に含まれる窒素ヘテロ原子は、酸化されてN−オキサイドとなっていても良い。ヘテロアリールは、適切な価数を維持しながらヘテロアリール内に含まれる炭素原子を介して親分子部分に連結されている。ヘテロアリールの代表例には、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサジアゾリル、シンノリニル、フロピリジニル、フリル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリル、イソオキサゾリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピロリル、ピリジニウムN−オキサイド、キノリニル、テトラゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエノピリジニル、チエニル、トリアゾリルおよびトリアジニルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0076】
本発明のヘテロアリール基は、独立にアルケニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルチオ、アルキルチオアルキル、アルキニル、カルボキシ、シアノ、ホルミル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、メルカプト、ニトロ、−NRおよび(NR)カルボニルから選択される1、2、3または4個の置換基で置換されている。
【0077】
本明細書で使用される「ヘテロアリールアルキル」という用語は、本明細書で定義のアルキル基を介して親分子部分に結合した、本明細書で定義のヘテロアリール基を意味する。ヘテロアリールアルキルの代表例には、ピリジニルメチルなどがあるが、これに限定されるものではない。
【0078】
本明細書で使用される「複素環」または「複素環式」という用語は、単環式または二環式複素環を意味する。単環式複素環は、独立にO、NおよびSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む3、4、5、6、7もしくは8員環からなる。3もしくは4員環は、O、NおよびSからなる群から選択される1個のヘテロ原子を含む。5員環は、0個もしくは1個の二重結合およびO、NおよびSからなる群から選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を含む。6員もしくは7員環は、0、1もしくは2個の二重結合およびO、NおよびSからなる群から選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を含む。二環式複素環は、シクロアルキル基に縮合した単環式複素環またはフェニル基に縮合した単環式複素環または別の単環式複素環に縮合した単環式複素環からなる。複素環は、適切な価数を維持しながら複素環内に含まれるいずれかの炭素もしくは窒素原子を介して親分子部分に結合している。複素環の代表例には、アゼチジニル、アゼパニル、アジリジニル、ジアゼパニル、1,3−ジオキサニル、1,3−ジオキソラニル、1,3−ジチオラニル、1,3−ジチアニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、オキサジアゾリニル、オキサジアゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ピロリニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチエニル、チアジアゾリニル、チアジアゾリジニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、チオモルホリニル、1,1−ジオキシドチオモルホリニル(チオモルホリンスルホン)、チオピラニルおよびトリチアニルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0079】
本発明の複素環は、独立にアルケニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルチオ、アルキルチオアルキル、アルキニル、カルボキシ、シアノ、ホルミル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、メルカプト、ニトロ、−NRおよび(NR)カルボニルから選択される0、1、2または3個の置換基で置換されている。
【0080】
本明細書で使用される「複素環アルキル」という用語は、本明細書で定義のアルキル基を介して親分子部分に結合した、本明細書で定義の複素環を意味する。
【0081】
本明細書で使用される「ヒドロキシ」という用語は、−OH基を意味する。
【0082】
本明細書で使用される「ヒドロキシアルキル」という用語は、本明細書で定義のアルキル基を介して親分子部分に結合している少なくとも1個のヒドロキシ基を意味する。ヒドロキシアルキルの代表例には、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシペンチルおよび2−エチル−4−ヒドロキシヘプチルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0083】
本明細書で使用される「メルカプト」という用語は、−SH基を意味する。
【0084】
本明細書で使用される「ニトロ」という用語は、−NO基を意味する。
【0085】
本明細書で使用される「非芳香族」という用語は、4員非芳香族環が0個の二重結合を含み、5員非芳香族環が0もしくは1個の二重結合を含み、6、7もしくは8員非芳香族環が0、1もしくは2個の二重結合を含むことを意味する。
【0086】
本明細書で使用される「NR」という用語は、窒素原子を介して親分子部分に結合した2個の基RおよびRを意味する。RおよびRはそれぞれ独立に水素、アルキルおよびアルキルカルボニルである。NRの代表例には、アミノ、メチルアミノ、アセチルアミノおよびアセチルメチルアミノなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0087】
本明細書で使用される「(NR)カルボニル」という用語は、本明細書で定義のカルボニル基を介して親分子部分に結合した、本明細書で定義のNR基を意味する。(NR)カルボニルの代表例には、アミノカルボニル、(メチルアミノ)カルボニル、(ジメチルアミノ)カルボニルおよび(エチルメチルアミノ)カルボニルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0088】
本明細書で使用される「NR」という用語は、窒素原子を介して親分子部分に結合した2個の基RおよびRを意味する。RおよびRはそれぞれ独立に水素、アルキルおよびアルキルカルボニルである。NRの代表例には、アミノ、メチルアミノ、アセチルアミノおよびアセチルメチルアミノなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0089】
本明細書で使用される「(NR)カルボニル」という用語は、本明細書で定義のカルボニル基を介して親分子部分に結合した、本明細書で定義のNR基を意味する。(NR)カルボニルの代表例には、アミノカルボニル、(メチルアミノ)カルボニル、(ジメチルアミノ)カルボニルおよび(エチルメチルアミノ)カルボニルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0090】
本明細書で使用される「(NR)カルボニルアルキル」という用語は、本明細書で定義のアルキル基を介して親分子部分に結合した、本明細書で定義の(NR)カルボニル基を意味する。
【0091】
本明細書で使用される「(NR)スルホニル」という用語は、本明細書で定義のスルホニル基を介して親分子部分に結合した、本明細書で定義のNR基を意味する。(NR)スルホニルの代表例には、アミノスルホニル、(メチルアミノ)スルホニル、(ジメチルアミノ)スルホニルおよび(エチルメチルアミノ)スルホニルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0092】
本明細書で使用される「NR」という用語は、窒素原子を介して親分子部分に結合した2個の基RおよびRを意味する。RおよびRはそれぞれ独立に水素、アルキルおよびアルキルカルボニルである。NRの代表例には、アミノ、メチルアミノ、アセチルアミノおよびアセチルメチルアミノなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0093】
本明細書で使用される「(NR)カルボニル」という用語は、本明細書で定義のカルボニル基を介して親分子部分に結合した、本明細書で定義のNR基を意味する。(NR)カルボニルの代表例には、アミノカルボニル、(メチルアミノ)カルボニル、(ジメチルアミノ)カルボニルおよび(エチルメチルアミノ)カルボニルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0094】
本明細書で使用される「オキソ」という用語は、=O部分を意味する。
【0095】
本発明の化合物は、不斉もしくはキラル中心が存在する立体異性体として存在することができる。立体異性体は、キラル炭素原子周囲の置換基の配置に依存して「R」もしくは「S」と称される。本明細書中で用いられる「R」および「S」という用語は、IUPAC(IUPAC 1974 Recommendations for Section E, Fundamental Stereochemistry, Pure Appl. Chem., 1976, 45: 13-30;参照によって本明細書に組み込まれる。)において定義される配置である。本発明では様々な立体異性体およびそれらの混合物が想到され、これらは本発明の範囲に明確に含まれる。立体異性体にはエナンチオマー、ジアステレオマーならびにエナンチオマーもしくはジアステレオマーの混合物が含まれる。本発明の化合物の個々の立体異性体は、不斉中心もしくはキラル中心を含む市販の出発物質から合成的に製造することができるか、ラセミ混合物を製造し、続いて当業者にとって公知の分割を行うことにより製造できる。これらの分割方法には、(1)キラル助剤へのエナンチオマー混合物の付加、再結晶もしくはクロマトグラフィーによる得られたジアステレオマー混合物の分離、および光学的に純粋な生成物の助剤からの遊離、または(2)光学的エナンチオマー混合物のキラルクロマトグラフィーカラムでの直接分離が例として挙げられる。
【0096】
本発明の化合物は、ACD/ケムスケッチ(ChemSketch)バージョン5.06(アドバンスト・ケミストリー・デベロップメント社(Advanced Chemistry Development, Inc., Toronto, ON, Canada)が開発)によって命名したまたはACD命名法に一致すると思われる名称を与えた。
【0097】
生理活性の測定
PARPの阻害
ニコチンアミド[2,5′,8−3H]アデニン・ジヌクレオチドおよびストレプトアビジンSPAビーズは、アマシャム・バイオサイエンシーズ(Amersham Biosiences;UK)から購入した。大腸菌から精製した組換えヒトポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ(PARP)および6−ビオチン−17−NADは、トレビゲン(Trevigen, Gaithersburg, MD)から購入した。NAD、ヒストン、アミノベンズアミド、3−アミノベンズアミドおよびウシ胸腺DNA(dcDNA)は、シグマ(Sigma, St. Louis, MO)から購入した。MCAT配列を含むステムループオリゴヌクレオチドは、キアゲン(Qiagen)から入手した。これらのオリゴを、10mM TrisHCl pH7.5、1mM EDTAおよび50mM NaClを含むアニーリング緩衝液に溶かして1mMとし、95℃で5分間温置し、次に45℃で45分間アニーリングした。ヒストンH1(電気泳動上の純度95%)は、ロッシュ(Roche, Indianapolis, IN)から購入した。ビオチン化ヒストンH1は、そのタンパク質をピアース・ロックフォード(Pierce Rockford, IL)からのスルホ−NHS−LC−ビオチンで処理することで製造した。そのビオチン化反応は、緩やかに渦攪拌しながら4℃で3当量の10mM スルホ−NHS−LC−ビオチンを100mMヒストンH1のリン酸緩衝生理食塩水溶液(pH7.5)に1分間かけてゆっくりおよび間欠的加え、次に4℃で1時間インキュベートすることで実施した。ストレプトアビジンで被覆された(フラッシュプレート・プラス(FlashPlate Plus))マイクロプレートは、パーキン・エルマー(Perkin Elmer, Boston, MA)から購入した。
【0098】
PARP1アッセイは、50mM TrispH8.0、1mM DTT、4mM MgClを含むPARPアッセイ緩衝液中で行った。PARP反応液は、1.5μMの[H]−NAD(1.6μCi/mmol)、200nMビオチン化ヒストンH1、200nM slDNAおよび1nM PARP酵素を含むものであった。SPAビーズに基づく検出を用いる自動反応を、白色96ウェルプレートにおいて容量100μLで行った。2倍NAD基質混合物50μLをPARPおよびDNAを含む2倍酵素混合物50μLに加えることで反応を開始した。これらの反応は、1.5mMベンズアミド50μL(それのIC50の約1000倍)を加えることで停止した。停止反応混合物170μLをストレプトアビジンフラッシュプレートに移し入れ、1時間温置し、トップカウント(TopCount)マイクロプレートシンチレーションカウンタを用いてカウンティングした。各種基質濃度での阻害曲線からKデータを求め、本発明の化合物について表1に示した。
【0099】
【表1】

【0100】
細胞PARPアッセイ
C41細胞を、96ウェルプレートにて30分間にわたり本発明の化合物で処理した。次に、1mM Hで10分間DNAに損傷を与えることでPARPを活性化した。次に、細胞を氷冷PBSで1回洗浄し、予冷しておいた−20℃のメタノール:アセトン(7:3)で10分間固定した。風乾後、プレートをPBSで再水和し、5%無脂肪乾燥ミルクのPBS−Tween(0.05%)溶液(ブロッキング溶液)で室温にて30分間ブロックした。 細胞を抗PAR抗体10H(1:50)とともにブロッキング溶液中にて37℃で60分間温置し、次にPBS−Tween20で5回洗浄し、ヤギ抗マウスフルオレセイン5(6)−イソチオシアネート接合抗体(1:50)および1μg/mLの4′,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI)とともにブロッキング溶液中で37℃にて60分間温置した。PBS−Tween20で5回洗浄後、励起波長490nmおよび発光波長528nmフルオレセイン5(6)−イソチオシアネート(FITC)または励起波長355nmおよび発光波長460nm(DAPI)に設定したフィナックス(finax)蛍光マイクロプレート読み取り装置(Molecular Devices, Sunnyvalle, CA)を用いて分析を実施した。PARP活性(FITCシグナル)を細胞数で正規化した(DAPI)。
【0101】
この細胞アッセイは、細胞内でのPARPによるポリADP−リボースの形成を測定するものであり、本発明の化合物が細胞膜を透過し、無傷の細胞でPARPを阻害することを示している。本発明の代表的な化合物についてのEC50値を表2に示してある。
【0102】
【表2】

【0103】
PARP阻害薬として本発明の化合物は、虚血再潅流傷害、炎症疾患、変性疾患、細胞傷害性化合物の有害効果からの保護、および細胞傷害性癌療法の強化に関して多くの治療上の用途を有する。特に本発明の化合物は、癌細胞の細胞死を増加させ、腫瘍増殖を制限し、転移を低減し、腫瘍を有する哺乳動物の生存を延長することで、放射線療法および化学療法を強化するものである。式(I)の化合物は、白血病、結腸癌、膠芽細胞腫、リンパ腫、メラノーマ、乳癌および子宮頸癌を治療することができる。他の治療用途には、レトロウィルス感染、関節炎、痛風、炎症性腸疾患、CNS炎症、多発性硬化症、アレルギー脳炎、敗血症、敗血症ショック、出血ショック、肺線維症、ブドウ膜炎、糖尿病、パーキンソン病、心筋梗塞、卒中、他の神経外傷、臓器移植、眼球の再潅流、腎臓の再潅流、腸の再潅流、骨格筋の再潅流、アセトアミノフェン過量投与後の肝臓毒性、ドキソルビシンおよび白金系抗腫瘍薬からの心臓および腎臓毒性、およびサルファ・マスタードに続発する皮膚損傷などがあるが、これらに限定されるものではない(G. Chen et al. Cancer Chemo. Pharmacol. 22 (1988), 303;C. Thiemermann et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94 (1997), 679-683;D. Weltin et al. Int. J. Immunopharmacol. 17 (1995), 265-271;H. Kroger et al. Inflammation 20 (1996), 203-215;W. Ehrlich et al. Rheumatol. Int. 15 (1995), 171-172;C. Szabo et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95 (1998), 3867-3872;S. Cuzzocrea et al. Eur. J. Pharmacol. 342 (1998), 67-76;V. Burkhart et al., Nature Medicine (1999), 5314-19)。
【0104】
上記または他の治療において使用する場合、治療上有効量の本発明の化合物のいずれかを、両性イオンとして、または製薬上許容される塩として用いることができる。「治療上有効量」の本発明の化合物とは、あらゆる医学的処置に適用可能な妥当な利益/リスク比で疾患もしくは障害を治療もしくは予防する上で十分な化合物量を意味する。しかしながら、本発明の化合物および組成物の総一日用量が、妥当な医学的判断の範囲内で担当医によって決定されることは明らかであろう。特定の患者における具体的な治療上有効用量レベルは、治療対象の障害およびその障害の重度;使用される具体的な化合物の活性;使用される具体的な組成物;患者の年齢、体重、全身の健康状態、性別および食事;使用される具体的な化合物の投与時刻、投与経路および排泄速度;治療期間;使用される具体的な化合物と併用または同時使用する薬物;ならびに医学分野において公知である同様の要素などの各種要素によって決まる。例えば、化合物の用量を、所望の治療効果を達成するのに必要な容量より低いレベルで開始し、所望の効果が得られるまで用量を徐々に増加させることは、当業界の技術の範囲内である。
【0105】
「製薬上許容される塩」という用語は、妥当な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー応答などを伴わずにヒトおよび下等動物の組織と接触させて使用する上で好適であり、妥当な利益/リスク比を有する塩を含むものである。製薬上許容される塩は、当業界において公知である。その塩は、本発明の化合物の最終単離および精製中にイン・サイツで製造することができるか、別段階で本発明の化合物の遊離塩基を好適な酸と反応させることで製造することができる。代表的な酸には、酢酸(acetatic)、クエン酸、アスパラギン酸、安息香酸、ベンゼンスルホン酸、酪酸、フマル酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、乳酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、パモ酸、ペクチン酸、ピバリン酸、プロピオン酸、コハク酸、酒石酸、リン酸(phosphic)、グルタミン酸およびp−トルエンスルホン酸などがあるが、これらに限定されるものではない。また、塩基性窒素含有基を、塩化、臭化およびヨウ化メチル、エチル、プロピルおよびブチルなどの低級アルキルハライド;硫酸ジメチル、ジエチル、ジブチルおよびジアミルのような硫酸ジアルキル;塩化、臭化およびヨウ化デシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリルなどの長鎖ハロゲン化物;臭化ベンジルおよびフェネチルのようなハロゲン化アリールアルキルなどの薬剤で4級化することができる。これによって、水もしくは油に溶解性もしくは分散性の製品が得られる。
【0106】
本発明の化合物は、1以上の製薬上許容される賦形剤と組み合わせた本発明の化合物を含む医薬組成物として投与することができる。製薬上許容される担体もしくは賦形剤とは、無毒性の固体、半固体もしくは液体の充填剤、希釈剤、封入材料またはあらゆる種類の製剤補助剤を指す。その組成物は、非経口投与、大槽内投与、膣投与、腹腔内投与、局所投与(粉剤、軟膏、滴剤または経皮貼付剤によって)、直腸投与または口腔内投与することができる。本明細書で使用される「非経口」という用語は、静脈、筋肉、腹腔内、胸骨内、皮下および動脈の注射もしくは注入を含む投与形態を指す。
【0107】
非経口注射用の医薬組成物には、製薬上許容される無菌の水系もしくは非水系溶液、分散液、懸濁液または乳濁液、ならびに使用直前に無菌注射用溶液もしくは分散液で再生する無菌粉剤などがある。好適な水系および非水系の担体、希釈剤、溶媒または媒体の例には、水、エタノール、多価アルコール(グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、カルボキシメチルセルロースおよびそれらの好適な混合物、植物油(オリーブ油など)、およびオレイン酸エチルなどの注射用有機エステルなどがある。適切な流動性は、例えばレシチンなどのコーティング材料の使用により、分散液の場合には必要粒径の維持により、そして界面活性剤の使用によって維持することができる。
【0108】
これらの組成物は、保存剤、湿展剤、乳化剤および分散剤などの補助剤も含有し得る。微生物の活動防止は、各種の抗菌剤および抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸などを含有させることによって確保することができる。糖類、塩化ナトリウムなどの等張剤を含めることが望ましい場合もある。モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンなどの吸収を遅らせる薬剤を含有させることで、注射用医薬製剤の長期吸収をもたらすことができる。
【0109】
本発明の化合物は、リポソームの形態で投与することもできる。当業界で公知のように、リポソームは、リン脂質その他の液体物質から誘導される。リポソームは、水系媒体に分散されている単ラメラまたは多ラメラ水和液晶によって形成される。リポソームを形成することができる無毒性で生理的に許容される代謝可能な脂質であればいかなるものも使用可能である。リポソーム形態の本発明の組成物は、本発明の化合物に加えて、安定剤、保存剤、賦形剤などを含有することができる。好ましい液体は、いずれも天然および合成のリン脂質およびホスファチジルコリン類(レシチン類)である。リポソームを形成するための方法は当業界で公知である(例えば、Prescott, Ed., Methods in Cell Biology, Volume XIV, Academic Press, New York, N. Y. (1976), p. 33 et seq.参照)。
【0110】
ヒトその他の哺乳動物宿主に単一投与もしくは分解投与で投与される本発明の組成物の総1日用量は、例えば0.0001〜300mg/kg/日、より普通には1〜300mg/kgの量とすることができる。0.0001〜300mg/kgの用量を1日2回投与することが可能である。
【0111】
下記の実施例の説明で使用した略称は、DBU:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン;DMF:N,N−ジメチルホルムアミド;DMSO:ジメチルスルホキシド;EtO:ジエチルエーテル;EtOAc:酢酸エチル;EtOH:エタノール;HPLC:高速液体クロマトグラフィー;LDA:リチウムジイソプロピルアミド;MeOH:メタノール;psi:ポンド/平方インチ;TFA:トリフルオロ酢酸;THF:テトラヒドロフラン、およびTMS:トリメチルシランである。
【0112】
式Iを有する化合物は、本明細書において例を下記に示した合成化学的方法によって製造することができる。理解すべき点として、それらの方法における段階の順序は変えることができ、試薬、溶媒および反応条件は具体的に言及されているものから変えることが可能であり、攻撃されやすい部分は必要に応じて保護および脱保護しても良い。
【0113】
【化5】

【0114】
図式1に示したように、Xがフェニルまたはチオフェニルであり、WがY−NRである式(I)の化合物の代表的なものである式6の化合物は、示した方法に従って製造することができる。従って、Rが水素またはアルキルであり、RおよびRがいずれもアルキルアセタールであるか、RとRが一体となって環状アセタールを形成しているか、RおよびRが一体となってオキソを形成している式1の化合物および式2の化合物の混合物を酸の存在下またはPd/Cを含むメタノールの還流などの条件下で加熱すると、式4の化合物(または、未保護のケトンまたはアルデヒドを原料とした場合は式5)が得られる。あるいは、式1の化合物は、1,1′−カルボニルジイミダゾール(CDI)などの標準的なアミド形成試薬を用いて式3の化合物(式2の化合物と同様の保護または未保護のケトンまたはアルデヒドを含む。)で処理すると中間体アミドを与え、それを次に、加熱条件下で酢酸などの酸で処理すると、式4の化合物(または、未保護のケトンまたはアルデヒドを原料とした場合は式5)が得られる。ケタールまたはアセタールなどの保護ケトンまたはアルデヒドを含む式4の化合物を、酢酸、希塩酸または硫酸などの触媒量の酸で処理すると式5の化合物が得られる。式5の化合物は、水素化ホウ素シアノナトリウムなど(これらに限定されるものではない。)の還元剤の存在下または当業者には公知の還元的アミノ化を行う他の条件下にてアミンRNHで処理すると、本発明の化合物の代表的なものである式6の化合物が得られる。
【0115】
【化6】

【0116】
図式2に示したように、XおよびXのいずれもフェニルである式(I)の化合物の代表的なものである式12の化合物は、それに従って製造することができる。ベンズアミダゾール類を形成するのに用いられる図式1に示した条件に従って、Xがフェニルであり、Qが塩素、臭素またはヨウ素である式7または式8の化合物で処理すると、式1の化合物からは式9の化合物が得られる。さらに、加熱条件下に[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムおよび炭酸ナトリウムなど(これらに限定されるものではない。)のパラジウム触媒の存在下に、Xがフェニルである式10のボロン酸で処理すると、式9の化合物からは式11の化合物が得られる。当業者には公知の還元的アミノ化条件下で、または図式1に示した方法に従って、式RNHのアミンで処理すると、式11の化合物から式12の化合物が得られる。
【0117】
【化7】

【0118】
同様に、Xがフェニルであり、WがY−NRである式(I)の化合物の代表的なものである式17の化合物は、これに従って合成される。図式1に示した手順に従って、RおよびRがそれぞれ−O−アルキルであるか、一体となって環状アセタールを形成している、式13または14の化合物で処理すると、式1の化合物からは式15の化合物が得られる。式15の化合物のアセタール基は、酸触媒条件下で脱保護して、式16の化合物を得ることができる。図式1または2に示した還元的アミノ化条件で処理すると、式16の化合物からは式17の化合物が得られる。
【0119】
下記の実施例は、添付の特許請求で定義される本発明を説明するものであって、本発明の範囲を限定するものではない。本発明の化合物は、各種合成経路によって製造することができる。
【0120】
【化8】

【0121】
図式4
図式4には、Xがチアゾリルであり、WがY−NRである式22の化合物の合成を示してある。式1の化合物は、例えば加熱しながらPd/Cまたは重亜硫酸ナトリウムを用いて、式18の化合物(保護基Pを有するアミンを含む)にカップリングさせて、式20の化合物を得ることができる。あるいは、1,1′−カルボニルジイミダゾール(CDI)などの標準的なアミド形成試薬を用いて、式1の化合物を式19の化合物(保護基Pを有するアミンを含む)にカップリングさせて中間体アミドを得ることができ、それを酢酸などの酸で加熱下に処理することで、式20の化合物を得た。このアミンの脱保護によって、式21の化合物を得た。式21の化合物について、当業者は公知の条件を用いてケトンまたはアルデヒド22での還元的アミノ化を行って、式23の化合物を得ることができる。式23の化合物について、ケトンまたはアルデヒド24を用いる第2の還元的アミノ化を行って、式25の化合物を得ても良い。
【0122】
下記の実施例は、添付の特許請求で定義される本発明を説明するものであって、本発明の範囲を限定するものではない。本発明の化合物は、各種合成経路によって製造することができる。
【実施例】
【0123】
(実施例1)
2−{4−[1−(シクロヘキシルメチルアミノ)エチル]フェニル}−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
実施例1A
2−(4−アセチルフェニル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
4−アセチル安息香酸(1.64g、10mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF、10mL)およびピリジン(10mL)溶液を40℃で10分間攪拌し、1,1′−カルボニルジイミダゾール(CDI、1.7g、10.5mmol)を加え、混合物を40℃で30分間攪拌した。2,3−ジアミノベンズアミド・2塩酸塩(US6737421第11欄実施例2段階(e)に記載の方法に従って合成、2.2g、10mmol)を加え、混合物を室温で2.5時間攪拌した。イソプロピルアルコール(20mL)を加え、混合物を室温で20時間攪拌した。得られた固体を濾過し、イソプロピルアルコールで洗浄し、乾燥して、明黄色固体2.1gを得た。粗取得物を50%水酸化ナトリウム(1mL)を加えた水(30mL)中で室温にて7.5時間攪拌した。溶液を濾過し、固体(1.84g)を回収し、還流酢酸(25mL)中で4時間攪拌した。混合物を濃縮し、塩化メチレン中で攪拌し、濾過し、乾燥して、標題化合物1.78gを得た(2段階で64%)。H NMR(DMSO−d)δ9.27(br、1H)、8.40(d、J=8.4Hz、2H)、8.16(d、J=8.5Hz、2H)、7.89(d、J=7.5Hz、1H)、7.78(d、J=6.8Hz、1H)、7.78(br、1H)、7.37(t、J=7.8Hz、1H)、2.66(s、3H)。
【0124】
実施例1B
2−{4−[1−(シクロヘキシルメチルアミノ)エチル]フェニル}−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
実施例1A(0.1g、0.4mmol)およびシクロヘキシルメチルアミン(0.2mL、1.5mmol)のメタノール(1mL)溶液を、水素化ホウ素シアノナトリウム(0.05g、0.8mmol)および酢酸(0.1mL)で処理した。混合物を70℃で72時間攪拌してから濃縮した。残留物を、0%から100%アセトニトリル/水/0.1%トリフルオロ酢酸を用いるC18カラムでのHPLCによって精製して、標題化合物をトリフルオロ酢酸塩として得た。H NMR(DMSO−d)δ9.25(s、1H)、8.35(s、2H)、7.89(s、1H)、7.78(s、4H)、7.35−7.40(m、1H)、4.76(s、1H)、3.35(s、6H)、2.82(d、J=4.9Hz、1H)、2.46(d、J=5.2Hz、1H)、1.69(s、2H)、1.66(d、J=6.4Hz、3H)、1.37(s、2H)、1.09(s、1H)。
【0125】
(実施例2)
2−[4−(1−シクロブチルアミノエチル)フェニル]−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
実施例1A(0.07g、0.3mmol)およびシクロブチルアミン(0.34mL、4.8mmol)のメタノール(1mL)溶液を水素化ホウ素シアノナトリウム(0.016g、0.3mmol)および酢酸(0.2mL)で処理した。混合物を室温で48時間攪拌し、濃縮した。残留物を、0%から10%メタノール/塩化メチレン/0.1%水酸化アンモニウムを用いるシリカゲルカラムでのクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物を得た。H NMR(DMSO−d)δ9.34(s、1H)、8.19(d、J=1.1Hz、2H)、7.86(d、J=7.7Hz、1H)、7.72(d、J=8.0Hz、2H)、7.57(d、J=7.7Hz、2H)、7.34(t、J=7.7Hz、1H)、3.97(s、1H)、3.16(d、J=5.2Hz、4H)、2.09(s、1H)、1.88(s、2H)、1.75(s、1H)、1.60(s、1H)、1.52(s、1H)、1.36(s、3H)。
【0126】
(実施例3)
2−{4′−[(シクロヘキシルメチルアミノ)メチル]ビフェニル−4−イル}−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
実施例3A
2−(4−ブロモフェニル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
2,3−ジアミノベンズアミド・2塩酸塩(US6737421第11欄実施例2段階(e)に記載の方法に従って合成、5g、22.3mmol)および4−ブロモベンズアルデヒド(4.13g、22.3mmol)のメタノール(200mL)中混合物に、10%Pd/C(1.3g)を加えた。混合物を終夜還流し、冷却し、セライト層で濾過した。濾液を減圧下に濃縮し、0%から10%メタノール/塩化メチレンを用いるシリカゲルカラムでのクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物を得た(1.2g、17%)。MS(ESI)m/e317(M+H)
【0127】
実施例3B
2−(4′−ホルミルビフェン−4−イル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
実施例3A(1.18g、3.8mmol)および4−ホルミルフェニルボロン酸(0.57g、3.8mmol)のジオキサン(15mL)溶液を、[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(0.32g、0.4mmol)および炭酸ナトリウム(1.8g、17mmol)で処理した。混合物を95℃で24時間加熱し、冷却し、濾過した。濾液を濃縮して粗生成物を得て、それをそれ以上精製せずに用いた。MS(ESI)m/e342(M+H)
【0128】
実施例3C
2−{4′−[(シクロヘキシルメチルアミノ)メチル]ビフェニル−4−イル}−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
実施例1Aに代えて実施例3Bを用い、実施例1Bに記載の手順を用いて、標題化合物をトリフルオロ酢酸塩として製造した。H NMR(DMSO−d)δ9.33(s、1H)、8.35(t、J=7.5Hz、2H)、7.86−7.93(m、2H)、7.78(s、3H)、7.73−7.78(m、2H)、7.66(d、J=8.3Hz、2H)7.36(t、J=7.82Hz、1H)、4.49(s、1H)、4.18−4.47(m、1H)、3.25(s、1H)、2.65(d、J=4.6Hz、3H)、2.10(m、2H)、1.85(s、2H)、1.61(s、1H)、1.47−1.56(m、1H)、1.24−1.32(m、1H)、1.18(s、1H)。
【0129】
(実施例4)
2−(4′−シクロプロピルアミノメチルビフェニル−4−イル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
実施例1Aに代えて実施例3Bを用い、シクロヘキシルメチルアミンに代えてシクロプロピルアミンを用い、実施例1Bに記載の手順を用いて標題化合物をトリフルオロ酢酸塩として製造した。H NMR(DMSO−D6)δ9.00(s、2H)、8.36(d、J=8.3Hz、2H)、7.95(d、J=8.3Hz、2H)、7.89(d、J=8.3Hz、3H)、7.74−7.78(m、2H)、7.64(d、J=8.3Hz、3H)7.37(t、J=7.7Hz、1H)、4.33(s、2H)、2.76(s、1H)、0.79−0.86(m、4H)。
【0130】
(実施例5)
2−(4′−シクロブチルアミノメチルビフェニル−4−イル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
実施例1Aに代えて実施例3Bを用い、シクロヘキシルメチルアミンに代えてシクロブチルアミンを用いて、標実施例1Bに記載の手順を用いて題化合物をトリフルオロ酢酸塩として製造した。H NMR(DMSO−D6)δ9.05(s、2H)、8.36(d、J=8.3Hz、2H)、7.95(d、J=8.3Hz、2H)、7.89(d、J=8.3Hz、3H)、7.73−7.80(m、2H)、7.62(d、J=8.3Hz、2H)7.37(t、J=7.83Hz、1H)、4.11(s、2H)、3.66(s、1H)、2.20(m、5H)、1.80(m、2H)。
【0131】
(実施例6)
2−[5−(1−シクロプロピルアミノエチル)チオフェン−2−イル]−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
実施例6A
5−アセチルチオフェン−2−カルボン酸(2−アミノ−3−カルバモイルフェニル)アミド
5−アセチルチオフェン−2−カルボン酸(1.80g、10.55mmol)のピリジン(12mL)およびN,N−ジメチルホルムアミド(12mL)溶液に、1,1′−カルボニルジイミダゾール(1.88g、11.60mmol)を加え、混合物を45℃で4時間攪拌した。2,3−ジアミノベンズアミド・2塩酸塩(US6737421第11欄実施例2段階(e)に記載の方法に従って合成、2.36g、10.55mmol)を加え、混合物を室温で終夜攪拌した。反応混合物を濃縮し、残留物を酢酸エチルと水との間で分配した。得られた黄色固体を濾過によって回収し、水および酢酸エチルで洗浄し、乾燥させて、標題化合物を得た(2.91g、91%)。MS(APCI):304(M+1)
【0132】
実施例6B
2−(5−アセチルチオフェン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
実施例6A(1.70g)の熱N,N−ジメチルホルムアミド(60mL)溶液に、酢酸(50mL)を加え、溶液を125℃で3時間加熱した。冷却後、得られた黄色固体を濾過によって回収し、メタノールで洗浄し、乾燥させて、標題化合物を得た(1.52g、95%)。MS(APCI):286(M+1)
【0133】
実施例6C
2−[5−(1−シクロプロピルアミノエチル)チオフェン−2−イル]−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
実施例6B(100mg、0.35mmol)を、加熱しながらジメチルスルホキシド(3mL)に溶かした。冷却して室温とした後、シクロプロピルアミン(49μL、0.70mmol)を加えた。溶液を室温で終夜攪拌し、塩化亜鉛(48mg、0.35mmol)を加えた。さらに1時間攪拌後、水素化ホウ素シアノナトリウム(44mg、0.70mmol)を加え、混合物を室温で3時間攪拌した。メタノール(3mL)を加え、溶液を80℃で2日間加熱した。反応混合物を濃縮し、残留物を水に懸濁させた。攪拌しながら、透明溶液が形成されるまでトリフルオロ酢酸を加えた。この溶液を濾過し、HPLC(ゾルバックス(Zorbax)、C−18、250×2.54カラム、移動相A:0.1%トリフルオロ酢酸/水;B:0.1%トリフルオロ酢酸/アセトニトリル;0%から100%勾配)によって精製して、標題化合物をトリフルオロ酢酸塩として得た(65.8mg)。H NMR(CDOD):δ0.78−0.84(m、1H)、0.86−0.97(m、3H)、1.85(d、J=7.1Hz、3H)、2.69−2.75(m、1H)、4.95(q、J=6.8Hz、1H)、7.39(t、J=7.8Hz、1H)、7.44(d、J=3.7Hz、1H)、7.74(d、J=7.1Hz、1H)、7.84(d、J=4.0Hz、1H)、7.95(d、J=6.8Hz、1H)。
【0134】
(実施例7)
2−{5−[1−(シクロヘキシルメチルアミノ)エチル]チオフェン−2−イル}−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
シクロプロピルアミンに代えてシクロヘキシルメチルアミンを用い、実施例6Cに記載の手順を用いて標題化合物をトリフルオロ酢酸塩として製造した。H NMR(CDOD):δ0.92−1.09(m、2H)、1.17−1.37(m、3H)、1.64−1.85(m、10H)、2.76(dd、J=12.4、7.2Hz、1H)、2.91(dd、J=12.6、6.75Hz、1H)、4.78−4.86(m、1H)、7.37−7.43(m、2H)、7.74(d、J=8.0Hz、1H)、7.83(d、J=3.7Hz、1H)、7.95(d、J=7.7Hz、1H)。
【0135】
(実施例8)
2−(3′−シクロプロピルアミノメチルビフェニル−4−イル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
実施例8A
2−(3′−ホルミルビフェン−4−イル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
4−ホルミル−フェニルボロン酸に代えて3−ホルミルフェニルボロン酸を用い、実施例3Bに記載の手順を用いて標題化合物を製造した。MS(ESI)m/e342(M+H)
【0136】
実施例8B
2−(3′−シクロプロピルアミノメチルビフェニル−4−イル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
実施例1Aに代えて実施例8Aを用い、シクロヘキシルメチルアミンに代えてシクロプロピルアミンを用い、実施例1Bに記載の手順を用いて標題化合物を製造した。H NMR(DMSO−D6)δ9.38(d、J=3.0Hz、1H)、8.34(d、J=8.5Hz、2H)、7.88−7.93(m、3H)、7.74−7.81(m、3H)、7.66(d、J=7.6Hz、1H)7.46(t、J=7.5Hz、1H)、7.35−741(m、2H)、3.88(s、2H)、3.29(m、1H)、0.42(d、J=4.9Hz、2H)、0.36(s、2H)。
【0137】
(実施例9)
2−(2′−シクロプロピルアミノメチルビフェニル−4−イル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
実施例9A
2−(2′−ホルミルビフェン−4−イル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
4−ホルミル−フェニルボロン酸に代えて2−ホルミルフェニルボロン酸を用い、実施例3Bに記載の手順を用いて標題化合物を製造した。MS(ESI)m/e342(M+H)
【0138】
実施例9B
2−(2′−シクロプロピルアミノメチルビフェニル−4−イル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
実施例1Aに代えて実施例9Aを用い、シクロブチルアミンに代えてシクロプロピルアミンを用い、実施例2に記載の手順を用いて標題化合物を製造した。H NMR(DMSO−d)δ9.39(s、1H)、8.31(s、2H)、7.88(s、1H)、7.77(s、2H)、7.65(s、2H)、7.57(s、1H)、7.37(s、3H)、7.30(s、1H)、3.68(s、2H)、2.04(s、1H)、0.30(s、2H)、0.19(s、2H)。
【0139】
(実施例10)
2−[3−(2−シクロプロピルアミノエチル)フェニル]−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
実施例10A
2−(3−[1,3]ジオキソラン−2−イルメチルフェニル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
3−(1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)安息香酸(1.0g、4.80mmol)のピリジン(5mL)およびN,N−ジメチルホルムアミド(5mL)混合液中の溶液を、1,1′−カルボニルジイミダゾール(0.856g、5.28mmol)で45℃にて2時間処理した。2,3−ジアミノベンズアミド・2塩酸塩(US6737421第11欄実施例2段階(e)に記載の方法に従って合成、1.08g、4.80mmol)を加え、混合物を室温で終夜攪拌した。混合物を濃縮し、残留物を、10%メタノール/2:1酢酸エチル/ヘキサンを用いるシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。生成物を酢酸(20mL)に溶かし、溶液を60℃で2時間、80℃で1.5時間加熱し、冷却し、濃縮し、残留物を酢酸エチルと重炭酸ナトリウム溶液との間で分配した。有機相を濃縮し、残留物を、10%メタノール/[2:1酢酸エチル/ヘキサン]を用いるシリカゲルで精製して、標題化合物1.13gを得た。MS(APCI)m/z324(M+H)
【0140】
実施例10B
2−[3−(2−シクロプロピルアミノエチル)フェニル]−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
実施例10A(300mg、0.88mmol)の酢酸(10mL)および水(20mL)溶液を、70℃で20時間加熱した。冷却後、溶液を濃縮して明黄色固体を得た。粗アルデヒド(80mg)のジメチルスルホキシド(2mL)およびメタノール(3mL)溶液に、シクロプロピルアミン(60μL)を加え、混合物を室温で1時間攪拌した。水素化ホウ素シアノナトリウム(54mg、0.86mmol)を加え、混合物を55℃で終夜加熱した。揮発分を除去し、残留物をHPLC(ゾルバックス、C−18、250×2.54カラム、移動相A:0.1%トリフルオロ酢酸/水;B:0.1%トリフルオロ酢酸/アセトニトリル;0%から100%勾配)によって精製しあて、トリフルオロ酢酸塩としての標題化合物8.8mgを得た。この塩の1:1メタノール/塩化メチレン(1mL)溶液に、1M HCl/エーテル(3mL)を加えた。濃縮によって、標題化合物を塩酸塩として得た。H NMR(CDOD):δ0.91−1.03(m、4H)、2.83−2.89(m、1H)、3.23−3.29(m、2H)、3.49−3.55(m、2H)、7.70−7.79(m、3H)、8.03−8.13(m、3H)、8.20(s、1H)。
【0141】
(実施例11)
2−(4−シクロプロピルアミノメチルフェニル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
実施例11A
2−(4−ジエトキシメチルフェニル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
2,3−ジアミノベンズアミド・2塩酸塩(US6737421第11欄実施例2段階(e)に記載の方法に従って合成、5.0g、22.3mmol)のN,N−ジメチルアセトアミド(DMA、65mL)懸濁液に、水酸化リチウム・1水和物(1.87g、44.6mmol)を加え、混合物を50℃で20分間加熱した。冷却後、テレフタルアルデヒド・モノ(ジエチルアセタール)(5.1g、24.48mmol)のN,N−ジメチルアセトアミド(10mL)溶液および重亜硫酸ナトリウム(4.81g、40.16mmol)を加えた。混合物を100℃で3時間加熱し、冷却し、溶媒を除去した。残留物を、酢酸エチルと水との間で分配し、有機層をブラインで洗浄し、濃縮した。残留物を、酢酸エチルを用いるシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物を得た(4.5g、54%)。MS(DCI/NH)m/z340(M+H)
【0142】
実施例11B
2−(4−ホルミルフェニル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
実施例11A(4.5g、13.14mmol)のエタノール(100mL)および水(100mL)懸濁液に、濃硫酸(2.9mL)を加え、混合物を18時間還流させた。反応混合物を冷却し、部分的に濃縮し、残留物を水酸化ナトリウム水溶液で中和した。固体を濾過によって回収し、水および冷エタノールで洗浄し、乾燥させて、標題化合物を得た(2.5g、73%)。MS(DCI/NH)m/z266(M+H)
【0143】
実施例11C
2−(4−シクロプロピルアミノメチルフェニル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
実施例11B(100mg、0.38mmol)およびシクロプロピルアミン(43mg、0.75mmol)の1:1メタノール/N,N−ジメチルホルムアミド(5mL)溶液を室温で2時間攪拌した。水素化ホウ素シアノナトリウム(47mg、0.75mmol)および塩化亜鉛(51mg、0.38mmol)を加え、濁った混合物を室温で18時間攪拌した。混合物を濃縮し、残留物をHPLC(ゾルバックスC−8、0.1%トリフルオロ酢酸/アセトニトリル/水)によって精製した。トリフルオロ酢酸塩をメタノールに溶かし、無水塩化水素のエーテル溶液で処理し、濃縮して、標題化合物を塩酸塩として得た(41mg、35%)。H NMR(CDOD):δ0.89−1.03(m、4H)、2.77−2.96(m、1H)、4.50(s、2H)、7.69(t、J=8.0Hz、1H)、7.89(d、J=8.6Hz、2H)、8.01(d、J=8.3Hz、1H)、8.07(dd、J=1.7、0.6Hz、1H)、8.29(d、J=8.3Hz、2H)。
【0144】
(実施例12)
2−(4−シクロブチルアミノメチルフェニル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
シクロプロピルアミンに代えてシクロブチルアミンを用い、実施例11Cに記載の手順を用いて標題化合物を塩酸塩(60mg、50%)として製造した。H NMR(CDOD):δ1.89−2.04(m、2H)、2.23−2.46(m、4H)、3.83−3.96(m、1H)、4.28(s、2H)、7.69(t、J=8.0Hz、1H)、7.87(d、J=8.3Hz、2H)、8.01(d、J=8.3Hz、1H)、8.07(dd、J=7.7、0.9Hz、1H)、8.29(d、J=8.6Hz、2H)。
【0145】
(実施例13)
2−(4−シクロペンチルアミノメチルフェニル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
シクロプロピルアミンに代えてシクロペンチルアミンを用い、実施例11Cに記載の手順を用いて標題化合物を塩酸塩(72mg、57%)として製造した。H NMR(CDOD):δ1.64−1.83(m、4H)、1.83−1.93(m、2H)、2.14−2.30(m、2H)、3.63−3.76(m、1H)、4.39(s、2H)、7.69(t、J=8.0Hz、1H)、7.91(d、J=8.6Hz、2H)、8.01(dd、J=8.3、0.9Hz、1H)、8.07(dd、J=7.7、0.9Hz、1H)、8.29(d、J=8.6Hz、2H)。
【0146】
(実施例14)
6−クロロ−2−{4−[(1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イルアミノ)メチル]フェニル}−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
実施例14A
2−アミノ−5−クロロ−3−ニトロベンズアミド
段階A
2−アミノ−3−ニトロベンズアミドの製造
2−アミノ−3−ニトロ安息香酸(US6737421実施例2パートbに記載の手順を用いて製造)のジメトキシエタン(DME、7.1mL/g)溶液に、塩化チオニル(1.33当量)を加えた。混合物を50℃で12時間攪拌し、冷却し、濃水酸化アンモニウム(22当量)にゆっくり加えた。混合物を50℃で2時間攪拌し、水を加え、混合物を冷却し、濾過した。固体を水およびイソプロパノールで洗浄し、真空乾燥して、標題化合物を得た(収率89%)。
【0147】
段階B
2−アミノ−5−クロロ−3−ニトロベンズアミドの製造
段階Bの生成物(5.0g、27.6mmol)のアセトニトリル(1250mL)溶液を、60℃にて24時間にわたりN−クロロコハク酸イミド(3.87g、29mmol)で処理した。冷却後、固体を濾過によって回収し、アセトニトリルで洗浄し、乾燥させて、標題化合物を得た(4.0g、67%)。MS(DCI/NH)m/z216(M+H)
【0148】
実施例14B
2,3−ジアミノ−5−クロロ−ベンズアミド
実施例14A(4.0g、18.6mmol)のテトラヒドロフラン(500mL)およびエタノール(500mL)溶液に、ラネーニッケル(水中50%品、2.0g)を加えた。混合物を水素(風船)下に室温で6時間攪拌した。固体材料を濾去し、濾液を濃縮して、標題化合物を得た(収率100%)。MS(DCI/NH)m/z186(M+H)
【0149】
実施例14C
6−クロロ−2−(4−ジエトキシメチルフェニル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
2,3−ジアミノベンズアミド・2塩酸塩に代えて実施例14Bを用い、実施例11Aに記載の手順を用いて標題化合物を製造した(収率47%)。MS(DCI/NH)m/z374(M+H)
【0150】
実施例14D
6−クロロ−2−(4−ホルミルフェニル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
実施例11Aに代えて実施例14Cを用い、実施例11Bに記載の手順を用いて標題化合物を製造した(収率82%)。MS(DCI/NH)m/z300(M+H)
【0151】
実施例14E
6−クロロ−2−{4−[(1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イルアミノ)メチル]フェニル}−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
実施例11Bに代えて実施例14Dを用い、シクロプロピルアミンに代えて1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンを用い、実施例11Cに記載の手順を用いて標題化合物を塩酸塩として製造した(収率50%)。H NMR(CDOD):δ1.90−2.00(m、1H)、2.00−2.10(m、1H)、2.18−2.29(m、1H)、2.33−2.44(m、1H)、2.83−2.93(m、1H)、2.95−3.05(m、1H)、4.45−4.55(m、2H)、4.65(t、J=5.0Hz、1H)、7.26−7.30(m、1H)、7.32(d、J=7.6Hz、1H)、7.35−7.39(m、1H)、7.50(d、J=7.6Hz、1H)、7.93(d、J=8.2Hz、2H)、8.06(d、J=1.5Hz、1H)、8.13(d、J=1.8Hz、1H)、8.27(d、J=8.2Hz、2H)。
【0152】
(実施例15)
2−(4−シクロプロピルアミノメチルフェニル)−6−フルオロ−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
実施例15A
2−ブロモ−4−フルオロ−6−ニトロフェニルアミン
4−フルオロ−2−ニトロアニリン(20g、128mmol)の塩化メチレン(600mL)および酢酸(200mL)溶液に、臭素(13mL、256mmol)を0℃でゆっくり加えた。混合物を0℃で1時間、室温で16時間攪拌した。混合物を濃縮し、残留物を酢酸エチルと重炭酸ナトリウム溶液との間で分配した。有機相を重亜硫酸ナトリウム溶液で洗浄し、濃縮し、残留物をヘキサン/塩化メチレンから再結晶して、標題化合物を得た(22.7g、76%)。MS(DCI/NH)m/z236(M+H)
【0153】
実施例15B
2−アミノ−5−フルオロ−3−ニトロベンゾニトリル
実施例15A(22.7g、96.2mmol)、シアン化亜鉛(22.6g、192mmol)およびパラジウムテトラキス(トリフェニルホスフィン)(7.78g、6.7mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(300mL)懸濁液を、80℃で22時間加熱した。冷却後、混合物を酢酸エチルとブラインとの間で分配し、有機相を水で洗浄し、濃縮した。メタノールからの再結晶によって、標題化合物を得た(13.9g、80%)。MS(DCI/NH)m/z182(M+H)
【0154】
実施例15C
2−アミノ−5−フルオロ−3−ニトロ−ベンズアミド
実施例15B(13.9g、77mmol)のポリリン酸(400g)懸濁液を115℃で3時間攪拌した。冷却後、水および塩化メチレンを加え、混合物を室温で30分間攪拌した。固体を濾過し、メタノールから再結晶して、標題化合物を得た(11.2g、74%)。MS(DCI/NH)m/z200(M+H)
【0155】
実施例15D
2,3−ジアミノ−5−フルオロベンズアミド
実施例15C(11.2g、56.28mmol)のテトラヒドロフラン(50mL)およびエタノール(50mL)溶液にラネーニッケル(水中50%品、11.0g)を加え、混合物を室温で水素(約0.41MPa(60psi))下に2時間攪拌した。固体材料を濾去し、濾液を濃縮して標題化合物を得た(9.1g、96%)。MS(DCI/NH)m/z170(M+H)
【0156】
実施例15E
2−(4−ジエトキシメチルフェニル)−6−フルオロ−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
2,3−ジアミノベンズアミド・2塩酸塩に代えて実施例15Dを用い、実施例11Aに記載の手順を用いて標題化合物を製造した(収率50%)。MS(DCI/NH)m/z358(M+H)
【0157】
実施例15F
6−フルオロ−2−(4−ホルミルフェニル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
実施例11Aに代えて実施例15Eを用い、実施例11Bに記載の手順を用いて標題化合物を製造した(収率95%)。MS(DCI/NH)m/z284(M+H)
【0158】
実施例15G
2−(4−シクロプロピルアミノメチルフェニル)−6−フルオロ−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
実施例11Bに代えて実施例15Fを用い、実施例11Cに記載の手順を用いて標題化合物を塩酸塩として製造した(収率14%)。H NMR(CDOD):δ0.91−1.02(m、4H)、2.81−2.92(m、1H)、4.49(s、2H)、7.72(dd、J=7.6、2.14Hz、1H)、7.86(d、J=8.2Hz、2H)、7.88(d、J=2.1Hz、1H)、8.27(d、J=8.5Hz、2H)。
【0159】
(実施例16)
2−(4−シクロブチルアミノメチルフェニル)−6−フルオロ−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
実施例11Bに代えて実施例15Fを用い、シクロプロピルアミンに代えてシクロブチルアミンを用い、実施例11Cに記載の手順を用いて標題化合物を塩酸塩として製造した(収率22%)。H NMR(CDOD):δ1.89−2.01(m、2H)、2.23−2.33(m、2H)、2.33−2.44(m、2H)、3.83−3.94(m、1H)、4.27(s、2H)、7.74(dd、J=7.6、2.1Hz、1H)、7.85(d、J=8.2Hz、2H)、7.88(dd、J=9.9、2.3Hz、1H)、8.27(d、J=8.2Hz、2H)。
【0160】
(実施例17)
2−(4−シクロペンチルアミノメチルフェニル)−6−フルオロ−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
実施例11Bに代えて実施例15Fを用い、シクロプロピルアミンに代えてシクロペンチルアミンを用い、実施例11Cに記載の手順を用いて標題化合物を塩酸塩として製造した(収率23%)。H NMR(CDOD):δ1.66−1.82(m、4H)、1.82−1.93(m、2H)、2.15−2.28(m、2H)、3.65−3.69(m、1H)、4.39(s、2H)、7.75(dd、J=7.6、2.1Hz、1H)、7.88(d、J=8.2Hz、2H)、7.90(d、J=2.4Hz、1H)、8.27(d、J=8.5Hz、2H)。
【0161】
(実施例18)
2−[4−(2−シクロプロピルアミノエチル)フェニル]−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
実施例10Aにおいて3−(1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)安息香酸に代えて4−(1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)安息香酸を用い、実施例10に記載の手順を用いて標題化合物を塩酸塩として製造した。H NMR(CDOD):δ0.92−1.01(m、4H)、2.81−2.88(m、1H)、3.21−3.25(m、2H)、3.46−3.51(m、2H)、7.68−7.73(m、3H)、8.02(d、J=7.6Hz、1H)、8.06(d、J=7.6Hz、1H)、8.20(d、7=7.9Hz、2H)。
【0162】
(実施例19)
2−[4−(2−シクロブチルアミノエチル)フェニル]−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
実施例10Aにおいて3−(1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)安息香酸に代えて4−(1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)安息香酸を用い、実施例10Bにおいてシクロプロピルアミンに代えてシクロブチルアミンを用い、実施例10に記載の手順を用いて標題化合物を塩酸塩として製造した。H NMR(CDOD):δ1.89−2.00(m、2H)、2.24−2.32(m、2H)、2.33−2.40(m、2H)、3.15−3.21(m、2H)、3.22−3.28(m、2H)、3.81−3.88(m、1H)、7.68−7.73(m、3H)、8.02(d、J=8.2Hz、1H)、8.06(d、J=7.6Hz、1H)、8.19(d、J=8.2Hz、2H)。
【0163】
(実施例20)
2−(4−シクロプロピルアミノメチル−2−フルオロフェニル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
実施例20A
4−シアノ−2−フルオロ安息香酸メチル
4−ブロモ−2−フルオロ安息香酸メチル(10.0g、43mmol)、シアン化亜鉛(10.0g、86mmol)およびパラジウムテトラキス(トリフェニルホスフィン)(2.5g、0.64mmol)の脱水N,N−ジメチルホルムアミド(100mL)溶液を窒素でパージし、混合物を80℃で終夜攪拌した。冷却後、混合物を酢酸エチルとブラインとの間で分配し、有機相を水で洗浄し、濃縮した。固体を、1:5酢酸エチル/ヘキサンを用いるシリカゲルで精製して、標題化合物を得た(6.1g、80%)。MS(DCI):m/z180(M+H)
【0164】
実施例20B
2−フルオロ−4−ホルミル安息香酸メチル
実施例20A(310mg、1.73mmol)を、60%酢酸水溶液(10mL)に加温しながら溶かした。ラネーニッケル(60mg)を加え、混合物を水素下に室温で18時間攪拌した。固体材料を濾去し、濾液を濃縮した。残留物を、1:4酢酸エチル/ヘキサンを用いるシリカゲルで精製して、標題化合物を得た(220mg、70%)。MS(DCI):m/z183(M+H)
【0165】
実施例20C
4−[1,3]ジオキソラン−2−イル−2−フルオロ安息香酸メチル
実施例20B(2.0g、11mmol)、1,2−エタンジオール(1.0g、16mmol)およびp−トルエンスルホン酸・1水和物(10mg)のベンゼン(10mL)溶液を、ディーン−スターク装置を用いて約6時間にわたって還流下に加熱した。冷却後、混合物を酢酸エチルとブラインとの間で分配し、有機相を10%水酸化ナトリウム溶液および水で洗浄した。濃縮後、残留物を、1:5酢酸エチル/ヘキサンを用いるフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物を得た(2.1g、80%)。MS(DCI):m/z227(M+H)
【0166】
実施例20D
4−[1,3]ジオキソラン−2−イル−2−フルオロ安息香酸
実施例20C(2.0g)のテトラヒドロフラン(10mL)および水(5mL)溶液に、水酸化リチウム・1水和物(1g)の水(5mL)溶液を加えた。透明溶液が形成されるまでメタノールを加え、溶液を室温で4時間攪拌し、濃縮して約5mLとした。残留物を2N HClでpH2の酸性とし、混合物を酢酸エチルと水との間で分配した。有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮して、標題化合物を得た(1.5g、79%)。MS(DCI):m/z213(M+H)
【0167】
実施例20E
2−(4−[1,3]ジオキソラン−2−イル−2−フルオロフェニル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
実施例20D(1.5g、7.1mmol)のピリジン(5mL)およびN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)溶液を、40℃にて30分間にわたり1,1′−カルボニルジイミダゾール(1.4g、8.5mmol)で処理した。2,3−ジアミノベンズアミド・2塩酸塩(US6737421第11欄実施例2段階(e)に記載の方法に従って合成、1.58g、7.1mmol)を加え、混合物を室温で終夜攪拌した。溶媒を除去し、残留物を酢酸10mLに懸濁させた。混合物を80℃で終夜攪拌し、冷却し、濃縮し、残留物を、酢酸エチルを用いるフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物を得た(500mg、22%)。MS(DCI/NH)m/z329(M+H)
【0168】
実施例20F
2−(2−フルオロ−4−ホルミルフェニル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
実施例20E(500mg、1.5mmol)の酢酸(5mL)および水(10mL)溶液を、80℃で終夜加熱した。冷却後、混合物を濃縮して標題化合物を得た(400mg、94%)。MS(DCI/NH)m/z285(M+H)
【0169】
実施例20G
2−[4−(シクロプロピルアミノ)−2−フルオロフェニル]−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
実施例20F(85mg、0.3mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(5mL)およびメタノール(10mL)溶液に、シクロプロピルアミン(34mg、0.6mmol)を加え、溶液を室温で10分間攪拌した。水素化ホウ素シアノナトリウム(38mg)を加え、混合物を55℃で終夜加熱した。冷却後、混合物を濃縮し、残留物を、HPLC(ゾルバックス、C−18、250×2.54カラム、移動相A:0.1%トリフルオロ酢酸/HO;B:0.1%トリフルオロ酢酸/アセトニトリル;0%から100%勾配)によって精製して、標題化合物をトリフルオロ酢酸塩として得た(62mg)。H NMR(CDOD)δ0.96(d、J=5.5Hz、4H);2.84(t、J=5.5Hz、1H);4.42(s、2H);7.43(t、J=7.8Hz、1H);7.47−7.61(m、2H);7.83(d、J=8.0Hz、1H);7.97(d、J=7.7Hz、1H);8.38(t、J=7.8Hz、1H)。
【0170】
(実施例21)
2−[4−(1−シクロプロピルアミノエチル)フェニル]−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
実施例1A(0.07g、0.3mmol)およびシクロプロピルアミン(0.33mL、4.8mmol)のメタノール(1mL)溶液を、水素化ホウ素シアノナトリウム(0.016g、0.3mmol)および酢酸(0.2mL)で処理した。混合物を室温で48時間攪拌し、濃縮した。残留物を、0%から10%塩化メチレン/メタノール/0.1%水酸化アンモニウムを用いるシリカゲルカラムでのクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物を得た。H NMR(DMSO−d)δ9.12(s、2H)、8.33(d、J=8.3Hz、2H)、7.88(d、J=7.4Hz、1H)、7.71−7.78(m、4H)、7.37(t、J=7.8Hz、1H)、4.59(m、1H)、2.57(s、1Hz)、1.64(d、J=6.6Hz、3H)、0.81−0.87(m、1H)、0.75−0.79(m、1H)、0.66−0.72(m、2H)。
【0171】
(実施例22)
2−(4−シクロブチルアミノメチル−2−フルオロフェニル]−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
実施例22A
4−[1,3]ジオキサン−2−イル−2−フルオロ安息香酸メチル
実施例20B 2.0g(11mmol)、1,3−プロパンジオール1.67g(22mmol)、1,2−エタンジオール62mg(1.1mmol)、ベンゼン20mLおよびp−トルエンスルホン酸・1水和物10mgの溶液を、水が分離されなくなるまで、ディーン−スターク装置を用いて約6時間加熱還流した。冷却後、混合物を酢酸エチルとブラインとの間で分配し、有機相を10%水酸化ナトリウムおよび水で洗浄し、濃縮した。残留物を、1:5酢酸エチル/ヘキサンを用いるシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物を得た(1.9g、73%)。MS(DCI):m/z241(M+H)
【0172】
実施例22B
4−[1,3]ジオキサン−2−イル−2−フルオロ安息香酸
実施例22A(1.9g)のテトラヒドロフラン(10mL)および水(5mL)溶液に、水酸化リチウム(1g)の水(5mL)溶液を加えた。均一になるまでメタノールを加え、溶液を室温で4時間攪拌した。混合物を濃縮して5mLとし、残留物を2N塩酸でpH2の酸性とした。酢酸エチルおよび水を加え、有機相を分離し、水で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮して、標題化合物を得た(1.7g、95%)。MS(DCI):m/z227(M+H)
【0173】
実施例22C
2−(4−[1,3]ジオキサン−2−イル−2−フルオロフェニル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
実施例22B(770mg、3.4mmol)のピリジン(5mL)およびN,N′−ジメチルホルムアミド(10mL)溶液を、40℃にて30分間にわたり1,1′−カルボニルジイミダゾール(763mg、3.4mmol)で処理した。2,3−ジアミノベンズアミド・2塩酸塩(826mg、5.1mmol)を加え、混合物を室温で終夜攪拌した。混合物を濃縮し、残留物をキシレン20mLおよび酢酸2mL中で終夜還流させた。冷却および濃縮後、残留物を、酢酸エチルを用いるシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物を得た(550mg、50%)。MS(DCI/NH)m/z342(M+H)
【0174】
実施例22D
2−(2−フルオロ−4−ホルミルフェニル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
実施例22C(550mg、1.6mmol)の酢酸(5mL)および水(10mL)溶液を、70℃で終夜加熱した。冷却後、混合物を濃縮して標題化合物を得た(430mg、93%)。MS(DCI/NH)m/z285(M+H)
【0175】
(実施例22)
2−(4−シクロブチルアミノメチル−2−フルオロフェニル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
実施例22D(50mg、0.17mmol)のメタノール(10mL)懸濁液に、シクロブチルアミン(36mg、0.5mmol)を加え、混合物を50℃で4時間攪拌した。水素化ホウ素シアノナトリウム(38mg)を加え、混合物を55℃で終夜加熱した。冷却後、混合物を濃縮し、残留物を、HPLC(ゾルバックス、C−18、250×2.54カラム、移動相A:0.1%トリフルオロ酢酸/水;B:0.1%トリフルオロ酢酸/アセトニトリル;0%から100%勾配)によって精製して、標題化合物をトリフルオロ酢酸塩として得た(62mg)。H NMR(DMSO−D):δ1.70−1.96(m、2H);2.09−2.33(m、4H);3.77(t、J=7.1Hz、1H);4.18(s、2H);7.40(t、J=7.8Hz、1H);7.55(dd、J=8.0、1.5Hz、1H);7.65(dd、J=12.1、1.4Hz、1H);7.78(s、1H);7.84(d、J=8.0Hz、1H);7.93(d、J=8.0Hz、1H);8.38(t、J=8.0Hz、1H);9.14(s、1H)9.34(s、2H)。
【0176】
(実施例23)
2−(4−シクロヘキシルアミノメチル−2−フルオロフェニル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
シクロブチルアミンに代えてシクロヘキシルアミンを用い、実施例22についての手順に従って標題化合物を製造した。H NMR(DMSO−D):δ1.10−1.19(m、1H)、1.20−1.41(m、4H)、1.63(brd、J=12.6Hz、1H)、1.80(brd、J=12.9Hz、2H)、2.09−2.17(m、2H)、3.03−3.11(m、1H)、4.29−4.34(m、2H)、7.40(t、J=8.0Hz、1H)、7.57(dd、J=8.3、1.5Hz、1H)、7.66(dd、J=12.3、1.2Hz、1H)、7.77(brs、1H)、7.82(d、J=8.0Hz、1H)、7.92(d、J=8.3、1H)、8.39(t、J=8.0Hz、1H)、8.94(brs、2H)、9.14(brs、1H)。
【0177】
(実施例24)
2−(4−シクロペンチルアミノメチル−2−フルオロフェニル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
シクロブチルアミンに代えてシクロペンチルアミンを用い、実施例22についての手順に従って標題化合物を製造した。H NMR(DMSO−d):δ1.51−1.62(m、2H)、1.65−1.78(m、4H)、1.96−2.08(m、2H)、3.51−3.60(m、1H)、4.26−4.33(m、2H)、7.41(t、J=7.7Hz、1H)、7.59(d、J=8.0Hz、1H)、7.68(d、J=12.3Hz、1H)、7.78(brs、1H)、7.84(d、J=8.0Hz、1H)、7.93(d、J=7.7Hz、1H)、8.38(t、J=7.8Hz、1H)、9.15(brs、2H)。
【0178】
(実施例25)
2−{2−[(シクロペンチルアミノ)メチル]−1,3−チアゾール−4−イル}−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
実施例25A
2−({[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}メチル)−1,3−チアゾール−4−カルボン酸エチル
N−ベンジルオキシカルボニルグリシンチオアミド(1.49g、6.64mmol)の1,2−ジメトキシエタン(25mL)溶液に、炭酸水素カリウム(2.66g、26.56mmol)およびブロモピルビン酸エチル(3.47mL、27.54mmol)を−20℃で加え、混合物を−20℃で終夜攪拌した。混合物をセライト層で濾過し、濾液を濃縮し、残留物を1,2−ジメトキシエタンに溶かした。冷却して−20℃とした後、無水トリフルオロ酢酸(2.85mL、20.52mmol)および2,6−ルチジン(5.14mL、44.29mmol)の1,2−ジメトキシエタン(10mL)溶液を10分間かけて滴下した。45分間攪拌後、溶液を濃縮し、クロロホルムと水との間で分配した。有機層を濃縮し、残留物を、60%酢酸エチル/ヘキサンで溶離を行うシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、標題生成物を得た(1.8g、85%)。MS(DCI/NH)m/z321(M+H)
【0179】
実施例25B
2−({[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}メチル)−1,3−チアゾール−4−カルボン酸
実施例25A(1.8g、5.62mmol)の5:1メタノールおよび水混合物(120mL)溶液に、水酸化リチウム・1水和物(1.18g、28.09mmol)を加え、混合物を室温で16時間攪拌した。混合物を部分的に濃縮し、2M塩酸を用いて残留物をpH2とした。混合物を酢酸エチルとブラインとの間で分配し、有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮して、標題化合物を得た(1.23g、75%)。MS(DCI/NH)m/z293(M+H)
【0180】
実施例25C
ベンジル{4−[4−(アミノカルボニル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]−1,3−チアゾール−2−イル}メチルカーバメート
実施例25B(1.7g、5.82mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)およびピリジン(20mL)溶液を、50℃にて2時間にわたり1,1′−カルボニルジイミダゾール(990mg、6.11mmol)で処理した。2,3−ジアミノベンズアミド・2塩酸塩(1.3g、5.82mmol)を加え、混合物を室温で16時間攪拌した。混合物を濃縮し、残留物を酢酸(50mL)に溶かし、100℃で2時間加熱した。冷却後、溶液を濃縮し、残留物を酢酸エチルと飽和重炭酸ナトリウムとの間で分配した。有機相を水で洗浄し、濃縮し、残留物を、70%酢酸エチル/ヘキサンを用いるシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物を得た(1.75g、74%)。MS(DCI/NH)m/z408(M+H)
【0181】
実施例25D
2−[2−(アミノメチル)−1,3−チアゾール−4−イル]−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
実施例25C(1.7g、4.17mmol)のトリフルオロ酢酸(15mL)溶液を、50℃で16時間加熱した。混合物を冷却し、濃縮し、残留物をHPLC(ゾルバックスC−18、0.1%トリフルオロ酢酸/アセトニトリル/水)によって精製して、生成物をトリフルオロ酢酸塩として得た。その塩をメタノールに溶かし、1.8M塩酸/ジエチルエーテル溶液(30mL)を加えた。濃縮によって、標題化合物を塩酸塩として得た(910mg、80%)。MS(DCI/NH)m/z274(M+H)
【0182】
実施例25E
2−{2−[(シクロペンチルアミノ)メチル]−1,3−チアゾール−4−イル}−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
実施例25D(50mg、0.18mmol)のメタノール(5mL)溶液に、シクロペンタノン(32μL、0.36mmol)およびトリエチルアミン(25μL)を加えた。溶液を室温で1時間攪拌し、水素化ホウ素シアノナトリウム(34mg、0.54mmol)を加えた。60時間攪拌後、混合物を濃縮し、残留物をHPLC(ゾルバックスC−18、0.1%トリフルオロ酢酸/アセトニトリル/水)によって精製して、標題化合物をトリフルオロ酢酸塩として得た。塩をメタノールに溶かし、1.8M塩酸/ジエチルエーテル溶液(30mL)を加えた。濃縮によって、標題化合物を塩酸塩として得た(16mg、20%)。H NMR(CDOD)δ1.71−1.77(m、2H)、1.79−1.87(m、2H)、1.87−1.95(m、2H)、2.21−2.30(m、2H)、3.79−3.88(m、1H)、4.83(s、2H)、7.71(t、J=7.9Hz、1H)、8.05(d、J=8.2Hz、1H)、8.09(d、J=7.0Hz、1H)、9.10(s、1H)。
【0183】
(実施例26)
2−{2−[(シクロヘキシルアミノ)メチル]−1,3−チアゾール−4−イル}−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
シクロペンタノンに代えてシクロヘキサノンを用い、実施例25Eに記載の手順に従って、標題化合物をHCl塩として製造した。H NMR(CDOD)δ1.25−1.34(m、1H)、1.38−1.48(m、2H)、1.48−1.57(m、2H)、1.76(d、J=12.8Hz、1H)、1.95(d、J=13.4Hz、2H)、2.28(d、J=11.9Hz、2H)、3.32−3.41(m、1H)、4.84(s、2H)、7.70(t、J=7.9Hz、1H)、8.03(d、J=7.3Hz、1H)、8.08(d、J=7.6Hz、1H)、9.07(s、1H)。
【0184】
(実施例27)
2−{2−[(シクロブチルアミノ)メチル]−1,3−チアゾール−4−イル}−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
シクロペンタノンに代えてシクロブタノンを用い、実施例25Eに記載の手順に従って、標題化合物をHCl塩として製造した。収率:11%。H NMR(CDOD)δ1.93−2.05(m、2H)、2.30−2.38(m、2H)、2.39−2.47(m、2H)、4.00−4.10(m、1H)、4.70(s、2H)、7.69(t、J=7.9Hz、1H)、8.03(d、J=8.2Hz、1H)、8.08(d、J=7.6Hz、1H)、9.06(s、1H)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I)の化合物または該化合物の治療上許容される塩、プロドラッグもしくはプロドラッグの塩。
【化1】

[式中、
、RおよびRは、水素、アルケニル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキニル、シアノ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、ニトロ、NRおよび(NR)カルボニルからなる群から選択され;
は、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、Xはアルキル、シアノ、ハロゲンおよびハロアルキルからなる群から選択される1、2、3もしくは4個の置換基で置換されていても良く;
Wは、X−Y−NRまたはY−NRであり;
は、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、Xはアルキル、シアノ、ハロゲンおよびハロアルキルからなる群から選択される1、2、3もしくは4個の置換基で置換されていても良く;
Yはアルキレニルであり;
は、水素、アルケニル、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、アルキル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、複素環、複素環アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシアルキル、(NR)アルキル、(NR)カルボニル、(NR)カルボニルアルキルおよび(NR)スルホニルからなる群から選択され;
は、シクロアルキルおよび(フェニルに縮合した)シクロアルキルからなる群から選択され、Rはアルケニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアルキル、アルキニル、カルボキシ、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シアノ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、NR、(NR)アルキル、(NR)カルボニル、(NR)カルボニルアルキル、(NR)スルホニルおよびオキソからなる群から選択される1、2もしくは3個の置換基で置換されていても良く;
、R、RおよびRは独立に、水素、アルキルおよびアルキルカルボニルからなる群から選択される。]
【請求項2】
下記式(I)の化合物または該化合物の治療上許容される塩、プロドラッグもしくはプロドラッグの塩。
【化2】

[式中、
、RおよびRは独立に、水素およびハロゲンからなる群から選択され;
は、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、Xはハロゲンで置換されていても良く;
Wは、X−Y−NRまたはY−NRであり;
は、アリールであり;
Yは、アルキレニルであり;
は、水素およびアルキルからなる群から選択され;
は、シクロアルキルおよび(フェニルに縮合した)シクロアルキルからなる群から選択される。]
【請求項3】
、RおよびRが水素である請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
WがY−NRである請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
が水素であり;Rがシクロアルキルである請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
がチオフェニルである請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
がチアゾリルである請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
がフェニルである請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
がフェニルであり、Xがフェニルである請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
がハロゲンである請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
2−{4−[1−(シクロヘキシルメチルアミノ)エチル]フェニル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド;
2−[4−(1−シクロブチルアミノエチル)フェニル]−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド;
2−{4′−[(シクロヘキシルメチルアミノ)メチル]ビフェニル−4−イル}−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド;
2−(4′−シクロプロピルアミノメチルビフェニル−4−イル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド;
2−(4′−シクロブチルアミノメチルビフェニル−4−イル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド;
2−[5−(1−シクロプロピルアミノエチル)チオフェン−2−イル]−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド;
2−{5−[1−(シクロヘキシルメチルアミノ)エチル]チオフェン−2−イル}−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド;
2−(3′−シクロプロピルアミノメチルビフェニル−4−イル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド;
2−(2′−シクロプロピルアミノメチルビフェニル−4−イル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド;
2−[3−(2−シクロプロピルアミノエチル)フェニル]−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド;
2−(4−シクロプロピルアミノメチルフェニル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド;
2−(4−シクロブチルアミノメチルフェニル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド;
2−(4−シクロペンチルアミノメチルフェニル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド;
6−クロロ−2−{4−[(1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イルアミノ)メチル]フェニル}−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド;
2−(4−シクロプロピルアミノメチルフェニル)−6−フルオロ−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド;
2−(4−シクロブチルアミノメチルフェニル)−6−フルオロ−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド;
2−(4−シクロペンチルアミノメチルフェニル)−6−フルオロ−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド;
2−[4−(2−シクロプロピルアミノエチル)フェニル]−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド;
2−[4−(2−シクロブチルアミノエチル)フェニル]−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド;
2−(4−シクロプロピルアミノメチル−2−フルオロフェニル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド;
2−[4−(1−シクロプロピルアミノエチル)フェニル]−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド;
2−(4−シクロブチルアミノメチル−2−フルオロフェニル]−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド;
2−(4−シクロヘキシルアミノメチル−2−フルオロフェニル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド;
2−(4−シクロペンチルアミノメチル−2−フルオロフェニル)−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド;
2−{2−[(シクロペンチルアミノ)メチル]−1,3−チアゾール−4−イル}−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド;
2−{2−[(シクロヘキシルアミノ)メチル]−1,3−チアゾール−4−イル}−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド;および
2−{2−[(シクロブチルアミノ)メチル]−1,3−チアゾール−4−イル}−1H−ベンズイミダゾール−4−カルボキサミド
からなる群から選択される化合物または該化合物の治療上許容される塩、プロドラッグもしくはプロドラッグの塩。
【請求項12】
請求項1に記載の式(I)の化合物もしくは該化合物の治療上許容される塩を治療上許容される担体と組み合わせて含む医薬組成物。
【請求項13】
哺乳動物に対して治療上許容される量の請求項1に記載の式(I)の化合物または該化合物の治療上許容される塩を投与する段階を有する、ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼの阻害の処置が必要であることが認められる哺乳動物におけるポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ(PARP)の阻害方法。
【請求項14】
哺乳動物に対して治療上許容される量の請求項1に記載の式(I)の化合物または該化合物の治療上許容される塩を投与する段階を有する、炎症の治療が必要であることが認められる哺乳動物における炎症の治療方法。
【請求項15】
哺乳動物に対して治療上許容される量の請求項1に記載の式(I)の化合物または該化合物の治療上許容される塩を投与する段階を有する、敗血症の治療が必要であることが認められる哺乳動物における敗血症の治療方法。
【請求項16】
哺乳動物に対して治療上許容される量の請求項1に記載の式(I)の化合物または該化合物の治療上許容される塩を投与する段階を有する、敗血症ショックの治療が必要であることが認められる哺乳動物における敗血症ショックの治療方法。
【請求項17】
哺乳動物に対して治療上許容される量の請求項1に記載の式(I)の化合物または該化合物の治療上許容される塩を投与する段階を有する、癌の治療が必要であることが認められる哺乳動物における癌の治療方法。

【公表番号】特表2009−515986(P2009−515986A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−541317(P2008−541317)
【出願日】平成18年11月15日(2006.11.15)
【国際出願番号】PCT/US2006/044379
【国際公開番号】WO2007/059230
【国際公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(391008788)アボット・ラボラトリーズ (650)
【氏名又は名称原語表記】ABBOTT LABORATORIES
【Fターム(参考)】