説明

耐老化性被覆剤および接着剤複合材料

本発明は、硬化性成分および一般式(I):


〔式中、Y=カルボキシル基、カルボキシレート基、またはヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基および/またはカルボキシレート基によって場合により置換されていてよい直鎖あるいは分枝アルキル基;R,R,およびR=(互いに独立して)HまたはOHであって、RおよびRは同時にはヒドロキシル基でない〕で示されるm−ヒドロキシベンゼン誘導体を含んでなり、
但し、硬化性成分が多成分エポキシベースの系の熱硬化性成分である場合、硬化性組成物は銅族および亜鉛族の遷移金属酸化物を含有せず、および、硬化性成分がエポキシ系熱硬化性成分である場合、上記は自己硬化性成分ではない、硬化性組成物に関する。本発明はさらに、被覆材および接着剤における老化抑制剤としてのm−ヒドロキシベンゼン誘導体の使用、並びに基材を被覆または接着するための方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬化状態において、特に湿潤環境において、耐老化性である硬化性組成物に関する。より詳しくは、本発明は、耐老化性を付与する添加剤を含んでなる被覆材および接着剤、並びに、これらの添加剤の被覆材および接着剤における使用に関する。
【背景技術】
【0002】
表面被覆材の基材表面への接着は、被覆材の耐久機能にとって極めて重要である。この点で、とりわけ、最高の耐久性で2つの基材を互いに結合させるための接着剤に対して、厳しい要求が課される。そのような接着剤の接着強度は、接着剤と接着剤が塗布されるべき基材の間の適合性、即ち、接着剤と基材間の接着力に依存する。しかし、その上、接着強度は、接着剤自体の粘着力によっても決まる。接着剤の組成物における僅かな変更でさえ、接着強度の激しい低下を引き起こすことがあり、それ故に、接着剤を完全に使用できなくなるか、若しくは、そのような接着剤を用いて形成された接着を弱め、或いは、これを完全に破壊されさえすることがある。
【0003】
したがって、接着剤をまさに処方する際に、当該接着剤に供給される個々の成分がその接着強度に悪影響を及ぼさないようにしておくことが必要である。さらに、環境影響の結果として、それ故に接着剤の老化の結果として、接着層は、一定期間にわたって、もはや2つの成分の強固な接合を確保できない程度に、その接着強度の減損を被り得る。
【0004】
例えばエポキシ樹脂接着剤を使用する金属の構造接着などにおける、特に、硬化エポキシ樹脂の金属への接着は、老化過程の結果として、特に水分の影響下で著しく低下する。
【0005】
特定の原因は接着層への水の移行であって、それによって、接着剤の金属表面への接着が低下する。
【0006】
高湿度条件下で接着を促進させるために、一般的にはプライマー(下塗り)と称されるもので、メタリックな表面に前処理がなされる。これもやはり、さらなる作業ステップを必要とし、接着剤結合に関わる作業工程を引き延ばし、コストアップを生じさせる。その上、多くの場合、例えば車体修理領域での事故修理などでは、これらの前処理方法は限られた程度でしか使用できない。このことは、特に、車体修理構造物においてよく用いられるスチールまたはアルミニウム部品について当てはまるが、それは、二成分形エポキシ樹脂接着剤のスチールまたはアルミニウムへの接着は、特に基材前処理が不充分な場合には、非常に劣ることが多いからである。
【0007】
これらの老化過程の結果、接着剤は、柔軟性、粘着力または接着性、若しくは一以上の他の重要な特性を失うことがある。
【0008】
とりわけ接着剤が屋外で使用される場合には、確実に、接着強度の損失につながる、例えば水分によってもたらされる変化が全く起こらないか、または、避けられないほど僅かな程度でしか起こらないようにすることが必要である。
【0009】
この必要性は、水分などの環境条件の影響下でさえ改善された長期的安定性を接着層に与えるべく提案される様々な可能性を導いてきた。
【0010】
従って、例えば、先行技術には、典型的な条件下でのアルミニウム表面への接着が充分である熱硬化性エポキシ樹脂接着剤が開示されている。しかし、これらの接着剤に影響を及ぼす不都合な結果は、厳しい条件下での用途にとっては耐老化性が充分でないということである。
【0011】
GB 2 222 592 Aには、ポリヒドロキシル化ベンゼン誘導体による金属表面の前処理が記載されている。この更なる作業ステップを避けるために、ある場合には、接着剤組成物を添加剤と混合することも推奨される。従って、GB 2 222 592 Aには、金属表面を、熱硬化性一成分形の系、即ち、化学的硬化剤などの更なる成分を添加せずに熱への暴露により自己硬化する系で被覆することが記載されるとともに、少なくとも100℃の温度でそのような系を硬化させ、該組成物はポリヒドロキシル化ベンゼン誘導体を含み得ることが記載されている。
【0012】
耐老化性を向上させるために、熱硬化性組成物において、金属酸化物をポリヒドロキシアリール化合物と組み合わせて使用することは、EP 0 458 521 A2から既知であるが、やはり、硬化させるためには少なくとも100℃の温度が必要とされる。EP 0 458 521 A2は、EP 0 458 521 A2の請求項1に従って使用すべき金属酸化物を、例えば組成物の揺変性などのような他の機能を有する酸化物か、または、充填剤として働く酸化物から範囲限定するものである。使用すべき金属酸化物として、EP 0 458 521は、周期律表の遷移金属(特に銅および亜鉛の下位群のもの)の酸化物を包含する。しかし、そのような遷移金属酸化物を用いることは、様々な理由、とりわけ経済的な理由で望ましくない。
【0013】
JP 08198945(抄録)には、芳香族ヒドロキシ化合物と充填剤を含むアミン硬化性エポキシ樹脂が開示されている。
【0014】
WO 00/34405 Aには、芳香族カルボン酸とヒドロキシル含有ポリマーを含み、接着剤組成物が耐食性を持つように、後者が必然的に少量のカルボキシ官能性モノマー単位を含む接着剤組成物が開示されている。
【0015】
WO 03/014236 A2には、キレート特性を有する化合物を含む結合剤成分が記載されている。キレート特性を有する開示の化合物は、とりわけ、アミノ基またはメルカプト基を含有する化合物である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明を基礎付ける課題は、多数の基材上(特に金属)への下塗りを行わずに使用できるとともに、基材への優れた接着力、並びに、優れた粘着力を備える接着剤を提供することによって、とりわけ、厳しい条件下(厳しい水分など)でさえ、接着組立物の耐老化性を増進することであった。また、例えば添加剤を遷移金属酸化物(特に、銅族と亜鉛族の酸化物)と組み合わせて使用せずに済ませ得ること、更には、二成分形接着剤系、即ち、通常、熱がなくても硬化する系において使用し得ることも、企図するものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
驚くべきことに、一般式(I):
【化1】

〔式中、Yは、カルボキシル基、カルボキシレート基またはヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基および/またはカルボキシレート基によって場合により置換されていてよい直鎖あるいは分枝アルキル基であり;
,R,およびRは、互いに独立して、同じまたは異なる、水素またはヒドロキシル基であって、RおよびRは同時にはヒドロキシル基でない〕
で示されるm−ヒドロキシベンゼン誘導体であって、但し、硬化性成分が多成分エポキシベースの系の熱硬化性成分である場合、硬化性組成物は銅族および亜鉛族の遷移金属酸化物を含有せず、および、硬化性成分がエポキシ系熱硬化性成分である場合、それは自己硬化性成分ではないものは、接着組立物および被覆物の耐老化性を増進するのに著しく適していることが判明した。
【0018】
先行技術から既知のいずれの文献にも、本発明の実用にとって、上記化合物の1−Y−3−ヒドロキシ置換パターンが重要であることについて、教示がないことはもちろんのこと、認識すらなされていない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
特に好適な老化抑制剤は、基R、RまたはRの1個または2個がヒドロキシル基を表すものである。
【0020】
Yがカルボキシル基またはカルボキシレート基を表す適当な老化抑制剤の例は、特に、3−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシサリチル酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、および3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸、並びにそれらの塩である。適当な塩は、特に、上記酸のナトリウム塩およびカリウム塩などのアルカリ金属塩、またはアンモニウム塩である。
【0021】
Yが直鎖あるいは分枝アルキル基を表す適当な老化抑制剤の例は、特に、アルキル基が1〜12個、より好ましくは1〜6個、最も好ましくは1〜4個の炭素原子を含有するものである。メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、およびtert−ブチル基は、特に好適である。これらは、好ましくは、さらに置換された形態であってよく、好ましくは、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、およびカルボキシレート基の群から選択される基を一以上もっていてよい。例としては、3−エチルフェノール、5−(ヒドロキシメチル)ベンゼン−1,3−ジオール、4−イソブチルベンゼン−1,2−ジオールまたは4−アラニルベンゼン−1,2−ジオールを挙げることができる。
【0022】
例えば、接着剤または被覆材などの硬化性組成物における、上述した老化抑制剤の本発明による使用だけでなく、こうして得られた硬化性組成物も、本発明によって提供される。
【0023】
上述した老化抑制剤を例えば接着剤または被覆材などの硬化性組成物において本発明により使用する場合、および、このようにして得られた硬化性組成物のいずれにおいても、一般式(I)の化合物は鉄(III)と相互作用していることが好ましく、上記した一般式(I)の化合物は鉄(III)錯体の形で存在すると特に好ましい。本明細書において本発明として記載された方法にも、同じことが当てはまる。
【0024】
これに関連して、一般式(I)の老化抑制剤が本発明の範囲内のどこで用いられようと、これらの抑制剤は鉄(III)と相互作用しているのが特に好ましく、上記した一般式(I)の化合物は鉄(III)錯体の形で存在すると特に好ましい、と言うことができる。
【0025】
従って、本発明によると、
硬化性成分および一般式(I):
【化2】

〔式中、Yは、カルボキシル基、カルボキシレート基またはヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基および/またはカルボキシレート基によって場合により置換されていてよい直鎖あるいは分枝アルキル基であり;
,R,およびRは、互いに独立して、同じまたは異なる、水素またはヒドロキシル基であって、RおよびRは同時にはヒドロキシル基でない〕
で示される少なくとも一つのm−ヒドロキシベンゼン誘導体を含んでなり、
但し、硬化性成分が多成分エポキシベースの系の熱硬化性成分である場合、硬化性組成物は銅族および亜鉛族の遷移金属酸化物を含有せず、および、硬化性成分がエポキシ系熱硬化性成分である場合、それは自己硬化性成分ではない、硬化性組成物が、本発明によって提供される。
【0026】
一般式(I)の化合物が鉄(III)と相互作用していることは、本発明の好適な態様であるとされ、上記した一般式(I)の化合物は鉄(III)錯体の形で存在すると、特に好適である。
【0027】
本発明の組成物中に含まれる硬化性成分は、放射線、熱、触媒的に、または化学的硬化剤によって硬化させることができるものであって、例えば、エポキシ化合物、(メタ)アクリレート(この用語はアクリレートとメタクリレートの両者を表す)、(メタ)アクリル酸またはポリオール硬化(polyolhaertende)ポリイソシアネートを含んでなる。
【0028】
多成分系として知られる系、換言すると、一以上の硬化性成分のほかに一以上の硬化剤を含み、その殆どは常温硬化性(kalthaertend)である系のなかで、二成分形の系は最も重要である。そのような二成分形の系では、硬化性成分は、通常、化学的硬化剤によって硬化し得るものである。
【0029】
二成分形エポキシ接着剤は、例えばアミン硬化性エポキシ系であってよく、その硬化成分はエポキシ成分であり、硬化剤はアミンである。
【0030】
そのような系におけるエポキシ成分としては、平均して1分子あたり少なくとも2個のエポキシド基を有するポリエポキシドを用いるのが通例である。これらのエポキシ化合物は、飽和または不飽和のいずれであってもよく、脂肪族、脂環式、芳香族またはヘテロ環式であってもよく、ヒドロキシル基を含有してもよい。
【0031】
これらのエポキシ成分は、多価の、好ましくは二価の、アルコール、フェノール、これらのフェノールの水素化生成物および/またはノボラック(1価または多価フェノールとアルデヒド、とりわけホルムアルデヒドとの、酸性触媒の存在下での反応生成物)に基づくポリグリシジルエーテルであることが好ましい。
【0032】
多価アルコールのポリグリシジルエーテルもまた適当である。そのような多価アルコールの例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール(n=1〜20)、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセロール、および2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンを挙げることができる。
【0033】
エピクロロヒドリンまたは同様のエポキシ化合物と、脂肪族、脂環式または芳香族ポリカルボン酸、例えばシュウ酸、コハク酸、アジピン酸、グルタル酸、フタル酸、テレフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、および二量化リノレン酸とを反応させることによって得られるポリカルボン酸のポリグリシジルエーテルを使用することも可能である。例えば、ジグリシジルアジペート、ジグリシジルフタレート、およびジグリシジルヘキサヒドロフタレートが挙げられる。
【0034】
特に適当なエポキシ化合物は、エピクロロヒドリンとビスフェノールAまたはビスフェノールFとの間の反応生成物に基づく化合物である。
【0035】
適当なエポキシ化合物の詳細な目録は、A.M.Paquin、「Epoxidverbindungen und Epoxidharze」ハンドブック、Springer−Verlag、ベルリン1958年、第V章、第308〜461頁、並びに、Lee,Neville「エポキシ樹脂ハンドブック」、1967年、第2章、第2−1〜2−33頁に見出される。
【0036】
二成分形エポキシ系においてアミン硬化剤として使用されるのは、第1級および/または第2級アミンである。アミンとして、1分子あたりに少なくとも2個の窒素原子と少なくとも2個の活性アミノ水素原子を有するポリアミンを使用することが好ましい。脂肪族、芳香族、脂肪族-芳香族、脂環式、およびヘテロ環式のジアミン並びにポリアミンを使用することができる。
【0037】
適当なアミン硬化剤の例として、直鎖あるいは分枝ポリアルキレンアミン、例えばエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、1,2−プロピレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,3−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、3,3,5−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、3,5,5−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、ビス(3−アミノプロピル)アミン、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)−1,2−エタンジアミン、N−(3−アミノプロピル)−1,2−エタンジアミン;脂環式ポリアミン、例えば1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、アミノエチルピペラジン、ポリ(アルキレンオキシド)ジアミン;およびトリアミン、例えばJeffamine D−230、Jeffamine D−400、Jeffamine D−2000、Jeffamine D−4000、Jeffamine T−403、Jeffamine EDR−148、Jeffamine EDR−192、Jeffamine C−346、Jeffamine ED−600、Jeffamine ED−900、およびJeffamine ED−2001;芳香族ポリアミン、例えばメタキシリレンジアミン、フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、トルエンジアミン、イソホロンジアミン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、2,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、メチレン架橋ポリ(シクロヘキシル芳香族)アミン混合物(MBPCAAとしても知られる)、並びにポリアミノアミドを挙げることができる。
【0038】
硬化成分が(メタ)アクリレートまたは(メタ)アクリル酸である場合、通常、例えば過酸化物、ヒドロ過酸化物またはアゾ化合物などのフリーラジカル形成物質によって開始され、および/または光化学的に、光開始剤と紫外線を組み合わせることによって誘導されるフリーラジカル重合によって、硬化を行う。
【0039】
しかし、イオン重合、とりわけ適当な塩基によるアニオン重合も可能である。ある場合には、単に大気中の水分が侵入するだけでも重合が起こる。
【0040】
本発明の老化抑制剤は、ポリウレタン接着剤系において使用することもできる。この場合の硬化は、特に、ポリイソシアネート(好ましくはジイソシアネート)と、ポリオール(とりわけジオール)を重縮合することによって起こる。
【0041】
ポリイソシアネートは、少なくとも2個のイソシアネート基を有する化合物である。使用するポリイソシアネートは、芳香族イソシアネートであることが好ましく、その例は、2,4’−/4,4’−異性体の異性体混合物としての純異性体、またはカルボジイミドで液化されたジフェニルメタンジイソシアネート(即ち、MDI)であって、例えばIsonate 143 Lの商品名で知られるもの、のいずれかの形のジフェニルメタンジイソシアネートである。さらに、例えば、PAPIまたはDesmodur VKの商品名で入手可能な所謂「粗MDI」、即ち、MDIの異性体/オリゴマー混合物を使用することも可能である。さらには、準プレポリマーと称されるもの、即ち、MDIまたはトリレンジイソシアネート(TDI)と、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールまたはトリエチレングリコールなどの低分子量ジオールとの反応生成物を使用することも可能である。前述のイソシアネートは特に好適なイソシアネートであるが、例えば水素化MDI(H12MDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、1−イソシアナトメチル−3−イソシアナト−1,5,5−トリメチルシクロヘキサン(IPDI)、ヘキサン1,6−ジイソシアネート(HDI)、HDIのビウレット化生成物、HDIのイソシアヌレート化生成物またはダイマー脂肪酸ジイソシアネートなどのような脂肪族または脂環式のジ−またはポリイソシアネートを使用することも可能である。
【0042】
ポリオールは、少なくとも2個のヒドロキシル基を有する化合物である。適当なポリオールは、好ましくは、例えば、分子量の範囲が200〜6000、好ましくは400〜3000の範囲にある2官能性および/または3官能性ポリプロピレングリコールなどの、1分子あたり2個または3個のヒドロキシル基を有する液状ポリヒドロキシ化合物である。エチレンオキシドとプロピレンオキシドのランダムおよび/またはブロックコポリマーを用いることも可能である。好適に使用することのできる更なるポリエーテルポリオールの群は、ポリテトラメチレングリコールであって、これらは、例えばテトラヒドロフランの酸性重合によって製造され、ポリテトラメチレングリコールの分子量範囲は好ましくは200〜6000の間、より好ましくは400〜4000の範囲にある。また、ポリオールとして適当なものは、ジカルボン酸および/またはトリカルボン酸(例えばアジピン酸、セバシン酸、グルタル酸)と低分子量ジオールおよび/またはトリオール(例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセロールまたはトリメチロールプロパン)を縮合することによって製造し得る液状ポリエステルである。用いることのできるポリオールの更なる群は、カプロラクトンまたはバレロラクトンなどのラクトンに基づくポリエステルである。しかし、油脂化学由来のポリエステルポリオールを用いることも可能である。この種のポリエステルポリオールは、例えば、少なくともあるオレフィン性不飽和脂肪酸を含む脂肪混合物のエポキシ化トリグリセリドを、1〜12個の炭素原子を有する一以上のアルコールで完全開環し、次いでトリグリセリド誘導体を部分エステル交換してアルキル基中に1〜12個の炭素原子を有するアルキルエステルポリオールとすることによって製造することができる。更なる適当なポリオールは、ポリカーボネートポリオールおよび二量体ジオール、並びに、特に、ヒマシ油およびその誘導体である。例えば「ポリBD」の商品名で入手可能な種類のヒドロキシ官能性ポリブタジエンも、本発明の組成物のためのポリオールとして使用することができる。
【0043】
上述した典型的な系とは無関係に、接着剤系とは独立して、老化抑制剤を本発明に従って使用することができる。上述のように、エポキシベースの系だけでなく、ポリウレタンまたは(メタ)アクリレート接着剤系も、特に適当である。
【0044】
熱硬化性の一成分形および/または二成分形の系、即ち、硬化温度が100℃以上である接着剤系において使用することは可能であるが、本発明の老化抑制剤の特別な利点は、二成分形の系であっても、例えば100℃より低い温度、好ましくは15℃〜95℃の間の温度、より好ましくは50〜90℃で、その活性を発現することにある。特に、本発明に従って使用し得る老化抑制剤を含んでなるエポキシ−ポリアミンベースの二成分形の系は、顕著な耐老化性を示す。
【0045】
硬化性組成物を基準にして10重量%未満の少量の添加剤でさえ、通常は、本発明に従い耐老化性を増進させるのに充分である。しかし、特定の場合には、0.1重量%程度の極めて少量であっても、本発明による特性を発現するのに充分であることがある。硬化性組成物を基準に、0.5〜9重量%、より好適には2〜8重量%、最も好適には2〜6重量%使用することが好ましい。
【0046】
老化抑制剤は、硬化性成分と予備混合してもよいし、あるいは、硬化のために化学的硬化成分を要する場合には、抑制剤を該硬化成分と混合することによって、本発明の硬化性組成物に供給してもよい。しかし、二成分形の系では、老化抑制剤は、両方の成分中に存在してもよいし、加工時間が許す場合には、2つの成分を混合後にだけこれを二成分形の系に添加してもよい。
老化抑制剤は、2成分より多くを含む系で使用することもできる。例えば、老化抑制剤を、2以上の硬化性成分および/または2以上の硬化剤を有する系において、同様に使用することができる。
【0047】
硬化性組成物は、被覆材または接着剤であることが好ましい。組成物の際立った特徴は、老化抑制剤のための補助成分としての遷移金属酸化物は、本発明に従って活性である必要がないことである。
【0048】
本発明はさらに、
基材を硬化性組成物で被覆することを含む方法であって、該硬化性組成物は、硬化性成分および一般式(I):
【化3】

〔式中、Yは、カルボキシル基、カルボキシレート基またはヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基および/またはカルボキシレート基によって場合により置換されていてよい直鎖あるいは分枝アルキル基であり;
,R,およびRは、互いに独立して、同じまたは異なる、水素またはヒドロキシル基であって、RおよびRは同時にはヒドロキシル基でない〕
で示される少なくとも一つのm−ヒドロキシベンゼン誘導体を含んでなり、
但し、硬化性成分が多成分エポキシベースの系の熱硬化性成分である場合、硬化性組成物は銅族および亜鉛族の遷移金属酸化物を含有せず、および、硬化性成分がエポキシ系熱硬化性成分である場合、それは自己硬化性成分ではない、方法を提供する。
【0049】
本発明の方法において使用する硬化性組成物は、好ましくは、化学的硬化剤によって、または、熱あるいは放射線によって硬化可能なものであって、付与後に硬化される。
【0050】
接着組立物を製造するためにその方法を用いる場合、硬化性組成物は、好ましくは、化学的硬化剤を含み、および/または熱によって硬化可能である。その場合、基材上に存在する被覆物を、その硬化前に、硬化性被覆物が2つの基材間に来るように、さらなる基材と接触させ、さらなるステップにおいてその被覆物を硬化する。
【0051】
本発明の方法において使用する基材は、原則として、例えば、金属基材、プラスチック、ガラスおよびセラミック基材、または木材などのような、あらゆる所望の基材であり得る。用いる基材は、好ましくは、例えば、軽金属、アルミニウム、銅、または、例えば、ZEスチール、ZEPスチールあるいはリン酸化スチールなどのスチールのような金属基材であって、金属基材を、それらの合金の形で、または、亜鉛めっきされた形あるいは油状で用いることも可能である。
【0052】
以下の実施例は、本発明を説明することを目的とするものである。
【実施例】
【0053】
エポキシ系組成物
エポキシ系組成物の常温硬化(Kalthaertung)
硬化性結合剤成分として、ビスフェノールAとエピクロロヒドリンから形成された数平均分子量が約700g/molのエポキシ樹脂(D.E.R.331P、Dow Chemical Companyから入手可能)を、および、硬化剤として、分子量が400g/molの末端ジアミノ官能性ポリプロピレングリコール(Jeffamin(登録商標)D400、Huntsman Chemical Companyから入手可能)を用いて、エポキシ接着剤を製造した。本発明の組成物は、さらに、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸(実施例2aを参照)を老化抑制剤として含有する。こうして製造された接着剤を、洗浄および脱脂された寸法100×25mm(接着面積25×10mm)のZE鋼板(すなわち、それぞれアルミニウムパネルまたはCRS鋼板)を接着するのに使用し、接着パネルを90℃または80℃で180分間、硬化させた。その後、接着パネルについて、接着物の引張剪断強度(DIN 53283、「Determination of the bond strength of adhesive bonds with a single overlap」に準じて測定、速度100mm/分)を調べた。同様に作製した更なる試験片に、70℃で湿熱試験を施し、これを取り出した直後に、湿潤状態で、その引張剪断強度を調べた。
【0054】
蒸留水で湿らせた紙タオルに試験片を包むことによって、湿熱試験を行った。その後、この処理物をアルミホイルに封入し、密閉したプラスチック容器中で70℃にて1週間、2週間または4週間、保管した。対応する貯蔵時間の後、試料を取り出し、−20℃で冷凍し、解凍し、その直後に室温でその引張剪断強度を調べた。
【0055】
表1から明らかなように、既述したのと同じ結合剤および硬化剤に基づく本発明のエポキシ接着剤(実施例2bおよび2c)をさらに提供した。本発明の組成物は、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸(実施例2a)に代えて、3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン(実施例2b)または3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンに加えてFe(III)(実施例2c)を、老化抑制剤として含む。
【0056】
実施例2bおよび2cに従って製造した接着剤を、洗浄および脱脂された寸法100×25mm(接着面積25×10mm)のCRS鋼板を接着するのに用い、これを90℃で180分間硬化させた。接着パネルについて、接着物の引張剪断強度の検討を、既述のようにして行った(DIN 53282、「Determination of the bond strength of adhesive bonds with a single overlap」、速度100mm/分)。この結果を表4に示す。
実施例2bおよび2cについて、さらに同様にして作製した試験片に、70℃での湿熱試験を施し、これを取り出した直後に、湿潤状態で、その引張剪断強度を調べた。この結果も表4に示す。
【0057】
既述したのと同様にして、湿熱試験を行った。
【0058】
実施例2cで使用する老化抑制剤[3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン+Fe(III)]を製造するために、3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン0.035molを室温でエタノール100mlへ導入した。次いで、Fe(III)硝酸塩0.038molのエタノール溶液約50mlを撹拌しながら添加した。
約15分後、強烈に着色した沈殿物が生成する。さらに15分後、この沈殿物を濾過によって分離し、エタノールで洗浄し、次いで、乾燥棚中で乾燥した。
【0059】
以下の表中に示した接着剤を製造することによって、本発明による接着剤の活性を試験した。
【0060】
【表1】

【0061】
【表2】

【0062】
【表3】

【0063】
【表4】

【0064】
銅族および亜鉛族の遷移金属酸化物を添加しない、二成分形エポキシ系組成物の120℃での熱硬化
表5および6に記載の実験を行う目的で、異なった本発明および本発明によらない添加剤によって、表1に対応する組成物を製造し、これを脱脂したアルミニウム試験部材Al6016(100×25×0.8mm)へ付与し、120℃で1時間硬化させ、ある場合には、湿熱条件下で保存した。表5は本発明の添加剤の使用を示し、表6は本発明によらない添加剤の使用を示すものである。
【0065】
【表5】

【0066】
湿熱条件下で28日間老化させた後でさえ、本発明による添加剤を用いて製造した接着剤の引張剪断強度は、その初期値をかろうじて下回る程度である(表5)。これとは対照的に、本発明によらない添加剤を用いた場合の引張剪断強度の値は、湿熱条件下で7日間老化後にして、既に、本発明による添加剤を用いて28日間老化させたものより低くなっている(表5と表6を比較されたい).
【0067】
【表6】

【0068】
ポリウレタン系組成物
硬化性結合剤成分として、ヒドロキシル含有有機化合物Macroplast UK 8202(密度:1.45+/−0.05g/cm;粘度(ブルックフィールドRVT、20℃):27000+/−4000mPas;製造業者:Henkel KGaA)、および、硬化剤として、イソシアネートMacroplast UK 5400 (密度:1.22+/−0.05g/cm;粘度(ブルックフィールドRVT、20℃):250+/−100mPas;製造業者:Henkel KGaA)を用いて、PU接着剤を製造した。本発明の組成物は、さらに、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸を老化抑制剤として含有する。このような方法で製造した接着剤を、クロム不含有前処理を施した寸法が100×25mm(接着面積25×10mm)のアルミニウムパネルを接着するのに使用した。得られた試験片を20℃で14日間保存した。次いで、接着パネルについて、接着物の引張剪断強度(DIN 53283、「Determination of the bond strength of adhesive bonds with a single overlap」に準じて測定、速度100mm/分)を調べた。同様に作製した更なる試験片に、70℃で湿熱試験を施し、これを取り出した直後に、湿潤状態で、その引張剪断強度を調べた。
【0069】
【表7】

【0070】
Macroplast UK 8202、Macroplast UK 5400、および3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸は、20℃で混ぜ合わせた。用いた硬化剤の追加量は、実施例3と比較して、用いたベンゼン誘導体を、そのヒドロキシル価に基づき、硬化剤の当量(そのNCO価に基づく)で補うように計算した。
【0071】
【表8】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬化性成分および一般式(I):
【化1】

〔式中、Yは、カルボキシル基、カルボキシレート基またはヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基および/またはカルボキシレート基によって場合により置換されていてよい直鎖あるいは分枝アルキル基であり;
,R,およびRは、互いに独立して、同じまたは異なる、水素またはヒドロキシル基であって、RおよびRは同時にはヒドロキシル基でない〕
で示される少なくとも一つのm−ヒドロキシベンゼン誘導体を含んでなり、
但し、硬化性成分が多成分エポキシベースの系の熱硬化性成分である場合、硬化性組成物は銅族および亜鉛族の遷移金属酸化物を含有せず、および、硬化性成分がエポキシ系熱硬化性成分である場合、それは自己硬化性成分ではない、硬化性組成物。
【請求項2】
放射線、熱、触媒的に、または化学的硬化剤によって硬化可能であることを特徴とする、請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項3】
化学的硬化剤は、硬化性成分と反応して組成物を硬化させるものである、請求項2に記載の硬化性組成物。
【請求項4】
硬化性成分は、エポキシ化合物、(メタ)アクリル酸およびそのエステル、およびポリオールからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性組成物。
【請求項5】
硬化性成分は、アミン硬化性エポキシ化合物またはポリイソシアネート硬化性ポリオールであることを特徴とする、請求項4に記載の硬化性組成物。
【請求項6】
エポキシ化合物は、ビスフェノールA−エピクロロヒドリン付加物であることを特徴とする、請求項5に記載の硬化性組成物。
【請求項7】
一分子中に少なくとも2個の窒素原子と少なくとも2個の活性アミノ水素原子を有するポリアミンを硬化剤として使用することを特徴とする、請求項5および6のいずれかに記載の硬化性組成物。
【請求項8】
基R、RまたはRの1個または2個はヒドロキシル基であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の硬化性組成物。
【請求項9】
一般式(I)の化合物は、全硬化性組成物に基づき10重量%より少ない量で存在することを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の硬化性組成物。
【請求項10】
一般式(I)の化合物は、全硬化性組成物に基づき0.5〜9重量%、好ましくは2〜6重量%の量で存在することを特徴とする、請求項9に記載の硬化性組成物。
【請求項11】
一般式(I)の化合物は、鉄(III)と相互作用していることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の硬化性組成物。
【請求項12】
一般式(I)の化合物は、鉄(III)錯体の形で存在することを特徴とする、請求項11に記載の硬化性組成物。
【請求項13】
硬化性組成物は、被覆組成物または接着剤であることを特徴とする、請求項1〜12のいずれかに記載の硬化性組成物。
【請求項14】
低温硬化性であることを特徴とする、請求項1〜13のいずれかに記載の硬化性組成物。
【請求項15】
100℃より低い温度で硬化性であることを特徴とする、請求項1〜14のいずれかに記載の硬化性組成物。
【請求項16】
15℃と95℃の間の温度で硬化性であることを特徴とする、請求項15に記載の硬化性組成物。
【請求項17】
100℃未満で硬化性であって、硬化性成分としてエポキシ化合物、および硬化剤として少なくとも2個のアミノ基を有するアミンを含むことを特徴とする、請求項1〜16のいずれかに記載の硬化性組成物。
【請求項18】
Yはカルボキシル基であることを特徴とする、請求項17に記載の硬化性組成物。
【請求項19】
一般式(I):
【化2】

〔式中、Yは、カルボキシル基、カルボキシレート基またはヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基および/またはカルボキシレート基によって場合により置換されていてよい直鎖あるいは分枝アルキル基であり;
,R,およびRは、互いに独立して、同じまたは異なる、水素またはヒドロキシル基であって、RおよびRは同時にはヒドロキシル基でない〕
で示されるm−ヒドロキシベンゼン誘導体の、被覆材または接着剤における老化抑制剤としての使用であって、
但し、被覆材または接着剤がその硬化性成分として多成分エポキシベースの系の熱硬化性成分を有する場合、被覆材または接着剤は銅族および亜鉛族の遷移金属酸化物を含有せず、および、被覆材または接着剤がその硬化性成分としてエポキシ系熱硬化性成分を有する場合、それは自己硬化性成分ではない、使用。
【請求項20】
前記一般式(I)の化合物は、鉄(III)と相互作用していることを特徴とする、請求項19に記載の使用。
【請求項21】
前記一般式(I)の化合物は、鉄(III)錯体の形で存在することを特徴とする、請求項20に記載の使用。
【請求項22】
基材を硬化性組成物で被覆することを含む方法であって、該硬化性組成物は、硬化性成分および一般式(I):
【化3】

〔式中、Yは、カルボキシル基、カルボキシレート基またはヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基および/またはカルボキシレート基によって場合により置換されていてよい直鎖あるいは分枝アルキル基であり;
,R,およびRは、互いに独立して、同じまたは異なる、水素またはヒドロキシル基であって、RおよびRは同時にはヒドロキシル基でない〕
で示される少なくとも一つのm−ヒドロキシベンゼン誘導体を含んでなり、
但し、硬化性成分が多成分エポキシベースの系の熱硬化性成分である場合、硬化性組成物は銅族および亜鉛族の遷移金属酸化物を含有せず、および、硬化性成分がエポキシ系熱硬化性成分である場合、それは自己硬化性成分ではない、方法。
【請求項23】
硬化性組成物は硬化剤を含むか、または、熱−または放射線−硬化性であって、これを硬化する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
硬化性組成物は硬化剤を含むか、または熱硬化性であって、硬化性被覆物が2つの基材間に配置されるように更なる基材を接触させ、および、更なる段階で被覆物を硬化させる、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
使用する基材は金属基材である、請求項22〜24のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
金属基材は、アルミニウム、スチール、銅、またはそれらの合金からなる群から選択され、当該金属基材は、亜鉛めっきされ、または油脂加工されたものであってよい、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記一般式(I)の化合物は、鉄(III)と相互作用していることを特徴とする、請求項22〜26のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
前記一般式(I)の化合物は、鉄(III)錯体の形で存在することを特徴とする、請求項27に記載の硬化性組成物。

【公表番号】特表2008−516064(P2008−516064A)
【公表日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−536063(P2007−536063)
【出願日】平成17年10月10日(2005.10.10)
【国際出願番号】PCT/EP2005/010884
【国際公開番号】WO2006/040108
【国際公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【出願人】(391008825)ヘンケル コマンディットゲゼルシャフト アウフ アクチエン (309)
【氏名又は名称原語表記】Henkel KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D−40589 Duesseldorf,Germany
【Fターム(参考)】