説明

肥満患者の栄養素

本発明は、肥満患者に栄養サポートを提供するための組成物及び方法を提供する。上記組成物は、0.4〜0.9kcal/mlのエネルギー密度を有し、少なくとも30重量%の乳清タンパク質を含み、上記組成物の総カロリーの少なくとも30%を提供するタンパク質源を含む。上記組成物は炭水化物源及び脂質源を含むことができる。好ましくは、上記タンパク質源の少なくとも50重量%は乳清タンパク質である。本発明はさらに、肥満患者における栄養不良の予防又は治療のための上記組成物の使用にも及ぶ。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、一般に患者の治療及び栄養サポートのための組成物及び方法に関する。より具体的には、本発明は、外科手術、疾患又は他の障害の治療のための入院の前、入院中及び退院後、さらに回復期における肥満患者の栄養サポートに関する。
【0002】
成人、子供及び青年の肥満罹患率は、過去30年にわたり米国及び世界的に急速に増加しており、上昇し続けている。肥満は、古典的には、体脂肪の割合を基に定義されており、またより最近では、ボディマス指数(Body Mass Index)すなわちBMIを基に定義されている。BMIは、体重(kg)を身長(m)の二乗で割った比で定義される。肥満は全ての年齢層でさらに広がってきているので、肥満でもある入院患者の数が増加するであろうことは必然的である。
【0003】
多くの肥満患者は、血糖コントロール障害、糖尿病、冠動脈疾患、高血圧、呼吸異常、高脂血症、変形性関節疾患及び肝胆道疾患などの彼らの肥満に関連する慢性基礎疾患を有しており、それらの疾患は病院での日常的なケアでさえ複雑にする恐れがある。さらに、肥満患者は非肥満患者と比べて創傷治癒障害、院内感染、呼吸器合併症及び心臓回復の遅延などの手術後の合併症を発症する可能性が高い。成人の集中治療患者では、肥満(BMIが30より大きい)は死亡の危険の増加と有意に関係していると報告されている。肥満は酸化ストレスの増加、そして多くの場合サルコペニアを引き起こす。急性疾患及び/又は外科的介入は、酸化ストレス、及び負の窒素バランスや筋肉量の減少ともまた関連し、多くの場合インスリン抵抗性が上昇するということはよく知られている。言い換えると、急性疾患は、肥満患者においてその開始時にすでに存在している生理学的変化及び代謝の変化を悪化させるように思われる。
【0004】
最近、Dickerson等(Nutrition 18:241−246 2002)は、重病の肥満患者において、低カロリーの経管経腸栄養と適切なカロリーの経管経腸栄養の効果を比較した。彼らの結果は、低カロリーの経腸栄養サポート(著者らは、少なくとも1.0kcal/mlのエネルギー密度を有する組成物を提供することを意味している。)は、少なくともこの群において適切なカロリーの供給と同様に効果的であることを示唆した。病気ではあるが重病ではない、より一般的な肥満患者の群では、特に手術後に受ける栄養が理想よりもより少ない傾向がある。これらの患者は、非肥満患者と同じ食事を受ける傾向にあり、したがって彼らは必要としないカロリーを摂取する。或いは、短期間には患者はカロリーとしては十分であるために、栄養サポートが全く必要とされていないとみなされている。しかしながら、このことにより、例えば病気又は手術によってストレスを受けたときに、肥満患者が非肥満患者と同様にタンパク質や微量栄養素の不足に苦しむ可能性が見落とされる。さらに、上記のとおり、肥満患者は術後の合併症の危険がより高いので、栄養状態が損なわれることによりさらに衰弱しないのであれば、これらの合併症に耐えるためにはよりよい条件にあるであろう。したがって、肥満患者の栄養の必要性を満たすために設計された栄養組成物が存在する必要がある。
【0005】
[発明の概要]
第1の態様において、本発明は、肥満患者における栄養不良の予防又は治療のための組成物の製造における、タンパク質源、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、亜鉛、及びセレンの使用であって、上記組成物は、0.4〜0.9kcal/mlのエネルギー密度を有し、1リットル当たり、少なくとも500μgREのビタミンA、70mgのビタミンC、9.0mgαTEのビタミンE、4.0mgの亜鉛、及び30mgのセレンを含み、上記タンパク質源は少なくとも30重量%の乳清タンパク質を含み、上記組成物の総カロリーの少なくとも30%を供給する使用を提供する。
【0006】
第2の態様において、本発明は、肥満患者における栄養不良の予防又は治療のための栄養組成物であって、エネルギー密度が0.4〜0.9kcal/mlであって、1リットル当たり、少なくとも500μgREのビタミンA、70mgのビタミンC、9.0mgαTEのビタミンE、4.0mgの亜鉛、及び30mgのセレン、並びに上記組成物の総カロリーの少なくとも30%を供給し、その少なくとも30重量%が乳清タンパク質であるタンパク質源を含む栄養組成物を提供する。
【0007】
第3の態様において、本発明は、肥満患者における栄養不良の予防又は治療のための組成物の製造における、タンパク質源、炭水化物源、及び脂質源の使用であって、上記組成物は0.4〜0.9kcal/mlのエネルギー密度を有し、上記タンパク質源は、少なくとも30重量%の乳清タンパク質を含み、上記組成物の総カロリーの少なくとも30%を供給する使用を提供する。
【0008】
第4の態様において、本発明は、肥満患者における栄養不良の予防又は治療のための栄養組成物であって、0.4〜0.9kcal/mlのエネルギー密度を有し、上記組成物の総カロリーの少なくとも30%を供給するタンパク質源、炭水化物源及び脂質源を含み、上記タンパク質源の少なくとも30重量%が乳清タンパク質である栄養組成物を提供する。
【0009】
第5の態様において、本発明は、栄養不良の予防又は治療を必要とする肥満患者に、タンパク質源を含む治療量の栄養組成物であって、0.4〜0.9kcal/mlのエネルギー密度を有し、上記タンパク質源は、少なくとも30重量%の乳清タンパク質を含み、上記組成物の総カロリーの少なくとも30%を供給する組成物を治療量投与することによる方法を提供する。
【0010】
好ましくは、乳清タンパク質は、タンパク質源の少なくとも50%、より好ましくはタンパク質源の60〜85%を構成する。
【0011】
栄養組成物が炭水化物源及び脂質源を含む場合、タンパク質源はその組成物の総カロリーの30〜65%、好ましくは35〜50%、より好ましくはその組成物の総カロリーの40〜50%を提供することができる。
【0012】
上記組成物は栄養補助剤、すなわち栄養的に不完全であってもよく、他の食料に添加して消費されることを意図してもよく、或いは、タンパク質源に加えて炭水化物源や脂質源を含み、栄養的に完全なものであってもよい。組成物は、すすり供給又はチューブ供給のためにすぐに消費できる液体として、経口による供給又は経管栄養による投与の前に水で戻してもよい粉末組成物として、スプーンで食べるデザートなどの半流動食として、又は例えば棒状やビスケット状などのほかの適切な形で製剤することができる。
【0013】
存在する場合、炭水化物源は、組成物の総カロリーの20〜50%、好ましくは組成物の総カロリーの25〜45%を提供することができる。
【0014】
存在する場合、脂質源は、組成物の総カロリーの10〜40%、好ましくは組成物の総カロリーの25〜30%を提供することができる。
【0015】
[発明の詳細な説明]
本明細書において、用語「肥満患者」とは、肥満である、すなわちBMIが30より大きく、関連する又は関連しない症状のために、治療又は手術を受けている、必要としている、又は回復に向かっている個体を意味する。「関連する症状」の例には、メタボリック症候群及び2型糖尿病の進行などの過体重や肥満に結びつくと考えられている症状を含む。
【0016】
1リットル当たりの規定のグラム数で存在する組成物の構成成分の言及は、粉末組成物については、再構成した後の組成物についてである。
【0017】
乳清タンパク質は、本発明の組成物においてタンパク質源の少なくとも30%、好ましくは少なくとも50%、より好ましくはタンパク質源の60〜85%を構成する。乳清タンパク質は敏速に胃排出し、増大する満腹応答に関係するため、肥満患者にとっては低カロリーの組成物として適している。さらに、健常な対象と同様にII型糖尿病罹患対象に対してインスリン分泌を促し、したがって血糖コントロール障害を有している可能性のある個体に対して適切なタンパク質源であることが示されている。乳清タンパク質は、また、食後のタンパク質付着を刺激することが示されており、特に年配の対象において、タンパク質の損失が乳清タンパク質の摂取によって制限できると示唆されている。また、分枝鎖アミノ酸に富んだ源でもあり、タンパク質合成の刺激に関連している可能性があると考えられている。さらに、乳清タンパク質は、システインに富んだ源である主要な内因性抗酸化剤であるグルタチオンの主要構成要素である。システインとグルタチオンは重病の患者において激減し、システインを補うことによりこの減少を弱めることができることが示されている。最後に、乳清タンパク質は抗炎症特性を有すると考えられており、慢性の低レベルの炎症を引き起こすと考えられている肥満などの症状の治療において関連がある可能性がある。乳清タンパク質は、そのまま無処理でもよいし、又は部分的に若しくは広範に加水分解されていてもよい。無処理乳清タンパク質と加水分解の乳清タンパク質の混合物を用いてもよい。
【0018】
タンパク質源の残部は脱脂乳タンパク質、大豆タンパク質又はカゼインなどの任意の適したタンパク質でよく、それぞれ、無処理の形態又は加水分解された形態でよい。上記タンパク質の混合物は、また、無処理タンパク質と加水分解されたタンパク質の混合物として用いることもできる。ロイシンなどの遊離アミノ酸もまた加えてもよい。
【0019】
肥満患者において内因性脂質貯蔵の使用を刺激するべきなので、脂質源は存在する場合、組成物の総カロリーの40%を超えて供しないことが好ましい。それでもなお、必須脂肪酸の摂取は考慮すべきである。
【0020】
ストレスや炎症の症状のリスクがある場合には、好ましくは、n−6多価不飽和脂肪の大量摂取は避けるべきである。好ましくは、n6/n3脂肪酸の比は2:1〜6:1であるべきである。これらの要件において、より高いn3含有量が要求されているときには、例えば、魚油などのn3多価不飽和脂肪酸(PUFA)に富んだ源を補ったカノーラ油、コーン油及び高オレイン酸ヒマワリ油の混合物の使用により満たすことができる。必要な場合、この脂質源は中鎖脂肪酸トリグリセリドも含むことができる。
【0021】
本発明の栄養組成物は、炭水化物源を含むことができる。好ましくは、炭水化物源がインスリンと無関係にゆっくりと消化又は代謝され、したがって食後の高い血糖ピークを避けるべきである。適切な炭水化物源は、加工じゃがいもデンプン又はタピオカデンプンなどの加工デンプン、タピオカデキストリンなどのデキストリン、イソマルチュロース、トレハロース、タガトース(tagatose)、フルクトース及びキシリトールやソルビトールなどのポリオール並びにそれらの混合物である。
【0022】
組成物はミネラル、微量栄養素及び微量元素もまた、USRDA等の政府機関の推奨に従って含むことができる。好ましくは、組成物は高含量のビタミンA、C及びE、亜鉛及びセレンを含み、例えば、1リットル当たり少なくとも500μgREのビタミンA、70mgのビタミンC、9.0mgαTEのビタミンE、4.0mgの亜鉛、及び30mgのセレン、より好ましくは、1リットル当たり少なくとも1000μgREのビタミンA、125mgのビタミンC、15.0mgαTEのビタミンE、10.0mgの亜鉛、及び100mgのセレンを含む。
【0023】
組成物は好ましくは高含量の鉄、カルシウム、葉酸、ビタミンB12、ビタミンD及びビタミンKを、例えば、1リットル当たり、少なくとも6mgの鉄、500mgのカルシウム、160mgの葉酸、2.0μgのビタミンB12、8μgのビタミンD、及び60μgのビタミンKを含む。
【0024】
組成物はさらに食物繊維源を含むことができる。食物繊維は酵素によって消化されずに小腸を通過し、天然の膨張性薬剤や緩下剤として機能する。食物繊維は可溶性でも不溶性でもよく、一般に2種類の混合物が好ましい。好ましい食物繊維源は、大豆、カラスムギ及びアラビアゴム、並びにそれらの混合物である。特に好ましい繊維混合は、えんどう豆外皮繊維(大部分は不溶性)、えんどう内皮繊維、アカシアゴム、及び短鎖フルクトオリゴ糖(全て可溶性)の混合物である。好ましくは、繊維が存在する場合には、その繊維の含量は10〜40g/lである。
【0025】
組成物は任意の適切な方法で製造することができる。例えば、組成物は、タンパク質源、炭水化物源(存在する場合)、及び脂質源(存在する場合)を適当な割合で一緒に混合することによって製造することができる。乳化剤を用いる場合、この段階でこの混合物中に含ませることができる。ビタミン及びミネラルはこの段階で加えてもよいが、通常熱分解を避けるために後で加える。脂溶性ビタミン、乳化剤などは混合する前に脂質源に溶解してもよい。次いで、水、好ましくは逆浸透処理された水を、混合して、液体混合物を形成することができる。
【0026】
次いで、その液体混合物を熱処理し、細菌量を減少させる。例えば、液体混合物は、約80℃から約110℃の範囲の温度で、約5秒から約5分間、急速に加熱する。これは、蒸気噴射又は熱交換器、例えば平板熱交換器によって行ってもよい。
【0027】
次いでこの液体混合物を、約60℃から約85℃に、例えばフラッシュ冷却によって冷却することができる。次にこの液体混合物を、例えば、第1段階で約7MPから約40MPaに、第2段階で約2MPaから約14MPaに、2段階で均質化してもよい。次いで、この均質化された混合物をさらに冷却し、ビタミンやミネラルなどの熱に敏感な任意の構成要素を加えることができる。この均質化された混合物のpHと固形分含量を、この段階で都合よく標準化させる。
【0028】
粉末組成物を製造することが望ましい場合には、均質化された混合物を、スプレー乾燥機や凍結乾燥機などの適当な乾燥装置に移動させて、粉末に変換する。その粉末の水分含量は、約5重量%未満であるべきである。
【0029】
液体組成物を製造することが望ましい場合には、その均質化された混合物を、適当な容器に、好ましくは無菌下で充填する。しかし、組成物をまた容器内で減菌することもできる。この特性の充填を実施するために適当な装置は市販されている。この組成物は固形分含量が約10から約14重量%である、すぐに供給できる製品の形であってもよいし、又は、通常、固形分含量が約20から約26重量%である濃縮物の形であってもよい。
【0030】
或いは、無処理乳清タンパク質を基にした液体組成物を調製するために、乳清タンパク質単離物を脱塩水に溶解してもよい。そのタンパク質を完全に溶解した後、炭水化物をそのタンパク質溶液に加える。炭水化物を完全に溶解した後、周囲温度でpHを3.0に調整する。得られた溶液を加熱滅菌(例えばUHT)し、冷却し、無菌状態でpHを6.8に調整する。
【0031】
一方、脱塩水中の脱脂乳タンパク質濃縮物及びクエン酸三カルシウムの分散液を調製する。その脂肪混合物を70℃に温め、モノ−ジグリセリドをその脂肪に溶解する。その脂肪混合物を、コロイダルミルを用いてタンパク質分散液と共に乳化する。得られた粗乳液を200bar/40bar、約65℃で均質化させる。次いで、ミネラル、微量元素及びビタミンをその乳液に添加し、pHを6.8に調整する。得られる乳液をUHT滅菌し、フラッシュ冷却して70℃とし、続いて無菌均質化する。その乳液を冷却して約10℃とし、滅菌タンクに汲み上げ、そのタンクでタンパク質/炭水化物相を混合する。タンク内で十分混合した後、その滅菌組成物を所望の容器に滅菌下で充填する。
【0032】
実施例1
本発明によるすすり供給のための完全な栄養組成物の2つの実施例を以下に示す。その組成物は、単なる例示の目的として与えられている。
【0033】
組成物は、以下の成分を含んでいる:タンパク質(乳清タンパク質(総タンパク質量の50重量%)、脱脂乳タンパク質)、炭水化物(加工タピオカ及びコーンスターチ)、脂質(約50%のカノーラ油、約20%のコーン油、約30%の高オレイン酸のヒマワリ油(n6:n3の比が約5))、繊維(えんどう豆内皮繊維、えんどう豆外皮繊維及びフルクトオリゴ糖)、水、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ナイアシン、葉酸、パントテン酸、ビタミンB12、ビオチン、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄、銅、マンガン、ヨウ素、ナトリウム、カリウム、塩化物、クロム、モリブデン、フッ化物及びセレン。
【0034】
組成物は以下の栄養分析結果を示す(200mlの分量当たり)。
【0035】
【表1】

【0036】
実施例2
本発明による液体チューブ供給組成物の2つの実施例を以下に示す。その組成物は、単なる例示の目的として与えられている。
【0037】
組成物は、以下の成分を含んでいる:タンパク質(加水分解乳清タンパク質(総タンパク質の50重量%)、カゼインカリウム(potassium caseinate)、大豆タンパク質単離物)、炭水化物(加工タピオカ及びコーンスターチ)、脂質(約50%のカノーラ油、約20%のコーン油、約30%の高オレイン酸のヒマワリ油(n6:n3の比が約5))、繊維(えんどう豆内皮繊維、えんどう豆外皮繊維、アカシアゴム及びフルクトオリゴ糖)、水、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ナイアシン、葉酸、パントテン酸、ビタミンB12、ビオチン、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄、銅、マンガン、ヨウ素、ナトリウム、カリウム、塩化物、クロム、モリブデン、フッ化物及びセレン。
【0038】
上記組成物は、以下の栄養分析結果を示す(1500ml当たり)。
【0039】
【表2】




【特許請求の範囲】
【請求項1】
肥満患者における栄養不良の予防又は治療のための組成物の製造における、タンパク質源、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、亜鉛、及びセレンの使用であって、
前記組成物は、0.4〜0.9kcal/mlのエネルギー密度を有し、1リットル当たり、少なくとも500μgREのビタミンA、70mgのビタミンC、9.0mgαTEのビタミンE、4.0mgの亜鉛、及び30mgのセレンを含み、前記タンパク質源は、少なくとも30重量%の乳清タンパク質を含み、前記組成物の総カロリーの少なくとも30%を供給する使用。
【請求項2】
肥満患者における栄養不良の予防又は治療のための組成物の製造における、タンパク質源、炭水化物源、及び脂質源の使用であって、
前記組成物は、0.4〜0.9kcal/mlのエネルギー密度を有し、前記タンパク質源は、少なくとも30重量%の乳清タンパク質を含み、前記組成物の総カロリーの少なくとも30%を供給する使用。
【請求項3】
前記組成物は、1リットル当たり、少なくとも1000μgREのビタミンA、125mgのビタミンC、15.0mgαTEのビタミンE、10.0mgの亜鉛、及び100mgのセレンを含む、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
前記タンパク質源の少なくとも50重量%は乳清タンパク質である、請求項1〜3のいずれかに記載の使用。
【請求項5】
乳清タンパク質は、前記タンパク質源の60〜85重量%を構成する、請求項1〜4のいずれかに記載の使用。
【請求項6】
前記タンパク質源は、前記組成物の総カロリーの40〜50%を供給する、請求項1〜5のいずれかに記載の使用。
【請求項7】
前記組成物は、さらに10〜40g/lの食物繊維を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の使用。
【請求項8】
前記炭水化物源は、前記組成物の総カロリーの25〜45%を供給する、請求項2〜7のいずれかに記載の使用。
【請求項9】
前記脂質源は、前記組成物の総カロリーの25〜30%を供給する、請求項2〜8のいずれかに記載の使用。
【請求項10】
前記脂質源におけるn6:n3長鎖多価不飽和脂肪酸の比は6:1〜2:1である、請求項2〜9のいずれかに記載の使用。
【請求項11】
肥満患者における栄養不良の予防又は治療のための栄養組成物であって、
0.4〜0.9kcal/mlのエネルギー密度を有し、
少なくとも500μgREのビタミンA、70mgのビタミンC、9.0mgαTEのビタミンE、4.0mgの亜鉛、及び30mgのセレン、並びに前記組成物の総カロリーの少なくとも30%を供給し、その少なくとも30重量%が乳清タンパク質であるタンパク質源を含む栄養組成物。
【請求項12】
肥満患者における栄養不良の予防又は治療のための栄養組成物であって、
0.4〜0.9kcal/mlのエネルギー密度を有し、
総カロリーの少なくとも30%を供給するタンパク質源、炭水化物源及び脂質源を含み、前記タンパク質源の少なくとも30重量%は乳清タンパク質である栄養組成物。
【請求項13】
前記タンパク質源の少なくとも50重量%は乳清タンパク質である、請求項11又は12に記載の組成物。
【請求項14】
乳清タンパク質は、前記タンパク質源の60〜85重量%を構成する、請求項11〜13のいずれかに記載の組成物。
【請求項15】
前記タンパク質源は、前記組成物の総カロリーの40〜50%を供給する、請求項11〜14のいずれかに記載の組成物。
【請求項16】
さらに10〜40g/lの食物繊維を含む、請求項11〜15のいずれかに記載の組成物。
【請求項17】
前記炭水化物源は、前記組成物の総カロリーの25〜45%を供給する、請求項12〜16のいずれかに記載の組成物。
【請求項18】
前記脂質源は、前記組成物の総カロリーの25〜30%を供給する、請求項12〜17のいずれかに記載の組成物。
【請求項19】
前記脂質源におけるn6:n3長鎖多価不飽和脂肪酸の比は6:1〜2:1である、請求項12〜18のいずれかに記載の組成物。
【請求項20】
さらに、1リットル当たり、少なくとも1000μgREのビタミンA、少なくとも125mgのビタミンC、少なくとも15.0mgαTEのビタミンE、少なくとも10.0mgの亜鉛、及び少なくとも100mgのセレンを含む、請求項11〜19のいずれかに記載の組成物。


【公表番号】特表2009−506012(P2009−506012A)
【公表日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−527464(P2008−527464)
【出願日】平成18年8月22日(2006.8.22)
【国際出願番号】PCT/EP2006/065562
【国際公開番号】WO2007/042341
【国際公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】