胴縁施工具及び胴縁施工方法
【課題】 胴縁施工の簡便化が図られた胴縁施工具及び胴縁施工方法を提供する。
【解決手段】 本発明に係る胴縁施工具50は、胴縁70が嵌合される第1の嵌合部52と第2の嵌合部54とが、出隅19Aの角に配された連結部56aによって連結されている。それにより、2つの嵌合部52,54同士が互いに支持し合うため、この胴縁施工具50においては、出隅19Aであっても胴縁70がしっかりと支持される。従って、これらの胴縁70には、被覆材80を高い設置強度で設置することが可能となっている。その上、第1の嵌合部52及び第2の嵌合部54に胴縁70を取り付ける施工は嵌合によっておこなわれるため、ボルト締結や溶接によっておこなう従来の胴縁施工に比べて、簡便に胴縁施工をおこなうことができる。
【解決手段】 本発明に係る胴縁施工具50は、胴縁70が嵌合される第1の嵌合部52と第2の嵌合部54とが、出隅19Aの角に配された連結部56aによって連結されている。それにより、2つの嵌合部52,54同士が互いに支持し合うため、この胴縁施工具50においては、出隅19Aであっても胴縁70がしっかりと支持される。従って、これらの胴縁70には、被覆材80を高い設置強度で設置することが可能となっている。その上、第1の嵌合部52及び第2の嵌合部54に胴縁70を取り付ける施工は嵌合によっておこなわれるため、ボルト締結や溶接によっておこなう従来の胴縁施工に比べて、簡便に胴縁施工をおこなうことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内装材や外装材、断熱材等の設置に利用される胴縁下地の施工に用いられる胴縁施工具及び胴縁施工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、断熱性能の向上や結露の防止に有効な手段として、外断熱が注目を浴びている。この外断熱とは、具体的には、建物躯体の外壁を断熱材で覆い、さらにその外側に空気層を介して外装材を取り付けるものである。このような外装材や断熱材等の被覆材の設置に用いられる取付具は、例えば、下記特許文献1、特許文献2等に開示されている。
【0003】
これらの公報に示された取付具は、躯体壁に強固にボルトを打ち込む必要があるため損壊しやすい出隅付近に設置するのは難しく、また設置スペースの点から入隅付近に設置するのも非常に困難である。従って、このような取付具を用いる場合には、被覆材が固定される胴縁下地は躯体壁から所定距離だけ離れた状態で設置する必要があった。そのため、取付具から離れた位置、すなわち出隅や入隅では、十分な設置強度で被覆材の取り付けをおこなうことが困難であった。
【0004】
そこで、出隅において被覆材の設置強度を補強するために、図14に示すように、角パイプ1とL字アングル材2とによる出隅処理が考えられた。すなわち、躯体壁3の出隅4位置に、角を突き合わせるように角パイプ1を配し、躯体壁3と角パイプ1とをアングル材2によって固定する。そして、被覆材5を、胴縁の代用である角パイプ1に取り付ける。このような施工方法を採用する場合、角パイプ1とアングル材2との固定や、アングル材2と躯体壁3との固定は、ボルト6による締結若しくは溶接によっておこなわれる。
【特許文献1】特開2002−21292号公報
【特許文献2】特開昭54−37311号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した施工方法においては、角パイプを出隅に沿って配置したり、角パイプを躯体壁に固定したりする作業等に手間がかかり、その施工に長い時間を要することとなる。特に、角パイプとアングル材とを溶接で固定する場合には、養生の時間が必要となるため、施工時間はさらに長くなる。
【0006】
そこで、本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、胴縁施工の簡便化が図られた胴縁施工具及び胴縁施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る胴縁施工具は、出隅に配されると共に、胴縁が取り付けられる胴縁施工具であって、出隅の一方の壁面に沿って延在する胴縁が嵌合されると共に、一方の壁面に沿って略水平に配される第1の嵌合部と、出隅の他方の壁面に沿って延在する胴縁が嵌合されると共に、他方の壁面に沿って略水平に配される第2の嵌合部と、出隅の角に配されると共に、第1の嵌合部と第2の嵌合部とを連結する連結部とを備えることを特徴とする。
【0008】
この胴縁施工具は、胴縁が嵌合される第1の嵌合部と第2の嵌合部とが、出隅の角に配される連結部によって連結されている。それにより、2つの嵌合部同士が互いに支持し合うため、この胴縁施工具においては、出隅であっても胴縁がしっかりと支持される。従って、これらの胴縁には、被覆材を高い設置強度で設置することが可能となっている。その上、第1の嵌合部及び第2の嵌合部に胴縁を取り付ける施工は嵌合によっておこなわれるため、ボルト締結や溶接によっておこなう従来の胴縁施工に比べて、簡便に胴縁施工をおこなうことができる。
【0009】
本発明に係る胴縁施工具は、入隅に配されると共に、胴縁が取り付けられる胴縁施工具であって、入隅の一方の壁面に沿って延在する胴縁が嵌合されると共に、一方の壁面に沿って略水平に配される第1の嵌合部と、入隅の他方の壁面に沿って延在する胴縁が嵌合されると共に、他方の壁面に沿って略水平に配される第2の嵌合部と、入隅の角に配されると共に、第1の嵌合部と第2の嵌合部とを連結する連結部とを備えることを特徴とする。
【0010】
この胴縁施工具は、胴縁が嵌合される第1の嵌合部と第2の嵌合部とが、入隅の角に配される連結部によって連結されている。それにより、2つの嵌合部同士が互いに支持し合うため、この胴縁施工具においては、入隅であっても胴縁がしっかりと支持される。従って、これらの胴縁には、被覆材を高い設置強度で設置することが可能となっている。その上、第1の嵌合部及び第2の嵌合部に胴縁を取り付ける施工は嵌合によっておこなわれるため、ボルト締結や溶接によっておこなう従来の胴縁施工に比べて、簡便に胴縁施工をおこなうことができる。
【0011】
また、第1の嵌合部と第2の嵌合部と連結部とは、適宜、一体又は互いに別体にしてもよい。
【0012】
また、第1及び第2の嵌合部の各嵌合部は、壁面に対して略平行に延在する短冊状のプレート部と、このプレート部から壁面から離間する方向に立設された互いに対面する一対の対面壁部と、この一対の対面壁部の対面方向に対峙する対面壁部の頂部に形成された切り欠き対とを有することが好ましい。この場合、例えば、上記切り欠き対に嵌め込み可能な部分を有する胴縁を嵌合部に実際に嵌合によって取り付けることができる。
【0013】
また、嵌合部に取り付けられる胴縁が、嵌合部の対面壁部の対面方向に延在し、対面壁部に形成された切り欠き対に嵌め込まれるフランジ部と被覆材が取り付けられる取付面部とを有することが好ましい。このような胴縁を上記嵌合部に取り付けることにより、嵌合による取り付けが実現される。
【0014】
また、第1及び第2の嵌合部の各嵌合部は、壁面に対して略平行に延在する短冊状のプレート部と、このプレート部に壁面から離間する方向に、互いに対面するように立設され、且つ、互いの対面方向に屈曲した爪部が各頂部に形成された一対の対面壁部とを有することが好ましい。この場合、例えば、上記各爪部が嵌め込まれる切り欠き対が形成された胴縁を嵌合部に実際に嵌合によって取り付けることができる。
【0015】
また、嵌合部に取り付けられる胴縁が、嵌合部の対面壁部の対面方向に延在し、対面壁部に形成された各爪部が嵌め込まれると共に各爪部を係止する返し部を有する一対の切り欠き対が各々に設けられた対面する一対のフランジ部と、一対のフランジ部の間に架け渡された被覆材が取り付けられる取付面部とを有することが好ましい。このような胴縁を上記嵌合部に取り付けることにより、嵌合による取り付けが実現される。
【0016】
本発明に係る胴縁施工方法は、出隅に配されると共に、胴縁が取り付けられる胴縁施工具であって、出隅の一方の壁面に沿って延在する胴縁が嵌合されると共に、一方の壁面に沿って略水平に配される第1の嵌合部と、出隅の他方の壁面に沿って延在する胴縁が嵌合されると共に、他方の壁面に沿って略水平に配される第2の嵌合部と、出隅の角に配されると共に、第1の嵌合部と第2の嵌合部とを連結する連結部とを備える胴縁施工具を用いた胴縁施工方法であって、第1及び第2の嵌合部がそれぞれ出隅の対応する壁面に沿って略水平に延在し、且つ、連結部が出隅の角に位置するように胴縁施工具を設置する工程と、第1及び第2の嵌合部の少なくともいずれか一方に胴縁を嵌合する工程とを有することを特徴とする。
【0017】
この胴縁施工方法においては、胴縁が嵌合される第1の嵌合部と第2の嵌合部とが連結部によって連結された胴縁施工具が用いられる。そして、この胴縁施工具を、第1の嵌合部が出隅の一方の壁面に沿って略水平に延在し、第2の嵌合部が出隅の他方の壁面に沿って略水平に延在し、且つ、連結部が出隅の角に位置するように設置した際、嵌合部同士が互いに支持し合うため、この胴縁施工具に胴縁を取り付けることで、出隅であっても胴縁がしっかりと支持される。従って、これらの胴縁には、被覆材を高い設置強度で設置することが可能となっている。その上、第1の嵌合部及び第2の嵌合部の少なくともいずれか一方に胴縁を取り付ける施工は嵌合によっておこなわれるため、ボルト締結や溶接によっておこなう従来の胴縁施工に比べて、簡便に胴縁施工をおこなうことができる。
【0018】
本発明に係る胴縁施工方法は、入隅に配されると共に、胴縁が取り付けられる胴縁施工具であって、入隅の一方の壁面に沿って延在する胴縁が嵌合されると共に、一方の壁面に沿って略水平に配される第1の嵌合部と、入隅の他方の壁面に沿って延在する胴縁が嵌合されると共に、他方の壁面に沿って略水平に配される第2の嵌合部と、入隅の角に配されると共に、第1の嵌合部と第2の嵌合部とを連結する連結部とを備える胴縁施工具を用いた胴縁施工方法であって、第1及び第2の嵌合部がそれぞれ入隅の対応する壁面に沿って略水平に延在し、且つ、連結部が入隅の角に位置するように胴縁施工具を設置する工程と、第1及び第2の嵌合部の少なくともいずれか一方に胴縁を嵌合する工程とを有することを特徴とする。
【0019】
この胴縁施工方法においては、胴縁が嵌合される第1の嵌合部と第2の嵌合部とが連結部によって連結された胴縁施工具が用いられる。そして、この胴縁施工具を、第1の嵌合部が入隅の一方の壁面に沿って略水平に延在し、第2の嵌合部が入隅の他方の壁面に沿って略水平に延在し、且つ、連結部が入隅の角に位置するように設置した際、嵌合部同士が互いに支持し合うため、この胴縁施工具に胴縁を取り付けることで、入隅であっても胴縁がしっかりと支持される。従って、これらの胴縁には、被覆材を高い設置強度で設置することが可能となっている。その上、第1の嵌合部及び第2の嵌合部の少なくともいずれか一方に胴縁を取り付ける施工は嵌合によっておこなわれるため、ボルト締結や溶接によっておこなう従来の胴縁施工に比べて、簡便に胴縁施工をおこなうことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、胴縁施工の簡便化が図られた胴縁施工具及び胴縁施工方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る胴縁施工具及び胴縁施工方法を実施するにあたり最良と思われる形態について詳細に説明する。なお、同一又は同等の要素については同一の符号を付し、説明が重複する場合にはその説明を省略する。
(第1実施形態)
【0022】
まず、本発明の実施形態に係る胴縁施工具の説明に先立ち、胴縁施工具を建物躯体に取り付けるための取付具について、図1を参照しつつ説明する。
【0023】
図1は、本発明の第1実施形態に係る取付具10を示した概略斜視図である。また、図2は、図1に示した取付具10の平面図である。図1及び図2に示すように、取付具10は、ボルト11と、チャンネル14とを有している。この取付具10は、例えば、鉛直方向に立設された建物躯体のコンクリート外壁17にガラスウール製の断熱材20を固定し、且つ、このコンクリート外壁17に後述する胴縁施工具を取り付ける際に用いられる施工具である。
【0024】
ボルト11は、その全長に亘って雄ネジ部12が形成された一方向に延びる真っ直ぐなボルトである。このボルト11は、その一端11aがコンクリート外壁17に埋め込まれたアンカーナット13に螺合された状態で、コンクリート外壁17に埋め込まれており、その他端11bはコンクリート外壁17から露出して、コンクリート外壁17の壁面18の法線方向に延びている。なお、ボルト11の遊端11bの先端部は、図示は省略しているが斜めに切断して先鋭化させている。断熱材20は、このボルト11が埋め込まれた状態のコンクリート外壁17に、ボルト11の遊端11b側から押しつけられる。そのため、上述したようにボルト11の遊端11bの先端部を先鋭化しておくことで、ボルト11が断熱材20に差し込まれ易くなり、断熱材20のコンクリート外壁17への取り付けの容易化が図られる。以下、説明の便宜上、ボルト11の延在方向(軸線方向)をX軸方向、鉛直方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向に対して直交する方向をZ軸方向として説明する。
【0025】
チャンネル14は、ワッシャ24と、胴縁受金具26とで構成されている。また、ワッシャ24は、内周面にボルト11の雄ネジ部12に対応する雌ネジ部25が形成された円筒状のリベットナット24aと、このリベットナット24aの外周縁に形成された円盤状のハンドル盤部24bとで構成されている。ここで、リベットナット24aは、その内周面の雌ネジ部25がボルト11の雄ネジ部12と螺合されており、リベットナット24aがボルト11に対して相対的に回動することにより、リベットナット24aはボルト11の軸線方向(X軸方向)にスライドする。また、リベットナット24aは、ボルト11の軸線方向に延在するハンドル盤部24bと、プレスによりカシメ固定されており、ハンドル盤部24bがボルト11の軸線回りに回動するとリベットナット24aも一体的に回動する。
【0026】
胴縁受金具26は、リベットナット24aの外径より若干大きい径の貫通孔26aを有している。そして、この貫通孔26aに上述したリベットナット24aを差し込み、リベットナット24aの外周が膨出するようにカシメ加工して、互いに回動自在な状態でワッシャ24と胴縁受金具26とが結合されている。すなわち、ワッシャ24と胴縁受金具26とは、互いに独立にボルト11の軸線回りに回動することができる。
【0027】
胴縁受金具26は、貫通孔26aが形成されている短冊状のプレート部28と、このプレート部28から立設された一対の対面する壁部(対面壁部)30A,30Bとで構成されている。一対の壁部30A,30Bは、X軸方向に沿ってコンクリート外壁17から離間する方向に延びている。なお、プレート部28は、Z軸方向に延びる、上述したワッシャ24のハンドル盤部24bよりも幅の狭い矩形平板状であり、一対の壁部30A,30Bはプレート部28の対向する長辺全体に亘って立設されている。そして、一対の壁部30A,30Bの頂部には、複数のU字状の切り欠き対32A,32Bが形成されている。複数の切り欠き対32A,32Bは、それぞれY軸方向に対峙しており、壁部30A,30BにピッチD1で等間隔に配置されている。なお、切り欠き対32A,32Bのそれぞれの切り欠きには、段部(返し部)33が形成されている。また、隣り合う切り欠き32A,32Bのそれぞれの間には、後述する連接バー40A,40Bを固定するためのビス穴34が形成されている。
【0028】
チャンネル14は、ボルト11が貫通した断熱材20を、そのプレート部28において建物躯体のコンクリート外壁17に押さえとどめる。すなわち、断熱材20はボルト11とチャンネル14のプレート部28との協働によって、建物躯体のコンクリート外壁17面に固定される。チャンネル14のワッシャ24を回動させることにより、チャンネル14をボルト11の軸線方向にスライドさせて、チャンネル14のコンクリート外壁17に対するのレベル調整(すなわち、X軸方向に関する位置調整)をおこなうことができる。
【0029】
ここで、取付具10に採用されているチャンネル14のワッシャ24と胴縁受金具26とはボルト11の軸線回りに独立に回動可能であり、上記レベル調整の際に胴縁受金具26を回転させる必要がないため、簡単にレベル調整をおこなうことができる。また、胴縁受金具26よりも幅広のハンドル盤部24bを把持して回転させることで、チャンネル14のワッシャ24だけを簡単に回転させることができるため、ハンドル盤部24bの採用によりチャンネル14のレベル調整がより簡単になる。
【0030】
以上のような取付具10をコンクリート外壁17に取り付けた上で、本実施形態に係る胴縁施工具50が設置される。以下、図3及び図4を参照しつつ、胴縁施工具50について説明する。
【0031】
図3に示すように、胴縁施工具50は、コンクリート外壁17の出隅19Aに胴縁を施工するための金具であり、コンクリート外壁17の出隅部分19Aの直交する壁面18A,18Bの両方に同じ高さ位置で取り付けられた2つの取付具10に、一対の連接バー40A,40Bを介して支持されている。この胴縁施工具50は、第1の嵌合部52と第2の嵌合部54と連結部56aとを備え、これら第1の嵌合部52、第2の嵌合部54及び連結部56aが一体的に形成されている。なお、以下、説明の便宜上、出隅部分19Aにおいて直交する壁面18のうち、一方の壁面を壁面18Aとし、他方の壁面を壁面18Bとする。
【0032】
第1の嵌合部52及び第2の嵌合部54は、上述した胴縁受金具26と同じ加工材から作製されたものであり、そのため胴縁受金具26と略同様の構成を有している。すなわち、第1の嵌合部52及び第2の嵌合部54は、短冊状のプレート部58と、このプレート部58から立設された一対の対面する壁部(対面壁部)60A,60Bとで構成されている。この一対の壁部60A,60Bは、プレート部58の対向する長辺全体に亘って立設されており、第1の嵌合部52の壁部60A,60Bは、壁面18Aから離間する方向に延び、第2の嵌合部54の壁部60A,60Bは、壁面18Bから離間する方向に延びている。そして、一対の壁部60A,60Bの頂部には、複数のU字状の切り欠き対62A,62Bが形成されている。複数の切り欠き対62A,62Bは、それぞれ壁部60A,60Bの対面方向に対峙しており、壁部60A,60BにピッチD1で等間隔に配置されている。なお、切り欠き対62A,62Bのそれぞれの切り欠きには、段部(返し部)63が形成されている。また、隣り合う切り欠き62A,62Bのそれぞれの間にはビス穴64が形成されている。
【0033】
そして、第1の嵌合部52と第2の嵌合部54とは、第1の嵌合部52のプレート部58と第2の嵌合部54のプレート部58との間の屈曲部分である連結部56aを介してつながっている。なお、第1の嵌合部52のプレート部58と、第2の嵌合部54のプレート部58とのなす角は、出隅19Aの角度と同様に90度となっている。そのため、胴縁施工具50は、第1の嵌合部52を壁面18Aに沿って水平に延在させ、且つ、第2の嵌合部54を壁面18Bに沿って水平に延在させた状態にすることができる。
【0034】
連接バー40A及び連接バー40Bは、断面がコの字状の長尺材であり、短冊状プレート部42と、このプレート部42の対向する長辺全体に亘って立設された一対の対面壁部44A,44Bとを有している。そして、この対面壁部44A,44Bには、連接バー40A,40Bが、取付具10の胴縁受金具26及び胴縁施工具50と連接するためのビス穴46が形成されている。このような連接バー40A,40Bは、対面壁部44A,44B側を胴縁施工具50に対向させた状態で、胴縁施工具50の対面壁部60A,60B間に嵌め込み、対面壁部60A,60Bのビス穴64と対面壁部44A,44Bのビス穴46とをビス48で固定することにより、胴縁施工具50の延在方向に平行に連接される。同様に、連接バー40A,40Bは、対面壁部44A,44B側を取付具10の胴縁受金具26に対向させた状態で、胴縁受金具26の対面壁部30A,30B間に嵌め込み、対面壁部30A,30Bのビス穴34と対面壁部44A,44Bのビス穴46とをビス48で固定することにより、取付具10の胴縁受金具26の延在方向に平行に連接される。
【0035】
すなわち、同じ高さ位置に設置された壁面18Aの取付具10と壁面18Bの取付具10との両方において胴縁受金具26を水平方向に延在させた上で、連接バー40A,40Bを用いて取付具10の胴縁受金具26と胴縁施工具50とを連接することで、胴縁施工具50を水平に保持することができる。
【0036】
次に、この胴縁施工具50に取り付けられる胴縁について説明する。
【0037】
胴縁70は、鉛直方向に延在する長尺の縦胴縁である。この胴縁70は、その上端において、チェーン等で建物躯体又はそのコンクリート外壁17に釣止されている。また、胴縁70は、1枚の金属板を折り曲げ成形して作製されたものであり、外装材80が取り付けられる面を有する取付面部72と、この取付面部72から立設された一対の対面するフランジ部74A,74Bとで構成されている。そして、取付面部72には、ビス82によって外装材80が取り付けられている。一対のフランジ部74A,74Bは、コンクリート外壁17の壁面18に接近する方向に取付面部72から略直角に折り曲げられている。このフランジ部74A,74Bの互いの離間距離はD2となっており、このD2はD1の2倍の長さである(図3参照)。また、フランジ部74A,74Bのそれぞれの端部は内側に折り込まれて爪部76A,76Bが形成されている。
【0038】
次に、以上で説明した胴縁施工具50を用いて、外装材80を出隅19Aに施工する方法について説明する。
【0039】
まず、コンクリート外壁17との間に断熱材20を介在させた状態で、同じ高さ位置である一対の取付具10を、出隅19Aの各壁面18A,18Bに取り付ける。また、胴縁施工具50を、連結部56aが出隅19Aの角に位置し、且つ第1及び第2の嵌合部52,54がそれぞれ出隅19Aの壁面18A,18Bに沿って水平に延在するように保持する。そして、取付具10の胴縁受金具26を水平に保持して、連接バー40A,40Bを用いて、一対の取付具10と胴縁施工具50とを連接する。それにより、胴縁施工具50は、一対の取付具10によって、水平に支持された状態で出隅19A部分に設置固定される。
【0040】
このように胴縁施工具50を水平に延在させた状態で、鉛直方向に延びる胴縁70を、胴縁施工具50の第1の嵌合部52と第2の嵌合部54とにそれぞれ取り付ける。より具体的に説明すると、胴縁施工具50のプレート部58の面のうち対面壁部60A,60Bが延びる面側と、胴縁70の取付面部72の面のうちフランジ部74A,74Bが延びる面側とを対面させた状態で、胴縁70を嵌合部52,54に押しあてる。ここで、胴縁施工具50のプレート部58は水平方向に延在し、胴縁70の取付面部72は鉛直方向に延在しているため、胴縁施工具50の対面壁部60A,60Bと胴縁70のフランジ部74A,74Bとが接触する。このとき、対面壁部60A,60Bに形成されている切り欠き対62A,62Bの位置と、胴縁70のフランジ部74A,74Bの位置とを合わせることにより、胴縁70のフランジ部74A,74Bが弾性変形して対面壁部60A,60Bの切り欠き対62A,62Bに嵌り込み、胴縁70が胴縁施工具50に嵌合される。なお、胴縁70のフランジ部74A,74Bの離間距離D2は、対面壁部60A,60Bの切り欠き対62A,62BのピッチD1の2倍であるため、1対の切り欠き対62A,62Bを挟んで、一対のフランジ部74A,74Bが2対の切り欠き対62A,62Bに嵌り込む(図3参照)。
【0041】
また、胴縁施工具50へ胴縁70を取り付けるのと同じ要領で、各取付具10の胴縁受金具26にも鉛直方向に延びる胴縁70を取り付ける。そして、最後に、4本の胴縁70の施工が終わった後、外装材80を各胴縁70の取付面部72にビス82で固定して、出隅19Aへの外装材80の施工が完了する。
【0042】
以上で詳細に説明したように、胴縁施工具50は、コンクリート外壁17の一方の壁面18Aに沿う第1の嵌合部52と、コンクリート外壁17の他方の壁面18Bに沿う第2の嵌合部54と、第1の嵌合部52と第2の嵌合部54とを連結する連結部56aとで構成されており、連結部56aによって連結された2つの嵌合部52,54は、出隅19Aにおいて互いに支持し合う。そのため、コンクリート外壁17の出隅19A部分であっても、嵌合部52,54によって胴縁70がしっかりと支持される。従って、これらの胴縁70には、外装材(被覆材)80を高い設置強度で設置することが可能である。
【0043】
また、取付具10をコンクリート外壁17に設置さえしていれば、胴縁施工具50はビス留めだけで容易に出隅19Aに設置でき、加えて、第1の嵌合部52及び第2の嵌合部54への胴縁70の取り付けも、嵌合によって簡単におこなえるため、ボルト締結や溶接によっておこなう図14に示した従来の胴縁施工に比べて、簡便に胴縁施工をおこなうことができる。
【0044】
また、切り欠き対62A,62Bには返し部63が形成されており、且つフランジ部74A,74Bには爪部76A,76Bが形成されているので、フランジ部74A,74Bが弾性変形して爪部76A,76Bが返し部63に係止される。そのため、胴縁70に、胴縁施工具50から離す方向の外力が負荷された場合であっても、胴縁70が胴縁施工具50から外れにくくなっている。そのため、胴縁施工具50から胴縁70が脱落する事態が有意に回避されている。
【0045】
さらに、上述した態様で胴縁70を胴縁施工具50に嵌合によって取り付けた場合には、胴縁70は胴縁施工具50との結合後であっても、その延在方向(鉛直方向)に摺動可能な状態となっている。そのため、胴縁70が延在する鉛直方向の振動に対しては、胴縁施工具50の切り欠き対62A,62Bの部分を胴縁70のフランジ部74A,74Bが摺動してその振動を吸収することができる。すなわち、胴縁70を胴縁施工具50を用いて施工することで、胴縁70の延在方向における振動を吸収することができるため、その延在方向の振動に関して、建物躯体から外装材80への振動伝達が抑制されて、高い耐震性が実現される。
(第2実施形態)
【0046】
次に、本発明の第2実施形態に係る胴縁施工具50Aについて、図5を参照しつつ説明する。
【0047】
第2実施形態に係る胴縁施工具50Aは、それぞれが別体である第1の嵌合部52Aと第2の嵌合部54Aと連結金具(連結部)56Aとで構成されている。そして、第1の嵌合部52A及び第2の嵌合部54Aは、図4に示した第1実施形態に係る胴縁施工具50の第1の嵌合部52及び第2の嵌合部54と同様の部材であり、連結部56aで互いに連結されていない点でのみ異なる。連結金具56Aは、別体である第1の嵌合部52Aと第2の嵌合部54Aとを連結する金具であり、直角に屈曲した屈曲部56aを有する帯状部材である。
【0048】
胴縁70をこの胴縁施工具50Aを用いて施工する際には、連結金具56Aの屈曲部56aを基準とした一方の側56bに第1の嵌合部52Aをビス84で固定し、他方の側56cに第2の嵌合部54Aを同じくビス84で固定する。次に、連結金具56Aの屈曲部56aが出隅19Aの角に位置し、且つ第1及び第2の嵌合部52A,54Aがそれぞれ出隅19Aの壁面18A,18Bに沿って水平に延在するように保持する。そして、第1実施形態と同様の一対の取付具10を用いてこの胴縁施工具50Aを支持し、胴縁施工具50Aの第1の嵌合部52A及び第2の嵌合部54Aに胴縁70を嵌合させる。
【0049】
以上で説明した胴縁施工具50Aにおいては、連結金具56Aによって連結された2つの嵌合部52A,54Aは、第1実施形態に係る胴縁施工具50同様、出隅19Aにおいて互いに支持し合う。そのため、コンクリート外壁17の出隅19A部分であっても、嵌合部52A,54Aによって胴縁70がしっかりと支持される。従って、これらの胴縁70には、外装材80を高い設置強度で設置することが可能である。また、取付具10をコンクリート外壁17に設置さえしていれば、胴縁施工具50Aはビス留めだけで容易に出隅19Aに設置でき、加えて、第1の嵌合部52A及び第2の嵌合部54Aへの胴縁70の取り付けも、嵌合によって簡単におこなえるため、ボルト締結や溶接によっておこなう図14に示した従来の胴縁施工に比べて、簡便に胴縁施工をおこなうことができる。
(第3実施形態)
【0050】
次に、本発明の第3実施形態に係る胴縁施工具50Bについて、図6を参照しつつ説明する。
【0051】
第3実施形態に係る胴縁施工具50Bは、第1の嵌合部52Bと第2の嵌合部54Bと連結部56aとを備え、これら第1の嵌合部52B、第2の嵌合部54B及び連結部56aが一体的に形成されている。ここで、第1の嵌合部52B及び第2の嵌合部54Bは、上述した胴縁70と同じ加工材から作製されたものであり、そのため胴縁70と略同様の構成を有している。すなわち、第1の嵌合部52B及び第2の嵌合部54Bは、短冊状のプレート部72と、このプレート部72から立設された一対の対面するフランジ部74A,74Bとで構成されている。また、フランジ部74A,74Bのそれぞれの端部は内側に折り込まれて爪部76A,76Bが形成されている。
【0052】
そして、第1の嵌合部52Bと第2の嵌合部54Bとは、第1の嵌合部52Bのプレート部72と第2の嵌合部54Bのプレート部72との間の屈曲部分である連結部56aを介してつながっている。なお、第1の嵌合部52Bのプレート部72と、第2の嵌合部54Bのプレート部72とのなす角は、胴縁施工具50同様、90度となっている。そのため、胴縁施工具50Bも、第1の嵌合部52Bを壁面18Aに沿って水平に延在させ、且つ、第2の嵌合部54Bを壁面18Bに沿って水平に延在させた状態にすることができる。
【0053】
この胴縁施工具50Bには、胴縁71が取り付けられる。この胴縁71は、上述した胴縁70同様、鉛直方向に延在する長尺の縦胴縁であり、その上端において、建物躯体又はそのコンクリート外壁17に釣止される。また、胴縁71は、上述した胴縁受金具26や第1実施形態に係る第1及び第2の嵌合部52,54と同じ加工材から作製されたものであり、そのためこれらの部材26,52,54と略同様の構成を有している。すなわち、胴縁71は、短冊状のプレート部58と、このプレート部58から立設された一対の対面する壁部(対面壁部)60A,60Bとで構成されている。この一対の壁部60A,60Bは、プレート部58の対向する長辺全体に亘って直角に立設されている。そして、一対の壁部60A,60Bの頂部には、複数のU字状の切り欠き対62A,62Bが形成されている。複数の切り欠き対62A,62Bは、それぞれ壁部60A,60Bの対面方向に対峙しており、壁部60A,60BにピッチD1で等間隔に配置されている。なお、切り欠き対62A,62Bのそれぞれの切り欠きには、返し部63が形成されている。また、隣り合う切り欠き62A,62Bのそれぞれの間にはビス穴64が形成されている。
【0054】
胴縁71を胴縁施工具50Bを用いて施工する際には、第1実施形態に係る胴縁施工具50同様、取付具10と同様又は同等の取付具を用いて、胴縁施工具50Bを、連結部56aが出隅19Aの角に位置し、且つ第1及び第2の嵌合部52B,54Bがそれぞれ出隅19Aの壁面18A,18Bに沿って水平に延在するように支持する。それにより、胴縁施工具50Bは、出隅19A部分に水平に支持された状態で設置固定される。なお、胴縁施工具50Bと取付具10との接合に、上述した連接バー40A,40Bと同様又は同等の連接部材を適宜利用してもよい。
【0055】
このように胴縁施工具50Bを水平に延在させた状態で、鉛直方向に延びる胴縁71を、胴縁施工具50Bの第1の嵌合部52Bと第2の嵌合部54Bとにそれぞれ取り付ける。より具体的に説明すると、胴縁施工具50Bのプレート部72の面のうちフランジ部74A,74Bが延びる面側と、胴縁71のプレート部58の面のうち対面壁部60A,60Bが延びる面側とを対面させた状態で、胴縁71を嵌合部52B,54Bに押しあてる。ここで、胴縁施工具50Bのプレート部72は水平方向に延在し、胴縁71のプレート部58は鉛直方向に延在しているため、胴縁施工具50Bのフランジ部74A,74Bと胴縁71の対面壁部60A,60Bとが接触する。このとき、胴縁71の対面壁部60A,60Bに形成されている切り欠き対62A,62Bの位置と、胴縁施工具50Bのフランジ部74A,74Bの位置とを合わせることにより、胴縁施工具50Bのフランジ部74A,74Bが弾性変形して対面壁部60A,60Bの切り欠き対62A,62Bに嵌り込み、胴縁71が胴縁施工具50Bに嵌合される。
【0056】
なお、胴縁施工具50Bと胴縁71との結合の際、嵌合部52B,54Bのプレート部72が撓むことにより、爪部76A,76Bの間隔が広がる。そして、爪部76A,76Bは、返し部63において係止される。このような返し部63の採用により、胴縁施工具50Bから胴縁71が離れる方向の外力が胴縁施工具50B及び胴縁71に負荷された場合でも胴縁71が胴縁施工具50Bから外れにくくなっており、胴縁施工具50Bから胴縁71が脱落する事態が有意に回避される。
【0057】
以上で説明した胴縁施工具50Bにおいては、第1実施形態に係る胴縁施工具50と同様に、連結部56aによって連結された2つの嵌合部52B,54Bは、出隅19Aにおいて互いに支持し合うため、コンクリート外壁17の出隅19A部分であっても、嵌合部52B,54Bによって胴縁71がしっかりと支持される。従って、これらの胴縁71には、外装材80を高い設置強度で設置することが可能である。また、取付具10をコンクリート外壁17に設置さえしていれば、胴縁施工具50Bはビス留めだけで容易に出隅19Aに設置でき、加えて、第1の嵌合部52B及び第2の嵌合部54Bへの胴縁71の取り付けも、嵌合によって簡単におこなえるため、ボルト締結や溶接によっておこなう図14に示した従来の胴縁施工に比べて、簡便に胴縁施工をおこなうことができる。
(第4実施形態)
【0058】
次に、本発明の第4実施形態に係る胴縁施工具50Cについて、図7を参照しつつ説明する。
【0059】
第4実施形態に係る胴縁施工具50Cは、それぞれが別体である第1の嵌合部52Cと第2の嵌合部54Cと連結金具(連結部)56Aとで構成されている。そして、第1の嵌合部52C及び第2の嵌合部54Cは、図6に示した第3実施形態に係る胴縁施工具50Bの第1の嵌合部52B及び第2の嵌合部54Bと同様の部材であり、連結部56aで互いに連結されていない点でのみ異なる。連結金具56Aは、別体である第1の嵌合部52Cと第2の嵌合部54Cとを連結する金具であり、直角に屈曲した屈曲部56aを有する帯状部材である。
【0060】
胴縁71をこの胴縁施工具50Cを用いて施工する際には、連結金具56Aの屈曲部56aを基準とした一方の側56bに第1の嵌合部52Cをビス84で固定し、他方の側56cに第2の嵌合部54Cを同じくビス84で固定する。次に、連結金具56Aの屈曲部56aが出隅19Aの角に位置し、且つ第1及び第2の嵌合部52C,54Cがそれぞれ出隅19Aの壁面18A,18Bに沿って水平に延在するように保持する。そして、第1実施形態と同様又は同等の一対の取付具10を用いてこの胴縁施工具50Cを支持し、胴縁施工具50Cの第1の嵌合部52C及び第2の嵌合部54Cに胴縁71を嵌合させる。
【0061】
以上で説明した胴縁施工具50Cにおいては、第3実施形態に係る胴縁施工具50B同様、連結金具56Aによって連結された2つの嵌合部52C,54Cは、出隅19Aにおいて互いに支持し合う。そのため、コンクリート外壁17の出隅19A部分であっても、嵌合部52C,54Cによって胴縁71がしっかりと支持される。従って、これらの胴縁71には、外装材80を高い設置強度で設置することが可能である。また、取付具10をコンクリート外壁17に設置さえしていれば、胴縁施工具50Cはビス留めだけで容易に出隅19Aに設置でき、加えて、第1の嵌合部52C及び第2の嵌合部54Cへの胴縁71の取り付けも、嵌合によって簡単におこなえるため、ボルト締結や溶接によっておこなう図14に示した従来の胴縁施工に比べて、簡便に胴縁施工をおこなうことができる。
(第5実施形態)
【0062】
次に、本発明の第5実施形態に係る胴縁施工具150について、図8及び図9を参照しつつ説明する。
【0063】
胴縁施工具150は、コンクリート外壁17の入隅19Bに胴縁を施工するための金具であり、コンクリート外壁17の入隅部分19Bの直交する壁面18C,18Dの両方に同じ高さ位置で取り付けられた2つの取付具10に、一対の連接バー40A,40Bを介して支持されている。この胴縁施工具150は、第1の嵌合部152と第2の嵌合部154と連結部156とを備え、これら第1の嵌合部152、第2の嵌合部154及び連結部156が一体的に形成されている。なお、以下、説明の便宜上、入隅部分19Bにおいて直交する壁面18のうち、一方の壁面を壁面18Cとし、他方の壁面を壁面18Dとする。
【0064】
第1の嵌合部152及び第2の嵌合部154は、第1の実施形態に係る胴縁施工具50の第1の嵌合部52及び第2の嵌合部54と同様に、上述した胴縁受金具26と同じ加工材から作製されたものであり、そのため胴縁受金具26と略同様の構成を有している。すなわち、第1の嵌合部152及び第2の嵌合部154は、短冊状のプレート部158と、このプレート部158から立設された一対の対面する壁部(対面壁部)160A,160Bとで構成されている。この一対の壁部160A,160Bは、プレート部158の対向する長辺全体に亘って立設されており、第1の嵌合部152の壁部160A,160Bは、壁面18Cから離間する方向に延び、第2の嵌合部154の壁部160A,160Bは、壁面18Dから離間する方向に延びている。そして、一対の壁部160A,160Bの頂部には、複数のU字状の切り欠き対162A,162Bが形成されている。複数の切り欠き対162A,162Bは、それぞれ壁部160A,160Bの対面方向に対峙しており、壁部160A,160BにピッチD1で等間隔に配置されている。なお、切り欠き対162A,162Bのそれぞれの切り欠きには、段部(返し部)163が形成されている。また、隣り合う切り欠き162A,162Bのそれぞれの間にはビス穴164が形成されている。
【0065】
そして、第1の嵌合部152と第2の嵌合部154とは、第1及び第2の嵌合部152,154それぞれのプレート部158の一端部から延びると共に、入隅19Bの壁面18C,18Dに沿うように直角に屈曲した屈曲部156aを有する帯状の連結部156を介してつながっている。そのため、第1の嵌合部152のプレート部158と、第2の嵌合部154のプレート部158とのなす角は、入隅19Bの角度と同様に90度となっており、そのため、胴縁施工具150は、第1の嵌合部152を壁面18Cに沿って水平に延在させ、且つ、第2の嵌合部154を壁面18Dに沿って水平に延在させた状態にすることができる。
【0066】
次に、胴縁施工具150を用いて、外装材80を入隅19Bに施工する方法について説明する。
【0067】
まず、第1実施形態と同様の手順で、一対の取付具10を、入隅19Bの各壁面18C,18Dに取り付ける。また、胴縁施工具150を、連結部156が入隅19Bの角に位置し、且つ第1及び第2の嵌合部152,154がそれぞれ入隅19Bの壁面18C,18Dに沿って水平に延在するように保持する。そして、取付具10の胴縁受金具26を水平に保持して、連接バー40A,40Bを用いて、一対の取付具10と胴縁施工具150とを連接する。それにより、胴縁施工具150は、一対の取付具10によって、水平に支持された状態で入隅19B部分に設置固定される。
【0068】
このように胴縁施工具150を水平に延在させた状態で、鉛直方向に延びる胴縁70を、第1実施形態同様、胴縁施工具150の第1の嵌合部152と第2の嵌合部154とにそれぞれ取り付ける。また、胴縁施工具150へ胴縁70を取り付けるのと同じ要領で、各取付具10の胴縁受金具26にも鉛直方向に延びる胴縁70を取り付ける。そして、最後に、4本の胴縁70の施工が終わった後、外装材80を各胴縁70の取付面部72にビス82で固定して、入隅19Bへの外装材80の施工が完了する。
【0069】
以上で説明したように、胴縁施工具150は、コンクリート外壁17の一方の壁面18Cに沿う第1の嵌合部152と、コンクリート外壁17の他方の壁面18Dに沿う第2の嵌合部154と、第1の嵌合部152と第2の嵌合部154とを連結する連結部156とで構成されており、連結部156によって連結された2つの嵌合部152,154は、入隅19Bにおいて互いに支持し合う。そのため、コンクリート外壁17の入隅19B部分であっても、嵌合部152,154によって胴縁70がしっかりと支持される。従って、これらの胴縁70には、外装材(被覆材)80を高い設置強度で設置することが可能である。また、取付具10をコンクリート外壁17に設置さえしていれば、胴縁施工具150はビス留めだけで容易に入隅19Bに設置でき、加えて、第1の嵌合部152及び第2の嵌合部154への胴縁70の取り付けも、嵌合によって簡単におこなえるため、ボルト締結や溶接によっておこなう従来の胴縁施工に比べて、簡便に胴縁施工をおこなうことができる。
【0070】
また、嵌合部152,154の切り欠き対162A,162Bには返し部163が形成されているため、第1実施形態同様、胴縁施工具150から胴縁70が脱落する事態が有意に回避されている。さらに、上述した態様で胴縁70を胴縁施工具150に嵌合によって取り付けることで、やはり第1実施形態と同様、胴縁70の延在方向の振動に関して、建物躯体から外装材80への振動伝達が抑制されて、高い耐震性が実現されている。
(第6実施形態)
【0071】
次に、本発明の第6実施形態に係る胴縁施工具150Aについて、図10を参照しつつ説明する。
【0072】
第6実施形態に係る胴縁施工具150Aは、それぞれが別体である第1の嵌合部152Aと第2の嵌合部154Aと連結金具(連結部)156Aとで構成されている。そして、第1の嵌合部152A及び第2の嵌合部154Aは、図9に示した第5実施形態に係る胴縁施工具150の第1の嵌合部152及び第2の嵌合部154と同様の部材であり、連結部156で互いに連結されていない点でのみ異なる。連結金具156Aは、別体である第1の嵌合部152Aと第2の嵌合部154Aとを連結する金具であり、直角に屈曲した屈曲部156aを有する帯状部材である。
【0073】
胴縁70をこの胴縁施工具150Aを用いて施工する際には、連結金具156Aの屈曲部156aを基準とした一方の側156bに第1の嵌合部152Aをビス84で固定し、他方の側156cに第2の嵌合部154Aを同じくビス84で固定する。次に、連結金具156Aの屈曲部156aが入隅19Bの角に位置し、且つ第1及び第2の嵌合部152A,154Aがそれぞれ入隅19Bの壁面18C,18Dに沿って水平に延在するように保持する。そして、一対の取付具10を用いてこの胴縁施工具150Aを支持し、胴縁施工具150Aの第1の嵌合部152A及び第2の嵌合部154Aに胴縁70を嵌合させる。
【0074】
以上で説明した胴縁施工具150Aにおいては、連結金具156Aによって連結された2つの嵌合部152A,154Aは、第5実施形態に係る胴縁施工具150同様、入隅19Bにおいて互いに支持し合う。そのため、コンクリート外壁17の入隅19B部分であっても、嵌合部152A,154Aによって胴縁70がしっかりと支持される。従って、これらの胴縁70には、外装材80を高い設置強度で設置することが可能である。また、取付具10をコンクリート外壁17に設置さえしていれば、胴縁施工具150Aはビス留めだけで容易に入隅19Bに設置でき、加えて、第1の嵌合部152A及び第2の嵌合部154Aへの胴縁70の取り付けも、嵌合によって簡単におこなえるため、ボルト締結や溶接によっておこなう従来の胴縁施工に比べて、簡便に胴縁施工をおこなうことができる。
(第7実施形態)
【0075】
次に、本発明の第7実施形態に係る胴縁施工具150Bについて、図11を参照しつつ説明する。
【0076】
第7実施形態に係る胴縁施工具150Bは、第1の嵌合部152Bと第2の嵌合部154Bと連結部156を備え、これら第1の嵌合部152B、第2の嵌合部154B及び連結部156が一体的に形成されている。ここで、第1の嵌合部152B及び第2の嵌合部154Bは、上述した胴縁70と同じ加工材から作製されたものであり、そのため胴縁70と略同様の構成を有している。すなわち、第1の嵌合部152B及び第2の嵌合部154Bは、短冊状のプレート部172と、このプレート部172から立設された一対の対面するフランジ部174A,174Bとで構成されている。また、フランジ部174A,174Bのそれぞれの端部は内側に折り込まれて爪部176A,176Bが形成されている。
【0077】
そして、第1の嵌合部152Bと第2の嵌合部154Bとは、第1及び第2の嵌合部152B,154Bそれぞれのプレート部172の一端部から延びると共に、入隅19Bの壁面18C,18Dに沿うように直角に屈曲した屈曲部156aを有する帯状の連結部156を介してつながっている。そのため、第1の嵌合部152Bのプレート部172と、第2の嵌合部154Bのプレート部172とのなす角は、入隅19Bの角度と同様に90度となっており、そのため、胴縁施工具150Bは、第1の嵌合部152Bを壁面18Cに沿って水平に延在させ、且つ、第2の嵌合部154Bを壁面18Dに沿って水平に延在させた状態にすることができる。
【0078】
この胴縁施工具150Bには、第3実施形態で説明した胴縁71が取り付けられる。この胴縁71を胴縁施工具150Bを用いて施工する際には、第5実施形態に係る胴縁施工具150同様、取付具10と同様又は同等の取付具を用いて、胴縁施工具150Bを、連結部156が入隅19Bの角に位置し、且つ第1及び第2の嵌合部152B,154Bがそれぞれ入隅19Bの壁面18C,18Dに沿って水平に延在するように支持する。それにより、胴縁施工具150Bは、入隅19B部分に水平に支持された状態で設置固定される。なお、胴縁施工具150Bと取付具10との接合に、上述した連接バー40A,40Bと同様又は同等の連接部材を適宜利用してもよい。
【0079】
このように胴縁施工具150Bを水平に延在させた状態で、鉛直方向に延びる胴縁71を、第3実施形態と同様にして、胴縁施工具150Bの第1の嵌合部152Bと第2の嵌合部154Bとにそれぞれ取り付ける。このとき、胴縁施工具150Bのフランジ部174A,174Bは弾性変形して胴縁71の対面壁部60A,60Bの切り欠き対62A,62Bに嵌り込み、胴縁71が胴縁施工具150Bに嵌合される。
【0080】
なお、胴縁施工具150Bと胴縁71との結合の際、嵌合部152B,154Bのプレート部172が撓むことにより、爪部176A,176Bの間隔が広がる。そして、爪部176A,176Bは、返し部163において係止される。このような返し部163の採用により、胴縁施工具150Bから胴縁71が離れる方向の外力が胴縁施工具150B及び胴縁71に負荷された場合でも胴縁71が胴縁施工具150Bから外れにくくなっており、胴縁施工具150Bから胴縁71が脱落する事態が有意に回避される。
【0081】
以上で説明した胴縁施工具150Bにおいては、第5実施形態に係る胴縁施工具150と同様に、連結部156によって連結された2つの嵌合部152B,154Bは、入隅19Bにおいて互いに支持し合うため、コンクリート外壁17の入隅19B部分であっても、嵌合部152B,154Bによって胴縁71がしっかりと支持される。従って、これらの胴縁71には、外装材80を高い設置強度で設置することが可能である。また、取付具10をコンクリート外壁17に設置さえしていれば、胴縁施工具150Bはビス留めだけで容易に入隅19Bに設置でき、加えて、第1の嵌合部152B及び第2の嵌合部154Bへの胴縁71の取り付けも、嵌合によって簡単におこなえるため、ボルト締結や溶接によっておこなう従来の胴縁施工に比べて、簡便に胴縁施工をおこなうことができる。
(第8実施形態)
【0082】
次に、本発明の第8実施形態に係る胴縁施工具150Cについて、図12を参照しつつ説明する。
【0083】
第8実施形態に係る胴縁施工具150Cは、それぞれが別体である第1の嵌合部152Cと第2の嵌合部154Cと連結金具(連結部)156Aとで構成されている。そして、第1の嵌合部152C及び第2の嵌合部154Cは、図11に示した第7実施形態に係る胴縁施工具150Bの第1の嵌合部152B及び第2の嵌合部154Bと同様の部材であり、連結部156で互いに連結されていない点でのみ異なる。連結金具156Aは、別体である第1の嵌合部152Cと第2の嵌合部154Cとを連結する金具であり、直角に屈曲した屈曲部156aを有する帯状部材である。
【0084】
胴縁71をこの胴縁施工具150Cを用いて施工する際には、連結金具156Aの屈曲部156aを基準とした一方の側156bに第1の嵌合部152Cをビス84で固定し、他方の側156cに第2の嵌合部154Cを同じくビス84で固定する。次に、連結金具156Aの屈曲部156aが入隅19Bの角に位置し、且つ第1及び第2の嵌合部152C,154Cがそれぞれ入隅19Bの壁面18C,18Dに沿って水平に延在するように保持する。そして、第5実施形態と同様又は同等の一対の取付具10を用いてこの胴縁施工具150Cを支持し、胴縁施工具150Cの第1の嵌合部152C及び第2の嵌合部154Cに胴縁71を嵌合させる。
【0085】
以上で説明した胴縁施工具150Cにおいては、第7実施形態に係る胴縁施工具150B同様、連結金具156Aによって連結された2つの嵌合部152C,154Cは、入隅19Bにおいて互いに支持し合う。そのため、コンクリート外壁17の入隅19B部分であっても、嵌合部152C,154Cによって胴縁71がしっかりと支持される。従って、これらの胴縁71には、外装材80を高い設置強度で設置することが可能である。また、取付具10をコンクリート外壁17に設置さえしていれば、胴縁施工具150Cはビス留めだけで容易に入隅19Bに設置でき、加えて、第1の嵌合部152C及び第2の嵌合部154Cへの胴縁71の取り付けも、嵌合によって簡単におこなえるため、ボルト締結や溶接によっておこなう従来の胴縁施工に比べて、簡便に胴縁施工をおこなうことができる。
【0086】
(第9実施形態)
上述した各実施形態においては、図13に示すように、適宜、胴縁施工具の第1及び第2の嵌合部と直交する胴縁(すなわち、縦胴縁)から、第1及び第2の嵌合部と平行に延在する胴縁(すなわち、横胴縁)に変更することができる。図13に示した胴縁140A,140Bは、断面がコの字状の長尺材であり、短冊状プレート部142と、このプレート部142の対向する長辺全体に亘って立設された一対の対面壁部144A,144Bとを有している。この胴縁140A,140Bは、対面壁部144A,144B側を胴縁施工具50に対向させた状態で、胴縁施工具50の対面壁部60A,60B間に嵌め込む。
そして、必要に応じて、対面壁部60A,60Bと対面壁部44A,44Bとを、ビス48で固定することにより、横胴縁である胴縁140A,140Bも、胴縁施工具50に嵌合させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の実施形態に係る取付具を示した概略斜視図である。
【図2】図1の取付具を示した平面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る胴縁施工具を示した平面図である。
【図4】図3の胴縁施工具を示した概略斜視図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る胴縁施工具を示した概略斜視図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係る胴縁施工具を示した概略斜視図である。
【図7】本発明の第4実施形態に係る胴縁施工具を示した概略斜視図である。
【図8】本発明の第5実施形態に係る胴縁施工具を示した平面図である。
【図9】図8の胴縁施工具を示した概略斜視図である。
【図10】本発明の第6実施形態に係る胴縁施工具を示した概略斜視図である。
【図11】本発明の第7実施形態に係る胴縁施工具を示した概略斜視図である。
【図12】本発明の第8実施形態に係る胴縁施工具を示した概略斜視図である。
【図13】本発明の第9実施形態に係る胴縁施工具を示した概略斜視図である。
【図14】従来技術の出隅における胴縁施工の状態を示した図である。
【符号の説明】
【0088】
10…取付具、12…、17…コンクリート外壁、18,18A,18B,18C,18D…壁面、19A…出隅、19B…入隅、20…断熱材、50,50A,50B,50C,150,150A,150B,150C…胴縁施工具、52,52A,52B,52C,152,152A,152B,152C…第1の嵌合部、54,54A,54B,54C,154,154A,154B,154C…第2の嵌合部、56a,156…連結部、56A,156A…連結金具、58,158…プレート部、60A,60B,160A,160B…壁部、62A,62B,162A,162B…切り欠き対、70,71,140A,140B…胴縁、72,172…取付面部(プレート部)、74A,74B,174A,174B…フランジ部(対面壁部)、76A,76B,176A,176B…爪部、80…外装材。
【技術分野】
【0001】
本発明は、内装材や外装材、断熱材等の設置に利用される胴縁下地の施工に用いられる胴縁施工具及び胴縁施工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、断熱性能の向上や結露の防止に有効な手段として、外断熱が注目を浴びている。この外断熱とは、具体的には、建物躯体の外壁を断熱材で覆い、さらにその外側に空気層を介して外装材を取り付けるものである。このような外装材や断熱材等の被覆材の設置に用いられる取付具は、例えば、下記特許文献1、特許文献2等に開示されている。
【0003】
これらの公報に示された取付具は、躯体壁に強固にボルトを打ち込む必要があるため損壊しやすい出隅付近に設置するのは難しく、また設置スペースの点から入隅付近に設置するのも非常に困難である。従って、このような取付具を用いる場合には、被覆材が固定される胴縁下地は躯体壁から所定距離だけ離れた状態で設置する必要があった。そのため、取付具から離れた位置、すなわち出隅や入隅では、十分な設置強度で被覆材の取り付けをおこなうことが困難であった。
【0004】
そこで、出隅において被覆材の設置強度を補強するために、図14に示すように、角パイプ1とL字アングル材2とによる出隅処理が考えられた。すなわち、躯体壁3の出隅4位置に、角を突き合わせるように角パイプ1を配し、躯体壁3と角パイプ1とをアングル材2によって固定する。そして、被覆材5を、胴縁の代用である角パイプ1に取り付ける。このような施工方法を採用する場合、角パイプ1とアングル材2との固定や、アングル材2と躯体壁3との固定は、ボルト6による締結若しくは溶接によっておこなわれる。
【特許文献1】特開2002−21292号公報
【特許文献2】特開昭54−37311号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した施工方法においては、角パイプを出隅に沿って配置したり、角パイプを躯体壁に固定したりする作業等に手間がかかり、その施工に長い時間を要することとなる。特に、角パイプとアングル材とを溶接で固定する場合には、養生の時間が必要となるため、施工時間はさらに長くなる。
【0006】
そこで、本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、胴縁施工の簡便化が図られた胴縁施工具及び胴縁施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る胴縁施工具は、出隅に配されると共に、胴縁が取り付けられる胴縁施工具であって、出隅の一方の壁面に沿って延在する胴縁が嵌合されると共に、一方の壁面に沿って略水平に配される第1の嵌合部と、出隅の他方の壁面に沿って延在する胴縁が嵌合されると共に、他方の壁面に沿って略水平に配される第2の嵌合部と、出隅の角に配されると共に、第1の嵌合部と第2の嵌合部とを連結する連結部とを備えることを特徴とする。
【0008】
この胴縁施工具は、胴縁が嵌合される第1の嵌合部と第2の嵌合部とが、出隅の角に配される連結部によって連結されている。それにより、2つの嵌合部同士が互いに支持し合うため、この胴縁施工具においては、出隅であっても胴縁がしっかりと支持される。従って、これらの胴縁には、被覆材を高い設置強度で設置することが可能となっている。その上、第1の嵌合部及び第2の嵌合部に胴縁を取り付ける施工は嵌合によっておこなわれるため、ボルト締結や溶接によっておこなう従来の胴縁施工に比べて、簡便に胴縁施工をおこなうことができる。
【0009】
本発明に係る胴縁施工具は、入隅に配されると共に、胴縁が取り付けられる胴縁施工具であって、入隅の一方の壁面に沿って延在する胴縁が嵌合されると共に、一方の壁面に沿って略水平に配される第1の嵌合部と、入隅の他方の壁面に沿って延在する胴縁が嵌合されると共に、他方の壁面に沿って略水平に配される第2の嵌合部と、入隅の角に配されると共に、第1の嵌合部と第2の嵌合部とを連結する連結部とを備えることを特徴とする。
【0010】
この胴縁施工具は、胴縁が嵌合される第1の嵌合部と第2の嵌合部とが、入隅の角に配される連結部によって連結されている。それにより、2つの嵌合部同士が互いに支持し合うため、この胴縁施工具においては、入隅であっても胴縁がしっかりと支持される。従って、これらの胴縁には、被覆材を高い設置強度で設置することが可能となっている。その上、第1の嵌合部及び第2の嵌合部に胴縁を取り付ける施工は嵌合によっておこなわれるため、ボルト締結や溶接によっておこなう従来の胴縁施工に比べて、簡便に胴縁施工をおこなうことができる。
【0011】
また、第1の嵌合部と第2の嵌合部と連結部とは、適宜、一体又は互いに別体にしてもよい。
【0012】
また、第1及び第2の嵌合部の各嵌合部は、壁面に対して略平行に延在する短冊状のプレート部と、このプレート部から壁面から離間する方向に立設された互いに対面する一対の対面壁部と、この一対の対面壁部の対面方向に対峙する対面壁部の頂部に形成された切り欠き対とを有することが好ましい。この場合、例えば、上記切り欠き対に嵌め込み可能な部分を有する胴縁を嵌合部に実際に嵌合によって取り付けることができる。
【0013】
また、嵌合部に取り付けられる胴縁が、嵌合部の対面壁部の対面方向に延在し、対面壁部に形成された切り欠き対に嵌め込まれるフランジ部と被覆材が取り付けられる取付面部とを有することが好ましい。このような胴縁を上記嵌合部に取り付けることにより、嵌合による取り付けが実現される。
【0014】
また、第1及び第2の嵌合部の各嵌合部は、壁面に対して略平行に延在する短冊状のプレート部と、このプレート部に壁面から離間する方向に、互いに対面するように立設され、且つ、互いの対面方向に屈曲した爪部が各頂部に形成された一対の対面壁部とを有することが好ましい。この場合、例えば、上記各爪部が嵌め込まれる切り欠き対が形成された胴縁を嵌合部に実際に嵌合によって取り付けることができる。
【0015】
また、嵌合部に取り付けられる胴縁が、嵌合部の対面壁部の対面方向に延在し、対面壁部に形成された各爪部が嵌め込まれると共に各爪部を係止する返し部を有する一対の切り欠き対が各々に設けられた対面する一対のフランジ部と、一対のフランジ部の間に架け渡された被覆材が取り付けられる取付面部とを有することが好ましい。このような胴縁を上記嵌合部に取り付けることにより、嵌合による取り付けが実現される。
【0016】
本発明に係る胴縁施工方法は、出隅に配されると共に、胴縁が取り付けられる胴縁施工具であって、出隅の一方の壁面に沿って延在する胴縁が嵌合されると共に、一方の壁面に沿って略水平に配される第1の嵌合部と、出隅の他方の壁面に沿って延在する胴縁が嵌合されると共に、他方の壁面に沿って略水平に配される第2の嵌合部と、出隅の角に配されると共に、第1の嵌合部と第2の嵌合部とを連結する連結部とを備える胴縁施工具を用いた胴縁施工方法であって、第1及び第2の嵌合部がそれぞれ出隅の対応する壁面に沿って略水平に延在し、且つ、連結部が出隅の角に位置するように胴縁施工具を設置する工程と、第1及び第2の嵌合部の少なくともいずれか一方に胴縁を嵌合する工程とを有することを特徴とする。
【0017】
この胴縁施工方法においては、胴縁が嵌合される第1の嵌合部と第2の嵌合部とが連結部によって連結された胴縁施工具が用いられる。そして、この胴縁施工具を、第1の嵌合部が出隅の一方の壁面に沿って略水平に延在し、第2の嵌合部が出隅の他方の壁面に沿って略水平に延在し、且つ、連結部が出隅の角に位置するように設置した際、嵌合部同士が互いに支持し合うため、この胴縁施工具に胴縁を取り付けることで、出隅であっても胴縁がしっかりと支持される。従って、これらの胴縁には、被覆材を高い設置強度で設置することが可能となっている。その上、第1の嵌合部及び第2の嵌合部の少なくともいずれか一方に胴縁を取り付ける施工は嵌合によっておこなわれるため、ボルト締結や溶接によっておこなう従来の胴縁施工に比べて、簡便に胴縁施工をおこなうことができる。
【0018】
本発明に係る胴縁施工方法は、入隅に配されると共に、胴縁が取り付けられる胴縁施工具であって、入隅の一方の壁面に沿って延在する胴縁が嵌合されると共に、一方の壁面に沿って略水平に配される第1の嵌合部と、入隅の他方の壁面に沿って延在する胴縁が嵌合されると共に、他方の壁面に沿って略水平に配される第2の嵌合部と、入隅の角に配されると共に、第1の嵌合部と第2の嵌合部とを連結する連結部とを備える胴縁施工具を用いた胴縁施工方法であって、第1及び第2の嵌合部がそれぞれ入隅の対応する壁面に沿って略水平に延在し、且つ、連結部が入隅の角に位置するように胴縁施工具を設置する工程と、第1及び第2の嵌合部の少なくともいずれか一方に胴縁を嵌合する工程とを有することを特徴とする。
【0019】
この胴縁施工方法においては、胴縁が嵌合される第1の嵌合部と第2の嵌合部とが連結部によって連結された胴縁施工具が用いられる。そして、この胴縁施工具を、第1の嵌合部が入隅の一方の壁面に沿って略水平に延在し、第2の嵌合部が入隅の他方の壁面に沿って略水平に延在し、且つ、連結部が入隅の角に位置するように設置した際、嵌合部同士が互いに支持し合うため、この胴縁施工具に胴縁を取り付けることで、入隅であっても胴縁がしっかりと支持される。従って、これらの胴縁には、被覆材を高い設置強度で設置することが可能となっている。その上、第1の嵌合部及び第2の嵌合部の少なくともいずれか一方に胴縁を取り付ける施工は嵌合によっておこなわれるため、ボルト締結や溶接によっておこなう従来の胴縁施工に比べて、簡便に胴縁施工をおこなうことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、胴縁施工の簡便化が図られた胴縁施工具及び胴縁施工方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る胴縁施工具及び胴縁施工方法を実施するにあたり最良と思われる形態について詳細に説明する。なお、同一又は同等の要素については同一の符号を付し、説明が重複する場合にはその説明を省略する。
(第1実施形態)
【0022】
まず、本発明の実施形態に係る胴縁施工具の説明に先立ち、胴縁施工具を建物躯体に取り付けるための取付具について、図1を参照しつつ説明する。
【0023】
図1は、本発明の第1実施形態に係る取付具10を示した概略斜視図である。また、図2は、図1に示した取付具10の平面図である。図1及び図2に示すように、取付具10は、ボルト11と、チャンネル14とを有している。この取付具10は、例えば、鉛直方向に立設された建物躯体のコンクリート外壁17にガラスウール製の断熱材20を固定し、且つ、このコンクリート外壁17に後述する胴縁施工具を取り付ける際に用いられる施工具である。
【0024】
ボルト11は、その全長に亘って雄ネジ部12が形成された一方向に延びる真っ直ぐなボルトである。このボルト11は、その一端11aがコンクリート外壁17に埋め込まれたアンカーナット13に螺合された状態で、コンクリート外壁17に埋め込まれており、その他端11bはコンクリート外壁17から露出して、コンクリート外壁17の壁面18の法線方向に延びている。なお、ボルト11の遊端11bの先端部は、図示は省略しているが斜めに切断して先鋭化させている。断熱材20は、このボルト11が埋め込まれた状態のコンクリート外壁17に、ボルト11の遊端11b側から押しつけられる。そのため、上述したようにボルト11の遊端11bの先端部を先鋭化しておくことで、ボルト11が断熱材20に差し込まれ易くなり、断熱材20のコンクリート外壁17への取り付けの容易化が図られる。以下、説明の便宜上、ボルト11の延在方向(軸線方向)をX軸方向、鉛直方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向に対して直交する方向をZ軸方向として説明する。
【0025】
チャンネル14は、ワッシャ24と、胴縁受金具26とで構成されている。また、ワッシャ24は、内周面にボルト11の雄ネジ部12に対応する雌ネジ部25が形成された円筒状のリベットナット24aと、このリベットナット24aの外周縁に形成された円盤状のハンドル盤部24bとで構成されている。ここで、リベットナット24aは、その内周面の雌ネジ部25がボルト11の雄ネジ部12と螺合されており、リベットナット24aがボルト11に対して相対的に回動することにより、リベットナット24aはボルト11の軸線方向(X軸方向)にスライドする。また、リベットナット24aは、ボルト11の軸線方向に延在するハンドル盤部24bと、プレスによりカシメ固定されており、ハンドル盤部24bがボルト11の軸線回りに回動するとリベットナット24aも一体的に回動する。
【0026】
胴縁受金具26は、リベットナット24aの外径より若干大きい径の貫通孔26aを有している。そして、この貫通孔26aに上述したリベットナット24aを差し込み、リベットナット24aの外周が膨出するようにカシメ加工して、互いに回動自在な状態でワッシャ24と胴縁受金具26とが結合されている。すなわち、ワッシャ24と胴縁受金具26とは、互いに独立にボルト11の軸線回りに回動することができる。
【0027】
胴縁受金具26は、貫通孔26aが形成されている短冊状のプレート部28と、このプレート部28から立設された一対の対面する壁部(対面壁部)30A,30Bとで構成されている。一対の壁部30A,30Bは、X軸方向に沿ってコンクリート外壁17から離間する方向に延びている。なお、プレート部28は、Z軸方向に延びる、上述したワッシャ24のハンドル盤部24bよりも幅の狭い矩形平板状であり、一対の壁部30A,30Bはプレート部28の対向する長辺全体に亘って立設されている。そして、一対の壁部30A,30Bの頂部には、複数のU字状の切り欠き対32A,32Bが形成されている。複数の切り欠き対32A,32Bは、それぞれY軸方向に対峙しており、壁部30A,30BにピッチD1で等間隔に配置されている。なお、切り欠き対32A,32Bのそれぞれの切り欠きには、段部(返し部)33が形成されている。また、隣り合う切り欠き32A,32Bのそれぞれの間には、後述する連接バー40A,40Bを固定するためのビス穴34が形成されている。
【0028】
チャンネル14は、ボルト11が貫通した断熱材20を、そのプレート部28において建物躯体のコンクリート外壁17に押さえとどめる。すなわち、断熱材20はボルト11とチャンネル14のプレート部28との協働によって、建物躯体のコンクリート外壁17面に固定される。チャンネル14のワッシャ24を回動させることにより、チャンネル14をボルト11の軸線方向にスライドさせて、チャンネル14のコンクリート外壁17に対するのレベル調整(すなわち、X軸方向に関する位置調整)をおこなうことができる。
【0029】
ここで、取付具10に採用されているチャンネル14のワッシャ24と胴縁受金具26とはボルト11の軸線回りに独立に回動可能であり、上記レベル調整の際に胴縁受金具26を回転させる必要がないため、簡単にレベル調整をおこなうことができる。また、胴縁受金具26よりも幅広のハンドル盤部24bを把持して回転させることで、チャンネル14のワッシャ24だけを簡単に回転させることができるため、ハンドル盤部24bの採用によりチャンネル14のレベル調整がより簡単になる。
【0030】
以上のような取付具10をコンクリート外壁17に取り付けた上で、本実施形態に係る胴縁施工具50が設置される。以下、図3及び図4を参照しつつ、胴縁施工具50について説明する。
【0031】
図3に示すように、胴縁施工具50は、コンクリート外壁17の出隅19Aに胴縁を施工するための金具であり、コンクリート外壁17の出隅部分19Aの直交する壁面18A,18Bの両方に同じ高さ位置で取り付けられた2つの取付具10に、一対の連接バー40A,40Bを介して支持されている。この胴縁施工具50は、第1の嵌合部52と第2の嵌合部54と連結部56aとを備え、これら第1の嵌合部52、第2の嵌合部54及び連結部56aが一体的に形成されている。なお、以下、説明の便宜上、出隅部分19Aにおいて直交する壁面18のうち、一方の壁面を壁面18Aとし、他方の壁面を壁面18Bとする。
【0032】
第1の嵌合部52及び第2の嵌合部54は、上述した胴縁受金具26と同じ加工材から作製されたものであり、そのため胴縁受金具26と略同様の構成を有している。すなわち、第1の嵌合部52及び第2の嵌合部54は、短冊状のプレート部58と、このプレート部58から立設された一対の対面する壁部(対面壁部)60A,60Bとで構成されている。この一対の壁部60A,60Bは、プレート部58の対向する長辺全体に亘って立設されており、第1の嵌合部52の壁部60A,60Bは、壁面18Aから離間する方向に延び、第2の嵌合部54の壁部60A,60Bは、壁面18Bから離間する方向に延びている。そして、一対の壁部60A,60Bの頂部には、複数のU字状の切り欠き対62A,62Bが形成されている。複数の切り欠き対62A,62Bは、それぞれ壁部60A,60Bの対面方向に対峙しており、壁部60A,60BにピッチD1で等間隔に配置されている。なお、切り欠き対62A,62Bのそれぞれの切り欠きには、段部(返し部)63が形成されている。また、隣り合う切り欠き62A,62Bのそれぞれの間にはビス穴64が形成されている。
【0033】
そして、第1の嵌合部52と第2の嵌合部54とは、第1の嵌合部52のプレート部58と第2の嵌合部54のプレート部58との間の屈曲部分である連結部56aを介してつながっている。なお、第1の嵌合部52のプレート部58と、第2の嵌合部54のプレート部58とのなす角は、出隅19Aの角度と同様に90度となっている。そのため、胴縁施工具50は、第1の嵌合部52を壁面18Aに沿って水平に延在させ、且つ、第2の嵌合部54を壁面18Bに沿って水平に延在させた状態にすることができる。
【0034】
連接バー40A及び連接バー40Bは、断面がコの字状の長尺材であり、短冊状プレート部42と、このプレート部42の対向する長辺全体に亘って立設された一対の対面壁部44A,44Bとを有している。そして、この対面壁部44A,44Bには、連接バー40A,40Bが、取付具10の胴縁受金具26及び胴縁施工具50と連接するためのビス穴46が形成されている。このような連接バー40A,40Bは、対面壁部44A,44B側を胴縁施工具50に対向させた状態で、胴縁施工具50の対面壁部60A,60B間に嵌め込み、対面壁部60A,60Bのビス穴64と対面壁部44A,44Bのビス穴46とをビス48で固定することにより、胴縁施工具50の延在方向に平行に連接される。同様に、連接バー40A,40Bは、対面壁部44A,44B側を取付具10の胴縁受金具26に対向させた状態で、胴縁受金具26の対面壁部30A,30B間に嵌め込み、対面壁部30A,30Bのビス穴34と対面壁部44A,44Bのビス穴46とをビス48で固定することにより、取付具10の胴縁受金具26の延在方向に平行に連接される。
【0035】
すなわち、同じ高さ位置に設置された壁面18Aの取付具10と壁面18Bの取付具10との両方において胴縁受金具26を水平方向に延在させた上で、連接バー40A,40Bを用いて取付具10の胴縁受金具26と胴縁施工具50とを連接することで、胴縁施工具50を水平に保持することができる。
【0036】
次に、この胴縁施工具50に取り付けられる胴縁について説明する。
【0037】
胴縁70は、鉛直方向に延在する長尺の縦胴縁である。この胴縁70は、その上端において、チェーン等で建物躯体又はそのコンクリート外壁17に釣止されている。また、胴縁70は、1枚の金属板を折り曲げ成形して作製されたものであり、外装材80が取り付けられる面を有する取付面部72と、この取付面部72から立設された一対の対面するフランジ部74A,74Bとで構成されている。そして、取付面部72には、ビス82によって外装材80が取り付けられている。一対のフランジ部74A,74Bは、コンクリート外壁17の壁面18に接近する方向に取付面部72から略直角に折り曲げられている。このフランジ部74A,74Bの互いの離間距離はD2となっており、このD2はD1の2倍の長さである(図3参照)。また、フランジ部74A,74Bのそれぞれの端部は内側に折り込まれて爪部76A,76Bが形成されている。
【0038】
次に、以上で説明した胴縁施工具50を用いて、外装材80を出隅19Aに施工する方法について説明する。
【0039】
まず、コンクリート外壁17との間に断熱材20を介在させた状態で、同じ高さ位置である一対の取付具10を、出隅19Aの各壁面18A,18Bに取り付ける。また、胴縁施工具50を、連結部56aが出隅19Aの角に位置し、且つ第1及び第2の嵌合部52,54がそれぞれ出隅19Aの壁面18A,18Bに沿って水平に延在するように保持する。そして、取付具10の胴縁受金具26を水平に保持して、連接バー40A,40Bを用いて、一対の取付具10と胴縁施工具50とを連接する。それにより、胴縁施工具50は、一対の取付具10によって、水平に支持された状態で出隅19A部分に設置固定される。
【0040】
このように胴縁施工具50を水平に延在させた状態で、鉛直方向に延びる胴縁70を、胴縁施工具50の第1の嵌合部52と第2の嵌合部54とにそれぞれ取り付ける。より具体的に説明すると、胴縁施工具50のプレート部58の面のうち対面壁部60A,60Bが延びる面側と、胴縁70の取付面部72の面のうちフランジ部74A,74Bが延びる面側とを対面させた状態で、胴縁70を嵌合部52,54に押しあてる。ここで、胴縁施工具50のプレート部58は水平方向に延在し、胴縁70の取付面部72は鉛直方向に延在しているため、胴縁施工具50の対面壁部60A,60Bと胴縁70のフランジ部74A,74Bとが接触する。このとき、対面壁部60A,60Bに形成されている切り欠き対62A,62Bの位置と、胴縁70のフランジ部74A,74Bの位置とを合わせることにより、胴縁70のフランジ部74A,74Bが弾性変形して対面壁部60A,60Bの切り欠き対62A,62Bに嵌り込み、胴縁70が胴縁施工具50に嵌合される。なお、胴縁70のフランジ部74A,74Bの離間距離D2は、対面壁部60A,60Bの切り欠き対62A,62BのピッチD1の2倍であるため、1対の切り欠き対62A,62Bを挟んで、一対のフランジ部74A,74Bが2対の切り欠き対62A,62Bに嵌り込む(図3参照)。
【0041】
また、胴縁施工具50へ胴縁70を取り付けるのと同じ要領で、各取付具10の胴縁受金具26にも鉛直方向に延びる胴縁70を取り付ける。そして、最後に、4本の胴縁70の施工が終わった後、外装材80を各胴縁70の取付面部72にビス82で固定して、出隅19Aへの外装材80の施工が完了する。
【0042】
以上で詳細に説明したように、胴縁施工具50は、コンクリート外壁17の一方の壁面18Aに沿う第1の嵌合部52と、コンクリート外壁17の他方の壁面18Bに沿う第2の嵌合部54と、第1の嵌合部52と第2の嵌合部54とを連結する連結部56aとで構成されており、連結部56aによって連結された2つの嵌合部52,54は、出隅19Aにおいて互いに支持し合う。そのため、コンクリート外壁17の出隅19A部分であっても、嵌合部52,54によって胴縁70がしっかりと支持される。従って、これらの胴縁70には、外装材(被覆材)80を高い設置強度で設置することが可能である。
【0043】
また、取付具10をコンクリート外壁17に設置さえしていれば、胴縁施工具50はビス留めだけで容易に出隅19Aに設置でき、加えて、第1の嵌合部52及び第2の嵌合部54への胴縁70の取り付けも、嵌合によって簡単におこなえるため、ボルト締結や溶接によっておこなう図14に示した従来の胴縁施工に比べて、簡便に胴縁施工をおこなうことができる。
【0044】
また、切り欠き対62A,62Bには返し部63が形成されており、且つフランジ部74A,74Bには爪部76A,76Bが形成されているので、フランジ部74A,74Bが弾性変形して爪部76A,76Bが返し部63に係止される。そのため、胴縁70に、胴縁施工具50から離す方向の外力が負荷された場合であっても、胴縁70が胴縁施工具50から外れにくくなっている。そのため、胴縁施工具50から胴縁70が脱落する事態が有意に回避されている。
【0045】
さらに、上述した態様で胴縁70を胴縁施工具50に嵌合によって取り付けた場合には、胴縁70は胴縁施工具50との結合後であっても、その延在方向(鉛直方向)に摺動可能な状態となっている。そのため、胴縁70が延在する鉛直方向の振動に対しては、胴縁施工具50の切り欠き対62A,62Bの部分を胴縁70のフランジ部74A,74Bが摺動してその振動を吸収することができる。すなわち、胴縁70を胴縁施工具50を用いて施工することで、胴縁70の延在方向における振動を吸収することができるため、その延在方向の振動に関して、建物躯体から外装材80への振動伝達が抑制されて、高い耐震性が実現される。
(第2実施形態)
【0046】
次に、本発明の第2実施形態に係る胴縁施工具50Aについて、図5を参照しつつ説明する。
【0047】
第2実施形態に係る胴縁施工具50Aは、それぞれが別体である第1の嵌合部52Aと第2の嵌合部54Aと連結金具(連結部)56Aとで構成されている。そして、第1の嵌合部52A及び第2の嵌合部54Aは、図4に示した第1実施形態に係る胴縁施工具50の第1の嵌合部52及び第2の嵌合部54と同様の部材であり、連結部56aで互いに連結されていない点でのみ異なる。連結金具56Aは、別体である第1の嵌合部52Aと第2の嵌合部54Aとを連結する金具であり、直角に屈曲した屈曲部56aを有する帯状部材である。
【0048】
胴縁70をこの胴縁施工具50Aを用いて施工する際には、連結金具56Aの屈曲部56aを基準とした一方の側56bに第1の嵌合部52Aをビス84で固定し、他方の側56cに第2の嵌合部54Aを同じくビス84で固定する。次に、連結金具56Aの屈曲部56aが出隅19Aの角に位置し、且つ第1及び第2の嵌合部52A,54Aがそれぞれ出隅19Aの壁面18A,18Bに沿って水平に延在するように保持する。そして、第1実施形態と同様の一対の取付具10を用いてこの胴縁施工具50Aを支持し、胴縁施工具50Aの第1の嵌合部52A及び第2の嵌合部54Aに胴縁70を嵌合させる。
【0049】
以上で説明した胴縁施工具50Aにおいては、連結金具56Aによって連結された2つの嵌合部52A,54Aは、第1実施形態に係る胴縁施工具50同様、出隅19Aにおいて互いに支持し合う。そのため、コンクリート外壁17の出隅19A部分であっても、嵌合部52A,54Aによって胴縁70がしっかりと支持される。従って、これらの胴縁70には、外装材80を高い設置強度で設置することが可能である。また、取付具10をコンクリート外壁17に設置さえしていれば、胴縁施工具50Aはビス留めだけで容易に出隅19Aに設置でき、加えて、第1の嵌合部52A及び第2の嵌合部54Aへの胴縁70の取り付けも、嵌合によって簡単におこなえるため、ボルト締結や溶接によっておこなう図14に示した従来の胴縁施工に比べて、簡便に胴縁施工をおこなうことができる。
(第3実施形態)
【0050】
次に、本発明の第3実施形態に係る胴縁施工具50Bについて、図6を参照しつつ説明する。
【0051】
第3実施形態に係る胴縁施工具50Bは、第1の嵌合部52Bと第2の嵌合部54Bと連結部56aとを備え、これら第1の嵌合部52B、第2の嵌合部54B及び連結部56aが一体的に形成されている。ここで、第1の嵌合部52B及び第2の嵌合部54Bは、上述した胴縁70と同じ加工材から作製されたものであり、そのため胴縁70と略同様の構成を有している。すなわち、第1の嵌合部52B及び第2の嵌合部54Bは、短冊状のプレート部72と、このプレート部72から立設された一対の対面するフランジ部74A,74Bとで構成されている。また、フランジ部74A,74Bのそれぞれの端部は内側に折り込まれて爪部76A,76Bが形成されている。
【0052】
そして、第1の嵌合部52Bと第2の嵌合部54Bとは、第1の嵌合部52Bのプレート部72と第2の嵌合部54Bのプレート部72との間の屈曲部分である連結部56aを介してつながっている。なお、第1の嵌合部52Bのプレート部72と、第2の嵌合部54Bのプレート部72とのなす角は、胴縁施工具50同様、90度となっている。そのため、胴縁施工具50Bも、第1の嵌合部52Bを壁面18Aに沿って水平に延在させ、且つ、第2の嵌合部54Bを壁面18Bに沿って水平に延在させた状態にすることができる。
【0053】
この胴縁施工具50Bには、胴縁71が取り付けられる。この胴縁71は、上述した胴縁70同様、鉛直方向に延在する長尺の縦胴縁であり、その上端において、建物躯体又はそのコンクリート外壁17に釣止される。また、胴縁71は、上述した胴縁受金具26や第1実施形態に係る第1及び第2の嵌合部52,54と同じ加工材から作製されたものであり、そのためこれらの部材26,52,54と略同様の構成を有している。すなわち、胴縁71は、短冊状のプレート部58と、このプレート部58から立設された一対の対面する壁部(対面壁部)60A,60Bとで構成されている。この一対の壁部60A,60Bは、プレート部58の対向する長辺全体に亘って直角に立設されている。そして、一対の壁部60A,60Bの頂部には、複数のU字状の切り欠き対62A,62Bが形成されている。複数の切り欠き対62A,62Bは、それぞれ壁部60A,60Bの対面方向に対峙しており、壁部60A,60BにピッチD1で等間隔に配置されている。なお、切り欠き対62A,62Bのそれぞれの切り欠きには、返し部63が形成されている。また、隣り合う切り欠き62A,62Bのそれぞれの間にはビス穴64が形成されている。
【0054】
胴縁71を胴縁施工具50Bを用いて施工する際には、第1実施形態に係る胴縁施工具50同様、取付具10と同様又は同等の取付具を用いて、胴縁施工具50Bを、連結部56aが出隅19Aの角に位置し、且つ第1及び第2の嵌合部52B,54Bがそれぞれ出隅19Aの壁面18A,18Bに沿って水平に延在するように支持する。それにより、胴縁施工具50Bは、出隅19A部分に水平に支持された状態で設置固定される。なお、胴縁施工具50Bと取付具10との接合に、上述した連接バー40A,40Bと同様又は同等の連接部材を適宜利用してもよい。
【0055】
このように胴縁施工具50Bを水平に延在させた状態で、鉛直方向に延びる胴縁71を、胴縁施工具50Bの第1の嵌合部52Bと第2の嵌合部54Bとにそれぞれ取り付ける。より具体的に説明すると、胴縁施工具50Bのプレート部72の面のうちフランジ部74A,74Bが延びる面側と、胴縁71のプレート部58の面のうち対面壁部60A,60Bが延びる面側とを対面させた状態で、胴縁71を嵌合部52B,54Bに押しあてる。ここで、胴縁施工具50Bのプレート部72は水平方向に延在し、胴縁71のプレート部58は鉛直方向に延在しているため、胴縁施工具50Bのフランジ部74A,74Bと胴縁71の対面壁部60A,60Bとが接触する。このとき、胴縁71の対面壁部60A,60Bに形成されている切り欠き対62A,62Bの位置と、胴縁施工具50Bのフランジ部74A,74Bの位置とを合わせることにより、胴縁施工具50Bのフランジ部74A,74Bが弾性変形して対面壁部60A,60Bの切り欠き対62A,62Bに嵌り込み、胴縁71が胴縁施工具50Bに嵌合される。
【0056】
なお、胴縁施工具50Bと胴縁71との結合の際、嵌合部52B,54Bのプレート部72が撓むことにより、爪部76A,76Bの間隔が広がる。そして、爪部76A,76Bは、返し部63において係止される。このような返し部63の採用により、胴縁施工具50Bから胴縁71が離れる方向の外力が胴縁施工具50B及び胴縁71に負荷された場合でも胴縁71が胴縁施工具50Bから外れにくくなっており、胴縁施工具50Bから胴縁71が脱落する事態が有意に回避される。
【0057】
以上で説明した胴縁施工具50Bにおいては、第1実施形態に係る胴縁施工具50と同様に、連結部56aによって連結された2つの嵌合部52B,54Bは、出隅19Aにおいて互いに支持し合うため、コンクリート外壁17の出隅19A部分であっても、嵌合部52B,54Bによって胴縁71がしっかりと支持される。従って、これらの胴縁71には、外装材80を高い設置強度で設置することが可能である。また、取付具10をコンクリート外壁17に設置さえしていれば、胴縁施工具50Bはビス留めだけで容易に出隅19Aに設置でき、加えて、第1の嵌合部52B及び第2の嵌合部54Bへの胴縁71の取り付けも、嵌合によって簡単におこなえるため、ボルト締結や溶接によっておこなう図14に示した従来の胴縁施工に比べて、簡便に胴縁施工をおこなうことができる。
(第4実施形態)
【0058】
次に、本発明の第4実施形態に係る胴縁施工具50Cについて、図7を参照しつつ説明する。
【0059】
第4実施形態に係る胴縁施工具50Cは、それぞれが別体である第1の嵌合部52Cと第2の嵌合部54Cと連結金具(連結部)56Aとで構成されている。そして、第1の嵌合部52C及び第2の嵌合部54Cは、図6に示した第3実施形態に係る胴縁施工具50Bの第1の嵌合部52B及び第2の嵌合部54Bと同様の部材であり、連結部56aで互いに連結されていない点でのみ異なる。連結金具56Aは、別体である第1の嵌合部52Cと第2の嵌合部54Cとを連結する金具であり、直角に屈曲した屈曲部56aを有する帯状部材である。
【0060】
胴縁71をこの胴縁施工具50Cを用いて施工する際には、連結金具56Aの屈曲部56aを基準とした一方の側56bに第1の嵌合部52Cをビス84で固定し、他方の側56cに第2の嵌合部54Cを同じくビス84で固定する。次に、連結金具56Aの屈曲部56aが出隅19Aの角に位置し、且つ第1及び第2の嵌合部52C,54Cがそれぞれ出隅19Aの壁面18A,18Bに沿って水平に延在するように保持する。そして、第1実施形態と同様又は同等の一対の取付具10を用いてこの胴縁施工具50Cを支持し、胴縁施工具50Cの第1の嵌合部52C及び第2の嵌合部54Cに胴縁71を嵌合させる。
【0061】
以上で説明した胴縁施工具50Cにおいては、第3実施形態に係る胴縁施工具50B同様、連結金具56Aによって連結された2つの嵌合部52C,54Cは、出隅19Aにおいて互いに支持し合う。そのため、コンクリート外壁17の出隅19A部分であっても、嵌合部52C,54Cによって胴縁71がしっかりと支持される。従って、これらの胴縁71には、外装材80を高い設置強度で設置することが可能である。また、取付具10をコンクリート外壁17に設置さえしていれば、胴縁施工具50Cはビス留めだけで容易に出隅19Aに設置でき、加えて、第1の嵌合部52C及び第2の嵌合部54Cへの胴縁71の取り付けも、嵌合によって簡単におこなえるため、ボルト締結や溶接によっておこなう図14に示した従来の胴縁施工に比べて、簡便に胴縁施工をおこなうことができる。
(第5実施形態)
【0062】
次に、本発明の第5実施形態に係る胴縁施工具150について、図8及び図9を参照しつつ説明する。
【0063】
胴縁施工具150は、コンクリート外壁17の入隅19Bに胴縁を施工するための金具であり、コンクリート外壁17の入隅部分19Bの直交する壁面18C,18Dの両方に同じ高さ位置で取り付けられた2つの取付具10に、一対の連接バー40A,40Bを介して支持されている。この胴縁施工具150は、第1の嵌合部152と第2の嵌合部154と連結部156とを備え、これら第1の嵌合部152、第2の嵌合部154及び連結部156が一体的に形成されている。なお、以下、説明の便宜上、入隅部分19Bにおいて直交する壁面18のうち、一方の壁面を壁面18Cとし、他方の壁面を壁面18Dとする。
【0064】
第1の嵌合部152及び第2の嵌合部154は、第1の実施形態に係る胴縁施工具50の第1の嵌合部52及び第2の嵌合部54と同様に、上述した胴縁受金具26と同じ加工材から作製されたものであり、そのため胴縁受金具26と略同様の構成を有している。すなわち、第1の嵌合部152及び第2の嵌合部154は、短冊状のプレート部158と、このプレート部158から立設された一対の対面する壁部(対面壁部)160A,160Bとで構成されている。この一対の壁部160A,160Bは、プレート部158の対向する長辺全体に亘って立設されており、第1の嵌合部152の壁部160A,160Bは、壁面18Cから離間する方向に延び、第2の嵌合部154の壁部160A,160Bは、壁面18Dから離間する方向に延びている。そして、一対の壁部160A,160Bの頂部には、複数のU字状の切り欠き対162A,162Bが形成されている。複数の切り欠き対162A,162Bは、それぞれ壁部160A,160Bの対面方向に対峙しており、壁部160A,160BにピッチD1で等間隔に配置されている。なお、切り欠き対162A,162Bのそれぞれの切り欠きには、段部(返し部)163が形成されている。また、隣り合う切り欠き162A,162Bのそれぞれの間にはビス穴164が形成されている。
【0065】
そして、第1の嵌合部152と第2の嵌合部154とは、第1及び第2の嵌合部152,154それぞれのプレート部158の一端部から延びると共に、入隅19Bの壁面18C,18Dに沿うように直角に屈曲した屈曲部156aを有する帯状の連結部156を介してつながっている。そのため、第1の嵌合部152のプレート部158と、第2の嵌合部154のプレート部158とのなす角は、入隅19Bの角度と同様に90度となっており、そのため、胴縁施工具150は、第1の嵌合部152を壁面18Cに沿って水平に延在させ、且つ、第2の嵌合部154を壁面18Dに沿って水平に延在させた状態にすることができる。
【0066】
次に、胴縁施工具150を用いて、外装材80を入隅19Bに施工する方法について説明する。
【0067】
まず、第1実施形態と同様の手順で、一対の取付具10を、入隅19Bの各壁面18C,18Dに取り付ける。また、胴縁施工具150を、連結部156が入隅19Bの角に位置し、且つ第1及び第2の嵌合部152,154がそれぞれ入隅19Bの壁面18C,18Dに沿って水平に延在するように保持する。そして、取付具10の胴縁受金具26を水平に保持して、連接バー40A,40Bを用いて、一対の取付具10と胴縁施工具150とを連接する。それにより、胴縁施工具150は、一対の取付具10によって、水平に支持された状態で入隅19B部分に設置固定される。
【0068】
このように胴縁施工具150を水平に延在させた状態で、鉛直方向に延びる胴縁70を、第1実施形態同様、胴縁施工具150の第1の嵌合部152と第2の嵌合部154とにそれぞれ取り付ける。また、胴縁施工具150へ胴縁70を取り付けるのと同じ要領で、各取付具10の胴縁受金具26にも鉛直方向に延びる胴縁70を取り付ける。そして、最後に、4本の胴縁70の施工が終わった後、外装材80を各胴縁70の取付面部72にビス82で固定して、入隅19Bへの外装材80の施工が完了する。
【0069】
以上で説明したように、胴縁施工具150は、コンクリート外壁17の一方の壁面18Cに沿う第1の嵌合部152と、コンクリート外壁17の他方の壁面18Dに沿う第2の嵌合部154と、第1の嵌合部152と第2の嵌合部154とを連結する連結部156とで構成されており、連結部156によって連結された2つの嵌合部152,154は、入隅19Bにおいて互いに支持し合う。そのため、コンクリート外壁17の入隅19B部分であっても、嵌合部152,154によって胴縁70がしっかりと支持される。従って、これらの胴縁70には、外装材(被覆材)80を高い設置強度で設置することが可能である。また、取付具10をコンクリート外壁17に設置さえしていれば、胴縁施工具150はビス留めだけで容易に入隅19Bに設置でき、加えて、第1の嵌合部152及び第2の嵌合部154への胴縁70の取り付けも、嵌合によって簡単におこなえるため、ボルト締結や溶接によっておこなう従来の胴縁施工に比べて、簡便に胴縁施工をおこなうことができる。
【0070】
また、嵌合部152,154の切り欠き対162A,162Bには返し部163が形成されているため、第1実施形態同様、胴縁施工具150から胴縁70が脱落する事態が有意に回避されている。さらに、上述した態様で胴縁70を胴縁施工具150に嵌合によって取り付けることで、やはり第1実施形態と同様、胴縁70の延在方向の振動に関して、建物躯体から外装材80への振動伝達が抑制されて、高い耐震性が実現されている。
(第6実施形態)
【0071】
次に、本発明の第6実施形態に係る胴縁施工具150Aについて、図10を参照しつつ説明する。
【0072】
第6実施形態に係る胴縁施工具150Aは、それぞれが別体である第1の嵌合部152Aと第2の嵌合部154Aと連結金具(連結部)156Aとで構成されている。そして、第1の嵌合部152A及び第2の嵌合部154Aは、図9に示した第5実施形態に係る胴縁施工具150の第1の嵌合部152及び第2の嵌合部154と同様の部材であり、連結部156で互いに連結されていない点でのみ異なる。連結金具156Aは、別体である第1の嵌合部152Aと第2の嵌合部154Aとを連結する金具であり、直角に屈曲した屈曲部156aを有する帯状部材である。
【0073】
胴縁70をこの胴縁施工具150Aを用いて施工する際には、連結金具156Aの屈曲部156aを基準とした一方の側156bに第1の嵌合部152Aをビス84で固定し、他方の側156cに第2の嵌合部154Aを同じくビス84で固定する。次に、連結金具156Aの屈曲部156aが入隅19Bの角に位置し、且つ第1及び第2の嵌合部152A,154Aがそれぞれ入隅19Bの壁面18C,18Dに沿って水平に延在するように保持する。そして、一対の取付具10を用いてこの胴縁施工具150Aを支持し、胴縁施工具150Aの第1の嵌合部152A及び第2の嵌合部154Aに胴縁70を嵌合させる。
【0074】
以上で説明した胴縁施工具150Aにおいては、連結金具156Aによって連結された2つの嵌合部152A,154Aは、第5実施形態に係る胴縁施工具150同様、入隅19Bにおいて互いに支持し合う。そのため、コンクリート外壁17の入隅19B部分であっても、嵌合部152A,154Aによって胴縁70がしっかりと支持される。従って、これらの胴縁70には、外装材80を高い設置強度で設置することが可能である。また、取付具10をコンクリート外壁17に設置さえしていれば、胴縁施工具150Aはビス留めだけで容易に入隅19Bに設置でき、加えて、第1の嵌合部152A及び第2の嵌合部154Aへの胴縁70の取り付けも、嵌合によって簡単におこなえるため、ボルト締結や溶接によっておこなう従来の胴縁施工に比べて、簡便に胴縁施工をおこなうことができる。
(第7実施形態)
【0075】
次に、本発明の第7実施形態に係る胴縁施工具150Bについて、図11を参照しつつ説明する。
【0076】
第7実施形態に係る胴縁施工具150Bは、第1の嵌合部152Bと第2の嵌合部154Bと連結部156を備え、これら第1の嵌合部152B、第2の嵌合部154B及び連結部156が一体的に形成されている。ここで、第1の嵌合部152B及び第2の嵌合部154Bは、上述した胴縁70と同じ加工材から作製されたものであり、そのため胴縁70と略同様の構成を有している。すなわち、第1の嵌合部152B及び第2の嵌合部154Bは、短冊状のプレート部172と、このプレート部172から立設された一対の対面するフランジ部174A,174Bとで構成されている。また、フランジ部174A,174Bのそれぞれの端部は内側に折り込まれて爪部176A,176Bが形成されている。
【0077】
そして、第1の嵌合部152Bと第2の嵌合部154Bとは、第1及び第2の嵌合部152B,154Bそれぞれのプレート部172の一端部から延びると共に、入隅19Bの壁面18C,18Dに沿うように直角に屈曲した屈曲部156aを有する帯状の連結部156を介してつながっている。そのため、第1の嵌合部152Bのプレート部172と、第2の嵌合部154Bのプレート部172とのなす角は、入隅19Bの角度と同様に90度となっており、そのため、胴縁施工具150Bは、第1の嵌合部152Bを壁面18Cに沿って水平に延在させ、且つ、第2の嵌合部154Bを壁面18Dに沿って水平に延在させた状態にすることができる。
【0078】
この胴縁施工具150Bには、第3実施形態で説明した胴縁71が取り付けられる。この胴縁71を胴縁施工具150Bを用いて施工する際には、第5実施形態に係る胴縁施工具150同様、取付具10と同様又は同等の取付具を用いて、胴縁施工具150Bを、連結部156が入隅19Bの角に位置し、且つ第1及び第2の嵌合部152B,154Bがそれぞれ入隅19Bの壁面18C,18Dに沿って水平に延在するように支持する。それにより、胴縁施工具150Bは、入隅19B部分に水平に支持された状態で設置固定される。なお、胴縁施工具150Bと取付具10との接合に、上述した連接バー40A,40Bと同様又は同等の連接部材を適宜利用してもよい。
【0079】
このように胴縁施工具150Bを水平に延在させた状態で、鉛直方向に延びる胴縁71を、第3実施形態と同様にして、胴縁施工具150Bの第1の嵌合部152Bと第2の嵌合部154Bとにそれぞれ取り付ける。このとき、胴縁施工具150Bのフランジ部174A,174Bは弾性変形して胴縁71の対面壁部60A,60Bの切り欠き対62A,62Bに嵌り込み、胴縁71が胴縁施工具150Bに嵌合される。
【0080】
なお、胴縁施工具150Bと胴縁71との結合の際、嵌合部152B,154Bのプレート部172が撓むことにより、爪部176A,176Bの間隔が広がる。そして、爪部176A,176Bは、返し部163において係止される。このような返し部163の採用により、胴縁施工具150Bから胴縁71が離れる方向の外力が胴縁施工具150B及び胴縁71に負荷された場合でも胴縁71が胴縁施工具150Bから外れにくくなっており、胴縁施工具150Bから胴縁71が脱落する事態が有意に回避される。
【0081】
以上で説明した胴縁施工具150Bにおいては、第5実施形態に係る胴縁施工具150と同様に、連結部156によって連結された2つの嵌合部152B,154Bは、入隅19Bにおいて互いに支持し合うため、コンクリート外壁17の入隅19B部分であっても、嵌合部152B,154Bによって胴縁71がしっかりと支持される。従って、これらの胴縁71には、外装材80を高い設置強度で設置することが可能である。また、取付具10をコンクリート外壁17に設置さえしていれば、胴縁施工具150Bはビス留めだけで容易に入隅19Bに設置でき、加えて、第1の嵌合部152B及び第2の嵌合部154Bへの胴縁71の取り付けも、嵌合によって簡単におこなえるため、ボルト締結や溶接によっておこなう従来の胴縁施工に比べて、簡便に胴縁施工をおこなうことができる。
(第8実施形態)
【0082】
次に、本発明の第8実施形態に係る胴縁施工具150Cについて、図12を参照しつつ説明する。
【0083】
第8実施形態に係る胴縁施工具150Cは、それぞれが別体である第1の嵌合部152Cと第2の嵌合部154Cと連結金具(連結部)156Aとで構成されている。そして、第1の嵌合部152C及び第2の嵌合部154Cは、図11に示した第7実施形態に係る胴縁施工具150Bの第1の嵌合部152B及び第2の嵌合部154Bと同様の部材であり、連結部156で互いに連結されていない点でのみ異なる。連結金具156Aは、別体である第1の嵌合部152Cと第2の嵌合部154Cとを連結する金具であり、直角に屈曲した屈曲部156aを有する帯状部材である。
【0084】
胴縁71をこの胴縁施工具150Cを用いて施工する際には、連結金具156Aの屈曲部156aを基準とした一方の側156bに第1の嵌合部152Cをビス84で固定し、他方の側156cに第2の嵌合部154Cを同じくビス84で固定する。次に、連結金具156Aの屈曲部156aが入隅19Bの角に位置し、且つ第1及び第2の嵌合部152C,154Cがそれぞれ入隅19Bの壁面18C,18Dに沿って水平に延在するように保持する。そして、第5実施形態と同様又は同等の一対の取付具10を用いてこの胴縁施工具150Cを支持し、胴縁施工具150Cの第1の嵌合部152C及び第2の嵌合部154Cに胴縁71を嵌合させる。
【0085】
以上で説明した胴縁施工具150Cにおいては、第7実施形態に係る胴縁施工具150B同様、連結金具156Aによって連結された2つの嵌合部152C,154Cは、入隅19Bにおいて互いに支持し合う。そのため、コンクリート外壁17の入隅19B部分であっても、嵌合部152C,154Cによって胴縁71がしっかりと支持される。従って、これらの胴縁71には、外装材80を高い設置強度で設置することが可能である。また、取付具10をコンクリート外壁17に設置さえしていれば、胴縁施工具150Cはビス留めだけで容易に入隅19Bに設置でき、加えて、第1の嵌合部152C及び第2の嵌合部154Cへの胴縁71の取り付けも、嵌合によって簡単におこなえるため、ボルト締結や溶接によっておこなう従来の胴縁施工に比べて、簡便に胴縁施工をおこなうことができる。
【0086】
(第9実施形態)
上述した各実施形態においては、図13に示すように、適宜、胴縁施工具の第1及び第2の嵌合部と直交する胴縁(すなわち、縦胴縁)から、第1及び第2の嵌合部と平行に延在する胴縁(すなわち、横胴縁)に変更することができる。図13に示した胴縁140A,140Bは、断面がコの字状の長尺材であり、短冊状プレート部142と、このプレート部142の対向する長辺全体に亘って立設された一対の対面壁部144A,144Bとを有している。この胴縁140A,140Bは、対面壁部144A,144B側を胴縁施工具50に対向させた状態で、胴縁施工具50の対面壁部60A,60B間に嵌め込む。
そして、必要に応じて、対面壁部60A,60Bと対面壁部44A,44Bとを、ビス48で固定することにより、横胴縁である胴縁140A,140Bも、胴縁施工具50に嵌合させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の実施形態に係る取付具を示した概略斜視図である。
【図2】図1の取付具を示した平面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る胴縁施工具を示した平面図である。
【図4】図3の胴縁施工具を示した概略斜視図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る胴縁施工具を示した概略斜視図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係る胴縁施工具を示した概略斜視図である。
【図7】本発明の第4実施形態に係る胴縁施工具を示した概略斜視図である。
【図8】本発明の第5実施形態に係る胴縁施工具を示した平面図である。
【図9】図8の胴縁施工具を示した概略斜視図である。
【図10】本発明の第6実施形態に係る胴縁施工具を示した概略斜視図である。
【図11】本発明の第7実施形態に係る胴縁施工具を示した概略斜視図である。
【図12】本発明の第8実施形態に係る胴縁施工具を示した概略斜視図である。
【図13】本発明の第9実施形態に係る胴縁施工具を示した概略斜視図である。
【図14】従来技術の出隅における胴縁施工の状態を示した図である。
【符号の説明】
【0088】
10…取付具、12…、17…コンクリート外壁、18,18A,18B,18C,18D…壁面、19A…出隅、19B…入隅、20…断熱材、50,50A,50B,50C,150,150A,150B,150C…胴縁施工具、52,52A,52B,52C,152,152A,152B,152C…第1の嵌合部、54,54A,54B,54C,154,154A,154B,154C…第2の嵌合部、56a,156…連結部、56A,156A…連結金具、58,158…プレート部、60A,60B,160A,160B…壁部、62A,62B,162A,162B…切り欠き対、70,71,140A,140B…胴縁、72,172…取付面部(プレート部)、74A,74B,174A,174B…フランジ部(対面壁部)、76A,76B,176A,176B…爪部、80…外装材。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出隅に配されると共に、胴縁が取り付けられる胴縁施工具であって、
前記出隅の一方の壁面に沿って延在する前記胴縁が嵌合されると共に、前記一方の壁面に沿って略水平に配される第1の嵌合部と、
前記出隅の他方の壁面に沿って延在する前記胴縁が嵌合されると共に、前記他方の壁面に沿って略水平に配される第2の嵌合部と、
前記出隅の角に配されると共に、前記第1の嵌合部と前記第2の嵌合部とを連結する連結部とを備える、胴縁施工具。
【請求項2】
入隅に配されると共に、胴縁が取り付けられる胴縁施工具であって、
前記入隅の一方の壁面に沿って延在する前記胴縁が嵌合されると共に、前記一方の壁面に沿って略水平に配される第1の嵌合部と、
前記入隅の他方の壁面に沿って延在する前記胴縁が嵌合されると共に、前記他方の壁面に沿って略水平に配される第2の嵌合部と、
前記入隅の角に配されると共に、前記第1の嵌合部と前記第2の嵌合部とを連結する連結部とを備える、胴縁施工具。
【請求項3】
前記第1の嵌合部と前記第2の嵌合部と前記連結部とが一体である、請求項1又は2に記載の胴縁施工具。
【請求項4】
前記第1の嵌合部と前記第2の嵌合部と前記連結部とが互いに別体である、請求項1又は2に記載の胴縁施工具。
【請求項5】
前記第1及び第2の嵌合部の各嵌合部は、前記壁面に対して略平行に延在する短冊状のプレート部と、このプレート部から前記壁面から離間する方向に立設された互いに対面する一対の対面壁部と、この一対の対面壁部の対面方向に対峙する前記対面壁部の頂部に形成された切り欠き対とを有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の胴縁施工具。
【請求項6】
前記嵌合部に取り付けられる前記胴縁が、前記嵌合部の前記対面壁部の対面方向に延在し、前記対面壁部に形成された前記切り欠き対に嵌め込まれるフランジ部と被覆材が取り付けられる取付面部とを有する、請求項5に記載の胴縁施工具。
【請求項7】
前記第1及び第2の嵌合部の各嵌合部は、前記壁面に対して略平行に延在する短冊状のプレート部と、このプレート部に前記壁面から離間する方向に、互いに対面するように立設され、且つ、互いの対面方向に屈曲した爪部が各頂部に形成された一対の対面壁部とを有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の胴縁施工具。
【請求項8】
前記嵌合部に取り付けられる胴縁が、前記嵌合部の前記対面壁部の対面方向に延在し、前記対面壁部に形成された前記各爪部が嵌め込まれると共に前記各爪部を係止する返し部を有する一対の切り欠き対が各々に設けられた対面する一対のフランジ部と、前記一対のフランジ部の間に架け渡された被覆材が取り付けられる取付面部とを有する、請求項7に記載の胴縁施工具。
【請求項9】
出隅に配されると共に、胴縁が取り付けられる胴縁施工具であって、前記出隅の一方の壁面に沿って延在する前記胴縁が嵌合されると共に、前記一方の壁面に沿って略水平に配される第1の嵌合部と、前記出隅の他方の壁面に沿って延在する前記胴縁が嵌合されると共に、前記他方の壁面に沿って略水平に配される第2の嵌合部と、前記出隅の角に配されると共に、前記第1の嵌合部と前記第2の嵌合部とを連結する連結部とを備える前記胴縁施工具を用いた胴縁施工方法であって、
前記第1及び第2の嵌合部がそれぞれ前記出隅の対応する前記壁面に沿って略水平に延在し、且つ、前記連結部が前記出隅の角に位置するように前記胴縁施工具を設置する工程と、
前記第1及び第2の嵌合部の少なくともいずれか一方に前記胴縁を嵌合する工程とを有する、胴縁施工方法。
【請求項10】
入隅に配されると共に、胴縁が取り付けられる胴縁施工具であって、前記入隅の一方の壁面に沿って延在する前記胴縁が嵌合されると共に、前記一方の壁面に沿って略水平に配される第1の嵌合部と、前記入隅の他方の壁面に沿って延在する前記胴縁が嵌合されると共に、前記他方の壁面に沿って略水平に配される第2の嵌合部と、前記入隅の角に配されると共に、前記第1の嵌合部と前記第2の嵌合部とを連結する連結部とを備える前記胴縁施工具を用いた胴縁施工方法であって、
前記第1及び第2の嵌合部がそれぞれ前記入隅の対応する前記壁面に沿って略水平に延在し、且つ、前記連結部が前記入隅の角に位置するように前記胴縁施工具を設置する工程と、
前記第1及び第2の嵌合部の少なくともいずれか一方に前記胴縁を嵌合する工程とを有する、胴縁施工方法。
【請求項1】
出隅に配されると共に、胴縁が取り付けられる胴縁施工具であって、
前記出隅の一方の壁面に沿って延在する前記胴縁が嵌合されると共に、前記一方の壁面に沿って略水平に配される第1の嵌合部と、
前記出隅の他方の壁面に沿って延在する前記胴縁が嵌合されると共に、前記他方の壁面に沿って略水平に配される第2の嵌合部と、
前記出隅の角に配されると共に、前記第1の嵌合部と前記第2の嵌合部とを連結する連結部とを備える、胴縁施工具。
【請求項2】
入隅に配されると共に、胴縁が取り付けられる胴縁施工具であって、
前記入隅の一方の壁面に沿って延在する前記胴縁が嵌合されると共に、前記一方の壁面に沿って略水平に配される第1の嵌合部と、
前記入隅の他方の壁面に沿って延在する前記胴縁が嵌合されると共に、前記他方の壁面に沿って略水平に配される第2の嵌合部と、
前記入隅の角に配されると共に、前記第1の嵌合部と前記第2の嵌合部とを連結する連結部とを備える、胴縁施工具。
【請求項3】
前記第1の嵌合部と前記第2の嵌合部と前記連結部とが一体である、請求項1又は2に記載の胴縁施工具。
【請求項4】
前記第1の嵌合部と前記第2の嵌合部と前記連結部とが互いに別体である、請求項1又は2に記載の胴縁施工具。
【請求項5】
前記第1及び第2の嵌合部の各嵌合部は、前記壁面に対して略平行に延在する短冊状のプレート部と、このプレート部から前記壁面から離間する方向に立設された互いに対面する一対の対面壁部と、この一対の対面壁部の対面方向に対峙する前記対面壁部の頂部に形成された切り欠き対とを有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の胴縁施工具。
【請求項6】
前記嵌合部に取り付けられる前記胴縁が、前記嵌合部の前記対面壁部の対面方向に延在し、前記対面壁部に形成された前記切り欠き対に嵌め込まれるフランジ部と被覆材が取り付けられる取付面部とを有する、請求項5に記載の胴縁施工具。
【請求項7】
前記第1及び第2の嵌合部の各嵌合部は、前記壁面に対して略平行に延在する短冊状のプレート部と、このプレート部に前記壁面から離間する方向に、互いに対面するように立設され、且つ、互いの対面方向に屈曲した爪部が各頂部に形成された一対の対面壁部とを有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の胴縁施工具。
【請求項8】
前記嵌合部に取り付けられる胴縁が、前記嵌合部の前記対面壁部の対面方向に延在し、前記対面壁部に形成された前記各爪部が嵌め込まれると共に前記各爪部を係止する返し部を有する一対の切り欠き対が各々に設けられた対面する一対のフランジ部と、前記一対のフランジ部の間に架け渡された被覆材が取り付けられる取付面部とを有する、請求項7に記載の胴縁施工具。
【請求項9】
出隅に配されると共に、胴縁が取り付けられる胴縁施工具であって、前記出隅の一方の壁面に沿って延在する前記胴縁が嵌合されると共に、前記一方の壁面に沿って略水平に配される第1の嵌合部と、前記出隅の他方の壁面に沿って延在する前記胴縁が嵌合されると共に、前記他方の壁面に沿って略水平に配される第2の嵌合部と、前記出隅の角に配されると共に、前記第1の嵌合部と前記第2の嵌合部とを連結する連結部とを備える前記胴縁施工具を用いた胴縁施工方法であって、
前記第1及び第2の嵌合部がそれぞれ前記出隅の対応する前記壁面に沿って略水平に延在し、且つ、前記連結部が前記出隅の角に位置するように前記胴縁施工具を設置する工程と、
前記第1及び第2の嵌合部の少なくともいずれか一方に前記胴縁を嵌合する工程とを有する、胴縁施工方法。
【請求項10】
入隅に配されると共に、胴縁が取り付けられる胴縁施工具であって、前記入隅の一方の壁面に沿って延在する前記胴縁が嵌合されると共に、前記一方の壁面に沿って略水平に配される第1の嵌合部と、前記入隅の他方の壁面に沿って延在する前記胴縁が嵌合されると共に、前記他方の壁面に沿って略水平に配される第2の嵌合部と、前記入隅の角に配されると共に、前記第1の嵌合部と前記第2の嵌合部とを連結する連結部とを備える前記胴縁施工具を用いた胴縁施工方法であって、
前記第1及び第2の嵌合部がそれぞれ前記入隅の対応する前記壁面に沿って略水平に延在し、且つ、前記連結部が前記入隅の角に位置するように前記胴縁施工具を設置する工程と、
前記第1及び第2の嵌合部の少なくともいずれか一方に前記胴縁を嵌合する工程とを有する、胴縁施工方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−152677(P2006−152677A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−344684(P2004−344684)
【出願日】平成16年11月29日(2004.11.29)
【出願人】(391048762)パラマウント硝子工業株式会社 (19)
【出願人】(000003975)日東紡績株式会社 (251)
【出願人】(504339712)サイトウ商工株式会社 (9)
【出願人】(502306903)八潮建材工業株式会社 (18)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月29日(2004.11.29)
【出願人】(391048762)パラマウント硝子工業株式会社 (19)
【出願人】(000003975)日東紡績株式会社 (251)
【出願人】(504339712)サイトウ商工株式会社 (9)
【出願人】(502306903)八潮建材工業株式会社 (18)
【Fターム(参考)】
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