説明

脂肪アシルイセチオネート界面活性剤を含有する安定な液体クレンジング組成物

本発明は、15から50重量%の脂肪アシルイセチオネート界面活性剤製品と1%以上の高温安定化系とを含み、該脂肪アシルイセチオネート界面活性剤製品が10から50重量%の脂肪酸および/または脂肪セッケンと35から85重量%の脂肪アシルイセチオネートとを含有しかつ液体組成物中の界面活性剤製品の少なくとも60%を構成し、高温安定化系が、(i)アルキルアミドアミド、アルキルアミンオキシドおよびそれらの混合物から成るグループから選択された0.1から8重量%の化合物、および、(ii)C9−C30脂肪族炭化水素油、アンモニウム塩、有機アミン、直鎖状C8−C13脂肪酸/脂肪アルコール、分枝状脂肪酸およびそれらの混合物から成るグループから選択された0.3から8重量%の化合物を含み、液体組成物中の脂肪アルコールと分枝状脂肪酸との合計量が2重量%以下であるような液体クレンザー組成物を提供する。重要な特徴は、独特な組合せの界面活性剤結晶変性剤が、低温および高温の双方で脂肪アシルイセチオネート含有液体組成物の安定性を保証することである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、身体の皮膚または毛髪手入れ用液体クレンジング組成物を目的とする。より本発明は特に、主要界面活性剤として脂肪アシルイセチオネート界面活性剤を身体の皮膚または毛髪用液体クレンジング組成物中の脂肪イセチオネート界面活性剤製品と他の合成界面活性助剤との合計の少なくとも60重量%のレベルで含む身体の皮膚または毛髪手入れ用クレンジング組成物に関する。市販の脂肪アシルイセチオネート界面活性剤製品は、脂肪アシルイセチオネートと遊離脂肪酸/脂肪セッケンとの混合物を含む。主題発明は、イセチオネート界面活性剤製品中の総脂肪酸が常に脂肪アシルイセチオネート界面活性剤製品の少なくとも10%、好ましくは少なくとも15%となるように界面活性剤製品中の脂肪酸/脂肪セッケンの範囲が限定(出発値は約10%)されている脂肪アシルイセチオネート界面活性剤製品を対象とする。
【背景技術】
【0002】
脂肪アシルイセチオネート(たとえば、ココイルイセチオネート)は、泡立ちがよい、皮膚を刺激しない、皮膚緩和性がよい、などの理由から身体手入れ用製品、特に身体の皮膚または毛髪手入れ用クレンジング製品中の極めて望ましいアニオン性界面活性剤である。脂肪酸イセチオネートは典型的には脂肪酸のエステル化によってまたは炭素鎖長C−C20の脂肪酸塩化物とイセチオネートとの反応によって製造される。脂肪アシルイセチオネートを含有する代表的な界面活性剤製品(たとえば商品として販売または生産されている界面活性剤製品)は、約40から95重量%の脂肪アシルイセチオネート、0から50重量%、典型的には5から40重量%の遊離脂肪酸、および、典型的には5%未満のイセチオネート塩、および、微量(2重量%未満)の他の不純物を含有している。
【0003】
しかしながら、液体組成物中の主要界面活性剤としてアシルイセチオネート界面活性剤製品が液体組成物中の脂肪イセチオネート界面活性剤製品と他の合成界面活性剤との合計の少なくとも60重量%のレベルで使用されるとき、市販または既成の脂肪アシルイセチオネート製品をこのような液体組成物に使用した場合には、これらの化合物の水溶解度が低いことに伴う問題が生じる。脂肪アシルイセチオネート界面活性剤製品が高レベルの遊離脂肪酸/脂肪セッケン(10重量%以上)および/または長鎖脂肪アシルイセチオネート成分(たとえばC14以上)を含有する場合にはこの問題が特に深刻である。界面活性剤製品の脂肪アシルイセチオネート成分は不溶性の界面活性剤結晶を形成し易く、これらの結晶の溶解温度範囲が広いので結晶の量は貯蔵温度に大きく左右される。その結果として低温および高温において極めて増粘性または極めて減粘性の稠度を示す不安定な液体クレンザーとなる。低温では液体組成物が使用し難い半固体ゲルになる。高温では液体組成物が製品の相分離を生じる水っぽい減粘性液体になる。
【0004】
従って、低温および高温の双方において恒常的な粘度を有している組成物は多大な利点を与えるであろう。また、このような恒常的な粘度を確保する構成成分の処理方法が得られること、および、液体クレンザー組成物中の主要界面活性剤(界面活性剤全体の少なくとも60%を構成する)として脂肪アシルイセチオネート製品をそれらの遊離脂肪酸/脂肪セッケンの含量にかかわりなくまたは脂肪アシルイセチオネート、脂肪酸もしくは脂肪酸セッケン成分の鎖長にかかわりなく容易に使用できることも多大な利点を与えるであろう。本発明はまさに、このような組成物およびかかる組成物の製造方法を提供するものである。
【0005】
より特定的には本発明は、脂肪アシルイセチオネートおよび脂肪酸の結晶の一部をこれらの長鎖脂肪酸および/または脂肪アシルイセチオネート結晶の溶解温度以上の温度で粘性の界面活性剤液晶に変換しその結果として界面活性剤製品を使用した液体組成物の安定性を確保する十分に高い粘度を与えることによって粘度の不恒常性および物理的不安定性という問題を解決できると認識する。安定性は、45℃で2週間の貯蔵後に視認できる物理的分離が存在しないことと定義される。このような安定性は、組成物中に、(1)アルカノールアミドおよび/またはアルキルアミンオキシドと、(2)アンモニウム塩、炭化水素油、有機アミン、脂肪アルコール、脂肪酸およびこれらの成分の混合物から成るグループから選択される1種類の成分と、の組合せを含む高温貯蔵安定化系を使用することによって得られる。安定系の化合物は、界面活性剤結晶を変性してより恒常的な粘度を創出し、その結果として脂肪アシルイセチオネート製品が遊離脂肪酸含量またはイセチオネート、脂肪酸および/もしくは脂肪酸セッケンの鎖長にかかわりなく低温および高温の双方でより恒常的な粘度を獲得し従って貯蔵安定性になるのであると考えられる。
【0006】
アシルイセチオネート液体は当業界に存在してはいる。たとえば、Leeらの米国特許第5,415,810号は、脂肪アシルイセチオネートと、おそらくはイセチオネートの可溶化および等方性液体の形成を助ける双イオン性界面活性剤(たとえば、ココアミドプロピルベタイン)とを含む組成物を開示している。該参考文献は、アルカノールアミドの使用(1列、27−30行)および遊離脂肪酸特に長鎖脂肪酸の使用(2列、34−39行)を別々の箇所で教示しており、両者の具体的な組合せの使用については教示していない。
【0007】
Brodyらの米国特許第5,739,365号および米国公開2004/0224863はいずれも、脂肪酸イセチオネートの可溶化を助けるためのアンモニウム対イオンを有する合成界面活性剤の使用を開示している。
【0008】
Greeneらの米国特許第5,132,037号(および関連米国特許第5,234,619号および米国特許第5,290,471号)は、C−C22アシルイセチオネート、合成界面活性剤および好ましくはC16以上の遊離脂肪酸を含む組成物を開示している。主題発明のアルカノールアミドおよび/またはアルキルアミンオキシド界面活性剤の結晶変性剤は開示されていない。また、アシルイセチオネートに長期間安定化系を提供するためにこれらの変性剤と第二成分との双方を具体的に組合せて使用する方法も開示されていない。
【0009】
いずれもPuvvada名義の米国特許第5,952,286号および米国特許第6,077,816号はアシルイセチオネートを含有できかつ可溶性ラメラ相誘導構造化剤(たとえば分枝状脂肪酸)を含む液体クレンジング組成物を開示している。アミド類は、場合によっては使用できる任意成分として言及されているが、アシルイセチオネート安定化系を提供するためにそれらの使用が必要であること、それらをアルカノールアミドおよび/またはアルキルアミンオキシドと併用しなければならないことは教示も開示もされていない。まして、安定化系の成分を一定の最小量で使用しなければならないことも開示または教示されていない。
【0010】
出願人らは2006年12月に主題発明の結晶変性剤系と同様の結晶変性剤系を含む液体組成物に関する3つの事例を出願した。しかしながらこれらの出願のいずれにおいても、脂肪アシルイセチオネート界面活性剤製品が界面活性剤系の60%以上を構成する組成物中に変性剤を使用できること、または、脂肪アシルイセチオネート/脂肪酸結晶が高温(40℃以上)で溶解したときに変性剤が粘性の界面活性剤液晶を形成することによって機能することは予測されていなかった。
【0011】
参考文献類を単独で考察してもまたは考え合せても、液体組成物中の主要界面活性剤として脂肪アシルイセチオネート界面活性剤製品を脂肪アシルイセチオネート界面活性剤製品と他の合成界面活性剤との合計の少なくとも60重量%、好ましくは70重量%のレベルで含む組成物において、アルカノールアミドおよび/またはアルキルアミンオキシドの組合せをアンモニウム塩、有機アミン、炭化水素油、脂肪アルコール、脂肪酸およびそれらの混合物から成るグループから選択された成分と共に含む独特の界面活性剤結晶変性剤系/安定化系を使用し、室温で形成されたアシルイセチオネート/脂肪酸結晶はそれらが高温(40℃以上)で溶解したときに粘性の界面活性剤液晶に部分的に変換され、脂肪酸含量またはアシルイセチオネート界面活性剤、遊離脂肪酸もしくは脂肪酸セッケンの脂肪酸鎖長にかかわりなくアシルイセチオネート含有液体を提供できる組成物は教示または示唆されていない。形成された組成物は温度感受性の低い製品粘度を示すので高温貯蔵条件下で安定である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第5,415,810号
【特許文献2】米国特許第5,739,365号
【特許文献3】米国特許出願公開第2004/0224863号
【特許文献4】米国特許第5,132,037号
【特許文献5】米国特許第5,234,619号
【特許文献6】米国特許第5,290,471号
【特許文献7】米国特許第5,952,286号
【特許文献8】米国特許第6,077,816号
【発明の概要】
【0013】
1つの実施態様において本発明は、組成物中の脂肪アシルイセチオネート界面活性剤製品と界面活性助剤との合計の少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも70重量%のレベルの脂肪アシルイセチオネート界面活性剤製品を含有しており、高温における液体組成物の粘度を向上させるために使用された界面活性剤構造変性剤の独特な組合せによって安定化されている新規な液体クレンジング組成物に関する。
【0014】
より特定的には本発明は、
(a)当該製品中に10から50重量%の脂肪酸および/または脂肪セッケンと35から85重量%の脂肪アシルイセチオネートとを含有し、当該製品は液体組成物中のa項の界面活性剤製品とb項の界面活性助剤との合計の少なくとも60%を含む、15から50重量%の脂肪アシルイセチオネート界面活性剤製品、
(b)アニオン性((a)の脂肪アシルイセチオネートは除外)、両性および非イオン性の界面活性剤ならびにそれらの混合物から成るグループから選択され、a項の脂肪アシルイセチオネート界面活性剤製品とb項の界面活性助剤との合計量の0から40重量%の量で存在する0から15重量%の界面活性助剤、および
(c)(i)アルカノールアミド、アルキルアミンオキシドおよびそれらの混合物から成るグループから選択された0.1から8重量%の化合物、
(ii)C9−C30脂肪族炭化水素油、アンモニウム塩、有機アミン、直鎖状C8−C13脂肪酸/脂肪アルコール、分枝状脂肪酸およびそれらの混合物から成るグループから選択され、(泡立ちに対する潜在効果が理由で)液体組成物中の脂肪アルコールと分枝状脂肪酸との合計量が2重量%以下となる量で存在する0.3から8重量%の化合物と、
を含む1%以上の高温安定化系、
を含み、
b項の界面活性助剤に対するa項の脂肪アシルイセチオネート界面活性剤製品の比が10/0から6/4の範囲であること、該液体クレンザー組成物の0.01s−1の粘度が25℃で少なくとも250Pas好ましくは少なくとも350Pasでなければならないこと、0.01s−1で測定したときに25℃の粘度に対する40℃の粘度の比が少なくとも0.1好ましくは0.2極めて好ましくは0.4でなければならないこと、および、組成物が45℃で少なくとも2週間は安定である(すなわち、物理的に安定であり視認できる分離が生じない。)ことを特徴とする液体クレンジング組成物を含む。
【0015】
この組成物は周囲温度にあるときに、30℃から50℃の温度で溶解する界面活性剤結晶を含有している。
【0016】
第二の実施態様において、本発明は、脂肪アシルイセチオネート界面活性剤製品、界面活性助剤および上述のような高温安定系を使用したこのような組成物の製造方法に関する。
【0017】
これらのおよびその他の形態、特徴および利点は以下の詳細な記載および後出の特許請求の範囲の読解によって平均的な当業者には明らかになるであろう。本発明のいずれか1つの形態の特徴は本発明の他のいずれの形態にも当然利用できる。後出の実施例の目的は本発明の明瞭な解説であり、本発明の限定でないことは理解されよう。実験実施例における以外のまたは他の指定がある場合を除いて、この文中に使用した成分の量または反応条件を表す全ての数値はどの場合にも“約”という用語によって修飾されていると理解されたい。同様に、全てのパーセンテージは他の指定がない限り全組成物の重量/重量パーセンテージである。“xからyまで”という形式で表された数値範囲はxおよびyを含むと理解される。特定の形態について“xからyまで”に多数の好ましい範囲が記載されているときは、異なる端点を結びつける全ての範囲が考察されていると理解される。明細書または特許請求の範囲に“含む”という用語が使用されている場合、具体的に説明されていない用語、段階または特徴は排除されないこととする。すべての温度は他の指示がない限り摂氏温度(℃)である。すべての測定値は他の指示がない限りSI単位である。引用されたすべての参考文献は参照によってこの文中の適正箇所に組込まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、脂肪アシルイセチオネート界面活性剤製品だけを含有し本発明の独特な高温安定化系を含まない液体組成物の粘度プロフィルに対する温度の効果を示す(表2の比較実施例1A)。数値は、サンプルが貯蔵温度に極めて敏感な粘度を有することを示す。25℃のサンプルの粘度は0.01s−1で875Pasであり、ローション様の稠度を有している。40℃のサンプルの粘度は0.01s−1でわずかに23Pasであり、水っぽい減粘性液体になる。40℃対25℃の粘度比は0.026であり、サンプルは45℃の貯蔵条件で1週間以内に相分離を示した。
【図2】図2は、図1に示した組成物と同じレベルの脂肪アシルイセチオネート界面活性剤製品を、本発明の安定化系を形成する界面活性剤結晶変性剤すなわちココモノエタノールアミドおよびアンモニウム塩の組合せと共に含有する液体組成物、すなわち、表1の実施例1の液体組成物の粘度プロフィルである。サンプルは40℃のときに25℃のときよりも高い粘度を有しており、40℃対25℃の粘度比は1.61に等しい(0.01s−1で測定)。サンプルは周囲温度および45℃の双方で4週間以上安定であった。
【図3】図3は、脂肪アシルイセチオネート界面活性剤製品とココアミドプロピルベタインおよびラウリルエトキシル化硫酸ナトリウム界面活性助剤との混合物を含有し本発明の独特な安定化系を形成する界面活性剤結晶変性剤を含まない表2の比較実施例4Aに示した液体組成物の粘度プロフィルに対する温度の効果を示す。数値は、このサンプルが貯蔵温度に極めて敏感な粘度を有することを示す。25℃のサンプルはローション様テキスチャーを有している。しかしながら40℃のサンプルは水っぽい減粘性液体になっている。40℃対25℃の粘度比は0.021であり、サンプルは45℃の貯蔵条件で相分離を示した。
【図4】図4は本発明の界面活性剤結晶変性剤すなわちココモノエタノールアミドと炭化水素油との組合せを含有する液体組成物、すなわち、図3に示した液体組成物(表1の実施例4)の粘度プロフィルである。25℃のサンプルはやはりローション様テキスチャーを有しており、40℃のときにもその粘度を維持しており、45℃で4週間以上安定であった。
【図5A】図5Aおよび図5Bは、比較実施例1Aおよび本発明の実施例1のDSC曲線である。これらの2つのDSC曲線は、双方のサンプルが30℃から50℃の範囲の溶解温度をもつ脂肪アシルイセチオネート/脂肪酸界面活性剤結晶を含有することを示す。本発明の安定化系を使用すると、液体は界面活性剤結晶が溶解する高温でも高い粘度を維持している。界面活性剤高温安定系を形成する独特の組合せは不溶性脂肪アシルイセチオネート/脂肪酸結晶がその溶解温度よりも高い温度で溶解したときに本発明の液体組成物の界面活性剤混合物のパッキングを変化させて低粘度の界面活性剤ミセルでなく粘性の界面活性剤液晶を形成させるので、液体が高粘度を維持しまたその物理的安定性を維持すると考えられる。
【図5B】図5Aおよび図5Bは、比較実施例1Aおよび本発明の実施例1のDSC曲線である。これらの2つのDSC曲線は、双方のサンプルが30℃から50℃の範囲の溶解温度をもつ脂肪アシルイセチオネート/脂肪酸界面活性剤結晶を含有することを示す。本発明の安定化系を使用すると、液体は界面活性剤結晶が溶解する高温でも高い粘度を維持している。界面活性剤高温安定系を形成する独特の組合せは不溶性脂肪アシルイセチオネート/脂肪酸結晶がその溶解温度よりも高い温度で溶解したときに本発明の液体組成物の界面活性剤混合物のパッキングを変化させて低粘度の界面活性剤ミセルでなく粘性の界面活性剤液晶を形成させるので、液体が高粘度を維持しまたその物理的安定性を維持すると考えられる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、主要界面活性剤として脂肪アシルイセチオネートを組成物中の脂肪アシルイセチオネート界面活性剤製品と界面活性助剤との合計の少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも70重量%のレベルで含有する新規な液体クレンジング組成物に関する。組成物は、出発界面活性剤の遊離脂肪酸のレベル(たとえば本発明では10から50%)または脂肪アシルイセチオネート、遊離脂肪酸および/または脂肪酸の鎖長(アシルイセチオネートを含む組成物の特に低温および高温における安定性および粘度を左右する代表的な要因)にかかわりなく、粘性でありかつ極めて安定である。
【0020】
より特定的には本発明は、
(a)当該製品中に10から50重量%の脂肪酸および/または脂肪セッケンと35から85重量%の脂肪アシルイセチオネートとを含有し、液体組成物中のa項の界面活性剤製品とb項の界面活性助剤との合計の少なくとも60%を構成している15から50重量%の脂肪アシルイセチオネート界面活性剤製品と、
(b)アニオン性((a)の脂肪アシルイセチオネートは除外)、両性および非イオン性の界面活性剤ならびにそれらの混合物から成るグループから選択され、a項の脂肪アシルイセチオネート界面活性剤製品とb項の界面活性助剤との合計量の0から40重量%の量で存在する0から15重量%の界面活性助剤と、
(c)(i)アルカノールアミド、アルキルアミンオキシドおよびそれらの混合物から成るグループから選択された0.1から8重量%の化合物と、
(ii)C9−C30脂肪族炭化水素油、アンモニウム塩、有機アミン、直鎖状C8−C13脂肪酸/脂肪アルコール、分枝状脂肪酸およびそれらの混合物から成るグループから選択され、(泡立ちに対する潜在効果が理由で)液体組成物中の脂肪アルコールと分枝状脂肪酸との合計量が2重量%以下となる量で存在する0.1から8重量%の化合物と、
を含む1%以上の高温安定化系と、
を含み、
b項の界面活性助剤に対するa項の脂肪アシルイセチオネート界面活性剤製品の比が10/0から6/4の範囲であること、該液体クレンザー組成物の0.01s−1の粘度が25℃で少なくとも250Pas好ましくは少なくとも350Pasでなければならないこと、0.01s−1で測定したときに25℃の粘度に対する40℃の粘度の比が少なくとも0.1好ましくは0.2極めて好ましくは0.4以上でなければならないこと(比が大きいほど、安定性がよい)、および、組成物が45℃で少なくとも2週間は安定である(すなわち、物理的に安定であり視認できる分離が生じない)ことを特徴とする液体クレンジング組成物を含む。
【0021】
この組成物は周囲温度にあるときに、30℃から50℃の温度で溶解する界面活性剤結晶を含有している。
【0022】
本発明をより詳細に以下に定義する。
【0023】
定義
本発明における脂肪アシルイセチオネート“製品”は、(他の構成成分に加えて)純脂肪アシルイセチオネート界面活性剤、ならびに、遊離脂肪酸および/または脂肪酸塩を含む。
【0024】
脂肪アシルイセチオネート界面活性剤製品
本発明の組成物は、10重量%、好ましくは15重量%を上回る量の遊離脂肪酸および/または脂肪セッケンを含む脂肪アシルイセチオネート界面活性剤製品を15から50重量%の量で含む。
【0025】
脂肪アシルイセチオネート界面活性剤は典型的には、アルカリ金属イセチオネートのようなイセチオネート塩と8から20個の炭素原子を有しており20g未満のヨウ素価(不飽和度の尺度)を有する脂肪族脂肪酸との反応、たとえば、式
HORSOM+RCOOH→RCOORSO
の反応によって製造される。
【0026】
式中のRは2から4個の炭素を含有する脂肪族炭化水素ラジカルであり、
Mはアルカリ金属カチオンまたは金属イオン(たとえば、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、リチウム)、アンモニウムもしくは置換アンモニウムのカチオンまたは他の対イオンであり、
Rは7から24個好ましくは8から22個の炭素を有している脂肪族炭化水素ラジカルである。
【0027】
使用する処理条件次第で、得られる脂肪アシルイセチオネート製品は45から95重量%の脂肪アシルイセチオネートと、50からほぼ0重量%、典型的には40から5重量%の遊離脂肪酸と、典型的には5重量%未満で存在するイセチオネート塩と、微量(2重量%未満)の他の不純物との混合物であり得る。市販の脂肪アシルイセチオネート界面活性剤の製造には脂肪族脂肪酸の混合物が一般的に使用され、得られた脂肪アシルイセチオネート界面活性剤(たとえば、アルカリ金属イセチオネートと脂肪族脂肪酸との反応によって得られる)は、少なくとも20重量%(脂肪アシルイセチオネート反応生成物基準)の割合で炭素原子数14以上の脂肪アシル基を含有し、16重量%以上の割合で炭素原子数14以上の脂肪酸を含有している。これらの界面活性剤は周囲温度では水に不溶な界面活性剤結晶を形成する。後述する示差走査熱量測定法(DSC)を使用し、6.0から7.5の範囲のpHをもつ液体中で脂肪アシルイセチオネート界面活性剤製品だけを含有する水溶液(表2の比較実施例1A)の結晶転移温度を測定すると、これらの脂肪アシルイセチオネート/脂肪酸結晶は、図5Aに示すように30℃から45℃の範囲に溶解温度を有している。これらの脂肪アシルイセチオネート/脂肪酸結晶が存在するので、液体組成物中にこれらの市販の脂肪酸イセチオネート製品を主要界面活性剤として(界面活性剤系の60%以上)含有する液体は室温よりも低い温度では極めて高い粘度を有している。しかしながら40℃以上になると、図1および図3の双方に示すようにこれらの界面活性剤結晶が溶解するので液体は水っぽい減粘性液体になる。これが高温(40℃以上)における製品の稠度低下および貯蔵不安定性の原因である。
【0028】
本発明の最も重要な特徴は、脂肪アシルイセチオネート製品含有液体クレンザーを高温貯蔵(40℃以上)したときに不溶性脂肪イセチオネート/脂肪酸結晶の溶解に起因する極端な稠度低下およびその不安定性が界面活性剤結晶系の特定の組合せ(すなわち本発明の高温貯蔵安定化系)を使用することによって解決されること、得られる液体組成物が高い貯蔵温度(40℃以上)のときには粘性の界面活性剤液晶を形成することによってその稠度およびその安定性を維持できることである。
【0029】
いまや恒常的に使用される特に好ましい10重量%以上の脂肪酸/脂肪酸セッケン含有の脂肪アシルイセチオネート製品は、DEFI(脂肪イセチオネートの直接エステル化)フレーク、身体クレンザー用としてDEFIから製造された合成洗剤ヌードルを含む。DEFIフレークは典型的には約65から80重量%の脂肪アシルイセチオン酸ナトリウムと15から30重量%の遊離脂肪酸とを含有する。得られた脂肪アシルイセチオネートの脂肪アシル基の65重量%超が12から18個の炭素原子を有している。Dove(R)の固形クレンジングヌードルは、上述のDEFIフレークと長鎖(主としてC16およびC18)脂肪酸と約40から60重量%の脂肪アシルイセチオネートと30から40重量%の脂肪酸および脂肪セッケンとを含有する脂肪セッケンとの混合物である。本発明に使用し得る他の市販の脂肪アシルイセチオネート製品の例は、Hostapon(R) SCI65C、Jordapon(R) CI65のようなClariant社のHostapon(R)界面活性剤、および、YA−SCI−75(R)またはYA−SCI−65(R)のようなYongan Daily Chemical Co.社のココイルイセチオン酸ナトリウムである。
【0030】
指摘したように、これらの脂肪アシルイセチオネート界面活性剤製品は身体用液体組成物、特に脂肪アシルイセチオネート製品が界面活性剤系の60%以上を構成する組成物の製造には一般的に使用されていなかった。何故ならば、それらは固体結晶を形成し易く(単独使用および/または界面活性助剤と共に使用されたとき)、その結果として周囲温度および高温の双方で恒常的な粘度をもつ安定な液体を形成することが極めて難しいからである。
【0031】
本発明の液体クレンザー組成物中に使用される脂肪アシルイセチオネート界面活性剤製品の量は、液体組成物の15重量%から50重量%、好ましくは15重量%から45重量%の範囲にすることができる。好ましいレベルは、本発明の液体クレンザー中の脂肪アシルイセチオネート界面活性剤製品と他の合成界面活性助剤との合計量に依存する。使用される量はまた、界面活性剤系の総量すなわち脂肪アシルイセチオネート界面活性剤製品と以下に記載の合成界面活性助剤との合計量の60から100重量%の範囲でなければならない。
【0032】
合成界面活性助剤
主題発明の第二の成分は、以下に記載のようなアニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双イオン性界面活性剤、両性界面活性剤から成るグループから選択される界面活性剤である。このような合成界面活性助剤は上述の脂肪アシルイセチオネート界面活性剤製品を部分的に可溶化すると考えられる。本発明に使用される合成界面活性助剤の量は、液体組成物中の純脂肪アシルイセチオネート界面活性剤のレベル次第で0から15重量%の範囲にできる。液体組成物中の界面活性助剤の量はまた、組合せた液体クレンザー組成物の純脂肪アシルイセチオネート製品と合成界面活性助剤との合計重量の0から40重量%好ましくは0から30重量%の範囲でなければならない。
【0033】
アニオン性界面活性剤はたとえば、第一級アルカン(たとえばC−C22)スルホネート、第一級アルカン(たとえばC−C22)ジスルホネート、C−C22アルケンスルホネート、C−C22ヒドロキシアルカンスルホネートもしくはアルキルグリセリルエーテルスルホネート(AGS)のような脂肪族スルホネートまたはアルキルベンゼンスルホネートのような芳香族スルホネートでよい。
【0034】
アニオン性界面活性剤はまた、アルキルスルフェート(たとえばC12−C18アルキルスルフェート)またはアルキルエーテルスルフェート(アルキルグリセリルエーテルスルフェートを含む)でもよい。アルキルエーテルスルフェートのうちには、式
RO(CHCHO)SO
を有するものがある。
【0035】
式中のRは8から18個の炭素好ましくは12から18個の炭素を有しているアルキルまたはアルケニルであり、nは少なくとも0.5好ましくは2から3よりも大きい平均値を有しており、Mはナトリウム、カリウム、アンモニウムまたは置換アンモニウムのような可溶化カチオンである。ラウリルエーテル硫酸アンモニウムおよびラウリルエーテル硫酸ナトリウムが好ましい。
【0036】
アニオン性界面活性剤はまた、アルキルスルホスクシネート(モノ−およびジアルキル、たとえばC−C22スルホスクシネートを含む)、アルキルおよびアシルタウレート、アルキルおよびアシルサルコシネート、アルキルおよびアシルグリシネート、アルキルスルホアセテート、C−C22アルキルホスフェート、アルキルホスフェートエステルおよびアルコキシアルキルホスフェートエステル、アシルラクテート、C−C22モノアルキルスクシネートおよびマレエートならびに分枝状アシルイセチオネートでもよい。
【0037】
アニオン性界面活性剤はまた、Jordapon CIのような脂肪酸レベルが10重量%未満の脂肪アシルイセチオネート界面活性剤製品でもよい。これは8重量%未満の脂肪酸を含むココイルイセチオン酸ナトリウムである。
【0038】
他のクラスのアニオン性界面活性剤は、以下の式
R−(CHCHO)CO
で示されるカルボキシレートである。式中のRはC−C20のアルキルであり、nは1から20であり、Mは上記の定義と同義である。
【0039】
使用できる別のカルボキシレートはたとえばSeppic社のMonteine LCQ(R)のようなアミノアルキルポリペプチドカルボキシレートである。
【0040】
双イオン性界面活性剤の代表例は、広範囲には脂肪族第四級アンモニウム、ホスホニウムおよびスルホニウム化合物の誘導体と記述でき、誘導体中の脂肪族ラジカルが直鎖状または分枝状であり、脂肪族置換基の少なくとも1つが約8から約18個の炭素原子を含有し、1つがアニオン性基たとえばカルボキシ、スルホネート、スルフェート、ホスフェートまたはホスホネート基を含有している。これらの化合物の一般式は:
【0041】
【化1】

であり、式中のRは炭素原子数約8から約18のアルキル、アルケニルまたはヒドロキシアルキルラジカル、0から約10個のエチレンオキシド部分および0から約1個のグリセリル部分を含有し、Yは窒素、リン、イオウ原子から成るグループから選択され、Rは約1から約3個の炭素原子を含有するアルキルまたはモノヒドロキシアルキル基であり、XはYがイオウ原子のときは1、Yが窒素またはリン原子のときは2であり、Rは炭素原子数約1から約4のアルキレンまたはヒドロキシアルキレンであり、Zはカルボキシレート、スルホネート、スルフェート、ホスホネートおよびホスフェート基から成るグループから選択されたラジカルである。
【0042】
本発明に使用し得る両性洗剤は少なくとも1つの酸基を含む。これはカルボン酸基またはスルホン酸基でよい。それらは第四級窒素を含み、従って第四級アミド酸である。それらは一般に炭素原子数7から18のアルキルまたはアルケニル基を含まなければならない。それらは通常は一般構造式:
【0043】
【化2】

によって表され、式中のRは炭素原子数7から18のアルキルまたはアルケニルであり、RおよびRはおのおの独立に炭素原子数1から3のアルキル、ヒドロキシアルキルまたはカルボキシアルキルであり、nは2から4であり、mは0から1であり、Xは、場合によりヒドロキシルで置換された炭素原子数1から3のアルキレンであり、Yは−CO−または−SO−である。
【0044】
アンホアセテートおよびジアンホアセテートも使用可能な双イオン性および/または両性化合物に包含されることとする。
【0045】
使用し得る非イオン性界面活性剤は特に、疎水性基を有する化合物と反応性水素原子との反応生成物、たとえば、脂肪族アルコール、酸、アミドまたはアルキルフェノールとアルキレンオキシド、特に単独使用もしくはプロピレンオキシド併用のエチレンオキシドとの反応生成物を含む。具体的な非イオン性洗剤化合物は、アルキル(C−C22)フェノール−エチレンオキシド縮合物、脂肪族(C−C18)第一級または第二級の直鎖状または分枝状アルコールとエチレンオキシドとの縮合産物、プロピレンオキシドとエチレンジアミンとの反応生成物とエチレンオキシドとの縮合によって得られる生成物である。その他のいわゆる非イオン性洗剤化合物は、長鎖第三級アミンオキシド、長鎖第三級ホスフィンオキシドおよびジアルキルスルホキシドを含む。
【0046】
非イオン性界面活性剤はまた、多糖アミドのようなアミドでもよい。具体的には、界面活性剤が、参照によってここに組込まれるAuらの米国特許第5,389,279号に記載されたラクトビオンアミドの1つでもよく、または、参照によって主題出願に組込まれるKelkenbergの特許第5,009,814号に記載された糖アミドの1つでもよい。
【0047】
使用し得るその他の界面活性剤は、Parran Jr.の米国特許第3,723,325に記載され、また、Llenadoの米国特許第4,565,647号に開示されたアルキル多糖非イオン性界面活性剤である。双方の特許は参照によって主題出願に組込まれるものとする。
【0048】
好ましいアルキル多糖は式
O(C2nO)(グリコシル)
のアルキルポリグリコシドであり、式中のRは、アルキル基に約10から約18個、好ましくは約12から約14個の炭素原子を含有するアルキル、アルキルフェニル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルフェニルおよびそれらの混合物から成るグループから選択され、nは0から3、好ましくは2であり、tは0から約10、好ましくは0であり、xは1.3から約10、好ましくは1.3から約2.7である。グリコシルは好ましくはグルコースに由来する。これらの化合物を製造するためには、最初にアルコールまたはアルキルポリエトキシアルコールを形成し、次にグルコースまたはグルコース源と反応させてグルコシド(1位に付着)を形成する。次に、追加のグリコシル単位をそれらの1位と先行グリコシル単位の2−、3−、4−および/または6−位との間、好ましくは主として2位との間で付着させる。
【0049】
使用し得るその他の界面活性剤はParran Jr.の米国特許第3,723,325号およびSchwartz,Perry & Berchによる“Surface Active Agents and Detergents”(Vol.I & II)に記載されている。双方の文献は参照によって主題出願に組込まれるものとする。
【0050】
高温貯蔵安定系
本発明のもう1つの必須成分は、界面活性剤結晶変性剤系(すなわち高温貯蔵安定化系)であり、この系は、アルカノールアミドおよび/またはアルキルアミンオキシドと、炭化水素油、アンモニウム塩、有機アミン、直鎖状C8−C13脂肪酸/脂肪アルコール、分枝状脂肪酸およびそれらの混合物から成るグループから選択された成分との組合せを含む。界面活性剤の“高温貯蔵安定系”を形成するこの独特な組合せは40℃のときに液体組成物の粘度を向上させ、従って液体組成物の粘度は40℃以上で貯蔵されたときに十分に粘性に維持されてその物理的安定性を維持することが知見された(図1と2、および、図3と4を比較)。界面活性剤の高温貯蔵安定系を形成するこの独特な組合せは、不溶性の脂肪アシルイセチオネート/脂肪酸結晶がその溶解温度よりも高温で溶解したときに本発明の液体組成物の界面活性剤混合物のパッキングを変化させ、低粘度の界面活性剤ミセルでなく粘性の界面活性剤液晶を形成させるので、液体が高い粘度および物理的安定性を維持すると考えられる。本発明の液体組成物中に不溶性の脂肪アシルイセチオネート結晶が存在することは交差偏光光学顕微鏡を使用するかまたはサンプルのDSC曲線によって確認できる。後述する方法を使用して測定したサンプルのDSC曲線は図5Bに示すように30℃から50℃の間の温度に結晶熱転移を有していなければならない。
【0051】
使用し得るアルカノールアミドおよびアルキルアミンオキシドの例は非限定的に、約10から20個の炭素原子を有している脂肪酸のモノ−およびジ−エタノールアミド、N−メチルモノエタノールアミドおよびイソプロパノールアミド、ならびに、PPG−ヒドロキシエチルコカミド、10から20の範囲の炭素鎖長をもつアルキルアミンオキシドを含む。適当な化合物の具体例は、ココモノエタノールアミド、ココジエタノールアミド、ラウリルモノ/またはジエタノールアミド、ココモノ/またはジイソプロパノールアミド、ラウリルモノ/またはジエタノールアミド、ミリスチルモノ/またはジエタノールアミド、ココイルN−メチルモノエタノールアミド、ココイルアミンオキシド、ラウリルアミンオキシド、ミリスチルアミンオキシド、および、ポリプロピレングリコール−2−ヒドロキシエチルココアミドを含む。本発明に特に有用な成分はココモノまたはジエタノールアミド、ラウリルモノ/またはジエタノールアミド、ラウリルアミンオキシドおよびココアミンオキシドである。
【0052】
本発明の安定化系の第二成分として有用な炭化水素油は600好ましくは400g/モル未満の分子量を有していなければならない。実例は、9から30炭化水素の炭化水素油好ましくは10から24炭化水素の直鎖状炭化水素油である。ヘキサデカンもしくはドデカンのような純炭化水素油またはSonneborn社の40oilもしくはKlearol(R)白色鉱油のような低分子量鉱油でよい。
【0053】
使用し得るアンモニウム塩または有機アミンは非限定的に、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、トリ−エタノールアミン、モノ−またはジ−エタノールアミンを含む。
【0054】
結晶変性剤として使用し得る脂肪酸または脂肪アルコールは、ラウリン酸、カプリン酸、ラウリルアルコールのような炭素数8から13の直鎖状脂肪酸もしくは脂肪アルコールまたはオレイン酸およびイソステアリン酸のようなC12−C20炭化水素の分枝状脂肪酸である。本発明の液体組成物中の脂肪アルコールと分枝状脂肪酸との合計量は液体クレンザーの泡立ちにマイナスの影響を与えるので2重量%以下、好ましくは1重量%以下である。
【0055】
本発明において組合せた安定化系成分の合計量は、脂肪アシルイセチオネートと合成界面活性助剤との合計量次第で液体組成物の1.0から16重量%にすることができ、系の少なくとも0.1好ましくは0.3重量%がアルカノールアミドまたはアルキルアミンオキシドからなるようにする。より特定的には、高温貯蔵安定系の合計量が本発明の液体組成物中の純脂肪アシルイセチオネートと合成界面活性助剤との合計量の少なくとも5重量%、好ましくは少なくとも10重量%でなければならない。従ってたとえば、液体が15重量%の純脂肪アシルイセチオネートと5重量%の合成界面活性剤とを含むならば、少なくとも1重量%の安定化系が存在しなければならない。
【0056】
本発明の液体組成物中で必要とされる高温貯蔵安定系のレベルおよび組成は、以下に記載の粘度測定法を使用し、界面活性剤高温貯蔵安定系成分を様々な量で含有する本発明の液体クレンザー組成物の粘度を25℃および40℃で測定することによって決定できる。0.01s−1の粘度が25℃で少なくとも250Pas好ましくは350Pasでなければならない。また、0.01s−1で25℃の粘度に対する40℃の粘度の比が少なくとも0.1、好ましくは0.2、極めて好ましくは0.4でなければならない。この比が高いほど高温安定性がよい。上述の粘度基準以外に、所望の組合せの液晶変性剤を含有する液体組成物は45℃で2週間以上安定でなければならない。
【0057】
水溶性/水分散性ポリマー
水溶性/水分散性ポリマーは、本発明の液体組成物に含有させるのが好ましい任意成分である。水溶性/または水分散性ポリマーは100,000ドルトンを上回る分子量をもつカチオン性、アニオン性、両性または非イオン性ポリマーでよい。これらのポリマーは使用中および使用後の皮膚の感触性を改善し、泡のクリーム性および泡の安定性を強化し、液体クレンザ−組成物の粘度を向上させることが知られている。
【0058】
本発明に有用な水溶性/水分散性ポリマーの例は、セルロースガム、微晶質セルロース、セルロースゲル、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシメチルまたはカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、グアーガム、カラヤガム、トラガカントガム、アラビアガム、アカシアガム、寒天ガム、キサンタンガムおよびそれらの混合物のような糖質ガム;ゲル化温度30から85℃の改質および非改質デンプン顆粒ならびにプレゲル化冷水溶性デンプン;ポリアクリレート;Carbopol類;Aculyn 28、Aculyn 22もしくはCarbopol AquaSR1のようなアルカリ溶性エマルションポリマー;Rhone Poulencから商品名Jaguar C13S、Jaguar C14S、Jaguar C17もしくはJaguar C16として販売されているカチオン性グアーを含む改質多糖のようなカチオン性ポリマー;Amerchol社のUCARE Polymer JR30またはJR40のようなカチオン性改質セルロース;Hercules社のN−Hance 3000、N−Hance 3196、N−Hance GPX215またはN−Hance GPX196;Nalco社のMerQuat 100、MerQuat 280、MerQuat 281およびMerQuat 551のような合成カチオン性ポリマー;カチオン性デンプン、たとえば、Staley Inc.社のStaLok(R) 100、200、300および400;Henkel,Inc.社のGalactasol 800シリーズのグアーガムを基材とするカチオン性ガラクトマンナン;Quadrosoft Um−200;およびポリクアテルニウム−24を含む。
【0059】
改質または非改質デンプン顆粒、キサンタンガム、Carbopol、アルカリ溶性エマルションポリマーのようなゲル形成ポリマー、Jaguar C13Sのようなカチオン性グアーガム、UCARE Polymer JR30またはJR40のようなカチオン性改質セルロースが本発明に特に好ましい。
【0060】
水溶性皮膚有益物質
水溶性皮膚有益物質は本発明の液体組成物に含有させるのが好ましいもう1つの任意成分である。様々な水溶性皮膚有益物質を使用でき、そのレベルは0から40重量%、好ましくは1から30重量%にできる。材料は非限定的に、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、パンテノールおよび糖のようなポリヒドロキシアルコール;尿素、グリコール酸または乳酸のようなアルファ−ヒドロキシ酸およびその塩;分子量20,000未満の低分子量ポリエチレングリコールを含む。液体組成物中に使用するための好ましい水溶性皮膚有益物質はグリセロール、ソルビトールおよびプロピレングリコールである。
【0061】
本発明の液体クレンジング組成物はまた0から40重量%の有益物質を含み得る。
【0062】
成分の1つのクラスは、たとえば皮膚を湿潤および強化するために使用される栄養分である。これらは
(a)ビタミンAおよびEのようなビタミン類、ならびに、ビタミンCアルキルエステルのようなビタミンアルキルエステル類;
(b)コレステロール、コレステロールエステル、ラノリン、クリーム質、ショ糖エステルおよび擬似セラミドのような脂質;
(c)リン脂質のようなリポソーム形成材料、および、2つの長い炭化水素鎖をもつ適当な両親媒性分子;
(d)必須脂肪酸、ポリ不飽和脂肪酸およびこれらの材料源;
(e)ヒマワリ油、プリムローズ油、アボカド油、アーモンド油のような不飽和脂肪酸のトリグリセリド;
(f)シアバターのような飽和および不飽和の脂肪酸混合物から形成された植物性バター;
(g)亜鉛、マグネシウムおよび鉄のような鉱物源
を含む。
【0063】
第二のタイプの皮膚有益物質は肌に潤い感を与えるために使用される皮膚コンディショナーである。適当な皮膚コンディショナーは、
(a)シリコーン油、ガムおよびその変形、たとえば、直鎖状および環状のポリジメチルシロキサン、アミノ、アルキルおよびアルキルアリールシリコーン油;
(b)液体パラフィン、ペトロラタム、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス、セレシン、スクアレン、プリスタン、パラフィンワックスおよび鉱油のような炭化水素;
(c)乳タンパク質、シルクタンパク質およびグルテンのような皮膚コンディショニングタンパク質;
(d)コンディショナーとして使用できるカチオン性ポリマーはQuatrisoft LM−200、ポリクアテルニウム−24、MerQuat Plus 3330−ポリクアテルニウム30およびJaguar(R)型のコンディショナーを含む;
(e)グリセロール、ソルビトールおよび尿素のような保湿剤;
(f)皮膚緩和薬、たとえばイソプロピルパルミテートおよびセチルラクテートのような長鎖脂肪酸のエステル
を含む。
【0064】
第三のタイプの有益物質はディープクレンジング剤である。この文中でディープクレンジング剤は、洗浄直後の爽快感を強化する成分または不完全洗浄に伴う皮膚のトラブルを解決できる成分であると定義する。ディープクレンジング剤は、
(a)2−ヒドロキシ−4,2’,4’−トリクロロジフェニルエーテル(DP300)、2,6−ジメチル−4−ヒドロキシクロロベンゼン(PCMX)、3,4,4’−トリクロロカルバリニド(TCC)、3−トリフルオロメチル−4,4’−ジクロロカルバリニド(TFC)、過酸化ベンゾイル、亜鉛塩、茶油のような抗菌剤、
(b)サリチル酸、乳酸、グリコール酸およびクエン酸ならびに過酸化ベンゾイル(抗菌剤でもある)のような抗アクネ剤、
(c)シリカ、二酸化チタンのような皮脂抑制剤、変性剤、マイクロスポンジのような油吸収剤を含む油調整剤、
(d)タンニン、亜鉛およびアルミニウムの塩を含む収斂剤、緑茶およびアメリカマンサク(Hamamelis)のような植物エキス、
(e)ポリエチレン球、凝集シリカ、糖、ならびに、クルミ、モモ、アボカドおよびエンバクなどの粉砕核、種子および殻、塩のような研磨および剥脱粒子、
(f)メタノールおよびその様々な誘導体ならびに低級アルコールのような清涼剤、
(g)果実およびハーブのエキス、
(h)アロエベラのような皮膚鎮静剤、
(i)ハッカ、ジャスミン、ショウノウ、ニオイヒバ、苦オレンジピール、リュウ、テルペンチン、肉桂、ベルガモット、温州みかん、ショウブ、マツ、ラベンダー、月桂樹、丁子、ヒバ、ユーカリ、レモン、スターフラワー、タイム、ペパーミント、バラ、セージ、メンソール、シネオール、スゲノール(sugenol)、シトラール、シトロネル、ボルネオール、リナロール、ゲラニオール、マツヨイグサ、ショウノウ、チモール、スピラントール、ペネン、リモネンおよびテイペノイドオイルのような精油
を含む。
【0065】
使用できる他の有益物質は、抗加齢化合物、日光遮蔽剤および美白物質を含む。
【0066】
有益物質が油、特に低粘度の油であるとき、その送達を促進するために予め増粘するのが有利であろう。このような場合、Heらの米国特許第5,817,609号に記載されたタイプの疎水性ポリマーを使用するとよい。この文献は参照によって主題出願に組込まれるものとする。
【0067】
最終的な本発明の液体クレンザー組成物は、後述する粘度測定法に従い、Rheometric Scientific SR5 Rheolmeterによって、25℃で測定したとき、好ましくは10℃、25℃および40℃で測定したときに、0.01rpsの測定粘度が250、好ましくは350Pasを上回り、pHが4.0から8.0、好ましくは5.0から7.5の範囲内でなければならない。周囲温度で組成物は30℃から50℃の範囲内に溶解温度をもつ界面活性剤結晶を含有している。組成物はまた、室温および45℃で少なくとも2週間は物理的に相安定でなければならない。
【0068】
他の任意成分
さらに、本発明の組成物は以下のような任意成分を0から10重量%の量で含み得る。
【0069】
香料;0.01から1%好ましくは0.01から0.05%の量のエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム(EDTA)、EHDPまたはそれらの混合物のような金属イオン封鎖剤;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、TiO、EGMS(エチレングリコーモノステアレート)またはLytron 621(スチレン/アクリレートコポリマー)のような着色剤、乳白剤および真珠光沢剤。これらはいずれも製品の外観または化粧特性を改善するために有用である。
【0070】
組成物はさらに、2−ヒドロキシ−4,2’,4’トリクロロジフェニルエーテル(DP300)のような抗菌剤;ジメチロールジメチルヒダントイン(Glydant XL 100)、パラベン、ソルビン酸のような防腐剤などを含み得る。
【0071】
たとえばブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)のような抗酸化剤は約0.01%の量で適宜使用されるのが有利である。
【0072】
コンディショナーとして使用し得るポリエチレングリコールは
【0073】
【表1】

を含む。
【0074】
含有させ得る別の成分は、ポリオキシエチレンビーズ、クルミ殻およびアプリコット種子のような剥脱薬である。
【実施例】
【0075】
実施例およびプロトコル
示差走査熱量測定法(DSC)
気密シールしたアルミニウムパンでサンプルを計量し、TA Instruments社の2920 MDSC機に25℃で充填した。サンプルを温度2℃まで平衡させ、2分間のIso−Track後、5℃/分で60℃まで加熱した。
【0076】
粘度測定手順
粘度はRheometric Scientific社のSR−5レオメーターまたはTA Instruments社のAR−G2レオメーターを使用して測定した。クレンザーの粘度を測定するための手順および各レオメーターの設定を以下に記載する。
【0077】
計器:SR−5、Rheometric Scientific製
形状:円錐および平皿
直径:25mm
円錐頂角:5.69度
ギャップ:0.056mm
実験条件:
テストのタイプ:定常速度走査
剪断速度勾配:0.01から100まで(対数モード、10毎に5点)
測定時間:20秒
温度;複数(10℃/25℃/40℃)
【0078】
手順
約0.5gのサンプルを平皿に注いだ。ギャップが0.1mmになるまで円錐を降下させ、プラスチックスパチュラで余剰のサンプルを除去した。ギャップを0.056mmに縮めて試験を開始した。剪断速度対粘度をプロットした。
【0079】
代替計器:AR−G2、TA Instruments製
形状:円錐および平皿
直径:40mm
円錐頂角:2度
ギャップ:0.061mm
実験条件:
テストのタイプ:定常速度走査
剪断速度勾配:0.01から100まで(対数モード、10毎に5点)
測定時間:40秒
温度;複数(10℃/25℃/40℃)
【0080】
手順
約0.5gのサンプルを平皿に注いだ。ギャップが0.1mmになるまで円錐を降下させ、プラスチックスパチュラで余剰のサンプルを除去した。ギャップを0.061mmに縮めて試験を開始した。剪断速度対粘度をプロットした。
【0081】
本発明の組成物の実施例を以下に示す。
【0082】
【表2】

【0083】
表1の実施例は、香料、glydant plus、EDTAおよび硫酸アンモニウム(使用する場合)以外の全部の成分を混合し、Dove(R)ヌードル、DEFIフレークおよびココモノエタノールアミド(CMEA)のような固体成分がすっかり溶解して均一な混合物を形成するまで70から75℃で20から30分間かき混ぜることによって調製した。液体を40℃以下に冷却した後で香料、glydant plus(ヒダントイン防腐剤)および硫酸アンモニウムを添加した。30%クエン酸または25%NaOHの溶液を使用してこれらの液体のpHを6.0から7.0に調整した。DEFIおよびDove(R)はいずれもUnilever社によって製造されている脂肪アシルイセチオネート製品である。DEFIは、C8−C18脂肪アシルイセチオネートを68から72重量%の量でおよび炭素数8−18の脂肪酸を18から22重量%の量で含有する。Dove(R)は、68から72重量%のDEFIを18−25重量%の長鎖(C16−C18)脂肪酸および脂肪セッケンと混合することによって調製される。Dove(R)は約48から52重量%の脂肪アシルイセチオネート界面活性剤と32から36重量%の脂肪酸/脂肪セッケンを含有している。
【0084】
サンプルを室温および45℃で4週間以上貯蔵した。表1に示した全部のサンプルが25℃のとき0.01s−1で400Pasを上回る粘度を有しており、0.01s−1で測定した40℃対25℃の粘度比は0.2を上回っていた。サンプルは25℃および45℃で4週間の貯蔵後に安定であり視認できる物理的分離は生じなかった。これらの実施例は、本発明が高レベルの脂肪酸/脂肪セッケンを含有する脂肪アシルイセチオネート界面活性剤製品を十分な統計的有効度で安定化させることを示す(すなわち、界面活性剤結晶変性剤が使用された組成物は脂肪酸含量および/または脂肪アシル基の鎖長にかかわりなく高温および低温の双方で少なくとも4週間は恒常的に安定である)。
【0085】
比較のために、本発明の界面活性剤結晶変性剤系を含まない、すなわち、表2に示すようにCMEAと炭化水素油とアンモニウムイオンおよび/またはラウリン酸の組合せを含まない以外は実施例1、2、4、6および7と同様の組成をもつ比較実施例を調製した。比較実施例はいずれも上記と同じやり方で調製した。これらのサンプルには液体組成物の安定化に必要な成分の1つが欠如しているので45℃で2週間以上安定であったサンプルはなく、2週間未満で相分離を示した。より詳細には、比較実施例1Aは本発明の高温貯蔵安定系を全く含有しなかった。比較実施例1C、4A、6Aおよび7AはCMEA非含有であった。比較実施例1B、3Aおよび4BはCMEAだけを含有しその他の本発明の必要成分を含有しなかった。すべての比較実施例が高温および周囲温度で恒常的な粘度を有していなかった。比較実施例6Aおよび7A以外はいずれも25℃対40℃の粘度比が0.20未満であった。比較実施例6Aおよび7Aの25℃の粘度は、本発明の好ましい液体粘度の最低値と考えられる350Pasを下回っている。
【0086】
【表3】

【0087】
表3に与えた組成をもつ実施例10から16を上述と同じ方法で調製した。本発明の粘度変性剤系を使用しDove(R)バーヌードルと様々な合成界面活性剤との混合物を調製した。表3の実施例はすべて25℃および40℃の双方で4週間の貯蔵後に視認できる相分離を生じることなく安定である。
【0088】
本発明の安定な液体組成物を形成するためのCMEAのようなアルカノールアミドおよび炭化水素油のレベルは一般に脂肪アシルイセチオネートと合成界面活性助剤との組合せにも左右されることに注目されたい。これは、同じ結晶変性剤系(安定化系)すなわち2%のCMEA、0.5%のM40鉱油および2%の硫酸アンモニウムを使用するが異なる合成界面活性助剤を使用している表3の実施例10と11および表2の比較実施例10Aによって示されている。Dove(R)バーヌードルとココイルイセチオン酸ナトリウム(実施例10)またはココイルグリシン酸カリウムとの組合せは安定であるが、ラウリルスルホコハク酸ナトリウムとの組合せ(比較実施例10A)との組合せは安定でない。
【0089】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体用液体クレンジング組成物であって、
(a)15から50重量%の脂肪アシルイセチオネート界面活性剤製品(当該製品中に10から50重量%の脂肪酸および/または脂肪セッケンおよび35から85重量%の脂肪アシルイセチオネートとを含有し、当該製品は液体組成物中のa項の界面活性剤製品とb項の界面活性助剤との合計の少なくとも60%を含む。)、
(b)0から15重量%の界面活性助剤(アニオン性((a)の脂肪アシルイセチオネートは除外)、両性および非イオン性の界面活性剤ならびにそれらの混合物から成るグループから選択され、a項の脂肪アシルイセチオネート界面活性剤製品とb項の界面活性助剤との合計量の0から40重量%の量で存在する。)、
(c)(i)アルキルアミドアミド、アルキルアミンオキシドおよびそれらの混合物から成るグループから選択された0.1から8重量%の化合物、
(ii)C9−C30脂肪族炭化水素油、アンモニウム塩、有機アミン、直鎖状C8−C13脂肪酸/脂肪アルコール、分枝状脂肪酸およびそれらの混合物から成るグループから選択され、液体組成物中の脂肪アルコールと分枝状脂肪酸との合計量が2重量%以下になる量で存在する0.3から8重量%の化合物、
を含む、1%以上の高温安定化系、
を含み、
b項の界面活性助剤に対するa項の脂肪アシルイセチオネート界面活性剤製品の比が10/0から6/4の範囲であり、前記液体クレンザー組成物の0.01s−1の粘度が少なくとも250Pasであり、0.01s−1で測定したときの25℃の粘度に対する40℃の粘度の比が少なくとも0.1であり、前記組成物が45℃で少なくとも2週間は安定であり(すなわち、物理的に安定であり視認できる分離が生じない。)、および、
前記組成物は周囲温度にあるときに30℃から50℃の温度で溶解する界面活性剤結晶を含有している、組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の組成物であって、前記組成物の製造方法に使用される脂肪シルイセチオネート製品が45から85%の脂肪アシルイセチオネートおよび15から40%の遊離脂肪酸の混合物を含む、組成物。
【請求項3】
(c)(i)項と(c)(ii)項との合計量が請求項1のa項およびb項の純脂肪アシルイセチオネート界面活性剤と合成界面活性助剤との合計量の≧10重量%である請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
(c)(i)項と(c)(ii)項との合計量が請求項1のa項およびb項の純脂肪アシルイセチオネート界面活性剤と合成界面活性助剤との合計量の≧15重量%である請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
さらに、1から20%の皮膚緩和剤を含む請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
脂肪族炭化水素油がCからC20鎖長を有する直鎖状炭化水素である請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
水溶性および/または水分散性ポリマーが、デンプン顆粒 キサンタンガム、Carbopol、架橋可溶性エマルションポリマー、カチオン性グアーおよびそれらの混合物から成るグループから選択されたポリマーである請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
0.01s−1の液体クレンザーの粘度が25℃のときに少なくとも350Pasである請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
0.01s−1の25℃の粘度に対する40℃の粘度の比が少なくとも0.2である請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
脂肪アシルイセチオネート界面活性剤を使用する安定な液体組成物の製造方法であって、以下の(a)から(d)の化合物:
(a)15から50重量%の脂肪アシルイセチオネート界面活性剤製品(当該製品中に10から55重量%の脂肪酸および/または脂肪セッケンおよび35から85重量%の脂肪アシルイセチオネートとを含有し、当該製品は液体組成物中の全界面活性剤製品の少なくとも70%を含む。)、
(b)0から6重量%の界面活性助剤(アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤およびそれらの混合物から成るグループから選択され、a項の脂肪アシルイセチオネート界面活性剤製品とb項の界面活性助剤との合計量の0から30重量%の量で存在する。)、
(c)(i)アルキルアミドアミド、アルキルアミンオキシドおよびそれらの混合物から成るグループから選択された0.1から8重量%の化合物、
(ii)C9−C30脂肪族炭化水素油、アンモニウム塩、有機アミン、脂肪アルコール、分枝状脂肪酸およびそれらの混合物から成るグループから選択された0.5から8重量%の成分、
を含む、1重量%以上の高温安定化系、
を組合せる段階を含み、
界面活性助剤に対する脂肪アシルイセチオネートの比が10/0から6/4の範囲であること、前記液体クレンザー組成物の0.01s−1の粘度が25℃で少なくとも250Pasであり、ならびに0.01s−1の25℃の粘度に対する40℃の粘度の比が少なくとも0.1であり、前記組成物が40℃で少なくとも2週間は物理的に安定でありおよび視認できるように分離せず、および、周囲温度にあるときに前記組成物が30℃から50℃の範囲の温度で溶解する界面活性剤結晶を含有している方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【公表番号】特表2010−538036(P2010−538036A)
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−523468(P2010−523468)
【出願日】平成20年8月19日(2008.8.19)
【国際出願番号】PCT/EP2008/060835
【国際公開番号】WO2009/030594
【国際公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(590003065)ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ (494)
【Fターム(参考)】