説明

脊椎運動分節の横突起間の動的安定化のためのインプラントおよび方法

脊椎運動分節を安定化させるインプラントアセンブリ(30、130)は、隣接した横突起間に位置決め可能な可撓性スペーサ部材(32、132)を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脊椎運動分節の横突起間の動的安定化のためのインプラントおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
脊柱の伸展の結果として起こる椎骨の動きに対する抵抗力をもたらすために、隣接した棘突起間にインプラントを位置決めすることができる。これらのインプラントは、脊椎の伸展を動的に制限する衝撃吸収装置または緩衝装置を提供することができる。インプラントは、棘突起間の該インプラントの位置決めを維持し、また同時に脊椎の屈曲を制限するために、棘突起およびインプラントの周りを完全に延びるループ状のケーブルもしくはストラップによって隣接した棘突起にしっかり固定することができる。棘突起インプラントは、脊椎の正中線に沿った動的安定化をもたらすが、後部椎骨要素の片側または両側の場所での動的安定化は、そのようなインプラントによっては達成されない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
後部椎骨要素を通じて脊椎運動分節の片側または両側の動的安定化をもたらす、脊椎インプラント、インプラントアセンブリ、およびインプラントを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様によれば、脊椎インプラントは、上端部とその反対側の下端部との間を延びるスペーサ部材を含む。上端部および下端部は、それぞれ、1対のアームと、それら1対のアーム間の陥凹表面とを含む。アームは、脊椎運動分節の上側および下側の横突起のうちそれぞれ隣接したものを受けるような構造である。スペーサ部材は、上側の横突起と下側の横突起との間を延びて、脊椎運動分節の伸展時の上側および下側の横突起の互いに向かう動きを動的に制限するようなサイズおよび形状をした圧縮性の本体を含む。
【0005】
他の態様によれば、脊椎インプラントシステムは、脊椎の正中線の第1の側で脊椎運動分節の上側および下側の横突起のうちそれぞれ隣接したものを受けるような構造をした、上端部とその反対側の下端部との間を延びる第1のスペーサ部材を含む。システムは、さらに、脊椎の正中線の第2の側で脊椎運動分節の上側および下側の横突起のうちそれぞれ隣接したものを受けるような構造をした、上端部とその反対側の下端部との間を延びる第2のスペーサ部材を含む。各スペーサ部材は、上側の横突起と下側の横突起との間を延びて、脊椎運動分節の伸展時の上側および下側の横突起の互いに向かう動きを動的に制限するようなサイズおよび形状をした圧縮性の本体を含む。
【0006】
他の態様によれば、脊椎運動分節を安定化させる方法は、脊椎運動分節の隣接した上側の横突起と下側の横突起との間にスペーサ部材を位置決めするステップを含んでおり、該スペーサ部材が、上側の横突起の下面に接触する上端部と、下側の横突起の上面に接触する下端部とを含んでおり、前記方法は、さらに、脊椎運動分節の伸展に応答して横突起間を弾性圧縮するスペーサ部材によって脊椎運動分節を動的に安定化させるステップを含む。
【0007】
以上および他の態様を、以下でさらに論じる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の原理の理解を深めるために、ここで、諸図面に示された諸実施形態を参照し、特定の用語を使用してそれら諸実施形態を説明する。しかし、それによって本発明の範囲を制限しようとするものではないことが理解されよう。ここに示されるデバイスの変更および他の修正ならびに本明細書で示される本発明の原理の他の応用は、本発明が関係する技術分野の技術者が通常思い付くはずのものとして企図される。
【0009】
インプラントは、脊椎の伸展および/または屈曲を動的に安定化させて制限するために、脊椎運動分節の隣接した横突起間に位置決め可能である。インプラントは、横突起間で受けられる、横突起間の伸延力を維持しながら運動分節の伸展運動を可能にするように圧縮可能なスペーサ部材を含む。
【0010】
あるインプラントシステムでは、両側の安定化をもたらすために、スペーサ部材が脊椎運動分節に対して両側に位置決めされる。他のインプラントシステムでは、インプラントシステムによって片側の安定化がもたらされる。他のシステムでは、片側システムについても両側システムについても、マルチレベルの椎骨安定化が企図される。インプラントシステムは、単独で使用することもでき、例えば、ロッド、プレート、テザー(tethers)、椎体間融合固定デバイス、椎体間スペーサ、人工椎間板、線維輪修復(annulus repair)システム、ステープルなど、他のインプラントと併せて使用することもできる。
【0011】
他の形態では、テザーの形態をした1つもしくは複数の係合部材が、インプラントを1つもしくは複数の後部椎骨要素またはインプラントに結合させる。係合部材は、スペーサ部材に係合させることもでき、またはスペーサ部材内を延びることもできる。係合部材は、脊椎の屈曲を制限する構成の後部要素に係合させることができる。代替的に、または追加的に、スペーサ部材が横突起間の植込み場所から変位するのを防ぐ方式で、係合部材を後部要素に係合させることもできる。
【0012】
図1では、脊柱の中心軸21に沿って、上側の椎骨11と、下側の椎骨15と、それらの間の脊椎円板13とを含む脊柱分節10が示されている。椎骨11、15、および円板13は、脊椎運動分節を構成しており、脊椎運動分節が多数の椎骨レベルを含み得ることが理解される。上側の椎骨11は、第1の上側の横突起12と第2の上側の横突起16とを含む。下側の椎骨15は、第1の下側の横突起14と第2の下側の横突起18とを含む。横突起12、14、16、18は、棘突起17、19、椎間関節、椎弓根、および各椎骨11、15の他の後部構造とともに、脊椎運動分節の後部椎骨要素を構成する。
【0013】
脊椎インプラント30は、動的な脊椎安定化をもたらすために後部椎骨要素と係合した状態に位置決めされる。脊椎インプラント30は、脊椎運動分節の伸展の結果として起こる棘突起の互いに向かう動きを制限するために、横突起12、14の隣接表面間を延びてそれら隣接表面に接触するスペーサ部材32を含む。例えば、スペーサ部材32は、横突起12の下面22に接触する上端部34と、横突起14の上面26に接触する下端部36とを含むことができる。スペーサ部材32は、脊椎伸展に応答して弾性的に縮んで伸展力に対する抵抗力をもたらし、かつスペーサ部材32が圧縮されるときの横突起12、14の互いに向かう動きを制限するような構造をした本体を含むことができる。
【0014】
図1は、さらに、脊柱の中心軸21の他の側にある第2の脊椎インプラント30を示す。第2のスペーサ部材32は、他方のインプラント30と同様の構造とすることができ、脊椎運動分節の伸展の結果として起こる棘突起の互いに向かう動きを制限するために、横突起16、18の隣接表面間を延びてそれら隣接表面に接触するように構成される。インプラント30は、脊柱分節10の両側安定化をもたらすように両側で機能する。マルチレベル安定化処置のために、追加のインプラント30を1つもしくは複数の追加の椎骨レベルのところに設けることができる。複数のインプラント30を使用して、1つもしくは複数の椎骨レベルを片側で安定化できることが、さらに企図される。脊椎インプラントは、単独で、または組み合わせて、脊椎のスペース(spinal space)および/または椎孔を伸延させて神経根の圧力を緩和し、脊椎要素を減圧する働きをすることができる。インプラントは、脊椎運動分節の運動能力を維持しながら全体的な安定性をもたらす。
【0015】
図2にさらに示されるように、スペーサ部材32は、1対の上側アーム42と1対の下側アーム44とを含む。上側アーム42は、それらの間に凹状に湾曲した上側表面35を画定し、下側アーム44は、それらの間に凹状に湾曲した下側表面37を画定する。凹状に湾曲した表面35、37は、該表面がそれに当てて位置決めされる横突起の表面に概ね共形なもの、または横突起の表面に共形となることが可能なものとすることができる。アーム42、44は、スペーサ部材32が横突起12、14間の位置決めから外れるのを阻止するために、それぞれの横突起12、14の両側に沿って延び、それら横突起を受ける。
【0016】
スペーサ部材32は、植え込まれた向きにおいて前方を向いた表面46と、後方を向いた表面48とを含む。前方を向いた表面46は、出てくる神経根28を覆って嵌合し、その神経根の衝突を防ぐまたは避けるために、凹状の湾曲部を含むことができる。後方を向いた表面48は、ここに示したように凸状に湾曲したものとすることもでき、凹状の湾曲部を含むこともでき、直線状の形態とすることもできる。
【0017】
加えて、各アーム対42、44は、後部アーム42a、44aと、前部アーム42b、44bとを含む。ここに示される実施形態では、後部アーム42a、44aの厚さは、前部アーム42b、44bの厚さよりも小さい。縮小された厚さは、神経根28が椎孔から出る領域内のスペーサ物質の量を制限し、神経根28が通るために利用可能な空間を増大させる。
【0018】
他の実施形態では、スペーサ部材32の剛性を向上または増大させるために補剛部材を設けることができることが企図される。例えば、図3に示されるように、中心軸33を横切る方向でスペーサ部材32の周囲を延びて該周囲に接触する、バンドの形態をした補剛部材50が示されている。補剛部材50を追加または除去することによってスペーサ部材32の剛性プロファイルを増減できるように、多数の補剛部材50をスペーサ部材32の周りに設けることができる。他の実施形態では、補剛部材50は、スペーサ部材32の長さの大部分に沿って延びる幅を含む。
【0019】
図3では、植え込まれた向きにあるときの、内外方向のスペーサ部材32の形状の一実施形態が示されている。図4は、脊柱の左手側に沿って位置決め可能なスペーサ部材32の一実施形態を、後方から前方に向かう方向で見た立面図で示す。スペーサ部材32は、上端部34と下端部36との間を延びており、前述のように、アーム42は、上端部34のところに設けられ、アーム44は、下端部36のところに設けられる。中心軸33が、スペーサ部材32を、右手側もしくは内側と、左手側もしくは外側とに分ける。スペーサ部材32は、内側に沿って延びる内側表面52と、外側に沿って延びる外側表面54とを含む。下端部36に隣接したところで、内側表面52は、下側アーム44に沿って、中心軸33に向かってまたは中心軸33の片側へと横方向にずれている。内側表面52は、下側アーム44から上端部34のところの上側アーム42へと中心軸33に対して横方向に延びる。内側表面52は、上側アーム42に沿って、中心軸33の内側にずれており、また、下側アーム44に沿った内側表面52の部分に対して内側にずれている。
【0020】
ずれた内側表面52は、横突起と椎弓根との接合部のところでスペーサ部材32を骨構造および骨形状に沿ってまたは当てて設置するのを容易にするような形状である。横突起と椎弓根との接合部のできるだけ近くにスペーサ部材32を設置できるようにすることによって、横突起に作用するモーメントアームが最小限に抑えられる。他の実施形態では、スペーサ部材32は、該スペーサ部材32が骨構造に接触したときに共形となることができるように変形する材料特性をもつように作製される。他の実施形態では、内側表面と外側表面とを互いに平行とすることができる。
【0021】
ここで図5を参照すると、インプラントアセンブリ130が示されている。インプラントアセンブリ130は、上端部134と下端部136との間を延びる本体を有するスペーサ部材132を含む。第1のアームの対142が上端部134に隣接して設けられ、第2のアームの対144が下端部136に隣接して設けられる。スペーサ部材132は、前述のスペーサ部材32に類似しており、脊椎運動分節の隣接した上側の横突起と下側の横突起との間に位置決めされてそれら横突起を受けるような構造である。しかし、インプラントアセンブリ130は、それから延びる、スペーサ部材132を脊椎運動分節の後部椎骨要素またはインプラントに取り付けるための係合部材150を含む。
【0022】
スペーサ部材132は、ここに示した実施形態では該スペーサ部材132の前側および後側を含め、その両側の間を延びる貫通通路148を含む。通路148は、その中で係合部材150を受ける。係合部材150は、多数の係合部材を含むこともでき、または通路148を通ってループ状となった単一の係合部材を含むこともできる。他の諸実施形態は、1つもしくは複数の係合部材150がそれらの中に位置決めされる、単一の通路148、または3つ以上の通路148を企図する。
【0023】
係合部材150は、テザー、コード、ワイヤ、ケーブル、縫合糸、バンド、ストラップ、ベルト、または操作および1つもしくは複数の後部椎骨要素への固定に適した他の構造の形態とすることができる。係合部材150は、後部椎骨要素に巻き付け、または後部椎骨要素の周りに位置決めしてから、圧着または他の適切な留め具によって適所に維持することができる。さらに、係合部材150を任意の適切な方式でスペーサ部材132に結合させることができる。一実施形態では、係合部材150は、スペーサ部材132に可動式に結合される。係合部材150は、スペーサ部材132と一体的に形成することもでき、または留め具、縫合糸、アンカー、ケーブル、リンク、オーバーモールド、または他の適切な連結によって取り付けることもできる。スペーサ部材132には、係合部材150をスペーサ部材132に係合させるのを容易にするために、耳状部、鳩目穴、陥凹部、または他の適切な構造を設けることができる。係合部材150は、脊椎の屈曲を制限することが望ましい脊椎安定化処置で、例えば、上側の横突起の上面と下側の横突起の下面との周りに該係合部材150を巻き付けることによって使用することができる。係合部材は、代替的に、スペーサ部材132を横突起間の適所に維持するための保持機構として使用することもできる。
【0024】
本明細書に記載した様々な実施形態に関して、係合部材は、様々なデバイスおよび/もしくは技術を使用してスペーサ部材に接合もしくは固定することもでき、またはスペーサ部材の拡張部と一体的に形成する、もしくはスペーサ部材の拡張部を形成することもできる。スペーサ部材は、例えば、係合部材をスペーサ部材に縫い付けることによって、熱溶接もしくは熱結合、接着結合、3次元織り/編み、ねじ、ステープル、ピン、鋲、またはリベット固定によって、係合部材に接合するまたは取り付けることができる。さらに、離隔部材を横突起間に設置する前でも、設置した後でも、係合部材をスペーサ部材にしっかり固定することができる。係合部材は、外科処置で脊柱に係合された他のインプラントアセンブリの他の係合部材にも他のインプラントにも係合させることができる。
【0025】
スペーサ部材は、可撓性のある、または少なくともいくらかの可撓性を示す構成要素から製作することができる。そのような構成要素の例には、織布チュービング、織メッシュおよび不織メッシュ、もしくは編み/織り構造、縫合糸、テザー、コード、平面部材、バンド、ワイヤ、ケーブル、または隣接した棘突起間を延びて該棘突起を支持することのできる他の任意の構成要素が含まれる。さらに、挿入および取付けの間ならびにそれらの後でスペーサ部材が様々な形状を呈することができるように、スペーサ部材を弾性(resilient)かつ/または伸縮性(elastic)のものとすることができる。スペーサ部材は、任意の生体適合性材料、合成もしくは天然由来の材料、および吸収性もしくは非吸収性の性質をもつ材料から作製することができる。スペーサ部材の材料の適切な例には、自家移植片、同種移植片、もしくは異種移植片;軟組織、結合組織、脱塩骨基質、およびそれらの組合せを含めた組織材料;ポリラクチド、ポリグリコリド、チロシン由来のポリカーボネート、ポリ無水物、ポリオルトエステル、ポリホスファゼン、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、生体活性ガラス、コラーゲン、アルブミン、フィブリノゲン、およびそれらの組合せを含めた吸収性材料;ならびに、ポリエチレン、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリパラフェニレンテレフタルアミド、ポリエーテルエーテルケトン、セルロース、およびそれらの組合せを含めた非吸収性材料が含まれる。
【0026】
本明細書に記載の係合部材は、合成もしくは天然の自家移植片、同種移植片、または異種移植片を含めた、生体適合性材料のいずれか1つまたはその組合せから作製することができ、吸収性の性質とすることも非吸収性の性質とすることもできる。組織材料の例には、硬組織、結合組織、脱塩骨基質、およびそれらの組合せが含まれる。吸収性材料の他の例は、ポリラクチド、ポリグリコリド、チロシン由来のポリカーボネート、ポリ無水物、ポリオルトエステル、ポリホスファゼン、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、生体活性ガラス、およびそれらの組合せである。非吸収性材料の他の例は、炭素強化高分子複合材料、形状記憶合金、チタン、チタン合金、コバルトクロム合金、ステンレス鋼、およびそれらの組合せである。
【0027】
本発明について諸図面および以上の説明で詳細に図示し説明したが、これらは、特徴を制限するものではなく例示的なものと見なすべきであり、単に好ましい実施形態を示し記載したにすぎないこと、ならびに本発明の趣旨に含まれるすべての変更および修正形態の保護が望まれることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】インプラントアセンブリがそれに係合した脊柱運動分節の後方部分の立面図である。
【図2】図1の脊柱運動分節の側面図である。
【図3】他の実施形態のインプラントアセンブリの立面図である。
【図4】他の実施形態のインプラントアセンブリの立面図である。
【図5】他の実施形態のインプラントアセンブリの立面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脊椎インプラントであって、
上端部とその反対側の下端部との間を延びるスペーサ部材を含んでおり、前記上端部および前記下端部が、それぞれ、1対のアームと、前記1対のアーム間の陥凹表面とを含んでおり、前記アームが、脊椎運動分節の上側および下側の横突起のうちそれぞれ隣接したものを受けるような構造であり、前記スペーサ部材が、前記上側の横突起と前記下側の横突起との間を延びて、前記脊椎運動分節の伸展時の前記上側および下側の横突起の互いに向かう動きを動的に制限するようなサイズおよび形状をした圧縮性の本体を含む、脊椎インプラント。
【請求項2】
前記本体が、前記上側の横突起と前記下側の横突起との間の植込み向きにおける後部の表面と前部の表面とを含んでおり、前記前部および後部の表面が前記第1の端部と前記第2の端部との間を延びており、前記前部の表面が前記第1の端部と前記第2の端部との間に凹状の湾曲部を含む、請求項1に記載のインプラント。
【請求項3】
前記後部の表面が、前記第1の端部と前記第2の端部との間で凸状に湾曲する、請求項2に記載のインプラント。
【請求項4】
前記本体の周囲で前記本体に接触して前記本体の周囲を延びる少なくとも1つのバンドをさらに含んでおり、前記少なくとも1つのバンドが前記本体を前記周囲で圧迫する、請求項1に記載のインプラント。
【請求項5】
前記アーム対のそれぞれが、前記横突起の後側に沿って位置決め可能な後部アームと、前記横突起の前側に沿って位置決め可能な前部アームとを含む、請求項1に記載のインプラント。
【請求項6】
前記植込み向きにおいて、前記後部アームが、それぞれ、前後方向の前記前部アームそれぞれの厚さよりも大きい前後方向の厚さを含む、請求項5に記載のインプラント。
【請求項7】
前記本体が、前記第1の端部と前記第2の端部との間の中心軸に沿って延びており、前記スペーサ部材の前記上端部のところの前記アームが、前記スペーサ部材の前記下端部のところの前記アームから内側方向にずれている、請求項5に記載のインプラント。
【請求項8】
前記本体に係合された、前記本体から延びる少なくとも1つのテザーをさらに含んでおり、前記テザーが、前記脊椎運動分節の後部要素の周りに位置決め可能である、請求項1に記載のインプラント。
【請求項9】
前記本体が、前記上側の横突起と前記下側の横突起との間に位置決めされたときに前記本体の後方を向いた側と前方を向いた側との間で前記本体を貫いて延びる少なくとも1つのボアを含んでおり、前記少なくとも1つのテザーが、前記少なくとも1つのボア内を延びる、請求項8に記載のインプラント。
【請求項10】
前記第1のボアに隣接し、かつ前記第1のボアに平行な、前記本体を貫く第2のボアをさらに含む、請求項9に記載のインプラント。
【請求項11】
脊椎インプラントシステムであって、
脊椎の正中線の第1の側で脊椎運動分節の上側および下側の横突起のうちそれぞれ隣接したものを受けるような構造をした、上端部とその反対側の下端部との間を延びる第1のスペーサ部材と、
前記脊椎の正中線の第2の側で脊椎運動分節の上側および下側の横突起のうちそれぞれ隣接したものを受けるような構造をした、上端部とその反対側の下端部との間を延びる第2のスペーサ部材とを含んでおり、前記スペーサ部材それぞれが、前記上側の横突起と前記下側の横突起との間を延びて、前記脊椎運動分節の伸展時の前記上側および下側の横突起の互いに向かう動きを動的に制限するようなサイズおよび形状をした圧縮性の本体を含む、脊椎インプラントシステム。
【請求項12】
前記スペーサ部材それぞれについて係合部材をさらに含んでおり、前記係合部材それぞれが、前記スペーサ部材を前記脊椎運動分節の後部要素にしっかり固定するために前記後部要素の周りに位置決め可能なテザーの形態をしている、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記スペーサ部材それぞれの前記本体が、前記上側の横突起と前記下側の横突起との間の植込み向きにおいて後部の表面と前部の表面とを含んでおり、前記前部および後部の表面が前記第1の端部と前記第2の端部との間を延びており、前記前部の表面が前記第1の端部と前記第2の端部との間に凹状の湾曲を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記スペーサ部材それぞれについて、前記後部の表面が前記第1の端部と前記第2の端部との間で凸状に湾曲する、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記スペーサ部材それぞれについて、前記本体が、前記上側の横突起を受ける陥凹表面を間に画定する1対の上側アームと、前記下側の横突起を受ける陥凹表面を間に画定する1対の下側アームとを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
前記一対のアームそれぞれが、前記横突起の後側に沿って位置決め可能な後部アームと、前記横突起の前側に沿って位置決め可能な前部アームとを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記スペーサ部材それぞれの前記植込み向きで、前記後部アームが、それぞれ、前後方向の前記前部アームそれぞれの厚さよりも大きい前後方向の厚さを含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
脊椎運動分節を安定化させる方法において、
前記脊椎運動分節の隣接した上側の横突起と下側の横突起との間にスペーサ部材を位置決めするステップであって、前記スペーサ部材が、前記上側の横突起の下面に接触する上端部と、前記下側の横突起の上面に接触する下端部とを含んでいる、ステップと、
前記脊椎運動分節の伸展に応答して前記横突起間を弾性圧縮する前記スペーサ部材によって前記脊椎運動分節を動的に安定化させるステップとを含む方法。
【請求項19】
前記上側および下側の横突起それぞれを前記スペーサ部材の前記上端部および前記下端部それぞれのところでアーム間に位置決めするステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記スペーサ部材をテザーによって前記脊椎運動分節の後部椎骨要素に係合させるステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記スペーサ部材の本体の周りを前記本体の中心軸に対して横方向に延びる補剛部材によって、前記スペーサ部材の剛性を増大させるステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記スペーサ部材の前部表面を凹状に湾曲させることによって椎孔のクリアランスを維持するステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
他方のスペーサ部材とは反対の前記脊椎運動分節の側で、前記脊椎運動分節の隣接した第2の上側の横突起と下側の横突起との間に第2のスペーサ部材を位置決めするステップであって、前記第2のスペーサ部材が、前記第2の上側の横突起の下面に接触する上端部と、前記第2の下側の横突起の上面に接触する下端部とを含んでいる、ステップと、
前記脊椎運動分節の伸展に応答して前記第2の横突起間を弾性圧縮する前記第2のスペーサ部材によって前記脊椎運動分節を動的に安定化させるステップとをさらに含む、請求項21に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−535625(P2008−535625A)
【公表日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−506521(P2008−506521)
【出願日】平成18年4月7日(2006.4.7)
【国際出願番号】PCT/US2006/012857
【国際公開番号】WO2006/110462
【国際公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【出願人】(506298792)ウォーソー・オーソペディック・インコーポレーテッド (366)
【Fターム(参考)】