説明

脱硫システムおよび脱硫システムの制御方法

【課題】 脱硫器の不具合を抑制することができる脱硫システムおよび脱硫システムの制御方法を提供する。
【解決手段】 脱硫システム(100)は、水素含有ガスに改質される原燃料ガスの水分を吸着する吸着材を備える除湿器(21)と、除湿器(21)によって除湿された原燃料ガスを脱硫する脱硫器(22)と、除湿器(21)に供給される原燃料ガスよりも水蒸気分圧の低いまたは温度が高い除湿器再生ガスを除湿器(21)に供給することによって除湿器(21)を再生させる再生手段(40)と、再生手段(40)が除湿器(21)に除湿器再生ガスを供給する際に、除湿器(21)から排気される除湿器再生ガスに脱硫器(22)をバイパスさせる第1バイパス手段(24)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱硫システムおよび脱硫システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池の発電等で消費される水素は、例えば、改質器において生成される。改質器においては、炭化水素等の原燃料ガスと改質水との水蒸気改質反応によって水素が生成される。原燃料ガスには、漏出の早期発見の目的で、硫黄化合物等の付臭剤が微量に含まれている。この硫黄化合物は、改質器の改質効率低下の原因となるため、改質器に供給される前に除去されていることが好ましい。
【0003】
そこで、脱硫器が設けられることがある。また、原燃料ガス中の水分除去の目的で、脱硫器の前段に除湿器が設けられることがある。特許文献1は、除湿器および脱硫器のセットを複数備え、必要に応じて除湿器および脱硫器を再生させる技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−277300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術では、除湿器および脱硫器を同時に再生させている。この場合、再生時に除湿器から脱離してきた水蒸気により、脱硫器に不具合が生じることがある。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、脱硫器の不具合を抑制することができる脱硫システムおよび脱硫システムの制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る脱硫システムは、水素含有ガスに改質される原燃料ガスの水分を吸着する吸着材を備える除湿器と、前記除湿器によって除湿された前記原燃料ガスを脱硫する脱硫器と、前記除湿器に供給される前記原燃料ガスよりも水蒸気分圧の低いまたは温度が高い除湿器再生ガスを前記除湿器に供給することによって前記除湿器を再生させる再生手段と、前記再生手段が前記除湿器に前記除湿器再生ガスを供給する際に、前記除湿器から排気される前記除湿器再生ガスに前記脱硫器をバイパスさせる第1バイパス手段と、を備えることを特徴とするものである。本発明に係る脱硫システムにおいては、除湿器を再生させる際に脱硫器への水分の流入を抑制することができる。それにより、脱硫器の不具合を抑制することができる。
【0008】
前記再生手段が前記除湿器に前記除湿器再生ガスを供給する際に、前記原燃料ガスを、前記除湿器を経由せずに前記脱硫器に供給する第2バイパス手段を備えていてもよい。前記再生手段は、前記吸着材の温度、前記原燃料ガスの温度、または外気温が所定値を上回る場合に、前記除湿器再生ガスを前記除湿器に供給してもよい。前記再生手段は、前記吸着材の温度上昇率が所定値を下回った場合に、前記除湿器再生ガスを前記除湿器に供給してもよい。前記除湿器再生ガスは、エアとしてもよい。前記除湿器再生ガスは、加熱されたエアとしてもよい。前記第1バイパス流路は、前記除湿器から排気される前記エアを、燃料電池のカソードに供給してもよい。
【0009】
前記原燃料ガスが前記除湿器および前記脱硫器の順に経由して改質器に供給されかつ前記エアが前記除湿器および前記脱硫器を経由せずに前記燃料電池のカソードに供給される第1流路形態、および、前記原燃料ガスが前記除湿器を経由せずに前記脱硫器を経由して前記改質器に供給されかつ前記エアが前記除湿器を経由して前記脱硫器を経由せずに前記燃料電池のカソードに供給される第2流路形態、のいずれか一方を選択する流路形態選択手段を備えていてもよい。前記流路形態選択手段は、前記第1流路形態を選択した直後の所定期間内の前記吸着材の温度上昇率に基づいて、前記第1流路形態および前記第2流路形態を選択してもよい。
【0010】
前記再生手段は、前記除湿器に供給される前記原燃料ガスよりも硫黄成分分圧の低い脱硫器再生ガスを、前記除湿器を経由せずに前記脱硫器に供給してもよい。前記脱硫器に前記脱硫器再生ガスが供給される際に、前記脱硫器から排出される前記脱硫器再生ガスを大気に放出するための放出手段を備えていてもよい。前記再生手段は、前記脱硫器から排出される前記原燃料ガスの異臭検出限界以下の条件が成立する範囲で、前記脱硫器再生ガスを前記脱硫器に供給してもよい。前記再生手段は、前記水素含有ガスが供給される燃料電池の要求負荷が所定値を下回る場合に、前記脱硫器再生ガスを前記脱硫器に供給してもよい。前記脱硫器再生ガスは、エアとしてもよい。前記脱硫器再生ガスは、加熱されたエアとしてもよい。
【0011】
本発明に係る脱硫システムの制御方法は、水素含有ガスに改質される原燃料ガスの水分を吸着する吸着材を備える除湿器と、前記除湿器によって除湿された前記原燃料ガスを脱硫する脱硫器と、を備える脱硫システムにおいて、前記除湿器に供給される前記原燃料ガスよりも水蒸気分圧の低い除湿器再生ガスを前記除湿器に供給することによって前記除湿器を再生させる再生ステップと、前記再生ステップにおいて前記除湿器に前記除湿器再生ガスが供給される際に、前記除湿器から排気される前記除湿器再生ガスに前記脱硫器をバイパスさせるバイパスステップと、を含むことを特徴とするものである。本発明に係る脱硫システムの制御方法においては、除湿器を再生させる際に脱硫器への水分の流入を抑制することができる。それにより、脱硫器の不具合を抑制することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、脱硫器の不具合を抑制することができる脱硫システムおよび脱硫システムの制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例1に係る脱硫システムを含む燃料電池システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】燃料電池の断面を含む部分斜視図である。
【図3】除湿器再生処理および通常運転の切替を示すフローチャートを示す図である。
【図4】除湿器再生処理および通常運転の切替を示すフローチャートを示す図である。
【図5】除湿器内の温度センサを示す図である。
【図6】除湿器再生処理および通常運転の切替を示すフローチャートを示す図である。
【図7】除湿器再生処理および通常運転の切替を示すフローチャートを示す図である。
【図8】除湿器再生処理および通常運転の切替を示すフローチャートを示す図である。
【図9】バイパス流路の他の例を示す図である。
【図10】実施例2に係る脱硫システムを含む燃料電池システムの全体構成を示すブロック図である。
【図11】異臭検出限界に基づいて脱硫器の再生処理開始を判断するフローチャートの一例を示す図である。
【図12】脱硫器再生処理および通常運転の切替を示すフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は、実施例1に係る脱硫システム20を含む燃料電池システム100の全体構成を示すブロック図である。図1に示すように、燃料電池システム100は、原燃料供給部10、脱硫システム20、改質水供給部30、酸化剤ガス供給部40、改質器50、燃焼室60、燃料電池70、熱交換部80、および、制御部90を備える。
【0016】
原燃料供給部10は、炭化水素等の原燃料を改質器50に供給するための原燃料ポンプである。炭化水素の一例として、都市ガス、天然ガス、液化石油ガス(LPG)等を用いることができる。原燃料供給部10は、後述する切替弁23と配管を介して接続されている。
【0017】
脱硫システム20は、原燃料中の水分を除去する除湿器21、原燃料中の硫黄成分を除去する脱硫器22、流路を切り替えるための切替弁23,24、原燃料の温度を検出する温度センサ25、除湿器21内の吸着材の温度を検出する温度センサ26、外気温を検出する温度センサ27、光センサ28、および水蒸気センサ29を含む。
【0018】
除湿器21は、水蒸気を吸着するための吸着材を備える。除湿器21の吸着材は、物理吸着材および化学吸着材のいずれか一方または両方を含んでいてもよい。除湿器21の吸着材として、例えば、ドライアライト、A型ゼオライト、シリカゲル、分子ふるい3A,4A,5A、およびこれらの組み合わせ等を用いることができる。
【0019】
脱硫器22は、硫黄または硫黄化合物(以下、硫黄成分と称する。)を吸着するための吸着材を備える。脱硫器22の吸着材は、物理吸着材および化学吸着材のいずれか一方または両方を含んでいてもよい。脱硫器22の吸着材として、例えば、疎水性ゼオライトにAg,Cu,Zn,Fe,Co,Ni等を担持させたものを用いることができ、Y型ゼオライト、β型ゼオライト、またはX型ゼオライトにAgまたはCuを担持させたものを用いてもよい。さらに、脱硫器22の吸着材として、分子ふるい13X、銅−亜鉛系脱硫材、多孔質担体に銅を担持させたものを用いてもよい。これらの吸着材は、例えば、貴金属、遷移金属、およびこれらの組合せで構成された郡から選択される金属によってイオン交換されたものであってもよい。
【0020】
なお、除湿器21および脱硫器22の吸着材は、同一であってもよい。ただし、この場合、除湿器21の吸着材の気孔を脱硫器22の吸着材の気孔よりも小さくすることによって、主として除湿器21に除湿させ、主として脱硫器22に脱硫させることができる。
【0021】
切替弁23は、原燃料供給部10と除湿器21とを接続する流路の開通と、原燃料供給部10と脱硫器22とを接続する流路および酸化剤ガス供給部40と除湿器21とを接続する流路の開通と、を切替可能な弁である。切替弁24は、除湿器21と脱硫器22とを接続する流路および酸化剤ガス供給部40とカソード71とを接続する流路の開通と、除湿器21とカソード71とを接続する流路の開通と、を切替可能な弁である。
【0022】
光センサ28は、除湿器21の吸着材の色相変化を検出するセンサである。水蒸気センサ29は、除湿器21から切替弁24に向かって流動する原燃料ガス中の水蒸気濃度を検出するセンサである。
【0023】
改質水供給部30は、改質器50における水蒸気改質反応に必要な改質水を貯蔵する改質水タンク31、後述する凝縮水タンク82から必要な改質水を改質水タンク31に供給するためのポンプ32、改質水タンク31に供給される改質水に対してイオン交換を施すイオン交換器33、改質水タンク31に貯蔵された改質水を改質器50に供給するための流量調節器34等を含む。
【0024】
酸化剤ガス供給部40は、燃料電池70のカソード71に酸化剤ガスを供給するためのポンプ等を含む。本実施例においては、酸化剤ガスとして、エアを用いる。酸化剤ガス供給部40は、切替弁23および切替弁24と、配管を介して接続されている。当該配管は、燃料電池70および改質器50が配置されるパッケージ61内を通過するように配置されている。それにより、切替弁23および切替弁24に供給される酸化剤ガスは、燃料電池70の発電に伴って発生する熱および燃焼室60における燃焼に伴って発生する熱によって加熱される。
【0025】
改質器50は、改質水を気化させるための気化部51、および、水蒸気改質反応によって水素ガスを含む燃料ガスを生成するための改質部52を含む。気化部51および改質部52は、燃焼室60の燃焼熱を利用できるように、燃焼室60に隣接している。改質部52は、改質触媒等を備えている。燃料電池70は、カソード71とアノード72とによって電解質73が挟持された構造を有する。熱交換部80は、熱交換器81および凝縮水タンク82を含む。熱交換器81は、燃焼室60の排気ガスと水道水との熱交換を行うための熱交換器である。凝縮水タンク82は、熱交換器81における熱交換によって排気ガスから生じた凝縮水を貯留するタンクである。
【0026】
制御部90は、燃料電池システム100を制御する装置であり、CPU(中央演算処理装置)、ROM(リードオンリメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)等から構成される。制御部90は、各部の動作を制御する。
【0027】
図2は、燃料電池70の断面を含む部分斜視図である。図2に示すように、燃料電池70は、平板柱状の全体形状を有する。ガス透過性を有する導電性支持体11の内部に、軸方向(長手方向)に沿って貫通する複数の燃料ガス通路12が形成されている。導電性支持体11の外周面における一方の平面上に、燃料極13、固体電解質14、および酸素極15がこの順に積層されている。酸素極15に対向する他方の平面上には、接合層16を介してインターコネクタ17が設けられ、その上に接触抵抗低減用のP型半導体層18が設けられている。燃料極13が図1のアノード72として機能し、酸素極15が図1のカソード71として機能し、固体電解質14が図1の電解質73として機能する。なお、燃料電池70は、図2に示す単セルが複数積層されたスタック構造を有していてもよい。
【0028】
燃料ガス通路12に水素を含む改質ガスが供給されることによって、燃料極13に水素が供給される。一方、燃料電池70の周囲に酸素を含む酸化剤ガスが供給されることによって、酸素極15に酸素が供給される。それにより、酸素極15及び燃料極13において下記の電極反応が生じることによって発電が行われる。発電反応は、例えば、600℃〜1000℃で行われる。
酸素極:1/2O+2e→O2−(固体電解質)
燃料極:O2−(固体電解質)+H→HO+2e
【0029】
酸素極15の材料は、耐酸化性を有し、気体の酸素が固体電解質14との界面に到達できるように多孔質である。固体電解質14は、酸素極15から燃料極13へ酸素イオンO2−を移動させる機能を有する。固体電解質14は、酸素イオン導電性酸化物によって構成される。また、固体電解質14は、燃料ガスと酸化剤ガスとを物理的に隔離するため、酸化/還元雰囲気中において安定でありかつ緻密質である。燃料極13は、還元雰囲気中で安定でありかつ水素との親和性を有する材料によって構成される。インターコネクタ17は、燃料電池70同士を電気的に直列に接続するために設けられており、燃料ガスと酸化剤ガスとを物理的に隔離するために緻密質である。
【0030】
例えば、酸素極15は、電子およびイオンの双方の導電性が高いランタンコバルタイト系のペロブスカイト型複合酸化物等から形成される。固体電解質14は、イオン導電性の高いYを含有するZrO(YSZ)等によって形成される。燃料極13は、電子導電性の高いNiとYを含有するZrO(YSZ)との混合物等によって形成される。インターコネクタ17は、電子導電性の高い、アルカリ土類酸化物を固溶したLaCrO等によって形成される。これらの材料は、熱膨張率が近いものが好適である。
【0031】
続いて、図1を参照しつつ、燃料電池システム100の通常運転について説明する。まず、制御部90は、切替弁23に、原燃料供給部10と除湿器21とを接続する流路を開通させ、切替弁24に、除湿器21と脱硫器22とを接続する流路および酸化剤ガス供給部40とカソード71とを接続する流路を開通させる。それにより、原燃料ガスが除湿器21および脱硫器22の順に経由して改質器50に供給されかつエアが燃料電池70のカソード71に除湿器21および脱硫器22を経由せずに供給される第1流路形態が実現される。
【0032】
原燃料供給部10は、制御部90の指示に従って必要量の原燃料ガスを切替弁23に向けて流動させる。切替弁23は、原燃料ガスを除湿器21に導入する。除湿器21は、原燃料ガス中の水分を吸着することによって、原燃料ガスに対して除湿する。除湿器21によって除湿された原燃料ガスは、切替弁24に向けて流動する。切替弁24は、除湿された原燃料ガスを脱硫器22に導入する。脱硫器22は、除湿された原燃料ガス中の硫黄成分を吸着することによって、原燃料ガスに対して脱硫する。脱硫された原燃料ガスは、改質器50の気化部51に供給される。
【0033】
流量調節器34は、制御部90の指示に従って必要量の改質水を改質器50の気化部51に供給する。改質水は、気化部51において燃焼室60から受け取った熱によって蒸発気化し、改質部52に供給される。改質部52においては、燃焼室60から受け取った熱を用いて、水蒸気と原燃料ガスとの間で水蒸気改質反応が生じる。それにより、水素ガスを含有する燃料ガスが生成される。改質器50において生成された燃料ガスは、燃料電池70のアノード72に供給される。酸化剤ガス供給部40は、制御部90の指示に従って、必要量の酸化剤ガスを切替弁24に流動させる。切替弁24は、酸化剤ガスをカソード71に導入する。それにより、燃料電池70において発電が行われる。
【0034】
カソード71から排出された酸化剤オフガスおよびアノード72から排出された燃料オフガスは、燃焼室60に流入する。燃焼室60においては、燃料オフガスの可燃成分が酸化剤オフガス中の酸素によって燃焼する。燃焼によって得られた熱は、改質器50および燃料電池70に与えられる。このように、燃料電池システム100においては、燃料オフガス中に含まれる水素、一酸化炭素等の可燃成分を燃焼室60において燃焼させることができる。
【0035】
熱交換器81は、燃焼室60から排出された排気ガスと熱交換器81内を流れる水道水との間で熱交換する。熱交換によって排気ガスから得られた凝縮水は、凝縮水タンク82に貯蔵される。熱交換によって加熱された水道水は、温水として貯湯槽に貯留される。ポンプ32は、制御部90の指示に従って、凝縮水タンク82に貯留された凝縮水を、イオン交換器33を経由して改質水タンク31に供給する。
【0036】
以上の通常運転により、燃料電池システム100は、発電を継続する。上記通常運転においては、脱硫器22において原燃料ガス中の硫黄成分が除去されることから、改質部52における改質触媒の触媒能低下が抑制される。それにより、改質部52における改質効率低下が抑制される。また、燃料電池70における硫黄成分の付着が抑制される。それにより、燃料電池70の発電性能低下が抑制される。また、凝縮水タンク82への硫黄成分への混入が抑制される。それにより、イオン交換器33の耐久性能低下が抑制される。また、除湿器21において原燃料ガス中の水分が除去されることから、脱硫器22への水分の流入が抑制される。それにより、脱硫器22における脱硫能の低下が抑制される。
【0037】
除湿器21において水分の吸着量が増えると、除湿器21の除湿能が低下する。したがって、除湿器21における水分の吸着量が増える場合には、除湿器21に再生処理を施すことが好ましい。そこで、本実施例においては、除湿器21の再生処理が必要となる条件(以下、除湿器再生条件)が成立する場合に、除湿器21の再生処理を行う。
【0038】
ここで、除湿器21の再生処理とは、除湿器21に原燃料ガスを供給せずに、原燃料ガスよりも水蒸気分圧の低いガスまたは原燃料ガスよりも温度が高いガス(以下、総称して除湿器再生ガス)を除湿器21に導入する処理である。除湿器再生ガスとして、エア、不活性ガス(N,H,He等)、燃焼室60から排気された燃焼ガス、燃焼室60から排気されかつ熱交換器81において水道水との熱交換によって水分が除去された燃焼ガス等を用いることができる。本実施例においては、除湿器再生ガスとして、酸化剤ガスとしてのエアを用いる。原燃料ガスよりも水蒸気分圧の低いガスまたは原燃料ガスよりも温度が高いガスを除湿器21に導入することによって、除湿器21の吸着材が吸着していた水分が脱離する。その結果、除湿器21が再生される。
【0039】
除湿器再生ガスは、原燃料ガスに比較して水蒸気分圧が低いほど高い再生能力を有する。また、除湿器再生ガスは、原燃料ガスに比較して温度が高いほど高い再生能力を有する。例えば、除湿器再生ガスの温度は、燃料電池70が定格運転を行っている場合に除湿器21に供給される原燃料ガスの温度よりも高いことが好ましい。また、除湿器再生ガスとして、燃料電池70、改質部52、気化部51、燃焼室60、燃焼室60から排出された燃焼ガス等との熱交換によって100℃以上となった高温ガスを用いることが好ましい。
【0040】
また、除湿器21に対して再生処理を施すと、除湿器21の吸着材が吸着していた水分が短時間で脱離することから、除湿器21から排出されるガス中の水蒸気濃度が瞬時に高くなる。この水蒸気濃度の高い原燃料ガスが脱硫器22に供給されると、脱硫器22に不具合が生じる。そこで、除湿器21を通過した除湿器再生ガスを、脱硫器22に流入させないことによって、脱硫器22への水分流入を抑制する。
【0041】
本実施例においては、制御部90は、除湿器再生条件が成立する場合に、切替弁23に、原燃料供給部10と脱硫器22とを接続する流路および酸化剤ガス供給部40と除湿器21とを接続する流路を開通させ、切替弁24に、除湿器21とカソード71とを接続する流路を開通させる。それにより、原燃料ガスが除湿器21を経由せずに脱硫器22を経由して改質器50に供給されかつエアが除湿器21を経由して脱硫器22を経由せずに燃料電池70のカソード71に供給される第2流路形態が実現される。
【0042】
この場合、原燃料供給部10からの原燃料ガスは、除湿器21を経由せずに脱硫器22に導入される。脱硫器22を経由した原燃料ガスは、改質器50の気化部51に供給される。酸化剤ガス供給部40からのエアは、切替弁23を経由して除湿器21に導入され、切替弁24を経由してカソード71に供給される。以上のガス流動によって、除湿器21に対して再生処理が施される。なお、上述したように、酸化剤ガスとしてのエアは、パッケージ61内において、燃料電池70および燃焼室60によって加熱されている。したがって、除湿器21の吸着材が吸着している水分を効率よく脱離させることができる。さらに、除湿器21を経由したエアが脱硫器22を経由せずにカソード71に供給されることから、脱硫器22への水分の流入が抑制される。それにより、脱硫器22の不具合が抑制される。また、除湿器21の再生に用いるガスを酸化剤ガスとして用いることができることから、装置の簡素化を図ることができる。
(除湿器再生条件の例1)
【0043】
続いて、除湿器再生条件の例について説明する。一般的に、吸着材は、温度が高くなると吸着能が低下する。したがって、除湿器21の吸着材の温度が高くなる場合に、除湿器再生条件が成立するとしてもよい。具体的には、温度センサ25の検出結果に基づいて、除湿器21に供給される原燃料ガスの温度が所定値を上回る場合に、除湿器再生条件が成立するとしてもよい。
【0044】
図3は、この場合に実行されるフローチャートを示す図である。図3のフローチャートは、所定の周期(例えば1秒ごと)に実行される。図3に示すように、制御部90は、温度センサ25の検出温度が所定値(例えば、15℃)を上回るか否かを判定する(ステップS1)。ステップS1において「Yes」と判定された場合、制御部90は、切替弁23,24に、上述した第2流路形態を選択させる。それにより、再生処理が実施される(ステップS2)。その後、制御部90は、フローチャートの実行を終了する。
【0045】
ステップS1において「No」と判定された場合、制御部90は、切替弁23,24に、第1流路形態を選択させる。それにより、通常運転が実施される(ステップS3)。その後、制御部90は、フローチャートの実行を終了する。
【0046】
図3のフローチャートに従った制御により、除湿器21の吸着材の吸着能が低下すると推測される場合に、除湿器21の再生処理が施される。それにより、除湿器21の除湿能を向上させることができる。さらに、除湿器21の再生処理の際に除湿器21から排出されるガスが脱硫器22に導入されないことから、脱硫器22への水分の流入が抑制される。それにより、脱硫器22の不具合が抑制される。
【0047】
なお、図3のフローチャートにおいて、再生処理が実施されている場合にはステップS1における所定値を低く設定し(例えば10℃)、通常運転が実施されている場合にはステップS1における所定値を高く設定してもよい(例えば15℃)。それにより、再生処理と通常運転とが頻繁に切り替わることを防止することができる。
【0048】
また、温度センサ25の検出温度の代わりに、温度センサ26または温度センサ27の検出温度を用いてもよい。特に、温度センサ26の検出温度を用いることにより、除湿器21の吸着材の温度を直接検出することができるため、除湿器21の吸着材の吸着能の低下の推定精度が向上する。
(除湿器再生条件の例2)
【0049】
原燃料ガスが水分を含有し、かつ除湿器21の吸着能が低下していなければ、原燃料ガス中の水分が除湿器21に吸着する。この場合、吸着熱が発生する。ここで、吸着による発熱について説明する。吸着という現象は、吸着対象物質の自由を束縛する反応と定義付けることができる。したがって、吸着対象物質の自由エネルギーは、吸着によって解放されることになる。その結果、シリカゲル等の吸着材が吸着対象物質を吸着することによって、吸着熱が発生することになる。
【0050】
この吸着熱に着目すれば、除湿器21の吸着材の吸着能が低下しているか否かを推定することができる。したがって、ここでは、吸着に伴う発熱量の指標値が低下傾向を示す場合に、除湿器再生条件が成立するとする。具体的には、吸着熱の発生に伴って、除湿器21の温度が上昇する。逆に言えば、原燃料ガスが水分を有しているにもかかわらず、除湿器21の温度が上昇しないか温度上昇幅が小さい場合には、除湿器21の吸着能が低下していると判断することができる。以上のことから、除湿器21の吸着材の温度上昇率が所定値以下である場合に、除湿器再生条件が成立するとしてもよい。
【0051】
図4は、この場合に実行されるフローチャートを示す図である。図4のフローチャートは、所定の周期(例えば1秒ごと)に実行される。図4に示すように、制御部90は、温度センサ26の検出温度の上昇率が所定値(例えば、1/60(℃/秒))未満であるか否かを判定する(ステップS11)。ステップS11において「Yes」と判定された場合、制御部90は、切替弁23,24に、第2流路形態を選択させる。それにより、再生処理が実施される(ステップS12)。その後、制御部90は、フローチャートの実行を終了する。なお、秒単位での判断では、温度センサ26の検出温度の上昇率にバラツキが生じ、測定精度が低下するおそれがある。そこで、ステップS11において、例えば120秒間の平均上昇率(2℃/120秒)を採用してもよい。
【0052】
ステップS11において「No」と判定された場合、制御部90は、切替弁23,24に、第1流路形態を選択させる。それにより、通常運転が実施される(ステップS13)。その後、制御部90は、フローチャートの実行を終了する。
【0053】
図4のフローチャートに従った制御により、除湿器21の吸着材の吸着能が低下すると推測される場合に、除湿器21の再生処理が施される。それにより、除湿器21の除湿能を向上させることができる。さらに、除湿器21の再生処理の際に除湿器21から排出されるガスが脱硫器22に導入されないことから、脱硫器22への水分の流入が抑制される。それにより、脱硫器22の不具合が抑制される。
【0054】
なお、吸着に伴う発熱量の指標値として、上記の温度上昇率以外の指標値を用いてもよい。例えば、外気温と除湿器21の内部との温度差を用いてもよい。具体的には、除湿器21の温度が外気温に対して所定値以内になった場合に、除湿器21の吸着材の吸着能が低下していると推測してもよい。例えば、図4のステップS11において、温度センサ27の検出温度から温度センサ26の検出温度を差し引いた値が所定値を下回ったか否かを判定してもよい。
【0055】
また、除湿器21の内部において、原燃料ガスの流動方向の上流側から吸着反応が進む。したがって、除湿器21の吸着材の吸着可能量に余裕がある場合には、除湿器21の内部における上流側の吸着材の温度が下流側の吸着材の温度に比較して高くなる。一方で、除湿器21の吸着材の吸着可能量に余裕がなくなると、上流側と下流側とで温度差が小さくなる。したがって、吸着に伴う発熱量の指標値として、除湿器21の内部における原燃料ガスの流動方向の上流側の吸着材と下流側の吸着材との温度差を用いてもよい。
【0056】
例えば、図5に示すように、除湿器21の内部において、原燃料ガスの流動方向の上流側に温度センサ26aを配置し、下流側に温度センサ26bを配置する。その上で、図4のステップS11において、温度センサ26aの検出温度から温度センサ26bの検出温度を差し引いた値が所定値未満であるか否かを判定してもよい。
【0057】
なお、図4のフローチャートの実行と並行して、図3のフローチャートを実行してもよい。この場合、図4のフローチャートでの除湿器再生条件が成立していなくても、図3のフローチャートの除湿器再生条件が成立すれば、除湿器21に対する再生処理を実施してもよい。すなわち、図3のフローチャートの除湿器再生条件を優先させてもよい。この場合、除湿器21の除湿能をより確実に回復させることができる。
【0058】
また、第2流路形態から第1流路形態に切り替わった直後の所定期間における除湿器21の吸着材の温度上昇率に基づいて、第1流路形態および第2流路形態の選択操作を行ってもよい。具体的には、第2流路形態から第1流路形態に切り替わった直後においては、除湿器21の再生処理が完了した直後であるため、原燃料ガス中の水分の吸着反応が進行しやすい。すなわち、除湿器21の吸着材の温度上昇率が高くなるはずである。それにもかかわらず当該温度上昇率が所定値よりも低いと、原燃料ガス中の水分濃度が低いことになる。したがって、除湿器21を経由せずに原燃料ガスを脱硫器22に供給しても、脱硫器22の脱硫能低下は抑制される。
【0059】
図6は、具体例を説明するためのフローチャートである。図6のフローチャートは、所定の周期(例えば1秒ごと)に実行される。図6に示すように、制御部90は、第2流路形態から第1流路形態に切り替わった直後の所定期間における温度センサ26の検出温度の上昇率が所定値(例えば、5/120(℃/秒))を上回ったか否かを判定する(ステップS21)。ステップS21において「Yes」と判定された場合、原燃料ガス中の水蒸気濃度が高いと判断される。したがって、制御部90は、切替弁23,24に、第1流路形態を継続させる。それにより、通常運転が実施される(ステップS22)。その後、制御部90は、フローチャートの実行を終了する。なお、秒単位での判断では、温度センサ26の検出温度の上昇率にバラツキが生じ、測定精度が低下するおそれがある。そこで、ステップS21において、例えば120秒間の平均上昇率(5℃/120秒)を採用してもよい。
【0060】
ステップS21において「No」と判定された場合、原燃料ガス中の水蒸気濃度が低いと判断される。したがって、制御部90は、切替弁23,24に、第2流路形態を選択させる。それにより、再生処理が実施される(ステップS23)。その後、制御部90は、フローチャートの実行を終了する。
【0061】
図6のフローチャートに従った制御により、原燃料ガス中の水分濃度が低い場合には、除湿器21を経由せずに原燃料ガスを脱硫器22に供給し、除湿器21を再生させることができる。それにより、脱硫器22の不具合を抑制しつつ、除湿器21の除湿能を向上させることができる。
【0062】
また、第2流流路形態から第1流路形態に切り替わった直後の所定期間における除湿器21の温度上昇率が所定値以下である場合には、再生処理の時間を長くしてもよい。それにより、除湿器21が十分に再生される。
(除湿器再生条件の例3)
【0063】
除湿器21の吸着材は、水分を吸着するにつれて色相が変化する。例えば、シリカゲルは、水分を吸着するにつれてピンク色に変化する。そこで、除湿器21の吸着材の色相が所定量以上変化した場合に、除湿器再生条件が成立するとしてもよい。
【0064】
図7は、この場合に実行されるフローチャートを示す図である。図7のフローチャートは、所定の周期(例えば1秒ごと)に実行される。図7に示すように、制御部90は、光センサ28の検出結果に基づいて、除湿器21の吸着材の色相変化量が所定量を上回るか否かを判定する(ステップS31)。ステップS31において「Yes」と判定された場合、制御部90は、切替弁23,24に、第2流路形態を選択させる。それにより、再生処理が実施される(ステップS32)。その後、制御部90は、フローチャートの実行を終了する。
【0065】
ステップS31において「No」と判定された場合、制御部90は、切替弁23,24に、第1流路形態を選択させる。それにより、通常運転が実施される(ステップS33)。その後、制御部90は、フローチャートの実行を終了する。
【0066】
図7のフローチャートに従った制御により、除湿器21の吸着材の吸着能が低下すると推測される場合に、除湿器21の再生処理が施される。それにより、除湿器21の除湿能を向上させることができる。さらに、除湿器21の再生処理の際に除湿器21から排出されるガスが脱硫器22に導入されないことから、脱硫器22への水分の流入が抑制される。それにより、脱硫器22の不具合が抑制される。
(除湿器再生条件の例4)
【0067】
除湿器21の吸着材の水分吸着量が多くなるにしたがって、除湿器21の除湿能が低下する。除湿器21の除湿能が低下すれば、除湿器21から排出される原燃料ガス中の水蒸気濃度が上昇する。したがって、除湿器21から排出される原燃料ガス中の水蒸気濃度が所定値以上になった場合に、除湿器再生条件が成立するとしてもよい。
【0068】
図8は、この場合に実行されるフローチャートを示す図である。図8のフローチャートは、所定の周期(例えば1秒ごと)に実行される。図8に示すように、制御部90は、水蒸気センサ29で検出される水蒸気濃度が所定値を上回るか否かを判定する(ステップS41)。ステップS41において「Yes」と判定された場合、制御部90は、切替弁23,24に、第2流路形態を選択させる。それにより、再生処理が実施される(ステップS42)。その後、制御部90は、フローチャートの実行を終了する。
【0069】
ステップS41において「No」と判定された場合、制御部90は、切替弁23,24に、第1流路形態を選択させる。それにより、通常運転が実施される(ステップS43)。その後、制御部90は、フローチャートの実行を終了する。
【0070】
図8のフローチャートに従った制御により、除湿器21の吸着材の吸着能が低下すると推測される場合に、除湿器21の再生処理が施される。それにより、除湿器21の除湿能を向上させることができる。さらに、除湿器21の再生処理の際に除湿器21から排出されるガスが脱硫器22に導入されないことから、脱硫器22への水分の流入が抑制される。それにより、脱硫器22の不具合が抑制される。
【0071】
なお、本実施例においては、図9(a)に示すように、除湿器21から排出される除湿器再生ガスのバイパスのために、切替弁24を用いたが、それに限られない。例えば、図9(b)に示すように、除湿器21に排出系が別途設けられていてもよい。例えば、切替弁24の代わりに流量調整弁を設けることができる。この場合、流量調整弁で流量を絞ることによって、除湿器21から排出される除湿器再生ガスに脱硫器22をバイパスさせることができる。
【0072】
また、図9(c)に示すように、除湿器21と流量調整弁との間に排出系が別途設けられていてもよい。この場合においても、流量調整弁で流量を絞ることによって、除湿器21から排出される除湿器再生ガスに脱硫器22をバイパスさせることができる。
【0073】
なお、本実施例においては、燃料電池システム100は、温度センサ25、温度センサ26、温度センサ27、光センサ28、および水蒸気センサ29を備えていたが、それに限られない。上記の除湿器再生条件の成立を検出するために必要なセンサが設けられていればよい。したがって、上記複数のセンサのうち、少なくともいずれか1つが備わっていればよい。
【0074】
また、図3、図4、図7、および図8のフローチャートにおいて、除湿器再生条件が不成立となるまで再生処理が実施されているが、それに限られない。例えば、再生処理の実施が開始となってから所定時間(例えば10分程度)が経過した後に、通常運転が選択されてもよい。
【0075】
本実施例において、切替弁24が、除湿器21から排気される除湿器再生ガスに脱硫器22をバイパスさせる第1バイパス手段として機能し、酸化剤ガス供給部40が、除湿器再生ガスを除湿器21に供給する再生手段として機能し、切替弁23が、除湿器21を経由せずに原燃料ガスを脱硫器22に供給する第2バイパス手段として機能し、切替弁23,24が、第1流路形態および第2流路形態のいずれかを選択する流路形態選択手段として機能する。
【実施例2】
【0076】
図10は、実施例2に係る脱硫システム20aを含む燃料電池システム100aの全体構成を示すブロック図である。図10に示すように、脱硫システム20aは、脱硫器22の代わりに、第1脱硫器22aおよび第2脱硫器22bを備える。また、脱硫システム20aは、三方弁41〜44を備えるとともに、弁45を備える。
【0077】
本実施例においては、切替弁23は、原燃料供給部10と除湿器21とを接続する流路の開通と、原燃料供給部10と三方弁41とを接続する流路および切替弁24と除湿器21とを接続する流路の開通と、を切り替える。切替弁24は、酸化剤ガス供給部40とカソード71とを接続する流路および除湿器21と弁45とを接続する流路の開通と、酸化剤ガス供給部40と弁45および切替弁23とを接続する流路および除湿器21とカソード71とを接続する流路の開通と、を切り替える。
【0078】
三方弁41は、切替弁23と第1脱硫器22aおよび第2脱硫器22bとを接続する流路と、切替弁23と第1脱硫器22aとを接続する流路と、切替弁23と第2脱硫器22bとを接続する流路と、を切り替える。三方弁42は、弁45と第1脱硫器22aおよび第2脱硫器22bとを接続する流路と、弁45と第1脱硫器22aとを接続する流路と、弁45と第2脱硫器22bとを接続する流路と、を切り替える。三方弁43は、第1脱硫器22aと改質器50とを接続する流路と、第1脱硫器22aから大気へとつながる流路と、を切り替える。三方弁44は、第2脱硫器22bと改質器50とを接続する流路と、第2脱硫器22bから大気へとつながる流路と、を切り替える。
【0079】
続いて、図10を参照しつつ、燃料電池システム100aの通常運転について説明する。まず、制御部90は、切替弁23に、原燃料供給部10と除湿器21とを接続する流路を開通させ、切替弁24に、除湿器21と弁45とを接続する流路および酸化剤ガス供給部40とカソード71とを接続する流路を開通させ、弁45を開に制御する。それにより、原燃料ガスが除湿器21および脱硫器22の順に経由して改質器50に供給されかつエアが除湿器21および脱硫器22を経由せずに燃料電池70のカソード71に供給される第1流路形態が実現される。
【0080】
原燃料供給部10は、制御部90の指示に従って必要量の原燃料ガスを切替弁23に向けて流動させる。切替弁23は、原燃料ガスを除湿器21に導入する。除湿器21は、原燃料ガス中の水分を吸着することによって、原燃料ガスに対して除湿する。除湿器21によって除湿された原燃料ガスは、切替弁24、弁45および三方弁42を経由して第1脱硫器22aおよび第2脱硫器22bに流入する。第1脱硫器22aおよび第2脱硫器22bは、原燃料ガス中の硫黄成分を吸着することによって、原燃料ガスに対して脱硫する。脱硫された原燃料ガスは、三方弁43,44を経由して改質器50の気化部51に供給される。
【0081】
酸化剤ガス供給部40は、制御部90の指示に従って、必要量の酸化剤ガスを切替弁24に流動させる。切替弁24は、酸化剤ガスをカソード71に導入する。それにより、燃料電池70において発電が行われる。その他の動作は、実施例1と同様である。
【0082】
以上の通常運転により、燃料電池システム100aは、発電を継続する。上記通常運転においては、第1脱硫器22aおよび第2脱硫器22bにおいて原燃料ガス中の硫黄成分が除去されることから、改質部52における改質触媒の触媒能低下が抑制される。それにより、改質部52における改質効率低下が抑制される。また、燃料電池70における硫黄成分の付着が抑制される。それにより、燃料電池70の発電性能低下が抑制される。また、凝縮水タンク82への硫黄成分への混入が抑制される。それにより、イオン交換器33の耐久性能低下が抑制される。また、除湿器21において原燃料ガス中の水分が除去されることから、第1脱硫器22aおよび第2脱硫器22bへの水分の流入が抑制される。それにより、第1脱硫器22aおよび第2脱硫器22bにおける脱硫能の低下が抑制される。
【0083】
燃料電池システム100aは、実施例1で説明したいずれかの除湿器再生条件が成立する場合に、除湿器21の再生処理を行う。まず、制御部90は、切替弁23に、原燃料供給部10と三方弁41とを接続する流路および切替弁24と除湿器21とを接続する流路を開通させ、切替弁24に、酸化剤ガス供給部40と切替弁23とを接続する流路を開通させる。また、制御部90は、三方弁41に、切替弁23と第1脱硫器22aおよび第2脱硫器22bとを接続する流路を開通させる。さらに、制御部90は、弁45を閉に制御する。また、制御部90は、三方弁43に、第1脱硫器22aと改質器50とを接続する流路を開通させ、三方弁44に、第2脱硫器22bと改質器50とを接続する流路を開通させる。それにより、原燃料ガスが除湿器21を経由せずに第1脱硫器22aおよび第2脱硫器22bを経由して改質器50に供給されかつエアが除湿器21を経由して第1脱硫器22aおよび第2脱硫器22bを経由せずに燃料電池70のカソード71に供給される第2流路形態が実現される。
【0084】
この場合、原燃料供給部10からの原燃料ガスは、除湿器21を経由せずに第1脱硫器22aおよび第2脱硫器22bに導入される。第1脱硫器22aおよび第2脱硫器22bを経由した原燃料ガスは、改質器50の気化部51に供給される。酸化剤ガス供給部40からのエアは、除湿器21に導入され、第1脱硫器22aおよび第2脱硫器22bを経由せずにカソード71に供給される。以上のガス流動によって、除湿器21に対して再生処理が施される。除湿器21を経由したエアが第1脱硫器22aおよび第2脱硫器22bを経由せずにカソード71に供給されることから、第1脱硫器22aおよび第2脱硫器22bへの水分の流入が抑制される。それにより、第1脱硫器22aおよび第2脱硫器22bの不具合が抑制される。また、除湿器21の再生に用いるガスを酸化剤ガスとして用いることができることから、装置の簡素化を図ることができる。
【0085】
第1脱硫器22aおよび第2脱硫器22bにおいて硫黄成分の吸着量が増えると、第1脱硫器22aおよび第2脱硫器22bの脱硫能が低下する。この場合、第1脱硫器22aおよび第2脱硫器22bからの硫黄成分の流出によって、改質器50および燃料電池70に不具合が生じるおそれがある。したがって、第1脱硫器22aおよび第2脱硫器22bの脱硫能が低下する前に、第1脱硫器22aおよび第2脱硫器22bの再生処理を行うことが好ましい。
【0086】
ここで、第1脱硫器22aおよび第2脱硫器22bの再生処理とは、第1脱硫器22aおよび第2脱硫器22bに原燃料ガスを供給せずに、原燃料ガスよりも硫黄成分分圧の低いガス(以下、脱硫器再生ガス)を第1脱硫器22aおよび第2脱硫器22bに導入する処理である。本実施例においては、脱硫器再生ガスとして、酸化剤ガスとしてのエアを用いる。原燃料ガスよりも硫黄成分分圧の低いガスを第1脱硫器22aおよび第2脱硫器22bに導入することによって、第1脱硫器22aおよび第2脱硫器22bの吸着材が吸着していた硫黄成分が脱離する。その結果、第1脱硫器22aおよび第2脱硫器22bが再生される。
【0087】
まず、第2流路形態が選択されている場合において、第1脱硫器22aおよび第2脱硫器22bのいずれかに脱硫器再生ガスを供給する場合について説明する。制御部90は、第2流路形態が選択されている場合において、三方弁41に、切替弁23と第2脱硫器22bとを接続する流路を開通させる。また、制御部90は、弁45を開に制御し、三方弁42に、弁45と第1脱硫器22aとを接続する流路を開通させる。さらに、制御部90は、三方弁43に、第1脱硫器22aから大気へとつながる流路を開通させる。
【0088】
この場合、除湿器21に供給されるエアの一部は、第1脱硫器22aに供給される。それにより、第1脱硫器22aの吸着材が吸着している硫黄成分が脱離する。第1脱硫器22aから排出されるエアは、三方弁43を経由して大気に放出される。それにより、改質器50および燃料電池70への硫黄成分の流入が抑制される。
【0089】
また、制御部90は、第2流路形態が選択されている場合において、所定のタイミングで、三方弁41に、切替弁23と第1脱硫器22aとを接続する流路を開通させる。また、制御部90は、弁45を開に制御し、三方弁42に、弁45と第2脱硫器22bとを接続する流路を開通させる。さらに、制御部90は、三方弁44に、第2脱硫器22bから大気へとつながる流路を開通させる。
【0090】
この場合、除湿器21に供給されるエアの一部は、第2脱硫器22bに供給される。それにより、第2脱硫器22bの吸着材が吸着している硫黄成分が脱離する。第2脱硫器22bから排出されるエアは、三方弁44を経由して大気に放出される。それにより、改質器50および燃料電池70への硫黄成分の流入が抑制される。
【0091】
このように、第1脱硫器22aおよび第2脱硫器22bに対して交互に再生処理を施すことによって、原燃料ガスの脱硫と、第1脱硫器22aおよび第2脱硫器22bの再生とを両立することができる。
【0092】
なお、脱硫器の再生処理に用いたエアを大気に放出する際に、多量の硫黄成分が大気に放出されると、異臭が検知されてしまう場合がある。そこで、脱硫器から放出されるガスの異臭検出限界以下の条件で、脱硫器の再生処理を行うことが好ましい。異臭検出限界は、原燃料ガスの脱硫器への積算供給量、脱硫器の再生処理の際に脱硫器に流す脱硫器再生ガスの流量等から算出することができる。
【0093】
例えば、原燃料供給部10から第1脱硫器22aおよび第2脱硫器22bへ供給された原燃料ガスの積算流量が所定量(例えば3m)未満の場合には、第1脱硫器22aおよび第2脱硫器22bに再生処理を実施した場合に第1脱硫器22aおよび第2脱硫器22bから排出されるガス中の硫黄成分濃度が異臭検出限界(例えば0.1ppm)未満であると推定することができる。
【0094】
図11は、第2流路形態が選択されている場合において、異臭検出限界に基づいて脱硫器の再生処理開始を判断するフローチャートの一例を示す図である。図11に示すように、制御部90は、第2流路形態が選択されている場合において、第1脱硫器22aおよび第2脱硫器22bに供給された原燃料ガスの積算流量が所定値未満であるか否かを判定する(ステップS51)。
【0095】
ステップS51において「Yes」と判定された場合、制御部90は、三方弁42,43,44および弁45を制御して、第1脱硫器22aおよび第2脱硫器22bに対する再生処理を交互に実施する(ステップS52)。その後、制御部90は、フローチャートの実行を終了する。ステップS51において「No」と判定された場合、制御部90は、切替弁23,24、三方弁42,43,44、および弁45に、第1流路形態を選択させる。それにより、通常運転が実施される(ステップS53)。その後、制御部90は、フローチャートの実行を終了する。
【0096】
図11のフローチャートによれば、異臭検出限界未満の条件で第1脱硫器22aおよび第2脱硫器22bに対して再生処理を施すことができる。それにより、脱硫器再生ガスを大気に放出することができる。なお、再生処理が実施されれば、上記の原燃料ガスの積算流量はリセットされる。
【0097】
酸化剤ガス供給部40からのエアを用いて第1脱硫器22aおよび第2脱硫器22bの再生処理を行うと、燃料電池70の発電に用いる酸素が不足する場合がある。そこで、第2流路形態が選択されている場合において、燃料電池70に要求される要求負荷が所定値未満の場合に、第1脱硫器22aおよび第2脱硫器22bの再生処理を実施してもよい。図12は、この場合に実行されるフローチャートの一例を示す図である。
【0098】
まず、制御部90は、第2流路形態が選択されている場合において、前回の再生処理が完了してから所定時間(例えば20時間)以上経過したか否かを判定する(ステップS61)。ステップS61において「Yes」と判定された場合、制御部90は、燃料電池70に要求される要求負荷が所定値(例えば、燃料電池70の定格負荷×0.3)未満であるか否かを判定する(ステップS62)。
【0099】
ステップS62において「Yes」と判定された場合、制御部90は、三方弁42,43,44および弁45を制御して、第1脱硫器22aおよび第2脱硫器22bに対する再生処理を交互に実施する(ステップS63)。その後、制御部90は、フローチャートの実行を終了する。
【0100】
ステップS62において「No」と判定された場合、制御部90は、切替弁23,24、三方弁42,43,44、および弁45に、第1流路形態を選択させる。それにより、通常運転が実施される(ステップS64)。その後、制御部90は、フローチャートの実行を終了する。
【0101】
図12のフローチャートによれば、燃料電池70の要求負荷が低い場合に第1脱硫器22aおよび第2脱硫器22bの再生処理が施される。それにより、酸化剤ガス供給部40だけで、燃料電池のへのエア供給量を不足させずに、第1脱硫器22aおよび第2脱硫器22bの除湿能を向上させることができる。したがって、脱硫器再生ガスの供給用の装置をあらたに設けなくてもよい。なお、ステップS61において、所定時刻になったか否かを判定してもよい。この場合、深夜等の一般的に電力需要が低下する場合に、脱硫器の再生処理を実施すべきか否かを判定することができる。
【0102】
なお、本実施例においては、第2流路形態が選択されている場合に、第1脱硫器22aおよび第2脱硫器22bの再生処理を実施したが、それに限られない。例えば、除湿器21の再生処理とは独立して、第1脱硫器22aおよび第2脱硫器22bの再生処理を交互に繰り返してもよい。
【0103】
本実施例において、切替弁24が、除湿器21から排気される除湿器再生ガスに第1脱硫器22aおよび第2脱硫器22bをバイパスさせる第1バイパス手段として機能し、酸化剤ガス供給部40が、除湿器再生ガスを除湿器21に供給する再生手段として機能し、切替弁23が、除湿器21を経由せずに原燃料ガスを第1脱硫器22aおよび第2脱硫器22bに供給する第2バイパス手段として機能し、切替弁23,24が、第1流路形態および第2流路形態のいずれかを選択する流路形態選択手段として機能し、三方弁43,44が放出手段として機能する。
【0104】
上記実施例は、固体高分子型、固体酸化物型、炭酸溶融塩型等の他のいずれのタイプの燃料電池にも適用可能である。
【符号の説明】
【0105】
10 原燃料供給部
20 脱硫システム
21 除湿器
22 脱硫器
23,24 切替弁
25,26,27 温度センサ
28 光センサ
29 水蒸気センサ
30 改質水供給部
31 改質水タンク
32 ポンプ
33 イオン交換器
34 流量調節器
40 酸化剤ガス供給部
50 改質器
51 気化部
52 改質部
60 燃焼室
61 パッケージ
70 燃料電池
71 カソード
72 アノード
73 電解質
80 熱交換部
81 熱交換器
82 凝縮水タンク
90 制御部
100 燃料電池システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素含有ガスに改質される原燃料ガスの水分を吸着する吸着材を備える除湿器と、
前記除湿器によって除湿された前記原燃料ガスを脱硫する脱硫器と、
前記除湿器に供給される前記原燃料ガスよりも水蒸気分圧の低いまたは温度が高い除湿器再生ガスを前記除湿器に供給することによって前記除湿器を再生させる再生手段と、
前記再生手段が前記除湿器に前記除湿器再生ガスを供給する際に、前記除湿器から排気される前記除湿器再生ガスに前記脱硫器をバイパスさせる第1バイパス手段と、を備えることを特徴とする脱硫システム。
【請求項2】
前記再生手段が前記除湿器に前記除湿器再生ガスを供給する際に、前記原燃料ガスを、前記除湿器を経由せずに前記脱硫器に供給する第2バイパス手段を備えることを特徴とする請求項1記載の脱硫システム。
【請求項3】
前記再生手段は、前記吸着材の温度、前記原燃料ガスの温度、または外気温が所定値を上回る場合に、前記除湿器再生ガスを前記除湿器に供給することを特徴とする請求項1または2記載の脱硫システム。
【請求項4】
前記再生手段は、前記吸着材の温度上昇率が所定値を下回った場合に、前記除湿器再生ガスを前記除湿器に供給することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の脱硫システム。
【請求項5】
前記除湿器再生ガスは、エアであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の脱硫システム。
【請求項6】
前記除湿器再生ガスは、加熱されたエアであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の脱硫システム。
【請求項7】
前記第1バイパス流路は、前記除湿器から排気される前記エアを、燃料電池のカソードに供給することを特徴とする請求項5または6記載の脱硫システム。
【請求項8】
前記原燃料ガスが前記除湿器および前記脱硫器の順に経由して改質器に供給されかつ前記エアが前記除湿器および前記脱硫器を経由せずに前記燃料電池のカソードに供給される第1流路形態、および、前記原燃料ガスが前記除湿器を経由せずに前記脱硫器を経由して前記改質器に供給されかつ前記エアが前記除湿器を経由して前記脱硫器を経由せずに前記燃料電池のカソードに供給される第2流路形態、のいずれか一方を選択する流路形態選択手段を備えることを特徴とする請求項7記載の脱硫システム。
【請求項9】
前記流路形態選択手段は、前記第1流路形態を選択した直後の所定期間内の前記吸着材の温度上昇率に基づいて、前記第1流路形態および前記第2流路形態を選択することを特徴とする請求項8記載の脱硫システム。
【請求項10】
前記再生手段は、前記除湿器に供給される前記原燃料ガスよりも硫黄成分分圧の低い脱硫器再生ガスを、前記除湿器を経由せずに前記脱硫器に供給することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の脱硫システム。
【請求項11】
前記脱硫器に前記脱硫器再生ガスが供給される際に、前記脱硫器から排出される前記脱硫器再生ガスを大気に放出するための放出手段を備えることを特徴とする請求項10記載の脱硫システム。
【請求項12】
前記再生手段は、前記脱硫器から排出される前記原燃料ガスの異臭検出限界以下の条件が成立する範囲で、前記脱硫器再生ガスを前記脱硫器に供給することを特徴とする請求項10または11記載の脱硫システム。
【請求項13】
前記再生手段は、前記水素含有ガスが供給される燃料電池の要求負荷が所定値を下回る場合に、前記脱硫器再生ガスを前記脱硫器に供給することを特徴とする請求項10または11記載の脱硫システム。
【請求項14】
前記脱硫器再生ガスは、エアであることを特徴とする請求項10〜13のいずれか一項に記載の脱硫システム。
【請求項15】
前記脱硫器再生ガスは、加熱されたエアであることを特徴とする請求項10〜13のいずれか一項に記載の脱硫システム。
【請求項16】
水素含有ガスに改質される原燃料ガスの水分を吸着する吸着材を備える除湿器と、前記除湿器によって除湿された前記原燃料ガスを脱硫する脱硫器と、を備える脱硫システムにおいて、
前記除湿器に供給される前記原燃料ガスよりも水蒸気分圧の低い除湿器再生ガスを前記除湿器に供給することによって前記除湿器を再生させる再生ステップと、
前記再生ステップにおいて前記除湿器に前記除湿器再生ガスが供給される際に、前記除湿器から排気される前記除湿器再生ガスに前記脱硫器をバイパスさせるバイパスステップと、を含むことを特徴とする脱硫システムの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−62367(P2012−62367A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−206052(P2010−206052)
【出願日】平成22年9月14日(2010.9.14)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【Fターム(参考)】