説明

臨界超過液を利用した羊毛から内部羊毛脂質を抽出する方法

【解決課題】本発明は羊毛から実質的にラノリンを含有しない内部脂質を抽出する方法に関する。
【解決手段】この方法は、臨界超過流体と、その流体の極性を改質することができる極性変質剤とを利用する。この極性変質剤はメタノール及び/又はエタノールから選択される。本発明の運用条件によれば、温度は40℃から120℃であり、圧力は120バールから330バールである。極性変質剤は3%から15%(v/v)に該当する。本発明の方法は羊毛から内部脂質を得るのに利用できる。この重要な成分の1つはセラミドであり、人体の皮膚を環境の影響から保護する製品に利用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は臨界超過状態の液体を使用した羊毛からの内部羊毛脂質の抽出方向に関する。
【背景技術】
【0002】
羊毛は羊から得られる天然繊維であり、ほとんどがタンパク質成分であり、少量の脂質成分が含まれる。
【0003】
ケラチンタンパク質は80%の全繊維で成り、多量のシスチンを特徴とする。ウールの物理的および化学的特性はこのアミノ酸の存在と、タンパク質で成る横鎖の特性と分子量で決定される。
【0004】
少量ではあるが、ウールの脂質成分はウール繊維の数多くの物理的・化学的特性において本質的な役割を果たしているように思われる。繊維状で占める位置によって、外部脂質と内部脂質とに分類可能である。
【0005】
外部脂質はウール繊維の表面で見られ、動物の皮膚によって隠されている。これら外部脂質は鹸化脂肪、非鹸化物質および微量の遊離無機酸並びに不純物で成る。ラノリンは精製されるとウールから得られるワックスであり、防水や皮膚のトリートメントに利用される。
【0006】
従来技術はラノリンを抽出する様々な方法を解説する。例えば、臨界超過状態の液体を使用する方法が存在する。例えば、スペイン特許願ES−A−2186485とES−A−2161611、PCT WO−A−02/1000990−A1、およびアルザガ他の「化学分析誌」の記事(アクタ、1999、381、39−48)、エイチェネ他の「超臨界液誌」(2001、21、23−31)、ドミンゲス他の「化学分析誌」(アクタ、2003、477)、233−242)、ドミンゲス他の「アメリカオイル化学協会誌」(2003、80(7)、717−724)、ドミンゲス他の「第10回国際ウール繊維研究会議2000の議事録」(アーチェン)、およびドミンゲス他の「第11回国際ウール繊維研究会議2005の議事録」(リーズ)等である。
【0007】
同時に、内部脂質は、いわゆる細胞膜複合体と称されるウール繊維の内部構造で、繊維の全重量の1.2%から1.5%の割合で発見される。
【0008】
徹底的な分析が実施され、内部脂質の主要成分として遊離脂肪酸、コレステロール、セラミド、および硫酸コレステロールが確認された。
【0009】
内部羊毛脂質の最も貴重な成分の1つはセラミドである。なぜなら、スペイン特許願ES−A−2157807が解説するように、それらは人体の皮膚の脂質バリアの実質的部分を形成するからである。これは人体の皮膚を環境の攻撃因子から保護し、その良好な保存のために皮膚が必要とするバランスがとれた水和を維持する。
【0010】
従来技術の異なる方法は内部羊毛脂質の抽出に使用されてきた。一般的に、二酸化炭素を使用した臨界超過液抽出法は、溶剤の混合物を使用した従来技術の抽出法で得られるものよりセラミドの含有量が大きい/。しかし、抽出の効率は低い。
【0011】
前述した特許願ES−A−2157807は臨界超過条件で二酸化炭素を使用して内部羊毛脂質を抽出する方法を解説する。この方法は原料としてラノリンを実質的に含まない羊毛を使用する。
【0012】
解説した抽出法は、助溶剤としてv/vで10%のメタノールにより100℃で340気圧(344バール)で実施される。
【0013】
抽出効率は使用される羊毛の種類による。スペインメリノ羊毛の場合には、抽出羊毛繊維の内部重量に対して0.290%の内部脂質が得られる。ニュージーランドメリノ羊毛の場合には、0.355%が得られる。内部脂質の定量分析で、全抽出羊毛重量に対して0.13%と0.11%のセラミドがそれぞれ抽出されたことが確認された。
【0014】
コデルヒ他のアメリカン石油化学協会誌2002、79(12)の1215−1220は、二酸化炭素を使用した臨界超過状態で実質的にリノリンを含まない羊毛から内部脂質を抽出する様々な方法を解説する。
【0015】
ここでは、様々な条件で2種類の羊毛である。ニュージーランドのロムニ(R−NZ)とスペインンのメリノに対する異なる試験が実施された。抽出羊毛繊維の重量に対する全抽出脂質の結果は以下の表にまとめてある。
【0016】

【0017】
最良の抽出効率は助溶剤として比較的に高い割合のエタノール(20%)を使用して試験番号7と8で得られる。
【0018】
前出の公報に出現するデータによれば、試験番号7で抽出物は33%のセラミドを含有していた。これは抽出羊毛の全重量に対する0.29%のセラミドの抽出に該当する。試験番号8では、抽出物は23%のセラミドを含有していた。これは抽出羊毛の全重量に対する0.13%のセラミドの抽出に該当する。
【0019】
試験番号7は羊毛重量に対して0.47%だけの全脂質を含有して反復された。これは文献で解説されたものよりも相当に低い値であり、抽出羊毛の全重量に対する0.18%のセラミドの抽出に該当する。
【0020】
従って、セラミドの含有量が多く、臨界超過液での極性改良として少ない量の助溶剤を利用する、羊毛から内部脂質を得るための改善された効率を提供する抽出方法が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明の目的は、実質的にラノリンを含まない羊毛を使用して羊毛繊維から内部脂質を得る方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の目的は、臨界超過液と、メタノール及び/又はエタノールから選択される極性改質剤を使用して、抽出物を介して実質的にラノリンを含有しない羊毛から内部羊毛脂質を得る方法であり、抽出は40℃から120℃の温度範囲、120バールから330バールの圧力範囲、および極性改質剤をv/vで3%から15%使用して実行されることを特徴とする。
【0023】
内部羊毛脂質
内部羊毛脂質は、いわゆる細胞膜複合体内の羊毛繊維の内部構造で、全繊維重量の1.2%から1.5%発見され、エル・コダーチ他のアメリカ化学協会誌(1995、72、715−720)で解説されている。
【0024】
以降、羊毛からの内部脂質は略称IWL(Internal Wool Lipids)で表す。
【0025】
IWLは比較的に極性である脂質化合物である、遊離脂肪酸、コレステロール、硫酸コレステロール、およびセラミドを多量に含んでいる。
【0026】
IWLの人間の皮膚への適用に関する試験は、スペイン特許願ES−A−2157807が記載するようにその抽出物が経表皮除湿を軽減し、皮膚の保水性を向上させる(特に、皮膚への化学的または機械的な侵略条件での有効)顕著な性能を有することを示す。従って、本発明の方法で得られたIWLは、人体の皮膚のケアと治療のための薬剤及び/又は化粧品の成分として様々な割合で生成することが望ましい。
【0027】
本発明の方法で得られた抽出物は薄層を利用して、例えば、エル・コデルチ他の薬剤クロマトグラフィ誌(2000、13、119−122)で解説されているように、クロマトグラフィとフレームイオン化検出法(TLC−FID)で分析された。
【0028】
この技術の利用は両方の単純脂質(遊離脂肪酸、モノ、ジ、およびトリグリセリド並びにステロール)およびさらに複雑な脂質(セラミド、グリコリピッド、およびホスホリピッド)の混合物の分離と定量化を実行させた。
【0029】
供給源製品
本発明の方法は実質的にラノリンを含有しない羊毛を供給源製品として使用する。
【0030】
この羊毛は、スパニッシュメリノ、ロシアンメリノ、オーストラリアンメリノ、南アフリカメリノ、ニュージーランドメリノ、ニュージーランドロムニー等々である様々な品種や種類の羊から得られ、例えば、米国特許US−A−3619116またはスペイン特許願A−2157807にて解説されている洗剤で洗浄する良く知られた技術によって表面脂質を除去する方法で処理される。
【0031】
臨界超過液
本発明の方法はIWLの抽出のために臨界超過条件で液体を使用する。
【0032】
臨界超過状態の液体は温度と圧力が臨界熱力学点を超える液体である。このような液体は気体であるかのように固体で放散でき、液体であるかのように固体を溶解させる。
【0033】
臨界超過状態で使用される液体には、例えば、二酸化炭素、水、アセトン、エタノールおよびメタノールが存在する。
【0034】
本発明の方法は二酸化炭素を好適に使用する。
【0035】
二酸化炭素は温度が31℃以上で圧力が74バール(73気圧)とき臨界超過条件で見つけられる。この気体は低毒性であり、環境にも優しい。さらに、不燃性であり、非爆発性であり、比較的安価に商業的に高純度で入手できる。
【0036】
臨界超過二酸化炭素の利用は使用される有機溶剤の量を減少させることができる。
【0037】
本発明の方法を実行するのに適した二酸化炭素は、例えばアベロ・リンデ社(スペイン、バルセロナ)によって販売されている。
【0038】
極性変更剤
本発明の方法は、IWL抽出を改善するメタノール及び/又はエタノールから選択される極性変更材を利用する。
【0039】
好適にはメタノールが利用される。
【0040】
臨界超過状態では、二酸化炭素は親油性特徴の化合物を抽出するのに十分な極性を有する。しかし、セラミドのごとき極性化合物の抽出は困難を伴う。従って、大抵の極性化合物の抽出効率を改善するために二酸化炭素の極性を改質する改質剤が導入される。
【0041】
本発明の方法では、極性改質剤の含有量はv/vで表して3%から15%の範囲であり、好適には4%から12%であり、最も好適には5%から10%である。
【0042】
極性改質剤の含有量は使用される二酸化炭素体積の体積%で表される。
【0043】
抽出条件
本発明の方法では抽出は温度が40℃から110℃、好適には50℃から100℃、さらに好適には60℃から90℃、圧力は、140から330バール、好適には150から310バール、さらに好適には160から300バールで実行される。
【0044】
さらに好適には、抽出は温度が60℃から90℃、圧力が160から300バール、極性改質剤が7.5v/v%から12.5v/v%で実行される。
【0045】
抽出装置と運用方法
IWL抽出は、例えばデスクトップ装置であるSUPREXPREPMASTER(スプレックス、US)を、例えば、イバーフルイドインスツルメンツ(バルセロナ、スペイン)の装置を備えたパイロットプラントスケールで、あるいは産業スケールで、分析装置を使用して実験スケールで実行できる。
【0046】
例えば、上記のごとき実験装置を使用した二酸化炭素での抽出を実施する場合には、運用方法は次のようになる。
【0047】
約8から12gの準備された羊毛が抽出室(40から60ml)に入れられる。対応するフィルタと接合面を取り付けた後に抽出室は密封され、抽出室は装置に接続される。
【0048】
通常は、装置は必要な抽出条件である温度、圧力、極性改質剤の割合、および二酸化炭素量をセットするのに使用されるソフトウェアを含む。
【0049】
二酸化炭素はガス供給瓶から放出され、必要な作動圧が得られるまで連続する2つのピストンによってシステム内に入れられる。一方、抽出室が確立した作動温度を示すまで抽出室を囲む空気は2つの電気抵抗を利用して加熱される。
【0050】
必要な圧力と温度が達成されたら、二酸化炭素は、自動投与のために極性改質剤のポンプ排出に切り替わり、それらは混合される。
【0051】
通常は、二酸化炭素量は抽出室容積の3から7倍である。この量の変動は抽出の効率にさほどの影響を及ぼさないことが実証されている。
【0052】
二酸化炭素と極性改質剤の混合物は抽出室に導入され、そこで、羊毛内に拡散され、試験で確立された運用条件で溶解性脂質を抽出する。
【0053】
対象の化合物を含有する抽出液は抽出室を離れ、回収モジュールに導かれる。この回収モジュールは試験管で成り、セプタム(スペルコ、ベルフォント、米国)で従前に重量が測られている。コンプレスされた二酸化炭素を排除するためにこの試験管は入口と出口を有し、大気圧に達するまで1.5ml/分の固定流毛管を介して脱圧力が行われる。
【0054】
試験管内で回収された液体サンプルは通常は窒素流で乾燥するまで濃縮される。
【0055】
抽出されたIWLは重量測定され、クロロホルム/メタノール混合物(2:1v/v)で希釈され、上記の方法で分析されるまで約−20℃にて窒素雰囲気内で保存される。
【0056】
驚くべきことに、本発明の方法を特徴付ける運用パラメータの選択は、高濃度のセラミドを含んだ高性能のIWL抽出を達成した。
【0057】
比較的に小量の極性改質剤にも拘わらず、IWL抽出物は十分にセラミドを含有して得られた。
【0058】
この方法で、抽出羊毛繊維の重量の0.85%までのIWLを得ることが可能であった。セラミド量は42重量%であり、抽出羊毛繊維の重量の0.36%のセラミドであった。通常は、抽出羊毛繊維の重量の0.70%の抽出IWLの平均が得られた。平均の抽出セラミド量は抽出された羊毛繊維の重量の0.27%であった。
【0059】
上記の従来技術においては、セラミドの最高値は抽出羊毛繊維重量の約0.18%であった。これは本発明を利用して得られるものより1.5から2倍下回る効率である。
【0060】
以下の実施例は上述を補充する目的で提供されている。
【発明を実施するための形態】
【0061】
【実施例】
【0062】
実施例1:羊毛繊維の準備
羊毛は、物理的な刈り込みによって生きている羊から得られる。その後にラノリンとして知られる表面グリースが、一般的に5つの洗浄風呂で成る洗浄列車により産業洗浄で除去される。洗浄工程は35℃から40℃の温度で水中における第1洗浄(第1風呂桶)と、45℃から55℃の炭酸ナトリウムでの処理(第2風呂桶)と、50℃から58℃の炭酸ナトリウムとエトキシ化ノニルフェノールと8から9モルの酸化エチレンとの混合物(第3風呂桶)と、8から9モルの酸化エチレンとエトキシ化ノニルフェノールを50℃から52℃(第4風呂桶)と、45℃から47℃での水による最終リンス(第5風呂桶)とで成る。最後に、羊毛繊維は室温と湿度条件で乾燥され、24時間、20℃、湿度60%で準備処理で終わる。
【0063】
実施例2:分析装置を使用した臨界超過条件での二酸化炭素でのIWLの抽出方法
SUPREX−PREPMASTER分析抽出装置が使用された。この装置は、ピストンの一方がポンプ作用をして、抽出システムに移動した二酸化炭素をコンプレスしているとき、第2ピストンが充填ステージであるように、連続する2つのピストンのシステムを使用して抽出室に供給する瓶から二酸化炭素(高純度、アベロリンド、バルセロナ、スペイン)を供給した。
【0064】
極性改質剤(メタノール、分析品質、メルクダームスタッド、ドイツ)が以下の割合でSUPREXブランド(MPA−1)のポンプで供給された。抽出物は固定流毛細管(1.5ml/分)で試験管内にて二酸化炭素のコンプレッションにより回収された。
【0065】
実施例1で得られた10gの準備された羊毛が50mlの抽出室に導入された。抽出は二酸化炭素により臨界超過条件で実施された。条件は、162バール、60℃、10%v/vのメタノールであった。温度は2つの電気抵抗を使用して抽出室周囲の空気を加熱することで到達された。
【0066】
抽出に使用された全液体量は抽出室の容積の5倍であった。すなわち、250mlであった。抽出物と共に充填された二酸化炭素は固定流毛細管(1.5ml/分)でシステムを離れた。内部羊毛脂質の沈殿物はサンプル収集試験管内で改質剤と共に発生した。
【0067】
セプタム(スペルコ、ベルフォンテ、米国)を備えた試験管は20mlの容積を有し、重量は測定されていた。この試験管は脱圧力された二酸化炭素を除去する出口を有しており、液状のサンプルは窒素竜で乾燥するまで濃縮された。
【0068】
抽出された内部羊毛脂質は重量測定され、1mlのクロロホルム/メタノール(2:1)内に再縣濁され、窒素冷凍および外気冷凍温度で維持された。
【0069】
羊毛の重量に対して0.741%の内部羊毛脂質が得られた。これは40.1重量%のセラミドを含有していた。これは抽出羊毛重量に対すツ0.297%のセラミドに該当する。
【0070】
実施例3から14:分析装置を使用した臨界超過条件の二酸化炭素によるIWLの抽出方法
実施例2で解説したものと類似した方法に従って、表1の条件で抽出試験が実施された。結果は抽出された羊毛繊維の重量に対する抽出IWLとセラミドの割合を表す。
【0071】

【0072】
IWLの本発明の顕著な効果の方法の運用条件が得られるか、および特に、抽出羊毛の全重量に対するセラミドが得られるかを見ることができる。
【0073】
実施例15:パイロットプラントを使用した臨界超過条件の二酸化炭素を介したIWL抽出の方法
臨界超過抽出を実行するのに使用されるパイロットプラントは、外部冷却を備えたMILROYAL D膜ヘッド(タイプ:MD−140G−6−M−390/J)を有した代替容積移送ポンプを使用した外部室への供給瓶からの二酸化炭素(高純度、アベロリンド、バルセロナ、スペイン)を供給する。
【0074】
確立されている割合で代替容積移送ポンプを介して極性変質剤(メタノール、分析品質、メルク、ダームスタッド、ドイツ)が供給された。
【0075】
臨界超過条件の二酸化炭素流は、抽出圧力によっては最大3500ml/時間に到達できる。試験中に、液流は1500から1800ml/時間に維持された。
【0076】
実施例1で得られた50gの準備された羊毛は抽出室(375ml)に導入され、臨界超過条件の二酸化炭素を使用して抽出が実行された。この条件は、162バール、60℃、10%のメタノールであった。抽出に使用された液体の全量は抽出室容積の5倍であった。
【0077】
抽出物はサーボモータ式のレギュレーションマイクロバルブを使用して3段階で脱圧力相に続いて3つの分離機で回収された。これら3段階の条件は次の通りであった。第1セパレータは122バールで60℃、第2セパレータは61バールで60℃、第3セパレータは大気条件。気体の二酸化炭素はマスフローメータを通ってシステムを離れた。
【0078】
抽出物はSAVANT SPEEDVACPLUS SC210A真空濃縮器(サーモクエスト)でまず乾燥され、溶剤内の残留物を除去する目的で最終的に窒素流で乾燥された。
【0079】
抽出IWLは重量測定で定量化され、クロロホルム/メタノール(2:1)(1または5ml)で再縣濁され、窒素と大気の冷凍温度に維持された。
【0080】
得られた資質の重量は抽出羊毛繊維の重量の0.64%であった。これは37%のセラミドの重量に当たり、抽出羊毛重量の0.237%のセラミドに該当するものが得られたことになる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
臨界超過条件の液体と、メタノール及び/又はエタノールから選択される極性変質剤とを使用した抽出によって実質的にラノリンを含有しない羊毛から内部羊毛脂質を得る方法であって、抽出は温度が40℃から120℃、圧力が120バールから330バール、および極性変質剤が3%から15%(v/v)の量で実行されることを特徴とする方法。
【請求項2】
流体は、二酸化炭素、水、アセトン、エタノール、およびメタノールから選択されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
流体は二酸化炭素であることを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項4】
極性改質剤はメタノールであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
極性改質剤はエタノールであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
極性改質剤の量は4%から12%の範囲であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
極性改質剤の量は5%から10%の範囲であることを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項8】
抽出は50℃から100℃の温度範囲で実行されることを特徴とする請求項1から7のいずれか記載の方法。
【請求項9】
抽出は60℃から90℃の温度範囲で実行されることを特徴とする請求項8記載の方法。
【請求項10】
抽出は150バールから310バールの圧力範囲で実行されることを特徴とする請求項1から9のいずれか記載の方法。
【請求項11】
抽出は160バールから300バールの圧力範囲で実行されることを特徴とする請求項10記載の方法。
【請求項12】
抽出は60℃から90℃の温度範囲並びに160バールから300バールの圧力範囲で実行され、極性改質剤は7.5%から12.5%(v/v)の範囲であることを特徴とする請求項1記載の方法。

【公表番号】特表2010−520378(P2010−520378A)
【公表日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−551232(P2009−551232)
【出願日】平成20年2月27日(2008.2.27)
【国際出願番号】PCT/ES2008/070033
【国際公開番号】WO2008/104630
【国際公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願人】(508157886)コンセジョ スペリオール デ インベスティガショネス シエンティフィカス (21)
【出願人】(509242059)セントロ テクノロジコ ガイケル (1)
【Fターム(参考)】