説明

自動ログイン装置及びそのプログラム

【課題】利便性の向上が可能な自動ログイン装置及びそのプログラムを提供する。
【解決手段】アプリケーション2が起動時等に表示する固有のアプリケーション画面を監視してログイン処理を行う監視応答部10と、ログイン処理に必要なログイン代行情報をアプリケーション等から取得して設定するログイン情報設定部20と、ログイン代行情報を記憶する記憶部30と、を備え、ログイン情報設定部20が、監視において参照されるアプリケーション画面情報をアプリケーションから取得してログイン代行情報に設定する画面情報設定手段21と、ログイン画面の操作対象の画面要素を選択させる操作対象選択手段22と、この操作対象への操作内容を設定させる操作内容設定手段23と、操作順の変更を可能にすると共にユーザの操作に応じて操作手順情報を設定する操作順序設定手段24と、を有し、GUIを表示してユーザに各入力を行わせる構成を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アプリケーションがログイン時に表示する画面を監視してログイン操作を代行する自動ログイン装置及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
セキュリティ意識の高まりと共に、ユーザ認証を伴うアプリケーションが増えてきている。ユーザ認証には一般的にログイン情報としてユーザIDとパスワードが用いられることが多く、多様なアプリケーションを使用するユーザにとって、それらのログイン情報を管理することは容易ではない。また、そのようなアプリケーションを立ち上げる度にログイン情報の入力を必要とするため、非常に煩わしい。
【0003】
従来、このような問題を解決するため、アプリケーションが起動時等に表示する固有の画面(以下、アプリケーション画面という。)を監視し、ログイン画面に対して自動的にログイン操作を代行する自動ログイン技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この自動ログイン技術は、PC(Personal Computer)又はワークステーションで動作するアプリケーションのログイン画面へのログイン情報の入力等を代行するものである。
【0004】
そのために、自動ログイン技術は、監視対象のアプリケーションのアプリケーション画面に関する情報(以下、画面情報という。)と操作手順、及びその画面に対応するログイン情報を予め登録しておく。自動ログイン技術は、また、監視プログラムが画面情報に基づいてアプリケーション画面の表示を定期的に監視し、登録したものと同じアプリケーション画面を検出したときに、対応する操作手順に従って対応するログイン情報をログイン画面に入力すると共に確定操作等を行い、自動ログインを可能とする。
【特許文献1】特開2006−155513号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の自動ログイン技術では、利便性が低いという問題を有していた。具体的には、まず、上記のように予めアプリケーションの画面情報と操作手順、及びログイン情報を登録しておく必要があるため、ユーザは予め各アプリケーションの画面情報と操作手順及びログイン情報の詳細を把握しておく必要がある。また、単純にユーザIDやパスワードを入力するだけではなく、入力処理の途中で特定のキーを押下する必要があるなどの複雑な操作を要求するものも数多くある。
【0006】
さらに、それらの画面情報や操作手順の情報は、各アプリケーションの実装に関わるため、一般のユーザにとっては理解し難い場合が多い。そのため、そのようなアプリケーションへのログイン手順を正しく設定することは、通常のユーザにとって困難である。事実、現在市場に出回っている自動ログインプログラムの殆どが、専門のエンジニアのサポート無しでは設定できない複雑なものとなっている。これらの要因が、アプリケーション画面を監視する自動ログインシステムの利便性を損ねていた。
【0007】
以上の現状に鑑み、本発明の目的は、利便性の向上が可能な自動ログイン装置及びそのプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決すべく、本発明は以下の構成を提供する。
請求項1に係る発明は、アプリケーションが表示するアプリケーション画面を監視し、アプリケーションの起動に要するログイン操作を代行する自動ログイン装置において、前記自動ログイン装置が、所定の情報を記憶する記憶部と、アプリケーションからアプリケーション画面情報とログイン操作の操作対象、操作内容及び操作順に関する操作手順情報とを取得し、ユーザにログインに使用するログイン情報を入力させ、前記アプリケーション画面情報、前記操作手順情報及び前記ログイン情報を含むログイン代行情報を前記記憶部に設定するログイン情報設定部と、アプリケーション画面を監視してログイン処理を行う監視応答部と、を備え、前記ログイン情報設定部が、アプリケーション又はそれに替わるエイリアス若しくはアイコンへのドラッグ&ドロップ操作を介してアプリケーションからのアプリケーション画面情報の取得及び前記記憶部への設定を可能にする第1のアイコンを生成する画面情報設定手段と、前記第1のアイコンの操作に応じてアプリケーション画面情報が取得されて設定されたときに、表示される又は表示されているログイン画面中のログイン操作に必要とされる画面要素毎に、前記画面要素へのドラッグ&ドロップ操作を介して操作対象の選択を可能にする第2のアイコンを生成する操作対象選択手段と、前記第2のアイコンを介して選択された操作対象への操作内容の設定を可能にする第1のGUI(Graphical user interface)を生成する操作内容設定手段と、前記第1のGUIを介して前記ログイン操作に必要とされる各画面要素に対する全ての操作対象に対して操作内容が設定されたときに、操作対象と操作内容を対応させて入力順に表示すると共にドラッグ&ドロップ操作を介して表示の順番の変更を可能にし、ユーザの操作に応じて表示されている操作対象と操作内容と表示の順番である操作順とを前記操作手順情報として前記記憶部に記憶させて設定することを可能にする、第2のGUIを生成する操作順序設定手段と、を有し、前記監視応答部が、表示中のアプリケーション画面の画面情報といずれかの前記ログイン代行情報中のアプリケーション画面情報とが一致するか否かを判断し、一致すると判断したとき、対応する前記ログイン代行情報中の操作順で操作内容を実行して、ログイン操作の代行であるログイン処理を実行することを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明は、アプリケーションが表示するアプリケーション画面を監視し、アプリケーションの起動に要するログイン操作を代行する自動ログインプログラムであって、前記自動ログインプログラムが、コンピュータに、アプリケーションからアプリケーション画面情報とログイン操作の操作対象、操作内容及び操作順に関する操作手順情報とを取得し、ユーザにログインに使用するログイン情報を入力させ、前記アプリケーション画面情報、前記操作手順情報及び前記ログイン情報を含むログイン代行情報を記憶させて設定するログイン情報設定処理と、アプリケーション画面を監視してログイン処理を行う監視応答処理と、を実行させ、前記ログイン情報設定処理が、アプリケーション又はそれに替わるエイリアス若しくはアイコンへのドラッグ&ドロップ操作を介してアプリケーションからのアプリケーション画面情報の取得及び設定を可能にする第1のアイコンを生成する画面情報設定ステップと、前記第1のアイコンの操作に応じてアプリケーション画面情報が取得されて設定されたときに、表示される又は表示されているログイン画面中のログイン操作に必要とされる画面要素毎に、前記画面要素へのドラッグ&ドロップ操作を介して操作対象の選択を可能にする第2のアイコンをユーザの操作に応じて生成する操作対象選択ステップと、前記第2のアイコンを介して選択された操作対象への操作内容の設定を可能にする第1のGUI(Graphical user interface)をユーザの操作に応じて生成する操作内容設定ステップと、前記第1のGUIを介して前記ログイン操作に必要とされる各画面要素に対する全ての操作対象に対して操作内容が設定されたときに、操作対象と操作内容を対応させて入力順に表示すると共にドラッグ&ドロップ操作を介して表示の順番の変更を可能にし、ユーザの操作に応じて表示されている操作対象と操作内容と表示の順番である操作順とを前記作手順情報として記憶させて設定することを可能にする、第2のGUIをユーザの操作に応じて生成する操作順序設定ステップと、を有し、前記監視応答処理が、表示中のアプリケーション画面の画面情報といずれかの前記ログイン代行情報中のアプリケーション画面情報とが一致するか否かを判断し、一致すると判断したとき、対応する前記ログイン代行情報中の操作順で操作内容を実行する、ログイン操作の代行としてのログイン処理であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明によれば、アプリケーションが表示するアプリケーション画面を監視し、アプリケーションの起動に要するログイン操作を代行する自動ログイン装置において、自動ログイン装置が、所定の情報を記憶する記憶部と、アプリケーションからアプリケーション画面情報とログイン操作の操作対象、操作内容及び操作順に関する操作手順情報とを取得し、ユーザにログインに使用するログイン情報を入力させ、アプリケーション画面情報、操作手順情報及びログイン情報を含むログイン代行情報を記憶部に設定するログイン情報設定部と、アプリケーション画面を監視してログイン処理を行う監視応答部と、を備え、ログイン情報設定部が、アプリケーション又はそれに替わるエイリアス若しくはアイコンへのドラッグ&ドロップ操作を介してアプリケーションからのアプリケーション画面情報の取得及び記憶部への設定を可能にする第1のアイコンを生成する画面情報設定手段と、第1のアイコンの操作に応じてアプリケーション画面情報が取得されて設定されたときに、表示される又は表示されているログイン画面中のログイン操作に必要とされる画面要素毎に、画面要素へのドラッグ&ドロップ操作を介して操作対象の選択を可能にする第2のアイコンを生成する操作対象選択手段と、第2のアイコンを介して選択された操作対象への操作内容の設定を可能にする第1のGUI(Graphical user interface)を生成する操作内容設定手段と、第1のGUIを介してログイン操作に必要とされる各画面要素に対する全ての操作対象に対して操作内容が設定されたときに、操作対象と操作内容を対応させて入力順に表示すると共にドラッグ&ドロップ操作を介して表示の順番の変更を可能にし、ユーザの操作に応じて表示されている操作対象と操作内容と表示の順番である操作順とを操作手順情報として記憶部に記憶させて設定することを可能にする、第2のGUIを生成する操作順序設定手段と、を有し、監視応答部が、表示中のアプリケーション画面の画面情報といずれかのログイン代行情報中のアプリケーション画面情報とが一致するか否かを判断し、一致すると判断したとき、対応するログイン代行情報中の操作順で操作内容を実行して、ログイン操作の代行であるログイン処理を実行するため、複雑な操作を要することなく、利便性の向上が可能な自動ログイン装置を実現することができる。
【0011】
請求項2に係る発明によれば、アプリケーションが表示するアプリケーション画面を監視し、アプリケーションの起動に要するログイン操作を代行する自動ログインプログラムであって、自動ログインプログラムが、コンピュータに、アプリケーションからアプリケーション画面情報とログイン操作の操作対象、操作内容及び操作順に関する操作手順情報とを取得し、ユーザにログインに使用するログイン情報を入力させ、アプリケーション画面情報、操作手順情報及びログイン情報を含むログイン代行情報を記憶させて設定するログイン情報設定処理と、アプリケーション画面を監視してログイン処理を行う監視応答処理と、を実行させ、ログイン情報設定処理が、アプリケーション又はそれに替わるエイリアス若しくはアイコンへのドラッグ&ドロップ操作を介してアプリケーションからのアプリケーション画面情報の取得及び設定を可能にする第1のアイコンを生成する画面情報設定ステップと、第1のアイコンの操作に応じてアプリケーション画面情報が取得されて設定されたときに、表示される又は表示されているログイン画面中のログイン操作に必要とされる画面要素毎に、画面要素へのドラッグ&ドロップ操作を介して操作対象の選択を可能にする第2のアイコンをユーザの操作に応じて生成する操作対象選択ステップと、第2のアイコンを介して選択された操作対象への操作内容の設定を可能にする第1のGUI(Graphical user interface)をユーザの操作に応じて生成する操作内容設定ステップと、第1のGUIを介してログイン操作に必要とされる各画面要素に対する全ての操作対象に対して操作内容が設定されたときに、操作対象と操作内容を対応させて入力順に表示すると共にドラッグ&ドロップ操作を介して表示の順番の変更を可能にし、ユーザの操作に応じて表示されている操作対象と操作内容と表示の順番である操作順とを作手順情報として記憶させて設定することを可能にする、第2のGUIをユーザの操作に応じて生成する操作順序設定ステップと、を有し、監視応答処理が、表示中のアプリケーション画面の画面情報といずれかのログイン代行情報中のアプリケーション画面情報とが一致するか否かを判断し、一致すると判断したとき、対応するログイン代行情報中の操作順で操作内容を実行する、ログイン操作の代行としてのログイン処理であるため、複雑な操作を要することなく、利便性の向上が可能な自動ログインプログラムを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、実施例を示した図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明による自動ログイン装置の一実施例を模式的に示すブロック構成図である。自動ログイン装置1は、図1に示すように、アプリケーションプログラム(以下、単にアプリケーションという。)が起動時等に表示する固有のアプリケーション画面を監視してログイン処理を行う監視応答部10と、ログイン処理に必要な情報(以下、ログイン代行情報という。)をアプリケーション等から取得して設定するログイン情報設定部20と、ログイン情報設定部20が取得したログイン代行情報を記憶する記憶部30と、を備える。
【0013】
ここで、自動ログイン装置1の図1において破線で囲まれた部分、即ち、監視応答部10及びログイン情報設定部20は、同様の機能を実現するプログラムに応じて処理するコンピュータ等として実現されるのでもよい。この場合、記憶部30は、このコンピュータが内蔵するHD(ハードディスク)等として実現される。又、ログイン代行情報は、例えば、アプリケーション画面に関する情報(以下、アプリケーション画面情報といい、画面に関する情報を画面情報という。)と、ログイン操作の手順に関する情報であって操作対象、操作内容及び操作順からなる操作手順情報と、ログインに使用するユーザID、パスワード等からなるログイン情報とを含み、アプリケーション毎に記憶部30に記憶される。
【0014】
監視応答部10は、PC又はワークステーション上に表示されている画面を定期的に監視し、表示されている画面に関する情報が記憶部30に登録されているログイン代行情報中のアプリケーション画面情報のうちのいずれかと一致するか否かを判断する。監視応答部10は、また、いずれかのアプリケーション画面情報と一致したと判断したとき、対応するログイン代行情報中の操作手順情報を抽出し、操作手順情報に基づいて対応するログイン画面にログイン操作を行う。
【0015】
ログイン情報設定部20は、監視において参照されるアプリケーション画面情報をアプリケーションから取得してログイン代行情報に設定する画面情報設定手段21と、ログイン画面の操作対象の画面要素を選択させる操作対象選択手段22と、この操作対象への操作内容を設定させる操作内容設定手段23と、操作順の変更を可能にすると共にユーザの操作に応じて操作手順情報を設定する操作順序設定手段24と、から構成される。ログイン情報設定部20は、後述のGUI(Graphical User Interface)をユーザに表示し、GUIを介してユーザが選択した監視対象アプリケーション2のアプリケーション画面情報と、そのアプリケーションへのログインのための操作手順情報とを、ログイン代行情報の一部として設定する。
【0016】
図2は、一般的なアプリケーションのログイン画面の構成を示す模式図である。ログイン画面210は、図2に示すように、一般に、ユーザIDを入力する入力フィールド211と、パスワードを入力する入力フィールド212と、入力情報を確定するOKボタン213とを有する。アプリケーションによっては、これ以外の構成要素を有するものもあるが、本実施例では、最も一般的なこの構成を例にとって説明する。
【0017】
図2のログイン画面210を表示するアプリケーションに対するログイン操作は、通常、ユーザID及びパスワードとしてそれぞれ適切な文字及び数字の組み合わせを入力してから、OKボタンを押下するというものである。しかしながら、それ以外の操作を必要とするアプリケーションも使用されているため、ユーザIDとして文字列を入力し、キーボードのEnterキーを押下し、パスワードにフォーカスを移動させ、パスワードとして文字列等を入力し、再度Enterキーを押下し、そして最後にOKボタンを押下するログイン操作を例にとり、以下に説明する。
【0018】
図3は、監視対象アプリケーション2をユーザに選択させるためにログイン情報設定部20が表示するGUIの一実施例を示す模式図である。図3(a)にアイコンとして示されるGUI310は、画面情報設定手段21によって表示されるものであり、例えば、アプリケーションのアイコン上にドラッグ&ドロップ操作されることによって、このアプリケーションを選択すると共に監視するためのアプリケーション画面情報を取得して設定する。
【0019】
図3(b)にアイコンとして示されるGUI320は、GUI310を介してアプリケーション画面情報が取得されたときに操作対象選択手段22によって表示され、ログイン画面中の操作対象を選択するアイコン322と、再設定に使用されるアイコン321と、完了ボタン323とを有する。アイコン322をログイン画面210の画面要素、例えば、入力フィールド211、212、OKボタン213等の上にドラッグ&ドロップ操作することによって、操作対象選択手段22がログイン画面210の選択された画面要素を識別し、ログイン操作に必要な情報を取得する。ここで、操作対象の選択及び操作内容の設定は何度でもでき、操作対象への設定がすべて完了したとき、完了ボタン323の押下によって設定が完了する。また、アイコン321は、再設定、即ちここで対象としているアプリケーションとは異なるアプリケーションの設定、に使用され、対象のアプリケーションのアイコン上にドラッグ&ドロップ操作することによって設定を最初からやり直すことを可能にする。
【0020】
図4は、操作内容設定手段23が表示するGUIの実施例を示す模式図であり、4つの異なる変化例を示す。このGUI410(420、430、440)は、GUI320によって選択された操作対象、例えばユーザID、に対する操作内容をログイン代行情報の一部として設定する場合に使用される。ここでいう操作内容は、ログイン情報を含む。ユーザがGUI320を介して操作対象を選択したとき、いずれかのGU410(420、430、440)が表示され、表示されたGUIは選択された操作対象に対する操作内容の設定を可能とする。通常、GUI410が最初に表示されるが、表示される画面の内容はドロップダウンリスト411によって切替可能である。
【0021】
操作内容は、それぞれ、ドロップダウンリスト411から操作種別を選択し、入力フィールド412、422、432が表示されている場合は必要な操作内容を入力し(表示されていない場合はこの入力は省略される)、最後にOKボタン413を押下するという手順で設定される。操作種別として、例えば、「ユーザID」、「パスワード」、「キーイベント」、及び「フォーカス」の4種類のうちのいずれかが選択できるのでもよく、それぞれ、「操作対象である入力フィールドにユーザIDを入力する」、「操作対象である入力フィールドにパスワードを入力する」、「操作対象である画面要素に対してキー押下イベントを発生させる」、及び「操作対象である画面要素へフォーカスを移動する」という操作を意味する。
【0022】
操作内容設定手段23は、ユーザがいずれかの操作種別を選択したとき、選択された操作種別に応じて表示するGUIを変化させる。具体的には、操作内容設定手段23は、「ユーザID」に対してはGUI410、「パスワード」に対してはGUI420、「キーイベント」に対してはGUI430、「フォーカス」に対してはGUI440へと、それぞれ変化させる。ユーザは、「ユーザID」を選択した場合、ログイン操作時に入力するユーザIDの文字列を入力フィールド412に入力し、「パスワード」を選択した場合、ログイン操作時に入力するパスワードの文字列等を入力フィールド422に入力し(入力した文字列は“*”でマスクされる)、「キーイベント」を選択した場合、ログイン操作時に発生させるキーイベントの種類を入力フィールド432に入力し、「フォーカス」を選択した場合は、何も入力することなく、操作内容を入力することができ、さらにOKボタン413を押下することによって入力された内容を設定できる。ユーザは、GUI320を使用して操作対象を選択し、GUI410(420、430、440)を使用した操作内容の入力及び設定を必要回数繰り返すことによって、複数の操作を必要とするログインに対するログイン代行情報中の操作手順情報を設定することができる。
【0023】
ユーザは、以下のように、例えばユーザIDを設定してからパスワードを設定する等の操作内容の設定を行うことができる。即ち、ユーザは、まず、GUI310を用いてアプリケーションのアイコンを選択し、GUI320を用いてユーザIDの入力フィールド211を選択してGUI410を表示させ、GUI410のドロップダウンリスト411から「ユーザID」を選択し、入力フィールド412にユーザIDの文字列を入力し、そして、OKボタン413を押下してこの操作対象についての設定内容を確定する。
【0024】
次に、ユーザは、GUI320を用いて再び入力フィールド211を選択してGUI410を表示させ、GUI410のドロップダウンリスト411から「キーイベント」を選択してGUI430に変更し、入力フィールド432にEnterをキー入力、そして、OKボタン433を押下して設定内容を確定する。次に、ユーザは、フォーカスの移動と、パスワードの入力と、Enterのキー入力とについても、同様に操作して設定し、これらの操作対象についての設定内容を確定する。
【0025】
図5は、操作順序設定手段24が表示するGUIの実施例を模式的に示す図である。GUI510は、上記のようにGUI320と必要とされるGUI410(420、430、440)とが操作されることによって各操作対象について全ての操作内容の設定が完了し、GUI320のボタン323が押下されたときに表示される。GUI510は、設定された操作対象とその操作内容とその順番、即ち操作順を変更することが可能となっている。
【0026】
図5において、GUI510が変更前、GUI520が変更後の表示内容を示す。図5に示すように、GUIは、現在設定されている操作対象、操作内容、及びその順番を一覧511、521として表示するようになっている。一覧表示されている操作内容及びその順番は、代行して行われるログイン操作の操作内容及びその順番(操作順)に対応している。操作順の変更は、このGUI510上で、対象の行全体をドラッグ&ドロップ操作して他の行に移動させることによって実現できる。
【0027】
以上に説明したGUIを用いて、ユーザは自動ログインのために必要な、アプリケーション画面情報と、ログイン画面の操作対象、操作対象に対する操作内容(ログイン情報を含む。)、及び操作順からなる操作手順情報と、を設定して登録する。このように登録されたアプリケーションが起動されたとき、自動ログイン装置は、アプリケーションの起動を検知し、登録されたログイン情報を含む操作手順情報に基づいてログイン操作を実行し、もって、アプリケーションへのログインを代行する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明による自動ログイン装置の一実施例を模式的に示すブロック構成図である。
【図2】一般的なアプリケーションのログイン画面の構成を示す模式図である。
【図3】監視対象アプリケーション2をユーザに選択させるためにログイン情報設定部が表示するGUIの一実施例を示す模式図であり、(a)は画面情報設定手段によって表示され、(b)は操作対象選択手段によって表示されるGUIを示す。
【図4】操作内容設定手段が表示するGUIの実施例を示す模式図であり、4つの異なる変化例を示す。
【図5】操作順序設定手段が表示するGUIの実施例を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0029】
1 自動ログイン装置
2 監視対象アプリケーション
10 監視応答部
20 ログイン情報設定部
21 画面情報設定手段
22 操作対象選択手段
23 操作内容設定手段
24 操作順序設定手段
30 記憶部
210 ログイン画面
211、212、412、422、432 入力フィールド
213、413、512 OKボタン
310 画面選択GUI
311 アプリケーション画面の選択アイコン
320 操作対象選択GUI
321 アプリケーション画面の選択アイコン(再選択用)
322 操作対象の選択アイコン
323 完了ボタン
410 操作内容設定GUI(ユーザID選択時)
411 操作タイプ選択ドロップダウンリスト
420 操作内容設定GUI(パスワード選択時)
421 操作タイプ選択ドロップダウンリスト
430 操作内容設定GUI(キーイベント選択時)
431 操作タイプ選択ドロップダウンリスト
440 操作内容設定GUI(フォーカス選択時)
441 操作タイプ選択ドロップダウンリスト
510 操作順序設定GUI(変更前)
511 操作内容一覧(変更前)
520 操作順序設定GUI(変更後)
521 操作内容一覧(変更後)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アプリケーションが表示するアプリケーション画面を監視し、アプリケーションの起動に要するログイン操作を代行する自動ログイン装置において、
前記自動ログイン装置が、
所定の情報を記憶する記憶部と、アプリケーションからアプリケーション画面情報とログイン操作の操作対象、操作内容及び操作順に関する操作手順情報とを取得し、ユーザにログインに使用するログイン情報を入力させ、前記アプリケーション画面情報、前記操作手順情報及び前記ログイン情報を含むログイン代行情報を前記記憶部に設定するログイン情報設定部と、アプリケーション画面を監視してログイン処理を行う監視応答部と、を備え、
前記ログイン情報設定部が、
アプリケーション又はそれに替わるエイリアス若しくはアイコンへのドラッグ&ドロップ操作を介してアプリケーションからのアプリケーション画面情報の取得及び前記記憶部への設定を可能にする第1のアイコンを生成する画面情報設定手段と、
前記第1のアイコンの操作に応じてアプリケーション画面情報が取得されて設定されたときに、表示される又は表示されているログイン画面中のログイン操作に必要とされる画面要素毎に、前記画面要素へのドラッグ&ドロップ操作を介して操作対象の選択を可能にする第2のアイコンを生成する操作対象選択手段と、
前記第2のアイコンを介して選択された操作対象への操作内容の設定を可能にする第1のGUI(Graphical user interface)を生成する操作内容設定手段と、
前記第1のGUIを介して前記ログイン操作に必要とされる各画面要素に対する全ての操作対象に対して操作内容が設定されたときに、操作対象と操作内容を対応させて入力順に表示すると共にドラッグ&ドロップ操作を介して表示の順番の変更を可能にし、ユーザの操作に応じて表示されている操作対象と操作内容と表示の順番である操作順とを前記操作手順情報として前記記憶部に記憶させて設定することを可能にする、第2のGUIを生成する操作順序設定手段と、を有し、
前記監視応答部が、
表示中のアプリケーション画面の画面情報といずれかの前記ログイン代行情報中のアプリケーション画面情報とが一致するか否かを判断し、一致すると判断したとき、対応する前記ログイン代行情報中の操作順で操作内容を実行して、ログイン操作の代行であるログイン処理を実行する、ことを特徴とする自動ログイン装置。
【請求項2】
アプリケーションが表示するアプリケーション画面を監視し、アプリケーションの起動に要するログイン操作を代行する自動ログインプログラムであって、
前記自動ログインプログラムが、
コンピュータに、アプリケーションからアプリケーション画面情報とログイン操作の操作対象、操作内容及び操作順に関する操作手順情報とを取得し、ユーザにログインに使用するログイン情報を入力させ、前記アプリケーション画面情報、前記操作手順情報及び前記ログイン情報を含むログイン代行情報を記憶させて設定するログイン情報設定処理と、アプリケーション画面を監視してログイン処理を行う監視応答処理と、を実行させ、
前記ログイン情報設定処理が、
アプリケーション又はそれに替わるエイリアス若しくはアイコンへのドラッグ&ドロップ操作を介してアプリケーションからのアプリケーション画面情報の取得及び設定を可能にする第1のアイコンを生成する画面情報設定ステップと、
前記第1のアイコンの操作に応じてアプリケーション画面情報が取得されて設定されたときに、表示される又は表示されているログイン画面中のログイン操作に必要とされる画面要素毎に、前記画面要素へのドラッグ&ドロップ操作を介して操作対象の選択を可能にする第2のアイコンをユーザの操作に応じて生成する操作対象選択ステップと、
前記第2のアイコンを介して選択された操作対象への操作内容の設定を可能にする第1のGUI(Graphical user interface)をユーザの操作に応じて生成する操作内容設定ステップと、
前記第1のGUIを介して前記ログイン操作に必要とされる各画面要素に対する全ての操作対象に対して操作内容が設定されたときに、操作対象と操作内容を対応させて入力順に表示すると共にドラッグ&ドロップ操作を介して表示の順番の変更を可能にし、ユーザの操作に応じて表示されている操作対象と操作内容と表示の順番である操作順とを前記作手順情報として記憶させて設定することを可能にする、第2のGUIをユーザの操作に応じて生成する操作順序設定ステップと、を有し、
前記監視応答処理が、
表示中のアプリケーション画面の画面情報といずれかの前記ログイン代行情報中のアプリケーション画面情報とが一致するか否かを判断し、一致すると判断したとき、対応する前記ログイン代行情報中の操作順で操作内容を実行する、ログイン操作の代行としてのログイン処理である、ことを特徴とする自動ログインプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−48431(P2009−48431A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−214248(P2007−214248)
【出願日】平成19年8月21日(2007.8.21)
【出願人】(000233055)日立ソフトウエアエンジニアリング株式会社 (1,610)
【Fターム(参考)】