説明

自動二輪車用オイルポンプ

【課題】 カムシャフトにより直接駆動される回転部材を含むオイルポンプの提供。
【解決手段】 第1カムシャフトと第2カムシャフトを有するエンジン用のオイルポンプは、ハウジングと、前記ハウジング内に少なくとも部分的に配置された第1ポンプ組立体とを含む。第1ポンプ組立体は、第1カムシャフトにより直接駆動されるように構成された回転部材を含む。第2ポンプ組立体は、前記ハウジング内に少なくとも部分的に配置される。第2ポンプ組立体は、前記第2カムシャフトにより直接駆動されるように構成された回転部材を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動二輪車用オイルポンプに関する。より詳細には、本発明は、カムシャフトによりそれぞれ直接駆動される2つのポンプユニットを含むオイルポンプ組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
自動二輪車は、自動二輪車の移動の際に別々の軸まわりに回転する前輪と後輪を含む。エンジンは、燃料混合気を燃やして、自動二輪車を推進させるために後輪に伝えるシャフト出力を生成する。エンジンの多くの可動部品は、可動部品を潤滑すると共に幾らかの冷却を付与するオイルのような潤滑剤を必要とする。必要なオイルを供給するために、自動二輪車は、エンジンにより駆動されるオイルポンプを含む。たいていの構成では、ギア、ベルト又はチェーンが一以上のポンピング部材とカムシャフト又はクランクシャフトとを相互に接続して、ポンプに出力を供給する。
【0003】
以下に関連した文献を列挙する。
【特許文献1】米国特許第6457449号明細書
【特許文献2】米国特許第6116205号明細書
【特許文献3】米国特許第6047667号明細書
【特許文献4】米国特許第5555856号明細書
【特許文献5】米国特許第5295463号明細書
【特許文献6】米国特許第5092292号明細書
【特許文献7】米国特許第4703724号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、自動二輪車用のオイルポンプ組立体等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
オイルポンプは、クランクケース、クランクシャフト及び2つのカムシャフトを含むエンジンに取り付けられる。オイルポンプ組立体は、2つのジロータを回転支持するポンプ本体を含む。ジロータの一方は、クランクケース及びカムチェスト内のオイル溜めからオイルを引き、オイルリザーバにオイルを汲み上げる一方で、第2のジロータは、リザーバからのオイルを汲み上げ、オイルフィルタ、オイルクーラーを介して、潤滑が必要なエンジン部品に送る。各ジロータは、カムシャフトの1つにより直接駆動される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
【0007】
本発明の実施例を詳説する前に、理解されるべきこととして、本発明は、図面に図示された又は次の説明が付与された部品の構造及び配置の詳細にその用途が限定されるものでない。本発明は、他の実施例が可能であり、種々の態様で実現ないし実施されることができる。また、理解されるべきこととして、ここで用いられる専門語ないし用語は、説明の目的であり、限定としてみなされるべきでない。“含む”や“有する”及びそれらの変形は、その前に列挙されるアイテム及びその均等物のみならず、追加のアイテムを包含する意図で用いられている。特に特定ないし限定されない限り、用語“搭載される”、“接続される”、“支持される”及び“結合される”及びそれらの変形は、広い意味で用いられ、直接的及び間接的な搭載、接続、支持、及び結合を包含する。更に、“接続される”及び“結合される”は、物理的又は機械的な接続や結合に限定されない。
【0008】
図1は、前輪15、後輪20、エンジン25及びトランスミッション30を含む自動二輪車10を図示する。エンジン25は、燃料混合気を燃やして、自動二輪車10を推進させるために後輪20を駆動する使用可能なシャフト出力を生成する。一般的に、火花点火式内燃機関エンジン25が、自動二輪車10の動力源として採用される。しかし、他の構成は、圧縮点火式エンジン、ロータリーエンジン、又は、燃料を燃やして使用可能なシャフト出力を生成する他のタイプのエンジンを含む。
【0009】
図2は、図1の自動二輪車10のエンジン25及びトランスミッション30を図示する。トランスミッション30は、エンジン25に取り付けられ、後方に延在する。トランスミッション30は、ギア部品やその他の部品を含み、よく知られているように、エンジン25の回転速度に対する後輪の回転速度の変化を可能とする。
【0010】
エンジン25は、クランクケース40の上方に延在する2つのシリンダ35を含む。各シリンダ35は、僅かに傾斜され、エンジン動作中にシリンダ35の冷却を補助する複数のフィン45を含む。シリンダヘッド50は、各シリンダ35の上部に配置され、シリンダ35と協働して、燃焼室55を画成する。各シリンダ35内に配置されるピストン60は、燃焼室55内の燃焼に応答して、反復運動し、クランクシャフト65を回転させる。クランクシャフト65は、後輪20に、トランスミッション30、及び、チェーン、ベルト又はシャフトのような駆動リンクを介して、接続され、後輪20が燃焼室55内の燃焼に応じて回転することを可能とする。更に、たいていのトランスミッション30は、エンジン25が後輪20を回転させることなく動作できる中立位置を有する。
【0011】
図3に示すクランクケース40は、シリンダ35のそれぞれに対してシリンダ取り付け面を画成するハウジング70を含む。クランクケース40は、また、クランク室75(図2参照)及びカム室80(図3参照)を少なくとも部分的に画成する。シリンダ取り付け面に略垂直なオイルポンプ面85は、カム室80を囲繞し、オイルポンプ組立体90のための取り付け面を画成する。オイルポンプ組立体90(図4に示す)は、オイルポンプ面85に取り付けられ、カム室80を実質的に閉塞する。
【0012】
第1カムシャフト95及び第2カムシャフト(図示せず)は、実質的にクランクケース40のカム室80内に、回転支持され、オイルポンプ組立体がクランクケース40に結合されるときにオイルポンプ組立体90内に少なくとも部分的に延在する。各カムシャフト95は、カムシャフト95がクランクシャフト65の回転に応じて、クランクシャフト65の回転速度に正比例した速度で回転するような態様で、クランクシャフト65に結合される。好ましい構成では、タイミングベルトが、クランクシャフト65及びカムシャフト95を相互結合させ、所望の回転を達成する。本分野で良く知られているように、各カムシャフト95は、一以上のカムを支持し、カムは、一以上のバルブを駆動して、シリンダ35のうちの1つの燃焼室55内に燃料混合気が導入されるのを可能とし、又は、燃焼室55からの排気ガスの排出を可能とする。
【0013】
図4を参照するに、オイルポンプ組立体90は、分解された状態で図示されている。オイルポンプ組立体90は、ポンプカバー100、バイパスバルブ105、圧力センサ110、スカベンジ穴120及びルブオイル穴125を画成するポンプ本体115、及び、図5を参照して説明されることになる複数の流路を含む。スカベンジ穴120は、略円筒形であり、略平らな底面130(図5に示される)を画成する。第1の穴135は、平らな表面130に形成され、クランク室75内のオイル溜めとスカベンジ穴120との間の流体の連通を提供する。第2の穴140は、スカベンジ穴120を画成する円筒状の壁の一部として形成され、カム室80内のオイル溜めとスカベンジ穴120との間の流体の連通を提供する。第3の穴145は、平らな表面130に形成され、スカベンジ穴120と、オイルタンク、中空構造部材やその他の容器のようなオイルリザーバ148との間の流体の連通を提供する。
【0014】
スカベンジジロータ(gerotor)150は、スカベンジ穴120内に配置され、第1のインナロータ155及び第1のアウタロータ160を含む。第1のアウタロータ160は、スカベンジ穴120内に嵌合され第1のアウタロータ160がポンプ本体115に対して回転することを可能とする円筒形の表面165を含む。また、第1のアウタロータ160は、複数の歯を受ける穴により画成される内部空間170を含む。第1のインナロータ155は、第1のインナロータ155が第1カムシャフト95と共に回転するように第1カムシャフト95に係合する中央穴171を含む。第1のインナロータ155は、アウタロータ160の歯を受ける穴内に嵌合されるように大きさ及び形の複数の歯を含み、インナロータ155の回転に応じてアウタロータ160が回転するようにする。ジロータの分野で良く知られているように、第1カムシャフト95の回転軸AAは、スカベンジ穴120の中心から僅かにオフセットされ、第1のアウタロータ160がインナロータ155周りを回転する際に、ギャップ175がアウタロータ160とインナロータ155との間で開閉するようにする。
【0015】
ルブオイル穴125は、略円筒形であり、スカベンジ穴120よりも浅く、略平らな底面180を画成する。入口穴185は、平らな底面180に形成され、オイルリザーバ148とルブオイル穴125との間の流体の連通を提供する。出口穴190は、略平らな底面180に形成され、ルブオイル穴125とオイルフィルタ195との間の流体の連通を提供する。ルブオイル穴125は、第2のインナロータ205と第2のアウタロータ210を含む点でスカベンジジロータ150に類似するルブオイルジロータ200を受け入れる。第2のアウタロータ210は、ルブオイル穴125内に嵌合されるが、ポンプ本体115に対して回転が自由のままである。第2のインナロータ205は、第2カムシャフトを受け入れる中心穴を含み、第2のインナロータ205が第2カムシャフトと共に回転するようにする。第2のインナロータ205の回転は、インナロータ205とアウタロータ210との間のギャップ215がルブオイル穴125まわりの所定位置で開閉するように、第2のアウタロータ210の対応する回転を生む。
【0016】
見て分かるように、スカベンジジロータ150は、実質的にルブオイルジロータ200よりも薄い。増加された厚みは、オイル溜めから上方に潤滑油を引き込むのに必要なスカベンジジロータ150に対する追加のポンピング能力を付与する。他の構成では、スカベンジジロータ150及びルブオイルジロータ200は同様の厚みであってよい。
【0017】
ある構成では、セパレータプレート220(図6参照)が、ジロータ150,200の露出した端面を覆い、ジロータ150,200からの軸方向の漏れを防止する。セパレータプレートは、2つの円形穴222、及び、3つの流路穴223a,223b,223cを含む。円形穴222は、カムシャフトの潤滑を可能とする。第1の流路穴223aは、クランクケースのオイル溜め236からスカベンジジロータ150内への吸引流れを可能とする。第2の穴223bは、カム室のオイル溜め237からスカベンジジロータ150内への吸引流れを可能とする。第3の穴223cは、ルブオイルジロータ200内への吸引流れを可能とする。当然ながら、他の構成が、このセパレータプレート220以外の特徴に依存して、この望ましくない漏れを防止してもよい。ポンプカバー100は、如何なる露出した流路を閉塞するためにポンプ本体115に取り付けられ、部品の軸方向の望ましくない動きを防止すると共に、セパレータプレート220を所望の位置に保持する。ある構成では、ガスケット221が、ポンプ本体115とポンプカバー100との間に配置され、それらの間のシールを改善してもよい。
【0018】
図4の参照を続けるに、バイパスバルブ105は、バルブプランジャ225、付勢部材230及びプラグ235を含む。プランジャ225は、ポンプ本体115に形成された穴内に嵌合され、閉位置と開位置又はバイパス位置との間で移動可能である。付勢部材230は、圧縮スプリングの形態であり、バルブプランジャ225に係合し、バルブプランジャ225を閉位置に向けて付勢する。プラグ235は、穴を塞ぐためにポンプ本体115に係合し、付勢部材230に係合する表面を提供する。ある構成では、プラグ235は、Oリング、ガスケット、又は穴を封止してオイル漏れを防ぐプラグ225の能力を増強させる他のシーリング装置を含む。
【0019】
圧力センサ110は、ポンプ本体115に取り付けられ、図5を参照して説明されるように、ポンプ本体115内の潤滑油と流体的に連通する圧力センシング素子を含む。好ましい構成では、圧力センサ110は、所定のバルブの下方で圧力低下が生じたときに切り替わるようにセットされた圧力スイッチを含む。所定のバルブの下方で圧力が低下した場合に、スイッチが作動して操作者に対する警告ライトのようなインジケータを作動させる。従って、圧力センサ110は、エンジン25に有害となりうる低い潤滑油圧の状態を自動二輪車10の操作者に警告するために使用されることができる。
【0020】
図5を参照するに、種々の流路及びオイルポンプ組立体90の動作が説明される。エンジン動作中、クランクシャフト65は、燃焼室55内の燃焼に応答して回転する。クランクシャフト65の回転は、カムシャフト95の回転を引き起こし、これにより、スカベンジジロータ150及びルブオイルジロータ200の双方の回転が引き起こされる。スカベンジジロータ150が回転すると、第1のインナロータ155及び第1のアウタロータ160が、第1の穴135近傍及び第2の穴140近傍で離間し始める。スカベンジジロータ150は、第1のインナロータ155及び第1のアウタロータ160の間の空間が増加する際に部分真空を生成する。部分真空がオイル又は他の流体(例えばエア)を、クランクケースオイル溜め236から穴135を介して及びカム室オイル溜め237から穴140を介して、第1のインナロータ155及び第1のアウタロータ160の間の空間へと吸引する。ジロータ150の連続的な回転は、空間内に捕捉された流体を第3の穴145へと方向付ける。第3の穴145から、流体は、第1の本体出口245へと、ポンプ本体115内に形成された第1の内部流路240に沿って流れる。第1の本体出口245からは、流体は、オイルリザーバ148へと、オイルラインのような導管238を通って流れる。従って、スカベンジジロータ150は、オイル又は他の流体を、エンジン25内の収集ポイントから吸引し、当該オイルを、エンジン構成部品を潤滑及び冷却するために再利用されることができる場所であるオイルリザーバ148へと送る役割をする。
【0021】
ルブオイルジロータ200は、第2のインナロータ205及び第2のアウタロータ210が入口穴185に亘る領域において分離し始めるように、方向付けられる。ロータ205,210が分離する際、部分真空が形成され、これにより、オイルリザーバ148からオイルが、外部オイルライン246又は他の流路を通して、及び、第2の内部流路250を通して吸引される。流体は、潤滑剤が出口穴190の近傍に来るまで、ルブオイル穴125まわりを第2のロータ205,210と共に回転する。第2のインナロータ205及び第2のアウタロータ210の間の空間が出口穴190に近づくと、第2のインナロータ205及び第2のアウタロータ210が互いに近くに移動し、これにより、それらの間の体積が減少される。体積が減少すると、流体は、出口穴190を介して第3の流路225へと圧送される。
【0022】
第3の内部流路255は、クランクケース40内に少なくとも部分的に形成され、オイルフィルタ195に連通する。オイルフィルタ195は、エンジン構成部品に有害となりうる小さい粒子及び物質を除去する。フィルタ195からは、オイルは、オイルを冷却する熱交換器を含むオイルクーラー260内に流れる。冷却されたオイルは、エンジン25の可動部品を冷却及び潤滑するのにより適する。オイルクーラー260からは、オイルは、第1の本体入口265を介してポンプ本体115に再び入り、潤滑及び冷却が必要とされる箇所にオイルを方向付ける一連の潤滑油チャンネル270を流れる。例えば、オイルは、所望の潤滑及び冷却を付与するために、クランクケース65を支持するベアリング、及び/又は、カムシャフト95を支持するベアリングに向けられてよい。直接駆動されるジロータ150,200は、十分な流量及び圧力の出力を提供して、加圧された潤滑油がこれらのベアリングに供給されるようにする。所望の部品を潤滑した後、オイルは、クランクケースのオイル溜め及びカム室のオイル溜めの一方に、スカベンジジロータ150による再利用及び収集のために収集される。
【0023】
バイパス穴275は、ポンプ本体115の一部として形成され、第3の内部流路255(ルブオイルジロータ出口)と第2の内部流路250(ルブオイルジロータ入口)の間のバイパス流路276に連通する。バイパスバルブ105は、プランジャ225がバイパス穴275を閉じる方向に付勢されるように、配置される。しかし、第3の流路255内の高圧の潤滑油により生成される力が、圧縮スプリングにより生成される力を上回るとき、プランジャ225は、バイパス穴275から離れる方向に移動し始める。プランジャ225がバイパス穴275から離れる方向に移動すると、第3の流路255からの潤滑油が第2の内部流路250へとバイパス(分岐)される。
【0024】
一般的に、スカベンジジロータ150及びルブオイルジロータ200の吐出圧は、エンジン速度の関数であり、エンジン速度が高いほど高い吐出圧が生成される。高速のエンジン速度では、過剰な高圧潤滑油が、ルブオイルジロータ200の出口からルブオイルジロータ200の近傍の入口穴185へとバイパスされ、これにより、搬送される流れが高速で一定に保持される。入口穴185における、増加した流量及び圧力は、ルブオイルジロータ200のキャビテーション速度を増加させ、それ故に、これらの高速時にジロータ200の体積効率を増加しうる。
【0025】
図5に示すように、圧力センサ110は、潤滑又は冷却を必要とするポイントに潤滑油を方向付ける一連の潤滑油チャンネル270の1つに連通する。かくして、圧力センサ110は、これらの流路270における圧力低下を検出することができる。これらの流路270における圧力低下は、低圧は可動部品の全て又はいくつかが不適切な潤滑及び冷却を受けていることを意味しうるので、有害でありうる。
【0026】
ここで図示したオイルポンプ組立体90の構成は、ルブオイルジロータ入口の過給を可能とするバイパスバルブ105の使用を可能とする。更に、直接駆動されるジロータ150,200は、他の機械駆動式オイルポンプ構成に比べて信頼性が高く、より通常的な跳ね掛け給油よりもむしろ、ベアリングの直接の加圧潤滑を可能とする更なる能力を提供する。更に、ポンプ本体115の内外に導く穴の配置は、全ての位置で同径継手を採用することができるようなものである。
【0027】
ここで図示したオイルポンプ組立体90は、ポンプの外部の構成部品(例えば、オイルクーラー260、オイルフィルタ195等)間の接続に対して設けられる幾つかの入口及び出口を含む。ポンプ組立体90の構成は、同径継手280が全ての入口及び出口で採用できるようなものであり、これにより、如何なる角度の付いた継手の必要性も無くす。継手280は、管継手、フレアレス管継手、ホースフィッティング等を含んでよい。
【0028】
このように、本発明は、とりわけ、自動二輪車10に対する新規で有用なオイルポンプ組立体90を提供する。より詳細には、本発明はカムシャフト95の1つによりそれぞれ直接駆動される2つのジロータ150,200を含む新規で有用なオイルポンプ90を提供する。
【0029】
本出願は、2005年7月1日に出願された係属中の米国の予備特許出願番号60/696,384号に基づく優先権を主張するものであり、当該出願の内容は、ここでの参照により本明細書における記載内容とする。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明を具現化するエンジンを含む自動二輪車の斜視図である。
【図2】図1のエンジンを部分的に切り出した斜視図である。
【図3】オイルポンプ組立体を備える図2のエンジンの斜視図である。
【図4】ポンプ組立体の分解図である。
【図5】多様な流路を図示するオイルポンプ組立体の前面図である。
【図6】図4のポンプ組立体のセパレータプレートの斜視図である。
【符号の説明】
【0031】
40 クランクケース
65 クランクシャフト
70 ハウジング
75 クランク室
80 カム室
90 オイルポンプ組立体
95 カムシャフト
105 バイパスバルブ
150,200 ジロータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1カムシャフトと第2カムシャフトを有するエンジン用のオイルポンプであって、
ハウジングと、
前記ハウジング内に少なくとも部分的に配置され、前記第1カムシャフトにより直接駆動されるように構成された回転部材を含む第1ポンプ組立体と、
前記ハウジング内に少なくとも部分的に配置され、前記第2カムシャフトにより直接駆動されるように構成された回転部材を含む第2ポンプ組立体とを含む、オイルポンプ。
【請求項2】
前記ハウジングは、第1の部位と、前記第1の部位に取り付け可能な第2の部位とを含む、請求項1に記載のオイルポンプ。
【請求項3】
前記第1の部位及び第2の部位は、協働して、前記ハウジングの内部を少なくとも部分的に囲み、前記第1の部位及び第2の部位のそれぞれは、前記ハウジングの外部面の一部を構成する、請求項2に記載のオイルポンプ。
【請求項4】
前記ハウジングは、前記第1ポンプ組立体を受け入れるような大きさの第1の穴と、前記第2ポンプ組立体を受け入れるような大きさの第2の穴とを、少なくとも部分的に画成する、請求項1に記載のオイルポンプ。
【請求項5】
前記ハウジングは、入口流路、出口流路及びバイパス流路を少なくとも部分的に画成し、第2の回転部材の回転により、前記入口流路から流体が引き込まれ、前記出口流路に吐出される、請求項1に記載のオイルポンプ。
【請求項6】
前記ハウジングに設けられるバイパスバルブであって、前記吐出された流体が出口流路に沿って流れる第1位置と、前記吐出された流体の少なくとも一部が前記バイパス流路に沿って前記入口流路に流れる第2位置との間で移動可能なバイパスバルブを更に含む、請求項5に記載のオイルポンプ。
【請求項7】
前記第1ポンプ組立体は、ジロータを含み、前記第2ポンプ組立体は、ジロータを含む、請求項1に記載のオイルポンプ。
【請求項8】
前記ハウジングは、少なくとも部分的にオイル溜めを画成し、前記第1ポンプ組立体は、前記オイル溜めから流体を引き込み、前記流体を前記ハウジング外に方向付ける、請求項1に記載のオイルポンプ。
【請求項9】
前記第1カムシャフト及び第2カムシャフトは、ベアリングにより少なくとも部分的に回転支持され、前記第2ポンプ組立体は、前記ベアリングの少なくとも1つに加圧された流体の流れを送る、請求項1に記載のオイルポンプ。
【請求項10】
第1カムシャフト、第2カムシャフト及びクランクケースを有するエンジン用のオイルポンプであって、源からオイルを引いて該オイルを前記クランクケースに潤滑用に送るよう動作可能なオイルポンプにおいて、
ポンプ穴、入口流路、出口流路及びバイパス流路を少なくとも部分的に画成するポンプ本体と、
前記ポンプ穴内に少なくとも部分的に配置され、前記入口流路から流体を引き込んで前記出口流路に流体を吐出するように動作可能であり、前記第1カムシャフトにより直接駆動される回転部材を含むポンプ組立体と、
前記ポンプ本体に設けられ、前記吐出された流体が出口流路に沿って流れる第1位置と、前記吐出された流体の少なくとも一部が前記バイパス流路に沿って前記入口流路に流れる第2位置との間で移動可能なバイパスバルブとを含む、オイルポンプ。
【請求項11】
前記ポンプ本体に内部及び外部面を画成するように設けられるカバーを更に含む、請求項10に記載のオイルポンプ。
【請求項12】
前記カバー及びポンプ本体は、協働して、内部を少なくとも部分的に囲み、前記カバー及びポンプ本体のそれぞれは、前記外部面の一部を構成する、請求項11に記載のオイルポンプ。
【請求項13】
前記ポンプ本体は、第2ポンプ組立体を受け入れるような大きさの第2の穴を少なくとも部分的に画成する、請求項10に記載のオイルポンプ。
【請求項14】
前記第2ポンプ組立体は、前記第2カムシャフトにより直接駆動される第2の回転部材を含む、請求項13に記載のオイルポンプ。
【請求項15】
前記ポンプ組立体は、ジロータを含み、前記第2ポンプ組立体は、ジロータを含む、請求項13に記載のオイルポンプ。
【請求項16】
前記第1カムシャフト及び第2カムシャフトは、ベアリングにより少なくとも部分的に回転支持され、前記ポンプ組立体は、前記ベアリングの少なくとも1つに加圧された流体の流れを送る、請求項13に記載のオイルポンプ。
【請求項17】
外面、カムシャフト、クランクケース、及び、源からオイルを引いて該オイルを前記クランクケースに潤滑用に送るよう動作可能なオイルポンプを有するエンジン用のオイルポンプであって、
ポンプ穴、入口流路、出口流路及びバイパス流路を少なくとも部分的に画成するポンプ本体と、
前記ポンプ穴内に少なくとも部分的に配置され、前記入口流路から流体を引き込んで前記出口流路に流体を吐出するように動作可能であり、前記カムシャフトにより直接駆動される回転部材を含むポンプ組立体と、
第1の表面と、該第1の表面と反対側の第2の表面とを有するカバーであって、前記第1の表面が、前記ポンプ本体と協働して、前記入口流路、出口流路及びバイパス流路を少なくとも部分的に閉じ、前記第2の表面は及びポンプ本体が、それぞれ前記外面の一部を画成する、カバーとを含む、オイルポンプ。
【請求項18】
第2ポンプ組立体を更に含み、
前記ハウジングは、前記ポンプ組立体を受け入れるような大きさの第1の穴、及び、前記第2ポンプ組立体を受け入れるような大きさの第2の穴を少なくとも部分的に画成する、請求項17に記載のオイルポンプ。
【請求項19】
前記ポンプ組立体は、ジロータを含み、前記第2ポンプ組立体は、ジロータを含む、請求項18に記載のオイルポンプ。
【請求項20】
前記エンジンは、第2カムシャフトを含み、
前記カムシャフト及び第2カムシャフトは、ベアリングにより少なくとも部分的に回転支持され、前記ポンプ組立体は、前記ベアリングの少なくとも1つに加圧された流体の流れを送る、請求項18に記載のオイルポンプ。
【請求項21】
前記ポンプ本体に設けられ、前記吐出された流体が出口流路に沿って流れる第1位置と、前記吐出された流体の少なくとも一部が前記バイパス流路に沿って前記入口流路に流れる第2位置との間で移動可能なバイパスバルブを更に含む、請求項17に記載のオイルポンプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−9919(P2007−9919A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−181785(P2006−181785)
【出願日】平成18年6月30日(2006.6.30)
【出願人】(595179505)ハーレー−ダビッドソン・モーター・カンパニー・グループ・インコーポレーテッド (43)
【住所又は居所原語表記】3700 West Juneau Avenue,Milwaukee,Wisconsin 53208,United States of America
【Fターム(参考)】