説明

自動二輪車用ブレーキ装置の制御装置

【課題】 自動二輪車が一時停車時にライダーの要求に応じて自動的に停車状態に継続して維持され、両手作業を可能とした自動二輪車用ブレーキ装置の制御装置を提供する。
【解決手段】 ブレーキ操作により自動二輪車用ブレーキ装置が作動されて自動二輪車が停車しているときに、スイッチ手段がオン状態であると、アンチスキッドブレーキ液圧ユニットに設けられホイールシリンダとマスタシリンダおよびリザーバとの間を夫々断続する各開閉弁が閉状態に切替えられる。これにより、スイッチ手段を操作するだけでホイールシリンダ内に液圧が保持され、自動二輪車が自動的に停車状態に継続して維持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動二輪車に用いるブレーキ装置の制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自動車においてエンジンが駆動され、クラッチペダルの踏み込み又は駆動力の遮断が検出され、駐車ブレーキが解放され、ブレーキペダルが踏み込まれ、かつ車両速度が0である場合、コントロールユニット6が車両の停車状態であると判断し、切替弁5を開位置にしてポペット17によりその位置にロックさせると同時に、アンチスキッドブレーキ用のハイドロリックユニット16に設けられた第1制御弁9を閉とするとともに第2制御弁10を開とし、ブレーキペダルの踏み込みによりサービスブレーキ7のホイールシリンダ8内に生じたブレーキ液圧をそのまま保持させ、その後にブレーキペダルが解放されてもサービスブレーキ7による車両の制止力を維持し、坂道でも車両を確実に停止させておくことができるブレーキ制御装置が開示されている。
【特許文献1】特開平10−273021号公報(第5頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
自動二輪車においては、停車信号や料金所などでの一旦停止の際に、フットブレーキとハンドブレーキの両方または何れか一方を使用する。この一旦停止中に、例えばヘルメットの曇りや埃のふき取り、料金所での料金支払いなどを両手で行なおうとすると、右足でブレーキペダルを踏みながら、左足で車体を支えなければならない。この作業は、特に道路が傾斜していればライダーにとって非常に労力を要するばかりでなく、周囲の状況によっては危険をともなうものとなる。また、スクータなどのようにハンドブレーキのみが設けられた自動二輪車の場合、停車中に両手で作業を行うことができなかった。
【0004】
そこで、停車するためにマスタシリンダからホイールシリンダに供給した液圧を、ライダーの要求に応じて短時間であってもホイールシリンダに保持することにより、自動二輪車が自動的に停車状態を継続し、両手作業を可能にする要望があった。しかしながら、上記特許文献1に記載されたブレーキ制御装置では、かかる要望を満たすことができなかった。
【0005】
本発明は係る従来の要望を満足するためになされたもので、自動二輪車が一時停車時にライダーの要求に応じて自動的に停車状態を継続して維持し、両手作業を可能とした自動二輪車用ブレーキ装置の制御装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、請求項1に記載の発明の構成上の特徴は、ライダーのブレーキ操作に応じたブレーキ液圧を発生するマスタシリンダ(13)と、該マスタシリンダ(13)に接続されたホイールシリンダ(22)と、前記マスタシリンダ(13)と前記ホイールシリンダ(22)との間に介在されたアンチスキッドブレーキ液圧ユニット(20)と、を備えた自動二輪車用ブレーキ装置(10)の制御装置であって、前記ブレーキ操作による前記自動二輪車用ブレーキ装置(10)の作動により前記自動二輪車(12)が停車した状態を継続したい場合にライダーにより操作されるスイッチ手段(32)と、前記ブレーキ操作により前記自動二輪車用ブレーキ装置(10)が作動されて前記自動二輪車(12)が停車しているときに前記スイッチ手段(32)がオン状態であると、前記アンチスキッドブレーキ液圧ユニット(20)に設けられ前記ホイールシリンダ(22)と前記マスタシリンダ(13)およびリザーバ(27)との間を夫々断続する開閉弁(24,25)を閉状態に切替えて前記自動二輪車(12)を自動停車継続状態にする制御手段(33)と、を備えたことである。
【0007】
請求項2に記載の発明の構成上の特徴は、ライダーのブレーキ操作に応じたブレーキ液圧を発生する後輪用マスタシリンダ(13r)と、該後輪用マスタシリンダ(13r)に接続された後輪用ホイールシリンダ(22r)と、前輪(11f)部分に設けられ前記後輪用マスタシリンダ(13r)に接続された連動ホイールシリンダ(38)と、前記後輪用マスタシリンダ(13)と前記後輪用ホイールシリンダ(22r)および前記連動ホイールシリンダ(38)との間に介在されたアンチスキッドブレーキ液圧ユニット(20)と、を備えた自動二輪車用ブレーキ装置(10)の制御装置であって、前記ブレーキ操作による前記自動二輪車用ブレーキ装置(10)の作動により前記自動二輪車(12)が停車した状態を継続したい場合にライダーにより操作されるスイッチ手段(32)と、前記ブレーキ操作により前記自動二輪車用ブレーキ装置(10)が作動されて前記自動二輪車(12)が停車しているときに前記スイッチ手段(32)がオン状態であると、前記アンチスキッドブレーキ液圧ユニット(20)に設けられ前記後輪用ホイールシリンダ(22r)および連動ホイールシリンダ(38)と前記後輪用マスタシリンダ(13r)およびリザーバ(27r)との間を夫々断続する開閉弁(24r,41,25r,42)を閉状態に切替えて前記自動二輪車(12)を自動停車継続状態にする制御手段(33)と、を備えたことである。
【0008】
請求項3に記載の発明の構成上の特徴は、請求項1又は請求項2において、前記制御手段(33)は、前記自動二輪車(12)の発進状態を検出すると、前記自動停車継続状態を解除することである。
【0009】
請求項4に記載の発明の構成上の特徴は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項において、前記制御手段(33)の指令に基づいて、前記自動停車継続状態が開始された後、前記ホイールシリンダ(22)内に所定値以上の液圧が保持されている間、前記自動二輪車(12)が自動停車継続状態であることをライダーに報知する報知手段(35)を設けたことである。
【0010】
請求項5に記載の発明の構成上の特徴は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項において、前記スイッチ手段(32)が、前記自動二輪車(12)のアクセル(44)付近に配置されていることである。
【0011】
請求項6に記載の発明の構成上の特徴は、請求項1乃至請求項5のいずれか1項において、ライダーがシート(45)に着座したことを検出すると着座信号を出力する着座センサ(46)を設け、前記制御手段(33)は、前記着座センサ(46)が着座信号を出力していることを条件に前記自動二輪車(12)を前記自動停車継続状態にすることである。
【0012】
請求項7に記載の発明の構成上の特徴は、請求項6において、警報装置(47)を設け、前記自動二輪車(12)が前記自動停車継続状態にあるときに、前記着座センサ(46)が着座信号の出力を停止すると、前記制御手段(33)は、前記警報装置(47)に警報信号を出力させることである。
【0013】
請求項8に記載の発明の構成上の特徴は、請求項1乃至請求項6のいずれか1項において、警報装置47を設け、前記スイッチ手段32が所定時間以上継続してオン状態であると、前記制御手段33は、前記警報装置47に警報信号を出力させることである。
【0014】
請求項9に記載の発明の構成上の特徴は、請求項1乃至請求項8のいずれか1項において、前記ホイールシリンダ(22,38)から前記マスタシリンダ(13)方向への液流を許容するチェック弁(48)が前記開閉弁(24,41)と並列に接続され、該チェック弁(48)のセット荷重が1〜2MPaであることである。
【発明の効果】
【0015】
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、ブレーキ操作により自動二輪車用ブレーキ装置が作動されて自動二輪車が停車しているときに、スイッチ手段がオン状態であると、アンチスキッドブレーキ液圧ユニットに設けられホイールシリンダとマスタシリンダおよびリザーバとの間を夫々断続する開閉弁が閉状態に切替えられる。これにより、スイッチ手段を操作するだけでホイールシリンダ内に液圧が保持され、自動二輪車が停車状態を自動的に継続する自動停車継続状態にされるので、例えばヘルメットの曇りや埃のふき取り、料金所での料金支払いなどを両手で行うためにライダーが両手をハンドルから離しても車体を安定に維持することができる。また、スイッチ手段の追加以外は既設のアンチスキッドブレーキ回路を利用するので、自動二輪車を自動停車継続状態にすることができる自動二輪車用ブレーキ装置の制御装置を低コストで提供することができる。
【0016】
上記のように構成した請求項2に係る発明においては、ブレーキ操作により自動二輪車用ブレーキ装置が作動されて自動二輪車が停車しているときに、スイッチ手段がオン状態であると、アンチスキッドブレーキ液圧ユニットに設けられ後輪用ホイールシリンダ及び連動ホイールシリンダとマスタシリンダ及びリザーバとの間を夫々断続する開閉弁が閉状態に切替えられる。これにより、請求項1に係る発明と同様の効果に加え、前輪用ホイールシリンダ及び連動ホイールシリンダ内に液圧が保持されて後輪及び前輪が制動され、自動二輪車を自動的に停車状態に確実に継続して維持することができる。
【0017】
上記のように構成した請求項3に係る発明においては、自動二輪車の発進状態が検出されると、ホイールシリンダとマスタシリンダとの間を断続する開閉弁が開状態に切替えられるので、特別の操作を行うことなく、ホイールシリンダに保持された液圧を解放することができる。
【0018】
上記のように構成した請求項4に係る発明においては、各開閉弁が閉状態に切替えられた後、ホイールシリンダ内に所定値以上の液圧が保持されている間、自動二輪車が自動停車継続状態に維持されていることが報知手段によりライダーに報知されるので、自動二輪車が自動停車継続状態にされていないときにライダーが両手をハンドルから離すことを防止できる。
【0019】
上記のように構成した請求項5に係る発明においては、スイッチ手段が、アクセル付近に配置されているので、ライダーは、自動二輪車を自動停車継続状態にした後、アクセルを作動する前に、スイッチ手段を容易にオフ状態にして自動停車継続状態を解除することができる。
【0020】
上記のように構成した請求項6に係る発明においては、ライダーがシートに着座していることを条件に自動二輪車を自動停車継続状態にすることが可能であるので、ライダーがシートから降りて自動停車継続状態にすることを防止することができる。
【0021】
上記のように構成した請求項7に係る発明においては、自動二輪車が自動停車継続状態であるときに、着座センサが着座信号の出力を停止すると、警報装置が警報信号を出力するので、ライダーが自動停車継続状態で自動二輪車から離れることを防止することができる。
【0022】
上記のように構成した請求項8に係る発明においては、スイッチ手段が所定時間以上継続してオン状態であると、警報手段が警報信号を出力するので、スイッチ手段の切り忘れを防止し、ライダーの意思によらずに自動二輪車が自動停車継続状態になることを防止することができる。
【0023】
上記のように構成した請求項9に係る発明においては、セット荷重が1〜2MPaのチェック弁が、ホイールシリンダからマスタシリンダ方向への液流を許容するように開閉弁と並列に接続されているので、通常のブレーキ操作中は、マスタシリンダの液圧の減少に応じてホイールシリンダの液圧を迅速に減少させることができるとともに、自動停車継続状態であるときは、自動二輪車が例えば通常の坂道で移動しない程度の所定液圧を既存のチェック弁を用いてホイールシリンダ内に維持させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の第1の実施形態に係る自動二輪車用ブレーキ装置10の制御装置を図面に基づいて説明する。図1において、自動二輪車用ブレーキ装置10は、前輪11fおよび後輪11r用に夫々設けられた構成部品であって、構成および作動が同じである対応する構成部品には同一の算用数字にローマ字のf、rを夫々付加して前輪用および後輪用を区別している。
【0025】
13fは前輪用マスタシリンダで、ハンドレバー14がライダーの手によってハンドル15側に引き寄せられると、ライダーのブレーキ操作、この場合はライダーの握力に応じた液圧のブレーキ液を経路16fに送出する。17fはブレーキ液を貯溜するリザーバで、前輪用マスタシリンダ13fにブレーキ液を補給する。13rは後輪用マスタシリンダで、ブレーキペダル18が足によって踏まれると、ライダーのブレーキ操作、この場合はライダーの踏力に応じた液圧のブレーキ液を経路16rに送出する。17rはブレーキ液を貯溜するリザーバで、後輪用マスタシリンダ13rにブレーキ液を補給する。
【0026】
前後輪用マスタシリンダ13f,13rは、アンチスキッドブレーキ液圧ユニット20を介して経路16f,16rによって前後輪用ブレーキ21f,21rの前後輪用ホイールシリンダ22f,22rに接続されている。前後輪用ブレーキ21f,21rは、前後輪11f,11r部分に夫々設けられたディスクブレーキ、ドラムブレーキ等であり、前後輪用ブレーキ21f,21rは、ブレーキパッド、ブレーキシュー等の摩擦部材の作動により前後輪11f,11rの回転を制限する摩擦力を発生し、前後輪11f,11rに夫々制動力を発生させる。19f,19rはブレーキ操作により自動二輪車用ブレーキ装置10が作動されていることを検出するための前後輪ブレーキ作動検出スイッチで、前輪ブレーキ作動検出スイッチ19fはハンドレバー14がハンドル15側に引き寄せられるとオンされて、前輪ブレーキ21fが作動されていることを検出し、後輪ブレーキ作動検出スイッチ19rはブレーキペダル18が踏まれるとオンされて、後輪ブレーキ21rが作動されていることを検出する。
【0027】
アンチスキッド液圧ユニット20は、経路16f,16rに常開電磁開閉弁24f,24rが介在され、さらに経路16f,16rには常閉電磁開閉弁25f,25rが介在された経路26f,26rが常開電磁開閉弁24f,24rのホイールシリンダ22f,22r側で接続され、経路26f,26rはリザーバ27f,27rに接続されている。リザーバ27f,27rは有底のケーシングを弱い圧縮スプリングで付勢されたピストンで密閉して構成されている。28f,28rはモータ29により回転駆動されるポンプで、各吐出ポートは常開電磁開閉弁24f,24rよりマスタシリンダ13f,13r側で経路16f,16rに接続され、ポンプ28f,28rの各吸入ポートはリザーバ27f,27rに接続されている。ポンプ28f,28rの各吐出ポートには吐出方向の流れのみを許容する逆止弁30f,30rが接続され、各吸入ポートには吸入方向の流れのみを許容する逆止弁31f,30rが接続されている。これにより、前後輪用ホイールシリンダ22f,22r内の液圧は、常開電磁開閉弁24f,24rおよび常閉電磁開閉弁25f,25rの開閉により増圧、保持、減圧制御される。これにより、マスタシリンダ13f,13rはアンチスキッドブレーキ液圧ユニット20を介在した経路16f,16rによってホイールシリンダ22f,22rに接続される。
【0028】
右側のハンドル15の端部には、エンジンの回転数を制御するためのアクセル44が回動可能に設けられるとともに、スイッチ手段である自動停車継続スイッチ32がアクセル44付近に配置して取り付けられている。ブレーキ操作により前輪用、後輪用ブレーキ21f,21rが作動されて自動二輪車12が停車した状態を継続して維持したい場合、自動停車継続スイッチ32が操作され、そのオン状態を示す信号が電子制御ユニット33に送信される。なお、自動停車継続スイッチ32は、ハンドル15のアクセル44の近傍以外のライダーが操作し易い場所に取り付けてもよい。また、自動停車継続スイッチ32は、ターンオーバ式のオン・オフスイッチでもよく、押ボタンを押すたびに接点がオン状態、オフ状態に切り替わるタイプのスイッチでもよい。
【0029】
電子制御ユニット33には、上記前後輪ブレーキ作動検出スイッチ19f,19rが接続されるとともに、車輪速度センサ23f,23rおよびエンジンECU36が接続されている。車輪速度センサ23f,23rは、前後輪11f,11rの回転に応じて発生されるパルス数に基づいて前後輪11f,11rの車輪速度Wvf,Wvrを検出し、電子制御ユニット33に送信する。エンジンECU36は、エンジン回転数Nおよび/またはアクセルの踏み込みを示すアクセルON信号を電子制御ユニット33に送信する。
【0030】
電子制御ユニット33の記憶装置34には、図2に示す自動停車継続プログラムが記憶されている。電子制御ユニット33は、制御手段として自動停車継続プログラムを実行し、ブレーキ操作により自動二輪車用ブレーキ装置10が作動されて自動二輪車12が停車しているときに自動停車継続スイッチ32がオン状態にされると、ホイールシリンダ22f,22rとマスタシリンダ13f,13rとの間に接続されたアンチスキッドブレーキ液圧ユニット20の常開電磁開閉弁24f,24rを閉状態に切替えて自動二輪車12を自動停車継続状態とし、自動二輪車12の発進状態が検出されると、常開電磁開閉弁24f,24rを開状態に切替えて自動停車継続状態を解除する。電子制御ユニット33には報知手段として自動停車継続ランプ35が接続され、自動停車継続ランプ35は常開電磁開閉弁24f,24rが閉状態に切替えられた後、ホイールシリンダ22f,22r内に所定値以上の液圧が保持されている間は点灯され、自動二輪車12が自動停車継続状態に維持されていることを報知する。なお、自動二輪車12が自動停車継続状態に維持されている間は音声を発する音声発生装置を報知手段として用いてもよい。電子制御ユニット33は、CPU、ROM、RAMおよび入出力部等を有するマイクロコンピュータを主体に構成されている。
【0031】
電子制御ユニット33は自動停車継続プログラムを僅少時間間隔で繰り返し実行し、車輪速度センサ23f,23rにより検出された前後輪11f,11rの車輪速度Wvf,Wvrが所定値a,b(例えばa=b=5km/h)より小さいか否か判断し(ステップS1)、車両発進の意思があるか否か判断し(ステップS2)、自動停車継続スイッチ32がオンか否か判断する(ステップS3)。電子制御ユニット33は、例えばエンジンECU36からアクセルON信号が入力され且つエンジン回転数Nが1000rpmより大きい場合、車両発進の意思ありと判断する。
【0032】
車輪速度Wvf,Wvrが所定値a,bより小さく、車両発進の意思がなく、かつ自動停車継続スイッチ32がオンの場合、先ず前輪11f側について自動停車継続プログラムの各ステップが実行され(ステップS4)、前輪11fについて自動停車継続状態に維持または解放される。即ち、ハンドレバー14がハンドル15側に引き寄せられて、前輪ブレーキ21fが作動され、前輪ブレーキ作動検出スイッチ19fがオンされていると(ステップS5f)、電子制御ユニット33は、前輪制限タイマに僅少時間、例えば数ミリセック(msec)加算し(ステップS6f)、前輪制限タイマが第1制限時間、例えば5分を経過したか否か判定する(ステップS7f)。経過していない場合、前輪制限タイマが第2制限時間、例えば4分を経過したか否か判定し(ステップS8f)、経過していない場合、電子制御ユニット33は、自動停車継続ランプ35を点灯し(ステップS9f)、アンチスキッドブレーキ液圧ユニット20に設けられた常開電磁開閉弁24fを閉状態に切替え(ステップS10f)、プログラムの一サイクルの実行を終了する。このとき、常閉電磁開閉弁25fは閉状態にされているので、前輪用ホイールシリンダ22fと前輪用マスタシリンダ13fおよびリザーバ27fとの間が遮断され、前輪用ホイールシリンダ22f内に前輪用マスタシリンダ13fから供給された液圧が保持され、前輪用ブレーキ21fが作動を継続し自動二輪車12が自動的に停車状態を継続する停車継続状態となる。
【0033】
前輪用マスタシリンダ13fから液圧が供給されているときに前輪用ホイールシリンダ22fと前輪用マスタシリンダ13fおよびリザーバ27fとの間が遮断されてから、前輪用ホイールシリンダ22f内に所定圧以上の液圧が保持されるのは、第1制限時間内である。電子制御ユニット33は、前輪ブレーキ作動検出スイッチ19fがオンしてから第1制限時間より僅かに短い第2制限時間が経過したことを前輪制限タイマによって検出すると、自動停車継続ランプ35を点滅させ(ステップS11f)、自動停車継続状態がまもなく終了することをライダーに報知する。
【0034】
ハンドレバー14が解放され、ステップS5fで前輪ブレーキ作動検出スイッチ19fのオフが検出されると、電子制御ユニット33は、前輪制限タイマをクリアし(ステップS12f)し、常開電磁開閉弁24fを開状態に切替え(ステップS13f)、自動停車継続ランプ35を消灯し(ステップS14f)、プログラムの一サイクルの実行を終了する。また、前輪制限タイマが第1制限時間を経過した場合も、常開電磁開閉弁24fを開状態に切替え(ステップS13f)、自動停車継続ランプ35を消灯し(ステップS14f)、プログラムの一サイクルの実行を終了する。
【0035】
次に、ステップS4で後輪11rが選択され、ステップS5r〜S14rが実行されて、上述の前輪11fの場合と同様に後輪用ブレーキ21rによる自動停車継続状態の維持および解除が行なわれる。後輪11r側についての自動停車継続プログラムの各ステップは、前輪11f側の場合と同様であるので、各ステップを示す参照番号の算用数字に前輪の場合はfを付し、対応する後輪の各ステップにはfに代えてrを付して詳細な説明は省略する。
【0036】
車両の発進状態が検出された場合、例えばステップS1、S2またはS3において、電子車輪速度Wvf,Wvrが所定値a,bより大きい場合、車両発進の意思がある場合、または自動停車継続スイッチ32がライダーによりオフされた場合、電子制御ユニット33は、アンチスキッドブレーキ液圧ユニット20に設けられた常開電磁開閉弁24f,24rを開状態に切替え(ステップS15)、前輪制限タイマおよび後輪制限タイマをクリアし(ステップS16)し、自動停車継続ランプ35を消灯し(ステップS17)、プログラムの一サイクルの実行を終了する。なお、ドライバーにより操作される自動停車継続解除スイッチを別途設け、この自動停車継続解除スイッチが操作されると、常開電磁開閉弁24f,24rが開状態に切替えられ、ホイールシリンダ22f,22r内の液圧がなくなるようにしてもよい。
【0037】
これにより、自動停車継続スイッチ32を操作するだけでホイールシリンダ22内に液圧が保持され、自動二輪車12が停車状態を自動的に継続する自動停車継続状態にされるので、例えばヘルメットの曇りや埃のふき取り、料金所での料金支払いなどを両手で行うためにライダーが両手をハンドル15から離しても車体を安定に維持することができる。また、自動停車継続スイッチ32の追加以外は既設のアンチスキッドブレーキ回路を利用するので、自動二輪車12を自動的に停車状態に継続して維持できる自動二輪車用ブレーキ装置の制御装置を低コストで実現することができる。
【0038】
そして、各常開電磁開閉弁24が閉状態に切替えられた後、ホイールシリンダ22内に所定値以上の液圧が保持されている間、自動二輪車12が自動停車継続状態に維持されていることが自動停車継続ランプ35によりライダーに報知されるので、ライダーが自動停車継続状態でないときに両手をハンドル15から離すことを防止できる。
【0039】
さらに、自動停車継続スイッチ32が、アクセル44付近に配置されているので、ライダーは、自動二輪車12を自動停車継続状態にした後、アクセル44を作動する前に、自動停車継続スイッチ32を容易にオフ状態にして自動停車継続状態を解除できる。
【0040】
また、自動二輪車12の発進状態が検出されると、ホイールシリンダ22とマスタシリンダ13との間を断続する常開電磁開閉弁24が開状態に切替えられるので、特別の操作を行うことなく、ホイールシリンダ22に保持された液圧を解放し、自動停車継続状態を解除することができる。
【0041】
次に、前輪11f部分に連動ブレーキ37が前輪用ブレーキ21fと並んで設けられ、ブレーキペダル18の踏力に応じた液圧を送出する後輪用マスタシリンダ13rに連動ブレーキ37の連動ホイールシリンダ38が後輪用ブレーキ21rの後輪用ホイールシリンダ22rと並列に接続された第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、後輪用マスタシリンダ13rに連動ホイールシリンダ38が接続されている構成以外は、第1の実施形態と同じであるので、同一の構成部品には図3において第1の実施形態と同一の参照番号を付して説明を省略する。
【0042】
後輪用マスタシリンダ13rは、アンチスキッドブレーキ液圧ユニット20を介在した経路16rによって後輪用ホイールシリンダ22rに接続されるとともに、連動経路39によって連動ホイールシリンダ38に接続されている。アンチスキッド液圧ユニット20には、経路40が経路16rと並設され、経路40に常開電磁開閉弁41が介在され、常閉電磁開閉弁42が介在された経路43が常開電磁開閉弁41の連動ホイールシリンダ37側で経路40と接続され、経路43はリザーバ27rに接続されている。経路40が常開電磁開閉弁24r,41の上流側で経路16rと接続され、経路40が連動経路39に接続されることにより、後輪用マスタシリンダ13rは、アンチスキッドブレーキ液圧ユニット20を介在した経路16rによって後輪用ホイールシリンダ22rに接続されるとともに、アンチスキッドブレーキ液圧ユニット20内で分岐して連動経路39によって連動ホイールシリンダ38に接続される。
【0043】
第2の実施形態では、車輪速度Wvf,Wvrが所定値a,bより小さく、車両発進の意思がなく、かつ自動停車継続スイッチ32がオンの場合に、後輪11r側について(ステップS4)、自動停車継続プログラムの各ステップが実行されると、ブレーキペダル18が踏まれて、後輪ブレーキ作動検出スイッチ19rがオンされている場合(ステップS5r)、電子制御ユニット33は、自動停車継続ランプ35を点灯し(ステップS9r)、アンチスキッドブレーキ液圧ユニット20に設けられた常開電磁開閉弁24r,41を閉状態に切替え(ステップS10r)、プログラムの一サイクルの実行を終了する。このとき、常閉電磁開閉弁25r,42は閉状態にされているので、後輪用ホイールシリンダ22rおよび連動ホイールシリンダ38と後輪用マスタシリンダ13rおよびリザーバ27rとの間が遮断され、後輪用ホイールシリンダ22rおよび連動ホイールシリンダ38内に後輪用マスタシリンダ13rから供給された液圧が保持される。これにより、後輪用ブレーキ21rおよび連動ブレーキ37が作動を継続し、後輪11rおよび前輪11fに制動力が付与され、自動二輪車12が自動的に確実に停車状態に継続して維持される。
【0044】
次に、第2の実施形態と同様に後輪用マスタシリンダ13rに連動ホイールシリンダ38が接続されるとともに、ライダーがシート45に着座したこと検出する着座センサ46が着座信号を出力していることを条件に自動二輪車12を自動停車継続状態にする第3の実施形態を第2の実施形態と相異する点のみについて図4及び図5に基づいて説明する。第2の実施形態と同一部分には同一の参照番号を付して説明を省略する。
【0045】
図4において45は自動二輪車12のシートで、シート45には、ライダーが着座したこと検出すると着座信号を出力する着座センサ46が設けられている。そして、電子制御ユニット33は、着座センサ46が着座信号を出力していることを条件に自動二輪車12を自動停車継続状態にする。従って、ライダーがシート45から降りて自動停車継続状態にし、自動二輪車12から離れることを防止することができる。
【0046】
電子制御ユニット33には警報装置として警報ブザー47が接続され、電子制御ユニット33は、自動二輪車12が自動停車継続状態にあるときに、着座センサ46が着座信号の出力を停止すると、警報ブザー47に警報音を出力させる。これにより、ライダーが自動停車継続状態で自動二輪車から離れることを防止することができる。
【0047】
さらに、電子制御ユニット33は、自動停車継続スイッチ32が所定時間以上継続してオン状態であると、警報ブザー47に警報音を出力させる。これにより、ライダーが自動停車継続スイッチ32を切り忘れることを防止することができ、延いては、ライダーの意思によらずに自動二輪車12が自動停車継続状態になることを防止することができる。
【0048】
48は、後輪用ホイールシリンダ22r、連動ホイールシリンダ38及び前輪用ホイールシリンダ22fから後輪用及び前輪用マスタシリンダ13r,13f方向への液流を許容するチェック弁で、常開電磁開閉弁24r,41及び24fと並列に接続されている。常開電磁開閉弁24r,41,24fのセット荷重は1〜2MPaに設定されている。これにより、通常のブレーキ操作中は、マスタシリンダ13の液圧の減少に応じてホイールシリンダ22,38の液圧を迅速に減少させることができるとともに、自動停車継続状態にあるときは、自動二輪車12が例えば通常の坂道で移動しない程度の所定液圧をアンチスキッドブレーキ液圧ユニット20に既存のチェック弁48を用いてホイールシリンダ22,38内に維持させることができる。
【0049】
第3の実施形態では、電子制御ユニット33は、図5に示された自動停車継続プログラムを実行し、先ず、自動停車継続スイッチ32がオンか否か判断する(ステップS21)。自動停車継続スイッチ32がオフの場合、電子制御ユニット33は、自動停車継続監視タイマをクリアし(ステップS22)、前輪用、後輪用および連動用の常開電磁開閉弁24f,24r,41を開状態に切替え(ステップS23)、前輪制限タイマおよび後輪制限タイマをクリアし(ステップS24)、自動停車継続ランプ35を消灯し(ステップS25)、プログラムの一サイクルを終了する。
【0050】
自動停車継続スイッチ32がオンの場合、自動停車継続監視タイマに僅少時間、例えば数ミリセック(msec)加算し(ステップS26)、自動停車継続監視タイマが所定時間、例えば8分を経過したか否か判定する(ステップS27)。経過している場合、電子制御ユニット33は、警報ブザー47をオンして警報音を出力させ(ステップS28)、自動停車継続スイッチ32が所定時間以上継続してオン状態であることをライダーに報知する。その後、ステップS23〜S25が実行されて終了する。
【0051】
自動停車継続監視タイマが所定時間を経過していない場合、着座センサ46が着座信号を出力しているか否かが判定される(ステップS29)。ライダーがシート45に着座し、着座信号が出力されている場合、電子制御ユニット33は、警報ブザー47を鳴らすことなく(ステップS30)、車輪速度センサ23f,23rにより検出された前後輪11f,11rの車輪速度Wvf,Wvrが所定値a,b(例えばa=b=5km/h)より小さいか否か判断し(ステップS1)、車両発進の意思があるか否か判断する(ステップS2)。車両発進の意思がない場合、第1の実施形態と同様にステップS5f〜S14fが実行され、前輪11fが自動停車継続状態に維持または解放される。
【0052】
次に、ステップS4で後輪11rが選択され、ブレーキペダル18が踏まれて、後輪ブレーキ作動検出スイッチ19rがオンされている場合(ステップS5r)、電子制御ユニット33は、自動停車継続ランプ35を点灯し(ステップS9r)、アンチスキッドブレーキ液圧ユニット20に設けられた後輪用および連動用の常開電磁開閉弁24r,41を閉状態に切替え(ステップS10r,31r)、プログラムの一サイクルの実行を終了する。このとき、後輪用および連動用の常閉電磁開閉弁25r,42は閉状態にされているので、後輪用ホイールシリンダ22rおよび連動ホイールシリンダ38と後輪用マスタシリンダ13rおよびリザーバ27rとの間が遮断され、後輪用ホイールシリンダ22rおよび連動ホイールシリンダ38内に後輪用マスタシリンダ13rから供給された液圧が保持される。これにより、後輪用ブレーキ21rおよび連動ブレーキ37が作動を継続し、後輪11rおよび前輪11fに制動力が付与され、自動二輪車12が自動的に停車状態を継続する自動停車継続状態となる。
【0053】
ブレーキペダル18が解放され、ステップS5rで後輪ブレーキ作動検出スイッチ19rのオフが検出されると、電子制御ユニット33は、後輪制限タイマをクリアし(ステップS12r)、後輪用および連動用の常開電磁開閉弁24r,41を開状態に切替え(ステップS13r,S32r)、自動停車継続ランプ35を消灯し(ステップS14r)、プログラムの一サイクルの実行を終了する。また、後輪制限タイマが第1制限時間を経過した場合、ステップS23〜S25が実行されプログラムエンドとなる。
【0054】
自動二輪車12が自動停車継続状態にされているときに、ライダーがシート45から離れ、着座検出センサ46が着座信号を出力しなくなると(ステップS29)、前輪制限タイマおよび後輪制限タイマが第1制限時間を経過したか否か判定され、(ステップS31)。経過していない場合、電子制御ユニット33は、警報ブザー47をオンして警報音を出力させ(ステップS32)、ライダーが自動停車継続状態で自動二輪車12から離れることを防止する。前輪制限タイマおよび後輪制限タイマが第1制限時間を経過している場合、電子制御ユニット33は、警報ブザー47を鳴らすことなく(ステップS33)、ステップS23〜S25を実行し一サイクルを終了する。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】第1の実施形態に係る自動二輪車用ブレーキ装置を示す図。
【図2】自動停車継続プログラムを示す図。
【図3】第2の実施形態を示す図。
【図4】第3の実施形態を示す図。
【図5】第3の実施形態の自動停車継続プログラムを示す図。
【符号の説明】
【0056】
10…自動二輪車用ブレーキ装置、11f,11r…前後輪、12…自動二輪車、13f,13r…前後輪用マスタシリンダ、14…ハンドレバー、15…ハンドル、16f,16r,26f,26r,40…経路、18…ブレーキペダル、19f,19r…前後輪ブレーキ作動検出スイッチ、20…アンチスキッドブレーキ液圧ユニット、21f,21r…前輪後用ブレーキ、22f,22r…前後輪用ホイールシリンダ、23f,23r…車輪速度センサ、24f,24r,41…常開電磁開閉弁、25f,25r,42…常閉電磁開閉弁、27f,27r…リザーバ、28f,28r…ポンプ、29…モータ、32…自動停車継続スイッチ(スイッチ手段)、33…電子制御ユニット(制御手段)、34…記憶装置、35…自動停車継続ランプ(報知手段)、36…エンジンECU、37…連動ブレーキ、38…連動ホイールシリンダ、39…連動経路、44…アクセル、45…シート、46…着座検出センサ、47…警報ブザー(警報装置)、48…チェック弁。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライダーのブレーキ操作に応じたブレーキ液圧を発生するマスタシリンダ(13)と、該マスタシリンダ(13)に接続されたホイールシリンダ(22)と、前記マスタシリンダ(13)と前記ホイールシリンダ(22)との間に介在されたアンチスキッドブレーキ液圧ユニット(20)と、を備えた自動二輪車用ブレーキ装置(10)の制御装置であって、
前記ブレーキ操作による前記自動二輪車用ブレーキ装置(10)の作動により前記自動二輪車(12)が停車した状態を継続したい場合にライダーにより操作されるスイッチ手段(32)と、
前記ブレーキ操作により前記自動二輪車用ブレーキ装置(10)が作動されて前記自動二輪車(12)が停車しているときに前記スイッチ手段(32)がオン状態であると、前記アンチスキッドブレーキ液圧ユニット(20)に設けられ前記ホイールシリンダ(22)と前記マスタシリンダ(13)およびリザーバ(27)との間を夫々断続する開閉弁(24,25)を閉状態に切替えて前記自動二輪車(12)を自動停車継続状態にする制御手段(33)と、を備えたことを特徴とする自動二輪車用ブレーキ装置の制御装置。
【請求項2】
ライダーのブレーキ操作に応じたブレーキ液圧を発生する後輪用マスタシリンダ(13r)と、該後輪用マスタシリンダ(13r)に接続された後輪用ホイールシリンダ(22r)と、前輪(11f)部分に設けられ前記後輪用マスタシリンダ(13r)に接続された連動ホイールシリンダ(38)と、前記後輪用マスタシリンダ(13)と前記後輪用ホイールシリンダ(22r)および前記連動ホイールシリンダ(38)との間に介在されたアンチスキッドブレーキ液圧ユニット(20)と、を備えた自動二輪車用ブレーキ装置(10)の制御装置であって、
前記ブレーキ操作による前記自動二輪車用ブレーキ装置(10)の作動により前記自動二輪車(12)が停車した状態を継続したい場合にライダーにより操作されるスイッチ手段(32)と、
前記ブレーキ操作により前記自動二輪車用ブレーキ装置(10)が作動されて前記自動二輪車(12)が停車しているときに前記スイッチ手段(32)がオン状態であると、前記アンチスキッドブレーキ液圧ユニット(20)に設けられ前記後輪用ホイールシリンダ(22r)および連動ホイールシリンダ(38)と前記後輪用マスタシリンダ(13r)およびリザーバ(27r)との間を夫々断続する開閉弁(24r,41,25r,42)を閉状態に切替えて前記自動二輪車(12)を自動停車継続状態にする制御手段(33)と、を備えたことを特徴とする自動二輪車用ブレーキ装置の制御装置の制御装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2において、前記制御手段(33)は、前記自動二輪車(12)の発進状態を検出すると、前記自動停車継続状態を解除することを特徴とする自動二輪車用ブレーキ装置の制御装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項において、前記制御手段(33)の指令に基づいて、前記自動停車継続状態が開始された後、前記ホイールシリンダ(22)内に所定値以上の液圧が保持されている間、前記自動二輪車(12)が自動停車継続状態であることをライダーに報知する報知手段(35)を設けたことを特徴とする自動二輪車用ブレーキ装置の制御装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項において、前記スイッチ手段(32)が、前記自動二輪車(12)のアクセル(44)付近に配置されていることを特徴とする自動二輪車用ブレーキ装置の制御装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項において、ライダーがシート(45)に着座したことを検出すると着座信号を出力する着座センサ(46)を設け、
前記制御手段(33)は、前記着座センサ(46)が着座信号を出力していることを条件に前記自動二輪車(12)を前記自動停車継続状態にすることを特徴とする自動二輪車用ブレーキ装置の制御装置。
【請求項7】
請求項6において、警報装置(47)を設け、
前記自動二輪車(12)が前記自動停車継続状態にあるときに、前記着座センサ(46)が着座信号の出力を停止すると、前記制御手段(33)は、前記警報装置(47)に警報信号を出力させることを特徴とする自動二輪車用ブレーキ装置の制御装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項6のいずれか1項において、警報装置(47)を設け、
前記スイッチ手段(32)が所定時間以上継続してオン状態であると、前記制御手段(33)は、前記警報装置(47)に警報信号を出力させることを特徴とする自動二輪車用ブレーキ装置の制御装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれか1項において、前記ホイールシリンダ(22,38)から前記マスタシリンダ(13)方向への液流を許容するチェック弁(48)が前記開閉弁(24,41)と並列に接続され、
該チェック弁(48)のセット荷重が1〜2MPaであることを特徴とする自動二輪車用ブレーキ装置の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−315663(P2006−315663A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−34241(P2006−34241)
【出願日】平成18年2月10日(2006.2.10)
【出願人】(301065892)株式会社アドヴィックス (1,291)
【Fターム(参考)】