説明

自動包装機

【課題】シーラ開閉の駆動源にエアシリンダを使用した自動包装機においてもヒートシーラの動作状態を監視し、シール不良が疑われる動作が発生したときには、該包装体を直ちに系外排除するとともに、点検・調整を促す警告を発する機能を持つ自動包装機を提供する。
【解決手段】エアシリンダのピストンロッド前進端位置を検出するリードスイッチを設け、該リードスイッチの動作信号62とシーラ開閉出力信号61から、シーラ閉じ動作時間41、シーラ開き動作時間42をそれぞれ算出し、表示して監視可能にするとともに、閉じ動作時間41と開き動作時間42にそれぞれ閉じ動作許容時間63と開き動作許容時間65を設けて監視し、超過した場合には警報機械停止する機能を設けたことによって前記課題を解決しようとするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シーラ開閉機構の駆動源にエアシリンダを使用した自動包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
縦型もしくは横型の自動包装機においては、帯状の包装材が、紙送り機構により原反ロールから引き出され下流方向に送られ、製筒器により筒状に成形される。筒状に成形された包装材は、幅方向の両端部を貼りあわせて縦シールが施され、被包装品が投入、充填、または送り込まれ、被包装品と被包装品の間の位置で、筒状に成形された包装材を横切る方向に横シールを施し、該横シールの中間で切断することにより、被包装品が包装袋内に包まれた袋包装体が製作される。
【0003】
包装材は、縦型自動包装機においては、製筒器より下流は垂直方向に送られる。一方、横型自動包装機においては、製筒器より下流は水平方向に送られる。また、包装材の送りの形態としては、間欠と連続が存在するが、いずれの形態においても包装材の送りに合わせて筒状包装体への成型、縦シール、被包装品の供給、横シールが、逐次または連続的に行われ袋包装体が製作される。
【0004】
自動包装機においては、縦型、横型、包装材の連続送り、包装材の間欠送り等の形態を問わず、縦シール、横シールとも包装材を挟持して、加熱、押圧することで包装材をシールするヒートシールが用いられることが一般的である。ヒートシールを施す場合、シール動作中以外のときは、包装材にシールを施すシーラは包装材から離間した位置におかれ、シール作業のときのみ包装材に近接し押圧することでシールを実施する。これは、過度の加熱により包装材を痛め包装不良品を発生させることを防止するためである。
【0005】
前記の理由により、自動包装機においては、縦型、横型、包装材の連続送り、包装材の間欠送り等の形態を問わず、包装材にヒートシールを施すシーラは、縦シーラ、横シーラとも開閉機構を備えている。
【0006】
上記の開閉機構の駆動源としては、サーボモータやエアシリンダが多く用いられる。サーボモータを駆動源とした場合、サーボモータの優れた制御特性を利用することにより、開閉動作時間、やシール時間の管理が可能であり閉じ、開きの位置の管理も可能で動作の確実性があるという利点がある。しかしながら、サーボモータの回転運動をシーラの開閉運動に変換する機構が必要となり、構成が複雑になり、コストも高くなるという欠点がある。エアシリンダを駆動源とした場合、エアシリンダの直線往復運動をそのままシーラの開閉運動に利用するため構成が簡単にできる利点がある。しかしながら、エアシリンダの動作速度は、供給源からの圧搾空気の圧力が一定であるとの前提で流量制御弁を調整することで決定されるので、流量制御弁に供給される圧搾空気の圧力に変動が生じた場合は動作速度が変化してしまう。また、エアシリンダの経年変化により摩擦抵抗が変化した場合も動作速度に変化が生じてしまう。以上の理由により開閉動作時間、やシール時間の管理が難しく確実性に欠けるという欠点がある(例えば、特許文献1参照)。エアシリンダを駆動源とした場合でも、閉じ及び開きの位置の管理については、エアシリンダにピストンロッド位置確認用のリードスイッチをピストンロッドの前進端又は後進端に付加することで、確認できる。(例えば、特許文献2参照)しかしながら、閉じ及び開きの位置を確認できるだけでは、シール時間の管理には不確実である。例えば、被包装品の破片等の異物が、シール部分に挟まったりした場合、該異物が砕けやすい性質の物体であれば、シーラが押圧するので、最終的には前進端に到達するが、異物の抵抗により前進を完了する時間が多くかかることになる。これは、シール時間が短くなることであり、シール不良の可能性があるということになる。
【0007】
以上のように、自動包装機においては、シーラ開閉機構の動作の確実性や高速性を追及する場合にはサーボモータ、構成の簡易性を追及する場合にはエアシリンダがそれぞれ駆動源として選択されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平10−101027号公報(段落8から段落10)
【特許文献2】特開2007−168827号公報(段落21)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
近年、自動包装機には高い稼働率、低い不良発生率、不良が発生した場合は系外排除して不良品が流通することが無いような機能が求められている。特に、不良品が流失することは、自動包装機ユーザーに多大な損害を与えるものであり、特に発生することが無いように求められている。これは、構成の簡易性を追及した自動包装機であっても例外ではない。
【0010】
構成の簡易性を追及し、シーラ開閉の駆動源にエアシリンダを使用した自動包装機においてもヒートシーラの動作状態を監視し、シール不良が疑われる動作が発生したときには、該包装体を直ちに機械の運転を中止する機能が求められている。
【0011】
本発明は、エアシリンダのピストンロッド前進端位置を検出するリードスイッチの信号入力とシーラ閉じ信号出力、開き信号出力から、シーラ閉じ動作時間、シーラ開き動作時間をそれぞれ算出し、表示して監視可能にするとともに、前記閉じ動作時間と前記開き動作時間に許容時間を設けて監視し、超過した場合には警報停止する機能及び、シーラ閉じ信号出力が出力され、リードスイッチがシーラの閉じを確認してから、開き信号出力が出力されるまでの間にリードスイッチが失探した場合には警報停止する機能を設けたことによって前記課題を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、帯状の包装材を筒状に成形し、該筒状に成形した包装材の幅方向の両端部を縦シーラにより挟持して縦シールを施し、被包装品が充填し、被包装品と被包装品の間の位置で、筒状に成形された包装材を横切る方向に横シーラにより挟持して横シールを施し、該横シールの中間で切断することにより、被包装品が包装袋内に包まれた袋包装体を製造する自動包装機において、
前記縦シール又は前記横シールを施す前記縦シーラ又は前記横シーラの開閉動作を行うエアシリンダと、
前記縦シーラ又は前記横シーラの閉じ位置又は開き位置を検出する検出器と、
前記縦シーラ又は前記横シーラの開閉動作を制御するとともに前記検出器の状態から前記縦シーラ又は前記横シーラの閉じ動作時間及び開き動作時間を算出する制御手段と、
前記閉じ動作時間及び前記開き動作時間の表示を行う設定手段を持つ表示器とを、
備えることを特徴とする自動包装機である。
【0013】
本発明の自動包装機は、前記検出器が、前記エアシリンダのピストンロッドの前進端又は後進端の位置を検出するリードスイッチであることができる。
【0014】
本発明の自動包装機は、前記閉じ動作時間に閉じ動作許容時間を設け、該閉じ動作許容時間を前記設定手段を持つ表示器により設定し、前記制御手段が、前記閉じ動作許容時間と前記閉じ動作時間とを逐次比較し、前記閉じ動作時間が前記閉じ動作許容時間を超過した場合は警報機械停止させることができる。
【0015】
本発明の自動包装機は、前記開き動作時間に開き動作許容時間を設け、該開き動作許容時間を前記設定手段を持つ表示器により設定し、前記制御手段が、前記開き動作許容時間と前記開き動作時間とを逐次比較し、前記開き動作時間が前記開き動作許容時間を超過した場合は警報機械停止させることができる。
【0016】
本発明の自動包装機は、前記制御手段が前記縦シーラ又は前記横シーラの開き動作を指令した後、前記検出器が、前記縦シーラ又は前記横シーラの前記閉じ位置を検出してから、前記制御手段が前記縦シーラ又は前記横シーラの開き動作を指令するまで間に、前記検出器が前記閉じ位置を失探した場合は、警報機械停止させることができる。
【0017】
本発明の自動包装機は、前記設定手段を持つ表示器が、表示画面接触式スイッチを備えたパネル型表示器であることができる。
【0018】
本発明の自動包装機は、包装材が水平方向に送られる横型自動包装機であることができる。
【0019】
本発明の自動包装機は、包装材が垂直方向に送られる縦型自動包装機であることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、エアシリンダのピストンロッド前進端位置を検出するリードスイッチの信号入力とシーラ閉じ信号出力、開き信号出力から、シーラ閉じ動作時間(シーラ閉じ信号出力ONからピストンロッド前進端位置検出までの時間)、シーラ開き動作時間(シーラ開き信号出力ONからピストンロッド前進端位置検出信号OFFまでの時間)をそれぞれ算出し、表示して監視可能にするとともに、前記閉じ動作時間と前記開き動作時間に許容時間を設けて監視し、超過した場合には機械を停止させること、及び、シーラ閉じ信号出力が出力され、リードスイッチがシーラの閉じを確認してから、開き信号出力が出力されるまでの間にリードスイッチが失探した場合には警報停止する機能によって、シール不良を疑われる包装体の流失を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施例の縦型自動包装機の概略斜視図である。
【図2】実施例の縦型自動包装機の縦シーラ概略斜視図である。
【図3】縦シーラの制御を説明する概略図である。
【図4】縦シーラの動作と動作許容時間の関係を示した図である。
【図5】表示画面の図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明を間欠動作の縦型自動包装機の縦シーラにおいて実施した場合の例を添付した図に基づいて説明する。図1は本発明が実施された縦型自動包装機の概略斜視図である。帯状の包装材Fwは紙送りベルト26a、26bにより袋の長さ分送られ、製筒器6により製袋充填筒22に巻きつけられ、幅方向の縁部を重ね合わせた筒状に成形される。筒状に成形された包装材Ftは紙送り終了後、縦シーラ8により縦シール4が、横シーラ9により横シール3が、それぞれ施され、製袋充填筒22を通じて被包装品の充填が行なわれる。縦シーラ8は、加熱用ヒータ(図示せず)をそれぞれ内蔵した縦予熱ヒータバー27と、縦ヒータバー28から構成されており、筒状に成形された包装材Ftの重ね合わされた縁部を左右方向から挟圧・加熱することにより縦シール4を施す。横シーラ9は、加熱用ヒータ(図示せず)を内蔵した横ヒータバー24a、24bから構成されており、筒状に成形された包装材Ftを前後方向から挟圧・加熱することにより横シール3を施す。縦シール4、横シール3が施され製品が充填された筒状に成形された包装材Ftは、横ヒータバー24a、24bに内蔵された切断刃(図示せず)により、横シール3の中央部で切断され袋包装体7が製造される。
【0023】
本発明の実施例である縦型自動包装機の縦シーラの構成の概略を示したのが図2である。図2aは縦シーラ8が開いた状態、図2bは縦シーラ8が閉じた状態を示す。縦シーラは縦予熱ヒータバー27と縦ヒータバー28から構成されている。縦予熱ヒータバー27は、包装材にわずかに接触する位置に固定されており、筒状に成形された包装材Ftの重ね合わされた縁部を暖めておく予熱の役割を持つもので温度設定も包装材が熱変形しない程度の低い温度に設定されている。縦ヒータバー28は可動式で、包装材のシール材が充分に溶着する高い温度に設定されており、シール動作のとき以外は包装材から離間した開き位置にあり、シール動作のときは閉じ位置まで前進し、包装材を縦予熱ヒータバー27との間で押圧・加熱し縦シールを実施する。
【0024】
前記縦ヒータの開閉動作を行うのがエアシリンダ29である。エアシリンダ29はエアパイプ31a、31bにより圧搾空気が給気・排気されることで前進すなわち閉じ動作、後退すなわち開き動作を行う。エアパイプ32a、32bは方向切換電磁弁33に接続されており、方向切換電磁弁33には圧搾空気供給源から圧搾空気供給パイプ34を通じて圧搾空気が給気されている。方向切換電磁弁33には、制御手段50(図2においては図示せず)からの縦シーラ開閉出力信号線35が配線されており縦シーラ開閉出力信号61(図2においては図示せず)がONになると方向切換電磁弁33によりエアパイプ32bが給気、エアパイプ32aが排気となり、エアシリンダ29のピストンロッドが前進すなわち縦ヒータバー28が閉じ位置へ移動し、縦シーラ開閉出力信号がOFFになると方向切換電磁弁33によりエアパイプ32bが排気、エアパイプ32aが給気となり、エアシリンダ29のピストンロッドが後退すなわち縦ヒータバー28が開き位置へ移動する。エアシリンダ29の動作速度は流量制御弁31a、31bを調節することで決定される。エアシリンダ29には、ピストンロッドの位置を検出するリードスイッチ30を、ピストンロッドが前進しきった位置すなわち縦ヒータ28が閉じた位置を検出するように取り付け、リードスイッチ信号出力線36を制御手段50(図2においては図示せず)に入力させるよう配線する。
【0025】
次に、図3を用いて、制御手段50による、図2で示した縦シーラ8の制御について説明する。図3は、図2で示した縦シーラ8の制御を説明する概略図である。図3の中の矢印線はデータや信号の流れを示すものである。本実施例の設定手段を持つ表示器70は表示画面接触式スイッチ(以後、タッチスイッチと称する)を備えた液晶パネル表示器であり、設定はタッチスイッチ72により、表示は液晶ディスプレー71によって、それぞれ行なわれる。制御手段50は、設定手段を持つ表示器70のタッチスイッチ72によって設定され、制御手段50の記憶部53に記憶された縦シーラ閉じタイミング67になったら方向切換電磁弁33に縦シーラ開閉出力信号61をI/O部54よりON出力することによりエアシリンダ29を動作させ縦ヒータバー28の閉じ動作を行わせるとともに、制御・演算部52が、閉じ動作時間42の計測を開始する。制御・演算部52は、縦ヒータバー28が閉じた位置を検出するリードスイッチ30を縦ヒータバー28の動作確認センサとして使用し、I/O部54に入力されるリードスイッチ動作信号62の変化を逐次監視し、リードスイッチ動作信号62がONになった時点で、閉じ動作時間41の計測を終了するとともに、設定手段を持つ表示器70のタッチスイッチ72によって設定され、制御手段50の記憶部53に記憶された閉じ動作許容時間63と比較して、超過していたら自動包装機を警報機械停止させるとともに、設定手段を持つ表示器70に警報発生信号を送る。設定手段を持つ表示器70は、警報発生信号を受け取ったら、閉じ動作異常警報64を液晶ディスプレー71に表示する。閉じ動作時間41が閉じ動作許容時間63の範囲内であった場合、制御・演算部52は、シール時間45の計測を開始するとともに、閉じ動作時間41のデータを設定手段を持つ表示器70に送り、設定手段を持つ表示器70のタッチスイッチ72によって設定され、制御手段50の記憶部53に記憶された縦シーラ開きタイミング68になるのを待つ。設定手段を持つ表示器70は閉じ動作時間41のデータを受け取ったら、閉じ動作時間41を液晶ディスプレー71に表示する。
【0026】
縦シーラ開きタイミング68になるのを待つ間も、リードスイッチ30を逐次監視し、縦ヒータバー28が閉じた位置にあり続けていることの確認を行なう。これは、シール中に縦ヒータバー28が筒状に成形された包装材Ftから離間することがないか監視するためである。もし、この期間即ち、リードスイッチ動作信号62がONになった時点から縦シーラ開きタイミング68の間に、リードスイッチ動作信号62の信号がOFFした場合、制御手段50は、シール中に縦ヒータバー28が筒状に成形された包装材Ftから離間し、シールが正常に行なえていないと判断し、自動包装機を警報機械停止させるとともに、設定手段を持つ表示器70に警報発生信号を送る。設定手段を持つ表示器70は、警報発生信号を受け取ったら、シール動作異常警報69を液晶ディスプレー71に表示する。
【0027】
リードスイッチ動作信号62の信号がOFFすることなく、縦シーラ開きタイミング68になったら、制御手段50の制御・演算部52は、縦シーラ開閉出力信号61をI/O部54よりOFF出力し、縦ヒータバー28の開き動作を行わせるとともに、開き動作時間42の計測を開始する。制御・演算部52は、I/O部54に入力されるリードスイッチ動作信号62を監視し、OFFとなったときに開き動作時間42の計測を終了するとともに、設定手段を持つ表示器70のタッチスイッチ72によって設定され、制御手段50の記憶部53に記憶された閉じ動作許容時間65と比較し、超過していたら自動包装機を警報機械停止させるとともに、設定手段を持つ表示器70に警報発生信号を送る。設定手段を持つ表示器70は、警報発生信号を受け取ったら、開き動作異常警報66を液晶ディスプレー71に表示する。開き動作時間42が開き動作許容時間65の範囲内であった場合、制御・演算部52は、シール時間45の計測を終了し、シール時間45と開き動作時間42のデータを設定手段を持つ表示器70に送る。設定手段を持つ表示器70はシール時間45と開き動作時間42のデータを受け取ったら、シール時間45と開き動作時間42を液晶ディスプレー71に表示する。
【0028】
次に、制御手段50のI/O部54に入出力される、縦シーラ開閉出力信号61、リードスイッチ動作信号62と、該入出力信号に基づき制御手段50の制御・演算部52で計測される閉じ動作時間41、シール時間45、開き動作時間42と、縦ヒータバー28の動作基準値で制御手段50の記憶部53に記憶されている閉じ動作許容時間63、開き動作許容時間65の関係を図4を用いて説明する。図4に示す縦シーラ開閉出力信号61は、縦シーラ閉じタイミング67のタイミングで出力ONとなり、縦シーラ開きタイミング68のタイミングでOFFされる。縦シーラ開閉出力信号61のON、OFFにより、図2に示す、エアシリンダ29のピストンロッドが前進、後進し、縦ヒータバー28が、縦予熱ヒータバー27に近接、離間する。図4に示すリードスイッチ動作信号62は、エアシリンダ29のピストンロッドの前進が終了するとONし、図2に示す、エアシリンダ29のピストンロッドの後進が開始するとOFFする。即ち、縦ヒータバー28が筒状に成形された包装材Ftに近接したときにONし、離間したときにOFFする。
【0029】
以上のように、図4に示す2つの入出力信号、即ち、縦シーラ開閉出力信号61とリードスイッチ動作信号62のON、OFFの変化をそれぞれ時間計測することで、図4に示す、閉じ動作時間41、シール時間45、開き動作時間42を求めることができる。さらに、閉じ動作時間42と開き動作時間42にそれぞれ、閉じ動作許容時間63、開き動作許容時間65を設けて監視することにより、閉じ動作に時間がかかり過ぎてシール時間が短くなり、シール不良が疑われる包装体や、開き動作に時間がかかり過ぎ、熱による破損が疑われる包装体を検出することが可能となる。閉じ動作許容時間63、開き動作許容時間65を超過する動作を検出した場合、制御手段50(図3参照)は直ちに機械停止するとともに、設定手段を持つ表示器70(図3参照)に、縦シーラ8(図1参照)の動作不良による警報停止を知らせる信号を送る。設定手段を持つ表示器70(図3参照)は、液晶ディスプレー71(図3参照)に縦シーラ8(図1参照)の動作不良による包装不良発生を知らせる警報表示を行なう。
【0030】
次に、本実施例における表示画面の図である図5を用いて、閉じ動作時間41、シール時間45、開き動作時間42、閉じ動作許容時間63、開き動作許容時間65がどのように表示、又は設定されるかを説明する。本実施例での設定手段を持つ表示器70は、タッチスイッチ72を備えたパネル型表示器である。表示は、液晶ディスプレー71によって行なわれる。画面上部が動作及び、測定値、設定値の関係を説明した説明表示40であり、説明表示40の下段が閉じ動作時間41のモニタ表示と、開き動作時間42のモニタ表示である。これにより、閉じ動作時間41と開き動作時間42を画面上からモニタすることができる。動作時間モニタ表示の下段が、閉じ許容時間63の設定値表示と設定ボタン43と、開き許容時間65の設定値表示と設定ボタン44となっている。設定ボタン43、設定ボタン44を押すと、数値設定画面(図示せず)が表示され、設定値の変更できるようになっている。閉じ許容時間63、開き許容時間65の設定値は、閉じ動作時間41、開き動作時間42のモニタ表示を参考にして、使用する包装材や包装機械の運転能力を考慮した値を設定するようにする。
【0031】
以上、間欠動作の縦型自動包装機の縦シーラにおける本発明の実施例を説明したが、エアシリンダを駆動源とした開閉機構を備えた自動包装機のシーラであれば、縦型自動包装機の横シーラでも、横型自動包装機の縦シーラ、横シーラでも実施可能である。また、本実施例では位置検出のリードスイッチを閉じ位置検出用の1個のみでおこなっているが、閉じ位置検出用と開き位置検出用を別々に設けて行うことももちろん可能である。また、閉じ動作時間41、開き動作時間42のモニタ表示は、何回かサンプリングして、グラフ化したり、最大値、最小値、平均値を算出して表示することももちろん可能である。
【符号の説明】
【0032】
Fw 帯状の包装材 Ft 筒状に成形された包装材
3 横シール 4 縦シール
6 製筒器 7 袋包装体
8 縦シーラ 9 横シーラ
22 製袋充填筒 24a、24b 横ヒータバー
26a、26b 紙送りベルト 27 縦予熱ヒータバー
28 縦ヒータバー 29 エアシリンダ
30 リードスイッチ 31a、31b 流量制御弁
32a、32b エアパイプ 33 方向切換電磁弁
34 圧搾空気供給パイプ 35 縦シーラ開閉出力信号線
36 リードスイッチ信号出力線 40 説明表示
41 閉じ動作時間 42 開き動作時間
43 閉じ許容時間の設定値表示と設定ボタン
44 開き許容時間の設定値表示と設定ボタン
45 シール時間 50 制御手段
52 制御・演算部 53 記憶部
54 I/O部 61 縦シーラ開閉出力信号
62 リードスイッチ動作信号 63 閉じ動作許容時間
64 閉じ動作異常警報 65 開き動作許容時間
66 開き動作異常警報 67 縦シーラ閉じタイミング
68 縦シーラ開きタイミング 69 シール動作異常警報
70 設定手段を持つ表示器 71 液晶ディスプレー
72 タッチスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状の包装材を筒状に成形し、該筒状に成形した包装材の幅方向の両端部を縦シーラにより挟持して縦シールを施し、被包装品が充填し、被包装品と被包装品の間の位置で、筒状に成形された包装材を横切る方向に横シーラにより挟持して横シールを施し、該横シールの中間で切断することにより、被包装品が包装袋内に包まれた袋包装体を製造する自動包装機において、
前記縦シール又は前記横シールを施す前記縦シーラ又は前記横シーラの開閉動作を行うエアシリンダと、
前記縦シーラ又は前記横シーラの閉じ位置又は開き位置を検出する検出器と、
前記縦シーラ又は前記横シーラの開閉動作を制御するとともに前記検出器の状態から前記縦シーラ又は前記横シーラの閉じ動作時間及び開き動作時間を算出する制御手段と、
前記閉じ動作時間及び前記開き動作時間の表示を行う設定手段を持つ表示器とを、
備えることを特徴とする自動包装機。
【請求項2】
前記検出器が、前記エアシリンダのピストンロッドの前進端又は後進端の位置を検出するリードスイッチであることを特徴とする請求項1に記載の自動包装機。
【請求項3】
前記閉じ動作時間に閉じ動作許容時間を設け、該閉じ動作許容時間を前記設定手段を持つ表示器により設定し、前記制御手段が、前記閉じ動作許容時間と前記閉じ動作時間とを逐次比較し、前記閉じ動作時間が前記閉じ動作許容時間を超過した場合は警報機械停止させることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動包装機。
【請求項4】
前記開き動作時間に開き動作許容時間を設け、該開き動作許容時間を前記設定手段を持つ表示器により設定し、前記制御手段が、前記開き動作許容時間と前記開き動作時間とを逐次比較し、前記開き動作時間が前記開き動作許容時間を超過した場合は警報機械停止させることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動包装機。
【請求項5】
前記制御手段が前記縦シーラ又は前記横シーラの開き動作を指令した後、前記検出器が、前記縦シーラ又は前記横シーラの前記閉じ位置を検出してから、前記制御手段が前記縦シーラ又は前記横シーラの開き動作を指令するまで間に、前記検出器が前記閉じ位置を失探した場合は、警報機械停止させることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動包装機。
【請求項6】
前記設定機能を持つ表示器が、表示画面接触式スイッチを備えたパネル型表示器であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の自動包装機。
【請求項7】
前記自動包装機は、包装材が水平方向に送られる横型自動包装機であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の自動包装機。
【請求項8】
前記自動包装機は、包装材が垂直方向に送られる縦型自動包装機であることを特徴とする請求項1または請求項6のいずれか一項に記載の自動包装機。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−1211(P2012−1211A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−134654(P2010−134654)
【出願日】平成22年6月14日(2010.6.14)
【出願人】(000148162)株式会社川島製作所 (90)
【Fターム(参考)】