説明

自動変速機のレンジ位置検出装置

【課題】レンジ位置検出装置に関し、シフトレバーが中間位置で止まっている場合にも、シフトレバーがいずれのレンジ位置に操作されたかを識別する。
【解決手段】自動変速機のシフトレバーの操作位置に応じたレンジ信号を出力する第1,第2のレンジ位置スイッチと、第1,第2のレンジ位置スイッチから出力される前記レンジ信号を読み込んでシフトレバーの操作位置を判定する制御手段とを備え、第1,第2のレンジ位置スイッチは、レンジ位置をレンジ信号として出力する複数のレンジ信号出力領域を有し、各レンジ信号出力領域は互いに隣接する中間位置まで拡張され、中間位置では、中間位置を挟む一方のレンジ信号出力領域と他方のレンジ信号出力領域とが重合する重合領域が設定され、同一中間位置における2つのレンジ信号出力領域が重合する重合領域は、第1,2レンジ位置スイッチ間で重なることなくずれている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動変速機のシフトレバーの操作によるレンジ位置を検出する、自動変速機のレンジ位置検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動変速機は、シフトレバーを、例えば、P,R,N,D,3,2・・・といった各シフトレンジの位置(以下、レンジ位置ともいう)に操作することにより、シフトレンジを選択して、この選択されたシフトレンジに従って動作する。このシフトレンジの選択は、シフトレバーがレンジ位置に操作されることによって入切(オンオフ)するインヒビタスイッチからの信号(以下、レンジ信号)をコントローラが受信することによって認識される。
【0003】
インヒビタスイッチは、各シフトレンジの位置に対応してそれぞれ設けられた固定接点と、シフトレバー側に設けられた可動接点とをそなえ、シフトレバーが何れかのレンジ位置に操作されると、シフトレバー側の可動接点と、対応するレンジの固定接点とが接合し対応するオン信号(レンジ信号)を出力するようになっている。
例えば、図5は、背景技術にかかる自動変速機のレンジ位置検出装置のレンジ位置スイッチのレンジ信号出力領域(固定接点領域)を示す模式図であり、図5に示すように、固定接点は、P(パーキング),R(リバース),N(ニュートラル),D(ドライブ),2(2速),1(1速)の各レンジに応じて配置されている。
【0004】
各固定接点列では、P,R,N,D,2,1の各レンジ位置相互間の中間位置が絶縁体により不感帯として構成されている。また、シフトレバーには、シフトレバーを移動させると各シフトレンジの位置にシフトレバーを案内して係止するディテント機構が備えられているので、シフトレバーを所望のレンジ位置近傍に操作すれば、ディテント機構によりシフトレバーがその所望のシフトレンジ位置まで移動して係止され、上記の中間位置には、シフトレバーが止まり難くなっている。
【0005】
一方、このような自動変速機のレンジ位置の検出にかかる技術として、特許文献1には、レンジ位置検出スイッチ(インヒビタスイッチ)を、シフトレバーと連携する摺動レバーに設けられた複数の摺動子(可動接点)と、各摺動子と対応して複数並列して設けられ、絶縁体上に所定のパターンで配置された導体(固定接点)とから構成し、シフトレバーの操作によって摺動レバーと一体的に摺動子が絶縁体上を摺動して、所定の位置で摺動子が導体と接触するように構成したものが記載されている。
【0006】
この技術では、複数の摺動子が、各摺動子と対応して設けられた絶縁体又は導体と接触することにより出力される2値信号(オン・オフ信号)の組み合わせによって、レンジ位置を判定する。また、この技術では、固定接点の端部を延長して各レンジ位置相互間の中間位置をも識別できるようにしており、これにより、中間位置のオン信号の有無から、いずれか1つの2値信号発生手段(摺動子と固定接点とのスイッチ)が故障(断線・短絡)した場合にもこれを認識し、レンジ位置の誤判定を確実に防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−172118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、シフトレバーを各レンジ位置に案内して係止するディテント機構は、シフトレバーが各レンジ位置の近傍にあると、その近傍のレンジ位置に向けて付勢力を加えてシフトレバーを移動させるが、2つのレンジ位置の何れの近傍でもない中間位置では、両レンジ位置への付勢力が相殺し、シフトレバーが中間位置で止まってしまうことがある。経時劣化等によりディテント機構の付勢力が低下した場合にはこの傾向が強まる。
【0009】
シフトレバーが中間位置で止まってしまうと可動接点も中間位置となるため、図5に示すように、各固定接点列において各レンジ位置相互間の中間位置が不感帯として絶縁体により構成されている場合には、可動接点はいずれの固定接点とも接触しないため、何れのレンジ信号もオフとなる。この場合、シフトレバーが中間位置で止まっているのか、或いは、断線等の故障であるのかを識別できない。
【0010】
この点、特許文献1の技術のように、固定接点の端部を延長して中間位置でもオン信号を出力する構成にすれば、シフトレバーが中間位置で止まっているのか、或いは、断線等の故障であるのかを識別することが可能になる。
しかしながら、シフトレバーが中間位置で止まっていることが分かったとしても、ドライバがいずれのレンジ位置に操作したかまでは分からないので、ドライバにシフトレバーの再操作を促す程度の処理しかできない。
【0011】
本発明は、このような課題を解決しようとするもので、シフトレバーが中間位置で止まっている場合にも、シフトレバーがいずれのレンジ位置に操作されたかを識別することができるようにした、自動変速機のレンジ位置検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために、本発明の自動変速機のレンジ位置検出装置は、自動変速機のシフトレバーの操作位置に応じたレンジ信号をそれぞれ出力する第1及び第2のレンジ位置スイッチと、前記第1及び第2のレンジ位置スイッチからそれぞれ出力される前記レンジ信号を読み込んで前記シフトレバーの操作位置を判定する制御手段とを備え、前記第1及び第2のレンジ位置スイッチは、いずれも、複数のレンジ位置を前記レンジ信号として出力するレンジ信号出力領域を有し、前記複数のレンジ信号出力領域は、それぞれ互いに隣接するレンジ位置の間である中間位置まで拡張され、前記中間位置では、該中間位置を挟む一方のレンジ信号出力領域と他方のレンジ信号出力領域とが重合する重合領域が設定され、同一の前記中間位置における前記第1レンジ位置スイッチのレンジ信号出力領域が重合する第1重合領域と前記第2レンジ位置スイッチのレンジ信号出力領域が重合する第2重合領域とは、重なることなくずれて設定されていることを特徴としている。
【0013】
同一の前記中間位置における前記第1重合領域と前記第2重合領域との間に、前記のずれにより前記第1及び第2のレンジ位置スイッチの何れにも前記重合領域が存在しない否重合領域が形成され、前記第1重合領域は前記否重合領域よりも前記一方のレンジ位置の側に前記第2重合領域は前記否重合領域よりも前記他方のレンジ位置の側にそれぞれ設定され、前記制御手段は、前記第1及び第2のレンジ位置スイッチの出力から前記シフトレバーの操作位置が前記第1重合領域であると判定できる場合には、前記シフトレバーが前記一方のレンジ位置であると判定し、前記第1及び第2のレンジ位置スイッチの出力から前記シフトレバーの操作位置が前記第2重合領域であると判定できる場合には、前記シフトレバーが前記他方のレンジ位置であると判定することが好ましい。
【0014】
さらに、前記制御手段は、前記第1及び第2のレンジ位置スイッチから、前記シフトレバーの操作位置が前記否重合領域である場合、前記シフトレバーが予め設定された特定のレンジ位置であると判定することが好ましい。この場合の特定のレンジ位置は、前記否重合領域を挟む一方のレンジ位置及び他方のレンジ位置、或いは、中立レンジ位置とすることが好ましい。
【0015】
前記制御手段は、前記第1及び第2のレンジ位置スイッチの少なくとも一方からの検出信号が得られない場合には、該当するレンジ位置スイッチに故障があると判定することが好ましい。
前記第1及び第2のレンジ位置スイッチは、前記シフトレバーの操作に連動して移動する可動接点と、前記可動接点が移動する軌道上に前記複数のレンジ位置に対応して配置された複数の固定接点と、からなるスイッチ対を、それぞれ2組備え、前記レンジ信号出力領域は、固定接点の配設される位置及び長さによって設定されることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の自動変速機のレンジ位置検出装置によれば、第1及び第2のレンジ位置スイッチの各レンジ信号出力領域が、そのレンジ位置を中心に隣接する中間位置まで拡張され、さらに、中間位置では、中間位置を挟む2つのレンジ位置のレンジ信号出力領域が重合しているので、シフトレバーの操作位置が中間位置となった場合、断線等の故障がない限り、第1及び第2のレンジ位置スイッチはいずれも中間位置を挟む2つのレンジ位置のレンジ信号のいずれか又は両方を出力する。
【0017】
また、同一の中間位置における2つのレンジ信号出力領域が重合する重合領域は、第1のレンジ位置スイッチと第2のレンジ位置スイッチとで重なることなくずれて設定されているので、中間位置の中央領域を、第1のレンジ位置スイッチのレンジ信号出力領域が重合する第1重合領域と、第2のレンジ位置スイッチのレンジ信号出力領域が重合する第2重合領域と、いずれのレンジ位置スイッチもレンジ信号出力領域が重合しない否重合領域とに3分できるので、中間位置であってもシフトレバーがいずれのレンジ位置に操作されたかを識別することが可能になる。
【0018】
例えば、同一の中間位置において、第1重合領域は否重合領域よりも中間位置を挟む一方のレンジ位置の側に第2重合領域は否重合領域よりも中間位置を挟む他方のレンジ位置の側にそれぞれ設定され、第1及び第2のレンジ位置スイッチの出力からシフトレバーの操作位置が第1重合領域であると判定でき、この場合には、シフトレバーが一方のレンジ位置であると判定し、第1及び第2のレンジ位置スイッチの出力からシフトレバーの操作位置が第2重合領域であると判定できる場合には、シフトレバーが他方のレンジ位置であると判定することができ、これにより、中間位置であってもシフトレバーがいずれのレンジ位置に操作されたかを識別することが可能になる。
【0019】
また、シフトレバーの操作位置が否重合領域である場合、一方のレンジ位置及び他方のレンジ位置のうち判定上でより有効なレンジ位置若しくは中立レンジ位置を予め特定しこの特定のレンジ位置であると判定することにより、否重合領域である場合にもレンジ位置を決定することが可能になる。
第1及び第2のレンジ位置スイッチの少なくとも一方からの検出信号が得られない場合には、該当するレンジ位置スイッチに故障があると判定することができ、速やかに故障に対応することができる。
【0020】
第1及び第2のレンジ位置スイッチが、シフトレバーの操作に連動して移動する可動接点と、可動接点が移動する軌道上に複数のレンジ位置に対応して配置された複数の固定接点と、からなるスイッチ対を、それぞれ2組備えるようにし、レンジ信号出力領域を、固定接点の配設される位置及び長さによって設定すれば、レンジ信号出力領域を容易に且つ適切に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態にかかる自動変速機のレンジ位置検出装置の第1及び第2のレンジ位置スイッチのレンジ信号出力領域を示す説明図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる自動変速機のレンジ位置検出装置の構成図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる自動変速機のレンジ位置検出装置によるレンジ位置の判定を説明する判定表であって、(a),(b),(c)の各判定表はそれぞれ各レンジ位置スイッチの信号検出状態に応じている。
【図4】本発明の一実施形態にかかる自動変速機のレンジ位置検出装置によるレンジ位置検出方法を説明するフローチャートである。
【図5】背景技術にかかる自動変速機のレンジ位置検出装置の第1及び第2のレンジ位置スイッチのレンジ信号出力領域を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図4は本発明の一実施形態にかかる自動変速機のレンジ位置検出装置を示すもので、これらの図に基づいて説明する。
【0023】
〔1:装置の全体構成〕
図2に示すように、このレンジ位置検出装置は、シフトレバー10とリンク機構11を介して接続されシフトレバー10と連動して移動する摺動レバー12と、摺動レバー12に互いに並列に装備された複数(ここでは、4つ)の可動接点(摺動子)13,14,15,16と、固定側装置20の各可動接点13〜16が移動する軌道13a〜16a上に配備された各可動接点13〜16が来ると通電する固定接点21p,21r,21n,21d,21s,21f,22p,22r,22n,22d,22s,22fと、各可動接点13〜16の通電信号(オン信号)を送信する信号ライン23,24,25,26と、信号ライン23〜26を通じて入力されるオン信号に基づいてシフトレバー10の操作位置(シフト位置)を判定するコントローラ(制御手段)30とを有している。
【0024】
また、図示しないが、シフトレバー10には、シフトレバー10を各レンジ位置に案内して係止するディテント機構が装備され、シフトレバー10が各レンジ位置の近傍にあると、その近傍のレンジ位置に向けて付勢力を加えてシフトレバー10をそのレンジ位置に移動させて係止するようになっている。
【0025】
可動接点13と軌道13a上の固定接点21p,21n,21s、及び、可動接点14と軌道14a上の固定接点21r,21d,21fにより、第1のレンジ位置スイッチ(メインスイッチ)21が構成され、可動接点15と軌道15a上の固定接点22p,22n,22s、及び、可動接点16と軌道16a上の固定接点22r,22d,22fにより、第2のレンジ位置スイッチ(サブスイッチ又はインヒビタスイッチ)22が構成されている。
【0026】
固定接点21p,22pは、P(パーキング)レンジに対応して配置され、可動接点13が固定接点21pと接触すると、第1のレンジ位置スイッチ21はPレンジ信号を出力し、可動接点15が固定接点22pと接触すると、第2のレンジ位置スイッチ22はPレンジ信号を出力する。
固定接点21r,22rは、R(リバース)レンジに対応して配置され、可動接点14が固定接点21rと接触すると、第1のレンジ位置スイッチ21はRレンジ信号を出力し、可動接点16が固定接点22rと接触すると、第2のレンジ位置スイッチ22はRレンジ信号を出力する。
【0027】
固定接点21n,22nは、N(ニュートラル,中立)レンジに対応して配置され、可動接点13が固定接点21nと接触すると、第1のレンジ位置スイッチ21はNレンジ信号(中立レンジ信号)を出力し、可動接点15が固定接点22nと接触すると、第2のレンジ位置スイッチ22はNレンジ信号(中立レンジ信号)を出力する。
固定接点21d,22dは、D(ドライブ)レンジに対応して配置され、可動接点14が固定接点21dと接触すると、第1のレンジ位置スイッチ21はDレンジ信号を出力し、可動接点16が固定接点22dと接触すると、第2のレンジ位置スイッチ22はDレンジ信号を出力する。
【0028】
固定接点21s,22sは、2(2速)レンジに対応して配置され、可動接点13が固定接点21sと接触すると、第1のレンジ位置スイッチ21は2速レンジ信号を出力し、可動接点15が固定接点22sと接触すると、第2のレンジ位置スイッチ22は2速レンジ信号を出力する。
固定接点21f,22fは、1(1速)レンジに対応して配置され、可動接点14が固定接点21fと接触すると、第1のレンジ位置スイッチ21は1速レンジ信号を出力し、可動接点16が固定接点22fと接触すると、第2のレンジ位置スイッチ22は1速レンジ信号を出力する。
【0029】
〔2:レンジ信号出力領域〕
本レンジ位置スイッチ21,22は、そのレンジ信号出力領域に特徴がある。
つまり、図1に示すように、シフトレバー10の操作領域(操作位置)には、P,R,N,D,2(2速),1(1速)の各レンジ位置があり、各レンジ位置の間には中間位置がある。これに対して、各レンジ位置スイッチ21,22のレンジ信号出力領域は、シフトレバー10のレンジ位置を中心にこのレンジ位置に隣接する中間位置まで拡張されている。ここでは、製造や組み付けの誤差を考慮して、この中間位置の両端を除いた中央領域では、中間位置を挟む一方のレンジ位置のレンジ信号出力領域と他方のレンジ位置のレンジ信号出力領域とが重合する重合領域が設定されている。なお、製造や組み付けの誤差を考慮しなければ、中間位置の両端を除くことなく、重合領域を設定する。
【0030】
例えば、第1レンジ位置スイッチ21の場合、Pレンジ信号出力領域は、シフトレバー10の移動端側(図中左端側)にも、隣接するRレンジ側にも拡張されている。Rレンジ信号出力領域は、隣接するPレンジ側及びNレンジ側の双方に拡張されている。同様に、Nレンジ信号出力領域は隣接するRレンジ側及びDレンジ側の双方に拡張され、Dレンジ信号出力領域は隣接するNレンジ側及び2レンジ側の双方に拡張され、2レンジ信号出力領域は隣接するDレンジ側及び1レンジ側の双方に拡張され、1レンジ信号出力領域は隣接する2レンジ側及びシフトレバー10の移動端側(図中右端側)の双方に拡張されている。
【0031】
そして、Pレンジ位置とRレンジ位置との間の中間位置を説明すると、Pレンジ信号出力領域のRレンジ側への拡張は中間位置の中央領域の中央までは達しておらず、一方、Rレンジ信号出力領域のPレンジ側への拡張は中間位置の中央領域の中央を超えてPレンジ位置の近傍までは達しており、Pレンジ信号出力領域と重合している。
これと同様に、Rレンジ位置とNレンジ位置との間の中間位置では、Rレンジ位置の近傍で、Rレンジ信号出力領域とNレンジ信号出力領域とが重合し、中間位置の中央領域の中央ではNレンジ信号出力領域のみとなっている。
【0032】
同様に、Nレンジ位置とDレンジ位置との間の中間位置では、Nレンジ位置の近傍で、Nレンジ信号出力領域とDレンジ信号出力領域とが重合し、中間位置の中央領域の中央ではDレンジ信号出力領域のみとなっている。
同様に、Dレンジ位置と2レンジ位置との間の中間位置では、Dレンジ位置の近傍で、Dレンジ信号出力領域と2レンジ信号出力領域とが重合し、中間位置の中央領域の中央では2レンジ信号出力領域のみとなっている。
【0033】
同様に、2レンジ位置と1レンジ位置との間の中間位置では、2レンジ位置の近傍で、2レンジ信号出力領域と1レンジ信号出力領域とが重合し、中間位置の中央領域の中央では1レンジ信号出力領域のみとなっている。
なお、中間領域の中央領域のうち中央部分については、領域が重合していないことから否重合中間領域とも呼ぶ。
また、Pレンジ信号出力領域及び1レンジ信号出力領域のシフトレバー10の移動端側への拡張は製造誤差や経時変化等を考慮した余裕分である。
【0034】
また、Rレンジ信号出力領域はPレンジ位置の近傍まで拡張されているが、Pレンジ位置との間には明らかなクリアランスが設けられており、同様に、Nレンジ信号出力領域はRレンジ位置との間に、Dレンジ信号出力領域はNレンジ位置との間に、2レンジ信号出力領域はDレンジ位置との間に、1レンジ信号出力領域は2レンジ位置との間に、いずれも明らかなクリアランスが設けられ、このクリアランスを除いた分を中間位置の中央領域と規定できる。これらのクリアランスも製造誤差や経時変化等を考慮したものである。もちろん、製造誤差や経時変化等を考慮する必要がなければ、これらのクリアランスは省略することもできる。
【0035】
第2レンジ位置スイッチ22の場合も、Pレンジ信号出力領域は、シフトレバー10の移動端側(図中左端側)にも、隣接するRレンジ側にも拡張され、Rレンジ信号出力領域は、隣接するPレンジ側及びNレンジ側の双方に拡張されている。同様に、Nレンジ信号出力領域は隣接するRレンジ側及びDレンジ側の双方に拡張され、Dレンジ信号出力領域は隣接するNレンジ側及び2レンジ側の双方に拡張され、2レンジ信号出力領域は隣接するDレンジ側及び1レンジ側の双方に拡張され、1レンジ信号出力領域は隣接する2レンジ側及びシフトレバー10の移動端側(図中右端側)の双方に拡張されている。
【0036】
そして、Pレンジ位置とRレンジ位置との間の中間位置を説明すると、Rレンジ信号出力領域のPレンジ側への拡張は中間位置の中央領域の中央までは達しておらず、一方、Pレンジ信号出力領域のRレンジ側への拡張は中間位置の中央領域の中央を超えてRレンジ位置の近傍までは達しており、Rレンジ信号出力領域と重合している。
これと同様に、Rレンジ位置とNレンジ位置との間の中間位置では、Nレンジ位置の近傍で、Rレンジ信号出力領域とNレンジ信号出力領域とが重合し、否重合中間領域ではRレンジ信号出力領域のみとなっている。
【0037】
同様に、Nレンジ位置とDレンジ位置との間の中間位置では、Dレンジ位置の近傍で、Nレンジ信号出力領域とDレンジ信号出力領域とが重合し、否重合中間領域ではNレンジ信号出力領域のみとなっている。
同様に、Dレンジ位置と2レンジ位置との間の中間位置では、2レンジ位置の近傍で、Dレンジ信号出力領域と2レンジ信号出力領域とが重合し、否重合中間領域ではDレンジ信号出力領域のみとなっている。
【0038】
同様に、2レンジ位置と1レンジ位置との間の中間位置では、1レンジ位置の近傍で、2レンジ信号出力領域と1レンジ信号出力領域とが重合し、不重合中間領域では2レンジ信号出力領域のみとなっている。
また、Pレンジ信号出力領域及び1レンジ信号出力領域のシフトレバー10の移動端側への拡張は上記と同様に製造誤差や経時変化等を考慮した余裕分である。
【0039】
また、Pレンジ信号出力領域はRレンジ位置との間に、Rレンジ信号出力領域はNレンジ位置との間に、Nレンジ信号出力領域はDレンジ位置との間に、Dレンジ信号出力領域は2レンジ位置との間に、2レンジ信号出力領域は1レンジ位置との間に、第1レンジ位置スイッチ21と同様に、いずれも明らかなクリアランスが設けられている。これらのクリアランスも製造誤差や経時変化等を考慮したものである。もちろん、製造誤差や経時変化等を考慮する必要がなければ、これらのクリアランスも省略することもできる。
【0040】
このような第1レンジ位置スイッチ21及び第2レンジ位置スイッチ22の各レンジ信号出力領域を同一の中間位置において比較すると、第1レンジ位置スイッチ21の各レンジ信号出力領域が重合する重合領域(第1重合領域)と第2レンジ位置スイッチ22のレンジ信号出力領域が重合する重合領域(第2重合領域)とは、重なることなくずれた位置に設定されている。したがって、第1重合領域と第2重合領域との間には、第1及び第2のレンジ位置スイッチ21,22の何れにも重合領域が存在しないで且つ両レンジ信号が異なる、否重合中間領域が形成されている。言い換えると、中央領域には、二種類のスイッチから出力されるレンジ信号の組み合わせが相違する三種類の領域が設定される。
【0041】
なお、このようなレンジ信号出力領域の設定は、本実施形態では、移動接点13〜16をその移動方向長さを考慮しない点接点と考え、主として固定接点21p〜21f,22p〜22fの配設される位置及び長さによって設定している。移動接点13〜16の移動方向長さを考慮すれば、その分、固定接点21p〜21f,22p〜22fの配設される位置及び長さも変更することになる。
【0042】
〔3:レンジ位置判定〕
コントローラ30は、第1レンジ位置スイッチ21及び第2レンジ位置スイッチ22から出力されるオン信号の組み合わせ或いは第1レンジ位置スイッチ21及び第2レンジ位置スイッチ22の何れかから出力されるオン信号に基づいて、シフトレバー10の操作位置(シフト位置)を判定し、この判定を受けて、図示しないインジケータにシフト位置が表示され、図示しない変速機制御装置がシフト位置に対応した変速制御を実施する。
【0043】
〔3−1:メイン,サブ両信号がある場合の判定ロジック〕
第1レンジ位置スイッチ21のオン信号(メイン信号)及び第2レンジ位置スイッチ22のオン信号(サブ信号)の両方が出力される場合、出力されるオン信号の組み合わせに基づいて、図3(a)の判定表に示すロジック(両信号ありの判定ロジック)により、シフトレバー10の操作位置(シフト位置)を判定する。
【0044】
まず、シフトレバー10の操作位置が正規のレンジ位置にある場合、第1レンジ位置スイッチ21及び第2レンジ位置スイッチ22からそれぞれそのレンジ位置に応じたオン信号(各レンジ位置を示すレンジ信号)が出力されるので、コントローラ30は、この信号からシフトレバー10のシフト位置を判定する。
例えば、シフトレバー10が正しくPレンジ位置に操作されれば、第1レンジ位置スイッチ21及び第2レンジ位置スイッチ22から何れもPレンジ位置信号のみが出力され、コントローラ30はシフト位置がPレンジ位置にあると判定する。
【0045】
シフトレバー10が正しくRレンジ位置に操作されれば、第1レンジ位置スイッチ21及び第2レンジ位置スイッチ22から何れもRレンジ位置信号のみが出力され、コントローラ30はシフト位置がRレンジ位置にあると判定する。
シフトレバー10が正しくNレンジ位置に操作されれば、第1レンジ位置スイッチ21及び第2レンジ位置スイッチ22から何れもNレンジ位置信号のみが出力され、コントローラ30はシフト位置がNレンジ位置にあると判定する。
【0046】
シフトレバー10が正しくDレンジ位置に操作されれば、第1レンジ位置スイッチ21及び第2レンジ位置スイッチ22から何れもDレンジ位置信号のみが出力され、コントローラ30はシフト位置がDレンジ位置にあると判定する。
シフトレバー10が正しく2レンジ位置に操作されれば、第1レンジ位置スイッチ21及び第2レンジ位置スイッチ22から何れも2レンジ位置信号が出力され、コントローラ30はシフト位置が2レンジ位置にあると判定する。
【0047】
シフトレバー10が正しく1レンジ位置に操作されれば、第1レンジ位置スイッチ21及び第2レンジ位置スイッチ22から何れも1レンジ位置信号のみが出力され、コントローラ30はシフト位置が1レンジ位置にあると判定する。
一方、シフトレバー10の操作位置が中間位置にある場合、コントローラ30は、以下のようにシフトレバー10のシフト位置を判定する。
【0048】
つまり、コントローラ30は、第1及び第2のレンジ位置スイッチ21,22の出力からシフトレバー10の操作位置が第1重合領域であると判定できる場合には、シフトレバー10が第1重合領域寄りのレンジ位置にあると判定し、第1及び第2のレンジ位置スイッチ21,22の出力からシフトレバー10の操作位置が第2重合領域であると判定できる場合には、シフトレバー10が第2重合領域寄りのレンジ位置にあると判定する。
【0049】
例えば、シフトレバー10の操作位置が、Rレンジ位置とNレンジ位置との中間位置にある場合、以下のように判定する。
第1に、第1のレンジ位置スイッチ21の出力がPレンジ信号とRレンジ信号との両方であり、第2のレンジ位置スイッチ22の出力がPレンジ信号のみである場合がある。この場合、コントローラ30は、第1のレンジ位置スイッチ21の出力がPレンジ信号とRレンジ信号との両方であることから、第1の重合領域にあると判定し、シフトレバー10がPレンジ位置近傍にあると判定できるので、第1のレンジ位置スイッチ21はPレンジ位置にあると判定する。したがって、コントローラ30は、第1のレンジ位置スイッチ21の判定結果と第2のレンジ位置スイッチ22の判定結果からシフトレバー10がPレンジ位置にあると判定する。
【0050】
第2に、第1のレンジ位置スイッチ21の出力がRレンジ信号のみであり、第2のレンジ位置スイッチ22の出力がPレンジ信号とRレンジ信号との両方である場合がある。この場合、コントローラ30は、第2のレンジ位置スイッチ22の出力がPレンジ信号とRレンジ信号との両方であることから、第2の重合領域にあると判定し、シフトレバー10がRレンジ位置近傍にあると判定できるので、コントローラ30は第2のレンジ位置スイッチ22はRレンジ位置にあると判定する。したがって、コントローラ30は、第1のレンジ位置スイッチ21の判定結果と第2のレンジ位置スイッチ22の判定結果からシフトレバー10がRレンジ位置にあると判定する。
【0051】
また、シフトレバー10の操作位置が、Rレンジ位置とNレンジ位置との中間位置にある場合、以下のように判定する。
第1に、第1のレンジ位置スイッチ21の出力がRレンジ信号とNレンジ信号との両方であり、第2のレンジ位置スイッチ22の出力がRレンジ信号のみである場合がある。この場合、コントローラ30は、第1のレンジ位置スイッチ21の出力がRレンジ信号とNレンジ信号との両方であることから、第1の重合領域にあると判定し、シフトレバー10がRレンジ位置近傍にあると判定できるので、第1のレンジ位置スイッチ21はRレンジ位置にあると判定する。したがって、コントローラ30は、第1のレンジ位置スイッチ21の判定結果と第2のレンジ位置スイッチ22の判定結果からシフトレバー10がRレンジ位置にあると判定する。
【0052】
第2に、第1のレンジ位置スイッチ21の出力がNレンジ信号のみであり、第2のレンジ位置スイッチ22の出力がRレンジ信号とNレンジ信号との両方である場合がある。この場合、コントローラ30は、第2のレンジ位置スイッチ22の出力がRレンジ信号とNレンジ信号との両方であることから、第2の重合領域にあると判定し、シフトレバー10がNレンジ位置近傍にあると判定できるので、コントローラ30は第2のレンジ位置スイッチ22はNレンジ位置にあると判定する。したがって、コントローラ30は、第1のレンジ位置スイッチ21の判定結果と第2のレンジ位置スイッチ22の判定結果からシフトレバー10がNレンジ位置にあると判定する。
【0053】
また、シフトレバー10の操作位置が、Nレンジ位置とDレンジ位置との中間位置にある場合、以下のように判定する。
第1に、第1のレンジ位置スイッチ21の出力がNレンジ信号とDレンジ信号との両方であり、第2のレンジ位置スイッチ22の出力がNレンジ信号のみである場合がある。この場合、コントローラ30は、第1のレンジ位置スイッチ21の出力がNレンジ信号とDレンジ信号との両方であることから、第1の重合領域にあると判定し、シフトレバー10がNレンジ位置近傍にあると判定できるので、第1のレンジ位置スイッチ21はNレンジ位置にあると判定する。したがって、コントローラ30は、第1のレンジ位置スイッチ21の判定結果と第2のレンジ位置スイッチ22の判定結果からシフトレバー10がNレンジ位置にあると判定する。
【0054】
第2に、第1のレンジ位置スイッチ21の出力がDレンジ信号のみであり、第2のレンジ位置スイッチ22の出力がNレンジ信号とDレンジ信号との両方である場合がある。この場合、コントローラ30は、第2のレンジ位置スイッチ22の出力がNレンジ信号とDレンジ信号との両方であることから、第2の重合領域にあると判定し、シフトレバー10がDレンジ位置近傍にあると判定できるので、コントローラ30は第2のレンジ位置スイッチ22はDレンジ位置にあると判定する。したがって、コントローラ30は、第1のレンジ位置スイッチ21の判定結果と第2のレンジ位置スイッチ22の判定結果からシフトレバー10がDレンジ位置にあると判定する。
【0055】
また、シフトレバー10の操作位置が、Dレンジ位置と2レンジ位置との中間位置にある場合、以下のように判定する。
第1に、第1のレンジ位置スイッチ21の出力がDレンジ信号と2レンジ信号との両方であり、第2のレンジ位置スイッチ22の出力がDレンジ信号のみである場合がある。この場合、コントローラ30は、第1のレンジ位置スイッチ21の出力がDレンジ信号と2レンジ信号との両方であることから、第1の重合領域にあると判定し、シフトレバー10がDレンジ位置近傍にあると判定できるので、第1のレンジ位置スイッチ21はDレンジ位置にあると判定する。したがって、コントローラ30は、第1のレンジ位置スイッチ21の判定結果と第2のレンジ位置スイッチ22の判定結果からシフトレバー10がDレンジ位置にあると判定する。
【0056】
第2に、第1のレンジ位置スイッチ21の出力が2レンジ信号のみであり、第2のレンジ位置スイッチ22の出力がDレンジ信号と2レンジ信号との両方である場合がある。この場合、コントローラ30は、第2のレンジ位置スイッチ22の出力がDレンジ信号と2レンジ信号との両方であることから、第2の重合領域にあると判定し、シフトレバー10が2レンジ位置近傍にあると判定できるので、コントローラ30は第2のレンジ位置スイッチ22は2レンジ位置にあると判定する。したがって、コントローラ30は、第1のレンジ位置スイッチ21の判定結果と第2のレンジ位置スイッチ22の判定結果からシフトレバー10が2レンジ位置にあると判定する。
【0057】
また、シフトレバー10の操作位置が、2レンジ位置と1レンジ位置との中間位置にある場合、以下のように判定する。
第1に、第1のレンジ位置スイッチ21の出力が2レンジ信号と1レンジ信号との両方であり、第2のレンジ位置スイッチ22の出力が2レンジ信号のみである場合がある。この場合、コントローラ30は、第1のレンジ位置スイッチ21の出力が2レンジ信号と1レンジ信号との両方であることから、第1の重合領域にあると判定し、シフトレバー10が2レンジ位置近傍にあると判定できるので、第1のレンジ位置スイッチ21は2レンジ位置にあると判定する。したがって、コントローラ30は、第1のレンジ位置スイッチ21の判定結果と第2のレンジ位置スイッチ22の判定結果からシフトレバー10が2レンジ位置にあると判定する。
【0058】
第2に、第1のレンジ位置スイッチ21の出力が1レンジ信号のみであり、第2のレンジ位置スイッチ22の出力が2レンジ信号と1レンジ信号との両方である場合がある。この場合、コントローラ30は、第2のレンジ位置スイッチ22の出力が2レンジ信号と1レンジ信号との両方であることから、第2の重合領域にあると判定し、シフトレバー10が1レンジ位置近傍にあると判定できるので、コントローラ30は第2のレンジ位置スイッチ22は1レンジ位置にあると判定する。したがって、コントローラ30は、第1のレンジ位置スイッチ21の判定結果と第2のレンジ位置スイッチ22の判定結果からシフトレバー10が1レンジ位置にあると判定する。
【0059】
そして、いずれの場合も、判定されたレンジ位置がインジケータに表示され、判定されたレンジ位置に応じた変速制御が実施される。
また、コントローラ30は、第1及び第2のレンジ位置スイッチ21,22による判定結果から、シフトレバー10の操作位置が否重合中間領域であると判定できる場合、シフトレバーは対応する中間領域にあると判定する。この場合、インジケータにブランク表示「−」が表示され、変速制御としてはNレンジ位置と同様な扱いが行なわれる。
【0060】
この否重合中間領域には、シフトレバー10がPレンジ位置とRレンジ位置との中間位置にある場合、シフトレバー10がRレンジ位置とNレンジ位置との中間位置にある場合と、シフトレバー10がNレンジ位置とDレンジ位置との中間位置にある場合、シフトレバー10がDレンジ位置と2レンジ位置との中間位置にある場合と、シフトレバー10が2レンジ位置と1レンジ位置との中間位置にある場合とがある。いずれの場合も、インジケータにブランク表示「−」が表示されれば、ドライバは、所望のレンジ位置に再操作すればよい。
【0061】
〔3−2:メイン信号のみがある場合の判定ロジック〕
第1レンジ位置スイッチ21のオン信号(メイン信号)は出力されるが第2レンジ位置スイッチ22のオン信号(サブ信号)は出力されない場合、第1レンジ位置スイッチ21から出力されるオン信号(メイン信号)に基づいて、図3(b)の判定表に示すロジック(メイン信号のみありの判定ロジック)により、シフトレバー10の操作位置(シフト位置)を判定する。
【0062】
つまり、第1のレンジ位置スイッチ21の出力(メイン信号)が、Pレンジ信号のみであれば、コントローラ30はシフト位置がPレンジ位置にあると判定する。また、第1のレンジ位置スイッチ21の出力(メイン信号)が、Pレンジ信号とRレンジ信号との両方であれば、コントローラ30は、第1の重合領域にあると判定し、シフトレバー10がPレンジ位置近傍にあると判定できるので、シフト位置がPレンジ位置にあると判定する。これらの場合、本来、第2レンジ位置スイッチ22から出力されるべきPレンジ信号が出力されないので、コントローラ30は、第2レンジ位置スイッチ22(サブ信号系統)のPレンジ信号系統に断線等の故障があると判定する。
【0063】
第1のレンジ位置スイッチ21の出力(メイン信号)が、Rレンジ信号のみであれば、コントローラ30はシフト位置がRレンジ位置にあると判定する。また、第1のレンジ位置スイッチ21の出力(メイン信号)が、Rレンジ信号とNレンジ信号との両方であれば、コントローラ30は、第1の重合領域にあると判定し、シフトレバー10がRレンジ位置近傍にあると判定できるので、シフト位置がRレンジ位置にあると判定する。これらの場合、本来、第2レンジ位置スイッチ22から出力されるべきRレンジ信号が出力されないので、コントローラ30は、第2レンジ位置スイッチ22(サブ信号系統)のRレンジ信号系統に断線等の故障があると判定する。
【0064】
第1のレンジ位置スイッチ21の出力(メイン信号)が、Nレンジ信号のみであれば、コントローラ30はシフト位置がNレンジ位置にあると判定する。また、第1のレンジ位置スイッチ21の出力(メイン信号)が、Nレンジ信号とDレンジ信号との両方であれば、コントローラ30は、第1の重合領域にあると判定し、シフトレバー10がNレンジ位置近傍にあると判定できるので、シフト位置がNレンジ位置にあると判定する。これらの場合、本来、第2レンジ位置スイッチ22から出力されるべきNレンジ信号が出力されないので、コントローラ30は、第2レンジ位置スイッチ22(サブ信号系統)のNレンジ信号系統に断線等の故障があると判定する。
【0065】
第1のレンジ位置スイッチ21の出力(メイン信号)が、Dレンジ信号のみであれば、コントローラ30はシフト位置がDレンジ位置にあると判定する。また、第1のレンジ位置スイッチ21の出力(メイン信号)が、Dレンジ信号と2レンジ信号との両方であれば、コントローラ30は、第1の重合領域にあると判定し、シフトレバー10がDレンジ位置近傍にあると判定できるので、シフト位置がDレンジ位置にあると判定する。これらの場合、本来、第2レンジ位置スイッチ22から出力されるべきDレンジ信号が出力されないので、コントローラ30は、第2レンジ位置スイッチ22(サブ信号系統)のDレンジ信号系統に断線等の故障があると判定する。
【0066】
第1のレンジ位置スイッチ21の出力(メイン信号)が、2レンジ信号のみであれば、コントローラ30はシフト位置が2レンジ位置にあると判定する。また、第1のレンジ位置スイッチ21の出力(メイン信号)が、2レンジ信号と1レンジ信号との両方であれば、コントローラ30は、第1の重合領域にあると判定し、シフトレバー10が2レンジ位置近傍にあると判定できるので、シフト位置が2レンジ位置にあると判定する。これらの場合、本来、第2レンジ位置スイッチ22から出力されるべき2レンジ信号が出力されないので、コントローラ30は、第2レンジ位置スイッチ22(サブ信号系統)の2レンジ信号系統に断線等の故障があると判定する。
【0067】
第1のレンジ位置スイッチ21の出力(メイン信号)が、1レンジ信号のみであれば、コントローラ30はシフト位置が1レンジ位置にあると判定する。この場合、本来、第2レンジ位置スイッチ22から出力されるべき1レンジ信号が出力されないので、コントローラ30は、第2レンジ位置スイッチ22(サブ信号系統)の1レンジ信号系統に断線等の故障があると判定する。
【0068】
そして、いずれの場合も、判定されたレンジ位置がインジケータに表示され、判定されたレンジ位置に応じた変速制御が実施される。また、各故障情報が何らかの形(例えば、その旨の文字表示、或いは、フェイルマークとフェイルナンバー)で表示される。
【0069】
〔3−3:サブ信号のみがある場合の判定ロジック〕
第1レンジ位置スイッチ21のオン信号(メイン信号)は出力されないが第2レンジ位置スイッチ22のオン信号(サブ信号)は出力される場合、第2レンジ位置スイッチ22から出力されるオン信号(メイン信号)に基づいて、図3(c)の判定表に示すロジック(サブ信号のみありの判定ロジック)により、シフトレバー10の操作位置(シフト位置)を判定する。
【0070】
つまり、第2のレンジ位置スイッチ22の出力(サブ信号)が、Pレンジ信号のみであれば、コントローラ30はシフト位置がPレンジ位置にあると判定する。この場合、本来、第1レンジ位置スイッチ21から出力されるべきPレンジ信号が出力されないので、コントローラ30は、第1レンジ位置スイッチ21(メイン信号系統)のPレンジ信号系統に断線等の故障があると判定する。
【0071】
第2のレンジ位置スイッチ22の出力(サブ信号)が、Pレンジ信号とRレンジ信号との両方であれば、コントローラ30は、第2の重合領域にあると判定し、シフトレバー10がRレンジ位置近傍にあると判定できるので、シフト位置がRレンジ位置にあると判定する。また、第2のレンジ位置スイッチ22の出力(サブ信号)が、Rレンジ信号のみであれば、コントローラ30はシフト位置がRレンジ位置にあると判定する。これらの場合、本来、第1レンジ位置スイッチ21から出力されるべきRレンジ信号が出力されないので、コントローラ30は、第1レンジ位置スイッチ21(メイン信号系統)のRレンジ信号系統に断線等の故障があると判定する。
【0072】
第2のレンジ位置スイッチ22の出力(サブ信号)が、Rレンジ信号とNレンジ信号との両方であれば、コントローラ30は、第2の重合領域にあると判定し、シフトレバー10がNレンジ位置近傍にあると判定できるので、シフト位置がNレンジ位置にあると判定する。また、第2のレンジ位置スイッチ22の出力(サブ信号)が、Nレンジ信号のみであれば、コントローラ30はシフト位置がNレンジ位置にあると判定する。これらの場合、本来、第1レンジ位置スイッチ21から出力されるべきNレンジ信号が出力されないので、コントローラ30は、第1レンジ位置スイッチ21(メイン信号系統)のNレンジ信号系統に断線等の故障があると判定する。
【0073】
第2のレンジ位置スイッチ22の出力(サブ信号)が、Nレンジ信号とDレンジ信号との両方であれば、コントローラ30は、第2の重合領域にあると判定し、シフトレバー10がDレンジ位置近傍にあると判定できるので、シフト位置がDレンジ位置にあると判定する。また、第2のレンジ位置スイッチ22の出力(サブ信号)が、Dレンジ信号のみであれば、コントローラ30はシフト位置がDレンジ位置にあると判定する。これらの場合、本来、第1レンジ位置スイッチ21から出力されるべきDレンジ信号が出力されないので、コントローラ30は、第1レンジ位置スイッチ21(メイン信号系統)のDレンジ信号系統に断線等の故障があると判定する。
【0074】
第2のレンジ位置スイッチ22の出力(サブ信号)が、Dレンジ信号と2レンジ信号との両方であれば、コントローラ30は、第2の重合領域にあると判定し、シフトレバー10が2レンジ位置近傍にあると判定できるので、シフト位置が2レンジ位置にあると判定する。また、第2のレンジ位置スイッチ22の出力(サブ信号)が、2レンジ信号のみであれば、コントローラ30はシフト位置が2レンジ位置にあると判定する。これらの場合、本来、第1レンジ位置スイッチ21から出力されるべき2レンジ信号が出力されないので、コントローラ30は、第1レンジ位置スイッチ21(メイン信号系統)の2レンジ信号系統に断線等の故障があると判定する。
【0075】
第2のレンジ位置スイッチ22の出力(サブ信号)が、2レンジ信号と1レンジ信号との両方であれば、コントローラ30は、第2の重合領域にあると判定し、シフトレバー10が1レンジ位置近傍にあると判定できるので、シフト位置が1レンジ位置にあると判定する。また、第2のレンジ位置スイッチ22の出力(サブ信号)が、1レンジ信号のみであれば、コントローラ30はシフト位置が1レンジ位置にあると判定する。これらの場合、本来、第1レンジ位置スイッチ21から出力されるべき1レンジ信号が出力されないので、コントローラ30は、第1レンジ位置スイッチ21(メイン信号系統)の1レンジ信号系統に断線等の故障があると判定する。
【0076】
そして、いずれの場合も、判定されたレンジ位置がインジケータに表示され、判定されたレンジ位置に応じた変速制御が実施される。また、各故障情報が何らかの形(例えば、その旨の文字表示、或いは、フェイルマークとフェイルナンバー)で表示される。
【0077】
〔3−4:メイン信号もサブ信号もない場合〕
メイン信号もサブ信号もない場合、シフトレバーがどこに操作されたかは分からないので、この場合には、単に、信号ナシの故障情報が何らかの形(例えば、その旨の文字表示、或いは、フェイルマークとフェイルナンバー)で表示される。
【0078】
〔4:作用及び効果〕
本発明の一実施形態にかかる自動変速機のレンジ位置検出装置は、上述のごとく構成されているので、例えば、図4のフローチャートに示すように、コントローラ30によってレンジ位置の検出(判定)が行なわれる。
つまり、メイン信号(第1のレンジ位置スイッチ21からの信号)があるか否かを判定し(ステップS10)、次に、メイン信号がある場合も、メイン信号がない場合も、サブ信号(第2のレンジ位置スイッチ22からの信号)があるか否かを判定する(ステップS20,S30)。
【0079】
メイン信号もサブ信号もある場合には、前述の「両信号ありの判定ロジック」を用いて、信号を判定する(ステップS40)。
メイン信号はあるがサブ信号はない場合には、前述の「メイン信号のみありの判定ロジック」を用いて、信号を判定する(ステップS50)。
メイン信号はないがサブ信号はある場合には、前述の「サブ信号のみありの判定ロジック」を用いて、信号を判定する(ステップS60)。
【0080】
メイン信号もサブ信号もない場合には、前述の「信号なしの判定」をする(ステップS70)。
したがって、本装置によれば、メイン信号(第1のレンジ位置スイッチ21からの信号)と、サブ信号(第2のレンジ位置スイッチ22からの信号)とが何れも支障なく出力されれば、シフトレバーが中間位置で停止されるという誤操作を判定し、ドライバに知らせることができる。
【0081】
また、メイン信号(第1のレンジ位置スイッチ21からの信号)と、サブ信号(第2のレンジ位置スイッチ22からの信号)との断線等の故障を各レンジのスイッチ単位でそれぞれ判別することができる。
メイン信号(第1のレンジ位置スイッチ21からの信号)と、サブ信号(第2のレンジ位置スイッチ22からの信号)との何れか一方のみの断線等であれば、正常に出力される信号に基づいてシフトレバーにより選択されたレンジ位置を判定することができ、個々のスイッチ単位でそれぞれ判別することができる。これと共に、信号が出力されない側の系統の対応個所に断線等の故障があることを検出することができる。
【0082】
さらに、経時劣化等によりディテント機構の付勢力が低下した場合など種々の原因で、シフトレバー10の操作位置が中間位置で止まってしまった場合、断線等の故障がない限り、第1及び第2のレンジ位置スイッチ21,22はいずれも中間位置を挟む2つのレンジ位置のレンジ信号のいずれか又は両方を出力し、この出力信号の組み合わせから、中間位置であってもシフトレバー10がいずれのレンジ位置に操作されたかを識別することが可能になる。
【0083】
特に、中間位置であっても、一方のレンジ位置に近い第1重合領域にあれば一方のレンジ位置にあるものと判定し、他方のレンジ位置に近い第2重合領域にあれば他方のレンジ位置にあるものと判定するので、ドライバの操作したい意思に高い確率で合わせた判定を実現することができる。
特に、上記の実施形態では、中間位置(中央領域)がさらに三種類の領域に細分化され、シフトレバー10の操作位置が中間位置であるときのレンジ位置判定の確度を高めることができ、正しい識別が可能になる。
また、中間位置の中央を否重合中間領域としており、シフトレバー10の操作位置が否重合中間領域であると判定できる場合、インジケータにブランク表示「−」が表示され、変速制御としてはNレンジ位置と同様な扱いが行なわれる。インジケータにブランク表示「−」が表示されるので、ドライバは、これを見て、所望のレンジ位置に再操作すればよい。
【0084】
なお、シフトレバー10の操作位置が否重合中間領域であると判定できる場合の処理として、次の処理も考えられる。
つまり、コントローラ30は、第1及び第2のレンジ位置スイッチ21,22による判定結果から、シフトレバー10の操作位置が否重合中間領域であると判定できる場合、シフトレバーは予め設定された特定のレンジ位置であると判定する。この場合の特定のレンジ位置とは、否重合中間領域を挟む一方のレンジ位置及び他方のレンジ位置のうちで判定上でより有効なレンジ位置とする。
【0085】
例えば、シフトレバー10がPレンジ位置とRレンジ位置との中間位置の否重合中間領域にある場合には、Pレンジ位置と判定した方が様々な面で有効である。もしもこの場合に、Rレンジ位置と判定したら、Pレンジ位置に操作しようとしたのにRレンジ位置と判定する状況があり、ドライバは走行する意思が無いのに車両は駆動力を伝達してしまうため、ドライバは対応し難い。逆に、Rレンジ位置に操作しようとしたのにPレンジ位置と判定した場合には、車両は停止するため支障がなく、ドライバはRレンジ位置に再操作すればよい。なお、この場合、中立レンジ位置と判定しても有効である。
【0086】
また、シフトレバー10がRレンジ位置とNレンジ位置との中間位置の否重合中間領域にある場合には、Nレンジ位置と判定した方が様々な面で有効である。もしもこの場合に、Rレンジ位置と判定したら、Nレンジ位置に操作しようとしたのにRレンジ位置と判定する状況があり、ドライバは走行する意思が無いのに車両は駆動力を伝達してしまうため、ドライバは対応し難い。逆に、Rレンジ位置に操作しようとしたのにNレンジ位置と判定した場合にも、車両の駆動力は動力系に伝達されないため支障がなく、ドライバはRレンジ位置に再操作すればよい。
【0087】
シフトレバー10がNレンジ位置とDレンジ位置との中間位置の否重合中間領域にある場合には、Nレンジ位置と判定した方が様々な面で有効である。もしもこの場合に、Dレンジ位置と判定したら、Nレンジ位置に操作しようとしたのにDレンジ位置と判定する状況があり、ドライバは走行する意思が無いのに車両は駆動力を伝達してしまうため、ドライバは対応し難い。逆に、Dレンジ位置に操作しようとしたのにNレンジ位置と判定した場合にも、車両の駆動力は動力系に伝達されないため支障がなく、ドライバはDレンジ位置に再操作すればよい。
【0088】
シフトレバー10がDレンジ位置と2レンジ位置との中間位置の否重合中間領域にある場合には、Dレンジ位置と判定した方が様々な面で有効である。2レンジ位置に操作しようとしたのにDレンジ位置と判定した場合にも、車両の走行に支障はなく、但し、エンジンブレーキは利きにくいため、ドライバは2レンジ位置に再操作すればよい。
シフトレバー10が2レンジ位置と1レンジ位置との中間位置の否重合中間領域にある場合には、2レンジ位置と判定した方が様々な面で有効である。1レンジ位置に操作しようとしたのに2レンジ位置と判定した場合にも、車両の走行に支障はなく、但し、エンジンブレーキは利きにくいため、ドライバは1レンジ位置に再操作すればよい。
【0089】
〔その他〕
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、その主旨を逸脱しない範囲でかかる実施形態を適宜変更して実施しうることはもちろんである。
例えば、図1に記載するように、MAIN判定及びSUB判定として記載するように、第1及び第2のレンジ位置スイッチ21,22のそれぞれで、シフトレバー10が操作された位置のレンジ信号を決定し、総合判定として記載するように、これらのMAIN判定及びSUB判定を総合して、最終的にシフトレバー10が操作された位置のレンジ信号を判定しても良い。
【0090】
つまり、第1のレンジ位置スイッチ21では、第1重合領域の場合に一方のレンジ信号(例えば、Pレンジ位置とRレンジ位置との間の第1重合領域の場合はPレンジ信号)と判定し、第2のレンジ位置スイッチ22では、第2重合領域の場合に他方のレンジ信号(例えば、Pレンジ位置とRレンジ位置との間の第2重合領域の場合はRレンジ信号)と判定する。
【0091】
総合判定としては、MAIN判定及びSUB判定とが一致すればそのレンジ信号を採用し、MAIN判定及びSUB判定とが一致しなければ(つまり、否重合領域)、上記同様に、N(ニュートラル位置)、或いは中間位置の一方又は他方のレンジ信号をシフトレバー10が操作された位置のレンジ信号と判定する。
また、具体的なレンジ構成等も上記の実施形態のものに限定されない。
【符号の説明】
【0092】
10 シフトレバー
11 リンク機構
12 摺動レバー
13〜16 可動接点(摺動子)
13a〜16a 可動接点13〜16の軌道
20 固定装置
21p〜21f,22p〜22f 固定接点
23〜26 信号ライン
21 第1のレンジ位置スイッチ(メインスイッチ)
22 第2のレンジ位置スイッチ(サブスイッチ又はインヒビタスイッチ)
30 コントローラ(制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動変速機のシフトレバーの操作位置に応じたレンジ信号をそれぞれ出力する第1及び第2のレンジ位置スイッチと、
前記第1及び第2のレンジ位置スイッチからそれぞれ出力される前記レンジ信号を読み込んで前記シフトレバーの操作位置を判定する制御手段とを備え、
前記第1及び第2のレンジ位置スイッチは、いずれも、複数のレンジ位置を前記レンジ信号として出力する複数のレンジ信号出力領域を有し、
前記複数のレンジ信号出力領域は、それぞれ互いに隣接するレンジ位置の間である中間位置まで拡張され、前記中間位置では、該中間位置を挟む一方のレンジ信号出力領域と他方のレンジ信号出力領域とが重合する重合領域が設定され、
同一の前記中間位置における前記第1レンジ位置スイッチのレンジ信号出力領域が重合する第1重合領域と前記第2レンジ位置スイッチのレンジ信号出力領域が重合する第2重合領域とは、重なることなくずれて設定されている
ことを特徴とする、自動変速機のレンジ位置検出装置。
【請求項2】
同一の前記中間位置における前記第1重合領域と前記第2重合領域との間に、前記のずれにより前記第1及び第2のレンジ位置スイッチの何れにも前記重合領域が存在しない否重合領域が形成され、前記第1重合領域は前記否重合領域よりも前記一方のレンジ位置の側に前記第2重合領域は前記否重合領域よりも前記他方のレンジ位置の側にそれぞれ設定され、
前記制御手段は、前記第1及び第2のレンジ位置スイッチの出力から前記シフトレバーの操作位置が前記第1重合領域であると判定できる場合には、前記シフトレバーが前記一方のレンジ位置であると判定し、前記第1及び第2のレンジ位置スイッチの出力から前記シフトレバーの操作位置が前記第2重合領域であると判定できる場合には、前記シフトレバーが前記他方のレンジ位置であると判定する
ことを特徴とする、請求項1記載の自動変速機のレンジ位置検出装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記第1及び第2のレンジ位置スイッチから、前記シフトレバーの操作位置が前記否重合領域である場合、前記シフトレバーが予め設定された特定のレンジ位置であると判定する
ことを特徴とする、請求項2記載の自動変速機のレンジ位置検出装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記第1及び第2のレンジ位置スイッチの少なくとも一方からの検出信号が得られない場合には、該当するレンジ位置スイッチに故障があると判定する
ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の自動変速機のレンジ位置検出装置。
【請求項5】
前記第1及び第2のレンジ位置スイッチは、前記シフトレバーの操作に連動して移動する可動接点と、前記可動接点が移動する軌道上に前記複数のレンジ位置に対応して配置された複数の固定接点と、からなるスイッチ対を、それぞれ2組備え、
前記レンジ信号出力領域は、固定接点の配設される位置及び長さによって設定される
ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の自動変速機のレンジ位置検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−117570(P2012−117570A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−265980(P2010−265980)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【Fターム(参考)】