説明

自動温度調節機能付の湯水混合弁

【課題】主感温体として形状記憶合金製の感温ばねを用いつつ、断水時において高温の湯が多量に吐水部から流出するのを有効に防止することのできる自動温度調節機能付の湯水混合弁を提供する。
【解決手段】水流入口25及び湯流入口28と、水弁40及び湯弁42の開度を変化させて水と湯の流入量の比率を変化させる混合弁38と、混合弁38を移動させて混合水の温度を設定温度に自動調節する形状記憶合金製の主感温ばね70と、逆方向に付勢するバイアスばね68とを有する自動温度調節機能付の湯水混合弁10において、断水時に設定温度よりも高温の湯のみが湯流入口28から流入したときに、弁ケース12内の湯との接触によりバイアスばね68の付勢力を打ち消す方向に伸び、主感温ばね70を補助して湯弁42を閉弁させる力を発生させる補助感温ばね80を、断水用の補助感温体として設けておく。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は湯水混合弁に関し、特に形状記憶合金製の感温ばねを用いた自動温度調節機能付(サーモスタット式)の湯水混合弁に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、混合水の温度を自動的に設定温度に調節する自動温度調節機能付(サーモスタット式)の湯水混合弁として、(a)弁ケースに設けられた水流入口及び湯流入口と、(b)水流入口に対応した水弁及び湯流入口に対応した湯弁を有し、弁ケースの内部に移動可能に設けられて、それら水弁及び湯弁の開度を互いに逆の関係で大きく又は小さく変化させて水と湯の流入量の比率を変化させる混合弁と、(c)湯弁の開度を小、水弁の開度を大とする方向に混合弁に付勢力を及ぼし、且つ混合水の温度の上昇及び低下に応じて付勢力を強く及び弱く変化させて、その付勢力の変化により混合水の温度を設定温度に自動調節する主感温体としての形状記憶合金製の感温ばねと、(d)混合弁を感温ばねとは逆方向に付勢するバイアスばねと、を有するものが公知である。
【0003】
感温体として、混合水の温度に感応してワックスを膨張及び収縮させ、混合弁の位置を自動的に調節するようになしたものも知られているが、感温体としてかかる形状記憶合金製の感温ばねを用いた場合、混合水の温度変化に対する追従性が良好で、混合水の温度変化に反応して速やかに混合弁の位置を微調節できる利点を有している。
【0004】
例えば下記特許文献1に、感温体として形状記憶合金製の感温ばねを用いたこの種形式の自動温度調節機能付の湯水混合弁が開示されている。
図7はその具体例を示している。
【0005】
同図において200,202は弁ケース204に形成された水流入口,湯流入口で、201,203はそれら水流入口200に続いて形成された水流入室,湯流入口202に続いて形成された湯流入室である。
206は軸方向に離隔して設けられた水弁208,湯弁210及びそれらを軸方向に連繋する連繋部212を備えた混合弁で、弁ケース204内に軸方向に移動可能に設けられている。
弁ケース204には、これら水弁208,湯弁210の間の位置において、水弁208,湯弁210に各対応して水側弁座214,湯側弁座216が設けられており、それらに対し水弁208,湯弁210がそれぞれ当接するようになっている。
【0006】
混合弁206は、通常の鋼製のコイルばねから成る第1バイアスばね218,第2バイアスばね220にて図中左向き、即ち水弁208を閉弁させる方向に付勢されており、また混合室222内に設けられた形状記憶合金製のコイルばねから成る感温ばね224によりこれとは反対方向の図中右向き、即ち湯弁210を閉弁させる方向に付勢されている。
ここで混合室222は、湯流入口202に対し水流入口200とは軸方向の反対側に形成されている。
即ち、水流入口200から流入した水の流れが、下流側の湯流入口202からの湯の流れとともに、更に下流側の混合室222へと流れるようになっている。
【0007】
尚、混合弁206の連繋部212は断面形状が概略十字状をなしており、中心部から放射方向に延び出した板状部226と226との間に、内部通路228が軸方向に形成されている。
水流入口200を通じて流入した水は、この内部通路228を通じて図中左向きに流れ、混合室222へと到る。
【0008】
尚、湯流入口202を通じて内部に流入した湯は、内部通路228を通じて混合室222へと図中左向きに流れ、その混合室222で水と湯とが混合された上で、混合水が吐水部に向けて図中左方向に流出する。
【0009】
230は回転操作軸で、この回転操作軸を回転操作することで第1バイアスばね218及び第2バイアスばね220の付勢力が強く又は弱く変更され、これにより混合弁206の図中左右方向の位置、詳しくは第1バイアスばね218,第2バイアスばね220と感温ばね224との付勢力の釣合い位置が左右方向にシフトせしめられる。即ち湯水混合弁における混合水の温度が所望温度に設定されないしは設定変更される。
【0010】
この湯水混合弁では、混合弁206が図中左向きに一杯まで移動して水弁208が水側弁座214に当接することで、水弁208が全閉、湯弁210が全開となり、また逆方向に一杯まで移動して湯弁210が湯側弁座216に当接することで、湯弁210が全閉、水弁208が全開状態となる。
【0011】
またそれらの中間位置において水弁208及び湯弁210を開き且つその開度を変化させて水,湯の流入量を変化させる。
具体的には、湯弁210が全閉、水弁208が全開状態の下で回転操作軸230を回転(正方向回転)操作すると、第1バイアスばね218,第2バイアスばね220の付勢力が強まって混合弁206が図中左方向にシフトさせられる。
そしてそのシフトした状態において第1バイアスばね218,第2バイアスばね220による左向きの付勢力と、感温ばね224による右向きの付勢力とが釣合った状態となり、その状態で水流入口200及び湯流入口202から流入する水と湯の混合水の温度が変動すると、これに伴って感温ばね224が付勢力を増減させ、感温ばね224が軸方向の伸縮を伴って混合弁206を左右方向に微動させる。これにより混合水の温度が設定温度に維持される。
【0012】
また一方回転操作軸230を逆方向に回転操作すると、第1バイアスばね218及び第2バイアスばね220の付勢力が低下し、これにより混合弁206が図中右向きにシフトさせられる。そしてそのシフト位置において、感温ばね224の温度感知に基づく付勢力の増減によって混合水温度が調節される。
【0013】
ところでこの湯水混合弁における形状記憶合金製の感温ばね224は、変態温度域の中心温度が、通常最もよく使用される混合水温度の40℃となるように調整され、従って感温ばね224は、図3(B)に示しているようにその40℃を中心として、その前後の温度域で付勢力が最も大きく変化する動作特性を有している。
【0014】
この形状記憶合金製の感温ばね224は、上記のようにワックスの膨張収縮を利用した感温体に比べて、混合水の温度の変化に対する追従性が良好である利点を有する反面で、動作温度域が十分に広くなく、そのため断水により水流入口200への水の供給が無くなって、湯流入口202から設定温度より高温の湯のみが流入したとき、感温ばね224の付勢力が設定温度からの温度上昇分に応じた増大幅で付勢力を大きくすることができず、湯弁210を閉弁させる力が弱いといった問題が内在していた。
而して断水時に湯弁210を閉じるための付勢力が弱いと、吐水部から高温の湯が多量に出てしまう危険性がある。
【0015】
以上感温ばねを用いた自動温度調節機能付の湯水混合弁の一例について問題点を述べたが、こうした問題は感温ばねを用いた他の様々な形態の自動温度調節機能付の湯水混合弁においても生じる。
【0016】
尚、本発明の先行技術として特許文献2に開示されたものがあるが、この特許文献2に開示のものは、主感温体としてワックスの膨張収縮を利用した感温体を用いたもので、断水時の問題点を解決するものではなく、本発明とは異なったものである。
またこのようなワックスの膨張収縮を利用した感温体の場合、断水が生じれば自動的に湯弁を閉じる特性を有しており、主感温体として形状記憶合金製の感温ばねを用いた場合の問題点を有しないものである。
【0017】
【特許文献1】特開2001−4050号公報
【特許文献2】特開平8−105572号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は以上のような事情を背景とし、感温体として形状記憶合金製の感温ばねを用いつつ、断水時において高温の湯が多量に吐水部から流出するのを有効に防止することのできる自動温度調節機能付の湯水混合弁を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
而して請求項1のものは、(a)弁ケースに設けられた水流入口及び湯流入口と、(b)該水流入口に対応した水弁及び該湯流入口に対応した湯弁を有し、該弁ケースの内部に移動可能に設けられて、それら水弁及び湯弁の開度を互いに逆の関係で大きく又は小さく変化させて水と湯の流入量の比率を変化させる混合弁と、(c)前記湯弁の開度を小、前記水弁の開度を大とする方向に前記混合弁に付勢力を及ぼし、且つ混合水の温度の上昇及び低下に応じて該付勢力を強く及び弱く変化させて、該付勢力の変化により前記混合弁を移動させて該混合水の温度を設定温度に自動調節する主感温体としての形状記憶合金製の感温ばねと、(d)該混合弁を該感温ばねとは逆方向に付勢するバイアスばねと、を有する自動温度調節機能付の湯水混合弁において、前記水流入口への水の供給が無くなって前記設定温度よりも高温の湯のみが前記湯流入口から流入したときに、前記弁ケース内の湯との接触により前記バイアスばねの付勢力を打ち消す方向に伸び、前記感温ばねを補助して前記湯弁を閉弁させる力を発生させる補助感温体を、該感温ばね及び前記バイアスばねとは別に断水用の補助感温体として設けたことを特徴とする。
【0020】
請求項2のものは、請求項1において、前記補助感温体が、変態温度域が前記水流入口へ供給される水の温度よりも高温域である形状記憶合金製の感温ばねであることを特徴とする。
【0021】
請求項3のものは、請求項2において、前記主感温体としての感温ばねに対して前記補助感温体としての感温ばねは変態温度域が高温域であることを特徴とする。
【0022】
請求項4のものは、請求項3において、前記補助感温体としての感温ばねが混合室内に前記主感温体としての感温ばねと並列に設けてあることを特徴とする。
【0023】
請求項5のものは、請求項1において、前記補助感温体が、前記水流入口への水の供給がある通常時には前記弁ケース内で水に接水し、断水時に湯の流入する空間内の位置に配置してあることを特徴とする。
【0024】
請求項6のものは、請求項5において、前記湯水混合弁が、前記水流入口からの水の流れが下流側の前記湯流入口からの湯の流れとともに、更に下流側の混合室へと流れる弁構造のものであり、前記補助感温体が、該水流入口に続く水流入室又は該水流室に連通した前記バイアスばね側の空間内に配置してあることを特徴とする。
【0025】
請求項7のものは、請求項5において、前記湯水混合弁が、前記湯流入口からの湯の流れが下流側の前記水流入口からの水の流れとともに、更に下流側の混合室へと流れる弁構造のもので、該混合室と該混合室の外周側の水流入室とが隣接しており、該水流入室に前記補助感温体が配置してあるとともにそれら混合室と水流入室との間に仕切壁が形成してあることを特徴とする。
【0026】
請求項8のものは、請求項5〜7の何れかにおいて、前記補助感温体として、変態温度域が水の温度よりも高温域である形状記憶合金製の感温ばねが用いられていることを特徴とする。
【発明の作用・効果】
【0027】
以上のように本発明は、水流入口への水の供給が無くなって、設定温度よりも高温の湯のみが湯流入口から流入したとき、弁ケース内の湯との接触によりバイアスばねの付勢力を打ち消す方向に伸び、感温ばねを補助して湯弁を閉弁させる力を発生させる補助感温体を、主感温体としての感温ばね及びバイアスばねとは別に、断水用の補助感温体として設けたもので、本発明によれば、断水時に補助感温体の働きにより確実に湯弁を閉弁させることができ、従って吐水部から高温の湯が多量に流出する危険を未然に防止することができる。
ここで補助感温体は、主感温体としての感温ばねの自動温調動作に影響を及ぼさないものとなしておくことが望ましい。
【0028】
この請求項1では、補助感温体として、変態温度域(即ち動作温度域)が水流入口へ供給される水の温度よりも高温域である形状記憶合金製の感温ばねを用いることができる(請求項2)。
【0029】
この場合において、かかる補助感温体としての感温ばねは、主感温体としての感温ばねに対し変態温度域、即ち温度変化に対し付勢力の増減変化が最も大となる動作温度域の異なるものとなしておくことができる。
【0030】
特に、補助感温体としての感温ばねは、主感温体としての感温ばねに対し、変態温度域が高温域であるものとなしておくことができる(請求項3)。
【0031】
このような動作温度特性を有する感温ばねを用いた場合、断水時に湯と接する位置であれば、その配置位置は何処でも良く、断水時に補助感温体としての感温ばねの働きにより確実に湯弁を閉じて吐水部から高温の湯が多量に流出するのを防止することができる。
【0032】
例えば主感温体としての感温ばねは、変態温度域の中心が通常最もよく使用される混合水の温度40℃であるようなもの、即ち40℃を中心としてその前後の温度で付勢力が最も大きく変化する動作特性を有するものが用いられる。
これに対して補助感温体としての感温ばねは、変態温度域の中心が40℃よりも高温のもの、例えば80℃であるようなもの、つまり80℃を中心としてその前後の温度で付勢力が最も大きく変化するような高温の動作温度特性を有するものを用いることができる。
この請求項3によれば、補助感温体としての感温ばねの配置位置の選択の自由度が高い利点が得られる。
【0033】
このような高温域を動作温度域とする感温ばねを補助感温体として用いた場合、かかる感温ばねを混合室内に主感温体としての感温ばねと並列に設けておくことができ(請求項4)、補助感温体を設けるための特別のスペースを別途に用意しなくてもよい利点が得られる。
【0034】
次に請求項5は、補助感温体を、水流入口への水の供給がある通常時には弁ケース内で給水に接水し且つ断水時に湯の流入する空間内の位置に配置したもので、この請求項6によれば、補助感温体は通常時は給水に接水した状態にあり、断水時に初めて湯に接することとなるため、その動作温度域が水の温度よりも高温域のものであれば、かかる感温体として様々な動作温度特性を有するものを用いることが可能である。
【0035】
本発明では、請求項5に従って補助感温体を弁ケース内で水に接水する位置に配置する場合において、湯水混合弁が、水流入口からの水の流れが下流側の湯流入口からの湯の流れとともに、更に下流側の混合室へと流れる弁構造のものであるとき、補助感温体を水流入口に続く水流入室又は水流入室に連通したバイアスばね側の空間内に配置しておくことができる(請求項6)。
【0036】
これらの補助感温体の配置位置は何れも通常時は水に接水し、断水時において初めて湯に接する位置であるため、それらの位置に補助感温体を配置しておくことで、かかる補助感温体を容易に断水時にだけ働かせて湯弁を閉弁させるようになすことができる。
【0037】
一方湯水混合弁が、湯流入口からの湯の流れが下流側の水流入口からの水の流れとともに、更に下流側の混合室へと流れる弁構造のもので、且つ混合室とその外周側の水流入室とが隣接するものであるとき、その水流入室に補助感温体を配置し、そしてそれら混合室と水流入室との間に仕切壁を形成しておくことができる(請求項7)。
【0038】
この場合においても、断水が生じたときに初めて補助感温体にバイアスばねの力を打ち消す方向の力を発生させ、これにより湯弁を閉弁させて高温の湯が吐水部から吐水されるのを防止することができる。
【0039】
この弁構造の湯水混合弁では、混合室と水流入室とが近い位置にあり、そこでそれらの間に仕切壁を形成して、その外側に補助感温体を配置しておくことで、通常の使用時において感温体が混合室内の混合水と接することで閉弁の力を発生させてしまう不具合を良好に防止することができる。
【0040】
これら請求項5〜7において、前記補助感温体として、変態温度域が水の温度よりも高温域である形状記憶合金製の感温ばねを用いることができる。
この場合において、感温ばねとしては水の温度よりも高温側で動作するものであれば、任意の動作温度域を有するものを用いることができる(請求項8)。
【0041】
この場合においても、補助感温体としての感温ばねは、通常時水に接水していることによって湯弁を閉弁させる力を発生させず、断水によって感温ばねが湯と接することによって、初めてそこで湯弁を閉弁させるための力を発生する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
次に本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1において、10は本実施形態の自動温度調節機能付(サーモスタット式)の湯水混合弁で、12は弁ケースである。
弁ケース12は、図中中央部の円筒形状をなす第1部材12-1と、図中右端側の円筒形状をなす第2部材12-2と、左端側のばね受けを兼ねたキャップ状の第3部材12-3とを有している。
ここで第1部材12-1と第2部材12-2とは、ねじ結合されており、そしてそれらの間がOリング14にて水密にシールされている。
一方第3部材12-3は、図中右端に係止爪13を有し、その係止爪13が第1部材12-1の係止孔15に係止されることで、かかる第1部材12-1に組み付けられている。
【0043】
弁ケース12には、後述の混合弁38を弁ケース12の内部で軸方向即ち左右方向に移動させて、混合水の温度を設定操作する回転操作軸16が組み付けられている。
この回転操作軸16は、弁ケース12の内部に円筒部18を有している。また中間部に弁ケース12の嵌合孔20に回転可能に嵌合する嵌合軸部22を有し、更に図中右端側に弁ケース12から突き出したハンドル連結部24を有している。
【0044】
ハンドル連結部24の外周面にはセレーション部26が設けられており、このセレーション部26においてハンドル連結部24が図示を省略するハンドルに一体回転状態に連結されるようになっている。
尚、嵌合軸部22と嵌合孔20との間はOリング14にて水密にシールされている。
【0045】
弁ケース12には水流入口25,湯流入口28が弁ケース12を内外に貫通する状態で形成されており、更にこれら水流入口25,湯流入口28に続いて弁ケース12内部に水流入室30,湯流入室32が形成されている。
水流入口25から流入した水の流れは、水流入室30を経て図中左向きに流れ、そしてその下流側で湯流入口28から流入した湯の流れが湯流入室32を経て水の流れとともに混合室34に流れ込み、そこで水と湯とが混合されて、その混合水が流出部36から吐水部に向けて流出する。
【0046】
弁ケース12の内部には、混合弁38が図中左右方向に移動可能に設けられている。
混合弁38は、軸方向に離隔して設けられた水弁40,湯弁42及びそれらを軸方向に連繋する連繋部44を有している。ここで水弁40と湯弁42との外周面にはシール部材46が装着され、それらシール部材46にて水弁40と弁ケース12との間、及び湯弁42と弁ケース12との間が水密にシールされている。
【0047】
この実施形態では、連繋部44が湯弁42と一体に成形され、水弁40に対し嵌合状態で組み付けられている。
詳しくは、図2に示しているように連繋部44は全体として十字状をなすように中心部から放射状に延びる複数(ここでは4つ)の板状のアーム48と、これらアーム48から軸方向に突き出した円筒部50とを一体に有している。
ここで各アーム48は湯弁42の内側に形成されており、そしてこのアーム48から円筒部50が湯弁42より軸方向に突き出す状態で設けられている。
【0048】
一方、水弁40には図2に示しているように、その内側に段付形状をなす円筒形状の嵌合部52が形成されており、その嵌合部52が、段付部54を円筒部50の先端面に当接させる状態に円筒部50に外嵌状態に嵌合され組み付けられている。
円筒部50の内周面には雌ねじ部56が形成されており、そこに弁軸58の先端部に形成された雄ねじ部60がねじ込まれている。
【0049】
この弁軸58には、環状の鍔状をなす押え部62が形成されており、弁軸58の雄ねじ部60が円筒部50の雌ねじ部56にねじ込まれることにより、この押え部62が水弁40を円筒部50に対して軸方向に押え付けている。
即ちこれら雌ねじ部56と雄ねじ部60及び押え部62とによって、水弁40が連繋部44に対して強固に組付固定されている。
【0050】
弁ケース12には水弁40,湯弁42の間の位置において、それらに各対応した水側弁座64,湯側弁座66が設けられており、それらに対して水弁40,湯弁42がそれぞれ当接するようになっている。
【0051】
上記混合弁38は、鋼製のコイルばねからなるバイアスばね68にて図中左向き、即ち水弁40を閉弁させる方向に付勢されており、また混合室34内に設けられた形状記憶合金製のコイルばねからなる主感温体としての主感温ばね70により、これとは反対方向の図中右向き、即ち湯弁42を閉弁させる方向に付勢されている。
【0052】
上記回転操作軸16における円筒部18には、その内周面に雌ねじ部69が形成されており、この雌ねじ部69に対して円筒形状をなす進退部材71が、その外周面の雄ねじ部72において螺合されている。
従って回転操作軸16を回転操作すると、これら雌ねじ部69と雄ねじ部72との螺合によるねじ送り作用で、進退部材71が図中左右方向に進退移動させられる。
【0053】
この進退部材71には、図中右端部に段付部75が内向きに形成されており、そこにストッパリング77が図中右向きに当接させられている。
そしてこのストッパリング77と、円筒形状をなすばね受け74の図中左端の内向き且つ環状の鍔状部83との間に、上記のバイアスばね68が介装されている。
バイアスばね68は、水弁40に軸方向に当接するばね受け74を介して混合弁38に対し、その付勢力を図中左向きに及ぼしている。
【0054】
ばね受け74は、図中右端に内向き且つ環状の係合部76を有し、この係合部76が進退部材71の上記雄ねじ部72と図中左端の環状且つ外向きのストッパ部78との間を、軸方向に相対移動可能とされている。
このばね受け74は、係合部76が進退部材71のストッパ部78に当接することで軸方向位置が規制され、進退部材71から抜け防止される。
尚、上記弁軸58の図中右端部には大径の頭部81が設けられている。この頭部81は、ストッパリング77の内径よりも大径である。
【0055】
上記混合室34内部には、形状記憶合金製のコイルばねからなる補助感温ばね(補助感温体)80が主感温ばね70の内側に且つ主感温ばね70と並列に設けられている。
この補助感温ばね80は図中左端をばね受けとしての弁ケース12の第3部材12-3の底部に当接させ、また右端を混合弁38の湯弁42に当接させている。
【0056】
この補助感温ばね80は、断水時に主感温ばね70を補助し、バイアスばね68の付勢力を打ち消す方向に混合弁38に対して強い付勢力を発生させる。
但しこの実施形態において主感温ばね70は図3(B)に示すPを動作温度域とし(厳密には主動作温度域。以下同じ)、また補助感温ばね80は図3(A)に示すPを動作温度域とするものである。
【0057】
詳しくは、主感温ばね70は低温側のマルテンサイト相から高温側のオーステナイト相への変態温度域のほぼ中心温度が40℃となるように調整されており、従ってこの主感温ばね70は、40℃を中心とした前後の温度域で付勢力を直線的に最も大きく変化させる。
【0058】
一方補助感温ばね80は、図3(A)に示しているように主感温ばね70に対して変態温度域が高温域とされている。
ここでは補助感温ばね80は、低温側のマルテンサイト相から高温側のオーステナイト相への変態温度域のほぼ中心温度が80℃となるように調整されている。
従って補助感温ばね80は、この80℃を中心とした前後の温度域で付勢力が直線的に最も大きく変化する。
【0059】
この実施形態の湯水混合弁10では、回転操作軸16を正方向に回転操作して進退部材71を図中左方向に前進移動させると、バイアスばね68が圧縮せしめられて、混合弁38に対する図中左向きの付勢力を増大させる。
また回転操作軸16を逆方向に回転操作すると、進退部材71が図中右向きに後退移動させられて、バイアスばね68が伸びる方向に変位し、混合弁38に対する図中左向きの付勢力を弱くする。
【0060】
この実施形態の湯水混合弁10では、水流入口25への水の供給が行われる通常時においては、このようにして回転操作軸16を正方向又は逆方向に回転操作することで、混合弁38がバイアスばね68の図中左向きの付勢力と、主感温ばね70による図中右向きの付勢力とが釣り合う位置に左右方向にシフトせしめられる。即ち湯水混合弁10における混合水の温度が設定され或いは設定変更される。
【0061】
そしてそのシフト位置において主感温ばね70が、混合水温度に感応してその付勢力を増減させることにより、即ち混合水温度が設定温度よりも高温側であるときには付勢力を増大させ、また混合水温度が設定温度よりも低温側であるときには、その付勢力を弱くすることによって、混合弁38を図中左右方向に微動させ、混合水温度を自動的に設定温度に調節する。
【0062】
尚このとき、補助感温ばね80は主感温ばね70の図3(B)中Pで示す動作温度域では殆んどその付勢力を増大させず、断水により水流入口25への給水が停止し、湯流入口28から高温の湯のみが弁ケース12内部に流入したとき、即ち混合室34に流入したとき、そこで初めて混合室34内部に流入する高温の湯に反応して、図3(A)で示す動作温度域Pで動作を行って付勢力を高め、主感温ばね70を補助して混合弁38を図中右向きに押し、湯弁42を強制的に閉弁させる。
【0063】
但し場合によって補助感温ばね80は、図3(A)で示す動作温度域Pの低温側の一部を主感温ばね70の図3(B)中の動作温度域Pの高温側の一部と重複させても良い。
この場合には、混合水温度が、主感温ばね70の動作温度域の高温側では補助感温ばね80の付勢力の増大が付加されることとなる。
【0064】
以上のような本実施形態によれば、断水時に補助感温ばね80の働きにより確実に湯弁42を閉弁させることができ、従って吐水部から高温の湯が多量に流出するのを防止することができる。
【0065】
この場合において、補助感温ばね80は、主感温ばね70の通常の温調動作特性に影響を及ぼさないものとなしておくことができる。
【0066】
本実施形態に従って、主感温ばね70よりも高温で動作する補助感温ばね80を用いることで、かかる補助感温ばね80を、混合室34内に主感温ばね70と並列に設けておくことができ、補助感温ばね80を設けるための特別のスペースを別途に用意しなくてもよい利点が得られる。
【0067】
次に図4は本発明の他の実施形態を示している。
この実施形態では、上記実施形態と異なって水流入口25に続く水流入室30の内部に形状記憶合金製の補助感温ばね(補助感温体)82が配置されている。
ここで補助感温ばね82は、図中右端を水弁40に当接させ、また左端を弁ケース12側に当接させている。詳しくは、弁ケース12に一体又は別体に構成されて弁ケース12に固設された当接部84に当接させている。
【0068】
この実施形態では、かかる補助感温ばね82として図3(A)に示すもの、即ち高温域を動作温度域とするもの、また図3(B)に示すように中温域を動作温度域とするもの、或いは図3(C)に示しているように低温域を動作温度域とするものなど、何れを用いることも可能である。但し何れの場合においても水の温度よりも高温側に動作温度域を有するものである必要がある。
ここで図3(C)のものは、変態温度域の中心温度が約20℃のものであり、従って図3(C)に示すものは20℃を中心とした前後の温度域で変態に伴う付勢力をほぼ直線的に最大に変化させる。
【0069】
この実施形態において、補助感温ばね82は水流入口25から流入する水に全体が接水した状態にあり、従ってその状態ではバイアスばね68の付勢力を打ち消す方向に強い力を発生させることはない。即ち湯弁42を閉弁させる力を発生させることはない。
【0070】
一方、断水が生じて水流入口25への水の供給がなくなり、弁ケース12内に湯流入口28から高温の湯のみが流入すると、弁ケース12内に流入した湯が、この水流入室30まで入り込んでくることから、かかる補助感温ばね82が、その高温の湯に反応して変態を生じ、水弁40に対して即ち混合弁38に対して図中右向きに強い力を発生させる。
このため混合弁38は、その感温ばね82で生じた強い力により図中右向きに移動して湯弁42を閉弁させ、湯流入口28から引き続き高温の湯が流入するのを防止する。
尚、図4の湯水混合弁において他の構成については基本的に図1に示したものと同様であり、符号のみを示して詳しい説明は省略する。
【0071】
以上のような本実施形態によれば、補助感温ばね82は常時は水に接水した状態にあり、断水時に初めて湯に接することとなるため、その動作温度域が水の温度よりも高温のものであれば、様々な動作温度域を有するものを用いることが可能である。
【0072】
図5は本発明の更に他の実施形態を示している。
この例は、第1バイアスばね68-1と第2バイアスばね68-2とによって混合弁38を図中左向きに付勢するようにし、またそれら第1バイアスばね68-1,第2バイアスばね68-2を内部に収容する弁ケース12内のばね収容室86内に形状記憶合金製の補助感温ばね(補助感温体)88を配置した例である。
【0073】
ここでばね収容室86は水流入室30及び水流入口25に連通しており、断水時においては湯流入口28から流入した湯が、このばね収容室86内部にも流入し、このとき補助感温ばね88はそこに流入した高温の湯に接する状態となる。
【0074】
補助感温ばね88は図中右端をばね受け74に当接させ、また左端を弁ケース12に固定されて径方向内向きに突出した当接部90に当接させる状態に設けられている。
尚第1バイアスばね68-1は、ばね受け74に対し図中右端を当接させ、また第2バイアスばね68-2は、図中左端をばね受け74に当接させている。
【0075】
この実施形態においても、補助感温ばね88は水流入口25から水が流入する通常時においては常時ばね収容室86内部に入り込んだ水に対してその全体が接水するものであり、従って図3(A)〜(C)の何れの動作温度域を有するものでも用いることが可能である。
そして何れの場合においても、通常時においては混合弁38に対してこれを閉弁させるための力を発生させることはない。
即ち通常時においては主感温ばね70による混合弁38の位置制御、即ち温度制御には影響を与えない。
【0076】
一方で断水時に水流入口25への水の供給が遮断され、湯流入口28から高温の湯のみが弁ケース12内部に流入すると、補助感温ばね88はその高温の湯に接する状態となり、ここにおいて補助感温ばね88は変態を生じて図中右向きに強い力を発生させる。即ち湯弁42を閉弁させるための強い力を発生させる。
これにより湯弁42が閉弁し、吐水部から高温の湯が流出し続けるのが防止される。
尚、この図5の実施形態においても湯水混合弁の基本的な構成は図1及び図4に示したものと同様であり、対応する部分に符号のみを示して詳しい説明は省略する。
【0077】
図6は本発明の更に他の実施形態を示している。
この例は、水と湯との流入口の図中左右方向の位置が、上記実施形態とは逆の位置となっており、湯流入口28からの湯の流れが、その下流側の水流入口25からの水の流れとともに、更に下流側の混合室34へと流れ込む。
【0078】
また混合弁38は水弁40と湯弁42とが一体をなす構造とされており、そしてこれら水弁40,湯弁42の軸方向外側の位置において、弁ケース12に水側弁座64,湯側弁座66が形成されている。
この混合弁38には、バイアスばね68の図中左端と主感温ばね70の図中右端とが当接させられており、それらによる逆向きの付勢力が混合弁38に直接及ぼされている。
【0079】
この実施形態では、水流入口25に続く内側の水流入室30が混合室34の外周側に隣接して形成されており、そしてその水流入室30内に、形状記憶合金製の補助感温ばね92が配置されている。
ここで補助感温ばね92は、図中右端を混合弁38に当接させ、また図中左端を弁ケース12における第3部材12-3に当接させている。
【0080】
補助感温ばね92は水流入室30内にあって、通常時はその全体が水流入室30内の水に接水するものであるが、この実施形態の場合、かかる水流入室30が内側の混合室34に隣接している。
そこでこの実施形態では、補助感温ばね92が混合室34内の混合水と通常時に接触しないように、第3部材12-3に円環状に軸方向に立ち上がる仕切壁94が設けられ、その仕切壁94の外周側に補助感温ばね92が配設されている。
従って補助感温ばね92は、水流入口25から水が流入する通常時においては、仕切壁94の働きによって混合室34内の混合水と接触することはない。
【0081】
尚この実施形態では、回転操作軸16に弁ケース12内部で大径のフランジ部96が設けられており、このフランジ部96が弁ケース12の内面に嵌合状態に組み付けられている。
【0082】
このフランジ部96からはねじ軸98が延び出しており、そしてねじ軸98の外周面の雄ねじ部72に対して、その外周側の円筒形状をなす進退部材71の雌ねじ部69が螺合されている。
進退部材71の外周面には、軸方向に延びる係合突条100が設けられ、また一方弁ケース12の内周面には対応する軸方向の係合溝102が形成されており、それら係合突条100と係合溝102とが軸方向に摺動可能に係合させられている。
【0083】
従ってこの実施形態では、回転操作軸16を回転操作すると、ねじ軸98の雄ねじ部72と、進退部材71の雌ねじ部69とのねじ送りで、進退部材71が図中左右方向に進退移動させられる。
上記バイアスばね68は、図中右端がこの進退部材71に当接させられ、その付勢力を混合弁38に対し図中左向きに及ぼしている。
【0084】
この実施形態では、補助感温ばね92が通常時はその全体が水流入室30内の水に接水した状態にあり、従ってかかる補助感温ばね92として、図3の(A)〜(C)の何れの動作温度域を有するものも使用可能である。
【0085】
何れの場合においても水流入口25への水の供給が遮断して、弁ケース12内部に湯流入口28から高温の湯だけが流入したとき、かかる補助感温ばね92が弁ケース内部を満たした高温の湯に接する状態となり、ここにおいて補助感温ばね92が変態を生じて湯弁42を閉弁させる力を発生させる。
ここにおいて湯流入口28からの湯の流入が遮断され、吐水部から高温の湯が吐水されるのが防止される。
【0086】
以上本発明の実施形態を詳述したがこれらはあくまで一例示であり、本発明は補助感温体として上記形状記憶合金製の補助感温ばね以外のものを用いることも可能であるし、また本発明は上例以外の他の様々な構造,形態の湯水混合弁に適用することも可能である等、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の一実施形態の湯水混合弁の図である。
【図2】同実施形態の湯水混合弁の要部を分解して示した図である。
【図3】補助感温ばねとして使用可能な様々な動作温度域を有するものを例示した図である。
【図4】本発明の他の実施形態を示す図である。
【図5】本発明の更に他の実施形態を示す図である。
【図6】本発明の更に他の実施形態を示す図である。
【図7】従来の湯水混合弁の一例を示した図である。
【符号の説明】
【0088】
10 湯水混合弁
12 弁ケース
25 水流入口
28 湯流入口
30 水流入室
32 湯流入室
34 混合室
38 混合弁
40 水弁
42 湯弁
68 バイアスばね
70 主感温ばね
80,82,88,92 補助感温ばね
86 ばね収容室
94 仕切壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)弁ケースに設けられた水流入口及び湯流入口と、(b)該水流入口に対応した水弁及び該湯流入口に対応した湯弁を有し、該弁ケースの内部に移動可能に設けられて、それら水弁及び湯弁の開度を互いに逆の関係で大きく又は小さく変化させて水と湯の流入量の比率を変化させる混合弁と、(c)前記湯弁の開度を小、前記水弁の開度を大とする方向に前記混合弁に付勢力を及ぼし、且つ混合水の温度の上昇及び低下に応じて該付勢力を強く及び弱く変化させて、該付勢力の変化により前記混合弁を移動させて該混合水の温度を設定温度に自動調節する主感温体としての形状記憶合金製の感温ばねと、(d)該混合弁を該感温ばねとは逆方向に付勢するバイアスばねと、を有する自動温度調節機能付の湯水混合弁において
前記水流入口への水の供給が無くなって前記設定温度よりも高温の湯のみが前記湯流入口から流入したときに、前記弁ケース内の湯との接触により前記バイアスばねの付勢力を打ち消す方向に伸び、前記感温ばねを補助して前記湯弁を閉弁させる力を発生させる補助感温体を、該感温ばね及び前記バイアスばねとは別に断水用の補助感温体として設けたことを特徴とする自動温度調節機能付の湯水混合弁。
【請求項2】
請求項1において、前記補助感温体が、変態温度域が前記水流入口へ供給される水の温度よりも高温域である形状記憶合金製の感温ばねであることを特徴とする自動温度調節機能付の湯水混合弁。
【請求項3】
請求項2において、前記主感温体としての感温ばねに対して前記補助感温体としての感温ばねは変態温度域が高温域であることを特徴とする自動温度調節機能付の湯水混合弁。
【請求項4】
請求項3において、前記補助感温体としての感温ばねが混合室内に前記主感温体としての感温ばねと並列に設けてあることを特徴とする自動温度調節機能付の湯水混合弁。
【請求項5】
請求項1において、前記補助感温体が、前記水流入口への水の供給がある通常時には前記弁ケース内で水に接水し、断水時に湯の流入する空間内の位置に配置してあることを特徴とする自動温度調節機能付の湯水混合弁。
【請求項6】
請求項5において、前記湯水混合弁が、前記水流入口からの水の流れが下流側の前記湯流入口からの湯の流れとともに、更に下流側の混合室へと流れる弁構造のものであり、前記補助感温体が、該水流入口に続く水流入室又は該水流室に連通した前記バイアスばね側の空間内に配置してあることを特徴とする自動温度調節機能付の湯水混合弁。
【請求項7】
請求項5において、前記湯水混合弁が、前記湯流入口からの湯の流れが下流側の前記水流入口からの水の流れとともに、更に下流側の混合室へと流れる弁構造のもので、該混合室と該混合室の外周側の水流入室とが隣接しており、該水流入室に前記補助感温体が配置してあるとともにそれら混合室と水流入室との間に仕切壁が形成してあることを特徴とする自動温度調節機能付の湯水混合弁。
【請求項8】
請求項5〜7の何れかにおいて、前記補助感温体として、変態温度域が水の温度よりも高温域である形状記憶合金製の感温ばねが用いられていることを特徴とする自動温度調節機能付の湯水混合弁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−128277(P2008−128277A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−310698(P2006−310698)
【出願日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】