説明

自動溶接機における溶接トーチ揺動装置及び揺動方法

【課題】直動アクチュエータによって溶接トーチを揺動させた場合に、慣性負荷に起因する負荷振動を抑制し、予め設定した良好な溶接品質の確保と、装置の締結部に緩みを未然に防止する。
【解決手段】直動アクチュエータ21による溶接トーチの揺動により被加工部に対して溶接処理を行う。被加工部に対し溶接トーチTを介して溶接処理を行わせる直動アクチュエータ21の動作時に、該動作時に生じる振動を打ち消すようにカウンタウエイトを動作させることで、直動アクチュエータの動作時に生じる振動を抑制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動溶接機における溶接トーチ揺動装置及び揺動方法に係り、揺動精度の向上を図り高品質の溶接を可能とする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の自動溶接機として、特許文献1に示される溶接装置が知られている。
この溶接装置は、溶接トーチが回動自在に設けられる本体部と、該溶接トーチに接続されるリンクバーと、該リンクバーに可動部が回動自在に接続された直動アクチュエータと、該溶接トーチの先端が所定の波形で揺動するように、前記直動アクチュエータを制御する制御装置と、を有する構成とされている。
【0003】
そして、このような溶接装置では、アーク溶接を行う際に、倣い制御による溶接トーチ先端の位置精度の確保や溶接品質の確保を目的として、溶接トーチの先端部を揺動させる動作を行っている。
なお、上記溶接装置では、溶接トーチの揺動を実現するために、直動アクチュエータ(リニアモータ)によりリンクを介して溶接トーチを駆動する方式が採用されているが、これ以外に、偏心回転筒体を回転駆動する方式、溶接トーチ全体を揺動させて溶接ワイヤ先端を揺動させる方式、などが採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-179344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、直動アクチュエータにより駆動する方式では、メンテナンス性が良くかつシンプルな構造で溶接トーチを高速揺動できるという利点があるものの、直動アクチュエータによって溶接トーチ及びワイヤを揺動させた場合には慣性負荷と慣性負荷に起因する振動が生じる。この慣性負荷は揺動が高速になるほど、揺動対象の重量が大きくなるほど増大し、慣性負荷の増大に応じて振動(以下、この振動を負荷振動と表現する)は大きくなる傾向にある。
そして、このような負荷振動が発生することで、溶接ワイヤの揺動振幅や振幅中心の精度の悪化や揺動波形の乱れが生じるため、予め設定した良好な溶接品質を得られないという問題や、装置全体が振動することによって装置の締結部に緩みが生じる等の問題がある。
【0006】
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、直動アクチュエータによって溶接トーチを揺動させた場合に、慣性負荷と慣性負荷に起因する負荷振動を抑制し、予め設定した良好な溶接品質の確保と、装置の締結部に生じがちな緩みの発生を未然に防止することができる自動溶接機における溶接トーチ揺動装置及び揺動方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
すなわち、本願の請求項1に係る自動溶接機における溶接トーチ揺動装置は、溶接トーチの揺動により被加工部に対して溶接処理を行う自動溶接機における溶接トーチ揺動装置であって、
前記溶接トーチを揺動させる直動アクチュエータと、前記直動アクチュエータの動作時の振動を抑制するカウンタウエイトと、前記カウンタウエイトを揺動させるカウンタウエイト用アクチュエータと、前記直動アクチュエータ及び前記カウンタウエイト用アクチュエータに駆動信号を出力する駆動信号発生器と、
前記直動アクチュエータの可動部の揺動時に発生する該可動部の変位情報、速度情報、加速度情報のうち少なくとも一つの揺動と振動の複合情報を計測する計測手段と、前記計測手段で取得した揺動と振動の複合情報に基づき、前記直動アクチュエータの動作時の振動を打ち消すように前記カウンタウエイトを動作させるための動作信号を前記駆動信号発生器に生じさせる振動制御手段と、を具備することを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、計測手段にて、直動アクチュエータで発生する変位情報、速度情報、加速度情報のうち少なくとも一つの揺動と振動の複合情報を計測した後、振動制御手段により、計測手段で取得した揺動と振動の複合情報に基づき、駆動信号発生器に動作信号を生じさせ、この動作信号により、直動アクチュエータの動作時の振動を打ち消すように、カウンタウエイト用アクチュエータを介してカウンタウエイトを動作させるようにした。
そして、これによって、直動アクチュエータによって溶接トーチを揺動させた場合に生じる、慣性負荷と慣性負荷に起因する負荷振動を抑制し、予め設定した良好な溶接品質の確保と、装置の締結部での緩みの発生を防止することができる。
【0009】
また、本願の請求項2に係る自動溶接機における溶接トーチ揺動装置では、前記直動アクチュエータと前記カウンタウエイト用アクチュエータとを、前記駆動信号発生器で生じる逆位相の駆動信号で駆動させることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、直動アクチュエータとカウンタウエイト用アクチュエータとを、駆動信号発生器で生じる逆位相の駆動信号で駆動させるようにしたので、直動アクチュエータによって溶接トーチを揺動させた場合に生じる慣性負荷と慣性負荷に起因する負荷振動を、容易かつ確実に抑制できる。
【0011】
また、本願の請求項3に係る自動溶接機における溶接トーチ揺動装置では、前記カウンタウエイトを、前記溶接トーチと対をなす補助溶接トーチで構成したことを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、直動アクチュエータによって溶接トーチを揺動させた場合に生じる振動を抑制し得るのは勿論、補助溶接トーチによっても溶接が行えるので、溶接作業性の向上が図れる。
【0013】
また、本願の請求項4に係る自動溶接機における溶接トーチ揺動方法では、直動アクチュエータによる溶接トーチの揺動により被加工部に対して溶接処理を行う自動溶接機における溶接トーチ揺動揺動方法であって、被加工部に対し前記溶接トーチを介して溶接処理を行わせる前記直動アクチュエータの動作時に、該動作時に生じる振動を打ち消すようにカウンタウエイトを動作させることで、前記直動アクチュエータの動作時に生じる振動を抑制することを特徴とする。
本発明によれば、本願の自動溶接機における溶接トーチ揺動装置を好適に使用して、直動アクチュエータによって溶接トーチを揺動させた場合に生じる、慣性負荷と慣性負荷に起因する負荷振動を抑制できる。
【発明の効果】
【0014】
本願の請求項1に係る発明によれば、直動アクチュエータによって溶接トーチを揺動させた場合に生じる、慣性負荷と慣性負荷に起因する負荷振動を抑制し、予め設定した良好な溶接品質の確保と、装置の締結部での緩みを防止することができる。
【0015】
本願の請求項2に係る発明によれば、直動アクチュエータによって溶接トーチを揺動させた場合に生じる慣性負荷と慣性負荷に起因する負荷振動を、容易かつ確実に抑制できる。
【0016】
本願の請求項3に係る発明によれば、補助溶接トーチによっても溶接が行えるので、溶接作業性の向上が図れる。
【0017】
本願の請求項4に係る発明によれば、本願の自動溶接機における溶接トーチ揺動装置を好適に使用して、直動アクチュエータによって溶接トーチを揺動させた場合に生じる、慣性負荷と慣性負荷に起因する負荷振動を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に適用される自動溶接機を示す図であって、(A)は全体を示す斜視図、(B)は(A)の正面図である。
【図2】図1の自動溶接機の構成を示す斜視図である。
【図3】図2に示す自動溶接機に2台の直動アクチュエータが具備される例を示す斜視図である。
【図4】駆動信号発生器から出力される駆動信号例を示す図であって、(A)はsin波形を示す駆動信号、(B)は矩形波形を示す駆動信号である。
【図5】駆動信号発生器内の振動制御手段の例を示すブロック図である。
【図6】第1の直動アクチュエータと第2の直動アクチュエータを駆動するための駆動信号例を示す図である。
【図7】図2に示す自動溶接機に、カウンタウエイト用の補助アクチュエータが具備される場合の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明に係る自動溶接機における溶接トーチ揺動装置及び揺動方法が適用された実施形態について、図1〜図6を参照して説明する。
図1は本発明に適用される自動溶接機を示す図であって、(A)は全体を示す斜視図、(B)は(A)の正面図である。図2は図1の自動溶接機の構成を示す斜視図である。図3は図2に示す自動溶接機に2台の直動アクチュエータが具備される例を示す斜視図である。
図1において符合100で示す自動溶接機は、本発明に係る自動溶接機における溶接トーチ揺動装置を備えるものであって、鋼管Wの接合部となる鋼管開先部Aの近傍に配置される。この鋼管開先部Aは、2本の鋼管Wが軸線を一致させて突き合わされた箇所であり、前記自動溶接機100で該鋼管開先部Aを溶接することにより、2本の鋼管Wを互いに同軸状に連結させる。
【0020】
この自動溶接機100は、鋼管Wの周面に沿いかつ鋼管開先部Aに沿って周方向(矢印a方向)に沿うように配置されたガイドレール1と、該ガイドレール1に沿って移動する移動台車2と、該移動台車2に搭載されかつ移動しながら鋼管Wの鋼管開先部Aを溶接する溶接装置10と、を具備する(図3参照)。
この溶接装置10は、図2に示すように、装置本体11をガイドレール1に沿って溶接トーチTを移動させる移動装置(図示略)と、該溶接トーチTにアーク溶接を行わせる溶接電源12と、該溶接トーチTにワイヤ13Aを送給するワイヤ送給機13と、装置本体11内に設けられかつ鋼管開先部A内にて溶接トーチTを矢印b方向に揺動(往復動)させる揺動装置20と、を具備している。
また、前記溶接トーチTに対してシールドガスを供給するガス供給源も設けられているが、図面では省略している。
【0021】
この揺動装置20は、図2及び図3に示すように、装置本体11内に設けられた2組の直動アクチュエータ21と、これら2組の直動アクチュエータ21の各可動部22にそれぞれ接続されたリンク23と、該直動アクチュエータ21の駆動源となる駆動信号を出力する駆動信号発生器24及び駆動信号等の出力を増幅するアンプユニット25と、駆動信号発生器24に対して制御信号(m)を出力する制御装置C1と、から構成されている。
揺動装置20の2組の直動アクチュエータ21は、図3に示すように、移動台車2上にフレーム3を介して該移動台車2上方に保持された台座部4上に、前記ガイドレール1に沿う矢印a方向に間隔をおいて配置されたものであって、これら各直動アクチュエータ21によるリンク23を介した溶接トーチTの矢印b方向への駆動により、鋼管Wに対してそれぞれ溶接処理を行う。
【0022】
前記リンク23は、図2に示すように、2本のリンクロッド23Aが所定の間隔で固定されかつ回転軸23Bを中心として揺動自在に設けられたものであって、その後端部が前記直動アクチュエータ21の可動部22に接続され、その先端部に溶接トーチTが設置されている。これにより、直動アクチュエータ21の可動部22が揺動レール21Aに沿って矢印c方向に揺動した場合に、リンク23を介して溶接トーチTが矢印b方向に揺動される。
【0023】
前記駆動信号発生器24は、制御装置C1から出力された制御信号(m)に基づき、図4(A)に示すようなsin波形、又は図4(B)に示すような矩形波形を駆動信号(r)として出力する。なお、図4において、横軸は時間(t)、縦軸は直動アクチュエータ 21に印加される駆動電圧(V)である。
そして、前記駆動信号発生器24から出力される駆動信号(r)に基づき、図4(A)に示すsin波形に倣って、曲線を描きつつ溶接トーチTを矢印b方向に揺動させ、また、図4(B)に示すような矩形波形に倣って、矩形を描きつつ溶接トーチTを矢印b方向に揺動させ、これら揺動によって溶接トーチTによる鋼管開先部Aでの鋼管溶接を行う。
なお、溶接トーチTによる鋼管開先部Aの溶接は、図4(A)に示すようなsin波形、又は図4(B)に示すような矩形波形のいずれかにより行っても良いし、sin波形及び矩形波形を区間毎に組み合わせることで行っても良い。
【0024】
次に、前記揺動装置20に備えられる溶接トーチTの振動を防止するための構成について説明する。
図2に示すように、前記揺動装置20の直動アクチュエータ21には、該直動アクチュエータ21の揺動レール21Aで発生する揺動及び振動に伴う変位量(y)を検出するための変位センサ30が設けられている。
【0025】
この変位センサ30で検出された変位量(y)は、図5に示すように、駆動信号発生器24内に設けられた振動制御手段40に供給され、該振動制御手段40において、直動アクチュエータ21の単位時間当たりの位置変位量を時間で微分することで、該直動アクチュエータ21の揺動及び振動に係る速度、加速度といった揺動と振動の複合情報を演算する。
【0026】
そして、該振動制御手段40では、第1の直動アクチュエータ21により溶接処理を行わせるとともに、図6に示すように、該直動アクチュエータ21の速度情報、加速度情報等の揺動と振動の複合情報に基づき、第2の直動アクチュエータ21(この直動アクチュエータを符号21´とする)に対して、前記第1の直動アクチュエータ21の揺動方向(矢印c方向)と逆位相の動作を生じさせるような駆動信号(r)を駆動信号発生器24に生じさせる。
【0027】
このように振動制御手段40により、第1の直動アクチュエータ21の揺動方向(矢印c方向)と逆位相のフィードバック動作制御第2の直動アクチュエータ21´に対し行うことによって、第1の直動アクチュエータ21によって溶接トーチTを揺動させた場合に生じる、慣性負荷と慣性負荷に起因する負荷振動を抑制し、予め設定した良好な溶接品質の確保と、装置の締結部での緩みを防止することができる。
【0028】
すなわち、この実施形態では、第1の直動アクチュエータ21の動作時に、第2の直動アクチュエータ21´に取り付けられた溶接トーチTがカウンタウエイトとして機能し、この第2の直動アクチュエータ21´に取り付けられた溶接トーチを作動させる第2の直動アクチュエータ21´自体がカウンタウエイトである溶接トーチTを揺動させるカウンタ用アクチュエータとして機能する。
【0029】
なお、この振動制御手段40では、溶接時の第1の直動アクチュエータ21の矢印a方向への変位と、該第1の直動アクチュエータ21で発生する振動による変位とを区別するために、例えば、予め定めた既定値以上の速度、加速度を負荷振動と判定し、該負荷振動についてのみ、第2の直動アクチュエータ21´に対して、前記第1の直動アクチュエータ21の揺動方向と逆位相のカウンタウエイトを生じさせる動作を行わせてもよい。
【0030】
また、この振動制御手段40では、溶接時の第1の直動アクチュエータ21の矢印a方向への変位と、該第1の直動アクチュエータ21で発生する振動による変位とを区別するために、例えば、駆動信号発生器によって出力する駆動信号と、変位センサ30によって計測した揺動と振動の複合情報の差分波形を該負荷振動による変位と判定し、該差分波形についてのみ、第2の直動アクチュエータ21´に対して、前記第1の直動アクチュエータ21の揺動方向と逆位相のカウンタウエイトを生じさせる動作を行わせてもよい。
【0031】
以上のように構成された自動溶接機100における溶接トーチ揺動装置によれば、変位センサ30にて、第1の直動アクチュエータ21で発生する変位情報、速度情報、加速度情報等の揺動と振動の複合情報を計測した後、振動制御手段40にて、該変位センサ30で取得した揺動と振動の複合情報に基づき、第2の直動アクチュエータ21´に対して、第1の直動アクチュエータ21の揺動方向と逆位相のカウンタウエイトを生じさせる動作を行わせるようにした。そして、このような揺動と振動の複合情報に基づく、直動アクチュエータ21´に対する、直動アクチュエータ21の揺動方向と逆位相のフィードバック動作制御によって、該直動アクチュエータ21によって溶接トーチTを揺動させた場合に生じる、慣性負荷と慣性負荷に起因する負荷振動を抑制し、予め設定した良好な溶接品質の確保と、装置の締結部での緩みを防止することができる。
【0032】
また、上記自動溶接機100における溶接トーチ揺動装置によれば、直動アクチュエータ21の単位時間当たりの位置変位量を検出する変位センサ30の検出信号に基づき、直動アクチュエータ21で発生する変位情報、さらには変位情報から計算される速度情報、加速度情報等の振動情報を得て、これら情報に基づき前記直動アクチュエータ21´に対する、前記直動アクチュエータ21揺動方向と逆位相の動作を行うことができる。
なお、前記振動制御手段40は、駆動信号発生器24内に設けたが、これに限定されず、制御信号(m)が出力される制御装置C1内に設けても良いし、これら制御装置C1と駆動信号発生器24との間に独立して設けても良い。
【0033】
〔変形例〕
上記実施形態では、溶接処理を行う2組の直動アクチュエータ21・21´を設けた上で、第1の直動アクチュエータ21により溶接処理を行わせ、かつ第2の直動アクチュエータ21´に取り付けた溶接トーチに対し、第1の直動アクチュエータ21に取り付けた溶接トーチの揺動方向と逆位相の動作を行わせるようにしたが、図7に示すように、第2の直動アクチュエータ21´はカウンターバランスをとるための専用のアクチュエータ、すなわち、カウンタウエイト操作用の専用のカウンタ用アクチュエータ26とし、該カウンタ用アクチュエータ26で直接カウンタウエイト26Aを、直動アクチュエータ21の揺動方向と逆位相の動作を行わせるようにしても良い。
このように、カウンタ用アクチュエータ26に対して、直動アクチュエータ21の揺動方向と逆位相の動作を行わせた場合には、溶接時における直動アクチュエータ21の動作を妨げることなく、カウンタウエイト26Aによってカウンターバランスを確保することができる。
なお、この変形例では、説明を簡略化するため、前記実施形態で説明した構成要素と同一構成要素については同一符号を付してその説明を省略している。
【0034】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、自動溶接機における溶接トーチ揺動装置及び揺動方法に係り、揺動精度の向上を図り高品質の溶接を可能とする技術に関する。
【符号の説明】
【0036】
10 溶接装置
20 揺動装置
21 直動アクチュエータ
22 直動アクチュエータの可動部
21´ 直動アクチュエータ(カウンタ用アクチュエータ)
24 駆動信号発生器
26 カウンタ用アクチュエータ
30 変位センサ(計測手段)
40 振動制御手段
100 自動溶接機
C1 制御装置
T 溶接トーチ(カウンタウエイト)
W 鋼管
A 鋼管開先部(被加工部)
m 制御信号
r 駆動信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶接トーチの揺動により被加工部に対して溶接処理を行う自動溶接機における溶接トーチ揺動装置であって、
前記溶接トーチを揺動させる直動アクチュエータと、
前記直動アクチュエータの動作時の振動を抑制するカウンタウエイトと、
前記カウンタウエイトを揺動させるカウンタウエイト用アクチュエータと、
前記直動アクチュエータ及び前記カウンタウエイト用アクチュエータに駆動信号を出力する駆動信号発生器と、
前記直動アクチュエータの可動部の揺動時に発生する該可動部の変位情報、速度情報、加速度情報のうち少なくとも一つの揺動と振動の複合情報を計測する計測手段と、
前記計測手段で取得した揺動と振動の複合情報に基づき、前記直動アクチュエータの動作時の振動を打ち消すように前記カウンタウエイトを動作させるための動作信号を前記駆動信号発生器に生じさせる振動制御手段と、
を具備することを特徴とする自動溶接機における溶接トーチ揺動装置。
【請求項2】
前記直動アクチュエータと前記カウンタウエイト用アクチュエータとを、前記駆動信号発生器で生じる逆位相の駆動信号で駆動させることを特徴とする請求項1に記載の自動溶接機における溶接トーチ揺動装置。
【請求項3】
前記カウンタウエイトを、前記溶接トーチと対をなす補助溶接トーチで構成したことを特徴とする請求項1または2に記載の自動溶接機における溶接トーチ揺動装置。
【請求項4】
直動アクチュエータによる溶接トーチの揺動により被加工部に対して溶接処理を行う自動溶接機における溶接トーチ揺動方法であって、
被加工部に対し前記溶接トーチを介して溶接処理を行わせる前記直動アクチュエータの動作時に、該動作時に生じる振動を打ち消すようにカウンタウエイトを動作させることで、前記直動アクチュエータの動作時に生じる振動を抑制することを特徴とする自動溶接機における溶接トーチ揺動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−210649(P2012−210649A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−78038(P2011−78038)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(306022513)新日鉄エンジニアリング株式会社 (897)
【Fターム(参考)】