自動車の電気エネルギー貯蔵装置
【課題】 自動車の電気エネルギー貯蔵装置を提供する。
【解決手段】 ハウジング（１１）を有し、且つハウジングに収容される貯蔵モジュール（１２）を有する、自動車の電気エネルギー貯蔵装置（１０）、特にハイブリッド車両又は電気車両の高電圧エネルギー貯蔵装置であって、ハウジング（１１）が、環状支持フレーム（１８）を備えた支持要素（１７）を有し、環状支持フレーム（１８）は繊維強化プラスチックで作製され、且つ環状支持フレーム（１８）を用いて電気エネルギー貯蔵装置（１０）を自動車の本体構造に連結することのできる、電気エネルギー貯蔵装置（１０）。
【解決手段】 ハウジング（１１）を有し、且つハウジングに収容される貯蔵モジュール（１２）を有する、自動車の電気エネルギー貯蔵装置（１０）、特にハイブリッド車両又は電気車両の高電圧エネルギー貯蔵装置であって、ハウジング（１１）が、環状支持フレーム（１８）を備えた支持要素（１７）を有し、環状支持フレーム（１８）は繊維強化プラスチックで作製され、且つ環状支持フレーム（１８）を用いて電気エネルギー貯蔵装置（１０）を自動車の本体構造に連結することのできる、電気エネルギー貯蔵装置（１０）。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、請求項１の前段に係る、自動車の電気エネルギー貯蔵装置、特にハイブリッド車両又は電気車両の高電圧エネルギー貯蔵装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
ハイブリッド車両又は電気車両では、高電圧エネルギー貯蔵装置として構成される電気エネルギー貯蔵装置が使用され、このような装置は、ハイブリッド車両又は電気車両の電気機械のモータ動作中はより集中的に放電され、それぞれの電気機械の発電機動作中はより集中的に充電される。電気エネルギー貯蔵装置は、ハウジングと、ハウジングに収容される貯蔵モジュールとを有する。
【０００３】
電気エネルギー貯蔵装置を自動車に位置決めして取り付けるとき、先行技術によれば、そのために別個の器具が使用される。例えば、（特許文献１）はバッテリを固持するための器具を開示しており、この器具は、バッテリを収容するためのトラフ状収容要素と、トラフ状収容要素を囲い込むフープ要素と、固定要素であって、フープ要素に締結され、且つバッテリをトラフ状収容要素に固定する働きをする固定要素とを含む。
【０００４】
従って先行技術によれば、自動車の電気エネルギー貯蔵装置を自動車に締結し、又は取り付けるために別個の器具が必要である。結果として、自動車に設置される器具の数、結果として最終的には自動車の重量が増加する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】独国特許第１０ ２００８ ０５９ ６８０ Ａ１号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
このことから進めると、本発明は、自動車の新規電気エネルギー貯蔵装置を提供する目的に基づく。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
この目的は、請求項１に記載の電気エネルギー貯蔵装置により実現される。本発明によれば、ハウジングは環状支持フレームを備えた支持要素を有し、環状支持フレームは繊維強化プラスチックで作製され、且つそれを用いて電気エネルギー貯蔵装置を自動車の本体構造に連結することができる。
【０００８】
本発明に係る電気エネルギー貯蔵装置において、繊維強化プラスチックからなる環状支持フレームは電気エネルギー貯蔵装置のハウジングの一構成要素である。従って、本発明に係る電気エネルギー貯蔵装置は、ハウジングを用いて自動車の本体構造に直接締結することができる。電気エネルギー貯蔵装置の締結に別個の器具は必要ない。さらに、繊維強化プラスチックで支持フレームを具体化することにより、第一に高強度、第二に超軽量を実現することができる。
【０００９】
本発明の一改良例は特に好ましく、ここでは支持要素の環状支持フレームが中空部品として構成される。結果として、電気エネルギー貯蔵装置の重量をさらに低減することができる。
【００１０】
本発明の有利な一発展形態によれば、支持要素の支持フレームであって、繊維強化プラスチックで形成される支持フレームは、支持要素の少なくとも１つの支持プレートに接着結合により連結され、この支持プレートは環状支持フレームの間に延在し、且つ金属で製造され、金属製の支持プレートはさらに、貯蔵モジュールの温度制御、すなわち冷却及び／又は加熱を行う働きをする。結果として、支持要素のこの又は各支持プレートは温度制御要素としても働き、従って支持要素について支持及び温度制御の機能統合の実現が可能となる。この種の機能統合の結果として、必要なアセンブリの数、従って本発明に係るエネルギー貯蔵装置の構造の複雑性及びその重量が低減される。
【００１１】
従属項及び以下の説明から、本発明の好ましい発展形態が得られる。本発明の例示的実施形態が、それらに限定されるものではないが、図面を用いてさらに詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【００１２】
【図１】本発明に係る電気エネルギー貯蔵装置の一例示的実施形態の斜視図を示す。
【図２】図１の本発明に係る電気エネルギー貯蔵装置の別の斜視図を、貯蔵モジュールが透明な状態で示す。
【図３】本発明に係る電気エネルギー貯蔵装置の断面を示す。
【図４】図３の詳細を示す。
【発明を実施するための形態】
【００１３】
本発明は、自動車の電気エネルギー貯蔵装置、特にハイブリッド車両又は電気車両の高電圧エネルギー貯蔵装置に関する。ハイブリッド車両又は電気車両のドライブアセンブリは、モータとして、且つ発電機として動作することのできる電気機械を含む。電気機械のモータ動作中、高電圧エネルギー貯蔵装置として構成される電気エネルギー貯蔵装置は、電気機械によってより集中的に放電される。電気機械の発電機動作中、高電圧エネルギー貯蔵装置として構成される電気エネルギー貯蔵装置は、電気機械によってより集中的に充電される。
【００１４】
電気エネルギー貯蔵装置１０は、ハウジング１１と、ハウジング１１に収容される貯蔵モジュール１２とを有する。示される本発明の好ましい実施形態において、貯蔵モジュール１２は、２つのモジュールアセンブリ１３及び１４、すなわち、複数の貯蔵モジュール１２を含む第１の上側モジュールアセンブリ１３と、複数の貯蔵モジュール１２を含む第２の下側モジュールアセンブリ１４とを形成する。
【００１５】
ハウジング１１は、ハウジング上部１５と、ハウジング下部１６と、環状支持フレーム１８を含む支持要素１７とを有する。ハウジング上部１５及びハウジング下部１６は、ハウジング１０の支持要素１７の環状支持フレーム１８に解除可能に連結され、この支持フレーム１８はハウジング上部１５とハウジング下部１６との間に位置決めされる。ハウジング上部１５とハウジング下部１６と支持要素１７又は支持フレーム１８とが合わさって、電気エネルギー貯蔵装置１０のハウジング１１を形成する。
【００１６】
電気エネルギー貯蔵装置１０は支持フレーム１８のみを用いて自動車の本体構造に連結することができ、支持フレーム１８には、電気エネルギー貯蔵装置１０を本体構造に連結するための締結セクション１９、２０が形成され、この締結セクション１９、２０を用いて、支持フレーム１８、従って電気エネルギー貯蔵装置１０のハウジング１１を、自動車の本体構造にねじ付けることができる。
【００１７】
電気エネルギー貯蔵装置を自動車の本体構造に連結できるようにするための、環状支持フレームの前記締結セクション１９及び２０は、張出部として構成され、支持フレーム１８の一体化した構成要素である。締結セクション１９及び２０は凹部（図示せず）を有し、そこに締付ねじ（図示せず）を貫通させることによって電気エネルギー貯蔵装置１０が本体構造に締結される。
【００１８】
電気エネルギー貯蔵装置１０に作用するあらゆる力及びモーメントは、支持フレーム１８又は支持要素１７によって吸収される。環状支持フレーム１８は繊維強化プラスチック、例えばガラス繊維強化プラスチック又は炭素強化プラスチックから形成される。結果として、可能な限り軽量としながら高強度の環状支持フレーム１８が実現される。
【００１９】
ハウジング上部１５及びハウジング下部１６は、いかなる力及びモーメントも吸収しない非耐荷重カバー型部品として構成される。従って、ハウジング１１のハウジング上部１５及びハウジング下部１６は極めて薄肉で軽量の構成とし得る。ハウジング上部１５及びハウジング下部１６は、好ましくはプラスチック、特に繊維強化プラスチックで製造される。
【００２０】
図４によると最も良く分かるとおり、支持要素１７の環状支持フレーム１８は中空部品として構成され、その結果としてハウジング１１の、従って電気エネルギー貯蔵装置１０の重量をさらに低減することができる。
【００２１】
支持要素１７の中空支持フレーム１８であって、繊維強化プラスチックで製造される支持フレーム１８にハウジング上部１５及びハウジング下部１６を締結するため、ハウジング上部１５及びハウジング下部１６は、いずれの場合も、中空支持フレーム１８の端部セクション２１を断面で取り囲み、いずれの場合も１つの溝２２が支持フレーム１８のそれぞれの端部セクション２１に設けられ、この溝２２が、いずれの場合も１つの密封要素２３を受け入れる働きをする。前記密封要素２３は、図４では変形していない状態で示される。それぞれの密封要素２３は支持フレーム１８をそれぞれの溝２２の領域で囲んで延在し、その結果、いずれの場合もこの種の１つの密封要素２３を用いて、第一にハウジング上部１５を支持フレーム１８に対して密封できるようになり、第二にハウジング下部１６を支持フレーム１８に対して密封できるようになる。
【００２２】
好ましくは中空部品として構成される上記の支持フレーム１８に加え、支持要素１７は、支持要素１７の環状支持フレーム１８の間に延在する少なくとも１つの支持プレート２４を含む。この又は各支持プレート２４は、好ましくは金属材料、例えば高強度アルミニウム合金で製造され、支持フレーム１８は、前記支持フレーム１８のセクション２５を用いて、セクション２５がこの又は各支持プレート２４の上側及び下側に接して置かれることで、この又は各支持プレート２４に接着結合される。結果として、繊維強化プラスチックで作製される支持フレーム１８と金属材料で作製されるその又は各支持プレート２４との間に単純な連結がもたらされる。
【００２３】
モジュールアセンブリ１３及び１４の貯蔵モジュール１２は、この又は各支持プレート２４に、又は代替例として、支持フレーム１８に連結される。モジュールアセンブリ１３及び１４の各貯蔵モジュール１２は好ましくは、個別に、それぞれ１つの個別の支持プレート２４に連結され、すなわち上側モジュールアセンブリ１３の貯蔵モジュール１２がそれぞれの支持プレート２４に載置され、一方で下側モジュールアセンブリ１４の貯蔵モジュール１２がそれぞれの支持プレート２４から懸架されるようにして連結される。代替例として、モジュールアセンブリ１３及び１４の各貯蔵モジュール１２は、個別に支持フレーム１８に連結され、すなわち上側モジュールアセンブリ１３の貯蔵モジュール１２が支持フレーム１８に載置され、一方で下側モジュールアセンブリ１４の貯蔵モジュール１２が支持フレーム１８から懸架されるようにして連結される。
【００２４】
本発明の有利な発展形態によれば、この又は各支持プレート２４は、さらに、モジュールアセンブリ１３及び１４の貯蔵モジュール１２の温度を制御する、すなわちそれらを冷却及び／又は加熱する働きをする。このときこの又は各支持プレート２４は、同時に温度制御プレート又は温度制御要素としても構成される。そのため、このときこの又は各支持プレート２４は中空構成であり、温度制御媒体がそれぞれの支持プレート２４の少なくとも１つの空洞を通じて流れ、それにより、それぞれの支持プレート２４に締結される貯蔵モジュール１２又はそれぞれの支持プレート２４に隣接する貯蔵モジュール１２が加熱及び／又は冷却される。
【符号の説明】
【００２５】
１１ ハウジング
１２ 貯蔵モジュール
１３ 第１のモジュールアセンブリ
１４ 第２のモジュールアセンブリ
１５ ハウジング上部
１６ ハウジング下部
１７ 支持要素
１８ 環状支持フレーム
２３ 密封要素
２４ 支持プレート
【技術分野】
【０００１】
本発明は、請求項１の前段に係る、自動車の電気エネルギー貯蔵装置、特にハイブリッド車両又は電気車両の高電圧エネルギー貯蔵装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
ハイブリッド車両又は電気車両では、高電圧エネルギー貯蔵装置として構成される電気エネルギー貯蔵装置が使用され、このような装置は、ハイブリッド車両又は電気車両の電気機械のモータ動作中はより集中的に放電され、それぞれの電気機械の発電機動作中はより集中的に充電される。電気エネルギー貯蔵装置は、ハウジングと、ハウジングに収容される貯蔵モジュールとを有する。
【０００３】
電気エネルギー貯蔵装置を自動車に位置決めして取り付けるとき、先行技術によれば、そのために別個の器具が使用される。例えば、（特許文献１）はバッテリを固持するための器具を開示しており、この器具は、バッテリを収容するためのトラフ状収容要素と、トラフ状収容要素を囲い込むフープ要素と、固定要素であって、フープ要素に締結され、且つバッテリをトラフ状収容要素に固定する働きをする固定要素とを含む。
【０００４】
従って先行技術によれば、自動車の電気エネルギー貯蔵装置を自動車に締結し、又は取り付けるために別個の器具が必要である。結果として、自動車に設置される器具の数、結果として最終的には自動車の重量が増加する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】独国特許第１０ ２００８ ０５９ ６８０ Ａ１号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
このことから進めると、本発明は、自動車の新規電気エネルギー貯蔵装置を提供する目的に基づく。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
この目的は、請求項１に記載の電気エネルギー貯蔵装置により実現される。本発明によれば、ハウジングは環状支持フレームを備えた支持要素を有し、環状支持フレームは繊維強化プラスチックで作製され、且つそれを用いて電気エネルギー貯蔵装置を自動車の本体構造に連結することができる。
【０００８】
本発明に係る電気エネルギー貯蔵装置において、繊維強化プラスチックからなる環状支持フレームは電気エネルギー貯蔵装置のハウジングの一構成要素である。従って、本発明に係る電気エネルギー貯蔵装置は、ハウジングを用いて自動車の本体構造に直接締結することができる。電気エネルギー貯蔵装置の締結に別個の器具は必要ない。さらに、繊維強化プラスチックで支持フレームを具体化することにより、第一に高強度、第二に超軽量を実現することができる。
【０００９】
本発明の一改良例は特に好ましく、ここでは支持要素の環状支持フレームが中空部品として構成される。結果として、電気エネルギー貯蔵装置の重量をさらに低減することができる。
【００１０】
本発明の有利な一発展形態によれば、支持要素の支持フレームであって、繊維強化プラスチックで形成される支持フレームは、支持要素の少なくとも１つの支持プレートに接着結合により連結され、この支持プレートは環状支持フレームの間に延在し、且つ金属で製造され、金属製の支持プレートはさらに、貯蔵モジュールの温度制御、すなわち冷却及び／又は加熱を行う働きをする。結果として、支持要素のこの又は各支持プレートは温度制御要素としても働き、従って支持要素について支持及び温度制御の機能統合の実現が可能となる。この種の機能統合の結果として、必要なアセンブリの数、従って本発明に係るエネルギー貯蔵装置の構造の複雑性及びその重量が低減される。
【００１１】
従属項及び以下の説明から、本発明の好ましい発展形態が得られる。本発明の例示的実施形態が、それらに限定されるものではないが、図面を用いてさらに詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【００１２】
【図１】本発明に係る電気エネルギー貯蔵装置の一例示的実施形態の斜視図を示す。
【図２】図１の本発明に係る電気エネルギー貯蔵装置の別の斜視図を、貯蔵モジュールが透明な状態で示す。
【図３】本発明に係る電気エネルギー貯蔵装置の断面を示す。
【図４】図３の詳細を示す。
【発明を実施するための形態】
【００１３】
本発明は、自動車の電気エネルギー貯蔵装置、特にハイブリッド車両又は電気車両の高電圧エネルギー貯蔵装置に関する。ハイブリッド車両又は電気車両のドライブアセンブリは、モータとして、且つ発電機として動作することのできる電気機械を含む。電気機械のモータ動作中、高電圧エネルギー貯蔵装置として構成される電気エネルギー貯蔵装置は、電気機械によってより集中的に放電される。電気機械の発電機動作中、高電圧エネルギー貯蔵装置として構成される電気エネルギー貯蔵装置は、電気機械によってより集中的に充電される。
【００１４】
電気エネルギー貯蔵装置１０は、ハウジング１１と、ハウジング１１に収容される貯蔵モジュール１２とを有する。示される本発明の好ましい実施形態において、貯蔵モジュール１２は、２つのモジュールアセンブリ１３及び１４、すなわち、複数の貯蔵モジュール１２を含む第１の上側モジュールアセンブリ１３と、複数の貯蔵モジュール１２を含む第２の下側モジュールアセンブリ１４とを形成する。
【００１５】
ハウジング１１は、ハウジング上部１５と、ハウジング下部１６と、環状支持フレーム１８を含む支持要素１７とを有する。ハウジング上部１５及びハウジング下部１６は、ハウジング１０の支持要素１７の環状支持フレーム１８に解除可能に連結され、この支持フレーム１８はハウジング上部１５とハウジング下部１６との間に位置決めされる。ハウジング上部１５とハウジング下部１６と支持要素１７又は支持フレーム１８とが合わさって、電気エネルギー貯蔵装置１０のハウジング１１を形成する。
【００１６】
電気エネルギー貯蔵装置１０は支持フレーム１８のみを用いて自動車の本体構造に連結することができ、支持フレーム１８には、電気エネルギー貯蔵装置１０を本体構造に連結するための締結セクション１９、２０が形成され、この締結セクション１９、２０を用いて、支持フレーム１８、従って電気エネルギー貯蔵装置１０のハウジング１１を、自動車の本体構造にねじ付けることができる。
【００１７】
電気エネルギー貯蔵装置を自動車の本体構造に連結できるようにするための、環状支持フレームの前記締結セクション１９及び２０は、張出部として構成され、支持フレーム１８の一体化した構成要素である。締結セクション１９及び２０は凹部（図示せず）を有し、そこに締付ねじ（図示せず）を貫通させることによって電気エネルギー貯蔵装置１０が本体構造に締結される。
【００１８】
電気エネルギー貯蔵装置１０に作用するあらゆる力及びモーメントは、支持フレーム１８又は支持要素１７によって吸収される。環状支持フレーム１８は繊維強化プラスチック、例えばガラス繊維強化プラスチック又は炭素強化プラスチックから形成される。結果として、可能な限り軽量としながら高強度の環状支持フレーム１８が実現される。
【００１９】
ハウジング上部１５及びハウジング下部１６は、いかなる力及びモーメントも吸収しない非耐荷重カバー型部品として構成される。従って、ハウジング１１のハウジング上部１５及びハウジング下部１６は極めて薄肉で軽量の構成とし得る。ハウジング上部１５及びハウジング下部１６は、好ましくはプラスチック、特に繊維強化プラスチックで製造される。
【００２０】
図４によると最も良く分かるとおり、支持要素１７の環状支持フレーム１８は中空部品として構成され、その結果としてハウジング１１の、従って電気エネルギー貯蔵装置１０の重量をさらに低減することができる。
【００２１】
支持要素１７の中空支持フレーム１８であって、繊維強化プラスチックで製造される支持フレーム１８にハウジング上部１５及びハウジング下部１６を締結するため、ハウジング上部１５及びハウジング下部１６は、いずれの場合も、中空支持フレーム１８の端部セクション２１を断面で取り囲み、いずれの場合も１つの溝２２が支持フレーム１８のそれぞれの端部セクション２１に設けられ、この溝２２が、いずれの場合も１つの密封要素２３を受け入れる働きをする。前記密封要素２３は、図４では変形していない状態で示される。それぞれの密封要素２３は支持フレーム１８をそれぞれの溝２２の領域で囲んで延在し、その結果、いずれの場合もこの種の１つの密封要素２３を用いて、第一にハウジング上部１５を支持フレーム１８に対して密封できるようになり、第二にハウジング下部１６を支持フレーム１８に対して密封できるようになる。
【００２２】
好ましくは中空部品として構成される上記の支持フレーム１８に加え、支持要素１７は、支持要素１７の環状支持フレーム１８の間に延在する少なくとも１つの支持プレート２４を含む。この又は各支持プレート２４は、好ましくは金属材料、例えば高強度アルミニウム合金で製造され、支持フレーム１８は、前記支持フレーム１８のセクション２５を用いて、セクション２５がこの又は各支持プレート２４の上側及び下側に接して置かれることで、この又は各支持プレート２４に接着結合される。結果として、繊維強化プラスチックで作製される支持フレーム１８と金属材料で作製されるその又は各支持プレート２４との間に単純な連結がもたらされる。
【００２３】
モジュールアセンブリ１３及び１４の貯蔵モジュール１２は、この又は各支持プレート２４に、又は代替例として、支持フレーム１８に連結される。モジュールアセンブリ１３及び１４の各貯蔵モジュール１２は好ましくは、個別に、それぞれ１つの個別の支持プレート２４に連結され、すなわち上側モジュールアセンブリ１３の貯蔵モジュール１２がそれぞれの支持プレート２４に載置され、一方で下側モジュールアセンブリ１４の貯蔵モジュール１２がそれぞれの支持プレート２４から懸架されるようにして連結される。代替例として、モジュールアセンブリ１３及び１４の各貯蔵モジュール１２は、個別に支持フレーム１８に連結され、すなわち上側モジュールアセンブリ１３の貯蔵モジュール１２が支持フレーム１８に載置され、一方で下側モジュールアセンブリ１４の貯蔵モジュール１２が支持フレーム１８から懸架されるようにして連結される。
【００２４】
本発明の有利な発展形態によれば、この又は各支持プレート２４は、さらに、モジュールアセンブリ１３及び１４の貯蔵モジュール１２の温度を制御する、すなわちそれらを冷却及び／又は加熱する働きをする。このときこの又は各支持プレート２４は、同時に温度制御プレート又は温度制御要素としても構成される。そのため、このときこの又は各支持プレート２４は中空構成であり、温度制御媒体がそれぞれの支持プレート２４の少なくとも１つの空洞を通じて流れ、それにより、それぞれの支持プレート２４に締結される貯蔵モジュール１２又はそれぞれの支持プレート２４に隣接する貯蔵モジュール１２が加熱及び／又は冷却される。
【符号の説明】
【００２５】
１１ ハウジング
１２ 貯蔵モジュール
１３ 第１のモジュールアセンブリ
１４ 第２のモジュールアセンブリ
１５ ハウジング上部
１６ ハウジング下部
１７ 支持要素
１８ 環状支持フレーム
２３ 密封要素
２４ 支持プレート
【特許請求の範囲】
【請求項１】
ハウジング（１１）を有し、且つ前記ハウジングに収容される貯蔵モジュール（１２）を有する、自動車の電気エネルギー貯蔵装置、特にハイブリッド車両又は電気車両の高電圧エネルギー貯蔵装置であって、前記ハウジング（１１）が、環状支持フレーム（１８）を備えた支持要素（１７）を有し、前記環状支持フレーム（１８）は繊維強化プラスチックで作製され、且つ前記環状支持フレーム（１８）を用いて前記電気エネルギー貯蔵装置を自動車の本体構造に連結できることを特徴とする、電気エネルギー貯蔵装置。
【請求項２】
前記支持要素（１７）の前記環状支持フレーム（１８）が中空部品として構成されることを特徴とする、請求項１に記載の電気エネルギー貯蔵装置。
【請求項３】
前記支持要素（１７）が、金属で作製され、且つ前記環状支持フレーム（１８）の間に延在する少なくとも１つの支持プレート（２４）を有し、繊維強化プラスチックで作製される前記支持フレーム（１８）が、金属で作製される前記又は各支持プレート（２４）に接着結合されることを特徴とする、請求項１又は２に記載の電気エネルギー貯蔵装置。
【請求項４】
前記又は各支持プレート（２４）がアルミニウム又はアルミニウム合金で製造されることを特徴とする、請求項３に記載の電気エネルギー貯蔵装置。
【請求項５】
前記貯蔵モジュール（１２）が、前記又は各支持プレート（２４）によってその制御された温度を有することができ、すなわち冷却及び／又は加熱されることができることを特徴とする、請求項３又は４に記載の電気エネルギー貯蔵装置。
【請求項６】
前記又は各支持プレート（２４）が空洞を有し、そこを通じて温度制御媒体が流れることを特徴とする、請求項５に記載の電気エネルギー貯蔵装置。
【請求項７】
前記ハウジング（１１）が、前記支持フレーム（１８）に解除可能に連結されるハウジング上部（１５）及びハウジング下部（１６）を有することを特徴とする、請求項１〜６のいずれか一項に記載の電気エネルギー貯蔵装置。
【請求項８】
それぞれ１つの密封要素（２３）が、前記ハウジング上部（１５）と前記支持フレーム（１８）との間、及び前記ハウジング下部（１６）と前記支持フレーム（１８）との間に位置決めされることを特徴とする、請求項７に記載の電気エネルギー貯蔵装置。
【請求項９】
前記ハウジング上部（１５）及び前記ハウジング下部（１６）が、いずれも、非耐荷重カバー型部品として構成されることを特徴とする、請求項７又は８に記載の電気エネルギー貯蔵装置。
【請求項１０】
貯蔵モジュール（１２）が、２つのモジュールアセンブリ（１３、１４）、すなわち、前記支持要素（１７）に上側から締結され、且つそこに載置される第１のモジュールアセンブリ（１３）と、前記支持要素（１７）に下側から締結され、且つそこから懸架される第２のモジュールアセンブリ（１４）とを形成することを特徴とする、請求項１〜９のいずれか一項に記載の電気エネルギー貯蔵装置。
【請求項１】
ハウジング（１１）を有し、且つ前記ハウジングに収容される貯蔵モジュール（１２）を有する、自動車の電気エネルギー貯蔵装置、特にハイブリッド車両又は電気車両の高電圧エネルギー貯蔵装置であって、前記ハウジング（１１）が、環状支持フレーム（１８）を備えた支持要素（１７）を有し、前記環状支持フレーム（１８）は繊維強化プラスチックで作製され、且つ前記環状支持フレーム（１８）を用いて前記電気エネルギー貯蔵装置を自動車の本体構造に連結できることを特徴とする、電気エネルギー貯蔵装置。
【請求項２】
前記支持要素（１７）の前記環状支持フレーム（１８）が中空部品として構成されることを特徴とする、請求項１に記載の電気エネルギー貯蔵装置。
【請求項３】
前記支持要素（１７）が、金属で作製され、且つ前記環状支持フレーム（１８）の間に延在する少なくとも１つの支持プレート（２４）を有し、繊維強化プラスチックで作製される前記支持フレーム（１８）が、金属で作製される前記又は各支持プレート（２４）に接着結合されることを特徴とする、請求項１又は２に記載の電気エネルギー貯蔵装置。
【請求項４】
前記又は各支持プレート（２４）がアルミニウム又はアルミニウム合金で製造されることを特徴とする、請求項３に記載の電気エネルギー貯蔵装置。
【請求項５】
前記貯蔵モジュール（１２）が、前記又は各支持プレート（２４）によってその制御された温度を有することができ、すなわち冷却及び／又は加熱されることができることを特徴とする、請求項３又は４に記載の電気エネルギー貯蔵装置。
【請求項６】
前記又は各支持プレート（２４）が空洞を有し、そこを通じて温度制御媒体が流れることを特徴とする、請求項５に記載の電気エネルギー貯蔵装置。
【請求項７】
前記ハウジング（１１）が、前記支持フレーム（１８）に解除可能に連結されるハウジング上部（１５）及びハウジング下部（１６）を有することを特徴とする、請求項１〜６のいずれか一項に記載の電気エネルギー貯蔵装置。
【請求項８】
それぞれ１つの密封要素（２３）が、前記ハウジング上部（１５）と前記支持フレーム（１８）との間、及び前記ハウジング下部（１６）と前記支持フレーム（１８）との間に位置決めされることを特徴とする、請求項７に記載の電気エネルギー貯蔵装置。
【請求項９】
前記ハウジング上部（１５）及び前記ハウジング下部（１６）が、いずれも、非耐荷重カバー型部品として構成されることを特徴とする、請求項７又は８に記載の電気エネルギー貯蔵装置。
【請求項１０】
貯蔵モジュール（１２）が、２つのモジュールアセンブリ（１３、１４）、すなわち、前記支持要素（１７）に上側から締結され、且つそこに載置される第１のモジュールアセンブリ（１３）と、前記支持要素（１７）に下側から締結され、且つそこから懸架される第２のモジュールアセンブリ（１４）とを形成することを特徴とする、請求項１〜９のいずれか一項に記載の電気エネルギー貯蔵装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図２】
【図３】
【図４】
【公開番号】特開２０１２−１６９２７６（Ｐ２０１２−１６９２７６Ａ）
【公開日】平成２４年９月６日（２０１２．９．６）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１２−２７１７９（Ｐ２０１２−２７１７９）
【出願日】平成２４年２月１０日（２０１２．２．１０）
【出願人】（５１０２３８０９６）ドクター エンジニール ハー ツェー エフ ポルシェ アクチエンゲゼルシャフト (63)
【氏名又は名称原語表記】Ｄｒ． Ｉｎｇ． ｈ．ｃ． Ｆ． Ｐｏｒｓｃｈｅ Ａｋｔｉｅｎｇｅｓｅｌｌｓｃｈａｆｔ
【住所又は居所原語表記】Ｐｏｒｓｃｈｅｐｌａｔｚ １， Ｄ−７０４３５ Ｓｔｕｔｔｇａｒｔ， Ｇｅｒｍａｎｙ
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年９月６日（２０１２．９．６）
【国際特許分類】
【出願日】平成２４年２月１０日（２０１２．２．１０）
【出願人】（５１０２３８０９６）ドクター エンジニール ハー ツェー エフ ポルシェ アクチエンゲゼルシャフト (63)
【氏名又は名称原語表記】Ｄｒ． Ｉｎｇ． ｈ．ｃ． Ｆ． Ｐｏｒｓｃｈｅ Ａｋｔｉｅｎｇｅｓｅｌｌｓｃｈａｆｔ
【住所又は居所原語表記】Ｐｏｒｓｃｈｅｐｌａｔｚ １， Ｄ−７０４３５ Ｓｔｕｔｔｇａｒｔ， Ｇｅｒｍａｎｙ
【Ｆターム（参考）】
[ Back to top ]