説明

自動車用ガラスラン

【課題】ガラスランの製造が容易で、ドアフレームに取付けが容易で、ドアフレームから外れ難い、ガラスランを提供する。
【解決手段】ガラスラン10は、直線部11とコーナー部12を有する。直線部は、車外側シールリップ21及び車内側シールリップ31又はそのそれぞれの付根部22、32がオレフィン系熱可塑性エラストマーで形成されるとともに、車外側側壁20及び車内側側壁30が底壁40と連続する少なくとも一方の連結部26、36がオレフィン系熱可塑性エラストマーで形成される。連結部を除く、車外側側壁と、車内側側壁と、底壁は、ポリプロピレン樹脂で形成される。コーナー部は、全体がオレフィン系熱可塑性エラストマーで形成される。直線部は、上辺部では、自動車の前後方向に湾曲して取付けられ、縦辺部では、上下方向にドアフレームに沿って湾曲して取付けられた自動車用ガラスランである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車ドアのドアフレームの内周に取付け、ドアガラスの昇降を案内する、直線部と、コーナー部を有するガラスランに関するものである。
【背景技術】
【0002】
図5に示すように、自動車のドア1のドアフレーム2の内周にドアガラス5の昇降を案内するガラスラン110が取付けられている。その従来のガラスラン110の全体を図4に示し、従来のガラスラン110がドアフレーム2の直線部に取付けた状態の断面図を図6と図7に示す。
【0003】
従来、ガラスラン110は、図5に示すように、ドアフレーム2のチャンネル内に取付けられて、ドアガラス5の昇降を案内するとともにドアガラス5とドアフレーム2との間をシールしている。さらに、ガラスラン110は、図4に示すように、押出成形により成形された直線部111からなるドアフレーム2の上辺部と、同じく押出成形されたフロント側縦辺部及びリヤ側縦辺部を、型成形によってドアフレーム2のコーナー部2bの形状に合わせて形成されたコーナー部112で接続している。
【0004】
なお、ドア1と車体との間のシールは、ドアパネルおよびドアフレーム2の外周に取付けられたドアウエザストリップ(図示せず)および/または車体の開口部のフランジに取付けられたオープニングトリムウエザストリップ(図示せず)によりなされている。
【0005】
ガラスラン110の本体の直線部111は、図6に示すように、車外側側壁120と、車内側側壁130と、底壁140からなる断面略コ字状をなしている。車外側側壁120の先端付近から車外側シールリップ121が本体の断面略コ字状の内側に向けて延出するように設けられている。また、車内側側壁130にもその先端付近から車内側シールリップ131が断面略コ字状の内側に向けて延出するように設けられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
ドアガラス5は、このガラスラン110の本体の断面略コ字状の内側を摺動するとともに、車外側シールリップ121と車内側シールリップ131によってドアガラス5の端部の両側面がシールされて保持されている。
このとき、図6に示すように、ドアガラス5の昇降時の摺動抵抗を減らすために、車外側シールリップ121と車内側シールリップ131の表面にそれぞれ低摺動部材122、132を形成するものがある。
【0007】
さらに、ドアガラス5の昇降や振動により、車外側シールリップ121と車内側シールリップ131のシール力が低下しないように、車内側シールリップ131の肉厚を大きくしたり、車内側シールリップ131の裏面にスポンジ弾性補助部材133を形成したりするものがある。しかし、このようなガラスラン110は、シールリップの肉厚が増加したり、低摺動部材122、132のための手間とコストが増加したりしていた。
【0008】
このため、図7に示すように、ドアガラス5の昇降時の摺動抵抗を減らして、ドアガラス5のスムースな昇降と異音の発生を防止するため、摺動部材を廃止して車外側シールリップ221と車内側シールリップ231を硬質材料で形成し、車外側側壁220と、車内側側壁230と、底壁240を軟質材料で形成するガラスラン210がある(例えば、特許文献2参照。)。
【0009】
しかし、このように摺動部材を廃止しても、ガラスラン210の本体は、軟質材料であるソリッドゴム又は熱可塑性エラストマーであるため、本体の肉厚を減少させることはできなく、重量やコストを削減することも困難であった。
そこで、ガラスラン210の本体を合成樹脂で形成することも考えられるが、ガラスラン210の本体を合成樹脂で形成すると、ガラスラン210全体の剛性が増加する。
【0010】
一方、ドアフレーム2は車体の形状に沿って、上辺部では前後方向の先端側が下方に下がり、中央部分が上方に位置するような上側に凸に湾曲し、縦辺部では車体の側面に沿って上下方向の先端が車内側に曲がり、中央部分が車外側に位置するような車外側に凸に湾曲している。この3次元的に湾曲したドアフレーム2に、合成樹脂で形成した剛性の高いガラスラン210を取付けることは難しく、ドアフレーム2から外れ易かった。
【特許文献1】特開2001−219745号公報
【特許文献2】実開平5−93940号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで、本発明は、ガラスランの製造が容易で、ドアフレームに取付けが容易で、ドアフレームから外れ難い、ガラスランを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために請求項1の本発明は、自動車ドアのドアフレームの内周に取付け、ドアフレームの上辺部と縦辺部に取付けられる直線部と、ドアフレームのコーナー部に取付けられるコーナー部を有し、ドアガラスの昇降を案内する自動車用ガラスランにおいて、
ガラスランの直線部の本体は、車外側側壁と、車内側側壁と、底壁とからなる断面略コ字形をなし、車外側側壁と車内側側壁には、それぞれ本体の断面略コ字状の本体内側に向かって延出する車外側シールリップと車内側シールリップを設け、車外側シールリップと車内側シールリップによりドアガラスの端部の車外側面及び車内側面をシールし、
車外側側壁及び車内側側壁とそれぞれ連続する車外側シールリップ及び車内側シールリップのそれぞれの付根部がオレフィン系熱可塑性エラストマーで形成されるとともに、車外側側壁及び車内側側壁が底壁と連続するそれぞれの連結部がオレフィン系熱可塑性エラストマーで形成され、
連結部を除く、車外側側壁と、車内側側壁と、底壁は、ポリプロピレン樹脂で形成され、
ガラスランのコーナー部は、全体がオレフィン系熱可塑性エラストマーで形成されたことを特徴とする自動車用ガラスランである。
【0013】
請求項1の本発明では、ガラスランの直線部の本体は、車外側側壁と、車内側側壁と、底壁とからなる断面略コ字形をなし、車外側側壁と車内側側壁には、それぞれ本体の断面略コ字状の本体内側に向かって延出する車外側シールリップと車内側シールリップを設け、車外側シールリップと車内側シールリップによりドアガラスの端部の車外側面及び車内側面をシールしている。このため、車外側シールリップと車内側シールリップとで、ドアガラスを保持するとともに、ドアフレームとドアガラスの間をシールすることができる。
【0014】
車外側側壁及び車内側側壁とそれぞれ連続する車外側シールリップ及び車内側シールリップのそれぞれの付根部がオレフィン系熱可塑性エラストマーで形成されている。このため、車外側シールリップ及び車内側シールリップをポリプロピレン樹脂で形成しても、ドアガラスが昇降するときに、車外側シールリップと車内側シールリップのそれぞれの付根部分が柔軟に撓んで、車外側シールリップと車内側シールリップがドアガラスに当接し、シール性を確保することができるとともに、異音の発生を防止できる。
【0015】
車外側側壁及び車内側側壁が底壁と連続するそれぞれの連結部がオレフィン系熱可塑性エラストマーで形成される。このため、ガラスランをドアフレームに装着するときに、車外側側壁と車内側側壁が内側方向に撓むことができ、装着が容易である。また、ガラスランを製造するときに、車外側側壁と車内側側壁をハ字形に開いて形成することができ、車外側シールリップと車内側シールリップが製造時に接触することがなく、製造が容易である。
【0016】
連結部を除く、車外側側壁と、車内側側壁と、底壁は、ポリプロピレン樹脂で形成されたため、車外側側壁と、車内側側壁及び底壁の肉厚を薄く形成しても、ガラスランの本体の強度を維持することができ、ドアガラスが昇降しても、ドアガラスを保持し、シール性を確保することができる。肉厚を薄く形成するため、ガラスランの重量を低減することができ、製造コストも大幅に低減することができる。
【0017】
ガラスランのコーナー部は、全体がオレフィン系熱可塑性エラストマーで形成されているため、ポリプロピレン樹脂でガラスランの本体が形成された直線部を有していても、ドアフレームのコーナー部に容易に装着できると共に、コーナー部を成形するときにガラスランの直線部とコーナー部を熱溶着で強固に接続できる。
【0018】
請求項2の本発明は、自動車ドアのドアフレームの内周に取付け、ドアフレームの上辺部と縦辺部に取付けられる直線部と、ドアフレームのコーナー部に取付けられるコーナー部を有し、ドアガラスの昇降を案内する自動車用ガラスランにおいて、
ガラスランの直線部の本体は、車外側側壁と、車内側側壁と、底壁とからなる断面略コ字形をなし、車外側側壁と車内側側壁には、それぞれ本体の断面略コ字状の本体内側に向かって延出する車外側シールリップと車内側シールリップを設け、車外側シールリップと車内側シールリップによりドアガラスの端部の車外側面及び車内側面をシールし、
車外側側壁及び車内側側壁とそれぞれ連続する車外側シールリップ及び車内側シールリップがオレフィン系熱可塑性エラストマーで形成され、
車外側側壁及び車内側側壁が底壁と連続するそれぞれの連結部がオレフィン系熱可塑性エラストマーで形成され、
連結部を除く、車外側側壁と、車内側側壁と、底壁は、ポリプロピレン樹脂で形成され、
ガラスランのコーナー部は、全体がオレフィン系熱可塑性エラストマーで形成され、
ガラスランの直線部は、ドアフレームの上辺部では、ガラスランが自動車の前後方向にドアフレームに沿って湾曲して取付けられ、ドアフレームの縦辺部では、ガラスランが自動車の側面に沿って上下方向にドアフレームに沿って湾曲して取付けられたことを特徴とする自動車用ガラスランである。
【0019】
請求項2の本発明では、車外側側壁及び車内側側壁とそれぞれ連続する車外側シールリップ及び車内側シールリップがオレフィン系熱可塑性エラストマーで形成されているため、車外側シールリップと車内側シールリップの柔軟性を向上させることができ、高速走行時のドアガラスの車外方向への吸出しや、振動においても、確実にシール性を確保できる。
【0020】
ガラスランの直線部は、ドアフレームの上辺部では、ガラスランが自動車の前後方向にドアフレームに沿って湾曲して取付けられ、ドアフレームの縦辺部では、ガラスランが自動車の側面に沿って上下方向にドアフレームに沿って湾曲して取付けられた。このため、ガラスランの直線部の本体をポリプロピレン樹脂で形成しても、ドアフレームの形状に沿って、ガラスランを取付けることができ、取付が容易であり、ドアフレームからガラスランが外れることがない。
【0021】
請求項3の本発明は、車外側シールリップ及び車内側シールリップの少なくとも一方の付根部がポリプロピレン樹脂で形成された自動車用ガラスランである。
【0022】
請求項3の本発明は、車外側シールリップ及び車内側シールリップの少なくとも一方の付根部がポリプロピレン樹脂で形成されたため、車外側シールリップ又は車内側シールリップの異常変形を防止して、シール製を確保することができる。
【0023】
請求項4の本発明は、ガラスランの直線部の本体の車外側側壁は、長手方向とは直角に間歇的に溝部を形成した自動車用ガラスランである。
【0024】
請求項4の本発明では、ガラスランの直線部の本体の車外側側壁は、長手方向とは直角に間歇的に溝部を形成したため、ガラスランの直線部の本体の柔軟性が向上し、ガラスランを取付けるときにガラスランが容易にドアフレームに沿って湾曲することができ、取付が容易であり、ドアフレームからガラスランが外れることがない。
【0025】
請求項5の本発明は、ガラスランの直線部の本体の車内側側壁は、長手方向とは直角に間歇的に溝部を形成した自動車用ガラスランである。
【0026】
請求項5の本発明では、ガラスランの直線部の本体の車内側側壁は、長手方向とは直角に間歇的に溝部を形成したため、ガラスランの直線部の本体の柔軟性が向上し、ガラスランを取付けるときにガラスランが容易にドアフレームに沿って湾曲することができ、取付が容易であり、ドアフレームからガラスランが外れることがない。車外側側壁と車内側側壁の両方に溝部を形成すれば、一層ガラスランの直線部の本体の柔軟性を向上させることができ、ドアフレームに沿って湾曲して取付けることができる。
【0027】
請求項6の本発明は、ガラスランの直線部の本体は、ドアフレームの形状に沿って予め熱付形により湾曲して形成された自動車用ガラスランである。
【0028】
請求項6の本発明では、ガラスランの直線部の本体は、ドアフレームの形状に沿って予め熱付形により湾曲して形成されたため、ガラスランの本体に応力がかかることがなく、ガラスランを容易に取付けることができ、ドアフレームからガラスランが外れることがない。
【0029】
請求項7の本発明は、オレフィン系熱可塑性エラストマーは、架橋タイプオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPV)である自動車用ガラスランである。
【0030】
請求項7の本発明では、オレフィン系熱可塑性エラストマーは、架橋タイプオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPV)であるため、柔軟性と弾性がより大きく、車外側シールリップと車内側シールリップが撓みやすくなり、ドアガラスの保持とシール性を向上させることができる。
【0031】
請求項8の本発明は、オレフィン系熱可塑性エラストマーは、IRHD硬度が60°〜90°であり、ポリプロピレン樹脂は、ショアD硬度が30°〜55°である自動車用ガラスランである。
【0032】
請求項8の本発明では、オレフィン系熱可塑性エラストマーは、IRHD硬度が60°〜90°であるため、柔軟性に富み、車外側シールリップ付根部と車内側シールリップ付根部において、車外側シールリップと車内側シールリップが撓みやすく、車外側側壁連結部と車内側側壁連結部において、車外側側壁と車内側側壁を確実に撓ませることができる。
60°未満であると剛性が小さすぎてシール性が低下し、90°を越えると剛性が大きすぎてガラス摺動性が低下する。
ドアフレームに沿ってポリプロピレン樹脂は、ショアD硬度が30°〜55°であるため、充分な強度を有して、車外側側壁と車内側側壁の強度を確保し、車外側シールリップと車内側シールリップを保持して、確実にドアガラスに当接させることができる。
30°よりも低いと剛性が不足で薄肉化による軽量化の効果が小さくなってしまい、55°よりも高いと剛性が大きすぎて湾曲加工性が低下する。
【0033】
請求項9の本発明は、車外側側壁及び車内側側壁は、それぞれ先端から本体の断面略コ字状の本体外側に向かって延出する車外側カバーリップと車内側カバーリップを設けた自動車用ガラスランである。
【0034】
請求項9の本発明では、車外側側壁及び車内側側壁は、それぞれ先端から、本体の断面略コ字状の本体外側に向かって延出する車外側カバーリップと車内側カバーリップを設けた。このため、ドアフレームやチャンネルの側端を車外側カバーリップと車内側カバーリップで覆うことができ、見栄えを良くするとともに、それぞれ車外側カバーリップと車外側側壁、及び車内側カバーリップと車内側側壁とで、ドアフレームやチャンネルを挟持することができる。
【発明の効果】
【0035】
連結部を除く、車外側側壁と、車内側側壁と、底壁は、ポリプロピレン樹脂で形成されたため、車外側側壁と、車内側側壁及び底壁の肉厚を薄く形成でき、ガラスランの本体の強度を維持し、シール性を確保することができ、ガラスランの重量を低減することができる。
ガラスランの直線部は、ドアフレームの上辺部では、ガラスランが自動車の前後方向にドアフレームに沿って湾曲して取付けられ、ドアフレームの縦辺部では、ガラスランが自動車の側面に沿って上下方向にドアフレームに沿って湾曲して取付けられたため、ドアフレームの形状に沿って、ガラスランを取付けることができ、取付が容易であり、ドアフレームからガラスランが外れることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明の実施の形態を、図1〜図5に基づき説明する。
図5は、自動車のフロントのドア1の正面図であり、図4は、ドア1のドアフレーム2に取付けるフロントドアのガラスラン10の正面図である。図5に示すように、ドア1の上部にはドアフレーム2が設けられ、ドアガラス5が昇降自在に取付けられる。すなわち、ドアフレーム2の内周には、ガラスラン10が取付けられ、ドアガラス5の昇降を案内するとともに、ドアガラス5とドアフレーム2との間をシールしている。
【0037】
ガラスラン10は、図4に示すように、全体として押出成形で形成された直線部11と、ドアフレーム2のコーナー部2bに取付けられ、上記の直線部11を接続し、型成形で形成されるコーナー部12からなる。
直線部11は、ドアフレーム2の上辺部に取付けられる部分と、ドアフレーム2のリヤ側縦辺部に取付けられる部分と、ドアフレーム2のフロント側縦辺部をなすディビジョンサッシュに取付けられる部分とからなる。直線部11は、後述するように、ドアフレーム2に取付けられるときに、ドアフレーム2に沿って湾曲して取付けられるか、又は、予めドアフレーム2の形状に合わせて湾曲するように形成される。
【0038】
これらの押出成形部分をドアフレーム2に対応した形状となるように、フロント側とリヤ側のそれぞれのコーナー部分において、型成形により成形して直線部11を接続してコーナー部12が形成されている。なお、ガラスラン10のコーナー部12は、ドアフレーム2のコーナー部2bの部分に装着される。
【0039】
以下に、フロント側のドア1の上辺部とリヤ側縦辺部に装着されるガラスラン10を例に取り説明する。
図1は、本発明の実施の形態であるガラスラン10のリヤ側の縦辺部の図5のA−A線に沿った断面図であり、図2は、本発明の実施の形態であるガラスラン10のリヤ側の上辺部の図5のB−B線に沿った断面図である。
まず、縦辺部の実施の形態について説明し、その後、上辺部の実施の形態について説明する。
【0040】
ドアフレーム2の縦辺部に取付けられるガラスラン10の直線部11の断面形状は、図1に示すように、本体が車外側側壁20と、車内側側壁30と、底壁40とから断面略コ字状に形成されている。後述のように、車内側側壁30が車外側側壁20よりも大きく形成され、断面略コ字形は、車内側が大きな非対称形に形成されている。
ガラスラン10の本体は、ドアフレーム2の上辺部に取付けられる部分も縦辺部に取付けられる部分も基本的には、ほぼ同様な断面略コ字形の断面形状を有しているが、上辺部に取り付けるものは、後述する。
【0041】
ガラスラン10の車外側側壁20は、断面略板状に形成される。
車外側側壁20の先端付近から車外側シールリップ21が、上記本体の断面略コ字状の内側に向けて延設されている。また、車外側カバーリップ23が車外側側壁20の先端から車外方向に延設されている。車外側カバーリップ23は、ガラスラン10が装着されるチャンネル3の車外側側壁とアウターパネル2cの先端が接合されたフランジ部分をカバーしている。チャンネル3は、断面略コ字状の部分を形成し、その内にガラスラン10を保持している。
【0042】
上述のように、車外側側壁20の内側には、車外側シールリップ21がガラスラン10の本体の内側に向けて斜めに延設されている。
ドアガラス5が昇降して、ドアガラス5の側端がガラスラン10の本体の縦辺部の内部を摺動したときに、ドアガラス5の側端の車内側と車外側の両面に、この車外側シールリップ21と、後述する車内側シールリップ31が弾力的に当接して、ドアガラス5の側端とドアフレーム2の間をシールする。
【0043】
上記車外側側壁20と車外側シールリップ21は、ポリプロピレン樹脂で形成する。
車外側側壁20と車外側シールリップ21は、ポリプロピレン樹脂で形成されたため、その肉厚を薄く形成しても、ガラスラン10の本体の強度を維持することができ、ドアガラス5が昇降しても、ドアガラス5を保持し、シール性を確保することができる。さらに、車外側側壁20と車外側シールリップ21の肉厚を薄く形成するため、ガラスラン10の全体の重量を低減することができ、製造コストも大幅に低減することができる。
従来、車外側側壁20をソリッドゴム又は熱可塑性エラストマーで形成すると、肉厚が3mm程度必要であったが、ポリプロピレン樹脂で形成するとその肉厚は、2mm程度にすることができる。
【0044】
ポリプロピレン樹脂は、強度が大きく、経時変化も少ないため、長期間劣化せず、ガラスラン10のシール性を保持できる。後述するように、車外側シールリップ付根部22にオレフィン系熱可塑性エラストマーを使用するため、ポリプロピレン樹脂とオレフィン系熱可塑性エラストマーの接着性も良く、リサイクル利用も容易である。
【0045】
ポリプロピレン樹脂としては、ショアD硬度が40°のものが適用されている。このため、車外側側壁20と車外側シールリップ21の充分な強度を有して、車外側側壁20の強度を確保し、車外側シールリップ21を保持して、確実にドアガラス5に当接させることができる。車外側シールリップ21もドアガラス5が当接し、摺動しても、変形することなく、シール性を確保することができる。なお、ショアD硬度が30°よりも低いと剛性が不足で、による軽量化の効果が小さくなってしまい、ショアD硬度が55°よりも高いと剛性が大きすぎて湾曲加工性が低下する。
【0046】
車外側シールリップ21のドアガラス5と当接する表面、即ちガラスラン10の本体の開口側の面に、長手方向に連続する車外側シールリップ突条部25を形成してもよい。車外側シールリップ突条部25は、低摺動材層で形成、またはシリコン樹脂を塗布して形成することができる。この場合は、車外側シールリップ21が硬質樹脂で形成されていても、さらに、ドアガラス5が昇降して、ガラスラン10を摺動するときにドアガラス5と、ガラスラン10との摩擦が少なくなり、摺動抵抗を減少させることができ、異音の発生を防止し、スムースな昇降を確保することができる。
【0047】
車外側側壁20と連続する車外側シールリップ21の付根部分である車外側シールリップ付根部22は、オレフィン系熱可塑性エラストマーで形成されている。このため、車外側シールリップ21を硬質合成樹脂で形成しても、ドアガラス5が昇降するときに、ドアガラス5の位置が移動しても、車外側シールリップ21の車外側シールリップ付根部22が柔軟に撓んで、車外側シールリップ21がドアガラス5に当接し、シール性を確保することができるとともに、異音の発生を防止できる。
【0048】
オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、IRHD硬度が70°である材料が適用されている。このため、充分な柔軟性を有し、車外側シールリップ21を確実に撓ませることができる。なお、IRHD硬度が60°未満であると剛性が小さすぎてシール性が低下し、IRHD硬度が90°を越えると剛性が大きすぎてガラス摺動性が低下する。
このオレフィン系熱可塑性エラストマーは、架橋タイプオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPV)を使用することが好ましい。この場合は、柔軟性と弾性がより大きく、車外側シールリップが撓みやすくなり、ドアガラスの保持とシール性を向上させることができる。
【0049】
車外側側壁20が底壁40と連続する部分である車外側側壁連結部26もオレフィン系熱可塑性エラストマーで形成される。このため、ガラスラン10をドアフレーム2に装着するときに、車外側側壁20がチャンネル3の内部にはめ込まれるように、内側方向に撓むことができ、装着が容易である。また、ガラスラン10を製造するときに、車外側側壁20と車内側側壁30をハ字形に開いて形成することができ、車外側シールリップ21と車内側シールリップ31の先端同士が製造時に接触することがなく、車外側シールリップ21と車内側シールリップ31の表面処理も容易であり、製造が容易である。
【0050】
ガラスラン10の直線部11の車外側側壁20の外面には、図3に示すように、長手方向とは直角に間歇的に溝部27が形成されている。溝部27は、間歇的に並んで多数形成することが好ましい。
溝部27を形成すると、車外側側壁20の肉厚がその部分で減少し、ガラスラン10の直線部11の本体をポリプロピレンで形成しても、その柔軟性が向上し、ガラスラン10をドアフレーム2に取付けるときにガラスラン10がドアフレーム2の形状に沿って、容易に湾曲することができ、取付が容易であり、ドアフレーム2からガラスラン10が外れることがない。
【0051】
即ち、ガラスラン10の直線部11は、ドアフレーム2の上辺部では、ガラスラン10が自動車の前後方向にドアフレーム2に沿って前後方向の先端側が下方に下がり、中央部分が上方に位置するような上側に凸に湾曲して取付けられ、ドアフレーム2の縦辺部では、ガラスラン10が自動車側面の上下方向にドアフレーム2に沿って上下方向の先端が車内側に曲がり、中央部分が車外側に位置するように車外側に凸に湾曲して取付けられている。このため、ドアフレーム2の形状に沿って、ガラスラン10を取付けることができ、取付が容易であり、ドアフレーム2からガラスラン10が外れることがない。
【0052】
ガラスラン10の直線部11の本体をドアフレーム2の形状に沿って予め熱付形により湾曲して形成することができる。この場合には、ガラスラン10の本体に応力がかかることがなく、ガラスラン10を容易に取付けることができ、ドアフレーム2からガラスラン10が外れることがない。
【0053】
車外側側壁20の内側面には、長手方向に連続する車外側側壁突条部24が形成されている。このため、ドアガラス5が昇降時にドアガラス5の湾曲や、走行時の負圧により車外側に移動したり、撓んで、強く車外側シールリップ21に押付けられたりしても、ドアガラス5が、車外側側壁20に密着することなく、車外側側壁20のシール性を確保し、異音の発生を防止できる。
【0054】
底壁40は、図1に示すように、裏面が凹んだ底壁裏面凹部42を有しても、略板状に形成しても良い。底壁裏面凹部42を形成すると、さらにガラスラン10を軽量化することができる。
底壁40のガラスラン10の本体の断面略コ字形の内面には、底壁溝部41が形成されている。底壁溝部41の代わりに、底壁低摺動部材層を形成しても良い。この場合は、ドアガラス5の側端との摺動抵抗を減少させることができる。
【0055】
底壁40の底面に、ドアフレーム又はチャンネルに当接する底壁シールリップ44を形成することができる。底壁シールリップ44を形成すると、ドアガラス5と、ドアフレーム2又はチャンネル3との間のシール性を確保できる。
また、底壁40の底面から横方向に底壁保持リップ43を形成することもできる。この場合は、シール性を確保できるとともに、ガラスラン10をドアフレーム2又はチャンネル3内に保持することができる。
【0056】
ガラスラン10の車内側側壁30は、車外側側壁20と同様に、断面略板状に形成される。車内側側壁30は、車外側側壁20よりも大きく形成されている。車内側側壁30は、車外側側壁20よりも大きく形成されたため、ガラスラン10をチャンネル3内に確実に保持し、ドアガラス5を確実に保持できるとともに、ドアガラス5を車外方向に位置させることができ、ドアガラス5とドアフレーム2との間の段差を小さくすることができ、風切り音を小さくして、見栄えを良くすることができる。
【0057】
ガラスラン10の直線部11の車内側側壁30は、車外側側壁20と同様に、長手方向とは直角に間歇的に溝部を形成してもよい。溝部は、間歇的に並んで多数形成することが好ましい。
溝部を形成すると、車内側側壁30の肉厚がその部分で減少し、車外側側壁20の溝部27と合わせて、ガラスラン10の直線部11の本体の柔軟性がより一層向上し、ガラスラン10をドアフレーム2に取付けるときにガラスラン10がドアフレーム2の形状に沿って、容易に湾曲することができ、取付が容易であり、ドアフレーム2からガラスラン10が外れることがない。
【0058】
車外側側壁20と同様に、車内側側壁30の先端付近から車内側シールリップ31が、上記本体の断面略コ字状の内側に向けて延設されている。また、車内側カバーリップ33が車内側側壁30の先端から車外方向に延設されている。車内側カバーリップ33は、ガラスラン10が装着されるチャンネル3の車内側側壁とドアインナーパネル2dの先端が接合されたフランジ部分をカバーしている。
【0059】
車外側シールリップ21と同様に、車内側側壁30の内側には、車内側シールリップ31がガラスラン10の本体の内側に向けて斜めに延設され、ドアガラス5の先端とドアフレーム2の間をシールする。
車内側シールリップ31のドアガラス5と当接する表面に、低摺動部材である車内側シールリップ表皮層35を形成してもよい。車内側シールリップ表皮層35の代わりに、突条部を形成することができる。
【0060】
上記車内側側壁30と車内側シールリップ31は、車外側側壁20と車外側シールリップ21と同様に、ポリプロピレン樹脂で形成する。このため、その肉厚を2mm程度にすることができ、その肉厚を薄く形成しても、ガラスラン10の本体の強度を維持することができ、ドアガラス5が昇降しても、ドアガラス5を保持し、シール性を確保することができる。さらに、ガラスラン10の全体の重量を低減することができ、製造コストも大幅に低減することができる。
【0061】
車内側側壁30と連続する車内側シールリップ31の付根部分である車内側シールリップ付根部32は、車外側シールリップ付根部22と同様に、オレフィン系熱可塑性エラストマーで形成されている。このため、車内側シールリップ31をポリプロピレン樹脂で形成しても、ドアガラス5が昇降するときに、車内側シールリップ31の車内側シールリップ付根部32が柔軟に撓んで、車内側シールリップ31がドアガラス5に当接し、シール性を確保することができとともに、異音の発生を防止できる。
オレフィン系熱可塑性エラストマーは、車外側側壁連結部26と同じ材料を使用する。
【0062】
車内側側壁30が底壁40と連続する部分である車内側側壁連結部36もオレフィン系熱可塑性エラストマーで形成される。このため、ガラスラン10をドアフレーム2に装着するときに、車内側側壁30がチャンネル3の内部にはめ込まれるように、内側方向に撓むことができ、装着が容易である。また、ガラスラン10を製造するときに、車外側側壁20と車内側側壁30をハ字形に開いて形成することができ、車内側シールリップ31と車内側シールリップ31の先端同士が製造時に接触することがなく、車内側シールリップ31の表面処理も容易であり、製造が容易である。
【0063】
車内側側壁30の内側面には、車内側側壁補助リップ34が車内側シールリップ31の裏面に当接するように、斜め上方に形成されている。このため、ドアガラス5が昇降して、ガラスラン10を摺動するときに、車内側シールリップ31を押し上げて、ドアガラス5が車外方向に位置するようにすることができる。これにより、ドアガラス5の振動を防止するとともに、ドアガラス5とドアフレーム2の段差を小さくして、異音や風切音の防止をすることができる。
【0064】
さらに、車内側側壁30の外面に、車内側側壁保持リップ37と車内側側壁突条部38を形成することができる。この場合、ガラスラン10をチャンネル3に装着したときに、車内側側壁30をチャンネル3内に挿入しやすくするとともに、車内側側壁30を保持して、チャンネル3と車内側側壁30との間のシール性を確保することができる。
【0065】
次に、図2に基づき本発明の上辺部の実施の形態について説明する。図2は、本発明の上辺部の実施の形態であるガラスラン10のリヤ側の上辺部における図5のB−B線に沿った断面図である。
この実施の形態は、車外側シールリップ21と車内側シールリップ31の形状が主に異なり、他の部分はリップ等を除き同じである。このため、異なる部分について説明し、同じ部分の説明を省略する。
【0066】
上辺部の実施の形態では、車外側シールリップ21と車外側シールリップ付根部22は一体的に、全てオレフィン系熱可塑性エラストマーで形成され、車内側シールリップ31は、車内側シールリップ付根部32を除き全てオレフィン系熱可塑性エラストマーで形成される。このため、車外側シールリップ21と車内側シールリップ31の柔軟性を向上させることができ、ドアガラス5が上昇して、ガラスラン10の本体内に進入しても、柔軟に受け入れて、ドアガラス5との追従性がよく、高速走行時のドアガラス5の車外方向への吸出しや、振動においても、確実にシール性を確保できる。
車内側シールリップ付根部32は、車内側側壁30と同じポリプロピレン樹脂で形成すると、車外側シールリップ21と比べて形状の大きな車内側シールリップ31の形状を保持して、ドアガラス5に当接させることができ、シール性を確保できる。また、車内側シールリップ31の大部分はオレフィン系熱可塑性エラストマーで形成されるため、柔軟性を確保することができる。
この場合においても、車外側シールリップ21と車内側シールリップ31の表面に低摺動部材層を設けることが好ましい。
【0067】
また、底壁40も肉厚が薄く形成されている。ドアフレーム2にはチャンネル3がなく、ガラスラン10の車外側側壁20と車外側カバーリップ23でアウターパネル2cの先端を保持し、車内側側壁30と車内側カバーリップ33でインナーパネル2dの先端を保持している。
【0068】
ガラスラン10の上辺部においても、直線部11の車外側側壁20の外面には、長手方向とは直角に間歇的に溝部27が形成されている。溝部27は、間歇的に並んで多数形成することが好ましい。また同様に、車内側側壁30の外面においても同様に溝部を形成することが好ましい。
【0069】
溝部27を形成すると、車外側側壁20及び車内側側壁30の肉厚がその部分で減少し、ガラスラン10の直線部11の本体の柔軟性が向上し、ガラスラン10をドアフレーム2に取付けるときにガラスラン10がドアフレーム2の形状に沿って、容易に湾曲することができ、取付が容易であり、ドアフレーム2からガラスラン10が外れることがない。
【0070】
車外側側壁20が底壁40と連続する部分である車外側側壁連結部26もオレフィン系熱可塑性エラストマーで形成される。このため、ガラスラン10をドアフレーム2に装着するときに、車外側側壁20がチャンネル3の内部にはめ込まれるように、内側方向に撓むことができ、装着が容易である。
【0071】
また、車内側側壁30が底壁40と連続する部分である車内側側壁連結部36もオレフィン系熱可塑性エラストマーで形成される。このため、ガラスラン10をドアフレーム2に装着するときに、車内側側壁30がチャンネル3の内部にはめ込まれるように、内側方向に撓むことができ、装着が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の実施の形態であるガラスランを縦辺部に装着した状態の断面図であり、図5におけるA−Aに沿った断面図である。
【図2】本発明の実施の形態であるガラスランを上辺部に装着した状態の断面図であり、図5におけるB−Bに沿った断面図である。
【図3】本発明の実施の形態であるガラスランを縦辺部に装着した状態の斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態であるガラスランの正面図である。
【図5】自動車ドアの正面図である。
【図6】従来のガラスランを上辺部に装着した状態の断面図である。
【図7】従来の他のガラスランを上辺部に装着した状態の斜視図である。
【符号の説明】
【0073】
2 ドアフレーム
10 ガラスラン
20 車外側側壁
21 車外側シールリップ
22 車外側シールリップ付根部
26 車外側側壁連結部
27 溝部
30 車内側側壁
31 車内側シールリップ
32 車内側シールリップ付根部
36 車内側側壁連結部
40 底壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車ドアのドアフレームの内周に取付け、上記ドアフレームの上辺部と縦辺部に取付けられる直線部と、上記ドアフレームのコーナー部に取付けられるコーナー部を有し、ドアガラスの昇降を案内する自動車用ガラスランにおいて、
上記ガラスランの上記直線部の本体は、車外側側壁と、車内側側壁と、底壁とからなる断面略コ字形をなし、上記車外側側壁と車内側側壁には、それぞれ上記本体の断面略コ字状の本体内側に向かって延出する車外側シールリップと車内側シールリップを設け、該車外側シールリップと車内側シールリップにより上記ドアガラスの端部の車外側面及び車内側面をシールし、
上記車外側側壁及び車内側側壁とそれぞれ連続する上記車外側シールリップ及び車内側シールリップのそれぞれの付根部がオレフィン系熱可塑性エラストマーで形成されるとともに、上記車外側側壁及び車内側側壁が上記底壁と連続するそれぞれの連結部がオレフィン系熱可塑性エラストマーで形成され、
上記連結部を除く、上記車外側側壁と、車内側側壁と、底壁は、ポリプロピレン樹脂で形成され、
上記ガラスランの上記コーナー部は、全体がオレフィン系熱可塑性エラストマーで形成されたことを特徴とする自動車用ガラスラン。
【請求項2】
自動車ドアのドアフレームの内周に取付け、上記ドアフレームの上辺部と縦辺部に取付けられる直線部と、上記ドアフレームのコーナー部に取付けられるコーナー部を有し、ドアガラスの昇降を案内する自動車用ガラスランにおいて、
上記ガラスランの上記直線部の本体は、車外側側壁と、車内側側壁と、底壁とからなる断面略コ字形をなし、上記車外側側壁と車内側側壁には、それぞれ上記本体の断面略コ字状の本体内側に向かって延出する車外側シールリップと車内側シールリップを設け、該車外側シールリップと車内側シールリップにより上記ドアガラスの端部の車外側面及び車内側面をシールし、
上記車外側側壁及び車内側側壁とそれぞれ連続する上記車外側シールリップ及び車内側シールリップがオレフィン系熱可塑性エラストマーで形成され、
上記車外側側壁及び車内側側壁が上記底壁と連続するそれぞれの連結部がオレフィン系熱可塑性エラストマーで形成され、
上記連結部を除く、上記車外側側壁と、車内側側壁と、底壁は、ポリプロピレン樹脂で形成され、
上記ガラスランの上記コーナー部は、全体がオレフィン系熱可塑性エラストマーで形成され、
上記ガラスランの直線部は、上記ドアフレームの上辺部では、上記ガラスランが自動車の前後方向に上記ドアフレームに沿って湾曲して取付けられ、上記ドアフレームの縦辺部では、上記ガラスランが自動車の側面に沿って上下方向に上記ドアフレームに沿って湾曲して取付けられたことを特徴とする自動車用ガラスラン。
【請求項3】
上記車外側シールリップ及び車内側シールリップの少なくとも一方の付根部がポリプロピレン樹脂で形成された請求項2に記載の自動車用ガラスラン。
【請求項4】
上記ガラスランの直線部の本体の上記車外側側壁は、長手方向とは直角に間歇的に溝部を形成した請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の自動車用ガラスラン。
【請求項5】
上記ガラスランの直線部の本体の上記車内側側壁は、長手方向とは直角に間歇的に溝部を形成した請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の自動車用ガラスラン。
【請求項6】
上記ガラスランの直線部の本体は、上記ドアフレームの形状に沿って予め熱付形により湾曲して形成された請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の自動車用ガラスラン。
【請求項7】
上記オレフィン系熱可塑性エラストマーは、架橋タイプオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPV)である請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の自動車用ガラスラン。
【請求項8】
上記オレフィン系熱可塑性エラストマーは、IRHD硬度が60°〜90°であり、上記ポリプロピレン樹脂は、ショアD硬度が30°〜55°である請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の自動車用ガラスラン。
【請求項9】
上記車外側側壁及び車内側側壁は、それぞれ先端から上記本体の断面略コ字状の本体外側に向かって延出する車外側カバーリップと車内側カバーリップを設けた請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の自動車用ガラスラン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−52711(P2010−52711A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−316527(P2008−316527)
【出願日】平成20年12月12日(2008.12.12)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【Fターム(参考)】