説明

自動車用ナビゲーションシステムの作動方法およびナビゲーションシステム

【課題】付加的な情報を簡単にナビゲーションシステム内に記憶させ、運転手および/または車両内の他の乗員の必要に応じて呼び出しかつナビゲーションシステムを介して出力することができるようにする。
【解決手段】ナビゲーションにとって重要な付加情報が複数のユーザプログラムの形式でナビゲーションシステムにロードされて記憶されている。ユーザプログラムの複数の機能のうち一部はユーザの要求に合わせて設けられ、他の一部は標準的に設けられている。ユーザプログラムにはテキスト通知機能が設けられており、与えられたテキストとその時点での目的地アドレス、中間目的地アドレスおよび現在地アドレスまたはルートリストへのエントリとが完全にまたは部分的に一致する場合に、ユーザプログラムのテキスト通知機能が呼び出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両、例えば、自動車用ナビゲーションシステムの作動方法であって、測位システムによって車両の地理的位置用のデータを求めてデータバンクおよびデジタルロードマップへのアクセス部を有する電子データ処理用装置に伝送し、当該データを用いてデジタルロードマップ上の車両の位置を特定し、車両の運転手にビジュアルおよび/または音響的に目標地までの走行誘導指示情報を出力する方法およびナビゲーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両、例えば、自動車用のナビゲーションシステム、並びに、そのようなナビゲーションシステムの作動方法は公知である。これは、車両の実際の地理的な位置を特定し、予め設定可能な、到達すべき目的地点に依存して最も有利な走行ルートを算出して、運転手に走行ルートを指示するために使われる。
【0003】
公知のナビゲーションシステムは、車両の実際の位置を特定して、走行ルートを算出するのに必要な情報を必要とする。この情報には、殊に、道路の経過、曲がり状況等が属する。このデータは、データベースの形式で形成される。データベースは、このために例えば、可能なルートの経路点および/または判定基準点を含む所謂デジタルマップを有している。公知のように、データベースは、車両に固定の大容量記憶装置、例えば、CD−ROMに保持される。
【0004】
更に、車両の実際の地理的な位置を検出する必要がある。このために、例えば、通信衛星によりサポートされる全地球測位システムGPSが公知である。
【0005】
電子データ処理装置は、測位システムによって供給された位置データをデジタルロードマップ内に記憶されたデータと共に処理して、選択された目標地点を、今度は、電子データ処理用装置によって経路点および/または判定点を用いて、選択された最も有利な走行ルートで運転手にビジュアルおよび/または音響的に目的地までの走行誘導指示情報が示される。
【0006】
現在公知の車両用ナビゲーションシステムは、主として、種々異なった機能を有する個別コンポーネントから構成されている。運転手は、走行開始時に先ず当該運転手の希望目的地を入力装置を介してナビゲーションシステムに設定する。続いて、データベースを使用して、ルートリストをルート算出モジュールによって生成する。これは、車両測位と共に目的地誘導指示の際に使用されて、運転手に走行指示情報(グラフィックな指示情報または自然言語の形式で出力される)を生成するのに使われる。
【0007】
その際、各個別コンポーネントの相互作用が固定的に設定される。例えば、1回算出されたルートリストは、運転手がこれを所望するか、または、目的地誘導指示によって、予め算出されたルートを外れたことが検出された場合に限って変更される。
【0008】
出力のやり方も固定的に設定される。例えば、ユーザが通常のように利用される画像シンボルを、幾つかのシンボルによって代替するか、乃至、付加的な情報を補完することができる。
【0009】
更に、付加的な機能をシステム内に導入するのは難しい。例えば、データ坦体、例えば、通常のようにCD上のドライブガイドがある。これは、通常デジタルマップ用のデータ坦体の代わりに用いることができ、最小限必要なデータの他に、例えば、見どころ・名所についての付加的な情報を含ませてもよい。その際、この情報は、ナビゲーション装置を介して呼び出すことができる。何れにせよ、この情報の呼び出しは、ナビゲーション装置によって定義されたインタフェースを介して行われ、その結果、マン−マシン−インタフェース用の設計上の余裕スペースは僅かである。更に、通常のデジタルマップがドライブガイドによって代替されているので、ナビゲーションにとって重要なデータ全てを含むようにする必要がある。そのために、その種のドライブガイドのメーカは制作が難しく、極めて僅かしか提供者がいない。例えば、幾つかの市街地しか目標のために有していないローカルなドライブガイドは、実際上実用しえない。
【0010】
別の欠点は、地理的な照合の領域内にある。例えば、ドライブ目的地、例えば、パーキングビルのように、ナビゲーション装置上でプレイすることができる電子的な形式での「走行経路の説明」を利用することができる。従って、このマップ内にないか、または、あまり正確には含まれていない目的地に到達することができる。そのようにして、番地情報を利用できないような、道路にある目的地に達することができ、または、検出されない建物への乗り入れ場所に達することができる(パーキングビル入口、ホテル受け付け等)。目下のところ、データの伝送に基づいて地理的に照合するためのアプローチがあるが、しかし、様々な提供者のマップフォーマットが種々異なっているので、実施が難しい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、本発明が基礎とする課題は、付加的な情報を簡単にナビゲーションシステム内に記憶することができ、運転手および/または車両内の他の乗員の必要に応じて呼び出すことができ、ナビゲーションシステムを介して出力することができる、冒頭に説明した形式の、車両用のナビゲーションシステムの作動方法並びにナビゲーションシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この課題は、ナビゲーションにとって重要な付加情報を、作動システム内部でプラットフォームおよび該作動システムから独立して実行可能な複数のユーザプログラムの形式でナビゲーションシステムにロードして記憶し、ここで、該ユーザプログラムの複数の機能のうち一部はユーザの要求に合わせて設けられており、他の一部は標準的に設けられており、前記ユーザプログラムによって所定の機能が実行され、運転手および/または車両内の他の乗員からの呼び出しに応じて前記ナビゲーションシステムを介して前記付加情報を出力し、前記ユーザプログラムでは複数の基準に対してそれぞれ異なる通知機能が定義されており、そのなかにテキスト通知機能が設けられており、与えられたテキストとその時点での目的地アドレス、中間目的地アドレスおよび現在地アドレスまたはルートリストへのエントリとが完全にまたは部分的に一致する場合に、前記ユーザプログラムのテキスト通知を呼び出すことにより解決される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】従来技術のナビゲーションシステムの原理図である。
【図2】本発明のナビゲーションシステムの原理図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ユーザプログラム、所謂ナブレットは、出力ユニットにアクセスするので、マンマシンインタフェースをナビゲーションシステム内で有利に変更するための前提条件が整えられる。例えば、ドライブ目的地を新しい形式で入力することができるユーザプログラムを利用することができる。ユーザによる目的地の確認後、この目的地がナビゲーションに伝送されてユーザプログラムが終了される。
【0015】
本発明の別の利点は、ユーザプログラムを(ナビゲーション可能な)マップ情報と常時接続する必要はないという点にある。例えば、ホテルチェーンが、ドイツ国内の、このチェーンのホテル全てにアクセスすることができるユーザプログラムを利用することができる。このリストは、位置、カテゴリおよび部屋数の包括的な情報だけしか含まないのではなく、外観およびビデオクリップにより、ホテルを選択し易くすることができる。運転手がホテルを判断するが、しかし、その際、このホテルの住所だけがナビゲーションに転送されて、ユーザプログラムは終了する。
【0016】
ユーザプログラムはプログラムであるので、有利には、ユーザプログラムによるナビゲーション経過を制御することができる。例えば、ユーザプログラムは市街地用のツーリストガイドを含むことができる。ユーザプログラムがスタートされると、制御すべき位置をナビゲーションに引き渡して、続いて、ナビゲーションが、ユーザをリードする。この下で、ユーザプログラムは、最初の目的地のための情報をスクリーンまたはオーディオチャネルに出力することができる。この最初の目的地に達すると、ユーザプログラムは直ぐ次の目的地をナビゲーションに引き渡す。この過程は、最終的な走行目的地に達するまで、任意に続けることができる。
【0017】
本発明の別の利点は、ユーザプログラムが相応のナビゲーション装置の内部マップフォーマットを識別する必要がない点に基づくものである。所定のインタフェースを介してデータ、殊にアドレス(例えば、位置−道路−番地)または座標(例えば、WGS84の形式で)がナビゲーション装置と交換される場合には完全に十分である。ユーザプログラムはプログラムであるので、有利には、ナビゲーション装置のタイプが問い合わされ、そうすることによって、各ナビゲーション装置の装置および/またはデータ特有の利点を有効利用することができる。
【0018】
別の利点は、対象の地理的な照合をユーザプログラムを用いることによって簡単にすることができる点にある。地理的な照合をデータを用いて記述することができるような、対話形式の種々異なったコンセプトが現在ある。そのような、目的地の地理的な照合をナビゲーションシステムにロードすると、こうすることによって、目的地自体がマップベースで含まれていない場合でも、所属のルートを算出することができる。更に、本発明によると、広範な手段が得られる。例えば、ユーザプログラムによりアクティブに目的地に誘導指示することができる。その際、一方では、ナビゲーションシステムの手段を利用することができ、他方では、ユーザプログラムがその走行指示を発話形式のテキスト、画像およびビデオの形式で含むことができる。従って、基本的に、各々の顧客の要求に合わせて、個別に目的地に誘導指示することができる。
【0019】
更に、有利に、ユーザプログラムは位置特有の通報用の機構を有している。車両が所定点の近傍に位置しているか、または、所定領域(州、郡、市、区域、等)内に位置している場合、または、アドレス(現時点の位置、現時点の目的地)が所定のアドレスと一致している場合、ユーザプログラムの特定の機能がナビゲーションシステムによって呼び出される。例えば、ナビゲーションシステムを介してホテルを入力した場合、相応のユーザプログラムが自動的にスタートしてアシスタント機能を発揮する。他のシナリオは、車両がファーストフードチェーンのレストランに近付くと、小さなアイコン(距離指示付)が自動的にスクリーン上に現れるようにすることができる。別のシナリオでは、第3の提供者が、連邦共和国の全領域の(実際の)推薦迂回路を含むユーザプログラムを提供することができる。車両が相応の位置に近付くと直ぐに、ユーザプログラムが自動的にスタートし、各々の推薦路を出力する。
【0020】
要するに、本発明の決定的な利点は、ナビゲーションにとって重要な情報は全て、ユーザプログラムの形式でナビゲーション装置にロードされる点にある。その際、ユーザプログラムは、所謂ユーザプログラムとしてインタネットブラウザと接続して使用されるプラットフォームに依存しないアプレットと同様な機能を有している。その限りで、情報がデータの形式でだけナビゲーション装置にロードされるナビゲーションシステムの現在の発展段階との主要な差異がある。
【0021】
本発明の有利な実施例では、ユーザプログラムによってナビゲーションシステムのインタフェースを介してナビゲーション部の機能が利用される。
【0022】
本発明の別の有利な実施例では、ユーザプログラムによって、殊に、
−目的地および中間目的地の、目的地アドレスまたは目的地座標による問い合わせおよびセット、
−現在位置の、テキストまたは座標としての問い合わせ、
−実際のルートリストの問い合わせ、
−直ぐ次の(部分)目的地までの評価された走行時間の問い合わせ、
−パラメータ、例えば、時間周期的な呼び出し乃至幾何学的な通知用の判定基準のセット用の機能、
−ナビゲーション部のタイプ、ファームウェアの修正状態、データベース(マップ)のタイプおよび修正状態の問い合わせ、
等のナビゲーション部の機能が利用される。
【0023】
更に、本発明の有利な実施例では、各ユーザプログラムによって特定される機能が実行され、それにより、各機能の一部分がユーザの各々の要求に適合され、各機能の他の部分が標準的に設定される。
【0024】
本発明の課題は、更に、本発明のナビゲーションシステムによって解決される。ナビゲーションシステムは、2つの主要ユニットから構成されており、一方の主要ユニットは、ナビゲーション装置の各コンポーネントを有するナビゲーション部であり、ナビゲーション装置は自己完結的に(self-sufficient)機能し、他方の主要ユニットは、ユーザプログラムを実行するための装置部であり、該装置部は、インタフェースを介してナビゲーション部と接続されているようにすることによって、有利には、簡単に、付加的な情報をナビゲーションシステム内に記憶することができ、運転手および/または車両内の他の乗員の要求時に呼び出して、ナビゲーションシステムを介して出力することができるようにナビゲーションシステムを構成することができる。
【0025】
本発明の別の有利な実施例は、従属請求項に記載の要件から分かる。
【実施例】
【0026】
以下、本発明について図示の実施例を用いて詳細に説明する。
【0027】
図1は、現在一般に公知であって、通常、自動車で使用される自動車用のナビゲーションシステムの略図である。ナビゲーションシステムは、相互に機能的に結合された複数の個別コンポーネントから構成されている。
【0028】
ナビゲーションシステムは、実質的にコンポーネント、データバンク14、ルートリスト16、ルート算出モジュール18、測位システム20および目的地誘導指示ユニット22を含む。
【0029】
ナビゲーションシステムは、更に入力ユニット24を有しており、この入力ユニット24で、運転者は走行開始前に走行目的地を入力し、並びに、出力ユニットとしてビジュアル出力ユニット26、例えば、ディスプレイ等、および、音響出力ユニット28、例えば、スピーカ等を有している。
【0030】
図2には、本発明のナビゲーションシステムが略示されている。ナビゲーションシステムは、各々車両に設けられている。ナビゲーションシステムは、2つの主ユニット10,12からなり、各主ユニット10,12は、2つのインタフェース34,36を介して接続されている。一方の主ユニットは、従来技術のナビゲーション装置の各コンポーネントを有するナビゲーション部10であり、その際、ナビゲーション装置は、自己完結的に機能する。他の主ユニットは、ユーザプログラムの実施用の装置部12である。
【0031】
本発明のナビゲーションシステムのナビゲーション部10の原理的な基本構成は、図1に示されたナビゲーションシステムで一般に公知の構造形式に相応している。ナビゲーション部10は、それに相応して主として、データバンク14、ルートリスト16、ルート算出モジュール18、測位システム20および目的地誘導指示ユニット22を有している。更に、ナビゲーション部10には、各々1つの、ナビゲーションシステムの操作用の入力ユニット24およびビジュアル指示および情報の出力用のビジュアル出力ユニット26および音響指示および情報の出力用の音響出力ユニット28が属している。
【0032】
本発明の有利な実施例では、ナビゲーションシステムの装置部12が主としてユーザメモリ38およびビジュアル機器32から構成されている。ユーザメモリ38には、有利には、ユーザプログラム30が種々異なった個数で記憶可能である。ナビゲーションシステムの装置部12は、各々2つのインタフェース34,36を介してナビゲーション部10と接続されている。
【0033】
作動システム乃至ファームウェアアップデートとは異なって、ユーザプログラム30は、有利には、ナビゲーションの本来の作動システムではなく、作動システム乃至バーチャル機器32内で実行されるアプリケーションであり、ナビゲーションシステムのハイレベル機能にアクセスする。従って、本発明の利点は、広範な人がユーザプログラム30をプログラミングして利用することができる点にある。本発明によると、車両内のナビゲーションシステム用のユーザプログラム30を用いて、インタネット内のアプレットと同様の利点を達成することができる。
【0034】
本発明の別の有利な実施例によると、既存のインタフェース34,36に対して付加的に、データ伝送用の別のインタフェース(図示していない)を設けることができ、例えば、ユーザプログラム30によって作動可能で利用可能な赤外線または無線を用いることができる。
【0035】
ナビゲーションシステムでは、各々ユーザメモリ38が第1のインタフェース34を介してナビゲーション装置と接続されており、第2のインタフェース36を介して入力ユニット24およびビジュアルおよび音響出力ユニット26,28と接続される。
【0036】
特別な利点は、ユーザプログラム30がプラットフォームに依存しないプログラミング言語、有利には、プログラミング言語"JAVA"で記述されている。そうすることによって、ユーザプログラム30はフレキシブルにナビゲーションシステムで使用することができる。
【0037】
各ユーザプログラム30は、有利には、内部データおよび機能を利用するように構成されている。内部データおよび機能の他に、各ユーザプログラム30は、標準的な最小機能を利用する。この標準的な最小機能には、
−初期化機能、
−消去機能、
−スタート機能、
−時間周期的な呼び出し機能、
−テキスト通知、
−幾何学的通知、
−別の通知、
などの機能が属する。
【0038】
本発明の有利な実施例は、ユーザプログラム30が種々異なったやり方でユーザメモリ38にロード可能である。このために、種々の変形実施例を設けることができる。
【0039】
可能な1変形実施例は、ユーザプログラム30がメモリ媒体、有利には、RAM、フラッシュROM、ミニハードディスク、CD−ROM、または、DVDによってユーザメモリ38にロード可能である。
【0040】
他の変形実施例は、ユーザプログラム30がワイヤ接続またはワイヤレスで伝送され、例えば、赤外線または無線により、PC、ラップトップまたはPDAからユーザメモリ38にロード可能である。
【0041】
別の変形実施例では、ユーザプログラム30をサーバから放送、例えば、DAB、または、個別通信、例えば、GSMを介してユーザメモリ38にロード可能である。
【0042】
図2を用いて略示したナビゲーションシステムは、以下説明する本発明の方法によって駆動される。
【0043】
本発明の方法では、ナビゲーションにとって重要な付加的な情報が、ユーザプログラムの形式でナビゲーションシステムにロードされて、ユーザプログラム30として運転手および/または車両内の他の乗員によって利用可能である。
【0044】
その際、有利には、ユーザプログラム30によってナビゲーションシステムのインタフェース34,36を介して、ナビゲーション部10の機能が利用される。ナビゲーション部10の機能によって、ユーザプログラム30は、殊に、
−目的地および中間目的地の、目的地アドレスまたは目的地座標による問い合わせおよび設定、
−現在位置の、テキストまたは座標としての問い合わせ、
−実際のルートリスト16の問い合わせ、
−直ぐ次の(部分)目的地までの評価された走行時間の問い合わせ、
−パラメータ、例えば、時間周期的な呼び出し用の時間乃至幾何学的な通知用の判断基準の設定用の機能、
−ナビゲーション部10のタイプおよびファームウェアの修正状態、データベース(マップ)の修正状態の問い合わせ、
などの機能を利用する。
【0045】
各ユーザプログラム30は、有利には、所定の機能を実行する。ユーザプログラム30の機能の一部分は、ユーザの各々の要求、つまり、車両の運転手および場合によっては別の車両乗員の要求に合わせることができる。ユーザプログラム30の機能の他の部分は、標準的に設けられている。
【0046】
各ユーザプログラム30は、ユーザプログラム30が最初回にナビゲーションシステムにインストールされる際に呼び出される初期化機能を利用する。この機能は、有利には、ユーザにユーザプログラム30の機能の仕方について説明し、または、ユーザの好みについて問い合わせるのに使われる。
【0047】
各ユーザプログラム30は、更に、ユーザプログラム30が外された場合に呼び出される消去機能を利用する。
【0048】
別の機能として、各ユーザプログラム30にスタート機能を設けて、車両のスタート時またはナビゲーションのスタート時に1回呼び出される。
【0049】
更に、各ユーザプログラム30は、時間周期的な呼び出しの機能を利用し、規則的な時間間隔で呼び出されて、ユーザプログラム30が内部データをアクチュエートするのに使われる。
【0050】
付加的に、各ユーザプログラム30はテキスト通知を利用し、このテキスト通知は、所与のテキストが現時点での目的地アドレス、中間地アドレス、現時点の位置のアドレスまたはルートリスト16内のエントリと一致した場合に呼び出され、その際、種々異なる判定基準に対して種々異なる通知機能を定義することができる。
【0051】
更に、ユーザプログラム30は、幾何学的な通知を利用し、この通知は、予め定義された幾何学的な判定基準が充足された場合に呼び出される。幾何学的な判定基準は、例えば、所定地点までの距離または所定領域(州、圏、市、区域)内の位置にするとよい。
【0052】
更に、各ユーザプログラム30は、別の通知機能を利用し、例えば、トラフィックメッセージチャネル(TMC)通知または他のサービス、例えば、GSMの通知を利用する。
【0053】
ユーザプログラム30の販売は、有利には、通常の媒体、例えば、CD−ROMおよびDVD、または、インタネットを介して行われる。企業は、ユーザプログラム30をコストフリーでインタネットの当該企業のホームページ上で、この企業の顧客がドライブし易くし、および/または、車両のナビゲーションに広告を設けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0054】
14 データバンク、 16 ルートリスト、 18 ルート算出モジュール、 20 測位システム、 22 目的地誘導指示ユニット、 24 入力ユニット、 26 ビジュアル出力ユニット、 28 音響出力ユニット、 10,12 主ユニット、 30 ユーザプログラム、 32 作動システム、 34,36 インタフェース、 38 ユーザメモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測位システム(20)によって車両の地理的位置のデータを求めてデータバンク(14)およびデジタルロードマップへのアクセス部を有する電子データ処理装置へ伝送し、該データに基づいて前記デジタルロードマップ上で当該の車両の現在位置を特定し、当該の車両の運転手にビジュアル的および/または音響的に目的地までの走行誘導指示情報を出力する、
車両のナビゲーションシステムの作動方法において、
ナビゲーションにとって重要な付加情報を、作動システム内部でプラットフォームおよび該作動システムから独立して実行可能な複数のユーザプログラム(30)の形式でナビゲーションシステムにロードして記憶し、ここで、該ユーザプログラムの複数の機能のうち一部はユーザの要求に合わせて設けられており、他の一部は標準的に設けられており、前記ユーザプログラムによって所定の機能が実行され、
運転手および/または車両内の他の乗員からの呼び出しに応じて前記ナビゲーションシステムを介して前記付加情報を出力し、
前記ユーザプログラムでは複数の基準に対してそれぞれ異なる通知機能が定義されており、そのなかにテキスト通知機能が設けられており、与えられたテキストとその時点での目的地アドレス、中間目的地アドレスおよび現在地アドレスまたはルートリスト(16)へのエントリとが完全にまたは部分的に一致する場合に、前記ユーザプログラムのテキスト通知機能を呼び出す
ことを特徴とする車両のナビゲーションシステムの作動方法。
【請求項2】
前記ユーザプログラムは前記ナビゲーションシステムのインタフェース(34,36)を介してナビゲーション部(10)の複数の機能を利用する、請求項1記載の車両のナビゲーションシステムの作動方法。
【請求項3】
前記ユーザプログラムは、前記ナビゲーション部の複数の機能のうち、
−問い合わせ、ならびに、目的地アドレスまたは目的地座標による目的地および中間目的地の設定、
−テキストまたは座標としての現在位置の問い合わせ、
−実際のルートリストの問い合わせ、
−次の目的地までの推定走行時間の問い合わせ、
−パラメータの設定、特に時間周期的な呼び出しのための時間ないし幾何学的な通知のための基準の設定、
−ナビゲーション部およびファームウェアの修正状態、データベース(カード)等のタイプおよび修正状態の問い合わせ
を利用する、請求項2記載の車両のナビゲーションシステムの作動方法。
【請求項4】
各ユーザプログラムは、該ユーザプログラムが最初に前記ナビゲーションシステムにインストールされる際に呼び出される初期化機能を有する、請求項3記載の車両のナビゲーションシステムの作動方法。
【請求項5】
各ユーザプログラムは、該ユーザプログラムが切り離された場合に呼び出される消去機能を有する、請求項3記載の車両のナビゲーションシステムの作動方法。
【請求項6】
各ユーザプログラムは、車両のスタート時またはナビゲーションのスタート時に1回呼び出されるスタート機能を有する、請求項3記載の車両のナビゲーションシステムの作動方法。
【請求項7】
各ユーザプログラムは、規則的な時間間隔での呼び出しにより該ユーザプログラムが内部データをアクチュエートする時間周期的な呼び出し機能を有する、請求項3記載の車両のナビゲーションシステムの作動方法。
【請求項8】
各ユーザプログラムは、予め定義された幾何学的な判定基準、特に所定地点までの距離または所定領域内の位置などの基準が満足される場合に呼び出される幾何学的通知機能を有する、請求項3記載の車両のナビゲーションシステムの作動方法。
【請求項9】
各ユーザプログラムは、トラフィックメッセージチャネル(TMC)通報、または、他のサービス、例えばGSMの通報の入力などの別の通報機能を有する、請求項3記載の車両のナビゲーションシステムの作動方法。
【請求項10】
測位システム(20)と、データバンク(14)およびデジタルロードマップへのアクセス部を有する電子データ処理装置と、ビジュアル的および/または音響的に目的地までの走行誘導指示を行うための入力ユニット(24)および出力ユニット(26,28)とを有する、
車両のナビゲーションシステムにおいて、
当該のナビゲーションシステムは2つの主ユニット(10,12)から形成されており、第1の主ユニットは自立的に動作するナビゲーションコンポーネントを備えたナビゲーション部(10)であり、第2の主ユニットは複数のユーザプログラム(30)を実行するための装置部(12)であり、該装置部(12)はインタフェース(34,36)を介して前記ナビゲーション部(10)に接続されており、
前記ユーザプログラムは、作動システム内部でプラットフォームおよび該作動システムから独立して実行可能に構成されており、ここで、該ユーザプログラムの複数の機能のうち一部はユーザの要求に合わせて設けられており、他の一部は標準的に設けられており、該ユーザプログラムによって所定の機能が実行され、
前記ユーザプログラムでは複数の基準に対してそれぞれ異なる通知機能が定義されており、そのなかにテキスト通知機能が設けられており、
与えられたテキストとその時点での目的地アドレス、中間目的地アドレスおよび現在地アドレスまたはルートリスト(16)へのエントリとが完全にまたは部分的に一致する場合に、前記ユーザプログラムのテキスト通知機能が呼び出される
ことを特徴とする車両のナビゲーションシステム。
【請求項11】
前記ナビゲーションシステムのナビゲーション部(10)は、主としてデータバンク(14)、ルートリスト(16)、ルート算出モジュール(18)、測位システム(20)、目的地までの走行誘導ユニット(22)、ナビゲーションシステムの操作用の入力ユニット(24)、および、各々、音響指示および音響情報を出力する音響出力ユニット(28)およびビジュアル指示およびビジュアル情報の出力用のビジュアル出力ユニット(26)から構成されている、請求項10記載のナビゲーションシステム。
【請求項12】
前記ナビゲーションシステムのナビゲーション部(10)は、主として、ユーザメモリ(38)およびビジュアル機器(32)から構成されている、請求項10または11記載のナビゲーションシステム。
【請求項13】
ユーザメモリ(38)内にユーザプログラム(30)が記憶されている、請求項10から12までのいずれか1記載のナビゲーションシステム。
【請求項14】
ナビゲーションシステムの装置部(12)は、有利には、2つのインターフェース(34,36)を介してナビゲーション部(10)と接続されている、請求項10から13までのいずれか1記載のナビゲーションシステム。
【請求項15】
前記ユーザメモリは第1のインタフェース(34)を介して前記ナビゲーション部に接続されており、前記ビジュアル機器(32)は第2のインタフェース(36)を介して入力ユニット(24)および出力ユニット(26,28)に接続されている、請求項14記載のナビゲーションシステム。
【請求項16】
既存のインタフェース(34,36)に対して付加的に、別のインタフェース、特に、赤外線または無線を用いたデータ伝送のための別のインタフェースが設けられており、該別のインタフェースは前記ユーザプログラムによって作動および利用される、請求項10から15までのいずれか1記載のナビゲーションシステム。
【請求項17】
前記ユーザプログラムはプラットフォームに依存しないプログラミング言語で記述されている、請求項10記載のナビゲーションシステム。
【請求項18】
前記ユーザプログラムはプログラミング言語"JAVA"で記述されている、請求項17記載のナビゲーションシステム。
【請求項19】
前記ユーザプログラムは内部データおよび内部機能を有する、請求項10から18までのいずれか1項記載のナビゲーションシステム。
【請求項20】
前記ユーザプログラムは、内部データおよび内部機能の他に、標準的な最小機能を有する、請求項19記載のナビゲーションシステム。
【請求項21】
前記ユーザプログラムの標準的な最小機能は、
−初期化機能、
−消去機能、
−開始機能、
−時間周期的な呼び出し機能、
−テキスト通知機能、
−幾何学的な通知機能、
−別の通知機能、
である、請求項20記載のナビゲーションシステム。
【請求項22】
前記ユーザプログラムは種々異なるやり方で前記ユーザメモリへロードされる、請求項10から21までのいずれか1記載のナビゲーションシステム。
【請求項23】
前記ユーザプログラムは、記憶媒体、有利には、RAM、フラッシュROM、ミニハードディスク、CD−ROMまたはDVDによって前記ユーザメモリへロードされる、請求項22記載のナビゲーションシステム。
【請求項24】
前記ユーザプログラムは、ワイヤ接続の伝送によって、または、ワイヤレス伝送、例えば、赤外線または無線の伝送によって、PC、ラップトップまたはPDAから前記ユーザメモリへロードされる、請求項22記載のナビゲーションシステム。
【請求項25】
前記ユーザプログラムは、サーバから、放送または個別通信を介して、例えばDABまたはGSMを介して、前記ユーザメモリへロードされる、請求項24記載のナビゲーションシステム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−91578(P2010−91578A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−275414(P2009−275414)
【出願日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【分割の表示】特願2003−508882(P2003−508882)の分割
【原出願日】平成14年3月28日(2002.3.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
2.JAVA
【出願人】(390023711)ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (2,908)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
【Fターム(参考)】