説明

自動車用ワイヤハーネス

【課題】クランプを取り付けたワイヤハーネスに他のワイヤハーネスを追加結束する際に、車体係止位置がクランプ位置と正確に一致できるようにする。
【解決手段】長方形状の主ハーネス搭載部10と、幅方向の側縁から突設する追加ハーネス搭載部12、13と、主ハーネス搭載部裏面から突設する車体係止用のクランプ11を一体成形している基板型クランプ2を設け、主ハーネス搭載部に幹線ハーネス3を搭載し、クランプを挟む位置で幹線ハーネスを主ハーネス搭載部にテープ巻き固定し、追加ハーネス5,6に幹線ハーネスのテープ巻き位置S1と対応する位置に位置決め用テープとして同色テープを予め巻き付けておき、追加ハーネスのテープ位置S2,S3を幹線ハーネスのテープ位置に合わせて追加ハーネス搭載部に追加ハーネスを搭載し固定する構成。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車用ワイヤハーネスに関し、詳しくは、ハーネスの所定位置に車体係止用のクランプを取り付けたワイヤハーネスに対して、自動車への組み付け工程等の別工程で他のハーネスを追加して取り付けるものである。
【背景技術】
【0002】
自動車用ワイヤハーネスは、ワイヤハーネス・メーカでハーネスにクランプ等の付属部品を取り付けて組み立て、このワイヤハーネスをカーメーカで自動車に配索して取り付けている。この自動車にワイヤハーネスを取り付ける工程で、前記ワイヤハーネスに別のハーネスを追加して結束し、前記ワイヤハーネスに取り付けているクランプを用いて追加のハーネスを車体に取り付ける場合がある。
【0003】
例えば、特開2005−135874号公報に記載の合体ワイヤハーネスでは、図8(A)〜(C)に示すように、基幹ワイヤハーネス100に追加ワイヤハーネス101、102を追加し、基幹ワイヤハーネス100に取り付けたバンドクランプからなる結束部品104で追加ワイヤハーネス101、102も結束できるようにしている。即ち、結束部品104のベース板104aに設けた部材104bで基幹ワイヤハーネス100を取り付け、該ベース板104aの別位置に設けたバンド部材104cで追加ワイヤハーネス101、102を締結し、合体ワイヤハーネス200としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−135874号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1では、基幹ワイヤハーネス100に取り付けられている結束部品104(バンドクランプ)に対する追加ワイヤハーネス101、102の結束位置の位置合わせについての配慮がなされていない。よって、例えば、追加ワイヤハーネス101、102の他の位置にクランプが取り付けられている場合、これらクランプを車体に係止した後に結束部品104のクランプ104dの位置と車体の係止穴との位置にズレが発生しやすくなる。
また、追加ワイヤハーネス101、102を取り付ける際に、これら追加ワイヤハーネスを支持する部分が無く、追加結束作業が容易に行えない。
【0006】
本発明は前記問題に鑑みてなされたもので、基幹ワイヤハーネスに対する追加ワイヤハーネスの位置合わせを簡単かつ確実にできるようにして、ワイヤハーネスに取り付けたクランプが車体側のクランプ取付用の係止穴と位置ずれを発生させないようにし、かつ、追加ワイヤハーネスの取付作業が容易にできるようにすることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明は、長方形状の主ハーネス搭載部と、該主ハーネス搭載部の長さ方向と直交する幅方向の側縁から突設する追加ハーネス搭載部と、前記主ハーネス搭載部の長さ方向の中央部の裏面から突設する車体係止用のクランプを一体成形している基板型クランプを設け、
前記主ハーネス搭載部の表面に幹線ハーネスを搭載し、前記クランプを挟む両側位置で前記幹線ハーネスを主ハーネス搭載部にテープ巻き固定し、
前記基板型クランプに搭載する追加ハーネスに、前記幹線ハーネスのテープ巻き位置と対応する位置に同色の位置決め用テープを予め巻き付けておき、該追加ハーネスの位置決め用テープを前記幹線ハーネスのテープ位置に合わせて前記追加ハーネス搭載部に追加ハーネスを搭載し、該追加ハーネスを前記幹線ハーネスおよび基板型クランプの基板にテープ巻き固定する構成としていることを特徴とする自動車用ワイヤハーネスを提供している。
【0008】
前記のように、本発明で用いる基板型クランプは、主ハーネス搭載部の長さ方向の中央部の一側縁から平板を突設して追加ハーネス搭載部としている。該追加ハーネス搭載部は主ハーネス搭載部の長さ方向の中央部に突設するクランプと対応する位置にある。よって、前記追加ハーネス搭載部の長さ方向の両側縁に沿った位置で、主ハーネス搭載部に搭載する幹線ハーネスにテープを巻き付けると、クランプを挟む位置がテープの巻付位置となる。該テープの巻付位置に前記追加ハーネスのテープ位置を合わせると、幹線ハーネスに追加ハーネスを正確に位置合わせして結束できる。よって、幹線ハーネスに取り付けている前記基板型クランプのクランプ位置が車体側の係止穴から位置ズレするのを防止できる。
【0009】
前記のように、追加ハーネスに位置決め用のテープを予め巻き付けておき、該位置決め用テープを幹線ハーネスのテープ巻き位置に位置合わせすることにより、追加ハーネスの車体係止位置を幹線ハーネスに取り付けた基板型クランプのクランプ位置と正確に一致させることができる。また、追加ハーネスを追加結束する時に基板型クランプに追加ハーネス搭載部を主ハーネス搭載部の側縁から突設しているため、追加ハーネスを追加ハーネス搭載部に搭載して基板型クランプの基板および幹線ハーネスとテープ巻きできる。よって、追加ハーネスのテープ巻き結束作業を安定姿勢で行うことができ、作業性向上を図ることができる。
【0010】
前記基板型クランプは前記主ハーネス搭載部の一側縁に1つの追加ハーネス搭載部を設けており、該追加ハーネス搭載部は、
前記主ハーネス搭載部の長さ方向の中央部の一側縁から1つの平板を突設して形成し、あるいは前記主ハーネス搭載部の長さ方向の中央部および該中央部と間隔をあけた両側の一側縁から突設する3つの平板から形成している。
【0011】
前記主ハーネス搭載部の一側縁にのみ追加ハーネス搭載部を設けた場合、主ハーネス搭載部の裏面中央にクランプを突設すると、クランプは幅方向の中心に位置せずに一方側に片寄るため、主ハーネス搭載部と追加ハーネス搭載部の中央部との間に設け、クランプは基板の長さ方向および幅方向の中央に位置させることが好ましい。
【0012】
前記基板型クランプは前記主ハーネス搭載部の両側縁から2つの追加ハーネス搭載部を設けており、前記主ハーネス搭載部の長さ方向の中央部の一側縁から突設する1つの平板を第1追加ハーネス搭載部とし、前記主ハーネス搭載部の他側縁の長さ方向の両側から突設する2つの平板を第2追加ハーネス搭載部としている。
この主ハーネス搭載部の両側縁からそれぞれ追加ハーネス搭載部を突設している場合には、主ハーネス搭載部の裏面中央にクランプを突設すると、クランプは長さ方向および幅方向の中央に位置することになる。
【0013】
前記主ハーネス搭載部に対する前記幹線ハーネスのテープ巻き位置および前記追加ハーネス搭載部に対する前記追加ハーネスのテープ巻き位置は、前記主ハーネス搭載部から幅方向に突出する追加ハーネス搭載部の側縁で規制する位置としている。
このように、ハーネスを基板型クランプの基板に巻き付ける位置を主ハーネス搭載部の側縁から突出する追加ハーネス搭載部の長さ方向の端縁で囲まれた位置とすると、テープ巻き位置を窪みに明確に規定でき、テープ巻き作業性を高めることができる。かつ、巻き付けたテープの離脱を防止することもできる。
【0014】
前記基板型クランプの主ハーネス搭載部および追加ハーネス搭載部には部分的にリブを突設し、搭載する幹線ハーネスおよび追加ハーネスが主ハーネス搭載部上および追加ハーネス搭載部上に位置決め保持されるようにしてもよい。また、巻き付けるテープの止め用のリブを設けてもよい。
【0015】
また、主ハーネス搭載部の側縁から突設する前記追加ハーネス搭載部は、突出端側を上向きに傾斜させ、前記幹線ハーネスに対して並列する前記追加ハーネスが側方で下方へ垂れ下がるのを防止する構成としてもよい。
【発明の効果】
【0016】
前記のように、本発明の基板型クランプを幹線ハーネスに取り付けたワイヤハーネスに、自動車組立工程等の別工程で追加ハーネスを加える場合、前記基板型クランプの基板に追加ハーネス搭載部を設けているため、該追加ハーネス搭載部に追加ハーネスを搭載して前記幹線ハーネスおよび基板型クランプの基板にテープ巻き固定でき、追加ハーネスを安定保持できる。かつ、追加ハーネスには幹線ハーネスのテープ巻き位置と対応する位置に予め位置決め用テープを巻き付けているため、位置決め用テープを幹線ハーネスのテープ巻き位置に位置合わせすることで、追加ハーネスを車体に係止する位置を正確に基板型クランプのクランプ位置に一致させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1実施形態で用いる基板型クランプを示し、(A)は斜視図、(B)は(A)の平面図、(C)は幹線ハーネスおよび追加ハーネスを基板型クランプに取り付けた状態を示す側面図である。
【図2】(A)は前記基板型クランプのクランプを示す断面図、(B)はクランプを車体に係止する状態を示す断面図である。
【図3】幹線ハーネスのテープ巻き位置と追加ハーネスの位置決め用テープ位置の関係を示す説明図である。
【図4】(A)(B)(C)は基板型クランプへの幹線ハーネスおよび追加ハーネスの取り付け工程を示す説明図である。
【図5】第2実施形態で用いる基板型クランプの斜視図である。
【図6】第2実施形態の幹線ハーネスと追加ハーネスの取り付け工程を示す斜視図である。
【図7】第3実施形態を示し、(A)は基板型クランプの斜視図、(B)は幹線ハーネスと追加ハーネスを取り付けた状態の概略側面図である。
【図8】(A)〜(C)は従来例を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図4に第1実施形態を示す。
第1実施形態では図1に示す基板型クランプ2を用い、ワイヤハーネス・メーカで図1(C)に示すように幹線ハーネス3に基板型クランプ2を取り付けている。自動車組立工程で追加ハーネス5、6をテープ巻きで基板型クランプ2に固定すると共に幹線ハーネス3と結束し、幹線ハーネス3、追加ハーネス5、6を基板型クランプ2の取付位置で結束したワイヤハーネス1としている。
【0019】
基板型クランプ2は樹脂成形品からなり、長方形状の主ハーネス搭載部10と、該主ハーネス搭載部10の長さ方向(L)の中央部の裏面に車体係止用のクランプ11を突設し、該中央部の幅方向の一側縁10aから第1追加ハーネス搭載部12を突設し、幅方向の他側縁10bの長さ方向の両側からそれぞれ第2追加ハーネス搭載部13を突設している。このように、基板型クランプ2の基板は主ハーネス搭載部10の両側に第1追加ハーネス搭載部12と第2追加ハーネス搭載部13を位置ずれさせて設けた形状としている。
【0020】
前記主ハーネス搭載部10に幹線ハーネス3を搭載し、第1追加ハーネス搭載部12の長さ方向の両端縁12a、12bと第2追加ハーネス搭載部13の各内側端縁13aと13bの間、即ち、図1(B)に示すように、12aと13a、12bと13bの間の斜線で示す2カ所を幹線ハーネス3のテープ巻き位置S1としている。言い換えると、巻き付ける粘着テープT1の幅よりテープ巻き位置S1の寸法を若干大きくして対応させている。
【0021】
前記第1追加ハーネス搭載部12に第1追加ハーネス5を搭載し、該第1追加ハーネス5の基板型クランプ2へのテープ巻き位置S2は主ハーネス搭載部10の長さ方向の両側の斜線で示す2カ所としている。即ち、第2追加ハーネス搭載部13は主ハーネス搭載部10の長さ方向の両端縁10c、10dから前記テープ巻き位置S2をあけて突設している。
【0022】
前記第2追加ハーネス搭載部13に第2追加ハーネス6を搭載し、該第2追加ハーネス6の基板型クランプ2へのテープ巻き位置S3はクロス斜線で示す第2追加ハーネス搭載部13の位置、該第2追加ハーネス搭載部13の先端位置を巻き付けるテープの折り返し位置としている。
【0023】
前記のように、幹線ハーネス3、第1、第2追加ハーネス5、6をそれぞれ支持する主ハーネス搭載部10、第1追加ハーネス搭載部12、第2追加ハーネス搭載部13を設け、かつ、搭載するハーネスに巻き付けるテープの巻き位置S2、S3を基板の凹凸のある側端縁に設定して位置決めしている。
【0024】
前記クランプ11は図2(A)に示すように、主ハーネス搭載部10の中央部に設け、図中下向きに突出する支持軸部11aと、該支持軸部11aの突出端より折り返し状に設ける一対の羽根部11bと、該羽根部の先端に段状に切り欠いた係止部11cを有する。該クランプ11は図2(B)に示すように、車体Bに設けた係止穴hに羽根部11bを挿入し、係止部11cを係止穴hの周縁に係止して車体Bに固定できる構成としている。
【0025】
基板型クランプ2へのハーネスの取り付けは、まず、図3および図4(A)に示すように、ワイヤハーネス・メーカにて幹線ハーネス3の所定位置に基板型クランプ2を配置し、その主ハーネス搭載部10に幹線ハーネス3を搭載し、テープ巻き位置S1に粘着テープT1を巻き付けて固着する。該テープ巻き位置S1はクランプ11を挟む両側位置である。粘着テープT1は例えば黒色としている。
【0026】
このように幹線ハーネス3に基板型クランプ2を取り付けたワイヤハーネスに、カー・メーカの自動車組立ラインにおいて、第1、第2追加ハーネス5、6を追加している。これら第1、第2追加ハーネス5、6も基板型クランプ2の取り付け位置で車体Bに固定するため、幹線ハーネス3と結束すると共に基板型クランプ2にも固定する必要がある。その際、第1追加ハーネス5および第2追加ハーネス6の車体Bへの固定位置と幹線ハーネス3に付設された基板型クランプ2のクランプ11の突設位置(車体Bへの固定位置)とを位置合わせする必要がある。よって、図3に示すように、第1追加ハーネス5と第2追加ハーネス6には車体への固定位置を挟んで前記幹線ハーネス3に巻き付けている一対の粘着テープT1と同色(黒色)の粘着テープT2、T3を位置決め用テープとして同一寸法をあけた巻付位置に予め巻き付けている。
【0027】
前記のように、第1、第2追加ハーネス5,6に幹線ハーネス3のテープT1と同色のテープT2、T3を同一間隔をあけて予め巻き付けていることにより、基板型クランプ2に予め固定している幹線ハーネス3に対して追加する第1、第2追加ハーネス5、6の位置合わせを容易としている。
【0028】
即ち、図4(B)に示すように、第1追加ハーネス5を第1追加ハーネス搭載部12に搭載する時に巻き付けているテープT2を幹線ハーネス3の同色のテープT1と位置合わせするだけで、第1追加ハーネス5の車体への固定位置をクランプ11の突設位置と正確に位置合わせできる。
このように、第1追加ハーネス5を幹線ハーネス3に位置合わせした状態とした後に、テープ巻き位置S2で固定用の粘着テープT4を幹線ハーネス3、第1追加ハーネス5および主ハーネス搭載部10の長さ方向両端の裏面側へと巻き付け、第1追加ハーネス5を幹線ハーネス3に結束すると共に基板型クランプ2に固定する。
【0029】
図4(C)に示す第2追加ハーネス6を追加固定する作業も同様であり、第2追加ハーネス6を第2追加ハーネス搭載部13に搭載する時に巻き付けているテープT3を幹線ハーネス3の同色のテープT1と位置合わせするだけで、第2追加ハーネス6の車体への固定位置をクランプ11の突設位置と正確に位置合わせできる。
このように、第2追加ハーネス6を幹線ハーネス3に位置合わせした状態とした後に、テープ巻き位置S3で固定用の粘着テープT5を幹線ハーネス3、第1追加ハーネス5、第2追加ハーネス6および第2追加ハーネス搭載部13の裏面側へと巻き付け、第2追加ハーネス6を幹線ハーネス3および第1追加ハーネス5に結束すると共に基板型クランプ2に固定する。
【0030】
前記のように、第1、第2追加ハーネス5、6に予め位置決め用のテープT2、T3を巻き付けているため、基板型クランプ2を取り付けた幹線ハーネス3とテープの色合わせおよび位置合わせをして追加結束すれば、車体固定位置を正確に位置合わせした状態で結束できる。
かつ、第1、第2追加ハーネス5、6を追加結束するとき、基板型クランプ2の基板に第1追加ハーネス搭載部12、第2追加ハーネス搭載部13を設けているため、これらの追加ハーネス搭載部に追加ハーネスを搭載した状態でテープ巻き作業ができる。よって、追加作業が容易となり、かつ、前記位置決めテープT2、T3を位置合わせした後に位置ずれ発生を防止できる。
【0031】
図5および図6に第2実施形態を示す。
第2実施形態は基板型クランプ20を取り付けた幹線ハーネス3に追加するハーネスは1本の第1追加ハーネス5のみとしている。
基板型クランプ20は長方形状の平板からなる主ハーネス搭載部10の一側縁10aに第1追加ハーネス搭載部21を突設している。該第1追加ハーネス搭載部21は前記一側縁の中央部から突設した中央搭載部21aと両側から突設した両側搭載部21b、21cからなる。該両側搭載部21bと21cは主ハーネス搭載部10の長さ方向両端縁10c、10dから第1追加ハーネス5のテープ巻き位置S4となる寸法分だけ長さ方向の外方へ突出している。
さらに、中央搭載部21aの長さ方向両端縁と両側搭載部21b、21cの内側縁との間に幹線ハーネス3のテープ巻き位置S1となる寸法をあけている。
【0032】
前記基板型クランプ20の裏面側には、主ハーネス搭載部10の中央部と第1追加ハーネス搭載部21の中央搭載部21aの間の位置にクランプ11を突設している。該位置にクランプ11を突設することで、基板の長さ方向および幅方向の中央部にクランプ11を位置させている。
【0033】
第1追加ハーネス5には第1実施形態と同様に予め幹線ハーネス3に巻き付けたテープT1と同色の位置決め用テープT2を同一寸法間隔をあけて巻き付けておく。
これにより、第1追加ハーネス5を第1追加ハーネス搭載部21に搭載し、幹線ハーネス3のテープT1と色合わせ及び位置合わせをして、テープ巻き位置S4にテープS7を巻き付けて、第1追加ハーネス5を幹線ハーネス3および基板型クランプ20に固定する。
これにより、第1追加ハーネス5の車体固定位置とクランプ11の突出位置を一致させることができる。
【0034】
図7(A)(B)に第3実施形態を示す。
第3実施形態は第2実施形態と同様に追加ハーネスは第1追加ハーネス5のみであり、該第3実施形態の基板型クランプ30は、第1実施形態の基板型クランプ2の主ハーネス搭載部10の一側縁10aから第1追加ハーネス搭載部12を突設しているだけで、他側縁から第2追加ハーネス搭載部を突設していない形状としている。
該第3実施形態の基板型クランプ30を幹線ハーネス3に取り付け、第1追加ハーネス5を追加結束する方法は第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0035】
本発明は前記第1〜第3実施形態に限定されず、3本以上の追加ハーネスを追加結束し、幹線ハーネスに取り付けた基板型クランプと同一位置で車体Bに固定する場合にも適用できる。その場合、例えば、第1実施形態の第1、第2追加ハーネス搭載部の外側縁から第3、第4追加ハーネス搭載部を突設し、追加ハーネスに前記実施形態と同様に幹線ハーネスのテープ巻き位置と対応する位置に同一色のテープを予め巻き付けておけばよい。
【0036】
また、基板型クランプにおいて、主ハーネス搭載部の側縁に突設する追加ハーネス搭載部は突出端に向けて上向きに傾斜させてもよい。このように、上向きに傾斜させると、搭載する追加ハーネスは側縁で下向き傾斜することがなく、幹線ハーネスと並列状態を保持することができる。
【符号の説明】
【0037】
1 ワイヤハーネス
2 基板型クランプ
3 幹線ハーネス
5、6 追加ハーネス
10 主ハーネス搭載部
11 クランプ
12 第1追加ハーネス搭載部
13 第2追加ハーネス搭載部
S1 幹線ハーネスのテープ巻き位置
S2、S3 追加ハーネスのテープ巻き位置
T1〜T7 粘着テープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長方形状の主ハーネス搭載部と、該主ハーネス搭載部の長さ方向と直交する幅方向の側縁から突設する追加ハーネス搭載部と、前記主ハーネス搭載部の長さ方向の中央部の裏面から突設する車体係止用のクランプを一体成形している基板型クランプを設け、
前記主ハーネス搭載部の表面に幹線ハーネスを搭載し、前記クランプを挟む両側位置で前記幹線ハーネスを主ハーネス搭載部にテープ巻き固定し、
前記基板型クランプに搭載する追加ハーネスに、前記幹線ハーネスのテープ巻き位置と対応する位置に同色の位置決め用テープを予め巻き付けておき、該追加ハーネスの位置決め用テープを前記幹線ハーネスのテープ位置に合わせて前記追加ハーネス搭載部に追加ハーネスを搭載し、該追加ハーネスを前記幹線ハーネスおよび基板型クランプの基板にテープ巻き固定する構成としていることを特徴とする自動車用ワイヤハーネス。
【請求項2】
前記基板型クランプは前記主ハーネス搭載部の一側縁に1つの追加ハーネス搭載部を設けており、該追加ハーネス搭載部は、
前記主ハーネス搭載部の長さ方向の中央部の一側縁から1つの平板を突設して形成し、あるいは前記主ハーネス搭載部の長さ方向の中央部および該中央部と間隔をあけた両側の一側縁から突設する3つの平板から形成している請求項1に記載の自動車用ワイヤハーネス。
【請求項3】
前記基板型クランプは前記主ハーネス搭載部の両側縁から2つの追加ハーネス搭載部を設けており、
前記主ハーネス搭載部の長さ方向の中央部の一側縁から突設する1つの平板を第1追加ハーネス搭載部とし、前記主ハーネス搭載部の他側縁の長さ方向の両側から突設する2つの平板を第2追加ハーネス搭載部としている請求項1に記載の自動車用ワイヤハーネス。
【請求項4】
前記主ハーネス搭載部に対する前記幹線ハーネスのテープ巻き位置および前記追加ハーネス搭載部に対する前記追加ハーネスのテープ巻き位置は、前記主ハーネス搭載部から幅方向に突出する追加ハーネス搭載部の側縁で規制する位置としている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の自動車用ワイヤハーネス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−106501(P2013−106501A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−251145(P2011−251145)
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】