説明

自走式機器およびそのプログラム

【課題】清掃後に機器本体のセンサのメンテナンスを自動的に行い、定期的なセンサのメンテナンスを不要とした自走式機器を提供することを目的とする。
【解決手段】機器本体100を移動させる移動手段102と、機器本体の走行をコントロールするコントロール手段101と、電力を供給する電池104と、機器本体の移動により走行する空間の清掃を行う清掃手段103と、清掃後にホームポジションへ移動した機器本体を自動的にメンテナンスする自動メンテナンス手段105を備えたものである。これによって、清掃後に機器本体100のセンサのメンテナンスをホームポジションにおいて自動的に行い、定期的なセンサのメンテナンスを不要としたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動的に屋内あるいは屋外を移動して清掃を行う自走式機器およびそのプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の自走式機器は、機器本体が自動的に移動しながら走行可能な領域を清掃するものである。しかし、自走式機器は、安全に動作させるために動作前に、段差や壁面などの障害物を検知するセンサ機能の動作確認が必要であった。また、光や超音波やレーザーなどを利用して計測を行うセンサ類は、長期利用するとセンサの窓にホコリなどの汚れが付着することによって、正常に動作しなくなる場合があり、定期的にセンサの窓を拭くなどのメンテナンスが必要であった。
【0003】
このような課題を解決するために、いくつかの提案がなされている。例えば、機器本体を停止させた後に吸引ノズルを床面から引き上げる動作の際に、吸引することによって吸引ノズルに付着したダストを取り除くようにしたものが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
【特許文献1】特許第3516720号公報
【特許文献2】特許第3614560号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の構成では、吸引ノズルに付着したダストは取り除くことができても、センサの窓に付着した汚れを取り除くことは困難であり、依然として、定期的にセンサのメンテナンスが必要であった。
【0005】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、清掃後に機器本体のセンサのメンテナンスを自動的に行い、定期的なセンサのメンテナンスを不要とした自走式機器およびそのプログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記従来の課題を解決するために、本発明の自走式機器およびそのプログラムは、清掃後にホームポジションへ移動した機器本体を自動的にメンテナンスする自動メンテナンス手段を備えたものである。
【0007】
これによって、清掃後に機器本体のセンサのメンテナンスをホームポジションにおいて自動的に行い、定期的なセンサのメンテナンスを不要としたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の自走式機器およびそのプログラムは、機器本体のセンサのメンテナンスをホームポジションにおいて自動的に行い、定期的なセンサのメンテナンスを不要とした。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
第1の発明は、機器本体を移動させる移動手段と、この移動手段を操作して機器本体の走行をコントロールするコントロール手段と、この機器本体に電力を供給する電池と、機器本体の移動により走行する空間の清掃を行う清掃手段と、清掃後にホームポジションへ移動した機器本体を自動的にメンテナンスする自動メンテナンス手段とを備えた自走式機器とすることにより、清掃後に機器本体のセンサのメンテナンスをホームポジションにおいて自動的に行い、定期的なセンサのメンテナンスを不要としたものである。
【0010】
第2の発明は、特に、第1の発明において、自動メンテナンス手段は、ホームポジションに備え付けてある設備を利用して、移動手段により機器本体を移動させることにより自動メンテナンスすることにより、自動メンテナンスを簡易に実現することができる。
【0011】
第3の発明は、特に、第1または第2の発明において、コントロール手段により走行を行った走行履歴を記憶する記憶手段を備え、記憶手段による走行履歴に基づき自動メンテナンス手段は機器本体を自動メンテナンスすることにより、例えば、特定の距離以上を走行する毎に、自動メンテナンス手段によって機器本体を自動的にメンテナンスすることで、少ししか走行していないにも関わらず、繰り返しメンテナンスするなどの非効率的な動作を防ぎながら、自走式機器を正常な状態に保つことができる。
【0012】
第4の発明は、特に、第1〜第3のいずれか1つの発明において、電池を充電する充電手段を備え、充電中の電力を利用して自動メンテナンス手段を動作させることにより、電池の負荷を軽減しながら、自走式機器を正常な状態に保つことができる。
【0013】
第5の発明は、特に、第1〜第4のいずれか1つの発明において、自動メンテナンス手段で機器本体をメンテナンスしている状態を報知するメンテナンス報知手段を備えたことにより、メンテナンス中にユーザの不安を取り除くことができる。さらに、確認動作時に異常が見つかった場合には、すぐにユーザに知らせることができる。
【0014】
第6の発明は、特に、第1〜第5のいずれか1つの発明における自走式機器の機能の少なくとも一部をコンピュータに実行させるためのプログラムとすることにより、汎用的なコンピュータを用いて自走式機器の少なくとも一部を容易に実現することができる。
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0016】
(実施の形態1)
図1〜図3は、本発明の実施の形態1における自走式機器を示している。
【0017】
図1に示すように、本実施の形態における自走式機器は、機器本体100を移動させる移動手段(駆動部)102と、移動手段102を操作して機器本体100の走行および清掃制御をコントロールするコントロール手段(マイクロ・コンピュータ部)101と、この機器本体100に必要な電力を供給する電池104と、機器本体100の移動により走行する空間の清掃を行う清掃手段103と、清掃後にホームポジションへ移動した機器本体100を自動的にメンテナンスする自動メンテナンス手段105とを備えている。
【0018】
すなわち、機器本体100は、コントロール手段101によって、移動手段102を制御することにより、清掃手段103によって清掃を行い、清掃後にホームポジションにおいて自動メンテナンス手段105によって、機器本体100のセンサの窓などに付着した汚れを自動的に取り除き、機器本体100を正常な状態に保つことができるものである。以下、各手段の詳細について説明する。
【0019】
コントロール手段101は、例えば、CPU、メモリで構成されている。機器本体100の動作をコントロールするために、移動手段102への制御信号を生成させることや、清掃時に清掃手段103への制御信号を生成させることや、自動メンテナンス時に自動メンテナンス手段105への制御信号を生成させる。構成としては、他にも、CPU、メモリを1つにした1チップマイコンや、FPGA、DSPなどの他の演算可能なものであっても構わない。また、HDDやDVDやフラッシュメモリなどの記録装置と一緒に構成することで、メモリ容量を大量に利用するような複雑な処理をすることも可能にすることができる。さらに、無線LANなどの通信装置と一緒に構成することで、機器本体100と外部機器との通信が可能になり、蓄積しているデータの送信や、新たな制御パターンの受信などさらに、高度な処理を可能にすることができる。
【0020】
コントロール手段101としてマイクロ・コンピュータを使うことで、移動手段102のコントロールには、移動手段102として利用する装置にあわせて、PWM波形などによる制御やシリアル通信による移動量の設定などのさまざまな形態の制御をさせることが可能である。また、清掃手段103を制御することで清掃が必要なタイミングに合わせて清掃させることで、電池104の消費電力を節約しながら清掃を行うことも可能となる。また、自動メンテナンス手段105を走行後に制御することで清掃時に取り切れなかったダストを取り除きクリーンな状態に保つことができる。他にもコントロール手段101は汎用的に利用することができるので、例えば、音声発生やカメラ制御など他の機器本体に付随するさまざまな装置のコントロールとしても、共用で利用することが可能である。
【0021】
移動手段102は、図2に示すように、例えば、2つのモータ(図示せず)と2つの駆動輪102a、102bを左右に水平に配置するように構成することで、コントロール手段101からの制御信号によって、左右のモータの回転数を変化させることにより、駆動輪102a、102bが動作して、機器本体100が走行空間111を移動する。移動手段102は、モータと駆動輪の組み合わせ以外にも、複数のサーボモータを組み合わせた関節型のアクチュエータを組み合わせた2本足や4本足などの多足移動可能なものや、利用するモータはリニアモータなど物理的な動作が可能なものであれば構わない。
【0022】
清掃手段103は、機器本体100の近辺を清掃する機能を有するものであり、例えば、機器本体100内部に吸引用のファンモータを設け、掃除機のような吸引口を機器本体100の底面部に設けることで、機器本体100が走行することによって、走行した領域のごみや塵などのダストを吸引して清掃することができる。他にも、モップのような塵を集める形態や、ほうきのようなブラシでごみをかき集めるような形態や、塵取りのようにごみや塵をすくい上げるような形態など、機器本体100の近辺を清掃できる構成であれば構わない。また、これらの形態を組み合わせることによって、清掃性能を高めることが可能である。他にも、ごみや塵だけではなく、雑草を刈り取ることや、散らかった荷物を集めることや、砂をならして走行表面を綺麗にするような構成であっても構わない。
【0023】
電池104は、例えば、ニッケル水素2次電池にすることで、機器本体100への電力の供給が可能である。他にも、機器本体100への電力が供給可能なものであれば、アルカリ乾電池やオキシライド乾電池などの1次電池や、ニッケルカドミウム2次電池、リチウムイオン2次電池、リチウムポリマー2次電池、燃料電池などでも構わない。さらに、有線の電線を使って外部のAC電源から電力を供給することや、マイクロウェーブなどの外部から非接触で電力を供給するなど、機器本体100が動作中に電力を供給できるものであれば構わない。
【0024】
自動メンテナンス手段105は、図2に示すように、ホームポジション110に備え付けてある設備を利用して、移動手段102により機器本体100を移動させることにより自動メンテナンスするものである。例えば、光学式あるいは超音波式あるいはレーザーを用いた測距用のセンサ100a〜100dにおけるメンテナンスの場合、ホームポジション110にブラシ110a、110bを備えてメンテナンス時に利用する。すなわち、ホームポジション110に予めメンテナンスを行いたいセンサ100a〜100dの窓に届くようにブラシ110a、110bを備えておくことで、機器本体100がホームポジション110へ戻った後、コントロール手段101によって移動手段102にてホームポジション110上で、例えば回転動作させることで、メンテナンスを行うセンサの窓に付着した汚れを取り除くことができる。さらにホームポジション110に基準となるような凹凸110cを備えておくことで、凹凸110cの差から距離測定の動作を確認することができる。
【0025】
また、接触検知式センサのメンテナンスの場合、予めホームポジション110に接触用の場所を備え、移動手段102を動作させてホームポジション110の一部に何度か接触させることで、長期接触しなかった場合にセンサの動作するところが硬くなっていたりすることを防ぐ。このため、接触検知式のセンサの動作を滑らかにしながら、接触検知の確認を行うことができる。
【0026】
また、回転角度を検出するセンサのメンテナンスの場合、予め所定の角度がわかるような目印をホームポジション110に備えておくことで、機器本体100がホームポジション110上で回転することで、目印からの回転角度と、センサからの出力角度の誤差を確認することができ、補正量を修正することが可能となる。
【0027】
また、磁気を検出するセンサのメンテナンスの場合、予めホームポジション110に磁石や磁場を発生させる装置を備えておくことで、ホームポジション110上で機器本体100を動作させることで、センサの変化量を確認することが可能となる。また、変化量から補正量を修正することが可能となる。
【0028】
他にも、機器本体100が備えているセンサをメンテナンスするものであればどのような方式であっても構わない。
【0029】
次に、図3の走行後に自動的にメンテナンスする動作のフローチャートを用いて、機器本体100が清掃手段103により清掃を行った後、ホームポジション110へ移動し自動メンテナンス手段105によってメンテナンスを行う動作の流れについて説明する。
【0030】
ステップS301から動作が開始する。ステップS301では、走行空間の清掃を行う。コントロール手段101によって移動手段102および清掃手段103をコントロールすることにより、走行しながら走行可能な空間を清掃する。なお、走行のパターンはどのようなものであっても構わなく、例えば、一定時間直進動作を行い、ランダムに角度を変化させて走行するランダム走行や、ジグザグに移動しながら往復するようなジグザグ走行や、走行軌跡が螺旋状の線を描くように回転半径を変化させながら走行するような螺旋走行パターンなどでも構わない。また、清掃手段103は、例えば、壁際や障害物付近で吸引力を上げたりすることで動作を変化させることで、部屋の隅々まで清掃させることが可能である。
【0031】
ステップ302では、機器本体100の走行が完了したかどうかの判断を行う。例えば、15分など走行時間が一定時間以上になった場合に走行完了であると判断する。他にも、一定の走行のパターンを終えたときを走行完了であると判断するなど、判断基準はどのようなものであっても構わない。機器本体100の走行が完了していない場合は、ステップS301へ動作を戻し引き続き走行を行い、機器本体100の走行が完了した場合は、ステップS303へ動作を移行する。なお、本実施の形態では走行が完了したタイミングで判断を行っているが、清掃の完了の判断であっても構わない。
【0032】
ステップS303では、機器本体100をホームポジション110へ移動する。ここで、ホームポジション110とは、機器本体100が待機時や未使用時に留まっておく位置のことであり、ホームポジション110として、例えば、走行開始の位置や、機器本体100が位置を特定することができる装置の付近などである。さらに、機器本体100が位置を特定することができる装置に機器本体100の電池104を充電する機能を付加することで、待機時や未使用時など走行後に自動的に充電させることも可能である。コントロール手段101から移動手段102をコントロールすることによって機器本体100をホームポジション110へ移動する。なお、移動方法についてはどのようなものであっても構わなく、例えば、ランダムにホームポジション110の位置を探す場合や、移動手段102の動作量から機器本体100とホームポジション110との移動量の差を記憶しておくことで、記憶した移動量の差にもとづいて、コントロール手段101から移動手段102をコントロールすることで、ホームポジション110へ移動することができる。ホームポジションへ110の移動後はステップS304へ動作を移行する。
【0033】
ステップS304では、自動メンテナンス手段105を動作させることで、自動メンテナンスを実行する。例えば、光学式あるいは超音波式あるいはレーザーを用いた測距用のセンサのメンテナンスを行う場合、図2に示すように、ホームポジション110にブラシ110a、110bを用意しておくことで、機器本体100がホームポジション110へ戻った後、コントロール手段101によって移動手段102にてホームポジション110上で回転動作させる。これにより、ブラシ110a、110bでメンテナンスを行うセンサの窓に付着した汚れを取り除くことができる。さらにホームポジション110に基準となる凹凸110cを備えておくことで、凹凸110cとの差から距離測定の動作を確認することができる。
【0034】
また、接触検知式センサのメンテナンスの場合、予めホームポジション110に接触用の場所を備えておくことで、移動手段102を動作させてホームポジション110の一部に何度か接触させることで、長期接触しなかった場合にセンサの動作するところが硬くなっていたりすることを防ぐ。このため、接触検知部の動作を滑らかにしながら、接触検知の確認を行うことができる。
【0035】
また、回転角度を検出するセンサのメンテナンスの場合、予め所定の角度がわかるような目印をホームポジション110に備えておくことで、機器本体100がホームポジション110上で回転すると、目印からの回転角度と、センサからの出力角度の誤差を確認することができ、補正量を修正することが可能となる。
【0036】
また、磁気を検出するセンサのメンテナンスの場合、予めホームポジション110に磁石や磁場を発生させる装置を備えておくことで、ホームポジション110上で機器本体100を動作させると、センサの変化量を確認することが可能となる。また、変化量から補正量を修正することが可能となる。
【0037】
このように、走行後にホームポジション110に戻った後、自動メンテナンス手段105によって機器本体100をメンテナンスすることで、機器本体110の備えているセンサなどの保守を自動的に行うことができるので、機器本体110を正常な状態に保つことができる。このため、ユーザは常に安全な状態で機器本体110を維持することができ、さらに、ユーザの手間を大幅に削減することができるようになる。
【0038】
(実施の形態2)
図4、図5は、本発明の実施の形態2における自走式機器を示している。実施の形態1と同一要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0039】
図4に示すように、本実施の形態における自走式機器は、コントロール手段101により走行を行った走行履歴を記憶する記憶手段406を備え、記憶手段406による走行履歴に基づき自動メンテナンス手段105は機器本体400を自動メンテナンスする点で実施の形態1と相違する。他は実施の形態1と同じである。
【0040】
記憶手段406は、例えば、SD−RAM、D−RAMなどのメモリ装置であり、動作の履歴を記憶できるものであれば、どのようなものであっても構わない。ここで、動作の履歴とは、例えば、走行中の時間をカウントすることや、機器本体400の位置をX−Y座標の値として記憶しておくことや、移動手段102への制御命令を記憶しておくことである。なお、記憶手段406は、コントロール手段101に使用しているメモリなどの記憶装置と共用することでより安価でシンプルなシステムにすることも可能である。
【0041】
次に、図5のフローチャートを用いて動作の流れを説明する。
【0042】
ステップS501〜ステップS503のホームポジションの移動までは、実施の形態1におけるステップS301〜ステップS303の動作と同じである。ステップS503でホームポジションへ移動した後、動作をステップS504へ移行する。ステップS504では、記憶手段406で記憶している走行時間によって判断する。走行時間が一定以上(ここでは10分)の場合は、ステップS505へ動作を移行し、走行時間が一定未満の場合は、走行完了する。ステップS505では、実施の形態1のステップS304同様に自動メンテナンス手段105によって機器本体のメンテナンスを行う。
【0043】
このように構成することで、走行後に、走行履歴によって判断を行うことで、機器本体400内部の汚れ度合いや機器本体400の使用度合いを推測することができるので、不必要なメンテナンス動作を省くことができ、必要なときのみメンテナンス動作を実施することができるようになる。このため、省エネ性を高めることや、機器本体400の長寿命化を行うことができるようになる。
【0044】
なお、本実施の形態では、動作の履歴として走行時間を例に挙げて説明するが、他にも機器本体400が移動した距離で判断することや、機器本体400の制御の動作内容によって判断を行うなど、機器本体400の構成に合わせて判断を行うことで同様に効果を得ることが可能である。
【0045】
(実施の形態3)
図6は、本発明の実施の形態3における自走式機器を示している。実施の形態1と同一要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0046】
図に示すように、本実施の形態における自走式機器は、機器本体600に電池104を充電する充電手段606を備え、充電中の電力を利用して自動メンテナンス手段105を動作させる点で実施の形態1と相違する。他は実施の形態1と同じである。
【0047】
充電手段606は、例えば、外部から電源からの電力を電池104に加えることで充電を行う充電装置である。外部からの電力を取り込むための接点部を有し、接点部に電力が供給されたときに、電池104の充電を行う。ここで、電池104の電圧の変動から電池104の充電状態により、充電が必要な場合のみ電力を供給するようにすることで、安全に電池104の充電を行うことが可能である。充電方法については従来からさまざまな方法が提案されているが、本実施の形態では電池104へ電力を供給できるものであれば、どのような構成であっても構わない。また、電池104の充電時に、コントロール手段101、移動手段102、清掃手段103、および自動メンテナンス手段105にも電力を供給することで、動作中であっても、電池104への負荷を減らしながら充電することが可能である。
【0048】
実施の形態1における図3に補足を行いながら、本実施の形態の動作流れを説明する。ステップS301からステップS303までの動作は、実施の形態1で説明した流れと同様である。ステップS304の自動メンテナンス手段105の動作を実施する際に、充電手段606からの電力を利用して自動的にメンテナンスを行うようにしている。
【0049】
このように構成することで、電池104に負担をかけずにメンテナンス動作を実施することができるので、電池寿命を保ちつつ、大幅にメンテナンス能力を高めることができるようになる。
【0050】
(実施の形態4)
図7は、本発明の実施の形態4における自走式機器を示している。実施の形態1と同一要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0051】
図に示すように、本実施の形態における自走式機器は、自動メンテナンス手段105で機器本体700をメンテナンスしている状態を報知するメンテナンス報知手段706を備えた点で実施の形態1と相違する。他は実施の形態1と同じである。
【0052】
メンテナンス報知手段706は、ユーザにメンテナンス中であることを報知する装置であり、例えば、文字や画像を表示する液晶ディスプレイや、有機ELディスプレイなど文字や画像を表示できる装置、LEDや蛍光管などによる点灯あるいは点滅表示、スピーカーの音によってユーザにメンテナンス中であることを伝える、あるいはこれらの組み合わせで報知するものであり、特に限定されるものではなくどのようなものであっても構わない。なお、無線あるいは有線によってメンテナンス中であることを発信することで、パソコンやTV受信機やリモコンや充電装置などが受信してメンテナンス中であることを報知することでも、メンテナンス報知手段の代用として利用する構成にすることも可能である。
【0053】
このように、メンテナンス中にメンテナンス報知手段706を用いて、ユーザにメンテナンスの動作の状態を伝えることによって、メンテナンス動作によってどのような動作をしているかユーザが不審に思うようなことを防ぐことが可能となる。また、メンテナンス動作によって機器本体700に異常が見つかった場合に、すぐにユーザに伝えることが可能となるため、利便性を高めることが可能である。
【0054】
(実施の形態5)
次に、本発明の実施の形態5における自走式機器について説明する。
【0055】
本実施の形態における自走式機器は、実施の形態1〜4のいずれかに記載の自走式機器における機能の少なくとも一部をコンピュータに実行させるためのプログラムとしたものである。
【0056】
プログラムにすることで、汎用的なコンピュータを用いて自走式機器の少なくとも一部を容易に実現することができる。これにより、さまざまな自走式機器のプラットフォームに対応させることが容易に可能となる。また、例えば、一部を汎用コンピュータで利用可能なプログラムにすることで、無線LANなどの通信機能を用いて、汎用コンピュータと自走式機器を通信させて、コントロール手段の走行の制御などを汎用のコンピュータ側で行うことにより、機器本体のCPUやメモリといった機能の能力を削減することができるので、より安価に機器を提供することが可能となる。さらに、汎用コンピュータに接続されているインターネットなどの外部との通信機能を介して、外出先からユーザが自走式機器を操作することを可能にすることも容易に実現が可能となる。
【0057】
なお、上記各実施の形態1〜5の構成は、必要に応じて適宜組み合わせて構成することが可能であり、各実施の形態そのものの構成に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0058】
以上のように、本発明にかかる自走式機器およびそのプログラムは、機器本体のセンサのメンテナンスをホームポジションにおいて自動的に行い、定期的なセンサのメンテナンスを不要としたので、掃除ロボットや、草刈ロボットや、片付けロボットなど、家庭内や野外の不特定の空間を自動的に移動しながら作業を行う自走式機器に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施の形態1における自走式機器の構成を示すブロック図
【図2】(a)同自走式機器とホームポジションとの関係を示す平面図(b)同自走式機器のセンサをホームポジションにおいてメンテナンスしている状態を示す図
【図3】同自走式機器におけるメンテナンス動作のフローチャート
【図4】本発明の実施の形態2における自走式機器の構成を示すブロック図
【図5】同自走式機器におけるメンテナンス動作のフローチャート
【図6】本発明の実施の形態3における自走式機器の構成を示すブロック図
【図7】本発明の実施の形態4における自走式機器の構成を示すブロック図
【符号の説明】
【0060】
100、400、600、700 機器本体
101 コントロール手段
102 移動手段
103 清掃手段
104 電池
105 自動メンテナンス手段
406 記憶手段
606 充電手段
706 メンテナンス報知手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器本体を移動させる移動手段と、この移動手段を操作して機器本体の走行をコントロールするコントロール手段と、この機器本体に電力を供給する電池と、機器本体の移動により走行する空間の清掃を行う清掃手段と、清掃後にホームポジションへ移動した機器本体を自動的にメンテナンスする自動メンテナンス手段とを備えた自走式機器。
【請求項2】
自動メンテナンス手段は、ホームポジションに備え付けてある設備を利用して、移動手段により機器本体を移動させることにより自動メンテナンスする請求項1に記載の自走式機器。
【請求項3】
コントロール手段により走行を行った走行履歴を記憶する記憶手段を備え、記憶手段による走行履歴に基づき自動メンテナンス手段は機器本体を自動メンテナンスする請求項1または2に記載の自走式機器。
【請求項4】
電池を充電する充電手段を備え、充電中の電力を利用して自動メンテナンス手段を動作させる請求項1〜3のいずれか1項に記載の自走式機器。
【請求項5】
自動メンテナンス手段で機器本体をメンテナンスしている状態を報知するメンテナンス報知手段を備えた請求項1〜4のいずれか1項に記載の自走式機器。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の自走式機器における機能の少なくとも一部をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−287384(P2008−287384A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−130096(P2007−130096)
【出願日】平成19年5月16日(2007.5.16)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】