説明

航空障害灯状態通知装置

【課題】コスト削減が可能な航空障害灯状態通知装置を提供する。
【解決手段】本航空障害灯状態通知装置は、航空障害灯の停電発生を所定の通知先に対して通知を行う通知手段と、通知を少なくとも1回行うのに必要な電力を蓄積可能な容量を有し、航空障害灯に対する通電時に充電を行い、航空障害灯の停電時に放電して通知手段に対して電力供給を行うコンデンサとを有する。このようにすれば、メンテナンスが必要となるバッテリを用いずに停電時に最低限必要な通知を行うことができるようになるため、ランニングコストを含めて低コストに航空障害灯状態通知装置を導入することができるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空障害灯の不点等の状態を通知するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
送電鉄塔に設置されている航空障害灯が正常に点灯しているか否かを検査する方法としては、定期的なパトロールを行う方法の他に、以下のような技術が存在している。
【0003】
例えば、特開2003−45682号公報には、電灯・ランプなどを用いる航空障害灯システムに容易に追加設置されて、場所に制約されることなく断芯を検出できるような使い勝手の良い航空障害灯断芯検出システムが開示されている。具体的には、点灯動作を伴う低光度障害灯および点滅動作を伴う中光度障害灯へ供給される電流信号などの波形計測データを計測し、この波形計測データのオフセット成分から低光度障害灯の断芯を、また、波形計測データの脈流成分から中光度障害灯の断芯を検出し、断芯情報を伝送装置を介してファクシミリ装置へ通報する。しかしながら、本公報では、航空障害灯の種別については考慮されていない。
【0004】
また、特開2004−117223号公報には、電力輸送設備に発生する発生頻度の低い異常情報を総合的に廉価なランニングコストで常時監視できる監視システムが開示されている。具体的には、送電線又はその周辺の電力輸送設備に発生する発生頻度の低い雷撃情報、事故情報、事故区間情報、航空障害灯情報又は侵入者情報の少なくとも2種以上の異常情報を常時監視できる総合監視システムである。各送電鉄塔又はその周辺にはそれぞれの異常情報を異常の有無で判定して検出できる検出部と、検出部に切り離し可能に接続され検出された異常情報とともに監視の目的のために遠隔の地域に向けて伝送する情報伝送部とから構成される多数の監視伝送装置を備えている。各検出部にて検出された異常情報は各検出部に接続されたそれぞれの情報伝送部から検出された異常情報とともに自己を識別する識別符号が遠隔の地域に伝送される。しかしながら、本公報では、航空障害灯の断芯について具体的にどのように検出するのか開示はない。
【特許文献1】特開2003−45682号公報
【特許文献2】特開2004−117223号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
パトロールによって航空障害灯の不点等を検出する手法を採用している場合、航空障害灯の不点等を検出する装置を導入するには、導入コストとランニングコストが大きな問題となる。また、現在低光度航空障害灯には、電球型の航空障害灯(OM−3A)とネオン管型の航空障害灯(OM−3B)とが存在しており、いずれにも対応できなければ導入コストを下げることができない。さらに、不点には断芯/断線の他に停電があるが、停電に対応する場合においても導入コスト及びランニングコストを下げなければならない。
【0006】
従って、本発明の目的は、コスト削減を可能にする航空障害灯状態通知装置を提供することである。
【0007】
また、本発明の他の目的は、異なる種別の航空障害灯の不点等に対応可能な航空障害灯状態通知装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る航空障害灯状態通知装置は、航空障害灯の停電発生を所定の通知先に対して通知を行う通知手段と、通知を少なくとも1回行うのに必要な電力を蓄積可能な容量を有し、航空障害灯に対する通電時に充電を行い、航空障害灯の停電時に放電して通知手段に対して電力供給を行うコンデンサとを有する。このようにすれば、メンテナンスが必要となるバッテリを用いずに停電時に最低限必要な通知を行うことができるようになるため、ランニングコストを含めて低コストに航空障害灯状態通知装置を導入することができるようになる。
【0009】
また、本発明においては、航空障害灯に供給される電流及び電圧の波形を測定して有効電力を算出する算出手段と、有効電力と閾値とを比較する比較手段とをさらに有するようにしてもよい。そして、上で述べた通知手段が、有効電力と閾値とが所定の関係を有する場合、当該所定の関係に応じた状態を所定の通知先に通知するようにしてもよい。このように有効電力を算出することによって、上で述べたような電球型の航空障害灯であってもネオン管型の航空障害灯であっても航空障害灯の状態(例えば1灯不点等)を適切に検出することができるようになる。また、不点を検出する特別なセンサを導入する必要もないので、コストを削減することも可能である。
【0010】
さらに、上で述べた算出手段が、航空障害灯に供給される電圧の波形に基づき停電を検出し、通知手段に停電発生の通知を行わせるようにしてもよい。このようにすれば、停電を検出するための機器を導入せずに済み、コスト削減が可能となる。
【0011】
なお、上で述べたコンデンサは、電気二重層コンデンサである場合もある。
【0012】
さらに、本発明において、コンデンサに充電を行う充電電源回路と、航空障害灯の停電時にコンデンサから通知手段に対して電力供給を行うためのバックアップ電源回路と、通電時に通知手段及び必要な回路に電力供給を行う平常電源回路とをさらに有するようにしてもよい。このような簡易な構成にてバッテリを用いずに停電時に対処することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、コスト削減を可能にした航空障害灯状態通知装置を導入することができる。
【0014】
また、本発明の他の側面によれば、異なる種別の航空障害灯の不点等に対応可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
[実施の形態の前提]
現在用いられている低光度航空障害灯の回路を模した測定用回路にて電球型(OM−3A)の航空障害灯が断芯した場合の測定結果を図1に示す。図1では、電源電圧が95V、100V及び107Vの場合であって、航空障害灯が0灯(全て断芯)から4灯(全て点灯)の場合に、実効電圧(V)、実効電流(A)、有効電力(W)及び力率を測定した結果を表している。また、図2は、図1の有効電力のデータを棒グラフ化し、実効電流(以下、電流と簡略化する場合もある。)を折れ線グラフ化したものである。図2において、横軸は点灯数を表す。このように、電球型の航空障害灯では、電源電圧及び断芯数にかかわらず力率は1.00となっており、電流は、断芯した航空障害灯の増加数に比例して減少し、よって有効電力も、断芯した航空障害灯の増加数に比例して減少することが分かる。なお、有効電力は、電源電圧に依存して増減する。
【0016】
一方、同様の測定用回路にてネオン管型(OM−3B)の航空障害灯が球切れした場合の測定結果を図3Aに、ネオン管型の航空障害灯までの線が断線した場合の測定結果を図3Bに示す。図3A及び図3Bは、図1と同様に、電源電圧が95V、100V及び107Vの場合であって、航空障害灯が0灯(全て球切れ又は断線)から4灯(全て点灯)の場合に、実効電圧(V)、実効電流(A)、有効電力(W)及び力率を測定した結果を表している。また、図4は、図3A及び図3Bの有効電力のデータを棒グラフ化し、電流を折れ線グラフ化したものである。図4において横軸は点灯数を表す。図1及び図2で示したものと異なり、球切れを表す図3Aでは、力率が球切れ数及び電源電圧に依存して異なっており、電流も球切れ数が増加するにつれて一旦は減少するものの球切れ数が3及び4では増加するといったように、単純に電流や力率では点灯状態を判断できないことが分かる。但し、有効電力については、球切れ数が増加するほど比例して減少する。一方、断線を表す図3Bでは、力率は電源電圧にのみ依存しており、電流は断線数の増加量に比例して減少している。また、有効電力については、図1及び図3Aと同様に、断線数が増加するほど減少している。
【0017】
本願発明者の新規な知見によれば、電球型の航空障害灯の断芯とネオン管型の航空障害灯の球切れ及び断線のいずれにも対応するためには、力率や電流だけを検出していては点灯状態を正確に把握することは難しく、有効電力を算出して当該有効電力によって点灯状態を把握する必要がある。以下、このような知見に基づいた本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0018】
[本発明の実施の形態の詳細]
図5に、航空障害灯不点通知システム全体の概要図を示す。低光度の場合、送電鉄塔7に4つの航空障害灯3a乃至3dが設置されており、従来では、既設分電盤5から直接航空障害灯3a乃至3dに電力供給が行われていた。本実施の形態では、既設分電盤5と航空障害灯3a乃至3dの間に状態通知装置1を接続する。状態通知装置1は、以下でも述べるが無線通信モジュールを有しており、パケット通信のための携帯電話網11に接続された無線基地局9と無線通信を行う。また、携帯電話網11は、有線又は無線で、航空障害灯3a乃至3dの管理を行う管理者の管理者端末15又は携帯電話機13と接続している。
【0019】
状態通知装置1は、航空障害灯の不点等や停電等を検出すると、無線基地局9及び携帯電話網11を介して、管理者端末15又は携帯電話機13に、メールにて通知を行う。また、管理者端末15又は携帯電話機13から必要なデータを含むメールを状態通知装置1へ送信すると、状態通知装置1に対して問い合わせや設定を行うことができる。
【0020】
次に、状態通知装置1の構成を図6を用いて説明する。状態通知装置1は、航空障害灯3a乃至3dに供給される電流を検出するCT(変流器)を含むセンサ部111と、状態通知装置1に電力供給を行い且つ航空障害灯3a乃至3dに供給される電圧の波形を処理部112に出力する電源部115と、メモリを有し且つ状態通知装置1における必要な演算処理及び制御処理を実施する処理部112と、無線通信を行うための無線通信モジュール114と、処理部112の指示に従って無線通信モジュール114の制御を行う伝送部113と、通常時には充電を行い、停電時に一定期間放電を行う電気二重層コンデンサ116とを有する。
【0021】
センサ部111は、既設分電盤5から航空障害灯3a乃至3dへの配電線に接続されており、センサ部111によって測定された電流波形は処理部112に出力される。同様に、電源部115は、既設分電盤5から航空障害灯3a乃至3dへの配電線に接続されており、さらに処理部112、伝送部113及び無線通信モジュール114にも接続されている。また、電源部115は、例えば絶縁トランスによって供給電圧の電圧波形を測定し、処理部112に出力する。電源部115の詳細な構成については、後に説明する。処理部112は、以下で述べる処理を行って、メールにて通知を行う場合には伝送部113に通知の指示を出力する。また、処理部112は、伝送部113からデータ又は要求を受け取って、処理を実施する場合もある。なお、処理部112は、所定のメモリ容量分、電流及び電圧のサンプリング値を格納して演算などに利用する。伝送部113は、処理部112に従って無線通信モジュール114を制御し、無線通信モジュール114を介してメールを受信した場合には、必要なデータ又は要求を処理部112に出力する。無線通信モジュール114は、携帯電話網11に接続された無線基地局9と通信を行う既存のモジュールである。
【0022】
なお、ディジタルサンプリングした電圧波形及び電流波形を取り扱うが、センサ部111及び電源部115においてサンプリングを行っても良いし、処理部112においてサンプリングを行っても良い。
【0023】
次に、図7を用いて状態通知装置1の基本的な処理内容を説明する。処理部112は、電源部115からの電圧波形を参照して、電力が航空障害灯3a乃至3dに供給されているか判断する(ステップS1)。すなわち、所定サンプリング期間、電圧が0又は0近傍となっているか判断する。電圧ありではない場合、すなわち所定サンプリング期間、電圧が0又は0近傍となっていると判断された場合、処理部112は、例えば停電フラグがオンにセットされているか判断することによって停電継続中であるか判断する(ステップS3)。例えば停電フラグがオンにセットされており、停電継続中である場合にはステップS1に戻る。
【0024】
一方、例えば停電フラグがオフにセットされている場合、処理部112は、停電発生時処理を実施する(ステップS5)。具体的には、処理部112は、停電フラグをオンにセットし、さらに伝送部113に対して無線通信モジュール114に停電発生通知メールを送信させるように指示を出力する。伝送部113及び無線通信モジュール114は、停電発生通知メールを管理者宛に送信する。停電発生通知メールについては後に述べる。そしてステップS1に戻る。
【0025】
ステップS1において電圧ありと判断された場合には、処理部112は、停電が復旧したか判断する(ステップS7)。例えば、停電フラグがオンになっている状態で、所定サンプリング期間以上所定の値以上又は以下の電圧が検出されたか否かを判断する。停電が復旧したと判断された場合には、処理部112は、停電復旧時処理を実施する(ステップS9)。具体的には、処理部112は、停電フラグをオフにセットし、さらに伝送部113に対して無線通信モジュール114に停電復旧通知メールを送信させるように指示を出力する。伝送部113及び無線通信モジュール114は、停電復旧通知メールを管理者宛に送信する。停電復旧通知メールについては後に述べる。そして処理はステップS11に移行する。
【0026】
ステップS7で停電復旧ではないと判断された場合又はステップS9の後に、処理部112は、センサ部111からの電流波形を参照して、灯電流が検出されるか判断する(ステップS11)。すなわち、所定サンプリング期間、電流の値が0又は0近傍となっているか判断する。灯電流が検出されない場合には、処理部112は、自らが有する時計の時刻を参照して、現在が予め定められた夜間(例えば20時から4時)であるか判断する(ステップS13)。本実施の形態では、航空障害灯3a乃至3d寄りに図示しない制御盤が設けられており、当該制御盤によって航空障害灯3a乃至3dの点灯が夜間のみに制御されている。従って、夜間でなければ航空障害灯3a乃至3dには灯電流が流れないので、ステップS1に戻る。一方、夜間であれば、処理部112は、制御盤異常が継続しているか判断する(ステップS15)。例えば、上で述べた制御盤(図示せず)の制御盤異常フラグがオンにセットされているか判断する。制御盤異常が継続していると判断された場合には、ステップS1に戻る。
【0027】
制御盤異常が継続中ではない場合には、処理部112は、制御盤異常時処理を実施する(ステップS17)。具体的には、処理部112は、例えば制御盤異常フラグをオンにセットし、伝送部113に対して無線通信モジュール114に制御盤異常発生通知メールを送信させるように指示を出力する。伝送部113及び無線通信モジュール114は、制御盤異常発生メールを管理者宛に送信する。そして処理はステップS1に戻る。
【0028】
一方、ステップS11で、灯電流ありと判断された場合には、処理部112は、制御盤異常復旧であるか判断する(ステップS19)。例えば、制御盤異常フラグがオンであって、灯電流を検出したかを判断する。制御盤異常復旧であると判断された場合には、処理部112は、制御盤異常復旧時処理を実施する(ステップS21)。具体的には、例えば制御盤異常フラグをオフにセットし、伝送部113に対して無線通信モジュール114に制御盤異常復旧通知メールを送信させるように指示を出力する。伝送部113及び無線通信モジュール114は、制御盤異常復旧通知メールを管理者宛に送信する。そして処理はステップS23に移行する。
【0029】
ステップS19で制御盤異常復旧ではないと判断された場合又はステップS21の後に、処理部112は、有効電力等を算出する(ステップS23)。有効電力Pは、以下のような式で算出する。
【数1】

【0030】
なお、Tは1周期(例えば20ms)であり、Δtはサンプリング期間(例えば0.4ms)であり、e(k)は瞬時電圧、i(k)は瞬時電流である。また、本ステップS23において、実効電圧及び実効電流を算出する。さらに、例えば有効電力/実効電圧*実効電流により力率をも算出する。ステップS23において算出されるデータについては、処理部112が有するメモリ中所定容量分だけ最新のデータを優先して保持する。
【0031】
例えば、航空障害灯3a乃至3dが電球型の航空障害灯(例えばOM−3A)である場合には、図8乃至図11のような電流及び電圧の波形が計測される。図8は、全点灯の場合を表し、図9は3灯点灯の場合を表し、図10は2灯点灯の場合を表し、図11は1灯点灯の場合を表す。いずれについても電流と電圧の位相はほぼそろっており、図8から図11にかけて点灯数が減少しているが、それに応じて電流値も下がっている。
【0032】
また、図12及び図13に、測定結果を基に演算を実施した結果をまとめる。図1と同様に、電源電圧が95V、100V及び107Vの場合であって、航空障害灯が0灯(全て断芯)から4灯(全て点灯)の場合に、実効電圧(V)、実効電流(A)、有効電力(W)及び力率を表している。また、図13は、図12の有効電力のデータを棒グラフ化し、電流を折れ線グラフ化したものである。図13において横軸は点灯数を表す。このように、電球型の航空障害灯では、電源電圧及び断芯数(断芯数4を除く)にかかわらず力率はほぼ1.00となっており、電流は、断芯した航空障害灯の増加数に比例して減少し、よって有効電力も、断芯した航空障害灯の数が増加するほど比例して減少する。なお、有効電力は、電源電圧に依存して増減している。
【0033】
また、航空障害灯3a乃至3dがネオン管型の航空障害灯(例えばOM−3B)である場合には、図14乃至図21のような電流及び電圧の波形が計測される。図14は、全点灯の場合を表し、図15は3灯点灯1灯球切れの場合を表し、図16は2灯点灯2灯球切れの場合を表し、図17は1灯点灯3灯球切れの場合を表し、図18は0灯点灯4灯球切れの場合を表し、図19は3灯点灯1灯断線の場合を表し、図20は2灯点灯2灯断線の場合を表し、図21は1灯点灯3灯断線の場合を表す。いずれの場合も、電流と電圧の波形の位相はそろっておらず、力率は1未満となる。
【0034】
また、図22乃至図24に、測定結果を基に演算を実施した結果をまとめる。図3Aと同様に、図22は、電源電圧が95V、100V及び107Vの場合であって、航空障害灯が0灯(全て球切れ)から4灯(全て点灯)の場合に、実効電圧(V)、実効電流(A)、有効電力(W)及び力率を表している。また図3Bと同様に、図23は、電源電圧が95V、100V及び107Vの場合であって、航空障害灯が0灯(全て断線)から4灯(全て点灯)の場合に、実効電圧(V)、実効電流(A)、有効電力(W)及び力率を表している。
【0035】
図24は、図3A及び図3Bと同様に図22及び図23の有効電力のデータを棒グラフ化し、電流を折れ線グラフ化したものである。図24において横軸は点灯数を表す。図4について説明したように、球切れを表す図22では、力率が球切れ及び電源電圧に依存して異なっており、電流も球切れ数が増加するにつれて一旦は減少するものの球切れ数が3及び4では増加するといったように、単純に電流や力率では点灯状態を判断できないことが分かる。但し、有効電力については、球切れ数が増加するほど減少する。一方、断線を表す図23では、力率は電源電圧にのみ依存しており、電流は断線数の増加量に比例して減少している。また、有効電力については、断線数の増加量に比例して減少している。
【0036】
以上のように本実施の形態の前提と同様の測定及び演算結果を得ることができた。従って、不点判定のための閾値は、電球型の航空障害灯の場合には図25に示すように求められる。すなわち、4灯点灯時の有効電力から(1灯あたりの有効電力)/2を引いた値を閾値として特定する。4灯点灯時の有効電力と3灯点灯時の有効電力との中間を閾値としても良い。なお、電球型か以下で述べるネオン管型かの判別は、電流波形と電圧波形の位相ずれが存在するか否かによって判断する。力率にて判断しても良い。そして、電源電圧(実効電圧)毎に閾値となる有効電力の値を処理部112のメモリに予め格納しておき、電流及び電圧の波形における位相ずれ及び実効電圧の測定又は演算結果を基に今回適用すべき閾値を特定する。
【0037】
また、ネオン管型の航空障害灯の場合には、図26に示すように、球切れと断線とを明確に分けるような閾値を簡単には設定できないので、球切れをベースに閾値を設定する。すなわち、図27に示すように、4灯点灯時の有効電力と3灯点灯時(1灯球切れ)の有効電力との中間を閾値として特定する。そして、電源電圧(実効電圧)毎に閾値となる有効電力の値を処理部112のメモリに予め格納しておき、電流及び電圧の波形における位相ずれ及び実効電圧の測定又は演算結果を基に今回適用すべき閾値を特定する。
【0038】
なお、図28に示すように、ネオン管型の航空障害灯の球切れについて設定した閾値を断線の場合に適用しても十分判断できることが分かる。
【0039】
図25乃至図28では、4灯点灯時に1灯不点となった場合に検出する閾値について説明したが、図25乃至図28のようなデータさえあれば、2灯不点となった場合の閾値、3灯不点となった場合の閾値、4灯不点となった場合の閾値をそれぞれ前もって設定することができ、処理部112のメモリに格納しておけば、ステップS23で算出される有効電力がいずれの範囲に該当するのかを判断することによって、不点数又は点灯数という航空障害灯の状態を特定することができる。
【0040】
図7の説明に戻って、処理部112は、電源電圧の実効電圧と電流及び電圧の波形の位相ずれの有無とから、メモリに格納されている閾値のうち今回用いるべき閾値を特定する(ステップS25)。単に不点の有無を判断する場合には、1灯不点を判断するための閾値のみを特定し、何灯不点かを特定する場合には関係する閾値すべてを特定する。
【0041】
そして、処理部112は、ステップS23で算出された有効電力とステップS25で特定された閾値を比較することによって、有効電力が正常範囲内であるか判断する(ステップS27)。ここでは1灯不点を判断することを前提とする。従って、正常範囲内ではないと判断された場合には、断芯・断線継続中であるか判断する(ステップS29)。例えば、断芯・断線フラグがオンにセットされているか判断する。そして、断芯・断線が継続中であると判断された場合にはステップS1に戻る。一方、断芯・断線が継続中ではないと判断された場合には、処理部112は、断芯・断線発生時処理を実施する(ステップS31)。具体的には、処理部112は、例えば断芯・断線フラグをオンにセットし、伝送部113に対して無線通信モジュール114に不点発生通知メールを送信させるように指示を出力する。伝送部113及び無線通信モジュール114は、不点発生通知メールを管理者宛に送信する。不点発生通知メールについては後に述べる。そして処理はステップS1に戻る。
【0042】
一方、有効電力が正常範囲内であると判断された場合には、処理部112は、断芯・断線の復旧であるか判断する(ステップS33)。例えば、断芯・断線フラグがオンにセットされているか判断する。そして、断芯・断線の復旧であると判断した場合には、処理部112は、断芯・断線復旧時処理を実施する(ステップS35)。具体的には、処理部112は、例えば断芯・断線フラグをオフにセットし、伝送部113に対して無線通信モジュール114に不点復旧通知メールを送信させるように指示を出力する。伝送部113及び無線通信モジュール114は、不点復旧通知メールを管理者宛に送信する。そして処理はステップS1に戻る。なお、ステップS33で断芯・断線の復旧ではないと判断された場合にもステップS1に戻る。
【0043】
以上のような処理を実施することによって、電球型の航空障害灯が使用されている場合においてもネオン管型の航空障害灯が使用されている場合においても、状態通知装置1が自動的に判別して適切な閾値を特定し、有効電力と比較することによって、適切に不点の発生又は不点発生状態についての通知を行うことができる。また、その他の不具合などについても通知が行われるようになり、人間による巡回を極力行わずに済ませることができるようになる。
【0044】
また、ステップS1において電圧が検出されているか否かは、波形を測定しているため波形のデータから判別でき、別途電圧検出回路を設ける必要がないため、コスト低減に寄与している。また、携帯電話網をそのまま利用しているので、別途サーバなどの管理施設を設ける必要が無く、この点においてもコスト低減がなされている。さらに、以下で説明するように、停電時のためにバッテリを導入することなく電気二重層コンデンサを用いているため、バッテリが劣化した場合の交換コストなどを無くしてメンテナンスコストも削減している。さらに、構造が簡単であり小型化が可能となっているため、この点においてもコストが低減されている。
【0045】
次に不点発生通知メールの一例を図29に示す。図29の例では、送信日時、状態通知装置1の電話番号(0806804xxxx)と、不点発生メッセージ(Lamp failure. Act)と、点灯数(Lamp=3)と、充電電圧(CV=2.53V)と、実効電流(Arms=2.34A)と、実効電圧(Vrms=98.8V)と、有効電力(AP=168.2W)と、力率(PF=0.72)とを含む。なお、充電電圧については、以下で述べる電気二重層コンデンサ116の充電電圧であって、上では説明を省略していたが、処理部112等によって測定を行っている。処理部112の指示に応じて、伝送部113は、上記のような不点発生通知メールのデータを生成し、無線通信モジュール114に所定のプロトコルで送信させる。
【0046】
停電発生通知メールの一例を図30に示す。図30の例では、送信日時、状態通知装置1の電話番号(0806804xxxx)と、停電発生メッセージ(Power downed. Act/Lamp failure. Act)と、点灯数(Lamp=1)と、充電電圧(CV=2.65V)と、実効電流(Arms=0.11A)と、実効電圧(Vrms=3.8V)と、有効電力(AP=1.9W)と、力率(PF=1.00)とを含む。処理部112の指示に応じて、伝送部113は、上記のような停電発生通知メールのデータを生成し、無線通信モジュール114に所定のプロトコルで送信させる。
【0047】
停電復旧通知メールの一例を図31に示す。図31の例では、送信日時、状態通知装置1の電話番号(0806804xxxx)と、復電発生メッセージ(Power downed. Ret)と、点灯数(Lamp=0)と、充電電圧(CV=2.51V)と、実効電流(Arms=0.17A)と、実効電圧(Vrms=74.7V)と、有効電力(AP=4.5W)と、力率(PF=1.00)とを含む。処理部112の指示に応じて、伝送部113は、上記のような停電復旧通知メールのデータを生成し、無線通信モジュール114に所定のプロトコルで送信させる。
【0048】
上で述べたメールの他には、(1)初期設定メール、(2)初期設定完了メール、(3)初期計測完了メール、(4)定期通信メール、(5)コマンドメール、(6)テストメール、(7)リクエストメールが、航空障害灯不点通知システムで処理される。
【0049】
(1)初期設定メールは、状態通知装置1を監視可能な状態に設定するために管理者が管理者端末などから送信するものである。無線通信モジュール114及び伝送部113を介して初期設定メールのデータを受信すると、処理部112は、初期設定を行って監視を開始する。
【0050】
(2)初期設定完了メールは、初期設定メールを受信して、初期設定を完了したことを通知するためのものである。処理部112は、初期設定が完了すると、伝送部113及び無線通信モジュール114に送信させる。
【0051】
(3)初期計測完了メールは、初期計測が完了して、通常の監視モードに移行したことを通知するためものである。処理部112は、初期計測が完了すると、伝送部113及び無線通信モジュール114に送信させる。
【0052】
(4)定期通信メールは、定期的に、状態通知装置1が動作していること、航空障害灯3a乃至3dの状態を通知するためものである。処理部112は、保持している時計に従って、定期的に、測定及び演算結果並びに航空障害灯の点灯状態などを、伝送部113及び無線通信モジュール114に送信させる。
【0053】
(5)コマンドメールは、各種設定を状態通知装置1に行うために管理者が管理者端末などから送信するものである。無線通信モジュール114及び伝送部113を介してコマンドメールのデータを受信すると、処理部112は、コマンドメールのデータに従って各種設定を行う。
【0054】
(6)テストメールは、コマンドメールでTESTコマンドを送信した場合に、処理部112の状態及び無線通信モジュール114の状態などを通知するためのものである。処理部112は、処理部112の状態及び無線通信モジュール114の状態などを、伝送部113及び無線通信モジュール114に送信させる。
【0055】
(7)リクエストメールは、コマンドメールでREQUESTコマンドを送信した場合に、航空障害灯3a乃至3dの点灯状態を通知するためものである。処理部112は、航空障害灯3a乃至3dの点灯状態を、伝送部113及び無線通信モジュール114に送信させる。
【0056】
このようにインターフェースをメールに限定することによって、設定及びメンテナンスなどを簡略化して、コストダウンを図っている。
【0057】
次に電源部115の構成を図32を用いて説明する。電源部115は、平常時において処理部112等に電力供給を行うための平常電源回路1151と、平常時に降圧して電気二重層コンデンサ116に対して充電させるための充電電源回路1152と、停電時に電気二重層コンデンサ116からの放電電圧を昇圧して処理部112等に電力供給を行うためのバックアップ電源回路1153とを有する。
【0058】
平常時においては、平常電源回路1151を介して処理部112などに電力供給がなされると共に、充電電源回路1152を介して電気二重層コンデンサ116に充電を行う。停電時には、自動的に電気二重層コンデンサ116が放電を行って、バックアップ電源回路1153を介して処理部112などに電力供給を行う。
【0059】
本実施の形態では、メンテナンスコストを削減するために、バッテリーではなく、電気二重層コンデンサ116を採用している。電気二重層コンデンサ116を採用することによって、定期的な交換を行わずに済ませることができる。なお、本実施の形態では、停電から復電時まで連続して処理部112など全機能を維持することを目的としてはおらず、停電時に停電通知メールを送信できればよく、送信完了後には機能しなくとも良い。一方で、復電時には急速に充電して再度の停電に即座に対応できることを目的としている。このような目的には、電気二重層コンデンサが適している。
【0060】
電気二重層コンデンサ116の容量は、上でも述べたように停電通知メールを送信し終わるまで機能を維持できるエネルギーを蓄えられるだけの容量があれば足りる。例えば、電気二重層コンデンサ116が蓄積できるエネルギーに変換効率を乗じた値を、必要な電力で除すれば、電力供給可能時間を算出できる。従って、この電力供給可能時間が停電通知メールを送信完了するまでの時間以上であれば問題ない。
【0061】
このような電源回路を採用することによって、簡易に停電及び復電に対応することができる。また、コスト削減も図ることができる。
【0062】
以上本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、処理部112は、プロセッサと、メモリと、プロセッサで実行され且つ上で述べた処理を実施するためのプログラムとを含むが、専用の回路にて実装するようにしても良い。伝送部113についても同様である。
【0063】
メールの内容の一例を図29乃至図31に示したが、一例であってより多くのデータを含むようにしても良いし、必要最小限の通知種別のみを通知するようにしても良い。
【0064】
さらに、今回は必要性が低いためネオン管型の航空障害灯について断線と球切れを区別していないが、例えば力率を考慮すればある程度の確度で区別することはできるため、不点通知メールにおいて、球切れ又は断線の可能性を提示するようにしても良い。
【0065】
また、電気二重層コンデンサと同様の特性を有するコンデンサが存在する場合には、当該コンデンサに置換することも可能である。
【0066】
さらに、携帯電話機は、PHS(Personal Handyphone System)などパケット通信が可能な他の構成をも含むものとする。
【0067】
また、上では航空障害灯が4灯の場合を示しているが、本発明は4灯に限定されるものではなく、上で述べたような方法で適切に閾値を設定できれば灯数に依存するものではない。
【0068】
さらに、電流や電圧を測定する機構についても同様の機能を果たす他の構成を採用するようにしても良い。
【0069】
また、無線通信モジュールを採用する例を示したが、既に有線の通信線が存在するような場所では有線の通信モジュールを用いる場合もある。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の実施の形態における前提(電球型の航空障害灯)を説明するための図である。
【図2】本発明の実施の形態における前提(電球型の航空障害灯)を説明するための図である。
【図3A】本発明の実施の形態における前提(ネオン管型の航空障害灯)を説明するための図である。
【図3B】本発明の実施の形態における前提(ネオン管型の航空障害灯)を説明するための図である。
【図4】本発明の実施の形態における前提(ネオン管型の航空障害灯)を説明するための図である。
【図5】本発明の実施の形態における航空障害灯不点通知システム全体の概要図である。
【図6】状態通知装置の機能ブロック図である。
【図7】本発明の実施の形態における処理フローを示す図である。
【図8】電球型の航空障害灯4灯が点灯している場合における電流及び電圧の波形を表す図である。
【図9】電球型の航空障害灯3灯が点灯し、1灯が不点の場合における電流及び電圧の波形を表す図である。
【図10】電球型の航空障害灯2灯が点灯し、2灯が不点の場合における電流及び電圧の波形を表す図である。
【図11】電球型の航空障害灯1灯が点灯し、3灯が不点の場合における電流及び電圧の波形を表す図である。
【図12】電球型の航空障害灯の点灯状態及び電源電圧状態に応じた各種データを表す図である。
【図13】電球型の航空障害灯の点灯状態及び電源電圧状態に応じた各種データを表す図である。
【図14】ネオン管型の航空障害灯4灯が点灯している場合における電流及び電圧の波形を表す図である。
【図15】ネオン管型の航空障害灯3灯が点灯し、1灯球切れの場合における電流及び電圧の波形を表す図である。
【図16】ネオン管型の航空障害灯2灯が点灯し、2灯球切れの場合における電流及び電圧の波形を表す図である。
【図17】ネオン管型の航空障害灯1灯が点灯し、3灯球切れの場合における電流及び電圧の波形を表す図である。
【図18】ネオン管型の航空障害灯4灯が全て球切れの場合における電流及び電圧の波形を表す図である。
【図19】ネオン管型の航空障害灯3灯が点灯し、1灯断線の場合における電流及び電圧の波形を表す図である。
【図20】ネオン管型の航空障害灯2灯が点灯し、2灯断線の場合における電流及び電圧の波形を表す図である。
【図21】ネオン管型の航空障害灯1灯が点灯し、3灯断線の場合における電流及び電圧の波形を表す図である。
【図22】ネオン管型の航空障害灯の点灯状態(球切れ)及び電源電圧状態に応じた各種データを表す図である。
【図23】ネオン管型の航空障害灯の点灯状態(断線)及び電源電圧状態に応じた各種データを表す図である。
【図24】ネオン管型の航空障害灯の点灯状態(球切れ/断線)及び電源電圧状態に応じた各種データを表す図である。
【図25】電球型の航空障害灯についての不点検出閾値を説明するための図である。
【図26】ネオン管型の航空障害灯について球切れと断線との差を説明するための図である。
【図27】ネオン型の航空障害灯(球切れ)についての不点検出閾値を説明するための図である。
【図28】ネオン型の航空障害灯(断線)についての不点検出閾値を説明するための図である。
【図29】不点発生通知メールの一例を示す図である。
【図30】停電発生通知メールの一例を示す図である。
【図31】停電復旧通知メールの一例を示す図である。
【図32】電源部の機能ブロック図である。
【符号の説明】
【0071】
1 状態通知装置 3a乃至3d 航空障害灯
5 既設分電盤 7 送電鉄塔
9 無線基地局 11 携帯電話網
13 携帯電話機 15 管理者端末
111 センサ部 112 処理部
113 伝送部 114 無線通信モジュール
115 電源部 116 電気二重層コンデンサ
1151 平常電源回路 1152 充電電源回路
1153 バックアップ電源回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空障害灯の停電発生を所定の通知先に対して通知を行う通知手段と、
前記通知を少なくとも1回行うのに必要な電力を蓄積可能な容量を有し、前記航空障害灯に対する通電時に充電を行い、前記航空障害灯の停電時に放電して前記通知手段に対して電力供給を行うコンデンサと、
を有する航空障害灯状態通知装置。
【請求項2】
航空障害灯に供給される電流及び電圧の波形を測定して有効電力を算出する算出手段と、
前記有効電力と閾値とを比較する比較手段と、
をさらに有し、
前記通知手段が、
前記有効電力と前記閾値とが所定の関係を有する場合、当該所定の関係に応じた状態を所定の通知先に通知する
請求項1記載の航空障害灯状態通知装置。
【請求項3】
前記算出手段が、前記航空障害灯に供給される電圧の波形に基づき停電を検出し、前記通知手段に前記停電発生の通知を行わせる
請求項2記載の航空障害灯状態通知装置。
【請求項4】
前記コンデンサが、電気二重層コンデンサである
請求項1記載の航空障害灯状態通知装置。
【請求項5】
前記コンデンサに充電を行う充電電源回路と、
前記航空障害灯の停電時に前記コンデンサから前記通知手段に対して電力供給を行うためのバックアップ電源回路と、
前記通電時に前記通知手段及び必要な回路に電力供給を行う平常電源回路と、
をさらに有する請求項1記載の航空障害灯状態通知装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2008−293776(P2008−293776A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−137708(P2007−137708)
【出願日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(000003687)東京電力株式会社 (2,580)
【出願人】(000232922)日油技研工業株式会社 (67)
【Fターム(参考)】