航続距離表示装置
【課題】現在の運転の状況・仕方で航続可能距離がどの位伸びる運転ができているか否かを知る航続距離表示装置を提供する。
【解決手段】
満充電からの航続距離Dと今回航続可能距離Dmとの和で構成される今回総航続距離Dmtと、前記満充電からの航続距離Dと瞬間電費及びバッテリの残電気量に基づき算出した瞬間航続可能距離Diとの和で構成される瞬間総航続距離Ditと、前記満充電を検出したときに算出される今回総航続距離である過去総航続距離Dpt1と、を比較できるように表示部に表示したので、現在の運転目標の指針を明確にすることができる。
【解決手段】
満充電からの航続距離Dと今回航続可能距離Dmとの和で構成される今回総航続距離Dmtと、前記満充電からの航続距離Dと瞬間電費及びバッテリの残電気量に基づき算出した瞬間航続可能距離Diとの和で構成される瞬間総航続距離Ditと、前記満充電を検出したときに算出される今回総航続距離である過去総航続距離Dpt1と、を比較できるように表示部に表示したので、現在の運転目標の指針を明確にすることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両等の移動体に設けられた表示部に、航続可能距離を表示する航続距離表示装置に関する。
【0002】
移動体は、車両、特に電動車両の他、プラグインハイブリッド車両、さらには、プレジャーボード等に適用することができる。
【背景技術】
【0003】
従来から、車両に設けられた表示部に航続可能距離を表示するようにした航続距離表示装置が提案されている。
【0004】
特許文献1には、残燃料量が所定量以下か否かを判定し、前記残燃料量が前記所定量より多い場合には過去の平均燃費に基づいて航続可能距離を算出して表示する一方、前記残燃料量が前記所定量より少ない場合には前記平均燃費に所定時点毎の瞬時燃費(瞬間燃費)の情報を加えて逐次更新した更新燃費に基づいて航続可能距離を算出して表示する車両用航続可能距離表示方法が開示されている。
【0005】
特許文献2には、表示部の同じ箇所に残燃料量と到達距離(到達可能距離)とが交互に表示される表示方法(表示装置)の他、表示部の同じ箇所に到達距離(到達可能距離)と目的地までの残距離とが交互に表示される表示方法(表示装置)並びに表示部の同じ箇所に瞬時燃費と平均燃費とが交互に表示される自動車の情報の光学式表示方法(表示装置)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特公昭58−38726号公報(第4頁右欄15行〜21行)
【特許文献2】特開2001−236054号公報(図1、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近時、バッテリ(蓄電池)から電力の供給を受ける電動機の動力により走行する電動車両(EV:Electric Vehicle)が提案されている。電動車両は、余剰の深夜電力の利用により個人等で充電できエネルギ費用が抑えられる。エンジン(内燃機関)に比べエネルギ効率が高い等の利点がある。
【0008】
そのような利点がある一方で、エンジンの廃熱が使えないため、暖房時に航続距離が短くなる。バッテリのエネルギ密度が限られるため同一重量あたりの航続距離がエンジン車両より短くなる等の欠点がある。
【0009】
電動車両は、エンジン車両に比較して航続距離が短いため、電動車両の運転者は、現在の運転の状況(例えば、暖房機や空調機の作動非作動状況)、現在の運転の仕方(例えば、ペダルを踏んでの速度制御であるアクセルワーク)で航続可能距離がどの位伸びる運転ができているか否かを知ることを望む(第1の要望という。)。
【0010】
また、電動車両の運転者は、目標とする航続距離に対して、現在の運転の状況、現在の運転の仕方(現在の運転の状況・仕方という。)を継続しても到達できるのか否かを知ることを望む(第2の要望という。)。
【0011】
電動車両では、前記第1及び第2の要望に応えるため、現在の運転目標の指針を明確にする、例えば、計器上に明示することが重要である。
【0012】
しかしながら、上述した特許文献1に係る技術では、過去の平均燃費に瞬間燃費の情報を加えた更新燃費により航続可能距離を算出しているので、航続可能距離の算出値が不確かな値となり、前記第1及び第2の要望に応えることができず、現在の運転目標の指針が明確にならない。
【0013】
また、特許文献2に係る技術では、表示部の同じ箇所に瞬時燃費と平均燃費とが交互に表示される表示方法により、燃費を一目で知ることができるが、具体的に航続可能距離がどの位伸びているか否か、及び目標とする航続距離に対して現在の運転の状況・仕方を継続しても到達できるのか否かを知りたいという前記第1及び第2の要望にはやはり応えることができず、現在の運転目標の指針が明確にならない。
【0014】
この発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、現在の運転目標の指針を明確にすることを可能とする航続距離表示装置を提供することを目的とする。
【0015】
また、この発明は、現在の運転の状況・仕方で航続可能距離がどの位伸びる運転ができているか否かを知ることを可能とする航続距離表示装置を提供することを目的とする。
【0016】
さらに、この発明は、目標とする航続距離に対して、現在の運転の状況・仕方を継続しても到達できるのか否かを知ることを可能とする航続距離表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
この発明に係る航続距離表示装置は、航続距離を算出する航続距離算出部と、バッテリの消費量を算出する消費量算出部と、バッテリの残電気量を算出する残電気量算出部と、バッテリの満充電を検出する満充電検出部と、前記満充電検出部が満充電を検出してから現在までの前記航続距離である満充電からの航続距離と、前記満充電検出部が満充電を検出してから現在までの前記消費量である満充電からの消費量とに基づき、平均電費を算出する平均電費算出部と、前記航続距離の瞬間値と前記消費量の瞬間値とに基づき、瞬間電費を算出する瞬間電費算出部と、前記平均電費と前記残電気量に基づき、今回航続可能距離を算出する今回航続可能距離算出部と、前記瞬間電費と前記残電気量に基づき、瞬間航続可能距離を算出する瞬間航続可能距離算出部と、前記満充電からの航続距離と前記今回航続可能距離の和で構成される今回総航続距離を算出する今回総航続距離算出部と、前記満充電からの航続距離と前記瞬間航続可能距離の和で構成される瞬間総航続距離を算出する瞬間総航続距離算出部と、前記満充電検出部が満充電を検出したときに算出される今回総航続距離を過去総航続距離として記憶する記憶部と、前記今回総航続距離と、前記瞬間総航続距離と、前記過去総航続距離とを比較できるように表示する表示部と、を備えることを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、バッテリの満充電からの航続距離と、前記満充電を検出してから現在までの前記バッテリの消費量である前記満充電からの消費量と、に基づき平均電費を算出し、算出した前記平均電費と前記バッテリの残電気量とに基づき今回航続可能距離を算出する。さらに、算出した今回航続可能距離と、前記バッテリの前記満充電からの前記航続距離と、の和で構成される今回総航続距離を算出する。また、航続距離の瞬間値と前記バッテリの前記消費量の瞬間値とに基づき瞬間電費を算出し、算出した前記瞬間電費と前記バッテリの前記残電気量とに基づき瞬間航続可能距離を算出し、算出した前記瞬間航続可能距離と、前記バッテリの前記満充電からの航続距離と、の和で構成される瞬間総航続距離を算出する。
【0019】
そして、前記満充電からの前記航続距離と前記今回航続可能距離との和で構成される前記今回総航続距離と、前記瞬間電費と前記バッテリの前記残電気量とに基づき算出した前記瞬間航続可能距離と前記満充電からの前記航続距離との和で構成される前記瞬間総航続距離と、前記満充電を検出したときに算出される今回総航続距離である過去総航続距離と、を比較できるように表示部に表示したので、現在の運転の状況・仕方で航続可能距離がどの位伸びる運転ができているか否かを知ることができる。よって、運転者等のユーザは、過去の運転の状況に係る航続距離と現在の運転状況に係る航続距離とを比較することで、現在の運転目標の指針を明確にすることができる。
【0020】
また、この発明に係る航続距離表示装置は、航続距離を算出する航続距離算出部と、バッテリの消費量を算出する消費量算出部と、バッテリの残電気量を算出する残電気量算出部と、バッテリの満充電を検出する満充電検出部と、前記満充電検出部が満充電を検出してから現在までの前記航続距離である満充電からの航続距離と、前記満充電検出部が満充電を検出してから現在までの前記消費量である満充電からの消費量とに基づき、平均電費を算出する平均電費算出部と、前記平均電費と前記残電気量に基づき、今回航続可能距離を算出する今回航続可能距離算出部と、前記満充電からの航続距離と前記今回航続可能距離の和で構成される今回総航続距離を算出する今回総航続距離算出部と、前記満充電検出部が満充電を検出したときに算出される今回総航続距離を過去総航続距離として記憶する記憶部と、前記今回総航続距離と、前記過去総航続距離とを比較できるように表示する表示部と、を備えることを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、バッテリの満充電からの航続距離と、前記満充電を検出してから現在までの前記バッテリの消費量である前記満充電からの消費量と、に基づき平均電費を算出し、算出した前記平均電費と前記バッテリの残電気量とに基づき今回航続可能距離を算出する。さらに、算出した今回航続可能距離と、前記バッテリの前記満充電からの前記航続距離と、の和で構成される今回総航続距離と、前記満充電を検出したときに算出される今回総航続距離である過去総航続距離とを比較できるように表示部に表示したので、現在までの運転の状況、運転の仕方で航続可能距離がどの位伸びる運転ができているか否かを知ることができる。この場合にも、運転者等のユーザは、過去の運転の状況に係る航続距離と現在の運転状況に係る航続距離とを比較することで、現在の運転目標の指針を明確にすることができる。
【0022】
さらに、この発明に係る航続距離表示装置は、航続距離を算出する航続距離算出部と、バッテリの消費量を算出する消費量算出部と、バッテリの残電気量を算出する残電気量算出部と、バッテリの満充電を検出する満充電検出部と、前記満充電検出部が満充電を検出してから現在までの前記航続距離である満充電からの航続距離と、前記満充電検出部が満充電を検出してから現在までの前記消費量である満充電からの消費量とに基づき、平均電費を算出する平均電費算出部と、前記航続距離の瞬間値と前記消費量の瞬間値とに基づき、瞬間電費を算出する瞬間電費算出部と、前記平均電費と前記残電気量に基づき、今回航続可能距離を算出する今回航続可能距離算出部と、前記瞬間電費と前記残電気量に基づき、瞬間航続可能距離を算出する瞬間航続可能距離算出部と、前記満充電からの航続距離と前記今回航続可能距離の和で構成される今回総航続距離を算出する今回総航続距離算出部と、前記満充電からの航続距離と前記瞬間航続可能距離の和で構成される瞬間総航続距離を算出する瞬間総航続距離算出部と、前記満充電検出部が満充電を検出したときに算出される今回総航続距離を過去総航続距離として記憶する記憶部と、前記瞬間総航続距離と、前記過去総航続距離とを比較できるように表示する表示部と、を備えることを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、航続距離の瞬間値とバッテリの消費量の瞬間値とに基づき瞬間電費を算出し、算出した前記瞬間電費と前記バッテリの残電気量とに基づき瞬間航続可能距離を算出し、算出した前記瞬間航続可能距離と、前記バッテリの満充電からの航続距離と、の和で構成される瞬間総航続距離を算出する。また、前記バッテリの前記満充電からの前記航続距離と、前記満充電を検出してから現在までの前記バッテリの消費量である前記満充電からの消費量と、に基づき平均電費を算出し、算出した前記平均電費と前記バッテリの残電気量とに基づき今回航続可能距離を算出し、算出した今回航続可能距離と、前記バッテリの前記満充電からの前記航続距離と、の和で構成される今回総航続距離を算出する。
【0024】
そして、前記満充電を検出したときに算出される今回総航続距離である過去総航続距離と、前記瞬間電費と前記バッテリの前記残電気量とに基づき算出した前記瞬間航続可能距離と前記バッテリの前記満充電からの前記航続距離との和で構成される前記瞬間総航続距離と、を比較できるように表示部に表示したので、現在の運転の状況・仕方で航続可能距離がどの位伸びる運転ができているか否かを知ることができる。この場合においても、運転者等のユーザは、過去の運転の状況に係る航続距離と現在の運転状況に係る航続距離とを比較することで、現在の運転目標の指針を明確にすることができる。
【0025】
上記の各発明に係る航続距離表示装置において、さらに、目的地までの残距離を算出する残距離算出部と、前記今回航続可能距離又は前記瞬間航続可能距離と、前記残距離と、を比較する距離比較部と、を備え、前記表示部は、前記今回航続可能距離、又は前記瞬間航続可能距離が前記残距離より小さい場合は、前記今回航続可能距離、又は前記瞬間航続可能距離を強調表示することを特徴とする。
【0026】
この発明によれば、目標とする航続距離としての目的地までの残距離に対して、現在の運転の仕方を継続しても到達できない場合、すなわち、今回航続可能距離、又は瞬間航続可能距離が前記残距離より小さい場合は、前記今回航続可能距離、又は前記瞬間航続可能距離を強調表示するようにしたので、目標とする航続距離に対して、現在の運転の状況・仕方を継続して到達できるのか否かを瞬時に知ることができる。
【0027】
また、前記表示部は、前記瞬間総航続距離を、前記満充電からの前記航続距離に対応するバー表示と前記瞬間航続可能距離に対応するバー表示とを合わせた第1バー表示で表示し、前記今回総航続距離を、前記満充電からの前記航続距離に対応するバー表示と前記今回航続可能距離に対応するバー表示とを合わせた第2バー表示で表示し、前記過去総航続距離を、第3バー表示で表示し、前記第1〜第3バー表示を画面上に並列的に表示することで、瞬間総航続距離及び今回総航続距離と、過去総航続距離と、を一目で比較することができ、現在の運転目標の指針を明確にすることができる。
【0028】
なお、前記の航続距離表示装置を搭載した電動車両もこの発明に含まれる。この電動車両には、プラグインハイブリッド車両も含まれる。
【発明の効果】
【0029】
この発明によれば、過去総航続距離に対して、現在の運転の仕方に係わる今回総航続距離及び瞬間総航続距離の少なくとも一方を比較できるように表示したので、現在の運転の状況、現在の運転の仕方(現在の運転の状況・仕方)で航続可能距離がどの位伸びる運転ができているか否かを知ることができる。
【0030】
運転者等のユーザは、過去の運転の状況に係る航続距離と現在の運転状況に係る航続距離とを比較することで、現在の運転目標の指針を明確にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】この実施形態の第1実施例に係る航続距離表示装置が搭載された電動車両の模式的平面図である。
【図2】図1例の電動車両の模式的側面図である。
【図3】航続距離表示装置の第1実施例の機能ブロック図である。
【図4】第1実施例の表示例の説明図である。
【図5】航続距離表示装置の利用の仕方の一例の説明図である。
【図6】航続距離表示装置の利用の仕方の他の例の説明図である。
【図7】航続距離表示装置の表示の変形例の説明図である。
【図8】航続距離表示装置の表示の他の変形例の説明図である。
【図9】航続距離表示装置の表示の他の変形例の説明図である。
【図10】第2実施例に係る航続距離表示装置の機能ブロック図である。
【図11】第2実施例の表示例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、この発明の一実施形態ついて図面を参照して説明する。
【0033】
図1は、この実施形態の第1実施例に係る航続距離表示装置10が搭載された電動車両12(移動体)の模式的平面図を示している。
【0034】
図2は、図1の電動車両12の模式的側面図を示している。
【0035】
図1及び図2において、電動車両12の図示しない座席下の床下にはバッテリ14(蓄電装置)が配置されている。電動車両12のダッシュボードロアパネル16より前方のモータルーム18には、基本的には、回転電機(モータ・ジェネレータ)とトランスミッションとを含むモータアセンブリ20(以下、単にモータ20という。)、制御器(ECU)とこの制御器により制御されるインバータとを含む電力変換器22(PCU:Power Control Unit)、バッテリ14の充放電を制御するバッテリECU(Electronic Control Unit)24、及び電動車両12の各種航続距離を算出する航続距離ECU36等が配置されている。
【0036】
モータ20がモータとして機能する力行時には、バッテリ14からの電力が、バッテリECU24、電力変換器22、及びモータ20を通じて動力に変換され、この動力により車軸26を通じて駆動輪である前輪30が回転される。この実施形態において、後輪32は従動輪である。モータ20がジェネレータとして機能する回生時には、モータ20から電力変換器22及びバッテリECU24を通じてバッテリ14が充電される。
【0037】
バッテリECU24は、充電器を含み、電源プラグ34を通じて外部充電スタンドからバッテリ14への充電も制御する。
【0038】
この実施形態において、航続距離表示装置10は、モータ20に設けられた車速パルスセンサ42と、バッテリECU24と、航続距離ECU36と、表示部40と、を含んで構成される。なお、車速パルスセンサ42は、前輪30と後輪32にそれぞれ設けた4個の車輪速パルスセンサにより代替することができる。
【0039】
車速パルスセンサ42、電力変換器22、バッテリECU24、ナビゲーションECU38、及び航続距離ECU36は、通信線44により相互に接続されている。
【0040】
各ECUは、タイマ、センサ及びコンピュータを含み、CPUが各種入力に基づきROM等に記憶されたプログラムを実行することで各種の機能を実現する機能実現部(機能実現手段)としても動作する。
【0041】
図3は、航続距離表示装置10の機能ブロック図を示している。
【0042】
図3において、バッテリECU24は、バッテリ14の所定時間毎(この実施形態では、1秒間毎)の消費量ΔP[Ah]を算出する消費量センサ50と、前記所定時間に同期して満充電電気量Pfull[Ah]と消費量ΔP[Ah]とに基づきバッテリ14の残電気量R[Ah]を算出する残電気量センサ52と、バッテリ14の満充電を検出し満充電検出信号Sfと満充電電気量Pfull[Ah]を出力する満充電検出部54と、を備える。
【0043】
航続距離ECU36は、航続距離算出部60と、瞬間電費算出部62と、平均電費算出部64と、瞬間航続可能距離算出部66と、今回航続可能距離算出部68と、瞬間総航続距離算出部70と、今回総航続距離算出部72と、記憶処理部74と、を備える。
【0044】
航続距離算出部60は、車速パルスセンサ42から供給される車速パルスPsに基づき前記所定時間に同期して所定時間毎(この実施形態では、1秒間毎)の航続距離ΔD[km]を算出するとともに、満充電検出部54が満充電検出信号Sfを検出したときからの航続距離D[km]を前記所定時間に同期して算出する。
【0045】
瞬間電費算出部62は、所定時間毎の航続距離ΔD[km]と所定時間毎の消費量ΔP[Ah]とに基づき瞬間電費Ci[km/Ah]を算出する。
【0046】
平均電費算出部64は、瞬間電費Ci[km/Ah]を平均して平均電費Cm[km/Ah]を算出する。
【0047】
瞬間航続可能距離算出部66は、残電気量R[Ah]と瞬間電費Ci[km/Ah]とに基づき航続可能距離(瞬間航続可能距離という。)Di[km]を算出する。
【0048】
今回航続可能距離算出部68は、残電気量R[km]と平均電費Cm[km/Ah]に基づき航続可能距離(今回航続可能距離という。)Dm[km]を算出する。
【0049】
瞬間総航続距離算出部70は、前回の満充電からの航続距離D[km]と瞬間航続可能距離Di[km]との和で構成される総航続距離(瞬間総航続距離という。)Dit[km]を算出する。
【0050】
今回総航続距離算出部72は、前回の満充電からの航続距離D[km]と今回航続可能距離Dm[km]との和で構成される総航続距離(今回総航続距離という。)Dmt[km]を算出する。
【0051】
記憶処理部74は、記憶部を含み、満充電を検出したときの今回総航続距離Dmt[km]を過去総航続距離Dpt[km]{前回過去総航続距離をDpt1[km]、前々回過去総航続距離をDpt2[km]}として記憶する。
【0052】
表示部40は、過去総航続距離Dpt[km]{この実施形態では、前回過去総航続距離Dpt1[km]と前々回過去総航続距離Dpt2[km]}に対して、現在の運転の仕方に係わる今回総航続距離Dmt[km]及び瞬間総航続距離Dit[km]の少なくとも一方を比較できるように表示する。
【0053】
この実施形態に係る航続距離表示装置10は、基本的には以上のように構成されかつ動作するものであり、次に、詳しい動作について説明する。
【0054】
[第1実施例]
この第1実施例では、航続距離表示装置10は、今回総航続距離Dmt[km]と、瞬間総航続距離Dit[km]と、過去総航続距離Dpt[km]とを、一目で比較できるように表示部40に表示する機能を有する。
【0055】
バッテリECU24に接続された電源プラグ34が、個人の充電スタンドである屋外コンセントあるいは公衆用の充電スタンドである公衆用コンセントに差しこまれると、満充電検出部54は、バッテリ14の温度及びバッテリ14の電圧等を測定する公知の方法により満充電を検出し、バッテリ14の満充電を検出したとき、このときの満充電電気量Pfull[Ah]を満充電検出信号Sfとともに残電気量センサ52に送出する。同時に、満充電検出信号Sfが満充電検出部54から、航続距離算出部60、及び記憶処理部74に送出される。
【0056】
実際上、満充電検出部54から出力される満充電検出信号Sfは、バッテリECU24の内部で残電気量センサ52に送出され、バッテリECU24から通信線44(図1参照)を通じて航続距離ECU36内の航続距離算出部60等に送出されるが、送出経路を特定して説明することが発明の理解上煩雑となるので、以下、特に必要な場合を除き、通信線44等の送出経路については言及しない。
【0057】
満充電検出信号Sfを受領したとき、残電気量センサ52は、残電気量R[Ah]を満充電電気量Rf[Ah]にリセットし(R←Rf;矢線の左側の量が右側の量に置換されるとの意味を表す。)、航続距離算出部60は、満充電からの航続距離D(累積航続距離)をゼロ値にリセットする(D←0)。満充電検出信号Sfを受領したときの記憶処理部74の動作については後述する。
【0058】
満充電の後、電源プラグ34がコンセントから抜かれ、電動車両12が走行(航続)を開始すると、車軸26の回転数に応じた数の車速パルスPsが車速パルスセンサ42から航続距離算出部60に連続的に供給される。
【0059】
航続距離算出部60は、1秒間(所定時間)毎の車速パルスPsの数にタイヤ周囲長を考慮した所定値を掛けることで1秒毎に、1秒間の航続距離ΔD[km]を算出して瞬間電費算出部62に送出するとともに、満充電検出信号Sfを受領したときからの航続距離D[km]を次の(1)式により算出して瞬間総航続距離算出部70及び今回総航続距離算出部72に送出する。
D[km]=ΣΔD …(1)
【0060】
ここで、Σによる累積演算は、1秒毎(所定時間毎)に行われる。航続距離ΔD[km]をn回算出すると、累積演算回数は、n回になる。
【0061】
消費量センサ50は、航続距離ΔD[km]を算出するのに同期して1秒毎にバッテリ14に流れる電流を検出して1秒間の消費量ΔP[Ah]を算出し、瞬間電費算出部62及び残電気量センサ52に送出する。
【0062】
瞬間電費算出部62は、受領した1秒毎の消費量ΔP[Ah]及び1秒毎の航続距離ΔD[km]に基づき瞬間電費Ci[km/Ah]を次の(2)式により算出し、平均電費算出部64に送出する。
Ci[km/Ah]=ΔD/ΔP …(2)
【0063】
換言すれば、瞬間電費算出部62は、航続距離D[km]の瞬間値である1秒毎の航続距離ΔD[km]と消費量Rの瞬間値である1秒毎の消費量ΔP[Ah]とに基づき、瞬間電費Ci[km/Ah]を算出する。
【0064】
平均電費算出部64は、平均電費Cmを次の(3)式により算出して今回航続可能距離算出部68に送出する。
Cm[km/Ah]=(1/n)ΣCi=(1/n)Σ(ΔD/ΔP)
…(3)
【0065】
すなわち、瞬間電費Ci[km/Ah]をn回累積し、累積値ΣCiを累積演算回数nで割って平均電費Cm[km/Ah]を1秒毎に算出する。
【0066】
なお、平均電費算出部64で算出される平均電費Cm[km/Ah]は、点線の矢線の経路で示すように、平均電費算出部64が満充電検出部54から満充電検出信号Sfを受領したときから現在までの航続距離D[km]である満充電からの航続距離D=ΣΔD[km]と、満充電検出部54から満充電検出信号Sfを受領してから現在までの消費量P[Ah]である満充電からの消費量P=ΣΔP[Ah](消費量センサ50が算出している。)と、に基づき、次の(4)式により算出することもできる。
Cm[km/Ah]=D/P=ΣD/ΣP …(4)
【0067】
残電気量センサ52は、消費量センサ50から受領した今回の消費量ΔP[Ah]を前回(1秒前)の残電気量R[Ah]から差し引くことで今回の残電気量R[Ah](R←R−ΔP)を1秒毎に算出し、瞬間航続可能距離算出部66と今回航続可能距離算出部68に送出する。
【0068】
瞬間航続可能距離算出部66は、瞬間電費算出部62により算出された瞬間電費Ci[km/Ah]と、残電気量センサ52により算出された今回の残電気量R[Ah]に基づき、次の(5)式により瞬間航続可能距離Di[km]を1秒毎に算出する。
Di[km]=Ci×R …(5)
【0069】
次に、瞬間総航続距離算出部70は、航続距離算出部60により算出された満充電からの航続距離Dと瞬間航続可能距離算出部66により算出された瞬間航続可能距離Diの和で構成される次の(6)式に示す瞬間総航続距離Ditを1秒毎に算出する。
Dit[km]=D+Di …(6)
【0070】
また、今回航続可能距離算出部68は、平均電費算出部64により算出された平均電費Cmと残電気量センサ52により算出された今回の残電気量Rに基づき、次の(7)式により今回航続可能距離Dm[km]を1秒毎に算出する。
Dm[km]=Cm×R …(7)
【0071】
次いで、今回総航続距離算出部72は、航続距離算出部60により算出された満充電からの航続距離Dと今回航続可能距離算出部68により算出された今回航続可能距離Dmとの和で構成される次の(8)式に示す今回総航続距離Dmtを1秒毎に算出する。
Dmt[km]=D+Dm …(8)
【0072】
記憶処理部74は、満充電検出部54から満充電検出信号Sfを受領したとき、今回総航続距離Dmtを過去総航続距離Dptとして記憶する。過去総航続距離Dpt中、前回の過去総航続距離DptをDpt1(前回総航続距離Dpt1ともいう。)とし、前々回の過去総航続距離DptをDpt2(前々回総航続距離Dpt2ともいう。)として記憶する。満充電検出信号Sfを受領したとき、前々回総航続距離Dpt2が前々々回の過去総航続距離Dpt3(前々々回総航続距離ともいう。)とされ、前回総航続距離Dpt1が前々回総航続距離Dpt2にされ、新たに前回総航続距離Dpt1が記憶される。
【0073】
そして、表示部40は、図4に示すように、画面40a上に、瞬間総航続距離Ditと、今回総航続距離Dmtと、前回総航続距離Dpt1と、前々回総航続距離Dpt2とを比較できるように並列的に表示する。
【0074】
具体的に、瞬間総航続距離Dit(Dit=158[km])は、航続距離10km単位(所定距離単位)に相当する塗りつぶした長方形のブロックを横に並べて表現された満充電から実際に走行した航続距離D(D=48[km])と、航続距離10km単位(所定距離単位)に相当する塗りつぶさない実線の長方形のブロックを横に並べて表現した1秒平均で算出された瞬間航続可能距離Di(Di=110[km])と、を横に並べて表現された値(足した値、合わせた値)のバーの長さで表示(第1バー表示)されている。破線の長方形は、走行していない10km単位(所定距離単位)の距離を表し、0〜300(0、100、200、300)[km]は、フルスケールである。
【0075】
表示部40の画面40aは、この実施形態では、液晶表示画面であり、実際の表示態様では、塗りつぶした長方形のブロックは、黄色で明るく表示され、塗りつぶさない実線の長方形は、白で明るく表示され、破線の長方形は、半透明で表示されている。長方形のブロックの背景色は群青色とされている。文字は、白色又は黄色で表示されている。
【0076】
また、今回総航続距離Dmt(Dmt=183[km])は、航続10km単位に相当する塗りつぶした長方形のブロックを横に並べて表現された満充電から実際に走行した航続距離D(D=48[km])と、航続距離10km単位に相当する塗りつぶさない実線の長方形のブロックを横に並べて表現した1秒平均で算出された今回航続可能距離Dm(Dm=135[km])と、を横に並べて表現された値(足した値、合わせた値)のバーの長さで表示(第2バー表示)されている。
【0077】
前回総航続距離Dpt1(Dpt1=207[km])は、前々回の満充電から前回の満充電までの航続距離D(180[km]<D<190[km])と、前回の満充電直前時での航続可能距離Dm(20[km]<Dm<30[km])と、を横に並べて表現された値(足した値、合わせた値)のバーの長さで表示(第3バー表示)されている。
【0078】
前々回総航続距離Dpt2(Dpt2=213[km])は、前前々回の満充電から前々回の満充電までの航続距離D(160[km]<D<170[km])と、前々回の満充電直前時での航続可能距離Dm(50[km]<Dm<60[km])と、を横に並べて表現された値(足した値、合わせた値)のバーの長さで表示されている。
【0079】
図5は、図4の画面40aの再掲図である(図4の画面40aから図面中の説明を一部省略している。)。図5の表示部40の画面40aから、運転者は、瞬間総航続距離Dit=158[km]のバー表示が今回総航続距離Dmt=183[km]のバー表示より短いので、瞬間総航続距離Ditにより判断できる現在の運転の状況・仕方では、今回総航続距離Dmtが短くなる(短くなっていく)ことが分かる。逆に言えば、瞬間総航続距離Dit[km]のバー表示が今回総航続距離Dmt[km]のバー表示より長くなるように運転することで、現在の運転の状況・仕方で、今回総航続距離Dmtが伸びる(伸びていく)ことが分かる。
【0080】
また、図5の表示部40の画面40aから、運転者は、今回総航続距離Dmt=183[km]のバー表示と前回総航続距離Dpt1=207[km]のバー表示との長短を比較することで、今回の満充電時における総航続距離Dmtが前回の満充電時における総航続距離Dpt1より伸ばすことができるかどうかが分かる。図5の縦線VLaは、前回総航続距離Dpt1の値(207[km])を示している。この例では、Dmt<Dpt1(今回総航続距離<前回総航続距離)となっているため、今回の満充電からの運転は、前回の満充電からの運転よりも航続距離が悪化する運転であることを認識することができる。
【0081】
したがって、上述したように、瞬間航続距離Ditが前回総航続距離Dpt1より大きくなるような(Dit>Dpt1)運転を心がけ、結果として、今回総航続距離Dmtが前回総航続距離Dpt1より大きくなる(Dmt>Dpt1)ことを目指すように運転することが好ましいことが分かる。つまり、今現在の運転の指針が明確になる。
【0082】
エンジン車両に比較して航続距離が短い電動車両12の運転者は、現在の運転の状況(例えば、暖房機や空調機の作動非作動状況)、現在の運転の仕方(例えば、ペダルを踏んでの速度制御であるアクセルワーク)での航続可能距離、この場合、瞬間航続可能距離Diがどの位伸びる運転ができているか否かを知ることができる。
【0083】
この実施形態によれば、従来は、満充電から次の満充電までの航続距離では比較できなかった電費を、距離で比較することができるようになる。図4の画面40aでは、前回の航続距離Dよりも前々回の航続距離Dが短いが、過去総航続距離Dptは、前回総航続距離Dpt1=207[km]が前々回総航続距離Dpt2=213[km]より短いので、電費では、前々回の方が良かったことが分かる。
【0084】
図6は、表示部40に表示された他の運転の状況・仕方に係る具体例の画面40bを示している。
【0085】
この画面40bは、前回総航続距離Dpt1=207[km]より今回総航続距離Dmt=235[km]が大きい場合(Dpt1<Dmt)を示している。
【0086】
電動車両12が渋滞にはまった場合や、今まで空調機(エアコン)をつけていなかったが空調機をつけ始めた場合等は、瞬間総航続距離Dit=158[km]が、今回総航続距離Dmt=235[km]より短くなる。そのため、この運転状況を続けると、今回総航続距離Dmt=235[km]が徐々に短くなって、前回総航続距離Dpt1=207[km]に近づいていくということが分かる。そして、瞬間総航続距離Dit=158[km]が前回総航続距離Dpt1=207[km]より短いので、今回の満充電から今までの運転の状況・仕方は、節約的で良かったが、これから先も良い状態が続くのではなく、いつかは今回総航続距離Dmtが前回総航続距離Dpt1より短くなるということに気づくことができる。
【0087】
換言すれば、今回総航続距離Dmt=235[km]が前回総航続距離Dpt1=207[km]より大きい場合(Dpt1<Dmt)、今の運転の状況・仕方は、前回の運転の状況・仕方よりも航続距離が長くなる運転をしていたことが分かる。しかし、瞬間総航続距離Dit=158[km]は、前回総航続距離Dpt1=207[km]より短いため、今の瞬間総航続距離Dit=158[km]のままの運転を続けていると、最終的には、前回総航続距離Dpt1=207[km]より短くなると気づくので、今回総航続距離Dmt=235[km]が維持できるよう、瞬間総航続距離Dit=158[km]が長くなる運転を目指すことが好ましい運転であるということが分かる。
【0088】
以上説明したように、上述した第1実施例では、航続距離算出部60は、バッテリ14の満充電からの航続距離D=ΣΔD[km]を算出する。消費量センサ50(消費量算出部)は、前記満充電を検出してから現在までのバッテリ14の消費量である前記満充電からの消費量ΣΔP[Ah]を算出する。残電気量センサ52(残電気量算出部)は、満充電時の電気量から消費量ΣΔP[Ah]を差し引くことでバッテリ14の残電気量Rを算出する。満充電検出部54は、バッテリ14の前記満充電を検出する。
【0089】
そして、平均電費算出部64は、満充電検出部54が満充電を検出してから現在までの航続距離である満充電からの航続距離D=ΣΔD[km]と、満充電検出部54が満充電を検出してから現在までの消費量である満充電からの消費量P=ΣΔP[Ah]とに基づき、平均電費Cm[km/Ah]=D/P=ΣΔD/ΣΔPを算出する。
【0090】
また、瞬間電費算出部62は、航続距離の瞬間値である1秒間の航続距離ΔDとバッテリ14の消費量の瞬間値である1秒間の消費量ΔP[Ah]とに基づき瞬間電費Ci[km/Ah]=ΔD/ΔPを算出する。今回航続可能距離算出部68は、平均電費Cm[km/Ah]とバッテリ14の残電気量R[Ah]とに基づき今回航続可能距離Dm[km]=Cm×Rを算出する。また、瞬間航続可能距離算出部66は、航続距離の瞬間値である1秒間の航続距離ΔD[km]と、バッテリ14の消費量の瞬間値である1秒間の消費量ΔP[Ah]と、に基づき瞬間電費Ci[km/Ah]=ΔD/ΔPを算出し、算出した瞬間電費Ciとバッテリ14の残電気量R[Ah]とに基づき瞬間航続可能距離Di[km]=Ci×Rを算出する。
【0091】
さらに、今回総航続距離算出部72は、今回航続可能距離Dm[km]と、バッテリ14の前記満充電からの航続距離ΣΔDと、の和で構成される今回総航続距離Dmt[km]=ΣΔD+Dmを算出する。瞬間総航続距離算出部70は、バッテリ14の前記満充電からの航続距離ΣΔDと、瞬間航続可能距離Di[km]と、の和で構成される瞬間総航続距離Dit[km]=ΣΔD+Diを算出する。
【0092】
そして、記憶処理部74は、満充電検出部54が、前記満充電を検出したときの今回総航続距離Dmt[km]を過去総航続距離Dpt(…,前々回総航続距離Dpt2,前回総航続距路Dpt1)として記憶する。
【0093】
表示部40は、前記満充電からの航続距離ΣΔDと今回航続可能距離Dmとの和で構成される今回総航続距離Dmtと、瞬間電費Ciとバッテリ14の残電気量Rとに基づき算出した瞬間航続可能距離Diと前記満充電からの航続距離D=ΣΔDとの和で構成される瞬間総航続距離Ditと、前記満充電を検出したときに算出される今回総航続距離である過去総航続距離Dptと、を比較できるように画面40a、40bとして表示する。
【0094】
この第1実施例によれば、現在の運転の状況・仕方で航続可能距離(瞬間総航続距離Ditや今回総航続距離Dmt)が、過去総航続距離Dptと比較してどの位伸びる運転ができているか否かを一目で知ることができ、現在の運転目標の指針を明確にすることができる。
【0095】
[第1実施例の変形例1]
この変形例1では、航続距離表示装置10は、瞬間総航続距離Dit[km]と、過去総航続距離Dpt[km]と、を一目で比較できるように表示部40に表示する機能を有する。
【0096】
この変形例1の構成は、第1実施例の構成に比較して、表示部40の構成に係る表示内容のみが異なる。
【0097】
すなわち、変形例1の表示例を図7に示すように、表示部40は、バッテリ14の前記満充電からの航続距離D=ΣΔDと、瞬間電費Ciとバッテリ14の残電気量Rとに基づき算出した瞬間航続可能距離Diと、の和で構成される瞬間総航続距離Ditと、前記満充電を検出したときに算出される今回総航続距離である過去総航続距離Dpt(前回総航続距離Dpt1,前々回総航続距離Dpt2)と、を比較できるように並列に表示する画面40cを表示する。
【0098】
このように、過去総航続距離Dpt(前回総航続距離Dpt1,前々回総航続距離Dpt2)と、瞬間総航続距離Ditと、を比較できるように表示部40の画面40cに表示したので、現在の運転の状況・仕方で航続可能距離がどの位伸びる運転ができているか否かを知ることができ、現在の運転目標の指針を明確にすることができる。
【0099】
[第1実施例の変形例2]
この変形例2では、航続距離表示装置10は、今回総航続距離Dmt[km]と、過去総航続距離Dpt[km]とを、一目で比較できるように表示部40に表示する機能を有する。
【0100】
この変形例2では、第1実施例の構成に対し、瞬間総航続距離Ditの表示の算出に係る構成が削除される。
【0101】
すなわち、航続距離算出部60は、バッテリ14の満充電からの航続距離D=ΣΔD[km]を算出する。消費量センサ50(消費量算出部)は、前記満充電を検出してから現在までのバッテリ14の消費量である前記満充電からの消費量P=ΣΔP[Ah]を算出する。残電気量センサ52(残電気量算出部)は、満充電時の電気量Pfull[Ah]から消費量P=ΣΔP[Ah]を差し引くことでバッテリ14の残電気量R(R=Pfull−P)を算出する。満充電検出部54は、バッテリ14の前記満充電を検出する。
【0102】
そして、平均電費算出部64は、満充電検出部54が満充電を検出してから現在までの航続距離である満充電からの航続距離D[km]=ΣΔDと、満充電検出部54が満充電を検出してから現在までの消費量である満充電からの消費量P[Ah]=ΣΔPとに基づき、平均電費Cm[km/Ah]=D/P=ΣΔD/ΣΔPを算出する。
【0103】
また、今回航続可能距離算出部68は、平均電費Cm[km/Ah]とバッテリ14の残電気量R[Ah]とに基づき今回航続可能距離Dm=Cm×R[km]を算出する。
【0104】
さらに、今回総航続距離算出部72は、今回航続可能距離Dm[km]と、バッテリ14の前記満充電からの航続距離D=ΣΔDと、の和で構成される今回総航続距離Dmt[km]=D+Dm=ΣΔD+Dmを算出する。
【0105】
そして、記憶処理部74は、満充電検出部54が、前記満充電を検出したときの今回総航続距離Dmt[km]を過去総航続距離Dpt(…,前々回総航続距離Dpt2,前回総航続距離Dpt1)として記憶する。
【0106】
表示部40は、図8、図9に示すように、前記満充電からの航続距離D=ΣΔDと今回航続可能距離Dmとの和で構成される今回総航続距離Dmtと、前記満充電を検出したときに算出される今回総航続距離である過去総航続距離Dpt(Dpt1,Dpt2)と、を比較できるように画面40e、40fとして表示する。
【0107】
この変形例2によれば、現在までの運転の状況・仕方で今回総航続距離Dmtが、過去総航続距離Dptと比較してどの位伸びる運転ができているか(図9の画面40f)否か(図8の画面40e)を一目で知ることができ、現在の運転目標を明確にすることができる。
【0108】
[第2実施例]
この第2実施例では、目的地を設定した場合、目的地までの残距離に対して、瞬間航続可能距離Di又は今回航続可能距離Dmが不足した場合には、表示バーの色を変化させる等の強調表示をして、これまでの運転の仕方では目的地に到達できないことを運転者等が簡単に認識できるようにする。
【0109】
図10は、第2実施例に係る航続距離表示装置10Aの構成を示している。この航続距離表示装置10Aは、モータ20に設けられた車速パルスセンサ42と、バッテリECU24と、新たに距離比較部76を含む航続距離ECU36Aと、表示部40と、の他、ナビゲーション装置ECU38を含んで構成される。ナビゲーションECU38と表示部40とは、表示部を共通として一体的にナビゲーション装置として構成してもよく、表示部40をナビゲーション装置とは別体(航続距離表示計)に構成してもよい。
【0110】
ナビゲーションECU38は、図示しない入力装置、例えばタッチパネルを含むキーボード等により設定された目的地と、図示しない現在地検出手段(例えばGPS測位装置)により検出される現在地とに基づき道路地図データ記憶部56に記憶されている道路地図データを参照して、現在地から目的地までの残距離Dr[km]を算出する残距離算出部58を備える。
【0111】
距離比較部76は、瞬間航続可能距離Di[km]と残距離Dr[km]又は今回航続可能距離Dm[km]と残距離Dr[km]を比較し比較結果Sc(比較結果データ)を出力する。
【0112】
表示部40は、航続距離を表示する際に、距離比較部76における今回航続可能距離Dm[km]と残距離Dr[km]との比較結果Scm、及び瞬間航続距離Dit[km]と残距離Dr[km]との比較結果Sciに応じて、残距離Dr[km]より短い今回航続可能距離Dm[km]及び瞬間航続可能距離Dit[km]を強調して表示する。
【0113】
図11は、強調表示の具体例に係る表示部40の画面40gを示している。目的地までの残距離Dr=130[km]に対して、今回航続可能距離Dmは、Dm[km]=Dmt−D=183[km]−48[km]=135[km]であり、ぎりぎり到着する。
【0114】
しかし、瞬間航続可能距離Diは、Di[km]=Dit−D=158[km]−48[km]=110[km]であり、残距離Dr=130[km]に対し不足している。そのため、現状での運転の仕方を継続すると、目的地に到達できない可能性が高い。
【0115】
そこで、この場合には、瞬間航続可能距離Diのバーを構成する長方形ブロックを赤色(図11ではハッチングで示している。)で表示し、現状の運転の状況・仕方では目的地に到達できない可能性が高いことを運転者に認識し易くする。
【0116】
この第2実施例によれば、目標とする航続距離としての目的地までの残距離Drに対して、現在の運転の仕方を継続しても到達できない場合、すなわち、今回航続可能距離Dm、又は瞬間航続可能距離Diが残距離Drより小さい場合は、今回航続可能距離Dm、又は瞬間航続可能距離Diを強調表示するようにしたので、目標とする航続距離である残距離130[km]に対して、現在の運転の状況・仕方を継続して到達できるのか否かを瞬時に知ることができる。
【0117】
なお、この発明は、上述の実施形態に限らず、この明細書の記載内容に基づき、例えば、図4、図5、図6、図7、図8、図9、図11の表示例において、過去の総航続距離Dptの表示を前回や前々回に限らず、過去の最高値として表示しても良い。具体例としては、前々回総航続距離Dpt2の表示の代わりに、過去の最高値(もっとも航続距離が長い値)に変更して、前回総航続距離Dpt1と過去の総航続距離の最高値を並列的に表示する等、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【符号の説明】
【0118】
10(10A)…航続距離表示装置 12…電動車両
14…バッテリ 20…モータ(モータアセンブリ)
22…電力変換器 24…バッテリECU
36(36A)…航続距離ECU 38…ナビゲーションECU
40…表示部 40a〜40c、40e〜40g…画面
42…車速パルスセンサ
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両等の移動体に設けられた表示部に、航続可能距離を表示する航続距離表示装置に関する。
【0002】
移動体は、車両、特に電動車両の他、プラグインハイブリッド車両、さらには、プレジャーボード等に適用することができる。
【背景技術】
【0003】
従来から、車両に設けられた表示部に航続可能距離を表示するようにした航続距離表示装置が提案されている。
【0004】
特許文献1には、残燃料量が所定量以下か否かを判定し、前記残燃料量が前記所定量より多い場合には過去の平均燃費に基づいて航続可能距離を算出して表示する一方、前記残燃料量が前記所定量より少ない場合には前記平均燃費に所定時点毎の瞬時燃費(瞬間燃費)の情報を加えて逐次更新した更新燃費に基づいて航続可能距離を算出して表示する車両用航続可能距離表示方法が開示されている。
【0005】
特許文献2には、表示部の同じ箇所に残燃料量と到達距離(到達可能距離)とが交互に表示される表示方法(表示装置)の他、表示部の同じ箇所に到達距離(到達可能距離)と目的地までの残距離とが交互に表示される表示方法(表示装置)並びに表示部の同じ箇所に瞬時燃費と平均燃費とが交互に表示される自動車の情報の光学式表示方法(表示装置)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特公昭58−38726号公報(第4頁右欄15行〜21行)
【特許文献2】特開2001−236054号公報(図1、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近時、バッテリ(蓄電池)から電力の供給を受ける電動機の動力により走行する電動車両(EV:Electric Vehicle)が提案されている。電動車両は、余剰の深夜電力の利用により個人等で充電できエネルギ費用が抑えられる。エンジン(内燃機関)に比べエネルギ効率が高い等の利点がある。
【0008】
そのような利点がある一方で、エンジンの廃熱が使えないため、暖房時に航続距離が短くなる。バッテリのエネルギ密度が限られるため同一重量あたりの航続距離がエンジン車両より短くなる等の欠点がある。
【0009】
電動車両は、エンジン車両に比較して航続距離が短いため、電動車両の運転者は、現在の運転の状況(例えば、暖房機や空調機の作動非作動状況)、現在の運転の仕方(例えば、ペダルを踏んでの速度制御であるアクセルワーク)で航続可能距離がどの位伸びる運転ができているか否かを知ることを望む(第1の要望という。)。
【0010】
また、電動車両の運転者は、目標とする航続距離に対して、現在の運転の状況、現在の運転の仕方(現在の運転の状況・仕方という。)を継続しても到達できるのか否かを知ることを望む(第2の要望という。)。
【0011】
電動車両では、前記第1及び第2の要望に応えるため、現在の運転目標の指針を明確にする、例えば、計器上に明示することが重要である。
【0012】
しかしながら、上述した特許文献1に係る技術では、過去の平均燃費に瞬間燃費の情報を加えた更新燃費により航続可能距離を算出しているので、航続可能距離の算出値が不確かな値となり、前記第1及び第2の要望に応えることができず、現在の運転目標の指針が明確にならない。
【0013】
また、特許文献2に係る技術では、表示部の同じ箇所に瞬時燃費と平均燃費とが交互に表示される表示方法により、燃費を一目で知ることができるが、具体的に航続可能距離がどの位伸びているか否か、及び目標とする航続距離に対して現在の運転の状況・仕方を継続しても到達できるのか否かを知りたいという前記第1及び第2の要望にはやはり応えることができず、現在の運転目標の指針が明確にならない。
【0014】
この発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、現在の運転目標の指針を明確にすることを可能とする航続距離表示装置を提供することを目的とする。
【0015】
また、この発明は、現在の運転の状況・仕方で航続可能距離がどの位伸びる運転ができているか否かを知ることを可能とする航続距離表示装置を提供することを目的とする。
【0016】
さらに、この発明は、目標とする航続距離に対して、現在の運転の状況・仕方を継続しても到達できるのか否かを知ることを可能とする航続距離表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
この発明に係る航続距離表示装置は、航続距離を算出する航続距離算出部と、バッテリの消費量を算出する消費量算出部と、バッテリの残電気量を算出する残電気量算出部と、バッテリの満充電を検出する満充電検出部と、前記満充電検出部が満充電を検出してから現在までの前記航続距離である満充電からの航続距離と、前記満充電検出部が満充電を検出してから現在までの前記消費量である満充電からの消費量とに基づき、平均電費を算出する平均電費算出部と、前記航続距離の瞬間値と前記消費量の瞬間値とに基づき、瞬間電費を算出する瞬間電費算出部と、前記平均電費と前記残電気量に基づき、今回航続可能距離を算出する今回航続可能距離算出部と、前記瞬間電費と前記残電気量に基づき、瞬間航続可能距離を算出する瞬間航続可能距離算出部と、前記満充電からの航続距離と前記今回航続可能距離の和で構成される今回総航続距離を算出する今回総航続距離算出部と、前記満充電からの航続距離と前記瞬間航続可能距離の和で構成される瞬間総航続距離を算出する瞬間総航続距離算出部と、前記満充電検出部が満充電を検出したときに算出される今回総航続距離を過去総航続距離として記憶する記憶部と、前記今回総航続距離と、前記瞬間総航続距離と、前記過去総航続距離とを比較できるように表示する表示部と、を備えることを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、バッテリの満充電からの航続距離と、前記満充電を検出してから現在までの前記バッテリの消費量である前記満充電からの消費量と、に基づき平均電費を算出し、算出した前記平均電費と前記バッテリの残電気量とに基づき今回航続可能距離を算出する。さらに、算出した今回航続可能距離と、前記バッテリの前記満充電からの前記航続距離と、の和で構成される今回総航続距離を算出する。また、航続距離の瞬間値と前記バッテリの前記消費量の瞬間値とに基づき瞬間電費を算出し、算出した前記瞬間電費と前記バッテリの前記残電気量とに基づき瞬間航続可能距離を算出し、算出した前記瞬間航続可能距離と、前記バッテリの前記満充電からの航続距離と、の和で構成される瞬間総航続距離を算出する。
【0019】
そして、前記満充電からの前記航続距離と前記今回航続可能距離との和で構成される前記今回総航続距離と、前記瞬間電費と前記バッテリの前記残電気量とに基づき算出した前記瞬間航続可能距離と前記満充電からの前記航続距離との和で構成される前記瞬間総航続距離と、前記満充電を検出したときに算出される今回総航続距離である過去総航続距離と、を比較できるように表示部に表示したので、現在の運転の状況・仕方で航続可能距離がどの位伸びる運転ができているか否かを知ることができる。よって、運転者等のユーザは、過去の運転の状況に係る航続距離と現在の運転状況に係る航続距離とを比較することで、現在の運転目標の指針を明確にすることができる。
【0020】
また、この発明に係る航続距離表示装置は、航続距離を算出する航続距離算出部と、バッテリの消費量を算出する消費量算出部と、バッテリの残電気量を算出する残電気量算出部と、バッテリの満充電を検出する満充電検出部と、前記満充電検出部が満充電を検出してから現在までの前記航続距離である満充電からの航続距離と、前記満充電検出部が満充電を検出してから現在までの前記消費量である満充電からの消費量とに基づき、平均電費を算出する平均電費算出部と、前記平均電費と前記残電気量に基づき、今回航続可能距離を算出する今回航続可能距離算出部と、前記満充電からの航続距離と前記今回航続可能距離の和で構成される今回総航続距離を算出する今回総航続距離算出部と、前記満充電検出部が満充電を検出したときに算出される今回総航続距離を過去総航続距離として記憶する記憶部と、前記今回総航続距離と、前記過去総航続距離とを比較できるように表示する表示部と、を備えることを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、バッテリの満充電からの航続距離と、前記満充電を検出してから現在までの前記バッテリの消費量である前記満充電からの消費量と、に基づき平均電費を算出し、算出した前記平均電費と前記バッテリの残電気量とに基づき今回航続可能距離を算出する。さらに、算出した今回航続可能距離と、前記バッテリの前記満充電からの前記航続距離と、の和で構成される今回総航続距離と、前記満充電を検出したときに算出される今回総航続距離である過去総航続距離とを比較できるように表示部に表示したので、現在までの運転の状況、運転の仕方で航続可能距離がどの位伸びる運転ができているか否かを知ることができる。この場合にも、運転者等のユーザは、過去の運転の状況に係る航続距離と現在の運転状況に係る航続距離とを比較することで、現在の運転目標の指針を明確にすることができる。
【0022】
さらに、この発明に係る航続距離表示装置は、航続距離を算出する航続距離算出部と、バッテリの消費量を算出する消費量算出部と、バッテリの残電気量を算出する残電気量算出部と、バッテリの満充電を検出する満充電検出部と、前記満充電検出部が満充電を検出してから現在までの前記航続距離である満充電からの航続距離と、前記満充電検出部が満充電を検出してから現在までの前記消費量である満充電からの消費量とに基づき、平均電費を算出する平均電費算出部と、前記航続距離の瞬間値と前記消費量の瞬間値とに基づき、瞬間電費を算出する瞬間電費算出部と、前記平均電費と前記残電気量に基づき、今回航続可能距離を算出する今回航続可能距離算出部と、前記瞬間電費と前記残電気量に基づき、瞬間航続可能距離を算出する瞬間航続可能距離算出部と、前記満充電からの航続距離と前記今回航続可能距離の和で構成される今回総航続距離を算出する今回総航続距離算出部と、前記満充電からの航続距離と前記瞬間航続可能距離の和で構成される瞬間総航続距離を算出する瞬間総航続距離算出部と、前記満充電検出部が満充電を検出したときに算出される今回総航続距離を過去総航続距離として記憶する記憶部と、前記瞬間総航続距離と、前記過去総航続距離とを比較できるように表示する表示部と、を備えることを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、航続距離の瞬間値とバッテリの消費量の瞬間値とに基づき瞬間電費を算出し、算出した前記瞬間電費と前記バッテリの残電気量とに基づき瞬間航続可能距離を算出し、算出した前記瞬間航続可能距離と、前記バッテリの満充電からの航続距離と、の和で構成される瞬間総航続距離を算出する。また、前記バッテリの前記満充電からの前記航続距離と、前記満充電を検出してから現在までの前記バッテリの消費量である前記満充電からの消費量と、に基づき平均電費を算出し、算出した前記平均電費と前記バッテリの残電気量とに基づき今回航続可能距離を算出し、算出した今回航続可能距離と、前記バッテリの前記満充電からの前記航続距離と、の和で構成される今回総航続距離を算出する。
【0024】
そして、前記満充電を検出したときに算出される今回総航続距離である過去総航続距離と、前記瞬間電費と前記バッテリの前記残電気量とに基づき算出した前記瞬間航続可能距離と前記バッテリの前記満充電からの前記航続距離との和で構成される前記瞬間総航続距離と、を比較できるように表示部に表示したので、現在の運転の状況・仕方で航続可能距離がどの位伸びる運転ができているか否かを知ることができる。この場合においても、運転者等のユーザは、過去の運転の状況に係る航続距離と現在の運転状況に係る航続距離とを比較することで、現在の運転目標の指針を明確にすることができる。
【0025】
上記の各発明に係る航続距離表示装置において、さらに、目的地までの残距離を算出する残距離算出部と、前記今回航続可能距離又は前記瞬間航続可能距離と、前記残距離と、を比較する距離比較部と、を備え、前記表示部は、前記今回航続可能距離、又は前記瞬間航続可能距離が前記残距離より小さい場合は、前記今回航続可能距離、又は前記瞬間航続可能距離を強調表示することを特徴とする。
【0026】
この発明によれば、目標とする航続距離としての目的地までの残距離に対して、現在の運転の仕方を継続しても到達できない場合、すなわち、今回航続可能距離、又は瞬間航続可能距離が前記残距離より小さい場合は、前記今回航続可能距離、又は前記瞬間航続可能距離を強調表示するようにしたので、目標とする航続距離に対して、現在の運転の状況・仕方を継続して到達できるのか否かを瞬時に知ることができる。
【0027】
また、前記表示部は、前記瞬間総航続距離を、前記満充電からの前記航続距離に対応するバー表示と前記瞬間航続可能距離に対応するバー表示とを合わせた第1バー表示で表示し、前記今回総航続距離を、前記満充電からの前記航続距離に対応するバー表示と前記今回航続可能距離に対応するバー表示とを合わせた第2バー表示で表示し、前記過去総航続距離を、第3バー表示で表示し、前記第1〜第3バー表示を画面上に並列的に表示することで、瞬間総航続距離及び今回総航続距離と、過去総航続距離と、を一目で比較することができ、現在の運転目標の指針を明確にすることができる。
【0028】
なお、前記の航続距離表示装置を搭載した電動車両もこの発明に含まれる。この電動車両には、プラグインハイブリッド車両も含まれる。
【発明の効果】
【0029】
この発明によれば、過去総航続距離に対して、現在の運転の仕方に係わる今回総航続距離及び瞬間総航続距離の少なくとも一方を比較できるように表示したので、現在の運転の状況、現在の運転の仕方(現在の運転の状況・仕方)で航続可能距離がどの位伸びる運転ができているか否かを知ることができる。
【0030】
運転者等のユーザは、過去の運転の状況に係る航続距離と現在の運転状況に係る航続距離とを比較することで、現在の運転目標の指針を明確にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】この実施形態の第1実施例に係る航続距離表示装置が搭載された電動車両の模式的平面図である。
【図2】図1例の電動車両の模式的側面図である。
【図3】航続距離表示装置の第1実施例の機能ブロック図である。
【図4】第1実施例の表示例の説明図である。
【図5】航続距離表示装置の利用の仕方の一例の説明図である。
【図6】航続距離表示装置の利用の仕方の他の例の説明図である。
【図7】航続距離表示装置の表示の変形例の説明図である。
【図8】航続距離表示装置の表示の他の変形例の説明図である。
【図9】航続距離表示装置の表示の他の変形例の説明図である。
【図10】第2実施例に係る航続距離表示装置の機能ブロック図である。
【図11】第2実施例の表示例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、この発明の一実施形態ついて図面を参照して説明する。
【0033】
図1は、この実施形態の第1実施例に係る航続距離表示装置10が搭載された電動車両12(移動体)の模式的平面図を示している。
【0034】
図2は、図1の電動車両12の模式的側面図を示している。
【0035】
図1及び図2において、電動車両12の図示しない座席下の床下にはバッテリ14(蓄電装置)が配置されている。電動車両12のダッシュボードロアパネル16より前方のモータルーム18には、基本的には、回転電機(モータ・ジェネレータ)とトランスミッションとを含むモータアセンブリ20(以下、単にモータ20という。)、制御器(ECU)とこの制御器により制御されるインバータとを含む電力変換器22(PCU:Power Control Unit)、バッテリ14の充放電を制御するバッテリECU(Electronic Control Unit)24、及び電動車両12の各種航続距離を算出する航続距離ECU36等が配置されている。
【0036】
モータ20がモータとして機能する力行時には、バッテリ14からの電力が、バッテリECU24、電力変換器22、及びモータ20を通じて動力に変換され、この動力により車軸26を通じて駆動輪である前輪30が回転される。この実施形態において、後輪32は従動輪である。モータ20がジェネレータとして機能する回生時には、モータ20から電力変換器22及びバッテリECU24を通じてバッテリ14が充電される。
【0037】
バッテリECU24は、充電器を含み、電源プラグ34を通じて外部充電スタンドからバッテリ14への充電も制御する。
【0038】
この実施形態において、航続距離表示装置10は、モータ20に設けられた車速パルスセンサ42と、バッテリECU24と、航続距離ECU36と、表示部40と、を含んで構成される。なお、車速パルスセンサ42は、前輪30と後輪32にそれぞれ設けた4個の車輪速パルスセンサにより代替することができる。
【0039】
車速パルスセンサ42、電力変換器22、バッテリECU24、ナビゲーションECU38、及び航続距離ECU36は、通信線44により相互に接続されている。
【0040】
各ECUは、タイマ、センサ及びコンピュータを含み、CPUが各種入力に基づきROM等に記憶されたプログラムを実行することで各種の機能を実現する機能実現部(機能実現手段)としても動作する。
【0041】
図3は、航続距離表示装置10の機能ブロック図を示している。
【0042】
図3において、バッテリECU24は、バッテリ14の所定時間毎(この実施形態では、1秒間毎)の消費量ΔP[Ah]を算出する消費量センサ50と、前記所定時間に同期して満充電電気量Pfull[Ah]と消費量ΔP[Ah]とに基づきバッテリ14の残電気量R[Ah]を算出する残電気量センサ52と、バッテリ14の満充電を検出し満充電検出信号Sfと満充電電気量Pfull[Ah]を出力する満充電検出部54と、を備える。
【0043】
航続距離ECU36は、航続距離算出部60と、瞬間電費算出部62と、平均電費算出部64と、瞬間航続可能距離算出部66と、今回航続可能距離算出部68と、瞬間総航続距離算出部70と、今回総航続距離算出部72と、記憶処理部74と、を備える。
【0044】
航続距離算出部60は、車速パルスセンサ42から供給される車速パルスPsに基づき前記所定時間に同期して所定時間毎(この実施形態では、1秒間毎)の航続距離ΔD[km]を算出するとともに、満充電検出部54が満充電検出信号Sfを検出したときからの航続距離D[km]を前記所定時間に同期して算出する。
【0045】
瞬間電費算出部62は、所定時間毎の航続距離ΔD[km]と所定時間毎の消費量ΔP[Ah]とに基づき瞬間電費Ci[km/Ah]を算出する。
【0046】
平均電費算出部64は、瞬間電費Ci[km/Ah]を平均して平均電費Cm[km/Ah]を算出する。
【0047】
瞬間航続可能距離算出部66は、残電気量R[Ah]と瞬間電費Ci[km/Ah]とに基づき航続可能距離(瞬間航続可能距離という。)Di[km]を算出する。
【0048】
今回航続可能距離算出部68は、残電気量R[km]と平均電費Cm[km/Ah]に基づき航続可能距離(今回航続可能距離という。)Dm[km]を算出する。
【0049】
瞬間総航続距離算出部70は、前回の満充電からの航続距離D[km]と瞬間航続可能距離Di[km]との和で構成される総航続距離(瞬間総航続距離という。)Dit[km]を算出する。
【0050】
今回総航続距離算出部72は、前回の満充電からの航続距離D[km]と今回航続可能距離Dm[km]との和で構成される総航続距離(今回総航続距離という。)Dmt[km]を算出する。
【0051】
記憶処理部74は、記憶部を含み、満充電を検出したときの今回総航続距離Dmt[km]を過去総航続距離Dpt[km]{前回過去総航続距離をDpt1[km]、前々回過去総航続距離をDpt2[km]}として記憶する。
【0052】
表示部40は、過去総航続距離Dpt[km]{この実施形態では、前回過去総航続距離Dpt1[km]と前々回過去総航続距離Dpt2[km]}に対して、現在の運転の仕方に係わる今回総航続距離Dmt[km]及び瞬間総航続距離Dit[km]の少なくとも一方を比較できるように表示する。
【0053】
この実施形態に係る航続距離表示装置10は、基本的には以上のように構成されかつ動作するものであり、次に、詳しい動作について説明する。
【0054】
[第1実施例]
この第1実施例では、航続距離表示装置10は、今回総航続距離Dmt[km]と、瞬間総航続距離Dit[km]と、過去総航続距離Dpt[km]とを、一目で比較できるように表示部40に表示する機能を有する。
【0055】
バッテリECU24に接続された電源プラグ34が、個人の充電スタンドである屋外コンセントあるいは公衆用の充電スタンドである公衆用コンセントに差しこまれると、満充電検出部54は、バッテリ14の温度及びバッテリ14の電圧等を測定する公知の方法により満充電を検出し、バッテリ14の満充電を検出したとき、このときの満充電電気量Pfull[Ah]を満充電検出信号Sfとともに残電気量センサ52に送出する。同時に、満充電検出信号Sfが満充電検出部54から、航続距離算出部60、及び記憶処理部74に送出される。
【0056】
実際上、満充電検出部54から出力される満充電検出信号Sfは、バッテリECU24の内部で残電気量センサ52に送出され、バッテリECU24から通信線44(図1参照)を通じて航続距離ECU36内の航続距離算出部60等に送出されるが、送出経路を特定して説明することが発明の理解上煩雑となるので、以下、特に必要な場合を除き、通信線44等の送出経路については言及しない。
【0057】
満充電検出信号Sfを受領したとき、残電気量センサ52は、残電気量R[Ah]を満充電電気量Rf[Ah]にリセットし(R←Rf;矢線の左側の量が右側の量に置換されるとの意味を表す。)、航続距離算出部60は、満充電からの航続距離D(累積航続距離)をゼロ値にリセットする(D←0)。満充電検出信号Sfを受領したときの記憶処理部74の動作については後述する。
【0058】
満充電の後、電源プラグ34がコンセントから抜かれ、電動車両12が走行(航続)を開始すると、車軸26の回転数に応じた数の車速パルスPsが車速パルスセンサ42から航続距離算出部60に連続的に供給される。
【0059】
航続距離算出部60は、1秒間(所定時間)毎の車速パルスPsの数にタイヤ周囲長を考慮した所定値を掛けることで1秒毎に、1秒間の航続距離ΔD[km]を算出して瞬間電費算出部62に送出するとともに、満充電検出信号Sfを受領したときからの航続距離D[km]を次の(1)式により算出して瞬間総航続距離算出部70及び今回総航続距離算出部72に送出する。
D[km]=ΣΔD …(1)
【0060】
ここで、Σによる累積演算は、1秒毎(所定時間毎)に行われる。航続距離ΔD[km]をn回算出すると、累積演算回数は、n回になる。
【0061】
消費量センサ50は、航続距離ΔD[km]を算出するのに同期して1秒毎にバッテリ14に流れる電流を検出して1秒間の消費量ΔP[Ah]を算出し、瞬間電費算出部62及び残電気量センサ52に送出する。
【0062】
瞬間電費算出部62は、受領した1秒毎の消費量ΔP[Ah]及び1秒毎の航続距離ΔD[km]に基づき瞬間電費Ci[km/Ah]を次の(2)式により算出し、平均電費算出部64に送出する。
Ci[km/Ah]=ΔD/ΔP …(2)
【0063】
換言すれば、瞬間電費算出部62は、航続距離D[km]の瞬間値である1秒毎の航続距離ΔD[km]と消費量Rの瞬間値である1秒毎の消費量ΔP[Ah]とに基づき、瞬間電費Ci[km/Ah]を算出する。
【0064】
平均電費算出部64は、平均電費Cmを次の(3)式により算出して今回航続可能距離算出部68に送出する。
Cm[km/Ah]=(1/n)ΣCi=(1/n)Σ(ΔD/ΔP)
…(3)
【0065】
すなわち、瞬間電費Ci[km/Ah]をn回累積し、累積値ΣCiを累積演算回数nで割って平均電費Cm[km/Ah]を1秒毎に算出する。
【0066】
なお、平均電費算出部64で算出される平均電費Cm[km/Ah]は、点線の矢線の経路で示すように、平均電費算出部64が満充電検出部54から満充電検出信号Sfを受領したときから現在までの航続距離D[km]である満充電からの航続距離D=ΣΔD[km]と、満充電検出部54から満充電検出信号Sfを受領してから現在までの消費量P[Ah]である満充電からの消費量P=ΣΔP[Ah](消費量センサ50が算出している。)と、に基づき、次の(4)式により算出することもできる。
Cm[km/Ah]=D/P=ΣD/ΣP …(4)
【0067】
残電気量センサ52は、消費量センサ50から受領した今回の消費量ΔP[Ah]を前回(1秒前)の残電気量R[Ah]から差し引くことで今回の残電気量R[Ah](R←R−ΔP)を1秒毎に算出し、瞬間航続可能距離算出部66と今回航続可能距離算出部68に送出する。
【0068】
瞬間航続可能距離算出部66は、瞬間電費算出部62により算出された瞬間電費Ci[km/Ah]と、残電気量センサ52により算出された今回の残電気量R[Ah]に基づき、次の(5)式により瞬間航続可能距離Di[km]を1秒毎に算出する。
Di[km]=Ci×R …(5)
【0069】
次に、瞬間総航続距離算出部70は、航続距離算出部60により算出された満充電からの航続距離Dと瞬間航続可能距離算出部66により算出された瞬間航続可能距離Diの和で構成される次の(6)式に示す瞬間総航続距離Ditを1秒毎に算出する。
Dit[km]=D+Di …(6)
【0070】
また、今回航続可能距離算出部68は、平均電費算出部64により算出された平均電費Cmと残電気量センサ52により算出された今回の残電気量Rに基づき、次の(7)式により今回航続可能距離Dm[km]を1秒毎に算出する。
Dm[km]=Cm×R …(7)
【0071】
次いで、今回総航続距離算出部72は、航続距離算出部60により算出された満充電からの航続距離Dと今回航続可能距離算出部68により算出された今回航続可能距離Dmとの和で構成される次の(8)式に示す今回総航続距離Dmtを1秒毎に算出する。
Dmt[km]=D+Dm …(8)
【0072】
記憶処理部74は、満充電検出部54から満充電検出信号Sfを受領したとき、今回総航続距離Dmtを過去総航続距離Dptとして記憶する。過去総航続距離Dpt中、前回の過去総航続距離DptをDpt1(前回総航続距離Dpt1ともいう。)とし、前々回の過去総航続距離DptをDpt2(前々回総航続距離Dpt2ともいう。)として記憶する。満充電検出信号Sfを受領したとき、前々回総航続距離Dpt2が前々々回の過去総航続距離Dpt3(前々々回総航続距離ともいう。)とされ、前回総航続距離Dpt1が前々回総航続距離Dpt2にされ、新たに前回総航続距離Dpt1が記憶される。
【0073】
そして、表示部40は、図4に示すように、画面40a上に、瞬間総航続距離Ditと、今回総航続距離Dmtと、前回総航続距離Dpt1と、前々回総航続距離Dpt2とを比較できるように並列的に表示する。
【0074】
具体的に、瞬間総航続距離Dit(Dit=158[km])は、航続距離10km単位(所定距離単位)に相当する塗りつぶした長方形のブロックを横に並べて表現された満充電から実際に走行した航続距離D(D=48[km])と、航続距離10km単位(所定距離単位)に相当する塗りつぶさない実線の長方形のブロックを横に並べて表現した1秒平均で算出された瞬間航続可能距離Di(Di=110[km])と、を横に並べて表現された値(足した値、合わせた値)のバーの長さで表示(第1バー表示)されている。破線の長方形は、走行していない10km単位(所定距離単位)の距離を表し、0〜300(0、100、200、300)[km]は、フルスケールである。
【0075】
表示部40の画面40aは、この実施形態では、液晶表示画面であり、実際の表示態様では、塗りつぶした長方形のブロックは、黄色で明るく表示され、塗りつぶさない実線の長方形は、白で明るく表示され、破線の長方形は、半透明で表示されている。長方形のブロックの背景色は群青色とされている。文字は、白色又は黄色で表示されている。
【0076】
また、今回総航続距離Dmt(Dmt=183[km])は、航続10km単位に相当する塗りつぶした長方形のブロックを横に並べて表現された満充電から実際に走行した航続距離D(D=48[km])と、航続距離10km単位に相当する塗りつぶさない実線の長方形のブロックを横に並べて表現した1秒平均で算出された今回航続可能距離Dm(Dm=135[km])と、を横に並べて表現された値(足した値、合わせた値)のバーの長さで表示(第2バー表示)されている。
【0077】
前回総航続距離Dpt1(Dpt1=207[km])は、前々回の満充電から前回の満充電までの航続距離D(180[km]<D<190[km])と、前回の満充電直前時での航続可能距離Dm(20[km]<Dm<30[km])と、を横に並べて表現された値(足した値、合わせた値)のバーの長さで表示(第3バー表示)されている。
【0078】
前々回総航続距離Dpt2(Dpt2=213[km])は、前前々回の満充電から前々回の満充電までの航続距離D(160[km]<D<170[km])と、前々回の満充電直前時での航続可能距離Dm(50[km]<Dm<60[km])と、を横に並べて表現された値(足した値、合わせた値)のバーの長さで表示されている。
【0079】
図5は、図4の画面40aの再掲図である(図4の画面40aから図面中の説明を一部省略している。)。図5の表示部40の画面40aから、運転者は、瞬間総航続距離Dit=158[km]のバー表示が今回総航続距離Dmt=183[km]のバー表示より短いので、瞬間総航続距離Ditにより判断できる現在の運転の状況・仕方では、今回総航続距離Dmtが短くなる(短くなっていく)ことが分かる。逆に言えば、瞬間総航続距離Dit[km]のバー表示が今回総航続距離Dmt[km]のバー表示より長くなるように運転することで、現在の運転の状況・仕方で、今回総航続距離Dmtが伸びる(伸びていく)ことが分かる。
【0080】
また、図5の表示部40の画面40aから、運転者は、今回総航続距離Dmt=183[km]のバー表示と前回総航続距離Dpt1=207[km]のバー表示との長短を比較することで、今回の満充電時における総航続距離Dmtが前回の満充電時における総航続距離Dpt1より伸ばすことができるかどうかが分かる。図5の縦線VLaは、前回総航続距離Dpt1の値(207[km])を示している。この例では、Dmt<Dpt1(今回総航続距離<前回総航続距離)となっているため、今回の満充電からの運転は、前回の満充電からの運転よりも航続距離が悪化する運転であることを認識することができる。
【0081】
したがって、上述したように、瞬間航続距離Ditが前回総航続距離Dpt1より大きくなるような(Dit>Dpt1)運転を心がけ、結果として、今回総航続距離Dmtが前回総航続距離Dpt1より大きくなる(Dmt>Dpt1)ことを目指すように運転することが好ましいことが分かる。つまり、今現在の運転の指針が明確になる。
【0082】
エンジン車両に比較して航続距離が短い電動車両12の運転者は、現在の運転の状況(例えば、暖房機や空調機の作動非作動状況)、現在の運転の仕方(例えば、ペダルを踏んでの速度制御であるアクセルワーク)での航続可能距離、この場合、瞬間航続可能距離Diがどの位伸びる運転ができているか否かを知ることができる。
【0083】
この実施形態によれば、従来は、満充電から次の満充電までの航続距離では比較できなかった電費を、距離で比較することができるようになる。図4の画面40aでは、前回の航続距離Dよりも前々回の航続距離Dが短いが、過去総航続距離Dptは、前回総航続距離Dpt1=207[km]が前々回総航続距離Dpt2=213[km]より短いので、電費では、前々回の方が良かったことが分かる。
【0084】
図6は、表示部40に表示された他の運転の状況・仕方に係る具体例の画面40bを示している。
【0085】
この画面40bは、前回総航続距離Dpt1=207[km]より今回総航続距離Dmt=235[km]が大きい場合(Dpt1<Dmt)を示している。
【0086】
電動車両12が渋滞にはまった場合や、今まで空調機(エアコン)をつけていなかったが空調機をつけ始めた場合等は、瞬間総航続距離Dit=158[km]が、今回総航続距離Dmt=235[km]より短くなる。そのため、この運転状況を続けると、今回総航続距離Dmt=235[km]が徐々に短くなって、前回総航続距離Dpt1=207[km]に近づいていくということが分かる。そして、瞬間総航続距離Dit=158[km]が前回総航続距離Dpt1=207[km]より短いので、今回の満充電から今までの運転の状況・仕方は、節約的で良かったが、これから先も良い状態が続くのではなく、いつかは今回総航続距離Dmtが前回総航続距離Dpt1より短くなるということに気づくことができる。
【0087】
換言すれば、今回総航続距離Dmt=235[km]が前回総航続距離Dpt1=207[km]より大きい場合(Dpt1<Dmt)、今の運転の状況・仕方は、前回の運転の状況・仕方よりも航続距離が長くなる運転をしていたことが分かる。しかし、瞬間総航続距離Dit=158[km]は、前回総航続距離Dpt1=207[km]より短いため、今の瞬間総航続距離Dit=158[km]のままの運転を続けていると、最終的には、前回総航続距離Dpt1=207[km]より短くなると気づくので、今回総航続距離Dmt=235[km]が維持できるよう、瞬間総航続距離Dit=158[km]が長くなる運転を目指すことが好ましい運転であるということが分かる。
【0088】
以上説明したように、上述した第1実施例では、航続距離算出部60は、バッテリ14の満充電からの航続距離D=ΣΔD[km]を算出する。消費量センサ50(消費量算出部)は、前記満充電を検出してから現在までのバッテリ14の消費量である前記満充電からの消費量ΣΔP[Ah]を算出する。残電気量センサ52(残電気量算出部)は、満充電時の電気量から消費量ΣΔP[Ah]を差し引くことでバッテリ14の残電気量Rを算出する。満充電検出部54は、バッテリ14の前記満充電を検出する。
【0089】
そして、平均電費算出部64は、満充電検出部54が満充電を検出してから現在までの航続距離である満充電からの航続距離D=ΣΔD[km]と、満充電検出部54が満充電を検出してから現在までの消費量である満充電からの消費量P=ΣΔP[Ah]とに基づき、平均電費Cm[km/Ah]=D/P=ΣΔD/ΣΔPを算出する。
【0090】
また、瞬間電費算出部62は、航続距離の瞬間値である1秒間の航続距離ΔDとバッテリ14の消費量の瞬間値である1秒間の消費量ΔP[Ah]とに基づき瞬間電費Ci[km/Ah]=ΔD/ΔPを算出する。今回航続可能距離算出部68は、平均電費Cm[km/Ah]とバッテリ14の残電気量R[Ah]とに基づき今回航続可能距離Dm[km]=Cm×Rを算出する。また、瞬間航続可能距離算出部66は、航続距離の瞬間値である1秒間の航続距離ΔD[km]と、バッテリ14の消費量の瞬間値である1秒間の消費量ΔP[Ah]と、に基づき瞬間電費Ci[km/Ah]=ΔD/ΔPを算出し、算出した瞬間電費Ciとバッテリ14の残電気量R[Ah]とに基づき瞬間航続可能距離Di[km]=Ci×Rを算出する。
【0091】
さらに、今回総航続距離算出部72は、今回航続可能距離Dm[km]と、バッテリ14の前記満充電からの航続距離ΣΔDと、の和で構成される今回総航続距離Dmt[km]=ΣΔD+Dmを算出する。瞬間総航続距離算出部70は、バッテリ14の前記満充電からの航続距離ΣΔDと、瞬間航続可能距離Di[km]と、の和で構成される瞬間総航続距離Dit[km]=ΣΔD+Diを算出する。
【0092】
そして、記憶処理部74は、満充電検出部54が、前記満充電を検出したときの今回総航続距離Dmt[km]を過去総航続距離Dpt(…,前々回総航続距離Dpt2,前回総航続距路Dpt1)として記憶する。
【0093】
表示部40は、前記満充電からの航続距離ΣΔDと今回航続可能距離Dmとの和で構成される今回総航続距離Dmtと、瞬間電費Ciとバッテリ14の残電気量Rとに基づき算出した瞬間航続可能距離Diと前記満充電からの航続距離D=ΣΔDとの和で構成される瞬間総航続距離Ditと、前記満充電を検出したときに算出される今回総航続距離である過去総航続距離Dptと、を比較できるように画面40a、40bとして表示する。
【0094】
この第1実施例によれば、現在の運転の状況・仕方で航続可能距離(瞬間総航続距離Ditや今回総航続距離Dmt)が、過去総航続距離Dptと比較してどの位伸びる運転ができているか否かを一目で知ることができ、現在の運転目標の指針を明確にすることができる。
【0095】
[第1実施例の変形例1]
この変形例1では、航続距離表示装置10は、瞬間総航続距離Dit[km]と、過去総航続距離Dpt[km]と、を一目で比較できるように表示部40に表示する機能を有する。
【0096】
この変形例1の構成は、第1実施例の構成に比較して、表示部40の構成に係る表示内容のみが異なる。
【0097】
すなわち、変形例1の表示例を図7に示すように、表示部40は、バッテリ14の前記満充電からの航続距離D=ΣΔDと、瞬間電費Ciとバッテリ14の残電気量Rとに基づき算出した瞬間航続可能距離Diと、の和で構成される瞬間総航続距離Ditと、前記満充電を検出したときに算出される今回総航続距離である過去総航続距離Dpt(前回総航続距離Dpt1,前々回総航続距離Dpt2)と、を比較できるように並列に表示する画面40cを表示する。
【0098】
このように、過去総航続距離Dpt(前回総航続距離Dpt1,前々回総航続距離Dpt2)と、瞬間総航続距離Ditと、を比較できるように表示部40の画面40cに表示したので、現在の運転の状況・仕方で航続可能距離がどの位伸びる運転ができているか否かを知ることができ、現在の運転目標の指針を明確にすることができる。
【0099】
[第1実施例の変形例2]
この変形例2では、航続距離表示装置10は、今回総航続距離Dmt[km]と、過去総航続距離Dpt[km]とを、一目で比較できるように表示部40に表示する機能を有する。
【0100】
この変形例2では、第1実施例の構成に対し、瞬間総航続距離Ditの表示の算出に係る構成が削除される。
【0101】
すなわち、航続距離算出部60は、バッテリ14の満充電からの航続距離D=ΣΔD[km]を算出する。消費量センサ50(消費量算出部)は、前記満充電を検出してから現在までのバッテリ14の消費量である前記満充電からの消費量P=ΣΔP[Ah]を算出する。残電気量センサ52(残電気量算出部)は、満充電時の電気量Pfull[Ah]から消費量P=ΣΔP[Ah]を差し引くことでバッテリ14の残電気量R(R=Pfull−P)を算出する。満充電検出部54は、バッテリ14の前記満充電を検出する。
【0102】
そして、平均電費算出部64は、満充電検出部54が満充電を検出してから現在までの航続距離である満充電からの航続距離D[km]=ΣΔDと、満充電検出部54が満充電を検出してから現在までの消費量である満充電からの消費量P[Ah]=ΣΔPとに基づき、平均電費Cm[km/Ah]=D/P=ΣΔD/ΣΔPを算出する。
【0103】
また、今回航続可能距離算出部68は、平均電費Cm[km/Ah]とバッテリ14の残電気量R[Ah]とに基づき今回航続可能距離Dm=Cm×R[km]を算出する。
【0104】
さらに、今回総航続距離算出部72は、今回航続可能距離Dm[km]と、バッテリ14の前記満充電からの航続距離D=ΣΔDと、の和で構成される今回総航続距離Dmt[km]=D+Dm=ΣΔD+Dmを算出する。
【0105】
そして、記憶処理部74は、満充電検出部54が、前記満充電を検出したときの今回総航続距離Dmt[km]を過去総航続距離Dpt(…,前々回総航続距離Dpt2,前回総航続距離Dpt1)として記憶する。
【0106】
表示部40は、図8、図9に示すように、前記満充電からの航続距離D=ΣΔDと今回航続可能距離Dmとの和で構成される今回総航続距離Dmtと、前記満充電を検出したときに算出される今回総航続距離である過去総航続距離Dpt(Dpt1,Dpt2)と、を比較できるように画面40e、40fとして表示する。
【0107】
この変形例2によれば、現在までの運転の状況・仕方で今回総航続距離Dmtが、過去総航続距離Dptと比較してどの位伸びる運転ができているか(図9の画面40f)否か(図8の画面40e)を一目で知ることができ、現在の運転目標を明確にすることができる。
【0108】
[第2実施例]
この第2実施例では、目的地を設定した場合、目的地までの残距離に対して、瞬間航続可能距離Di又は今回航続可能距離Dmが不足した場合には、表示バーの色を変化させる等の強調表示をして、これまでの運転の仕方では目的地に到達できないことを運転者等が簡単に認識できるようにする。
【0109】
図10は、第2実施例に係る航続距離表示装置10Aの構成を示している。この航続距離表示装置10Aは、モータ20に設けられた車速パルスセンサ42と、バッテリECU24と、新たに距離比較部76を含む航続距離ECU36Aと、表示部40と、の他、ナビゲーション装置ECU38を含んで構成される。ナビゲーションECU38と表示部40とは、表示部を共通として一体的にナビゲーション装置として構成してもよく、表示部40をナビゲーション装置とは別体(航続距離表示計)に構成してもよい。
【0110】
ナビゲーションECU38は、図示しない入力装置、例えばタッチパネルを含むキーボード等により設定された目的地と、図示しない現在地検出手段(例えばGPS測位装置)により検出される現在地とに基づき道路地図データ記憶部56に記憶されている道路地図データを参照して、現在地から目的地までの残距離Dr[km]を算出する残距離算出部58を備える。
【0111】
距離比較部76は、瞬間航続可能距離Di[km]と残距離Dr[km]又は今回航続可能距離Dm[km]と残距離Dr[km]を比較し比較結果Sc(比較結果データ)を出力する。
【0112】
表示部40は、航続距離を表示する際に、距離比較部76における今回航続可能距離Dm[km]と残距離Dr[km]との比較結果Scm、及び瞬間航続距離Dit[km]と残距離Dr[km]との比較結果Sciに応じて、残距離Dr[km]より短い今回航続可能距離Dm[km]及び瞬間航続可能距離Dit[km]を強調して表示する。
【0113】
図11は、強調表示の具体例に係る表示部40の画面40gを示している。目的地までの残距離Dr=130[km]に対して、今回航続可能距離Dmは、Dm[km]=Dmt−D=183[km]−48[km]=135[km]であり、ぎりぎり到着する。
【0114】
しかし、瞬間航続可能距離Diは、Di[km]=Dit−D=158[km]−48[km]=110[km]であり、残距離Dr=130[km]に対し不足している。そのため、現状での運転の仕方を継続すると、目的地に到達できない可能性が高い。
【0115】
そこで、この場合には、瞬間航続可能距離Diのバーを構成する長方形ブロックを赤色(図11ではハッチングで示している。)で表示し、現状の運転の状況・仕方では目的地に到達できない可能性が高いことを運転者に認識し易くする。
【0116】
この第2実施例によれば、目標とする航続距離としての目的地までの残距離Drに対して、現在の運転の仕方を継続しても到達できない場合、すなわち、今回航続可能距離Dm、又は瞬間航続可能距離Diが残距離Drより小さい場合は、今回航続可能距離Dm、又は瞬間航続可能距離Diを強調表示するようにしたので、目標とする航続距離である残距離130[km]に対して、現在の運転の状況・仕方を継続して到達できるのか否かを瞬時に知ることができる。
【0117】
なお、この発明は、上述の実施形態に限らず、この明細書の記載内容に基づき、例えば、図4、図5、図6、図7、図8、図9、図11の表示例において、過去の総航続距離Dptの表示を前回や前々回に限らず、過去の最高値として表示しても良い。具体例としては、前々回総航続距離Dpt2の表示の代わりに、過去の最高値(もっとも航続距離が長い値)に変更して、前回総航続距離Dpt1と過去の総航続距離の最高値を並列的に表示する等、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【符号の説明】
【0118】
10(10A)…航続距離表示装置 12…電動車両
14…バッテリ 20…モータ(モータアセンブリ)
22…電力変換器 24…バッテリECU
36(36A)…航続距離ECU 38…ナビゲーションECU
40…表示部 40a〜40c、40e〜40g…画面
42…車速パルスセンサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
航続距離を算出する航続距離算出部と、
バッテリの消費量を算出する消費量算出部と、
バッテリの残電気量を算出する残電気量算出部と、
バッテリの満充電を検出する満充電検出部と、
前記満充電検出部が満充電を検出してから現在までの前記航続距離である満充電からの航続距離と、前記満充電検出部が満充電を検出してから現在までの前記消費量である満充電からの消費量とに基づき、平均電費を算出する平均電費算出部と、
前記航続距離の瞬間値と前記消費量の瞬間値とに基づき、瞬間電費を算出する瞬間電費算出部と、
前記平均電費と前記残電気量に基づき、今回航続可能距離を算出する今回航続可能距離算出部と、
前記瞬間電費と前記残電気量に基づき、瞬間航続可能距離を算出する瞬間航続可能距離算出部と、
前記満充電からの航続距離と前記今回航続可能距離の和で構成される今回総航続距離を算出する今回総航続距離算出部と、
前記満充電からの航続距離と前記瞬間航続可能距離の和で構成される瞬間総航続距離を算出する瞬間総航続距離算出部と、
前記満充電検出部が満充電を検出したときに算出される今回総航続距離を過去総航続距離として記憶する記憶部と、
前記今回総航続距離と、前記瞬間総航続距離と、前記過去総航続距離とを比較できるように表示する表示部と、
を備えることを特徴とする航続距離表示装置。
【請求項2】
航続距離を算出する航続距離算出部と、
バッテリの消費量を算出する消費量算出部と、
バッテリの残電気量を算出する残電気量算出部と、
バッテリの満充電を検出する満充電検出部と、
前記満充電検出部が満充電を検出してから現在までの前記航続距離である満充電からの航続距離と、前記満充電検出部が満充電を検出してから現在までの前記消費量である満充電からの消費量とに基づき、平均電費を算出する平均電費算出部と、
前記平均電費と前記残電気量に基づき、今回航続可能距離を算出する今回航続可能距離算出部と、
前記満充電からの航続距離と前記今回航続可能距離の和で構成される今回総航続距離を算出する今回総航続距離算出部と、
前記満充電検出部が満充電を検出したときに算出される今回総航続距離を過去総航続距離として記憶する記憶部と、
前記今回総航続距離と、前記過去総航続距離とを比較できるように表示する表示部と、
を備えることを特徴とする航続距離表示装置。
【請求項3】
航続距離を算出する航続距離算出部と、
バッテリの消費量を算出する消費量算出部と、
バッテリの残電気量を算出する残電気量算出部と、
バッテリの満充電を検出する満充電検出部と、
前記満充電検出部が満充電を検出してから現在までの前記航続距離である満充電からの航続距離と、前記満充電検出部が満充電を検出してから現在までの前記消費量である満充電からの消費量とに基づき、平均電費を算出する平均電費算出部と、
前記航続距離の瞬間値と前記消費量の瞬間値とに基づき、瞬間電費を算出する瞬間電費算出部と、
前記平均電費と前記残電気量に基づき、今回航続可能距離を算出する今回航続可能距離算出部と、
前記瞬間電費と前記残電気量に基づき、瞬間航続可能距離を算出する瞬間航続可能距離算出部と、
前記満充電からの航続距離と前記今回航続可能距離の和で構成される今回総航続距離を算出する今回総航続距離算出部と、
前記満充電からの航続距離と前記瞬間航続可能距離の和で構成される瞬間総航続距離を算出する瞬間総航続距離算出部と、
前記満充電検出部が満充電を検出したときに算出される今回総航続距離を過去総航続距離として記憶する記憶部と、
前記瞬間総航続距離と、前記過去総航続距離とを比較できるように表示する表示部と、
を備えることを特徴とする航続距離表示装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の航続距離表示装置において、
目的地までの残距離を算出する残距離算出部と、
前記今回航続可能距離又は前記瞬間航続可能距離と、前記残距離とを比較する距離比較部と、を備え、
前記表示部は、前記今回航続可能距離又は前記瞬間航続可能距離が前記残距離より小さい場合は、前記今回航続可能距離又は前記瞬間航続可能距離を強調表示する
ことを特徴とする航続距離表示装置。
【請求項5】
請求項1記載の航続距離表示装置において、
前記表示部は、
前記瞬間総航続距離を、前記満充電からの前記航続距離に対応するバー表示と、前記瞬間航続可能距離に対応するバー表示と、を合わせた第1バー表示で表示し、
前記今回総航続距離を、前記満充電からの前記航続距離に対応するバー表示と、前記今回航続可能距離に対応するバー表示と、を合わせた第2バー表示で表示し、
前記過去総航続距離を、第3バー表示で表示し、
前記第1〜第3バー表示を画面に並列的に表示する
ことを特徴とする航続距離表示装置。
【請求項1】
航続距離を算出する航続距離算出部と、
バッテリの消費量を算出する消費量算出部と、
バッテリの残電気量を算出する残電気量算出部と、
バッテリの満充電を検出する満充電検出部と、
前記満充電検出部が満充電を検出してから現在までの前記航続距離である満充電からの航続距離と、前記満充電検出部が満充電を検出してから現在までの前記消費量である満充電からの消費量とに基づき、平均電費を算出する平均電費算出部と、
前記航続距離の瞬間値と前記消費量の瞬間値とに基づき、瞬間電費を算出する瞬間電費算出部と、
前記平均電費と前記残電気量に基づき、今回航続可能距離を算出する今回航続可能距離算出部と、
前記瞬間電費と前記残電気量に基づき、瞬間航続可能距離を算出する瞬間航続可能距離算出部と、
前記満充電からの航続距離と前記今回航続可能距離の和で構成される今回総航続距離を算出する今回総航続距離算出部と、
前記満充電からの航続距離と前記瞬間航続可能距離の和で構成される瞬間総航続距離を算出する瞬間総航続距離算出部と、
前記満充電検出部が満充電を検出したときに算出される今回総航続距離を過去総航続距離として記憶する記憶部と、
前記今回総航続距離と、前記瞬間総航続距離と、前記過去総航続距離とを比較できるように表示する表示部と、
を備えることを特徴とする航続距離表示装置。
【請求項2】
航続距離を算出する航続距離算出部と、
バッテリの消費量を算出する消費量算出部と、
バッテリの残電気量を算出する残電気量算出部と、
バッテリの満充電を検出する満充電検出部と、
前記満充電検出部が満充電を検出してから現在までの前記航続距離である満充電からの航続距離と、前記満充電検出部が満充電を検出してから現在までの前記消費量である満充電からの消費量とに基づき、平均電費を算出する平均電費算出部と、
前記平均電費と前記残電気量に基づき、今回航続可能距離を算出する今回航続可能距離算出部と、
前記満充電からの航続距離と前記今回航続可能距離の和で構成される今回総航続距離を算出する今回総航続距離算出部と、
前記満充電検出部が満充電を検出したときに算出される今回総航続距離を過去総航続距離として記憶する記憶部と、
前記今回総航続距離と、前記過去総航続距離とを比較できるように表示する表示部と、
を備えることを特徴とする航続距離表示装置。
【請求項3】
航続距離を算出する航続距離算出部と、
バッテリの消費量を算出する消費量算出部と、
バッテリの残電気量を算出する残電気量算出部と、
バッテリの満充電を検出する満充電検出部と、
前記満充電検出部が満充電を検出してから現在までの前記航続距離である満充電からの航続距離と、前記満充電検出部が満充電を検出してから現在までの前記消費量である満充電からの消費量とに基づき、平均電費を算出する平均電費算出部と、
前記航続距離の瞬間値と前記消費量の瞬間値とに基づき、瞬間電費を算出する瞬間電費算出部と、
前記平均電費と前記残電気量に基づき、今回航続可能距離を算出する今回航続可能距離算出部と、
前記瞬間電費と前記残電気量に基づき、瞬間航続可能距離を算出する瞬間航続可能距離算出部と、
前記満充電からの航続距離と前記今回航続可能距離の和で構成される今回総航続距離を算出する今回総航続距離算出部と、
前記満充電からの航続距離と前記瞬間航続可能距離の和で構成される瞬間総航続距離を算出する瞬間総航続距離算出部と、
前記満充電検出部が満充電を検出したときに算出される今回総航続距離を過去総航続距離として記憶する記憶部と、
前記瞬間総航続距離と、前記過去総航続距離とを比較できるように表示する表示部と、
を備えることを特徴とする航続距離表示装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の航続距離表示装置において、
目的地までの残距離を算出する残距離算出部と、
前記今回航続可能距離又は前記瞬間航続可能距離と、前記残距離とを比較する距離比較部と、を備え、
前記表示部は、前記今回航続可能距離又は前記瞬間航続可能距離が前記残距離より小さい場合は、前記今回航続可能距離又は前記瞬間航続可能距離を強調表示する
ことを特徴とする航続距離表示装置。
【請求項5】
請求項1記載の航続距離表示装置において、
前記表示部は、
前記瞬間総航続距離を、前記満充電からの前記航続距離に対応するバー表示と、前記瞬間航続可能距離に対応するバー表示と、を合わせた第1バー表示で表示し、
前記今回総航続距離を、前記満充電からの前記航続距離に対応するバー表示と、前記今回航続可能距離に対応するバー表示と、を合わせた第2バー表示で表示し、
前記過去総航続距離を、第3バー表示で表示し、
前記第1〜第3バー表示を画面に並列的に表示する
ことを特徴とする航続距離表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−100474(P2012−100474A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−247480(P2010−247480)
【出願日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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